WO2012046702A1

WO2012046702A1 - 表示装置及び表示装置の製造方法

Info

Publication number: WO2012046702A1
Application number: PCT/JP2011/072800
Authority: WO
Inventors: 阿比留　学; 和寿木田; 山岸　慎治
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2010-10-08
Filing date: 2011-10-03
Publication date: 2012-04-12
Also published as: US20130222317A1

Abstract

　Ｘ電極（１８）は、位相差板（１５）の液晶パネル（１０）と対向する面に設けられており、Ｙ電極（１９）は、偏光板（１７）の液晶パネル（１０）と対向する面に設けられている。これにより、薄型化を実現することができ、さらには表示品質を向上させることができる、タッチ機能を有する表示装置を提供する。

Description

表示装置及び表示装置の製造方法

　本発明は表示装置及び表示装置の製造方法に関するものであり、特にタッチ機能を有する表示装置及び表示装置の製造方法に関するものである。

　表示装置において、画面を見ながら簡単に操作できるようにするため、タッチパネルがよく用いられている。

　タッチパネルには、すでに各種の方式が実用化されているが、近年、静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。静電容量方式のタッチパネルでは、指先（導電体とみなすことができる。）がタッチ入力面に接触すると、指先と導電膜との間が静電容量結合し、コンデンサを形成する。このため、静電容量方式タッチパネルは、指先の接触位置における電荷の変化を捉えることによって、その座標を検出している。

　特に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先の多点検出が可能なため、複雑な指示を行うことができるという良好な操作性を備える。その操作性の良さから、投影型静電容量方式のタッチパネルは、携帯電話や携帯型音楽プレーヤなどの小型の表示装置を有する機器における表示面上の入力装置として利用が進んでいる。

　さらに、投影型静電容量方式は、自己容量検出方式と相互容量検出方式とに分類できる。

　自己容量検出方式のタッチパネルでは、Ｘ軸とＹ軸による２次元座標を表現するために、複数のＸ電極と、当該Ｘ電極に直交する複数のＹ電極とが、２層構造を形成している。このようなタッチパネルに指先がタッチすると、例えば、指先とＸ電極が静電容量結合してＸ軸座標が検出され、ほぼ同時に、指先とＹ電極が静電容量結合してＹ軸座標が検出される。

　相互容量検出方式は、多点検出により有利な方式である。相互容量検出方式のタッチパネルでは、Ｘ電極とＹ電極の各交点の静電容量が指の接触により変化した状態を検出する。

　以下、図７に基づいて、従来の投影型静電容量方式のタッチパネルの構成について説明する。

　図７は、従来の投影型静電容量方式のタッチパネルの構成を示す断面図である。

　図７に示すように、投影型静電容量方式のタッチパネル１１０は、表示装置１２０上に積層されており、タッチパネル１１０と表示装置１２０との間は空気層、または樹脂層で埋められている。

　タッチパネル１１０において、Ｘ電極１１３およびＹ電極１１６は、それぞれ基材１１１、基材１１４の表面に設けられており、二層構造を形成している。また、タッチパネル１１０において、このタッチパネル１１０の剛性の向上及び保護のために、カバーガラス１１７が設けられている。なお、基材１１１と基材１１４、基材１１４とカバーガラス１１７とは、それぞれ接着層１１２、接着層１１５を介して接続されている。

　このようなタッチパネル１１０では、タッチ入力面であるカバーガラス１１７の上面に指先（導電体）が接触したとき、指先とＸ電極１１３が静電容量結合してＸ軸座標が検出され、ほぼ同時に、指先とＹ電極１１６が静電容量結合してＹ軸座標が検出される。

　一方、表示装置１２０において、表示パネル１２１のタッチパネル１１０と対向する一面には位相差板１２３と偏光板１２５とが、他面には位相差板１２２と偏光板１２４とがそれぞれ設けられている。なお、表示パネル１２１は、ＴＦＴ基板（図示せず）と対向基板（図示せず）とが密封材により接合され、この密封材により区画された領域内に表示素子（例えば液晶素子）が封入された構成となっている。

　しかしながら、このような従来の構成では、タッチパネル１１０が表示装置１２０上に積層されているため、表示装置１２０全体の体積が大きくなり、携帯の利便性が低下し、また、視認性が低下するという問題が生じる。

