WO2013027820A1 - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、第1基材と、第1基材に対向配置される第2基材と、第1基材及び第2基材の間に配置される被封止部と、第1基材及び第2基材を連結し、被封止部の周囲に設けられる封止部とを備えており、封止部が、第1基材に固定される第1樹脂封止部と、第2基材に固定され、第1樹脂封止部と連結される第2樹脂封止部とを有し、第1樹脂封止部及び第2樹脂封止部が樹脂を含み、第2樹脂封止部のメルトフローレート又は融点が第1樹脂封止部のメルトフローレート又は融点と異なる電子機器であって、電子機器が、光電変換素子、液晶表示装置又はEL表示装置である電子機器である。

Description

電子機器
 本発明は、電子機器に関する。
 電子機器として、色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池などの光電変換素子、液晶表示装置、EL表示装置などの表示素子などが知られている。
 このような電子機器として、一対の基体の間に絶縁性のスペーサを配置し、絶縁性スペーサを一対の基体に対し封止材で接合することによって、封止性能が良好でショートが生じ難い機能デバイスが提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1では、絶縁性スペーサとしてガラス、アルミナ、石英等の無機材料や、ポリエチレン等の有機材料を用い、封止材としてアクリル樹脂、ガラスフリット等を用いることが開示されている(実施例)。
特開2007-194075号公報
 しかし、上記特許文献1に記載の機能デバイスは、以下に示す課題を有していた。
 すなわち特許文献1に記載の機能デバイスは、昼と夜とで温度が大きく異なる屋外などの温度変化の大きい環境下に置かれることがある。特に太陽電池のような機能デバイスにあっては、屋外などの温度変化の大きい環境下に置かれる可能性が高い。このとき、一対の基体、封止材及びスペーサは熱膨張や熱収縮を繰り返す。ここで、スペーサがガラスなどの無機材料のみで構成されると、封止材と基体との線膨張係数は通常異なるため、封止材とスペーサとの界面、あるいは封止材と基体との界面に過大な応力がかかる。またスペーサが樹脂で構成される場合でも、封止材とスペーサとの界面、あるいは封止材と基体との界面に過大な応力がかかる場合がある。このため、封止材とスペーサとの密着性及び接着性が低下する結果、機能デバイスの封止性能が低下し、耐久性を維持することができなくなる。
 また封止材及び絶縁スペーサがいずれも樹脂で構成される場合、高温環境下では、封止材及び絶縁スペーサが流動しやすくなる。このとき、一対の基体間の距離を縮める方向に封止材及び絶縁スペーサに応力が加わると、封止材及び絶縁スペーサが応力に負けて潰され、一対の基体間の距離が小さくなり、封止材及び絶縁スペーサの合計厚さが薄くなる場合がある。そして、封止材及び絶縁スペーサの合計厚さが一定値以下に薄くなると、接着力が大きく低下してしまい、耐久性を維持することができなくなる。
 そこで、本発明は、温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも高温環境下に置かれる場合でも耐久性を十分に維持できる電子機器を提供することを目的とする。
 本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特許文献1に記載の機能デバイスにおいて、一対の基体の間から絶縁スペーサを取り除き、一対の基体の各々に設けられる封止材同士の硬さが異なるようにすることで、機能デバイスが温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも機能デバイスの耐久性を十分に維持できるのではないかと考えた。すなわち、一対の基体の各々に設けられる封止材同士の硬さが異なることで温度変化に伴って機能デバイス内に生じる応力が封止材同士間の界面に集中するのを抑制できるのではないかと本発明者は考えた。また、一対の基体の各々に設けられる封止材同士の硬さが異なるようにすることで、封止材が高温環境下に置かれ、一対の基体間の距離を縮める方向に封止材に応力が加わっても、一方の封止材が他方の封止材よりも硬いため、硬い方の封止材が潰れにくくなり、封止材の厚さを十分に確保することができるのではないかと本発明者は考えた。その結果、封止材の接着力の低下を十分に抑制できるのではないかと本発明者は考えた。そこで、本発明者はさらに検討を重ね、以下の発明により上記課題を解決しうることを見出した。
 すなわち本発明は、第1基材と、前記第1基材に対向配置される第2基材と、前記第1基材及び前記第2基材の間に配置される被封止部と、前記第1基材及び前記第2基材を連結し、前記被封止部の周囲に設けられる封止部とを備えており、前記封止部が、前記第1基材に固定される第1樹脂封止部と、前記第2基材に固定され、前記第1樹脂封止部と連結される第2樹脂封止部とを有し、前記第1樹脂封止部及び前記第2樹脂封止部が樹脂を含み、前記第2樹脂封止部のメルトフローレート又は融点が前記第1樹脂封止部のメルトフローレート又は融点と異なることを特徴とする電子機器であって、前記電子機器が、光電変換素子、液晶表示装置又はEL表示装置である電子機器である。
 この電子機器によれば、第2樹脂封止部のメルトフローレート又は融点が前記第1樹脂封止部のメルトフローレート又は融点と異なるため、第2樹脂封止部及び第1樹脂封止部のうち一方の樹脂封止部が他方の樹脂封止部よりも軟らかくなる。このため、電子機器が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部にて第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との界面に応力がかかっても、その応力が軟らかい方の樹脂封止部で吸収されて十分に緩和される。したがって、本発明の電子機器によれば、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との密着性及び接着性が低下することを十分に抑制することができ、被封止部の漏洩又は外部からの被封止部への水分の浸入を十分に抑制することができる。よって、電子機器が温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 また、第2樹脂封止部及び第1樹脂封止部のうち一方の樹脂封止部が他方の樹脂封止部よりも硬いため、硬い方の樹脂封止部は軟らかい方の樹脂封止部に比べて、高温環境下でも流動しにくくなる。このため、電子機器が高温環境下に置かれ、封止部に対して第1基材と第2基材との間の距離を縮める方向に応力が加えられる場合、軟らかい方の樹脂封止部が潰れても、硬い方の樹脂封止部が潰れることを十分に抑制することができる。このため、封止部の厚さを十分に確保することができ、その結果、封止部の接着力の低下を十分に抑制できる。よって、電子機器が高温環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 上記電子機器においては、前記第2基材が可撓性を有し、前記第2樹脂封止部のメルトフローレートが前記第1樹脂封止部のメルトフローレートよりも大きい、又は、前記第2樹脂封止部の融点が前記第1樹脂封止部の融点よりも低いことが好ましい。
 この電子機器によれば、可撓性を有する第2基材に固定された第2樹脂封止部が、第1基材に固定された第1樹脂封止部よりも軟らかい。このため、第2基材が変形しても、第2樹脂封止部が、可撓性を有する第2基材に追従することができる。
 上記電子機器においては、前記第1基材が光透過性を有し、前記第2樹脂封止部のメルトフローレートが前記第1樹脂封止部のメルトフローレートよりも大きい、又は、前記第2樹脂封止部の融点が前記第1樹脂封止部の融点よりも低いことが好ましい。
 第1基材が光透過性を有するため、光は第1基材側から入射される。このとき、第1基材に固定された第1樹脂封止部が、第2基材に固定された第2樹脂封止部よりも硬いため、第1樹脂封止部が直接光を受けて高温になっても、その流動が十分に抑制される。
 上記電子機器においては、前記第1樹脂封止部の融点と前記第2樹脂封止部の融点との差が3~100℃であることが好ましい。
 前記第1樹脂封止部の融点と前記第2樹脂封止部の融点との差が上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合に比べて、温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも高温環境下に置かれる場合でも電子機器の耐久性を効果的に維持できる。
 上記電子機器においては、第1樹脂封止部の融点と前記第2樹脂封止部の融点との差が10~80℃であることが好ましい。
 第1樹脂封止部の融点と第2樹脂封止部の融点との差が上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合に比べて、温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも高温環境下に置かれる場合でも電子機器の耐久性をより効果的に維持できる。
 上記電子機器においては、前記第1樹脂封止部と前記第2樹脂封止部とは、酸化皮膜を介して連結されており、前記酸化皮膜の厚さが0.1μm以下であることが好ましい。
 この場合、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間に、これらの接着を抑制する酸化皮膜が薄い状態で介在している。このため、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間で強固な接着が可能となる。特に、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部が共に熱可塑性樹脂である場合には、酸化皮膜を極めて薄くすることができる。このため、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とが、これらの界面で溶融および相溶しやすく、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間で極めて強固な接着が可能となる。
 上記電子機器においては、前記第1樹脂封止部と前記第2樹脂封止部とがそれらの間の少なくとも一部において直接連結していることが好ましい。
 この場合、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間に、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とが直接連結した部分があり、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との接着を抑制する酸化皮膜の割合が少なくなる。このため、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とが直接連結した部分がない場合に比べて、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間でより強固な接着が可能となる。特に、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部が共に熱可塑性樹脂である場合には、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間に、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とが直接連結した部分があり、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との接着を抑制する酸化皮膜の割合が少なくなる。このため、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とが直接連結した部分がない場合に比べて、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とは、これらの界面でより溶融および相溶しやすく、極めて強固な接着が可能となる。
 上記電子機器は光電変換素子であり、前記光電変換素子が、作用極と、前記作用極に対向する対極と、前記作用極と前記対極との間に配置される電解質とを有し、前記作用極が、前記第1基材と、前記第1基材上であって前記第2基材側に設けられる酸化物半導体層とを含み、前記被封止部は前記電解質を含み、前記対極が前記第2基材を含み、前記第2樹脂封止部のメルトフローレートが前記第1樹脂封止部のメルトフローレートよりも大きい、又は前記第2樹脂封止部の融点が前記第1樹脂封止部の融点よりも低いことが好ましい。
