WO2013132558A1

WO2013132558A1 - Ａｃアダプタ

Info

Publication number: WO2013132558A1
Application number: PCT/JP2012/007028
Authority: WO
Inventors: 正典押味
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2012-03-09
Filing date: 2012-11-01
Publication date: 2013-09-12

Abstract

　商用交流電源を基に直流電源を出力する出力部４を有し、この出力部４に直列に、（１）式より得られる抵抗値Ｒ（Ω）の補正抵抗３０を接続し、この補正抵抗３０の両端の電圧に基づいて出力部４から出力する電圧を補正するようにした。Ｒ＝Ｚ＋α／（Ｉ_１－Ｉ_０）…（１）、Ｚ（Ω）：ケーブル３のインピーダンス、α（Ｖ）：許容公差、Ｉ_１（Ａ）：定格負荷電流値（最大電流値）、Ｉ_０（Ａ）：無負荷電流値（最小電流値）

Description

ＡＣアダプタ

　本発明は、充電可能な２次電池を搭載した携帯電話等の携帯装置に用いて好適なＡＣアダプタに関する。

　ニカド電池やリチウム電池等の２次電池の充電時間の高速化を図るためには、２次電池を搭載した携帯装置の内部の電圧降下を考慮したうえで、装置への入力電圧を少しでも高くして、電池端に必要な電圧を印加できるようにする必要がある。携帯装置の内部の電圧降下を考慮して出力電圧を上昇させるようにした技術として、例えば、特許文献１に記載された直流安定化電源装置がある。この特許文献１に記載された直流安定化電源装置では、負荷電流を検出し、負荷電流の検出結果に応答し、予め想定されている負荷電流に応じた電源ラインによる電圧降下から出力電圧を上昇させる補正を行うようにしている。

　一方、２次電池を搭載した携帯装置には、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）規格の電圧を出力するＡＣアダプタを用いて２次電池を充電するようにしたものがあり、その代表的なものとして、スマートフォンが挙げられる。ＵＳＢ規格の電圧は５．０±０．２５Ｖであり、センター電圧は５．０Ｖになる。但し、ＡＣアダプタの電圧公差は、部品のバラツキを考慮すると、０．２～０．２５Ｖが一般的であるので、ＵＳＢ規格を満足するためにはセンター電圧を５．０～５．０５Ｖにする必要がある。これらの電圧値等はＵＳＢ規格の一部である「Battery Charging Specification」によって定められている。

日本国特開２００５－０４５８５３号公報

　２次電池を短時間で充電するためには、充電電流を増やす必要があるが、充電電流を増加させると、電流を供給するＡＣアダプタのＤＣケーブルでの電圧降下が大きくなり、ＵＳＢ規格を満足できなくなる。これに対応するためには、電池充電時の定格負荷電流条件下で出力電圧値をＵＳＢ規格で規定された上限の５．２５Ｖに調整すれば最大の出力電圧を得ることが可能である。しかしながら、無負荷時の電圧公差に部品のバラツキを含めると、ＵＳＢ規格上限の５．２５Ｖを超えてしまうことになり、ＵＳＢ規格を満たすことができなくなる。このように、定格負荷条件下で出力電圧値をＵＳＢ規格で規定された上限値に合わせても、無負荷時にはＵＳＢの規格上限を超えてしまう。

　本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、ＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たしたうえで、可能な限り高速で２次電池の充電を行うことができるＡＣアダプタを提供することを目的とする。

　本発明のＡＣアダプタは、商用交流電源を基に直流電源を出力する出力部を有するＡＣアダプタであって、前記出力部は、第１の電流値の電流を出力する場合、第１の電圧値の電圧を出力し、第１の電流値より大きい第２の電流値の電流を出力する場合、前記第１の電圧値より大きい第２の電圧値を出力する。

　上記構成によれば、第２の電圧値を所定の規格における最大の電圧値（定格負荷電圧値）、第２の電流値を第２の電圧値を２次電池に印加したときの定格負荷電流値とし、第１の電圧値を第２の電圧値より小さい電圧値（無負荷電圧値）、第１の電流値を第２の電流値より小さい電流値（無負荷電流値）とすることで、充電開始時には、所定の規格における最大の電圧値を２次電池に印加でき、充電終了時には、２次電池に印加されている電圧値が所定の規格における最大の電圧値以下の電圧値となるので、所定の規格で規定された電圧値を満たしたうえで、可能な限り高速で２次電池の充電を行うことが可能となる。

