WO2016186156A1 - 清掃用スクイジー装置 - Google Patents

Abstract

清掃用スクイジー装置（１０）は、清掃面（Ｗ）の清掃幅方向に沿って開口部（２４）が形成された支持本体部（２０）と、開口部（２４）の周縁に清掃幅方向に沿って伸びて配置され、弾性体で形成された１対のスクイジー（３０）とスクイジー（４０）と、を備える。１対のスクイジー（３０，４０）の各先端部は、互いに角度を持って配置され、気密状態で接触されるとともに、清掃面（Ｗ）へ押圧されることにより、各先端部の間が開口可能である。

Description

清掃用スクイジー装置

　本発明は、清掃用スクイジー装置に関する。

　構造物の壁面や窓ガラスなどに対する清掃用ツールとして、清掃用スクイジー装置が用いられている。従来の清掃用スクイジー装置は、拭きスクイジーと受けスクイジーの２つのスクイジー機構と、散水機構と、汚水などの回収機構と、を備え、散水し、汚れを拭き取り、汚水などを回収する。例えば、自動壁面清掃装置の清掃ヘッドである清掃用スクイジー装置は、主として、拭きスクイジーと散水機構、及び受けスクイジーと汚水などの回収機構、の２つを組み合わせて構成されている。そして、拭きスクイジーと散水機構には、伸縮（壁面への接近離反）するための駆動機構、及び拭きスクイジーの起伏の駆動機構が設けられている。受けスクイジーと汚水などの回収機構には、伸縮（壁面への接近離反）するための駆動機構が設けられている（特許文献１参照）。

特開２００８－９９８１８号公報

　従来の自動壁面清掃装置の清掃用スクイジーにおいて、拭きスクイジーと受けスクイジーには、それぞれに駆動機構が設けられている。各駆動機構により、拭きスクイジーは、伸縮および起伏され、受けスクイジーは、伸縮される。複数の機構を備えることにより、重量が増大し、装置の小型化、軽量化を図ることができないという問題がある。また、壁面清掃を自動化するためには、各駆動機構を制御する必要があり、制御機構が複雑になるという問題がある。

　本発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたもので、駆動機構を簡素化することにより、装置の小型化、軽量化を図ることができる清掃用スクイジー装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため、本発明にかかる清掃用スクイジー装置は、
　清掃面の清掃幅方向に沿って開口部が形成された支持本体部と、
　前記開口部の周縁に前記清掃幅方向に沿って伸びて配置され、弾性体で形成された１対のスクイジーと、を備え、
　１対の前記スクイジーの各先端部は、互いに角度を持って配置され、気密状態で接触されるとともに、前記清掃面へ押圧されることにより前記各先端部の間が開口可能に構成される、
　ことを特徴とする。

　前記支持本体部には、一対の前記スクイジーの前記各先端部が気密状態で接触されることにより、閉空間が形成されるようにしても良い。

　前記支持本体部には、１対の前記スクイジーの前記各先端部の間から前記清掃面に向けて散水する散水機構が設けられても良い。

　前記支持本体部には、前記閉空間に連通し前記閉空間内から清掃結果物を回収する回収機構が設けられても良い。

　前記清掃用スクイジー装置の１対の前記スクイジーは、前記清掃幅方向と交差する清掃方向前方側が受けスクイジーを構成し、後方側が拭きスクイジーを構成し、
　前記拭きスクイジーは、前記清掃面に対して９０度以下の接触角度に設定されるようにしても良い。

　本発明によれば、駆動機構を簡素化することにより、装置の小型化、軽量化を図ることができる。

本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置の左半分および上側のスクイジーを省略した平面図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を示す図１のＡ－Ａ線に沿う断面図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を示す図１のＢ－Ｂ線に沿う断面図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を、自動壁面清掃装置に適用した概略側面図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を、自動壁面清掃装置に適用した清掃状態の概略側面図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を用いて、左から右方向に清掃する場合の１対のスクイジーの機能の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を用いて、右から左方向に清掃する場合の１対のスクイジーの機能の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る清掃用スクイジー装置を用いて、上下方向に清掃する場合の１対のスクイジーの壁面との接触角度の説明図である。

