WO2013153770A1

WO2013153770A1 - アンテナ装置

Info

Publication number: WO2013153770A1
Application number: PCT/JP2013/002239
Authority: WO
Inventors: 杉本　勇次; 鈴木　忠男; 博之泉
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2012-04-13
Filing date: 2013-04-01
Publication date: 2013-10-17
Also published as: JP2013223022A; US20150061964A1; US9837715B2; JP5961027B2; DE112013002000T5

Abstract

　アンテナ装置は、第１アンテナエレメント（４，５２，６５，７３）と第２アンテナエレメント（１０，３２，６７，８３）とを備える。前記第１アンテナエレメントは、第１所定の周波数帯域で動作し、前記第２アンテナエレメントは、前記第１所定の周波数帯域とは異なる第２所定の周波数帯域で動作する。前記第１アンテナエレメントは、基端部（４ａ）、先端部（４ｂ）、折り返し部（４ｃ）、前記基端部と前記折り返し部の間に配置されている第１辺部（５、５５、７４）、前記折り返し部と前記先端部の間で配置されている第２辺部（６、５３、７５）とを有する。前記第１辺部においての電流ベクトル方向は、前記第２辺部においての電流ベクトル方向と同一方向である。前記第２アンテナエレメントは、前記第１アンテナエレメントに近接して配置されている。

Description

アンテナ装置

関連出願の相互参照

　本開示は、２０１２年４月１３日に出願された日本出願番号２０１２－０９２００５号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

　本開示は、それぞれ動作周波数帯域が異なる複数のアンテナエレメントを備えたアンテナ装置に関する。

　例えば特許文献１には、動作周波数帯域が異なる複数のアンテナエレメントが平面形状の地板に近接して立設される構成が開示されている。

　しかしながら、上記した特許文献１に開示されている構成では、近接するアンテナエレメント同士が結合することで、近接するアンテナエレメントに逆方向の電流ベクトルとなる誘導電流が流れる。その結果、誘導電流が流れることに起因して利得が低下し、アンテナエレメントについて所望の指向性や利得を得ることができないという問題があった。

特開平９－１８１５２５号公報

　本開示は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナエレメントについて所望の指向性や利得を適切に得ることができるアンテナ装置を提供することにある。

　本開示の一態様において、アンテナ装置は、第１アンテナエレメントと第２アンテナエレメントとを備える。前記第１アンテナエレメントは、第１所定の周波数帯域で動作し、前記第２アンテナエレメントは、前記第１所定の周波数帯域とは異なる第２所定の周波数帯域で動作する。前記第１アンテナエレメントは、基端部、先端部、折り返し部、前記基端部と前記折り返し部の間に配置されている第１辺部、前記折り返し部と前記先端部の間で配置されている第２辺部とを有する。前記第１辺部においての電流ベクトル方向は、前記第２辺部においての電流ベクトル方向と同一方向である。前記第２アンテナエレメントは、前記第１アンテナエレメントに近接して配置されている。

　上記装置では、第２アンテナエレメントに近接する第１アンテナエレメントに逆方向の誘電電流が流れることを抑制することができる。また、動作周波数帯域が異なる複数のアンテナエレメントを近接して配置した構成としながらも、第１アンテナエレメントについて所望の指向性や利得を適切に得ることができる。

　本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図１は、本開示の第１の実施形態によるアンテナ装置を示す斜視図であり、図２は、第１の実施形態によるアンテナ装置の正面図であり、図３は、第１の実施形態によるアンテナ装置の水平面の指向性を示す図であり、図４は、比較対象のアンテナ装置の正面図であり、図５は、比較対象のアンテナ装置の水平面の指向性を示す図であり、図６は、本開示の第２の実施形態によるアンテナ装置を示す斜視図であり、図７は、本開示の第３の実施形態によるアンテナ装置の正面図であり、図８は、第３の実施形態によるアンテナ装置の裏面図であり、図９は、本開示の第４の実施形態によるアンテナ装置の正面図であり、図１０は、第４の実施形態によるアンテナ装置の裏面図であり、図１１は、本開示の第５の実施形態によるアンテナ装置を示す縦断正面図であり、図１２は、本開示の第６の実施形態によるアンテナ装置を示す正面図であり、図１３は、本開示の第７の実施形態によるアンテナ装置を示す斜視図である。