　上記構成において、所定の規格に準拠し、前記第１の電圧値は、前記所定の規格における最小電圧値より大きい又は以上であり、前記第２の電圧値は、前記所定の規格における最大電圧値より小さい又は以下である。

　上記構成において、前記第１の電流値は、前記所定の規格における最小電流値より大きい又は以上であり、前記第２の電流値は、前記所定の規格における最大電流値より小さい又は以下である。

　上記構成において、前記規格はＵＳＢ規格である。

　上記構成によれば、ＵＳＢ規格の電圧値は５．０±０．２５Ｖであるので、最小電圧値を４．７５Ｖ、最大電圧値を５．２５Ｖにするのが好ましい。また、最小電流値を０Ａ、最大電流値を５Ａにするのが好ましい。また、最大電流値は、当該ＡＣアダプタの定格の電流値としても良い。

　上記構成において、少なくとも整流回路を備える本体部と、前記本体部に接続され、所定の長さを有するケーブルと、を備え、前記出力部は、前記ケーブルにおいて前記本体部と反対側に配置された。

　上記構成において、商用交流電源のコンセントに差し込み可能なプラグを備え、前記本体部は前記プラグと電気的に接続された。

　上記構成において、前記プラグは前記本体部に設けられた。

　上記構成において、前記出力部に直列に接続された補正抵抗を備え、前記補正抵抗の両端の電圧に基づいて、前記出力部から出力する電圧を補正する。

　上記構成によれば、補正抵抗を出力部に直列に接続したことで、出力部から出力する電圧を検出することができ、出力部から出力する電圧を補正することができる。

　上記構成において、前記補正抵抗の抵抗値Ｒ（Ω）は、
・ケーブルインピーダンス＝Ｚ（Ω）
・許容公差＝α（Ｖ）
・最大電流値＝Ｉ_１（Ａ）
・最小電流値＝Ｉ_０（Ａ）
　の場合、
Ｒ＝Ｚ＋α／（Ｉ_１－Ｉ_０）
　である。

　上記構成によれば、上記の式に従って補正抵抗の抵抗値を求めることで、２次電池の充電開始時から終了時までに亘って、出力電圧をＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たすことができる。したがって、ＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たしたうえで、可能な限り高速で２次電池の充電を行うことができる。

　本発明の携帯装置は、上記いずれかのＡＣアダプタに接続可能な携帯装置であって、２次電池を備え、前記２次電池の電力を基に動作すると伴に、前記出力部が出力する直流電源を基に、前記２次電池を充電可能である。

　本発明によれば、ＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たしたうえで、可能な限り高速で２次電池の充電を行うことができる。

本発明の一実施の形態に係るＡＣアダプタの回路構成を示す図図１のＡＣアダプタのＶ－Ｉ特性を示す図図１のＡＣアダプタを携帯装置に接続した様子を示す図

　以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

　図１は、本発明の一実施の形態に係るＡＣアダプタの回路構成を示す図である。同図において、本実施の形態に係るＡＣアダプタ１は、直流電源装置の一種であり、交流電源を直流電源に変換する。ＡＣアダプタ１は、本体部２と、２芯のケーブル３と、出力部４とを備える。本体部２と出力部４はケーブル３を介して接続される。出力部４は、ＵＳＢ規格の４個の端子を有しており、そのうち２個が充電用であり、その充電用の２個の端子がケーブル３の本体部２側と反対側に接続される。

　本体部２は、プラグ２１、整流用ブリッジダイオード２２、変圧器２３、スイッチング用トランジスタ２４、制御部２５、整流用ダイオード２６、平滑用コンデンサ２７、抵抗２８、可変抵抗２９、補正抵抗３０及び電圧検出部３１を有する。プラグ２１は、商用交流電源が得られるコンセント５に接続する。商用交流電源は、例えば電圧１００－２４０Ｖの範囲で、周波数５０Ｈｚ又は６０Ｈｚの電源である。整流用ブリッジダイオード２２は、入力側端がプラグ２１に接続されており、整流出力の一端が変圧器２３の入力側の一端に接続されている。また、整流用ブリッジダイオード２２の整流出力の他端は接地されている。変圧器２３の入力側の他端はスイッチング用トランジスタ２４のコレクタに接続されており、出力側の一端は整流用ダイオード２６のアノードに接続されている。変圧器２３の出力側の他端は接地されている。スイッチング用トランジスタ２４のベースは制御部２５の出力端に接続されており、エミッタは接地されている。

