WO2013161686A1

WO2013161686A1 - 表示装置の製造方法

Info

Publication number: WO2013161686A1
Application number: PCT/JP2013/061582
Authority: WO
Inventors: 健一郎土田; 山田　貴之; 知男高谷; 福島　浩
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2012-04-26
Filing date: 2013-04-19
Publication date: 2013-10-31
Also published as: US20150068674A1

Abstract

液晶表示装置（表示装置）１０の製造方法は、画像を表示する液晶表示パネル（表示パネル）１１と液晶表示パネル１１に積層される視差バリアパネル（機能性パネル）１２との対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して液体状の接着材２８を塗布する接着材塗布工程と、接着材２８を介して液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、接着材２８のうち、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方における外周側部分１２ＥＰと平面に視て重畳する重畳部３５に対して硬化処理を行う部分硬化処理工程と、を備える。

Description

表示装置の製造方法

　本発明は、表示装置の製造方法に関する。

　携帯電話、スマートフォン、ＰＤＡなどの携帯型の情報端末装置、コンピュータやテレビ受信装置などの電子機器には、液晶パネルなどの表示パネルを備えた表示装置が用いられている。このような表示装置において、左右両眼の見え方の相違、いわゆる両眼視差から立体像を感知する人間の目の特性を利用した「視差バリア方式」と称される立体画像を表示する機能を備えたものが知られている。このような立体画像を表示する機能を備えた表示装置の一例としては、下記特許文献１に記載されたものが知られており、このものでは、画像を表示する液晶パネルに対してバリア遮光層を有する視差バリアパネルを接着材によって貼り合わせた構成となっている。この種の表示装置の一例として下記特許文献１に記載されたものが知られている。

特開２００５－１８１４１０号公報

（発明が解決しようとする課題）
　上記した特許文献１に記載されたものでは、画像を表示する液晶パネルと、視差バリアパネルとを貼り合わせ用樹脂層により貼り合わせるとともに、相対的に面積が小さな方の端面から漏れ出す貼り合わせ用樹脂層の漏れ出し量を一定の数値範囲に制御するようにしている。しかしながら、貼り合わせ用樹脂層を塗布するための塗布装置や貼り合わせに用いられる加圧装置の個体差、温度・湿度の環境の変動などの影響によって、貼り合わせ用樹脂層の漏れ出し量を厳密に管理するのは難しく、貼り合わせ用樹脂層の漏れ出し量が過剰になる場合があった。貼り合わせ用樹脂層が過剰に漏れ出すと、漏れた貼り合わせ用樹脂層が液晶パネルや視差バリアパネルの外表面に付着して表示品位を低下させるなどの問題を引き起こす可能性があった。

　本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接着材の漏れ出しを抑制することを目的とする。

（課題を解決するための手段）
　本発明の表示装置の製造方法は、画像を表示する表示パネルと前記表示パネルに積層される機能性パネルとの対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して液体状の接着材を塗布する接着材塗布工程と、前記接着材を介して前記表示パネルと前記機能性パネルとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記接着材のうち、前記表示パネルと前記機能性パネルとの少なくともいずれか一方における外周側部分と平面に視て重畳する重畳部に対して硬化処理を行う部分硬化処理工程と、を備える。

　このようにすれば、接着材塗布工程では、表示パネルと機能性パネルとの対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して液体状の接着材が塗布され、その後行われる貼り合わせ工程では、表示パネル及び機能性パネルが接着材を介して貼り合わせられる。この表示装置の製造方法には、部分硬化処理工程が備えられており、接着材のうち、表示パネルと機能性パネルとの少なくともいずれか一方における外周側部分と平面に視て重畳する重畳部に対して硬化処理が行われることで、接着材が部分的に硬化されるから、硬化された重畳部によって接着材における中央側の未硬化部分を堰き止めることができる。これにより、接着材塗布工程での接着材の塗布量がばらついた場合や、貼り合わせ工程で表示パネル及び機能性パネルに付与される圧力がばらついた場合でも、接着材が表示パネルと機能性パネルとの少なくともいずれか一方の外周端から外部へと漏れ出し難くなっている。もって、例えば表示パネルや機能性パネルの外表面に接着材が不用意に付着する、といった事態が生じるのが防がれ、高い表示品位を保つことができる。

　本発明の実施態様として、次の構成が好ましい。
（１）前記部分硬化処理工程では、前記重畳部のうち相対的に外側に配される外周側部分については硬化度合いを相対的に高くする一方で、相対的に内側に配される内周側部分については硬化度合いを相対的に低くしている。このようにすれば、部分硬化処理工程を行うと、接着材における中央側の未硬化部分、重畳部の内周側部分、重畳部の外周側部分の順で硬化度合いが高くなり、硬化度合いが段階的に変化することになる。これにより、中央側の未硬化部分と重畳部との境界部分に硬化収縮に伴って生じ得る応力が緩和されるので、例えば接着材の残留応力が表示パネルに作用して表示品位が悪化させるなどといった事態が生じ難くなる。

（２）前記接着材塗布工程では、前記接着材として光硬化性接着材を塗布しており、前記部分硬化処理工程では、前記光硬化性接着材のうちの前記重畳部に対して硬化を促す光を照射している。このようにすれば、部分硬化処理工程において、光硬化性接着材のうちの重畳部に対して硬化を促す光を照射することで、光硬化性接着材を部分的に硬化させるようにしているから、光硬化性接着材の硬化範囲を高い精度でもって画定させることができ、それにより光硬化性接着材の部分的な硬化をより的確に行うことができる。また、光硬化性接着材は、例えば熱硬化性接着材などと比べると、速硬化性に優れているので、タクトタイムの短縮化も図ることができる。

（３）前記接着材塗布工程では、前記光硬化性接着材として紫外線硬化性接着材を塗布しており、前記部分硬化処理工程では、前記紫外線硬化性接着材のうちの前記重畳部に硬化を促す紫外線を照射している。このようにすれば、仮に光硬化性接着材として可視光硬化性接着材を用いた場合に比べると、接着材塗布工程を行ってから貼り合わせ工程を行うまでの間に不用意に硬化を進行させないための手立てが比較的簡易なもので済むので、設備などに係るコストを低く抑えることができる。また、紫外線硬化性接着材は、速硬化性により優れているので、タクトタイムのさらなる短縮化も図ることができる。

（４）前記部分硬化処理工程では、前記重畳部に対して前記機能性パネルを介して前記紫外線を照射している。このようにすれば、仮に重畳部に対して表示パネルを介して紫外線を照射した場合に比べると、表示パネルに備えられる構造物が紫外線によって変性されるなどの問題が生じ難くなる。これにより、表示パネルに表示される画像に係る表示品位を高く保つことができる。

（５）前記表示パネルと前記機能性パネルとのうち、光透過性を有する一対の基板を貼り合わせてなる少なくともいずれか一方を製造する工程であって、前記一対の基板のうちのいずれか一方の基板が全周にわたって他方の基板よりも外側に突き出す突出部を有するよう製造するパネル製造工程を備えており、前記部分硬化処理工程では、前記重畳部のうち、相対的に外側に配される外周側部分に対しては、前記一方の基板の前記突出部を介して前記光を照射するのに対し、相対的に内側に配される内周側部分に対しては、前記一対の基板を介して前記光を照射している。このようにすれば、部分硬化処理工程を行うと、外周側部分に対しては一方の基板の突出部のみを介して光が照射されるので、外周側部分への照射光量が相対的に多くなってその硬化度合いが高くなるのに対し、内周側部分に対しては一対の基板を介して光が照射されるので、他方の基板によって光が吸収されたり反射される分だけ内周側部分への照射光量が相対的に少なくなってその硬化度合いが低くなる。これにより、接着材における中央側の未硬化部分、重畳部の内周側部分、重畳部の外周側部分の順で硬化度合いが高くなり、硬化度合いが段階的に変化することになるので、中央側の未硬化部分と重畳部との境界部分に硬化収縮に伴って生じ得る応力が緩和される。従って、例えば接着材の残留応力が表示パネルに作用して表示品位が悪化するなどといった事態が生じ難くなる。しかも、部分硬化処理工程では、一対の基板間に生じさせた段差を利用して重畳部に対する照射光量を部分毎に異ならせているから、光を照射する装置に係るコストを低く抑えることができる。

（６）前記貼り合わせ工程では、前記一対の基板のうち前記他方の基板が前記接着材側に位置するよう、前記表示パネルと前記機能性パネルとを貼り合わせている。このようにすれば、表示パネルと機能性パネルとの間の距離は、他方の基板の配置領域よりも、一方の基板の突出部の配置領域の方が大きくなっている。これにより、接着材が配される空間は、重畳部の内周側部分が配される空間よりも外周側部分が配される空間の方が広くなるから、接着材の漏れ出しが一層生じ難くなる。

（７）前記部分硬化処理工程は、前記貼り合わせ工程に並行して行われている。このようにすれば、仮に部分硬化処理工程を貼り合わせ工程とは独立した工程として行った場合に比べると、全体の製造に係る時間を短縮化することができる。

（８）前記接着材塗布工程では、前記表示パネルと前記機能性パネルとの対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して部分的に前記接着材が塗布されており、前記貼り合わせ工程では、前記表示パネルと前記機能性パネルとの少なくともいずれか一方を加圧することで、前記接着材を押し拡げるようにしている。このようにすれば、貼り合わせ工程では、表示パネルと機能性パネルとの少なくともいずれか一方を加圧することで液体状の接着材が押し拡げられるので、その押し拡げられる接着材における重畳部に対して硬化処理を行うことで、中央側の未硬化部分が重畳部よりも外側へ漏れ出すのを規制することができる。これにより、仮に接着材を上記対向面に対して面状に塗布する場合に比べると、接着材の塗布に係る作業効率が良好となり、タクトタイムの短縮化などを図る上で好適となる。

（９）前記接着材塗布工程では、前記表示パネルと前記機能性パネルとの少なくともいずれか一方のうち前記外周側部分により取り囲まれる中央側部分に前記接着材が塗布されており、前記部分硬化処理工程では、前記貼り合わせ工程にて押し拡げられる前記接着材が前記表示パネル及び前記機能性パネルにおける前記外周側部分に達する前の段階から硬化処理を行っている。このようにすれば、貼り合わせ工程にて押し拡げられて表示パネル及び機能性パネルの外周側部分に達した接着材の重畳部を、より確実に硬化させることができる。これにより、接着材の未硬化部分の漏れ出しをより確実に防ぐことができる。

（１０）前記部分硬化処理工程では、前記重畳部を半硬化させるようにしている。このようにすれば、貼り合わせ工程を行う過程で、接着材の未硬化部分に気泡が生じていた場合でも、重畳部が半硬化状態とされているから、未硬化部分の気泡を重畳部を通して外部へと脱泡させることができる。これにより、接着材中に気泡が残存し難くなるから、表示パネルに表示される画像に係る表示品位を高く保つことができる。

（１１）前記貼り合わせ工程及び前記部分硬化処理工程を行った後に、前記表示パネル及び前記機能性パネルを板面に沿う方向について位置合わせする位置合わせ工程を行うようにしている。このようにすれば、部分硬化処理工程では、重畳部を半硬化させているので、その後に行われる位置合わせ工程において、表示パネル及び機能性パネルを板面に沿う方向について位置合わせすることができる。これにより、表示パネル及び機能性パネルの位置精度を高くすることができる。

（１２）前記貼り合わせ工程では、前記機能性パネルとして、前記表示パネルに表示される画像を視差により分離することが可能な視差バリアパネルを、前記表示パネルに貼り合わせている。このようにすれば、位置合わせ工程では、表示パネル及び視差バリアパネルが板面に沿う方向について位置合わせされてその位置精度が高められているから、視差バリアパネルの機能をより適切に発揮させることができ、表示装置の使用者により良好な立体画像を視認させることができる。

（１３）前記貼り合わせ工程では、前記機能性パネルとして、当該表示装置の使用者が入力した位置を検出することが可能なタッチパネルを、前記表示パネルに貼り合わせている。このようにすれば、位置合わせ工程では、表示パネル及びタッチパネルが板面に沿う方向について位置合わせされてその位置精度が高められているから、タッチパネルの機能をより適切に発揮させることができ、表示装置の使用者が入力した位置をより正確に検出することができる。

