WO2015118984A1 - ガラス樹脂複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】反りの発生が低減されたガラス樹脂複合体を提供すること。 【解決手段】ガラスシートの少なくとも一方の面に樹脂で形成されている樹脂部を有するガラス樹脂複合体であって、前記ガラスシートは、厚さが10~500μmであり、前記樹脂部は、前記ガラスシートの表面の単位面積当たりの前記樹脂の付着量が0.1mg/m2~10g/m2であり、且つ、前記ガラスシートの表面における厚さの標準偏差が平均厚さの0.001~3倍である。
Description
本発明は、ガラス樹脂複合体に関する。
液晶ディスプレイ等の表示装置や、半導体素子等には、表面を保護するためにカバーガラスが設けられている。近年では、表示装置や半導体素子等の小型化・軽量化に伴って、これらに用いられるガラスの極薄化が進められている。
ガラスは薄くすると割れ易くなるため、薄化を進める場合には、実使用に耐え得る強度を同時に確保する必要がある。そこで、ガラス基板の表面に樹脂層を形成して複合体とし、耐衝撃性、耐久性を確保することが考えられている。ガラス等の基板表面に薄膜を形成する方法としては、スプレー法、インクジェット法、印刷法等、従来より様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
しかしながら、ガラスシートの表面に樹脂層を形成すると、ガラスシートと樹脂層との線膨張係数の差異等により、樹脂層が形成されたガラスシートに反りが発生する場合がある。特に、ガラスシートの表面に樹脂層が連続的に形成され、樹脂層が厚みを有する場合に、ガラスシートに反りが生じ易くなる。この様なガラスシートの反りは、ガラスシート上にデバイスを形成する印刷、コーティング等の各工程、乾燥及び加熱処理等において問題となる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、反りの発生が低減されたガラス樹脂複合体を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、ガラスシートの少なくとも一方の面に樹脂で形成されている樹脂部を有するガラス樹脂複合体であって、前記ガラスシートは、厚さが10~500μmであり、前記樹脂部は、前記ガラスシートの表面の単位面積当たりの前記樹脂の付着量が0.1mg/m2~10g/m2であり、且つ、前記ガラスシートの表面における厚さの標準偏差が平均厚さの0.001~3倍である。
本発明の実施形態によれば、反りの発生が低減されたガラス樹脂複合体を提供できる。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<ガラス樹脂複合体>
図1は、実施形態におけるガラス樹脂複合体100を例示する図である。ガラス樹脂複合体100は、図1に示す様に、ガラスシート10と、ガラスシート10の表面に樹脂で形成されている樹脂部20とを有する。
図1は、実施形態におけるガラス樹脂複合体100を例示する図である。ガラス樹脂複合体100は、図1に示す様に、ガラスシート10と、ガラスシート10の表面に樹脂で形成されている樹脂部20とを有する。
ガラス樹脂複合体100は、波長が400~700nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、93%以上であることが特に好ましい。ガラス樹脂複合体100は、上記波長範囲、すなわち可視光の範囲において透明であることが好ましい。ガラス樹脂複合体100は、透明性を有することで、例えば表示装置の前面に配置される保護板に用いられることが可能になる。また、例えば発光素子や発電素子等の基材として用いられた場合において、発光効率、発電効率を下げることがない。
また、ガラス樹脂複合体100の厚さは、外観が良好になるため均一であることが好ましい。具体的には、厚さの標準偏差が50%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。
(ガラスシート)
ガラスシート10は、材質、組成に制限はなく、例えばソーダライムガラス、アルカリ-ホウケイ酸ガラス、無アルカリ-ホウケイ酸ガラス、無アルカリ-アルミノシリケートガラス等を用いることができる。このうち、無アルカリ-ホウケイ酸ガラス、無アルカリ-アルミノシリケートガラスは、耐久性に優れ、高い弾性率を有し、線膨張係数が低い点で好ましい。また、無アルカリ-ホウケイ酸ガラス及び無アルカリ-アルミノシリケートガラス(以下では、「無アルカリガラス」という)は、ガラスの上に半導体素子を形成する場合に、アルカリによる素子の不良が発生しないため好ましい。なお、無アルカリガラスとは、ガラス組成を酸化物で表した場合に、アルカリ金属酸化物の含有割合が1モル%未満(0モル%であってもよい)のガラスをいう。