　以下、本発明の清掃用スクイジー装置の一実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。　
　清掃用スクイジー装置１０は、例えば、建築物の窓ガラスを清掃する自動清掃装置の清掃ヘッドとして用いられる。清掃用スクイジー装置１０は、建築物の屋上から吊り下げられたワイヤロープに沿って昇降される自動清掃装置本体に搭載される。清掃用スクイジー装置１０は、自動清掃装置本体を下降させながら窓ガラスを清掃する場合に用いられる。清掃用スクイジー装置１０の窓ガラスなどに対する清掃方向は、窓ガラスを上から下へ清掃する下降方向に限られない。左から右へ、あるいは右から左への左右方向を清掃方向とすることもできる。

　清掃用スクイジー装置１０は、清掃面Ｗの清掃幅方向Ｘに沿って開口部２４が形成された支持本体部２０と、開口部２４の両側に１対配置されて支持本体部２０に取り付けられ、清掃幅方向Ｘに沿って伸び、弾性体で形成されたスクイジー３０，４０と、を備える。１対のスクイジー３０，４０は各先端部が角度を持って配置され、各先端部は気密状態で接触される。１対のスクイジー３０，４０は、清掃面Ｗへ接近して押圧されることにより、各先端部の間が開口する。
　清掃用スクイジー装置１０のスクイジー３０，４０は、清掃幅方向Ｘと同一方向である水平方向に配置されている。スクイジー３０，４０は、清掃面Ｗである窓ガラスに押し付けられ、上側のスクイジー３０を拭きスクイジーとして機能させ、下側のスクイジー４０を受けスクイジーとして機能させ、清掃方向Ｙである窓ガラスの上から下に向かって移動する。スクイジー３０，４０を備える清掃用スクイジー装置１０は、移動しながら窓ガラスを清掃することになる。清掃方向を左右方向とする場合のスクイジー３０，４０の配置と角度については、後述する（図５参照）。

　支持本体部２０は、清掃面Ｗの清掃幅方向Ｘに沿うベースフレーム２１を備え、清掃幅と略同一の長さを有する。
　ベースフレーム２１の上下には、スクイジー３０，４０を取り付けるためのベース板２２，２３が取り付けられている。ベース板２２，２３は、清掃面Ｗ側に突き出して取り付けられ、横断面形状は略Ｕ字状となっている。これにより、支持本体部２０には、ベースフレーム２１と、上下のベース板２２，２３によって、清掃面Ｗの清掃幅方向Ｘに開口部２４が形成される。
　ベースフレーム２１の内側の上下のベース板２２，２３の間には、補強用のリブフレーム２５が、清掃幅方向Ｘに沿って一定の間隔で配置され、上下のベース板２２，２３の間隔を確保している。
　上下のベース板２２，２３は、スクイジー３０，４０を取り付けるための部材である。上のベース板２２に取り付けたスクイジー３０と、下のベース板２３に取り付けたスクイジー４０とは、所定の角度を持って配置され、それにより、スクイジー３０の先端部とスクイジー４０の先端部とは、気密状態で接触する。例えば、上のベース板２２と下のベース板２３の間の角度が、略３０～６０度となるように設定し、下のベース板２３の先端部のみを上方に曲げ加工する。
　清掃用スクイジー装置１０は、下降しながら清掃するので、清掃方向の後方側となる上のベース板２２を略水平（清掃面に対して９０度以下）に配置する。清掃方向の前方側となる下のベース板２３の先端部は、上方に曲げ加工され、上のベース板２２と下のベース板２３との間の角度が、略３０～６０度となるように設定する。
　支持本体部２０は、ベースフレーム２１と、上下のベース板２２，２３とで横断面形状が略Ｕ字状に形成される。支持本体部２０の左右端部は、サイドプレート２６で塞がれ、それにより閉空間２７が形成される。

