WO2013047783A1

WO2013047783A1 - 洗浄機器用の濾過装置

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Publication number: WO2013047783A1
Application number: PCT/JP2012/075149
Authority: WO
Inventors: 勉畑山; 小嶋　健司; 具典内山
Original assignee: 株式会社東芝; 東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社; 東芝ホームアプライアンス株式会社
Priority date: 2011-09-30
Filing date: 2012-09-28
Publication date: 2013-04-04

Abstract

　本実施形態の洗浄機器用の濾過装置(11)は、洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けられる。この濾過装置(11)は、濾過ケース(14)と、コア部材(23)と、濾材(24)と、保持板(25)と、を備える。濾過ケース(14)は、一端に水の流入口(15)を有し、他端に水の流出口(16)を有する容器状の部材である。コア部材(23)は、濾過ケース(14)内のうち流入口(15)と流出口(16)との間に位置して収容され、筒状をなす周壁に複数の透孔(23a)を有する。濾材(24)は、布生地を筒状に巻いたものであり、コア部材(23)に保持される。保持板(25)は、濾材(24)を上方から覆うようにコア部材(23)の一端に支持され、濾過ケース(14)の流入口(15)からの水の流入方向と対向する表面を有する。この濾過装置(11)は、流入口(15)からの水を保持板(25)で受けた後、その水を濾材(24)の外周面側から中心側に向けて通すことで不純物を濾過する。

Description

洗浄機器用の濾過装置

　本発明の実施形態は、水中の不純物を濾過する洗浄機器用の濾過装置に関する。

　洗浄機器である洗濯機や食器洗浄機などは、例えば電磁式の給水弁を備える。この給水弁の入水口側には外部の水源（例えば水道水）が接続される。一般に、この種の給水弁の入水口側には金属製のフィルタが装着される。このフィルタは、例えば１インチ当たり６０メッシュ、目開き０．２４ｍｍ程度のメッシュ仕様の構成となっており、不純物の浸入を防止する。ところで、水源である水道水にも不純物が混入する場合がある。例えば、水道の配管や貯水タンクなどの給水設備を有する場合には、その老朽化に伴い、赤錆とも称される鉄錆が発生することがある。このように発生した鉄錆が混入すると、水道水が赤色に濁る場合がある。このような水道水は赤水とも称される。

　このような、鉄錆を含む水の使用は、当然、被洗浄物の汚れ、変色、あるいは、洗浄用の槽体や通水経路における錆の発生を誘発するなどのおそれがある。更には、鉄錆が給水弁の内部に堆積すれば動作不良を招くおそれもある。また、鉄錆の大きさは種々であり、例えば数μｍ程度の微細なものも水道水に多分に混入する場合がある。上記した給水弁が有する一般的なフィルタでは、この種の微細な不純物を濾過できない。

　また、節水のために外部水源として風呂水などの貯水源を利用すべく、給水ポンプを利用して給水し洗濯水として活用する場合も多い。この場合も、鉄錆などの不純物を含む水の使用は、被洗浄物の汚れや変色、更には洗浄用の槽体や通水経路における錆の発生を誘発するなどのおそれがある。しかも、鉄錆が給水弁の内部に堆積すれば動作不良を招くおそれもある。

　そこで、例えば特許文献１に開示されているように、例えば洗濯機が有する給水弁よりも上流側に、シート状の生地からなる濾材を有する濾過装置を設けた構成が提案されている。

　しかしながら、一般的に水を通して濾過する濾材としては、一枚のシート状の生地つまり一重のシート状の生地を使用することを基本としている。そのため、濾材の固定手段を簡易にしたり通水性を良くしたりすることができるものの、その反面、一枚のシート状の生地のみでは特に微細な不純物が通過しやすくなってしまう。また、フィルタのメッシュサイズが使用する生地材料のメッシュに特定されてしまい、不純物の濾過性能が生地材料によって制限される単調なものとなる。つまり、使用する生地材料によってメッシュが変化してフィルタ機能が安定化せず、更には、生地材料のメッシュサイズによっては早期に目詰まり状態となるおそれがある。

　一方、外部水源である風呂水などの貯水源から給水ポンプにより給水した水を洗濯水として活用すれば、節水することができ、また、温かい風呂水による良好な洗浄効果が期待できる。そのため、この種の給水ポンプを活用可能とする洗濯機も広く普及している。そして、風呂水の濾過手段として、例えば特許文献２に開示されているように、例えばサイクロン式分離器を活用するなどして不純物を除去する構成が提案されている。

　また、給水ポンプを活用する場合の給水経路の先端部に、フィルタ付の吸水口体を備え、この吸水口体を浴槽内に投入する構成も考えられている。しかしながら、この吸水口体のフィルタは、早期に目詰まりしないように、一般的には疎目の構成となっている。従って、十分な濾過性能を発揮することがでない。また、風呂水に含まれる不純物は、大きなものから微細なものまで多種多様である。そのため、安定した濾過機能を発揮することがでない。しかも、風呂水を使用すると洗濯物の黄ばみや不快な臭いの要因である雑菌が発生し易く、従って、風呂水を洗濯水として使用するには、更なる信頼性の向上が求められている。

　また、この種の濾過装置では、シート状の濾材が使用中に捕獲した鉄錆などの不純物により目詰まり状態となると、通水性能が通常より大きく低下する。そのため、濾過装置が所期の濾過性能を発揮するには、不純物の捕獲作用が不十分となる以前に、濾材が捕獲した不純物を例えば水洗いにより除去したり、あるいは、新規の濾材と交換したりするなどの処置が必要となる。そのため、濾過装置に対する濾材を容易に着脱でき、且つ、濾材を確実に取り付けて保持できる構成など、使用勝手を良くするための構成が求められている。

特開２０１１－９２３３０号公報特開２００５－１５２２１２号公報

　本実施形態の第１目的は、鉄錆などの種々の大きさの不純物の濾過に適用できるとともに、簡易な構成で安価な濾材で構成できる洗浄機器用の濾過装置を提供することである。
　本実施形態の第２目的は、鉄錆などの不純物を濾過するシート状の濾材を容易に着脱することができ、且つ、濾材を確実に取り付けて保持できるなど、使用勝手が良好な洗浄機器用の濾過装置を提供することである。

　本実施形態の洗浄機器用の濾過装置は、洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けられる。この濾過装置は、濾過ケースと、コア部材と、濾材と、保持板と、を備える。濾過ケースは、一端に水の流入口を有し、他端に水の流出口を有する容器状の部材である。コア部材は、濾過ケース内のうち流入口と流出口との間に位置して収容され、筒状をなす周壁に複数の透孔を有する。濾材は、布生地を筒状に巻いたものであり、コア部材に保持される。保持板は、濾材を上方から覆うようにコア部材の一端に支持され、濾過ケースの流入口からの水の流入方向と対向する表面を有する。この濾過装置は、流入口からの水を保持板で受けた後、その水を濾材の外周面側から中心側に向けて通すことで不純物を濾過する。

　また、本実施形態の洗浄機器用の濾過装置は、洗浄機器に外部から水を供給する給水経路中に設けられ、不純物を濾過する。この濾過装置は、濾過ケースと、コアユニットと、を備える。コアユニットは、樹脂製のコア部材と、保持板と、を備える。コア部材は、筒状をなし、一端側の開口が濾過ケースの流出口の周りに設置され、周壁に複数の透孔を有する。保持板は、コア部材の他端側の開口を覆うように一体的に結合され、且つ、濾過ケースの流入口と対向して配置される。この濾過装置は、コア部材の筒状の周壁に、当該コア部材の長手方向に延びるスリットを備える。そして、この濾過装置は、コア部材の周壁に巻きつけられたシート状の濾材の端部を、スリットに挿入して弾性的に挟持する。

第１実施形態による濾過装置がセットされた状態を示すものであり、（ａ）は濾過装置の上半部の構成を示す縦断面図、（ｂ）は使用状態における濾過装置の全体構成を示す縦断面図濾過装置を適用した洗濯機の外観斜視図濾過装置を含む給水経路の構成を示す分解斜視図濾過装置の分解斜視図（ａ），（ｂ）は濾材の巻き重ね手順を示す図変形例を示すものであり、（ａ）は保持板の外観斜視図、（ｂ）は保持板の縦断面図異なる変形例を示す図６相当図第２実施形態に係る図１（ｂ）相当図図４相当図その他の実施形態に係る図１（ｂ）相当図（その１）その他の実施形態に係る図１（ｂ）相当図（その２）（ａ），（ｂ），（ｃ）は、第３実施形態による濾過装置が有するコアユニットに対する濾材の被着手順の過程を示す斜視図図１２（ｃ）に示す状態を下面側から見た図コアユニットの斜視図（ａ）はコアユニットの側面図、（ｂ）は図１５（ａ）中のＡ－Ａ線に沿うコアユニットの断面図濾過装置の縦断面図図１６中のＢ－Ｂ線に沿う濾過装置の断面図濾過装置の分解斜視図濾過装置を二槽式洗濯機に適用した使用状態を示す外観斜視図第４実施形態を示すのもであり、（ａ）は図１４相当図、（ｂ）は底面図第５実施形態による図１４相当図変形例を示す図１４相当図その他の実施形態を示すものであり、濾過装置を自動型の脱水兼用洗濯機に適用した使用状態を示す外観斜視図その他の実施形態を示すものであり、濾過装置を配した給水経路の構成を示す分解斜視図第６実施形態による濾過装置と除菌装置の縦断面図濾過装置と除菌装置を適用した給水ポンプ内蔵の洗濯機の外観斜視図図４相当図除菌装置の分解斜視図洗濯機に内蔵された給水ポンプの周辺部分を拡大して示す部分断面図電気的構成を示すブロック図変形例を示す図２８相当図第７実施形態による図２５相当図図２６相当図

　以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
　　（第１実施形態）
　以下、濾過装置を洗浄機器である洗濯機に適用し外部水源として水道水を利用する第１実施形態について、図１から図５を参照して説明する。

　図２は、洗濯機に適用した濾過装置の使用状態を示す外観斜視図であり、この図面に示された洗濯機などの全般の構成について概述する。洗濯機１の外郭を形成する本体２は、大きなほぼ矩形箱状の外箱３と、その上面側を覆うように被着されたトップカバー４とから構成されている。このトップカバー４の前方部分には操作パネル５が備えられ、トップカバー４のほぼ中央部には図示しない洗濯物の投入口を開閉する蓋６が設けられている。トップカバー４は、この投入口を介して内部の図示しない槽体への洗濯物の出し入れを可能としている。更に、トップカバー４の後部には槽体に給水するための給水口７が上方に突出して設けられている。この給水口７に関する詳細は後述する。

　槽体は、一般的な構成として、撹拌体と、回転可能な多孔状の回転槽と、回転槽の周りに貯水可能に配置された水槽とから構成される。このような槽体を備えた洗濯機１は、基本的に、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程などの各行程を自動的に運転する機能を備えている。給水口７には、外部水源である水道栓８からの水を供給するために、ホース継手９、可撓性を有する給水ホース１０、および、詳しくは後述する水中の不純物を濾過する濾過装置１１が連通接続される。濾過装置１１は、いわゆる外部水源から給水口７に至る給水経路中に設けられた構成である。なお、水道栓８は、通常、「蛇口」とも称される。

　図３は、給水経路の一部の構成をより具体的に示す分解斜視図であり、特には濾過装置１１が備えられる給水経路の連結部分の構成を示している。まず、給水口７について説明すると、この給水口７は、トップカバー４から突出した円筒状をなしている。この給水口７の外周部には雄ねじ部７ａが一体に形成され、給水口７の内周部には金属製のフィルタ１２が装着されている。このフィルタ１２は、洗濯機１内部への不純物の浸入を防止する。なお、給水口７の外周部の基部には弾性を有する環状のパッキン１３が取り付けられている。このパッキン１３は、後述する濾過装置１１との連結部における水漏れを防止する。この給水口７は、トップカバー４の裏面側に設けられた図示しない給水弁の入水口側に直結している。あるいは、この給水口７は、給水弁の入水口側に一体に形成される。このように給水口７と連通する給水弁は、その出水口側から、槽体内に通じる内部給水経路を経て給水可能である。

　そして、濾過装置１１は、給水口７と給水ホース１０との間に連結されている。この濾過装置１１は、外観形状が径大な円筒状をなす濾過ケース１４と、濾過ケース１４の上部において濾過ケース１４よりも径小な円筒状をなす流入口１５と、濾過ケース１４の下部において濾過ケース１４よりも径小な円筒状をなす流出口１６と、を備えている。この濾過装置１１の下部側では、流出口１６と給水口７とが連結される。流出口１６の筒状の内周面には雌ねじ部１６ａが形成されており、この雌ねじ部１６ａには給水口７の雄ねじ部７ａがねじ込まれる。よって、過装置１１の下部側では、流出口１６と給水口７とが、これらねじ部７ａ，１６ａにより締結される。このとき、パッキン１３が圧縮されるから、流出口１６と給水口７とが水密に連結される。

　一方、濾過装置１１の上部側では、流入口１５の外周面に雄ねじ部１５ａが形成されている。これに対し、給水ホース１０の下端部に装着されたナット部材１７は、筒状の開口部を兼ねた雌ねじ部１７ａと、この雌ねじ部１７ａを一体に有する回動可能な摘み部１７ｂと、を備える。この雌ねじ部１７ａには濾過装置１１の上部の雄ねじ部１５ａがねじ込まれる。この場合、濾過装置１１を洗濯機１に連結した状態で、可撓性を有する給水ホース１０が備えるナット部材１７を雄ねじ部１５ａの上方に位置合わせし、さらに雄ねじ部１５ａと雌ねじ部１７ａとを締結する。この場合も、流入口１５の外周部の基部に取り付けられた弾性を有する環状のパッキン１８が圧縮されるので、流入口１５とナット部材１７とが水密状態で連結される。従って、濾過装置１１は、ねじ構成による結合部分において、水密で着脱可能な連結構成を実現している。

