WO2013080607A1 - シリコン端材の再利用方法及びその精製物 - Google Patents

シリコン端材の再利用方法及びその精製物 Download PDF

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Abstract

 多結晶シリコンインゴットの上面、側面及び底面を切断して、多結晶シリコンブロックを得ると共に、シリコン端材としての上面端材、側面端材及び底面端材を得る切断工程、及び前記上面端材を、前記底面端材とは異なる工程で、上面端材精製物に精製する精製工程を含み、原料シリコンとして、前記上面端材精製物及び前記底面端材を使用するシリコン端材の再利用方法。

Description

シリコン端材の再利用方法及びその精製物
 本発明は、シリコン端材の再利用方法及びその精製物に関する。具体的には、低コストなシリコン端材の再利用方法、並びに、前記再利用方法により得られる原料シリコン、多結晶シリコン材料及び多結晶シリコン太陽電池に関する。
 昨今、地球規模での環境問題に対して、再生可能エネルギーが注目を浴び、その中でも太陽電池は大きな注目を集めている。太陽電池には、バルク系、薄膜系、色素増感系等の幾つかの種類が存在する。その中でも、多結晶シリコンウェハを用いた多結晶シリコン太陽電池が最もコストパフォーマンスが高く、一番大きな市場を占めている。また、さらなる普及促進のために、低価格化が求められている。
 シリコン結晶系太陽電池としては、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)等のIII族元素が少量添加されたp型シリコンの表面にP(リン)等のV族元素の拡散等によりn型層を形成させた、pn接合タイプが最も一般的である。その他にも、P等のV族元素が少量添加されたn型シリコンの表面にB、Ga等のIII族元素の拡散等によりp型層を形成させたもの、p或いはn基板上に薄膜成長によりn、p型層をそれぞれ成長させたもの、或いはn型シリコンの裏面側にn+、p+領域を形成し、電極を裏面側に集めた構造のもの等の、様々な構造の太陽電池が存在する。
 太陽電池に用いられる多結晶シリコンの作製方法としては、一部シリコンリボンや球状シリコン等があるものの、その大部分については、一般的にキャスト法と呼ばれる方法が用いられている。キャスト法では、シリカや黒鉛等の坩堝中でシリコンの融液を保持し、その後坩堝底から上面まで、一方向凝固させることで、多結晶シリコンインゴットを作製する。
 インゴットは一般的にはバンドソーにより、凝固方向の上面部分、側面部分及び底面部分を切除し、所定サイズの角柱形状のブロックに加工される。次に、ワイヤーソーでブロックをスライスし、ウェハとなる。その他にも、多結晶シリコンウェハに代わるものとして、シリコンの融液から黒鉛製のダイやワイヤー等を利用したり、下地板上に成長させる方法で、直接作製したリボン状の多結晶シリコン(以下、シリコンリボンとも称する)も知られている。また、シリコン融液の液滴を不活性ガス中で坩堝から落下させて作製した、球状の多結晶シリコン(確率的に単結晶粒も含む。以下、球状シリコンとも称する)も知られている。多結晶シリコン太陽電池(セル)はこのようにして得られた多結晶シリコンウェハ、シリコンリボンおよび球状シリコン等を太陽電池プロセスに投入することで作製される。また、太陽電池モジュールは太陽電池セルをモジュール化することで作製される。
 前記ブロックへの加工の際、上面端材、側面端材及び底面端材の3種類の端材が発生する。これら端材の重量を合計すると、切断前の多結晶シリコンインゴットの約20~35%程度を占めるため、これら端材をいかに低コストで再利用できるかということが、多結晶シリコンインゴットの低価格化のためには非常に重要である。
 本願と同一出願人による日本特許第4689373号公報(特許文献1)には、シリコン塊を切断して得られた、表面にSiCが粒子状に付着したシリコン端材の再利用方法が開示されている。この再利用方法では、シリコンインゴットから切断除去された、表面にSiCが粒子状に付着した、上面端材、側面端材及び底面端材の表面を切削後、加熱溶融することで得られた溶融シリコンから凝固偏析によりSiC粒子を除去し、不純物を低減する工程を含んでいる。
日本特許第4689373号公報
 前記のとおり、特許文献1では、シリコンインゴットから切断除去された、表面にSiCが粒子状に付着した、上面端材、側面端材及び底面端材を区別なく同一のプロセスで再利用する方法が提案されている。前記3種類のシリコン端材は、シリコンインゴットの成長方向や坩堝との位置関係により、内部に含まれる金属不純物濃度、SiC等の異物量という点で、大きな差があるものと考えられる。従って、特許文献1に記載のシリコン端材の再利用方法は、端材の種類によっては、過剰なプロセスとなっており、多結晶シリコンインゴットの低コスト化に向けて最適化出来ていないという問題があった。
 本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、多結晶シリコンインゴット端材の低コストな再利用方法を提供することを課題とする。また本発明により多結晶シリコン太陽電池セル及び太陽電池モジュールを低価格化で市場に投入し、太陽電池セル及び太陽電池モジュールをさらに普及させることを課題とする。
