WO2013122145A1 - リチウム二次電池及びリチウム二次電池用電解液 - Google Patents
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Abstract
負極活物質の劣化が抑制されサイクル特性に優れ、特に、高温環境下での使用に対し長寿命のリチウム二次電池や、これに用いるリチウム二次電池用電解液を提供する。充放電に伴いリチウムを吸蔵放出する正極及び負極を浸漬する電解液を有し、負極がケイ素系負極活物質を含むリチウム二次電池であって、電解液が、式(1)(式中、A1はホウ素原子、窒素原子、又は、6員環を示し、R1~R3は、独立して直接結合、又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、該アルキレン基は不飽和二重結合、不飽和三重結合、エーテル基又は置換基を有していてもよく、R4~R6は、独立してビニル基又はエチニル基を示す。)で表される不飽和化合物を含む。
Description
本発明は、高容量で、特に、高温環境下での使用に対するサイクル特性に優れ、長寿命なリチウム二次電池や、これに用いるリチウム二次電池用電解液に関する。
リチウム二次電池は、携帯型電子機器やパソコン等に広く利用され、小型化、軽量化が求められる一方において、高機能電子機器や電気自動車等に利用可能な高エネルギー密度で、充放電に伴う劣化を抑制し、サイクル特性に優れ、長寿命であることが求められている。リチウム二次電池は、正極集電体上に形成された正極活物質を含有する正極活物質層と、負極集電体上に形成された負極活物質を含有する負極活物質層とが、セパレーターを介して対向して配置され、これらが電解液に浸漬されて外装体に収納された構造を有し、電極活物質がリチウムイオンを可逆的に収蔵、放出することにより、充放電サイクルが行われる。
この種の負極活物質として、高エネルギー密度、低コスト、安全性の観点から、炭素系材料に代わり、ケイ素やケイ素酸化物、リチウムと合金を形成するスズ等の金属や、金属酸化物が用いられている。しかしながら、ケイ素を含む負極活物質は、充放電に伴う体積の膨張収縮が大きく、反復される充放電に伴い負極活物質層から微粉となって脱落し、電池の容量の低下が生じる。特に、45℃以上の高温環境で使用すると、電池の容量の低下が大きく、劣化が顕著になる傾向にある。
このようなリチウムの吸蔵放出に伴う体積膨張収縮率が大きいケイ素系負極活物質の充放電に伴う劣化を抑制するため、負極活物質層上に被膜を形成し、負極活物質層からの負極活物質の脱落を抑制することが行われている。しかしながら、使用に伴うサイクル特性の劣化を充分に抑制することができる均一な厚さの安定した被膜をケイ素系負極活物質に形成することは困難である。
一方、リチウム二次電池の充放電サイクル特性の向上を図るため、使用する電解液に特定の物質を添加することにより、サイクル特性の向上を図ることが行われている。具体的には、グラファイト等の結晶性の高い結晶性炭素材料を活物質とし高分子カルボン酸化物を結着剤として製造された負極を使用した非水電解液二次電池において、有機溶媒と、電解質塩と、特定の不飽和リン酸エステルを含有する電解液を用いたもの(特許文献1、2)、非晶質酸化物を含む負極を含む非水電解液二次電池において、非水電解液が特定の縮合環等、芳香族化合物を含むもの(特許文献3)等が報告されている。また、上述のようにリチウムの吸蔵放出に伴う体積膨張収縮率が大きいケイ素系負極活物質に適用可能な方法として、集電体上に活物質薄膜を堆積して形成した負極を有するリチウム二次電池において、リン酸エステル化合物、亜リン酸エステル、及びホウ酸エステルの少なくとも1種を含む非電解質を含む物(特許文献4)が報告されている。
しかしながら、エネルギー密度の高い電池を実現するためには、ケイ素系負極活物質を含む電極の厚みを厚くする必要があり、そのような電極を利用する場合においても、充放電に伴う体積変化に追従できる柔軟性を有し、均一で安定した被膜を形成し、充放電に伴う負極活物質の劣化を抑制し、特に、高温環境下での使用に対し、サイクル特性の向上、長寿命化を図ることができるリチウム二次電池が要請されている。
本発明の課題は、リチウムの吸蔵放出に伴う体積膨張収縮率が大きいケイ素系負極活物質に、その充放電に伴う体積変化に追従できる柔軟性を有し、均一な厚さの安定した被膜を形成し、充放電に伴う負極活物質の劣化を抑制することができ、特に、高温環境下での使用に対し、サイクル特性の向上を図り、長寿命化を図ることができるリチウム二次電池を提供することにある。また、本発明の課題は、負極活物質上に柔軟で均一な厚さの安定した被膜を形成し、充放電に伴う負極活物質の劣化を抑制することができ、特に、高温環境下での使用に対し、サイクル特性の向上を図り、長寿命化を図ることができるリチウム二次電池用電解液を提供することにある。
本発明者らは、ケイ素系負極活性物質に、充放電に伴う体積変化に追従可能な柔軟で安定した被膜を形成することができる物質として、ホウ素原子、窒素原子あるいは6員環を中心として、これから三方向に伸びる分枝の末端に不飽和結合を有する不飽和化合物を電解液に添加することにより、これらが充放電に伴い重合し、ケイ素系負極活物質上に均一の厚さの被膜を形成できることの知見を得、かかる知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、充放電に伴いリチウムを吸蔵放出する正極及び負極を浸漬する電解液を有し、負極がケイ素系負極活物質を含むリチウム二次電池であって、
