WO2016038706A1 - β-グルカン組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、少量の摂取でも、食後の最高血糖値を低下させ、更に食後に上昇した血糖値を速やかに低下させ得る血糖値上昇応答低減剤を提供することである。 焼成された大麦由来β-グルカンは、1食当たり3g未満という少量の摂取でも、食後の最高血糖値を低下させ、更に食後に上昇した血糖値を速やかに低減でき、血糖値上昇応答低減剤として有効である。
Description
本発明は、血糖値上昇応答低減剤に関する。より具体的には、本発明は、少量の摂取でも、食後の血糖値上昇応答を低減させる効果があり、食後の最高血糖値を低下させ、更に食後に上昇した血糖値を速やかに低下させ得る血糖値上昇応答低減剤に関する。
食事をすると、その直後から血糖値が上昇し、それに反応して膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンが分泌され、健康なヒトであれば食事2時間後程度で血糖値は食事前と同程度にまで低下する。しかし、血糖値上昇に反応したインスリン分泌が不十分なヒトやインスリン分泌のタイミングが遅いヒトの場合、食後の血糖値が直ぐに低下せずに、高血糖状態が持続してしまう。このような高血糖状態の持続は、糖尿病の発症、糖尿病患者における合併症の誘発、動脈硬化の進行等の危険因子になっており、食後の血糖値上昇応答を低減させることは、生活習慣病の予防や健康維持の上で重要になっている。
一方、大麦やオート麦に含まれるβ-グルカンには、血糖値上昇抑制、コレステロール低下作用、体重コントロール等の健康機能を有していることが知られており、β-グルカンの健康機能は、日本のみならず、欧米でも関心が高まっている。そこで、従来、β-グルカンを利用して、食後血糖値の上昇を抑制した食品の開発も行われている。例えば、特許文献1には、β-グルカン、米、及びコンニャク粒を含む機能性食品が、摂取エネルギーの低減と共に食後血糖値の上昇抑制が可能になることが開示されている。
しかしながら、β-グルカンが有する血糖値上昇抑制作用は緩慢であり、多量のβ-グルカンを摂取しなければ、血糖値上昇応答を十分に低減できないという欠点がある。実際、食後血糖値の上昇を抑制するには、1食当たり3~4gのβ-グルカンの摂取が必要とされており、欧州食品安全機関(Food Safety Authority:EFSA)では、糖質30g当たりβ-グルカンが4g以上含まれていなければ、食後血糖値の上昇抑制の表示を認めていない。
これまでに血糖値上昇抑制作用が報告されているβ-グルカンは、炊煮や蒸煮を経て加工されたものであり、このようなβ-グルカンでは、粘りや特有の臭いがあり、1食当たり3g以上を食品に配合することは困難である。また、炊煮や蒸煮を経て加工されたβ-グルカンを、食品とは別に摂取させるとしても、3g以上もの摂取量を確保することは困難である。
一方、従来、炊煮や蒸煮を経て加工されたβ-グルカンには血糖値上昇抑制作用が知られているものの、焼成されたβ-グルカンについては、炊煮や蒸煮を経て加工されたものとは分子の状態や構造が異なるため、血糖値上昇抑制作用の存否すら類推できないのが現状である。
本発明の目的は、少量の摂取でも、食後の最高血糖値を低下させ、更に食後に上昇した血糖値を速やかに低下させ得る血糖値上昇応答低減剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、大麦由来のβ-グルカンの焼成物を使用することによって、1食当たり3g未満という少量の摂取でも、食後の最高血糖値を低下させ、更に食後に上昇した血糖値を速やかに低減できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 焼成された大麦由来β-グルカンを有効成分とすることを特徴とする、血糖値上昇応答低減剤。
