WO2014021347A1

WO2014021347A1 - ワイヤハーネス用外装部材及びワイヤハーネス

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Publication number: WO2014021347A1
Application number: PCT/JP2013/070657
Authority: WO
Inventors: 伸一稲尾; 英臣足立; 小久江　健; 達也雄鹿; 和晃勝呂; 佳昭尾崎; 博之吉田
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2012-08-01
Filing date: 2013-07-30
Publication date: 2014-02-06
Also published as: EP2882054B1; JP2014033485A; CN104541422B; EP2882054A1; EP2882054A4; US10242768B2; US20150114680A1; CN104541422A; JP5987207B2

Abstract

　ワイヤハーネス用外装部材（１６）は、曲げ管部（２３）と、非曲げ管部（２４）と、曲げ管部と非曲げ管部との境界に取り付けられる後付け部品（１７）と、を備えている。後付け部品は、剛性取り付け部（２８）の取り付け面（３６）の少なくとも一部が曲げ管部に重なるように取り付けられる。

Description

ワイヤハーネス用外装部材及びワイヤハーネス

　本発明は、ワイヤハーネス用の外装部材、及びこの外装部材を含むワイヤハーネスに関する。

　ハイブリッド自動車や電気自動車の例えばバッテリーとインバータユニットとの間を電気的に接続する部材として、高圧用（すなわち、高電圧用。）のワイヤハーネスが用いられる。上記バッテリーとインバータユニットとの間を接続するワイヤハーネスの中には、複数本の高圧導電路と、これらを保護するための外装部材とを含むものがある（下記特許文献１参照。）。

日本国特開２０１０－１２８６８号公報

　特許文献１に開示されたワイヤハーネスにあっては、外装部材として樹脂製のものが採用されている。ところで本願発明者は、樹脂製の外装部材に関し、曲げ部分として形成される曲げ管部と、曲がりにくい部分として形成され、曲げ管部に連続する非曲げ管部と、を有する外装部材の採用を検討している。しかしながら、このような外装部材では、仮に曲げ管部が所望の長さよりも長く成型された場合、所望の曲げ位置とは異なる位置で外装部材が曲がる可能性がある。また、曲げ管部が所望の長さよりも長く成型された場合、外装部材の全長が一定であるとすると、曲げ管部が長く成型された分だけ非曲げ管部が短くなる。このため、非曲げ管部を長い状態で、すなわち所望の長さで使用することができないかもしれない。

　本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、寸法のバラツキによる影響を低減可能なワイヤハーネス用外装部材及びワイヤハーネスを提供することを課題とする。

　前述した課題を解決するために、本発明に係るワイヤハーネス用外装部材及びワイヤハーネスは、下記（１）～（４）を特徴としている。
（１）　曲げ部分として形成される曲げ管部と、
　曲がりにくい部分として形成され、前記曲げ管部に連続する非曲げ管部と、
　前記曲げ管部と前記非曲げ管部との境界に取り付けられる後付け部品と、
　を備え、
　前記後付け部品は、剛性取り付け部を有し、該剛性取り付け部の取り付け面の少なくとも一部が前記曲げ管部に重なるように取り付けられる
　ワイヤハーネス用外装部材。

（２）上記（１）のワイヤハーネス用外装部材であって、
　前記剛性取り付け部の前記曲げ管部に重なる部分が、前記非曲げ管部を延長するための非曲げ管延長部である。

（３）上記（１）のワイヤハーネス用外装部材であって、
　前記剛性取り付け部の前記曲げ管部に重なる部分が、該曲げ管部の製造公差による影響を低減するための公差吸収部である。

（４）上記（１）～（３）のいずれか１つのワイヤハーネス用外装部材と、該ワイヤハーネス用外装部材に覆われる導電路とを含む
　ワイヤハーネス。

　上記（１）のワイヤハーネス用外装部材では、曲げ管部と非曲げ管部との境界に後付け部品が取り付けられることにより、曲げ管部のうちの剛性取り付け部の取り付け面が重なる部分が曲がりにくい部分とされる。このように、上記（１）のワイヤハーネス用外装部材によれば、曲げ管部の一部を非曲げ管部と同様に曲がりにくい部分とすることにより、曲げ管部の寸法のバラツキによる影響を低減できる。