電解液が、式(1)
電解液が、式(1)
(式中、A1はホウ素原子、窒素原子、又は、6員環を示し、R1~R3は、独立して直接結合、又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、該アルキレン基は不飽和二重結合、不飽和三重結合、オキシ基又は置換基を有していてもよく、R4~R6は、独立してビニル基又はエチニル基を示す。)で表される不飽和化合物を含むことを特徴とするリチウム二次電池に関する。
また、本発明は、充放電に伴いリチウムを吸蔵放出する正極及び負極を浸漬するリチウム二次電池用電解液であって、式(1)
(式中、A1はホウ素原子、窒素原子、又は、6員環を示し、R1~R3は、独立して直接結合、又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、該アルキレン基は不飽和二重結合、不飽和三重結合、オキシ基又は置換基を有していてもよく、R4~R6は、独立してビニル基又はエチニル基を示す。)で表される不飽和化合物を含むことを特徴とするリチウム二次電池用電解液に関する。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムの吸蔵放出に伴う体積膨張収縮率が大きいケイ素系負極活物質に、その充放電に伴う体積変化に追従できる柔軟で均一な厚さの被膜を形成することができ、充放電に伴う負極活物質の劣化を抑制し、特に、高温環境下での使用に対し、サイクル特性の向上を図り、長寿命化を図ることができる。また、本発明のリチウム二次電池用電解液は、負極活物質上に柔軟で均一な厚さの安定した被膜を形成し、充放電に伴う負極活物質の劣化を抑制し、特に、高温環境下での電池の使用に対し、サイクル特性の向上を図り、長寿命化を図ることができる。
1 負極活物質層
2 負極集電体
3 負極
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 正極
7 セパレーター
8 外装体
11 リチウム二次電池
2 負極集電体
3 負極
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 正極
7 セパレーター
8 外装体
11 リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、正極及び負極と、これらを浸漬する電解液とを有する。
[負極]
負極は、充放電に伴いリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能なケイ素系負極活物質を含み、負極活物質が負極結着剤により一体化された負極活物質層として集電体上に積層された構造を有する。
負極は、充放電に伴いリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能なケイ素系負極活物質を含み、負極活物質が負極結着剤により一体化された負極活物質層として集電体上に積層された構造を有する。
負極活物質は、ケイ素系負極活物質を含むものであればいずれであってもよく、ケイ素系負極活物質としては、ケイ素や、酸化ケイ素(SiOx:0<x≦2)を挙げることができる。これらの何れか一方を含むものであればよいが、これらの双方を含むことが好ましい。これらは、負極活物質としてリチウムイオンの充放電の電位が異なり、具体的には、ケイ素は酸化ケイ素よりリチウムイオンの充放電の電位が低く、これらを含有する負極活物質層において、放電時の電圧の変化に伴い徐々にリチウムイオンを放出することができ、特定の電位で一時にリチウムイオンが放出されることによる負極活物質層の急激な体積収縮を抑制することができる。酸化ケイ素は電解液との反応が生じにくく、安定して存在することができる。具体的には、SiO、SiO2等を挙げることができる。
負極活物質中、ケイ素の含有量は、100質量%でもよく、負極活物質に酸化ケイ素が含まれる場合は、0質量%でもよいが、5質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、10質量%以上、90質量%以下であり、更に好ましくは、20質量%以上、50質量%以下である。また、負極活物質中の酸化ケイ素の含有量は、100質量%でもよく、負極活物質にケイ素が含まれる場合は、0質量%でもよいが、5質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、40質量%以上、80質量%以下であり、更に好ましくは、50質量%以上、70質量%以下である。
また、負極活物質として、ケイ素以外の金属や、金属酸化物を含んでいてもよい。ケイ素以外の金属としては、リチウムと合金を形成することができる金属であって、放電時にリチウム合金からリチウムイオンを放出し、充電時にリチウム合金を形成することができる金属を挙げることができる。かかる金属として、具体的には、アルミニウム、鉛、スズ、インジウム、ビスマス、銀、バリウム、カルシウム、水銀、パラジウム、白金、テルル、亜鉛、ランタンを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を選択することができる。これらのうち、スズが好ましい。
