WO2014136655A1

WO2014136655A1 - コネクタの防水構造

Info

Publication number: WO2014136655A1
Application number: PCT/JP2014/054929
Authority: WO
Inventors: 慧中井; 優治有田; 鈴木　徹
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2013-03-04
Filing date: 2014-02-27
Publication date: 2014-09-12
Also published as: JP5990116B2; JP2014170666A

Abstract

　コネクタの防水構造（１）が採用されているコネクタ（３）は、ハウジング（５）と、ハウジング（５）から延出しているシールド電線（７）と、シールド電線（７）が内側を通るようにして一端部がハウジング（５）に係合し、他端部がシールド電線（７）のシールド編組線（２５）に接合されているシールドターミナル（９）と、ハウジング（５）とシールドターミナル（９）との係合部の隙間をシールするシール材（１１）と、シールドターミナル（９）の他端側の部位が内側に入り込むようにして一端部がシールドターミナル（９）に係合し、シールド電線（７）が内側を通過するようにして他端部がシールド電線（７）の外側被覆体（２７）に係合し、前記各係合によって、シールドターミナル（９）とシールド編組線（２５）との接合部（３１）をシールするシールキャップ（１３）とを備える。

Description

コネクタの防水構造

　本発明は、コネクタの防水構造に係り、特に、シールド電線を接続するものに関する。

　このような技術として、図５―７に示すような第１従来例のコネクタの防水構造２０１が知られている。

　従来例のコネクタの防水構造２０１では、シールド電線２０３とシールド編組線２０４とを圧着する圧着部２０５を、シールキャップ２０７とゴム栓２０９とで防水している。また、従来例のコネクタの防水構造２０１では、ハウジング側は、シリコーン樹脂２１１をポッティングすることで防水している。

　また、特許文献１に示すような第２従来例のコネクタの防水構造が知られている。

　第２従来例のコネクタの防水構造では、シールド電線のシールド接続部および端子と芯線との接続部の防水をするために、シールド電線のシールド編組線に接続されたシールドターミナルをパッキンに被着し、また、シールド電線の周囲に形成されたエラストマ部を含めハウジングをインサート成形している。

WO 2011/129336 A1

　ところで、第１従来例のコネクタの防水構造２０１では、ポッティングしたシリコーン樹脂２１１が固まるまである程度の時間を要し、防水構造２０１を備えたコネクタの生産性が悪いという問題がある。

　なお、シリコーン樹脂２１１が固まるまで傾いていない場所に保管する必要があり、この保管場所のためのスペースが必要になる。また、シリコーン樹脂２１１の内部に気泡が入り込んで防水性が低下するおそれがあるが、シリコーン樹脂２１１が固まってしまうと、シリコーン樹脂２１１の内部に気泡が存在するか否かを容易には確認することができない。

　また、第２従来例のコネクタの防水構造では、シールド電線のそれぞれにエラストマ部を設けなければならず、製造コストが増える。そこで、その代替として、図６で示す圧着部２１３のみにポッティングすることも考えられる。しかし、この場合には、シールキャップ２０７が必要になり、部品点数が多くなってしまうという問題がある。

　本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、従来よりも部品点数が少なく生産性が高いコネクタの防水構造を提供することを目的とする。

　本発明の態様に係るコネクタの防水構造は、ハウジングと、導線で構成される芯線と芯線を被覆する絶縁性の内側被覆体と内側被覆体を被覆する導電性のシールド編組線とシールド編組線を被覆する絶縁性の外側被覆体とを備えるとともにハウジングから延出しているシールド電線と、筒状に形成され、シールド電線が内側を通るようにして一端部がハウジングに係合し、他端部がシールド電線のシールド編組線に接合されているシールドターミナルと、リング状に形成され、ハウジングとシールドターミナルとの係合部の隙間をシールするシール材と、筒状に形成され、シールドターミナルの他端側の部位が内側に入り込むようにして一端部がシールドターミナルに係合し、シールド電線が内側を通過するようにして他端部がシールド電線の外側被覆体に係合し、各係合によって、シールドターミナルとシールド編組線との接合部をシールするシールキャップとを備える。