　次いで、上記のように給水経路中に連結された濾過装置１１の具体構成について、図１に示す濾過装置１１の縦断面図、および図４に示す濾過装置１１の分解斜視図に基づき説明する。図１（ａ）は、洗濯機１にセットした濾過装置１１の使用前の状態における上半部を示し、図１（ｂ）は、濾過装置１１の使用状態を示す全体図である。ここでは全体の構成を主として図１（ｂ）を参照して説明し、使用状態などの作用説明は後述する。まず、濾過ケース１４は、樹脂成形された二つの部材から構成されており、即ち、有底筒状で円筒容器状でもあるケース本体１９と、その上面を覆うように設けたキャップ２０と、で構成されている。なお、少なくともケース本体１９は透明な樹脂材料で形成されており、内部を透視可能としている。透明な樹脂材料としては、例えば、アクリルニトリルスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂などが使用される。

　ケース本体１９の底部中央には、ケース本体１９の底部から突出する流出口１６が一体に設けられている。また、ケース本体１９の底部中央において流出口１６とは反対側である内方側には、ケース本体１９の底部から突出する例えば円筒状の筒状壁部２１が一体に設けられている。この筒状壁部２１は、図１では上方に突出しており、流出口１６と同心となる位置に形成されている。この筒状壁部２１は流出口１６よりも径小であるため、筒状壁部２１と流出口１６との境界部に径方向内側に延びる段部が形成される。弾性を有するパッキン２２ａは、この段部に取り付けられる。よって、パッキン２２ａは、図３に示す給水口７に流出口１６が締結される際に、この給水口７の先端部と段部との間で圧縮される。ケース本体１９の上部には、例えば円筒状に開口する開口端が形成されている。この開口端の内周面には雌ねじ部１９ａが一体に形成されている。

　これに対し、キャップ２０は、ケース本体１９側が開口する皿形状をなす。キャップ２０の中央部には、図１では上方となる外方に突出した流入口１５が一体に設けられている。また、キャップ２０の外周端面にはケース本体１９の雌ねじ部１９ａにねじ込まれる雄ねじ部２０ａが一体に形成されている。これら雌ねじ部１９ａおよび雄ねじ部２０ａをパッキン２２を介して締結することで、ケース本体１９とキャップ２０とを水密に連結することができ、且つ、ケース本体１９とキャップ２０とを着脱可能な構成とすることができる。

　このように構成された濾過ケース１４内には、図１（ｂ）および図４に示すように、コア部材２３と、濾材２４と、保持板２５が組み込まれて収容されている。コア部材２３は、ケース本体１９の底部中央に立てられた状態で支持された円筒状の部材である。濾材２４は、コア部材２３の外側に保持された部材であり、水に含まれる不純物を除去する。保持板２５は、これらコア部材２３および濾材２４の上面を上方から覆うように装着された円盤状の部材である。なお、コア部材２３および濾材２４の上方とは、これらコア部材２３および濾材２４の真上のみを意味するものではなく、少なくともコア部材２３および濾材２４よりも高い位置であれば、真上から多少ずれた位置も含まれる。

　さらに具体的に説明すると、コア部材２３は、その周壁のほぼ全面にわたって、例えば格子状に複数の透孔２３ａが形成されている。コア部材２３は、複数の透孔２３ａにより通水性良好な構成となっている。この円筒形状のコア部材２３は、ケース本体１９の底部中央において突出する筒状壁部２１よりも若干径大に形成されている、コア部材２３は、筒状壁部２１に嵌合されることで、立った状態で筒状壁部２１により支持される。即ち、筒状壁部２１は、コア部材２３を、所定位置において着脱可能に且つ立った状態で支持する部材であり、いわゆる位置決め部材としても機能する。

　濾材２４は、コア部材２３の外周部に重ねて巻くことが可能な布生地であればよく、このような布生地としては、例えば、古着、不要となったシャツや肌着、ストッキング、タオルなどの生地全般が含まれる。濾材２４は、例えば比較的薄手の布生地を、図では高さ寸法となるコア部材２３の長さ寸法と同等の大きさに切り出して、これをコア部材２３に多層となるように巻き重ねたものである。濾材２４を形成する布生地の層数、つまり、布生地の巻き重ね回数は、例えば９層程度が考えられる。

　この濾材２４について、さらに図５（ａ），（ｂ）の濾材２４の巻き重ね手順を示す図を参照して述べる。即ち、図５（ａ）に示すように、濾材２４となる布生地を、コア部材２３の長さ寸法、換言すれば高さ寸法に沿う大きさ、および、巻き重ねに必要な全長に合わせて切断する。そして、切断した布生地を平坦状の適宜の台面上に広げた状態に用意する。そして、この布生地の始端側にコア部材２３を配置し、そのコア部材２３の外周面を布生地で包み込むように図中矢印方向に回動しつつ巻き付けていく。そして、さらにコア部材２３を回動させて巻き付けた布生地の上に、さらに幾重にも布生地を巻き重ねて多層状に巻装する。所定長の布生地を巻き終えた状態を図５（ｂ）に示す。濾材２４は、布生地同士を巻き重ねて形成されているので容易に剥がれることがなく、結果として、濾材２４は、芯材となるコア部材２３の周りに布生地を多層に巻装した状態で保持している。このように布生地の巻き重ねを行なう場合、布生地の一部がコア部材２３の上端部あるいは下端部から突出しないように、布生地の端面をコア部材２３の上端部および下端部に揃えながら巻き重ねていくことが好ましい。

　このように、濾材２４を多層に巻き重ねた状態に保持したコア部材２３は、図４の分解図に示すように、キャップ２０が取り外されて上面が開放されたケース本体１９の内部に収容される。具体的には、濾材２４の芯部を構成するコア部材２３の下端部を筒状壁部２１に嵌合させて保持する。このコア部材２３は、図１（ｂ）に示すように、筒状壁部２１との間に若干の隙間Ｓ１を有しているので、容易に嵌め込むことができる。これにより、濾材２４の容易な着脱性が得られる。また、例えば嵌合した濾材２４が容易に外れたり倒れたりしない状態で支持できるように、筒状壁部２１の高さ寸法が設計されている。

　この結果、コア部材２３を含む濾材２４を、所定の収容位置において安定して立った状態で保持することができる。この場合、濾材２４の直径の大きさは、円筒状の濾材２４の外周面とケース本体１９の内周面との間に十分な空間を確保できる大きさとなっている。また、筒状壁部２１の外周壁面とコア部材２３の下端部の内周面との間には隙間Ｓ１が生じる。但し、コア部材２３を含む濾材２４全体の重量により、コア部材２３の下端面がケース本体１９の内底面上に密接した状態となり、隙間Ｓ１がコア部材２３の下端部を通してコア部材２３の外方に連続することはない。

　このように、濾材２４およびコア部材２３からなる構成体は、ケース本体１９内に収容される。そして、その状態で、濾材２４およびコア部材２３からなる構成体には保持板２５が装着される。ここで、この保持板２５の構成について述べる。この保持板２５は、主体部２６と支持突部２７とを一体に備えた構成を基本的構成としている。主体部２６は、その表面のうちの上面が平坦で、全体として円盤状をなしている。支持突部２７は、主体部２６の裏面側の中央部に一体に形成されており、円環状をなしている。なお、支持突部２７は、例えば、円筒状でもよいし、円柱状でもよい。ケース本体１９の底部において筒状壁部２１とコア部材２３の下端部との間に隙間Ｓ１が形成される嵌合状態と同様に、支持突部２７とコア部材２３の上端部の内周面との間には若干の隙間Ｓ１が形成される。保持板２５は、このような支持形態で取り付けられる。但し、隙間Ｓ１は、径方向の隙間であるため、例えば保持板２５が片方に偏った場合などには、隙間が部分的に大きくなるなど不均一となる。このような支持形態において、保持板２５の主体部２６の裏面側は、コア部材２３の一端である上端面に当接する。保持板２５の裏面がコア部材２３の上端面に当接した正規の組み込み状態では、図１（ｂ）に示すように、保持板２５は、水平状態で支持される。

　さらに、保持板２５は、上記した基本的構成に加えて、特に図４に明示するように、複数の突起部２８を備える。これら突起部２８は、保持板２５の主体部２６が有する水平な表面である上面において、それぞれ、主体部２６の中心部から放射状に延びている。突起部２８は、キャップ２０の流入口１５の開口と対向する中心部位を除いて放射状に形成され、且つ、それぞれ板状に突出した形状となっている。なお、詳細な作用説明は後述するが、これら放射状の突起部２８は、流入口１５から流入した水を受けて、その水の流れを外周方向に均等に分散する。そのため、突起部２８は、板状に限らず、例えば断面山形状であってもよいし、あるいは、連続して突起する形状でなくてもよい。即ち、突起部２８は、種々変形して実施可能である。

　上記構成の保持板２５がコア部材２３に取り付けられてケース本体１９内に収容された後に、キャップ２０は、ケース本体１９の上面開口に取り付けられる。具体的には、ケース本体１９とキャップ２０との間にパッキン２２を介在させた状態で、雄ねじ部２０ａと雌ねじ部１９ａとを締結する。これにより、ケース本体１９とキャップ２０とを水密な状態で連結した中空容器状の濾過ケース１４が構成される。そして、これにより、内部に濾材２４などの濾過機能を備えた濾過装置１１が構成される。そして、この濾過装置１１を、上述したように取り付けることにより、図２に示すように、水道栓８から洗濯機１の給水口７に至る給水経路が構成される。

　なお、図２に符号４３で示す要素は、本体２に内蔵された給水ポンプ４４に直結されたポンプ用の給水口である。詳細な説明は後述するが、このポンプ用の給水口４３は、トップカバー４の後部において給水口７と対峙する位置に設けられている。他方の給水口７は、いわゆる水道用の給水口、換言すれば水道水用の給水口に相当する。

　次に、上記構成の洗濯機１に適用した濾過装置１１の作用を述べる。
　水源である水道栓８を開放し、操作パネル５を操作して所望する運転コースを設定して運転をスタートすると、洗濯機１は、図示しない制御装置によって制御され、これにより、例えば洗い行程、すすぎ行程、脱水行程などの運転を自動的に実行する。ここで、洗い行程における給水動作について述べると、洗濯機１が図示しない給水弁を開放すると、水道栓８からの水道水は、給水ホース１０、濾過装置１１、および、給水弁の上流側に位置する給水口７などを経て本体２内の図示しない槽体に供給される。

　次に、この給水動作における濾過装置１１の作用について詳細に述べる。
　まず、濾過装置１１の使用状態を示す図１（ｂ）を参照して説明すると、水道栓８から給水ホース１０に流れた水道水は、濾過装置１１の流入口１５から濾過ケース１４内に流入する。この流入した水は、図１（ｂ）に矢印Ａで示す流入方向と直角に対向する表面を有する保持板２５にて受けられる。これにより、流入した水は、その流れが変換されて、矢印Ｂで示すように、水平方向、換言すれば横方向に沿って外周側に向けて流れる。なお、保持板２５の表面は、水の流入方向に対して直角に対向するものに限られるものではなく、水の流入方向に対して多少傾斜していてもよい。

　そして、保持板２５の表面には中心側から外周側に延びる放射状の突起部２８が備えられている。そのため、これら突起部２８により、矢印Ｂで示す径方向に沿う水の流れは、周方向に均等に分散される作用を受けながら流れる。しかも、保持板２５は、濾材２４の上端部を上方から覆うように装着され、且つ、流入する水の圧力を受けて裏面側のコア部材２３および濾材２４を上方から押圧する作用も発揮する。これにより、保持板２５は、濾材２４の端面側からの水の流入を確実に阻止する。なお、保持板が多少傾斜している場合であっても、その保持板に受けられた水は、放射状に延びる突起部によって均等に分散される。また、保持板が傾斜している場合であっても、その保持板は流入する水の圧力を受けるのであるから、裏面側のコア部材および濾材を上方から押圧する作用も発揮する。

　そして、径方向に流れる水は、矢印Ｃで示すように、保持板２５の外周端から濾過ケース１４の内周面に沿って下方に流下する。そして、濾過ケース１４内を流下した水は、濾材２４の下方部分を浸漬した状態とする。このとき、濾材２４の内部構成が布生地を多層に巻き重ね密着した状態であるから、流下した水は、濾材２４によってせき止められる状態となり、濾材２４の内部を直ちに通り抜けることはない。さらに濾過ケース１４内を水が流下すると、その水は濾過ケース１４内の余白空間を埋めるように供給され、これにより、濾過ケース１４内が急速に、あるいは、徐々に満水状態となる。

　この結果、濾過ケース１４内には水道水圧が加わるようになり、圧力を受けた水が、矢印Ｄで示すように、通水可能な濾材２４を通して流れるようになる。具体的には、水は濾材２４の外周囲から内部のコア部材２３の透孔２３ａを経て中心側に流入する。そして、流入した水は、矢印Ｅで示すように、濾過ケース１４底部の壁部筒状２１および流出口１６を経て、洗濯機１の給水口７に供給される。そして、給水口７に供給された水は、図示しない給水弁を介して槽体内へ供給される。以上のように、水道栓８から供給された水は、その全てが濾材２４を通過する際に濾過される。これにより、給水弁の入水口側である給水口７が通常有するフィルタ１２では除去できない不純物を除去することができる。また、水道水に微細な鉄錆が混入している場合でも、その鉄錆を有効に除去することができる。従って、不純物を濾過した清浄な水を、濾過装置１１よりも下流側の給水弁や槽体内に送ることができる。

　また、保持板２５は、濾材２４の上端部である円筒状の端面からの水の流入を阻止する。また、保持板２５は、矢印Ａ方向に流入する水の流れを、当該矢印Ａ方向に対して直角な矢印Ｂ方向に変換して、下流側の濾材２４の外周側に流下するよう案内する。これにより、濾過ケース１４の内部に流入する水を、円筒状の濾材２４の外周側から内方に向けて流すことができ、濾材２４により濾過を行うのに好適な水の流れを得ることができる。即ち、濾過装置１１は、有効な濾過作用を発揮することができる。更に、保持板２５は、濾材２４の上端部を押下する作用を有している。これにより、例えば、濾材２４の布生地の巻き重ねが不揃いな場合であっても、その不揃いな布生地を上方から押下することができ、布生地が不揃いに巻き重ねられていることに起因して発生する不具合を解消することができる。

