JP2015151949A - 内燃機関 - Google Patents

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祐太 島
Yuta Shima
祐太 島
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Abstract

【課題】火花点火のための所要の放電を継続的に安定して行い得る内燃機関を提供する。
【解決手段】内燃機関は、気筒の燃焼室100内に臨むアンテナを介して燃焼室内に生成される電界と、点火プラグ12の中心電極12aと接地電極12bとの間に発生する火花放電とを相互作用させて燃焼室内にプラズマPを生成し、混合気に着火する火花点火式の内燃機関であって、接地電極の電位に比べ中心電極の電位を負とする電圧を火花放電のために点火コイルから印加するための印加装置を設け、燃焼室100に生成されるプラズマの領域が、中心電極と接地電極との間に介在する絶縁体12cに到達しないように燃焼室に供給する電界の強さを設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、火花点火式の内燃機関に関するものである。
火花点火式内燃機関に実装されている点火装置では、イグナイタが消弧した際に点火コイルに発生する高電圧を点火プラグの中心電極に印加することで、点火プラグの中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起し、点火する。
近時では、気筒の燃焼室内にある混合気に確実に着火させ、安定した火炎を得ることができるようにするために、高周波発振器が出力する高周波若しくはマグネトロンが出力するマイクロ波を燃焼室内に放射する「アクティブ着火」法が試みられている(例えば、下記特許文献を参照)。アクティブ着火法によれば、中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界若しくはマイクロ波電界が形成され、この電界中で発生したプラズマが成長して、火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きな火炎核を生成することができる。
特開2011−64162号公報
内燃機関の点火プラグの電極は、その使用期間が長くなるにつれて徐々に損耗してゆく。とりわけ、上記のアクティブ着火法を用いる場合には、その損耗が顕著となる。中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界若しくはマイクロ波電界が形成されるとき、中心電極又は接地電極のみならず燃焼室内における点火プラグ近傍の金属も激しく削られてゆき、削られた金属がイオンの状態となり燃焼室内を漂うことになる。その結果、中心電極と接地電極とを絶縁するために設けられた碍子たる絶縁体に上記の金属イオンが付着してしまうことにより絶縁破壊が起こってしまい、点火のための所要の放電ではなく、想定外の放電を起こしてしまう可能性を招来する。そして上記の金属イオンの発生は、特に電界中で発生したプラズマの領域内で多く発生し、発生した金属イオンはプラズマの領域内の位置で付着してしまう傾向にある。
本発明は、上述の問題に初めて着目してなされたものであり、火花点火のための所要の放電を継続的に安定して行い得る内燃機関を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち本発明に係る内燃機関は、気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に生成される電界と、点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し、混合気に着火する火花点火式の内燃機関であって、接地電極の電位に比べ中心電極の電位を負とする電圧を火花放電のために点火コイルから印加するための印加装置を設け、燃焼室に生成されるプラズマの領域が、中心電極と接地電極との間に介在する絶縁体に到達しないように燃焼室に供給する電界の強さを設定する。
本願発明は上述の通り、金属イオンの発生は、特に電界中で発生したプラズマの領域内で多く発生し、発生した金属イオンはプラズマの領域内の位置で付着してしまう傾向にある点に初めて着目することによってなされたものである。
このようなものであれば、プラズマの生成が絶縁体を配した位置以外の領域で行われるため、プラズマが生成された領域内で発生した金属イオンは絶縁体に付着する可能性が低いこととなる。そのため、金属イオンを絶縁体に付着させてしまうことを抑制し、絶縁体への金属の堆積を低減することができる。すなわち本発明によれば、火花点火のための所要の放電を継続的に安定して行い得る内燃機関を提供することができる。
