WO2013186818A1

WO2013186818A1 - 表示装置およびその製造方法

Info

Publication number: WO2013186818A1
Application number: PCT/JP2012/003903
Authority: WO
Inventors: 旭谷口; 正晃大藤; 瓜生　英一; 長谷川　賢治
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2012-06-14
Filing date: 2012-06-14
Publication date: 2013-12-19
Also published as: US20150124382A1

Abstract

　表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの表示面を保護する透明保護部材と、前記表示パネルと前記透明保護部材との間に配置された、前記表示パネルと前記透明保護部材とを接合する粘着層と、前記表示パネルと前記粘着層との間、または、前記透明保護部材と前記粘着層との間に、前記粘着層と隣接して配置された隣接層と、を備える。前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着層の周縁は前記隣接層の周縁よりも外側に位置する。

Description

表示装置およびその製造方法

　本発明は、表示装置およびその製造方法に関する。

　近年、薄型テレビ等の表示装置には、画質および信頼性の向上に加えて、デザイン性の向上も求められている。例えば、最近の表示装置の製品動向として、表示装置の前面全体を一枚のカバーガラスで覆うデザイン（一枚ガラスデザイン）が流行している。

　このような一枚ガラスデザインは、例えば、画像を表示する表示パネルの表示面側に、隙間（空気層）を介してカバーガラスを配置して、そのカバーガラスをキャビネット等の取り付け構造を用いて表示パネルに固定する第１の方法（例えば、特開２００９－２９６１０５号公報）、または、表示パネルの表示面に粘着材からなる層（粘着層もしくは接着層）を用いてカバーガラスを貼り合わせる第２の方法（例えば、特開２００７－２０７８４１号公報）、等によって実現される。

　第１の方法による場合、空気層が存在することによって反射界面が多くなるので、写り込み等の画質の劣化が発生したり、視野角が狭くなったりする場合がある。

　一方、第２の方法による場合、空気層が存在しないので、カバーガラスの屈折率とほぼ等しい屈折率を有するように粘着材を適宜選択することによって、反射界面の増加による画質の劣化を抑制できる。また、カバーガラスおよび表示パネルが熱等により反り変形した場合でも、それらの間に粘着層もしくは接着層が存在するので、干渉縞の発生が抑制される。また、この構造の場合、薄型化の実現も容易である。これらの理由から、粘着層もしくは接着層を用いる構造（第２の方法）は、一枚ガラスデザインを実現するための構造として優れているといえる。

　カバーガラスと表示パネルとを粘着層もしくは接着層で貼り合わせる方法の例として、紫外線硬化型光学弾性樹脂（ＵＶ樹脂、ＵＶ粘着材）を用いる方法や粘着シートを利用する方法が挙げられる。紫外線硬化型光学弾性樹脂を用いる方法では、製造プロセスに液体材料を用いるための設備が複雑で、また、製造プロセスの間に化学反応（重合反応）を存在させるリスクがある。一方、粘着シートを用いる方法では、製造プロセスがドライであり、反応系も存在しないため、安定的に生産可能である。加えて、大判のプラズマディスプレイパネルにおけるフィルムフィルタ直貼り工法の延長線上で製造が可能である。この方法では、一般に、キャリアフィルム（セパレータフィルム）に貼付された状態の粘着シートがロール状に捲回されたロール原反が用いられる。このロール原反から所定の形状を有する粘着シートを打ち抜き成形し、得られた粘着シートをカバーガラスまたは表示パネルの所定の位置に貼り合わせる。しかし、この方法の場合、ロール原反から小形の部品を打ち抜くので、ロール原反において廃棄される部分が多くなり、材料歩留りが非常に低い。さらに、打ち抜き工程が必須であるので、工程数が増加して生産性が悪くなる。さらに、表示装置が大面積化するに従い、打ち抜き成形によって得られる粘着シートも大きくなるので取扱いが非常に難しくなる。その結果、粘着シートをカバーガラスまたは表示パネルに貼り合わせる際に、シートの取扱い性が著しく悪化するほか、粘着シートの取扱い時に打痕、しわ、端部不良などの損傷を与える可能性が高く、その不良によって製品に不具合が生じる可能性が高い。