　（第１の実施形態）
　以下、本開示の第１の実施形態によるアンテナ装置１について図１乃至図５を参照して説明する。アンテナ装置１は、例えば５．９ギガヘルツ（ＧＨｚ）帯を動作周波数帯域とする車々間通信システムで用いられるアンテナエレメント１０と、例えば９００メガヘルツ（ＭＨｚ）帯を動作周波数帯域とする携帯電話システムで用いられるアンテナエレメント４とを有する車載統合アンテナ装置である。アンテナ装置１は、さらに平面形状を持つ地板２を有する。地板２は、例えば略長方形をなす金属板からなる。地板２は、後述するアンテナエレメント４の動作周波数波長に対し、十分に大きな金属体に電気的に接続されて使用される。地板２の上面部２ａには例えば樹脂からなる平面形状の基板３が略垂直に立設されている。略垂直は、垂直に近い状態も含む。基板３の一方側の面３ａには折り返しモノポール型のアンテナエレメント４が導体パターン（導体膜）により形成されている。折り返しモノポール型のアンテナエレメント４は、第1アンテナエレメントとも称し、第1アンテナエレメントが作動する周波数帯域、例えば９００メガヘルツ（ＭＨｚ）帯を第１所定の周波数帯域とも称する。

　第1アンテナエレメント４は、例えば９００ＭＨｚ帯を動作周波数帯域とする携帯電話システムの電波を送受信するアンテナエレメントであり、地板２に電気的に接続されている（導通している）基端部４ａ及び先端部４ｂと、折り返し部４ｃを有する。第1アンテナエレメント４は、さらに基端部４ａから折り返し部４ｃまでの辺部５及び折り返し部４ｃから先端部４ｂまでの辺部６を有する。以下、辺部５は第１辺部とも称し、辺部６は第２辺部とも称する。第１辺部と第２辺部のそれぞれの長さは、電気的に１／４波長である。例えば、第１辺部と第２辺部のそれぞれの長さは、９００ＭＨｚ帯の電波の波長に１／４を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。即ち、第1アンテナエレメント４の基端部４ａから先端部４ｂまでの長さは、例えば９００ＭＨｚ帯の電波の波長に対して１／２を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。以下、第1アンテナエレメント４の基端部４ａから先端部４ｂまでの長さは、エレメント長とも称する。第1アンテナエレメント４の先端部４ｂと地板２とは同電位である。

　第1アンテナエレメント４の基端部４ａには第1アンテナエレメント４に電力を供給する給電点７が設けられており、第1アンテナエレメント４は、地板２をアンテナグランドとして動作する。尚、給電点７が第1アンテナエレメント４から離れて設けられる構成であれば、給電点７と第1アンテナエレメント４の基端部４ａとがマイクロストリップラインにより接続されていても良い。図２に示すように、給電点７は、例えば同軸ケーブル８の内部導体が第1アンテナエレメント４の基端部４ａに接続され、同軸ケーブル８の外部導体が地板２に接続されることで構成される。尚、図１に示すように、第1アンテナエレメント４は、第１辺部５と第２辺部６との地板２に垂直する方向に沿う間隔ｄ（クリアランス）が一定となるように、折り返し部４ｃで折り曲げられている。

　第1アンテナエレメント４の第２辺部６は、第２辺部６の上半部に一体的に形成されている幅広な幅広部９を有する。モノポール型のアンテナエレメント１０は、直線形状をなし、基端部１０ａと先端部１０ｂを有する。モノポール型のアンテナエレメント１０の基端部１０ａは、幅広部９の上端部９ａに電気的に接続されている（導通している）ことで、幅広部９に電気的に接続されている。モノポール型のアンテナエレメント１０は、第２アンテナエレメントとも称し、第２アンテナエレメントが作動する周波数帯域、例えば５．９ＧＨｚ帯を第２所定の周波数帯域とも称する。第２アンテナエレメント１０は、略垂直方向に延びるように形成されている。即ち、第２アンテナエレメント１０は、その基端部１０ａから先端部１０ｂに向かうに連れて幅広部９から離れるように接続されている。第２アンテナエレメント１０の長さは、電気的に１／４波長であり。以下、第２アンテナエレメント１０の長さは、第２アンテナエレメント１０のエレメント長とも称する。第２アンテナエレメント１０のエレメント長は、例えば５．９ＧＨｚ帯の電波の波長に１／４を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。尚、幅広部９の地板２に対する水平方向の幅は、例えば５．９ＧＨｚ帯の電波の波長に１／４を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さよりも長い。