 この場合、第1基材に固定された第1樹脂封止部が第2樹脂封止部に比べて硬いため、高温環境下でも第1樹脂封止部の流動が抑えられ、酸化物半導体層の汚染が十分に抑制される。すなわち、第1樹脂封止部が酸化物半導体層を覆って、電解質と酸化物半導体層との電荷の受け渡しが起こりにくくなることがより十分に抑制される。
 上記電子機器が、上述した構成を有する光電変換素子である場合、前記第1樹脂封止部に含まれる樹脂は、酸変性ポリオレフィンで構成されることが好ましい。
 この場合、第1基材と第1樹脂封止部との接着が強固になり、その界面において、被封止部の漏洩及び外部からの被封止部への水分の浸入をより十分に抑制できる。また、前記した理由に加えて、酸変性ポリオレフィンが、電解質に対して非常に安定であるため、長期間にわたって第1樹脂封止部に含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。さらに酸変性ポリオレフィンはポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂に比べて比較的低融点であるため、以下の利点も有する。すなわち第1樹脂封止部はポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂に比べて、第2樹脂封止部との硬さの差がより一層大きくなる。このため、光電変換素子が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部にて第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との界面に応力がかかっても、第1樹脂封止部としてポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂を用いる場合に比べて、その応力がより十分に緩和される。
 上記電子機器が、上述した構成を有する光電変換素子である場合、前記第2樹脂封止部に含まれる樹脂は、酸変性ポリオレフィンで構成されることが好ましい。
 この場合、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との接着が強固になり、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との界面において、被封止部の漏洩及び外部からの被封止部への水分の浸入をより十分に抑制できる。また、前記した理由に加えて、酸変性ポリオレフィンが、電解質に対して非常に安定であるため、長期間にわたって第2樹脂封止部に含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。さらに酸変性ポリオレフィンはポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂に比べて比較的低融点であるため、以下の利点も有する。すなわち第2樹脂封止部はポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂に比べて、第1樹脂封止部との硬さの差がより一層大きくなる。このため、光電変換素子が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部にて第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との界面に応力がかかっても、第2樹脂封止部としてポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂を用いる場合に比べて、その応力がより十分に緩和される。
 上記電子機器が、上述した構成を有する光電変換素子である場合、前記酸変性ポリオレフィンが酸変性ポリエチレンであることが好ましい。
 この場合、酸変性ポリエチレンは、酸変性ポリオレフィンの中でも特に電解質に対する安定性が高い。このため、第2樹脂封止部及び第1樹脂封止部は、長期間にわたって第2樹脂封止部及び第1樹脂封止部に含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。さらに、酸変性ポリエチレンは他の酸変性ポリオレフィンに比べて比較的低融点であるため、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とが比較的低温で溶融接着しやすい。
 なお、本発明においてメルトフローレート(以下、「MFR」と略称する)の値は、ASTM D1238に従い、190℃、2.16kgsの条件下で測定された値を言うものとする。但し、190℃の条件下でMFRの正確な測定が困難である場合には、210℃の条件下で測定された値を言うものとする。
 また本発明において、融点とは、示差走査熱量分析(DSC)によって求めた値を言うものとする。詳しく述べると、融点とは、昇温条件(昇温速度)及び冷却条件(冷却速度)を共に1℃/分とし、昇温した時に得られる値と昇温後冷却し再度昇温したときに得られる値の平均値を言うものとする。
 さらに本発明において、第1基材及び第2基材が「可撓性を有する」とは、20℃の環境下で50mm×200mmのシート状基材の長辺側の両縁部(それぞれ幅5mm)を張力1Nで水平に固定し、基材の中央に20g重の荷重をかけた際の基材の撓みの最大変形率が20%を超えるものを言うものとする。ここで、最大変形率とは、下記式:
最大変形率(%)=100×(最大変位量/シート状基材の厚さ)
に基づいて算出される値を言う。したがって、例えば厚さ0.04mmのシート状基材が上記のようにして荷重をかけることにより撓み、最大変形量が0.01mmとなった場合、最大変形率は25%となり、このシート状基材は可撓性基材となる。
 本発明によれば、温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも高温環境下に置かれる場合でも耐久性を十分に維持できる電子機器が提供される。
本発明に係る電子機器の第1実施形態を示す断面図である。 図1の封止部を示す部分断面図である。 図1の作用極を示す断面図である。 図1の対極を示す断面図である。 図3の作用極を示す平面図である。 図1の電子機器の製造方法の一例における一工程を示す断面図である。 図1の電子機器の製造方法の一例における他の工程を示す断面図である。 図1の電子機器の製造方法の一例におけるさらに他の工程を示す断面図である。 本発明に係る電子機器の第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係る電子機器の第3実施形態を示す断面図である。 本発明に係る電子機器の第4実施形態を示す断面図である。 図1の電子機器の製造方法の他の例における一工程を示す断面図である。 図1の作用極の変形例を示す断面図である。 図1の対極の変形例を示す断面図である。 本発明に係る電子機器の第5実施形態を示す断面図である。
 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
 [第1実施形態]
 まず本発明に係る電子機器の第1実施形態について図1および図2を用いて説明する。図1は本発明に係る電子機器の一実施形態である光電変換素子としての色素増感太陽電池を示す断面図、図2は図1の封止部を示す部分断面図である。
 図1に示すように、色素増感太陽電池100は、作用極1と、作用極1に対向配置される対極2とを備えている。作用極1と対極2とは封止部4によって連結されている。そして、作用極1と対極2と封止部4とによって包囲されるセル空間内には電解質3が充填されている。電解質3は作用極1と対極2との間に配置され、封止部4は電解質3の周囲に設けられている。
 作用極1は、透明基板6及び透明基板6の対極2側に設けられる透明導電膜7を有する導電性基板11と、導電性基板11の透明導電膜7の上に設けられる多孔質酸化物半導体層8とを備えており、導電性基板11は光透過性を有している。作用極1のうちの多孔質酸化物半導体層8には光増感色素が担持されている。対極2は、対極基板9と、対極基板9のうち作用極1側に設けられて対極2の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層10とを備えている。ここで、対極2は可撓性を有し、作用極1は可撓性を有していない。なお、色素増感太陽電池100においては、導電性基板11が第1基材を構成し、対極2が第2基材を構成している。また電解質3が被封止部を構成している。
 封止部4は、作用極1と対極2とを連結しており、作用極1の導電性基板11に固定される第1樹脂封止部4aと、対極2に固定される第2樹脂封止部4bとで構成されている。作用極1側の第1樹脂封止部4aは導電性基板11の多孔質酸化物半導体層8側の表面上、すなわち透明導電膜7の表面上に固定されている。対極2側の第2樹脂封止部4bは対極2の触媒層10の表面上に固定されている。第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bはいずれも樹脂を含んでおり、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点よりも低くなっている。そして、図2に示すように、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとは酸化皮膜4cを介して連結されている。ここで、酸化皮膜4cの厚さtは0.1μm以下となっている。酸化皮膜4cは、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間で全面的に形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。ここで、酸化皮膜4cが第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間で部分的に形成される場合には、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが一部において直接連結することとなる。この場合、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが直接連結した部分があり、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの接着を抑制する酸化皮膜4cの割合が少なくなる。このため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが直接連結した部分がない場合に比べて、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間でより強固な接着が可能となる。特に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bが共に熱可塑性樹脂である場合には、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが直接連結した部分があり、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの接着を抑制する酸化皮膜4cの割合が少なくなる。このため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが直接連結した部分がない場合に比べて、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとは、これらの界面でより溶融および相溶しやすく、極めて強固な接着が可能となる。