（１４）前記部分硬化処理工程では、前記接着材のうち、前記表示パネルにおいて画像が表示される表示領域を取り囲む非表示領域と平面に視て重畳する前記重畳部に対して硬化処理を行っている。このようにすれば、仮に部分硬化処理工程を行うことに起因して、接着材のうちの重畳部に硬化ムラなどが生じた場合であっても、重畳部が表示パネルにおいて非表示領域と平面に視て重畳する配置とされているから、重畳部によって表示領域に表示される画像に係る表示品位が損なわれるのが防がれる。

（発明の効果）
　本発明によれば、接着材の漏れ出しを抑制することができる。

本発明の実施形態１に係る液晶表示装置の概略構成を示す断面図液晶表示装置の平面図液晶表示パネル及び視差バリアパネルの断面図表示用フレキシブル基板を接続した液晶表示パネルの平面図液晶表示パネルを構成するアレイ基板における画素電極及び各配線の配列を示す平面図液晶表示パネルを構成するＣＦ基板における着色部の配列を示す平面図液晶表示パネルにおける表示領域の断面構成を示す断面図バリア用フレキシブル基板を接続した視差バリアパネルの平面図視差バリアパネルを構成する第１基板の平面図視差バリアパネルを構成する第２基板の底面図使用者の目と、視差バリアパネルのバリア部及びバリア開口部と、液晶表示パネルの右目用画素及び左目用画素との関係を概略的に表す説明図接着材塗布工程を行い、接着材を塗布した状態の視差バリアパネルの平面図接着材を塗布した状態の視差バリアパネルに液晶表示パネルを貼り合わせる前の状態を示す断面図貼り合わせ工程及び部分硬化処理工程を行い、接着材を塗布した状態の視差バリアパネルに液晶表示パネルを貼り合わせるとともに接着材の重畳部に向けて紫外線を照射した状態を示す断面図液晶表示パネルにより押し拡げられた接着材の重畳部が紫外線の照射により硬化された状態を示す断面図図１５のxvi-xvi線断面図位置合わせ工程を行い、液晶表示パネルと視差バリアパネルとを板面に沿う方向について位置合わせした状態を示す断面図全体硬化処理工程を行い、接着材が全体的に硬化された状態を示す断面図本発明の実施形態２に係る液晶表示パネル及びタッチパネルの断面図タッチパネルの平面図接着材を塗布した状態の液晶表示パネルにタッチパネルを貼り合わせる前の状態を示す断面図タッチパネルにより押し拡げられた接着材の重畳部が紫外線の照射により硬化された状態を示す断面図全体硬化処理工程を行い、接着材が全体的に硬化された状態を示す断面図本発明の実施形態３に係る液晶表示パネル及び保護パネルの断面図本発明の実施形態４に係る液晶表示パネル及びタッチパネル機能付きの視差バリアパネルの断面図本発明の実施形態５に係る液晶表示パネル、視差バリアパネル及び保護パネルの断面図本発明の実施形態６に係る液晶表示装置の製造方法において、部分硬化処理工程を行い、接着材の重畳部に向けて紫外線を照射した状態を示す断面図本発明の実施形態７に係る液晶表示装置の製造方法において、部分硬化処理工程を行い、接着材の重畳部に向けて紫外線を照射した状態を示す断面図本発明の実施形態８に係る液晶表示装置の製造方法において、部分硬化処理工程を行い、接着材の重畳部に向けて紫外線を照射した状態を示す断面図本発明の実施形態９に係る液晶表示装置の製造方法において、接着材塗布工程を行い、接着材を視差バリアパネルに面状に塗布した状態を示す平面図部分硬化処理工程を行い、接着材の重畳部に向けて紫外線を照射した状態を示す断面図接着材の重畳部が硬化された状態を示す視差バリアパネルの平面図視差バリアパネルに液晶表示パネルを貼り合わせる前の状態を示す断面図全体硬化処理工程を行い、接着材が全体的に硬化された状態を示す断面図

　＜実施形態１＞
　本発明の実施形態１を図１から図１８によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置（表示装置）１０及びその製造方法について例示する。なお、各図面の一部にはＸ軸、Ｙ軸及びＺ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図１に示す上側を表側とするとともに、同図下側を裏側とする。

　まず、液晶表示装置１０の構造について説明する。液晶表示装置１０は、図１及び図２に示すように、全体として平面に視て長方形状をなすとともにポートレイト（縦置き）またはランドスケープ（横置き）のいずれかの姿勢で使用されるものであり、画像を表示する液晶表示パネル（表示パネル）１１と、視差バリア機能を有する視差バリアパネル（機能性パネル）１２と、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２に向けて光を照射する外部光源であるバックライト装置（照明装置）１３とを備えている。さらに液晶表示装置１０は、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２を保持（挟持）するベゼル１４と、ベゼル１４が取り付けられるとともにバックライト装置１２を収容する筐体１５とを備えている。

　このうち、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２は、図３に示すように、互いに板面を対向状させつつ液晶表示パネル１１が相対的に表側（光出射側、観察者側）に、視差バリアパネル１２が相対的に裏側（バックライト装置１３側、光出射側とは反対側）にそれぞれ配されるとともに間に介在する接着材２８によって接着されることで一体化されている。この接着材２８は、ほぼ透明となるような十分な透光性を有する光硬化性樹脂材料からなるものとされ、光硬化性接着材である、と言える。接着材２８を構成する光硬化性樹脂材料は、特定の波長領域の光が照射されることで硬化（粘性が高まる、増粘する）する性質を有しており、本実施形態では特に紫外線（ＵＶ光）によって硬化される紫外線硬化性樹脂材料とされている。つまり、本実施形態に係る接着材２８は、紫外線硬化性接着材である、と言える。なお、本実施形態に係る液晶表示装置１０は、携帯型情報端末（電子ブックやＰＤＡなどを含む）、携帯電話（スマートフォンなどを含む）、ノートパソコン（タブレット型ノートパソコンなどを含む）、デジタルフォトフレーム、携帯型ゲーム機などの各種電子機器に用いられるものである。このため、液晶表示装置１０を構成する液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２の画面サイズは、例えば数インチ～１０数インチ程度とされ、一般的には小型または中小型に分類される大きさとされている。

　液晶表示パネル１１について説明する。液晶表示パネル１１は、図３，図４及び図７に示すように、長方形状をなす一対のほぼ透明な（透光性を有する）ガラス製の基板１１ａ，１１ｂと、両基板１１ａ，１１ｂ間に配され（挟持され）、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層２０とを備え、両基板１１ａ，１１ｂが液晶層２０の厚さ分の間隔（セル厚、ギャップ）を維持した状態で平面に視て枠状をなすシール剤３１によって貼り合わせられている。一対の基板１１ａ，１１ｂは、例えばアルカリを殆ど含有しない無アルカリガラスからなるものとされ、具体的にはＣＯＲＮＩＮＧ社の「ＥＡＧＬＥ　ＸＧ（登録商標）」からなる。両基板１１ａ，１１ｂのうち、表側の基板１１ａ（ＣＦ基板１１ａ）は、裏側の基板１１ｂ（アレイ基板１１ｂ）よりも長辺寸法が小さなものとされ、裏側の基板１１ｂに対して一方（図４に示す下側）の短辺側の端部を除いた３辺（他方（図４に示す上側）の短辺側の端部及び一対の長辺側の端部）を揃えた状態で貼り合わせられている。この液晶表示パネル１１は、図４に示すように、画像が表示される表示領域ＡＡ（図４において一点鎖線にて囲った範囲）と、表示領域ＡＡを取り囲む略枠状（額縁状）をなすとともに画像が表示されない非表示領域ＮＡＡとを有している。シール剤３１は、非表示領域ＮＡＡのうち表示領域ＡＡに隣り合う内端位置に配されており、表示領域ＡＡを取り囲んでいる。両基板１１ａ，１１ｂの外面側には、図３に示すように、それぞれ表裏一対の偏光板１１ｃ，１１ｄが貼り付けられている。各偏光板１１ｃ，１１ｄは、貼り付けられた各基板１１ａ，１１ｂに比べると、一回り小さいものの、表示領域ＡＡ（シール剤３１によって囲まれた領域）よりも広範囲にわたる大きさを有している。相対的に裏側に配される基板１１ｂ及び偏光板１１ｄにおける裏側を向いた板面、つまり視差バリアパネル１２との対向面には、既述した接着材２８が設けられている。接着剤２８は、少なくとも裏側の偏光板１１ｄや表示領域ＡＡよりも平面に視て広範囲にわたって配されており、その外周端位置が裏側の基板１１ｂにおける外周端位置よりも内寄りに配されている。この液晶表示パネル１１は、図２に示すように、ポートレイトで使用される際には、長辺方向（Ｙ軸方向）が観察者から視て縦方向（上下方向）と一致し、短辺方向（Ｘ軸方向）が観察者から視て横方向（左右方向、両目ＬＥ，ＲＥの並び方向）と一致しており、ランドスケープで使用される際には、長辺方向が観察者から視て横方向と一致し、短辺方向が観察者から視て縦方向と一致する。

　両基板１１ａ，１１ｂのうち表側（正面側）がＣＦ基板１１ａとされ、裏側（背面側）がアレイ基板１１ｂとされる。アレイ基板１１ｂの内面（液晶層２０側の板面、ＣＦ基板１１ａとの対向面）における表示領域ＡＡには、図５及び図７に示すように、スイッチング素子であるＴＦＴ（Thin Film Transistor）１６及び画素電極１７がマトリクス状に多数個並列して設けられるとともに、これらＴＦＴ１６及び画素電極１７の周りには、格子状をなすゲート配線１８及びソース配線１９が取り囲むようにして配設されている。画素電極１７は、ＩＴＯ（Indium Tin Oxide：酸化インジウム錫）などのほぼ透明な透光性導電材料からなる。これに対し、ゲート配線１８及びソース配線１９は、共に銅やチタンなどの遮光性金属材料からなる。ゲート配線１８とソース配線１９とがそれぞれＴＦＴ１６のゲート電極とソース電極とに接続され、画素電極１７がＴＦＴ１６のドレイン電極に接続されている。また、アレイ基板１１ｂの内面における非表示領域ＮＡＡには、図４に示すように、ゲート配線１８及びソース配線１９が引き回されるとともにその端部に形成された端子部に対して液晶駆動用のドライバＤＲが接続されている。ドライバＤＲは、アレイ基板１１ｂにおける長辺方向の一端部においてＣＯＧ（Chip On Glass）実装されており、接続された両配線１８，１９に対して駆動信号を供給可能とされる。アレイ基板１１ｂの内面においてドライバＤＲに隣り合う位置（非表示領域ＮＡＡ）には、表示用フレキシブル基板２１の一端側が異方性導電膜ＡＣＦを介して圧着接続されている。この表示用フレキシブル基板２１は、その他端側が図示しないコントロール基板に接続されることで、コントロール基板から供給される画像信号をドライバＤＲに伝送することが可能とされている。

　一方、ＣＦ基板１１ａにおける内面側（液晶層２０側、アレイ基板１１ｂとの対向面側）には、図６及び図７に示すように、アレイ基板１１ｂ側の各画素電極１７と平面に視て重畳する位置に多数個のカラーフィルタが並んで設けられている。カラーフィルタは、Ｒ（赤色），Ｇ（緑色），Ｂ（青色）を呈する各着色部２２がＸ軸方向に沿って交互に並ぶ配置とされる。着色部２２は、平面に視て長方形状をなすとともに、その長辺方向及び短辺方向が基板１１ａ，１１ｂにおける長辺方向及び短辺方向と一致しており、ＣＦ基板１１ａ上においてＸ軸方向及びＹ軸方向について多数個ずつマトリクス状に並列配置されている。カラーフィルタを構成する各着色部２２間には、混色を防ぐための格子状をなす遮光部（ブラックマトリクス）２３が形成されている。遮光部２３は、アレイ基板１１ｂ側のゲート配線１８及びソース配線１９に対して平面視重畳する配置とされる。当該液晶表示パネル１１においては、Ｒ，Ｇ，Ｂの３色の着色部２２及びそれに対応する３つの画素電極１７の組によって表示単位である１つの画素ＰＸが構成されており、この画素ＰＸは、両基板１１ａ，１１ｂの板面、つまり表示面（Ｘ軸方向及びＹ軸方向）に沿って多数ずつマトリクス状に並列配置されている。各着色部２２及び遮光部２３の表面には、図７に示すように、アレイ基板１１ｂ側の画素電極１７と対向する対向電極２４が設けられている。また、両基板１１ａ，１１ｂの内面には、液晶層２０に臨んで配されるとともに液晶層２０に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜２５，２６がそれぞれ形成されている。

