WO2013008411A1 - 制御装置、制御システム、及び制御方法 - Google Patents

Abstract

　制御装置（１０２）は、再生種別の入力を受け付ける入力部（１０２４）と、コンテンツの再生を、コンテンツ再生装置（１０１）で行うか、制御装置（１０２）で行うかを、再生種別に応じて判定する再生機器判定部（１０２２）と、再生されたコンテンツを表示する表示部（１０２３）とを備え、再生機器判定部（１０２２）は、コンテンツの再生をコンテンツ再生装置（１０１）で行うと判定した場合に、再生指示をコンテンツ再生装置（１０１）に送信し、コンテンツの再生を制御装置（１０２）で行うと判定した場合に、サーバ（１０３）から取得したコンテンツを表示部（１０２３）に表示させる。

Description

制御装置、制御システム、及び制御方法

　本発明は、制御装置、制御システム及び制御方法に関し、特に、ネットワーク上のコンテンツ再生装置に再生指示を行いコンテンツの再生を行わせることが可能な制御装置、制御システム及び制御方法に関する。

　異なるメーカーの家電機器やパーソナルコンピュータを相互接続するための標準化活動を推進している業界団体ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｌｉｖｉｎｇ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｌｌｉａｎｃｅ）がある。ＤＬＮＡが規定するＤＬＮＡガイドラインでは、デジタルメディア・プレーヤ（ＤＭＰ）が、ネットワークで接続されたデジタルメディア・サーバ（ＤＭＳ）からコンテンツデータを取得してリモート視聴する機能が提供されている。さらにＤＬＮＡガイドラインでは、デジタルメディア・コントローラ（ＤＭＣ）からの指示に従って、デジタルメディア・レンダラー（ＤＭＲ）がデジタルメディア・サーバ（ＤＭＳ）からコンテンツデータを取得してリモート視聴することも可能になっている。なお、以降では、デジタルメディア・レンダラー（ＤＭＲ）をコンテンツ再生装置、デジタルメディア・サーバ（ＤＭＳ）を単にサーバ、デジタルメディア・コントローラ（ＤＭＣ）を単に制御装置と呼ぶこととする。

特開２００６－３３２７７１号公報

　制御装置からの再生指示に従ってコンテンツ再生装置がサーバからコンテンツデータを取得してコンテンツをリモート視聴するシステムにおいては、例えば、早送りや巻き戻しなどコンテンツの特殊再生を行っている状態から通常再生に戻したい場合に、ユーザは、映像が表示されているコンテンツ再生装置と、再生種別の切り替え操作を行う制御装置との両方の表示部（ディスプレイ）を確認しながら、制御装置の操作を行う必要があるという課題を生ずる可能性がある。

　一般的に、複数の表示装置を確認しながら操作を行う必要があるシステムは、視点を変更するのが面倒であったり、操作そのものや操作タイミングを誤る可能性が高くなったりするなど、ユーザにとっては使い勝手の悪いものとなる。

　本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、操作性の高い制御装置、制御システム、及び制御方法を提供することを目的とする。

　本発明の一形態に係る制御装置は、サーバに保持されているコンテンツの再生を制御する。具体的には、制御装置は、前記サーバ及びコンテンツ再生装置と通信する通信部と、前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力部と、前記入力部で受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、前記コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定部と、前記制御装置で再生された前記コンテンツを表示する表示部とを備える。そして、前記再生機器判定部は、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信し、前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記通信部を通じて前記サーバから取得し、前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生された前記コンテンツを前記表示部に表示させる。

　なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

　本発明によれば、コンテンツをコンテンツ再生装置のみで再生するか、制御装置のみで再生するか、コンテンツ再生装置及び制御装置の両方で再生するかを、再生種別に応じて適応的に切り替えることができるので、操作性の高い制御装置を得ることができる。

図１は、実施の形態１に係る制御システムの構成を示す図である。 図２は、実施の形態１に係る制御システムの詳細構成を示す図である。 図３は、実施の形態１に係る制御装置の処理を示すフローチャートである。 図４は、実施の形態１でコンテンツ再生装置と制御装置との両方でコンテンツを再生する場合における制御装置の処理を示すフローチャートである。 図５は、実施の形態１に係る制御装置の映像同期制御の処理を示すフローチャートである。 図６は、実施の形態２のコンテンツ再生装置と制御装置との両方でコンテンツを再生する場合における制御装置の処理を示すフローチャートである。

（本発明の基礎となった知見）
　上記のような課題を解決する方法としては、コンテンツ再生装置で表示している映像を、制御装置の表示部（ディスプレイ）上でも表示することが考えられる。例えば、特許文献１では、コンテンツ再生装置で表示している映像を、制御装置の表示部（ディスプレイ）上でも表示することで、その制御装置でコンテンツ再生装置に再生させているコンテンツが何なのかを容易に確認できるようにする方法が開示されている。

　しかしながら、上記従来の特許文献１では、「コンテンツ再生装置で再生されているコンテンツが何かを制御装置の表示部（ディスプレイ）で確認する」ことを目的としている。このため、制御装置の表示部（ディスプレイ）に表示される画像は、３０秒から１０分程度の所定時間ごとに更新することが記載されている。即ち、「早送りや巻き戻しなどコンテンツの特殊再生を行っている状態から通常再生に戻すタイミングを正しく制御できる頻度で制御装置の表示部（ディスプレイ）の映像を更新する」ということまでは考えられていない。

　また、仮に特許文献１記載の方法を所定の時間を十分短くして適用することを考えた場合、サーバ装置へのアクセスが２本同時に継続的に行われることになるので、さらに下記の課題を生じる可能性がある。

　まず、第１の課題として、サーバがコンテンツへの同時アクセス数（同時送出数）を制限している場合に、制御装置もしくはコンテンツ再生装置のいずれか一方での再生が行えない場合がある。

　次に、第２の課題として、サーバの性能が十分でない場合に、同時に複数のコンテンツを送出しようとすると、サーバが送出するビットレートがコンテンツの再生に必要なビットレートを下回り、再生がスムーズに行えなくなる場合がある。

　さらに、第３の課題として、早送り、巻き戻しなどの再生速度がコンテンツ再生装置と制御装置とで異なる場合に、コンテンツ再生装置と制御装置とでコンテンツの再生位置がずれる場合がある。