　以下、その一例につき具体的に説明する。布生地が不揃いに巻き重ねられる原因としては、例えば、濾材２４を構成する布生地を、図５（ｂ）に示すようにコア部材２３に正確に巻き重ねることができない場合が考えられる。例えば、布生地の長さ寸法をコア部材２３の長さ寸法（高さ寸法）に揃えた大きさにしたとしても、手作業で巻き重ねる場合には、円筒状に多層に巻き重ねた布生地の一部が端部から突出する場合が考えられる。図１（ａ）は、このように布生地の一部が上方に突出した状態の濾材２４を濾過装置１１にセットした場合において、その濾過装置１１を使用する前の状態、つまり、給水動作を行う前の状態を一例として示している。即ち、円筒状をなす濾材２４の上端部が突出した不揃いな状態では、保持板２５が正規の取り付け位置よりも持ち上げられた状態となる。従って、本来、保持板２５の裏面に密着した状態で接合するコア部材２３の上端面が浮いてしまい、保持板２５の裏面とコア部材２３の上端面との間に、上下方向の隙間Ｓ２が生じる。

　この隙間Ｓ２は、コア部材２３と支持突部２７との間の隙間Ｓ１と連通した状態となる。また、濾材２４の上端面と保持板２５との間にも、本来、実質的に上下方向の隙間は生じないことが好ましいが、隙間Ｓ３が不規則に、あるいは、不連続に形成されることがある。そして、この隙間Ｓ３の先には隙間Ｓ２，Ｓ１が連なっている。そして、これら隙間Ｓ３，Ｓ２，Ｓ１を通しての通水抵抗は、濾材２４を通しての通水抵抗よりも格段に弱い。即ち、濾過ケース１４内を満たす水は、濾材２４よりも隙間Ｓ３，Ｓ２，Ｓ１を通過しやすい。

　このような状態のまま給水動作が開始された場合、濾過ケース１４内が水で満たされると、本来ならば水道水圧を受けて濾材２４の外周面側から水が通過して全ての水が有効に濾過されるのであるが、矢印Ｇで示すように、隙間Ｓ３，Ｓ２，Ｓ１を通して水が流入し始める。この場合、隙間Ｓ３の分布は横方向に広がった状態になり易く、従って、矢印Ｇで示す流入通路は周方向に広がった態様となる。

　このように矢印Ｇ方向に流入した水は、水道水圧を受けているため、突出した布生地の一部を変形させながら流れ込む。従って、当初では不連続な隙間Ｓ３であっても、水の流れを受けて変形することに伴い強制的に連続した隙間通路を形成する。そして、その隙間経路は、隙間Ｓ３の内方側において連続した隙間Ｓ２，Ｓ１と連通した状態となり、これら隙間Ｓ３，Ｓ２，Ｓ１が連通した隙間経路が形成される。そして、この隙間経路を介して水が流入するようになり、隙間経路を介して流入した水は、コア部材２３の中空部を経て濾過装置１１の外部に流出する。つまり、濾過装置１１は、隙間経路を介して流れる水に対しては鉄錆などの不純物を除去する本来の濾過作用を発揮することができず、水源からの水が、濾過されることなく、そのまま給水弁を経て洗濯機１に供給されるおそれがある。

　ところが、保持板２５の主体部２６は、矢印Ａ方向と対向する表面を有することから、矢印Ａ方向に流れる水道水の流動的な水圧を直接的に受ける。これにより、保持板２５には、当該保持板２５を押下する方向の圧力が作用する。よって、濾材２４を構成する布生地の一部に突出した部分が存在していたとしても、その突出した部分は保持板２５によって押圧される。つまり、保持板２５を押下する力は、隙間Ｓ３を縮小する方向に作用し、また、隙間Ｓ２に対しても隙間寸法を縮小する方向に作用する。よって、これら隙間Ｓ３，Ｓ２を解消することが可能である。

　隙間Ｓ２，Ｓ３が解消された後においては、図１（ｂ）に基づき説明したように、水の濾過作用が有効に行なわれる。そして、鉄錆などの不純物による濾材２４の汚れ具合は、透明なケース本体１９の外部から目視でき、濾材２４の交換時期を容易に判別することができる。なお、布生地を巻き重ねることにより濾材２４の端面が不揃いになることは下端部でも同様に生じ得る。しかし、この場合は、濾材２４のほぼ全重量が濾材２４のうち突出した部位に加わる。そのため、濾材１４が濾過ケース１４内の所定位置に収容されれば、隙間を生じることなく適切な状態に維持することができる。

　これに対し、図６および図７は、保持板２５に関する変形例を示すものである。図６（ａ）は保持板２５の外観斜視図であり、図６（ｂ）は保持板２５の断面図である。この変形例は、保持板２５に凹状部２９を設けたものである。この凹状部２９は、主体部２６の平坦面をなす表面の中央部において円形状に窪んだ形状となっている。この凹状部２９は、裏面側の支持突部２７に対応して同心となる位置に形成されている。よって、凹状部２９は、例えば図１（ａ），（ｂ）に示すように保持板２５が濾過ケース１４内に組み込まれた状態では、流入口１５に対向する。要するに、凹状部２９は、流入口１５から流入した水を直接受ける部位に形成されている。

　この構成によれば、流入口１５から流入した水は、保持板２５の平坦面で受けられた場合には、直ちに横方向に分散する。しかし、流入口１５から流入した水は、凹状部２９で受けられた場合には、この凹状部２９の内周壁部が抵抗となって水を受け止めるため、保持板２５が水道水圧に基づいて受ける水圧を高めることができる。これにより、保持板２５を押下する作用が助長されるので、保持板２５とコア部材２３との嵌合を確実にすることができる。また、保持板２５により濾材２４の上端部を一層強い圧力で押圧することができ、図１（ａ）に示す発生し易い隙間Ｓ３を一層有効に抑えることができる。

　これに対し、図７（ａ），（ｂ）は、異なる変形例を示す。この変形例は、基本的構成を備える保持板２５において、主体部２６の外周囲に上方に起立した立壁部３０を形成したものである。この立壁部３０が形成されたことにより、保持板２５は、その表面全体に凹状部３１を有した構成となる。なお、この場合、放射状の突起部２８は、取り除かれた構成となっている。

　この構成によれば、凹状部３１で水を受けると、その外周部の立壁部３０が水の分散の抵抗となって水を受け止める。そのため、保持板２５が水道水圧に基づいて受ける水圧を高めることができる。これにより、保持板２５の押下作用が助長され、保持板２５とコア部材２３との嵌合を確実にすることができる。また、保持板２５により濾材２４の上端部を一層強い圧力で押圧することができ、図１（ａ）に示す発生し易い隙間Ｓ３を一層有効に抑えることができる。なお、この変形例では、主体部２６のほぼ全表面に及ぶ径大な凹状部３１を形成したことから、保持板２５の一部に偏った押下作用でなく、保持板２５全体にわたる安定した押下作用を期待することができる。また、凹状部３１の内容積が大きいことから多量の水を受け止めることができ、水道水圧に加えて、多量の水の重量的負荷に基づき保持板２５を押下する作用を一層助長することができる。

　以上説明したように、濾過装置１１を洗濯機１に適用した第１実施形態によれば、次のような効果が期待できる。
　通常、洗濯機１が有する給水弁の上流側に、鉄錆などの不純物を除去する濾過装置１１を設けた。これにより、不純物が混入することに起因する給水弁の動作不良や錆の発生の誘発などを回避でき、また、洗濯物への汚れや変色などの問題も解消できる。加えて、使用可能な水源の自由度が増し、使用地域の水事情の制約を受けることなく洗濯水として有効に利用できる。

　そして、濾過装置１１は、その濾過ケース１４内に濾材２４を収容する。この濾材２４は、布生地を筒状に巻き重ねたものであり、コア部材２３に保持される。また、濾過装置１１は円盤状の保持板２５を備える。この保持板２５は、コア部材２３の上部に支持され、濾材２４の上端面を上方から覆う。この保持板２５は、濾過ケース１４内に流入した水を直接受けて外周方向に流れを変換して分散する。これにより、保持板２５は、濾材２４の外周面側から中心側に向けて水を通し、効果的な濾過機能を促進する。しかも、保持板２５は、濾材２４を上方から覆っている。そのため、濾材２４の上端面側から短絡的に水が流入することを防止することができる。

　濾材２４は、布生地を多層に巻き重ねることによって形成されるので、その濾過範囲を広げるなど適宜調整することができる。また、この濾材２４によって鉄錆など微細な不純物を効果的に除去できる。また、布生地の種類としても広く様々な布生地を活用できる。また、布生地の巻き重ね量も自由に調整することができる。よって、布生地としては、例えばシャツや古着などの衣類全般、ストッキング、タオルなど、各家庭に存在する布生地を自由に選択して利用できる。従って、例えばイオン交換樹脂のような高価で入手困難な濾材を用意する必要がない。このように、濾材２４は、容易に入手できる布生地を利用して構成することができ、しかも安価に実施することができる。従って、簡易的で利便性に優れた濾過装置１１を提供できる。

　また、保持板２５の主体部２６は、図１に示す矢印Ａ方向と対向する表面を有することから、矢印Ａ方向に流れる水道水の流動的な水圧を直接的に受けることができる。これにより、保持板２５には、当該保持板２５を下流側へ押下する方向の圧力が作用する。よって、コア部材２３が保持板２５に適切に嵌合した状態を維持することができる。また、濾材２４を上方から覆うように設けた保持板２５は、巻き重ねた布生地の一部が濾材２４の端面から突出していても、これを押さえ込むように押圧する。これにより、隙間Ｓ３で示す空隙を縮小することができ、ひいては無くすことができ、隙間Ｓ３を通して水が流れてしまうことを防止できる。換言すれば、筒状の濾材２４の外周面側から中心側に向かって流れる水の流れ、つまり、濾材２４を通して濾過するために有効な水の流れを得ることができ、濾材２４全体を有効に活用できる。

　濾過ケース１４内に流入する水を直接受ける保持板２５は、その平坦状をなす主体部２６の表面に、中心側から外方に向かって放射状に延びる突起部２８を備える。これにより、水を外周方向に均等に分散させながら流すことができ、保持板２５に作用する水圧や水流の偏りを抑制できる。従って、渦流などを生じさせることなく、スムーズな水の流れを形成することができる。

　一方、濾材２４を収容する濾過ケース１４は、円筒容器状のケース本体１９とキャップ２０とを結合する手段として、雄ねじ部と雌ねじ部による着脱容易な締結手段を用いている。また、濾材２４や保持板２５を所定位置に収容し保持するコア部材２３も、ケース本体１９底部の筒状壁部２１に隙間Ｓ１を介して嵌合される構成を採用しており、着脱容易な支持手段を用いている。よって、使用者が濾材２４を交換する場合などの脱着操作は、簡単であり、使い勝手が良い。

　しかも、その濾材２４の交換時期を判別する手段として、ケース本体１９を透明な樹脂材料で形成し、鉄錆などの不純物による濾材２４の汚れ具合を外部から容易に確認できるようにした。従って、地域の水事情による汚れ具合に応じて、その交換時期を逸することなく濾材２４を交換でき、適正な給水動作および不純物に対する有効な濾過作用を維持することができる。但し、ケース本体１９のみを透明にする構成に限られるものではなく、例えば濾過ケース１４全体を透明としてもよいし、内部を透視できる部分的な透明範囲を設ける構成であってもよい。

　これに対し、図６および図７に示す異なる変形例は、いずれも濾過ケース１４内に流入する水を受ける保持板２５において、水がすぐさま外周方向、つまり、横方向に分散しようとする流れを受け止める抵抗として凹状部２９，３１を設けたものである。これら凹状部２９，３１により、水を受け止めようとする作用が助長されるので、保持板２５が受ける水圧を高めることが可能となる。これにより、保持板２５を押下する作用が助長され、保持板２５とコア部材２３との嵌合を確実にすることができる。また、保持板２５により濾材２４の上端部を一層強い圧力で押圧して隙間Ｓ３の発生を抑えることができる。従って、濾過するために有効な水の流れを得ることができる。特に図７に示す変形例では、保持板２５全体にわたって安定した押下作用が得られる。また、水を受け止める内容積が大きいことから、受け止めた水の重量により押下作用を一層助長することができる。

　なお、保持板２５およびコア部材２３は、それぞれ別部材として組み込まれる構成であるが、これに限らず、例えば保持板およびコア部材を一体化してもよい。この場合、保持板およびコア部材の脱着操作を、一括して簡便に行うことができる。

　　（第２実施形態）
　図８および図９は第２実施形態を示す。なお、図８は図１（ｂ）相当図であり、図９は図４相当図である。

　濾過装置１１は、濾材２４をコア部材２３の外部に保持した構成である。これに対して、濾過装置３８は、濾材３２をコア部材３３の内部に保持した構成である。コア部材３３および保持板３４は、以下に述べる構成を特徴としている。

　まず、コア部材３３は、径大で有底円筒状の形態をなしている。コア部材３３の周壁には、複数の透孔３３ａが格子状に形成されている。コア部材３３の底壁の中央部には、円形状の穴部３３ｂが形成されている。この穴部３３ｂは、ケース本体１９底部の筒状壁部３６に着脱可能に嵌合している。なお、筒状壁部３６は、筒状壁部２１に対し、筒状に突出する高さが低くなっている。その理由は、コア部材３３は、径大であり広い底部を有しているから、筒状壁部３６の高さが低くても倒れることなく支持できる。従って、コア部材３３の所定位置に載置して支持すべく、穴部３３ｂと筒状壁部３６とが嵌合した状態、つまり、少なくとも位置ずれが防止された状態を形成できればよい。そのため、筒状壁部３６は、コア部材３３の底部の厚さ程度で十分である。この場合、筒状壁部３６は、コア部材３３を所定の収容位置で支持する位置決め部材として機能する意義が高い。

