WO2015119162A2 - 点火装置 - Google Patents
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Abstract
点火装置は、内燃機関の燃焼室へ電磁波を放射する放射部と、前記放射部へ供給する電磁波を生成する生成部を備え、前記生成部は、前記電磁波に対応する周波数の電気信号を生成する発振器と、前記電気信号の増幅を行う第1増幅回路と、前記第1増幅回路の後段に設けられ、前記第1増幅回路からの出力が所定値以上の場合に増幅を行う第2増幅回路を有し、前記第1増幅回路は、前記放射部が電磁波を放射するタイミングに応じて、前記電気信号の増幅のオン/オフを切り替える。
Description
本発明は、点火装置に関する。特に、マイクロ波を用いて燃焼室内のプラズマを生成又は成長させることで、燃焼室における点火又は火炎伝播を促進する点火装置に関する。
特許文献1には点火プラグと一体化されたアンテナから、内燃機関の燃焼室内の混合気にマイクロ波を放射して、プラズマ放電を起こすことで着火の容易化、燃焼の促進を行う内燃機関が開示されている。
特許文献2には、内燃機関での燃焼促進等のために、発振器と、発振器が発振した高周波を増幅する増幅器を用いてマイクロ波を発生する構成が開示されている。
内燃機関での燃焼促進等のためにマイクロ波を放射すべき期間は、内燃機関のピストンの2往復(4サイクルエンジンの場合)中、わずかの期間で良い。しかし、現状、増幅器を常時オンとする構成としており、発熱や消費電力の点で問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものである。
本発明のある態様の点火装置は、内燃機関の燃焼室へ電磁波を放射する放射部と、前記放射部へ供給する電磁波を生成する生成部を備え、前記生成部は、前記電磁波に対応する周波数の電気信号を生成する発振器と、前記電気信号の増幅を行う第1増幅回路と、前記第1増幅回路の後段に設けられ、前記第1増幅回路からの出力が所定値以上の場合に増幅を行う第2増幅回路を有し、前記第1増幅回路は、前記放射部が電磁波を放射するタイミングに応じて、前記電気信号の増幅のオン/オフを切り替えることを特徴とする。
本発明の他の態様の点火装置は、内燃機関の燃焼室へ電磁波を放射する放射部と、前記放射部へ供給する電磁波を生成する生成部を備え、前記生成部は、前記電磁波に対応する周波数の電気信号を生成する発振器と、前記電気信号の増幅を行う増幅回路を備え、前記発振器は、前記放射部が電磁波を放射するタイミングに応じて、当該発振器の出力のオン/オフを切り替え、前記増幅回路は、増幅トランジスタと、前記発振器の出力がオフからオンとなったとき、所定時間一定の電圧を出力するタイマを備え、前記タイマからの出力に基づいて前記増幅トランジスタへのバイアス電圧を生成することを特徴とする。
本発明の点火装置によれば、内燃機関の燃焼室に放射するマイクロ波の生成器における消費電力、発熱を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
-内燃機関11-
図1は、本実施形態に係る内燃機関11の断面図である。本発明に係る点火装置は、この内燃機関11の燃焼室内において点火を行う。
図1は、本実施形態に係る内燃機関11の断面図である。本発明に係る点火装置は、この内燃機関11の燃焼室内において点火を行う。
内燃機関11は、シリンダブロック21と、シリンダヘッド22と、ピストン23とを備える。1つのシリンダブロック21に対し、横断面が円形のシリンダ24が複数形成される。4気筒のエンジンの場合、シリンダ24は4つ形成される。各シリンダ24内には、ピストン23が設けられる。ピストン23は、コネクティングロッドを介して、クランクシャフトに連結されており、ピストン23の上下方向の往復運動は、コネクティングロッドにより回転運動に変換されてクランクシャフトに伝達する。
シリンダヘッド22は、ガスケット18を挟んで、シリンダブロック21上に載置されている。シリンダヘッド22は、シリンダ24、ピストン23及びガスケット18と共に、円形断面の燃焼室20を区画する区画部材を構成する。
シリンダヘッド22には、複数のシリンダ24のそれぞれに対応して、点火プラグ8が1つずつ設けられる。