　さらに、上記（１）のワイヤハーネス用外装部材によれば、例えば曲げ管部の長さを若干短くしたいという要望がある場合に、後付け部品を、曲げ管部に重なる部分が多くなるように取り付ければ、新たな品番を起こして新たな種類の外装部材を成型しなくても当該要望に対応することができる。これにより、コストの増大を抑制することができるとともに、煩雑な部品管理を防止することができる。

　上記（２）のワイヤハーネス用外装部材によれば、曲げ管部が所望の長さよりも長く成型された場合であっても、後付け部品の非曲げ管延長部により非曲げ管部を延長することができる（即ち、曲げ部分を短くできる。）。このため、非曲げ管部を成型時よりも長い状態で、すなわち所望の長さで使用することができる。

　上記（３）のワイヤハーネス用外装部材によれば、曲げ管部の長さ寸法にバラツキがあっても、後付け部品の公差吸収部により曲げ管部の公差の影響を低減できる。

　上記（４）のワイヤハーネスによれば、上記（１）～（３）のいずれか１つのワイヤハーネス用外装部材を含むことから、寸法のバラツキがあっても当該バラツキによる影響を低減できる。従って、本発明によれば、良好なワイヤハーネスを提供することができる。

図１は、ワイヤハーネスの配索状態を示す模式図である。図２は、ワイヤハーネスの構成図である。図３は、外装部材を示す図である。図４（ａ）～図４（ｄ）は、剛性取り付け部の取り付け位置を示す図である。図５は、ワイヤハーネスの固定状態を示す図である。

　本実施形態に係るワイヤハーネスは、ワイヤハーネス用外装部材を含む。このワイヤハーネス用外装部材は、曲げ管部と非曲げ管部とを有する。このワイヤハーネス用外装部材においては、曲げ管部と非曲げ管部との境界に後付け部品が取り付けられ、この後付け部品の取り付けにより曲げ管部の寸法のバラツキによる影響が低減される。

　以下、図１～図５を参照しながら本発明に係るワイヤハーネス及びワイヤハーネス用外装部材（外装部材１６）の実施形態を説明する。図１はワイヤハーネスの配索状態を示す模式図である。また、図２はワイヤハーネスの構成図、図３は外装部材を示す図、図４（ａ）～図４（ｄ）は剛性取り付け部の取り付け位置を示す図、図５はワイヤハーネスの固定状態を示す図である。

　本実施形態においては、ハイブリッド自動車（電気自動車や一般的な自動車であってもよい。）に本実施形態のワイヤハーネスを配索する例を挙げて説明する。

　図１において、引用符号１はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車１は、エンジン２及びモータユニット３の二つの動力をミックスして駆動する車両である。モータユニット３にはインバータユニット４を介してバッテリー５（換言すれば、電池パック。）からの電力が供給される。エンジン２、モータユニット３、及びインバータユニット４は、本実施形態においては前輪等に近い位置のエンジンルーム６に搭載される。また、バッテリー５は、後輪等に近い自動車後部７に搭載される。尚、バッテリー５は、エンジンルーム６の後方に存在する自動車室内に搭載してもよい。

　モータユニット３とインバータユニット４は、高圧用のワイヤハーネス８により電気的に接続される。また、バッテリー５とインバータユニット４も高圧用のワイヤハーネス９により電気的に接続される。ワイヤハーネス９は、その中間部１０が車両床下１１に配索される。また、ワイヤハーネス９は、車両床下１１に沿って略平行に配索される。車両床下１１は、公知のボディであるとともに所謂パネル部材であって、所定位置には貫通孔（図示せず。）が形成される。この貫通孔には、ワイヤハーネス９が挿通される。

　ワイヤハーネス９とバッテリー５は、このバッテリー５に設けられるジャンクションブロック１２を介して電気的に接続される。ジャンクションブロック１２には、ワイヤハーネス９の後端１３が公知の方法で電気的に接続される。ワイヤハーネス９の前端１４側は、インバータユニット４に対し公知の方法で電気的に接続される。