　上記の課題を解決するために本発明の一形態に係る制御装置は、サーバに保持されているコンテンツの再生を制御する。具体的には、制御装置は、前記サーバ及びコンテンツ再生装置と通信する通信部と、前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力部と、前記入力部で受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、前記コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定部と、前記制御装置で再生された前記コンテンツを表示する表示部とを備える。そして、前記再生機器判定部は、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信し、前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記通信部を通じて前記サーバから取得し、前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生された前記コンテンツを前記表示部に表示させる。

　上記構成によれば、コンテンツをコンテンツ再生装置のみで再生するか、制御装置のみで再生するか、コンテンツ再生装置及び制御装置の両方で再生するかを、再生種別に応じて適応的に切り替えることができる。その結果、より操作性の高い制御装置を得ることができる。

　一例として、前記再生機器判定部は、前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置のみで行うと判定し、前記再生種別が前記通常再生と異なる特殊再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記制御装置のみで行うと判定してもよい。

　他の例として、前記再生機器判定部は、前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置のみで行うと判定し、前記再生種別が前記通常再生と異なる特殊再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定してもよい。

　さらに他の例として、前記再生機器判定部は、前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定し、前記再生種別が前記通常再生と異なる特殊再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記制御装置のみで行うと判定してもよい。

　さらに、前記制御装置は、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行う場合に、前記コンテンツ再生装置での前記コンテンツの再生と、前記制御装置での前記コンテンツの再生とを同期させる映像同期制御部を備えてもよい。

　また、前記映像同期制御部は、前記コンテンツ再生装置で再生されている前記コンテンツの再生位置を、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置から取得し、前記通信部を通じて取得した前記再生位置に応じて、前記制御装置で再生する前記コンテンツの取得位置又は前記コンテンツを前記表示部に表示するタイミングを調整してもよい。

　さらに、前記制御装置は、複数の前記コンテンツを同時に送出可能な能力を前記サーバが有しているか否かを判定する同時再生可否判定部を備えてもよい。そして、前記再生機器判定部は、さらに、前記サーバが複数の前記コンテンツを同時に送出可能と前記同時再生可否判定部で判定された場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定してもよい。

　さらに、前記制御装置は、複数の前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生するのに必要なビットレートで受信可能か否かを判定する同時再生可否判定部を備えてもよい。そして、前記再生機器判定部は、さらに、複数の前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生するのに必要なビットレートで受信可能と前記同時再生可否判定部で判定された場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定してもよい。

　また、前記再生機器判定部は、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定した場合に、さらに、前記通信部を通じて前記サーバから取得した前記コンテンツを、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信してもよい。

　さらに他の例として、前記再生機器判定部は、前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置のみで行うと判定し、前記再生種別が前記コンテンツの再生位置を指定するシーク操作の場合に、前記コンテンツの再生を少なくとも前記制御装置で行うと判定してもよい。

　さらに、前記入力部は、前記再生種別と、当該再生種別が選択された場合に前記コンテンツ再生装置で再生を行うか、或いは前記制御装置で再生を行うかとの対応関係の入力を受け付けてもよい。そして、前記再生機器判定部は、前記入力部で受け付けられた対応関係に従って判定してもよい。

　さらに、前記表示部は、前記サーバが保持しているコンテンツの一覧を表示してもよい。そして、前記入力部は、さらに、前記表示部に表示されているコンテンツの一覧から再生すべきコンテンツの選択を受け付けてもよい。

　また、前記通信部は、ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｌｉｖｉｎｇ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｌｌｉａｎｃｅ）規格準拠の通信プロトコルを用いて、前記サーバ及び前記コンテンツ再生装置と通信してもよい。

　本発明の一形態に係る制御システムは、コンテンツ保持するサーバと、前記コンテンツを再生するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツの再生を制御する制御装置とで構成される。前記制御装置は、前記サーバ及びコンテンツ再生装置と通信する第１の通信部と、前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力部と、前記入力部で受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、前記コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定部と、前記制御装置で再生された前記コンテンツを表示する第１の表示部とを備える。そして、前記再生機器判定部は、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記第１の通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信し、前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記第１の通信部を通じて前記サーバから取得し、前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生された前記コンテンツを前記第１の表示部に表示させる。前記コンテンツ再生装置は、前記制御装置及び前記サーバと通信する第２の通信部と、前記第２の通信部を通じて前記制御装置から前記再生指示を受信した場合に、前記再生種別で再生された前記コンテンツを表示する第２の表示部とを備える。

　本発明の一形態に係る制御方法は、サーバに保持されているコンテンツの再生を制御する制御装置が実行する方法である。具体的には、制御方法は、前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップで受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定ステップとを含む。前記再生機器判定ステップは、さらに、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力ステップで受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記コンテンツ再生装置に送信する送信ステップと、前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記サーバから取得し、前記入力ステップで受け付けられた前記再生種別で再生する再生ステップとを含む。

　なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。

　本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素が同様の動作を行う場合には、再度の説明を省略する場合がある。また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

　（実施の形態１）
　本発明の実施の形態１では、図１の制御システムの構成を一例として説明する。図１における制御システムは、制御装置１０２と、コンテンツ再生装置１０１と、サーバ１０３とで構成される。また、制御装置１０２、コンテンツ再生装置１０１及びサーバ１０３は、ＬＡＮ１０４に接続されており、相互に通信可能である。

　図２は、本発明の実施の形態１における制御システムの詳細構成を示す図である。制御装置１０２は、図２に示されるように、通信部１０２１と、再生機器判定部１０２２と、表示部１０２３と、入力部１０２４と、映像同期制御部１０２５と、同時再生可否判定部１０２６とを具備する。なお、映像同期制御部１０２５及び同時再生可否判定部１０２６は、制御装置１０２に必須の構成要素ではなく、省略することができる。

　通信部１０２１は、コンテンツ再生装置１０１及びサーバ１０３とＬＡＮ１０４を通じて通信する通信インタフェースである。通信部１０２１がサポートする通信プロトコルは特に限定されないが、例えば、ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｌｉｖｉｎｇ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｌｌｉａｎｃｅ）規格準拠の通信プロトコルを用いることができる。