 本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、上面端材を、底面端材とは異なる工程で、上面端材精製物に精製する精製工程を含むシリコン端材の再利用方法が、低コストで再利用可能であることを見出し、本発明を行うに至った。
 かくして、本発明によれば、
 多結晶シリコンインゴットの上面、側面及び底面を切断して、多結晶シリコンブロックを得ると共に、シリコン端材としての上面端材、側面端材及び底面端材を得る切断工程、及び
 前記上面端材を、前記底面端材とは異なる工程で、上面端材精製物に精製する精製工程を含み、
 原料シリコンとして、前記上面端材精製物及び前記底面端材を使用するシリコン端材の再利用方法が提供される。
 また、本発明によれば、上記の切断工程及び精製工程を含む製造方法により得られる高品質な原料シリコンが提供される。
 また、本発明によれば、上記の原料シリコンを用いて製造される高品質な多結晶シリコン材料が提供される。
 ここで、本明細書において「多結晶シリコン材料」は、精製され製造された原料シリコンを原料として製造される「多結晶インゴット」、その「多結晶インゴット」を加工して得られる「多結晶シリコンブロック」、その「多結晶シリコンブロック」を加工して得られる「多結晶シリコンウェハ」、精製され製造されたシリコンを原料として製造される多結晶の「シリコンリボン」及び精製され製造されたシリコンを原料として製造される多結晶の「球状シリコン」等を意味する。
 また、本発明によれば、上記の多結晶シリコン材料を用いて製造される高品質な多結晶シリコン太陽電池が提供される。
 ここで、本明細書において「太陽電池」は、「太陽電池セル」及び「太陽電池モジュール」を意味する。従って、例えば、「多結晶シリコン太陽電池」と記載されたものがあれば、それは「多結晶シリコン太陽電池セル」及び「多結晶シリコン太陽電池モジュール」を含む意味となる。
 上面端材、側面端材及び底面端材について、金属不純物量、SiC、SiN等の異物量を詳細に検討したところ、
     上面端材 >> 側面端材 > 底面端材
であることがわかった。
 このため、特に純度の低い上面端材を別途、底面端材とは異なった工程を経て、上面端材精製物に精製することで、過剰なコストを抑え、再利用方法の低コスト化を実現することができる。
 また、本発明のシリコン端材の再利用方法を用いることで、多結晶シリコンインゴットの製造が低コストで可能となる。
 さらに、多結晶シリコンインゴットから作製されるブロック、ウェハ、太陽電池セル及び太陽電池モジュールを低コスト化することが可能となり、太陽電池の普及を加速することができる。
 また、本発明のシリコン端材の再利用方法で製造した原料シリコンは、シリコンリボンや球状シリコン等を製造する際のシリコン融液の原料としても利用可能であり、シリコンリボン、球状シリコン太陽電池等も多結晶シリコンウェハと同様に低コスト化が可能である。
 また、本発明によれば、原料シリコンとして、上面端材精製物、側面端材及び底面端材を使用することで、より低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。
 また、本発明によれば、精製工程が、
 上面端材を溶融させたシリコン融液に精製塊支持体を浸漬させ、精製塊支持体の表面に上面端材精製物として精製塊を析出させる精製塊製造工程を含む場合、
 上面端材を一方向凝固させて多結晶シリコン塊を作製する一方向凝固工程、及び多結晶シリコン塊から不純物の濃縮部を除去して上面端材精製物を製造する濃縮部除去工程を含む場合、
上面端材精製物中の不純物量をより低減することができ、より低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。
 また、本発明によれば、切断工程が、さらに、上面端材の上面を切削する工程を含む場合、上面端材中に含まれる不純物量をより低減することができ、より低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。
 また、本発明によれば、方法が、さらに、底面端材及び/又は側面端材の表面を、洗浄及び/又は切削する工程を含む場合、底面端材及び/又は側面端材中に含まれる不純物量の低減がより容易となり、より低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。
 また、本発明によれば、多結晶シリコンインゴットが、シリコンを一方向凝固させて製造される場合、シリコン端材中に含まれる不純物量をより容易に低減することができ、より低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。
 本発明の切断工程及び精製工程を含む製造方法により、高品質で低コストな原料シリコンを提供することができ、前記のような原料シリコンから、高品質で低コストな多結晶シリコン材料を提供することができ、前記のような多結晶シリコン材料を含む、高品質で低コストな多結晶シリコン太陽電池を提供することができる。
