WO2016117163A1 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
二重像の発生などを低減できるようにする。 インストルメントパネル(3)の内部に設置されている表示装置(5)の表示(6)を、インストルメントパネル(3)に形成されている開口部(7)を通して、開口部(7)の上方に配設されているコンバイナ(8)に投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ装置(4)に関する。 上記表示装置(5)が、セグメント型表示部(18)とされている。上記セグメント型表示部(18)が、複数の光源(22)と、複数の表示形成部(21)を有する文字板(23)を備えている。 上記コンバイナ(8)に、不透光性の黒色板、または、半透光性の黒色系スモーク板が用いられている。
Description
本件は、ヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。
自動車などの車両に対してヘッドアップディスプレイ装置を取付けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。ヘッドアップディスプレイ装置は、表示装置の表示を前方に投影させるようにしたものである。ヘッドアップディスプレイ装置には、インストルメントパネルの内部に設置された表示装置の表示を、インストルメントパネルに形成された開口部を通して、開口部の上方に配設されたコンバイナに投影させるようにしたものがある。
このようなヘッドアップディスプレイ装置を用いて、運転中の乗員の視界内に情報を表示させることで、乗員は、視線移動や目の焦点調整をほとんど行うことなく表示された情報を得ることができる。
上記したヘッドアップディスプレイ装置には、コンバイナに透明な板を用いたものが存在している。この透明なコンバイナの反射面に対し、高価なハーフミラーや多層膜誘電体などの増反射膜を施すなどして、表面反射率を30%~60%程度とし、半透光性を持たせるようにしている。
また、上記した特許文献1では、表示装置に、複数の表示形成部の点灯・消灯によって複数種類の表示を作り出すようにしたセグメント型表示部を用いるようにしている。
しかし、特許文献1のように、表示装置をセグメント型表示部にして、上記したような透明なコンバイナと組合せた場合に、例えば、二重像が発生するなどの問題を生じていた。二重像は、コンバイナの表面での反射と、コンバイナの裏面での反射がズレて重なることによって生じるものである。よって、コンバイナに二重像を防止するための表面処理を施すなどの対策が必要になり、その分、コストが掛かることになる。また、表示装置をセグメント型表示部とした場合、点灯していないセグメントが点灯しているように見える現象が発生するおそれもある。
そこで、本件は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本件は、
インストルメントパネルの内部に設置されている表示装置の表示を、インストルメントパネルに形成されている開口部を通して、開口部の上方に配設されているコンバイナに投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示装置が、複数の表示形成部の点灯・消灯によって複数種類の表示を作り出せるようにしたセグメント型表示部とされており、
前記セグメント型表示部が、複数の光源と、該複数の光源からの光を透過させるようにした前記複数の表示形成部を有する文字板を備えていると共に、
前記コンバイナに、不透光性の黒色板、または、半透光性の黒色系スモーク板が用いられていることを特徴とする。
インストルメントパネルの内部に設置されている表示装置の表示を、インストルメントパネルに形成されている開口部を通して、開口部の上方に配設されているコンバイナに投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示装置が、複数の表示形成部の点灯・消灯によって複数種類の表示を作り出せるようにしたセグメント型表示部とされており、
前記セグメント型表示部が、複数の光源と、該複数の光源からの光を透過させるようにした前記複数の表示形成部を有する文字板を備えていると共に、
前記コンバイナに、不透光性の黒色板、または、半透光性の黒色系スモーク板が用いられていることを特徴とする。
本件によれば、上記構成によって、二重像の発生などを低減することができる。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1~図7は、この実施の形態を説明するためのものである。