　そこで、この問題を解決すべく、表示装置の薄型化を実現する技術が提案されている。

　以下、図８に基づいて特許文献１に記載された投影型静電容量方式のタッチパネルの構成について説明する。

　図８は、特許文献１に記載された投影型静電容量方式のタッチパネルの構成を示す断面図である。

　図８に示すように、投影型静電容量方式のタッチパネル２１０は、液晶表示パネル２２０上に積層されている。

　タッチパネル２１０において、Ｘ電極２１２とＹ電極２１４は、基材２１１上の異なる層に交互に設けられている。なお、Ｘ電極２１２とＹ電極２１４との間には、Ｘ電極２１２を覆うように位相差補償層２１３が形成されている。この位相差補償層２１３は、液晶表示パネル２２０の液晶層の複屈折位相差を補償するために、これと同じモードの液晶層で形成されている。

　タッチパネル２１０を実現する基材２１１上に、液晶表示パネル２２０の光学特性、すなわち、液晶表示パネル２２０の液晶層の複屈折位相差を補償する位相差補償層２１３を形成することにより、別の位相差板を追加で形成する必要がなくなり、表示装置全体の薄型化を実現することができる。

日本国公開特許公報「特開２０１０－１６４９３８号公報（２０１０年７月２９日公開）」

　しかしながら、特許文献１に記載された技術では、液晶表示パネルの光学特性の補償を液晶材料で実施しているため、Ｘ電極及びＹ電極段差による色ムラや電界による配向ムラが発生しやすいという問題が生じる。

　本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄型化を実現することができ、さらには表示品質を向上させることができる、タッチ機能を有する表示装置及び表示装置の製造方法を提供することにある。

　上記の課題を解決するために、本発明の表示装置は、表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置において、表示パネルと、前記表示パネルに積層され、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する複数の板状光学部材とを備え、前記入力検出電極は、前記板状光学部材に設けられていることを特徴とする。

　上記の課題を解決するために、本発明の表示装置の製造方法は、表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置の製造方法において、前記入力検出電極を、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する板状光学部材に設ける工程と、前記入力検出電極が設けられた板状光学部材を、表示パネルに積層する工程とを有することを特徴とする。

　上述のとおり、図７に示した従来の構成では、表示面に対する入力を検出するための入力検出電極は、表示装置とは別に設けられた基材に設けられていた。

　これに対し、上記の構成では、入力検出電極は、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する板状光学部材、すなわち表示機能の観点から必要となる部材に設けられている。

　そのため、上記の構成では、余分な基材を省略することができることになる。その結果、上記の構成では、表示装置の厚みを低減し、薄型化を実現することができる。

　また、上記の構成では、板状光学部材に入力検出電極を設けるのであるから、図８に示した従来の構成、すなわち入力検出電極が液晶層を挟んで配置される構成とは根本的に異なっているので、電極段差による色ムラや電界による配向ムラは生じない。

　以上のように、上記の構成では、表示装置の薄型化を実現しつつ、表示品質を向上させることができるという効果を奏する。

　なお、ここでいう板状とは、一般にシート状あるいはフィルム状と呼ばれるような、非常に薄いものも含んでいる。

　本発明の表示装置は、表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置において、表示パネルと、前記表示パネルに積層され、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する複数の板状光学部材とを備え、前記入力検出電極は、前記板状光学部材に設けられていることを特徴とする。

　本発明の表示装置の製造方法は、表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置の製造方法において、前記入力検出電極を、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する板状光学部材に設ける工程と、前記入力検出電極が設けられた板状光学部材を、表示パネルに積層する工程とを有することを特徴とする。

　それゆえ、表示装置において、薄型化を実現することができ、さらには表示品質を向上することができるという効果を奏する。

実施の形態１に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。実施の形態１に係る液晶表示装置において、Ｘ電極及びＹ電極の配置を示す平面図である。変形例１に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。実施の形態２に係る有機ＥＬ表示装置の構成を示す断面図である。実施の形態２に係る有機ＥＬ表示装置において、Ｘ電極及びＹ電極の配置を示す平面図である。変形例２に係る有機ＥＬ表示装置の構成を示す断面図である。従来の投影型静電容量方式のタッチパネルの構成を示す断面図である。特許文献１に記載された投影型静電容量方式のタッチパネルの構成を示す断面図である。実施の形態１に係る液晶表示装置が備えている液晶パネルの構成を示す断面図である。実施の形態２に係る有機ＥＬ表示装置が備えている有機ＥＬパネルの構成を示す断面図である。