本発明の再利用方法の工程を示す図である。 本発明の切断工程を示す図である。 本発明の精製塊製造工程を示す図である。 本発明の一方向凝固工程及び濃縮部除去工程を示す図である。 本発明の多結晶シリコン太陽電池セルの製造工程を示す図である。 本発明の多結晶シリコン太陽電池モジュールを示す図である。
 本発明のシリコン端材の再利用方法は、
 多結晶シリコンインゴットの上面、側面及び底面を切断して、多結晶シリコンブロックを得ると共に、シリコン端材としての上面端材、側面端材及び底面端材を得る切断工程、及び
 前記上面端材を、前記底面端材とは異なる工程で、上面端材精製物に精製する精製工程を含み、
 原料シリコンとして、前記上面端材精製物及び前記底面端材を使用することを特徴とする。
 ここで、多結晶シリコンインゴットは、原料となるシリコンを一方向に向けて多結晶化(凝固)させることにより製造される。このため、本発明において、前記の上面、側面及び底面とは、多結晶シリコンインゴット内の一方向凝固、即ち、結晶の成長方向(多結晶化が順次起こっていく方向)の上面、側面及び底面を意味する。
 また、多結晶シリコンインゴットの上面端材、側面端材及び底面端材とは、それぞれ、前記のような上面、側面及び底面を含むシリコン端材を意味する。また、シリコン端材とは、上面端材、側面端材及び底面端材からなる表面端材を意味する。
 本発明の再利用方法は、多結晶シリコンインゴットの上面、側面及び底面を切断して、多結晶シリコンブロックを得ると共に、シリコン端材としての上面端材、側面端材及び底面端材を得る切断工程を含む。この工程により、多結晶シリコンインゴットから太陽電池で使用することができる多結晶シリコンブロックと、不純物を含むシリコン端材とに切断することができる。また、含まれる不純物量は上面端材が最も多く、側面端材、底面端材の順に少なくなっている。
 また、本発明の方法は、上面端材を、底面端材とは異なる工程で、上面端材精製物に精製する精製工程も含む。このため、前記のような上面端材のみを、底面端材とは別に精製することで、シリコン端材の全てを精製した場合と比べて、格段に精製コストを抑制することができる。よって、再利用方法全体の低コスト化を実現することができる。
 さらに、本発明の切断工程及び精製工程を含む製造方法により原料シリコンが得られる。よって、原料シリコンとして、不純物濃度の比較的少ない上面端材精製物及び底面端材を多結晶シリコンインゴット等の多結晶シリコン材料の製造に使用することで、シリコン端材の再利用、即ち、有効活用を図ることができる。また、その結果、従来の方法、即ち、上面端材、底面端材を共に精製する場合と比べて、シリコン原料をより低コストで提供することもできる。
 また後述する通り、側面端材についても、底面端材同様、原料シリコンとして利用することが、コスト面からより好ましい。但し、側面端材の上部は、上面端材と同等の純度であるため、上面端材部分の純度や求められる原料シリコンの仕様等によっては、上面端材同様の処理が必要となることもある。或いは、側面端材の上部をその他の部分と分離し、上部部分は上面端材と同様に処理し、その他の部分は底面端材と同様、原料シリコンとして利用することも可能である。
 従って、本発明によれば、低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。その結果、原料シリコン、多結晶シリコン材料及び多結晶シリコン太陽電池のような、高品質なシリコン製品を安価に提供することもできる。
 以下、シリコン端材の再利用方法及びその用途についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
<多結晶シリコンインゴット>
 原材料として使用する多結晶シリコンインゴットは、公知の方法によって得ることができる。本発明において、多結晶シリコンインゴットはシリコンを一方向凝固させて製造されることが好ましい。具体的には、原料となるシリコンを溶融させ、次いで得られた融液を一方向に凝固させることにより得ることができる。
 また、上面端材の精製による太陽電池特性向上効果が高いため、冶金法によって精製されたシリコンから製造される多結晶シリコンインゴットがより好ましい。ここで、冶金法とは、シリコンおよび不純物の金属学的な特性を利用して精製を行う精製方法を意味する。この場合、冶金法によって精製されたシリコンで製造された多結晶シリコンインゴットは、一般的に、気相法によって精製されたポリシリコンよりも不純物濃度が高い。さらに、底面端材及び側面端材の2つと、上面端材との不純物濃度の差が顕著なため、本発明の効果がより高い。
 この方法によれば、シリコンを溶融させてシリコン融液を製造し、次いでシリカ、黒鉛等からなる坩堝に、例えば側面ヒータを設置し、坩堝を徐々に降下させ、シリコン融液を底部から冷却していくことで、底面から上面に向けて徐々に凝固させることができる(一方向凝固工程)。不純物の偏析効果により、下部(底面)に近いほど結晶成長中の不純物取り込み量は少なく、上部(上面)に近いほど不純物取り込み量が多くなる。このため、多結晶シリコンインゴットは結晶成長方向の上面に、比較的不純物の含有量の多い部分を有する。
 他方、多結晶シリコンインゴットはその表面にSiCが粒子状に付着していないことが好ましい。この場合、多結晶シリコンインゴットから得られるシリコン端材の不純物含量を低減することにより、再利用方法の低コスト化を図ることができる。