　スクイジー３０とスクイジー４０は、ゴムなどの弾性体で形成されている。スクイジー３０とスクイジー４０は、清掃幅に対応した長さを有する板状の部材であり、内側が平面に形成され、先端部の外側が斜面に形成されてテーパ状に尖った状態となっている。スクイジー３０とスクイジー４０は、支持本体部２０の開口部２４の両側（ここでは、上下）に配置されている。
　スクイジー３０には、補強板３１が取り付けられる。補強板３１は、スクイジー３０の上面の、ベース板２２に取り付けられた位置から、清掃幅方向Ｘと直交する前後方向の長さの中間部まで、伸びて取り付けられる。補強板３１によってスクイジー３０を押さえることにより、スクイジー３０が清掃面Ｗに押し当てられたときに生じる弾性反力を安定させながら、拭き取りができる。
　スクイジー４０は、下のベース板２３の折り曲げ部に取り付けられる。スクイジー４０の先端部は、スクイジー３０の先端部と角度をなして接触し、気密状態を形成する。
　スクイジー３０とスクイジー４０は、清掃面Ｗに押し当てられる前の状態では、各先端部同士が接触して気密状態を保持できる。清掃面Ｗに押し付けられた状態では、スクイジー３０とスクイジー４０との間が開口する。スクイジー３０とスクイジー４０との間の開口幅は、スクイジー３０，４０の先端部の形状や、ゴムの弾性力などによっても異なる。例えば、清掃面Ｗへの押し付け代を３ｍｍ程度とした場合に、開口幅が１０ｍｍ程度となるように設定される。
　支持本体部２０の左右端部に設けられたサイドプレート２６は、スクイジー３０とスクイジー４０との先端部より５ｍｍ手前まで伸びた寸法として形成されている。これにより、スクイジー３０とスクイジー４０が清掃面Ｗへ押し付けられたときの押し付け量を一定範囲に保ち、清掃面Ｗへの押し付けすぎを防止する。

　清掃用スクイジー装置１０の支持本体部２０には、清掃面Ｗの清掃幅方向Ｘに沿って開口部２４が形成され、開口部２４の両側（上下）に１対の弾性体で形成されたスクイジー３０とスクイジー４０が配置されて取り付けられている。１対のスクイジー３０，４０は、角度を持って配置され、各々の先端部が気密状態で接触する。１対のスクイジー３０，４０は、清掃面Ｗに接近して押圧されることにより、各々の先端部の間が開口される。清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗである窓ガラスに接触させた後、押し付けることにより、スクイジー３０は、円弧状に弾性変形した上側の拭きスクイジーとして機能する。スクイジー３０の内側角部は、清掃面Ｗに接触し、この状態を保持して下降することにより、清掃面Ｗに付着した汚物などの清掃結果物を掻き落とすことができる。
　上側のスクイジー３０により掻き落とされた清掃結果物は、上下のスクイジー３０，４０の間に形成された開口から、先端部が清掃面Ｗに接触している下側の受けスクイジーとして機能するスクイジー４０に沿って閉空間２７内に回収される。
　清掃面Ｗである窓ガラスの下端まで清掃した後、清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗである窓ガラスから離反させて引き離すことで、上下のスクイジー３０，４０の各先端部の撓みが弾性力で戻り、先端部同士が接触した状態となる。したがって、閉空間２７に回収された清掃結果物が漏れ出すことなく保持される。
　また、上下のスクイジー３０，４０の間に形成された開口を利用して、散水やエアブローなどを行うことができる。したがって、一層拭き残しをなくし、水切りをして清掃度を向上することができる。

　このような清掃用スクイジー装置１０は、散水、拭き上げ、汚水回収などの全ての機能が一体化されて形成されたことにより、自動清掃装置の清掃ヘッドに取り付けて用いたり、清掃用ロボットの先端ツール（エンドエフェクト）として用いたり、作業者が使用するハンドツールとして用いることができる。清掃面Ｗに押し付けて移動しながら清掃することができ、俯仰などの操作を必要とせず、清掃面Ｗから引き離して清掃を終了することができる。

　清掃用スクイジー装置１０には、清掃面Ｗに向けて散水する散水機構５０が設けられている。散水機構５０は、上下のスクイジー３０，４０を清掃面Ｗに押し付けることによって開口した隙間から、清掃面Ｗに散水する。散水機構５０は、散水管５１と、散水孔５２とを備える。散水管５１は、支持本体部２０のベースフレーム２１の前方側（清掃面Ｗ側）に清掃幅方向Ｘに沿って配置される。散水穴５２は、散水管５１に所定間隔で形成される。散水管５１は、リブフレーム２５の先端部に形成されたＵ字状の支持部に挿入されることで、リブフレーム２５に取り付けられる。散水管５１の中間部の２箇所には、角度設定ブロック５３が取り付けられる。角度設定ブロック５３は、散水管５１を取り囲んで配置され、支持本体部２０に固定される。角度設定ブロック５３に装着された散水管５１を、その中心軸回りに回転させ、角度設定ブロック５３の外周側から止めねじ５４で締め付ける。そして、散水穴５２の向きを水平方向に対し、例えば１５～２０度程度上方に角度を設定する。これにより、散水穴５２の角度を、水平方向に対し１５～２０度程度上方に位置する、１対のスクイジー３０，４０により形成された開口に向けて設定することができる。
　散水管５１の端部には、端部に設けたジョイントを介してワンタッチ管継手が連結され、図示しない清掃水供給装置から加圧した清掃水を、散水管５２に供給できる。

