WO2016027396A1 - 単結晶育成装置及びその装置を用いた単結晶育成方法 - Google Patents

単結晶育成装置及びその装置を用いた単結晶育成方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成するための単結晶育成装置であって、該単結晶育成装置は、原料融液を収容する石英ルツボと、該石英ルツボを加熱保温するヒーターとが配置されるメインチャンバーと、該メインチャンバーの上部に接続され、育成したシリコン単結晶が引上げられて収納される引上げチャンバーとを具備し、前記メインチャンバーは、ドーパントを含む複数のシリコン細棒をそれぞれ独立して前記原料融液へ挿入し、溶融させることができるシリコン細棒挿入機を具備するものであることを特徴とする単結晶育成装置である。これにより、高抵抗率のシリコン単結晶を育成することができる単結晶育成装置およびこれを用いた単結晶育成方法が提供される。

Description

単結晶育成装置及びその装置を用いた単結晶育成方法
 本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法ともいう)によるシリコン単結晶などの単結晶の育成に用いられる単結晶育成装置、並びに単結晶育成方法に関する。
 携帯電話などの通信にRF(高周波)デバイスが用いられている。このRFデバイスには専ら化合物半導体が用いられてきた。
 しかし近年、CMOSプロセスの微細化が進んだこと、低コスト化したいことなどから、シリコンをベースとしたRFデバイスが実現可能となってきた。
 シリコン単結晶ウェーハを用いたRFデバイスにおいては、基板抵抗率が低いと高導電性のために損失が大きく、高抵抗率が用いられる。このため750Ωcm以上、更には3000Ωcm以上、極最近は10000Ωcm以上の要求がある。
 SOI(Silicon on Insulator)と呼ばれるシリコン基板表層部に薄い酸化膜と薄いシリコン層が形成されたウェーハを用いることもあるが、この場合も高抵抗率が望まれる。
 従来、CZ法では石英ルツボに含まれる不純物が溶け出すため、高抵抗率の単結晶の育成ができなかった。そのため一般的には、高抵抗率の単結晶として、浮遊帯域溶融法(以下、FZ法ともいう)により育成されたFZ結晶が用いられることが多かった。
 しかし、CZ法においても、特許文献1に開示されたように、合成石英ルツボが用いられるようになり、ノンドープであれば10000Ωcmもの高抵抗率の単結晶の育成が可能となってきた。
 今では、天然石英ルツボの内側に合成石英粉から造られた合成石英層が形成されたハイブリッド石英ルツボが主流となっており、CZ法でも高抵抗率の単結晶の育成が可能になってきた。
 一方で、原料であるシリコン多結晶中にもBやPなどのドーパントが不純物として含まれており、高抵抗率の単結晶を育成する際の阻害要因となっている。これらの不純物を減らす努力が行われ、日々改善されてきている。
 しかし、石英ルツボや原料であるシリコン多結晶のバルク中の不純物が減少してきたが、要求される抵抗率の精度の向上に伴い、バルク表面の不純物が問題となってきた。
 例えば、環境からの汚染がBの場合を例にとると、製造工程の改善等によりバルク中のB濃度は1cm当たり1011台程度と少なくなっている。ところが、保管状態の悪い場合などは、バルク表面に付着したBによって、実際に結晶を育成してみると、濃度が1013近くに達する場合がある。
 Bの例のようにバルク表面の不純物は洗浄時の状態や、保管時の環境などに影響されるので予測しにくく、原料を溶融した後、実際に結晶を育成してみないと、抵抗率がわからない状況になっていた。
 これを解決できる方法として特許文献2に予め結晶を育成し、抵抗率を測定した後、反対極性のドーパントを追加する方法が記載されている。しかし具体的な投入方法は記載されていない。
 例えば、単結晶育成装置の外にあるドーパントを単結晶育成装置内のルツボに投入するためには、単結晶を成長するために減圧にした単結晶育成装置内の雰囲気を一度大気圧まで戻し、その後ドーパントを単結晶育成装置内のルツボに投入し、そして再度、単結晶育成装置内の雰囲気を減圧する必要があるので、時間と労力が掛かってしまう問題がある。
 上記特許文献2の問題を解決可能なドーパント投入法としては、例えば特許文献3のような装置が挙げられる。
 このような装置では粒状のドーパントを投入することになるが、これを溶かすために再度、ヒーターのパワーを上げる必要がある上、ドーパントの溶け残りによって単結晶化が難しくなるという問題がある。
 この単結晶化が阻害される問題を解決可能な方法として、特許文献4にドーパントを含むシリコン細棒を原料融液に挿入して溶解する方法が開示されている。
 この方法によれば単結晶化を阻害することなく、比較的短時間でかつ比較的簡単に育成する単結晶の抵抗率を調整することが可能である。