なお、以下の説明で、前後左右は、車両前後方向および車幅方向を基準としている。また、手前側および奥側は、車両前方を向いた乗員を基準としたものである。
図1~図7は、この実施の形態を説明するためのものである。
なお、以下の説明で、前後左右は、車両前後方向および車幅方向を基準としている。また、手前側および奥側は、車両前方を向いた乗員を基準としたものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
図1の後方から見た外観図または図2の断面図に示すように、自動車などの車両には、車室1内の前部に、フロントウインドウガラス2が設けられている。このフロントウインドウガラス2の下方には、インストルメントパネル3が設けられている。
図1の後方から見た外観図または図2の断面図に示すように、自動車などの車両には、車室1内の前部に、フロントウインドウガラス2が設けられている。このフロントウインドウガラス2の下方には、インストルメントパネル3が設けられている。
そして、車両に対して、ヘッドアップディスプレイ装置4を取付ける。このヘッドアップディスプレイ装置4は、表示装置5(図2参照)の表示6を前方に投影させるようにしたものである。
この実施例では、ヘッドアップディスプレイ装置4は、上記したインストルメントパネル3の内部に設置するものとしている。そして、ヘッドアップディスプレイ装置4の内部に設けられた表示装置5の表示6である表示情報をインストルメントパネル3に形成された開口部7(図2参照)を通して、開口部7の上方に配設されたコンバイナ8に投影させるようにする。
ここで、インストルメントパネル3の運転席側の部分には、計器装置などのメータユニット9やステアリングホイールまたはハンドルなどが設置されている。この場合には、右ハンドル車とされているが、左ハンドル車であっても良い。
ヘッドアップディスプレイ装置4は、上記したように、正面を向いて運転している乗員の視界内のメータユニット9よりも高い位置に、運転に必要な情報を表示させるようにしたものである。表示装置5は、情報を表示するための装置であり、例えば、液晶パネルや有機ELパネルなどのように画像を表示できるようにした表示パネルを用いることが可能である。この実施例で使用する表示装置5については後述する。開口部7は、表示装置5の表示6を通すために、インストルメントパネル3の乗員側の部分における、ヘッドアップディスプレイ装置4の設置位置の上部に予め形成される。
コンバイナ8は、表示装置5の表示6を投影させるための反射板である。コンバイナ8は、投影された表示装置5の表示6を、コンバイナ8と表示装置5の間の距離の分だけコンバイナ8の前方側の位置または奥方に虚像を結像させて視認させるものとなっている(図2参照)。なお、コンバイナ8の角度は、表示装置5のほぼ上向きに配置される表示面(図5参照)と、前方に結像されるほぼ縦向きの表示6の中間の角度に設定される。また、表示装置5の表示6は、コンバイナ8に前後反転して投影されることになる。
このヘッドアップディスプレイ装置4は、図3~図5に示すようなものであり、主に、図4の分解斜視図を参照すると、表示装置5を収容するケーシング11と、このケーシング11の上端側の開口に設置される枠状のフィニッシャー12と、このフィニッシャー12の上部に開閉可能に設置される上記コンバイナ8と、ケーシング11の下端側の開口に取付けられるカバー部材13または底部カバーで主に構成されている。ヘッドアップディスプレイ装置4は、インストルメントパネル3の内部に角度31を有して前傾状態で設置される。このようにヘッドアップディスプレイ装置4を前傾配置とすることにより、インストルメントパネル3の内部に下方から上方へ抜ける空気の流れ(図2の矢印x,y参照)が発生されるようになり、ヘッドアップディスプレイ装置4の光源22が発した熱などの放熱性を向上することが期待できる。インストルメントパネル3の内部では、前傾されたヘッドアップディスプレイ装置4の前後のスペースには、空調ダクト39や電子ユニット35などが設置される。
この場合、表示装置5は、ほぼ上向きの真っ直ぐな光路によってコンバイナ8へ表示6を直接投影させるようにするために、上記したようにケーシング11の底部に上向きに設置されている。これにより、ケーシング11内の光路を短くして、ケーシング11の小型化や構造簡略化を図ることができる。ケーシング11は、前後左右の側壁部、即ち、前壁部11a、後壁部、左壁部、右壁部を有する平面視ほぼ横長矩形状の中空筒体などとされる。ケーシング11は、内部に光路を曲げるための反射部や光路屈折部などを有さないものとされる。更に、ケーシング11は、内部に拡大光学系などを設けないようにして、表示装置5の表示6を等倍で結像させ得るようにしている。
