WO2012077474A1

WO2012077474A1 - リールリード

Info

Publication number: WO2012077474A1
Application number: PCT/JP2011/076505
Authority: WO
Inventors: 政朋奥村; 健司武田
Original assignee: 株式会社ヤマヒサ
Priority date: 2010-12-10
Filing date: 2011-11-17
Publication date: 2012-06-14
Also published as: TW201234958A; JP2012120500A; JP5832086B2

Abstract

　リードリール（１）のケース（２）は、本体（２１）および把手（２２）を備える。ケース（２）の本体（２１）には、リール（３）が渦巻きばね（４）を介して、巻き取り側への回転力を付勢するように回転自在に支持されている。把手（２２）には、ブレーキトリガー（５）が押し込み可能に、かつ、押し戻し側に付勢する状態で摺動自在に設けられている。ケース（２）の本体（２１）には、ブレーキトリガー（５）の摺動に連動するブレーキアーム（６）が回動自在に設けられている。ブレーキトリガー（５）の押し込み操作によって、ブレーキアーム（６）は回動してリール（３）に係合し、リード（１０）の繰り出し側にリール（３）が回転するのを規制する。

Description

リールリード

　本発明は、主として飼い犬の散歩に用いるリードをリールに巻き取り、所望の長さに繰り出せるようにしたリールリードに関する。

　従来のリールリードとしては、リールに巻き取られたリードを、犬が引っ張る力に任せて繰り出し、リードが緩んだ際には、リードの巻き取り側への回転付勢力によって自動的にリードを巻き取ることができるものが知られている。

　例えば、図８に示すように、リールリード１００は、本体ケース１０１内にリード１０６を巻き取るためのリール１０２が回転自在に収容されている。リード１０６は、本体ケース１０１に形成した繰出口１０３から引き出される。把手１０４は、本体ケース１０１における繰出口１０３とは反対側に設けられている。把手１０４を握ったとき、親指が掛かる位置に操作部１０５が設けられている。リールリード１００は、操作部１０５を親指で押し込むことにより、リード１０６の繰り出しのロックおよびロック解除を行うことができるように構成されている（特許文献１参照）。

　特許文献２，３に開示されたリールリードも、把手の太さや角度に若干の相違があるものの、いずれも前述と同様の構成を具備している。

実開平３－２３１６６号公報特開平１０－５９６３０号公報登録実用新案第３１１４８７２号公報

　前記従来のリールリードにあっては、本体ケースと把手との間に、親指を除く４本の指を入れて把手を握る。操作部は、繰出口を進行方向前方に向けたときに、本体ケースの上面後部寄りに位置するように設定されている。そして、操作部を親指で前方斜め下向きに押し込む操作によって、リードの繰り出しがロックされる。この操作部を、再度、押し込むとロックが解除される。つまり、従来のリールリードでは、リードの繰り出しを止めようとする際に、リードが繰り出されるのとほぼ同じ向きにその操作部を押し込む必要がある。

　しかしながら、前述の操作は、リードの繰り出しを止めるための動作としては、感覚的にやや不自然である。例えば、散歩中に、飼い犬が、突然、人間や他の犬に向かって走り出すようなことが起こり得る。しかし、リードが急に繰り出されてしまい、慌ててそれを止めようとしたとき、手や指を、リードが繰り出されるのと同じ向きに動かすよりも、その反対向き、つまり把手を握り締めてリードを引き戻そうとする向きに動かすほうが、反射的な感覚として自然であり、咄嗟の場合でも間違えにくいと考えられる。

　本発明は、このような操作感覚に着目してなされたもので、急なリードの繰り出しを止めようとする際に、反射的にリードを引き戻そうとする自然な操作によって、迅速かつ確実にリードの繰り出しを規制することのできるリールリードを提供するものである。

　本発明は、リードをリールに巻き取り可能および繰り出し可能なリールリードにおいて、前記リールは、ケース内に回転可能に、かつ、巻き取り側への回転力が付勢された状態で収納され、前記ケースは、本体と把手を備えて、これらの本体と把手との間に指挿入空間が形成されており、該ケースの前方に前記リードを繰り出す繰出孔を備え、前記リールは、前記ケースの本体内に回転自在に支持され、前記把手にブレーキトリガーが押し込み可能に、かつ、押し戻し側に付勢する状態で摺動自在に設けられ、前記ケースの本体に、前記ブレーキトリガーの摺動に連動するブレーキアームが回動自在に設けられ、前記ブレーキトリガーが押し込まれると、前記ブレーキアームは回動して前記リールに係合し、前記リードの繰り出し側に前記リールが回転するのを規制することを特徴とする。