 この色素増感太陽電池100によれば、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点よりも低いため、第2樹脂封止部4bは第1樹脂封止部4aよりも軟らかくなる。このため、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4にて第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、その応力が軟らかい第2樹脂封止部4bで吸収されて十分に緩和される。したがって、色素増感太陽電池100によれば、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの密着性及び接着性が低下することを十分に抑制することができ、電解質の漏洩及び外部からの水分の侵入を十分に抑制することができる。よって、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 また第1樹脂封止部4aが第2樹脂封止部4bよりも硬いため、硬い方の第1樹脂封止部4aは軟らかい方の第2樹脂封止部4bに比べて、高温環境下でも流動しにくくなる。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれ、作用極1と対極2との間の距離を縮める方向に応力が加えられる場合、軟らかい方の第2樹脂封止部4bが潰れても、硬い方の第1樹脂封止部4aが潰れることを十分に抑制することができる。このため、封止部4の厚さを十分に確保することができ、その結果、封止部4の接着力の低下を十分に抑制できる。よって、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 さらに色素増感太陽電池100では、導電性基板11に固定された第1樹脂封止部4aが第2樹脂封止部4bよりも硬いため、高温環境下でも第1樹脂封止部4aの流動が抑えられ、多孔質酸化物半導体層8の汚染が十分に抑制される。すなわち、第1樹脂封止部4aが多孔質酸化物半導体層8を覆って多孔質酸化物半導体層8の孔内に入り込み、電解質3と多孔質酸化物半導体層8との電荷の受け渡しが起こりにくくなることがより十分に抑制される。
 また色素増感太陽電池100では、導電性基板11が光透過性を有するため、光は作用極1側から入射される。このとき、導電性基板11に固定された第1樹脂封止部4aが、対極2に固定された第2樹脂封止部4bよりも硬いため、第1樹脂封止部4aが直接光を受けて高温になっても、その流動が十分に抑制される。
 さらに色素増感太陽電池100では、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとは、酸化皮膜4cを介して連結されており、酸化皮膜4cの厚さtが0.1μm以下である。すなわち、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に、これらの接着を抑制する酸化皮膜4cが薄く形成されている。このため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間で強固な接着が可能となる。特に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが共に熱可塑性樹脂である場合には、酸化皮膜4cを極めて薄くすることができるため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとがこれらの界面で溶融および相溶しやすく、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間で極めて強固な接着が可能となる。
 次に、作用極1、光増感色素、対極2、電解質3及び封止部4について詳細に説明する。
 (作用極)
 透明基板6を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板6の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50~10000μmの範囲にすればよい。
 透明導電膜7を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(Indium-Tin-Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素添加酸化スズ(Fluorine-doped-Tin-Oxide:FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜7は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜7が単層で構成される場合、透明導電膜7は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOで構成されることが好ましい。また透明導電膜7として、複数の層で構成される積層体を用いると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOで構成される層と、FTOで構成される層との積層体を用いることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性及び耐薬品性を持つ透明導電膜7が実現できる。透明導電膜7の厚さは例えば0.01~2μmの範囲にすればよい。
 導電性基板11の透過率は、400~900nmの波長領域で通常は80%以上であるが、好ましくは87%以上であり、より好ましくは90%以上である。なお、導電性基板11の好ましい透過率に上限はないが、導電性基板11は透明導電膜7を有するために透過率の上限は通常は100%未満となる。ここで、透過率とは、透過スペクトル測定装置(製品名:U-4100、日立ハイテク社製)を用いて測定された透過率を言うものとする。
 多孔質酸化物半導体層8は、酸化物半導体粒子によって構成されている。酸化物半導体粒子としては、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb25)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)又はこれらの2種以上で構成される酸化物半導体粒子が挙げられる。これら酸化物半導体粒子の平均粒径は1~1000nmであることが、光増感色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、すなわち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。ここで、多孔質酸化物半導体層8が、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させてなる積層体で構成されることが好ましい。この場合、積層体内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、入射光を積層体の外部へ逃がすことなく効率よく光を電子に変換することができる。多孔質酸化物半導体層8の厚さは、例えば0.5~50μmとすればよい。なお、多孔質酸化物半導体層8は、異なる材料からなる複数の半導体層の積層体で構成することもできる。
 (光増感色素)
 光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
 (対極)
 対極基板9は、例えばチタン、ニッケル、ステンレス、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料や、炭素系材料や、作用極1の透明基板6と同様の透明基板上にITO、FTO等の導電性酸化物を形成したもので構成される。対極基板9の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005~0.1mmとすればよい。
 触媒層10は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。
 (電解質)
 電解質3は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、バレロニトリル、ピバロニトリル、グルタロニトリル、メタクリロニトリル、イソブチロニトリル、フェニルアセトニトリル、アクリロニトリル、スクシノニトリル、オキサロニトリル、ペンタニトリル、アジポニトリルなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオン、亜鉛錯体、鉄錯体、コバルト錯体などのレドックス対などの対が挙げられる。色素増感太陽電池100は、酸化還元対としてI/I のような揮発性溶質及び、高温下で揮発しやすいアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルのような有機溶媒を含む電解液を電解質として用いた場合に特に有効である。この場合、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が特に大きくなり、色素増感太陽電池100において、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bの融点が異なるものでない場合には、封止部4と対極2との界面、および封止部4と作用極1との界面から電解質3が漏洩しやすくなるからである。
 なお、電解質3は、上記有機溶媒に代えて、イオン液体と揮発性成分としての上記有機溶媒との混合物からなるイオン液体電解質を含んでいてもよい。この場合も、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が大きくなるためである。また、電解質3は、上記有機溶媒に代えて、イオン液体を含んでもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムヨーダイド、1-エチル-3-プロピルイミダゾリウムヨーダイド、ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、エチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ブチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、又は、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドが好適に用いられる。また揮発性成分としては、上記の有機溶媒や、LiI、I、4-t-ブチルピリジン、グアニジウムチオシアネート、1-メチルベンゾイミダゾール、1-ブチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。さらに電解質3としては、上記電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
 (封止部)
 <第1樹脂封止部>
 第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂は、樹脂であればいかなるものでもよいが、このような樹脂としては、例えば酸変性ポリオレフィンなどの変性ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体または紫外線硬化樹脂を用いることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
 第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂としては、上記樹脂のうち酸変性ポリオレフィンまたは紫外線硬化樹脂が好ましい。第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂として、酸変性ポリオレフィンまたは紫外線硬化樹脂を用いた場合、作用極1の透明導電膜7と第1樹脂封止部4aとの接着が強固になり、その界面において、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入をより十分に抑制できる。特に、第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂として、酸変性ポリオレフィンを用いる場合は、前記した理由に加えて、酸変性ポリオレフィンが、電解質3に対して非常に安定であるため、長期間にわたって第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。さらに酸変性ポリオレフィンはポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂に比べて比較的低融点であるため、以下の利点も有する。すなわち第1樹脂封止部4aはポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂に比べて、第2樹脂封止部4bとの硬さの差がより一層大きくなる。このため、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4にて第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、第1樹脂封止部4aとしてポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などの他の樹脂を用いる場合に比べて、その応力がより十分に緩和される。酸変性ポリオレフィンの中でも酸変性ポリエチレンが好ましい。酸変性ポリエチレンは、酸変性ポリオレフィンの中でも比較的融点が低い。このため、第1樹脂封止部4aとして、酸変性ポリエチレン以外の酸変性ポリオレフィンを用いる場合に比べて、第1樹脂封止部4aと作用極1との界面に生じる応力をより一層緩和することができる。また酸変性ポリオレフィンの中でも酸変性ポリエチレンは、特に電解質3に対する安定性が高い。このため、第1樹脂封止部4aは、長期間にわたって第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。