　モータユニット３は、モータ（図示せず。）及びジェネレータ（図示せず。）を有する。また、インバータユニット４は、インバータ（図示せず。）及びコンバータ（図示せず。）を有する。モータユニット３は、シールドケース（図示せず。）を含むモータアッセンブリとして形成される。また、インバータユニット４もシールドケース（図示せず。）を含むインバータアッセンブリとして形成される。バッテリー５は、Ｎｉ－ＭＨ系やＬｉ－ｉｏｎ系のものであって、モジュール化されている。尚、例えばキャパシタのような蓄電装置を使用することも可能である。バッテリー５は、ハイブリッド自動車１や電気自動車に使用可能であれば特に限定されない。

　先ず、ワイヤハーネス９の構成及び構造について説明をする。ワイヤハーネス９は、上記の如くインバータユニット４とバッテリー５とを電気的に接続するための高圧用の部材であって、高圧同軸複合導電路１５（すなわち、導電路。）と、外装部材１６（すなわち、ワイヤハーネス用外装部材）と、クランプ１７（後付け部品であり、引用符号１７ａ、１７ｂの総称。）とを含んでいる。ワイヤハーネス９は、外装部材１６に取り付けられるクランプ１７を介して車両床下１１等に固定される。尚、「高圧」とは、高電圧用であることを意味している。

　図２において、高圧同軸複合導電路１５は、この一本でプラス回路及びマイナス回路を有する。すなわち、高圧同軸複合導電路１５は、二系統の回路を有する。具体的には、高圧同軸複合導電路１５は、高圧同軸複合導電路１５の中心に位置する断面円形状の第一導電路１８と、この第一導電路１８の外周を所定厚さで被覆する第一絶縁体１９と、を有する。また、高圧同軸複合導電路１５は、第一絶縁体１９の外側に設けられる第二導電路２０と、この第二導電路２０の外周を所定厚さで被覆する第二絶縁体２１と、を有する。さらに、高圧同軸複合導電路１５は、第二絶縁体２１の外面に密着する筒状の電磁シールド部材２２を更に有する。尚、高圧同軸複合導電路１５は、電磁シールド部材２２の外周を所定厚さで被覆するシースを更に含んでもよい。

　電磁シールド部材２２は、公知の編組や金属箔等からなり、上記の如く高圧同軸複合導電路１５の構成に含まれる配置の他、次のような配置であってもよい。すなわち、第二絶縁体２１に対し、多少ブカブカの状態となるような配置であってもよい。

　電磁シールド部材２２は、筒状に形成された上で第二絶縁体２１の外面に密着させてもよいし、テープ状又はシート状のものを巻き付けて密着させてもよい。

　導電路に関し、上記高圧同軸複合導電路１５以外としては、導体と絶縁体とを含む公知の高圧の電線や、シールド電線、キャブタイヤケーブル、バスバーに絶縁体を設けたもの等が挙げられる。尚、本数は一又は複数本とすることができる。

　高圧同軸複合導電路１５は、本実施形態においては二系統であるが、これに限らず三系統…、ｎ系統であってもよい。すなわち、同軸で一本構成となるように外側へ回路を増やしていけばｎ系統になる。

　図２及び図３において、外装部材１６（ワイヤハーネス用外装部材）は、高圧同軸複合導電路１５を収容して保護するための管体であって、曲げ管部２３と、非曲げ管部２４とを有する。外装部材１６は、その全体が略直線状になるように樹脂成型される。尚、外装部材１６は、曲げ管部及び非曲げ管部を有するのであれば金属製であってもよい。

　曲げ管部２３は、ワイヤハーネス９の輸送時や経路配索時に曲げられる曲げ部分となり、この曲げ管部２３に非曲げ管部２４が連続する。非曲げ管部２４は、曲がらない（換言すれば、曲がりにくい。）部分として設けられる。曲げ管部２３及び非曲げ管部２４は、車両取付形状に合わせた位置及び長さにそれぞれ配置及び形成される。

　尚、曲げ管部２３は、この成型長さが所望の長さよりも若干長く成型された場合であっても、後付け部品により超過した寸法分を調節できる（後述するクランプ１７ｂにより超過した寸法分が調節される。）。後付け部品（クランプ１７ｂ）は、曲げ管部２３と非曲げ管部２４との境界２５に取り付けられる。