　本発明によれば、リールリードの把手を掌中に把握した際、人指し指がブレーキトリガーに掛かるとともに、その上面に親指が添えられることから、人指し指を引き絞ることにより、ブレーキトリガーを把手の内方に向けて押し込むことができる。そして、ブレーキトリガーを押し込むことにより、ブレーキトリガーの押し込み側への移動に連動してブレーキアームが回動し、リールに係合してリードの繰り出し側へのリールの回転を規制することができる。すなわち、散歩に際して、ケースの把手を把握しながら、ブレーキトリガーを人差し指で操作し、リードの繰り出しを調整することができる。

　一方、飼い犬が急に走り出すなどしてリードが意図することなく繰り出された場合、反射的に把手を握り締める動作を行うことにより、結果的に人差し指を引き絞ってブレーキトリガーを押し込むことから、リードの繰り出し側へのリールの回転を規制することができる。

　この結果、咄嗟の場合でも自然な感覚で操作してリードの繰り出しを速やかに、かつ、確実に防止できる。しかも、ブレーキトリガーを前後方向に移動させることでブレーキアームを回動させてリールの回転を規制し、あるいは解除することから、ブレーキトリガーを直接回動させてリールの回転を規制する場合に比較して、その回動に伴う突出部分が発生せず、全体的にコンパクトに形成できる。

　本発明において、前記ブレーキアームには、係止部を有する係止材が前記リール側に向かって設けられ、前記リールは、フランジの外面側に係止歯部を備え、前記ブレーキトリガーが押し込まれると、前記ブレーキアームの係止部が前記リールの係止歯部に係合し、前記リードの繰り出し側に前記リールが回転するのを規制することが好ましい。

　これにより、ブレーキトリガーの押し込み操作によってブレーキアームの係止部がリールの係止歯部に係合する簡単な構造でリードの繰り出し側へのリールの回転を速やかに、かつ、確実に規制することができる。

　本発明において、前記ブレーキアームの係止部と前記リールの係止歯部との係合は、前記ブレーキトリガーの押し込み状態が解除されると、前記ブレーキアームの係止部が前記リールの係止歯部から離脱し、解除されることが好ましい。

　これにより、ブレーキトリガーから人指し指を離した際、ブレーキトリガーが押し戻されて、ブレーキアームの係止部がリールの係止歯部から離脱することから、リードの繰り出し側および巻き取り側へのリールの回転を許容することができ、随時リードを調整できる。

　本発明において、前記ケースは、前記把手の上面に、前後方向に摺動自在なロックスイッチを備え、前記ブレーキトリガーが押し込まれた状態で前記ロックスイッチを前方へ摺動させると、前記ロックスイッチは前記ブレーキアームに係合し、前記ブレーキアームがリールの回転を規制した状態に保持することが好ましい。

　これにより、ブレーキトリガーの押し込みに連動するブレーキアームの回動をロックスイッチによって規制することができる。すなわち、ブレーキトリガーを把手内に押し込んだ状態でロックスイッチを前方へ摺動させることにより、ロックスイッチがブレーキアームに係合し、ブレーキアームがリールの回転を規制した状態に保持することができる。

　この場合、把手を掌中に把握した状態では、親指は把手上面に摺動自在に設けられたロックスイッチに自然に添えられることから、操作性が損なわれることはない。

　本発明において、前記ロックスイッチは、係合部を有する脚部を備え、前記ブレーキアームは、前記係合部に対応する被係合部を備え、前記ロックスイッチの前方への摺動によって前記ロックスイッチの係合部が前記ブレーキアームの被係合部に係合し、前記ブレーキアームが回動するのを規制することが好ましい。

　これにより、ロックスイッチの前方への摺動によってロックスイッチの係合部がブレーキアームの被係合部に係合する簡単な構造でブレーキアームの回動を確実に規制することができる。