項2. 焼成された大麦由来β-グルカンの摂取量が1食当たり0.5~1.5gとなるように使用される、項1に記載の血糖値上昇応答低減剤。
項3. 低GI食品の摂取後の血糖値上昇応答を低減するために使用される、請求項1又は2かに記載の血糖値上昇応答低減剤。
項4. 食品添加剤である、項1~3のいずれかに記載の血糖値上昇応答低減剤。
項5. 項1~3のいずれかに記載の血糖値上昇応答低減剤を含む、血糖値上昇応答低減用の内服用医薬品。
項6. 血糖値上昇応答を低減する処置に使用される、焼成された大麦由来β-グルカン。
項7. 焼成された大麦由来β-グルカンの、血糖値上昇応答低減剤の製造のための使用。
項8. 血糖値の上昇応答の低減が求められているヒトに対して、食事の前又は同時に、焼成された大麦由来β-グルカンを投与する工程を含む、血糖値上昇応答の低減方法。
項1. 焼成された大麦由来β-グルカンを有効成分とすることを特徴とする、血糖値上昇応答低減剤。
項2. 焼成された大麦由来β-グルカンの摂取量が1食当たり0.5~1.5gとなるように使用される、項1に記載の血糖値上昇応答低減剤。
項3. 低GI食品の摂取後の血糖値上昇応答を低減するために使用される、請求項1又は2かに記載の血糖値上昇応答低減剤。
項4. 食品添加剤である、項1~3のいずれかに記載の血糖値上昇応答低減剤。
項5. 項1~3のいずれかに記載の血糖値上昇応答低減剤を含む、血糖値上昇応答低減用の内服用医薬品。
項6. 血糖値上昇応答を低減する処置に使用される、焼成された大麦由来β-グルカン。
項7. 焼成された大麦由来β-グルカンの、血糖値上昇応答低減剤の製造のための使用。
項8. 血糖値の上昇応答の低減が求められているヒトに対して、食事の前又は同時に、焼成された大麦由来β-グルカンを投与する工程を含む、血糖値上昇応答の低減方法。
本発明の血糖値上昇応答低減剤によれば、食後の血糖値上昇応答を低減させる効果があり、食後の最高血糖値を低下させ、更に食後に上昇した血糖値を速やかに低下させることができる。それ故、本発明の血糖値上昇応答低減剤は、生活習慣病の予防や健康維持、境界型糖尿病患者における糖尿病への進展の抑制、糖尿病患者における合併症の抑制、動脈硬化の進行抑制等に有効である。
また、本発明の血糖値上昇応答低減剤では、焼成された大麦由来β-グルカンの1食当たりの摂取量を3g未満という少量に設定しても、食後の血糖値上昇応答を低減させることができるので、容易に摂取でき、更に様々な飲食品や内服用医薬品への配合も容易になるという利点もある。
本発明の血糖値上昇応答低減剤は、焼成された大麦由来β-グルカン(以下、「焼成β-グルカン」と表記することもある)を有効成分とすることを特徴とする。以下、本発明の血糖値上昇応答低減剤について詳述する。
有効成分
本発明では、焼成β-グルカン有効成分として使用する。このように焼成β-グルカンを使用することによって、少量の摂取でも、食後に上昇した血糖値を速やかに低減させることが可能になる。
本発明では、焼成β-グルカン有効成分として使用する。このように焼成β-グルカンを使用することによって、少量の摂取でも、食後に上昇した血糖値を速やかに低減させることが可能になる。
本発明において、焼成β-グルカンの原料として使用されるβ-グルカンは大麦由来のものを使用する。このように大麦由来のβ-グルカンを選択し、その焼成物を使用することによって、少量の摂取でも、食後に上昇した血糖値を速やかに低減させることが可能になる。