　〔実施の形態１〕
　本発明の表示装置に関する実施の一形態について図１、図２、図９に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、本実施の形態では、表示装置として液晶表示装置を用いた場合を例として記載する。

　図１は、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。

　図１に示すように、液晶表示装置１では、従来のようにタッチパネルが表示装置に積層されている構成ではなく、タッチパネルと表示装置とが一体化された構成である。

　具体的には、液晶表示装置１には、液晶パネル１０が設けられており、この液晶パネル１０は、ＴＦＴ基板（図１には図示せず）と対向基板（図１には図示せず）とが密封材により接合され、この密封材により区画された領域内に液晶層（図１には図示せず）が封入された構成となっている。

　この液晶パネル１０の構成について図９を用いて説明する。図９は、本発明の表示装置が備えている液晶パネル１０の構成を示す断面図である。

　図９に示すように、液晶パネル１０は、アクティブマトリクス基板であるＴＦＴ基板１０ａと、液晶層１０ｂと、液晶層１０ｂを介してＴＦＴ基板１０ａと対向配置されている対向基板１０ｃとを備えている。

　図示しないが、ＴＦＴ基板１０ａは、スイッチング素子としてのＴＦＴ素子（不図示）や、画素電極等がガラス基板上であって画素毎に配されて構成されている。また、図示しないが、対向基板１０ｃは、カラーフィルタや共通電極がガラス基板上に配されて構成されている。液晶層１０ｂを介して、画素電極と、共通電極とが対向配置されるように、ＴＦＴ基板１０ａと、対向基板１０ｃとは配されている。

　ＴＦＴ基板１０ａ及び対向基板１０ｃそれぞれの外側面（それぞれの対向面とは逆側の面。すなわち液晶パネル１０の両面）はガラス面である。

　そして、図１に示すように、液晶パネル１０の下側の面には、粘着層１１を介して位相差板１２と偏光板１３がこの順に張り合わされている。ここで、液晶パネル１０のタッチ入力側を上側とし、その反対側を下側として説明する。

　一方、液晶パネル１０の上側の面には、粘着層１４を介して位相差板１５が張り合わされている。

　位相差板１５の液晶パネル１０と対向する一方の面には、Ｘ電極１８が設けられている。また、位相差板１５の他方の面には粘着層１６を介して偏光板１７が張り合わされている。

　さらに、偏光板１７の位相差板１５と対向する一方の面には、Ｙ電極１９が設けられている。

　すなわち、位相差板１５と偏光板１７に、それぞれＸ電極１８とＹ電極１９が設けられており、タッチした箇所のＸ軸とＹ軸による２次元座標が検出される。

　上記構成によれば、液晶表示装置１において、Ｘ電極１８及びＹ電極１９を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　さらに、Ｘ電極１８と、Ｙ電極１９とは、位相差板１５と偏光板１７とのうち、一方にのみ設けられていてもよい。

　すなわち、位相差板１５の液晶パネル１０と対向する一方の面にＸ電極１８又はＹ電極１９の何れかが設けられており、位相差板１５の他方の面に、Ｙ電極１９又はＸ電極１８の何れか（上記一方の面に配されている電極とは異なる電極）が配されていてもよい。

　または、偏光板１７の位相差板１５と対向する一方の面にＸ電極１８又はＹ電極１９の何れかが設けられており、偏光板１７の他方の面に、Ｙ電極１９又はＸ電極１８の何れか（上記一方の面に配されている電極とは異なる電極）が配されていてもよい。

　位相差板１５及び偏光板１７としては一般的に用いられている材料からなるものを用いることができる。

　ここで、上記Ｘ電極１８および上記Ｙ電極１９の材料としては、銀の粒子（ナノワイヤ）を溶液中に分散させた透明な導電性のインクなどが用いられ、低温プロセスが可能な印刷方式で位相差板１５および偏光板１７に形成されることが好ましい。

　上記構成によれば、Ｘ電極１８およびＹ電極１９の材料として、透明な導電材が用いられるため、視認性に悪影響を及ぼすことがない。

　また、このＸ電極１８およびＹ電極１９は、低温プロセスが可能な印刷方式で位相差板１５および偏光板１７に形成されるため、熱に弱い位相差板１５および偏光板１７に悪影響を及ぼすことがない。