本発明によれば、火花点火のための所要の放電を継続的に安定して行い得る内燃機関を提供することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における点火装置の回路図。 同実施形態における電界発生装置の構成を説明する図。 同実施形態における電界発生装置の要素であるHブリッジの回路図。 同実施形態における要部を模式的に示す図。 同実施形態の変形例における点火装置の回路図。 同実施形態の他の変形例に図5に対応した説明図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室100(図5)の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極12aと接地電極12b(図5)との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
本実施形態では図2に示すように、点火コイル14は、中心電極12aに対して負の電圧を印加するための負側一次コイル14aと、中心電極12aに対して正の電圧を印加する正側一次コイル14bとを有している。そしてイグナイタ13は、負側一次コイル14aへの通電を制御するための負側イグナイタ13a及び正側一次コイル14bへの通電を制御するための正側イグナイタ13bを有している。すなわち本実施形態では、負側一次コイル14a及び正側一次コイル14bへの通電により互いに逆方向の磁束が発生する。これにより二次コイル14cにて発生する電圧の正負が切り替わるようになっている。
本実施形態の内燃機関には、気筒1の燃焼室100内に電界を発生させる電界発生装置6A、6Bが付帯している。電界発生装置6A、6Bは、気筒1の燃焼室100内に高周波電界を放射し、その燃焼室100内でプラズマ(P)を生成する目的のものである。また本明細書に記載する「プラズマ」とは、斯かる電界発生装置6A、6Bにより生成されるもののみを指す。すなわち燃焼による炎も狭義のプラズマであるが本明細書では炎としてのプラズマを度外視して記す。
図3及び図4に、電界発生装置6A、6Bの一例を示している。電界発生装置6A、6Bは、車載バッテリを電源とし、低圧直流を高圧交流に変換する回路を含む。具体的には、バッテリが提供する約12Vの直流電圧を100V〜500Vに昇圧するDC−DCコンバータ61と、DC−DCコンバータ61が出力する直流を高周波の交流に変換するHブリッジ回路62と、Hブリッジ回路62が出力する交流をさらに高い電圧に昇圧する昇圧トランス63とを構成要素とする。
本実施形態では、気筒1の点火プラグ12の中心電極12aに負の高周波電界を印加する負電圧発生部たる第一電界発生装置6Aと、同点火プラグ12の中心電極12aに正の高周波電界を印加する正電圧発生部たる第二電界発生装置6Bとが並存しており、点火プラグ12の中心電極12aに、第一電界発生装置6Aが発生させる負の電界、または第二電界発生装置6Bが発生させる正の電界の何れかを選択的に印加することが可能となっている。
各電界発生装置6A、6Bの出力端には、第一ダイオード64A、64B及び第二ダイオード65A、65Bを設けている。第一ダイオード64A、64Bは、カソードが昇圧トランス63の二次側巻線の信号ラインに接続し、アノードが点火コイル14との結節点であるミキサ66に接続する。第二ダイオード65A、65Bは、アノードが昇圧トランス63の二次側巻線のグランドラインに接続し、カソードが接地する。
第一ダイオード64A、64B及び第二ダイオード65A、65Bの極性(向き)は、第一電界発生装置6Aと第二電界発生装置6Bとで異なっている。第一電界発生装置6Aにおける第一ダイオード64A及び第二ダイオード65Aは、Hブリッジ回路62が発生させる交流電圧を負の電圧に半波整流する役割を担う。同様に、第二電界発生装置6Bにおける第一ダイオード64B及び第二ダイオード65Bは、Hブリッジ回路62が発生させる交流電圧を正の電圧に半波整流する役割を担う。
電界発生装置6A、6Bと点火プラグ12の中心電極12aに連なるミキサ66との間には、スイッチング部7を介設している。スイッチング部7は、第一電界発生装置6Aとミキサ66との間を断接切換するスイッチ7Aと、第二電界発生装置6Bとミキサ66との間を断接切換するスイッチ7Bとを要素とする。各スイッチ7A、7Bには、トランジスタやMOSFET等のような半導体スイッチング素子を用いてもよく、リレーのような機械的なスイッチを用いてもよい。