　一方、打ち抜き成形せずに、ロール原反から引き出した粘着シートをそのまま粘着層に利用する方法もある。しかし、この方法の場合、ロール原反全体が粘着層として製品に用いられることになるため、ロール原反に含まれる不良部分に加え、ロールスリット加工時に加工不良が発生したり、梱包、運搬および／または使用時のスリット加工面の他物との接触および／または摩擦などにより加工面に粘着材不良や異物の付着を生じたりすることがある。また粘着シートを使用する際に行う切断加工によっても不良を発生することがある。それらの不良は製品の性能に悪影響を及ぼす場合がある。

　以上のように、従来は、一枚ガラスデザインのような優れたデザイン性を有し、さらに高画質および高信頼性をも備えた表示装置を、粘着シートのような材料を用いて高い材料歩留りおよび高い生産性で得ることが困難であった。

　本発明のある態様の表示装置は、
　画像を表示する表示パネルと、
　前記表示パネルの表示面を保護する透明保護部材と、
　前記表示パネルと前記透明保護部材との間に配置された、前記表示パネルと前記透明保護部材とを接合する粘着層と、
　前記表示パネルと前記粘着層との間、または、前記透明保護部材と前記粘着層との間に、前記粘着層と隣接して配置された隣接層と、
を備え、
　前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着層の周縁が、前記隣接層の周縁よりも外側であって、かつ、前記表示パネルの周縁および前記透明保護部材の周縁よりも内側に位置する。

　本発明の表示装置のある態様の製造方法は、
　（I）画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの表示面を保護する透明保護部材と、前記表示パネルと前記透明保護部材との接合に用いられる粘着シートがロール状に捲回されたロール原反または所定の形状に成形された粘着シートと、を準備する工程と、
　（II）前記ロール原反から引き出された前記粘着シート、または、前記所定の形状に成形された前記粘着シートを、前記表示パネル上または前記透明保護部材上に貼り合わせる工程と、
　（III）前記工程（II）において前記粘着シートが貼り合わされない前記透明保護部材上または前記表示パネル上に、隣接層を形成する工程と、
　（IV）前記粘着シートが貼り合わされた前記表示パネルまたは前記透明保護部材と、前記隣接層が形成された前記透明保護部材または前記表示パネルとを、前記粘着シートと前記隣接層とが接する向きに貼り合わせる工程と、
を含み、
　前記粘着シートは、前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着シートの周縁が前記隣接層の周縁よりも外側であって、かつ、前記表示パネルの周縁および前記透明保護部材の周縁よりも内側に位置するように、前記表示パネル上または前記透明保護部材上に貼り合わされる。

本発明の一実施形態に係る表示装置を表示面側から見た状態を示す平面図である。図１Ａに示す表示装置の周辺部を模式的に示す断面図である。本発明の一実施形態に係る表示装置の一例であるプラズマディスプレイ装置を表示面側から見た状態を示す平面図である。図２Ａに示すプラズマディスプレイ装置の周辺部を模式的に示す断面図である。本発明の一実施形態に係る表示装置の別の例である液晶表示装置を表示面側から見た状態を模式的に示す平面図である。図３Ａに示す液晶表示装置の周辺部を模式的に示す断面図である。本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法において、粘着シートを対象物に貼り合わせる工程の一例を示す模式図である。

　以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は例であり、本発明は以下の実施形態に限定されない。

　図１Ａは、本発明の一実施形態に係る表示装置１を、表示面側から見た状態を示す平面図である。図１Ｂは、図１Ａに示す表示装置１の周辺部を上下又は左右から見たときの模式的な断面図である。