負極活物質としての金属酸化物は、具体的には、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウムを挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属酸化物は、上記金属と共に用いられることが好ましく、特に、金属酸化物に含まれる金属と同じ金属と共に、用いられることが、充放電時に異なる電位でリチウムイオンの吸蔵放出が行われ、負極活物質層の急激な体積変化を抑制できることから、好ましく、上記スズと共に酸化スズを用いることが好ましい。
これらの酸化ケイ素や、金属酸化物は、その少なくとも一部が非晶質であることが好ましい。酸化ケイ素や金属酸化物が非晶質であることにより、負極活物質層の微粉化を抑制すると共に、電解液との反応を抑制することができる。非晶質酸化ケイ素や金属酸化物を有する負極活物質層においては、結晶構造に含まれる欠陥や結晶粒界等の不均一性に起因する要素が減少し、不均一な体積変化が抑制されると考えられる。
酸化ケイ素や金属酸化物が非晶質であることは、X線回折測定により、結晶構造を有する場合に観察される結晶構造固有のピークがブロードとなることから、確認することができる。
負極活物質として、このような非晶質の酸化ケイ素や金属酸化物中に、ケイ素や上記金属が分散されたものであることが好ましい。特にケイ素は、充放電に伴う体積変化が大きく、非晶質の酸化ケイ素中に分散されて含有されることにより、充放電に伴う不均一な体積変化が抑制され、負極活物質層や電解液の劣化を抑制することができる。酸化ケイ素や金属酸化物中のケイ素や金属の分散状態は、透過型電子顕微鏡によるTEM観察によりサンプルの断面を観察し、エネルギー分散型X線分光法(EDX測定)により、マトリックス中の分散粒子が酸素を含まないことの測定結果を得ることにより、確認することができる。
非晶質酸化ケイ素中に分散されるケイ素の平均粒子径は、数ナノメートル~数百ナノメートルを挙げることができる。
粒子径については、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定した100粒子についての平均値を採用することができる。以下の、粒子の平均粒子径についても同様の方法を採用することができる。
また、負極活物質として、炭素材料を含むことが好ましい。炭素材料としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。結晶性の高い黒鉛は電気伝導性が高く、負極活物質層の集電性の向上を図ることができ、結晶性の低い非晶質炭素は、充放電に伴う負極活物質層の劣化を抑制することができる。負極活物質中の炭素材料の含有量は、2質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、2質量%以上、30質量%以下である。
上記ケイ素や酸化ケイ素、金属、金属酸化物、炭素材料は粒子状であることが、負極活物質の充放電に伴う劣化を抑制できるため、好ましい。粒子状の負極活物質としては、充放電に伴う体積変化の大きいもの程、小径とすることが、これらの粒子の体積変化による負極活物質層の体積変化を抑制することができるため、好ましい。具体的には、酸化ケイ素の平均粒子径は炭素材料の平均粒子径より小さく、例えば、酸化ケイ素の平均粒子径が炭素材料の平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。ケイ素の均粒子径は、酸化ケイ素の平均粒子径より小さく、例えば、ケイ素の平均粒子径が酸化ケイ素の平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。平均粒子径をこのような範囲に制御すれば、充放電による体積変化が大きい粒子が小径となり、負極活物質層の体積変化の緩和効果が大きく、エネルギー密度、サイクル寿命と効率のバランスに優れた二次電池を得ることができる。ケイ素の平均粒子径としては、具体的には、例えば20μm以下であることが、集電体との接触を担保し得ることから好ましく、より好ましくは15μm以下である。
また、導電性の低下を抑制し充放電サイクルによる負極活物質の劣化を抑制する観点から、ケイ素のクラスターの周囲に非晶質酸化ケイ素が存在し、その表面を炭素が被覆した粒子状であってもよい。ケイ素系材料の粒子の表面を被覆する炭素被膜の厚さとしては、0.1~5μmであることが充放電に伴う負極活物質の劣化を抑制すると共に導電性を高めることができることから、好ましい。炭素被膜の厚さの測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定し、100粒子についての測定値の平均値を採用することができる。
上記非晶質の酸化ケイ素中にケイ素や金属が分散した炭素被膜を有する負極活物質の製造方法としては、特開2004-47404記載の方法を挙げることができる。具体的には、メタンガス等の有機物ガス雰囲気中で酸化ケイ素や金属酸化物をCVD処理することにより、ケイ素や金属のナノクラスターの周囲に非晶質の酸化ケイ素や金属酸化物を形成し、その周囲に炭素被膜を形成することができる。また、酸化ケイ素や金属酸化物と、ケイ素や金属と、炭素材料とをメカニカルミリングで混合する方法を挙げることができる。このような炭素被膜を有する負極活物質の平均粒子径としては、1~20μm程度を挙げることができる。
