WO2015064533A1 - 液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

　撓みが生じた場合であっても、スペーサに起因する表示不良を確実に防止する液晶パネル及び該液晶パネルを用いてなる液晶表示装置を提供する。　対向する基板間に形成されたスペーサで保持された空隙に液晶物質が封入されてある液晶パネルは、前記スペーサは、前記対向する基板の各対向面から突出する凸部１１１、１２１を含み、一方の凸部１１１又は凸部１２１における頂面の少なくとも一部は、他方の凸部１１１又は凸部１２１における頂面の少なくとも一部に当接してある。

Description

液晶パネル及び液晶表示装置

　本発明は、対向する基板間に形成されたスペーサで保持された空隙に液晶物質が封入されてある液晶パネル、及び該液晶パネルを用いてなる液晶表示装置に関する。

　一般的に、液晶表示装置が備える液晶パネルは、ガラス薄板からなる対向した２枚の透光性基板と、これらの基板間の空隙に封入された液晶物質とを有している。一方の基板は、マトリクス状に配置された表示素子と、各表示素子を駆動させるために表示素子間に配された信号配線とを備えるアレイ基板である。例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置において、表示素子は、薄膜トランジスタ（ＴＦＴ：Thin Film Transistor）と画素電極とを含んで構成される。また、アレイ基板の対向面上には、液晶物質を配向する配向膜が形成されている。他方の基板は、表示素子に対向する着色層（カラーフィルタ）と、該着色層の間の遮光層（ブラックマトリクス）とが形成されているカラーフィルタ基板であり、対向面上には配向膜が形成されている。

　また、一般にアレイ基板及びカラーフィルタ基板間の空隙を維持するためにスペーサが設けられている。スペーサは、配向膜と当接するように設けられている。従来の液晶パネルは、例えば、基板間に不規則に分散して設けられた透明な球状のスペーサ、又はブラックマトリクスに重なり、かつカラーフィルタに重ならないように設けられた柱状の所謂フォトスペーサ等を採用している（例えば特許文献１参照）。

特開２００６－３３００２４号公報

　しかしながら、従来の液晶パネルにおいては、外部からの加重又は自重等の影響によって撓みが生じたとき、アレイ基板及びカラーフィルタ基板の相対的な位置関係が変化することに起因し、スペーサが当接している配向膜を擦る虞があった。その場合、表示素子又はカラーフィルタ上に位置する配向膜が擦れることによって、液晶物質を所望の方向に配向することができなくなる配向異常が生じ、光漏れ等の表示不良の原因となる。

　本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、撓みが生じた場合であっても、スペーサに起因する表示不良を確実に防止する液晶パネル及び該液晶パネルを用いてなる液晶表示装置を提供することにある。

　本発明に係る液晶パネルは、対向する基板間に形成されたスペーサで保持された空隙に液晶物質が封入されてある液晶パネルにおいて、前記スペーサは、前記対向する基板の各対向面から突出する凸部を含み、一方の凸部における頂面の少なくとも一部は、他方の凸部における頂面の少なくとも一部に当接してあることを特徴とする。

　本発明にあっては、スペーサは、対向する基板の各対向面から突出する凸部を含む。一方の凸部における頂面の少なくとも一部は、他方の凸部における頂面の少なくとも一部に当接してある。従って、液晶パネルが撓んだ場合であっても、スペーサの凸部夫々の頂面を擦るだけであり、他に影響を及ぼさないため、スペーサに起因する表示不良を確実に防止することができる。

　本発明に係る液晶パネルは、前記凸部夫々は、設けられている基板夫々の面に沿う凸条をなし、各長手方向が直交するように設けられていることを特徴とする。

　本発明にあっては、凸部夫々は基板夫々の面に沿う凸条をなしており、各凸部は夫々の長手方向が直交するように設けられている。従って、液晶パネルは撓みにより、両基板の相対的位置関係が凸部夫々の長手方向に大きく変化した場合であっても、各凸部の頂面夫々を擦るだけであるため、スペーサに起因する表示不良をより確実に防止することができる。

　本発明に係る液晶パネルは、前記基板の一方に複数の凸部が設けられてあり、他方に設けられた凸部の長手方向に並設されていることを特徴とする。

　本発明にあっては、一方の基板は、凸部が複数設けられている。複数設けられた凸部は、他方の基板に設けられた凸部の長手方向に並設されている。従って、他方の基板に設けられた凸部は、複数設けられた凸部が並設できるような長さを長手方向に有する場合、液晶パネルの撓み等によって生じる両基板の相対的位置関係における当該長手方向への変化を抑制することができる。また、両基板の相対的位置関係が当該長手方向に大きく変化した場合であっても、各基板に設けられた凸部の頂面夫々を擦るだけであるため、スペーサに起因する表示不良をより確実に防止することができる。