<切断工程>
 切断工程において、多結晶シリコンインゴットの結晶成長方向の上面、側面及び底面から、それぞれ上面端材、側面端材及び底面端材を切断することにより、不純物を比較的多く含むシリコン端材と、太陽電池のシリコン部材として使用し得る多結晶シリコンブロックとに切断することができる。
 具体的に、図2を用いて、多結晶シリコンインゴットから底面端材、側面端材及び上面端材が発生する切断工程について説明する。
 まず、図2のように、多結晶シリコンインゴットを、エポキシ系樹脂等からなるボンドで固定し、大型バンドソーで、所望のサイズに縦方向に切断する。一般的には156mm角、126mm角が現在の主流である。その際、側面部分から側面端材が発生する。図から明らかなように、この場合、側面端材の底面側、側面側下部は固定用のボンドが付着している。
 次いで、切り出した角柱を取り出し、図2のように、小型バンドソーで、インゴットの底面側及び上面側を、仕様で定められた所定量に切断する。ここで、それぞれ底面端材及び上面端材が発生する。図から明らかなように、底面端材の底面側には固定用のボンドが付着している。ボンドは高温にして柔らかくなったところで、へらである程度除去することができる。
 ここで、上面端材にはボンドは付着しない。しかしながら、上面端材の上面側はSiCやSiN等の異物を多く含んでいる可能性があるため、サンドブラスト等により切削することが好ましい。
 よって、切断工程が、さらに、上面端材の上面を切削する工程を含むことが好ましい。この場合、上面端材中に含まれる不純物量をより低減することができる。その結果、本発明によれば、より高品質で低コストなシリコン端材の再利用方法を提供することができる。
 また、切削方法としては、グラインダー研磨やサンダー研磨といった方法、SiC砥粒等を吹付けて削る方法等も挙げられる。また、削る手段は乾式法に限られたものではなく、例えば、酸又はアルカリといった溶液でエッチングする湿式法や、CF4、CF2Cl2、CF3Cl、C26等のガスによるプラズマ・エッチング法も挙げられる。切削工程では、表面に付着した介在物や不純物を数μm(例えば3μm位)~数mm(例えば5mm位)切削することもできる。
 また、シリコン端材を以下の工程で使用するために、これらを、ジョークラッシャー等の粉砕機を用いて破砕していてもよい。この場合、シリコン端材の溶融等の工程時間を短縮することができ、その結果、再利用方法のより低コスト化を図ることもできる。
<精製工程>
 底面端材は前述の通り、上面端材と比較して含有不純物量、含有異物量が大幅に少ないため、凝固偏析工程を経ることなく原料シリコンとして再利用することができる。上面端材は従来通り、原料シリコンとして使用可能な上面端材精製物に精製されることが好ましい。このように、底面端材の凝固偏析工程を省略したため、従来の方法と比較して、再利用方法のコストを低減することができる。
 側面端材についても、上面端材同様、凝固偏析工程を経ることなく原料シリコンとして再利用することがコスト面からはより好ましい。但し、側面端材の上部側は実質的には上面端材と同一のものであるため、元のインゴット製造の際の原料シリコンの純度、求められる原料としての純度等によっては、上部端材同様、凝固偏析を行う必要がある場合もある。或いは、側面端材の上部部分のみを分離し、分離した上部部分のみ凝固偏析工程へ、残りの部分を凝固偏析工程を経ることなく原料シリコンとして再利用することも考えられる。
 この工程では、公知の凝固偏析法を行うことができる。また、製造コストをより低減することができるため、精製工程としては、シリコン融液に精製塊支持体を浸漬して精製塊を製造する方法(精製塊製造工程)及び一方向凝固後、不純物の濃縮部を除去する方法(一方向凝固工程及び濃縮部除去工程)が好ましい。製造コストを低減することができる限り、精製塊製造工程、又は一方向凝固工程及び濃縮部除去工程のいずれか1工程を使用してもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
 また本発明のシリコン端材の再利用方法は、上面端材と底面端材とは異なる工程で再利用するシリコン端材の再利用方法である。前述のとおり、底面端材は、上面端材と比較して、金属不純物量、SiC、SiN等の異物量が極端に少なく、凝固偏析による不純物除去はオーバースペックである。よって、底面端材については、この工程を省略することにより大幅にコストを低減することができる。また前記の通り、側面端材についても、部分的でも底面端材同様に処理することでさらにコストの低減が可能となる。シリコン端材の再利用方法の工程について、図1にまとめる。
 以下、これらの工程について具体例を挙げて詳説する。
 具体例における条件の数値範囲は、一例であり、原料のスケールや使用する装置の仕様などにより異なり、適宜設定することができる。
<精製塊製造工程>