ガラスシート10は、材質、組成に制限はなく、例えばソーダライムガラス、アルカリ-ホウケイ酸ガラス、無アルカリ-ホウケイ酸ガラス、無アルカリ-アルミノシリケートガラス等を用いることができる。このうち、無アルカリ-ホウケイ酸ガラス、無アルカリ-アルミノシリケートガラスは、耐久性に優れ、高い弾性率を有し、線膨張係数が低い点で好ましい。また、無アルカリ-ホウケイ酸ガラス及び無アルカリ-アルミノシリケートガラス(以下では、「無アルカリガラス」という)は、ガラスの上に半導体素子を形成する場合に、アルカリによる素子の不良が発生しないため好ましい。なお、無アルカリガラスとは、ガラス組成を酸化物で表した場合に、アルカリ金属酸化物の含有割合が1モル%未満(0モル%であってもよい)のガラスをいう。
ガラスシート10の厚さは、10~500μmである。厚さが10μm以上であれば、樹脂部20が形成された場合において十分な耐衝撃性を得られやすくなる。また、厚さが500μm以下であれば、ガラス樹脂複合体100が柔軟性を得られやすくなる。ガラスシート10の厚さは、20~300μmがより好ましく、30~100μmが特に好ましい。
また、ガラスシート10の厚さは、均一であることが好ましく、具体的には、厚さの偏差が、PV(Peak to Valley)値で15%以下(例えば厚さが100μmに対して、偏差が15μm以下)であることが好ましい。厚さが均一になることで、ガラスシート10の外観が良好になる。
ガラスシート10の表面は、平坦であることが好ましい。ガラスシート10は、平坦であるほど光線透過率が高くなり、表面の粗度としては、JIS B0601で規定される算術平均粗さ(Ra)で、30nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。また、ガラスシート10の表面が平坦であると、表面に透明導電膜等の電極を積層した場合に、膜抵抗が均一となり欠陥が生じにくくなるため好ましい。
ガラスシート10の誘電率は、10kHzにおいて5~7が好ましい。またガラスシート10のヤング率は、70~95GPaが好ましく、75~90GPaがより好ましい。
ガラスシート10の線膨張係数は、0~200℃において、3×10-6~5×10-6/℃(3~5ppm/℃)が好ましい。これらの特性を有するガラスシート10は、光電変換素子、表示部材等の保護板、半導体装置の基材等として好適である。
また、ガラスシート10は、強化処理が施されたものであってもよい。強化処理としては化学強化が好ましい。化学強化であれば、薄いガラスシート10に対しても有効な強化処理を施すことができる。ガラスシート10が強化処理を施されることで、薄く、軽量であっても樹脂塗膜付きガラスシート10が破損しにくくなるという効果が得られる。
なお、ガラスシート10は、ロール状に巻き回される長尺状のガラス基板であってもよく、枚葉状のガラス基板であってもよい。何れの場合であっても、表面に樹脂部20が形成されることで、ロール状に巻き回された状態や、積層された状態において、ガラスシート10のガラス面同士が密着してブロッキングを起こすことがなく、離型性に優れたガラス樹脂複合体100を得ることができる。
(樹脂部)
樹脂部20は、ガラスシート10の片面又は両面に形成される。樹脂部20は、ガラスシート10の全面に形成されてもよく、例えばガラスシート10の周縁等に部分的に形成されてもよい。
樹脂部20は、ガラスシート10の片面又は両面に形成される。樹脂部20は、ガラスシート10の全面に形成されてもよく、例えばガラスシート10の周縁等に部分的に形成されてもよい。
例えばガラスシートが枚葉状(長方形)である場合には、周縁部として4辺全部に樹脂部20が形成されていてもよく、向かい合う2辺にのみ樹脂部20が形成されていてもよい。この場合において、樹脂部20が形成される周縁部の領域は、例えばガラスシートの端部から一定距離の範囲に形成されることが好ましい。該一定距離としては、短い場合には約5mm、長い場合には約50mmをそれぞれ例示できる。
また、例えばガラスシートが長尺状である場合には、幅方向(長手方向と直交する方向)の端部近傍に、樹脂部20が形成されていてもよい。この場合において、樹脂部20が形成される端部近傍領域は、例えばガラスシート幅方向の端部から一定距離の範囲に形成されることが好ましい。該一定距離としては短い場合には約5mm、長い場合には約50mmをそれぞれ例示できる。
