JP2015158141A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】火花点火のための所要の放電を継続的に安定して行い得る内燃機関を提供する。
【解決手段】本発明に係る内燃機関は、気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に生成される電界と、点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し、混合気に着火する火花点火式の内燃機関であって、前記点火プラグの電極を流れる電流量を計測することを通じて、前記点火プラグの前記電極から離脱した金属の量を推定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、火花点火式の内燃機関に関するものである。
火花点火式内燃機関に実装されている点火装置では、イグナイタが消弧した際に点火コイルに発生する高電圧を点火プラグの中心電極に印加することで、点火プラグの中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起し、点火する。
近時では、気筒の燃焼室内にある混合気に確実に着火させ、安定した火炎を得ることができるようにするために、高周波発振器が出力する高周波若しくはマグネトロンが出力するマイクロ波を燃焼室内に放射する「アクティブ着火」法が試みられている(例えば、下記特許文献を参照)。アクティブ着火法によれば、中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界若しくはマイクロ波電界が形成され、この電界中で発生したプラズマが成長して、火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きな火炎核を生成することができる。
特開2011−64162号公報
内燃機関の点火プラグの電極は、その使用期間が長くなるにつれて徐々に損耗してゆく。とりわけ、上記のアクティブ着火法を用いる場合には、その損耗が顕著となる。中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界若しくはマイクロ波電界が形成されるとき、中心電極又は接地電極のみならず燃焼室内における点火プラグ近傍の金属も激しく削られてゆき、削られた金属がイオンの状態となり燃焼室内を漂うことになる。その結果、中心電極と接地電極とを絶縁するために設けられた碍子たる絶縁体に上記の金属イオンが付着してしまうことにより絶縁破壊が起こってしまい、点火のための所要の放電ではなく、想定外の放電を起こしてしまう可能性を招来する。
本発明は、上述したような点に着目したものであり、点火プラグが上記のような想定外の放電を起こしてしまう不具合を有効に回避することができる内燃機関を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち本発明に係る内燃機関は、気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に生成される電界と、点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し、混合気に着火する火花点火式の内燃機関であって、前記点火プラグの電極を流れる電流量を計測することを通じて、前記点火プラグの前記電極から離脱した金属の量を推定するものとした。
本発明は、燃焼室内に金属イオンが生成された場合において、点火プラグの電極から電流が検出され得る点に初めて着目することによってなされたものである。
このようなものであれば、一回の燃焼において電極から離脱する金属量を検出することによって、累積する金属量を推定することにより、点火プラグの絶縁体に付着、堆積する金属量を推定することができ、その推定量を勘案して点火プラグの交換をドライバやメンテナンス時の作業者に促すなど、継続して安定した点火を維持するための適切な処置を適切な時期に採ることができる。その結果、点火プラグが上記のような想定外の放電を起こしてしまう不具合を継続して有効に回避することができる内燃機関を提供する。
また、より正確に電極から離脱した金属量を推定し得るようにするためには、計測される電流量が多い程、点火プラグの電極から離脱した金属の量が多いと推定するようにすることが望ましい。
本発明によれば、点火プラグが上記のような想定外の放電を起こしてしまう不具合を有効に回避することができる内燃機関を提供することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における点火装置の回路図。 同実施形態におけるイオン電流検出回路の回路図。 同実施形態における電界発生装置の構成を説明する図。 同実施形態における電界発生装置の要素であるHブリッジの回路図。 同実施形態における検出される電流量をグラフとして示す図。 同実施形態の変形例における点火装置の回路図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室100(図5)の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極12aと接地電極12b(図5)との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