　表示装置１は、画像を表示する表示パネル１１と、表示パネル１１の表示面を保護する透明保護部材１２とを備える。表示装置１は、さらに、表示パネル１１と透明保護部材１２との間に配置されて、表示パネル１１と透明保護部材１２とを接合する粘着層１３を備える。表示装置１は、さらに、表示パネル１１と粘着層１２との間、本実施形態では表示パネル１１の表示面上に配置された、粘着層１３と接する光学フィルム（隣接層）１４を備える。

　図１Ａおよび図１Ｂに示すように、本実施形態の表示装置１は、表示パネル１１と透明保護部材１２とが、間に空気層が設けられることなく粘着層１３によって互いに貼り合わされた構成を有している。したがって、表示装置１においては、表示パネル１１と透明保護部材１２との間に空気層が存在することによって生じる、屈折および反射に起因する画質の劣化、および、透明保護部材１２の反り変形に起因するニュートンリングの発生等の不具合が生じない。さらに、表示装置１では、空気層が存在しない分だけ厚さが低減されるので薄型化が実現でき、さらに透明保護部材１２を表示パネル１１に保持するためのキャビネット等の取り付け構造も無くすことができるので、優れたデザイン性も実現できる。

　なお、表示装置１は、表示パネル１１を支持するフレーム（図示せず）および表示パネル１１の表示面と反対側に配置されるバックカバー（図示せず）等を、必要に応じて備えていてもよい。

　表示装置１では、表示パネル１１の表示面側から見て、粘着層１３の周縁１３ａが、光学フィルム１４の周縁１４ａよりも外側であって、かつ、表示パネル１１の周縁１１ａおよび透明保護部材１２の周縁１２ａよりも内側に位置するように、粘着層１３が設けられる。すなわち、粘着層１３の周縁および光学フィルム１４の周縁によって形成される端面では、粘着層１３の周縁１３ａが外側に張り出し、粘着層１３に隣接する光学フィルム１４の周縁１２ａが内側に入り込むことによる段差が形成されている。粘着層１３の不良部分はその端部に多く含まれる。これは、粘着層１３の形成に、粘着シートが利用されることが多いためである。本実施形態の構成によれば、粘着層１３がその端部に不良を有する場合であっても、その不良部分は隣接する光学フィルム１４の周縁１４ａとの段差によって形成される空間部分に逃がされる（空間部分に収められる）ことになる。したがって、その不良部分が光学フィルム１４と重なることによって生じる接着不良が生じず、製品不良が発生しない。なお、粘着層１３の端部の不良とは、粘着層１３を形成するために粘着シートを用いる場合、その粘着シートの端面に発生する粘着材のつぶれによる不良、粘着シートの端面にごみ等の環境中の物質が付着することによる不良が挙げられる。

　表示パネル１１は、表示面を有している。表示面は、視聴者に提示する映像が表示される有効画像領域と、有効画像領域の周囲の周縁領域とを有する。周縁領域には、電極および封止部材などが配置される。なお、周縁領域に配置された電極からの電磁波を遮蔽するために、例えば透明保護部材１２の周縁部に黒色塗装を施してもよい。表示パネル１１には、例えばプラズマディスプレイパネル（ＰＤＰ）、液晶表示（ＬＣＤ）パネル、有機ＥＬ（Electro Luminescence）パネルなどを用いることができる。表示パネル１１の面積は、特には限定されない。本実施形態の表示装置は、大面積を有する表示パネルを用いる場合ほど、得られる効果が大きい。その理由は、従来の製法では大面積を有する表示パネルを用いて、高品質および高信頼性を有する表示装置を製造することが非常に困難であったのに対し、本実施形態の表示装置の場合、後述する粘着シートが捲回されたロール原反をそのまま利用した生産性の高い方法で高品質および高信頼性の表示装置を製造できるからである。