　第２アンテナエレメント１０の基端部１０ａには第２アンテナエレメント１０に電力を供給する給電点１１が設けられており、第２アンテナエレメント１０は、幅広部９をアンテナグランドとして動作する。尚、給電点１１が第２アンテナエレメント１０から離れて設けられる構成であれば、給電点１１と第２アンテナエレメント１０の基端部１０ａとがマイクロストリップラインにより接続されていても良い。図２に示すように、給電点１１は、例えば同軸ケーブル１２の内部導体が第２アンテナエレメント１０の基端部１０ａに接続され、同軸ケーブル１２の外部導体が幅広部９に接続されることで構成される。尚、第２アンテナエレメント１０は、所定の幅を有する形状であっても良い。

　このように構成されたアンテナ装置１は、筐体ケース（図示せず）に内蔵された状態で地板２の平面が車両ルーフ（図示せず）の上面に対して沿うように（平行に）取り付けられる。即ち、第２アンテナエレメント１０の軸が地板２に垂直するように車両に搭載される。以下、地板２に垂直する軸をＺ軸とし、Ｚ軸に垂直し第1アンテナエレメント４が形成される面に垂直する軸をＹ軸とし、Ｚ軸とＹ軸に垂直する軸はＸ軸とする。即ち、Ｘ軸は、第1アンテナエレメント４が形成される面に平行する。また、Ｘ軸とＹ軸により規定されるＸ－Ｙ平面は水平面とも称する。即ち、水平面は地板２に平行する面をいう。

　図１に示した構成での９００ＭＨｚ帯の携帯電話システムで用いられる第1アンテナエレメント４の水平面指向性をシミュレーションした結果は図３に示す通りである。比較対象として、図４は、９００ＭＨｚ帯の携帯電話システムで用いられるアンテナエレメントとして折り返し形状でないモノポール型のアンテナエレメント２２を採用したアンテナ装置２１を示している。また図５は、図４に示すアンテナエレメント２２の水平面の指向性をシミュレーションした結果を示している。図３と図５に示すように、９００ＭＨｚ帯の携帯電話システムで用いられるアンテナエレメントを折り返しモノポール型のアンテナエレメント４により形成した構成では折り返し形状でないモノポール型のアンテナエレメント２２により形成した構成よりも、水平面の利得が平均で３デシベル（ｄＢ）向上している。

　図４に示す構成では、折り返し形状でないモノポール型のアンテナエレメント２２と、モノポール型の第２アンテナエレメント１０のアンテナグランドとして機能するグランドパターン２３との間で結合が発生して逆方向の電流ベクトルとなる誘導電流が流れる。即ち、アンテナエレメント２２の基端部２２ａから先端部２２ｂに向かって電流が流れるときに、グランドパターン２３の上端部２３ａから下端部２３ｂに向かって誘導電流が流れる。その結果、誘導電流が流れることに起因してアンテナエレメント２２の水平面の利得が低下する。

　これに対し、本実施形態によるアンテナ装置１の構成では、第1アンテナエレメント４は、折り返しモノポール型のアンテナエレメントを採用し、その先端部４ｂを地板２と同電位としているので、第1アンテナエレメント４は動作周波数帯域の電波の１波長に相当するエレメント長を有するループアンテナの半部と等価となる。よって、第1アンテナエレメント４においては、その基端部４ａ及び先端部４ｂにおける電流ベクトルの向きと折り返し部４ｃにおける電流ベクトルの向きとが逆になる（一方が所謂腹になり、他方が所謂節になる）。その結果、基端部４ａから折り返し部４ｃまでの第１辺部５と折り返し部４ｃから先端部４ｂまでの第２辺部６とでは電流ベクトルが同一方向となる。即ち、互いに打ち消すような電流ベクトルが逆方向の誘導電流が流れることはなく、第1アンテナエレメント４の水平面の利得が低下することはない。