本実施形態では図2に示すように、点火コイル14は、中心電極12aに対して負の電圧を印加するための負側一次コイル14aと、中心電極12aに対して正の電圧を印加する正側一次コイル14bとを有している。そしてイグナイタ13は、負側一次コイル14aへの通電を制御するための負側イグナイタ13a及び正側一次コイル14bへの通電を制御するための正側イグナイタ13bを有している。すなわち本実施形態では、負側一次コイル14a及び正側一次コイル14bへの通電により互いに逆方向の磁束が発生する。これにより二次コイル14cにて発生する電圧の正負が切り替わるようになっている。
本実施形態の内燃機関には、気筒1の燃焼室100内に電界を発生させる電界発生装置6A、6Bが付帯している。電界発生装置6A、6Bは、気筒1の燃焼室100内に高周波電界を放射し、その燃焼室100内でプラズマを生成する目的のものである。また本明細書に記載する「プラズマ」とは、斯かる電界発生装置6A、6Bにより生成されるもののみを指す。すなわち燃焼による炎も狭義のプラズマであるが本明細書では炎としてのプラズマを度外視して記す。
また本実施形態では図2に示すように、ECU0は、燃料の爆発燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、そのイオン電流を参照して燃焼状態の判定を行う。具体的に説明すると、点火コイルのすなわち二次側回路すなわち二次コイル14cに、燃焼室100内に発生するイオン電流を検出するためのイオン電流検出回路Pが付帯している。
図3に、イオン電流検出回路Pの一例を示している。同図に示すように、このイオン電流検出回路Pは、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号pとしてECU0に受信される。
また図4及び図5に、上記電界発生装置6A、6Bの一例を示している。電界発生装置6A、6Bは、車載バッテリを電源とし、低圧直流を高圧交流に変換する回路を含む。具体的には、バッテリが提供する約12Vの直流電圧を100V〜500Vに昇圧するDC−DCコンバータ61と、DC−DCコンバータ61が出力する直流を高周波の交流に変換するHブリッジ回路62と、Hブリッジ回路62が出力する交流をさらに高い電圧に昇圧する昇圧トランス63とを構成要素とする。
本実施形態では、気筒1の点火プラグ12の中心電極12aに負の高周波電界を印加する負電圧発生部たる第一電界発生装置6Aと、同点火プラグ12の中心電極12aに正の高周波電界を印加する正電圧発生部たる第二電界発生装置6Bとが並存しており、点火プラグ12の中心電極12aに、第一電界発生装置6Aが発生させる負の電界、または第二電界発生装置6Bが発生させる正の電界の何れかを選択的に印加することが可能となっている。
各電界発生装置6A、6Bの出力端には、第一ダイオード64A、64B及び第二ダイオード65A、65Bを設けている。第一ダイオード64A、64Bは、カソードが昇圧トランス63の二次側巻線の信号ラインに接続し、アノードが点火コイル14との結節点であるミキサ66に接続する。第二ダイオード65A、65Bは、アノードが昇圧トランス63の二次側巻線のグランドラインに接続し、カソードが接地する。
第一ダイオード64A、64B及び第二ダイオード65A、65Bの極性(向き)は、第一電界発生装置6Aと第二電界発生装置6Bとで異なっている。第一電界発生装置6Aにおける第一ダイオード64A及び第二ダイオード65Aは、Hブリッジ回路62が発生させる交流電圧を負の電圧に半波整流する役割を担う。同様に、第二電界発生装置6Bにおける第一ダイオード64B及び第二ダイオード65Bは、Hブリッジ回路62が発生させる交流電圧を正の電圧に半波整流する役割を担う。
電界発生装置6A、6Bと点火プラグ12の中心電極12aに連なるミキサ66との間には、スイッチング部7を介設している。スイッチング部7は、第一電界発生装置6Aとミキサ66との間を断接切換するスイッチ7Aと、第二電界発生装置6Bとミキサ66との間を断接切換するスイッチ7Bとを要素とする。各スイッチ7A、7Bには、トランジスタやMOSFET等のような半導体スイッチング素子を用いてもよく、リレーのような機械的なスイッチを用いてもよい。
ミキサ66には、点火コイル14の二次側に誘導される火花放電用の高圧パルス電流が電界発生装置6A、6Bに向けて流れることを遮る機能を備えることが好ましい。だが、スイッチ7A、7Bのスイッチング等により火花放電用の高圧パルスの電界発生装置6A、6Bへの流入を遮断できるのであれば、当該機能は不要である。