　本発明において、前記リールは、フランジ外面側に、前記リードの止め結びを収容する収容空間を備え、前記リールにはキャップが装着され、前記収納空間に収納された前記リードの止め結びと、前記リールに備えられたコイルばねとが、ともに前記キャップで被覆されていることが好ましい。

　これにより、キャップをリールに装着するという簡単な構造によって渦巻きばねの飛び出しを防止するとともに、リードの止め結びを遮蔽することができる。

　本発明によれば、リードの繰り出しを規制する際、ブレーキトリガーを操作する向きが反射的にリードを引き戻そうとする向きに設定されていることにより、自然な感覚でブレーキトリガーを操作することができ、咄嗟の場合でも迅速かつ確実にリードの繰り出しを止めることができる。

図１は、本発明のリールリードの一実施形態を示す斜視図である。図２は、図１のリールリードの平面図である。図３は、図１のリールリードのケースを構成する一方の二つ割りおよびキャップを取り外して示す側面図である。図４は、図１のリールリードの分解斜視図である。図５は、ブレーキトリガーを操作しない状態のリールリードを一方の二つ割りを取り外して示す側面図である。図６は、ブレーキトリガーを押し込んだ状態のリールリードを一方の二つ割りを取り外して示す側面図である。図７は、ブレーキトリガーを押し込むとともに、ロックスイッチをロックした状態のリールリードを一方の二つ割りを取り外して示す側面図である。図８は、従来のリールリードの使用状態を説明する概略図である。

　以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

　図１～図４には、本発明のリールリード１の一実施形態が示されている。

　このリールリード１は、指挿入空間２０を挟んで前後に本体２１および把手２２を備えたケース２と、ケース２の本体２１に回転自在に支持されたリール３と、リール３をリード１０の巻き取り方向に付勢する渦巻きばね４と、ケース２の把手２２に摺動自在に設けられたブレーキトリガー５と、ケース２の本体２１に回動自在に支持されてブレーキトリガー５の摺動に連動するブレーキアーム６と、ケース２の把手２２の上面に摺動自在に設けられたロックスイッチ７とを備えている。リード１０は、一端がリール３に止着され、巻き回されたリード１０の他端は、ケース２の本体２１に設けられたガイド部材８の繰出孔８１を通して外部に引き出されている。

　ケース２は、指を挿入可能な指挿入空間２０を挟んで、その前後に、本体２１および把手２２が設けられている。本体２１と把手２２とは、上下の連結部を介して連結されている。ケース２は、左右の二つ割り２Ａ，２Ｂを、止めねじを介して連結することで形成されている。ケース２の一方の二つ割り２Ａには、その中心部に位置してリール３を回転自在に支持する軸部２３が突設されている。また、二つ割り２Ａには、上方に位置してブレーキアーム６を回転自在に支持する軸部２４も突設されている。

　ケース２の把手２２の内方側の略上半部には、ブレーキトリガー５を収容可能なトリガー収容部２１１が形成されている。このトリガー収容部２１１に連続して、ガイドプレート２５が水平方向に延設されている。このガイドプレート２５の上方に位置して、一対のガイドレール２６が、水平方向に延設されている。ケース２の本体２１の上面には、繰出孔８１が形成されたガイド部材８を装着可能な取付孔２１２が形成されている。把手２２の上面には、ロックスイッチ７を摺動自在に支持するガイド孔２１３およびガイド凹部２１４が形成されている。

　なお、ケース２の把手２２の内方側外面には、把手２２を把握した際に滑り止めのエンボスが形成されている。

　リール３は、リード１０を巻き取るためのドラム３１と、その左右両端から張り出す一対のフランジ３２とを備えている。ドラム３１には、中空円筒状のばね収容部３１１が形成されている。リール３は、ケース２の本体２１に設けられた軸部２３に、ドラム３１の中心に形成された軸孔（図示せず）を挿通させて、軸部２３回りに回転自在に支持されている。

　リール３の各フランジ３２の外面には、複数の放射状リブ３３と、円周状リブ３４とが形成されている。これらのリブ３３，３４は、複数個の扇形状空間を形成している。複数個の扇形状空間のうちの１つの空間は、リード１０の一端を結び合わせて形成した止め結び１１（図３参照）を収容する収容空間とされている。