　再生機器判定部１０２２は、後述する再生種別に応じて、ユーザが視聴するコンテンツの再生を、コンテンツ再生装置１０１で行うか否か、及び制御装置１０２で行うか否かをそれぞれ判定する。より具体的には、再生機器判定部１０２２は、コンテンツの再生を、コンテンツ再生装置１０１のみで行うか、制御装置１０２のみで行うか、コンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行うかを判定する。

　一例として、再生機器判定部１０２２は、再生種別が通常再生の場合にコンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１のみで行うと判定し、再生種別が特殊再生の場合にコンテンツの再生を制御装置１０２のみで行うと判定してもよい。

　他の例として、再生機器判定部１０２２は、再生種別が通常再生の場合にコンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１のみで行うと判定し、再生種別が特殊再生の場合にコンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行うと判定してもよい。

　さらに他の例として、再生機器判定部１０２２は、再生種別が通常再生の場合にコンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行うと判定し、再生種別が特殊再生の場合にコンテンツの再生を制御装置１０２のみで行うと判定してもよい。

　さらに他の例として、再生機器判定部１０２２は、再生種別が通常再生の場合にコンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１のみで行うと判定し、再生種別がシーク操作の場合にコンテンツの再生を少なくとも制御装置１０２で行うと判定してもよい。

　そして、再生機器判定部１０２２は、コンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１で行うと判定した場合に、コンテンツを指定された再生種別で再生することを指示する再生指示を、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１に送信する。また、再生機器判定部１０２２は、コンテンツの再生を制御装置１０２で行うと判定した場合に、コンテンツを通信部１０２１を通じてサーバ１０３から取得し、入力部１０２４で受け付けられた再生種別で再生したコンテンツを表示部１０２３に表示させる。さらに、コンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行うと判定した場合、再生機器判定部１０２２は、上述の２つの処理を両方とも行う。

　なお、再生種別は、コンテンツの再生速度、再生方向（順方向再生、逆方向再生）、及び再生位置の少なくとも１つを特定する情報であって、例えば、所定の再生速度（第１の再生速度）で順方向再生する通常再生と、特殊再生とに大別される。また、特殊再生には、例えば、第１の再生速度より速い第２の再生速度で順方向再生する早送り、逆方向再生する巻き戻し、コンテンツの再生位置を指定するシーク操作等が含まれる。但し、再生種別はこれらに限定されない。

　表示部１０２３は、コンテンツを再生（表示）するディプレイである。表示部１０２３の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は有機ＥＬ（ＥｌｅｃｔｒｏＬｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）ディスプレイ等を採用することができる。

　入力部１０２４は、ユーザから種々の情報の入力を受け付けるインタフェースである。入力部１０２４の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、タッチパネル、キーボード（押しボタン）、マウス等のあらゆる入力デバイスを採用することができる。また、入力部１０２４で受け付けられる情報には、再生種別、再生するコンテンツ、再生種別と再生デバイスとの対応関係等が含まれる。詳細は後述する。

　映像同期制御部１０２５は、コンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行う場合に、コンテンツ再生装置１０１で再生されるコンテンツと、制御装置１０２で再生されるコンテンツとを同期させる。具体的には、映像同期制御部１０２５は、コンテンツ再生装置１０１で再生されているコンテンツの再生位置を、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１から取得する。そして、映像同期制御部１０２５は、制御装置１０２でのコンテンツの再生を、通信部１０２１を通じて取得した再生位置に同期させる。

　一例として、映像同期制御部１０２５は、再生するコンテンツのうち、取得した再生位置に対応するデータの送信をサーバ１０３に要求してもよい（コンテンツの取得位置の調整）。他の例として、映像同期制御部１０２５は、サーバ１０３からのコンテンツの取得は通常通りに行い、取得したコンテンツをバッファ（図示省略）から読み出して表示部１０２３に表示するタイミングを、取得した再生位置に応じて調整してもよい（表示タイミングの調整）。

　同時再生可否判定部１０２６は、コンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で同時にコンテンツを再生することができるか否かを判定する。そして、再生機器判定部１０２２は、同時再生可否判定部１０２６の判定結果を元に、コンテンツの再生を、コンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行うか、いずれか一方でのみ行うかを判定する。

　一例として、同時再生可否判定部１０２６は、サーバ１０３から取得した情報に基づいて、複数のコンテンツを同時に送出可能な能力をサーバ１０３が有しているか否かを判定してもよい。他の例として、同時再生可否判定部１０２６は、実際に複数のコンテンツを同時にダウンロードし、複数のコンテンツを指定された再生種別で再生するのに必要なビットレートで受信可能か否かを判定してもよい。

　また、コンテンツ再生装置１０１は、図２に示されるように、通信部１０１１と、表示部１０１２とを具備する。このコンテンツ再生装置１０１は、制御装置１０２から再生指示を受信した場合に、コンテンツを再生指示に示される再生種別で再生する。

　通信部１０１１は、制御装置１０２及びサーバ１０３とＬＡＮ１０４を通じて通信する通信インタフェースである。通信部１０１１がサポートする通信プロトコルは特に限定されないが、例えば、ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｌｉｖｉｎｇ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｌｌｉａｎｃｅ）規格準拠の通信プロトコルを用いることができる。

　表示部１０１２は、コンテンツを再生（表示）するディプレイである。表示部１０１２の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は有機ＥＬ（ＥｌｅｃｔｒｏＬｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）ディスプレイ等を採用することができる。

　なお、制御装置１０２の具体例としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、リモコン、ノート型ＰＣ等のモバイル端末、或いはデスクトップ型のＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）などが想定される。また、コンテンツ再生装置１０１の具体例としては、例えば、テレビジョン受像機、デスクトップ型のＰＣ、タブレット端末等が想定される。

　以降、本実施の形態での制御装置１０２の動作を、図３に示すフローチャートを用いて説明する。

　まず、ユーザは、再生するコンテンツを選択するために、制御装置１０２の入力部１０２４からコンテンツ一覧取得操作を行う（ステップＳ３０１）。これにより、制御装置１０２は、通信部１０２１を通じてサーバ１０３にコンテンツ一覧取得要求を送信する（ステップＳ３０２）。