点火プラグ8は、燃焼室20内で点火を行う。点火プラグ8は、その先端部が燃焼室20に露出し、かつ燃焼室20の天井面20A(の中心部に位置するように設けられる。点火プラグ8の先端部では、中心電極8a及び接地電極8bが空間(放電ギャップ)を隔てて対峙しており、これらの電極間に高電圧が印加されると、点火プラグ8から放電が発生する。燃焼室20内の空気と燃料との混合気に放電を行うことで混合気が点火される。
また、本実施形態の点火プラグ8は、その先端部からマイクロ波を放射することもできる。
出願人は、マイクロ波を用いた非平衡プラズマ生成技術を確立し,そのプラズマ技術を内燃機関に適用する技術を開発した。この技術では、火花放電をプラズマの核とし、マイクロ波を供給することでプラズマを拡大する。本技術によれば、従来のエンジン形状を変更することなく、着火改善が可能である。
プラズマは電磁波を吸収する性質を持つことが知られており、自動車用の点火プラグで生成される火花放電もプラズマの一種である。点火プラグ8の放電ギャップは1mm程度と狭いので、比較的小さな入力エネルギ(50mJ以下)にてプラズマを生成できる。しかし、生成されたプラズマの体積は小さい。そこで、点火装置1では、この小さなプラズマである火花放電を成長させるためにマイクロ波を利用する。マイクロ波により生成された強電界によりプラズマ中の電子が加速され、電子なだれによりプラズマが拡大する。マイクロ波によるプラズマ領域の拡大と、プラズマ中に生成されたラジカルによる燃焼促進効果により,着火安定性の向上を実現する。
シリンダヘッド22には、複数のシリンダ24のそれぞれに対応して、吸気ポート25及び排気ポート26が形成される。吸気ポート25には、吸気ポート25の吸気側開口を開閉する吸気バルブ27と、燃料を噴射するインジェクター29とが設けられる。一方、排気ポート26には、排気ポート26の排気側開口を開閉する排気バルブ28が設けられる。本実施形態の内燃機関11は、燃焼室20において強いスワール流が形成されるように吸気ポート25が設計されるが、本発明は燃焼室内にタンブル流が形成されるように設計された内燃機関にも適用できる。
-点火装置1-
図2は本実施形態に係る点火装置1の概略ブロック図である。点火装置1は、直流電源2、点火コイル3、制御部4、マイクロ波発生器5、混合器7、点火プラグ8を備える。
図2は本実施形態に係る点火装置1の概略ブロック図である。点火装置1は、直流電源2、点火コイル3、制御部4、マイクロ波発生器5、混合器7、点火プラグ8を備える。
直流電源2は、一例として、自動車に標準的に搭載されるカーバッテリである。例えば、12Vの直流電圧を出力する。
点火コイル3は、変圧器又は誘導コイルであり、直流電源2からの電圧を点火プラグ8の火花放電に必要な高電圧(例えば1万ボルト)に昇圧する。
制御部4は、クランクシャフトの角度を検出するクランク角センサーの情報に基づいて、点火タイミングを決定する。クランクシャフトの回転角度とピストンの上下位置は一対一に対応しているため、クランク角からピストン23の位置が検出できる。制御部4は、ピストン23が上死点に到達する手前のタイミングで点火パルス信号を点火コイル3に出力する。点火パルス信号を受けた点火コイル3は、上記昇圧した電圧を点火プラグ8へ出力する。
なお、本実施形態の内燃機関11は4サイクルエンジンであるので、点火プラグ8による放電は、クランクシャフトの2回転につき1回行われる。従い、制御部4は、点火パルスを2回転に1回出力する。また、制御部4は、所謂、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成される。
マイクロ波発生器5は、点火プラグ8から放射するマイクロ波を生成する。マイクロ波発生器5の構成は後述する。
混合器(ミキサー)7は、点火コイル3から出力された火花放電用の高電圧と、マイクロ波発生器5から出力されたマイクロ波の高周波を混合する。混合器7では、高電圧パルス、マイクロ波のそれぞれが、他方の伝送路へ逆流しないように構成される。混合器7から出力された高電圧と高周波は点火プラグ8へ出力される。また、マイクロ波発生器5と混合器7は同軸ケーブルで接続され、マイクロ波はこの同軸ケーブルにより伝送される。
点火プラグ8は中心電極8a、エンジン(シリンダヘッド22)へ取りつけるためのネジ部、これらを絶縁するセラミックより構成されており、同軸伝送路となっている。マイクロ波は同軸伝送路により伝送可能であるので、本実施形態では通常の点火プラグによりマイクロ波を燃焼室20に供給している。火花放電が生じている際にマイクロ波を供給すると、火花放電により生成したプラズマにマイクロ波が吸収され、放電ギャップを中心としてプラズマが拡大する。