　本発明に係る液晶パネルは、前記対向する一方の基板は、マトリクス状に配置された複数の表示素子と、該複数の表示素子の駆動に用いられる複数の信号配線とを備え、該複数の信号配線が各表示素子に重ならないように配してあるアレイ基板であり、該アレイ基板に設けられた凸部は、前記信号配線と重なる位置に設けられ、前記対向する他方の基板は、前記表示素子に対向するようにマトリクス状に形成された複数の着色層と、該着色層の間に形成された遮光層とを備えるカラーフィルタ基板であり、該カラーフィルタ基板に設けられた凸部は、前記遮光層と重なる位置に設けられていることを特徴とする。

　本発明にあっては、一方の基板は、マトリクス状に配置された複数の表示素子と、該複数の表示素子の駆動に用いられる複数の信号配線とを備えたアレイ基板である。複数の信号配線は、各表示素子に重ならないように配されている。アレイ基板に設けられた凸部は、信号配線と重なる位置に設けられている。また、他方の基板は、アレイ基板が備える表示素子に対向するようにマトリクス状に形成された複数の着色層と、当該着色層の間に形成された遮光層とを備えるカラーフィルタ基板である。カラーフィルタ基板に設けられた凸部は、遮光層上に設けられている。従って、表示に影響を及ぼさない信号配線上及び遮光層上にスペーサを構成する各凸部を設けることによって、スペーサに起因する表示不良をより確実に防止することができる。

　本発明に係る液晶パネルは、前記アレイ基板は、前記複数の信号配線を覆ってある絶縁膜を備え、前記アレイ基板に設けられた凸部は、前記絶縁膜を形成する材料を含んで構成されていることを特徴とする。

　本発明にあっては、アレイ基板は、複数の信号配線を覆ってある絶縁膜を備える。アレイ基板に設けられた凸部は、絶縁膜を形成する材料を含んで構成されている。従って、絶縁膜を形成するときに当該凸部を同時に形成することができるため、効率よくスペーサの一部を形成することができる。

　本発明に係る液晶パネルは、前記カラーフィルタ基板に設けられた凸部は、前記着色層を形成する材料を含んで構成されていることを特徴とする。

　本発明にあっては、カラーフィルタ基板に設けられた凸部は、着色層を形成する材料を含んで構成されている。従って、着色層を形成するときに当該凸部を同時に形成することができるため、効率よくスペーサの一部を形成することができる。

　本発明に係る液晶パネルは、前記アレイ基板及びカラーフィルタ基板夫々は、設けられた凸部の長手方向と同じ方向に前記液晶物質が配向するように配向処理された配向膜を備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、アレイ基板及びカラーフィルタ基板夫々は、設けられた凸部の長手方向と同じ方向に液晶物質が配向するように配向処理された配向膜を備える。一般に、液晶パネルに用いられる液晶物質は誘電率異方性を有し、印加される電圧に基づいて向きを変える。配向膜近傍の液晶物質は、電圧が印加されていないとき、当該配向膜に配向処理を施した方向を向く。例えば垂直配向モードの場合、凸部近傍の液晶物質は、電圧が印加されていないときに凸部の長手方向と交差する方向を向くことがある。例えば、配向膜が配向処理を施した方向が、凸部の長手方向に平行な方向のときと、当該長手方向に直交する方向のときとで比較した場合、当該長手方向に直交する方向のときの方が、当該配向膜近傍の液晶物質と凸部近傍の液晶物質とが平面視で重なり合い易い。平面視で重なり合った液晶物質同士は、印加される電圧に起因して向きを変えるとき、衝突が生じ易い。衝突が生じた液晶物質は、配向異常を起こす虞がある。従って、凸部の長手方向と同じ方向に液晶物質が配向するように配向処理された配向膜を用いることで、液晶物質の配向を安定させることができる。

　本発明に係る液晶表示装置は、上述の液晶パネルと、前記アレイ基板が有する信号配線を介して前記表示素子を駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、上述の液晶パネルと、アレイ基板が有する信号配線を介して複数の表示素子を駆動する駆動部とを備える。従って、液晶表示装置は、液晶パネルに撓みが生じた場合であっても、スペーサに起因する表示不良を確実に防止することができる。