　すなわち、リード１０を、リール３のドラム３１に巻き回す際、その先端部を一方のフランジ３２の内面側から挿通孔３２１を通して外面側に引き出した後、挿通孔３２２を通してフランジ３２の内面側に導き、再び挿通孔（図示せず）を通してフランジ３２の外面側に引き出し、止め結び１１を前記の収容空間に収容している。これにより、リード１０は、フランジ３２の３個の挿通孔との摩擦抵抗により、リール３からの抜け出しが防止されている。また、ドラム３１の円筒面に止め結び１１が存在しないことにより、リード１０をドラム３１に整列状態で巻き取ることができる。

　リール３の各フランジ３２の外面には、複数個の略直角二等辺三角形状の係止歯部３５が、リブ３４の高さと同一高さに突出形成されている。各係止歯部３５は、円周状リブ３４の外周側に位置して周方向に間隔をおいて設けられている。

　なお、係止歯部３５の形状は、前記のように略直角二等辺三角形状とされるに限らない。例えば、係止歯部３５は、中心角が直角とされた略扇形状であっても、また略直角三角形状であってもよく、後述の係止部６２１に係合しうる形状であればどのようであってもよい。

　渦巻きばね４は、リール３のドラム３１のばね収容部３１１に収容されている。渦巻きばね４の内周側の一端は、軸部２３に止着され、外周側の他端は、リール３のドラム３１に止着されている。これにより、リール３がリード１０の繰り出し方向に回転するとき、渦巻きばね４が弾性変形する。また、その復元力によってリール３をリード１０の巻き取り方向に回転させるように付勢することができる。

　なお、リール３のドラム３１のばね収容部３１１の開口端には、扇形状のカバー３６１を外周面に設けた円筒状のキャップ３６が、軸部２３に挿通された状態で嵌め込まれている。キャップ３６は、爪３６２を介してリール３に係止されている。このため、リール３のドラム３１のばね収容部３１１に収容された渦巻きばね４が飛び出すのを防止することができる。このとき、キャップ３６に設けたカバー３６１が、リール３のフランジ３２の収容空間に収容されたリード１０の止め結び１１を覆っている。

　ブレーキトリガー５は、ケース２の上部形状に対応して上部が湾曲状に切除された略Ｌ字状に形成されている。ブレーキトリガー５は、ケース２の把手２２に形成されたトリガー収容部２１１に摺動自在に配設されている。ブレーキトリガー５の先端部には、それぞれ左右方向に向けてピン５１が突出形成されている。ブレーキトリガーの基端部の外面には、ケース２の把手２２に形成された一対のガイドレール２６に対応して、ガイド突条５２が突出形成されている。

　このため、ブレーキトリガー５を、ケース２の把手２２に形成されたトリガー収容部２１１に配設すると、ブレーキトリガー５の底部が、トリガー収容部２１１に連続する水平なガイドプレート２５に支持される。また、ガイド突条５２が水平方向に延設された一対のガイドレール２６，２６に嵌合される。すなわち、ブレーキトリガー５は、その底部およびガイド突条５２が、それぞれガイドプレート２５および一対のガイドレール２６に案内されて水平方向に移動しうるものとなる。

　ここで、ブレーキトリガー５には、コイルばね９が配設されており、ブレーキトリガー５をケース２の把手２２のトリガー収容部２１１に配設した際、コイルばね９の後端部がケース２の把手２２の支持プレート２７の先端に接触している。これにより、把手２２およびブレーキトリガー５を握り締めた場合には、コイルばね９を圧縮しつつブレーキトリガー５を把手２２の内方に押し込むことができる。コイルばね９が圧縮されて弾性変形すれば、その復元力により、ブレーキトリガー５を元の位置に復帰するように前方に向けて押し出すことができる。

　なお、ケース２の指挿入空間２０に親指を除く指を挿入し、親指とともに把手２２を把握した際に、ちょうど人指し指がブレーキトリガー５の前面に掛かり、把手２２を握り締めると、人指し指を引き絞ることとなってブレーキトリガー５を本体ケース２の把手２２の内方へ押し込むことができる。