上記負極活物質を結着する負極結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド-テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中、結着力の観点から、ポリイミド、ポリアミドイミドを含むことが好ましい。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、5~25質量部であることが好ましい。
負極活物質が負極結着剤により一体とされた負極活物質層を支持する集電体は、負極活物質層と外部端子との導通を可能とする導電性を有するものであればよく、電気化学的安定性から、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、又は、これらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。集電体の厚さとしては5~30μm程度を挙げることができる。
上記負極は、集電体上に、負極活物質と負極結着剤とを含む負極活物質層用材料を用いて作製することができる。負極活物質層の作製方法として、ドクターブレード法、ダイコーター法等の塗工法、CVD法、スパッタリング法等を採用することができる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を形成して、負極集電体としてもよい。負極活物質層の厚さとしては10~200μm程度を挙げることができる。
[正極]
正極は、充放電に伴いリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能な正極活物質を含み、正極活物質が正極結着剤により一体化された正極活物質層として集電体上に積層された構造を有する。
正極は、充放電に伴いリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能な正極活物質を含み、正極活物質が正極結着剤により一体化された正極活物質層として集電体上に積層された構造を有する。
正極活物質は、充電時にリチウムイオンを電解液中へ放出し、放電時に電解液中からリチウムを吸蔵するものであり、LiMnO2、LixMn2O4(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウム、又はスピネル構造を有するマンガン酸リチウム;LiCoO2、LiNiO2、又はこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの;LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等の特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの等が挙げられる。特に、LiαNiβCoγAlδO2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)又はLiαNiβCoγMnδO2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)が好ましい。正極活物質は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記正極活物質を結着して一体化する正極結着剤としては、具体的には、上記負極結着剤と同様のものを用いることができる。正極結着剤としては、汎用性、低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。使用する正極結着剤の量は、正極活物質100質量部に対して、2~10質量部であることが好ましい。正極結着剤の含有量が2質量部以上であれば、活物質同士あるいは活物質と集電体との密着性が向上し、良好なサイクル特性を有し、10質量部以下であれば、活物質比率が向上し、正極容量を向上させることができる。
上記正極活物質層には、正極活物質のインピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子を用いることができる。
正極活物質が正極結着剤により一体とされた正極活物質層を支持する集電体は、正極活物質層と外部端子との導通を可能とする導電性を有するものであればよく、具体的には、上記負極に用いる集電体と同様のものを挙げることができる。
上記正極は、集電体上に、正極活物質と正極結着剤とを含む正極活物質層用材料を用いて作製することができる。正極活物質層の作製方法には、負極活物質層の作製方法と同様の方法を適用することができる。
[電解液]
電解液は、充放電時に正極負極においてリチウムの吸蔵放出を可能とするため、正極と負極を漬浸してリチウムイオンを溶解可能な非水系の有機溶媒に、電解質を溶解したものである。
電解液は、充放電時に正極負極においてリチウムの吸蔵放出を可能とするため、正極と負極を漬浸してリチウムイオンを溶解可能な非水系の有機溶媒に、電解質を溶解したものである。