 しかしながら特許文献4のような方法では、育成する単結晶の抵抗率を調整できる範囲が狭いという問題があった。
特開平5-58788号公報 特開2002-226295号公報 特開平9-227275号公報 特開平6-234592号公報
 本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、シリコン細棒が1本のみの従来の場合と比較して、抵抗率の調整ができる範囲が広い単結晶育成装置、及び、これを用いた単結晶育成方法を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明によれば、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成するための単結晶育成装置であって、
 該単結晶育成装置は、原料融液を収容する石英ルツボと、該石英ルツボを加熱保温するヒーターとが配置されるメインチャンバーと、該メインチャンバーの上部に接続され、育成したシリコン単結晶が引上げられて収納される引上げチャンバーとを具備し、
 前記メインチャンバーは、ドーパントを含む複数のシリコン細棒をそれぞれ独立して前記原料融液へ挿入し、溶融させることができるシリコン細棒挿入機を具備するものであることを特徴とする単結晶育成装置を提供する。
 このような単結晶育成装置であれば、ドーパントを含む複数のシリコン細棒を独立に制御することができるので、シリコン細棒が1本のみの従来の場合と比較して、抵抗率の調整ができる範囲を大幅に広げることができる。
 このとき、前記複数のシリコン細棒のうち少なくとも1本はN型のドーパントを含むものであり、少なくとも1本はP型のドーパントを含むものであることが好ましい。
 このようにすることで、導電型を制御できるとともに、前記シリコン単結晶の抵抗率が下がりすぎてしまった場合、つまりドーパントが多すぎる場合、反対極性のドーパントを含む前記シリコン細棒を前記原料融液中に挿入することで、前記シリコン単結晶の抵抗率を高くすることができる。
 このとき、前記N型ドーパントがN、P、As、Bi、Sbのうちのいずれかひとつもしくは複数であり、前記P型ドーパントがB、Ga、In、Alのうちのいずれかひとつもしくは複数であるとすることができる。
 このように、シリコン半導体におけるドーパントとして一般的に用いられる元素を用いることができる。
 更に、このとき、前記N型ドーパントがPであり、前記P型ドーパントがBであることがより好ましい。
 このように、PやBをドーパントとして用いることで、より確実に前記シリコン単結晶の抵抗率の制御をすることができる。
 また、本発明によれば前記単結晶育成装置を用いて、シリコン単結晶を育成するシリコン単結晶育成方法であって、
 前記石英ルツボに原料を充填して溶融する原料溶融工程と、サンプル結晶を育成し、該サンプル結晶の導電型と抵抗率を測定するサンプル結晶育成工程と、
 もしくは前記石英ルツボで複数本の前記シリコン単結晶を育成するマルチ引上げにおいては、前のシリコン単結晶の導電型と抵抗率を測定するマルチ引上げ工程と、
 前記測定された導電型と抵抗率に基づいて、前記原料融液に挿入するべき前記シリコン細棒の導電型、および挿入量を決定するシリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程と、
 該決定された導電型のシリコン細棒を決定された量で前記原料融液に挿入し、溶融することで前記原料融液中のドーパント量を調整し、前記原料融液から育成される前記シリコン単結晶の抵抗率を調整するシリコン細棒溶融工程と、
 前記原料融液から、シリコン単結晶を引上げるシリコン単結晶引上げ工程とを有することを特徴とするシリコン単結晶育成方法を提供する。
 このような方法であれば、ドーパントを含む複数のシリコン細棒を独立に制御することができる本発明の単結晶育成装置を用いるので、シリコン細棒が1本のみの場合と比較して、育成する単結晶の抵抗率の調整ができる範囲を大幅に広げることができる。
 さらに、実際にサンプル結晶を育成し、該育成したサンプル結晶の、もしくは前のシリコン単結晶の導電型及び抵抗率の測定結果を基にドーパント量を調整するので、所望の導電型及び抵抗率のシリコン単結晶を精度よく製造することができる。
 このとき、前記測定された導電型と抵抗率から、次に育成するシリコン単結晶の導電型および抵抗率を推定し、該推定した導電型が所望の導電型で、前記推定した抵抗率が所望の抵抗率より高い場合、もしくは前記推定した導電型が前記所望の導電型とは反対極性の場合には、前記所望の導電型と同じ導電型の前記シリコン細棒を前記所望の抵抗率になるように、前記原料融液に溶融することを決定し、
 前記所望の導電型および抵抗率に対して、前記推定した導電型および抵抗率が適切な場合には、前記シリコン細棒を溶融しないことを決定し、