　透明保護部材１２は、表示パネル１１よりも大きい。表示パネル１１の表示面側から見て、透明保護部材１２の周縁１２ａは、表示パネル１１の周縁１１ａよりも外側に張り出している。透明保護部材１２は、透過性を有する材料からなる部材であり、例えばガラスからなるパネルである。透明保護部材１２は、表示パネル１１に表示された映像を透過する。透明保護部材１２は、実質的に、表示装置１の表示面の全体を占めている。なお、透明保護部材１２の材質はガラスに限定されない。透明保護部材１２の材質としては、透過性を有し、かつ、保護用途に適する材質を適用することができる。例えば、光学特性としては、可視光透過率が８５％以上、ヘイズ値が２％以下、屈折率が１．４～１．６である材質が望ましく用いられる。なお、これらの光学特性は一例であり、用途および目的によっては、着色された材質を用いて透過率および色調等を適宜調整することも可能である。透明保護部材１２の材質としては、ソーダライムガラス、熱強化ガラスおよび化学強化ガラス等のガラス材料全般と、タッチパネルと、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）およびポリカーボネート（ＰＣ）等の透明樹脂材料と、等が使用可能である。また、透明保護部材１２の厚さおよび弾性率等の他の特性は、選択される材質、透明保護部材１２の用途および目的に応じて適宜選択することが可能であるため、特には限定されない。

　表示パネル１１の表示面上に、光学フィルム１４が配置されている。光学フィルム１４としては、例えば、コントラスト向上フィルム（ＣＲＦ）および偏光板等、用いられる表示パネル１１に応じて必要な機能を備えた光学フィルムが、適宜選択されることが望ましい。したがって、光学フィルム１４は、特には限定されない。なお、本実施形態では隣接層として光学フィルム１４が用いられているが、隣接層は、場合によっては特に光学特性を有しないフィルムであってもよい。光学フィルム１４の厚さは、例えば１００～５００μｍ程度である。厚みはさらに厚くてもよい。

　粘着層１３は、表示パネル１１と透明保護部材１２とを互いに接合するために設けられている。粘着層１３は、表示パネル１１に表示された映像を透過する必要があるため、透過性を有する粘着材によって形成されている。粘着層１３は、可視光透過率が９０％以上であることが望ましい。粘着層１３の材質は、透明保護部材１２の材質とほぼ同じ屈折率を有するものであることが望ましく、例えば１．４～１．６の屈折率を有するものが望ましい。粘着層１３の厚さは、例えば２５μｍ以上６００μｍ以下である。

　粘着層１３には、表示パネル１１と透明保護部材１２とをその間に気泡を含まずに信頼性高く接着できるように、高い粘着性と変形しやすい特性とが求められる。したがって、粘着層１３は、例えば１～８０Ｎ／２５ｍｍの粘着力を有することが望ましい。なお、ここでの粘着力は、幅２５ｍｍの粘着シートを、ガラスに接着して、さらにポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）およびハードコート処理したＰＥＴの試験板（シート）をそれぞれ貼り付けて、試験板をガラスから９０度の方向に引張速度３００ｍｍ／ｍｉｎで引き剥がすのに要する力のことである。また、粘弾性特性として、せん断貯蔵弾性率が例えば１×１０^６Ｐａ以下（２３℃）で、損失正接（ｔａｎδ）が例えば０．４以上（２３℃）であることが望ましい。これらの粘弾性特性は動的粘弾性法により求められる値である。

　粘着層１３の周縁１３ａは、表示パネル１１の周縁１１ａおよび透明保護部材１２の周縁１２ａよりも内側に位置するように設けられるが、透明保護部材１２の周縁部に例えば黒色塗装等が施される場合には、その黒色塗装等が施されている領域の内枠よりも外側に位置するように設けることが望ましい。また、粘着層１３の周縁部は、他の部材に触れても特に問題はない。また、周縁部に形成される黒色塗装等の部分の厚みは、粘着層１３の厚み変形性（段差吸収性）を考慮して、１０μｍ以下が望ましく、更に望ましくは５μｍ以下である。なお、塗装は、必ずしも黒色である必要はなく、色は限定されない。また、塗装は印刷によって形成されていてもよい。