なお、樹脂部20が周縁部に設けられている場合に、樹脂部の面積20とは、樹脂がガラスシートの表面に付着している領域の面積であり、樹脂が離散的にガラス表面に付着している場合(例えば複数の樹脂のドット同士が接触せずに形成されている場合)であっても、樹脂と樹脂との間でガラス表面が露出した部分も樹脂部の面積に含むものとする。ただし、樹脂と隣り合う樹脂とが1cm以上離間し、連続してガラス表面が露出する場合には、当該ガラス表面の露出部分は樹脂部の面積には含めない。
樹脂部20は、ガラスシート10の表面を保護し、ガラスシート10の耐衝撃性、耐久性を向上させる。また、ガラスシート10の表面に樹脂部20が形成されたガラス樹脂複合体100は、積層されてもガラスシート10のガラス面同士が密着することがなく、ガラス面と樹脂部20とが接触することで離型性が確保される。
樹脂部20は、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂等)、ポリシクロオレフィン系樹脂の何れかの樹脂を用いて形成される。樹脂部20は、例えば、スプレー、エレクトロスプレー、インクジェット等による塗布、スクリーン印刷、又は加工フィルムを貼着されることで、ガラスシート10の表面に形成されるが、樹脂部20の形成方法はこれらに限るものではない。
図2A及び図2Bは、図1のA-A断面の概略図である。樹脂部20は、図2A及び図2Bに示す様に、ガラスシート10の表面から半球状に突出する複数の凸部21を有する。複数形成される凸部21は、図2Aに示す様に、ガラスシート10の表面にそれぞれ独立して形成されてもよく、図2Bに示す様に、それぞれ連結する様に形成されてもよい。また、凸部21は、ガラスシート10の表面に一定間隔で配列されてもよく、不規則な位置に形成されてもよい。
凸部21の大きさとしては、直径で0.5μm~5mmが好ましく、10μm~1mmがより好ましい。また凸部21の配置間隔は中心間距離で0.5μm~5mmであることが好ましく、10μm~1mmがより好ましい。
凸部21の形状は、半球状に限るものではなく、断面が矩形状であってもよく、ガラスシート10の表面において線状に伸びる形状であってもよい。また、凸部21は、線状に形成されて、ガラスシート10の表面に一定間隔で配列されてもよく、不規則な位置に形成されてもよく、格子状に重ねて形成されてもよい。
ここで、樹脂部20は、ガラスシート10の表面の単位面積当たりの樹脂の付着量が0.1mg/m2~10g/m2であり、0.1mg/m2~5g/m2が好ましく、0.2mg/m2~5g/m2がより好ましい。なお、樹脂の付着量は、一定面積のガラス樹脂複合体の試料質量を精秤した結果と、加熱雰囲気(例えば500~700℃で1時間処理)でこのガラス樹脂複合体から樹脂を灰化除去して得られるガラスシート質量を精秤した結果との差分により求められる。
また、樹脂部20は、ガラスシート10の表面における厚さの標準偏差が平均厚さの0.001~3倍であり、0.01~2倍が好ましく、0.01~1.5倍がより好ましい。樹脂部20の厚さの標準偏差が平均厚さに対して小さくなるということは、樹脂部20がフラットになることを意味する。また、標準偏差が平均厚さに対して大きくなるということは、離散的に高い凸部が存在する様になることを意味する。
ここで、標準偏差とは、樹脂部20における樹脂厚さの標準偏差である。また、平均厚さとは、樹脂部20における樹脂厚さの平均値である。なお、樹脂厚さの標準偏差は、樹脂部20において樹脂表面粗さを測定し、得られた表面粗さを統計処理して求められる。表面粗さは、例えば触針式の表面粗さ測定装置で測定でき、サンプリングが一定区間で直線的に行われる場合には、表面粗さ曲線として得られる。また、樹脂厚さの平均値とは、例えば表面粗さ曲線において、樹脂とガラスシート表面との接合面(線)と、粗さ曲線から求められる平均線との距離として求められる。
また、樹脂部20におけるガラス表面の露出面積割合は、0~98%が好ましく、0~90%がより好ましく、5~85%が特に好ましい。ただし、樹脂部20におけるガラス表面の露出面積割合とは、「樹脂部20の面積」に対する「樹脂部20においてガラス表面が露出している面積」の割合をいう。すなわち当該割合が0%であるとは、樹脂部20においてガラス表面が全て樹脂に覆われている状態を意味する。
また、樹脂部20は、最大厚さ(凸部21の最大高さ)が、ガラスシート10の厚さを100としたときに1~100が好ましく、5~50がより好ましく、5~25が特に好ましい。さらに、樹脂部20の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.02μm~2.5mmが好ましく、0.02μm~100μmがより好ましく、0.02μm~50μmが更に好ましく、0.03μm~30μmが特に好ましい。