　なお、上記印刷方式としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷などを用いることができる。また、上記Ｘ電極１８および上記Ｙ電極１９に用いられる透明電極材料としては、銀の粒子（ナノワイヤ）を分散させたインクの他に、カーボンナノチューブ（ＣＮＴ）分散液も透過率が高いものであれば使用可能である。

　また、上記粘着層１１・１４・１６の材料としては、透明な粘着剤が用いられることが好ましい。上記構成によれば、視認性に悪影響を及ぼすことがない。

　液晶表示装置１において、この液晶表示装置１の剛性の向上及び保護のために、カバーガラス２０が設けられている。このカバーガラス２０の材料としては、例えば、透明なガラス、またはプラスチックを用いることができる。

　本実施の形態においては、液晶表示装置１において、カバーガラス２０が設けられているが、これに限定されることなく、必要に応じて適宜設ければよい。

　以下、図２に基づいて、Ｘ電極１８及びＹ電極１９の配置について説明する。

　図２は、本実施の形態に係る液晶表示装置において、Ｘ電極及びＹ電極の配置を示す平面図である。

　図２に示すように、Ｘ軸とＹ軸による２次元座標を表現するために、複数の帯状のＸ電極１８が平行に並べられ、当該Ｘ電極１８に直交するように複数の帯状のＹ電極１９が平行に並べられている。

　すなわち、複数のＸ電極１８は互いに平行に並べられており、一方向に伸びて配されている。一方、複数のＹ電極１９は、複数のＸ電極それぞれと、直交する方向に伸びて配されており、互いに平行に並べられて配されている。

　指先（導電体）がタッチ入力面に接触すると、Ｘ電極１８とＹ電極１９の各交点の静電容量が変化する。これによって、液晶表示装置１において、指先がタッチした箇所の二次元座標を検出することができる。

　なお、図２に示すように、Ｘ電極１８は、Ｙ電極１９より幅が広い。これは、相互容量検出方式では、指先（導電体）がタッチ入力面に接触した時の、Ｘ電極１８とＹ電極１９の各交点の静電容量変化を測定して、タッチした箇所の二次元座標を検出しているが、下側電極（Ｘ電極１８）から上側電極（Ｙ電極１９）へ向かう電界を指で変化させる工夫として、電気力線が上側電極（Ｙ電極１９）上部にまで回り込むようにＸ電極１８の幅を広くしている。

　本実施の形態においては、Ｘ電極１８は、位相差板１５の液晶パネル１０と対向する面に、Ｙ電極１９は、偏光板１７の液晶パネル１０と対向する面に設けられているが、これに限定されることなく、Ｘ電極１８とＹ電極１９とが異なる層に位置するように、位相差板或いは偏光板に適宜設ければよい。以下、Ｘ電極１８及びＹ電極１９の配置位置を変更した例として、変形例１を挙げて説明する。

　（変形例１）
　以下、図３に基づいて、実施の形態１に係る液晶表示装置の変形例について説明する。図３は、変形例１に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。

　なお、説明の便宜上、上記実施の形態１で説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記する。

　本変形例において、Ｘ電極１８とＹ電極１９の配置位置が実施の形態１と異なる。

　具体的には、実施の形態１においては、Ｘ電極１８は、位相差板１５の液晶パネル１０と対向する面に、Ｙ電極１９は、偏光板１７の液晶パネル１０と対向する面に設けられているが、本変形例においては、Ｘ電極１８は、位相差板１５の偏光板１７と対向する面に、Ｙ電極１９は、偏光板１７のカバーガラス２０と対向する面に設けられている。なお、偏光板１７とＹ電極１９を覆うように粘着層２１が形成されている。

　上記構成によれば、実施の形態１と同様に、液晶表示装置１において、Ｘ電極１８及びＹ電極１９を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　以上のように、液晶表示装置１は、Ｘ電極１８と、Ｙ電極１９との交差部分には、位相差板１５、又は偏光板１７の何れかが配されているので、Ｘ電極１８及びＹ電極１９を、タッチ位置の検出用の電極として機能させることができる。

　さらに、液晶表示装置１は、Ｘ電極１８と、Ｙ電極１９との交差部分には、位相差板１５又は偏光板１７と、粘着層１６とのみが配されている。これにより、タッチパネル機能を有する液晶表示装置１を薄型化することができる。