　平滑用コンデンサ２７は、一端が整流用ダイオード２６のカソードに接続されており、他端が接地されている。抵抗２８は、一端が平滑用コンデンサ２７の一端に接続されるとともに、出力端子３２－１に接続されている。また、抵抗２８の他端は可変抵抗２９の一端に接続されている。可変抵抗２９の他端は接地されている。抵抗２８と可変抵抗２９の共通接続部分が電圧検出部３１の２つの入力端の一方に接続されている。補正抵抗３０は、一端が出力端子３２－２に接続されており、他端が可変抵抗２９の他端に接続されている。出力端子３２－２と補正抵抗３０の共通接続部分が電圧検出部３１の２つの入力端の他方に接続されている。電圧検出部３１の出力端は制御部２５の入力端に接続されている。

　抵抗２８と可変抵抗２９は、整流用ダイオード２６と平滑用コンデンサ２７で生成された直流電圧を分圧する。そして、分圧した電圧のうちの可変抵抗２９の両端に生ずる電圧Ｖ_１が電圧検出部３１の２つの入力端の一方に入力される。補正抵抗３０の両端に生ずる電圧Ｖ_２は電圧検出部３１の２つの入力端の他方に入力される。電圧検出部３１は、電圧Ｖ_１と電圧Ｖ_２との差分を求め、その差分の電圧△Ｖを出力する。電圧検出部３１から出力された電圧△Ｖは制御部２５に入力される。制御部２５は、電圧Ｖ_１と電圧Ｖ_２との差分の電圧△Ｖに基づいてスイッチング用トランジスタ２４のスイッチング動作を制御することにより、出力部４から出力する電圧を補正する。

　補正抵抗３０の抵抗値Ｒ（Ω）は、（１）式により求められる。
　Ｒ＝Ｚ＋α／（Ｉ_１－Ｉ_０）…（１）
　　Ｚ（Ω）：ケーブル３のインピーダンス
　　Ａ（Ｖ）：定格負荷電圧値（第２の電圧値、最大電圧値）
　　Ｍ（Ｖ）：無負荷電圧値（第１の電圧値、最小電圧値）
　　α（Ｖ）：許容公差
　　Ｉ_１（Ａ）：定格負荷電流値（第２の電流値、最大電流値）
　　Ｉ_０（Ａ）：無負荷電流値（第１の電流値、最小電流値）

　定格負荷電圧値Ａ（Ｖ）は、ＵＳＢ規格における最大電圧値であり、例えば５．２５（Ｖ）である。出力部４に負荷である携帯装置（例えば、スマートフォン）を接続したときに定格負荷電圧値Ａ（Ｖ）となるように可変抵抗２９を調整する。この調整は人手によって行われる。無負荷電圧値Ｍ（Ｖ）は、ＵＳＢ規格における最小電圧値であり、例えば４．７５（Ｖ）である。定格負荷電流値Ｉ_１（Ａ）は、ＵＳＢ規格における最高電流値であり、例えば５（Ａ）である。無負荷電流値Ｉ_０（Ａ）は、ＵＳＢ規格における最小電流値であり、例えば０（Ａ）である。

　図２は、（１）式より得られる抵抗値Ｒの補正抵抗３０を使用したときのＶ－Ｉ特性７を示す図である。同図に示すように、Ｖ－Ｉ特性７は、（１）式より得られた抵抗値Ｒの補正抵抗３０を使用することで、傾斜をつけた特性となる。無負荷時の出力電圧は、許容公差αの範囲内で変化し、Ｍ＋αが上限、Ｍ－αが下限となる。

　このように、（１）式より得られる抵抗値Ｒの補正抵抗３０を使用し、可変抵抗２９を調整して出力電圧が定格負荷電圧値Ａ（Ｖ）となるようにすることで、携帯装置の充電において、ＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たすことができる。特に、充電開始時にＵＳＢ規格における最大電圧値である定格負荷電圧値Ａ（Ｖ）を印加するので、携帯装置に内蔵された２次電池を高速で充電することが可能となる。

　図３は、本実施の形態に係るＡＣアダプタ１を携帯装置１０に接続した様子を示す図である。同図において、携帯装置１０には２次電池１１が内蔵されており、ＡＣアダプタ１が出力する直流電源を基に充電される。なお、携帯装置１０は、例えば、携帯電話、スマートフォン等の携帯通信端末や携帯ゲーム機等の携帯装置である。なお、電気自動車等にも適用可能である。