本実施形態に係るガラス樹脂複合体100によれば、ガラスシート10が樹脂部20により保護され、耐衝撃性、耐久性が向上する。また、ガラスシート10の表面に、樹脂部20の凸部21と同じ厚さを有する樹脂層が形成される場合に比べて、本実施形態に係るガラス樹脂複合体100では、乾燥又は加熱処理時における樹脂の収縮が小さく、反りの発生が低減される。樹脂部20の収縮による反りが低減されるため、例えば取扱性に優れた熱可塑性樹脂等でも樹脂部20に使用可能になり、樹脂部20に用いられる樹脂の選択肢が広がる。
さらに、ガラス樹脂複合体100は、ガラスシート10の表面に樹脂部20が形成されていることで、積層された場合にもガラスシート10のガラス面同士が密着してブロッキングを起こすことがなく、離型性に優れ、ハンドリング性が向上する。
<実施例>
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(材料)
・ガラスシート:旭硝子社製の無アルカリガラス(商品名:AN100)のガラスシート(厚さが30μm、100mmx100mm)を用いた。
・ガラスシート:旭硝子社製の無アルカリガラス(商品名:AN100)のガラスシート(厚さが30μm、100mmx100mm)を用いた。
・ポリイミド樹脂1:パラフェニレンジアミン(10.8g,0.1mol)をN,N-ジメチルアセトアミド(198.6g)に溶解させ、室温下で攪拌した。これに3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)(29.4g,0.1mmol)を1分間で加え、室温下2時間攪拌し、ポリアミック酸を含む固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液をN-メチルピロリドン(NMP)にて固形分が8質量%となるように希釈し、ポリアミック酸溶液A1とした。
・フッ素樹脂1:ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、KF-1120、フッ素含有率:59.4質量%)のNMP溶液(固形分:8質量%)をフッ素樹脂溶液B1とした。
(塗布)
ガラスシートに樹脂を塗布するエレクトロスプレー装置として、FUENCE社製Esprayer ES2000S2を用いた。シリンジ針先端とガラスシートとの距離は100mmとした。
ガラスシートに樹脂を塗布するエレクトロスプレー装置として、FUENCE社製Esprayer ES2000S2を用いた。シリンジ針先端とガラスシートとの距離は100mmとした。
(実施例1)
エレクトロスプレー装置を用いて、ガラスシートの片面全面にポリアミック酸溶液A1を塗布した。エレクトロスプレー装置において、印加電圧は20kV、送液速度は50μL/分、塗布時間は2分とした。ポリアミック酸溶液A1が塗布されたガラスシートを、120℃で1時間、350℃で1時間加熱処理をした。この様にして、ガラスシートにポリイミド樹脂1が塗布されたガラス樹脂複合体の試料1を得た。
エレクトロスプレー装置を用いて、ガラスシートの片面全面にポリアミック酸溶液A1を塗布した。エレクトロスプレー装置において、印加電圧は20kV、送液速度は50μL/分、塗布時間は2分とした。ポリアミック酸溶液A1が塗布されたガラスシートを、120℃で1時間、350℃で1時間加熱処理をした。この様にして、ガラスシートにポリイミド樹脂1が塗布されたガラス樹脂複合体の試料1を得た。
(実施例2)
エレクトロスプレー装置を用いて、ガラスシートの片面全面にフッ素樹脂溶液B1を塗布した。印加電圧は30kV、送液速度は100μL/分、塗布時間は4分とした。フッ素樹脂溶液B1が塗布されたガラスシートを、150℃で30分間加熱処理をした。この様にして、ガラスシートにフッ素樹脂1が塗布されたガラス樹脂複合体の試料2を得た。
エレクトロスプレー装置を用いて、ガラスシートの片面全面にフッ素樹脂溶液B1を塗布した。印加電圧は30kV、送液速度は100μL/分、塗布時間は4分とした。フッ素樹脂溶液B1が塗布されたガラスシートを、150℃で30分間加熱処理をした。この様にして、ガラスシートにフッ素樹脂1が塗布されたガラス樹脂複合体の試料2を得た。
(評価)
・表面粗さ(Ra):表面粗さ計(東京精密社製、SURFCOM1400D)を用いて、以下の測定条件で測定した。表面粗さは、20点を測定し、その平均値を用いた。また、得られた粗さ曲線を元に、樹脂の平均厚さ、樹脂厚さの標準偏差を求めた。