　本発明によれば、撓みが生じた場合であっても、スペーサに起因する表示不良を確実に防止する液晶パネル及び該液晶パネルを用いてなる液晶表示装置を提供することができる。

実施の形態１における液晶表示装置の構成を示す模式図である。 アレイ基板の対向面における模式的平面図である。 カラーフィルタ基板の対向面における模式的平面図である。 スペーサの配置を示すための液晶パネルを略示する模式的平面図である。 スペーサの構成を示す断面図である。 実施の形態２におけるスペーサの構成を示す断面図である。 実施の形態３におけるスペーサの配置を示すための液晶パネルを略示する模式的平面図である。

　以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。

　（実施の形態１）
　図１は、実施の形態１における液晶表示装置の構成を示す模式図である。液晶表示装置は、液晶パネル１及び駆動部２を備える。液晶パネル１は、矩形状のアレイ基板１１及びカラーフィルタ基板１２を含んでおり、アレイ基板１１及びカラーフィルタ基板１２は対向している。アレイ基板１１は、ガラス基板上にマトリクス状に形成された表示素子と、駆動部２に接続し、当該表示素子の駆動に用いられる複数の信号配線とを設けてあり、対向面の反対面から入射される光を透過させる。各表示素子はＴＦＴ及び画素電極を含んで構成される。また、アレイ基板１１は、表示素子及び信号配線を覆う絶縁膜、並びに該絶縁膜を覆う配向膜を備える。配向膜は、アレイ基板１１の対向面上に形成され、後述の液晶物質を配向する。なお、アレイ基板１１の構成の詳細は後述する。

　カラーフィルタ基板１２は、ガラス基板上にカラーフィルタ（着色層）及びブラックマトリクス（遮光層）が形成され、アレイ基板１１からの透過光が対向面から入射し、カラーフィルタを介して透過する。また、カラーフィルタ基板１２は、カラーフィルタ及びブラックマトリクスを覆う透明導電膜、並びに該透明導電膜を覆う配向膜を備える。配向膜は、カラーフィルタ基板１２の対向面上に形成され、後述の液晶物質を配向する。なお、カラーフィルタ基板１２の構成の詳細は後述する。

　このように構成された液晶パネル１におけるアレイ基板１１及びカラーフィルタ基板１２の間にはスペーサが形成され、当該スペーサにより保持された空隙には液晶物質が封入されている。本発明におけるスペーサは、アレイ基板１１及びカラーフィルタ基板１２夫々から突出する凸部を含んでいる。

　駆動部２は、ゲートドライバ２１及びソースドライバ２２を有する。ゲートドライバ２１及びソースドライバ２２は、上述の信号配線に接続され、各ＴＦＴのゲート及びソース夫々に電圧を印加する。ゲートドライバ２１及びソースドライバ２２は、ＴＦＴへ印加する電圧値を制御することによって液晶物質の配向程度を調整し、アレイ基板１１の光の透過量を制御する。

　図２は、アレイ基板１１の対向面における模式的平面図である。ただし、図２においては、上述の絶縁膜及び配向膜を除き、表示素子、信号配線１１４、及び凸条１１１の配置関係を表している。以下、図中において矢印で示す方向を上下左右方向として説明する。アレイ基板１１は、マトリクス状に配された複数の表示素子及び当該表示素子の間に設けられた複数の信号配線１１４を含んで構成される。表示素子は、ＴＦＴ１１２及び画素電極１１３を含み、フォトリソグラフィによって形成されている。ＴＦＴ１１２は、ゲートドライバ２１及びソースドライバ２２による印加される電圧に基づいて、スイッチング素子として機能する。画素電極１１３は、ゲートドライバ２１及びソースドライバ２２によってＴＦＴ１１２が制御されることによって、印加される電圧が制御される。複数の信号配線１１４は、上下方向及び左右方向に配された金属膜状の配線であり、スパッタリングによって形成されている。上下方向又は左右方向の信号配線１１４の集合は夫々、ゲートドライバ２１又はソースドライバ２２に接続されている。

　また、アレイ基板１１には、左右方向に延びる凸条１１１が設けられている。凸条１１１は、左右方向に配された信号配線１１４と重なる位置であって、上下方向に配された信号配線１１４と交差する位置に設けられている。