　そして、保持板３４は、円盤状の主体部３７の外周端部から下方に突出した円環状の支持突部３５を一体に備える。これにより、保持板３４は、コア部材３３の筒状の一端である上端部に嵌合して支持される。即ち、支持突部３５は、コア部材３３の外径よりも若干径大な内径を有する形状であり、コア部材３３との間に隙間Ｓ１を有する。これにより、保持板３４は、コア部材３３に着脱容易な状態で嵌合され支持される。

　一方、濾材３２は、布生地自体を巻き重ねた形態であるが、できるだけ長い長尺の布生地を使用することが好ましい。但し、短い布生地であっても、随時布生地を補充しながら巻き重ねて多層にすることにより、所望の径寸法を有する径大な円筒状の濾材３２を形成することができる。なお、複数の布生地を随時補充しながら濾材３２を形成する場合には、コア部材３３の内部にできるだけ隙間が生じない程度の径寸法とすることが好ましい。

　なお、図８に示す矢印Ａから矢印Ｅは、水が流れる方向を示しており、図１（ｂ）に同一符号で示す水の流れと実質的に同じ流れを示している。なお、この場合、水の経路としては、水がコア部材３３を通過してから内部の濾材３２を経て流れるようになっており、この点で、上記実施形態とは水の流れが異なる。また、濾材３２の中心部は、布生地の巻き始めの端部であるので、布生地同士の重なり具合、つまり密着度が少ない。そのため、濾材３２の中心部では、矢印Ｄで示すように、水は下方に流れる傾向があり、従って、矢印Ｅで示すように、下方の流出口１６からスムーズに流出する。

　この実施形態によれば、濾材３２による濾過機能をはじめ、保持板３４やコア部材３３などの基本的な機能、濾過装置３８全体としての機能も実質的に第１実施形態と共通である。但し、コア部材３３の内部に濾材３２を収容したので、濾材３２の上端面が保持板３４によって上方から覆われ、濾材３２の外側面がコア部材３３で包囲された形態となる。そのため、巻き重ねた濾材３２が解かれて乱れるようなことはない。なお、図９には濾過装置３８の個々の構成部品を分解して示している。濾材３２などを濾過ケース１４内にセットして使用可能な状態にする場合には、例えばコア部材３３内に予め濾材３２を収容して保持した状態でケース本体１９内に収容すれば、濾材３２およびコア部材３３の組み込む作業を一層容易に行うことができる。

　なお、以上に説明した各実施形態では、いずれも濾材をコア部材に保持した構成を採用している。しかし、例えばコア部材による保持を不要とするなど、種々の変形または拡張をして実施することができる。

　図１０は、その他の実施形態を示す図１（ｂ）相当図である。この濾過装置３９は、例えば図８に示す第２実施形態で述べた濾材３２と実質的に共通の濾材、つまり、布生地のみを巻き重ねてなる濾材３２を、コア部材を用いることなくケース本体１９内に直接載置し収容したものである。この場合、円筒状の濾材３２は、布生地を巻き重ねたままの状態で設置されているが、布生地を多層に巻き重ねたことによる重量を利用して立った状態で載置されている。従って、濾材３２を載置するケース本体１９の底部では、中央部において下方の流出口１６に連通する通水孔１９ｂのみが開口しており、ケース本体１９の底面はフラットな底面となっている。

　この濾材３２の上端部を上方から覆うように設けた平盤状の保持板４０は、その平坦状の裏面を濾材３２の上端面に接合した状態で載置され支持されている。なお、保持板４０の裏面の中心部には、僅かに下方に突出する凸部４１が形成されている。この凸部４１は、濾材３２の巻き始めの端部である中心部の隙間などに挿入され、これにより、濾材３２に対する保持板４０の位置ずれが防止される。その他の濾過ケース１４に係る構成などは、上記各実施形態と共通の構成である。

　この構成によれば、給水動作時においては、保持板４０は、矢印Ａで示すように流入口１５からの水を受け、矢印Ｂで示すように横方向に水の流れを変換する。そして、水は矢印Ｃ，Ｄ，Ｅの順に流れ、これにより、濾材３２による濾過作用が上記各実施形態と実質的に同様に良好に行なわれる。また、保持板４０は、矢印Ａ方向に流入する水の水圧を受けることにより、濾材３２の上端面に接合した状態で確実に支持される。よって、保持板４０としての機能を発揮できる。また、濾材３２を支持するためのコア部材などを不要とすることができ、最もシンプルで安価な濾過装置３９を提供できる。なお、布生地の種類などによっては、濾材３２の巻き終わりの端部が剥がれるおそれがある。その場合には、例えば濾材３２の周方向に紐類を当てて結束するようにしてもよい。紐類としては、例えば糸や輪ゴムなどが考えられる。

　一方、図１１は、異なるその他の実施形態を示す図１（ｂ）相当図である。この濾過装置４２は、ケース本体１９内の底部の外周部に突設された環状の突段部１９ｃを備える。この突段部１９ｃは、ケース本体１９内に載置され収容された濾材３２の下部の外側部を保持する。また、濾材３２の上部を上方から覆う保持板３４は、図８に示す第２実施形態のものと実質的に共通である。

　この構成によれば、濾材３２が移動しようとした場合に、その移動を突段部１９ｃにより阻止できる。なお、図１１では水の流れを示す矢印Ａから矢印Ｅを省略しているが、この濾過装置４２も、上記各実施形態と同様に良好な濾過機能を発揮する。また、保持板３４に代えて図１０に示す保持板４０を転用して実施することができる。即ち、保持板３４の形態は、他にも種々の形態に展開可能である。なお、図１０に示す濾過装置３９において、保持板４０に代えて保持板３４を転用して実施することができる。

　　（第３実施形態）
　次に、濾過装置を洗浄機器である洗濯機に適用した第３実施形態について、図１２から図１９を参照して説明する。

　図１９は、二槽式洗濯機１０１（以下、「洗濯機１０１」と称する）に適用した濾過装置１０２の使用状態を示す外観斜視図である。この場合、図１９は、濾過装置１０２を使用可能なセット状態も示している。洗濯機１０１の外郭を形成する本体１０３内には、図示しないが周知のように洗濯槽と脱水槽が並設されている。この本体１０３の上面を形成するトップカバー１０４には、開閉可能な洗濯蓋１０５および脱水蓋１０６が設けられ、その後方には各種の運転内容を設定する操作パネル１０７が備えられている。

　操作パネル１０７には、水道水などの外部水源から図示しない洗濯槽に給水するための給水口１０８が設けられている。この給水口１０８は、ほぼ真っ直ぐに上方に突出している。この給水口１０８には、外部水源からの水の供給と遮断を切り替える蛇口１０９および可撓性を有する給水ホース１１０が濾過装置１０２を経て水密に連通接続される。この濾過装置１０２は、詳しくは後述するようにして、水中の不純物を濾過する。この濾過装置１０２は、いわゆる外部水源から給水口１０８（洗濯機１０１）に至る給水経路中に設けられた構成である。なお、給水ホース１１０の接続部位には、必要に応じ、ホース止めクリップ１１１が採用される。このクリップ１１１は、ホース抜け止め用の部材として給水ホース１１０を緊密に締結する。

　そして、図１４から図１８は、濾過装置１０２の具体的構成を示す。ここで、図１６の縦断面図、図１７の断面図、および、図１８の分解斜視図を参照して、その具体的構成について説明する。濾過装置１０２は、全体的には中空の円筒容器状をなし、濾過ケース１１２と、コアユニット１１３と、を具備している。濾過ケース１１２は、その一端である上部の中央部に流入口１１６を有し、他端である下部（底部）の中央部に流出口１１７を有する。コアユニット１１３は、この濾過ケース１１２内に収容される。

　濾過ケース１１２は、有底筒状のケース本体１１４と、このケース本体１１４の上面を水密に覆うキャップ１１５とから構成されている。これらケース本体１１４およびキャップ１１５は、何れも樹脂成形されている。この場合、少なくともケース本体１１４は、透明な樹脂材料（例えば、アクリルニトリルスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂など）で形成され、内部を透視可能としている。流出口１１７は、ケース本体１１４の下部（底部）において下方に円筒状に突出している。流入口１１６は、キャップ１１５に上方において上方に円筒状に突出している。

　このキャップ１１５の外周側には雄ねじ部１１５ａが形成されている。ケース本体１１４の開口端部の内側には、雄ねじ部１１５ａに対応する雌ねじ部１１４ａが形成されている。これらねじ部１１５ａ，１１４ａを図１６に示すパッキン１１８を介して締結することで、濾過ケース１１２が構成される。この濾過ケース１１２において、ケース本体１１４およびキャップ１１５は、相互に水密に結合されるとともに、脱着可能となっている。なお、図１６に示すように、キャップ１１５の流入口１１６には二点鎖線で示す給水ホース１１０が接続され、下部の流出口１１７には二点鎖線で示す給水口１０８が嵌合により接続される。

　これに対し、ケース本体１１４には、その底部中央に流出口１１７よりも径小な排水孔１１９が形成されている。排水孔１１９の周りの内面側には、円形状の筒状壁部１２０が突出している。図１７および図１８に示すように、筒状壁部１２０の一部を切り欠くことで形成された溝部１２１が設けられている。この溝部１２１は、排水孔１１９および流出口１１７に通じる。なお、外底部の流出口１１７は、洗濯機１０１の給水口１０８にパッキン１２２を介して水密に嵌合される。これにより、図１６に示すように、濾過ケース１１２は、ほぼ垂直に立った状態で保持される。このように排水孔１１９は、パッキン１２２を装着するために流出口１１７よりも径小となっている。この排水孔１１９は、実質的に濾過ケース１１２の排水用の出口として共通に作用する。

　次いで、上記構成の濾過ケース１１２内に収容されるコアユニット１１３の構成について、図１４，図１５も参照して説明する。図１４は、コアユニット１１３の斜視図であり、図１５（ａ）は、コアユニット１１３の側面図であり、図１５（ｂ）は、コアユニット１１３を図１５（ａ）中のＡ－Ａ線に沿って切断して示す断面図である。図１９は、濾過装置１０２の使用状態を示している。通常、濾過装置１０２は、具体的には図１６に示すように、流入口１１６を上部とし流出口１１７を下部とする上下に指向した状態で使用する。そして、コアユニット１１３は、図１６に示すように、濾過ケース１１２内に立った状態で収容される。コアユニット１１３は、少なくとも濾過ケース１１２の内壁面である上壁面１１２ａおよび周壁面１１２ｂとの間に間隙を有する状態で収容される。この間隙は、後述する給水時に水が流通するための通路として確保される。

　更に具体的に述べると、コアユニット１１３は、例えばポリプロピレン樹脂で一体成形された円盤状をなす保持板１２３と、この保持板１２３の裏面側において下方に延びる円筒状のコア部材１２４とから構成される。このようなコアユニット１１３において、保持板１２３は流入口１１６との間に間隙を有して対向する。また、コア部材１２４の下端の開口は、筒状壁部１２０の外周囲に着脱自在に嵌合される。図１６に示すように、コアユニット１１３は、このようにして支持された状態で濾過ケース１１２内に収容される。ただし、詳細は後述するが、濾過装置１０２として使用可能なセット状態とするには、当然ながらキャップ１１５を外した状態で濾材１２８をコア部材１２４に巻き付けて被着した後、そのコアユニット１１３を収容してセット状態とする。

　図１４に明示すように、コアユニット１１３を構成する保持板１２３は、平坦状の上面の中心部から放射状に延びる複数（例えば４個）の突起部１２５を一体に備えている。この突起部１２５は、流入口１１６の開口と対向する中心部位を除き放射状に形成され、且つ、それぞれ垂直な板状に突出した形状となっている。なお、この放射状の突起部１２５は、詳細な作用説明は後述するが、流入口１１６から流入した水を受けて、その水の流れを外周方向に均等に分散する作用をなす。そのため、突起部１２５は、板状に限らず、例えば断面山形状であってもよいし、あるいは、連続して突起する形状でなくてもよい。即ち、突起部１２５は、種々変形して実施可能である。

　一方、コア部材１２４は、円筒状の周壁のほぼ全面にわたって、例えば格子状の複数の透孔１２４ａを有している。これにより、コア部材１２４は、通水性が良好な構成となっている。各透孔１２４ａ形状は、保持板１２３とコア部材１２４との一体成形を容易にする形状としてもよく、従って、必ずしも同一形状とする必要はない。また、円筒状のコア部材１２４の形状としては、図１６に開示したように、ケース本体１１４の底部に設けた筒状壁部１２０に着脱自在に嵌合する径寸法であるとともに、透孔１２４ａを有する周壁に濾材１２８を取着した状態で、ケース本体１１４の内側面と所定の間隙を有する径寸法となるように設計されている。

　図１６に示すように、濾過装置１０２内に収容されたコアユニット１１３が濾過装置１０２の内壁面である上壁面１１２ａおよび周壁面１１２ｂとの間に形成する間隙は、図において矢印方向へ流れる水の通路として機能する。水は、コア部材１２４に被着された濾材１２８の全面を通り抜けて透孔１２４ａおよび流出口１１７から洗濯機１０１の給水口１０８を経て図示しない洗濯槽内に供給される。

　図１４，図１５に示すように、コア部材１２４の周壁には、さらに１本のスリット１２６が形成されている。このスリット１２６は、円筒状に延びる方向（以下、筒の「長手方向」と称する）の全長にわたって形成されている。このスリット１２６は、例えば直線状に開口している。また、このスリット１２６を挟んで対向する周壁の両端部間の隙間寸法に相当する開口幅は、詳細は後述するが、濾材１２８の端部を挟持できる狭い幅寸法となっている。しかも、図１５（ａ），（ｂ）に示すように、このスリット１２６を含む周壁の上端部には、そのほぼ半周にわたり切り込み部１２７が形成されている。つまり、切り込み部１２７が形成されている部分には隙間が形成されており、この隙間により、コア部材１２４は、その一部が保持板１２３から分離した形態となっている。また、この隙間により、スリット１２６を挟んで対向する周壁端部が容易に弾性変形可能な形状となっている。なお、複数のスリット１２６を設けてもよい。