 精製工程は、上面端材を溶融させたシリコン融液に精製塊支持体を浸漬させ、精製塊支持体の表面に上面端材精製物として精製塊を析出させる精製塊製造工程を含むことが好ましい。この工程では、溶融シリコンに浸漬された精製塊支持体は、その外表面がシリコンの融点1414℃よりも低い温度となるように冷却され、精製塊支持体の外表面上に精製塊として精製シリコン(上面端材精製物)が析出する。また、所定の量だけ溶融シリコンが析出するように冷却ガス流量を制御することもできる。この場合、精製シリコンが析出する際に、偏析効果により精製塊支持体の外表面に析出した精製シリコン中に含まれる不純物量は著しく減少する。従って、この工程により高純度の精製シリコンを得ることができる。
 一例を挙げれば、まず図3に示すとおり、原料シリコン400kgを坩堝中に投入し、ヒータ温度を、好ましくは1450~1800℃、より好ましくは1500~1650℃、さらに好ましくは1600℃程度で十分加熱し、原料シリコンを融解させる。
 具体的なヒータ温度(℃)は、例えば、1450、1500、1525、1550、1575、1600、1625、1650、1700、1750、1800である。
 その後、シリコン融液を、シリコンの融点の、好ましくは+5~+30℃、より好ましくは+10~+20℃、さらに好ましくは+15℃程度に調整し、坩堝上部から黒鉛製の精製塊支持体を接触させる。精製塊支持体は中空構造で直径約250mmの半球型のものを用い、精製塊支持体を冷却するため、内部に低温の窒素ガスを循環させることが好ましい。また、坩堝内を攪拌することもできる。
 精製塊製造時に、精製塊支持体をシリコン融液に浸漬させる深さは、精製塊支持体の大きさによるため一概には言えないが、出来る限り深くまで浸漬する方が精製塊の成長速度を速くでき、効率的である。但し、余り深くまで浸漬すると、精製塊支持体とその上部部品との間の凹凸部や隙間等に、シリコン融液が偏析せずに付着する可能性があるため、注意する必要がある。
 従って、精製塊支持体の浸漬深さは、精製塊支持体の鉛直方向の長さを100として、好ましくは50~100、より好ましくは80~99、さらに好ましくは96程度が適当である。
 具体的な精製塊支持体の浸漬深さは、例えば、50、60、70、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100である。
 また精製塊支持体は、好ましくは20~200rpm、より好ましくは30~80rpm、さらに好ましくは40rpm程度の回転数で回転させ、シリコン精製物として精製塊を析出させる。
 具体的な回転数(rpm)は、例えば、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、125、150、175、200である。
 精製塊がおよそ12kgになったところで、融液から精製塊を引き上げ、精製塊を取り外した後、残りのシリコン融液量が160kgになるまで同様の工程を繰り返す。融液量が160kgになったところで当初からの減少分、約240kgの原料シリコンを坩堝中に投入し、シリコンの融解工程から同様のプロセスを繰り返す。
<一方向凝固工程及び濃縮部除去工程>
 精製工程は、上面端材を一方向凝固させて多結晶シリコン塊を作製する一方向凝固工程、及び多結晶シリコン塊から不純物の濃縮部を除去して上面端材精製物を製造する濃縮部除去工程を含むことも好ましい。この場合も、上面端材中の不純物を濃縮することにより、容易に高品質な原料シリコン(上面端材精製物)を回収することができる。
 この工程では、前記したような一方向凝固工程を同様に用いることができる。本工程の概略図を図4に示す。一例を挙げれば、内径830mm×830mm×高さ400mmの坩堝に投入原料を420kg投入し、真空引きしながら、ヒータにより、好ましくは600~1000℃、より好ましくは700~900℃、さらに好ましくは800℃程度まで加熱する。
 具体的な加熱温度(℃)は、例えば、600、650、700、725、750、775、800、825、850、875、900、950、1000である。
 その後、アルゴンガスを、好ましくは10~70L/分、より好ましくは20~50L/分、さらに好ましくは40L/分程度で導入し、チャンバ内圧が好ましくは50~100kPa、より好ましくは70~95kPa、さらに好ましくは90kPa程度となるように制御する。
 具体的なアルゴンガスの導入速度(L/分)は、例えば、10、20、25、30、35、40、45、50、60、70である。
 具体的なチャンバ内圧(kPa)は、例えば、50、60、70、75、80、85、90、95、100である。
 次に、ヒータ温度を、好ましくは1450~1600℃、より好ましくは1500~1580℃、さらに好ましくは1550℃程度まで加熱し、原料シリコンが全て融解するまで待つ。
 具体的なヒータ温度(℃)は、例えば、1450、1500、1525、1550、1575、1600である。
 その後、シリコンの融点の、好ましくは+5~+30℃、より好ましくは+10~+20℃、さらに好ましくは+15℃程度で、好ましくは5~60分間、より好ましくは20~40分間、さらに好ましくは30分間程度保持する。
 具体的な保持温度は、例えば、シリコンの融点の+5℃、+10℃、+15℃、+20℃、+25℃、+30℃である。
 具体的な保持時間(分)は、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60である。