　曲げ管部２３及び非曲げ管部２４に関し、本実施形態においてはそれぞれ複数有するが、その数は特に限定されない。すなわち、曲げ管部２３を一つにするとともに、この両側に非曲げ管部２４を一つずつ連続して形成してもよい。或いは、非曲げ管部２４を一つにするとともに、この両側に曲げ管部２３を一つずつ連続して形成してもよい。

　曲げ管部２３は、その外面の周方向に一周に亘って形成された凹部及び凸部を、その長手方向に複数連続して有する蛇腹管形状に形成される。曲げ管部２３は、曲げ範囲に応じてその長さが設定される。曲げ管部２３は、柔軟性（換言すれば、可撓性。）を有して曲げ可能な部分に形成される。曲げ管部２３は、本実施形態においては公知のコルゲートチューブと同様の部分に形成される。尚、曲げ管部２３の形状は、曲げ可能な形状であれば、上記蛇腹管形状に限定されない。

　曲げ管部２３は、本実施形態においては、その断面形状が後述する非曲げ管部本体２６の断面形状に合うように形成される。尚、当該断面形状は一例であり、断面形状は異なる形状であってもよい。

　外装部材１６は、上記の如くコルゲートチューブと同様の形状部分を有することから、「コルチューブ」や「部分形成コルゲートチューブ」などとみなすことができる。

　外装部材１６は、その管軸方向に沿ってスリットを設けない（すなわち、腹割きのない。）形状に形成される。スリットを設けない理由としては、剛性や強度を高める点が挙げられる。また、外装部材１６内への水分の浸入を防止して防水性の向上を図る点も挙げられる。さらには、例えば曲げた部分において高圧同軸複合導電路１５のはみ出し防止する点も挙げられる。

　非曲げ管部２４は、非曲げ管部本体２６を有する。この非曲げ管部本体２６は、上記の如く輸送時や経路配索時に曲がらない部分として形成される。曲がらない部分とは、可撓性を積極的に持たせない部分という意味である。非曲げ管部本体２６は、断面円形のストレートチューブ形状に形成される。非曲げ管部本体２６の形状は、断面円形に限らず、楕円形や長円形、略矩形等であってもよい。非曲げ管部２４は、非曲げ管部本体２６がストレートチューブ形状であることから、「直管部」や「ストレート部」ともみなすことができる。

　非曲げ管部本体２６は、必要最低限の強度を有するように、薄肉に形成される。非曲げ管部本体２６には、放熱性や剛性を高めるための部分、さらには耐チッピング性能を確保するための部分等を必要に応じて形成してもよい。

　外装部材１６は、非曲げ管部２４として、車両床下１１（図１及び図５参照。）に配索される床下用非曲げ管部２７を有する。この床下用非曲げ管部２７は、車両床下１１に配索されることから（例えば、リーンホースに沿わせるように配索されることから。）長尺状に形成される。

　図２において、後付け部品として外装部材１６の所定位置に取り付けられるクランプ１７は、公知のものが用いられる。クランプ１７は、ワイヤハーネス９を車体に固定するためのクランプ１７ａと、曲げ管部２３の成型長さが所望の長さよりも若干長く成型された場合に超過寸法分を調整するための、公差吸収用のクランプ１７ｂとを有する。尚、クランプ１７ｂは、本実施形態においては、クランプ１７ａと同様にワイヤハーネス９を車体に固定するためにも用いられる（固定に用いないダミーであってもよい。）。

　クランプ１７ａ及び１７ｂは、本実施形態においては、同一の形状を有する。尚、必ずしも同一の形状を有する必要はなく、例えば、クランプ１７ｂを境界２５に取り付けることから、クランプ１７ｂは境界２５に合わせた形状を有するように形成してもよい。ただし、同一の形状を有する場合は、部品管理が容易でコスト上昇も抑制することができる。また、クランプ１７ｂは、クランプ１７ａとは別に専用部品として新設してもよい。

　クランプ１７（１７ａ、１７ｂ）は、非曲げ管部本体２６の外形形状に合わせて形成される剛性取り付け部２８と、この剛性取り付け部２８に連続する片持ち形状の固定部２９とを有する。

　剛性取り付け部２８は、半割形状の管体取付部３０、３１と、これら管体取付部３０、３１を連結するヒンジ３２とを有する。剛性取り付け部２８は、剛性を有しており、曲がりにくい部分として形成される。即ち、剛性取り付け部２８は、曲げ管部２３よりも曲げ剛性が大きく、曲がりにくい。管体取付部３０、３１には、これらを嵌合状態にする図示しない嵌合部が形成される。