電界発生装置6A、6Bが出力する高周波電圧は、通常、火花放電開始と略同時、火花放電開始直前または火花放電開始直後に、点火プラグ12の中心電極12aに印加する。つまりは、気筒1の燃焼室100内に臨む点火プラグ12の中心電極12aを、電界を放射するアンテナとする。これにより、燃焼室100内における、点火プラグ12の中心電極12aと接地電極12bとの間の空間に、高周波電界が形成される。そして、高周波電界中で火花放電が生起することによりプラズマが発生し、このプラズマが火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きなラジカルプラズマ火炎核を生成する。
上記は、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、電界の影響を受け振動、蛇行することで行路長が長くなり、周囲の水分子や窒素分子と衝突する回数が飛躍的に増加することによるものである。イオンやラジカルの衝突を受けた水分子や窒素分子は、OHラジカルやNラジカルになるとともに、イオンやラジカルの衝突を受けた周囲の気体も電離した状態、即ちプラズマ状態となることで、飛躍的に混合気への着火領域が大きくなり、火炎核も大きくなるのである。この結果、火花放電のみによる二次元的な着火から三次元的な着火に増幅され、燃焼が燃焼室100内に急速に伝播、高い燃焼速度で拡大することとなる。
因みに、交流電圧発生回路であるHブリッジ回路62に替えて、脈流電圧発生回路を採用することもできる。この場合、当該脈流電圧発生回路は周期的に電圧が変化する直流電圧を発生させるものであればよく、その波形も任意であってよい。脈流電圧は、基準電圧(0Vであることがある)から一定周期で一定電圧まで変動するパルス電圧、交流電圧を半波整流した電圧、交流電圧に直流バイアスを加味した電圧等をおしなべて含む。電界発生装置6A、6Bが発振する高周波電圧は、周波数が200kHz〜3000kHz程度、振幅が3kVp−p〜10kVp−p程度であることが好ましい。
内燃機関の気筒1に吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
気筒1から排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
本実施形態の内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号g、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号h、燃焼室100内での混合気の燃焼に伴う等により生じるイオン電流を検出するイオン電流検出回路Pから出力されるイオン電流信号p等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、第一電界発生装置6Aに対して電界(即ち、高周波)印加指令信号l、第二電界発生装置6Bに対して電界印加指令信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h及びpを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、燃焼室100内に電界を発生させるか否かやその電界発生のタイミングといった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
点火プラグ12の中心電極12aをアンテナとして燃焼室100内に放射される高周波電界と、点火プラグ12の中心電極12aと接地電極12bとの間に発生する火花放電とを相互作用させてプラズマを生成し混合気に着火するアクティブ着火を行う際には、第一電界発生装置6Aまたは第二電界発生装置6Bの何れか一方を選択してミキサ66に接続し、その接続した電界発生装置6A、6Bが出力する負のまたは正の高周波電界を中心電極12aに印加して、中心電極12aから燃焼室100内に放射させる。
即ち、気筒1における一度の混合気の燃焼(換言すれば、一度のサイクル(吸気行程−圧縮行程−膨張行程−排気行程の一連を一サイクルとする))において、点火プラグ12の中心電極12aから、負の高周波電界または正の高周波電界の何れかを放射する。気筒1における一度の混合気の燃焼において、ECU0は、燃焼室100内に高周波電界を放射するタイミング(火花放電開始と略同時、火花放電開始直前または火花放電開始直後のタイミング)に合わせて、スイッチ7Aを接続しつつスイッチ7Bを切断して第一電界発生装置6Aのみをミキサ66に接続するか、あるいは、スイッチ7Bを接続しつつスイッチ7Aを切断して第二電界発生装置6Bのみをミキサ66に接続する。そして、ミキサ66に接続している側の電界発生装置6A、6Bから高周波を出力させる。
その上で、本実施形態では、点火プラグ12の中心電極12aまたは接地電極12bの一方的な損耗を抑制して点火プラグ12を延命するべく、アクティブ着火においてミキサ66に接続する電界発生装置6A、6B、即ち中心電極12aに印加するべき高周波電界を適宜切り換えることとしている。