　視差バリアパネル１２に先じてバックライト装置１３について簡単に説明する。バックライト装置１３は、いわゆるエッジライト型（サイドライト型）とされており、光源と、表側（液晶表示パネル１１側、光出射側）に開口するとともに光源を収容する略箱型のシャーシと、光源が端部に対向状に配されるとともに光源からの光を導光してシャーシの開口部（光出射部）に向けて出射させる導光部材と、シャーシの開口部を覆うようにして配される光学部材とを備える。光源から発せられた光は、導光部材の端部に入射してから導光部材内を伝播してシャーシの開口部へ向けて出射された後、光学部材によって面内の輝度分布が均一な面状の光に変換されてから、液晶表示パネル１１に照射されるようになっている。そして、液晶表示パネル１１が有するＴＦＴ１６の駆動によって液晶表示パネル１１に対する光の透過率が表示面の面内において選択的に制御されることで、表示面に所定の画像を表示させることができる。なお、光源、シャーシ、導光部材及び光学部材について詳しい図示を省略するものとする。

　続いて、視差バリアパネル１２について詳しく説明する。視差バリアパネル１２は、図３及び図８に示すように、平面に視て長方形状をなす一対の透明な（透光性を有する）ガラス製の基板１２ａ，１２ｂと、両基板１２ａ，１２ｂ間に配され（挟持され）、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層２７とを備え、両基板１２ａ，１２ｂが液晶層２７の厚さ分の間隔（セル厚、ギャップ）を維持した状態で平面に視て枠状をなすシール剤３２によって貼り合わせられている。一対の基板１２ａ，１２ｂは、例えばアルカリを殆ど含有しない無アルカリガラスからなるものとされ、具体的にはＣＯＲＮＩＮＧ社の「ＥＡＧＬＥ　ＸＧ（登録商標）」からなる。視差バリアパネル１２は、図８に示すように、液晶表示パネル１１の表示領域ＡＡと平面に視て重畳する表示重畳領域（図８において一点鎖線にて囲った範囲）ＯＡＡと、液晶表示パネル１１の非表示領域ＮＡＡと平面に視て重畳する非表示重畳領域ＯＮＡＡとを有しており、このうち非表示重畳領域ＯＮＡＡが表示重畳領域ＯＡＡを取り囲む略枠状（額縁状）をなしている。シール剤３２は、非表示重畳領域ＯＮＡＡのうち表示重畳領域ＯＡＡに隣り合う内端位置に配されており、表示重畳領域ＯＡＡを取り囲んでいる。

　視差バリアパネル１２は、図３に示すように、液晶表示パネル１１とほぼ同じ画面サイズを有するともに液晶表示パネル１１に並行する姿勢で接着材２８によって貼り合わせられており、ポートレイトで使用される際には、長辺方向（Ｙ軸方向）が観察者から視て縦方向（上下方向）と一致し、短辺方向（Ｘ軸方向）が観察者から視て横方向（左右方向、両目ＬＥ，ＲＥの並び方向）と一致しており、ランドスケープで使用される際には、長辺方向が観察者から視て横方向と一致し、短辺方向が観察者から視て縦方向と一致する。視差バリアパネル１２を構成する一対の基板１２ａ，１２ｂのうち、表側（液晶表示パネル１１側、接着材２８側）の第２基板１２ｂは、図３及び図８に示すように、裏側の第１基板１２ａよりも平面に視た大きさが一回り小さくなっており、詳しくは短辺寸法（Ｘ軸方向の大きさ）及び長辺寸法（Ｙ軸方向の大きさ）が共に相対的に小さくなっている。表側の第２基板１２ｂは、液晶表示パネル１１のＣＦ基板１１ａよりも平面に視た大きさが僅かに小さくなっている。従って、第１基板１２ａは、相対的に小さな第２基板１２ｂの外周端位置よりも外側に突き出す突出部３４を有している。突出部３４は、平面に視て第２基板１２ｂを取り囲むよう縦長な略枠状をなしている。また、裏側の第１基板１２ａは、液晶表示パネル１１のアレイ基板１１ｂと平面に視た大きさがほぼ同じとされる。第２基板１２ｂの表側を向いた板面（液晶層２７側とは反対側の板面）、つまり液晶表示パネル１１との対向面には、図３に示すように、既述した接着材２８が設けられている。接着剤２８は、少なくとも表側の第２基板１２ｂよりも平面に視て広範囲にわたって配されており、その外周端位置が裏側の第１基板１２ａにおける外周端位置よりも内寄りに配されている。一方、第１基板１２ａの裏側を向いた外面（液晶層２７側とは反対側の板面）側には、偏光板１２ｃが貼り付けられている。

　そして、この視差バリアパネル１２は、液晶表示パネル１１の表示面に表示される画像を視差により分離することで、立体画像（３Ｄ画像、三次元画像）として観察者に観察させるための視差バリアパターン２９を有しており、視差バリアとして機能する。視差バリアパネル１２は、視差バリアパターン２９によって液晶層２７に所定の電圧を印加することで、その電圧値に応じて液晶分子の配向状態並びに液晶層２７の光透過率を制御することができるとともに詳細は後述するバリア部ＢＡを形成することが可能とされ、それにより液晶表示パネル１１の画素ＰＸに表示された画像を視差により分離して観察者に立体画像として観察させることができるものとされる（図１１参照）。つまり、当該視差バリアパネル１２は、液晶層２７の光透過率をアクティブに制御することによって液晶表示パネル１１の表示面に平面画像（２Ｄ画像、二次元画像）と立体画像（３Ｄ画像、三次元画像）とを切り替えて表示させることが可能なスイッチ液晶パネルであると言える。

　視差バリアパネル１２を構成する一対の基板１２ａ，１２ｂにおける各内面（液晶層２７側の板面）には、図９及び図１０に示すように、視差バリアパターン２９を構成する透光電極部３０が互いに対向状をなす形でそれぞれ形成されている。透光電極部３０は、液晶表示パネル１１の画素電極１７と同様にＩＴＯなどのほぼ透明な透光性導電材料からなるとともに、視差バリアパネル１２における表示重畳領域ＯＡＡに配されている。これにより、視差バリアパネル１２の表示重畳領域ＯＡＡでは、光透過率が高く保たれており、光をごく低損失でもって透過することが可能とされる。この透光電極部３０は、裏側の第１基板１２ａと表側の第２基板１２ｂとにそれぞれ一対ずつ設けられており、第１基板１２ａに設けられたものが第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂとされるのに対し、第２基板１２ｂに設けられたものが第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄとされる。

　第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂは、図９に示すように、それぞれ櫛歯状をなすとともに平面に視て互いに噛み合うような形で配されている。詳しくは、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂは、それぞれ第１基板１２ａの長辺方向（Ｙ軸方向）に沿って延在するほぼ一定幅の帯状（ストライプ状）をなすとともに第１基板１２ａの短辺方向（Ｘ軸方向）について並列して配された複数本の帯状部３０Ａａ，３０Ｂａと、各帯状部３０Ａａ，３０Ｂａの端部同士を繋ぐとともに短辺方向（Ｘ軸方向）に沿って延在する繋ぎ部３０Ａｂ，３０Ｂｂとから構成されている。従って、第１基板１２ａの表示重畳領域ＯＡＡにおいては、第１透光電極部３０Ａの帯状部３０Ａａと、第２透光電極部３０Ｂの帯状部３０Ｂａとが短辺方向（Ｘ軸方向）に沿って交互に並んで配されていることになる。

　これに対して、第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄは、図１０に示すように、それぞれ櫛歯状をなすとともに平面に視て互いに噛み合うような形で配されている。詳しくは、第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄは、それぞれ第２基板１２ｂの短辺方向（Ｘ軸方向）に沿って延在するほぼ一定幅の帯状（ストライプ状）をなすとともに第２基板１２ｂの長辺方向（Ｙ軸方向）について並列して配された複数本の帯状部３０Ｃａ，３０Ｄａと、各帯状部３０Ｃａ，３０Ｄａの端部同士を繋ぐとともに長辺方向（Ｙ軸方向）に沿って延在する繋ぎ部３０Ｃｂ，３０Ｄｂとから構成されている。従って、第２基板１２ｂの表示重畳領域ＯＡＡにおいては、第３透光電極部３０Ｃの帯状部３０Ｃａと、第４透光電極部３０Ｄの帯状部３０Ｄａとが長辺方向（Ｙ軸方向）に沿って交互に並んで配されていることになる。そして、両基板１２ａ，１２ｂを貼り合わせた状態では、図３，図９及び図１０に示すように、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂの各帯状部３０Ａｂ，３０Ｂｂと、第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄの各帯状部３０Ｃａ，３０Ｄａとは、互いにその長さ方向をほぼ直交させつつ液晶層２７を介して対向状に配されることになる。また、両基板１２ａ，１２ｂの内面には、液晶層２７に臨んで配されるとともに液晶層２７に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜（図示せず）がそれぞれ形成されている。

　なお、第１基板１２ａにおける長辺方向の一端部には、図９に示すように、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂから引き回された端子部（図示せず）が形成されており、この端子部には、バリア用フレキシブル基板３３の一端側が接続されている。バリア用フレキシブル基板３３は、端子部に対して異方性導電膜ＡＣＦを介して圧着接続されている。このバリア用フレキシブル基板３３は、その他端側が図示しないコントロール基板に接続されることで、コントロール基板から供給されるバリア駆動信号を第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂに伝送することが可能とされている。なお、これら端子部及びバリア用フレキシブル基板３３は、図８に示すように、視差バリアパネル１２のうち非表示重畳領域ＯＮＡＡに配されている。また、第２基板１２ｂに設けられた第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄは、液晶層２７を貫くとともに両基板１２ａ，１２ｂ間を繋ぐ形で配される導電柱部（図示せず）によって第１基板１２ａ側の端子部に対して電気的に接続されるとともにそこからバリア駆動信号の供給が可能とされている。

　本実施形態に係る視差バリアパネル１２としては、例えば、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂと、第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄとの間の電位差を０としたときに液晶層２７の光透過率が最大となって、全域にわたって最大限に光を透過することが可能な、いわゆるノーマリーホワイトモードのスイッチ液晶パネルを用いることができる。その上で、本実施形態に係る視差バリアパネル１２は、各電極部３０Ａ～３０Ｄに所定の電位が供給されることでその駆動が制御されるとともに、ポートレイトでの使用時とランドスケープでの使用時との双方において観察者に立体画像を観察させることが可能とされている。

　具体的には、液晶表示装置１０をポートレイトで使用する場合には、例えば、第２透光電極部３０Ｂ、第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄには基準電位を供給するのに対し、第１透光電極部３０Ａには基準電位とは異なる所定の電位を供給する。これにより、第２透光電極部３０Ｂと第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄとの間には電位差が生じることがないものの、第１透光電極部３０Ａと第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄとの間には電位差が生じる。このため、図１１に示すように、視差バリアパネル１２における液晶層２７のうち、第１透光電極部３０Ａと平面視重畳する領域の光透過率が例えば最小となってここに光を遮るバリア部ＢＡが形成されるのに対し、第２透光電極部３０Ｂと平面視重畳する領域の光透過率が最大となってここに光を透過するバリア開口部ＢＯが形成される。バリア部ＢＡ及びバリア開口部ＢＯは、共に第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂの各帯状部３０Ａｂ，３０Ｂｂと同様にＹ軸方向に沿って延在するストライプ状をなすとともに、Ｘ軸方向に沿って交互に並列する形で複数ずつ配される。バリア部ＢＡ及びバリア開口部ＢＯの並び方向は、ポートレイトでの使用時における観察者の両目ＬＥ，ＲＥの並び方向（Ｘ軸方向）と一致しているから、この状態で液晶表示パネル１１においてＸ軸方向に並んだ各画素ＰＸに左目用画像と右目用画像とが交互に表示されるように駆動を制御すると、表示された右目用画像（右目用画素ＲＰＸ）及び左目用画像（左目用画素ＬＰＸ）は、それぞれバリア部ＢＡによって観察角度が規制されるとともに、バリア開口部ＢＯを通してそれぞれ観察者の右目ＲＥと左目ＬＥとに分離して観察されることになる。これにより、ポートレイトでの使用時において両眼視差効果が得られるとともに観察者に立体画像を観察させることができるものとされる。