　このように本実施の形態に係るＡＣアダプタ１は、商用交流電源を基に直流電源を出力する出力部４を有し、この出力部４に直列に、上述した（１）式より得られる抵抗値Ｒ（Ω）の補正抵抗３０を接続し、この補正抵抗３０の両端の電圧に基づいて出力部４から出力する電圧を補正するようにしたので、ＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たしたうえで、可能な限り高速で２次電池の充電を行うことができる。

　なお、本実施の形態では、ケーブル３を設けたが、ケーブル３は無くても良い。また、ケーブル３の長さは長くても、短くても良い。

　本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

　本出願は、２０１２年３月９日出願の日本特許出願（特願２０１２－０５３４８１）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明は、ＵＳＢ規格で規定された電圧値を満たしたうえで、可能な限り高速で２次電池の充電を行うことができるといった効果を有し、交流電源を直流電源に変換する直流電源装置全般への適用が可能である。

　１　ＡＣアダプタ
　２　本体部
　３　ケーブル
　４　出力部
　５　コンセント
　７　Ｖ－Ｉ特性
　１０　携帯装置
　１１　２次電池
　２１　プラグ
　２２　整流用ブリッジダイオード
　２３　変圧器
　２４　スイッチング用トランジスタ
　２５　制御部
　２６　整流用ダイオード
　２７　平滑用コンデンサ
　２８　抵抗
　２９　可変抵抗
　３０　補正抵抗
　３１　電圧検出部
　３２－１，３２－２　出力端子

Claims

　商用交流電源を基に直流電源を出力する出力部を有するＡＣアダプタであって、
　前記出力部は、
　第１の電流値の電流を出力する場合、第１の電圧値の電圧を出力し、
　第１の電流値より大きい第２の電流値の電流を出力する場合、前記第１の電圧値より大きい第２の電圧値を出力する、
　ＡＣアダプタ。
　請求項１に記載のＡＣアダプタであって、
　所定の規格に準拠し、
　前記第１の電圧値は、前記所定の規格における最小電圧値より大きい又は以上であり、
　前記第２の電圧値は、前記所定の規格における最大電圧値より小さい又は以下である、
　ＡＣアダプタ。
　請求項２に記載のＡＣアダプタであって、
　前記第１の電流値は、前記所定の規格における最小電流値より大きい又は以上であり、
　前記第２の電流値は、前記所定の規格における最大電流値より小さい又は以下である、
　ＡＣアダプタ。
　請求項２又は請求項３に記載のＡＣアダプタであって、
　前記規格はＵＳＢ規格である、
　ＡＣアダプタ。
　請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のＡＣアダプタであって、
　少なくとも整流回路を備える本体部と、
　前記本体部に接続され、所定の長さを有するケーブルと、
　を備え、
　前記出力部は、前記ケーブルにおいて前記本体部と反対側に配置された、
　ＡＣアダプタ。
　請求項５に記載のＡＣアダプタであって、
　商用交流電源のコンセントに差し込み可能なプラグを備え、
　前記本体部は前記プラグと電気的に接続された、
　ＡＣアダプタ。
　請求項６に記載のＡＣアダプタであって、
　前記プラグは前記本体部に設けられた、
　ＡＣアダプタ。
　請求項５から請求項７のいずれか１項に記載のＡＣアダプタであって、
　前記出力部に直列に接続された補正抵抗を備え、
　前記補正抵抗の両端の電圧に基づいて、前記出力部から出力する電圧を補正する、
　ＡＣアダプタ。
　請求項８に記載のＡＣアダプタであって、
　前記補正抵抗の抵抗値Ｒ（Ω）は
・ケーブルインピーダンス＝Ｚ（Ω）
・許容公差＝α（Ｖ）
・最大電流値＝Ｉ_１（Ａ）
・最小電流値＝Ｉ_０（Ａ）
　の場合、
Ｒ＝Ｚ＋α／（Ｉ_１－Ｉ_０）
　である、
　ＡＣアダプタ。
　請求項１から請求項９のいずれか１項に記載のＡＣアダプタに接続可能な携帯装置であって、
　２次電池を備え、
　前記２次電池の電力を基に動作すると伴に、前記出力部が出力する直流電源を基に、前記２次電池を充電可能である、
　携帯装置。