原料として使用されるβ-グルカンの由来となる大麦の品種については特に制限されないが、例えば、DC Alamo、CDC Fibar、CDC Kendall等のCDC種、サルート種、BG種、ビューファイバー、トヨノカゼ、マンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ、サンシュウ、センボンハダカ、ハヤテハダカ、ビワイロハダカ、キカイハダカ、ハヤジロハダカ、シラヒメハダカ、ユウナギハダカ、ヒノデハダカ、シロシンリキ、ヤマテハダカ、シラヌイハダカ、ハヤウレハダカ、ミナミハダカ、ハシリハダカ、ツクバハダカ、バンダイハダカ、リモハダカ、ミシマハダカ、キラリモチ、シュンライ、ハルシラネ、白妙二条、トチノイブキ、ニシノホシ、カシマムギ、すずかぜ、さやかぜ、ネバリゴシ、ファイバースノー、トランジェット、ジュリー等が挙げられる。
また、焼成β-グルカンの原料として使用されるβ-グルカンは、精製された状態であってもよいが、精製されていないものを使用してもよい。例えば、大麦にはβ-グルカンが高含有量で含まれているので、焼成β-グルカンの原料として、大麦をそのまま又は粉砕したもの;大麦から水等の水性溶媒でβ-グルカンを抽出処理した抽出物;大麦から水等の水性溶媒で抽出処理した後に、凍結融解法、アルコール沈殿法、クロマトグラフィー法等によってβ-グルカンを濃縮処理した濃縮物等を使用することもできる。
本発明で使用される焼成β-グルカンは、大麦由来のβ-グルカン又はβ-グルカンを含む原料をそのまま焼成することによって調製してもよいが、大麦由来のβ-グルカン含む生地を調製し、当該生地を焼成することによって調製することが好ましい。このように、大麦由来のβ-グルカン含む生地を焼成して得られる焼成物を使用することにより、食後血糖値をより一層効果的に低減させることが可能になる。また、大麦由来のβ-グルカン含む生地を焼成することにより得られる焼成物は、クラッカー、ウェハース、シリアル、バー、クッキー、パン等の形態として調製することができるので、焼成β-グルカンを摂取し易い形態で提供する上でも適している。
前記大麦由来のβ-グルカン含む生地は、ミキサー、一軸または二軸ニーダー、高速分散機、乳化機等を用いて、大麦由来のβ-グルカンと水を混練することによって調製できる。また、当該生地には、大麦由来のβ-グルカン及び水以外に、風味や食感を向上させたり、焼成後に所望の形態を備えさせたりするために、必要に応じて、他の食品原料や食品添加剤が含まれていてもよい。このような食品原料や食品添加剤については、特に制限されないが、例えば、オーツ麦、ライムギ、小麦、小麦胚芽、小麦ふすま、ライ麦、カラス麦、オーツ麦、米、大豆、とうもろこし、ひえ、あわ、きび等の穀物粉末;サラダ油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、菜種油、紅花油、ヤシ油、米油、綿実油、オリーブ油、バター、ラード、マーガリン、ショートニング、硬化油等の油脂;砂糖、グルコース、フルクトース、トレハロース、マルトース、ラクトース、オリゴ糖、水あめ等の糖質;脱脂粉乳、全脂粉乳、練乳、牛乳、ヨーグルト等の乳製品;ベーキングパウダー、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等の膨張剤;レシチン等の乳化剤;乳タンパク質等のタンパク質;馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、トウモロコシデンプン、加工デンプン等のデンプン;卵黄、卵白、コラーゲン、デキストリン、塩、香辛料、香料、着色料、乳化剤、野菜類、果物類、調味料、ビタミン類、ミネラル類、β-グルカン以外の食物繊維、ポリフェノール等が挙げられる。
大麦由来のβ-グルカン含む生地において、大麦由来のβ-グルカンの含有量については、焼成β-グルカンが後述する含有量となるように適宜設定すればよいが、例えば0.2質量%以上、好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より一層好ましくは6質量%以上、特に好ましくは7.5質量%以上が挙げられる。また、当該生地におけるβ-グルカンの含有量の上限値については、特に制限されないが、通常10質量%が挙げられる。また、大麦由来のβ-グルカン含む生地において、水の含有量については、特に制限されないが、例えば、当該生地に含まれる固形原料の総量100質量部当たり、120~140質量部が挙げられる。