　次いで、図１２および図１３を参照して、上記した濾材１２８の素材およびコアユニット１１３への被着手段などについて述べる。まず、濾材１２８の素材としては、例えば不織布をシート状に切り出したものを利用している。ただし、濾材１２８の素材としては、これに限られるものではなく、コア部材１２４の外周壁に巻きつけることが可能な柔軟な布生地であればよい。従って、古着や不要となった衣類生地などでも利用可能である。また、濾材１２８の大きさとしては、長さ寸法がコア部材１２４の周壁の全周の寸法（周方向の寸法）よりも長く、横幅寸法がコア部材１２４の円筒状の長手方向の寸法よりも数ミリ（ｍｍ）大きくなるように、不織布を矩形のシート状に切り出したものを採用している。

　そして、コア部材１２４に被着するには、図１２（ａ）に示すように、所定形状に切り出したシート状の濾材１２８を外側の周壁面に当てる。そして、図１２（ｂ）に示すように、その濾材１２８の一端をスリット１２６に押し込むように挿入する。この状態を保持しつつ、濾材１２８の他端側をコア部材１２４に巻きつける。そして、濾材１２８の他端側がスリット１２６まで達したところで、図１２（ｃ）に示すように、その他端側をスリット１２６に挿入する。この場合、コア部材１２４のうちスリット１２６を挟んだ両端部は、樹脂製であることから弾力性を備える。また、それに加えて、スリット１２６を挟んだ両端部の上方部位には切り込み部１２７が設けられている。つまり、コア部材１２４は、その一部が保持板１２３との間に隙間を介して分離した構成である。これにより、コア部材１２４のうちスリット１２６を挟んだ両端部は、より弾力性に富み、無理な外力を加えなくても容易に弾性変形可能である。

　従って、コア部材１２４のスリット１２６を挟んで対向する両端部若しくは一端部を押圧変形させてスリット１２６を拡開した状態とすることで、濾材１２８の他端側を容易に挿入できる。そして、濾材１２８の他端側を挿入した後、コア部材１２４への外力（押圧力）を除けば、コア部材１２４は弾性的に元の形状に復元し、その開口幅内で濾材１２８の両端部は弾性的に挟持される。つまり、巻きつけられる濾材１２８の始端部と終端部とが、スリット１２６を挟んで対向するコア部材１２４の周壁の両端部によって弾性的に挟持される。これにより、濾材１２８は、図１２（ｃ）に示すように、コア部材１２４の周壁面に密着した状態にて被着される。

　なお、図１３は、図１２（ｃ）に示す被着状態を下面側から見た状態を示している。即ち、コア部材１２４の外周壁に密着するように被着された濾材１２８の両端部は、コア部材１２４の外周壁の周方向の寸法よりも長い寸法分だけ、スリット１２６から内部に挿入された状態にある。

　このため、濾材１２８を被着したコアユニット１１３を濾過ケース１１２内に収容して、使用可能なセット状態にするには、濾材１２８を被着したコアユニット１１３を、キャップ１１５を外した状態でケース本体１１４内に収容し、円筒状のコアユニット１１３の下端部を濾過ケース１１２内底部の筒状壁部１２０の外周囲に嵌合させて支持させる。この場合、スリット１２６から挿入された濾材１２８の両端部が、筒状壁部１２０に当接して適正な嵌合状態が得られない危惧がある。

　しかしながら、図１７および図１８に開示したように、筒状壁部１２０の一部には、切り欠いた状態の溝部１２１が設けられている。よって、その溝部１２１にスリット１２６の位置を一致させるように筒状壁部１２０に嵌合することで、溝部１２１に濾材１２８の両端部を収めることができる。つまり、溝部１２１は、濾材１２８の両端部の逃げ部として機能する。これにより、コアユニット１１３を支障なく確実に安定した嵌合状態で設置できる。また、濾材１２８の横幅寸法は、円筒状のコア部材１２４の長手方向の寸法よりも数ミリ（ｍｍ）大きくしてある。そのため、コア部材１２４の周壁の全面を覆うように濾材１２８を巻きつけることが容易である。ただし、被着後の濾材１２８の下端部が僅かに突出することが考えられる。しかし、濾材１２８自体の柔軟性により、あるいは、設置後に濾材１２８の下端部にコアユニット１１３の全重量が加わることにより、ケース本体１１４の底部（筒状壁部１２０）に安定状態で設置できる。

　その後は、キャップ１１５をケース本体１１４に被着する。そして、図１９で開示したように、給水ホース１１０などを介して外部の給水源と洗濯機１０１とを接続して洗濯槽への給水が可能な状態にセットし、さらに蛇口１０９を開放操作することで給水動作を開始できる。なお、この種の洗濯機１０１には、給水口１０８の下流側に、図示しない例えば電磁式の給水弁を備え、給水動作から始まる洗濯運転を自動的に開始できるようにした洗濯機もある。この場合には、蛇口１０９を予め開放状態にしておく。そして、洗濯機の制御装置によって電磁式の給水弁の開閉を制御することにより、濾過装置１０２を介した給水動作を実行することができる。

　次に、上記構成の洗濯機１０１に適用した濾過装置１０２の作用について述べる。
　外部水源からの水道水は、蛇口１０９を開放することで給水ホース１１０、濾過装置１０２、給水口１０８を経て図示しない洗濯槽に供給される。そして、洗濯槽内に所定水量の水が供給された後においては、蛇口１０９を閉鎖することで給水動作を停止することができる。その後、ユーザは、操作パネル１０７を操作して所望の洗濯運転コースなどを設定して運転をスタートさせる。これにより、一般的に周知の洗濯運転が実行される。

　ここで、上記給水動作における濾過装置１０２の作用について詳細に述べる。濾過装置１０２は、上記したように洗濯機１０１への給水経路中に設けられている。従って、蛇口１０９の開放に伴い、水道水は濾過装置１０２に達する。この濾過装置１０２が使用可能にセットされた状態を示す図１６を参照して説明すると、水は、濾過ケース１１２の上部の流入口１１６から当該濾過ケース１１２内に流入し、図中に矢印で示す方向に流下する。

　濾過ケース１１２内に設置されたコアユニット１１３を構成する保持板１２３は、流入口１１６に対向した状態で配置されている。そのため、流入口１１６から流入する水は、保持板１２３のほぼ中央部位の表面に当たるようにして流れ込む。このとき、保持板１２３には押下方向への流動的な圧力が生じる。この圧力は、コア部材１２４が筒状壁部１２０に嵌合する方向に作用する。そのため、コアユニット１１３は、立設した状態で安定して維持される。そして、流入した水は、直角方向に流れが変換され保持板１２３の外周方向に向けて流れる。この場合、保持板１２３の表面には、中心側から外周側に延びる複数（例えば、４つ）の放射状の突起部１２５が設けられている。これら突起部１２５に案内されながら外周方向に流れる水は、周方向に均等に分散する整流作用を受けて、無用な渦流などの乱流を生じることなくスムーズに流れる。

　そして、水は、コアユニット１１３の上方および側方において、濾過ケース１１２の内壁面との間の間隙を通路として流れ、保持板１２３の外周端から濾過ケース１１２の内側面に沿って下方に流下する。この流下した水は、濾材１２８の下方部分から徐々に浸漬した状態となる。この場合、濾材１２８を構成する布生地などの素材の種類や給水量の多少などに応じて、濾過ケース１１２内の水位は徐々に上昇する。そして、濾過ケース１１２内は、やがて満水状態となる。なお、濾材１２８を構成する素材の種類に応じて、その通水抵抗が変化する。

　この結果、濾過ケース１１２内には水道水圧が加わるようになり、水を通すことが可能な濾材１２８の全体を水が速やかに流通するようになる。具体的には、水は、濾材１２８の外周囲から内部のコア部材１２４の透孔１２４ａを経て中心側に流出する。そして、水は、濾過ケース１１２底部の排水孔１１９および流出口１１７を経て、図１９に示す洗濯機１０１の給水口１０８に供給され、図示しない洗濯槽内への給水が行なわれる。このように、蛇口１０９から供給される水の全てが濾材１２８を通して濾過される。これにより、水道水中に混入した鉄錆や微細な不純物などを有効に除去でき、不純物を濾過した清浄な水を洗濯機１０１に供給することができる。

　そして、洗濯槽への給水が完了したら、蛇口１０９を操作して閉鎖することで水の供給を停止する。給水が停止された直後では、濾過装置１０２を有する給水経路中の残水は、徐々に洗濯槽へ流出する。ここで、濾過装置１０２の残水処理について述べる。図１６から明らかなように、水は主として濾材１２８およびコア部材１２４の透孔１２４ａを経て排水孔１１９から流出する。しかし、濾過ケース１１２内の水位が低下し、最下部の透孔１２４ａよりも低水位に下がると、コア部材１２４の下部の周壁部分や、その内方に位置する筒状壁部１２０が排水孔１１９への通水の妨げとなるおそれがある。

　ところが、濾過装置１０２は、円筒状のコア部材１２４の長手方向の全長にわたりスリット１２６が形成されている。且つ、そのスリット１２６は、筒状壁部１２０に形成した溝部１２１に対応した位置で嵌合されている。この構成によれば、図１７により説明したように、スリット１２６から挿入された濾材１２８の両端部を溝部１２１内に収めることができる。即ち、溝部１２１は、スリット１２６から挿入された濾材１２８の両端部の逃げ部として機能する。また、スリット１２６は、溝部１２１を経て排水孔１１９に連なる通路を形成する。従って、濾過ケース１１２内が低水位となっても、水は、その通路を介して、図１７中に矢印で示す方向に流れ、流出口１１７から排出可能である。

　このように、スリット１２６および溝部１２１は、濾材１２８の両端部を処置するに有効な構成である。併せて、スリット１２６および溝部１２１は、残水処理についても有効に機能する。なお、濾材１２８は、スリット１２６に挟持されているが、当該濾材１２８の通水性に応じて徐々に排水可能であり、あるいは、微小な隙間などから徐々に排水可能である。

　ところで、使用に伴い、濾材１２８が捕獲した鉄錆などの不純物により目詰まり状態が徐々に進行する。この目詰まり状態は、濾過ケース１１２が透明な樹脂製であることから、外部から目視にて濾材１２８の汚れ具合を見ることで、その状態を容易に察知できる。従って、濾材１２８の目詰まり状態をいつでも容易に判別することができ、濾材１２８の不純物を除去する時期、あるいは、新規な濾材との交換時期を逸することなく対処できる。これにより、常に良好な濾過性能を維持できる。

　しかも、濾過装置１０２の分解組立作業は、利用者が容易に行なえる簡易な構成となっている。その分解作業について述べると、給水ホース１１０などの給水経路中に嵌合により接続された濾過装置１０２は、特に説明するまでもなく容易に取り外すことができる。そして、この取り外した濾過装置１０２において、濾過ケース１１２を分解する。即ち、濾過ケース１１２は、ケース本体１１４と、この本体ケース１１４に雌雄のねじ部１１４ａ，１１５ａによりねじ結合してなるキャップ１１５と、から構成されている。従って、キャップ１１５を回動操作するだけの簡単な作業により、これら本体ケース１１４とキャップ１１５とを分離できる。これにより、開放したケース本体１１４の上面開口から濾材１２８を有するコアユニット１１３を取り出すことができる。この場合、コア部材１２４は、その下端部がケース本体１１４の筒状壁部１２０に着脱自在に嵌合され、立設状態で支持されているだけである。従って、コアユニット１１３は、特別な操作を要することなく簡単に取り出すことができる。

　そして、取り出したコアユニット１１３から濾材１２８を取り外す。この場合、濾材１２８は、コア部材１２４のうちスリット１２６を挟む周壁の両端部間で弾性的に挟持されている。そのため、例えば、その両端部のうちの一方側を濾材１２８の上から押圧すれば、その部分が弾性変形し、スリット１２６の開口幅も広がる。従って、押圧操作しつつ濾材１２８の端部をスリット１２６から引き出すようにすることで容易に解放することができる。また、残る濾材１２８の他方側では、挟持状態から解放されている濾材１２８の一方側を軽く引っ張ることで取り外すことができる。

　取り外した濾材１２８は、例えば水洗いすることにより、捕獲された不純物を除去することができる。あるいは、濾材１２８を新規の濾材に交換する。このようにして、改めてコアユニット１１３のコア部材１２４に濾材１２８を被着する。なお、濾材１２８の被着手順については図１２により説明した通りである。また、濾過装置１０２として組み立てた後、その濾過装置１０２を給水経路中にセットすることは、上記した分解時の逆手順で行なえばよく、その取り付け操作も容易に実行できる。

　以上説明したように、洗濯機１０１の濾過装置１０２に適用した第３実施形態によれば、次のような効果が期待できる。
　外部水源から洗濯機１０１への給水経路中に濾過装置１０２を設け、鉄錆などの不純物を濾過して浄化した水を供給できるようにした。よって、洗濯物などに鉄錆による弊害をなくすことができる。また、鉄錆などの不純物を捕獲する濾材１２８を濾過装置１０２から容易に脱着できるようにした。具体的には、図１２（ａ），（ｂ），（ｃ）に基づいて説明した濾材１２８の被着手順に示すように、樹脂製で円筒状のコア部材１２４の周壁にシート状の濾材１２８を巻きつけ、その濾材１２８の始端部および終端部の両端部を、周壁に設けたスリット１２６に挿入し、弾性的に挟持して固定するようにした。

　このような挟持固定手段は、濾材１２８をコア部材１２４に被着し、あるいは、濾材１２８をコア部材１２４から取り外す場合に、特別な治具を要することなく簡単な手作業で行なえる。結果として、濾材１２８を簡単に交換することができ、濾過装置１０２のメンテナンスが容易であり、所期の濾過性能を維持できる。加えて、濾過ケース１１２を透明な樹脂製としているので、外部から濾材１２８を目視でき、その目詰まり状態を汚れ具合などから容易に判別できる。従って、濾材１２８を洗浄したり交換したりする時期を逸することがなく、使い勝手に優れている。