　本発明の態様に係るコネクタの防水構造は、リング状の電線カバーと、筒状部を備えとともにシールド電線が筒状部の内側を通りシールドターミナルとシールキャップとが筒状部の内側に入り込むようにしてハウジングに設置されているシールドシェルを更に備えてもよい。この場合、シールド電線は、シールドシェルから延出し始める部位が電線カバーを介してシールドシェルの筒状部で支持されている。

　本発明の態様によれば、従来よりも部品点数が少なく生産性が高いコネクタの防水構造を提供することができるという効果を奏する。

図１は、実施形態に係るコネクタの防水構造が採用されているコネクタの斜視図である。図２は、図１におけるＩＩ矢視図である。図３は、図２におけるＩＩＩ－ＩＩＩ断面を示す図である。図４は、図３におけるＩＶ部の拡大図である。図５は、第１従来例のコネクタの防水構造が採用されているコネクタの斜視図である。図６は、第１従来例のコネクタの防水構造が採用されているコネクタの断面図である。図７は、図６におけるＶＩＩ部の拡大図である。

　実施形態に係るコネクタの防水構造１が採用されているコネクタ３は、たとえば、エアコンディショナー用の高圧コネクタであり、車載用のインバータに設置されて使用される。

　以下、説明の便宜のために、コネクタ３における所定の一方向を前後方向とし、この前後方向に対して直交する所定の一方向を上下方向とし、前後方向と上下方向とに対して直交する所定の一方向を横方向とする。

　コネクタの防水構造１が採用されているコネクタ３は、図１―４で示すように、ハウジング５と、シールド電線７と、シールドターミナル９と、シール材１１と、シールキャップ１３とを備える。

　ハウジング５は、たとえば、絶縁性の合成樹脂で構成されている。ハウジング５は、ハウジング本体部１５と、他機器係合部１７と、シールドターミナル係合部１９とを備える。他機器係合部１７は、ハウジング本体部１５の前方上側に設けられている。コネクタ３がインバータ等の他の機器に設置されるときに、他機器係合部１７が他の機器と係合するようになっている。

　シールドターミナル係合部１９には、シールドターミナル９が係合するようになっている。シールドターミナル係合部１９は、ハウジング本体部１５の後方でハウジング本体部１５の下側に突出して設けられている。シールドターミナル係合部１９は、高さ寸法が小さい円柱状に形成されている。シールドターミナル係合部１９の中心軸の延伸方向は、上下方向になっている。

　シールド電線７は、芯線２１と内側被覆体２３とシールド編組線２５と外側被覆体２７とを備え、たとえば細長い円柱状に形成されている。芯線２１は、金属等の導線で構成されている。内側被覆体２３は、絶縁性の合成樹脂で構成されており、芯線２１を覆っている。シールド編組線２５は、金属等の素線を編んで筒状に形成されており、内側被覆体２３を覆っている。外側被覆体２７は、絶縁性の合成樹脂を構成されており、シールド編組線２５を覆っている。

　シールド電線７は上下方向に延伸しており、長手方向の一端部（上端部）で外側被覆体２７とシールド編組線２５とが除かれていることで露出している芯線２１と内側被覆体２３とがハウジング５内に入り込んでいる。シールド電線７の長手方向の他端部（下側の部位）はハウジング５から延出している。

　シールド電線７は、ハウジング５のシールドターミナル係合部１９の下端から下方に延伸している。シールドターミナル係合部１９の中心軸とシールド電線７の中心軸とはお互いがほぼ一致している。

　シールドターミナル９は、金属等の導電性の材料で筒状に形成されている。シールドターミナル９は、延出しているシールド電線７が内側を通るようにして、中心軸の延伸方向（上下方向）の一端部（上端部）がハウジング５のシールドターミナル係合部１９に係合しており、中心軸の延伸方向（上下方向）の他端部（下端部）が延出しているシールド電線７のシールド編組線２５に接合されている。

　すなわち、シールドターミナル９の上端部の内側には、シールドターミナル係合部１９が入り込んでいる。また、シールドターミナル９は、シールドターミナル係合部１９の下端から下側に突出している。シールドターミナル９の突出長さは、シールド電線７の延出長さよりも短くなっている。シールド電線７の中心軸とシールドターミナル９の中心軸とはお互いがほぼ一致している。