ミキサ66には、点火コイル14の二次側に誘導される火花放電用の高圧パルス電流が電界発生装置6A、6Bに向けて流れることを遮る機能を備えることが好ましい。だが、スイッチ7A、7Bのスイッチング等により火花放電用の高圧パルスの電界発生装置6A、6Bへの流入を遮断できるのであれば、当該機能は不要である。
電界発生装置6A、6Bが出力する高周波電圧は、通常、火花放電開始と略同時、火花放電開始直前または火花放電開始直後に、点火プラグ12の中心電極12aに印加する。つまりは、気筒1の燃焼室100内に臨む点火プラグ12の中心電極12aを、電界を放射するアンテナとする。これにより、燃焼室100内における、点火プラグ12の中心電極12aと接地電極12bとの間の空間に、高周波電界が形成される。そして、高周波電界中で火花放電が生起することによりプラズマ(P)が発生し、このプラズマ(P)が火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きなラジカルプラズマ火炎核を生成する。
上記は、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、電界の影響を受け振動、蛇行することで行路長が長くなり、周囲の水分子や窒素分子と衝突する回数が飛躍的に増加することによるものである。イオンやラジカルの衝突を受けた水分子や窒素分子は、OHラジカルやNラジカルになるとともに、イオンやラジカルの衝突を受けた周囲の気体も電離した状態、即ちプラズマ状態となることで、飛躍的に混合気への着火領域が大きくなり、火炎核も大きくなるのである。この結果、火花放電のみによる二次元的な着火から三次元的な着火に増幅され、燃焼が燃焼室100内に急速に伝播、高い燃焼速度で拡大することとなる。
因みに、交流電圧発生回路であるHブリッジ回路62に替えて、脈流電圧発生回路を採用することもできる。この場合、当該脈流電圧発生回路は周期的に電圧が変化する直流電圧を発生させるものであればよく、その波形も任意であってよい。脈流電圧は、基準電圧(0Vであることがある)から一定周期で一定電圧まで変動するパルス電圧、交流電圧を半波整流した電圧、交流電圧に直流バイアスを加味した電圧等をおしなべて含む。電界発生装置6A、6Bが発振する高周波電圧は、周波数が200kHz〜3000kHz程度、振幅が3kVp−p〜10kVp−p程度であることが好ましい。
内燃機関の気筒1に吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
気筒1から排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
本実施形態の内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号g、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、第一電界発生装置6Aに対して電界(即ち、高周波)印加指令信号l、第二電界発生装置6Bに対して電界印加指令信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、燃焼室100内に電界を発生させるか否かやその電界発生のタイミングといった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
点火プラグ12の中心電極12aをアンテナとして燃焼室100内に放射される高周波電界と、点火プラグ12の中心電極12aと接地電極12bとの間に発生する火花放電とを相互作用させてプラズマ(P)を生成し混合気に着火するアクティブ着火を行う際には、第一電界発生装置6Aまたは第二電界発生装置6Bの何れか一方を選択してミキサ66に接続し、その接続した電界発生装置6A、6Bが出力する負のまたは正の高周波電界を中心電極12aに印加して、中心電極12aから燃焼室100内に放射させる。
即ち、気筒1における一度の混合気の燃焼(換言すれば、一度のサイクル(吸気行程−圧縮行程−膨張行程−排気行程の一連を一サイクルとする))において、点火プラグ12の中心電極12aから、負の高周波電界または正の高周波電界の何れかを放射する。気筒1における一度の混合気の燃焼において、ECU0は、燃焼室100内に高周波電界を放射するタイミング(火花放電開始と略同時、火花放電開始直前または火花放電開始直後のタイミング)に合わせて、スイッチ7Aを接続しつつスイッチ7Bを切断して第一電界発生装置6Aのみをミキサ66に接続するか、あるいは、スイッチ7Bを接続しつつスイッチ7Aを切断して第二電界発生装置6Bのみをミキサ66に接続する。そして、ミキサ66に接続している側の電界発生装置6A、6Bから高周波を出力させる。