コンバイナ8には、フロントウインドウガラス2を利用したもの、例えば、フロントウインドウガラス2下部の黒プリント部分やフロントウインドウガラス2に貼付けた反射膜に表示6を投影させるようにしたものも存在しているが、この場合には、コンバイナ8は、熱に強い樹脂製またはガラス製の平坦な板状のものとして、フロントウインドウガラス2とは別に設けられる。コンバイナ8は、その反射面に、高価なハーフミラーや多層膜誘電体などの増反射膜を施して表面反射率を30%~60%程度に上げるのが一般的である。これに対し、この場合には、増反射膜などを施さないことで表面反射率を低いまま、例えば、7%程度にしている。このコンバイナ8は、ケーシング11内部に設置された開閉駆動装置37によって開閉される。
フィニッシャー12は、ヘッドアップディスプレイ装置4をインストルメントパネル3の開口部7内へ上方から挿入することで、開口部7の縁部を覆い隠すように設置される。そのために、フィニッシャー12は、開口部7よりも一回り大きなものとされると共に、その下面側または下縁部に、インストルメントパネル3の曲面形状に合わせた3次元形状の合わせ部分を有するものとされる。
カバー部材13は、ケーシング11とは別体に設けられて、ケーシング11の底壁部を構成するように設置される。この場合には、カバー部材13は、表示装置5を構成する文字板23や回路基板24やランプハウジング25を一体に組付けた表示ユニットの状態にして、ケーシング11に一度に取付けるものとされている。但し、カバー部材13は、構造的に可能であれば、ケーシング11と一体のものとしても良い。
以上のような全体的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
(1)図4、図5に示すように、上記表示装置5を、複数の表示形成部21、いわゆるセグメントの点灯・消灯によって、複数種類の表示6(図6の表示例参照)を作り出せるようにしたセグメント型表示部18とする。
そして、上記セグメント型表示部18が、複数の光源22(図4参照)と、この複数の光源22からの光を透過させるようにした上記複数の表示形成部21を有する文字板23を備えたものとされる。
更に、図6に示すように、上記コンバイナ8に、不透光性の黒色板、または、半透光性の黒色系スモーク板を用いるようにする。
(1)図4、図5に示すように、上記表示装置5を、複数の表示形成部21、いわゆるセグメントの点灯・消灯によって、複数種類の表示6(図6の表示例参照)を作り出せるようにしたセグメント型表示部18とする。
そして、上記セグメント型表示部18が、複数の光源22(図4参照)と、この複数の光源22からの光を透過させるようにした上記複数の表示形成部21を有する文字板23を備えたものとされる。
更に、図6に示すように、上記コンバイナ8に、不透光性の黒色板、または、半透光性の黒色系スモーク板を用いるようにする。
ここで、図6の表示例に示すように、上記した表示装置5は、数値によって車速やエンジン回転数などを表示可能な数値表示部15や、複数の目盛などによって燃料残量や目標までの距離などを表示可能な目盛表示部16や、矢印などによって走行経路を表示可能な経路表示部17などを有するものとされる。この場合には、表示装置5に、上記したような画像を表示する表示パネルではなく、意図的に、セグメント型表示部18を用いるようにしている(図4、図5参照)。また、セグメント型表示部18またはこれと同等な表示装置5には、蛍光管式のものや、セグメント型液晶パネルやパッシブマトリクス型液晶パネルなどが存在している。この場合には、上記したものと比べて安価となり、また、コストをかけずに輝度を高くできるものとして、セグメント型表示部18に、上記したような、複数の光源22(図4参照)と、複数の表示形成部21を有する文字板23を用いるようにしている。
表示形成部21は、上記した各種の表示6を形成できるようにするために文字板23に複数設けられた光透過部またはセグメントである。表示形成部21は、その表示目的や表示内容に応じて、個別にまたは全体的に無色透明のものとしたり、有色透明のものとしたりすることができる。
例えば、数値表示部15の場合、表示形成部21は、数字の「8」字状に配置された7つのセグメントによって構成された7セグメント型表示器とすることができる。目盛表示部16の場合、表示形成部21は、複数のセグメントを連続してバーグラフ状などに並べることによって構成することができる。例えば、図6の表示例では、例えば、複数の木の葉の図柄にしたセグメントを並べて、省エネ運転状況を示すようにしている。経路表示部17の場合、点や線や矢印状をしたセグメントを適宜配置することによって各種の走行経路を表示可能にしたものとすることができる。この場合、走行経路は、少なくとも、交差点を示す中心の点(第一層表示)と、この交差点を取り囲んで交差点に出入りする前後左右斜めの8本の道路を示す線(第二層表示)と、これらの外側に位置して手前側の自車位置を示す1本の線および進行方向を示す7本の矢印(第三層表示)を有する、三重構造を備えたものとされる。表示形成部21は、上記以外のもの、例えば、漢字やアルファベットによる表記(例えば、km/h)などを含むこともできる。