 また第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂は、ポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体であってもよい。これらは気体バリア性が高いために、第1樹脂封止部4a中において、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入をより十分に抑制できる。上述した樹脂は単独で第1樹脂封止部4aの樹脂として用いてもよいが、2種以上を混合したものであってもよい。
 <第2樹脂封止部>
 第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は、第1樹脂封止部4aよりも低い融点を有する樹脂であればいかなるものであってもよく、例えば酸変性ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体の中から適宜選択することができる。
 第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂としては、酸変性ポリオレフィンが好ましい。この場合、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの接着が強固になり、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面において、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入をより十分に抑制できる。また、前記した理由に加えて、酸変性ポリオレフィンが、電解質3に対して非常に安定であるため、長期間にわたって第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。さらに酸変性ポリオレフィンはポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体に比べて比較的低融点であるため、以下の利点も有する。すなわち第2樹脂封止部4bはポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体に比べて、第1樹脂封止部4aよりもより一層軟らかくなる。このため、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4にて第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、第2樹脂封止部4bとしてポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体を用いた場合に比べて、その応力がより十分に緩和される。また酸変性ポリオレフィンがポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体に比べて比較的低融点であるため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが比較的低温で溶融接着しやすくなる。なお、酸変性ポリオレフィンとは、オレフィンに酸をランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合させたもの、またはこれらを金属イオンで中和したものを意味する。酸変性ポリオレフィンとしては例えばエチレン-メタクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用いることができる。ここで、例えば無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、無水マレイン酸をグラフト共重合させた酸変性オレフィンである。
 第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は酸変性ポリエチレンであることがより好ましい。酸変性ポリエチレンは他の酸変性ポリオレフィンに比べて比較的低融点であるため、第2樹脂封止部4bは他の酸変性ポリオレフィンに比べて、第1樹脂封止部4aよりもより一層軟らかくなる。このため、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4にて第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、第2樹脂封止部4bとして他の酸変性ポリオレフィンを用いた場合に比べて、その応力がより十分に緩和される。
 また第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は、ポリビニルアルコール又はエチレン-ビニルアルコール共重合体であってもよい。これらの樹脂は気体バリア性が高いために、第2樹脂封止部4b中において、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入をより十分に抑制できる。
 第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂と第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は、互いに異種の酸変性ポリオレフィンであることが好ましい。この場合、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bは、お互いの分子中に同種の不飽和炭素鎖を有するため、相性が良く、後述する封止部形成工程で第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間での接着性及び密着性に優れる。
 第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は上記酸変性ポリオレフィンの群から選ばれる同じ樹脂であることがより望ましい。例えば第1樹脂封止部4aを構成する樹脂と第2樹脂封止部4bを構成する樹脂が同じアイオノマーからなる組み合わせ、又は、第1樹脂封止部4aを構成する樹脂と第2樹脂封止部4bを構成する樹脂が同じ無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる組み合わせなどが望ましい。
 さらに、第2樹脂封止部4b及び第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂は酸変性ポリエチレンであることがより好ましい。この場合、酸変性ポリエチレンは、酸変性ポリオレフィンの中でも特に電解質3に対する安定性が高い。このため、第2樹脂封止部4b及び第1樹脂封止部4aは、長期間にわたって第2樹脂封止部4b及び第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂の柔軟性や接着性などの物性を維持できる。さらに、酸変性ポリエチレンは他の酸変性ポリオレフィンに比べて比較的低融点であるため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが比較的低温で溶融接着しやすい。また、第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂と第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂が互いに異種の酸変性ポリエチレンであると、お互いのモノマーがエチレンであるため相性が良く、後述する封止部形成工程で第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間での接着性及び密着性に優れる。
 ここで、酸変性ポリエチレンとは、ポリエチレンに酸をランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合させたもの、またはこれらを金属イオンで中和したものを意味する。一例としては、エチレンメタクリル酸共重合体は、エチレンとメタクリル酸とを共重合させたもので、酸変性ポリエチレンであり、エチレンメタクリル酸共重合体を金属イオンで中和したアイオノマーも酸変性ポリエチレンとなる。
 第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は上記酸変性ポリエチレンの群から選ばれる同じ樹脂であることがより望ましい。例えば第1樹脂封止部4aを構成する樹脂と第2樹脂封止部4bを構成する樹脂が同じアイオノマーからなる組み合わせ、又は、第1樹脂封止部4aを構成する樹脂と第2樹脂封止部4bを構成する樹脂が同じ無水マレイン酸変性ポリエチレンからなる組み合わせなどが望ましい。
 ここで、同じ樹脂とは、ポリエチレンを変性する酸モノマーのエチレン繰返し単位に対するモル比が同一である樹脂はもちろん、このモル比が異なる樹脂をも含む。例えば酸モノマーのエチレン繰返し単位に対するモル比率が5%のエチレンメタクリル酸共重合体と、酸モノマーのエチレン繰返し単位に対するモル比率が10%のエチレンメタクリル酸共重合体とは同じ樹脂となる。この場合、使用する樹脂の融点、MFR、その他の様々な熱的性質が近いため、同じタイミングでお互いが溶融接着しやすい。そのため、融点やMFRが大きく異なる樹脂を用いる場合と比較して、溶融加熱時間をコントロールしやすく、後述する封止部形成工程を容易に行うことができる。
 具体的に、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bの組合せとしては、以下のものが挙げられる。例えば第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂が無水マレイン酸変性ポリエチレンであるバイネルからなり、第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂がエチレン-メタクリル酸共重合体であるニュクレルからなる組み合わせ、又は、第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂がアイオノマーであるハイミランからなり、第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂がエチレン-メタクリル酸共重合体であるニュクレルからなる組み合わせなどが挙げられる。
 なお、第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂が、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体の少なくとも1種を含有し、第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂がポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体の少なくとも1種を含有する場合には、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に微量の水を存在させることで、両者が界面付近で溶解接着するために、より一層、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入を抑制できる。