　以上に説明したように本実施形態によれば、アンテナ装置１において、５．９ＧＨｚ帯の車々間通信システムで用いられる第1アンテナエレメント４を、地板２に立設した折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより構成し、且つ先端部４ｂを地板２と同電位として地板２をアンテナグランドとして動作するようにした。また、９００ＭＨｚ帯の携帯電話システムで用いられる第２アンテナエレメント１０を、モノポール型のアンテナエレメントにより構成して第1アンテナエレメント４の一部である幅広部９をアンテナグランドとして動作するようにした。これにより、折り返しモノポール型の第1アンテナエレメント４を動作周波数帯域の電波の１波長に相当するエレメント長を有するループアンテナの半部と等価とすることができる。また、動作周波数帯域が異なる第1アンテナエレメント４及び１０を備えた構成としながらも、地板２に立設する第1アンテナエレメント４について所望の指向性や利得を適切に得ることができる。

　又、第２アンテナエレメント１０が第１アンテナエレメント４の幅広部９をアンテナグランドとして動作するので、第1アンテナエレメント４と第２アンテナエレメント１０とを近接して配置することが容易であり、装置全体を小型化することができる。又、第２アンテナエレメント１０のアンテナグランドを幅広に形成するので、アンテナグランドを幅狭に形成する場合に比べて電流経路を増加することができ、広帯域化することができる。

　又、後述する第５の実施形態に示すように複数のアンテナエレメントが車両ルーフに取り付けられる場合には、車両ルーフを共通のアンテナグランドとする構造が一般的であるが、アンテナエレメントから車両ルーフまでの配線回路や基板上のパターンを形成する必要があるので、装置全体が大型化するという課題がある。本実施形態では、第２アンテナエレメント１０が第1アンテナエレメント４の一部である幅広部９をアンテナグランドとして動作する。よって、配線回路や基板上のパターンを新たに形成する必要がなく、装置全体を小型化することができる。

　尚、以上は、動作周波数帯域が低周波側のアンテナエレメント（第１アンテナエレメント４）は、折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供され、高周波側のアンテナエレメント（第２アンテナエレメント１０）は、モノポール型のアンテナエレメントとにより提供されている。さらに、動作周波数帯域が低周波側のアンテナエレメントがモノポール型のアンテナエレメントとにより提供され、高周波側のアンテナエレメントが折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供されても良い。

　但し、後述する第５の実施形態に示すように複数のアンテナエレメントが車両ルーフに取り付けられる場合には、以下の理由により、本実施形態に示すように、低周波側のアンテナエレメント（第1アンテナエレメント４）は折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供され、高周波側のアンテナエレメント（第２アンテナエレメント１０）は、モノポール型のアンテナエレメントにより提供されることが有利である。即ち、高周波側の第２アンテナエレメント１０をアンテナ装置１の上側に配置し、低周波側の第1アンテナエレメント４をアンテナ装置１の下側に配置すると良い。

　動作周波数帯域がＧＨｚ帯である高周波の電波は距離によって減衰し易いという特性があり、ＧＨｚ帯の高周波を受信するアンテナ装置では、所望の利得を確保することが特に重要となる。しかしながら、アンテナ装置１が取り付けられる車両ルーフの面は緩やかな凸面形状に湾曲している場合が多い。そして、車両ルーフの後方(REAR)にアンテナ装置が取り付けられる場合、アンテナ装置の前方（FRONT）には車両ルーフの凸面部が障害物として存在することになり、所望の車両前方の指向性を確保することが困難となるという課題がある。

　本実施形態に示すように、高周波側の第２アンテナエレメント１０を低周波側の第1アンテナエレメント４よりも上側に配置することにより、低周波側の第1アンテナエレメント４を高周波側の第２アンテナエレメント１０よりも上側に配置した場合に比べて、高周波側の第２アンテナエレメント１０から車両前方への見通し（前方視界）が良好となり、車両前方の指向性を適切に確保することができる。

　（第２の実施形態）
　次に、本開示の第２の実施形態によるアンテナ装置３１について、図６を参照して説明する。尚、上記した第１の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第２の実施形態によるアンテナ装置３１は、第２アンテナエレメント３２の第１アンテナエレメント４の幅広部９に対する位置が第１の実施形態によるアンテナ装置１とは異なる。