 次いで、多結晶シリコンインゴットの成長レシピに従って、温度制御、坩堝位置制御を行う。具体的には、ヒータの出力傾向から凝固がインゴットの上面まで完了したことを確認した後、好ましくは1100~1300℃、より好ましくは1150~1250℃、さらに好ましくは1200℃程度で、好ましくは1~3時間、より好ましくは1.5~2.5時間、さらに好ましくは2時間程度、アニールを行い、冷却し、多結晶シリコン塊を取り出す。
 具体的なアニール温度は、例えば、1100、1150、1175、1200、1225、1250、1300である。
 具体的なアニール時間(時間)は、例えば、1.0、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5である。
 投入原料に含まれていた金属不純物やSiC、SiN異物はインゴット上面側に濃縮される(不純物の濃縮部)。インゴットの上部側の切断量は投入原料であった上面端材の純度や原料シリコンの仕様等によるため一概には言えないが、多結晶シリコンインゴット製造のための投入原料の不純物濃度が仕様以下になるように決めればよい。一例として、約25mmを切断除去する。他方、得られた精製物の側面及び底面を適量除去してもよい。
 ここで、上面端材の上面側は特にSiCやSiN等の異物を多く含んでいる可能性があるため、上面端材を溶融して得られたシリコン融液表面に浮遊異物が発生する可能性がある。このため、これら浮遊異物は精製塊表面に付着したり、一方向凝固の際も結晶中に含まれたりし、不純物低減効果が下がる。よって、多結晶シリコン塊から不純物の濃縮部を除去して上面端材精製物を製造することが好ましい。除去方法としては、これらをサンドブラスト等により切削することもできる。
<底面端材及び/又は側面端材>
 底面端材及び/又は側面端材の付着物や不純物の含量が少ない場合、洗浄や切削をすることなく、これらを多結晶シリコンインゴット製造用の原料シリコンとしてそのまま使用することができる。
 他方、再利用方法は、さらに、底面端材及び/又は側面端材の表面を、洗浄及び/又は切削する工程を含むことが好ましい。具体的には、多結晶シリコンインゴットを切断する際、底面側をボンド等で固定することが多い。この場合、底面端材の底面側や側面端材の下部側面、底面側にはボンド等が付着しているため、その部分の洗浄や切削を行うことが好ましい。洗浄及び切削をするための方法としては、当該分野で一般的に用いられる方法を用いることができる。
 例えば、中性洗剤のような洗剤を含む界面活性剤槽、水槽、エッチング槽等を用いて洗浄することができる。また、エッチング槽としては、例えばフッ酸と硝酸との混酸や、塩酸を水で適度に希釈した酸槽、水酸化ナトリウム等のアルカリを湯で適度に希釈したアルカリ槽等を挙げることができる。他方、これらは適宜、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
 また、切削の方法としては、サンドブラスト等を用いる公知の方法が挙げられる。さらに、上面端材の切削方法について記載したような方法を用いることもできる。
 なお、本発明において、「底面端材及び/又は側面端材」とは、底面端材、側面端材及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかを意味する。また、「洗浄及び/又は切削」についても同様である。
<原料シリコン>
 本発明の方法は、原料シリコンとして、前記のような上面端材精製物及び底面端材を使用(再利用)する。また、本発明の方法は、原料シリコンとして、前記のような上面端材精製物、側面端材及び底面端材を使用することが好ましい。前述の通り、側面端材については、底面端材同様に再利用できることが好ましいが、求められる純度が高い場合には、上面端材同様に凝固精製を行い、得られた側面端材精製物を原料シリコンとすることもできる。
 従って、具体的には、原料シリコンとして、前記のような上面端材精製物、側面端材精製物、側面端材、底面端材及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるシリコン材料を使用することも可能である。これらをシリコン原料として使用し、以下の結晶シリコン材料を製造することができる。
<結晶シリコン材料>
 本発明の結晶シリコン材料は、本発明の高純度シリコンを原料として製造される。具体的には、多結晶のシリコンインゴット及びブロック、多結晶のシリコンウェハ、シリコンリボン並びに球状シリコン等が挙げられる。これらは、公知の方法により製造又は加工することにより得られる。
 また、多結晶のシリコンブロックは、例えば、バンドソー等の公知の装置を用いて、多結晶シリコンインゴットにおいて坩堝材料等の不純物が拡散されているおそれのある表面部分を切断加工することにより得ることができる。また、必要に応じて、多結晶シリコンブロックの表面を研磨加工してもよい。
 さらに、多結晶のシリコンウェハは、例えば、マルチワイヤーソー等の公知の装置を用いて、本発明の多結晶シリコンブロックを所望の厚さにスライス加工することにより得ることができる。現状では170~200μm程度が一般的であるが、低コスト化のため徐々に薄型化の傾向にある。