　ここで、より具体的な例として、表示パネルがＰＤＰ２１である表示装置の例（プラズマディスプレイ装置２）を図２Ａおよび２Ｂに示し、表示パネルがＬＣＤパネル３１である表示装置の例（液晶表示装置３）を図３Ａおよび３Ｂに示す。

　図２Ａおよび２Ｂに示すプラズマディスプレイ装置２は、ＰＤＰ２１と、ＰＤＰ２１の表示面を保護する透明保護部材であるカバーガラス（またはタッチパネル）２２とを備える。プラズマディスプレイ装置２は、さらに、ＰＤＰ２１とカバーガラス２２との間に配置されて、ＰＤＰ２１とカバーガラス２２とを接合する粘着層２３を備える。プラズマディスプレイ装置２は、さらに、ＰＤＰ２１と粘着層２２との間に、粘着層２３と接するＣＲＦ（隣接層）２４と、電磁波遮蔽層２５とを備える。粘着層２３には、表示装置１における粘着層１３が適用される。ＰＤＰ２１、ＣＲＦ２４および電磁波遮蔽層２５には、一般のプラズマディスプレイ装置で用いられている公知のものが使用できる。このプラズマディスプレイ装置２においては、ＣＲＦ２４が粘着層２３と段差を形成する層として機能しており、粘着層２３の周縁はＣＲＦ２４の周縁よりも外側に張り出している。プラズマディスプレイ装置２がこのような構成を有することによって得られる効果は、表示装置１と同じである。粘着層２３の望ましい張り出し量も、表示装置１における粘着層１３と同じである。

　図３Ａおよび３Ｂに示す液晶表示装置３は、ＬＣＤパネル３１と、ＬＣＤパネル３１の表示面を保護する透明保護部材であるカバーガラス（またはタッチパネル）３２とを備える。液晶表示装置３は、さらに、ＬＣＤパネル３１とカバーガラス３２との間に配置されて、ＬＣＤパネル３１とカバーガラス３２とを接合する粘着層３３を備える。表示装置３は、さらに、ＬＣＤパネル３１と粘着層３２との間に、粘着層３３と接する偏光板（隣接層）３４を備える。この液晶表示装置３においては、偏光板３４が粘着層３３と段差を形成する層として機能しており、粘着層３３の周縁は偏光板３４の周縁よりも外側に張り出している。液晶表示装置３がこのような構成を有することによって得られる効果は、表示装置１と同じである。粘着層３３の望ましい張り出し量も、表示装置１における粘着層１３と同じである。

　次に、本実施形態の表示装置の製造方法、特に粘着層を形成する工程について説明する。

　本実施形態の表示装置の製造方法は、
　（I）画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの表示面を保護する透明保護部材と、前記表示パネルと前記透明保護部材との接合に用いられる粘着シートがロール状に捲回されたロール原反と、を準備する工程と、
　（II）前記ロール原反から前記粘着シートを引き出して、前記表示パネル上または前記透明保護部材上に貼り合わせる工程と、
　（III）前記工程（II）において前記粘着シートが貼り合わされない前記透明保護部材上または前記表示パネル上に、隣接層（例えば光学フィルム等）を形成する工程と、
　（IV）前記粘着シートが貼り合わされた前記表示パネルまたは前記透明保護部材と、前記隣接層が形成された前記透明保護部材または前記表示パネルとを、前記粘着シートと前記隣接層とが接する向きに貼り合わせる工程と、
を含む。前記粘着シートは、前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着シートの周縁が前記隣接層の周縁よりも外側であって、かつ、前記表示パネルの周縁および前記透明保護部材の周縁よりも内側に位置するように、前記表示パネル上または前記透明保護部材上に貼り合わされる。