　また、液晶表示装置１は、Ｘ電極１８又はＹ電極１９を、位相差板１５又は偏光板１７に設ける工程と、Ｘ電極１８又はＹ電極１９が設けられた位相差板１５又は偏光板１７を、液晶パネル１０に直接、または他の部材を介在させて積層する工程とを経て製造される。

　このようにして液晶表示装置１は製造されるので、薄型化を実現しつつ、表示品質を向上させた液晶表示装置１を得ることができる。

　また、位相差板１５又は偏光板１７に、印刷法方式により、Ｘ電極１８又はＹ電極１９は設けられる。

　このように、Ｘ電極１８又はＹ電極１９は、低温プロセスが可能な印刷方式で位相差板１５又は偏光板１７に形成されるため、熱に弱い位相差板１５又は偏光板１７に悪影響を及ぼすことがない。

　〔実施の形態２〕
　本発明の表示装置に関する他の実施形態について、図４～図５、図１０に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、表示装置として有機ＥＬ表示装置を用い、有機ＥＬパネルの上面に反射光防止の目的で、偏光板とλ/４板（四分の一波長板）からなる円偏光板を貼り付けた場合を例として記載する。

　図１０は、有機ＥＬパネル５１の構成を表す断面図である。図１０に示すように、有機ＥＬパネル５１は、ガラス基板５１ａと、ガラス基板５１ａ上であり、各画素毎に配されたスイッチング素子としてのＴＦＴ５１ｂと、各画素毎に配された有機ＥＬ層５１ｃと、有機ＥＬ層５１ｃを覆って配されている接着層５１ｄと、接着層５１ｄに積層されておりガラス基板等からなる封止基板５１ｅとを備えている。

　図４は、本実施の形態に係る有機ＥＬ表示装置の構成を示す断面図である。

　図４に示すように、有機ＥＬ表示装置５０では、従来のようにタッチパネルが表示装置に積層されている構成ではなく、タッチパネルと表示装置とが一体化された構成である。

　具体的には、有機ＥＬパネル５１の上面には、粘着層５２を介してλ/４板５３が張り合わされている。

　λ/４板５３の有機ＥＬパネル５１と対向する一方の面には、Ｘ電極５７が設けられている。また、λ/４板５３の他方の面には粘着層５４を介して偏光板５５が張り合わされている。

　さらに、偏光板５５のλ/４板５３と対向する一方の面には、Ｙ電極５８が設けられている。

　すなわち、λ/４板５３と偏光板５５に、それぞれＸ電極５７とＹ電極５８が設けられており、タッチした箇所のＸ軸とＹ軸による２次元座標が検出される。

　上記構成によれば、有機ＥＬ表示装置５０において、Ｘ電極５７及びＹ電極５８を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　さらに、Ｘ電極５７と、Ｙ電極５８とは、λ/４板５３と偏光板５５とのうち、一方にのみ設けられていてもよい。

　すなわち、λ/４板５３の有機ＥＬパネル５１と対向する一方の面にＸ電極５７又はＹ電極５８の何れかが設けられており、λ/４板５３の他方の面に、Ｙ電極５８又はＸ電極５７の何れか（上記一方の面に配されている電極とは異なる電極）が配されていてもよい。

　または、偏光板５５のλ/４板５３と対向する一方の面にＸ電極５７又はＹ電極５８の何れかが設けられており、偏光板５５の他方の面に、Ｙ電極５８又はＸ電極５７の何れか（上記一方の面に配されている電極とは異なる電極）が配されていてもよい。

　λ/４板５３及び偏光板５５としては一般的に用いられている材料からなるものを用いることができる。

　ここで、上記Ｘ電極５７および上記Ｙ電極５８の材料としては、銀の粒子（ナノワイヤ）を溶液中に分散させた等の透明な導電性のインクなどが用いられ、低温プロセスが可能な印刷方式でλ/４板５３および偏光板５５に形成されることが好ましい。

　上記構成によれば、Ｘ電極５７およびＹ電極５８の材料として、透明な導電材が用いられるため、視認性に悪影響を及ぼすことがない。

　また、このＸ電極５７およびＹ電極５８は、高温処理を必要としない低温プロセスが可能な印刷方式で位相差板５３および偏光板５５に形成されるため、熱に弱いλ/４板５３および偏光板５５に悪影響を及ぼすことがない。