上記電解液の溶媒は、電池の動作電位において安定であり、電池の使用環境において、電極を漬浸できるように低粘度であることが好ましい。かかる溶媒としては、具体的には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状炭酸エステル類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状炭酸エステル;プロピレンカーボネート誘導体;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル;などの非プロトン性有機溶媒を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の環状又は鎖状炭酸エステルが好ましい。
上記溶媒は、更に、フッ素化エーテル化合物を含むことが好ましい。フッ素化エーテル化合物は、ケイ素と親和性が高く、サイクル特性(特に容量維持率)を向上させる。フッ素化エーテル化合物は、フッ素化鎖状エーテル化合物でも、フッ素化環状エーテル化合物でもよい。これらは、鎖状エーテル化合物や環状エーテル化合物の一部の水素をフッ素で置換して得ることができる。
上記鎖状エーテル化合物としては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルブチルエーテル、プロピルブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルペンチルエーテル、エチルペンチルエーテル、プロピルペンチルエーテル、ブチルペンチルエーテル、ジペンチルエーテル等の鎖状モノエーテル化合物;1,2-ジメトキシエタン(DME)、1,2-ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、1,2-ジプロポキシエタン、プロポキシエトキシエタン、プロポキシメトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、ブトキシプロポキシエタン、ブトキシエトキシエタン、ブトキシメトキシエタン、1,2-ジペントキシエタン、ペントキシブトキシエタン、ペントキシプロポキシエタン、ペントキシエトキシエタン、ペントキシメトキシエタン等の鎖状ジエーテル化合物を挙げることができる。
環状エーテル化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2-メチルテトラヒドロピラン、3-メチルテトラヒドロピラン、4-メチルテトラヒドロピラン等の環状モノエーテル化合物;1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、2-メチル-1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、2-メチル-1,3-ジオキサン、4-メチル-1,3-ジオキサン、5-メチル-1,3-ジオキサン、2,4-ジメチル-1,3-ジオキサン、4-エチル-1,3-ジオキサン等の環状ジエーテル化合物を挙げることができる。
これらの中、安定性が良好なフッ素化鎖状エーテル化合物が更に好ましい。フッ素化鎖状エーテル化合物としては、
H-(CX1X2-CX3X4)n-CH2O-CX5X6-CX7X8-H
で表されるものが好ましい。式中、nは1、2、3又は4を示し、X1~X8は独立してフッ素原子又は水素原子を示す。但し、X1~X4の少なくとも1つはフッ素原子を示し、X5~X8の少なくとも1つはフッ素原子を示す。
H-(CX1X2-CX3X4)n-CH2O-CX5X6-CX7X8-H
で表されるものが好ましい。式中、nは1、2、3又は4を示し、X1~X8は独立してフッ素原子又は水素原子を示す。但し、X1~X4の少なくとも1つはフッ素原子を示し、X5~X8の少なくとも1つはフッ素原子を示す。
また、上記化合物に結合しているフッ素原子と水素原子の原子比(フッ素原子の総数)/(水素原子の総数)が1以上の化合物が好ましく、
H-(CF2-CF2)n-CH2O-CF2-CF2-H
で表されるものがより好ましい。式中、nは1又は2であることがより好ましい。
H-(CF2-CF2)n-CH2O-CF2-CF2-H
で表されるものがより好ましい。式中、nは1又は2であることがより好ましい。
電解液に含まれる電解質としては、リチウム塩が好ましい。リチウム塩としては、具体的に、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3、LiN(CF3SO2)2等を挙げることができる。
電解液中の電解質の濃度としては、0.01mol/L以上、3mol/L以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mol/L以上、1.5mol/L以下である。電解質濃度がこの範囲であると、安全性の向上を図ることができ、信頼性が高く、環境負荷の軽減に寄与する電池を得ることができる。
上記電解液は、式(1)で表される末端不飽和化合物(以下、末端不飽和化合物ともいう。)を含む。
この末端不飽和化合物は、電池の充放電に伴い負極活物質表面で不飽和結合がラジカルとなって、重合反応が進行して生成される重合体が、負極活物質を被覆し、重合体からなる均一な厚さの被膜を形成する。この重合体被膜は、リチウムイオンを透過させ、電解液の透過を阻害することから、負極活物質と電解液との反応を抑制し、反復される充放電による電池の容量の低下を抑制することができる。
式(1)中、A1はホウ素原子、窒素原子、又は、6員環を示す。6員環としては、ベンゼン環、シクロヘキシル基、複素環等であってもよいが、ベンゼン環を好ましいものとして挙げることができる。