　サーバ１０３は、制御装置１０２からコンテンツ一覧取得要求を受信すると、サーバ１０３が公開するコンテンツの一覧情報を、制御装置１０２に対して応答する（ステップＳ３０３）。そして、制御装置１０２は、通信部１０２１を通じてサーバ１０３からコンテンツ一覧情報を受信すると、表示部１０２３にサーバ１０３が保持しているコンテンツの一覧を表示する（ステップＳ３０４）。

　次に、ユーザは、表示部１０２３に表示されたコンテンツ一覧から再生したいコンテンツを選択する操作を制御装置１０２の入力部１０２４を介して行う（ステップＳ３０５）。なお、コンテンツの選択とは、再生したいコンテンツにフォーカスを合わせるような操作のことを指し、実際の再生開始（再生種別の入力）までは行っていない状態を想定している。

　なお、タッチパネルを搭載した表示部１０２３を持つような制御装置１０２においては、コンテンツの選択と次に説明する再生種別の入力との２つの操作を、再生したいコンテンツが表示されている部分をタッチするという１つの操作でまとめて行うことができる場合もある。しかしながら、ここでは説明の簡単のために、コンテンツ選択と再生種別の入力とは別操作として説明している。

　制御装置１０２は、コンテンツが選択されている状態で再生種別の入力待ちの状態になっている（ステップＳ３０７）。この状態で、ユーザは、そのコンテンツの再生を開始するための再生種別の入力を、入力部１０２４を介して行う（ステップＳ３０６）。

　なお、ユーザは、最初（選択されたコンテンツの再生が開始されていない状態）は通常再生のみを選択することができ、通常再生の開始後に早送りや巻き戻しなどの特殊再生への変更、又は特殊再生から通常再生へ戻す等の操作が行える場合が多い。ユーザは、当然、この再生種別の入力（ステップＳ３０６）を繰り返し行うことができる。

　再生種別の入力待ちの状態で再生種別の入力が行われると（ステップＳ３０６）、再生機器判定部１０２２は、入力された再生種別に応じて処理を変化させる（ステップＳ３０８）。具体的には、再生種別が通常再生の場合（ステップＳ３０８で「通常再生」）、再生機器判定部１０２２は、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１に再生指示を送信する（ステップＳ３０９の再生要求実行）。この再生指示には、例えば、再生すべきコンテンツを識別する情報（コンテンツＩＤ）と、コンテンツの取得先（実施の形態１では、サーバ１０３）と、ステップＳ３０６で入力された再生種別を特定する情報とが含まれる。

　制御装置１０２から再生指示を受信したコンテンツ再生装置１０１は、サーバ１０３に対して通信部１０１１を通じてコンテンツ取得要求を送信し（ステップＳ３１０）、サーバ１０３から送信されてくるコンテンツを受信し、再生指示に示される再生種別で受信したコンテンツの再生を行う（ステップＳ３１１）。なお、再生種別が通常再生の場合は、サーバ１０３への負荷が増加するのを防ぐために、図３の例では制御装置１０２での再生を行わない。

　次に、再生種別が早送りや巻き戻しなどの特殊再生である場合の処理について説明する。この処理は、図３のステップＳ３０８で再生種別が特殊再生の場合に実行される処理Ａであり、以下では、図４に示すフローチャートを用いて説明する。

　特殊再生の場合（図３のステップＳ３０８で「特殊再生」）、制御装置１０２は、少なくとも自装置の表示部１０２３でコンテンツの再生を行う。具体的には、制御装置１０２は、サーバ１０３に対して通信部１０２１を通じてコンテンツ取得要求を送信し（ステップＳ４０１）、サーバ１０３から送信されてくるコンテンツを受信し、入力部１０２４で受け付けられた再生種別で受信したコンテンツを再生する（ステップＳ４０２）。

　特殊再生（すなわち、早送りや巻き戻し）を行うユーザは、所望の再生位置に到達した時点で通常再生に切り替えることが多い。そこで、上記構成の制御装置１０２によれば、ユーザは、特殊再生されているコンテンツを制御装置１０２の表示部１０２３で見ながら、特殊再生から通常再生への切り替え操作を制御装置１０２の入力部１０２４で行うことができるので、視点を変更せずに所望のタイミングで通常再生に戻す操作を容易に行うことができるようになる。

　上記処理だけでも本発明の効果は期待できる。しかしながら、特殊再生中にも制御装置１０２のみでなく、コンテンツ再生装置１０１でも同時にコンテンツを再生できる方が望ましい。すなわち、図４のステップＳ４０２までの処理を実行すると、特殊再生中にコンテンツ再生装置１０１のみで再生が行われる。そして、ステップＳ４０３以降の処理を実行してコンテンツ再生装置１０１でもコンテンツを再生することにより、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。

　具体的には、コンテンツ再生装置１０１に搭載されている大画面（表示部１０１２）で高品位な状態で特殊再生（早送り等）しているコンテンツ（映像）を確認できること、及び制御装置１０２を操作しているユーザ以外のユーザもコンテンツ再生装置１０１で現在の再生位置を確認できるなどの効果が期待できる。

　ただし、制御装置１０２に加えてコンテンツ再生装置１０１でも再生しようとする場合、上述した第１の課題、第２の課題、及び第３の課題を生じる可能性がある。そこで、この課題を解決する方法についても以下で合わせて説明する。

　まず、サーバ１０３がコンテンツへの同時アクセス数を制限している場合、制御装置１０２もしくはコンテンツ再生装置１０１のいずれか一方で再生が行えない場合があるという第１の課題が発生するかどうかを確認するために、制御装置１０２でのコンテンツの再生（ステップＳ４０２）を行ったままの状態で、同時再生可否判定部１０２６は、２つ目のコンテンツ再生要求を、通信部１０２１を通じてサーバ１０３に送信する（ステップＳ４０３）。

　なお、ステップＳ４０３では、ステップＳ４０２で受信しているコンテンツと同一のコンテンツのコンテンツ再生要求が送信される。そこで、以下の説明では、ステップＳ４０２で受信しているコンテンツを第１のコンテンツと表記し、第１のコンテンツと平行してサーバ１０３から送出されるコンテンツ（内容は第１のコンテンツと同じ）を第２のコンテンツと表記する。