　図３は、カラーフィルタ基板１２の対向面における模式的平面図である。ただし、図３においては、上述の透明導電膜及び配向膜を除き、カラーフィルタ１２３、ブラックマトリクス１２２、及び凸条１２１の配置関係を表している。以下、図中において矢印で示す方向を上下左右方向として説明する。カラーフィルタ基板１２は、上述の表示素子に対向するようにマトリクス状に配された複数のカラーフィルタ１２３及び当該カラーフィルタ１２３の間に配された格子状のブラックマトリクス１２２を含んでいる。カラーフィルタ１２３及びブラックマトリクス１２２は夫々、フォトリソグラフィによって形成されている。ブラックマトリクス１２２は遮光性を有し、カラーフィルタ基板１２における光の透過を遮る。左右方向に隣り合うカラーフィルタ１２３は、互いに異なる色を表す。

　また、カラーフィルタ基板１２には、上下方向に延びる凸条１２１が設けられている。凸条１２１は、上下方向に配されたブラックマトリクス１２２と重なる位置であって、左右方向に配されたブラックマトリクス１２２と交差する位置に設けられている。

　図４は、スペーサ３の配置を示すための液晶パネル１を略示する模式的平面図である。図４には、アレイ基板１１にカラーフィルタ基板１２が重なったときの模式的平面図が示されている。以下、図中において矢印で示す方向を上下左右方向として説明する。アレイ基板１１にカラーフィルタ基板１２が重なったとき、凸条１１１に凸条１２１は夫々の長手方向が直交するように重なり、当該凸条１１１及び凸条１２１の組は、液晶パネル１のスペーサ３として機能する。スペーサ３として機能する凸条１１１及び凸条１２１は夫々、例えば液晶パネル１の大きさが６０～７０インチ程度であったとき、長手方向の長さが５０μｍよりも長く、短手方向の長さが５μｍよりも長い。このように設けられた凸条１１１及び凸条１２１の組は、液晶パネル１に複数備えられる。なお、凸条１１１及び凸条１２１の長手方向は、液晶物質の配向を安定させるために、配向膜が液晶物質を配向する方向と同じであることが好ましいが、当該配向する方向と異なる方向であってもよい。

　図５は、スペーサ３の構成を示す断面図である。図５には、図４中において凸条１１１及び凸条１２１の重なった部分を左右方向に切った断面が表され、対向するアレイ基板１１及びカラーフィルタ基板１２と、両基板間の空隙に封入された液晶物質４が示されている。

　カラーフィルタ基板１２においては、対向面側のガラス基板１２４上にブラックマトリクス１２２、透明導電膜１２５、及び配向膜１２６が積層されている。透明導電膜１２５は、ブラックマトリクス１２２及びカラーフィルタ１２３を覆うようにガラス基板１２４の全面に亘って形成され、カラーフィルタ１２３を覆う部分即ち画素電極１１３に対向する部分においては、共通電極として機能する。また、透明導電膜１２５上の一部に凸条１２７形成されている。凸条１２７は、所謂フォトスペーサに用いられる専用のスペーサ用材料が用いられ、フォトリソグラフィによって形成されている。配向膜１２６は、透明導電膜１２５及び凸条１２７を覆うようにガラス基板１２４の全面に亘って形成されている。上述の凸条１２１は、凸条１２７及び該凸条１２７を覆う一部の配向膜１２６によって構成されている。

　アレイ基板１１においては、対向面側のガラス基板１１５上に信号配線１１４、絶縁膜１１６、及び配向膜１１７が積層されている。信号配線１１４は、ＴＦＴ１１２のゲートに接続する場合は、ゲートドライバ２１に接続する金属膜であり、ＴＦＴ１１２のソースに接続する場合は、ソースドライバ２２に接続する金属膜である。絶縁膜１１６は、ＴＦＴ１１２のソース、ドレイン、及びゲートの各電極と、画素電極１１３とを覆うようにガラス基板１１５の全面に亘って形成されている。また、絶縁膜１１６上の一部に凸条１１８が形成されている。凸条１１８は、凸条１２７と同様に、専用のスペーサ用材料が用いられ、フォトリソグラフィによって形成されている。配向膜１１７は、絶縁膜１１６及び凸条１１８を覆うようにガラス基板１１５の全面に亘って形成されている。上述の凸条１１１は、凸条１１８及び該凸条１１８を覆う一部の配向膜１１７によって構成されている。