R1~R3は、独立して直接結合、又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、該アルキレン基は不飽和二重結合、不飽和三重結合、オキシ基又は置換基を有していてもよい。R4~R6は、独立してビニル基又はエチニル基を示す。これらの中、特にエチニル基を有する末端不飽和化合物は充放電により負極活物質に均一な厚さの被膜を形成することができることから、好ましい。
式(1)で表される末端不飽和化合物としては、具体的には、1,3,5-トリエチニルベンゼン、1,3,5-トリビニルベンゼン、1,3,5-トリプロパルギルベンゼン、1,3,5-トリアリルベンゼン、トリエチニルアミン、トリビニルアミン、トリプロパルギルベンゼン、トリアリルアミン、ホウ酸トリエチニル、ホウ酸トリビニル、ホウ酸トリプロパルギルアミン、ホウ酸トリアリル等を挙げることができる。
電解液中の末端不飽和化合物の含有量は、負極活物質上に適切な厚さの被膜が形成される含有量を適宜選択することが好ましい。電解液中に含まれる末端不飽和化合物は、電池の初期の充放電及びそれに続く比較的早期の充放電において重合、あるいは、分解する。このため、電解液中に含まれる末端不飽和化合物量が過多であると、場合によっては充放電サイクルの早い段階において、末端不飽和化合物が重合、あるいは分解され、過剰な分解生成物が電極に付着することなどが起こり、その後の充放電サイクルにおけるリチウムイオンの吸蔵放出を阻害し、却って電池の放電容量を減少させ、あるいは、レート特性を悪化させることがある。末端不飽和化合物により形成される被膜のイオン導電性は、その中心に配置される式(1)におけるA1の極性により異なり、A1がベンゼン環等の極性が低い置換基であれば、電解液中の末端不飽和化合物の含有量は比較的低いことが好ましく、また、A1がリチウムイオンを配位させやすい窒素原子の場合、末端不飽和化合物の含有量は比較的高い濃度とすることができる。電解液中の末端不飽和化合物の濃度は、具体的には、A1がベンゼン環の場合、例えば0.05~1質量%程度とすることができ、A1が窒素原子の場合、例えば、0.5~5.0質量%程度とすることができる。
また、電解液中の末端不飽和化合物の含有量の上限は、充電終了時の電極間のインピーダンス(電荷移動抵抗)によって規定することもできる。具体的には、電解液中の末端不飽和化合物の含有量は、末端不飽和化合物を添加した場合の上記充電終了時の電極間のインピーダンスが、未添加の場合の概ね10倍未満となる量であることが、レート特性あるいは充放電特性を低下させないことから好ましい。
上記末端不飽和化合物が電解液中に上記範囲で含有されることにより、負極活物質粒子に形成される被膜の厚さを1~100nmとすることができる。被膜の厚さのより好ましい範囲は、5~50nm程度である。負極活物質上に形成される被膜の厚さは、電子顕微鏡による観察により測定することができる。
[セパレーター]
セパレーターは、正極及び負極の導通を抑制し、荷電体の透過を阻害せず、電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよい。セパレーターの材質としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系微多孔膜、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等を採用することができる。これらは、多孔質フィルム、織物、不織布等として用いることができる。
セパレーターは、正極及び負極の導通を抑制し、荷電体の透過を阻害せず、電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよい。セパレーターの材質としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系微多孔膜、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等を採用することができる。これらは、多孔質フィルム、織物、不織布等として用いることができる。
[セル外装体]
外装体としては、上記正極及び負極、セパレーター、電解液を安定して保持可能な強度を有し、これらの物質に対して電気化学的に安定で、水密性を有するものが好ましい。外装体の材質としては、具体的には、例えば、ステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、アルミニウム、シリカ、アルミナをコーティングしたラミネートフィルムを用いることができ、ラミネートフィルムに用いる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。これらは、1層又は2層以上の構造体であってもよい。
外装体としては、上記正極及び負極、セパレーター、電解液を安定して保持可能な強度を有し、これらの物質に対して電気化学的に安定で、水密性を有するものが好ましい。外装体の材質としては、具体的には、例えば、ステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、アルミニウム、シリカ、アルミナをコーティングしたラミネートフィルムを用いることができ、ラミネートフィルムに用いる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。これらは、1層又は2層以上の構造体であってもよい。