　なお、上記印刷方式としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷などを用いることができる。また、Ｘ電極１８および上記Ｙ電極１９に用いられる透明電極材料としては、銀の粒子（ナノワイヤ）を分散させたインクの他に、カーボンナノチューブ（ＣＮＴ）分散液も透過率が高いものであれば使用可能である。

　上記粘着層５２・５４の材料としては、透明な粘着剤が用いられることが好ましい。上記構成によれば、視認性に悪影響を及ぼすことがない。

　有機ＥＬ表示装置５０において、この有機ＥＬ表示装置５０の剛性の向上及び保護のために、カバーガラス５６が設けられている。このカバーガラス５６の材料としては、例えば、透明なガラス、またはプラスチックを用いることができる。

　本実施の形態においては、有機ＥＬ表示装置５０において、カバーガラス５６が設けられているが、これに限定されることなく、必要に応じて適宜設ければよい。

　以下、図５に基づいて、Ｘ電極５７及びＹ電極５８の配置について説明する。

　図５は、本実施の形態に係る有機ＥＬ表示装置において、Ｘ電極及びＹ電極の配置を示す平面図である。

　図５に示すように、Ｘ軸とＹ軸による２次元座標を表現するために、複数の帯状Ｘ電極５７が平行に並べられ、当該Ｘ電極に直交するように複数の帯状Ｙ電極５８が平行に並べられている。指先（導電体）がタッチ入力面に接触すると、Ｘ電極５７とＹ電極５８の各交点の静電容量が変化する。これによって、有機ＥＬ表示装置５０において、指先がタッチした箇所の二次元座標を検出することができる。

　本実施の形態においては、Ｘ電極５７は、λ/４板５３の有機ＥＬパネル５１と対向する面に、Ｙ電極５８は、偏光板５５の有機ＥＬパネル５１と対向する面に設けられているが、これに限定されることなく、Ｘ電極５７とＹ電極５８とが異なる層に位置するように、λ/４板或いは偏光板に適宜設ければよい。以下、変形例２を挙げて説明する。

　（変形例２）
　以下、図６に基づいて、実施の形態２に係る有機ＥＬ表示装置の変形例について説明する。図６は、変形例２に係る有機ＥＬ表示装置の構成を示す断面図である。

　なお、説明の便宜上、上記実施の形態２で説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記する。

　本変形例において、Ｘ電極５７とＹ電極５８の配置位置が実施の形態１と異なる。

　具体的には、実施の形態２においては、Ｘ電極５７は、λ/４板５３の有機ＥＬパネル５１と対向する面に、Ｙ電極５８は、偏光板５５の有機ＥＬパネル５１と対向する面に設けられているが、本変形例においては、Ｘ電極５７は、λ/４板５３の偏光板５５と対向する面に、Ｙ電極５８は、偏光板５５のカバーガラス５６と対向する面に設けられている。なお、偏光板５５とＹ電極５８を覆うように粘着層５９が形成されている。

　上記構成によれば、実施の形態２と同様に、有機ＥＬ表示装置５０において、Ｘ電極５７及びＹ電極５８を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　以上のように、有機ＥＬ表示装置５０は、Ｘ電極５７と、Ｙ電極５８との交差部分には、λ/４板５３又は偏光板５５が配されているので、Ｘ電極５７及びＹ電極５８を、タッチ位置の検出用の電極として機能させることができる。

　さらに、有機ＥＬ表示装置５０は、Ｘ電極５７とＹ電極５８との交差部分には、λ/４板５３又は偏光板５５と粘着層５４とのみが配されている。これにより、タッチパネル機能を有する有機ＥＬ表示装置５０を薄型化することができる。

　また、有機ＥＬ表示装置５０は、Ｘ電極５７又はＹ電極５８を、λ/４板５３又は偏光板５５に設ける工程と、Ｘ電極５７又はＹ電極５８が設けられたλ/４板５３又は偏光板５５を、有機ＥＬパネル５１に直接、または他の部材を介在させて積層する工程とを経て製造される。