　その一方、液晶表示装置１０をランドスケープで使用する場合には、例えば、第１透光電極部３０Ａ、第２透光電極部３０Ｂ及び第４透光電極部３０Ｄには基準電位を供給するのに対し、第３透光電極部３０Ｃには基準電位とは異なる所定の電位を供給する。これにより、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂと第４透光電極部３０Ｄとの間には電位差が生じることがないものの、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂと第３透光電極部３０Ｃとの間には電位差が生じる。このため、図１１に示すように、視差バリアパネル１２における液晶層２７のうち、第３透光電極部３０Ｃと平面視重畳する領域の光透過率が例えば最小となってここに光を遮るバリア部ＢＡが形成されるのに対し、第４透光電極部３０Ｄと平面視重畳する領域の光透過率が最大となってここに光を透過するバリア開口部ＢＯが形成される。バリア部ＢＡ及びバリア開口部ＢＯは、共に第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄの各帯状部３０Ｃａ，３０Ｄａと同様にＸ軸方向に沿って延在するストライプ状をなすとともに、Ｙ軸方向に沿って交互に並列する形で複数ずつ配される。バリア部ＢＡ及びバリア開口部ＢＯの並び方向は、ランドスケープでの使用時における観察者の両目ＬＥ，ＲＥの並び方向（図１１では括弧書きしているＹ軸方向）と一致しているから、この状態で液晶表示パネル１１においてＹ軸方向に並んだ各画素ＰＸに左目用画像と右目用画像とが交互に表示されるように駆動を制御すると、表示された右目用画像（右目用画素ＲＰＸ）及び左目用画像（左目用画素ＬＰＸ）は、それぞれバリア部ＢＡによって観察角度が規制されるとともに、バリア開口部ＢＯを通してそれぞれ観察者の右目ＲＥと左目ＬＥとに分離して観察されることになる。これにより、ランドスケープでの使用時において両眼視差効果が得られるとともに観察者に立体画像を観察させることができるものとされる。

　このようにポートレイトでの使用時と、ランドスケープでの使用時との双方において立体表示が可能な液晶表示装置１０には、図示しないジャイロセンサを内蔵させるとともにそのジャイロセンサによって液晶表示装置１０の姿勢（ポートレイトであるか、ランドスケープであるか）を検出するようにし、その検出信号に基づいて液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２の駆動をポートレイトモードとランドスケープモードとで自動的に切り替えるようにするのがより好ましい。また、観察者に平面画像を観察させる場合には、例えば全ての透光電極部３０Ａ～３０Ｄに基準電位を供給すれば、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂと第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄとの間に電位差が生じず、液晶層２７における全域において光透過率が最大となる。これにより、視差バリアパネル１２には、光を遮るバリア部ＢＡが形成されることがない。従って、液晶表示パネル１１の各画素ＰＸに表示される画像には視差が生じることがなく、もって観察者に平面画像（２Ｄ画像、二次元画像）を観察させることができる。なお、全ての電極部３０Ａ～３０Ｄに電位を供給しないようにすることで、第１透光電極部３０Ａ及び第２透光電極部３０Ｂと第３透光電極部３０Ｃ及び第４透光電極部３０Ｄとの間に電位差を生じさせないようにしてもよい。

　本実施形態に係る液晶表示装置１０は以上のような構造であり、続いてその製造方法について詳しく説明する。液晶表示装置１０は、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２をそれぞれ製造するパネル製造工程と、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２のうち視差バリアパネル１２に液体状の接着材２８を塗布する接着材塗布工程と、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、接着材２８のうち視差バリアパネル１２における外周側部分と平面に視て重畳する重畳部３５に対して硬化処理を行う部分硬化処理工程と、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２を板面に沿う方向について位置合わせする位置合わせ工程と、接着材２８を全体的に硬化させる全体硬化処理工程と、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２における外面に偏光板１１ｃ，１２ｃをそれぞれ貼り付ける偏光板貼り付け工程と、を経て製造される。以下、各工程について詳しく説明する。

　パネル製造工程では、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２をそれぞれ別の製造ラインにて製造する。液晶表示パネル１１は、既知のフォトリソグラフィ法によって各基板１１ａ，１１ｂ上に各構造物が順次に積層形成された後に、両基板１１ａ，１１ｂが液晶層２０及びシール剤３１を介在させつつ貼り合わせられることで製造される（図４から図７を参照）。この液晶表示パネル１１に係るパネル製造工程では、液晶表示パネル１１における裏側のアレイ基板１１ｂの外面に裏側の偏光板１１ｄが貼り付けられるものの、表側の偏光板１１ｃについては貼り付けられない。一方、視差バリアパネル１２は、既知のフォトリソグラフィ法によって各基板１２ａ，１２ｂ上に各構造物が順次に積層形成された後に、両基板１２ａ，１２ｂが液晶層２７及びシール剤３２を介在させつつ貼り合わせられることで製造される（図８から図１０を参照）。この視差バリアパネル１２に係るパネル製造工程では、視差バリアパネル１２は、第１基板１２ａが第２基板１２ｂよりも平面に視た大きさが一回り大きく形成されることで突出部３４を有するように製造されている。また、視差バリアパネル１２に係るパネル製造工程では、視差バリアパネル１２には、偏光板１２ｃが貼り付けられない。なお、パネル製造工程では、各パネル１１，１２に対してそれぞれ対応するフレキシブル基板２１，３３やドライバＤＲが接続（実装）されている。

　接着材塗布工程では、図１２に示すように、視差バリアパネル１２のうち第２基板１２ｂにおける表側の板面に対して、液体状の接着材２８を部分的に塗布している。具体的には、接着材２８は、図示しない塗布装置のノズルから第２基板１２ｂ上に吐出されることで塗布されており、第２基板１２ｂの長辺方向（Ｙ軸方向）に沿って延在するよう筋状をなすとともに、第２基板１２ｂの短辺方向（Ｘ軸方向）に沿って間欠的に複数本が並ぶ形となるよう塗布される。接着材２８は、視差バリアパネル１２のうち後述する外周側部分１２ＥＰよりも中央側の中央側部分１２ＣＰに対して塗布されている（図１４を参照）。この接着材塗布工程での接着材２８の塗布量は、次述する貼り合わせ工程にて液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２を貼り合わせて、両パネル１１，１２間の間隔が所定の値となったとき、両パネル１１，１２の対向面における中央側の大部分にわたって広がるものの、各パネル１１，１２の外周端からは漏れ出すことがないような量に調整されている。なお、具体的な両パネル１１，１２間の間隔（接着材２８の厚さ寸法）は、例えば５０μｍ程度の大きさとされる。この接着材塗布工程は、接着材２８が不用意に硬化することがないよう、紫外線を含まない照明環境で行われる。

　貼り合わせ工程では、図１３に示すように、液体状の接着材２８が塗布された視差バリアパネル１２に対して、液晶表示パネル１１を表側に配置し、Ｘ軸方向及びＹ軸方向について大まかに位置合わせしつつ、視差バリアパネル１２に対して液晶表示パネル１１をＺ軸方向に沿って接近させて所定の圧力を付与しつつ貼り合わせる。視差バリアパネル１２に対して液晶表示パネル１１が貼り合わせられると、筋状に塗布された接着材２８は、図１４に示すように、液晶表示パネル１１によって加圧されて押し拡げられることで、液晶表示パネル１１のアレイ基板１１ｂ（裏側の偏光板１１ｄ）と、視差バリアパネル１２の第２基板１２ｂとの間で面状に万遍なく拡散される。このとき、接着材２８の塗布量や液晶表示パネル１１から接着材２８に付与される圧力によっては、接着材２８が視差バリアパネル１２の第２基板１２ｂにおける外周端の段差を超えて第１基板１２ａの突出部３４とアレイ基板１１ｂとの間の空間にまで達する（図１５を参照）。この第１基板１２ａの突出部３４とアレイ基板１１ｂとの間の空間は、第２基板１２ｂとアレイ基板１１ｂとの間の空間よりも相対的に広くなっているから、第２基板１２ｂにおける外周端の段差を超えた接着材２８を十分な量、溜めることが可能とされ、それにより接着材２８が各パネル１１，１２の外周端から漏れ出しが生じ難くなっている。

　上記した貼り合わせ工程に並行して部分硬化処理工程が行われる。部分硬化処理工程は、上記した貼り合わせ工程を行いつつ、図１４に示すように、視差バリアパネル１２における外周側部分１２ＥＰに対して裏側に対向する形で配された部分照射装置３６から接着材２８を硬化させる紫外線を照射することで行われる。ここでいう視差バリアパネル１２の外周側部分１２ＥＰは、第２基板１２ｂの外周端部分１２ｂ１と、第１基板１２ａの突出部３４のうち第２基板１２ｂの外周端部分１２ｂ１を取り囲む内周端部分３４ａとからなるものとされる。この部分照射装置３６は、視差バリアパネル１２の外周側部分１２ＥＰに倣って略枠状をなしており、視差バリアパネル１２の外周側部分１２ＥＰと平面に視て重畳する形で配されている。詳しくは、部分照射装置３６は、視差バリアパネル１２のうち第２基板１２ｂの外周端部分１２ｂ１から第１基板１２ａの突出部３４の内周端部分３４ａに跨る範囲に配されている。部分照射装置３６は、その全域にわたって視差バリアパネル１２（接着材２８）への単位面積当たりの紫外線の照射光量がほぼ均一になるよう設計されている。上記した貼り合わせ工程では、液体状の接着材２８は、両パネル１１，１２における中央側から外周端側へ向けて押し拡げられ、やがて上記した外周側部分１２ＥＰと平面に視て重畳する位置に達するが、この接着材２８における外周側部分１２ＥＰと平面に視て重畳する重畳部３５には、図１５に示すように、部分照射装置３６からの紫外線が照射されることで重畳部３５の硬化が進行されることになる。部分照射装置３６からは、例えば貼り合わせ工程を開始すると同時に紫外線を照射させることで、貼り合わせに伴って押し拡げられて外周側部分１２ＥＰと重畳する位置に達した接着材２８の重畳部３５をより確実に硬化させることができる。

　このように接着材２８における外周側部分である重畳部３５が部分的に硬化されることで、図１５及び図１６に示すように、硬化された略枠状の重畳部３５によってそれよりも中央側の流動性が高い未硬化部分（液体状の部分）を全周にわたって堰き止めることができる。これにより、接着材塗布工程において塗布装置の個体差によって接着材２８の塗布量が過剰だった場合や、貼り合わせ工程において貼り合わせ装置（加圧装置）により両パネル１１，１２に付与される圧力が過剰だった場合などでも、未硬化の接着材２８が両パネル１１，１２の外周端から外部へと漏れ出し難くなっている。従って、例えば液晶表示パネル１１や視差バリアパネル１２の外表面に接着材２８が不用意に付着して外観が損なわれたり、表示品位が損なわれる、といった事態が生じ難くなっている。なお、部分照射装置３６に紫外線の照射を開始させるタイミングは、貼り合わせ工程が開始されてから所定時間経った段階でもよく、要は接着材２８が外周側部分１２ＥＰと重畳する位置に達する前の段階であれば適宜に変更可能である。