 前記推定した導電型が所望の導電型で、前記推定した抵抗率が前記所望の抵抗率よりも低い場合には、前記所望の導電型とは反対極性の導電型の前記シリコン細棒を前記所望の抵抗率になるように、前記原料融液に溶融することを決定するができる。
 このような方法を用いれば、事前に測定された導電型および抵抗率から推定された、次に育成するシリコン単結晶の抵抗率が、所望の抵抗率よりも高い場合でも、低い場合でも、更には所望の導電型と導電型が反対極性の場合であっても、調整することが可能である。
 このとき、育成される前記シリコン単結晶の抵抗率が750Ωcm以上のシリコン単結晶とすることができる。
 本発明のシリコン単結晶の育成方法であれば、所望の導電型で750Ωcm以上の抵抗率のシリコン単結晶を精度良く育成することが可能である。
 更に、このとき、育成される前記シリコン単結晶の抵抗率を3000Ωcm以上のシリコン単結晶とすることができる。
 本発明の方法であれば、抵抗率が3000Ωcm以上のシリコン単結晶を精度よく育成することができるようになる。
 以上のように、本発明の単結晶育成装置であれば、シリコン細棒が1本のみの従来の場合と比較して抵抗率の調整ができる範囲を大幅に広げることができるとともに、導電型の制御も可能となる。
 さらには、本発明の単結晶育成方法であれば、所望の導電型及び抵抗率のシリコン単結晶を精度よく製造することができる。
本発明における単結晶育成装置の一例を示す概略図である。 本発明における単結晶育成方法の一例を示すフロー図である。 本発明におけるシリコン細棒の導電型及び挿入量決定手順の一例を示すフロー図である。
 以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
 上記したように、従来の方法では、育成する単結晶の抵抗率を調整できる範囲が狭いという問題があった。
 そこで、本発明者らは前述のような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、単結晶育成装置において、ドーパントを含む複数のシリコン細棒をそれぞれ独立して前記原料融液へ挿入し、溶融させることで、従来の場合と比較して抵抗率の調整が可能な範囲を大幅に広げることができるとともに、導電型の制御も可能となることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
 まず、本発明の単結晶育成装置について説明する。
 図1に示すように、本発明の単結晶育成装置1は、原料融液2を収容する石英ルツボ3と、石英ルツボ3を加熱保温するヒーター4とが配置されるメインチャンバー5と、メインチャンバー5の上部に接続され、育成したシリコン単結晶6が引上げられて収納される引上げチャンバー7とを具備している。メインチャンバー5は、ドーパントを含む複数のシリコン細棒8をそれぞれ独立して原料融液2へ挿入し、溶融させることができるシリコン細棒挿入機9を具備している。
 引上げチャンバー7の上部にはシリコン単結晶6を引上げるための、引上げワイヤー10を巻き出しあるいは巻き取る不図示のワイヤー巻取り機構が備えられている。そして、このワイヤー巻取り機構から巻き出された引上げワイヤー10の先端部には、種結晶11を保持するための種ホルダー19があり、この種ホルダー19に種結晶11を係止して種結晶11の下方に、シリコン単結晶6を育成する。
 ここで、石英ルツボ3は、黒鉛ルツボ18により支持され、さらに黒鉛ルツボ18は、シリコン単結晶育成装置1の下部に取り付けられた回転駆動機構(図示せず)によって回転昇降自在な支持軸12によって支持されている。そして、石英ルツボ3の周囲に配設されたヒーター4の周囲には、断熱部材13が設けられている。
 なお、石英ルツボ3は、合成石英ルツボを使用することにより、不純物が減少し、より高精度に育成する単結晶の抵抗率を制御することが可能となるが、これには限定されない。さらに、石英ルツボ3に充填する原料としては、高純度多結晶を使用することにより、より高精度に育成する単結晶の抵抗率を制御することが可能となるが、これには限定されない。
 そして、円筒形状のガスパージ筒16が引上げ中のシリコン単結晶6を囲繞するように原料融液2の表面の上方に配設されている。ガスパージ筒16は例えば黒鉛材からなるものとすることができる。またガスパージ筒16は、メインチャンバー5の天井部から原料融液2に向かって延伸するように設けられている。さらに、ガスパージ筒16の原料融液2側には熱遮蔽板17が設けられている。
 なお、引上げチャンバー7の上方にはガス導入口14が備えられている。そして、メインチャンバー5の下部にはガス流出口15が備えられている。
 ガス導入口14から引上げチャンバー7の内部に導入されたアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスは、引上げ中のシリコン単結晶6とガスパージ筒16との間を通過させた後、原料融液2の融液面上を通過させ、その後、原料融液2からの蒸発物と共に、ガス流出口15からメインチャンバー5の外部へ排出される。