-マイクロ波発生器5-
マイクロ波発生器5は、点火プラグ8から放射されるマイクロ波を生成する。マイクロ波発生器5は、発振器51、第1増幅回路52、第2増幅回路53、電磁波制御回路54からなる。本実施形態の点火プラグ8から放射されるマイクロ波のエネルギはKW単位の大きさであるため、マイクロ波発生器5は、カーバッテリからの電力を1000倍程度増幅する必要がある。マイクロ波発生器5は、この増幅を高性能に行うために2段の増幅回路(第1増幅回路52、第2増幅回路53)により構成している。また、発振器51の出力側にはスイッチ55が設けられる。
マイクロ波発生器5は、点火プラグ8から放射されるマイクロ波を生成する。マイクロ波発生器5は、発振器51、第1増幅回路52、第2増幅回路53、電磁波制御回路54からなる。本実施形態の点火プラグ8から放射されるマイクロ波のエネルギはKW単位の大きさであるため、マイクロ波発生器5は、カーバッテリからの電力を1000倍程度増幅する必要がある。マイクロ波発生器5は、この増幅を高性能に行うために2段の増幅回路(第1増幅回路52、第2増幅回路53)により構成している。また、発振器51の出力側にはスイッチ55が設けられる。
発振器51は、点火プラグ8から放射するマイクロ波の周波数である2.45GHzの交流信号を生成し出力する。
第1増幅回路52は発振器51から出力された電力を増幅する。一例として、発振器51から出力された1Wの電力を30W程度(約30倍)に増幅する。第1増幅回路52は、A級増幅回路の一種である、CMOSトランジスタによるソース接地回路により構成される。A級増幅回路とは、増幅トランジスタに対する入力と出力の関係が、入力信号の全瞬時値にわたり直線的(比例関係)になるよう、正方向のバイアス電圧を与えるものである。これにより、入力電圧の振幅に比例した大きさの振幅を有する増幅信号が出力される。第1増幅回路52の回路構成は後述する。
第2増幅回路53は、第1増幅回路52から出力された電力を増幅する。第2増幅回路53は、C級増幅回路により構成され、所定値以上の振幅(大きな振幅)の信号が入力された場合にのみ増幅を行う。C級増幅回路では、増幅トランジスタのゲート電極に対し負方向のバイアス電圧が与えられることにより、入力信号の電圧が十分に高い場合にのみトランジスタのゲート閾値電圧を超える。従い、大きな振幅の信号が入力された場合にのみ増幅を行う。一例として、第2増幅回路53は30Wの電力を1KW程度約30倍)に増幅する。
電磁波制御回路54は、マイクロ波を放射するタイミングや、マイクロ波の大きさ(振幅)を決定する。このタイミングは、制御部4を経由して入力されるクランクシャフトの角度情報、クランクシャフトの回転速度に基づいて決定される。更には、後段の増幅回路の特性、混合器7や点火プラグ8でのマイクロ波の伝送特性、及び燃焼室20における火炎の伝播状況も考慮した上で決定される。
電磁波制御回路54は、決定したマイクロ波の放射タイミングに基づいて、スイッチ55のオン/オフ制御を行う。マイクロ波を放射するときはスイッチ55をオンとし、発振器51の出力を第1増幅回路52へ入力させる。マイクロ波を放射しないときはスイッチ55をオフとし、発振器51の出力が第1増幅回路52に入力されないようにする。
-第1増幅回路52の回路構成-
図3は、第1増幅回路52の回路図である。
第1増幅回路52は、発振器51で生成された2.45GHzの電気信号(交流電圧)を、電界効果トランジスタの一種であるCMOSトランジスタTR1を用いて増幅して第2増幅回路53に出力する。トランジスタTR1は、ソースS1側が接地されており、いわゆるソース接地回路として動作する。
発振器51からの交流電圧は入力端子RFinから入力される。この交流電圧はトランジスタTR1の前段に設けられたバイアス回路により、バイアス(直流のオフセット)が与えられる。バイアスを与えることにより、トランジスタTR1が動作領域(線形領域)で動作する。
上記バイアス回路はタイマ61を有する。タイマ61は、CMOSによるタイマ素子などにより構成され、トリガ(Trig)入力を契機に一定時間、一定の直流電圧を出力する。出力時間は、例えばCMOSタイマ素子の電源端子と放電端子間に接続する抵抗値と、スレショルド端子とグラウンド間に接続するコンデンサの容量値とにより設定できる。一定時間の経過後は、タイマ61は電圧を出力しない。