光源22は、点灯によって複数の表示形成部21をそれぞれ個別に表示させる個別光源とされる。光源22には、例えば、LEDまたは発光ダイオードが用いられる。LEDは、回路基板24に取付けるようにして設置される。
文字板23は、例えば、透明な樹脂製の板に、表示形成部21を残して不透光性の印刷層を形成したものとされる。
そして、表示装置5を、向きの異なる複数の表示面、即ち、文字板23を有するものとしている。この場合には、図4に示すように、文字板23を、第一文字板26と第二文字板27に分けると共に、第一文字板26を、縦向きに表示6を投影させる基準表示面とし、第二文字板27を、基準表示面の表示6に対して、傾斜した表示6を投影させる立体視用傾斜表示面としている。縦向きは、ほぼ上下方向および左右方向へ向いた面の向きのことであるが、必ずしも鉛直方向に向いている必要はなく、見難くならない範囲内で前傾または後傾させても良い。
この場合、基準表示面とされた第一文字板26は、数値表示部15や目盛表示部16を有するものとしている。また、立体視用傾斜表示面とされた第二文字板27は、経路表示部17を有するものとしている。但し、第一文字板26と第二文字板27の表示内容についてはこれに限るものではない。また、第一文字板26を図中右側に配置し、第二文字板27を図中左側に配置しているが、これに限るものではなく、左右反対に設置しても良い。
そして、上記したように向きの異なる複数の表示面を備えることによって、数値表示部15や目盛表示部16を縦向きに投影すると共に、経路表示部17については斜めに傾けてまたは寝かせて投影することができるので、経路表示部17の表示6に、前方に見える実際の道路状況と同じようなリアルな立体感や奥行感を持たせることが可能となり、走行経路を距離などが感覚的に分かり易いものとすることができる。即ち、経路表示部17に、数値表示部15や目盛表示部16とは全く異なった視覚効果を持たせることができ、表示装置の表示を多様化して単調でないものとすることができる。しかも、縦向きの数値表示部15や目盛表示部16に対して、傾斜された経路表示部17が横に並んで表示されるので、両者の対比効果によって、経路表示部17の立体感や奥行感をより一層強調して見せることができる。以って、ヘッドアップディスプレイ装置4の商品価値を高めることができる。
この際、第二文字板27を、第一文字板26に対し、後縁部の位置をほぼ等しくし、前縁部の位置を後縁部の位置よりも高くなるように後傾させることで、走行経路を前傾した状態に寝かせて表示させるようにしている。これにより、走行経路は、前側が後側よりも狭くなったような遠近感を有する形状に変形して投影されることになる。また、上記により、コンバイナ8に対して、第一文字板26と第二文字板27の距離が異なることになるので、前方に投影される第一文字板26の表示6、例えば、数値表示部15や目盛表示部16が奥側となり、第二文字板27の前傾して投影される表示6、例えば、経路表示部17が手前側となるように、両表示6に異なる距離感や奥行感を持たせて見せることができる。
なお、第二文字板27を第一文字板26に対して大きく傾け過ぎると、両者の表示6が干渉して見えなくなる部分が発生するので、第一文字板26または垂直面に対する第二文字板27の傾斜角度は、干渉して見えなくなる部分が気にならない程度に小さくなる所要の角度、例えば、30°±15°程度以内の立体視用傾斜角度に抑えるのが好ましい。
また、経路表示部17を斜めに傾けて投影する場合に、走行経路の手前側または自車側を奥側または進路側よりも光源22の輝度が高くなるようにする、即ち、輝度差を設けることによって、立体感や奥行感を強調することができる。なお、上記したように、表示装置5の表示6は、コンバイナ8に前後反転して投影されるので、表示装置5では、走行経路の手前側は、乗員から見て奥側となり、走行経路の奥側は、乗員から見て手前側となる。輝度差は、高輝度光源22aや低輝度光源などの輝度の異なる光源22を用いるようにしても良いし、輝度が同じ光源22を輝度が異なるように調光して用いても良いし、或いは、これらを組合せるようにしても良い。