 上記のような単結晶育成装置1は、ドーパントを含む複数のシリコン細棒8をそれぞれ独立に原料融液2に挿入する制御をすることができるので、シリコン細棒8が1本のみの従来の場合と比較して抵抗率の調整が可能な範囲を大幅に広げることができる。
 シリコン細棒8は減圧に維持されているメインチャンバー5内を概略上下に移動可能とした、ピストン状の棒の先端に取り付けるようにして挿入することができる。この際にピストン状の棒は炭素材や石英材など高温で安定な物質から成るものとすることが好ましい。またシリコン細棒8は減圧状態に保たれた中にあるため、初めに装着することが好ましい。
 シリコン細棒8は、ドーパント調整が必要でない間は、原料融液2に接触しない位置に後退している。そして、ドーパント調整が必要な場合には、所望のシリコン細棒8を所望の量押し出し、原料融液2に挿入して、溶融させることで、原料融液2中のドーパント濃度の調整が可能である。
 なお、本発明で用いられるシリコン細棒8は、例えば、CZ法やFZ法による単結晶ブロックから切り出したもの、または、最初から細い単結晶として育成したものを用いても良い。例えばCZ単結晶ブロックから成長方向に対して横方向に切り出せばより高い抵抗率の制御が可能となる。しかしながら、シリコン細棒8はこれに限るものではなく、例えば、多結晶であっても良い。
 また、シリコン細棒8の抵抗率を高くすれば、シリコン単結晶6の抵抗率を制御する精度は向上するが、その分溶かし込む量が多くなる。逆に、シリコン細棒8の抵抗率を低くすれば溶かし込む量を減らすことができるが、シリコン単結晶6の抵抗率を制御する精度は低下する。
 また、原料の量が増えれば溶かすべきシリコン細棒8の量も増加する。更に、シリコン細棒8の太さを太くすれば挿入量を減らすことができるが、溶解量の精度は低下する。
 逆に、シリコン細棒8が細ければ溶解量の精度は向上するが、長い細棒と長いストロークが必要になる。
 従って、育成するシリコン単結晶6の狙うべき抵抗率および原料の量に応じて適切な抵抗率、サイズのシリコン細棒8を適宜選択することが好ましい。
 例えば、1本は比較的抵抗率が低いシリコン細棒8とし、もう1本は比較的抵抗率が高いシリコン細棒8としておけば、抵抗率の大幅な調整と微妙な調整の両者に対応可能であり、1本のみの場合に比較して抵抗率調整可能範囲が大幅に広がる。
 具体的には、シリコン細棒8の抵抗率は1mΩcm程度から1000Ωcm程度であり、長さは1cm程度から100cm程度、太さは直径1mmもしくは1mm角程度から直径100mmもしくは100mm角程度とすることができる。
 また、単結晶育成装置に搭載する複数のシリコン細棒8のうち少なくとも1本はN型のドーパントを含むものであり、少なくとも1本はP型のドーパントを含むものであるとすることができる。
 シリコン単結晶6中における抵抗率は、基本的にはN型ドーパント量とP型ドーパント量との差し引きで決まる。これはドナーとアクセプタが共存するとドナー準位からアクセプタ準位に電子が移動して補償されるためである。
 この現象を利用して抵抗率が下がりすぎてしまった場合、つまりドーパントが多すぎる場合、反対極性のドーパントを入れて補償し、ドーパントの差分がキャリアとして有効となることで、抵抗率を高くすることができる。これをカウンタドープという。
 従って、N型のシリコン細棒8とP型のシリコン細棒8との両方の極性を挿入可能にしておくことで、下がりすぎてしまった抵抗率を上げることができる。
 なお、より具体的に、N型ドーパントがP、As、Sb、Bi、Nのうちのいずれかひとつもしくは複数であり、P型ドーパントがB、Ga、In、Alのうちのいずれかひとつもしくは複数であるとすることができる。
 このように、シリコン半導体におけるドーパントとして一般的に用いられる元素を用いることができる。
 シリコン細棒8の中に含ませるドーパントとしてはこれらのうちひとつの元素を含んでいるのが一般的ではあるが、複数含んでいても良い。更にはひとつのシリコン細棒8に反対極性のドーパントを含んでいるものであってもよい。
 先述のようにPやBは環境起因で混入するものであり、現実的にはわずかには反対極性が含まれている。また、制御したい内容によっては積極的に反対極性を含ませておく可能性もある。そのような場合、反対極性を含むものであっても良い。
 更に具体的には、N型ドーパントとしてPを、P型ドーパントとしてBを用いることがより好ましい。
 PやBは、他の元素に比べて入手や取り扱いも比較的容易であり、また、大量に含まれた場合の電気特性の悪化の懸念も少ないので、より確実に抵抗率の制御をすることができる。
 次に、本発明の単結晶育成方法の一例について、図2のフロー図を参照しながら説明する。
 本発明の単結晶育成方法では、上述したような図1の本発明の単結晶育成装置1を用いて、以下に示すような方法でシリコン単結晶6を育成する。
(原料溶融工程)