　工程（II）の一例を図４に示す。工程（II）では、粘着シート４１がロール状に捲回されたロール原反４２が用いられる。粘着シート４１が貼り合わされる対象物（表示パネルまたは透明保護部材）４３は、貼り合わされる面を上に向けた状態で、ベルトコンベア等の搬送装置４４によって搬送される。ロール原反４２から引き出された粘着シート４１が、必要な長さでＴＤ方向（Transverse Direction）に切断（またはハーフカット）されながら、搬送装置４４上の対象物４２に直接貼り合わされる。粘着シート４１をこのような方法で表示パネルまたは透明保護部材に貼り合わせることにより、粘着シート４１に廃棄される部分がないので、打ち抜き成形等の従来の方法を用いる場合と比較すると材料歩留りが非常に高くなる。さらに、打ち抜き加工が不要となり、連続加工が可能となるので、非常に高い生産性を実現できる。なお、工程（II）では、予め必要に応じて他の層が形成されている表示パネル上または透明保護部材上に、粘着シートを貼り合わせてもよい。この場合、粘着シートは、前記他の層を介して、表示パネルまたは透明保護部材上に貼り合わされることになる。

　工程（III）では、表示パネルおよび透明保護部材のうち、工程（II）において粘着シートが貼り合わされない方の部材に対して、隣接層として機能する光学フィルム等が形成される。光学フィルム等の形成方法には、公知の方法が適用でき、例えば別に製造された光学フィルムを、表示パネル上または透明保護部材上に粘着材を用いて貼り付ける方法を用いてもよい。

　工程（IV）では、粘着シートが貼り合わされた表示パネルまたは透明保護部材と、隣接層が形成された透明保護部材または表示パネルとを、粘着シートと隣接層とが接する向きに貼り合わせる。このとき、表示パネルの表示面側から見て、粘着シートの周縁が隣接層の周縁よりも外側であって、かつ、表示パネルの周縁および透明保護部材の周縁よりも内側に位置するように、位置合わせが行われて貼り合わされる。

　上記のように、表示装置の粘着層の製造に粘着シートを利用する場合、その粘着シートの端面に粘着材のつぶれのような変形や、のりのはみ出し（ウージング）による不良が発生したり、ゴミ等の付着による不良が発生したりしやすくなる。このような不良は、表示パネルと透明保護部材との接着そのものの不良（接着不良、剥離等による外観および品質異常）を引き起こす。この問題を回避するため、そのような不良が含まれる粘着シートの端部を従来は製品に使用しなかった。例えば粘着層を製造する工程において、キャリアフィルム（セパレータフィルム）に貼付されている状態の粘着シートを所定の形状に打ち抜いて、場合によっては打ち抜きによって得られた粘着シートをそれよりも大きなサイズのキャリアフィルムに貼りかえて使用することによって、不良部分を予め除去して、不良部分が表示装置に及ぼす影響を排除していた。

　一方、薄型テレビおよび大型ディスプレイ等の表示装置に粘着層を形成する場合、生産性を考慮すると、上記従来のような打ち抜き成形の工程を経ることなく、生産される粘着シートの状態、すなわち粘着シートのロール原反から直接、表示パネルまたは透明保護部材上に粘着シートが供給されて、粘着層が製造されることが望ましい。本実施形態では、粘着層の周縁が、粘着層と隣接する層の周縁（本実施形態では光学フィルムの周縁）よりも外側に張り出している。このような構成により、たとえ粘着シートの端部に不良が含まれていたとしても、その不良部分は隣接層の周縁との段差によって形成される空間部分に逃がされるので、表示パネルと透明保護部材との接着そのものの不良を生じさせない。したがって、粘着層は、本実施形態の製造方法のように、粘着シートのロール原反から直接、表示パネルまたは透明保護部材上に粘着シートが供給されることによって製造されることが可能である。このように、本実施形態の表示装置によれば、優れた生産性で高画質および高い信頼性を有する表示装置を提供できる。