　シール材１１は、ゴム等の絶縁性と弾性とを備えた材料でリング状に形成されている。シール材（たとえばＯリング）１１は、ハウジング５とシールドターミナル９との間の隙間のシールをするためにハウジング５のシールドターミナル係合部１９とシールドターミナル９との間に設けられている。

　シールドターミナル係合部１９の外周には、リング状の凹部２９が設けられており、シール材１１は凹部２９に入り込んでいる。そして、シール材１１が設置されたシールドターミナル係合部１９にシールドターミナル９が設置された状態では、シール材１１の内周がリング状の凹部２９の底面に接触し、シール材１１の外周がシールドターミナル９の内面に接触することでシールがなされている。

　シールキャップ１３は、ゴム等の非導電性（絶縁性）の材料でリング状に形成されている。シールキャップ１３は、シールドターミナル９の中心軸の延伸方向の他端側の部位（中間部から他端にかけての部位）が内側に入り込むようにして、中心軸の延伸方向の一端部がシールドターミナルに係合している。

　シールキャップ１３は、ハウジング５から離れた側にシールドターミナル９よりも長く延びている。延出しているシールド電線７がシールキャップ１３の内側を通過するようにして、シールキャップ１３の中心軸の延伸方向の他端部がシールド電線７の外側被覆体２７に係合している。そして、上述した各係合によって、シールドターミナル９とシールド編組線２５との接合部３１が、シールキャップ１３の中心軸の延伸方向の中間部でシールキャップ１３の内側に位置して、シールドターミナル９とシールド編組線２５との接合部３１がシールされている。

　さらに説明すると、筒状のシールキャップ１３の中心軸の延伸方向は、上下方向になっている。シールキャップ１３は、上端部がシールドターミナル９の上下方向の中間部に係合している。すなわち、シールキャップ１３の長手方向の一端部（上端部）の内側にシールドターミナル９の縦方向の中間部が入り込んでいる。なお、シールキャップ１３の下端は、シールドターミナル９の下端よりも下方に位置しており、シールド電線７は、シールキャップ１３よりもさらに下方に延びている。シールド電線７の中心軸とシールキャップ１３の中心軸とはお互いがほぼ一致している。

　シールキャップ１３の上端部がシールドターミナル９に係合することで、シールキャップ１３の上端部とシールキャップ１３の上端部が係合しているシールドターミナル９の部位とが、水等を通す隙間が存在しない状態で密着している。また、シールキャップ１３の下端部がシールド電線７の外側被覆体２７に係合することで、シールキャップ１３の下端部とシールキャップ１３の下端部が係合している外側被覆体２７の部位とが、水等を通す隙間が存在しない状態で密着している。

　そして、ハウジング５とシール材１１とシールドターミナル９とシールキャップ１３とシールド電線７とにより、シールキャップ１３の内側に円筒状の閉空間３３が形成されている。閉空間３３内には、ハウジング５から延出しているシールド電線７の所定の部位（シールキャップ１３の下端部に係合している部位からハウジング５に入り込む部位）と、シールドターミナル９とシールド編組線２５との接合部３１とが存在することで、シールド電線７の所定の部位と接合部３１とがシールされている。すなわち、シールド電線７の所定の部位と接合部３１とが存在している閉空間３３内には外部から水等が入り込まないようになっている。なお、閉空間３３は、シールドターミナル９により２つの部屋になっている（図４参照）。

　コネクタ３は、車載されている他の機器に設置されて使用されるようになっている。コネクタ３が他の機器に設置された状態では、コネクタ３は防水されていおり、コネクタ３の内部に水等が入り込まないようになっている。

　すなわち、ハウジング５の他機器係合部１７の外周に設けられているパッキン３５でシールされていることで、他機器係合部１７には、外部から水等が入り込まないようになっている。さらに、シールド電線７の上端部がたとえばインサート成形によってハウジング５内に入り込んでいることで、ハウジング５側からも、閉空間３３内に水等が入り込まないようになっている。つまり、図３や図４において、閉空間３３の上方からハウジング５等を通って水等が入り込まないようになっている。

　そして、コネクタ３では、ハウジング５の防水とシールド電線７の防水とが共用化されている。従来例のものでは、シールドターミナルとシールド編組線との接合部のシールと、端子とシールド電線の芯線とが接続されている部位とのシールとが独立してなされている。すなわち、従来例のものでは、シールドターミナルとシールド編組線との接合部が存在している閉空間と、端子とシールド電線の芯線とが接続されている部位が存在している閉空間とがつながっておらず独立している。