 まず、石英ルツボ3に原料を充填する。そして、ヒーター4で石英ルツボ3を加熱保温して原料を溶融し、原料融液2とする(SP1)。
(サンプル結晶育成工程)
 次に、サンプル結晶を育成し、該サンプル結晶の導電型と抵抗率を測定する(SP2)。サンプル結晶としては、導電型及び抵抗率を測定できればよいので、例えば、極小さい単結晶を育成してこれをサンプル結晶とすれば十分である。
 このようにして、サンプル結晶を育成し、その導電型及び抵抗率を測定すれば、サンプル結晶を育成したときの原料融液2中のドーパント濃度(N型ドーパントとP型ドーパントとの差分)を確実に把握できる。
(マルチ引上げ工程)
 もしくは、マルチ引上げにおいては、前のシリコン単結晶6の導電型と抵抗率を測定する(SP3)。
 ここで、マルチ引上げとは、石英ルツボ3に収容された原料融液2からシリコン単結晶6を引上げた後、石英ルツボ3内に残留する原料融液2に、原料を追加投入して溶融し、次のシリコン単結晶6を引上げるという工程を繰り返し、1つの石英ルツボで複数のシリコン単結晶6を引上げる方法である。
 マルチ引上げの場合には、前の単結晶の育成に用いられた原料と同じ原料を用いて次回の育成を行うことがより好ましい。このようにすれば、後述のSP4において、より精度の良い推定が可能である。
 なお、前のシリコン単結晶6から導電型及び抵抗率の測定用のサンプルを作製し測定している間に、前と同じ原料を溶融しておけば、時間のロスを低減することが可能である。
(シリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程)
 SP2またはSP3で測定された導電型及び抵抗率に基づいて、原料融液2に挿入するべき前記シリコン細棒の導電型、および挿入量を決定する(SP4)。
 シリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程(SP4)において原料融液2に挿入するシリコン細棒の導電型及び挿入量の決定は、具体的には、例えば、図3に示す手順のようにして決定することができる。
 まず、サンプル結晶育成工程(SP2)もしくはマルチ引上げ工程(SP3)で測定された単結晶の導電型及び抵抗率から、次に育成するシリコン単結晶6の導電型及び抵抗率を推定する(SP7)。
 つぎに、推定した導電型が所望の導電型かを判定する(SP8)。
 推定した導電型が所望の導電型であった場合は、つぎに、推定した抵抗率が所望の抵抗率と比べて高いか、低いか、もしくは適切な値であるかを判定する(SP9)。
 SP9において、高いと判定された場合、もしくはSP8で否定結果であった場合、つまり、推定した導電型が所望の導電型で、推定した抵抗率が所望の抵抗率より高い場合、もしくは推定した導電型が所望の導電型とは反対極性の場合は、所望の導電型と同じ導電型のシリコン細棒を、単結晶が所望の抵抗率になるように、原料融液2に溶融することを決定する(SP10)。
 また、SP9において、推定した抵抗率が所望の抵抗率と比べて適切であると判断された場合、つまり、所望の導電型および抵抗率に対して、推定した導電型および抵抗率が適切な場合には、シリコン細棒を原料融液2に溶融しないことを決定する(SP11)。
 ここで、所望の抵抗率に対して、推定した抵抗率が適切な場合とは、所望の抵抗率規定範囲に対して、推定した抵抗率がこの規定範囲に入る場合のことである。
 また、SP9において、推定した抵抗率が所望の抵抗率と比べて低いと判定された場合、つまり、推定した導電型が所望の導電型で、前記推定した抵抗率が前記所望の抵抗率よりも低い場合には、所望の導電型とは反対極性の導電型のシリコン細棒を所望の抵抗率になるように、原料融液2に溶融することを決定する(SP12)。
 このような方法を用いれば事前に測定された抵抗率から予想される原料融液2中のドーパント濃度が、高い場合でも、低い場合でも、更には反対極性の場合であっても調整することが可能である。
(シリコン細棒溶融工程)
 次に、例えば上述したようなシリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程(SP4)で決定した導電型のシリコン細棒を決定された量で、原料融液2に挿入し、溶融することで原料融液2中のドーパント量を調整し、原料融液2から育成されるシリコン単結晶6の抵抗率を調整する(図2のSP5参照)。
 なお、シリコン細棒溶融工程は、後述するシリコン単結晶引上げ工程中に行っても良い。本発明のシリコン単結晶育成装置であれば、シリコン単結晶6を育成をしている際に、原料融液2にシリコン細棒を挿入して溶融しても、シリコン単結晶6が有転位化する可能性は低い。
(シリコン単結晶引上げ工程)
 そして、シリコン細棒によりドーパント濃度が調整された原料融液2から、シリコン単結晶6を引上げる(図2のSP6参照)。
 上記のような本発明の単結晶育成方法であれば、所望の導電型及び抵抗率のシリコン単結晶6を精度よく製造することができる。