点火プラグ12の中心電極12aに負の高周波電界を印加するアクティブ着火を実行すると、中心電極12aから接地電極12bに向けて電子が放出される。このとき、中心電極12aの構成材料(金属)が電子とともに飛散するものと推測され、中心電極12aが激しく削られてゆく。だが、接地電極12bは、中心電極12aと比較してその損耗が軽微である。
翻って、点火プラグ12の中心電極12aに正の高周波電界を印加してアクティブ着火を実行すると、相対的に低電位となる接地電極12bから中心電極12aに向けて電子が放出される。このときにも、接地電極12bの構成材料が電子とともに飛散するものと推測され、接地電極12bが激しく削られてゆく。だが、中心電極12aは、接地電極12bと比較してその損耗が軽微である。
他方、点火コイルにおける負側一次コイル14aを介して負の電圧を印加し火花点火を実行すると、中心電極12aから接地電極12bに向けて電子が放出される。このとき、中心電極12aの構成材料(金属)が電子とともに飛散するものと推測され、中心電極12aが激しく削られてゆく。だが、接地電極12bは、中心電極12aと比較してその損耗が軽微である。
そして、相対的に低電位となる接地電極12bから中心電極12aに向けて電子が放出される。このときにも、接地電極12bの構成材料が電子とともに飛散するものと推測され、接地電極12bが激しく削られてゆく。だが、中心電極12aは、接地電極12bと比較してその損耗が軽微である。
なお、イグナイタ13、すなわち負側イグナイタ13a及び正側イグナイタ13b作動は点火信号iにより制御される。
また本実施形態では、運転状態に応じて電界発生装置6A、6Bを用いたアクティブ着火を適宜行うようにしている。このとき、図示しないEGR回路を用いて排気を高い割合で吸気に還流、混合させるといった所謂大量EGR運転時や、空燃比をリーンにするリーン運転時のようにすなわち失火を起こし易い運転状態にあるときに、電界強度を所定値以上にするなど、回転、負荷領域やEGR量といった運転状態に応じて電界強度を適宜設定している。
そしてこのとき、電界を生成するタイミングは一例として、火花点火を行うタイミング以降である火花点火前の一定期間に設定している。これにより、何れの電界発生装置6A、6Bによる電界を生成した場合であっても正常な火花点火を行うことができる。また本実施形態では、電界発生装置6A、6Bから生成される何れの電界であっても点火コイル14を用いた火花点火は同様に行うようにしている。ここで、電界発生装置6Bによる正の脈流による電界であれば、電界の発生に伴って燃焼室100内に発生する金属イオンは接地電極12b側に多く存在するものの、燃焼室100内の金属イオンは負の脈流による電界同様に発生するためである。
しかして本実施形態に係る内燃機関は図6に示すように、点火プラグの中心電極12a、接地電極12b間を流れる電流量をイオン電流検出回路Pによって計測することを通じて、点火プラグ12の中心電極12aから離脱した金属の量を推定するようにしている。
ここで図6に、本実施形態におけるイオン電流の推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
また本実施形態では電界発生装置6A、6Bの作動中並びにプラズマ(燃焼による炎を除く)の発生時はイオン電流の検出は行わないようにしている。
しかして本実施形態では、プラズマの生成(図中実線で示す)を伴うアクティブ着火実行時では、イオン電流が極大となる前後のタイミングで、アクティブ着火不実行時(破線で示す)に比べ、大きい値のイオン電流が検出される。同図では、火花点火の後イオン電流が極大となる前でアクティブ着火不実行時よりも大きい電流値が検出されるタイミングβ、及びイオン電流が極大となった後にアクティブ着火不実行時よりも大きい電流値が検出されるタイミングαを図示している。また、タイミングαは具体的には、膨張行程後半から下死点に至るまでの期間が該当する。このようにタイミングα、又はタイミングβにおいてアクティブ着火不実行時よりも電流値が大きい原因として、アクティブ着火実行時に燃焼室100内に発生する金属イオンが中心電極12a、接地電極12b間の抵抗値を下げたことに起因すると考えられる。またイオン電流が極大となるタイミングやその直前直後のタイミングでは燃焼によって検出されるイオン電流の値が大きすぎて金属イオンの存在に起因する電流が検出出来ないものと考えられる。なお、タイミングβよりも、タイミングαの方が金属イオンに起因するイオン電流をより明確に検出し得ると考えられる。
そして本実施形態ではタイミングα、βの何れかにおいて検出される電流量、又はその積分値を点火毎に検出、記録してゆき、その合計の値が所定値に到達すると、点火プラグ12の電極12a、12bから離脱した金属量が多くこれら中心電極12a及び接地電極12bに介在する図示しない絶縁体に金属が付着し、想定外の放電を起こしてしまう可能性があると判断するようにしている。具体的には、検出される電流値が大きい程、電極12a、12bから離脱し、点火プラグ12に堆積し得る金属量が多いと推定、判断するようにしている。そして、検出し、積算された電流量と点火プラグ12に堆積し得る金属量との相関は、予め試験や適合により算出しておき、マップとしてECU0のメモリに記憶させておくという態様が挙げられる。