大麦由来のβ-グルカン含む生地の焼成物において、焼成β-グルカンの含有量については、1回当たりの摂取量が後述する範囲を充足できるように適宜設定すればよいが、例えば0.4~20質量%、1~20質量%、好ましくは2~20質量%、更に好ましくは3~20質量%が挙げられる。
焼成β-グルカンを調製する際の焼成方式については、特に制限されず、直火式、遠赤外線式、マイクロ波式、等のいずれの方式で行ってもよい。
焼成β-グルカンを調製する際の焼成条件については、特に制限されないが、例えば、焼成温度として160~200℃、好ましくは165~195℃、更に好ましくは170~190℃が挙げられ、焼成時間として1~4分、好ましくは2~3分が挙げられる。
用途
本発明の血糖値上昇応答低減剤は、焼成β-グルカンによって食後の最高血糖値の低下及び食後に上昇した血糖値の速やかな低減が可能になるので、食後の血糖値上昇応答を低減させる目的で使用される。
本発明の血糖値上昇応答低減剤は、焼成β-グルカンによって食後の最高血糖値の低下及び食後に上昇した血糖値の速やかな低減が可能になるので、食後の血糖値上昇応答を低減させる目的で使用される。
また、食後の血糖値上昇応答の低減は、生活習慣病の予防や健康維持、境界型糖尿病患者における糖尿病への進展の抑制、糖尿病患者における合併症の抑制、動脈硬化の進行抑制等に有効であるので、本発明の血糖値上昇応答低減剤は、健常者、境界型糖尿病患者、糖尿病患者等に対して、これらの目的で使用することもできる。
本発明の血糖値上昇応答低減剤は、飲食品に添加することにより飲食品に血糖値上昇応答低減作用を付与できるので、血糖値上昇応答低減用の食品添加剤として使用することもできる。
摂取量
本発明の血糖値上昇応答低減剤の摂取量については、食事に供される食品の種類、摂取者の年齢や性別、摂取者の健康状態等に応じて適宜設定すればよいが、1食当たりの摂取量として、焼成β-グルカンが3g未満、好ましくは0.5~2g、更に好ましくは0.5~1.5g、特に好ましくは0.5~1.25gが挙げられる。本発明の血糖値上昇応答低減剤では、このような低量の摂取であっても、食後の血糖値上昇応答を低減させることができる。
本発明の血糖値上昇応答低減剤の摂取量については、食事に供される食品の種類、摂取者の年齢や性別、摂取者の健康状態等に応じて適宜設定すればよいが、1食当たりの摂取量として、焼成β-グルカンが3g未満、好ましくは0.5~2g、更に好ましくは0.5~1.5g、特に好ましくは0.5~1.25gが挙げられる。本発明の血糖値上昇応答低減剤では、このような低量の摂取であっても、食後の血糖値上昇応答を低減させることができる。
使用形態
本発明の血糖値上昇応答低減剤は、食事の前又は同時に経口摂取することにより使用される。
本発明の血糖値上昇応答低減剤は、食事の前又は同時に経口摂取することにより使用される。
本発明の血糖値上昇応答低減剤を食事の前に摂取させる場合、本発明の血糖値上昇応答低減剤を含む飲食品(以下、「第1飲食品」と表記することもある)又は内服用医薬品を提供し、これを食事の前に摂取させればよい。また、本発明の血糖値上昇応答低減剤を食事の前に摂取させる場合、当該血糖値上昇応答低減剤の摂取タイミングとしては、食事の0~30分前、好ましくは0~20分前が挙げられる。
また、本発明の血糖値上昇応答低減剤を食事と同時に摂取させる場合、本発明の血糖値上昇応答低減剤を含む飲食品(即ち、第1飲食品)又は内服用医薬品を提供し、これを食事として供される食品(以下、「第2食品」と表記することもある)と同時に摂取させてもよく、また第2食品に本発明の血糖値上昇応答低減剤を配合して摂取させてもよい。