　凸条１１１及び凸条１２１は、所謂フォトスペーサに用いられる専用のスペーサ用材料を用い、フォトリソグラフィによって形成されている。また、凸条１１１の頂面の一部は、凸条１２１の頂面の一部に当接してある。

　以上の構成における液晶パネル１は、撓みに起因してアレイ基板１１及びカラーフィルタ基板１２の相対的位置関係が変化した場合であっても、凸条１１１及び凸条１２１の頂面を互いに擦るだけである。即ち、画素電極１１３及びカラーフィルタ１２３上に形成されている配向膜は、液晶パネル１に撓みによるスペーサ３の位置ずれが生じた場合であっても、擦られることがない。従って、液晶パネル１及び該液晶パネル１を備える液晶表示装置は、液晶パネル１に撓みが生じた場合であっても、スペーサ３に起因する表示不良を確実に防止することができる。

　（実施の形態２）
　実施の形態１においては、凸条１１１及び凸条１２１の一部である凸条１１８及び凸条１２７は、専用のスペーサ用材料を用いて形成されていることを説明した。実施の形態２においては、当該スペーサ用材料を用いずに凸条１１１及び凸条１２１を形成する例を説明する。なお、以下で説明する箇所を除くその他の構成及び作用は上述の実施の形態１と同様であるため、同様の構成に関する詳細な説明及びその作用効果の説明は簡潔のため省略する。

　図６は、実施の形態２におけるスペーサ３の構成を示す断面図である。カラーフィルタ基板１２においては、ブラックマトリクス１２２上の一部に第１着色層１２８及び第２着色層１２９が積層されて、凸条をなしている。透明導電膜１２５は、ブラックマトリクス１２２及び当該凸条を覆うようにガラス基板１２４の全面に亘って形成されている。配向膜１２６は、透明導電膜１２５を覆うようにガラス基板１２４の全面に亘って形成されている。凸条１２１は、第１着色層１２８及び第２着色層１２９からなる凸条、該凸条を覆う一部の透明導電膜１２５、並びに当該一部の透明導電膜１２５を覆う一部の配向膜１２６で構成されている。ここで、第１着色層１２８及び第２着色層１２９は、夫々の色を表すカラーフィルタ１２３を形成するときに同時に形成される。

　アレイ基板１１においては、絶縁膜１１６の一部が突出し、凸条をなしている。配向膜１１７は、凸条部を含む絶縁膜１１６を覆うように、ガラス基板１１５の全面に亘って形成されている。凸条１１１は、絶縁膜１１６の凸条部及び該凸条部を覆う一部の配向膜１１７で構成されている。ここで、絶縁膜１１６の形成過程の内、絶縁膜１１６を構成する材料を露光する工程において、グレートーンマスク又はハーフトーンマスク等の多階調マスクが使用されることにより、凸条部を有する絶縁膜１１６が形成される。

　以上の構成における液晶パネル１の凸条１１１及び凸条１２１の一部は夫々、専用のスペーサ用材料を用いず、カラーフィルタ１２３、透明導電膜１２５、又は絶縁膜１１６を形成する工程のときに形成することができる。従って、別途スペーサ３を形成する工程を設ける必要がないため、効率よくスペーサ３を形成することができる。

　なお、実施の形態２においては、凸条１１１及び凸条１２１ともに専用のスペーサ用材料を用いていないことを説明したが、何れか一方の凸条を専用のスペーサ用材料を用いて形成してもよい。また、実施の形態２においては、凸条１２１は、２種類の着色層が含まれて構成されていることを説明したが、含まれる着色層は、１種類であっても、３種類以上であってもよい。

　（実施の形態３）
　実施の形態１及び２においては、一の凸条１１１及び一の凸条１２１が重なることによりスペーサとして機能していることを説明した。実施の形態３においては、何れか一方の凸条に他方の凸条が複数重なることでスペーサとして機能している例を説明する。なお、以下で説明する箇所を除くその他の構成及び作用は上述の実施の形態１及び２と同様であるため、同様の構成に関する詳細な説明及びその作用効果の説明は簡潔のため省略する。

　図７は、実施の形態３におけるスペーサ３の配置を示すための液晶パネル１を略示する模式的平面図である。実施の形態３において、凸条１２１は、実施の形態１及び実施の形態２で説明した凸条１２１よりも上下方向に長く延び、複数の凸条１１１と重なるように設けられている。即ち、複数の凸条１１１は、凸条１２１の長手方向に並設されている。当該凸条１２１及び複数の凸条１１１の組は、液晶パネル１のスペーサ３として機能する。