更に、第二文字板27上の経路表示部17を、走行経路の手前側または自車側が奥側または進路側よりも太くなるようにする、即ち、線幅差を付けることによって、例えば、遠近法などを使って奥側が手前側よりも細くなるように変形した走行経路の図形を用いることにで、上記した立体感や奥行感をより一層強調することができる。なお、線幅差は、経路表示部17の傾斜に応じたものなどとするのが、自然な遠近感を出す上では好ましい。
ちなみに、第二文字板27による寝かせて投影された経路表示部17は、単に遠近法によって変形した図形を縦向きに投影した経路表示部17とは、実際に見た時の視覚的効果や立体感が全く異なるものとなるのは勿論である。よって、遠近法で変形させた図形については、単独で用いることもできるが、寝かせて投影された経路表示部17に組合せて用いる方がより効果が大きい。
上記に対し、光源22を取付けた回路基板24は、1枚とされている。この回路基板24は第一文字板26やカバー部材13とほぼ平行に設置される。
更に、文字板23や回路基板24などについては、3つ以上に分けて、それぞれ異なる方向へ向けるようにしても良い。
コンバイナ8は、黒色を含むものとされる。黒色板は、光透過率が0%またはこれに近いものとされる。黒色系スモーク板は、無色透明ではないものとされる。
(2)既に上記したが、図4に示すように、上記光源22と文字板23との間に、各光源22からの光を上記各表示形成部21のそれぞれへ導くランプハウジング25が設けられるようにする。
ここで、ランプハウジング25は、回路基板24と文字板23の間に、回路基板24の上面と文字板23の下面とに対してそれぞれ隙間なく密着するようにして設置される。ランプハウジング25には、各光源22ごとに独立した複数の導光用孔部25aが形成される。このランプハウジング25は、例えば、反射率の高い滑らかな表面を有する白色樹脂によって構成される。上記した表示形成部21は、各導光用孔部25aと合致する位置に形成される。
なお、文字板23を第一文字板26と第二文字板27、またはそれ以上に分けた場合、上記したランプハウジング25の上面も、第一文字板26や第二文字板27などのそれぞれに合わせた別々の当接面28,29または傾斜面部を有するものとされる。
(3)上記光源22に、白色LED22bを用いるようにする。
ここで、白色LED22bは、例えば、青色LEDの光を黄色の蛍光体に通すことで、蛍光体で変換されなかった青色の光と変換された黄色の光とを合成して、白色を作り出すようにしたものなどとされる。但し、白色LED22bは、上記以外のものとしても良い。この場合には、第一文字板26の数値表示部15に対して白色LED22bを用いるようにしている。白色LED22bを用いる部分では、文字板23の表示形成部21は、無色透明とするのが好ましい。
(4)上記光源22に、RGBフルカラーLED22cを用いるようにする。
ここで、RGBフルカラーLED22cは、RGB3色のLEDを1つのパッケージにまとめて、フルカラーを出せるようにしたものである。この場合には、少なくとも、第一文字板26の目盛表示部16や第二文字板27の経路表示部17などにRGBフルカラーLED22cを用いるようにしている。RGBフルカラーLED22cを用いる部分では、文字板23の表示形成部21は、無色透明とするのが好ましい。
なお、白色LED22bとRGBフルカラーLED22cとは、表示6の種類などに応じて適宜混在して使用することが可能である。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
この実施例のヘッドアップディスプレイ装置4は、表示装置5の表示6を、インストルメントパネル3に形成された開口部7を通して、開口部7の上方に配設されたコンバイナ8に投影させ、コンバイナ8の前方に虚像を結像させることで、乗員に表示6を視認させるようになっている。
このように、ヘッドアップディスプレイ装置4を用いて、運転中の乗員の視界内に情報を表示させることで、乗員は、視線移動や目の焦点調整をほとんど行うことなく表示された情報を得ることができる。
このように、ヘッドアップディスプレイ装置4を用いて、運転中の乗員の視界内に情報を表示させることで、乗員は、視線移動や目の焦点調整をほとんど行うことなく表示された情報を得ることができる。
(1)この際、セグメント型表示部18による表示装置5と、黒色板または黒色系スモーク板によるコンバイナ8を組合せるようにした。これにより、セグメント型表示部18による明度が高く輪郭がはっきりした表示6と、黒色板または黒色系スモーク板を用いたコンバイナ8による明度の低い背景との明度差またはコントラストが大きくなるので、車外の明るさや外光の状況などに拘わらず、ヘッドアップディスプレイ装置4の表示6を非常に見易いものとすることができる。