その上で、本実施形態では、点火プラグ12の中心電極12aまたは接地電極12bの一方的な損耗を抑制して点火プラグ12を延命するべく、アクティブ着火においてミキサ66に接続する電界発生装置6A、6B、即ち中心電極12aに印加するべき高周波電界を適宜切り換えることとしている。
点火プラグ12の中心電極12aに負の高周波電界を印加するアクティブ着火を実行すると、中心電極12aから接地電極12bに向けて電子が放出される。このとき、中心電極12aの構成材料(金属)が電子とともに飛散するものと推測され、中心電極12aが激しく削られてゆく。だが、接地電極12bは、中心電極12aと比較してその損耗が軽微である。
翻って、点火プラグ12の中心電極12aに正の高周波電界を印加してアクティブ着火を実行すると、相対的に低電位となる接地電極12bから中心電極12aに向けて電子が放出される。このときにも、接地電極12bの構成材料が電子とともに飛散するものと推測され、接地電極12bが激しく削られてゆく。だが、中心電極12aは、接地電極12bと比較してその損耗が軽微である。
他方、点火コイルにおける負側一次コイル14aを介して負の電圧を印加し火花点火を実行すると、中心電極12aから接地電極12bに向けて電子が放出される。このとき、中心電極12aの構成材料(金属)が電子とともに飛散するものと推測され、中心電極12aが激しく削られてゆく。だが、接地電極12bは、中心電極12aと比較してその損耗が軽微である。
そして、相対的に低電位となる接地電極12bから中心電極12aに向けて電子が放出される。このときにも、接地電極12bの構成材料が電子とともに飛散するものと推測され、接地電極12bが激しく削られてゆく。だが、中心電極12aは、接地電極12bと比較してその損耗が軽微である。
なお、イグナイタ13、すなわち負側イグナイタ13a及び正側イグナイタ13b作動は点火信号iにより制御される。
また本実施形態では、運転状態に応じて電界発生装置6A、6Bを用いたアクティブ着火を適宜行うようにしている。このとき、図示しないEGR回路を用いて排気を高い割合で吸気に還流、混合させるといった所謂大量EGR運転時や、空燃比をリーンにするリーン運転時のようにすなわち失火を起こし易い運転状態にあるときに、電界強度を所定値以上にするなど、回転、負荷領域やEGR量といった運転状態に応じて電界強度を適宜設定している。
そしてこのとき、電界を生成するタイミングは一例として、火花点火を行うタイミングを避けた前後それぞれの一定期間に設定している。これにより、何れの電界発生装置6A、6Bによる電界を生成した場合であっても正常な火花点火を行うことができる。また本実施形態では、電界発生装置6A、6Bから生成される何れの電界であっても点火コイル14を用いた火花点火は同様に行うようにしている。ここで、電界発生装置6Bによる正の脈流による電界であれば、電界の発生に伴って燃焼室100内に発生する金属イオンは接地電極12b側に多く存在するものの、燃焼室100内の金属イオンは負の脈流による電界同様に発生するためである。
しかして本実施形態に係る内燃機関は図5に示すように、燃焼室100に生成されるプラズマ(P)の領域が、中心電極12aと接地電極12bとの間に介在する絶縁体12cに到達しないように燃焼室100に供給する電界の強さを設定する。ここで、本実施形態における印加装置とは、点火コイル14及びイグナイタ13である。また本実施形態では、点火コイル14における負側一次コイル14aを介して負の電圧を印加し火花点火を実行するとき、プラズマ(P)の領域が絶縁体13cに到達しないようにしている。すなわち本実施形態では、回転、負荷領域やEGR量といった運転状態に応じて生成されるプラズマ(P)の大きさが変わるので、予め試験にて適合し、例えばマップとしてECU0に記憶させるようにし、これら運転状態を鑑みながら電界強度を適宜制御するようにして、プラズマ(P)が生成される領域が絶縁体13cに到達しないようにしている。
ここで、本実施形態における燃焼室100に取り付けられた点火プラグを図5に記して説明する。
点火プラグ12は、気筒1においてプラグハウジング120が燃焼室100の壁内に埋まるように取り付けられる事により、燃焼室100内に中心電極12aの一部及び接地電極12bが入り込んだ状態で露出するとともに、燃焼室100の外側の部分では絶縁体12c全体及び接地電極12bの一部が、燃焼室100内に臨むように表出する。
中心電極12aは、燃焼室100内に侵入するべく突出し且つ絶縁体12cよりも露出している部分を突出部12a2としている。
そして絶縁体12cは同図に示すように、点火プラグ12の軸心方向に退避したハウジング120よりもはみ出した燃焼室100内に隆起部12c2を突出させて位置付けるようにしている。