 第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aの融点の差は、好ましくは3~100℃であり、両者の融点の差は、より好ましくは10~80℃であり、特に好ましくは10~40℃である。第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aとの融点の差が上記範囲内にあると、以下の利点が得られる。すなわち、両者の融点の差が、3℃以上であると、3℃未満である場合に比べて、熱サイクル時における第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aの間での応力緩和がより効果的に起こる。また、両者の融点の差が100℃以下であることで、上記範囲を外れた場合に比べて、上記応力緩和を起こす効果がより顕著になる。
 また第2樹脂封止部4bの融点は、特に限定されるものではないが、好ましくは90~140℃であり、より好ましくは95~130℃である。
 なお、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂は樹脂のみで構成されてもよいし、樹脂と無機フィラーとで構成されていてもよい。
 <酸化皮膜>
 酸化皮膜4cの厚さtは、0.1μm以下であればよいが、好ましくは0.08μm以下であり、より好ましくは0.05μm以下である。第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bが異なる材料で構成される場合には、第1樹脂封止部4aおよび第2樹脂封止部4bは通常、線膨張係数その他の物性値の点で異なる。ここで、酸化皮膜4cは、この物性値の差を埋める緩衝層として作用する。このため、酸化皮膜4cの厚さtは、少なくとも、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの融着面の面積の50%以上の部分で0.02μm以上であることが好ましい。
 次に、上述した色素増感太陽電池100の製造方法の第1形態について図3~図8を参照しながら説明する。図3は、図1の作用極を示す断面図、図4は、図1の対極を示す断面図、図5は、図3の作用極を示す平面図、図6~図8はそれぞれ、色素増感太陽電池100の製造方法の第1形態における工程を示す断面図である。
 [準備工程]
 まず作用極(第1基材)1及び対極(第2基材)2を準備する。
 (作用極)
 作用極1は、以下のようにして得ることができる(図3)。
 はじめに透明基板6の上に透明導電膜7を形成して積層体である導電性基板11を形成する。透明導電膜7の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD:Spray Pyrolysis Deposition)及びCVD法などが用いられる。
 次に、上記のようにして得られた透明導電膜7上に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷する。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストは、酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
 次に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを焼成して透明導電膜7上に多孔質酸化物半導体層8を形成する。焼成温度は酸化物半導体粒子により異なるが、通常は150~600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子により異なるが、通常は1~5時間である。なお、作用極1は可撓性を有しないように形成する。そのためには、例えば透明基板6としてガラス基板を用いる。透明基板6として樹脂からなる基板を用いる場合には、その厚さを例えば50μm以上とし、焼成前に焼成温度近傍の温度でアニールを行う。この際のアニール回数は、どの程度樹脂基板が変形するか、言い換えるとどの程度の変形を許容するかにより異なるが、通常2~3回とし、アニールは1回あたり2時間程度行う。
 (対極)
一方、対極2は、以下のようにして得ることができる(図4)。
 すなわちまず対極基板9を準備する。そして、対極基板9の上に触媒層10を形成する。触媒層10の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、印刷法などが用いられる。これらのうちスパッタ法が膜の均一性の点から好ましい。なお、対極2は可撓性を有するように形成する。そのためには、対極基板9として、例えばチタン箔を用い、その厚さは通常、20~100μm程度とすればよい。但し、厚さの下限はチタン箔の圧延技術に依存し、チタン箔がピンホールさえ有していなければ、下限値の制約は無い。そのため、例えば、5μmのチタン箔でもピンホールを有していなければ、5μmのチタン箔を使用することもできる。
 [封止部形成工程]
 次に、図5及び図6に示すように、作用極1のうち透明導電膜7の表面上の部位であって多孔質酸化物半導体層8を包囲する環状部位C1に封止部4を形成する。封止部4は、透明導電膜7の環状部位C1に固定される第1樹脂封止部4aと、その上に設けられる第2樹脂封止部4bとから構成されている。ここで、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bはいずれも樹脂を含んでおり、第2樹脂封止部4bとしては、第1樹脂封止部4aの融点よりも低い融点を有するものを用いる。このとき、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に酸化皮膜4cが形成される(図2参照)。ここで、この酸化皮膜4cの厚さtは0.1μm以下となるようにする。このように第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間における酸化皮膜4cの形成を抑制するには、例えば窒素などの不活性ガス環境下で第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとを貼り合せればよい。あるいは、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bがいずれも熱可塑性樹脂であれば、両者を一度にキャストして積層フィルムにし、それを封止部4の形状に加工すればよい。例えば第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが共にポリエチレンで構成される場合、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが一度にキャストされると、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に形成される酸化皮膜4cの厚さtは、キャストを行う温度にもよるが、通常0.1μm以下となり、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間で強固な接着力が発現する。
 なお、第1樹脂封止部4aが酸変性ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体などの熱可塑性樹脂である場合には、第1樹脂封止部4aは、上記樹脂からなる環状のシートを作用極1の環状部位C1に配置した後、溶融して接着することで形成することができる。第1樹脂封止部4aが紫外線硬化樹脂である場合には、第1樹脂封止部4aは、紫外線硬化樹脂の前駆体を作用極1の環状部位C1に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることで形成することができる。
 第2樹脂封止部4bが酸変性ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体などの熱可塑性樹脂である場合には、第2樹脂封止部4bは、第1樹脂封止部4aの上に上記樹脂からなる環状のシートを配置した後、溶融して接着することで形成することができる。
 [色素担持工程]
 次に、作用極1の多孔質酸化物半導体層8に光増感色素を担持させる。このためには、作用極1を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その光増感色素を多孔質酸化物半導体層8に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な光増感色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を多孔質酸化物半導体層8に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を多孔質酸化物半導体層8に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体多孔膜に吸着させても、光増感色素を多孔質酸化物半導体層8に担持させることが可能である。
 [電解質配置工程]
 次に、図7に示すように、作用極1上であって封止部4の内側に電解質3を配置する。電解質3は、作用極1上であって封止部4の内側に注入したり、印刷したりすることによって配置することができる。
 ここで、電解質3が液状である場合は、電解質3を、封止部4を超えて封止部4の外側に溢れるまで注入することが好ましい。この場合、封止部4の内側に電解質3を十分に注入することが可能となる。また封止部4と対極2とを接着して封止部4を形成するに際し、作用極1と対極2と封止部4とによって囲まれるセル空間から空気を十分に排除することができ、光電変換効率を十分に向上させることができる。
 [貼合せ工程]
 次に、図8に示すように、作用極1と対極2とを対向させて、封止部4を挟むように作用極1と対極2とを重ね合わせる。そして、封止部4を加圧しながら溶融させることによって封止部4と対極2とを接着させる。こうして、作用極1と対極2とを貼り合せる。このとき、封止部4と対極2とは大気圧下で貼り合せる。
 封止部4の加圧は通常、1~50MPaで行い、好ましくは2~30MPa、より好ましくは3~20MPaで行う。
 また封止部4を溶融させるときの温度は、封止部4を形成する第1樹脂封止部4aの融点以上で且つ第2樹脂封止部4bの融点以上とする。上記温度が第1樹脂封止部4aの融点未満又は第2樹脂封止部4bの融点未満では、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bの両方が同時に溶融しないため、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4b同士を接着させて封止部4を形成させることができなくなる。
 但し、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bを溶融させるときの温度は、(第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bの融点のうち高い方の融点+200℃)以下であることが好ましい。上記温度が(第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bの融点のうち高い方の融点+200℃)を超えると、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂が熱によって分解するおそれがある。
 こうして色素増感太陽電池100が得られ、色素増感太陽電池100の製造が完了する。
 上述した色素増感太陽電池100の製造方法によれば、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点よりも低い。このため、第2樹脂封止部4bは第1樹脂封止部4aよりも軟らかくなる。このため、得られる色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4にて第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、その応力が軟らかい第2樹脂封止部4bで吸収されて十分に緩和される。したがって、色素増感太陽電池100の製造方法によれば、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの密着性及び接着性の低下が十分に抑制され、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入が十分に抑制され、ひいては温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも耐久性を十分に維持することができる色素増感太陽電池100を得ることができる。