　上記のような効果をより確実に得るために、表示装置の粘着層の周縁は、隣接層の周縁から外側に０．１ｍｍ以上張り出していることが望ましく、１ｍｍ以上張り出していることがより望ましく、３ｍｍ以上張り出していることがさらに望ましい。一方、接着工程において発生する透明保護部材のたわみ変形により、張り出した部分が本来接着することが好ましくない部位（たとえば表示パネルや隣接層以外のフィルム部材など）へ接着することを防ぐ理由から、粘着層の張り出し量は、５ｍｍ以下が望ましい。構造上問題がない場合は、上記粘着層の張り出し量は５ｍｍを超えていても、透明保護部材のサイズを超えなければ（透明保護部材から外側にはみ出なければ）問題はない。

　本実施形態の製造方法では、上記のように粘着シートがロール状であることを特徴とするが、粘着シートの様態はロール状に限定されない。ロール状に捲回された粘着シートに替えて、シート状に打ち抜き加工された粘着シートも適用可能である。

　本実施形態では、粘着層に隣接する隣接層として光学フィルムを例に挙げて説明したが、隣接層はこれに限定されない。粘着層と接して配置される層であって、かつ、その層の周縁が粘着層の周縁よりも内側に入りこむことによって粘着層の端面とその層の端面とで段差が形成される層であれば、他の機能を有する層であってもよい。例えば、透明保護部材の表面に段差を付形し、その段差部分を隣接層として機能させることも可能である。

　本実施形態では、粘着層が透明保護部材側に配置され、隣接層である光学フィルムが表示パネル側に配置される例について説明したが、粘着層が表示パネル側に配置され、隣接層である光学フィルムが透明保護部材側に配置される構成であってもよい。

　本発明は、ＰＤＰおよびＬＣＤパネル等の各種表示パネルを備えた様々な表示装置に適用でき、特に大型の薄型テレビ等に有用である。

Claims

　画像を表示する表示パネルと、
　前記表示パネルの表示面を保護する透明保護部材と、
　前記表示パネルと前記透明保護部材との間に配置された、前記表示パネルと前記透明保護部材とを接合する粘着層と、
　前記表示パネルと前記粘着層との間、または、前記透明保護部材と前記粘着層との間に、前記粘着層と隣接して配置された隣接層と、
を備え、
　前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着層の周縁が、前記隣接層の周縁よりも外側であって、かつ、前記表示パネルの周縁および前記透明保護部材の周縁よりも内側に位置する、
表示装置。
　前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着層の周縁が前記隣接層の周縁よりも０．１ｍｍ以上外側に位置する、
請求項１に記載の表示装置。
　前記隣接層が光学フィルムによって形成されている、
請求項１に記載の表示装置。
　（I）画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの表示面を保護する透明保護部材と、前記表示パネルと前記透明保護部材との接合に用いられる粘着シートがロール状に捲回されたロール原反または所定の形状に成形された粘着シートと、を準備する工程と、
　（II）前記ロール原反から引き出された前記粘着シート、または、前記所定の形状に成形された前記粘着シートを、前記表示パネル上または前記透明保護部材上に貼り合わせる工程と、
　（III）前記工程（II）において前記粘着シートが貼り合わされない前記透明保護部材上または前記表示パネル上に、隣接層を形成する工程と、
　（IV）前記粘着シートが貼り合わされた前記表示パネルまたは前記透明保護部材と、前記隣接層が形成された前記透明保護部材または前記表示パネルとを、前記粘着シートと前記隣接層とが接する向きに貼り合わせる工程と、
を含み、
　前記粘着シートは、前記表示パネルの表示面側から見て、前記粘着シートの周縁が前記隣接層の周縁よりも外側であって、かつ、前記表示パネルの周縁および前記透明保護部材の周縁よりも内側に位置するように、前記表示パネル上または前記透明保護部材上に貼り合わされる、
表示装置の製造方法。