　部分照射装置３６から出射された紫外線は、図１５に示すように、視差バリアパネル１２を構成する両基板１２ａ，１２ｂの一方または両方を透過した後に接着材２８に照射される。ここで、重畳部３５のうち、平面に視て視差バリアパネル１２の第２基板１２ｂの外周端部分１２ｂ１と重畳する部分を相対的に内側の内周側部分３５ａとし、平面に視て視差バリアパネル１２の第１基板１２ａの突出部３４の内周端部分３４ａと重畳する部分を相対的に外側の外周側部分３５ｂとしたとき、内周側部分３５ａには、両基板１２ａ，１２ｂをそれぞれ透過した紫外線が照射されるのに対し、外周側部分３５ｂには、第１基板１２ａの突出部３４のみを透過した紫外線が照射される。このため、内周側部分３５ａへの紫外線の照射光量は、２枚の基板１２ａ，１２ｂによって紫外線が吸収されたり反射されるために相対的に少なくなるのに対し、外周側部分３５ｂへの紫外線の照射光量は、第２基板１２ｂによる紫外線の吸収や反射が無い分だけ相対的に多くなっている。従って、内周側部分３５ａ及び外周側部分３５ｂへの紫外線の照射時間が等しければ、内周側部分３５ａの硬化度合いが相対的に低いのに対し、外周側部分３５ｂの硬化度合いが相対的に高くなっている。ここで言う「硬化度合い」とは、高い流動性を有する液体状の接着材２８が紫外線の照射に伴って硬化が進行する度合い、詳しくは流動性が低下するとともに粘性（粘度）が増加する度合いのことである。これにより、接着材２８は、中央側の未硬化部分（液体状部分）、重畳部３５の内周側部分３５ａ、外周側部分３５ｂの順で段階的に硬化度合いが高くなる（粘性が高くなる、流動性が低下する）ので、中央側の未硬化部分と重畳部３５との境界部分に硬化収縮に伴って生じ得る応力が緩和され、もって接着材２８に残留応力が生じ難くなっている。接着材２８に残留応力が生じると、貼り合わせ対象である液晶表示パネル１１に残留応力が作用することで、表示に悪影響を及ぼす可能性があることから、上記のように残留応力の発生が抑制されることで、液晶表示パネル１１の表示画像に係る表示品位を高く保つことができる。この部分硬化処理工程では、重畳部３５は、完全には硬化されおらず、半硬化されたゲル状とされている。詳しくは、重畳部３５の硬化率は、７０％以下であることが好ましく、具体的には、外周側部分３５ｂの硬化率を例えば５０％～７０％程度とし、内周側部分３５ａの硬化率を例えば３０％～５０％程度とすることができる。なお、ここで言う「硬化率」とは、紫外線を照射しても硬化がそれ以上進行しない状態に達した接着材２８における粘度または硬度などの物性値に対する、接着材２８における粘度または硬度などの物性値の比率である。接着材２８における重畳部３５は、半硬化されてゲル状とされることで、流動性を殆ど失っており、接する各基板１１ｂ，１２ａ，１２ｂの板面に沿って流動することが殆どできないものの、弾性的に変形することは可能とされている。

　上記のようにして貼り合わせ工程及び部分硬化処理工程を経ることで、互いに所定の間隔を空けて対向状に貼り合わせられた両パネル１１，１２は、続いて行われる位置合わせ工程にて位置合わせが図られる。位置合わせ工程は、図１７に示すように、例えば視差バリアパネル１２に対して液晶表示パネル１１を板面に沿う方向、つまりＸ軸方向やＹ軸方向について相対変位させることで行われる。ここで、接着材２８は、既述した通り、重畳部３５が部分的に硬化されているものの、弾性的に変形するのことが可能とされているので、液晶表示パネル１１が視差バリアパネル１２に対して相対変位されるのに追従して重畳部３５が弾性変形されることで位置合わせが許容されている。この位置合わせ工程を行うことで、両パネル１１，１２が板面に沿う方向について高い精度で位置決めされるので、液晶表示パネル１１に表示された画像を視差バリアパネル１２によってより的確な立体画像として観察者に視認させることができる。

　全体硬化処理工程では、図１８に示すように、視差バリアパネル１２における第１基板１２ａに対して裏側に対向する形で配された全体照射装置３７から接着材２８を硬化させる紫外線を照射することで行われる。この全体照射装置３７は、平面に視た大きさが視差バリアパネル１２の第２基板１２ｂよりは一回り大きいものの、第１基板１２ａよりは一回り小さい程度の略面状をなしており、第２基板１２ｂ及び接着材２８（重畳部３５を含む）の全域に対して平面に視て重畳する形で配されている。また、全体照射装置３７は、その全域にわたって視差バリアパネル１２（接着材２８）への単位面積当たりの紫外線の照射光量がほぼ均一になるよう設計されている。全体照射装置３７から紫外線が視差バリアパネル１２を介して接着材２８に照射されると、接着剤２８は、半硬化状態とされていた重畳部３５に加えて中央側の未硬化部分についても硬化が進行される。接着材２８の全域における硬化率が１００％となるまで全体照射装置３７から紫外線が照射されると、接着材２８によって両パネル１１，１２が完全に貼り合わせ状態に固定される。その後、偏光板貼り付け工程にて、偏光板１１ｃ，１２ｃがそれぞれ各パネル１１，１２に貼り付けられることで、図３に示される液晶表示装置１０の製造が完了する。

　以上説明したように本実施形態の液晶表示装置（表示装置）１０の製造方法は、画像を表示する液晶表示パネル（表示パネル）１１と液晶表示パネル１１に積層される視差バリアパネル（機能性パネル）１２との対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して液体状の接着材２８を塗布する接着材塗布工程と、接着材２８を介して液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、接着材２８のうち、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方における外周側部分１２ＥＰと平面に視て重畳する重畳部３５に対して硬化処理を行う部分硬化処理工程と、を備える。

　このようにすれば、接着材塗布工程では、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して液体状の接着材２８が塗布され、その後行われる貼り合わせ工程では、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２が接着材２８を介して貼り合わせられる。この液晶表示装置１０の製造方法には、部分硬化処理工程が備えられており、接着材２８のうち、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方における外周側部分１２ＥＰと平面に視て重畳する重畳部３５に対して硬化処理が行われることで、接着材２８が部分的に硬化されるから、硬化された重畳部３５によって接着材２８における中央側の未硬化部分を堰き止めることができる。これにより、接着材塗布工程での接着材２８の塗布量がばらついた場合や、貼り合わせ工程で液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２に付与される圧力がばらついた場合でも、接着材２８が液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方の外周端から外部へと漏れ出し難くなっている。もって、例えば液晶表示パネル１１や視差バリアパネル１２の外表面に接着材２８が不用意に付着する、といった事態が生じるのが防がれ、高い表示品位を保つことができる。

　また、部分硬化処理工程では、重畳部３５のうち相対的に外側に配される外周側部分３５ｂについては硬化度合いを相対的に高くする一方で、相対的に内側に配される内周側部分３５ａについては硬化度合いを相対的に低くしている。このようにすれば、部分硬化処理工程を行うと、接着材２８における中央側の未硬化部分、重畳部３５の内周側部分３５ａ、重畳部３５の外周側部分３５ｂの順で硬化度合いが高くなり、硬化度合いが段階的に変化することになる。これにより、中央側の未硬化部分と重畳部３５との境界部分に硬化収縮に伴って生じ得る応力が緩和されるので、例えば接着材２８の残留応力が液晶表示パネル１１に作用して表示品位が悪化させるなどといった事態が生じ難くなる。

　また、接着材塗布工程では、接着材２８として光硬化性接着材２８を塗布しており、部分硬化処理工程では、光硬化性接着材２８のうちの重畳部３５に対して硬化を促す光を照射している。このようにすれば、部分硬化処理工程において、光硬化性接着材２８のうちの重畳部３５に対して硬化を促す光を照射することで、光硬化性接着材２８を部分的に硬化させるようにしているから、光硬化性接着材２８の硬化範囲を高い精度でもって画定させることができ、それにより光硬化性接着材２８の部分的な硬化をより的確に行うことができる。また、光硬化性接着材２８は、例えば熱硬化性接着材などと比べると、速硬化性に優れているので、タクトタイムの短縮化も図ることができる。

　また、接着材塗布工程では、光硬化性接着材２８として紫外線硬化性接着材２８を塗布しており、部分硬化処理工程では、紫外線硬化性接着材２８のうちの重畳部３５に硬化を促す紫外線を照射している。このようにすれば、仮に光硬化性接着材として可視光硬化性接着材を用いた場合に比べると、接着材塗布工程を行ってから貼り合わせ工程を行うまでの間に不用意に硬化を進行させないための手立てが比較的簡易なもので済むので、設備などに係るコストを低く抑えることができる。また、紫外線硬化性接着材２８は、速硬化性により優れているので、タクトタイムのさらなる短縮化も図ることができる。

　また、部分硬化処理工程では、重畳部３５に対して視差バリアパネル１２を介して紫外線を照射している。このようにすれば、仮に重畳部３５に対して液晶表示パネルを介して紫外線を照射した場合に比べると、液晶表示パネル１１に備えられる構造物が紫外線によって変性されるなどの問題が生じ難くなる。これにより、液晶表示パネル１１に表示される画像に係る表示品位を高く保つことができる。

　また、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２とのうち、光透過性を有する一対の基板１２ａ，１２ｂを貼り合わせてなる少なくともいずれか一方を製造する工程であって、一対の基板１２ａ，１２ｂのうちのいずれか一方の基板である第１基板１２ａが全周にわたって他方の基板である第２基板１２ｂよりも外側に突き出す突出部３４を有するよう製造するパネル製造工程を備えており、部分硬化処理工程では、重畳部３５のうち、相対的に外側に配される外周側部分３５ｂに対しては、一方の基板である第１基板１２ａの突出部３４を介して光を照射するのに対し、相対的に内側に配される内周側部分３５ａに対しては、一対の基板１２ａ，１２ｂを介して光を照射している。このようにすれば、部分硬化処理工程を行うと、外周側部分３５ｂに対しては一方の基板である第１基板１２ａの突出部３４のみを介して光が照射されるので、外周側部分３５ｂへの照射光量が相対的に多くなってその硬化度合いが高くなるのに対し、内周側部分３５ａに対しては一対の基板１２ａ，１２ｂを介して光が照射されるので、他方の基板である第２基板１２ｂによって光が吸収されたり反射される分だけ内周側部分３５ａへの照射光量が相対的に少なくなってその硬化度合いが低くなる。これにより、接着材２８における中央側の未硬化部分、重畳部３５の内周側部分３５ａ、重畳部３５の外周側部分３５ｂの順で硬化度合いが高くなり、硬化度合いが段階的に変化することになるので、中央側の未硬化部分と重畳部３５との境界部分に硬化収縮に伴って生じ得る応力が緩和される。従って、例えば接着材２８の残留応力が液晶表示パネル１１に作用して表示品位が悪化するなどといった事態が生じ難くなる。しかも、部分硬化処理工程では、一対の基板１２ａ，１２ｂ間に生じさせた段差を利用して重畳部３５に対する照射光量を部分毎に異ならせているから、光を照射する装置に係るコストを低く抑えることができる。

　また、貼り合わせ工程では、一対の基板１２ａ，１２ｂのうち他方の基板である第２基板１２ｂが接着材２８側に位置するよう、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２とを貼り合わせている。このようにすれば、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との間の距離は、他方の基板である第２基板１２ｂの配置領域よりも、一方の基板である第１基板１２ａの突出部３４の配置領域の方が大きくなっている。これにより、接着材２８が配される空間は、重畳部３５の内周側部分３５ａが配される空間よりも外周側部分３５ｂが配される空間の方が広くなるから、接着材２８の漏れ出しが一層生じ難くなる。

　また、部分硬化処理工程は、貼り合わせ工程に並行して行われている。このようにすれば、仮に部分硬化処理工程を貼り合わせ工程とは独立した工程として行った場合に比べると、全体の製造に係る時間を短縮化することができる。