　コンテンツ取得要求を受信したサーバ１０３は、そのコンテンツ再生要求に対して新たにコンテンツ（第２のコンテンツ）を送出することで既定の送出可能数をオーバーするかどうかをチェックする（ステップＳ４０４）。なお、ここでは既定の送出可能数に基づくチェックを行う例をあげているが、本発明はこれに限定されない。例えば、サーバ１０３のそのときの負荷状況に応じて、新たにコンテンツを送出可能かどうかチェックしてもよい。送出可能数をオーバーしていると判断した場合（ステップＳ４０４で「Ｙ」）、サーバ１０３は、制御装置１０２に対してエラー応答を送信する（ステップＳ４０５）。

　なお、ＤＬＮＡ規格においては、コンテンツの取得にはＨＴＴＰ（Ｈｙｐｅｒ　Ｔｅｘｔ　Ｔｒａｎｓｆｅｒ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）プロトコルもしくはＲＴＳＰ（Ｒｅａｌ　Ｔｉｍｅ　Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）プロトコルを使用することになっている。そこで、ここでのエラー応答としては、ＨＴＴＰではＧｅｔメソッドによるコンテンツ取得要求に対して、ＲＴＳＰではＰｌａｙメソッドによるコンテンツ取得要求に対して、それぞれ５０３（Ｓｅｒｖｉｃｅ　Ｕｎａｖａｉｌａｂｌｅ）のエラーコードを応答することに相当する。

　次に、制御装置１０２の同時再生可否判定部１０２６は、エラー応答を受信したかどうかをチェックする（ステップＳ４０６）。そして、エラー応答を受信した場合（ステップＳ４０６で「Ｙ」）、制御装置１０２は、コンテンツ再生装置１０１への再生指示は行わずに、図４の処理を終了する。

　一方、エラー応答を受信しなかった場合（ステップＳ４０６で「Ｎ」）、同時再生可否判定部１０２６は、通信部１０２１を通じてサーバ１０３から第２のコンテンツを受信する。この状態において、同時再生可否判定部１０２６は、同時に複数のコンテンツを送出しようとすると、サーバ１０３が送出するビットレートがコンテンツの再生に必要なビットレート（閾値）を下回り、再生がスムーズに行えなくなる場合があるという第２の課題が発生しているかどうかをチェックする。ビットレートが閾値を下回る原因は様々であるが、例えば、サーバ１０３の能力が不足している場合、ＬＡＮ１０４の帯域が不足している場合等が考えられる。

　具体的には、同時再生可否判定部１０２６は、ステップＳ４０２で実行している第１のコンテンツの再生で使用している一次バッファの残量（一次バッファに記憶されているコンテンツのデータ量）を測定する（ステップＳ４０７）。この一次バッファは、ネットワーク（ＬＡＮ１０４）やサーバ１０３の状況に起因して発生するデータ到着のゆらぎを吸収することにより、コンテンツを安定して再生するためのものである。すなわち、一次バッファには、常に一定量以上のデータがバッファリングされている必要がある。そこで、同時再生可否判定部１０２６は、この一次バッファ内の残量が減少傾向にあるもしくは一定値を下回るなどの所定の条件に該当する場合に、再生に必要なビットレートを維持できないと判定することができる。

　一次バッファの残量の測定値が取得できたら、同時再生可否判定部１０２６は、制御装置１０２での第１のコンテンツの再生（ステップＳ４０２での再生）を安定して継続するために、ステップＳ４０３のコンテンツ取得要求で取得した第２のコンテンツの取得を停止する（ステップＳ４０８）。これにより、サーバ１０３は、第２のコンテンツの送出を停止する（ステップＳ４０９）。

　次に、同時再生可否判定部１０２６は、取得した一次バッファの残量の測定値から、再生に必要なビットレートを維持できるか否かをチェックする（ステップＳ４１０）。ここで、再生に必要なビットレートを維持できないと判定された場合（ステップＳ４１０で「Ｎ」）、制御装置１０２は、コンテンツ再生装置１０１への再生指示を行わずに、図４の処理を終了する。

　一方、再生に必要なビットレートを維持できると判定された場合（ステップＳ４０１で「Ｙ」）、制御装置１０２は、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１へ再生指示を送信する（ステップＳ４１１）。そして、通信部１０１１を通じて再生指示を受信したコンテンツ再生装置１０１は、通信部１０１１を通じてサーバ１０３に対してコンテンツ取得要求を送信し（ステップＳ４１２）、通信部１０１１を通じてサーバ１０３から送信されてきた第２のコンテンツの再生を行う（ステップＳ４１３）。

　次に、早送り、巻き戻しなどの再生速度がコンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２とで異なる場合に、コンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２とでコンテンツの再生位置がずれる場合があるという第３の課題に対する処理について、図５に示すフローチャートを用いて説明する。

　図５は、図４のステップＳ４０２で開始された制御装置１０２での第１のコンテンツの再生と、図４のステップＳ４１３で開始されたコンテンツ再生装置１０１での第２のコンテンツの再生とにおいて、コンテンツ（映像）の再生位置を同期させる処理を示すフローチャートである。

　なお、コンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２とでコンテンツの再生位置がずれる原因としては、例えば、再生開始のタイミングが制御コマンドの通信遅延によりずれること、再生開始のタイミングが各装置での初期バッファリング時間／サイズによりずれること、指定された再生速度が同じであっても各装置の再生制御アルゴリズムにより必ずしも同じ再生速度で再生されるわけではないこと、などが挙げられる。

　まず、制御装置１０２の映像同期制御部１０２５は、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１に再生位置取得要求を送信する（ステップＳ５０１）。コンテンツ再生装置１０１は、サーバ１０３から第２のコンテンツを取得しながら再生を継続しているため、再生位置取得要求を受信すると、そのときに再生している第２のコンテンツ（映像）の再生位置を、通信部１０１１を通じて応答する（ステップＳ５０２）。ここでの再生位置とは、コンテンツの先頭もしくはコンテンツ取得コマンドで指定した再生位置からの時間もしくはデータサイズで指定されるのが一般的である。

　なお、ＤＬＮＡ規格においては、デジタルメディア・コントローラ（ＤＭＣ）とデジタルメディア・レンダラー（ＤＭＲ）との間で再生指示或いは再生停止要求を行う際に、ＵＰｎＰ　ＡＶ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｐｌｕｇ　ａｎｄ　Ｐｌａｙ　Ａｕｄｉｏ　Ｖｉｓｕａｌ）規格で規定されるＡＶＴ（ＡＶ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）プロトコルを使用することができる。また、再生位置取得要求及びその応答には、ＡＶＴのＧｅｔＰｏｓｉｔｉｏｎＩｎｆｏというコマンドを用いることができる。