[二次電池]
上記二次電池の形状は、上記円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型、又は積層ラミネート型のいずれでもよい。
上記二次電池の形状は、上記円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型、又は積層ラミネート型のいずれでもよい。
上記二次電池の一例として、図1に示す積層ラミネート型二次電池11を挙げることができる。この積層ラミネート型二次電池は、銅箔等の金属からなる負極集電体2上に設けられた負極活物質層1を有する負極3と、アルミニウム箔等の金属からなる正極集電体5上に設けられた正極活物質層4を有する正極6とが、これらの接触を回避するポリプロピレン微多孔質膜からなるセパレーター7を介して対向配置され、これらがラミネート外装体8内に収納されている。ラミネート外装体内部には電解液が充填され、負極活物質層1と、正極活物質層4は電解液に浸漬され、活物質層が形成されていない部分の負極集電体に電気的に接続された負極端子9と、活物質層が形成されていない部分の正極集電体に電気的に接続された正極端子10とがラミネート外装体の外部へ引き出され、充放電時に、外部電源や、使用機器に接続されるようになっている。
以下に、本発明のリチウム二次電池を詳細に説明する。
[実施例1]
[リチウム二次電池の作製]
負極活物質として、ケイ素が非晶質酸化ケイ素(SiOx、0<x≦2)中に分散したケイ素系粒子表面に炭素被覆が形成されたケイ素系負極活物質を得た。ケイ素系負極活物質の、ケイ素、非晶質酸化ケイ素、炭素の質量比は29:61:10であった。この負極活物質と、負極用結着剤としてのポリイミドの前駆体であるポリアミック酸とを、90:10の質量比で計量し、それらをn-メチルピロリドンと混合して、負極スラリーとした。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布した後に乾燥し、さらに窒素雰囲気300℃の熱処理を行い、負極を作製した。
[リチウム二次電池の作製]
負極活物質として、ケイ素が非晶質酸化ケイ素(SiOx、0<x≦2)中に分散したケイ素系粒子表面に炭素被覆が形成されたケイ素系負極活物質を得た。ケイ素系負極活物質の、ケイ素、非晶質酸化ケイ素、炭素の質量比は29:61:10であった。この負極活物質と、負極用結着剤としてのポリイミドの前駆体であるポリアミック酸とを、90:10の質量比で計量し、それらをn-メチルピロリドンと混合して、負極スラリーとした。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布した後に乾燥し、さらに窒素雰囲気300℃の熱処理を行い、負極を作製した。
正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNi0.80Co0.15Al0.05O2)と、導電補助材としてのカーボンブラックと、正極用結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、90:5:5の質量比で計量し、それらをn-メチルピロリドンと混合して、正極スラリーとした。正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布した後に乾燥し、さらにプレスして、正極を作製した。
得られた正極の3層と負極の4層を、セパレーターとしてポリプロピレン多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない各正極集電体の端部を溶接し、負極活物質に覆われていない各負極集電体の端部を溶接し、さらに正極集電体の溶接箇所にアルミニウム製の正極端子を溶接し、負極集電体の溶接箇所にニッケル製の負極端子を溶接して、平面的な積層構造を有する電極素子を得た。
LiPF6を1モル/lの濃度で溶解したEC/DEC=30/70(体積比)からなるカーボネート系非水電解液を99.9質量部と、末端不飽和化合物として、式(2)で表されるトリエチニルベンゼン(化合物(A))を0.1質量部(電解液中の含有率:0.1質量%)とを混合し電解液を得た。
得られた電極素子を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルムで包み、内部に電解液を注液した後、0.1気圧まで減圧しつつ封止し、二次電池を作製した。
[充放電サイクル特性の評価]
得られたリチウム二次電池を60℃の恒温槽中で2.5Vから4.2Vの電圧範囲で重充放電を反復して行った。充放電サイクル100回目と、250回目の放電容量を測定した。初回の放電量に対する、100回サイクル後の放電容量比、250回サイクル後の放電容量比を算出し、容量維持率を得た。結果を表1に示す。
得られたリチウム二次電池を60℃の恒温槽中で2.5Vから4.2Vの電圧範囲で重充放電を反復して行った。充放電サイクル100回目と、250回目の放電容量を測定した。初回の放電量に対する、100回サイクル後の放電容量比、250回サイクル後の放電容量比を算出し、容量維持率を得た。結果を表1に示す。
[実施例2、3]