　固定部２９には、ボルト挿通孔３３が貫通形成される。ワイヤハーネス９は、ボルト挿通孔３３に挿通されたボルト３４（図５参照。）を介して車両床下１１等の固定対象３５（図５参照。）に固定される（固定対象３５の形状は一例である。）。ワイヤハーネス９は、固定対象３５に対し固定されると、図５に示す如く経路配索が完了する。

　図３において、曲げ管部２３は、正規の寸法Ａに対し寸法ΔＡの分だけ長く成型された場合、また、正規の寸法Ｂに対し寸法ΔＢの分だけ長く成型された場合、所望の曲げ位置とは異なる位置で曲がる可能性があることから、寸法ΔＡ、寸法ΔＢによる影響を低減するために境界２５にクランプ１７ｂ（図４参照）が取り付けられる。また、外装部材１６の全長が一定であるとすると、寸法ΔＡ、寸法ΔＢが生じた場合、非曲げ管部２４が正規の長さよりも短い寸法Ｃになる可能性があることから、これによる影響を低減ために境界２５にクランプ１７ｂ（図４参照。）が取り付けられる。

　図４（ａ）～図４（ｃ）においては、クランプ１７ｂの剛性取り付け部２８は、この取り付け面３６の一部又は全部が曲げ管部２３に重なるように取り付けられている。このように剛性取り付け部２８が取り付けられると、この剛性取り付け部２８は、曲げ管部２３に対し取り付け面３６が重なる部分が非曲げ管部２４を延長する非曲げ管延長部３７として機能する。また、剛性取り付け部２８は、取り付け面３６が重なる部分が曲げ管部２３の公差による影響を低減する（換言すれば、寸法ΔＡ、寸法ΔＢを吸収する。）公差吸収部３８としても機能する。

　尚、剛性取り付け部２８は、寸法ΔＡ、寸法ΔＢによる影響を低減する必要がない場合（すなわち、正規の（所望の）寸法で成型された場合）には、図４（ｄ）に示す如く、曲げ管部２３に重ならないように境界２５の位置に取り付けられる。

　後付け部品としては、上記クランプ１７以外にクリップやグロメット、プロテクタ等であってもよい。これら後付け部品に上記のような超過寸法分による影響を低減する機能を付加すれば、クランプ１７ｂの代替品になる。

　図５において、ワイヤハーネス９の両端末には、公知のシールドコネクタ３９がそれぞれ設けられる。一方のシールドコネクタ３９はインバータ側のシールドコネクタであり、他方のシールドコネクタ３９はバッテリー側のシールドコネクタである。シールドコネクタ３９は、曲げ管部２３から引き出された高圧同軸複合導電路１５の端末４０に接続され、且つ固定される。

　次に、ワイヤハーネス９の製造、輸送、及び経路配索について説明をする。ワイヤハーネス９は、全体が略直線状に成型された外装部材１６に高圧同軸複合導電路１５を挿通し、この後に両端末４０にシールドコネクタ３９を設けることにより、また、外装部材１６の所定位置にクランプ１７を取り付けることにより製造される。

　ワイヤハーネス９の製造後は、所定の曲げ管部２３の部分で折り畳むように曲げると、ワイヤハーネス９は非曲げ管部２４同士（すなわち、非曲げ管部２４と床下用非曲げ管部２７。）が略平行な状態に配置される。より具体的には、長い床下用非曲げ管部２７に対し他の非曲げ管部２４が沿うように略平行な状態に配置される。このような状態とすることにより、ワイヤハーネス９の全長が短くなるとともに、ワイヤハーネス９は最小限の幅で梱包される。すなわち、ワイヤハーネス９全体はコンパクトな状態で梱包される。そして、このコンパクトな状態のままでワイヤハーネス９は輸送される。