また、コンバイナ8を不透光性の黒色板または半透光性の黒色系スモーク板とすることにより、コンバイナ8の裏面での表示6の反射が抑えられることになる。よって、例えば、図7に示すように、コンバイナ8を無色透明などにした場合に見られる、コンバイナ8の表面での表示6の反射と、コンバイナ8の裏面での表示6の反射がズレて重なることによって生じる二重像w(図7の数値表示部15参照)の発生を、裏面での表示6の反射を少なくした上記黒色板または黒色系スモーク板を用いたコンバイナ8によって目立たなくすることができる。よって、コンバイナ8に二重像wを防止するための表面処理を施すなどの二重像対策が不要になり、その分、コストを抑えることができる。
更に、セグメント型表示部18を、複数の光源22と、複数の表示形成部21を有する不透光性の文字板23を備えるものとした。このような光源22と文字板23を備えたセグメント型表示部18は、通常の液晶表示パネルなどと比べて非常に安価であり、また、蛍光管式のセグメント型表示部18やセグメント型液晶パネル、パッシブマトリクス型液晶表示パネルなどの他のセグメント型表示部18(以下、これらを他の表示装置という)と比べても十分に安価であり、しかも、これらと比べてコストをかけずに光源22の輝度を高くすることができるため、ヘッドアップディスプレイ装置4の大幅な低コスト化を図ることができ、且つ、表示6をくっきりと見易いものにすることができる。よって、ヘッドアップディスプレイ装置4の大幅な低価格化を図って広く全車に普及させるようなことも可能となる。ヘッドアップディスプレイ装置4に表示させる情報は限られているので、表示装置5をセグメント型表示部18としても過不足のない十分な表示を行うことができる。
なお、セグメント型表示部18に、透光性の表示形成部21を有する文字板23を用いた場合などに、文字板23の表示形成部21が透けて白色のランプハウジング25の導光用孔部25aの壁面が見えることなどによって、消灯している表示形成部21またはオフセグメントがうっすらと点灯しているように映り込んで見える擬似点灯現象生じ得る(図7の数値表示部15の仮想線zを参照)。このような現象は、文字板23を用いていない他の表示装置にはあまり見られないものである。しかし、このような場合であっても、コンバイナ8を、表面反射率が低い黒色板または半透光性の黒色系スモーク板とすることにより、コンバイナ8表面での消灯している表示形成部21の反射が減衰されて、オフセグメントのコンバイナ8への映り込みが低減されるので、くっきりとした見易い表示6のヘッドアップディスプレイ装置4を得ることができる。よって、オフセグメントが映り込むことによる煩わしさを解消することができる。
また、他の表示装置を用いた場合、表示6と背景との明度差またはコントラストを補って視認性を確保するために、コンバイナ8の反射面に、高価な増反射膜などの表面処理を施してコンバイナ8の表面反射率を上げるようにする必要がある。しかし、光源22と文字板23を備えたセグメント型表示部18と、黒色板または黒色系スモーク板によるコンバイナ8を組合せた場合には、上記したように、十分な視認性が確保できるため、コンバイナ8の反射面に対して高価な増反射膜などの表面処理を施す必要をなくすことができる。よって、増反射膜を省略できる分だけ、ヘッドアップディスプレイ装置4の更なる低価格化を得ることができる。しかも、増反射膜などの表面処理を施さないことにより、コンバイナ8の表面反射率がより低いものとなるので、上記したような、消灯している表示形成部21がうっすらと見えてしまう現象を目立たなくする効果を、より一層高めることができる。
更に、黒色板または黒色系スモーク板を用いたコンバイナ8を用いる場合、ヘッドアップディスプレイ装置4の取付け方によっては、コンバイナ8がフロントウインドウガラス2の一部を遮って運転に必要な視界を遮ってしまう可能性がある。しかし、ヘッドアップディスプレイ装置4をインストルメントパネル3の内部に設置することによって、コンバイナ8を運転に必要な視界を遮ぎらない位置に確実に設置することが可能となる。
(2)光源22と文字板23との間にランプハウジング25を設けて、各光源22からの光をランプハウジング25を用いて各表示形成部21のそれぞれへ導かせるようにした。これにより、光源22からの光が、ランプハウジング25で各導光用孔部25aごとに明確に区切られて各表示形成部21へ効率的に導かれるので、光源22からの光を有効に使って各表示形成部21を明るく点灯させることができる。