　これに対して、コネクタ３では、シールドターミナル９とシールド編組線２５との接合部３１が存在している閉空間３３が、シールド電線７にインサート成形されたハウジング５と、シール材１１と、シールドターミナル９と、シールキャップ１３と、ハウジング５から延出しているシールド電線７とでシールされており、閉空間３３内に水等が入り込まないようになっている。

　また、コネクタ３は、シールドシェル３７を備える。シールドシェル３７は、金属等の導電性の材料で構成されており、筒状部３９を備えており、ハウジング５に設置されている。そして、延出しているシールド電線７が筒状部３９の内側を通り、シールドターミナル９とシールキャップ１３とが筒状部３９の内側に入り込んでいる。シールドターミナル９はシールドシェル３７に接触し導通している。これにより、シールド電線７のシールド編組線２５とシールドシェル３７とはお互いが導通している。

　シールド電線７は、シールドシェル３７から延出し始める部位が、筒状の電線カバー４１を介してシールドシェル３７の筒状部３９の下端の開口部で支持されている。

　コネクタの防水構造１についてさらに詳しく説明する。

　実施形態では、ハウジング５の下方で突出している円柱状のシールドターミナル係合部１９は、２つ設けられており、横方向にならんでいる。一対のシールドターミナル係合部１９のそれぞれから、シールド電線７が延出している。すなわち、ハウジング５からは、２本のシールド電線７が延出している。

　コネクタ３の他機器係合部１７内には、端子４７とヒューズ４９とが設けられている。端子４７は、コネクタ３が他の機器に設置されたときに他の機器の端子に接合されるようになっている。端子４７も２つ設けられており、横方向にならんでいる。一対のシールド電線７は、ハウジング５内に入り込んでいる。そして、ハウジング５内に入り込んでいる一対のシールド電線７のうちの一方のシールド電線７の芯線は、一対の端子４７のうちの一方の端子４７に接続されており、ハウジング５内に入り込んでいる一対のシールド電線７のうちの他方のシールド電線の芯線は、一対の端子４７のうちの他方の端子に接続されている。ヒューズ４９は、一対の端子４７の間に設けられている。

　シールドシェル３７は、殻状（一定の厚さをもった立体形状）に形成されており、前側シールドシェル４３と後側シールドシェル４５とに分割されている。

　前側シールドシェル４３は、半円柱側面形状のものを２つつなげた形状になっている。後側シールドシェル４５は、枡状部５１と、前側突出部５３と、下側突出部５５とを備える。下側突出部５５は、前側シールドシェル４３と同形状に形成されている。

　シールドシェル３７がハウジング５に設置された状態では、前側シールドシェル４３と後側シールドシェル４５の下側突出部５５とが突き合わされて、筒状部３９が形成される。筒状部３９が、ハウジング５のシールドターミナル係合部１９とこの下方に位置しているシールキャップ１３（シールドターミナル９とシールド電線７の所定の部位とを含む）とを覆っている。枡状部５１は、ハウジング本体部１５の後側を覆っている。

　シールドシェル筒状部３９の中心軸の延伸方向は、すでに理解されるように、上下方向になっている。筒状部３９の中心軸とシールド電線７の中心軸はお互いがほぼ一致している。また、筒状部３９は、シールドターミナル係合部１９の下端よりも下側に突出している。筒状部３９の下端は、シールキャップ１３の下端よりも下方に位置しており、シールド電線７は、筒状部３９下端の開口部を通ってさらに下方に延伸している。

　電線カバー４１はリング状に形成されており、筒状部３９の下端の円形状の開口部の内周に設置されている。そして、一対のフランジ部５７が、筒状部３９の下端の縮径している開口部とこの近傍の部位を挟み込む。こうして、電線カバー４１が、筒状部３９下端の開口部で、電線カバー４１がシールドシェル３７に一体的に設置されている。

　電線カバー４１の外周は筒状部３９の開口部に接しており、電線カバー４１の内周はシールド電線７に接している。これにより、シールド電線７が電線カバー４１を介してシールドシェル３７に支持されている。