　ワイヤハーネス９が、図５に示す如くクランプ１７を介して固定対象３５に対して固定されると、経路配索が完了する。

　以上、図１～図５を参照しながら説明してきたように、ワイヤハーネス９では、外装部材１６が曲げ管部２３と非曲げ管部２４とを有し、これら曲げ管部２３と非曲げ管部２４との境界２５にクランプ１７ｂが取り付けられることから、曲げ管部２３のうちの剛性取り付け部２８の取り付け面３６が重なる部分が、曲がりにくい部分にとされる。このように、外装部材１６によれば、曲げ管部２３の一部を非曲げ管部２４と同様に曲がりにくい部分とすることによって、曲げ管部２３の寸法のバラツキによる影響を低減できる。

　以下では、実施形態に係るワイヤハーネス及びワイヤハーネス用外装部材について纏める。
（１）ワイヤハーネス用外装部材（外装部材１６）は、曲げ部分として形成される曲げ管部２３と、曲がりにくい部分として形成され、前記曲げ管部２３に接続する非曲げ管部２４と、前記曲げ管部２３と前記非曲げ管部２４との境界に取り付けられる後付け部品（クランプ１７）と、を備えている。前記後付け部品は、剛性取り付け部２８を有し、該剛性取り付け部２８の取り付け面３６の一部又は全部が前記曲げ管部２３に重なるように取り付けられる。
（２）ワイヤハーネス用外装部材（外装部材１６）では、前記剛性取り付け部２８の前記曲げ管部２３に重なる部分が、前記非曲げ管部２４を延長するための非曲げ管延長部３７である。
（３）ワイヤハーネス用外装部材（外装部材１６）では、前記剛性取り付け部２８の前記曲げ管部２３に重なる部分が、該曲げ管部２３の製造公差による影響を低減するための公差吸収部３８である。
（４）ワイヤハーネス９は、上記（１）～（３）のいずれか１つのワイヤハーネス用外装部材（外装部材１６）と、該ワイヤハーネス用外装部材に覆われる導電路（高圧同軸複合導電路１５）とを含む。

　本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。

　本出願は、２０１２年８月１日出願の日本特許出願（特願２０１２－１７０８３３）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明に係るワイヤハーネス用外装部材及びワイヤハーネスによれば、寸法のバラツキによる影響を低減可能なワイヤハーネス用外装部材及びワイヤハーネスを提供できる点で有用である。

　１…ハイブリッド自動車、　２…エンジン、　３…モータユニット、　４…インバータユニット、　５…バッテリー、　６…エンジンルーム、　７…自動車後部、　８、９…ワイヤハーネス、　１０…中間部、　１１…車両床下、　１２…ジャンクションブロック、　１３…後端、　１４…前端、　１５…高圧同軸複合導電路（導電路）、　１６…外装部材（ワイヤハーネス用外装部材）、　１７、１７ａ、１７ｂ…クランプ（後付け部品）、　１８…第一導電路、　１９…第一絶縁体、　２０…第二導電路、　２１…第二絶縁体、　２２…電磁シールド部材、　２３…曲げ管部、　２４…非曲げ管部、　２５…境界、　２６…非曲げ管部本体、　２７…床下用非曲げ管部、　２８…剛性取り付け部、　２９…固定部、　３０、３１…管体取付部、　３２…ヒンジ、　３３…ボルト挿通孔、　３４…ボルト、　３５…固定対象、　３６…取り付け面、　３７…非曲げ管延長部、　３８…公差吸収部、　３９…シールドコネクタ、　４０…端末

Claims

　曲げ部分として形成される曲げ管部と、
　曲がりにくい部分として形成され、前記曲げ管部に連続する非曲げ管部と、
　前記曲げ管部と前記非曲げ管部との境界に取り付けられる後付け部品と、
　を備え、
　前記後付け部品は、剛性取り付け部を有し、該剛性取り付け部の取り付け面の少なくとも一部が前記曲げ管部に重なるように取り付けられる
　ワイヤハーネス用外装部材。
　前記剛性取り付け部の前記曲げ管部に重なる部分が、前記非曲げ管部を延長するための非曲げ管延長部である
　請求項１に記載のワイヤハーネス用外装部材。
　前記剛性取り付け部の前記曲げ管部に重なる部分が、該曲げ管部の製造公差による影響を低減するための公差吸収部である
　請求項１に記載のワイヤハーネス用外装部材。
　請求項１～３のいずれか１項に記載のワイヤハーネス用外装部材と、該ワイヤハーネス用外装部材に覆われる導電路とを含む
　ワイヤハーネス。