　次に、映像同期制御部１０２５は、ステップＳ５０２で取得したコンテンツ再生装置１０１における第２のコンテンツの再生位置に基づいて、通信部１０２１を通じてサーバ１０３にコンテンツ取得要求を送信する（ステップＳ５０３）。このコンテンツ取得要求には、例えば、コンテンツを識別する識別子（コンテンツＩＤ）と、当該コンテンツの再生位置を特定する情報とが含まれる。

　制御装置１０２からコンテンツ取得要求を受信したサーバ１０３は、コンテンツ取得要求で指定された再生位置に対する第１のコンテンツのデータを制御装置１０２に対して送信する。すなわち、サーバ１０３は、第１のコンテンツの再生位置以降のデータを、制御装置１０２に送信する。そして、制御装置１０２は、サーバ１０３から取得したデータを再生（すなわち、第１のコンテンツを再生位置から再生）する。

　上記の処理（ステップＳ５０１～Ｓ０５３）を所定の時間間隔毎（例えば、５秒毎）に実行することにより、制御装置１０２とコンテンツ再生装置１０１とで、同じコンテンツの同じ再生位置の映像を再生することができるようになる。なお、再生位置の応答を受信（ステップＳ５０２）してから制御装置１０２が実際に映像を再生するまでには数百ミリ秒から１秒程度の遅延が発生する可能性がある。そのため、制御装置１０２は、これを考慮してコンテンツ取得要求（ステップＳ５０３）で指定する位置を所定のアルゴリズムにより調整するようにしてもよい。

　所定のアルゴリズムの例としては、応答された再生位置に対して一定時間、及び／又は、一定データサイズを加算する方法、或いは過去に計測した統計情報に基づいて加算する値を調整する方法などが考えられる。また、ここでは、制御装置１０２が再生位置を取得するごとにコンテンツ取得要求（ステップＳ５０３）を行う方法について説明したが、コンテンツの取得は別途独立して行い、取得済みのデータを再生するタイミングを調整するようにしてもよい。

　なお、ここでは、通常再生時にはコンテンツ再生装置１０１のみでコンテンツを再生し、特殊再生時には少なくとも制御装置１０２でコンテンツを再生する場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。

　例えば、通常再生時にコンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２との両方でコンテンツを再生してもよい。この場合は通常再生時にも、図４で説明した特殊再生時の第１及び第２の課題に対する手順をほぼそのまま適用することができる。特殊再生時と通常再生時とで異なる部分は、特殊再生時には制御装置１０２での再生が必須であるのに対して、通常再生時にはコンテンツ再生装置１０１での再生が必須になることである。すなわち、図４のフローチャートにおいて、制御装置１０２でのコンテンツの再生（ステップＳ４０１、ステップＳ４０２）とコンテンツ再生装置１０１でのコンテンツの再生（ステップＳ４１１、ステップＳ４１２、ステップＳ４１３）とが入れ替わったシーケンスとなる。

　また、上記の第３の課題に対する手順についても、特殊再生の場合とほぼ同様の手順が適用可能である。特殊再生時と通常再生時とで異なる部分は、特殊再生時には再生位置を取得するごとにコンテンツ取得要求（ステップＳ５０３）を行うことができるが、通常再生時におけるコンテンツ取得要求は再生開始時の１回のみになるため、コンテンツ（映像）の同期は取得済みのコンテンツを再生するタイミングを調整する方法を用いる。

　また、通常再生時及び特殊再生時にコンテンツ再生装置１０１のみでコンテンツを再生するか、制御装置１０２のみでコンテンツを再生するか、コンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２との両方でコンテンツを再生するかを、ユーザが任意に設定可能としてもよい。すなわち、制御装置１０２は、再生種別と、当該再生種別が選択された場合にコンテンツ再生装置で再生を行うか或いは制御装置で再生を行うかとの対応関係を、入力部１０２４を通じてユーザから受け付けてもよい。そして、再生機器判定部１０２２は、入力部１０２４で受け付けられた対応関係に従って、コンテンツをどの装置で再生するかを判定してもよい。また、上記の第１～第３の課題に対する制御を行うかどうかを、ユーザが任意に設定可能としてもよい。

　以上説明したように、本実施の形態に係る制御装置、制御システム、及び制御方法によれば、再生種別がサーバ１０３への負荷が重く高品位が求められる通常再生の場合には、少なくとも大画面や高品位での再生が可能なコンテンツ再生装置１０１でコンテンツを再生し、再生種別がサーバ１０３への負荷が低く大画面や高品位での再生がそれほど求められない早送りや巻き戻し等の特殊再生の場合には、少なくとも制御装置１０２でコンテンツを再生する。さらに、同時アクセス数や性能などに対するサーバ１０３の制約がない場合には、特殊再生の場合もコンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方でコンテンツを再生するというようなことが可能となる。

　（実施の形態２）
　次に、図６を参照して、実施の形態２に係るコンテンツ再生装置１０１、制御装置１０２、及びサーバ１０３の動作を説明する。なお、実施の形態１との詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。まず、コンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の構成は実施の形態１の図２と共通するので、説明を省略する。

　本発明の実施の形態１では、制御装置１０２及びコンテンツ再生装置１０１で同時にコンテンツを再生する場合に、制御装置１０２及びコンテンツ再生装置１０１は、いずれもサーバ１０３からコンテンツを取得する場合について記載した。これに対して、本実施の形態２では、サーバ１０３からコンテンツを再生するのは制御装置１０２のみで、コンテンツ再生装置１０１は制御装置１０２からコンテンツを取得して再生を行う場合について説明する。

　すなわち、実施の形態２に係る再生機器判定部１０２２は、コンテンツの再生をコンテンツ再生装置１０１及び制御装置１０２の両方で行うと判定した場合に、通信部１０２１を通じてサーバ１０３から取得したコンテンツを、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１に送信する。これにより、サーバ１０３が送出するコンテンツのデータを１本とすることができる。その結果、制御装置１０２及びコンテンツ再生装置１０１は、サーバ１０３の負荷を増大させることなく、且つサーバ１０３の同時アクセス数や性能の制限を受けずに再生を行なうことができる。