　ブレーキアーム６は、支持材６１と係止材６２とを備えている。支持材６１は、ブレーキトリガー５の先端部を収容しつつピン５１を支持する凹状のピン受部６４を有する。支持材６１は、上方より見て後方を開放した形状とされている。

　係止材６２は、支持材６１の下端に一体に形成されている。係止材６２は、リール３の各フランジ３２を跨ぐとともに、係止歯部３５と係合可能な係止部６２１を有する。係止材６２は、前後方向から見て下方を開放した形状とされている。

　また、ブレーキアーム６は、軸孔６３とピン受部６４とを備えている。

　支持材６１の後方には、後述するロックスイッチ７と係脱自在な被係合部６１１が形成されている。支持材６１は、ケース２の本体２１に設けられた軸部２４に軸孔６３を挿通することにより、軸部２４回りに回転自在に支持されている。

　このため、ブレーキトリガー５をコイルばね９の付勢力に抗して押し込み、後方に向けて移動させると、その先端部に設けたピン５１が同量だけ同方向に移動することにより、ピン５１を支持するブレーキアーム６の支持材６１がピン受部６４を介して牽引され、係止材６２とともに軸部２４に関して時計回り方向に回動する。ブレーキアーム６が回動すると、各係止材６２の係止部６２１がリール３の各フランジ３２に形成された係止歯部３５にそれぞれ係合するように設定されている。ブレーキアーム６の係止部６２１がリール３の係止歯部３５に係合するとき、ブレーキトリガー５を押し込んでいる状態では、リール３はリード１０の繰り出し側に回転することができなくなり、リード１０の繰り出しが規制される。

　一方、ブレーキトリガー５の押し込みを解除すると、コイルばね９の付勢力によってブレーキトリガー５は元の位置に押し出されるとともに、ピン５１およびピン受部６４を介してブレーキアーム６の支持材６１を係止材６２とともに軸部２４に関して反時計回り方向に回動させ、係止部６２１をリール３の係止歯部３５から離脱させ、リール３を繰り出し側へ回転させることが可能となる。

　この場合、ブレーキアーム６の係止材６２の係止部６２１は、隅角部が円弧状に形成されており、軸部２４に関してブレーキアーム６が反時計回り方向に回動するときには、係止歯部３５の傾斜角度と相俟って係止歯部３５との接触面積を漸減させるように設定されている。このため、ブレーキアーム６は、係止材６２の係止部６２１がリール３の各フランジ３２に形成された係止歯部３５と係合している状態においても、ブレーキトリガー５の押し込みを解除すれば、軸部２４に関してブレーキアーム６の反時計回り方向の回動、すなわち、係止材６２の係止部６２１が係止歯部３５から離脱することが許容される。

　ロックスイッチ７は、上面後部に指掛かり突起７１１が形成された操作部７１と、操作部７１の下方に頸部７２を介して連結された脚部７３とを備える。脚部７３には、前述したブレーキアーム６の支持材６１の被係合部６１１に係合可能な係合部７３１が垂設されている。

　ロックスイッチ７は、ケース２の把手２２の上面に形成されたガイド孔２１３に頸部７２を挿入すると、ガイド凹部２１４の表面側に操作部７１が配置される。そして、ガイド凹部２１４の裏面側に脚部７３が配置される。このため、ケース２の把手２２の上面に形成されたガイド孔２１３と、ロックスイッチ７の頸部７２との前後方向長さの差分操作部７１を、ガイド凹部２１４に沿って前後方向に摺動させることができる。そして、ロックスイッチ７を前方に移動させた際に、脚部７３の係合部７３１が、リール３の係止歯部３５に係止材６２の係止部６２１が係合している状態のブレーキアーム６の支持材６１の被係合部６１１に係合し、ブレーキアーム６の、軸部２４に関して反時計回り方向の回動を規制する。すなわち、リール３がリード１０の繰り出し方向に回転することを規制する状態を保持することができる。

　なお、詳細には図示しないが、ロックスイッチ７の操作部７１の裏面には、左右方向に延びる係止溝が形成され、一方、ガイド凹部２１４の表面には、操作部７１の係合溝に係合可能な係止突条が操作部７１の前進位置および後退位置にそれぞれ対応して形成されており、操作部７１が後退位置あるいは前進位置にあるとき、操作部７１の係合溝が対応する係合突条に係合し、操作部７１、すなわち、ロックスイッチ７を前進位置あるいは後退位置に保持することができる。