　清掃用スクイジー装置１０には、清掃によって生じる汚物や汚水などの清掃結果物を回収する回収機構６０が設けられている。
　回収機構６０は、収容部６１を備える。収容部６１は、回収された汚水などの清掃結果物を収納する閉空間である。収納部６１は、支持本体部２０に形成された閉空間２７と連通し、閉空間２７の後部下方に突き出すように支持本体部２０に取り付けられる。収納部６１は、回収された清掃結果物が入る下部の回収受け部材６２と、回収受け部材６２を支持本体部２０に支持させ、回収受け部材６２の上部を覆って閉空間を形成する回収受けベース板６３と、を備える。回収受け部材６２は、清掃幅の長さに対応して設けられたベースフレーム２１の後部下方に、樋状に設けられている。回収受け部材６２の両端部には、略水平方向の後方に大きく突き出したメンテナンスホール部６４が形成される。メンテナンスホール部６４は、開口するホール部を備え、当該ホール部は、透明のメンテナンスホールカバー６５で塞がれている。メンテナンスカバー６５で塞がれたメンテナンスホール部６４によって、清掃結果物の回収状態などを目視できる。
　メンテナンスホール部６４の後部壁には、管ジョイント６６が連結される。管ジョイント６６を介して、清掃結果物は、収容部６１から自然落差で外部に回収されたり、ポンプなどの図示しない強制吸引装置で吸引して外部に回収できる。回収された汚水は、フィルタなどで浄化して循環使用される。

　清掃用スクイジー装置１０に、散水機構５０および回収機構６０を設けたので、清掃面Ｗに散水して拭き取られた汚物とともに、汚水を回収することができる。
　上下のスクイジー３０，４０を、清掃面Ｗである窓ガラスに押し付けることにより開口を形成する。この開口から、散水機構５０の散水管５１に形成された多数の散水穴５２を介して、清掃面Ｗに清掃水を散水する。この散水と同時に、上側の拭きスクイジー３０により、汚れおよび散水された水を拭き取りながら清掃する。清掃により生じた汚水を、下側の受けスクイジー４０により受け、支持本体部２０の閉空間２７を介して、回収機構６０の収納部６１に回収する。収納部６１に回収された汚水などの清掃結果物は、管ジョイント６６を介して清掃用スクイジー装置１０の外部に排出し、廃水処理をした後、廃棄又は、フィルタなどで浄化して再循環使用される。
　散水して清掃することで、一層確実に清掃することができるとともに、汚水などの清掃結果物を回収することで、清掃結果物が周囲へ飛散するなどの影響を回避して清掃することができる。

　次に、清掃用スクイジー装置１０の清掃方向と、２つのスクイジー３０，４０の配置および角度について、図５、図６により説明する。
　１）２つのスクイジー３０，４０の役割について
　２つのスクイジー３０，４０は、清掃方向によって、拭きスクイジーとして機能するか、受けスクイジーとして機能するか、機能が変化する。
　すなわち、清掃方向の前方側が受けスクイジーを構成し、後方側が拭きスクイジーを構成する。
　既に説明した実施の形態は、清掃方向Ｙを上から下へ下降しながら清掃する場合である。清掃方向の前方側（下側）のスクイジー４０が受けスクイジーを構成し、後方側（上側）のスクイジー３０が拭きスクイジーを構成する。
　清掃方向を左右方向とする場合には、図５に示すように、１対のスクイジー３０，４０が上下方向に沿って配置される。左から右に移動しながら清掃する場合は、清掃方向前方側（右側）のスクイジー４０が受けスクイジーを構成し、後方側（左側）のスクイジー３０が拭きスクイジーを構成する（図５Ａ参照）。
　逆に、右から左に移動しながら清掃する場合は、清掃方向の前方側（左側）のスクイジー４０が受けスクイジーを構成し、後方側（右側）のスクイジー３０が拭きスクイジーを構成する（図５Ｂ参照）。
　拭き取りや汚水などの清掃結果物の回収などの作用は、清掃方向による拭きスクイジーと受けスクイジーの変化により、何ら変化するものでない。