　なお、ユーザが入力部１０２４を通じてコンテンツの選択と再生種別の入力とを行い、再生機器判定部１０２２が入力された再生種別を判定するところまでの処理（図３のステップＳ３０１～Ｓ３０８）は図３の処理と同様になるため、ここでは説明を省略する。ここでは、図６に示すフローチャートを用いて、本実施の形態２における図３の処理Ａに相当する処理の詳細を説明する。

　まず、制御装置１０２は、通信部１０２１を通じてサーバ１０３からコンテンツを取得し、取得したコンテンツを再生する（ステップＳ６０１、ステップＳ６０２）。また、制御装置１０２は、このとき取得したコンテンツのデータを、コンテンツ再生装置１０１へ送出するために一時的に記憶部（図示せず）に保存しておく。

　次に、制御装置１０２は、コンテンツ再生装置１０１に対して、通信部１０２１を通じて再生指示を送出する（ステップＳ６０３）。このとき、この再生指示は、コンテンツの取得先としてサーバ１０３ではなく制御装置１０２を指定する。これにより、制御装置１０２から再生指示を受信したコンテンツ再生装置１０１は、制御装置１０２に対してコンテンツ取得要求を送信する（ステップＳ６０４）。制御装置１０２は、一時的に記憶部（図示せず）に保存していたコンテンツのデータをコンテンツ再生装置１０１に送信する。そして、コンテンツ再生装置１０１は、制御装置１０２から受信したコンテンツを再生する（ステップＳ６０５）。

　また、制御装置１０２とコンテンツ再生装置１０１とで再生するコンテンツ（映像）の同期をとるために、映像同期制御部１０２５は、通信部１０２１を通じてコンテンツ再生装置１０１に再生位置取得要求を送信する（ステップＳ６０６）。これに対してコンテンツ再生装置１０１は、通信部１０１１を通じて制御装置１０２に再生位置を応答する（ステップＳ６０７）。

　図６では記載を一部省略しているが、通常再生の場合の制御装置１０２は、この応答に基づいてコンテンツ（映像）の表示開始のタイミングを調整する。一方、特殊再生の場合の制御装置１０２は、取得したコンテンツ（映像）の表示のタイミングを調整してもよいし、コンテンツ再生装置１０１から応答された再生位置に対するコンテンツのデータをサーバ１０３から取得し（ステップＳ６０８）、取得したコンテンツを再生してもよい。ここでの処理については、本発明の実施の形態１の図５の処理と同様のため、ここでは詳細の説明を省略する。

　以上説明したように本実施の形態２に係る制御装置、制御システム、及び制御方法によれば、再生種別がサーバ１０３への負荷が重く高品位が求められる通常再生の場合には、少なくとも大画面や高品位での再生が可能なコンテンツ再生装置１０１でコンテンツを再生し、再生種別がサーバ１０３への負荷が低く大画面や高品位での再生がそれほど求められない早送りや巻き戻し等の特殊再生の場合には、少なくとも制御装置１０２でコンテンツを再生する。さらに、通常再生又は特殊再生、もしくはその両方において、サーバ１０３の同時アクセス数や性能の制約を受けることなく、コンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２との両方でコンテンツの再生を行うことができる。

　なお、制御装置１０２は、本発明の実施の形態１の方法を用いるか、本発明の実施の形態２の方法を用いるか、いずれも用いないかを、入力部１０２４を通じてユーザに設定させることにより、切り替えられるようにしてもよい。

　また、本発明の実施の形態１及び本発明の実施の形態２においては、通常再生以外の再生方法として早送りや巻き戻しについて述べたが、制御装置１０２の表示部１０２３に表示されるシークバーを操作して、指定した位置からの再生を開始するシーク再生（シーク操作）や、或いは３０秒など一定時間後の映像再生に遷移するスキップ再生などを、特殊再生に含めてもよい。

　このような場合、コンテンツ再生装置１０１でコンテンツを視聴するユーザは、例えば、シーク再生やスキップ再生の操作を１回もしくは複数回繰り返した後に、通常再生に切り替える場合が多い。そこで、制御装置１０２は、通常再生を開始する前にシークしていた再生位置のコンテンツ（映像）やスキップ後に再生されるコンテンツ（映像）を、表示部１０２３に表示させることも可能である。

　このように、シーク再生やスキップ再生時に表示されるコンテンツを制御装置１０２の表示部１０２３（ディスプレイ）に表示することで、ユーザは、コンテンツ再生装置１０１と制御装置１０２との間で視点を変更せずに、所望のタイミングで通常再生に切り替える操作を制御装置１０２のみにより容易に行うことをことができるようになる。

　図２の制御装置１０２を構成する通信部１０２１、再生機器判定部１０２２、映像同期制御部１０２５、及び同時再生可否判定部１０２６の一部又は全部は、上記で説明した各種の電文や情報を処理する専用のハードウェア（専用回路）により実現可能である。また、これらの別の実現方法としては、通常、ソフトウェアでも実現可能である。すなわち、上記で説明した動作内容をソフトウェアで記述してＲＯＭに記録しておき、共通のＭＰＵやメモリ上で当該ソフトウェアを実行するようにすればよい。なお、ＲＯＭは、書き換え可能ＲＯＭ等の不揮発性記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現は可能である。

　なお、本発明の制御装置、制御システム及び制御方法は、ＤＬＮＡに準拠したコンテンツ再生方式を、更に改良することを目的の１つとしている。したがってサーバ１０３とコンテンツ再生装置１０１とは、ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｌｉｖｉｎｇ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｌｌｉａｎｃｅ）規格準拠の通信プロトコルで通信し、各情報及び各電文の表記は、ＤＬＮＡに準拠した形態を一例として説明した。しかし、本発明は、ＤＬＮＡに準拠しない制御装置、制御システムに対しても適用可能である。

　また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、実施の形態の構成、電文の内容や表現形式、フローチャートの手順について、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。

　本発明にかかる制御装置、制御システム及び制御方法は、ネットワーク上のコンテンツ再生装置に対してコンテンツ再生指示を行いコンテンツの再生を行わせるシステム、方法として有用である。