タイマ61の出力とグランド(GND)の間には、縦列接続された抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3が設けられる。タイマ61の出力電圧をVbとし、R1=R3とし、誘導コイルL1が可変抵抗R2の中点に接続される場合、トランジスタTR1のゲートG1には、電圧Vb/2がバイアス電圧として印加される。バイアス電圧は、可変抵抗R2の抵抗値を変更することにより調整できる。
T字型に接続されたコンデンサC1とコイルL1は、ハイパスフィルタとして動作し、低周波成分(マイクロ波のGHz帯よりも低い成分)をカットすると共に、バイアス電圧の安定化を図る。
タイマ61の入力段ではトランジスタTR2による回路により、RFinから入力される電圧をタイマ61を構成するCMOS素子の仕様電圧に合わせている。
トランジスタTR1のドレインD1は抵抗R4を介して直流電源(電圧VD)に接続され、ソースS1は、抵抗R5を介して接地される(グランドに接続されている)。トランジスタTR1がオン状態の場合、おおよそR5/(R5+R4)の電圧がコンデンサC2を介して、出力端子RFoutから第2増幅回路53へ出力される。
コンデンサC2は、直流成分をカットする目的で設けられる。
なお、タイマ61を構成するCMOS素子の電源電圧は一例として5[V]、タイマ61からの出力電圧Vbも5[V]、直流電圧VDは28[V]である。
-点火装置1による制御-
図4は、点火装置1による制御、及び第1増幅回路52の動作を示すタイミングチャートである。制御部4は、クランク角センサーから得られたクランクシャフトのクランク角情報に基づき、点火コイル3に対し、点火パルスを出力する。点火パスルの最適なタイミングは、内燃機関の仕様やエンジンの回転数、燃焼室の燃焼状態等により決まる。本例では、圧縮行程においてピストン23が上死点の数十度手前に到達する時刻tp1において点火パスルを出力する。
図4は、点火装置1による制御、及び第1増幅回路52の動作を示すタイミングチャートである。制御部4は、クランク角センサーから得られたクランクシャフトのクランク角情報に基づき、点火コイル3に対し、点火パルスを出力する。点火パスルの最適なタイミングは、内燃機関の仕様やエンジンの回転数、燃焼室の燃焼状態等により決まる。本例では、圧縮行程においてピストン23が上死点の数十度手前に到達する時刻tp1において点火パスルを出力する。
次に点火パルスから時刻td遅れて、制御部4はスイッチ55をオフからオンに変更する。これにより、第1増幅回路52の入力端子RFinには発振器51からの信号が入力される。
発振器51からの信号がタイマ61のトリガ端子(Trig)に入力されると、これを契機にタイマ61は、出力端子(Out)から一定時間tlの間、一定の直流電圧(5[V])を出力する。この時間tlは、マイクロ波を放射すべき時間に対応する。これにより、時間tlの間、トランジスタTR1のゲートにバイアス電圧が印加され、トランジスタTR1による増幅が行われる。なお、上記一定時間の期間tl中に、発振器51からの出力信号のレベルが大きく変動してもタイマ61は、上記一定の直流電圧の出力を継続する。
時間tlの経過後、タイマ61は、出力端子(Out)からの出力を停止する。トランジスタTR1のゲートにバイアス電圧が印加されなくなるため、トランジスタTR1は増幅を行わない。
その後、燃焼、排気、吸気の各行程を経て、再び圧縮工程に入り、時刻tp2において点火パスルが出力される。その後、上述と同様の動作により、トランジスタTR1のゲートにバイアス電圧が印加される。
-本実施形態の効果-
上記実施形態では、マイクロ波を出力すべき期間だけ第1増幅回路52による増幅を行うため、消費電力を大幅に低下させ、更に発熱を抑えることができる。特に、第1増幅回路52(初段アンプ)の増幅後の電流を減少させるので効果が大きい。増幅回路の発熱が著しく大きいと、放熱フィンや空冷だけでは不十分で水冷も必要となる場合がある。本実施形態によれば、発熱を低減効果により、水冷方式の採用を回避しうる。これにより、点火装置1の小型化やコストダウンにも寄与する。
上記実施形態では、マイクロ波を出力すべき期間だけ第1増幅回路52による増幅を行うため、消費電力を大幅に低下させ、更に発熱を抑えることができる。特に、第1増幅回路52(初段アンプ)の増幅後の電流を減少させるので効果が大きい。増幅回路の発熱が著しく大きいと、放熱フィンや空冷だけでは不十分で水冷も必要となる場合がある。本実施形態によれば、発熱を低減効果により、水冷方式の採用を回避しうる。これにより、点火装置1の小型化やコストダウンにも寄与する。