また本実施形態では、上記タイミングα、βの何れかにおいて検出される電流量の合計の値が所定値に到達すると、点火プラグ12の交換を促すべく、ドライバに告知する処置をとったり、メンテナンス時に作業者に告知する処置をとったりするようにしている。前者の具体例としては、運転室内のチェックランプを点灯させることによりドライバに告知する態様を挙げることができる。後者の具体例としては、メンテナンス時に点火プラグの交換タイミングである旨の表示をダイアグノーシスコードとして表示し、作業者に告知する態様を挙げることができる。
以上のような構成とすることにより本実施形態では、一回の燃焼において電極から離脱する金属量を検出することによって、累積する金属量を推定することにより、点火プラグ12の中心電極12aと接地電極12b間に介在する絶縁体に付着、堆積する金属量を推定することができ、その推定量を勘案して点火プラグ12の交換をドライバやメンテナンス時の作業者に促すなど、継続して安定した点火を維持するための適切な処置を適切な時期に採ることができる。その結果、点火プラグ12が想定外の放電を起こしてしまう不具合を継続して有効に回避することができる内燃機関が実現される。
また、より正確に電極12a、12bから離脱した金属量を推定し得るようにするために本実施形態では、計測される電流量が多い程、点火プラグ12の電極12a、12bから離脱した金属の量が多いと推定するようにしている。
<変形例>
以下に本実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では気筒1の燃焼室内に臨む点火プラグ12の中心電極を、電界を放射するアンテナとする態様を開示したが勿論、図7に示すように点火プラグ12をアンテナとして利用せず、点火プラグ12とは別個独立したアンテナ17を設けたものであってもよい。以下、図7に示す本実施形態の変形例については上記実施形態の構成要素に相当するものに対し同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略するものとする。
同図に示すように、同変形例は、二次コイル14cを、ミキサを介さずに直接点火プラグ12に接続するようにしている。そして、電界発生装置6A、6Bは、スイッチ7A、スイッチ7Bを介して点火プラグ12とは別体に構成され燃焼室100内の所要の位置に露出させて設けられたアンテナ17に接続するようにしている。このようなものであれば、電界生成のための放電のプラスマイナス及び火花点火の為の電圧印加の正負に拘わらず所要のタイミングでの電界の生成及び火花点火を行い得る。
そして本変形例にあっても上記実施形態と同様、斯かるアンテナ17による電界の生成タイミング及びプラズマの生成タイミングを避けたタイミングにてイオン電流の検出を行うことにより、中心電極12aから離脱し燃焼室100内に生成される金属イオンの存在及び発生量を、イオン電流の電流量並びにその積分値により推定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態では検出した電流値の積算値が所定値を超えると点火プラグの交換を促す態様を開示したが勿論、前記所定値に至る前にアクティブ着火を行わないようにしたり、電界発生装置により負の脈流による電界を発生していたときは正の脈流による電界を発生するアクティブ着火に切り換えたり、点火コイルにおける負側一次コイルを介して負の電圧を印加し火花点火を実行していたときは正側一次コイルを介して正の電荷を印可し火花点火を実行する態様に切り換えたりする方策が考えられる。すなわち、上記の内中心電極の損耗が大きいとされているときに、より中心電極の損耗が小さくなる処置を施す態様としても良い。
また点火プラグの電極や電界を生成するアンテナの具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は火花点火式の内燃機関として利用することができる。
6A、6B…電界発生装置
12…点火プラグ
13…印加装置(イグナイタ)
14…印加装置(点火コイル)
12a…中心電極
12b…接地電極
P…イオン電流検出回路

Claims (2)

  1. 気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に生成される電界と、点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し、混合気に着火する火花点火式の内燃機関であって、
    前記点火プラグの電極を流れる電流量を計測することを通じて、前記点火プラグの前記電極から離脱した金属の量を推定する内燃機関。
  2. 計測される前記電流量が多い程、前記点火プラグの前記電極から離脱した金属の量が多いと推定する請求項1記載の内燃機関。
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