　また、ケース２の把手２２を親指とともに他の４本の指によって把握するとき、ロックスイッチ７の操作部７１に親指が自然に添うようになっている。

　次に、このように構成されたリールリード１の作動について説明する。

　リード１０の先端には、図示しない係留具が連結されており、この係留具を飼い犬の首輪に連結した後、飼い主はリールリード１を利用して飼い犬を散歩に連れ出す。この際、飼い主は、リールリード１におけるケース２の指挿入空間２０に親指を除く指を挿入し、親指とともにケース２の把手２２を把握する。そうすると、人指し指は、ブレーキトリガー５に掛かる。また、親指は、ロックスイッチ７の操作部７１に添えた形となる。

　飼い犬がリード１０を牽引すれば、リール３がリード１０の繰り出し方向に回転し、リード１０が引き出される。このとき、渦巻きばね４が弾性変形し、その復元力によってリール３を元の位置に戻す巻き取り方向に付勢する。一方、飼い犬と飼い主との距離が縮まってリード１０に緩みが発生すれば、渦巻きばね４の復元力によってリール３をリード１０の巻き取り方向に回転させ、リード１０を巻き取って緩みを吸収する（図５参照）。

　散歩時、飼い犬が突然走り出し、リード１０が飼い主の意志に反して急に引き出された場合、飼い主は、走り出した飼い犬を停止させるように反射的に把手２２を強く握り締めることになる。そのとき、人指し指を引き絞ることから、ブレーキトリガー５をコイルばね９の付勢力に抗して押し込むことになる。ブレーキトリガー５は、ガイドプレート２５および一対のガイドレール２６に案内されて水平方向に移動し、把手２２内に引き込まれる。ブレーキトリガー５の後退は、そのピン５１を介してブレーキアーム６を軸部２４に関して時計回り方向に回動させる。ブレーキアーム６が時計回り方向に回動すれば、係止材６２の係止部６２１がリール３のフランジ３２の係止歯部３５に対向し、対応する係止歯部３５に係合する。ブレーキアーム６の係止部６２１がリール３の係止歯部３５に係合すると、リード１０の繰り出し方向である反時計回り方向に、リール３が回転することが規制される。これにより、リード１０がそれ以上引き出されることを防止できる（図６参照）。

　このように、ブレーキトリガー５を握り締め続ける限り、リール３の、リード１０の繰り出し方向への回転を規制することができる。この後、飼い犬が落ち着くと、人指し指をブレーキトリガー５から離して押し込みを解除する。そうすると、コイルばね９の復元力によってブレーキトリガー５は元の位置に復帰するように前方に移動する。そして、ブレーキトリガー５の前方移動に伴って、ピン５１を介してブレーキアーム６が軸部２４に関して反時計回り方向に回動し、係止材６２の係止部６２１がリール３の係止歯部３５から離脱することから、リール３の、リード繰り出し方向への回転が可能となる。

　一方、飼い犬の散歩時、飼い主と飼い犬との間隔を一定に維持する場合には、ブレーキトリガー５を押し込んだ状態において、親指をロックスイッチ７の操作部７１に押し当てて前方に向けて押し出す。これにより、頸部７２がガイド孔２１３の前端に当接するまで操作部７１がガイド凹部２１４に沿って前方に移動する。そして、脚部７３の係合部７３１がブレーキアーム６の支持材６１の被係合部６１１に係合する。ロックスイッチ７の係合部７３１がブレーキアーム６の被係合部６１１に係合すれば、ブレーキアーム６が、軸部２４に関して反時計回り方向および時計回り方向に回動することが阻止される。すなわち、ブレーキアーム６の係止部６２１がリール３の係止歯部３５に係合する状態が継続され、リール３がリード１０の繰り出し方向に回転すること、および、リード１０の巻き取り方向に回転することを規制する状態を保持することができる（図７参照）。

　この場合、ブレーキトリガー５も、反時計回り方向への回動が規制されたブレーキアーム６のピン受部６４にピン５１が収容された状態で保持されるため、ブレーキトリガー５から人指し指を離したとしても、リール３がリード１０の繰り出し方向に回転することはない。