また、上記実施形態では、バイアス電圧生成回路に、CMOS素子等で構成されるタイマ61を用い、トリガ信号の入力を契機に一定時間、一定電圧を出力する。そして、この一定時間の間に、スパイクノイズ等により入力信号(発振器51からの出力信号)のレベルが変動しても、一定電圧の出力が継続される。従って、マイクロ波を照射する期間中、一定のバイアス電圧を印加できるので、第1増幅回路52による増幅度を安定させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明の範囲はあくまでも特許請求の範囲に記載された発明に基づいて定められるものであり、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、以下の変形例も本発明の範疇である。
-変形例-
また、図5の第1増幅回路52’のようなタイマ61を用いない単純な回路構成を用い、発振器51の後段のスイッチ55のオン/オフに同期させてスイッチSW1を制御してバイアス電圧を制御しても良い。但し、この回路では、高周波のノイズ(スパイクノイズ等)により、トランジスタTR1のバイアス電圧が変動し、安定した増幅が行えない虞もある。
また、図5の第1増幅回路52’のようなタイマ61を用いない単純な回路構成を用い、発振器51の後段のスイッチ55のオン/オフに同期させてスイッチSW1を制御してバイアス電圧を制御しても良い。但し、この回路では、高周波のノイズ(スパイクノイズ等)により、トランジスタTR1のバイアス電圧が変動し、安定した増幅が行えない虞もある。
上記実施形態では点火プラグの前段に、放電用の高電圧パルスと、マイクロ波用の高周波信号を混合する混合器を設け、点火プラグが放電とマイクロ波の放射の両方を行う構成を例に説明したが、マイクロ波を点火プラグとは別に設けた専用の放射アンテナから放射するタイプの点火装置にも適用可能である。
上記のマイクロ波発生器5は、クランクシャフトの角度情報を直接利用して、マイクロ波を放射するタイミングを決定し、増幅回路のオン/オフ制御を行っている。しかし、点火パルスをトリガとしてマイクロ波の放射タイミングを決定しても良い。この点火パルスも、元々はクランクシャフトの角度情報に基づいて決定しており、この場合もクランクシャフトの角度情報に基づいて増幅回路のオン/オフ制御するものといえる。従って、本発明の範囲内である。
また、上記実施形態の第2増幅回路53は、C級増幅回路により増幅するものとしているが、本発明の第2増幅回路は、第1増幅回路からの出力が所定値以上の場合に増幅を行うものであれば他の構成でも良く、例えばB級増幅回路により増幅を行うものでも良い。一方、第1増幅回路をB級増幅回路とし、第2増幅回路をC級増幅回路としても良い。
また、上記ではアナログ増幅回路を実施例として本発明の構成例を説明したが、デジタル増幅回路により本発明を構成しても良い。
上記では、マイクロ波発生器5は1つの点火プラグ8(1の気筒)に対して1台配設しているが、1つのマイクロ波発生器5から分岐手段を使用して複数の気筒に対してマイクロ波を送出しても良い。
また、マイクロ波発生器5のうち、発振器51は複数の気筒で1つとして共通使用し、第1増幅回路52及び第2増幅回路53は気筒毎に設けても良い。この場合、発振器51の後段には出力先の気筒を切り替えるための分岐スイッチが設けられる。そして、本発明の発振器のオン/オフを切り替えるとは、このような出力先を切り替える場合も含む。
燃焼室20内の燃焼状況に応じてバイアス電圧を動的に変動させても良い。バイアス電圧の変更は、例えば図3の可変抵抗R2の抵抗値を変更することで可能である。また、燃焼状況の推定は、例えば、放射アンテナを兼ねる点火プラグ8からの反射波の大きさをモニタする構成を混合器7内に設けておくことで実現できる。反射波の大小に応じて火炎の有無、又は大きさを推定できる。例えば、燃焼室が未燃状態の場合、高い増幅度が得るためにバイアス電圧を大きく設定(線形領域において、飽和領域に近い領域で使用)することで、大きなマイクロ波を出力でき、着火(プラズマの発生)を促進させることができる。一方、プラズマが既に発生し、プラズマを伝播させるステージでは、さほど大きなマイクロ波は必要ないと考えられる。この場合、消費電力を優先させるため、トランジスタの閾値電圧よりも少し高い程度のバイアス電圧に設定(線形領域において、遮断領域に近い領域で使用)しても良い。
マイクロ波の制御や増幅回路の制御は電磁波制御回路54が行う代わりに制御部4が行っても良い。