電解液中のトリエチニルベンゼンの含有量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製し、充放電サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
電解液中のトリエチニルベンゼンの含有量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製し、充放電サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
末端不飽和化合物として、トリエチニルベンゼンに替えて式(3)で示されるトリプロパルギルアミン(化合物(B))を1質量%含有する電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製し、充放電サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
末端不飽和化合物として、トリエチニルベンゼンに替えて式(3)で示されるトリプロパルギルアミン(化合物(B))を1質量%含有する電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製し、充放電サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
末端不飽和化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、充放電サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
末端不飽和化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、充放電サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
結果から、実施例のリチウム二次電池の60℃における充放電容量維持率は、比較例のリチウム二次電池と比較して高く、末端不飽和化合物を含有する電解液を用いた本発明のリチウム二次電池は充放電サイクル特性に優れたものであることが分かる。
本願は、2012年2月17日出願の特願2012-33129に記載した総ての事項を、その内容として含むものである。
本発明のリチウム二次電池は、電源を必要とするあらゆる産業分野、並びに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野にて利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器の電源、車両のモーター駆動用電源等に利用することができる。
Claims (11)
- 式(1)中、R1~R3が同一であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
- 式(1)中、R4~R6が同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
- 式(1)中、R4~R6がエチニル基であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池。
- 電解液が、炭酸エステル及びエーテル化合物から選ばれる何れか1種以上を含むことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のリチウム二次電池。
- 負極が、粒子状のケイ素系負極活物質を含む負極活物質層を有し、充放電に伴い粒子状のケイ素系負極活物質に前記不飽和化合物の重合体を含む被膜が形成されることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のリチウム二次電池。
- 式(1)中、R1~R3が同一であることを特徴とする請求項7記載のリチウム二次電池用電解液。
- 式(1)中、R4~R6が同一であることを特徴とする請求項7又は8に記載のリチウム二次電池用電解液。
- 式(1)中、R4~R6がエチニル基であることを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池用電解液。
- 炭酸エステル及びエーテル化合物から選ばれる何れか1種以上を含むことを特徴とする請求項7から10の何れかに記載のリチウム二次電池用電解液。
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JP2010205474A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Sanwa Yuka Kogyo Kk | 非水電解液及びそれを備えたリチウムイオン二次電池 |
WO2013024648A1 (ja) * | 2011-08-17 | 2013-02-21 | 日本電気株式会社 | 非水電解液二次電池 |
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- 2013-02-14 WO PCT/JP2013/053536 patent/WO2013122145A1/ja active Application Filing
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