そして本実施形態では図5に示すようにプラズマ(P)が形成する大きさは、中心電極12aが隆起部12c2よりも突出する突出量を鑑みて設定される。これにより、発生した燃焼室100内の金属イオンが中心電極12aに金属として付着しても、金属はプラズマ(P)が形成される中心電極12aに優先して付着するようになる。その結果、付着した金属が絶縁体12cに堆積して不要な絶縁破壊を招来する可能性を有効に低減せしめている。
すなわち以上のように、本実施形態に係る内燃機関はプラズマ(P)の生成が絶縁体12cを配した位置以外の領域で行われるため、火花点火を実行するとき中心電極12aに金属イオンは優先して集まり、特に突出している突出部12a2に集中して付着する。その結果、金属イオンを絶縁体12cに付着させてしまうことを抑制し、絶縁体12cへの金属の堆積を低減することができる。すなわち本実施形態によれば、火花点火のための所要の放電を継続的に安定させ得る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
<変形例>
以下に本実施形態の各変形例について説明する。これら変形例について、上記実施形態における構成要素に相当するものに対しては同じ符号を付するとともに、その詳細な説明を省略する。
例えば、上記実施形態では気筒1の燃焼室内に臨む点火プラグ12の中心電極を、電界を放射するアンテナとする態様を開示したが勿論、図6に示すように点火プラグ12をアンテナとして利用せず、点火プラグ12とは別個独立したアンテナ17を設けたものであってもよい。以下、図6に示す本実施形態の変形例については上記実施形態の構成要素に相当するものに対し同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略するものとする。
同図に示すように、同変形例は、二次コイル14cを、ミキサを介さずに直接点火プラグ12に接続するようにしている。そして、電界発生装置6A、6Bは、スイッチ7A、スイッチ7Bを介して点火プラグ12とは別体に構成され燃焼室100内の所要の位置に露出させて設けられたアンテナ17に接続するようにしている。このようなものであれば、電界生成のための放電のプラスマイナス及び火花点火の為の電圧印加の正負に拘わらず所要のタイミングでの電界の生成及び火花点火を行い得る。
すなわち本変形例では上記実施形態とな異なり、斯かるアンテナ17の配置を元に、運転状態に応じた電界強度を決定する制御を行うものである。
続いて他の変形例について図7に示す。同図では、絶縁体を燃焼室100から退避させて設けることにより、中心電極12aがハウジング120内で表出するハウジング内表出部12a1と、燃焼室100内へ突出する突出部12a2とを有するようにしている。斯かる場合は生成されるプラズマの大きさは、絶縁体からの突出量、還元すればハウジング内突出部12a1の突出量及び突出部12a2の突出量の和に基づいて同図に破線で示すように生成されるべく電界の強さが設定される。
このようなものであっても、上記実施形態並びに変形例同様、金属が絶縁体12cに付着してしまうという不具合が有効に回避されるため、安定した火花点火を継続して維持し得る。
以上、本発明の実施形態並びに変形例について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態では中心電極に負の電圧を印加する態様を開示したが勿論、正の電圧を印加するときであっても生成されるプラズマの大きさを適宜制御するようにしても良い。またアンテナを接地する位置や接地電極並びに絶縁体の具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は火花点火式の内燃機関として利用することができる。
6A、6B…電界発生装置
12…点火プラグ
13…印加装置(イグナイタ)
14…印加装置(点火コイル)
12a…中心電極
12b…接地電極
12c…絶縁体

Claims (1)

  1. 気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に生成される電界と、点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し、混合気に着火する火花点火式の内燃機関であって、
    火花放電のために点火コイルから電圧を印加するための印加装置を設け、
    燃焼室に生成されるプラズマの領域が、中心電極と接地電極との間に介在する絶縁体に到達しないように燃焼室に供給する電界の強さを設定する内燃機関。
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