　このようにして有機ＥＬ表示装置５０は製造されるので、薄型化を実現しつつ、表示品質を向上させた有機ＥＬ表示装置５０を得ることができる。

　また、λ/４板５３又は偏光板５５に、印刷法方式により、Ｘ電極５７又はＹ電極５８は設けられる。

　このように、Ｘ電極５７又はＹ電極５８は、低温プロセスが可能な印刷方式でλ/４板５３又は偏光板５５に形成されるため、熱に弱いλ/４板５３又は偏光板５５に悪影響を及ぼすことがない。

　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

　以上のように、本発明の表示装置は、表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置において、表示パネルと、前記表示パネルに積層され、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する複数の板状光学部材とを備え、前記入力検出電極は、前記板状光学部材に設けられていることを特徴とする。

　表示の実現に寄与する板状光学部材としては、たとえば、表示パネルが液晶表示パネルの場合における位相差板及び偏光板が挙げられる。液晶表示パネルでは、液晶層と位相差板及び偏光板との組み合わせによって表示が実現される。

　また、表示品位の向上に寄与する板状光学部材は、表示パネルがエレクトロルミネッセンス表示パネルの場合における偏光板及び四分の一波長板が挙げられる。これらは反射光を防止又は抑制することによって表示品位の向上に寄与するものである。

　なお、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する板状光学部材は、上記以外に、防眩フィルム（アンチグレアフィルム、ＡＧフィルム）、視野角向上フィルム（ワイドビューフィルム、ＷＶフィルム）、輝度向上フィルムなどであってもよい。

　上記の課題を解決するために、本発明の表示装置は、前記表示パネルが液晶表示パネルであり、前記複数の板状光学部材は、位相差板及び偏光板であり、前記複数の入力検出電極は、それぞれ位相差板及び偏光板に設けられていることが好ましい。

　上記構成によれば、液晶表示装置において、入力検出電極を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　上記の課題を解決するために、本発明の表示装置は、前記表示パネルがエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、前記複数の板状光学部材は、偏光板及び四分の一波長板であり、前記複数の入力検出電極は、それぞれ偏光板及び四分の一波長板に設けられていることが好ましい。

　上記構成によれば、エレクトロルミネッセンス表示装置において、入力検出電極を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　前記入力検出電極には、平行に並べられた複数のＸ電極と、該Ｘ電極と直交する方向に平行に並べられた複数のＹ電極とが含まれ、前記Ｘ電極は、前記位相差板と前記偏光板の一方に設けられ、前記Ｙ電極は、前記位相差板と前記偏光板の他方に設けられていてもよい。

　上記構成によれば、タッチした箇所を検出するＸ電極とＹ電極を設けるために基材を追加で形成する必要がなくなり、全体の薄型化を実現することができ、さらには視認性を向上させることができる。

　前記入力検出電極には、平行に並べられた複数のＸ電極と、該Ｘ電極と直交する方向に平行に並べられた複数のＹ電極とが含まれ、前記Ｘ電極は、前記偏光板と前記四分の一波長板の一方に設けられ、前記Ｙ電極は、前記偏光板と前記四分の一波長板の他方に設けられていてもよい。

　また、本発明は以下のようにも表現することができる。

　表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置において、表示パネルと、前記表示パネルに積層され、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する複数の板状光学部材とを備え、前記入力検出電極は、前記板状光学部材に設けられている表示装置。

　前記表示パネルが液晶表示パネルであり、前記複数の板状光学部材は、位相差板及び偏光板であり、前記複数の入力検出電極は、位相差板及び偏光板のうち少なくとも一方に設けられている表示装置。

　前記表示パネルがエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、前記複数の板状光学部材は、偏光板及び四分の一波長板であり、前記複数の入力検出電極は、偏光板及び四分の一波長板のうち少なくとも一方に設けられている表示装置。

　前記入力検出電極には、互いに平行に並べられ、一方向に伸びる複数のＸ電極と、該Ｘ電極と直交する方向に伸び、互いに平行に並べられた複数のＹ電極とが含まれ、前記Ｘ電極は、前記位相差板又は前記偏光板の一方の面に設けられ、前記Ｙ電極は、前記位相差板又は前記偏光板の他方の面に設けられている表示装置。

　前記入力検出電極には、互いに平行に並べられ、一方向に伸びる複数のＸ電極と、該Ｘ電極と直交する方向に伸び、互いに平行に並べられた複数のＹ電極とが含まれ、前記Ｘ電極は、前記偏光板又は前記四分の一波長板の一方の面に設けられ、前記Ｙ電極は、前記偏光板又は前記四分の一波長板の他方の面に設けられている表示装置。