　アンテナ装置３１において、モノポール型のアンテナエレメントにより提供される第２アンテナエレメント３２は、直線形状をなし、その基端部３２ａが幅広部９の下端部９ｂに電気的に接続されている（導通している）ことで、幅広部９に電気的に接続されている。さらに、第２アンテナエレメント３２は、略垂直方向に延びるように形成されている。即ち、第２アンテナエレメント３２も、その基端部３２ａから先端部３２ｂに向かうに連れて幅広部９から離れるように接続されている。アンテナエレメント３２の長さ（エレメント長）も、電気的に１／４波長である。例えば、アンテナエレメント３２の長さは、５．９ＧＨｚ帯の電波の波長に１／４を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。又、第２アンテナエレメント３２の基端部３２ａには第２アンテナエレメント３２に電力を供給する給電点３２が設けられており、第２アンテナエレメント３２も、第１アンテナエレメント４の幅広部９をアンテナグランドとして動作する。第２の実施形態によるアンテナ装置３１も、第１の実施形態によるアンテナ装置１と同様の作用効果を得ることができる。

　（第３の実施形態）
　次に、本開示の第３の実施形態によるアンテナ装置４１ついて、図７及び図８を参照して説明する。尚、上記した第１の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第３の実施形態によるアンテナ装置４１は、折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供される２つの第１サブアンテナエレメント４２，４２１を有する第１アンテナエレメントが基板の両面部に形成されている点が第１の実施形態によるアンテナ装置１とは異なる。

　アンテナ装置４１において、基板３の一方側の面３ａには第１の実施形態で説明した第1アンテナエレメント４に相当する第1サブアンテナエレメント４２１及びモノポール型のアンテナエレメントにより提供される第２アンテナエレメント１０が形成されている。第1サブアンテナエレメント４２１は、第１実施形態の第１アンテナエレメント４と類似した構成を有する。基板３の他方側の面３ｂには折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供されるもう一方の第1サブアンテナエレメント４２が導体パターンにより形成されている。

　第1サブアンテナエレメント４２は、例えば２ギガヘルツ（ＧＨｚ）帯を動作周波数帯域とする携帯電話システムの電波を送受信するアンテナエレメントであり、その基端部４２ａがビア４３を介して折り返し第1サブアンテナエレメント４２１の基端部４ａに電気的に接続されていると共に、その先端部４２ｂが地板２に電気的に接続されている。第1サブアンテナエレメント４２の基端部４２ａから折り返し部４２ｃまでの第１辺部４４及び折り返し部４２ｃから先端部４２ｂまでの第２辺部４５のそれぞれの長さは、電気的に１／４波長である。例えば、第１辺部と第２辺部のそれぞれの長さは、２ＧＨｚ帯の電波の波長に対して１／４を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。即ち、第1サブアンテナエレメント４２の基端部４２ａから先端部４２ｂまでの長さ（エレメント長）は、例えば２ＧＨｚ帯の電波の波長に対して１／２を乗じ、更に基板３の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。尚、第1サブアンテナエレメント４２の折り返し部４２ｃを挟む第１辺部４４と第２辺部４５との垂直方向に沿う間隔も一定となっている。

　第３の実施形態によるアンテナ装置４１も、第１の実施形態によるアンテナ装置１と同様の作用効果を得ることができる。即ち、地板２に立設する第1サブアンテナエレメント４２１について所望の指向性や利得を適切に得ることができると共に、地板２に立設するもう一方の第1サブアンテナエレメント４２についても所望の指向性や利得を適切に得ることができる。又、この場合は、動作周波数帯域が異なる３つの帯域に対応し、多機能化することができる。更に、第1サブアンテナエレメント４と第1サブアンテナエレメント４２とを同一基板に構成し且つ給電点７を共通にしたので、構成を簡素化することができる。

　（第４の実施形態）
　次に、本開示の第４の実施形態によるアンテナ装置５１について、図９及び図１０を参照して説明する。尚、上記した第１の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第４の実施形態によるアンテナ装置５１は、折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供される第１アンテナエレメントの第１辺部５５と第２辺部５３がそれぞれ基板の両面部に形成されている点が第１の実施形態によるアンテナ装置１とは異なる。