 また、必要に応じて、多結晶シリコンウェハの表面を研磨加工してもよい。さらに、シリコンリボン及び球状シリコンも公知の方法により製造又は加工することにより得られる。
<シリコン太陽電池>
 本発明のシリコン太陽電池セルは、本発明の多結晶シリコン材料を用いて製造される。
 シリコン太陽電池セルは、例えば、本発明の多結晶シリコン材料を用いて、公知の太陽電池セルプロセスにより製造することができる。具体的には、公知の材料を用いて、公知の方法により、p型の不純物がドープされた多結晶シリコン材料の場合、n型の不純物を表面に拡散してn+型層を形成してpn接合を形成し、表面電極及び裏面電極を形成してシリコン太陽電池(太陽電池セル)を得る。球状シリコンの場合には、セルプロセスは若干複雑ではあるが、公知の方法により太陽電池セル製造が可能である。
 本発明において、「太陽電池」とは、最小ユニットを構成する「太陽電池セル」及びその複数個を電気的に接続した「太陽電池モジュール」を意味し、太陽電池モジュールは、公知の方法により太陽電池セルの複数個を電気的に接続して得ることができる。
 以下、図5(a)~図5(i)を用いて、多結晶シリコンウェハの場合を例に、多結晶シリコン太陽電池セル形成工程について説明する。また、本発明においては、多結晶シリコン太陽電池は、多結晶シリコン太陽電池セルとその他の部材とによって構成される多結晶シリコン太陽電池モジュールも含む。
 まず、図5(a)に示すように、前記のようにして作製したp型の多結晶シリコンウェハ11を準備する。多結晶シリコンウェハ11の表面には、テクスチャエッチングを行うことによって形成されたテクスチャ構造(図示せず)が形成されていてもよい。
 次に、図5(b)に示すように、多結晶シリコンウェハ11の表面に、PSG(リンシリケートガラス)液41を塗布する。
 次に、PSG液41の塗布後の多結晶シリコンウェハ11を加熱することによってPSG液41から多結晶シリコンウェハ11にリンを拡散させることにより、図5(c)に示すように、多結晶シリコンウェハ11の受光面側となる表面にn+層42を形成する。このとき、n+層42上にはPSG膜41aが形成される。その後、図5(d)に示すように、リンの拡散の際に形成されたPSG膜41aを除去する。
 次に、図5(e)に示すように、多結晶シリコンウェハ11のn+層42上に例えば窒化シリコン膜等の反射防止膜43を形成する。
 次に、図5(f)に示すように、多結晶シリコンウェハ11の裏面側となる表面(裏面)にアルミニウムペースト44aを塗布する。そして、アルミニウムペースト44aの塗布後の多結晶シリコンウェハ11を焼成することにより、アルミニウムペースト44aからアルミニウムを多結晶シリコンウェハ11の裏面に拡散させて、図5(g)に示すように、多結晶シリコンウェハ11の裏面にアルミニウム電極44とp+層45とを同時に形成する。
 次に、図5(h)に示すように、反射防止膜43の表面上に銀ペースト46aを塗布するとともに、多結晶シリコンウェハ11の裏面上に銀ペースト47aを塗布し、その後焼成する。これにより、図5(i)に示すように、n+層42と電気的に接続する表面電極としての銀電極46が形成されるとともに、多結晶シリコンウェハ11の裏面と電気的に接続する銀電極47が形成され、多結晶シリコン太陽電池セル40が作製される。
<多結晶シリコン太陽電池モジュール>
 図6に、多結晶シリコンウェハの場合を例に、本発明の多結晶シリコン太陽電池モジュールの模式的な断面図を示す。図6に示す多結晶シリコン太陽電池モジュールは、前記のようにして作製された多結晶シリコン太陽電池セル40の複数が電気的に直列に接続することによって形成されている。
 すなわち、隣り合うようにして配置された、一方の多結晶シリコン太陽電池セルの受光面側の表面電極である銀電極46と、他方の多結晶シリコン太陽電池セルの裏面側の銀電極47とが、それぞれ、インターコネクタと言われる導電性部材51によって電気的に接続されることにより、これらの多結晶シリコン太陽電池セルが電気的に直列に接続されて太陽電池ストリングを構成している。
 そして、前記の太陽電池ストリングが、透明基板52と、保護シート53との間に設置された封止材54中に封止されることによって多結晶シリコン太陽電池モジュールが作製される。ここで、透明基板52としては、例えばガラス基板等を用いることができる。また、保護シート53としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を用いることができる。さらに、封止材54としては、例えばEVA(エチレンビニルアセテート)等の透明樹脂等を用いることができる。
 本発明によれば、多結晶シリコンインゴット端材の低コストな再利用方法を提供することができる。このため、多結晶シリコン太陽電池セル及び太陽電池モジュールを低価で市場に投入し、太陽電池セル及び太陽電池モジュールをさらに普及させることができる。
(実施例1及び比較例1)
 本発明の実施例1及び比較例1として、底面端材、側面端材に関しては、(i)表面を3mmサンドブラスト(切削)したもの、(ii)中性洗剤で表面洗浄したものの2種類について、(a)そのまま原料として投入したもの、(b)精製塊を製造し、原料として投入したものの2種類の多結晶シリコンインゴットを作製した。得られた多結晶シリコンインゴットから、前記ブロック加工、スライス加工により、多結晶シリコンウェハを得、太陽電池プロセスに投入して太陽電池の特性を評価した。