　前記Ｘ電極と、前記Ｙ電極との交差部分には、位相差板、偏光板、又は四分の一波長板の何れかが配されている表示装置。

　前記Ｘ電極と、前記Ｙ電極との交差部分には、前記位相差板、前記偏光板、又は前記四分の一波長板の何れかと、粘着剤とのみが配されている表示装置。

　表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置の製造方法において、前記入力検出電極を、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する板状光学部材に設ける工程と、
　前記入力検出電極が設けられた板状光学部材を、表示パネルに積層する工程とを有する表示装置の製造方法。

　前記板状光学部剤としての位相差板、偏光板、又は四分の一波長板に、印刷法方式により、前記入力検出電極を設ける表示装置の製造方法。

　本発明は、タッチ機能を有する表示装置として電子機器に好適に利用することができる。

　１　　　　　　　　　　　液晶表示装置
　１０　　　　　　　　　　液晶パネル
　１１・１４・１６・２１　粘着層
　１２・１５　　　　　　　位相差板（板状光学部材）
　１３・１７　　　　　　　偏光板（板状光学部材）
　１８　　　　　　　　　　Ｘ電極（入力検出電極）
　１９　　　　　　　　　　Ｙ電極（入力検出電極）
　２０　　　　　　　　　　カバーガラス
　５０　　　　　　　　　　有機ＥＬ表示装置
　５１　　　　　　　　　　有機ＥＬパネル
　５２・５４・５９　　　　粘着層
　５３　　　　　　　　　　λ/４板（板状光学部材）
　５５　　　　　　　　　　偏光板（板状光学部材）
　５６　　　　　　　　　　カバーガラス
　５７　　　　　　　　　　Ｘ電極（入力検出電極）
　５８　　　　　　　　　　Ｙ電極（入力検出電極）

Claims

　表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置において、
　表示パネルと、
　前記表示パネルに積層され、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する複数の板状光学部材とを備え、
　前記入力検出電極は、前記板状光学部材に設けられていることを特徴とする表示装置。
　前記表示パネルが液晶表示パネルであり、
　前記複数の板状光学部材は、位相差板及び偏光板であり、
　前記複数の入力検出電極は、位相差板及び偏光板のうち少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。
　前記表示パネルがエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、
　前記複数の板状光学部材は、偏光板及び四分の一波長板であり、
　前記複数の入力検出電極は、偏光板及び四分の一波長板のうち少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。
　前記入力検出電極には、互いに平行に並べられ、一方向に伸びる複数のＸ電極と、該Ｘ電極と直交する方向に伸び、互いに平行に並べられた複数のＹ電極とが含まれ、
　前記Ｘ電極は、前記位相差板又は前記偏光板の一方の面に設けられ、
　前記Ｙ電極は、前記位相差板又は前記偏光板の他方の面に設けられていることを特徴とする請求項２に記載の表示装置。
　前記入力検出電極には、互いに平行に並べられ、一方向に伸びる複数のＸ電極と、該Ｘ電極と直交する方向に伸び、互いに平行に並べられた複数のＹ電極とが含まれ、
　前記Ｘ電極は、前記偏光板又は前記四分の一波長板の一方の面に設けられ、
　前記Ｙ電極は、前記偏光板又は前記四分の一波長板の他方の面に設けられていることを特徴とする請求項３に記載の表示装置。
　前記Ｘ電極と、前記Ｙ電極との交差部分には、位相差板、偏光板、又は四分の一波長板の何れかが配されていることを特徴とする請求項４又は５に記載の表示装置。
　前記Ｘ電極と、前記Ｙ電極との交差部分には、前記位相差板、前記偏光板、又は前記四分の一波長板の何れかと、粘着剤とのみが配されていることを特徴とする請求項６に記載の表示装置。
　表示面に対する入力を検出するための複数の入力検出電極を表示領域内に備えた表示装置の製造方法において、
　前記入力検出電極を、表示の実現、又は表示品位の向上に寄与する板状光学部材に設ける工程と、
　前記入力検出電極が設けられた板状光学部材を、表示パネルに積層する工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
　前記板状光学部材としての位相差板、偏光板、又は四分の一波長板に、印刷法方式により、前記入力検出電極を設けることを特徴とする請求項８に記載の表示装置の製造方法。