　シールド電線７の上端から下方に所定の距離だけ離れている部位を第１の部位とし、上端から下方に第１の部位よりもさらに離れている部位を第２の部位とし、上端から下方に第２の部位よりもさらに離れている部位を第３の部位とし、上端から下方に第３の部位よりもさらに離れている部位を第４の部位とする。

　シールド電線７は、上端と第１の部位との間は、芯線２１だけになっている。第１の部位と第３の部位との間は、外側被覆体２７とシールド編組線２５とが除去されて芯線２１と内側被覆体２３だけになっている。第３の部位と第４の部位との間は、外側被覆体２７が除去されている。第２の部位よりも上側の部位が、ハウジング５内に入り込んでいる。ハウジング内に入り込んでいる芯線２１は、たとえば、バスバー５９を介して端子４７に接続されている。

　なお、実施形態に係るコネクタ３では、シールド電線７の第２の部位から上の部分、バスバー５９、端子４７の後側の部位は、インサート成形によってハウジング５に埋め込まれてハウジング５と一体化しているが、インサート成形以外の方法によって、シールド電線７の第２の部位から上の部分等が、ハウジング５に入り込み設置されていてもよい。たとえば、ハウジング５を分割構造とし、分割されているハウジングの構成部品（予め成形された構成部品）を組立等することで、シールド電線７の第２の部位から上の部分等を、ハウジング５に設置するようにしてもよい。

　シールドターミナル９は、大径部６１と、中径部６３と、小径部６５とを備える。大径部６１と中径部６３との間は、円板状の第１連結部６７でつながっている。中径部６３と小径部６５との間は、円板状の第２連結部６９でつながっている。

　そして、大径部６１が上側に位置し小径部６５が下側に位置し中径部６３が大径部６１と小径部６５との間に位置する。大径部６１の内側には、ハウジング５のシールドターミナル係合部１９が入り込んで、ハウジング５に係合している。小径部６５は、シールド編組線２５で囲まれている。小径部６５を囲んでいるシールド編組線２５は、シールドパイプ７１で囲まれている。

　そして、シールドパイプ７１を圧着することにより、小径部６５とシールド編組線２５とシールドパイプ７１とが一体化して、シールドターミナル９とシールド編組線２５とがお互いに接続されている。

　シールキャップ１３は、大内径部７３と小内径部７５とを備える。シールキャップ１３の外径はほぼ一定の値になっている。

　そして、大内径部７３が上側に位置し、小内径部７５が下側に位置している。大内径部７３の上端側の部位の内側にシールドターミナル９の中径部６３が入り込んで、大内径部７３の上端側の部位とシールドターミナル９の中径部６３とがお互いに密着し、シールがなされている。

　小内径部７５の上端は、第４の部位（シールド電線７の外側被覆体２７の上端）よりも上下方向で下方に位置している。小内径部７５の内側にシールド電線７が入り込んで、小内径部７５とシールド電線７の外側被覆体２７とがお互いに密着し、シールがなされている。なお、シールドパイプ７１によってシールドターミナル９の小径部６５とシールド編組線２５とがお互いに接続されている接合部３１は、上下方向で、大内径部７３の上端側の部位と小内径部７５との間に存在している。

　シールキャップ１３の上端は、シールドターミナル９の大径部６１の下端（第１連結部６７）に接しており、シールキャップ１３の下端は、電線カバー４１に接している。これにより、シールキャップ１３の上下方向の移動は規制されている。

　シールドシェル３７の筒状部３９は、シールドターミナル９とシールキャップ１３とを囲んでいる。シールドターミナル９の大径部６１とシールドシェル３７の筒状部３９とは、お互いに接触している。これにより、シールドシェル３７とシールド編組線２５とが、シールドターミナル９を介してお互いに導通している。

　筒状部３９には、他の部位よりも内径が小さくなっている環状の縮径部（シールキャップ押圧部）７７が設けられている。縮径部７７は、上下方向で、シールドターミナル９の中径部６３のところ、すなわち、シールキャップ１３の大内径部７３の上端側の部位の中間に設けられている。縮径部７７は、筒状部３９の周方向で断続的に設けられている凹部（内側に凹んでいる部位）で構成されている。縮径部７７は、シールキャップ１３の大内径部７３が縮径するように、シールキャップ１３をシールドターミナル９の中径部６３側に付勢している。これにより、縮径部７７で押圧されているシールキャップ１３の部位により、シールキャップ１３とシールドターミナル９の中径部６３との密着度が高まっており、シール性が一層向上している。