 このとき、育成されるシリコン単結晶6の抵抗率を750Ωcm以上、さらには3000Ωcmとすることができる。本発明により、このような高抵抗率単結晶を簡単かつ高精度で育成することができる。
 以上述べてきた単結晶育成装置または単結晶育成方法によって育成された結晶は、抵抗率が精度良く制御されており有用である。
 このように抵抗率が精度良く制御された単結晶はデバイスを設計する上で有用である。特に抵抗率の制御が難しい高抵抗率の単結晶において、抵抗率を正確に制御してある単結晶は、特に有用である。
 以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
 Pをドープし、導電型がN型で、抵抗率を1Ωcmに調整したシリコン細棒と、Bをドープし、導電型がP型で、抵抗率を1Ωcmに調整したシリコン細棒を用意した。
 シリコン細棒は両端の抵抗率はP型の場合は1Ωcm±1.5%、N型の場合は1Ωcm±4%で、直径が約300mmで、長さが約300mmのシリコン単結晶のブロックから縦×横×長さが、2cm×2cm×30cmの角柱として切り出したものを用いた。
 このようにして用意したシリコン細棒をシリコン細棒挿入機に装着してメインチャンバー内に設置した。
 まず、マルチ引上げ方法で、前のシリコン単結晶を育成するマルチ引上げ工程を行った。ここでは、目標のシリコン単結晶を、導電型がP型で、抵抗率が750から1500Ωcmのものとして、トップ側での抵抗率がP型1450Ωcmとなるように調整したドーパントBを原料の多結晶シリコンとともに石英ルツボに充填し、ヒーターにより加熱し、溶融した。
 この原料融液から直径が約206mmの前のシリコン単結晶を育成した。この前のシリコン単結晶から抵抗率を測定するために、サンプルを切り出し、導電型及び抵抗率を測定した。
 そして、サンプルを測定している間に、前のシリコン単結晶の育成で用いたものと同じ原料を石英ルツボに追加投入して溶融し、原料融液の総重量を200kgに戻しておいた。
 溶融がすんだ後に、サンプルの抵抗率の測定結果が判明した。その結果、前のシリコン単結晶のトップ側の導電型がP型で抵抗率が約1100Ωcm、ボトム部の抵抗率がP型約800Ωcmと目標の抵抗率よりもやや低めであった。
 これから推定される前のシリコン単結晶を育成した後の原料融液中のB濃度は2.2×1013(atoms/cm)であった。そして、この原料融液に原料を追加投入し、溶融した後の原料融液中のB濃度は7.3×1012(atoms/cm)と推定された。そして、この原料融液から次に育成される単結晶は導電型がP型で、抵抗率が2300-1700Ωcmと推定された。
 次の単結晶で要求される所望の導電型はP型で、所望の抵抗率は750から1500Ωcmであった。
 シリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程で、上述した前のシリコン単結晶の測定結果から推定される、次に育成するシリコン単結晶の導電型は、所望の導電型で、推定される抵抗率は所望の抵抗率よりも高いものであるので、所望の導電型(P型)のシリコン細棒を、所望の抵抗率になるように、原料融液に溶融することを決定した。
 そこで、トップ側での抵抗率を1450Ωcm程度に調整するため必要なドーパント量を前の単結晶の抵抗率から算出した。その結果、導電型がP型で、抵抗率を1Ωcmに調整したシリコン細棒の重量で56gに相当した。
 そこで、シリコン細棒溶融工程で、P型のシリコン細棒の56gに相当する60mm分を原料融液に挿入して溶融した。その後、シリコン単結晶引上げ工程で、シリコン単結晶を育成した。
 その結果、トップ側で導電型がP型で、抵抗率が1460Ωcm、ボトム部で1060Ωcmと目的の抵抗率を得ることができた。
(実施例2)
 実施例1と同じ工程で前のシリコン単結晶を育成した。そして、実施例1と同様に、前のシリコン単結晶から抵抗率を測定するために、サンプルを切り出し、導電型及び抵抗率を測定した。
 そして、サンプルを測定した結果、トップ側の導電型がP型で、抵抗率が約2000Ωcm、ボトム部の導電型がP型で、抵抗率が約1520Ωcmであった。
 この結果から、原料を追加投入して、溶融した原料融液から次に育成されるシリコン単結晶の導電型及び抵抗率は、導電型がP型で、抵抗率が3900-3300Ωcm程度と推定された。
 次に育成するシリコン単結晶での所望の導電型は不問であるが、所望の抵抗率は4000Ωcm以上であった。
 この場合、シリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程で、所望の導電型をP型とすれば、前記の測定結果から推定される導電型は、所望の導電型で、推定される抵抗率は所望の抵抗率よりも低いものであるので、所望の導電型とは反対極性の導電型、すなわち導電型がN型のシリコン細棒を所望の抵抗率になるように原料融液に溶融することを決定することができる。