なお、仮に、組付けの際に、光源22とランプハウジング25の間や、ランプハウジング25と文字板23の間に微小な隙間が出来てしまったような場合には、この微小な隙間から隣接する表示形成部21などへ光が漏れて、消灯している表示形成部21を僅かに光らせて点灯しているように見える現象、即ち、上記した擬似点灯現象と同様の現象を生じるおそれがある、しかし、このような状況となった場合であっても、上記したように、コンバイナ8を、表面反射率の低い黒色板または半透光性の黒色系スモーク板とすることで、光漏れを目立たないようにすることができる。更に、コンバイナ8の反射面に対して増反射膜などの表面処理を施さないようにすれば、光漏れを目立たなくする効果を、より一層高めることができる。
(3)少なくとも、セグメント型表示部18の光源22に、白色LED22bを用いても良い。これにより、白色LED22bによる白色の表示6と、黒色板または黒色系スモーク板のコンバイナ8による黒色または黒色系の背景の明度差またはコントラストが、他の光源22や他の色のLEDを用いた場合と比べて最も大きくなるので、表示6がより見易いヘッドアップディスプレイ装置4を得ることができる。特に、白色LED22bによる光源22に対してコンバイナ8を黒色板または黒コンバイナとすることで、既存の表示装置5とコンバイナ8の組合せの中で、明度差を最大にすることが可能となる。また、コンバイナ8を黒色板または黒色系スモーク板とすることにより、白色LED22bが発する紫外線をコンバイナ8に吸収させることができる。
(4)または、セグメント型表示部18の光源22に、RGBフルカラーLED22cを用いても良い。これにより、セグメント型表示部18にフルカラー表示を行わせることが可能となる。
加えて、RGBフルカラーLED22cと上記した白色LED22bを組合せれば、セグメント型表示部18は、高価な表示パネルなどを用いなくても多彩な表示が可能となる。
以上、実施例を図面により詳述してきたが、実施例は例示にしか過ぎないものである。よって、実施例の構成にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本件に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が本件のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 車室
2 フロントウインドウガラス
3 インストルメントパネル
4 ヘッドアップディスプレイ装置
5 表示装置
7 開口部
8 コンバイナ(黒色板、黒色系スモーク板)
18 セグメント型表示部
21 表示形成部
22 光源(LED)
22b 白色LED
22c RGBフルカラーLED
23 文字板
25 ランプハウジング
2 フロントウインドウガラス
3 インストルメントパネル
4 ヘッドアップディスプレイ装置
5 表示装置
7 開口部
8 コンバイナ(黒色板、黒色系スモーク板)
18 セグメント型表示部
21 表示形成部
22 光源(LED)
22b 白色LED
22c RGBフルカラーLED
23 文字板
25 ランプハウジング
本出願は、2015年1月20日に、日本国特許庁に出願された特願2015-8298に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は、完全に本明細書で参照により組み込まれる。
Claims (4)
- インストルメントパネルの内部に設置されている表示装置の表示を、インストルメントパネルに形成されている開口部を通して、開口部の上方に配設されているコンバイナに投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示装置が、複数の表示形成部の点灯・消灯によって複数種類の表示を作り出せるようにしたセグメント型表示部とされており、
前記セグメント型表示部が、複数の光源と、該複数の光源からの光を透過させるようにした前記複数の表示形成部を有する文字板を備えていると共に、
前記コンバイナに、不透光性の黒色板、または、半透光性の黒色系スモーク板が用いられていることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記光源と文字板との間に、各光源からの光を前記各表示形成部のそれぞれへ導くランプハウジングが設けられていることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記光源に、白色LEDが用いられていることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記光源に、RGBフルカラーLEDが用いられていることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
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