　以上の構成における液晶パネル１は、凸条１２１は、複数の凸条１１１が並設できるような長さを長手方向に有しているため、液晶パネル１の撓み等によって生じる両基板の相対的位置関係における当該長手方向への変化を抑制することができる。また、両基板の相対的位置関係が当該長手方向に大きく変化した場合であっても、各凸条の頂面夫々を擦るだけであるため、スペーサ３に起因する表示不良を確実に防止することができる。

　なお、実施の形態３においては、凸条１２１の長手方向に複数の凸条１１１が並設されていることを示したが、逆の関係であってもよい。

　また、実施の形態１～３においては、凸条１１１は信号配線１１４と重なる位置に設けられ、凸条１２１はブラックマトリクス１２２と重なる位置に設けられたが、それ以外の場所に設けられていてもよい。

　また、実施の形態１～３においては、凸条１１１及び凸条１２１は各長手方向が直交するように設けられていることを説明したがそれ以外であってもよい。例えば液晶パネル１の撓む方向が限定的である場合、凸条１１１及び凸条１２１は、各長手方向が当該撓む方向と同じになるように重なって設けられていてもよい。

　また、実施の形態１～３においては、凸条１１１は配向膜１１７の一部を含み、凸条１２１は配向膜１２６の一部を含むことを示したが、含まずに各凸条を形成してもよい。即ち、配向膜１１７は、突出している部分を除く絶縁膜１１６に積層されてもよいし、配向膜１２６は、突出している部分を除く透明導電膜１２５に積層されてもよい。

　更に、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

　１　液晶パネル
　２　駆動部
　３　スペーサ
　４　液晶物質
　１１　アレイ基板
　１１１　凸条（凸部）
　１１２　ＴＦＴ
　１１３　画素電極
　１１４　信号配線
　１１６　絶縁膜
　１１７　配向膜
　１２　カラーフィルタ基板
　１２１　凸条（凸部）
　１２２　ブラックマトリクス
　１２３　カラーフィルタ
　１２６　配向膜

Claims (8)

1. 　対向する基板間に形成されたスペーサで保持された空隙に液晶物質が封入されてある液晶パネルにおいて、
   　前記スペーサは、前記対向する基板の各対向面から突出する凸部を含み、
   　一方の凸部における頂面の少なくとも一部は、他方の凸部における頂面の少なくとも一部に当接してあること
   　を特徴とする液晶パネル。
2. 　前記凸部夫々は、
   　設けられている基板夫々の面に沿う凸条をなし、
   　各長手方向が直交するように設けられていること
   　を特徴とする請求項１に記載の液晶パネル。
3. 　前記基板の一方に複数の凸部が設けられてあり、他方に設けられた凸部の長手方向に並設されていること
   　を特徴とする請求項２に記載の液晶パネル。
4. 　前記対向する一方の基板は、マトリクス状に配置された複数の表示素子と、該複数の表示素子の駆動に用いられる複数の信号配線とを備え、該複数の信号配線が各表示素子に重ならないように配してあるアレイ基板であり、
   　該アレイ基板に設けられた凸部は、前記信号配線と重なる位置に設けられ、
   　前記対向する他方の基板は、前記表示素子に対向するようにマトリクス状に形成された複数の着色層と、該着色層の間に形成された遮光層とを備えるカラーフィルタ基板であり、
   　該カラーフィルタ基板に設けられた凸部は、前記遮光層と重なる位置に設けられていること
   　を特徴とする請求項２又は３に記載の液晶パネル。
5. 　前記アレイ基板は、前記複数の信号配線を覆ってある絶縁膜を備え、
   　前記アレイ基板に設けられた凸部は、前記絶縁膜を形成する材料を含んで構成されていること
   　を特徴とする請求項４に記載の液晶パネル。
6. 　前記カラーフィルタ基板に設けられた凸部は、前記着色層を形成する材料を含んで構成されていること
   　を特徴とする請求項４又は５に記載の液晶パネル。
7. 　前記アレイ基板及びカラーフィルタ基板夫々は、設けられた凸部の長手方向と同じ方向に前記液晶物質が配向するように配向処理された配向膜を備えること
   　を特徴とする請求項４から６までの何れか一つに記載の液晶パネル。
8. 　請求項４から７までの何れか一つに記載の液晶パネルと、
   　前記アレイ基板が有する信号配線を介して前記表示素子を駆動する駆動部と
   　を備えることを特徴とする液晶表示装置。

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