 あるいは、所望の導電型がN型で、所望の抵抗率が4000Ωcm以上であるとすると、前記の測定結果から推定される導電型は、P型なので、所望の導電型とは反対極性の導電型となるので、所望の導電型と同じ、すなわち導電型がN型のシリコン細棒を所望の抵抗率になるように原料融液に溶融することを決定することができる。
 ここでは、所望の導電型をP型とすることにしたので、このために必要なドーパント量を前の単結晶の抵抗率から算出すると、導電型がN型で、抵抗率を1Ωcmに調整したシリコン細棒の重量で37gに相当した。
 そこで、シリコン細棒溶融工程で、N型シリコン細棒をやや多めの40gに相当する43mm分を原料融液に挿入して溶融し、その後、シリコン単結晶引上げ工程で、シリコン単結晶を育成した。
 その結果、トップ側でP型4340Ωcm、最も抵抗率の低い部分でも4090Ωcmであり、目的の4000Ωcm以上の抵抗率を得ることができた。
 実施例2では、実施例1とは異なり、次に育成する単結晶の所望の抵抗率が、前の単結晶の抵抗率よりも高いものであった。このような場合であってもN型とP型の両方のシリコン細棒を装着していたので、所望の抵抗率の単結晶を育成することができた。
(実施例3)
 導電型がP型で、抵抗率が1Ωcmであるシリコン細棒と、同じく導電型がP型で、抵抗率10Ωcmであるシリコン細棒を、図1に示すような単結晶育成装置のシリコン細棒挿入機に装着した。
 マルチ引上げ工程での、前のシリコン単結晶の目標を、導電型がP型で、抵抗率が5000Ωcm以上のものとした。そこで、石英ルツボに、充填するドーパントを極わずかなP型ドーパントとした以外は、実施例1と同様にして前のシリコン単結晶を育成し、前のシリコン単結晶から抵抗率を測定するために、サンプルを切り出し、導電型及び抵抗率を測定した。
 そして、実施例1と同様に、サンプルを測定している間に、前のシリコン単結晶の育成で用いたものと同じ原料を石英ルツボに追加投入して溶融し、原料融液の総重量を200kgに戻しておいた。
 サンプルを測定した結果、トップ側の導電型がP型で、抵抗率が約6200Ωcm、ボトム部の導電型がP型で、抵抗率が約4850Ωcmであった。
 この結果から、原料を追加投入して溶融した原料融液から次に育成されるシリコン単結晶の導電型及び抵抗率は、導電型がP型で、抵抗率が12500-11500Ωcm程度と推定された。
 次の単結晶で要求される所望の導電型はP型で、抵抗率は5000Ωcm以上であった。
 導電型がP型で高抵抗率のものであれば良いので、P型ドーパントを少量投入する目的で、導電型がP型で、抵抗率10Ωcmであるシリコン細棒を60gを原料融液に挿入し溶融し、シリコン単結晶を育成した。
 このシリコン単結晶の抵抗率を測定している間に、前のシリコン単結晶の育成で用いたものと同じ原料を石英ルツボに追加投入して溶融し、原料融液の総重量を200kgに戻しておいた。
 抵抗率の測定の結果は、トップ側の抵抗率がP型約9700Ωcm、ボトム部の抵抗率がP型約8300Ωcmであった。
 次の単結晶で要求される所望の導電型もP型で、抵抗率も5000Ωcm以上であった。
 2本目の単結晶の測定結果から、原料を追加投入して、溶融した原料融液から次に育成されるシリコン単結晶の導電型及び抵抗率は、導電型がP型で、抵抗率が17000-16000Ωcm程度と推定され、原料のバラツキを考慮すると、N型に反転してしまう可能性も否定できないレベルであった。
 そこで、シリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程で、上記の測定結果から推定した導電型が所望の導電型であり、推定した抵抗率が所望の抵抗率よりも高い、或いは、所望の導電型とは反対極性となる可能性があるので、所望の導電型と同じ導電型のシリコン細棒を、単結晶が所望の抵抗率になるように、原料融液に溶融することを決定した。
 そこで、トップ側での抵抗率を6500Ωcm程度に調整するため必要なドーパント量を前の単結晶の抵抗率から算出した。
 その結果、シリコン細棒溶融工程で、導電型がP型で、抵抗率が1Ωcmのシリコン細棒を20gを原料融液に挿入して溶融した。その後、シリコン単結晶引上げ工程で、シリコン単結晶を育成した。
 その結果、トップ側の導電型がP型、抵抗率が約6600Ωcm、ボトム部の導電型がP型で、抵抗率が約5500Ωcmの目的の導電型及び抵抗率を得ることができた。
 このように同じ導電型ではあるが、抵抗率の異なるシリコン細棒を用意したことにより抵抗率の制御がより精度よくできた。
(比較例)
 シリコン細棒を挿入できるようになっていない、通常の単結晶育成装置を用いたことを除いては実施例1と同じようにしてシリコン単結晶を育成した。
 ただし、前の単結晶を育成し、この単結晶から抵抗率測定用のサンプルを切り出し、サンプルの導電型及び抵抗率を測定するまでの間、単結晶育成装置での作業を停止して待っていた。