　しかも、濾材１２８の始端部および終端部をスリット１２６に収めて挟持するので、剥がれ易い濾材１２８の両端部を確実に保持できる。また、コア部材１２４のほぼ全周壁面に対し、１枚分の濾材１２８を均一の厚さで巻きつけることができ、ムラのない通水性が得られる。よって、濾材１２８のほぼ全面を通して濾過機能を発揮でき、効率の良い濾過性能が期待できる。加えて、濾材１２８の素材としては、巻きつける大きさに応じてシート状に切り出した不織布をはじめ、古着などの布生地を活用できる。そのため、濾材１２８の素材を、一般家庭において手軽に用意でき、安価で実用的である。

　また、濾材１２８の始端部および終端部を弾性的に挟持するに当たって、保持板１２３とコア部材１２４とは一体成形にて結合している。しかし、スリット１２６を含む周壁の一部に対して、保持板１２３と分離するよう、つまり、隙間を形成するように切り込み部１２７を設けた。これにより、スリット１２６を挟んだ両周壁部分が撓みやすくなり、例えば樹脂製コア部材１２４の強度を考慮して厚みを増したとしても、大きな押圧力を要することなく弾性変形させることができ、濾材１２８を手作業によって容易に挟持できる。ただし、保持板１２３とコア部材１２４とは一体成形しなくてもよく、例えば接着剤などにより強固に結合した構成としてもよい。この場合、切り込み部１２７に代えて、当該切り込み部１２７の位置に隙間を有する構成として保持板１２３およびコア部材１２４を一体的に結合した構成、つまり、保持板１２３とコア部材１２４とを隙間部分で一部分離した状態で一体的に結合した構成としてもよい。

　更に、濾過ケース１１２内に濾材１２８を被着したコアユニット１１３を収容し設置するための構成として、濾過ケース１１２の流出口１１７の周りの内底部に筒状壁部１２０を突出させ、この筒状壁部１２０にコア部材１２４の一端である下端開口を嵌合し、コアユニット１１３を着脱自在に安定した状態で支持する構成とした。ただし、筒状壁部１２０は、何らの工夫を施さないのであれば、コア部材１２４のスリット１２６から挿入された濾材１２８の端部と干渉してしまう。つまり、筒状壁部１２０とスリット１２６から挿入された濾材１２８の端部とが衝突して邪魔となり、コア部材１２４を筒状壁部１２０に確実に嵌合することができない。

　そこで、筒状壁部１２０に溝部１２１を設けた。この溝部１２１は、一端が排水孔１１９および流出口１１７に通じ、他端がコア部材１２４のスリット１２６と対応する。従って、スリット１２６から挿入された濾材１２８の端部を溝部１２１に収めることができる。これにより、コア部材１２４は、筒状壁部１２０と確実に嵌合し安定して支持されるようになる。さらに、スリット１２６、溝部１２１、および流出口１１７は、連続した通路を形成する。そのため、濾過ケース１１２内の水位が筒状壁部１２０よりも低い水位となっても排水可能であり、残水の対処（排出）が可能である。

　　（第４実施形態）
　図２０は第４実施形態を示す。なお、図２０（ａ）は図１４相当図であり、図２０（ｂ）はコアユニットの底面図である。本実施形態では、コアユニット１２９を構成するコア部材１３０の形状が一部異なる。他の要素は第３実施形態と共通である。

　以下、その異なる点につき述べる。即ち、図２０から明らかなように、コア部材１３０のうちスリット１３１を挟む周壁の両端部は、互に非対向となるように形成されている。即ち、スリット１３１を挟む周壁の両端部は、周方向において相互に対向していない。例えば、第３実施形態におけるスリット１２６を挟む周壁の両端部は、図１４や図１５（ｂ）などから明らかなように、直線状のスリット１２６を挟んで実質的に対向した配置である。これに対し、本実施形態では、スリット１３１を挟む両端部は、径方向にずれて非対向の位置にある。なお、それ以外の要素、つまり、格子状の透孔１３０ａや、保持板１２３との間に隙間を形成する切り込み部１２７などは、第３実施形態と共通の形状である。

　この構成によれば、スリット１３１を挟む両端部の位置がずれていることにより、奥行き方向（径方向）にも予め開口部が形成される。そして、この開口部が僅かな開口であっても、スリット１３１を挟む周壁の両端部のうち、例えば内方寄りの端部を外部から弱い力で図２０（ｂ）中に白抜き矢印で示す方向に押圧することで、奥行き方向（径方向）の撓み量（変形量）を容易に大きくできる。そして、大きく撓んだ開口部を介して、図示しない濾材の端部を挿入することができ、濾材の挿入作業を容易にできる。

　なお、スリット１３１から濾材の端部を挿入した後に押圧力を解除すれば、変形していた周壁の端部が元の位置まで復元し、これにより、濾材の端部を弾性的に挟持できる。また、その他については、第３実施形態と同様の効果が期待できる。

　　（第５実施形態）
　図２１は第５実施形態を示す図１４相当図である。この場合、コアユニット１３２を構成するコア部材１３３に形成したスリット１３４と、その周辺の形状が一部異なる。他の要素は第３実施形態と共通である。なお、コア部材１３３は、透孔１３３ａを有する。

　即ち、スリット１３４を挟んで対向するコア部材１３３の周壁の両端部は、凹凸形状に形成されている。そして、互いの凹部および凸部は、相互に噛合する方向に対向して配置されている。結果的に、スリット１３４は凹凸形状に形成されている。

　この構成によれば、スリット１３４に挿入された図示しない濾材の端部は、凹凸形状をなす周壁の両端部により弾性的に挟持される。よって、第３実施形態の直線的なスリット１２６による挟持部位に比べ、凹凸形状の挟持部位によれば、濾材の滑りを防ぎ、確実に固定できる。なお、この凹凸形状をなす形状としては、本実施形態で示す波形状に限らず、例えば鋸歯状とか三角形状など種々の凹凸形状が考えられる。

　図２２は、上記した第３実施形態、第４実施形態および第５実施形態に対する変形例を示す図１４相当図である。以下、最も類似する第３実施形態で述べたコアユニット１１３の構成と対比して述べる。

　この変形例は、コアユニット１１３の基本的構成を共通としており、従って、共通のコア部材１２４を備える。しかし、そのコア部材１２４の周壁に、外方に突出する複数の突起１３５を設けた点で異なっている。

　この構成によれば、図示しない濾材１２８をコア部材１２４の周壁に巻きつけるとき、および、巻きつけて固定した後において、突起１３５は、濾材１２８の滑り移動を阻止する抵抗として有効に作用する。これにより、濾材を巻きつける時の作業性をよくすることができ、あるいは、濾材を当初の巻きつけ状態で維持することができ、安定した濾過性能を期待できる。なお、突起１３５は、コア部材１２４の周壁の上下部などの周端部に設けると、水が浸入する隙間が生じるおそれがある。そのため、突起１３５は、周壁の上下方向において中央寄りの部位に設けるのが好ましい。

　図２３および図２４は、その他の実施形態を示す。第３実施形態では二槽式洗濯機１０１の給水経路中に設けた濾過装置１０２について述べた。この実施形態は、濾過装置１３７を自動型の脱水兼用洗濯機１３６（以下、「洗濯機１３６」と称する）の給水経路中に設けたものである。

　図２３は、洗濯機１３６に採用した濾過装置１３７の使用状態を示す外観斜視図である。この場合、図２３は、濾過装置１３７を使用可能なセット状態も示している。洗濯機１３６の外郭を形成する本体１３８内には、図示しないが、周知のように脱水槽兼用の洗濯槽が備えられている。この本体１３８の上面を形成するトップカバー１３９には、開閉蓋１４０が備えられている。また、トップカバー１３９の前方には、各種の運転内容を設定する操作パネル１４１が備えられている。また、トップカバー１３９の後方には、例えば水道水などの外部水源から洗濯機１３６に給水するための給水口１４２が備えられている。この給水口１４２は、真っ直ぐに上方に突出している。なお、図２３において、給水口１４２と対峙する位置には、本体１３８に内蔵された図示しない給水ポンプに直結したポンプ用の給水口１５２が設けられている。

　給水口１４２には、外部の水源からの水の供給と遮断を切り替える蛇口１０９、着脱自在なホース継手１４３、可撓性を有する給水ホース１４４、および、後述する濾過装置１３７が連通接続されている。これにより、濾過装置１３７は、外部の水源から給水口１４２に至る給水経路中に設けられた構成となっている。図２４は、この給水経路の具体構成を示す分解斜視図である。給水口１４２は、トップカバー１３９から突出した円筒状をなす。給水口１４２の外周部には雄ねじ部１４２ａが一体に形成されており、給水口１４２の内周部には金属製のフィルタ１４５が装着されている。このフィルタ１４５は、一般的な異物の浸入を防止している。なお、給水口１４２の外周部の基部には、弾性を有する環状のパッキン１４６が取り付けられている。このパッキン１４６は、濾過装置１３７との連結部における水漏れを防止する。

　給水口１４２は、トップカバー１３９の裏面側に設けられた図示しない電磁給水弁の入水口側に直結している。この種の自動型の洗濯機１３６は、給水動作を含め洗濯機の運転動作全般を自動的に制御する。濾過装置１３７は、自動制御可能な給水弁を経て給水可能となっている。従って、給水弁が閉動作して給水が停止された場合には、給水ホース１４４側の給水経路中に高い水道水圧がかかる。従って、堅固な構成である給水経路が要求される。本実施形態では、濾過ケース１４７の下部に設けた円筒状の流出口１４８に雌ねじ部１４８ａが形成されている。そして、この雌ねじ部１４８ａに給水口１４２側の雄ねじ部１４２ａがねじ込まれて結合する構成となっており、これにより、濾過装置１３７は、ほぼ垂直に立った状態で保持される。

　更に、濾過ケース１４７の上部に設けた円筒状の流入口１４９においても、その外周面には雄ねじ部１４９ａが形成されている。そして、この雄ねじ部１４９ａに連結する給水ホース１４４の下端部にはナット部材１５０が装着されている。そして、このナット部材１５０に設けた雌ねじ部１５０ａを摘み部１５０ｂの回動操作により雄ねじ部１４９ａに結合し連結する。このとき、流入口１４９およびナット部材１５０はパッキン１５１を介して水密に結合される。このように、水道水圧を考慮した堅固な給水経路中に設けられた濾過装置１３７は、その上部および下部においてねじ構造によって結合する構成となっている。つまり、着脱可能な構成となっている。

　さらに濾過装置１３７の構成について述べる。即ち、濾過装置１３７は、上記以外の構成については第３実施形態で述べた濾過装置１０２と実質的に共通の構成となっている。例えば図２４で示す濾過ケース１４７は、透明な樹脂材料からなる有底筒状のケース本体１５３に、パッキン１５５を挟んで水密にキャップ１５４をねじ構造により結合した着脱可能な構成である。濾過装置１３７は、上部の流入口１４９および下部の流出口１４８の細部のねじ構造を除き、濾過装置１０２と共通の構成となっている。また、図示しないが、この濾過ケース１４７内には、第３実施形態と同様に濾材１２８を被着したコアユニット１１３を着脱可能に収容されている。

　この構成によれば、自動型の洗濯機１３６は、自動的に給水動作を行なうべく図示しない給水弁を備えている。そして、その給水弁の上流側に、濾過装置１３７を何ら支障なく着脱可能に設けることできる。よって、第３実施形態と同様の作用効果が期待できる。また、濾過装置１３７の下流側に配した給水弁への鉄錆などの不純物の浸入を阻止できる。よって、給水弁の動作不良を防止できる。

　以上に説明した各実施形態では、外部水源として水道水を利用した給水経路に濾過装置を設けた構成について述べた。次に、第６実施形態および第７実施形態について述べる。図２５から図３３は、第６実施形態および第７実施形態を示しており、いずれも外部水源として例えば浴槽内の風呂水などの貯水源を用い、その貯水源から水を給水するために給水ポンプを利用した給水経路に濾過装置を設けた実施形態である。

　　（第６実施形態）
　図２５から図３１は、第６実施形態およびその変形例を示すものである。図２６は、濾過装置と除菌装置を適用した給水ポンプ内蔵の洗濯機を示す外観斜視図である。この図２６に基づき、全般の構成について概述する。即ち、洗濯機１のトップカバー４には、図２６に破線で示す給水ポンプ４４が内蔵されている。洗濯機１は、この給水ポンプ４４を利用して、図２６に破線で示すポンプ給水用の給水口４３から本体２内部の図示しない槽体に給水可能である。給水口４３にはポンプ給水用の給水ホース４５の一端が接続される。給水ホース４５の他端である先端部は、外部の給水源である図示しない例えば浴槽などの貯水源にまで延びている。これにより、給水ポンプ４４を利用した給水経路が構成されている。なお、外部の貯水源としては、浴槽に限らず、例えば風呂水を貯留した桶などの容器であってもよい。

　次に、給水ホース４５の概略構成について述べる。給水ホース４５の先端部は、風呂水を蓄えた浴槽内に投入される吸水口体４６を備える。この吸水口体４６の吸水部位には、図示しないが通常の疎目を有するフィルタ機構が備えられている。そして、この給水ホース４５は、その途中部位に連通接続された浄水化ユニット４７を介して第１ホース４５ａおよび第２ホース４５ｂに分断されている。具体的には、第１ホース４５ａは、先端に吸水口体４６を有する側のホースである。他方の第２ホース４５ｂは、洗濯機１側を構成するホースであり、ポンプ給水用の給水口４３に接続される側のホースである。浄水化ユニット４７については後述する。

　次いで、図２９に基づき、給水ポンプ４４の周辺部分を拡大して説明する。給水ポンプ４４は、周知のように、いずれも図示しないポンプ用モータおよびポンプ用羽根車を具備している。給水ポンプ４４の吐出側には槽体に通ずる内部給水ホース４８が接続されている。一方、給水ポンプ４４の吸入側には給水口４３が一体的に設けられている。筒状の給水口４３の上端部は、トップカバー４の上面から突出している。なお、図２９に示す実線矢印は、給水ポンプ４４の稼動により給水経路内を流れる水の流れ方向を示している。また、図２６に示す実線矢印も、同様に、給水ポンプ４４の稼動により給水経路内を流れる水の流れ方向を示している。