　２）拭きスクイジー３０の清掃面Ｗへの接触角度について
　例えば、図６に示すように、清掃方向を上から下にした場合、拭きスクイジー３０を清掃面Ｗに対して鈍角で接触させる。拭き終わり時に、清掃面Ｗからスクイジー３０を引き離すと、拭きスクイジー３０の先端が撓んだ状態から元に戻るときの戻り軌跡が円弧の頂点を越えるため、頂点を越えた時点でスクイジー３０の先端と清掃面Ｗとは接触しなくなる。このため、スクイジー３０が戻り軌跡の頂点を越えた時点で、スクイジー３０が跳ねるように戻る現象が起こり、清掃面Ｗの完全な拭き取りや水切りができなくなる。
　そのためスクイジー３０の戻り軌跡の頂点と、スクイジー３０による拭き終わり位置と、を少なくとも一致させる必要がある。押し当てたときの清掃方向の後方側の拭きスクイジー３０と、清掃面Ｗとの接触角度は、９０度以下にする必要がある。
　こうすることで、拭きスクイジー３０と清掃面Ｗとの接触を、拭きスクイジー３０の先端が拭き終わり時まで維持し、完全な拭き取りと水切りを行うことができる。
　拭きスクイジー３０と清掃面Ｗとの接触角度は、清掃方向に関係ない。清掃方向の後方のスクイジーとして機能するスクイジーについて、清掃面Ｗに対して９０度以下の接触角度に設定すればよい。

　清掃用スクイジー装置１０を、自動壁面清掃装置の清掃ヘッドとして用いる場合には、図３、図４に示すように、清掃用スクイジー装置は、清掃面Ｗに対して接近離反する往復駆動機構７０を介して設置される。清掃用スクイジー装置１０は、清掃面Ｗに押し付けられた状態を保持して清掃方向に移動され、それにより清掃が行われる。
　清掃用スクイジー装置１０を、清掃用ロボットなどのエンドエフェクトとして使用する場合には、清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗに対して押し付け、押し付けた状態を保持して、予め定めた清掃方向に移動することで清掃が行われる。
　清掃用スクイジー装置１０を、ハンドツールとして作業者が手に持って清掃する場合には、清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗに対して押し付け、押し付けた状態を保持して予め定めた清掃方向に移動することで清掃が行われる。
　いずれの場合も、清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗから引き離すようにして清掃を終了する。
　したがって、これまでのスクイジー装置のように、拭き終わりの際に俯仰操作をする必要がなく、俯仰機構も不要となって装置の小型化、軽量化を図ることができる。

　以上、本実施の形態とともに、具体的に説明したように、本発明の清掃用スクイジー装置１０は、清掃面Ｗの清掃幅方向Ｘに沿って開口部２４が形成された支持本体部２０を備え、開口部２４の両側（上下）に１対の弾性体で形成されたスクイジー３０とスクイジー４０が配置されて、支持本体部２０に取り付けられる。１対のスクイジー３０，４０は、角度を持って配置され、その各先端部が気密状態で接触する。１対のスクイジー３０，４０は、清掃面Ｗへの接近押圧により各先端部間が開口可能である。これにより、清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗである窓ガラスに接触させた後、押し付けることで、上側の拭きスクイジーとなるスクイジー３０は、円弧状に弾性変形し、その内側角部が、清掃面Ｗに接触する。この状態を保持して下降することで、清掃面Ｗに付着した汚物などの清掃結果物を掻き落とすことができる。
　上側のスクイジー３０で掻き落とされた清掃結果物は、上下のスクイジー３０，４０の間に形成された開口から、先端部が清掃面Ｗに接触し、下側の受けスクイジーとなるスクイジー４０に沿って、閉空間２７内に回収することができる。
　清掃面Ｗである窓ガラスの下端まで清掃した後、清掃用スクイジー装置１０を清掃面Ｗである窓ガラスから離反させて引き離すことで、上下のスクイジー３０，４０の先端部の撓みが弾性力で戻り、先端部同士が接触した状態となる。これにより、閉空間２７に回収された清掃結果物を、閉空間２７から漏れ出すことなく保持することができる。
　上下のスクイジー３０，４０の間に形成された開口を利用して、散水やエアブローなどを行うことができので、一層拭き残しをなくし、水切りをして清掃度を向上することができる。
　従来方式では、拭きスクイジー、受けスクイジーとして機能する１対のスクイジー３０，４０が別々に構成され、各々は別の駆動機構により駆動されていたので、ハンドツールへの応用は難しかった。本発明の清掃用スクイジー装置１０は、１対のスクイジー３０，４０が一体化され、清掃面Ｗへの操作が接近離反だけで良いので、装置の小型化、軽量化を図ることができるとともに、清掃用スクイジー装置１０としての応用範囲を大幅に広げることができる。