　また、接着材塗布工程では、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して部分的に接着材２８が塗布されており、貼り合わせ工程では、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方を加圧することで、接着材２８を押し拡げるようにしている。このようにすれば、貼り合わせ工程では、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方を加圧することで液体状の接着材２８が押し拡げられるので、その押し拡げられる接着材２８における重畳部３５に対して硬化処理を行うことで、中央側の未硬化部分が重畳部３５よりも外側へ漏れ出すのを規制することができる。これにより、仮に接着材２８を上記対向面に対して面状に塗布する場合に比べると、接着材２８の塗布に係る作業効率が良好となり、タクトタイムの短縮化などを図る上で好適となる。

　また、接着材塗布工程では、液晶表示パネル１１と視差バリアパネル１２との少なくともいずれか一方のうち外周側部分１２ＥＰにより取り囲まれる中央側部分１２ＣＰに接着材２８が塗布されており、部分硬化処理工程では、貼り合わせ工程にて押し拡げられる接着材２８が液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２における外周側部分１２ＥＰに達する前の段階から硬化処理を行っている。このようにすれば、貼り合わせ工程にて押し拡げられて液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２の外周側部分１２ＥＰに達した接着材２８の重畳部３５を、より確実に硬化させることができる。これにより、接着材２８の未硬化部分の漏れ出しをより確実に防ぐことができる。

　また、部分硬化処理工程では、重畳部３５を半硬化させるようにしている。このようにすれば、貼り合わせ工程を行う過程で、接着材２８の未硬化部分に気泡が生じていた場合でも、重畳部３５が半硬化状態とされているから、未硬化部分の気泡を重畳部３５を通して外部へと脱泡させることができる。これにより、接着材２８中に気泡が残存し難くなるから、液晶表示パネル１１に表示される画像に係る表示品位を高く保つことができる。

　また、貼り合わせ工程及び部分硬化処理工程を行った後に、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２を板面に沿う方向について位置合わせする位置合わせ工程を行うようにしている。このようにすれば、部分硬化処理工程では、重畳部３５を半硬化させているので、その後に行われる位置合わせ工程において、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２を板面に沿う方向について位置合わせすることができる。これにより、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２の位置精度を高くすることができる。

　また、貼り合わせ工程では、機能性パネルとして、液晶表示パネル１１に表示される画像を視差により分離することが可能な視差バリアパネル１２を、液晶表示パネル１１に貼り合わせている。このようにすれば、位置合わせ工程では、液晶表示パネル１１及び視差バリアパネル１２が板面に沿う方向について位置合わせされてその位置精度が高められているから、視差バリアパネル１２の機能をより適切に発揮させることができ、液晶表示装置１０の使用者により良好な立体画像を視認させることができる。

　また、部分硬化処理工程では、接着材２８のうち、液晶表示パネル１１において画像が表示される表示領域ＡＡを取り囲む非表示領域ＮＡＡと平面に視て重畳する重畳部３５に対して硬化処理を行っている。このようにすれば、仮に部分硬化処理工程を行うことに起因して、接着材２８のうちの重畳部３５に硬化ムラなどが生じた場合であっても、重畳部３５が液晶表示パネル１１において非表示領域ＮＡＡと平面に視て重畳する配置とされているから、重畳部３５によって表示領域ＡＡに表示される画像に係る表示品位が損なわれるのが防がれる。

　＜実施形態２＞
　本発明の実施形態２を図１９から図２３によって説明する。この実施形態２では、機能性パネルとしてタッチパネル３８を用いたものを示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る液晶表示パネル１１１には、図１９に示すように、上記した実施形態１に記載した視差バリアパネル１２に代えて、観察者が入力した位置を検出するタッチパネル機能を有するタッチパネル３８が接着材１２８を介して貼り合わせられている。タッチパネル３８は、液晶表示パネル１１１に対して表側に積層される形で配される。タッチパネル３８は、１枚のほぼ透明なガラス製の基板３８ａを有しており、この基板３８ａにおける表側を向いた外面には、図２０に示すように、いわゆる投影型静電容量方式のタッチパネルパターン３９を構成するタッチパネル用透光電極部４０が形成されている。タッチパネル用透光電極部４０は、上記した実施形態１に記載した視差バリアパターン２９を構成する透光電極部（視差バリア用透光電極部）３０と同様にＩＴＯなどのほぼ透明な透光性導電材料からなるとともに、タッチパネル３８のうち、液晶表示パネル１１１の表示領域ＡＡと重畳する表示重畳領域ＯＡＡに配されている。これにより、タッチパネル３８の表示重畳領域ＯＡＡでは、光透過率が高く保たれており、液晶表示パネル１１１の表示領域ＡＡを透過した光をごく低損失でもって透過することが可能とされる。タッチパネル用透光電極部４０は、基板３８ａの長辺方向（Ｙ軸方向）に沿って延在する複数列の第１タッチパネル用透光電極部４０Ａと、基板３８ａの短辺方向（Ｘ軸方向）に沿って延在する複数列の第２タッチパネル用透光電極部４０Ｂとからなる。

　第１タッチパネル用透光電極部４０Ａは、図２０に示すように、平面に視て菱形形状をなすとともにＹ軸方向に沿って並列配置された複数の第１電極パッド部４０Ａａを有しており、隣り合う第１電極パッド部４０Ａａ同士が相互に接続されている。Ｙ軸方向に沿って延在する形態の第１タッチパネル用透光電極部４０Ａは、Ｘ軸方向について複数が所定の間隔を空けつつ並列して配されている。これに対し、第２タッチパネル用透光電極部４０Ｂは、平面に視て菱形形状をなすとともにＸ軸方向に沿って並列配置された複数の第２電極パッド部４０Ｂａを有しており、隣り合う第２電極パッド部４０Ｂａ同士が相互に接続されている。Ｘ軸方向に沿って延在する形態の第２タッチパネル用透光電極部４０Ｂは、Ｙ軸方向について複数が所定の間隔を空けつつ並列して配されている。従って、基板３８ａには、第１タッチパネル用透光電極部４０Ａを構成する第１電極パッド部４０Ａａと、第２タッチパネル用透光電極部４０Ｂを構成する第２電極パッド部４０ＢａとがＸ軸方向及びＹ軸方向について複数ずつマトリクス状に並列して配されている。なお、各第１電極パッド部４０Ａａ及び各第２電極パッド部４０Ｂａは、基板３８ａ上において同一のレイヤー（層）に配されているのに対し、隣り合う第１電極パッド部４０Ａａ間の接続部位と、隣り合う第２電極パッド部４０Ｂａ間の接続部位との間には、図示しない絶縁層が介在することで相互が絶縁状態に保たれている。

　基板３８ａにおける長辺方向の一端部には、図２０に示すように、第１タッチパネル用透光電極部４０Ａ及び第２タッチパネル用透光電極部４０Ｂから引き回された端子部（図示せず）が形成されており、この端子部には、タッチパネル用フレキシブル基板４１の一端側が接続されている。タッチパネル用フレキシブル基板４１は、端子部に対して異方性導電膜ＡＣＦを介して圧着接続されている。このタッチパネル用フレキシブル基板４１は、その他端側が図示しない検出回路に接続されている。なお、これら端子部及びタッチパネル用フレキシブル基板４１は、タッチパネル３８のうち、液晶表示パネル１１１の非表示領域ＮＡＡと重畳する非表示重畳領域ＯＮＡＡに配されている。そして、複数列の第１タッチパネル用透光電極部４０Ａ及び複数列の第２タッチパネル用透光電極部４０Ｂに順次に電圧を印加した状態で、タッチパネル３８の操作面に導電体である使用者の指が接触または接近すると、いずれかのタッチパネル用透光電極部４０Ａ，４０Ｂと使用者の指との間で容量が生じるため、そのタッチパネル用透光電極部４０Ａ，４０Ｂにおける静電容量値は、他のタッチパネル用透光電極部４０Ａ，４０Ｂにおける静電容量値とは異なるものとなる。この静電容量の差が生じたタッチパネル用透光電極部４０Ａ，４０Ｂを検出回路により検出することで、そのタッチパネル用透光電極部４０Ａ，４０Ｂの交点の座標が、使用者による操作位置の二次元（Ｘ軸方向及びＹ軸方向）の位置情報として入力されるようになっている。従って、このタッチパネル３８では、使用者が操作面の面内における複数箇所に同時に位置入力した場合の多点検出（マルチタッチ）が可能とされている。

　上記のような構成のタッチパネル３８を液晶表示パネル１１１に貼り合わせて得られる液晶表示装置１１０の製造方法について説明する。まず、パネル製造工程を行うことで、各パネル３８，１１１をそれぞれ製造する。このうち、液晶表示パネル１１１に係るパネル製造工程では、液晶表示パネル１１１は、裏側のアレイ基板１１１ｂが表側のＣＦ基板１１１ａよりも平面に視た大きさが一回り大きく形成されることで突出部１３４を有するように製造されている。また、この段階では、液晶表示パネル１１１には、表側の偏光板１１１ｃが貼り付けられるものの、裏側の偏光板１１１ｄは未だ貼り付けられない。続いて、接着材塗布工程を行うことで、図２１に示すように、液晶表示パネル１１１のＣＦ基板１１１ａ（表側の偏光板１１１ｃ）上に部分的に液体状の接着材１２８を塗布する。

　次に、貼り合わせ工程及び部分硬化処理工程を並行して行う。タッチパネル３８を液晶表示パネル１１１に対して所定の圧力を付与しつつ貼り合わせると、図２２に示すように、液体状の接着材１２８が押し拡げられる。このとき、接着材１２８の塗布量やタッチパネル３８から接着材１２８に付与される圧力によっては、接着材１２８が液晶表示パネル１１１のＣＦ基板１１１ａにおける外周端の段差を超えてアレイ基板１１１ｂの突出部１３４とタッチパネル３８の基板３８ａとの間の空間にまで達する。上記のようにして接着材１２８が流動されるのに対して、液晶表示パネル１１１における外周側部分１１１ＥＰに対して裏側に対向する形で配された部分照射装置１３６からは、接着材１２８を硬化させる紫外線が照射される。ここでいう液晶表示パネル１１１の外周側部分１１１ＥＰは、ＣＦ基板１１１ａの外周端部分１１１ａ１と、アレイ基板１１１ｂの突出部１３４のうちＣＦ基板１１１ａの外周端部分１１１ａ１を取り囲む内周端部分１３４ａとからなるものとされる。この部分照射装置１３６は、液晶表示パネル１１１の外周側部分１１１ＥＰに倣って略枠状をなしている。

　接着材１２８のうち、液晶表示パネル１１１の外周側部分１１１ＥＰと平面に視て重畳する重畳部１３５に対して部分照射装置１３６からの紫外線が照射されることで、重畳部１３５の硬化が進行される。このとき、重畳部１３５のうち相対的に内側の内周側部分１３５ａには、一対の基板１１１ａ，１１１ｂを透過した紫外線が照射されるために照射光量が相対的に少なくなっているのに対し、重畳部１３５のうち相対的に外側の外周側部分１３５ｂには、アレイ１１１ｂの突出部１３４のみを透過した紫外線が照射されるために照射光量が相対的に多くなっている。従って、接着材１２８は、中央側の未硬化部分（液体状部分）、重畳部１３５の内周側部分１３５ａ、外周側部分１３５ｂの順で段階的に硬化度合いが高くなる（粘性が高くなる、流動性が低下する）ので、中央側の未硬化部分と重畳部１３５との境界部分に硬化収縮に伴って生じ得る応力が緩和され、もって接着材１２８に残留応力が生じ難くなっている。上記のようにして貼り合わせ工程及び部分硬化処理工程を行ったら、位置合わせ工程を行い、続いて全体硬化処理工程を行う。全体硬化処理工程では、図２３に示すように、全体照射装置１３７から紫外線を接着材１２８の全域に照射することで、接着材１２８の全域を完全に硬化させる。その後、偏光板貼り付け工程を行い、液晶表示パネル１１１に対して裏側の偏光板１１１ｄを貼り付けることで、液晶表示装置１１０の製造が完了する。