 また第1樹脂封止部4aが第2樹脂封止部4bよりも硬いと、硬い方の第1樹脂封止部4aは軟らかい方の第2樹脂封止部4bに比べて、高温環境下でも流動しにくくなる。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれ、作用極1と対極2との間の距離を縮める方向に応力が加えられる場合、軟らかい方の第2樹脂封止部4bが潰れても、硬い方の第1樹脂封止部4aが潰れることを十分に抑制することができる。このため、封止部4の厚さを十分に確保することができ、その結果、封止部4の接着力の低下を十分に抑制できる。よって、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 また本実施形態では、電解質配置工程において、電解質3が、作用極1上であって封止部4の内側に配置されている。このため、多孔質酸化物半導体層8の細部にまで電解質3が十分に行き渡った後に色素増感太陽電池100が形成されることとなる。このため、多孔質酸化物半導体層8中の空気が気泡となって現れることが十分に抑制され、色素増感太陽電池100の光電変換効率をより十分に向上させることができる。
 さらに本実施形態では、作用極1のうち透明導電膜7の表面上の部位であって多孔質酸化物半導体層8を包囲する環状部位C1に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとが連結されてなる封止部4が形成された後に、作用極1の搬送、電解質3の配置および封止が行われる。言い換えると、第1樹脂封止部4aを形成した後、第2樹脂封止部4bを形成する前に作用極1の搬送、電解質3の配置および封止は行われない。このため、作用極1の搬送、電解質3の配置および封止の各工程が行われる際に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間への異物混入の影響を排除することができる。このため、封止能の高い封止部4を有する色素増感太陽電池100を得ることができる。
 次に、色素増感太陽電池100の製造方法の第2形態について説明する。なお、第2形態において、第1形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
 本形態の製造方法は、上記の封止部4の形成が減圧空間内で行われる点で、封止部4の形成が大気圧下で行われる第1形態の製造方法とは異なる。
 この場合、得られる色素増感太陽電池100を大気中に取り出した際に、電解質3を外気に対して陰圧状態とすることができる。このため、色素増感太陽電池100は外部から大気圧を受けることになり、封止部4に対して作用極1及び対極2が押圧力を加えた状態が維持される。その結果、電解質3中の揮発成分の漏洩をより十分に抑制することができる。
 上記の減圧空間は例えば以下のようにして形成することができる。
 すなわちまず開口を有する減圧用容器内に、その開口から、封止部4を設けた作用極1を収容する。続いて、封止部4の内側に電解質3を注入する。その後、減圧用容器内に、対極2をさらに収容し、減圧用容器内で作用極1と対極2とを対向させて、封止部4を挟むように作用極1と対極2とを重ね合わせる。次に、減圧用容器の開口を例えばPETなどの樹脂からなる可撓性シートで塞ぎ、減圧用容器内に密閉空間を形成する。そして、密閉空間を、減圧用容器に形成された排気孔(図示せず)を通して、例えば真空ポンプにより減圧する。こうして減圧空間が形成される。
 このようにして減圧空間を形成すると、上記可撓性シートによって対極2が押圧される。これに伴って、作用極1と対極2とによって封止部4が挟まれて加圧される。このとき、減圧用容器を加熱し、封止部4を加圧しながら溶融させると、封止部4と対極2とが接着される。
 その際、減圧空間の圧力は通常、50Pa以上1013hPa未満の範囲であり、50~800Paとすることが好ましく、300~800Paとすることがより好ましい。
 特に、電解質3に含まれる有機溶媒が揮発性溶媒である場合には、減圧空間内の圧力は700~1000Paであることが好ましく、700~800Paであることがより好ましい。減圧空間内の圧力が上記範囲内にあると、減圧空間内の圧力が上記範囲を外れる場合と比較して、電解質3を封止部4の内側に配置する際、有機溶媒の揮発がより抑制されるとともに、得られる色素増感太陽電池100において作用極1、対極2及び封止部4が互いにより強固に固定され、電解質3の漏洩が起こりにくくなる。
 また電解質3がイオン液体を含む場合には、イオン液体は揮発しないため、電解質3が揮発性溶媒を含む場合のように電解質3の揮発を考慮して減圧空間の圧力を高くする必要がない。このため、減圧空間内の圧力は50~700Paであればよい。
 さらに電解質3がゲル電解質を含む場合には、ゲル化させる前駆体の主成分が揮発系成分である場合とイオン液体系成分である場合とで異なり、前駆体の主成分が揮発系成分である場合には600~800Pa,イオン液体系成分である場合には50~700Paであることが好ましい。したがって、電解質3がゲル電解質を含む場合には、減圧空間内の圧力は50~800Paとすることが好ましい。
 また上記のように封止部4の形成を減圧空間内で行う場合、対極2が可撓性を有するため、作用極1及び対極2のいずれも可撓性を有しない場合に比べて、色素増感太陽電池100が減圧空間から取り出されて大気圧下に配置された場合に、可撓性を有する対極2が大気圧によって撓み、作用極1と対極2との間隔を狭めることが可能となる。その結果、作用極1及び対極2のいずれも可撓性を有しない場合に比べて、光電変換がより効率よく行われ、光電変換効率がより向上する。
 [第2実施形態]
 次に、本発明に係る電子機器の第2実施形態について図9を参照して説明する。図9は、本発明に係る電子機器の第2実施形態を示す断面図である。
 本実施形態の電子機器200は、EL表示装置である点で第1実施形態と相違する。即ち、図9に示すように、本実施形態では、EL表示装置200の第1基材が、導電性基板11の代わりに陽極211となり、第2基材が、対極2の代わりに封止キャップ202となり、被封止部が電解質3の代わりにEL素子部203となる点で第1実施形態と相違する。ここで、EL表示装置200は、EL素子部203を被封止部とする封止構造体となっている。
 また陽極211は、透明基板6と、その上に設けられる透明導電膜7とを備えており、EL素子部203は、EL層を含む発光部(図示せず)と、発光部に対して陽極211と反対側に設けられる陰極(図示せず)とを含む積層体を備えている。ここで、EL層は、電界の印加によって発光する材料で構成されていれば、無機材料で構成されても有機材料で構成されてもよい。
 封止キャップ202としては、例えば水蒸気バリア性の高いプラスチック基板又はガラス基板などが用いられる。
 [第3実施形態]
 次に、本発明に係る電子機器の第3実施形態について図10を参照して説明する。図10は、本発明に係る電子機器の第3実施形態を示す断面図である。
 本実施形態の電子機器300は、液晶表示装置である点で第1~第2実施形態と相違する。即ち、本実施形態では、液晶表示装置300の第1基材が、導電性基板11の代わりに第1電極311となり、第2基材が、対極2の代わりに第2電極302となり、被封止部が電解質3の代わりに、液晶物質からなる液晶層303となる点で第1~第2実施形態と相違する。ここで、液晶表示装置300は、液晶層303を被封止部とする封止構造体となっている。
 また第1電極311及び第2電極302はいずれも、透明基板6と、その上に設けられる透明導電膜7とを備えている。
 [第4実施形態]
 次に、本発明に係る電子機器の第4実施形態について図11を参照して説明する。図11は、本発明に係る電子機器の第4実施形態を示す断面図である。
 本実施形態の電子機器400は、有機薄膜太陽電池である点で第1~第3実施形態と相違する。即ち、図11に示すように、本実施形態の電子機器400では、第1基材が、導電性基板11の代わりに陽極411となり、第2基材が、対極2の代わりに封止キャップ402となり、被封止部が電解質3の代わりに有機薄膜からなる光電変換部403となる点で第1~第3実施形態と相違する。ここで、有機薄膜太陽電池400は、有機薄膜からなる光電変換部403を被封止部とする封止構造体となっている。
 また陽極411は、透明基板6と、その上に設けられる透明導電膜7とを備えており、光電変換部403は有機薄膜を備えている。封止キャップ402としては、第2実施形態の封止キャップ202と同様のものを用いることができる。
 本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1~第4実施形態においては、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点よりも低くなっているが、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点より高くなっていてもよい。この場合、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点より高くなるため、第2樹脂封止部4b及び第1樹脂封止部4aのうち第1樹脂封止部4aが第2樹脂封止部4bよりも軟らかくなる。このため、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4において第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、その応力が軟らかい方の第1樹脂封止部4aで吸収されて十分に緩和される。したがって、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの密着性及び接着性が低下することを十分に抑制することができ、電解質3の漏洩又は外部からの電解質3への水分の浸入を十分に抑制することができる。よって、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 また第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bのうち第2樹脂封止部4bが第1樹脂封止部4aよりも硬いと、硬い方の第2樹脂封止部4bは軟らかい方の第1樹脂封止部4aに比べて、高温環境下でも流動しにくくなる。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれ、作用極1と対極2との間の距離を縮める方向に応力が加えられる場合、軟らかい方の第1樹脂封止部4aが潰れても、硬い方の第2樹脂封止部4bが潰れることを十分に抑制することができる。このため、封止部4の厚さを十分に確保することができ、その結果、封止部4の接着力の低下を十分に抑制できる。よって、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 なお、第2樹脂封止部4bの融点が第1樹脂封止部4aの融点より高くなる場合、第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂としては、上記第1実施形態で第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂として述べた樹脂が用いられ、第1樹脂封止部4aに含まれる樹脂としては、上記第1実施形態で第2樹脂封止部4bに含まれる樹脂として述べた樹脂が用いられる。
 また上記第1~第4実施形態では、第1樹脂封止部4aの融点と第2樹脂封止部4bの融点とが異なっているが、第1樹脂封止部4aのMFRと第2樹脂封止部4bのMFRとが異なっていてもよい。この場合でも、第1樹脂封止部4aの融点と第2樹脂封止部4bの融点とが異なる場合と同様に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの密着性及び接着性が低下することを十分に抑制することができ、電解質3の漏洩又は外部からの電解質3への水分の浸入を十分に抑制することができる。よって、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。また、第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bのうち一方の樹脂封止部が他方の樹脂封止部よりも硬いと、硬い方の樹脂封止部は軟らかい方の樹脂封止部に比べて、高温環境下でも流動しにくくなる。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれ、封止部4に対し、作用極1と対極2との間の距離を縮める方向に応力が加えられる場合、軟らかい方の樹脂封止部が潰れても、硬い方の樹脂封止部が潰れることを十分に抑制することができる。このため、封止部4の厚さを十分に確保することができ、その結果、封止部4の接着力の低下を十分に抑制できる。よって、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれる場合でも、耐久性を十分に維持することができる。