上記では点火プラグ8により放電着火を行うエンジン(ガソリンエンジンで一般的なタイプ)を例に説明したが、本発明は点火プラグを有さないエンジン(ディーゼルエンジンで一般的に用いられるタイプ)にも適用可能である。
上記実施形態は、本発明を自動車のエンジン等の内燃機関の点火に用いる点火装置に適用した例であるが、本発明は、プラズマを効果的に発生、拡大させるプラズマ発生装置に適用することもできる。かかるプラズマ装置は、例えば内燃機関の燃焼室内の排気ガスの浄化機能の向上、塗装装置の性能向上、除菌/洗浄装置の性能向上などに活用することができる。
本発明は、自動車のエンジン等の内燃機関等において適用可能である。
1 点火装置
2 直流電源
3 点火コイル
4 制御装置
5 マイクロ波発生器
7 混合器
8 点火プラグ
8a 中心電極
8b 接地電極
11 内燃機関
51 発振器
52 第1増幅回路
53 第2増幅回路
54 電磁波制御回路
55 スイッチ
61 タイマ
2 直流電源
3 点火コイル
4 制御装置
5 マイクロ波発生器
7 混合器
8 点火プラグ
8a 中心電極
8b 接地電極
11 内燃機関
51 発振器
52 第1増幅回路
53 第2増幅回路
54 電磁波制御回路
55 スイッチ
61 タイマ
Claims (4)
- 内燃機関の燃焼室へ電磁波を放射する放射部と、
発振器と、該発振器からの出力を増幅する第1及び第2増幅回路を有し、前記放射部へ供給する電磁波を生成する生成部を備え、
前記第2増幅回路は、前記第1増幅回路の後段に設けられ、前記第1増幅回路からの出力が所定値以上の場合に増幅を行い、
前記第1増幅回路は、前記放射部が電磁波を放射するタイミングに応じて、前記電気信号の増幅のオン/オフを切り替える
ことを特徴とする点火装置。 - 前記第1増幅回路は、電界効果トランジスタによるソース接地回路、又はバイポーラトランジスタを用いたエミッタ接地回路により構成され、
前記第2増幅回路は、C級増幅回路により構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の点火装置。 - 前記内燃機関に向けて放電を行う放電部を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の点火装置。 - 内燃機関の燃焼室へ電磁波を放射する放射部と、
発振器と、該発振器からの出力を増幅するトランジスタを用いた増幅回路を有し、前記放射部へ供給する電磁波を生成する生成部を備え、
前記発振器は、前記放射部が電磁波を放射するタイミングに応じて、出力のオン/オフが切り替わり、
前記増幅回路は、前記発振器の出力がオフからオンとなったとき、所定時間一定の電圧を出力するタイマを備え、前記タイマからの出力に基づいて前記トランジスタへのバイアス電圧を生成する
ことを特徴とする点火装置。
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JP2014019013 | 2014-02-04 |
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JP4380031B2 (ja) * | 1999-08-20 | 2009-12-09 | 富士電機デバイステクノロジー株式会社 | 点火用半導体装置 |
JP4912444B2 (ja) * | 2009-08-10 | 2012-04-11 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置 |
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-
2015
- 2015-02-04 JP JP2015561012A patent/JPWO2015119162A1/ja not_active Ceased
- 2015-02-04 WO PCT/JP2015/053126 patent/WO2015119162A2/ja active Application Filing
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122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 15746134 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A2 |