　更に、図２９に基づき、既述の給水ホース４５の具体構成などについて述べる。まず、給水ホース４５の第２ホース４５ｂと給水口４３との接続手段につき述べる。第２ホース４５ｂの先端部には樹脂製の接続部材４９が設けられている。この接続部材４９は、円筒状の嵌合筒部４９ａと、抜け止めレバー部４９ｂとを一体に備えている。この抜け止めレバー部４９ｂは、嵌合筒部４９ａとの連接部をヒンジ機構としており、シーソー運動可能なレバー形状をなしている。抜け止めレバー部４９ｂの一端である下端部は爪状に形成されている。

　従って、嵌合筒部４９ａを給水口４３に挿入すると、接続部材４９がパッキン５０を介して水密な状態に嵌合される。そして、この嵌合状態を保持すべく、抜け止めレバー部４９ｂの爪状の下端部がトップカバー４の係合孔４ａに挿入され係合する。これにより、抜け止めレバー部４９ｂの動きは拘束されて、水密な嵌合状態が維持される。よって、接続部材４９の嵌合筒部４９ａと給水口４３との接続状態が保持される。なお、抜け止めレバー部４９ｂの上端部を押圧すれば、下端部が回動して係合状態が解除される。これにより、嵌合筒部４９ａを給水口４３から容易に離脱することができる。即ち、接続部材４９は、着脱自在に嵌合されて接続される。

　そして、接続部材４９と第２ホース４５ｂとは、第１コネクタ部材５１を介して通水可能に連通接続されている。ここで、第１コネクタ部材５１について述べる前に、まず第２ホース４５ｂの具体構成につき述べる。給水ホース４５は、樹脂製であり全体的に蛇腹状に形成されている。よって、給水ホース４５は、弾力性および可撓性を有するホースとなっている。この給水ホース４５のうち第２ホース４５ｂは、その蛇腹形状を維持すべく弾性力を強化するように、内面側の螺旋状に沿って芯部材５２を一体的に備えている。この芯部材５２は、第２ホース４５ｂの内面に溶着されている。

　芯部材５２は、硬質な金属線であるとともに、導電性を有する導線５３を芯として、その周りを樹脂製の絶縁性被膜５４で覆った構成となっている。芯部材５２は、絶縁性被膜５４を介して第２ホース４５ｂに溶着により固着される。このように導線５３を備える芯部材５２は、後述するように電線ケーブルとしても機能する。

　次に、第１コネクタ部材５１につき詳述する。コネクタ部材５１の一端は、導線５３と電気的に接続されている。コネクタ部材５１の他端は、トップカバー４側に設けられたソケット部材５５に着脱可能に接続され、同時に、電気的にも接続可能となっている。即ち、このソケット部材５５は、後述する洗濯機１から電源が供給されるように接続されている。また、ソケット部材５５は、図３０に示す洗濯機１の制御回路７２に接続されて洗濯機１の運転に伴い自動的に通断電制御される。

　これに対し、この第２ホース４５ｂの他端は、図２６に示すように浄水化ユニット４７に通水可能に連通接続され、且つ、電気的にも接続される。なお、その詳細は後述する。また、他方の第１ホース４５ａの一端も浄水化ユニット４７と通水可能に連通接続される。ここで、浄水化ユニット４７の構成につき述べる。図２５の縦断面図に示すように、浄水化ユニット４７は、濾過装置１１と除菌装置５６とを具備し、これら濾過装置１１および除菌装置５６をユニットケース５７で囲ったユニット構成となっている。

　濾過装置１１は、第１実施形態で述べたものと基本的に共通とするものである。但し、図２５および図２７に示す分解斜視図と対比した場合、保持板２５は、上面に放射状の突起部２８を有しない基本的構成となっている。なお、突起部２８は、必要に応じて適宜に採用すればよいものである。また、上部および下部に設けた筒状の流入口１５および流出口１６は、結合用のねじ部を有していない。このねじ部によらない結合手段は、濾過装置内部の濾過機能に対しては何らあるいは殆ど影響がない。従って、図２５および図２７に示す濾過装置１１は、第１実施形態で述べたものと実質的に同一の構成であり、よって、図２５では、主たる構成部分には同一符号を付している。

　この濾過装置１１に隣接して除菌装置５６が配置されている。この除菌装置５６は、中空円筒状の除菌タンク５８内の中心部に紫外線ランプ５９を備える。更に、除菌装置５６は、除菌タンク５８の上部に、当該タンク５８内の水位を検出する水位センサ７１を備えている。除菌装置５６は、具体的には図２８の分解斜視図に示すように、有底筒状で円筒容器状でもあるタンク本体６０と、その上面を覆うように水密に接合された蓋体６１とで除菌タンク５８を構成している。一方、紫外線ランプ５９は、内部の発光管５９ａを覆う石英ガラス管５９ｂからなる。この紫外線ランプ５９は、除菌タンク５８と水密な状態で組み込まれ、且つ、除菌タンク５８の内部において上部から垂下した状態で設けられている。そして、除菌タンク５８の上部である蓋体６１には、上方に延びる筒状の流出口６２が備えられている。また、除菌タンク５８の下部の底部近傍には、側方に延びる筒状の流入口６３が備えられている。

　更には、図２５に示すように、濾過装置１１および除菌装置５６は、その下部において通水可能に連通接続されている。具体的には、濾過装置１１の底部の流出口１６と除菌装置５６の底部の流入口６３とは、例えばＴ字状の継手部材６４を介して連通している。例えば、この継手部材６４は、Ｔ字状に沿って三叉路をなす水路を有している。そのうちの一つの水路は、水抜き用の管路である水抜き管６５に接続されており、水抜き栓６６を経てユニットケース５７の外方に排水可能となっている。

　一方、ユニットケース５７は、図２５に示すように、濾過装置１１および除菌装置５６を包含する容器状をなしている。ユニットケース５７は、その底面を平坦状の床面に設置可能としている。このユニットケース５７の上部には、濾材２４の交換ができるように、キャップ２０より径大な取出口６７が設けられている。着脱蓋６８は、この取出口６７を覆うように着脱可能に弾性的に取り付けられている。この着脱蓋６８の中央には、流入口１５が貫通して上方に突出している。なお、この突出した流入口１５には、図２６で開示したポンプ用の給水ホース４５を構成する第１ホース４５ａが挿脱可能に接続されている。

　他方、ユニットケース５７のうち除菌装置５６側の上部には、流出口６２が貫通して上方に突出している。除菌装置５６は、この流出口６２を除きユニットケース５７によって覆われた構成となっている。なお、この突出した流出口６２には、図２６で開示した給水ホース４５を構成する第２ホース４５ｂが連通接続されている。

　この場合、第２ホース４５ｂの物理的な接続とともに電気的な接続も可能としている。即ち、ホース４５ｂの基端部には、図２５に示すように芯部材５２の導線５３に電気的に接続された第２コネクタ６９が一体的に設けられている。このコネクタ６９は、ユニットケース５７側に設けられた第２ソケット部材７０に電気的に接続される。このソケット部材７０からユニットケース５７内に導入された図示しない導線は、紫外線ランプ５９および水位センサ７１に電気的に接続され、これら紫外線ランプ５９および水位センサ７１に電源を供給可能である。なお、図２６には、第２ホース４５ｂ内に螺旋状に配設された芯部材５２を１本の破線で示している。

　そして、図３０には、本実施形態の電気的構成を主な機能ブロックの組み合わせにより示している。制御回路７２は、マイクロコンピュータを主体に構成されたもので、洗濯機１の作動全般を制御する制御プログラムを有している。この制御回路７２の入力ポートには、操作パネル５の各種スイッチの操作部５ａからの操作信号、図示しない槽体内の洗濯水位を検出する水位センサ７３からの水位検出信号、回転速度から洗濯物量を測定するため運転開始初期におけるモータ７４の回転速度を検出する回転センサ７５からの回転速度信号などが与えられる。

　これに対し、制御回路７２の出力ポートには、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程などの運転の駆動源であるモータ７４、水道水を供給するための給水弁７６、槽体内の水を排出する排水弁７７、風呂水を供給するための給水ポンプ４４などが接続されている。

　更に、洗濯機１外の給水経路である給水ホース４５の通水路中に設けた除菌装置５６は、その第２ホース４５ｂに沿う芯部材５２の導線５３を通じて、洗濯機１側と電気的に接続可能な構成となっている。例えば、図３０に示すように、除菌装置５６の紫外線ランプ５９および水位センサ７１は、コネクタ５１などを介して制御回路７２に接続されている。制御回路７２は、除菌装置５６の動作を洗濯機１の運転に伴い制御可能となっている。なお、上記した図３０に示す符号５ａおよび符号７２から符号７７は、この図３０を説明するためのみに付した符号である。

　次に、上記構成の給水ポンプ４４を備えた洗濯機１において、給水動作を行うときの浄水化ユニット４７の作用を主に述べる。但し、浄水化ユニット４７を構成する濾過装置１１については、既述の第１実施形態の作用説明と実質的に同一であるため簡略的に述べる。この実施形態では、洗濯機１が内蔵する給水ポンプ４４を利用した運転が実行される。この場合、図２６に示す給水ホース４５は、詳細は図２９に示すように、ポンプ用の給水口４３に接続される。また、同時に、除菌装置５６および洗濯機１側の制御回路７２は、給水ホース４５の第２ホース４５ｂ内に螺旋状に沿って設けられた芯部材５２の導線５３を通じて電気的に接続される。

　この状態で、ユーザは、図示しない洗濯物を槽体内に投入し洗濯運転の準備を整えると、図３０のみに示す操作パネル５の操作部５ａを操作し、給水ポンプ４４を利用した洗濯運転コースなどを設定し、運転をスタートさせる。図３０に示す回転センサ７５は、運転初期のモータ７４の回転数（回転速度）を検出し、その検出信号を制御回路７２に出力する。検出信号が入力された制御回路７２は、洗濯物の重量および必要な水位を決定する。所定水位まで給水されると、制御回路７２は、所定水位まで給水されたことを水位センサ７３により検出する。そして、制御回路７２は、給水ポンプ４４をオフして給水動作を完了する。これにより、洗濯物を洗浄する洗濯運転が開始される。

　このように、洗濯機１は、給水動作において給水ポンプ４４を利用している。ここで、例えば外部水源としての風呂水を給水利用する場合につき具体的に説明する。図２６に示すように、給水ポンプ４４は、駆動されると、浴槽内に投入された吸水口体４６から風呂水を吸入し、給水ホース４５を介して実線矢印方向に送水する。この給水途中で、風呂水は浄水化ユニット４７を経て浄水化される。そして、風呂水は、図２９に示す給水口４３、給水ポンプ４４、および内部給水ホース４８を介して槽体内に供給される。なお、図２９では、風呂水の流れを実線矢印で示す。

　次に、図２５に基づき上記浄水化ユニット４７の作用について述べる。風呂水は、最初に第１ホース４５ａから濾過装置１１内に取り込まれる。図２５の実線矢印で示すように、水は、保持板２５でガイドされて拡散するように外周方向に流れ、円筒状に巻装された濾材２４の側方から内方に向けて貫通して流れる。その間に、水から各種の不純物が濾過されて除かれる。このようにして不純物が濾過された風呂水は、下方に流下し継手部材６４を介して除菌装置５６側に流入する。このとき、水抜き栓６６は、当然ながら、手動操作あるいは電動操作によって閉鎖状態とされている。そのため、水抜き管６５側への水路は閉ざされた状態にある。

　除菌装置５６の下部から流入した水（風呂水）は、除菌タンク５８内の下方から上昇する。そして、除菌タンク５８内の水位が紫外線ランプ５９のほぼ全体を浸漬する高水位に達すると、高水位に達したことを水位センサ７１が検出する。この水位センサ７１からの検出信号を受けた制御回路７２は、図３０に示すように紫外線ランプ５９の発光管５９ａを点灯するように制御し、除菌タンク５８内を流れる水に対して紫外線を照射する。紫外線ランプ５９は、そのほぼ全体が水中にある状態で紫外線の照射を開始する。これにより、水中の雑菌に対する殺菌作用は無駄なく効果的に行なわれる。

　更に、給水ポンプ４４による給水動作が継続すると、濾過装置１１によって浄水化され紫外線ランプ５９によって殺菌された水は、除菌タンク５８の上部の流出口６２から第２ホース４５ｂを経て洗濯機１に取り込まれる。具体的には、図２９に示すように、風呂水は、ポンプ用の給水口４３から給水ポンプ４４内に吸入され、このポンプ４４の吐出側に接続された内部給水ホース４８から槽体内に供給される。このような給水動作が進行して、やがて槽体内の水位が所定水位まで達すると、所定水位まで達したことを、槽体側に設けられた水位センサ７３が検出する。この検出信号に基づき、制御回路７２は、給水ポンプ４４の駆動を停止して給水動作を終えるとともに、紫外線ランプ５９への通電も断って当該紫外線ランプ５９をオフする。

　以降は、制御回路７２は、通常に行なわれる洗濯運転プログラムと同様に制御する。即ち、制御回路７２は、槽体内に設けた例えば撹拌体を駆動することにより洗剤を含む洗い行程、洗剤を除くすすぎ行程を自動的に実行するとともに、続いて、回転槽を回転することにより脱水行程を自動的に実行する。なお、洗濯水としての風呂水は、浄水化ユニット４７を経て、不純物の除去および雑菌の殺菌作用を受けて浄水化されている。そのため、浄水化ユニット４７を経た風呂水は、すすぎ洗いの水としても使用可能である。なお、この場合、洗濯機１は、例えば最終すすぎに限って、水道水を使用することも可能である。この場合には、水道水を供給する図２６に示す給水口７にも予め水道用の給水ホースを接続した状態とする。このとき、給水口７に接続する給水経路に、第１実施形態の図２で開示したように、濾過装置１１を介在した給水手段としてもよい。