　このようなリール３の回転規制状態を解除するときは、ロックスイッチ７の操作部７１に親指を押し当てて後方に向けて引き戻せばよい。これにより、ロックスイッチ７の係合部７３１がブレーキアーム６の被係合部６１１から離脱することから、合わせて、ブレーキトリガー５から人指し指を離すことにより、ブレーキアーム６が、軸部２４に関して反時計回り方向および時計回り方向に回動することが許容される。

　以上のように、本発明に係るリールリード１によれば、リード１０の繰り出しを規制する際、ブレーキトリガー５を操作する向きと、反射的にリード１０を引き戻そうとする向きとが一致している。これにより、使用者は、自然な感覚でブレーキトリガー５を操作することができ、咄嗟の場合でも迅速かつ確実にリード１０の繰り出しを止めることができる。

　なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。

　この出願は、２０１０年１２月１０日に日本で出願された特願２０１０－２７５２３０に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。

　本発明は、ペットのリールリードとして好適に利用可能である。

　１　　リールリード
　１０　リード
　２　　ケース
　２０　指挿入空間
　２１　本体
　２２　把手
　３　　リール
　３１　ドラム
　３２　フランジ
　３５　係止歯部
　４　　渦巻きばね
　５　　ブレーキトリガー
　６　　ブレーキアーム
　６１１　被係合部
　６２１　係止部
　７　　ロックスイッチ
　７１　操作部
　７３１　係合部
　９　　コイルばね

Claims

　リードをリールに巻き取り可能および繰り出し可能なリールリードにおいて、
　前記リールは、ケース内に回転可能に、かつ、巻き取り側への回転力が付勢された状態で収納され、
　前記ケースは、本体と把手を備えて、これらの本体と把手との間に指挿入空間が形成されており、該ケースの前方に前記リードを繰り出す繰出孔を備え、
　前記リールは、前記ケースの本体内に回転自在に支持され、
　前記把手には、ブレーキトリガーが押し込み可能に、かつ、押し戻し側に付勢する状態で摺動自在に設けられ、
　前記ケースの本体に、前記ブレーキトリガーの摺動に連動するブレーキアームが回動自在に設けられ、
　前記ブレーキトリガーが押し込まれると、前記ブレーキアームは回動して前記リールに係合し、前記リードの繰り出し側に前記リールが回転するのを規制することを特徴とするリールリード。
　請求項１に記載のリールリードにおいて、
　前記ブレーキアームには、係止部を有する係止材が前記リール側に向かって設けられ、
　前記リールは、フランジの外面側に係止歯部を備え、
　前記ブレーキトリガーが押し込まれると、前記ブレーキアームの係止部が前記リールの係止歯部に係合し、前記リードの繰り出し側に前記リールが回転するのを規制することを特徴とするリールリード。
　請求項２に記載のリールリードにおいて、
　前記ブレーキアームの係止部と前記リールの係止歯部との係合は、前記ブレーキトリガーの押し込み状態が解除されると、前記ブレーキアームの係止部が前記リールの係止歯部から離脱し、解除されることを特徴とするリールリード。
　請求項１に記載のリールリードにおいて、
　前記ケースは、前記把手の上面に、前後方向に摺動自在なロックスイッチを備え、
　前記ブレーキトリガーが押し込まれた状態で前記ロックスイッチを前方へ摺動させると、前記ロックスイッチは前記ブレーキアームに係合し、前記ブレーキアームがリールの回転を規制した状態に保持することを特徴とするリールリード。
　請求項４に記載のリールリードにおいて、
　前記ロックスイッチは、係合部を有する脚部を備え、
　前記ブレーキアームは、前記係合部に対応する被係合部を備え、
　前記ロックスイッチの前方への摺動によって前記ロックスイッチの係合部が前記ブレーキアームの被係合部に係合し、前記ブレーキアームが回動するのを規制することを特徴とするリールリード。
　請求項１に記載のリールリードにおいて、
　前記リールは、フランジ外面側に、前記リードの止め結びを収容する収容空間を備え、
　前記リールにはキャップが装着され、
　前記収納空間に収納された前記リードの止め結びと、前記リールに備えられたコイルばねとが、ともに前記キャップで被覆されていることを特徴とするリールリード。