　以上説明したように本実施形態によれば、貼り合わせ工程では、機能性パネルとして、当該液晶表示装置１１０の使用者が入力した位置を検出することが可能なタッチパネル３８を、液晶表示パネル１１１に貼り合わせている。このようにすれば、位置合わせ工程では、液晶表示パネル１１１及びタッチパネル３８が板面に沿う方向について位置合わせされてその位置精度が高められているから、タッチパネル３８の機能をより適切に発揮させることができ、液晶表示装置１１０の使用者が入力した位置をより正確に検出することができる。

　＜実施形態３＞
　本発明の実施形態３を図２４によって説明する。この実施形態３では、機能性パネルとして保護パネル４２を用いたものを示す。なお、上記した実施形態２と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る液晶表示パネル２１１には、図２４に示すように、上記した実施形態２に記載したタッチパネル３８に代えて、液晶表示パネル２１１を保護するための保護パネル４２が接着材２２８を介して貼り合わせられている。保護パネル４２は、液晶表示パネル２１１に対して表側に積層される形で配される。保護パネル４２は、例えばほぼ透明で耐衝撃性能に優れた強化ガラスからなるものとされる。なお、保護パネル４２を液晶表示パネル２１１に貼り合わせて液晶表示装置２１０を製造する製造方法については、上記した実施形態２と同様であるから、詳しい説明は割愛する。

　＜実施形態４＞
　本発明の実施形態４を図２５によって説明する。この実施形態４では、機能性パネルとしてタッチパネル機能付きの視差バリアパネル３１２を用いたものを示す。なお、上記した実施形態１，２と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る液晶表示パネル３１１には、図２５に示すように、上記した実施形態２に記載したタッチパネル３８に代えて、視差バリア機能とタッチパネル機能とを併有する、複合機能型の視差バリアパネル３１２が接着材３２８を介して貼り合わせられている。視差バリアパネル３１２は、上記した実施形態１に記載したものと同様の視差バリアパターン（図示せず）を有するとともに、液晶表示パネル３１１に対して表側に積層される形で配される。視差バリアパネル３１２のうち表側（液晶表示パネル３１１側とは反対側）に配される第２基板３１２ｂにおける外側（液晶層３２７側とは反対側）の板面には、上記した実施形態２に記載したものと同様のタッチパネルパターン（図示せず）が形成されるとともに、タッチパネル用フレキシブル基板３４１が接続されている。これにより、本実施形態に係る視差バリアパネル３１２は、液晶表示パネル３１１に表示される画像を視差により分離することで観察者に立体画像を視認させる視差バリア機能と、観察者が入力した位置を検出するタッチパネル機能（位置検出機能）とを併有している。
なお、視差バリアパネル３１２を液晶表示パネル３１１に貼り合わせて液晶表示装置３１０を製造する製造方法については、上記した実施形態２と同様であるから、詳しい説明は割愛する。

　＜実施形態５＞
　本発明の実施形態５を図２６によって説明する。この実施形態５では、機能性パネルとして視差バリアパネル４１２と保護パネル４４２とを用いたものを示す。なお、上記した実施形態１，３と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る液晶表示パネル４１１には、図２６に示すように、裏側に視差バリアパネル４１２が接着材４２８を介して貼り合わせられるのに加えて、表側に保護パネル４４２が接着材４２８を介して貼り合わせられている。本実施形態に係る視差バリアパネル４１２及び液晶表示パネル４１１との貼り合わせ構造並びに貼り合わせ方法は、上記した実施形態１と同様である。本実施形態に係る保護パネル４４２及び液晶表示パネル４１１との貼り合わせ構造並びに貼り合わせ方法は、上記した実施形態３と同様である。液晶表示パネル４１１に対して視差バリアパネル４１２と保護パネル４４２とのいずれを先に貼り合わせるかは任意に選択することが可能である。

　＜実施形態６＞
　本発明の実施形態６を図２７によって説明する。この実施形態６では、液晶表示パネル５１１と視差バリアパネル５１２との配置を変更するとともに、部分硬化処理工程で用いる部分照射装置５３６の配置を変更したものを示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る液晶表示パネル５１１は、図２７に示すように、視差バリアパネル５１２に対して裏側に積層する形で配されている。従って、液晶表示パネル５１１のＣＦ基板５１１ａと、視差バリアパネル５１２の第１基板５１２ａとの間に接着材５２８が介在する形で配されている。一方、部分硬化処理工程では、部分照射装置５３６が視差バリアパネル５１２に対して表側に配されており、視差バリアパネル５１２を構成する基板５１２ａ，５１２ｂのいずれか一方または両方を介して紫外線が接着材５２８に照射されるようになっている。このような配置構成であっても、上記した実施形態１と同様の作用及び効果を得ることができる。

　＜実施形態７＞
　本発明の実施形態７を図２８によって説明する。この実施形態７では、部分硬化処理工程において、全体照射装置６３７を使用する方法を示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る部分硬化処理工程では、図２８に示すように、後に行われる全体硬化処理工程で用いられる全体照射装置６３７を使用して部分硬化処理を行うようにしている。詳しくは、部分硬化処理工程では、視差バリアパネル６１２と全体照射装置６３７との間に、少なくとも紫外線を遮る遮光マスク４３を介在させるようにしている。この遮光マスク４３は、視差バリアパネル６１２のうち外周側部分６１２ＥＰよりも中央側の中央側部分６１２ＣＰと平面に視て重畳する範囲にわたる面状をなしている。従って、全体照射装置６３７から出射された紫外線のうち、視差バリアパネル６１２の中央側部分６１２ＣＰへ向かうものは、遮光マスク４３により遮光されるのに対し、外周側部分６１２ＥＰへ向かうものは、遮光マスク４３により遮光されることなく外周側部分６１２ＥＰを介して接着材６２８の重畳部６３５に照射される。このようにすれば、部分硬化処理工程と全体硬化処理工程とで全体照射装置６３７を使い回すことができるので、部分照射装置が不要となり、もって設備に係るコストの低減を図ることができる。

　＜実施形態８＞
　本発明の実施形態８を図２９によって説明する。この実施形態８では、視差バリアパネル７１２における第２基板７１２ｂの大きさを変更するとともに、部分硬化処理工程で用いる部分照射装置７３６を変更したものを示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る視差バリアパネル７１２を構成する第２基板７１２ｂは、図２９に示すように、裏側の第１基板７１２ａよりも長辺寸法が小さなものとされ、第１基板７１２ａに対してバリア用フレキシブル基板７３３側（図２９に示す右側）の短辺側の端部を除いた３辺（図２９に示す左側の短辺側の端部及び一対の長辺側の端部）を揃えた状態で貼り合わせられている。従って、第１基板７１２ａのうち、バリア用フレキシブル基板７３３側の短辺側の端部のみが第２基板７１２ｂから外側に突出する突出部７３４となっている。視差バリアパネル７１２の外周側部分７１２ＥＰは、第２基板７１２ｂの外周端部分７１２ｂ１と、第１基板７１２ａのうち第２基板７１２ｂの外周端部分７１２ｂ１と平面に視て重畳する部分７１２ａ１とからなるものとされる。従って、接着材７２８の重畳部７３５は、全域にわたって第２基板７１２ｂと液晶表示パネル７１１のアレイ基板７１１ｂとの間の空間に配されることになる。

　このような構成の視差バリアパネル７１２を液晶表示パネル７１１に貼り合わせる貼り合わせ工程に並行して行われる部分硬化処理工程では、紫外線の照射光量が領域毎に異なる部分照射装置７３６が用いられている。この部分照射装置７３６は、接着材７２８の重畳部７３５における内周側部分７３５ａと平面に視て重畳する部分が相対的に紫外線の照射光量が少なくなるのに対し、外周側部分７３５ｂと平面に視て重畳する部分が相対的に紫外線の照射光量が多くなる構成となっている。なお、図２９において部分照射装置７３６の上側に示した矢線の本数が紫外線の照射光量を表している。このようにすれば、視差バリアパネル７１２の段差を利用せずとも、重畳部７３５の内周側部分７３５ａと外周側部分７３５ｂとで硬化度合いを段階的に異ならせることができる。

　＜実施形態９＞
　本発明の実施形態９を図３０から図３４によって説明する。この実施形態９では、貼り合わせ工程の前に部分硬化処理工程を行う製造方法について示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態では、接着材塗布工程において、図３０に示すように、視差バリアパネル８１２の第２基板８１２ｂに対して面状に接着材８２８を塗布する。なお、図３０では接着材８２８の塗布領域を網掛け状にして図示している。このとき、接着材８２８は、第２基板８１２ｂにおける外周端部を除いた中央側の大部分に対して面状に塗布される。続いて、面状に接着材８２８が塗布された視差バリアパネル８１２に対して部分硬化処理工程を行う。部分硬化処理工程では、図３１に示すように、視差バリアパネル８１２の第２基板８１２ｂにおける外周側部分８１２ＥＰと対向状に配された部分照射装置８３６から紫外線を出射させ、視差バリアパネル８１２の両基板８１２ａ，８１２ｂを通して接着材８２８の重畳部８３５に紫外線を照射させる。これにより、図３２に示すように、接着材８２８のうち外周端側の枠状の重畳部８３５が部分的に硬化される。その後、貼り合わせ工程を行い、図３３に示すように、視差バリアパネル８１２に対して表側から液晶表示パネル８１１が接着材８２８を介して貼り合わせられる。この貼り合わせに伴い、接着材８２８のうち中央側の未硬化部分が押し拡げられても、外周端側の枠状の重畳部８３５が既に硬化されているので、未硬化部分の漏れ出しを防ぐことができる。両パネル８１１，８１２を貼り合わせたら、位置合わせ工程を行った後、図３４に示すように、全体硬化処理工程を行うことで、全体照射装置８３７により接着材８２８の全域を硬化させることで、両パネル８１１，８１２を貼り合わせ状態に固定することができる。

　＜他の実施形態＞
　本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
　（１）上記した各実施形態では、部分硬化処理工程において、部分照射装置に紫外線の照射を開始させるタイミングを、接着材が外周側部分と重畳する位置に達する前の段階としたものを示したが、部分照射装置に紫外線の照射を開始させるタイミングを、接着材が外周側部分と重畳する位置に達した後の段階とすることも可能である。

　（２）上記した各実施形態以外にも、部分硬化処理工程において、接着材の重畳部を硬化させる度合いを具体的にどのようにするかは適宜に変更することが可能である。

　（３）上記した実施形態１～８では、部分硬化処理工程において、接着材の重畳部が内周側部分と外周側部分との２段階で硬化度合いが段階的に異なるよう硬化させた場合を示したが、例えば重畳部が内周側部分と外周側部分とそれらの中間部分との３段階で硬化度合いが異なるよう硬化させることも可能である。それ以外にも重畳部を４段階以上で硬化度合いを異ならせることも勿論可能である。

　（４）上記した（３）とは逆に、上記した実施形態１から８に記載したものにおいて、部分硬化処理工程にて接着材の重畳部における硬化度合いをほぼ均一なものとすることも可能である。

　（５）上記した実施形態１では、部分硬化処理工程において、部分照射装置からの紫外線を、視差バリアパネルを介して接着材の重畳部に照射した場合を示したが、部分照射装置を液晶表示パネルに対して表側に配置するとともに、液晶表示パネルを介して紫外線を接着材の重畳部に照射する構成とすることも可能である。この手法は、実施形態７，８に記載したものにも同様に適用可能である。

　（６）上記した実施形態２では、部分硬化処理工程において、部分照射装置からの紫外線を、液晶表示パネルを介して接着材の重畳部に照射した場合を示したが、部分照射装置をタッチパネルに対して表側に配置するとともに、タッチパネルを介して紫外線を接着材の重畳部に照射する構成とすることも可能である。この手法は、実施形態３，４に記載したものにも同様に適用可能である。

　（７）上記した実施形態２，４に記載したものにおいて、実施形態５に記載した構成を適用して、タッチパネルやタッチパネル機能付きの視差バリアパネルに対して表側にさらに保護パネルを積層配置することも可能である。その場合、保護パネルが接着材を介してタッチパネルやタッチパネル機能付きの視差バリアパネルに対して貼り合わせられる。