前記第1飲食品は、焼成β-グルカンを、そのまま又は他の食品素材や添加成分と組み合わせて所望の加工に供することによって調製できる。このような飲食品としては、一般の飲食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等が挙げられる。これらの飲食品の形態として、特に制限されないが、具体的には、錠剤、顆粒、粉剤、カプセル、ソフトカプセル等のサプリメント等;パン類;パスタ等の麺類:ビスケット、クッキー、クラッカー、おかき、煎餅等の菓子類;粉末飲料、栄養飲料等の飲料類等が挙げられる。また、大麦由来のβ-グルカン含む生地の焼成物を使用して本発明の血糖値上昇応答低減剤(焼成β-グルカン)を摂取させる場合であれば、当該焼成物をクラッカー、ウェハース、シリアル、バー、クッキー、パン等の形態で提供すれば、当該焼成物をそのまま第1飲食品として使用することもできる。
また、前記病者用食品は、境界型糖尿病患者、糖尿病患者等の、血糖値上昇応答低減が必要とされる患者用として提供することができる。
前記第1飲食品における本発明の血糖値上昇応答低減剤の配合量については、飲食品の種類や形態等に応じて、前述する焼成β-グルカンの摂取量を充足できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、焼成β-グルカンが1~100質量%、好ましくは2~99質量%、更に好ましくは3~85質量%となる範囲が挙げられる。また、前記第1飲食品として大麦由来のβ-グルカン含む生地の焼成物を使用する場合であれば、焼成β-グルカンの含有量として、前述の通り、具体的には0.4~20質量%、1~20質量%、好ましくは2~20質量%、更に好ましくは3~20質量%が挙げられる。
また、本発明の血糖値上昇応答低減剤を含む内服用医薬品を提供する場合、当該内服用医薬品は、焼成β-グルカンを単独で、又は他の薬理成分、薬学的に許容される基剤や添加剤等と組み合わせて所望の剤型に調製して、血糖値上昇応答低減用の内服用医薬品として提供すればよい。このような内服用医薬品の形態としては、特に制限されないが、具体的には、錠剤、顆粒剤、粉剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、発泡剤、ドリンク剤等が挙げられる。
本発明の血糖値上昇応答低減剤を含む内服用医薬品を使用する場合、当該内服用医薬品における当該血糖値上昇応答低減剤の配合量については、医薬品の種類や剤型等に応じて、前述する適用量を充足できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、焼成β-グルカンが1~100質量%、好ましくは2~99質量%、更に好ましくは3~85質量%となる範囲が挙げられる。
また、食事として供される第2食品の種類については、特に制限されないが、食後の血糖値上昇応答をより一層効果的に低減させるという観点から、好ましくは低GI食品が挙げられる。GIとは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略であり、糖質50g相当量の基準食摂取後の血糖値上昇曲線下面積(AUC、Area Under Curve)に対する糖質50g相当量の試験食摂取後の血糖値AUCの割合である。低GI食品のGI値は、通常55以下であるが、後の血糖値上昇応答をより一層効果的に低減させるという観点から、第2食品として供される低GI食品のGI値として、好ましくは55~23、更に好ましくは55~36が挙げられる。
本発明の血糖値上昇応答低減剤を第2食品に含有させる場合、第2食品における本発明の血糖値上昇応答低減剤の配合量については、第2食品の種類や形態等に応じて、前述する焼成β-グルカンの摂取量を充足できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、焼成β-グルカンが1~100質量%、好ましくは2~99質量%、更に好ましくは3~85質量%となる範囲が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験例1