　また、シールキャップ１３の大内径部７３の所定の部位の外周には、リング状の溝７９が複数設けられている。溝７９は、上下方向で、シールドターミナル９の中径部６３の下端と、小内径部７５の上端との間に位置している。

　各溝７９は上下方向で所定の間隔をあけて設けられている。溝７９の底部では、シールキャップ１３の外径が他の部位の外径よりも小さくなっている。

　複数の溝７９が上下方向にならんでいることで、溝７９が設けられているシールキャップ１３の部位の外形はベローズ状になっている。これにより、シールキャップ１３の曲がりによる隙間、すなわち、シールド電線７の外側被覆体２７とシールキャップ１３の小内径部７５との間の隙間が発生し難くなっている。

　コネクタ３では、シールドターミナル９の大径部６１とハウジング５のシールドターミナル係合部１９との間がシール材１１でシールされており、シールドターミナル９の中径部６３とシールキャップ１３の大内径部７３の上側の部位との間がシールされており、シールド電線７の外側被覆体２７とシールキャップ１３の小内径部７５との間がシールされている。このため、シールド電線７のシールド編組線２５とシールドターミナル９の小径部６５とが接続されている接合部３１が、閉空間３３内に存在しており、この閉空間３３内に外部から水等が入り込まないようになっている。

　実施形態に係るコネクタの防水構造１が採用されているコネクタ３によれば、シール材１１とシールキャップ１３とでシールがなされており、ポッティグが別途されていないので、従来例のものよりも部品点数が少なく生産性が高くなっている。

　すなわち、従来例のコネクタの防水構造２０１では、ポッティングしたシリコーン樹脂が固まるまでにある程度の時間を要し、防水構造を備えたコネクタの生産性が悪くなる。これに対して、実施形態に係るコネクタの防水構造１では、ポッティグを必要としない。このため、ポッティグに使用される樹脂が固まるまで傾いていな場所に保管する必要が無く、また、樹脂の内部に気泡が入り込んで防水性が低下するおそれが無くなる。

　また、実施形態に係るコネクタの防水構造１が採用されているコネクタ３によれば、シールド電線７が電線カバー４１を介してシールドシェル３７の筒状部３９に支持されている。このため、シールド電線７に曲げモーメントが加わった場合であっても、シールド電線７が曲がり難く、防水性の低下が抑制される。

　本発明によれば、従来よりも部品点数が少なく生産性が高いコネクタの防水構造を提供することができる。

Claims

　コネクタの防水構造であって、
　ハウジングと、
　導線で構成される芯線と、前記芯線を被覆する絶縁性の内側被覆体と、前記内側被覆体を被覆する導電性のシールド編組線と、前記シールド編組線を被覆する絶縁性の外側被覆体とを備え、前記ハウジングから延出しているシールド電線と、
　筒状に形成され、前記シールド電線が内側を通るようにして一端部が前記ハウジングに係合し、他端部が前記シールド電線の前記シールド編組線に接合されているシールドターミナルと、
　リング状に形成され、前記ハウジングと前記シールドターミナルとの係合部の隙間をシールするシール材と、
　筒状に形成され、前記シールドターミナルの他端側の部位が内側に入り込むようにして一端部が前記シールドターミナルに係合し、前記シールド電線が内側を通過するようにして他端部が前記シールド電線の前記外側被覆体に係合し、前記各係合によって、前記シールドターミナルと前記シールド編組線との接合部をシールするシールキャップと
を備えることを特徴とするコネクタの防水構造。
　請求項１に記載のコネクタの防水構造であって、
　リング状の電線カバーと、
　筒状部を備えるとともに、前記シールド電線が前記筒状部の内側を通り前記シールドターミナルと前記シールキャップとが前記筒状部の内側に入り込むようにして、前記ハウジングに設置されているシールドシェルと
を更に備え、
　前記シールド電線は、前記シールドシェルから延出し始める部位が前記電線カバーを介して前記シールドシェルの前記筒状部で支持されている
ことを特徴とするコネクタの防水構造。