　（８）上記した各実施形態では、部分硬化処理工程及び全体硬化処理工程において、貼り合わせたパネルに対して片面側からのみ紫外線を照射した場合を示したが、貼り合わせたパネルに対して表裏両側から紫外線を照射するようにしても構わない。その場合、液晶表示パネルと機能性パネル（視差バリアパネルなど）との双方に段差構造（一対の基板のうちの一方の基板に突出部を設ける構造）を設置するのが、重畳部の段階的な硬化を実現する上で好ましい。

　（９）上記した実施形態１～８では、接着材塗布工程において、接着材を視差バリアパネル（液晶表示パネル）における長辺方向に沿って延在するよう筋状に塗布した場合を示したが、例えば接着材を視差バリアパネル（液晶表示パネル）における短辺方向に沿って延在するよう筋状に塗布したり、上記長辺方向及び短辺方向に対する斜め方向に沿って延在するよう筋状に塗布することも可能である。また、接着材を点状に多数を間欠的に塗布することも可能であり、それ以外にも具体的な接着材の塗布方法は適宜に変更することができる。

　（１０）上記した各実施形態では、接着材塗布工程において、液晶表示パネルと機能性パネル（視差バリアパネルなど）とのいずれか一方の対向面に対してのみ接着材を塗布した場合を示したが、液晶表示パネルと機能性パネルとの双方の対向面に対してそれぞれ接着材を塗布することも可能である。

　（１１）上記した各実施形態では、全体硬化処理工程において、全体照射装置が接着材に対して面状に紫外線を照射するものを示したが、例えば全体照射装置が接着材に対して線状に紫外線を照射する構成とし、貼り合わせたパネルを全体照射装置に対して相対変位させることで、紫外線を接着材の全域に照射することも可能である。

　（１２）上記した各実施形態では、液晶表示パネルと機能性パネル（視差バリアパネルなど）との平面に視た大きさがほぼ同じとされたものを示したが、その大小関係は適宜に変更可能であり、液晶表示パネルを相対的に大きくしたり、逆に機能性パネルを相対的に大きくすることができる。

　（１３）上記した各実施形態では、接着材として紫外線によって硬化が進行される光硬化性接着材の一種である紫外線硬化性接着材を用いた場合を示したが、他の光硬化性接着材を用いることも可能であり、例えば可視光線によって硬化が進行される可視光硬化性接着材を用いることができる。それ以外にも、紫外線及び可視光線の双方によって硬化が進行されるタイプの光硬化性接着材を用いることも可能である。

　（１４）上記した各実施形態では、接着材として紫外線によって硬化が進行される紫外線硬化性接着材を用いた場合を示したが、紫外線に加えて空気が遮断されることでも硬化が進行される紫外線嫌気硬化性接着材を用いることも可能である。例えば、各パネルの構造によっては、接着材の重畳部に紫外線を照射するのが困難な箇所が生じる可能性があるが、そのような場合には紫外線を照射するのが困難な箇所については真空にするなどして空気を遮断することで硬化を促すようにすることができる。

　（１５）上記した（１４）以外にも、紫外線などの光によっては硬化しないものの、空気が遮断されることで硬化が進行される嫌気硬化性接着材を接着材として用いることができる。

　（１６）上記した各実施形態では、接着材として光硬化性接着材である紫外線硬化性接着材を用いた場合を示したが、光硬化性接着材以外にも、例えば熱によって硬化が進行される熱硬化性接着材や、電気が流されることで硬化が進行される電気硬化性接着材などを用いることも可能である。

　（１７）上記した各実施形態以外にも、液晶表示パネルや機能性パネル（視差バリアパネルなど）に用いる基板の具体的な材料は適宜に変更可能である。

　（１８）上記した実施形態２では、タッチパネルのタッチパネルパターンとして投影型静電容量方式のものを例示したが、それ以外にも、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式などのタッチパネルパターンを採用したものにも本発明は適用可能である。

　（１９）上記した各実施形態では、使用者に立体画像を観察させるのに機能する液晶パネルを用いたものを示したが、例えば異なる２方向以上の視角に存する使用者に対して異なる画像を観察させる、いわゆるマルチビュー機能を得るための液晶パネルを用いたものにも本発明は適用可能である。

　（２０）上記した各実施形態では、液晶パネルが、平面画像表示と立体画像表示とを切り替え可能なスイッチ液晶パネルとされた場合を示したが、例えば液晶パネルにバリア部を常時形成することで、常時立体画像を表示させるようにしても構わない。

　（２１）上記（２０）以外にも、液晶パネルを構成する基板のいずれかに対して、所定の遮光パターンを有するマスクフィルタを形成することで、常時立体画像を表示させるようにし、平面画像表示との切り替えが不可能とされる構成とすることも可能である。

　（２２）上記した各実施形態では、液晶表示装置が備えるバックライト装置としてエッジライト型のものを例示したが、直下型のバックライト装置を用いるようにしたものも本発明に含まれる。

　（２３）上記した各実施形態では、外部光源であるバックライト装置を備えた透過型の液晶表示装置を例示したが、本発明は、外光を利用して表示を行う反射型液晶表示装置にも適用可能であり、その場合はバックライト装置を省略することができる。

　（２４）上記した各実施形態では、表示画面が長方形状をなす液晶表示装置を例示したが、表示画面が正方形とされる液晶表示装置も本発明に含まれる。

　（２５）上記した各実施形態では、液晶表示装置を構成する液晶表示パネルにスイッチング素子としてＴＦＴを用いたが、ＴＦＴ以外のスイッチング素子（例えば薄膜ダイオード（ＴＦＤ））を用いた液晶表示パネルを備える液晶表示装置にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示パネルを備えた液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示パネルを備えた液晶表示装置にも適用可能である。

　（２６）上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶表示パネルを用いた液晶表示装置を例示したが、他の種類の表示パネル（ＰＤＰや有機ＥＬパネルなど）を用いた表示装置にも本発明は適用可能である。その場合、バックライト装置を省略することも可能である。

　（２７）上記した各実施形態では、液晶表示パネルと機能性パネルとを貼り合わせた後に、液晶表示パネルまたは機能性パネルの最外面（接着剤側とは反対側の板面）に偏光板を貼り付けるようにした製造方法を示したが、それ以外にも、例えば、液晶表示パネルと機能性パネルとを貼り合わせる前の段階で、液晶表示パネルまたは機能性パネルの最外面に偏光板を貼り付けるようにしても構わない。その場合、上記最外面に貼り付けられる偏光板の外面には、ラミネートフィルム（保護フィルム）を付着させておけば、貼り合わせ工程において偏光板に傷などがつき難くなって好適である。

　１０，１１０，２１０，３１０…液晶表示装置（表示装置）、１１，１１１，２１１，３１１，４１１，５１１，７１１，８１１…液晶表示パネル（表示パネル）、１２，３１２，４１２，５１２，６１２，７１２，８１２…視差バリアパネル（機能性パネル）、１２ａ，５１２ａ，７１２ａ，８１２ａ…第１基板（一方の基板）、１２ｂ，３１２ｂ，５１２ｂ，７１２ｂ，８１２ｂ…第２基板（他方の基板）、１２ＣＰ，６１２ＣＰ…中央側部分、１２ＥＰ，６１２ＥＰ，７１２ＥＰ，８１２ＥＰ…外周側部分、２８，１２８，２２８，３２８，４２８，５２８，６２８，７２８，８２８…接着材、３４…突出部、３５，１３５，６３５，７３５，８３５…重畳部、３５ａ，１３５ａ，７３５ａ…内周側部分、３５ｂ，１３５ｂ，７３５ｂ…外周側部分、３８…タッチパネル（機能性パネル）、４２，４４２…保護パネル（機能性パネル）、１１１ａ…ＣＦ基板（他方の基板）、１１１ｂ…アレイ基板（一方の基板）、１１１ＥＰ…外周側部分、ＡＡ…表示領域、ＮＡＡ…非表示領域

Claims

　画像を表示する表示パネルと前記表示パネルに積層される機能性パネルとの対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して液体状の接着材を塗布する接着材塗布工程と、
　前記接着材を介して前記表示パネルと前記機能性パネルとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
　前記接着材のうち、前記表示パネルと前記機能性パネルとの少なくともいずれか一方における外周側部分と平面に視て重畳する重畳部に対して硬化処理を行う部分硬化処理工程と、を備える表示装置の製造方法。
　前記部分硬化処理工程では、前記重畳部のうち相対的に外側に配される外周側部分については硬化度合いを相対的に高くする一方で、相対的に内側に配される内周側部分については硬化度合いを相対的に低くしている請求項１記載の表示装置の製造方法。
　前記接着材塗布工程では、前記接着材として光硬化性接着材を塗布しており、
　前記部分硬化処理工程では、前記光硬化性接着材のうちの前記重畳部に対して硬化を促す光を照射している請求項１または請求項２記載の表示装置の製造方法。
　前記接着材塗布工程では、前記光硬化性接着材として紫外線硬化性接着材を塗布しており、
　前記部分硬化処理工程では、前記紫外線硬化性接着材のうちの前記重畳部に硬化を促す紫外線を照射している請求項３記載の表示装置の製造方法。
　前記部分硬化処理工程では、前記重畳部に対して前記機能性パネルを介して前記紫外線を照射している請求項４記載の表示装置の製造方法。
　前記表示パネルと前記機能性パネルとのうち、光透過性を有する一対の基板を貼り合わせてなる少なくともいずれか一方を製造する工程であって、前記一対の基板のうちのいずれか一方の基板が全周にわたって他方の基板よりも外側に突き出す突出部を有するよう製造するパネル製造工程を備えており、
　前記部分硬化処理工程では、前記重畳部のうち、相対的に外側に配される外周側部分に対しては、前記一方の基板の前記突出部を介して前記光を照射するのに対し、相対的に内側に配される内周側部分に対しては、前記一対の基板を介して前記光を照射している請求項３から請求項５のいずれか１項に記載の表示装置の製造方法。
　前記貼り合わせ工程では、前記一対の基板のうち前記他方の基板が前記接着材側に位置するよう、前記表示パネルと前記機能性パネルとを貼り合わせている請求項６記載の表示装置の製造方法。
　前記部分硬化処理工程は、前記貼り合わせ工程に並行して行われている請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の表示装置の製造方法。
　前記接着材塗布工程では、前記表示パネルと前記機能性パネルとの対向面のうちの少なくともいずれか一方に対して部分的に前記接着材が塗布されており、
　前記貼り合わせ工程では、前記表示パネルと前記機能性パネルとの少なくともいずれか一方を加圧することで、前記接着材を押し拡げるようにしている請求項８記載の表示装置の製造方法。
　前記接着材塗布工程では、前記表示パネルと前記機能性パネルとの少なくともいずれか一方のうち前記外周側部分により取り囲まれる中央側部分に前記接着材が塗布されており、
　前記部分硬化処理工程では、前記貼り合わせ工程にて押し拡げられる前記接着材が前記表示パネル及び前記機能性パネルにおける前記外周側部分に達する前の段階から硬化処理を行っている請求項９記載の表示装置の製造方法。
　前記部分硬化処理工程では、前記重畳部を半硬化させるようにしている請求項８から請求項１０のいずれか１項に記載の表示装置の製造方法。
　前記貼り合わせ工程及び前記部分硬化処理工程を行った後に、前記表示パネル及び前記機能性パネルを板面に沿う方向について位置合わせする位置合わせ工程を行うようにしている請求項１１記載の表示装置の製造方法。
　前記貼り合わせ工程では、前記機能性パネルとして、前記表示パネルに表示される画像を視差により分離することが可能な視差バリアパネルを、前記表示パネルに貼り合わせている請求項１２記載の表示装置の製造方法。
　前記貼り合わせ工程では、前記機能性パネルとして、当該表示装置の使用者が入力した位置を検出することが可能なタッチパネルを、前記表示パネルに貼り合わせている請求項１２記載の表示装置の製造方法。
　前記部分硬化処理工程では、前記接着材のうち、前記表示パネルにおいて画像が表示される表示領域を取り囲む非表示領域と平面に視て重畳する前記重畳部に対して硬化処理を行っている請求項１から請求項１４のいずれか１項に記載の表示装置の製造方法。