 サンプルの抵抗率の測定結果が判明した後、導電型がP型で、抵抗率が750から1500Ωcmとなるように、所望のドーパントを追加投入した原料とともに溶融して原料融液の総量を200kgに戻してから、次の単結晶を育成した。
 導電型及び抵抗率は狙い通りのものが得られたが、実施例の方法に比較して約8時間長く掛かってしまった。実施例の方法ではシリコン細棒を溶融するための時間が必要ではあるが、抵抗率の測定を待たずに工程を進められたため、ロス時間を短縮することが可能であった。
 なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1.  チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成するための単結晶育成装置であって、
     該単結晶育成装置は、原料融液を収容する石英ルツボと、該石英ルツボを加熱保温するヒーターとが配置されるメインチャンバーと、該メインチャンバーの上部に接続され、育成したシリコン単結晶が引上げられて収納される引上げチャンバーとを具備し、
     前記メインチャンバーは、ドーパントを含む複数のシリコン細棒をそれぞれ独立して前記原料融液へ挿入し、溶融させることができるシリコン細棒挿入機を具備するものであることを特徴とする単結晶育成装置。
  2.  前記複数のシリコン細棒のうち少なくとも1本はN型のドーパントを含むものであり、少なくとも1本はP型のドーパントを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶育成装置。
  3.  前記N型ドーパントがP、As、Sb、Bi、Nのうちのいずれかひとつもしくは複数であり、前記P型ドーパントがB、Ga、In、Alのうちのいずれかひとつもしくは複数であることを特徴とする請求項2に記載の単結晶育成装置。
  4.  前記N型ドーパントがPであり、前記P型ドーパントがBであることを特徴とする請求項3に記載の単結晶育成装置。
  5.  請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単結晶育成装置を用いて、シリコン単結晶を育成するシリコン単結晶育成方法であって、
     前記石英ルツボに原料を充填して溶融する原料溶融工程と、サンプル結晶を育成し、該サンプル結晶の導電型と抵抗率を測定するサンプル結晶育成工程と、
     もしくは前記石英ルツボで複数本の前記シリコン単結晶を育成するマルチ引上げにおいては、前のシリコン単結晶の導電型と抵抗率を測定するマルチ引上げ工程と、
     前記測定された導電型と抵抗率に基づいて、前記原料融液に挿入するべき前記シリコン細棒の導電型、および挿入量を決定するシリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程と、
     該決定された導電型のシリコン細棒を決定された量で前記原料融液に挿入し、溶融することで前記原料融液中のドーパント量を調整し、前記原料融液から育成される前記シリコン単結晶の抵抗率を調整するシリコン細棒溶融工程と、
     前記原料融液から、シリコン単結晶を引上げるシリコン単結晶引上げ工程とを有することを特徴とするシリコン単結晶育成方法。
  6.  前記シリコン細棒の導電型及び挿入量決定工程において、
     前記測定された導電型と抵抗率から、次に育成するシリコン単結晶の導電型および抵抗率を推定し、該推定した導電型が所望の導電型で、前記推定した抵抗率が所望の抵抗率より高い場合、もしくは前記推定した導電型が前記所望の導電型とは反対極性の場合には、前記所望の導電型と同じ導電型の前記シリコン細棒を前記所望の抵抗率になるように、前記原料融液に溶融することを決定し、
     前記所望の導電型および抵抗率に対して、前記推定した導電型および抵抗率が適切な場合には、前記シリコン細棒を溶融しないことを決定し、
     前記推定した導電型が所望の導電型で、前記推定した抵抗率が前記所望の抵抗率よりも低い場合には、前記所望の導電型とは反対極性の導電型の前記シリコン細棒を前記所望の抵抗率になるように、前記原料融液に溶融することを決定することを特徴とする請求項5に記載のシリコン単結晶育成方法。
  7.  育成される前記シリコン単結晶の抵抗率を750Ωcm以上のシリコン単結晶とすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のシリコン単結晶育成方法。
  8.  育成される前記シリコン単結晶の抵抗率を3000Ωcm以上のシリコン単結晶とすることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のシリコン単結晶育成方法。
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