　アンテナ装置５１において、基板３には第１の実施形態で説明した第1アンテナエレメント４に相当する折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供される第１アンテナエレメント５２が形成されている。この場合、基板３の一方側の面３ａには第１の実施形態で説明した第２辺部６及び幅広部９のそれぞれに相当する第２辺部５３及び幅広部５４が形成されている。基板３の他方側の面３ｂには第１の実施形態で説明した第１辺部５に相当する第１辺部５５が形成されている。第２辺部５３及び第１辺部５５はビア５６を介して電気的に接続されている。又、第１辺部５５の基端部には給電点５７が設けられており、幅広部５４には第２アンテナエレメント１０が接続されている。第４の実施形態によるアンテナ装置５１も、第１の実施形態によるアンテナ装置１と同様の作用効果を得ることができる。

　（第５の実施形態）
　次に、本開示の第５の実施形態によるアンテナ装置６１ついて、図１１を参照して説明する。尚、上記した第１の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第５の実施形態によるアンテナ装置６１は、基板６４及び折り返しモノポール型のアンテナエレメントにより提供される第１アンテナエレメント６５の形状が車両ルーフに取り付けられる筐体ケースの形状に追従している点が第１の実施形態によるアンテナ装置１とは異なる。

　アンテナ装置６１は、筐体ケース６２に収納された状態で車両ルーフに取り付けられる。アンテナ装置６１は、地板６３、基板６４、第１アンテナエレメント６５、給電点６６、モノポール型のアンテナエレメントにより提供される第２アンテナエレメント６７、給電点６８、同軸ケーブル６９及び７０等を有する。これら地板６３、基板６４、第１アンテナエレメント６５、給電点６６、第２アンテナエレメント６７、給電点６８、同軸ケーブル６９及び７０は、第１の実施形態で説明した地板２、基板３、第１アンテナエレメント４、給電点７、第２アンテナエレメント１０、給電点１１、同軸ケーブル８及び１２と同等の機能である。

　第５の実施形態によるアンテナ装置６１も、第１の実施形態によるアンテナ装置１と同様の作用効果を得ることができる。又、第１アンテナエレメント６５の形状が車両ルーフに取り付けられる筐体ケース６２の形状に追従し、中央付近で折れ曲がった形状であるので、同じアンテナ長（電流経路長）のアンテナエレメントを折り曲げずに搭載した場合に比べて、寸法を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。又、装置全体を小型化した場合であっても、必要なアンテナ長を確保し易くなり、所望のアンテナ特性を適切に確保することができる。

　（第６の実施形態）
　次に、本開示の第６の実施形態によるアンテナ装置７１について、図１２を参照して説明する。尚、上記した第１の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第６の実施形態によるアンテナ装置７１は、携帯電話システムの電波を送受信するアンテナエレメント（第１アンテナエレメント７３）が折り返しダイポール型のアンテナにより提供されている点が第１の実施形態によるアンテナ装置１とは異なる。

　アンテナ装置７１において、基板７２の一方側の面７２ａには折り返しダイポール型のアンテナエレメントにより提供される第１アンテナエレメント７３が導体パターンにより形成されている。第１アンテナエレメント７３の２本の第１辺部７４及び第２辺部７５の長さは、例えば９００ＭＨｚ帯の電波の波長に１／２を乗じ、更に基板７２の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。即ち、アンテナエレメント７３の全長（エレメント長）は、例えば９００ＭＨｚ帯の電波の波長に１を乗じ、更に基板７２の材質の比誘電率による波長短縮率を乗じた長さである。

　第２辺部７５は、第２辺部７５の上半部に一体的に形成されている幅広部７６を有する。第２辺部７５の幅広部７６は、第１の実施形態で説明した幅広部９に相当する。又、第１辺部７４の略中央部には給電点７７が設けられており、幅広部７６にはモノポール型の第２アンテナエレメント１０が接続されている。第６の実施形態によるアンテナ装置７１も、第１の実施形態によるアンテナ装置１と同様の作用効果を得ることができる。又、折り返しダイポール型のアンテナエレメントを第１アンテナエレメント７３として採用することにより、ダッシュボード等のボデー金属から離れた場所に配置する場合に有利な構成とすることができる。

　（第７の実施形態）
　次に、本開示の第７の実施形態によるアンテナ装置８１ついて、図１３を参照して説明する。尚、上記した第６の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第７の実施形態によるアンテナ装置８１は、モノポール型のアンテナエレメントにより提供される第２アンテナエレメント８３が折り返しダイポール型のアンテナエレメントにより提供される第１アンテナエレメント７３の幅広部７６の面に対して略垂直方向に立設されている点が第１の実施形態によるアンテナ装置１とは異なる。