・表面粗さ(Ra):表面粗さ計(東京精密社製、SURFCOM1400D)を用いて、以下の測定条件で測定した。表面粗さは、20点を測定し、その平均値を用いた。また、得られた粗さ曲線を元に、樹脂の平均厚さ、樹脂厚さの標準偏差を求めた。
カットオフ値λc:0.8mm
カットオフ比λc/λs:300
カットオフフィルタ:ガウシアンフィルタ
傾斜補正:両端補正
測定長さ:3mm
測定速度:0.15mm/秒
・樹脂の付着量:ガラス樹脂複合体の試料を15mmx15mmの大きさに切断し、精秤した。これを700℃、1時間加熱処理し、樹脂を灰化・除去した。その後得られたガラスシートを精秤した。樹脂の除去前後の精秤結果の差分から、樹脂の付着量を算出した。
カットオフ比λc/λs:300
カットオフフィルタ:ガウシアンフィルタ
傾斜補正:両端補正
測定長さ:3mm
測定速度:0.15mm/秒
・樹脂の付着量:ガラス樹脂複合体の試料を15mmx15mmの大きさに切断し、精秤した。これを700℃、1時間加熱処理し、樹脂を灰化・除去した。その後得られたガラスシートを精秤した。樹脂の除去前後の精秤結果の差分から、樹脂の付着量を算出した。
・ガラス表面の露出面積割合:KEYENCE社製走査型電子顕微鏡(SEM)VE-9800S及びアメテック社製エネルギー分散型X線分光測定装置(EDX)EDAX Genesis XM2を用いた。SEMにより、500倍の視野で樹脂部の画像を撮影し、EDXにより表面の元素分析を行い、ガラス成分(Si及びAl)の二次元マッピングを行った。この結果からガラス表面の露出面積割合を算出した。
・反り:125℃に調整したホットプレートに、ガラス面が下(ホットプレートに接触)、樹脂部が上となるようにガラス樹脂複合体の試料を置いた。1分経過後に試料の端部のうち、加熱により試料が反り、最も試料とホットプレートが離れた場所の距離を測定した。
・摩擦力:JIS-K-7125:1999(ISO-8295:1995)に準じて摩擦力を測定した。具体的には、無アルカリガラスシート(旭硝子社製:AN100)(10cm×10cm×0.5mm)を試験台に水平に固定した。このガラスシート上に、樹脂面が下になるように試料を置いた。積層体試料にはフォースゲージ(SHIMPO FGP-5)を取り付けた。φ50mmのシャーレを用意し、おもりを載せ、合計で100gとした。このシャーレを載せてから10秒後に10mm/秒で水平に引っ張り、フォースゲージに表示された最大の引っ張り力(静摩擦力)を測定した。比較例として、フッ素樹脂塗膜層を設けていない無アルカリガラスシート(厚さ100μm)を用いた。
(測定結果)
試料1、2について測定を行った。結果を表1に示す。得られた試料は滑り性に優れ、反りも生じないことがわかった。
試料1、2について測定を行った。結果を表1に示す。得られた試料は滑り性に優れ、反りも生じないことがわかった。
本国際出願は、2014年2月6日に出願された日本国特許出願2014-021681号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2014-021681号の全内容を本国際出願に援用する。
10 ガラスシート
20 樹脂部
21 凸部
100 ガラス樹脂複合体
20 樹脂部
21 凸部
100 ガラス樹脂複合体
Claims (7)
- ガラスシートの少なくとも一方の面に樹脂で形成されている樹脂部を有するガラス樹脂複合体であって、
前記ガラスシートは、厚さが10~500μmであり、
前記樹脂部は、前記ガラスシートの表面の単位面積当たりの前記樹脂の付着量が0.1mg/m2~10g/m2であり、且つ、前記ガラスシートの表面における厚さの標準偏差が平均厚さの0.001~3倍である、
ガラス樹脂複合体。 - 前記樹脂部は、最大厚さが前記ガラスシートの厚さを100としたときに1~100である、請求項1に記載のガラス樹脂複合体。
- 前記樹脂部は、粗さが算術平均粗さRaで0.02μm~2.5mmである、請求項1又は2に記載のガラス樹脂複合体。
- 前記ガラスシートは、ロール状に巻き回される長尺状のガラス基板である、請求項1から3の何れか一項に記載のガラス樹脂複合体。
- 前記ガラスシートは、枚葉状のガラス基板である、請求項1から3の何れか一項に記載のガラス樹脂複合体。
- 前記樹脂部は、前記ガラスシートの全面に形成されている、請求項1から5の何れか一項に記載のガラス樹脂複合体。
- 前記樹脂部は、前記ガラスシートの周縁に形成されている、請求項1から5の何れか一項に記載のガラス樹脂複合体。
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