 ここで、第2樹脂封止部4bのMFRは、第1樹脂封止部4aのMFRより大きくても小さくてもよいが、第2樹脂封止部4bのMFRは、第1樹脂封止部4aのMFRより大きいことが好ましい。この場合、第2樹脂封止部4bのMFRが第1樹脂封止部4aのMFRよりも大きいため、第2樹脂封止部4bは第1樹脂封止部4aよりも軟らかくなる。このため、色素増感太陽電池が温度変化の大きい環境下に置かれる場合に、封止部4において第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの界面に応力がかかっても、その応力が軟らかい第2樹脂封止部4bで吸収されて十分に緩和される。したがって、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの密着性及び接着性が低下することを十分に抑制することができ、電解質3の漏洩又は外部からの電解質3への水分の浸入を十分に抑制することができる。よって、色素増感太陽電池100が温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも、その耐久性を十分に維持することができる。
 第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aのMFRの差は、好ましくは1g/10min以上であり、両者のMFRの差は、より好ましくは2.5~25g/10min以下である。第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aとのMFRの差が上記範囲内にあると、以下の利点が得られる。すなわち、両者のMFRの差が、1g/10min以上であると、1g/10min未満である場合に比べて、熱サイクル時における第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aの間での応力緩和がより効果的に起こる。また、両者のMFRの差が2.5~25g/10minであることで、上記範囲を外れた場合に比べて、上記応力緩和を起こす効果がより顕著になる。
 さらに上記第1実施形態では、作用極1が可撓性を有しておらず、対極2が可撓性を有しているが、対極2が可撓性を有しておらず、作用極1が可撓性を有していてもよい。また作用極1及び対極2がいずれも可撓性を有していてもよいし、いずれも可撓性を有していなくてもよい。
 また上記第1実施形態では、導電性基板11が光透過性を有しているが、必ずしも導電性基板11が光透過性を有している必要はない。例えば、導電性基板11に代えて、対極2が光透過性を有していてもよい。
 また上記第1実施形態では、対極2が封止部形成工程の前に準備されているが、対極2は、貼合せ工程の前までに準備されていればよい。このため、対極2は、封止部形成工程の後に形成されていてもよい。例えば対極2は、貼合せ工程と電解質配置工程との間、電解質配置工程と色素担持工程との間、又は、封止部形成工程と色素担持工程との間に準備されてもよい。
 また上記第1実施形態では、色素増感太陽電池100を製造する際に、電解質3が、作用極1に設けた封止部4の内側に配置されているが、電解質3は、図12に示すように、対極2上であって、対極2に設けた封止部4の内側に配置されてもよい。この場合、作用極1は、封止部形成工程の前に準備する必要はない。すなわち、作用極1は、貼合せ工程の前までに準備されていればよい。このため、作用極1は、封止部形成工程の後に形成されていてもよい。例えば作用極1は、貼合せ工程と電解質配置工程との間、又は、封止部形成工程と色素担持工程との間に準備されてもよい。
 さらに上記第1実施形態では、作用極1の導電性基板11上に第1樹脂封止部4a及び第2樹脂封止部4bを順次形成し、封止部4を形成しているが、作用極1の導電性基板11上に第1樹脂封止部4aを形成し、対極2上に第2樹脂封止部4bを形成した後、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとを接着して封止部4を形成してもよい。
 また上記第1実施形態では、作用極1に代えて、図13に示すように、透明導電膜7上に突出するように無機材料からなる突出部13Aをさらに有する作用極101を用いてもよい。この突出部13Aは封止部4が形成される部位であり、環状部位C1をなすことになる。
 この場合、無機材料からなる突出部13Aが、透明導電膜7上に突出するように設けられているため、封止部4とともに電解質3を封止する機能を果たす。しかも、突出部13Aは無機材料からなるため、熱可塑性樹脂からなる封止部4よりも高い封止能を有する。このため、作用極1が突出部13Aを有しない場合に比べて、電解質3の漏洩をより十分に抑制することができる。
 上記突出部13Aを構成する無機材料としては、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料や、銀などの金属材料を用いることができる。ここで、低融点ガラスフリットとしては、150~550℃の軟化点を有するものを用いることができる。特に、図9に示すように、作用極1上に一般に形成される配線部が突出部13Aを兼ねることが好ましい。この場合、電解質3が作用極101と対極2との間に配置される。そして、突出部13Aが配線部を有し、配線部が、集電配線13bと、集電配線13bを覆う配線保護層13aとを有する。つまり、集電配線13bは、配線保護層13aにより電解質3から保護された状態で、作用極101と対極2とを結ぶ方向に沿って封止部4と重なるように配置される。このように、集電配線13bが封止部4の外側に設けられておらず、さらに、集電配線13bが封止部4の内側にも設けられていないので、作用極1の光入射面において集電配線13bと封止部4とが占める面積を最小限にすることができ、集電配線13bと封止部4とにより遮蔽される入射光を最小限に留めることができる。したがって、受光面積を拡大することができ、高い光電変換効率を得ることができる。ここで、集電配線13bは、銀などの金属材料で形成され、配線保護層13aは、上述した低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料で構成されるものである。
 また上記第1実施形態では、図14に示すように、対極2に代えて、触媒層10上に突出するように、無機材料からなる突出部13Bをさらに有する対極102を用いることもできる。この突出部13Bは、封止部4が接着される部位となる。
 この場合、無機材料からなる突出部13Bが、触媒層10上に突出するように設けられるため、封止部4とともに電解質3を封止する機能を果たす。しかも、突出部13Bは、無機材料からなるため、熱可塑性樹脂からなる封止部4よりも高い封止能を有する。このため、対極2が突出部13Bを有しない場合に比べて、電解質3の漏洩をより十分に抑制することができる。
 また上記第1実施形態では、図15に示すように、封止部4と対極2との境界B2、封止部4と作用極1との境界B1および、第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aとの境界515とを覆う被覆部516が封止部4に対して電解質3と反対側に設けられていてもよい。この場合、被覆部516は第2の樹脂を含む。この場合、電解質3の漏洩又は外部からの電解質3への水分の浸入が、封止部4のみならず被覆部516によっても抑制されることになる。特に、封止部4と作用極1との界面、封止部4と対極2との界面、及び第2樹脂封止部4bと第1樹脂封止部4aとの界面を通る電解質3の界面漏洩又は外部からの電解質3への水分の浸入が被覆部516によって効果的に抑制される。
 上記第2の樹脂としては、例えば酸変性ポリオレフィンなどの変性ポリオレフィン、紫外線硬化樹脂、ポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体を用いることができる。第2の樹脂として、酸変性ポリオレフィンまたは紫外線硬化樹脂を用いた場合、作用極1、対極2、封止部4と被覆部516との接着が強固になり、それぞれの界面において、電解質3の漏洩及び外部からの電解質3への水分の浸入をより十分に抑制できる。
 また上記第1実施形態では、光増感色素への熱的ダメージを低減する観点から色素担持工程が封止部形成工程の後に行われているが、色素担持工程は、封止部形成工程の前に行われてもよい。
 さらに上記第1~第4実施形態では、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとは、これらの間に酸化皮膜4cを介在させているが、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間には酸化皮膜4cが形成されていなくてもよい。この場合、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に酸化皮膜4cが介在している場合に比べて、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間でより強固な接着が可能となる。特に、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bが共に熱可塑性樹脂である場合には、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に酸化皮膜4cが介在しないため、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間に酸化皮膜4cが介在している場合に比べて、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bは、これらの界面でより溶融および相溶しやすく、第1樹脂封止部4aと第2樹脂封止部4bとの間で極めて強固な接着が可能となる。
 以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、表1及び表2において、MFRは190℃で測定した値を示した。但し、表1の実施例5および表2の実施例23におけるバイネル50E725については、190℃で測定することが困難であったため、210℃で測定したときの値を表示した。バイネル50E725については、表1および表2において、「*」で示した。また表1及び表2において、「m.p.」は融点を表し、その単位は℃である。さらに表1及び表2において、「MFR」はメルトフローレートを表し、その単位はg/10minである。また表1及び表2において、第1基材(作用極の導電性基板)及び第2基材(対極)の硬さは、第1基材又は第2基材が可撓性を有していれば「フレキシブル」と表示し、可撓性を有していなければ「リジッド」と表示した。また表1及び表2において、ハイミラン、ニュクレル、バイネル及び31x-101はそれぞれ以下の物質で構成されるものである。
(1)ハイミラン アイオノマー(三井デユポンポリケミカル社製)
(2)ニュクレル エチレン-メタクリル酸共重合体(三井デユポンポリケミカル社製)
(3)バイネル 無水マレイン酸変性オレフィン
(4)31x-101 紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製)
(5)05L04 酸変性ポリエチレン(東ソー(株)製、分子構造が05L05に比べ分岐状である)
(5)05L05 酸変性ポリエチレン(東ソー(株)製、分子構造が05L04に比べ直鎖状である)
 (実施例1)
 はじめに、第1基材として、10cm×10cm×4mmの寸法を有するFTO基板からなる導電性基板を準備した。続いて、FTO基板の上に、ドクターブレード法によって酸化チタンペースト(Solaronix社製、Ti nanoixide T/sp)を、その厚さが10μmとなるように塗布した後、熱風循環タイプのオーブンに入れて150℃で3時間焼成し、FTO基板上に多孔質酸化物半導体層を形成し、5cm×5cm×10μmの寸法を有する作用極を得た。
 一方、厚さ50μmのチタン基板を対極基板として準備した。そして、対極基板上に、スパッタリング法により、厚さ10nmの白金触媒層を形成し、第2基材としての対極を得た。
 こうして作用極及び対極を準備した。