　清掃用スクイジー装置１０によれば、支持本体部２０は、スクイジー３０，４０の先端部が気密状態で接触されて閉空間２７を形成するので、清掃方向の前方のスクイジーで回収した清掃結果物を、閉空間２７内に保持することができる。

　清掃用スクイジー装置１０によれば、支持本体部２０は、１対のスクイジー３０，４０の間から清掃面Ｗに向けて散水する散水機構５０を備える。従って、散水によって清掃面Ｗを一層確実に清掃することができ、清掃度を向上することができる。清掃後の汚水などを、支持本体部２０と１対のスクイジー３０，４０で形成される閉空間２７に回収することができる。

　清掃用スクイジー装置１０によれば、支持本体部２０は、閉空間２７に連通し、閉空間２７内から清掃結果物を回収する回収機構６０を備えるので、回収機構６０により閉空間２７内から外部に清掃結果物を回収することができる。これにより、閉空間２７の大きさにかかわらず、連続して清掃作業を行うことができる。

　清掃用スクイジー装置１０によれば、１対のスクイジー３０，４０において、清掃幅方向と交差する清掃方向の前方側のスクイジーを受けスクイジーとし、後方側のスクイジーを拭きスクイジーとする。拭きスクイジーは、清掃面Ｗに対して９０度以下の接触角度に設定されて配置されているので、清掃面Ｗを拭きスクイジーで清掃して、受けスクイジーで汚物などの清掃結果物を受け、回収することができる。拭きスクイジーを、清掃面Ｗに対して９０度以下の接触角度として配置したので、拭きはじめから拭き終わりまで、拭きスクイジーを清掃面Ｗに接触させて清掃することができるので、拭き残しが生じることなく清掃することができる。

　本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

　本出願は、２０１５年５月２０日に出願された、日本国特許出願２０１５－１０２６４１号に基づく。本明細書中に日本国特許出願２０１５－１０２６４１号の明細書、特許請求の範囲、及び図面全体を参照として取り込むものとする。

１０　　　　清掃用スクイジー装置
２０　　　　支持本体部
２１　　　　ベースフレーム
２２　　　　上のベース板
２３　　　　下のベース板
２４　　　　開口部
２５　　　　リブフレーム
２６　　　　サイドプレート
２７　　　　閉空間
３０　　　　スクイジー
３１　　　　補強板
４０　　　　スクイジー
５０　　　　散水機構
５１　　　　散水管
５２　　　　散水穴
５３　　　　角度設定ブロック
５４　　　　止めねじ
６０　　　　回収機構
６１　　　　収納部
６２　　　　回収受け部材
６３　　　　回収受けベース板
６４　　　　メンテナンスホール部
６５　　　　メンテナンスホールカバー
６６　　　　管ジョイント
７０　　　　往復駆動機構
Ｗ　　　　　清掃面
Ｘ　　　　　清掃幅方向
Ｙ　　　　　清掃方向

Claims (5)

1. 　清掃面の清掃幅方向に沿って開口部が形成された支持本体部と、
   　前記開口部の周縁に前記清掃幅方向に沿って伸びて配置され、弾性体で形成された１対のスクイジーと、を備え、
   　１対の前記スクイジーの各先端部は、互いに角度を持って配置され、気密状態で接触されるとともに、前記清掃面へ押圧されることにより前記各先端部の間が開口可能に構成される、
   　ことを特徴とする清掃用スクイジー装置。
2. 　前記支持本体部には、１対の前記スクイジーの前記各先端部が気密状態で接触されることにより、閉空間が形成される、
   　ことを特徴とする請求項１に記載の清掃用スクイジー装置。
3. 　前記支持本体部には、１対の前記スクイジーの前記各先端部の間から前記清掃面に向けて散水する散水機構が設けられた、
   　ことを特徴とする請求項２に記載の清掃用スクイジー装置。
4. 　前記支持本体部には、前記閉空間に連通し前記閉空間内から清掃結果物を回収する回収機構が設けられた、
   　ことを特徴とする請求項２または３に記載の清掃用スクイジー装置。
5. 　前記清掃用スクイジー装置の１対の前記スクイジーは、前記清掃幅方向と交差する清掃方向前方側が受けスクイジーを構成し、後方側が拭きスクイジーを構成し、
   　前記拭きスクイジーは、前記清掃面に対して９０度以下の接触角度に設定される、
   　ことを特徴とする請求項１～４のいずれかに記載の清掃用スクイジー装置。

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