　このように、上記した第６実施形態によれば、洗濯機１に外部水源である貯水源からの水を供給する給水ポンプ４４を備えた。そして、この構成において、給水経路中に濾過装置１１を設けることに加えて除菌装置５６を設けた。従って、貯水源として風呂水を洗濯に活用する場合には、その風呂水は、濾過装置１１によって各種の不純物が効率良く濾過され、さらに、除菌装置５６によって効率良く殺菌される。これにより、洗濯物の黄ばみや不快な臭いの要因が排除され、よって、このように浄水化された風呂水を、節水あるいは洗浄効果の向上を図るべく有効に活用できる。

　また、除菌装置５６は、通水される水に紫外線を照射する紫外線ランプ５９を、通水可能な除菌タンク５８内に備えた。そして、紫外線ランプ５９は、洗濯機１の制御回路７２に電気的に接続されて制御可能となっている。つまり、給水ポンプ４４の動作は、洗濯機１の運転プログラムに基づき自動的に制御される。また、洗濯作業を煩雑にすることなく容易に実行できる。

　なお、上記紫外線ランプ５９と洗濯機１側との電気的接続は、図２５，図２９などに示したように、給水ホース４５の第２ホース４５ｂ内に一体的に設けられ当該ホース４５ｂの補強ケーブルとしても電線ケーブルとしても機能する芯部材５２（導線５３）を介して接続するようにした。これにより、この第２ホース４５ｂを必要部位に接続する際に、同時にコネクタ５１，６９などを介して電気的な接続を行うことができる。また、その接続操作を簡便に行うことができる。また、給水ホース４５の電線ケーブルとしての機能は、補強された第２ホース４５ｂ自体により保護することができる。

　更に、図２５に示すように、除菌タンク５８内の上部に、水位を検出可能とする水位センサ７１を設けた。そして、制御回路７２は、この水位センサ７１の検出信号を受けて紫外線ランプ５９の動作を制御可能である。これにより、水中に紫外線を照射する紫外線ランプ５９を好適な位置に配置でき、紫外線を有効に照射することができる。しかも、水は、除菌タンク５８内の下部から流入し上部に流出する。従って、タンク５８内を満水状態とするのに好都合である。また、除菌タンク５８は、その前後の給水経路より広い空間を有する。これにより、タンク５８内では水流の勢いが弱まり、内部を流れる水に対して紫外線を効果的に照射することができる。

　そして、濾過装置１１および除菌装置５６の下部には、水抜き用の管路としての水抜き管６５や水抜き栓６６が設けられている。従って、例えば、運転終了後、あるいは、暫く給水ポンプ４４による給水動作を行なわない場合などに、水抜き栓６６を開放操作すれば、濾過ケース１４および除菌タンク５８内に残留した水を外部に抜くことができる。これにより、濾過装置１１内部および除菌装置５６内部を衛生的に維持することができ、且つ、濾過装置１１内部あるいは除菌装置５６内部が冬季などに凍結するなどの不具合を回避できる。

　図３１は、第６実施形態の変形例を示す図２８相当図である。この場合、除菌装置５６は、更に光触媒７８を備える。この光触媒７８は、円筒状をなし、紫外線ランプ５９の周りにおいてタンク本体６０を構成する除菌タンク５８内の空間を埋めるように配設されている。この光触媒７８は、セラミック製で気泡が連続した多孔質に形成された基体に、二酸化チタンのコーティングを施してなる。この光触媒７８は、その外周面が除菌タンク５８の内周面に密接する状態で挿入されている。

　上記構成によれば、光触媒７８は、紫外線が当たると、強力な酸化力を有するＯＨラジカルを生成する。このＯＨラジカルは、風呂水中の雑菌類や有機物質を酸化分解して浄水化する。これにより、紫外線ランプ５９による殺菌作用とＯＨラジカルによる殺菌作用および分解作用との相乗作用を活用して、効率良く風呂水を浄水化できる。また、簡易な構成にて、より清潔で衛生的な水を得ることができ、用途も拡大できる。

　　（第７実施形態）
　図３２および図３３は、第７実施形態を示す図２５相当図および図２６相当図である。上記各実施形態の洗濯機１は、給水ポンプ４４を内蔵した構成であった。これに対し、本実施形態の洗濯機７９は、図３３に示すように給水ポンプ手段を内蔵していない。即ち、洗濯機７９のトップカバー４は、上記実施形態と同様に図示しない給水弁に直結し水道水を供給するための給水口７のみを有する。従って、本実施形態は、給水ポンプ８０を機外に設け、この給水ポンプ８０から浄水化ユニット４７を介して洗濯機７９に給水可能とする構成である。

　まず、給水ポンプ８０を利用した給水動作について図３３を参照しながら述べる。洗濯機７９は、蛇腹状の給水ホース８１の一端の先端部に給水ポンプ８０を備える。この給水ポンプ８０は、給水時には、貯水源である例えば図示しない浴槽（風呂水）内に投入される。一方、この給水ホース８１の他端は、途中に浄水化ユニット４７を介して洗濯機７９に接続されている。但し、この洗濯機７９は、給水口として、給水弁に直結した給水口７以外の給水口を備えていない。そのため、図３３には、蓋６を一旦開放して給水ホース８１の開口端部を内部の槽体内に投入し、再び蓋６を、その給水ホース８１の上部から閉鎖した状態を示している。

　給水ホース８１は、具体的には浄水化ユニット４７を介在することで、給水ポンプ８０に直結した第１ホース８１ａと、洗濯機７９内部に投入される第２ホース８１ｂとから構成されている。第１ホース８１ａには、給水ポンプ８０と電気的に接続する電線ケーブルとして機能する芯部材５２が備えられている。図３３では、この芯部材５２を破線で示している。なお、浄水化ユニット４７には電源供給のための電源コード８２が設けられている。詳細は後述するが、浄水化ユニット４７は、この電源コード８２を介して、芯部材５２から給水ポンプ８０への電源供給、および、図３２に示す浄水化ユニット４７内の除菌装置５６への電源供給を可能としている。

　次に、図３２を参照しながら更に詳細に述べる。浄水化ユニット４７は、第６実施形態で述べた図２５に示す構成と共通である。また、当然ながら、図３２に実線矢印で示す水（風呂水）の流れ方向も図２５と共通である。濾過装置１１の流入口１５には、第１ホース８１ａが接続されている。これにより、流入口１５は、第１ホース８１ａの先端部の給水ポンプ８０と連通接続されている。一方、除菌装置５６の流出口６２には、第２ホース８１ｂが接続されている。第２ホース８１ｂの他端部は、洗濯機７９の槽体内に向けて開口している。これにより、流出口６２は、槽体内に連通接続されている。

　第１ホース８１ａには芯部材５２が設けられている。この芯部材５２は、例えば図２９に示す構成と同様の構成である。即ち、芯部材５２は、硬質な金属線で導電性を有する導線５３を芯として、その周りを樹脂製の絶縁性被膜５４で覆った構成である。そして、芯部材５２は、第１ホース８１ａの螺旋状の内面に溶着により一体化される。これにより、芯部材５２は、ホース８１ａの補強ケーブルとしても電線ケーブルとしても機能する。

　ここで、芯部材５２が電線ケーブルとして機能する点について述べる。即ち、第１ホース８１ａに施された芯部材５２（導線５３）は、コネクタ部材８３とソケット部材８４とを介して、図３３に示す電源コード８２と電気的に接続される。コネクタ部材８３およびソケット部材８４は、ホース８１ａが嵌合する基端部に連接して設けられ、相互に着脱可能である。また、除菌装置５６は、紫外線ランプ５９および水位センサ７１が電源コード８２に接続されている。これにより、室内などの図示しない外部のコンセントに接続された電源コード８２を介して紫外線ランプ５９および水位センサ７１に電源の供給が可能である。なお、除菌タンク５８上部の流出口６２には、第２ホース８１ｂの基端部が嵌合により接続されている。第２ホース８１ｂの他端部は、洗濯機７９まで延出されている。

　上記構成の第７実施形態によれば、給水ポンプ手段を内蔵しない洗濯機７９であっても、外部水源の貯水源である風呂水を洗濯機７９に供給し洗濯水として活用できる。即ち、給水ポンプ８０は、機外の給水経路中に配置され、その使用状態では浴槽（風呂水）内に投入されて吸水動作する。その給水ポンプ８０は、濾過装置１１および除菌装置５６とともに電源コード８２を介して外部電源のコンセントに接続される。これにより、給水ポンプ８０の運転による給水動作を行うことができる。

　つまり、給水ポンプ８０は、洗濯機７９とは別に単独で運転が可能である。また、給水ホース８１の第２ホース８１ｂを洗濯機７９の槽体内に導入しておけば、洗濯水として浄水化ユニット４７を経て不純物の除去や雑菌類が殺菌された風呂水の供給ができ、上記第６実施形態と同様の効果を期待できる。従って、本実施形態は、給水ポンプ手段を具備しない洗濯機７９にも活用でき、節水や洗浄効果の向上も期待できる。一方、本実施形態では、給水ポンプ８０を停止するには、コンセントから電源コード８２を抜けばよい。但し、実施に際しては、例えばオン／オフ用のスイッチ、タイマースイッチを設けるなど、種々展開して実施可能である。

　なお、上記各実施形態では、洗濯機に適用した濾過装置を説明した。これに限らず、上記各実施形態は、例えば、食器洗浄機など水を利用した洗浄機器用の濾過装置として広く展開して実施可能である。また、濾材として薄手の布生地を採用する場合には、その布生地を多層に巻き重ねることで有効活用できる。これに限らず、例えば厚手の布生地などを採用する場合には、多層にしなくとも濾過機能が期待できる。即ち、濾材としては、薄手の生地あるいは厚手の生地に関わらず、筒状にした状態の濾材とすればよい。

　また、濾過装置は、その構成部材の全て、あるいは、殆どを真円の円筒状の部材として構成した例を述べた。しかし、これに限らず、濾過装置の構成部材は、例えば楕円筒状、あるいは、多角筒状であっても同様の作用効果を期待できる。

　また、保持板に設けられる突起部は、例えば、保持板のうち水を受ける面（この場合、上面）の全体あるいは一部に、多数の突起を突出させてブラシ状に設けた構成としてもよい。この場合、多数の突起は、水の流入方向に対向する方向（この場合、上向き）に突出させるとよい。要するに、突起部は、水を偏らせずに全体に分散して流すことを主な目的として設けられる要素であり、従って、その形状は、水の流れる方向を分散できる形態であれば種々の形態を採用することができる。

　以上、複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略，置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　また、複数の実施形態を組み合わせて実施することも可能である。例えば、第３実施形態から第５実施形態の少なくとも何れか１つに示した形態を、第６実施形態あるいは第７実施形態に組み合わせて実施することもできる。

Claims

　洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置であって、
　一端に水の流入口を有し、他端に水の流出口を有する容器状の濾過ケースと、
　前記濾過ケース内のうち前記流入口と前記流出口との間に位置して収容され、筒状をなす周壁に複数の透孔を有するコア部材と、
　布生地を筒状に巻いたものであり、前記コア部材に保持される濾材と、
　前記濾材を上方から覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記濾過ケースの前記流入口からの水の流入方向と対向する表面を有する保持板と、
を備え、
　前記流入口からの水を前記保持板で受けた後、その水を前記濾材の外周面側から中心側に向けて通すことで不純物を濾過する洗浄機器用の濾過装置。
　前記保持板の表面に突起部を備える請求項１に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記保持板の表面に、前記濾過ケースの前記流入口からの水を受ける凹状部を備える請求項１に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記濾材は、前記コア部材の内部空間に収容されて保持される請求項１から３の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記濾過ケース内に、当該濾過ケースの内壁面との間に間隙を有して設置されたコアユニットを備え、
　前記コア部材および前記保持板は、前記コアユニットに備えられ、
　前記コアユニットにおいて、
　前記コア部材は、一端側の開口が前記濾過ケースの流出口の周りに設置され、
　前記保持板は、前記コア部材の他端側の開口を覆うように一体的に結合され、且つ、前記濾過ケースの流入口と対向して配置され、
　前記コア部材の筒状の周壁に、当該コア部材の長手方向に延びるスリットが形成され、
　前記コア部材の周壁に巻きつけられたシート状の前記濾材の端部が前記スリットに挿入されて弾性的に挟持される請求項１から４の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記コアユニットを構成する前記コア部材のうち前記スリットを含む周壁の一部は、前記保持板と分離している請求項５に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記コア部材のうち前記スリットを挟む周壁の両端部は、相互に対向していない請求項５または６に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記コア部材のうち前記スリットを挟む周壁の両端部は、凹凸形状に形成されている請求項５から７の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記コア部材の周壁に、外方に突出する複数の突起が形成されている請求項５から８の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記濾過ケースの流出口の周りにおいて突出し、前記コア部材の一端側の開口に嵌合する筒状壁部と、
　前記筒状壁部に形成された溝部と、
を備え、
　前記溝部は、一端が前記流出口に通じ、他端が前記コア部材の前記スリットに対応する請求項５から９の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記洗浄機器と前記貯水源との間に設けられ、前記貯水源からの水を前記洗浄機器に供給する給水ポンプと、
　前記濾過装置と通水可能に連通接続され、通水中の水に紫外線を照射して殺菌する除菌装置と、
を備える請求項１から５の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記除菌装置は、前記濾過装置と通水可能な除菌タンク内に紫外線ランプを備え、
　前記紫外線ランプは、前記洗浄機器が有する制御回路に電気的に接続され、
　前記制御回路は、前記紫外線ランプの動作を制御する請求項１１に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記除菌タンクは、当該タンク内の水位を検出する水位センサを備え、
　前記水位センサは、前記制御回路に電気的に接続され、
　前記制御回路は、前記水位センサの水位検出信号に基づき前記紫外線ランプの動作を制御する請求項１２に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記濾過装置および前記除菌装置の下部に、水抜き用の管路を設けた請求項１１から１３の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。
　前記給水ポンプは、前記給水経路中に配置され、前記除菌装置とともに外部電源に接続され、単独に運転可能である請求項１１から１４の何れか１項に記載の洗浄機器用の濾過装置。