 次に、アイオノマーであるハイミラン1652(融点:98℃、MFR:5.6g/10min、三井デユポンポリケミカル社製)からなる6cm×6cm×100μmの寸法を有するシートの中央に、5cm×5cm×100μmの寸法の開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。そして、この樹脂シートを、作用極の多孔質酸化物半導体層を包囲する環状の部位に配置した。この樹脂シートを120℃の溶融温度(以下、「溶融温度1」と呼ぶ)で5分間加熱し溶融させることによって環状部位に接着し、環状部位に第1樹脂封止部を固定した。
 続いて、アイオノマーであるハイミラン1702(融点:90℃、MFR:17g/10min、三井デユポンポリケミカル社製)からなる6cm×6cm×100μmのシートの中央に、5cm×5cm×100μmの寸法の開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。
 そして、このハイミラン1702からなる四角環状の樹脂シートを、ハイミラン1652からなる四角環状の樹脂シートの直上に、110℃の溶融温度(以下、「溶融温度2」と呼ぶ)で貼り付けた。こうして第1樹脂封止部の上に第2樹脂封止部を形成し、封止部を形成した。
 次に、この作用極を、光増感色素であるN719色素を0.2mM溶かした脱水エタノール液中に一昼夜浸漬して作用極の多孔質酸化物半導体層に光増感色素を担持させた。
 次いで、封止部を設けた作用極を、FTO基板の多孔質酸化物半導体層側の表面が水平になるように配置し、封止部の内側に、アセトニトリルからなる揮発性溶媒を主溶媒とし、ヨウ化リチウムを0.05M、ヨウ化リチウムを0.1M、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイド(DMPII)を0.6M、4-tert-ブチルピリジンを0.5M含む電解質を注入した。
 次に、500hPa程度の減圧環境下で、対極を、作用極に対向させ、封止部を挟むようにして作用極と対極とを重ね合わせた。そして、減圧環境下で、封止部と同じ大きさの真鍮製の枠を加熱し、この真鍮製の枠を対極における封止部とは反対側に配置し、プレス機を用いて、5MPaで封止部を加圧しながら230℃の温度(以下、「封止温度」と呼ぶ)で局所加熱して溶融させて、積層体を得た。その後、この積層体を大気圧下に取り出した。こうして色素増感太陽電池を得た。得られた色素増感太陽電池において、封止部の断面をSEMにて観察した。その結果、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間には、厚さ0.1μmの酸化皮膜が形成されていた。
 (実施例2~11)
 第1樹脂封止部を構成する樹脂、その融点(m.p.)、そのMFR、第1基材(作用極の導電性基板)の硬さ、第2樹脂封止部を構成する樹脂、その融点、そのMFR、第2基材(対極)の硬さ、溶融温度1、溶融温度2、並びに、封止温度を表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。また、得られた色素増感太陽電池について、実施例1と同様にして封止部の断面を観察した。その結果、実施例2~11のいずれにおいても、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間に酸化皮膜が形成されていた。実施例2~11の各々における酸化皮膜の厚さは表1に示す通りであった。
 (実施例12~17)
 第1樹脂封止部を構成する樹脂、その融点(m.p.)、そのMFR、第1基材(作用極の導電性基板)の硬さ、第2樹脂封止部を構成する樹脂、その融点、そのMFR、第2基材(対極)の硬さ、溶融温度1、溶融温度2、封止温度、並びに、酸化皮膜の厚さを表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。また、得られた色素増感太陽電池について、実施例1と同様にして封止部の断面を観察した。その結果、実施例12~17のいずれにおいても、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間に酸化皮膜が形成されていた。実施例12~17の各々における酸化皮膜の厚さは表1に示す通りであった。
 なお、第1樹脂封止部として使用した31x-101は、紫外線硬化性樹脂であり、この紫外線硬化性樹脂を、作用極の環状部位に接着するに際しては、環状部位に塗布した後、紫外線硬化性樹脂を低酸素環境下で紫外線(UV)照射して硬化させることにより環状部位に接着させた。
 (実施例18~26)
 第1樹脂封止部を構成する樹脂、その融点(m.p.)、そのMFR、第1基材(作用極の導電性基板)の硬さ、第2樹脂封止部を構成する樹脂、その融点、そのMFR、第2基材(対極)の硬さ、溶融温度1、溶融温度2、封止温度、並びに、酸化皮膜の厚さを表2に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。また、得られた色素増感太陽電池について、実施例1と同様にして封止部の断面を観察した。その結果、実施例18~26のいずれにおいても、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間に酸化皮膜が形成されていた。実施例18~26の各々における酸化皮膜の厚さは表2に示す通りであった。
 (実施例27)
 第1樹脂封止部を構成する樹脂、その融点(m.p.)、そのMFR、第1基材(作用極の導電性基板)の硬さ、第2樹脂封止部を構成する樹脂、その融点、そのMFR、第2基材(対極)の硬さ、溶融温度1、溶融温度2、並びに、封止温度を表2に示す通りに変更するとともに、アルゴン雰囲気下で第1樹脂封止部表面と第2樹脂封止部表面を約2μmほど、#4000の研磨紙で削り、加工後の表面(加工面)をエタノールで洗浄した後、両方の加工面を重ねて封止部を形成したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。また、得られた色素増感太陽電池について、実施例1と同様にして封止部の断面を観察した。その結果、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部との間において、酸化皮膜の厚さは表2に示す通り0.02μm以下であったが、第1樹脂封止部と第2樹脂封止部とは少なくとも一部において直接連結していた。
 (比較例1~4)
 第1樹脂封止部を構成する樹脂、その融点(m.p.)、そのMFR、第1基材(作用極の導電性基板)の硬さ、第2樹脂封止部を構成する樹脂、その融点、そのMFR、第2基材(対極)の硬さ、封止温度、並びに、酸化皮膜の厚さを表2に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
 [特性評価]
 (評価1)
 実施例1~27及び比較例1~4の色素増感太陽電池について、以下のようにして耐久性試験を行うことにより、温度変化の大きい環境下での耐久性評価を行った。すなわち耐久試験は、実施例1~27及び比較例1~4の色素増感太陽電池に対し、JIS C8917にしたがって、周囲の温度を-40℃まで低下させた後90℃まで上昇させる熱サイクルを1サイクルとして200サイクル行った。そして、光電変換効率の維持率を、下記式:
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
にしたがって算出した。
 (評価2)
 実施例1~27及び比較例1~4の色素増感太陽電池について、以下のようにして耐久性試験を行うことにより、高温環境下での耐久性の評価を行った。すなわち実施例1~27及び比較例1~4の色素増感太陽電池に対し、85℃で1000時間保持した後、評価1と同様の式に基づいて、光電変換効率の維持率を算出した。結果を表1及び表2に示す。

Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表1及び2に示す結果より、実施例1~27の色素増感太陽電池は、比較例1~4の色素増感太陽電池に比べて、温度変化の大きい環境下に置かれても耐久性の点で優れていることが分かった。
 また表1及び2に示す結果より、実施例1~27の色素増感太陽電池は、比較例1~4の色素増感太陽電池に比べて、高温環境下に置かれても耐久性の点で優れていることが分かった。
 よって、本発明の電子機器によれば、温度変化の大きい環境下に置かれる場合でも高温環境下に置かれる場合でも高温環境下でも耐久性を十分に維持できることが確認された。
 1…作用極
 2…対極(第2基材)
 3…電解質(被封止部)
 4…封止部
 4a…第1樹脂封止部
 4b…第2樹脂封止部
 4c…酸化皮膜
 8…酸化物半導体層(多孔質酸化物半導体層)
 11…導電性基板(第1基材)
 100,500…色素増感太陽電池(光電変換素子、電子機器)
 200…EL表示装置(電子機器)
 202…封止キャップ(第2基材)
 203…EL素子部(被封止部)
 211…陽極(第1基材)
 300…液晶表示装置(電子機器)
 302…第2電極(第2基材)
 303…液晶層(被封止部)
 311…第1電極(第1基材)
 400…有機薄膜太陽電池(光電変換素子、電子機器)
 402…封止キャップ(第2基材)
 403…光電変換部(被封止部)
 411…陽極(第1基材)

Claims (11)

  1.  第1基材と、
     前記第1基材に対向配置される第2基材と、
     前記第1基材及び前記第2基材の間に配置される被封止部と、
     前記第1基材及び前記第2基材を連結し、前記被封止部の周囲に設けられる封止部とを備えており、
     前記封止部が、
     前記第1基材に固定される第1樹脂封止部と、
     前記第2基材に固定され、前記第1樹脂封止部と連結される第2樹脂封止部とを有し、
     前記第1樹脂封止部及び前記第2樹脂封止部が樹脂を含み、
     前記第2樹脂封止部のメルトフローレート又は融点が前記第1樹脂封止部のメルトフローレート又は融点と異なる電子機器であって、
     前記電子機器が、光電変換素子、液晶表示装置又はEL表示装置である電子機器。
  2.  前記第2基材が可撓性を有し、前記第2樹脂封止部のメルトフローレートが前記第1樹脂封止部のメルトフローレートよりも大きい、又は前記第2樹脂封止部の融点が前記第1樹脂封止部の融点よりも低い、請求項1に記載の電子機器。
  3.  前記第1基材が光透過性を有する、請求項2に記載の電子機器。
  4.  前記第1樹脂封止部の融点と前記第2樹脂封止部の融点との差が3~100℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子機器。
  5.  前記第1樹脂封止部の融点と前記第2樹脂封止部の融点との差が10~80℃である、請求項4に記載の電子機器。
  6.  前記第1樹脂封止部と前記第2樹脂封止部とは、酸化皮膜を介して連結されており、前記酸化皮膜の厚さが0.1μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
  7.  前記第1樹脂封止部と前記第2樹脂封止部とがそれらの間の少なくとも一部において直接連結している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
  8.  前記電子機器が光電変換素子であり、
     前記光電変換素子が、
     作用極と、
     前記作用極に対向する対極と、
     前記作用極と前記対極との間に配置される電解質とを有し、
     前記作用極が、前記第1基材と、前記第1基材上であって前記第2基材側に設けられる酸化物半導体層とを含み、
     前記被封止部が前記電解質を含み、
     前記対極が前記第2基材を含み、
     前記第2樹脂封止部のメルトフローレートが前記第1樹脂封止部のメルトフローレートよりも大きく、又は前記第2樹脂封止部の融点が前記第1樹脂封止部の融点よりも低い、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子機器。
  9.  前記第1樹脂封止部に含まれる樹脂が、酸変性ポリオレフィンで構成される、請求項8に記載の電子機器。
  10.  前記第2樹脂封止部に含まれる樹脂が、酸変性ポリオレフィンで構成される、請求項8又は9に記載の電子機器。
  11.  前記酸変性ポリオレフィンが酸変性ポリエチレンである、請求項9又は10に記載の電子機器。
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