　１０１　　コンテンツ再生装置
　１０２　　制御装置
　１０３　　サーバ
　１０４　　ＬＡＮ
　１０１１，１０２１　　通信部
　１０１２，１０２３　　表示部
　１０２２　　再生機器判定部
　１０２４　　入力部
　１０２５　　映像同期制御部
　１０２６　　同時再生可否判定部

Claims (15)

1. 　サーバに保持されているコンテンツの再生を制御する制御装置であって、
   　前記サーバ及びコンテンツ再生装置と通信する通信部と、
   　前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力部と、
   　前記入力部で受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、前記コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定部と、
   　前記制御装置で再生された前記コンテンツを表示する表示部とを備え、
   　前記再生機器判定部は、
   　前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信し、
   　前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記通信部を通じて前記サーバから取得し、前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生された前記コンテンツを前記表示部に表示させる
   　制御装置。
2. 　前記再生機器判定部は、
   　前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置のみで行うと判定し、
   　前記再生種別が前記通常再生と異なる特殊再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記制御装置のみで行うと判定する
   　請求項１に記載の制御装置。
3. 　前記再生機器判定部は、
   　前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置のみで行うと判定し、
   　前記再生種別が前記通常再生と異なる特殊再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定する
   　請求項１に記載の制御装置。
4. 　前記再生機器判定部は、
   　前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定し、
   　前記再生種別が前記通常再生と異なる特殊再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記制御装置のみで行うと判定する
   　請求項１に記載の制御装置。
5. 　前記制御装置は、さらに、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行う場合に、前記コンテンツ再生装置での前記コンテンツの再生と、前記制御装置での前記コンテンツの再生とを同期させる映像同期制御部を備える
   　請求項３又は４に記載の制御装置。
6. 　前記映像同期制御部は、
   　前記コンテンツ再生装置で再生されている前記コンテンツの再生位置を、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置から取得し、
   　前記通信部を通じて取得した前記再生位置に応じて、前記制御装置で再生する前記コンテンツの取得位置又は前記コンテンツを前記表示部に表示するタイミングを調整する
   　請求項５に記載の制御装置。
7. 　前記制御装置は、さらに、複数の前記コンテンツを同時に送出可能な能力を前記サーバが有しているか否かを判定する同時再生可否判定部を備え、
   　前記再生機器判定部は、さらに、前記サーバが複数の前記コンテンツを同時に送出可能と前記同時再生可否判定部で判定された場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定する
   　請求項３～６のいずれか１項に記載の制御装置。
8. 　前記制御装置は、さらに、複数の前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生するのに必要なビットレートで受信可能か否かを判定する同時再生可否判定部を備え、
   　前記再生機器判定部は、さらに、複数の前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生するのに必要なビットレートで受信可能と前記同時再生可否判定部で判定された場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定する
   　請求項３～７のいずれか１項に記載の制御装置。
9. 　前記再生機器判定部は、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置及び前記制御装置の両方で行うと判定した場合に、さらに、前記通信部を通じて前記サーバから取得した前記コンテンツを、前記通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信する
   　請求項３～８のいずれか１項に記載の制御装置。
10. 　前記再生機器判定部は、
    　前記再生種別が所定の再生速度で順方向再生する通常再生の場合に、前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置のみで行うと判定し、
    　前記再生種別が前記コンテンツの再生位置を指定するシーク操作の場合に、前記コンテンツの再生を少なくとも前記制御装置で行うと判定する
    　請求項１に記載の制御装置。
11. 　前記入力部は、さらに、前記再生種別と、当該再生種別が選択された場合に前記コンテンツ再生装置で再生を行うか、或いは前記制御装置で再生を行うかとの対応関係の入力を受け付け、
    　前記再生機器判定部は、前記入力部で受け付けられた対応関係に従って判定する
    　請求項１～１０のいずれか１項に記載の制御装置。
12. 　前記表示部は、さらに、前記サーバが保持しているコンテンツの一覧を表示し、
    　前記入力部は、さらに、前記表示部に表示されているコンテンツの一覧から再生すべきコンテンツの選択を受け付ける
    　請求項１～１１のいずれか１項に記載の制御装置。
13. 　前記通信部は、ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｌｉｖｉｎｇ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｌｌｉａｎｃｅ）規格準拠の通信プロトコルを用いて、前記サーバ及び前記コンテンツ再生装置と通信する
    　請求項１～１２のいずれか１項に記載の制御装置。
14. 　コンテンツ保持するサーバと、前記コンテンツを再生するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツの再生を制御する制御装置とで構成される制御システムであって、
    　前記制御装置は、
    　前記サーバ及びコンテンツ再生装置と通信する第１の通信部と、
    　前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力部と、
    　前記入力部で受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、前記コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定部と、
    　前記制御装置で再生された前記コンテンツを表示する第１の表示部とを備え、
    　前記再生機器判定部は、
    　前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記第１の通信部を通じて前記コンテンツ再生装置に送信し、
    　前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記第１の通信部を通じて前記サーバから取得し、前記入力部で受け付けられた前記再生種別で再生された前記コンテンツを前記第１の表示部に表示させ、
    　前記コンテンツ再生装置は、
    　前記制御装置及び前記サーバと通信する第２の通信部と、
    　前記第２の通信部を通じて前記制御装置から前記再生指示を受信した場合に、前記再生種別で再生された前記コンテンツを表示する第２の表示部とを備える
    　制御システム。
15. 　サーバに保持されているコンテンツの再生を制御する制御装置が実行する制御方法であって、
    　前記コンテンツの再生速度、再生方向、及び再生位置の少なくとも１つを特定する再生種別の入力を受け付ける入力ステップと、
    　前記入力ステップで受け付けられた前記再生種別に応じて、前記コンテンツの再生を、コンテンツ再生装置で行うか、前記制御装置で行うかを判定する再生機器判定ステップとを含み、
    　前記再生機器判定ステップは、さらに、
    　前記コンテンツの再生を前記コンテンツ再生装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記入力ステップで受け付けられた前記再生種別で再生することを指示する再生指示を、前記コンテンツ再生装置に送信する送信ステップと、
    　前記コンテンツの再生を前記制御装置で行うと判定した場合に、前記コンテンツを前記サーバから取得し、前記入力ステップで受け付けられた前記再生種別で再生する再生ステップとを含む
    　制御方法。

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