　アンテナ装置８１において、基板８２の一方側の面８２ａには第６の実施形態で説明した折り返しダイポール型のアンテナエレメントにより提供される第１アンテナエレメント７３が形成されている。第１の実施形態で説明した第２アンテナエレメント１０に相当するモノポール型のアンテナエレメントにより提供される第２アンテナエレメント８３は、その基端部８３ａが幅広部７６の面に電気的に接続され、その幅広部７６の面に対して略垂直方向に立設されている。即ち、アンテナエレメント８３は、その基端部８３ａから先端部８３ｂに向かうに連れて幅広部７６の面に垂直する方向に沿って幅広部７６から離れるように接続されている。又、アンテナエレメント８３の基端部８３ａには給電点８４が設けられている。第７の実施形態によるアンテナ装置８１も、第６の実施形態によるアンテナ装置７１と同様の作用効果を得ることができる。

　（その他の実施形態）
　本開示によると、上記したアンテナ装置は路車間通信システム等、車々間通信システムで持ちいれる。さらに、上記アンテナ装置は路車間通信システム等、車々間通信システム以外の別の通信システムで用いられる車載アンテナ装置に適用しても良い。又、車両に搭載される車載アンテナ装置に限らず、例えば別の装置に搭載されるアンテナ装置に適用しても良い。

　基板が複数の層を有する多層基板により構成され、複数のアンテナエレメントが同一多層基板の異なる層に形成されていても良い。又、基板がある程度の湾曲が可能なフレキシブル性を有する基板であったり、表面に電子部品等を実装可能な基板であったりしても良い。即ち、複数のアンテナエレメントを形成可能な基板であれば、どのような基板であっても良い。同様に、基板が立設する地板も完全な平面でなくても良く、基板に形成されたアンテナエレメントのアンテナグランドとして機能する限り、ある程度の湾曲等があっても良い。

　アンテナエレメントが金属板等で構成されていても良い。

　本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims

　第１所定の周波数帯域で動作する第１アンテナエレメント（４，５２，６５，７３）と
　前記第１所定の周波数帯域とは異なる第２所定の周波数帯域で動作する第２アンテナエレメント（１０，３２，６７，８３）とを備え、
　前記第１アンテナエレメントは、基端部（４ａ）、先端部（４ｂ）、折り返し部（４ｃ）、前記基端部と前記折り返し部の間に配置されている第１辺部（５、５５、７４）、前記折り返し部と前記先端部の間で配置されている第２辺部（６、５３、７５）とを有し、
　前記第１辺部においての電流ベクトル方向は、前記第２辺部においての電流ベクトル方向と同一方向であり、
　前記第２アンテナエレメントは、前記第１アンテナエレメントに近接して配置したアンテナ装置。
　平面形状の地板（２、６３）をさらに備え、
　前記第１アンテナエレメント（４，５２，６５）は前記地板に立設され、
　前記第1アンテナエレメントは前記折り返し部で前記第１辺部（５、５５）と前記第２辺部（６、５３）の間隔が一定となるように折り曲げられてあり、
　前記第１アンテナエレメントは、前記地板をアンテナグランドとして動作する折り返しモノポール型のアンテナエレメントであり、
　前記先端部は、前記地板と同電位である請求項１に記載したアンテナ装置。
　前記第２アンテナエレメントは、前記第１アンテナエレメントの一部をアンテナグランドとして動作する請求項１又は２に記載したアンテナ装置。
　前記第１アンテナエレメント（４）は、複数の第１サブアンテナエレメント（４２、４２１）を含む請求項１乃至３の何れかに記載したアンテナ装置。
　前記複数の第１サブアンテナエレメントは、共通の給電点（７）により電力を供給される請求項４に記載したアンテナ装置。
　前記複数の第１サブアンテナエレメントを同一の基板（３）に形成した請求項４又は５に記載したアンテナ装置。
　前記基板（３）は、複数の層を有する多層基板であり、
　前記第１アンテナエレメント（５２）の前記第１辺部（５３）は、前記基板の１つの層に形成され、
　前記第１アンテナエレメント（５２）の前記第２辺部（５５）は、前記基板の前記一つの層と異なる他の層に形成された請求項１乃至６の何れかに記載したアンテナ装置。