22名の被験者(30歳以上50歳未満、男性10名、女性12名)によって、焼成されたβ-グルカンが、食後の血糖値上昇応答に及ぼす影響について、以下の方法に従って試験した。なお、22名の被験者については、本試験開始3週間前の事前検査において、空腹時血糖値110mg/dL未満、且つBMIが30kg/m2未満であることが確認されている。
22名の被験者(30歳以上50歳未満、男性10名、女性12名)によって、焼成されたβ-グルカンが、食後の血糖値上昇応答に及ぼす影響について、以下の方法に従って試験した。なお、22名の被験者については、本試験開始3週間前の事前検査において、空腹時血糖値110mg/dL未満、且つBMIが30kg/m2未満であることが確認されている。
先ず、22名の被験者を、焼成β-グルカン摂取群とプラセボ群の2群に分けた。被験者の割付けでは、事前検査時における空腹時血糖、糖負荷後の血糖値推移、HbA1c、インスリン値、空腹時遊離脂肪酸濃度について、両群の間で差がないように調整した。
焼成β-グルカン摂取群では、被験者に一夜絶食させた翌日の午前10時に、焼成β-グルカンを含むクラッカー(焼成されたβ-グルカン(大麦由来)を5.48質量%含有;商品名「大麦生活大麦クラッカー」、大塚製薬株式会社製)を総摂取量が19.25g(焼成されたβ-グルカンの合計摂取量で1.055g)となるように摂取させ、それと同時に負荷食(GI値の低いヨーグルトにバナナピューレ及び蜂蜜を混合)を総糖質摂取量が50gとなるように摂取させた。
また、プラセボ群では、被験者に一夜絶食させた翌日の午前10時に、焼成β-グルカンを含まないクラッカー(焼成β-グルカン摂取群に摂取させたクラッカーとは、β-グルカンを含まず、代わりに小麦粉を使用していること以外は同じ組成)を総摂取量が17.55gとなるように摂取させ、それと同時に負荷食(GI値の低いヨーグルトに、バナナピューレ及び蜂蜜を混和)を総糖質摂取量が50gとなるように摂取させた。
負荷食の摂取前、負荷食の摂取30分後、45分後、及び60分後に、被験者から採血し、血糖値の測定を行った。
負荷食の摂取前の血糖値に対する負荷食の摂取後の血糖値の上昇量(Δ血糖値:mg/dL)の測定結果を図1、負荷食の摂取前の血糖値に対する負荷食の摂取後の血糖値の上昇量(Δ血糖値:mg/dL)の積算値を求めた結果を図2、最高血糖値(負荷食の摂取30分後の血糖値)におけるΔ血糖値を図3に示す。これらの結果から、焼成β-グルカン摂取群は、プラセボ群に比べて、最大血糖値の低下傾向が認められ、更に負荷食の摂取後45~60分で血糖値が低値を推移した。以上の結果から、焼成された大麦由来β-グルカンは、1g程度の少量の摂取でも、食後の血糖値上昇応答を低減させる効果があり、食後の最高血糖値を低下させ、食後に上昇した血糖値を速やかに低減させ得ることが確認された。
Claims (5)
- 焼成された大麦由来β-グルカンを有効成分とすることを特徴とする、血糖値上昇応答低減剤。
- 焼成された大麦由来β-グルカンの摂取量が1食当たり0.5~1.5gとなるように使用される、請求項1に記載の血糖値上昇応答低減剤。
- 低GI食品の摂取後の血糖値上昇応答を低減するために使用される、請求項1又は2かに記載の血糖値上昇応答低減剤。
- 食品添加剤である、請求項1~3のいずれかに記載の血糖値上昇応答低減剤。
- 請求項1~3のいずれかに記載の血糖値上昇応答低減剤を含む、血糖値上昇応答低減用の内服用医薬品。
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JPWO2016038706A1 (ja) | 2017-07-27 |
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