 また上面端材に関しては、(i)上面側3mmサンドブラスト品と(iii)無処理品の2種類について、(a)そのまま原料として投入したもの、(b)精製塊を製造し、原料として投入したもの、及び(c)一方向凝固後上面側25mmを除去した後、原料として投入した多結晶シリコンインゴットの、計6種類を作製し、前記同様、太陽電池の特性を評価した。比較例1は上面端材を(a)そのまま原料として投入したものである。
 結果をまとめて表1に示す。表1には、各インゴットから得られたウェハ全数から太陽電池を作製した時の平均出力の相対値を挙げる。ここでは、上面端材を3mmサンドブラストし、精製塊を製造した後、原料として投入した多結晶シリコンインゴットのデータを100とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1から、本実施例では底面端材、側面端材に関しては、そのまま原料として投入した場合と、一旦溶融し精製塊を製造してから原料として投入した場合で、ほとんど特性の差が見られないことがわかる。従って、これら端材の再利用に際し、一旦溶融し、凝固偏析を行うことはオーバースペックであり、精製工程を省略することで大幅な低コスト化が可能となる。但し、上面端材に関しては凝固偏析による不純物低減効果は大きく、本工程を省略することはできない。
 実施例1及び比較例1では、側面端材についても底面端材と同プロセスで処理してもほぼ底面端材と同等の特性が得られるという結果が得られたが、いつも同じ結果になるとは限らず、注意が必要である。これは、側面端材の上面側の純度の影響を受ける可能性があるためであり、純度がよくない場合には、上面端材と同等のプロセスで再利用することが好ましい。或いは、側面端材を上部部分とその他の分割し、上部部分は上面端材同様の処理を行い、その他の部分は底面端材同様、凝固偏析を経ずに原料シリコンとして利用することも可能である。
 実施例1及び比較例1の評価結果より、本発明によれば、多結晶シリコンインゴット端材の低コストな再利用方法を提供することができる。本実施例では多結晶シリコン太陽電池モジュールの評価結果については示さなかったが、本発明により品質が同等の多結晶シリコン太陽電池セルの低コスト化が可能となれば、その多結晶シリコン太陽電池セルから作製される多結晶太陽電池モジュールが低コスト化できることは明らかであり、特性面で遜色のないモジュールを低価格で市場に供給することができる。
 a1 多結晶シリコンインゴット
 a2 側面端材
 a3 ボンド
 a4 上面端材
 a5 多結晶シリコンブロック
 a6 底面端材
 1  シリコン融液
 2  坩堝
 3  精製塊支持体
 4  精製塊
 b1 シリコン融液
 b2 坩堝
 b3 多結晶シリコン塊
 b4 不純物の濃縮部
 11  多結晶シリコンウェハ
 40  多結晶シリコン太陽電池セル
 41  PSG液
 41a PSG膜
 42  n+層
 43  反射防止膜
 44  アルミニウム電極
 44a アルミニウムペースト
 45  p+層
 46,47 銀電極
 46a,47a 銀ペースト
 51  導電性部材
 52  透明基板
 53  保護シート
 54  封止材

Claims (10)

  1.  多結晶シリコンインゴットの上面、側面及び底面を切断して、多結晶シリコンブロックを得ると共に、シリコン端材としての上面端材、側面端材及び底面端材を得る切断工程、及び
     前記上面端材を、前記底面端材とは異なる工程で、上面端材精製物に精製する精製工程を含み、
     原料シリコンとして、前記上面端材精製物及び前記底面端材を使用するシリコン端材の再利用方法。
  2.  原料シリコンとして、前記上面端材精製物、前記側面端材及び前記底面端材を使用する請求項1に記載の方法。
  3.  前記精製工程が、前記上面端材を溶融させたシリコン融液に精製塊支持体を浸漬させ、前記精製塊支持体の表面に前記上面端材精製物として精製塊を析出させる精製塊製造工程を含む請求項1に記載の方法。
  4.  前記精製工程が、前記上面端材を一方向凝固させて多結晶シリコン塊を作製する一方向凝固工程、及び前記多結晶シリコン塊から不純物の濃縮部を除去して前記上面端材精製物を製造する濃縮部除去工程を含む請求項1に記載の方法。
  5.  前記切断工程が、さらに、前記上面端材の上面を切削する工程を含む請求項1に記載の方法。
  6.  前記方法が、さらに、前記底面端材及び/又は前記側面端材の表面を、洗浄及び/又は切削する工程を含む請求項1に記載の方法。
  7.  前記多結晶シリコンインゴットが、シリコンを一方向凝固させて製造される請求項1に記載の方法。
  8.  請求項1に記載の切断工程及び精製工程を含む製造方法により得られる原料シリコン。
  9.  請求項8に記載の原料シリコンを用いて製造される多結晶シリコン材料。
  10.  請求項9に記載の多結晶シリコン材料を用いて製造される多結晶シリコン太陽電池。
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