WO2012032592A1

WO2012032592A1 - マルチユーザ通信のためのシステム、方法及び装置

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Publication number: WO2012032592A1
Application number: PCT/JP2010/065230
Authority: WO
Inventors: 鈴木　良宏
Original assignee: 船井電機株式会社
Priority date: 2010-09-06
Filing date: 2010-09-06
Publication date: 2012-03-15
Also published as: EP2615557A4; KR20130106357A; EP2615557A1; CN103080914B; US20120147126A1; CN103080914A; US8630395B2

Abstract

　表示データを管理する司会者端末装置２０１は、表示データを識別するためのデータＩＤと、表示データの表示位置を示す位置情報とを有する発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）を、ネットワーク３０を介して表示装置１０に送信する。表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間に、データ回線４０が開設される。表示装置１０は、そのデータ回線４０を識別するためのストリームＩＤとデータＩＤとを有する発言用ｈｔｍｌ断片情報（第２の情報）を、ネットワーク３０を介してユーザ端末装置２０２に送信する。ユーザ端末装置２０２は、ストリームＩＤによって特定されるデータ回線４０を介して、表示データを表示装置１０に送信する。表示装置１０は、ストリームＩＤとデータＩＤと位置情報とに基づいて、その表示データを表示部１１に表示する。

Description

[規則37.2に基づきISAが決定した発明の名称]　マルチユーザ通信のためのシステム、方法及び装置

　本発明は、通信方法、表示装置、ユーザ端末装置、司会者端末装置、及びそれらを備えたマルチユーザ通信システムに関する。

　従来、複数の情報端末装置をネットワークで相互接続し、それらの情報端末装置を使用する各ユーザがそのネットワークを通じて送受信される情報を共有する通信システムが利用されている。たとえば、複数のパーソナルコンピュータをネットワークで接続し、そのネットワークを介して資料やその表示ページ位置およびメモ書きといった情報を共有することによって仮想定な会議室を実現した電子会議システムなどが挙げられる。

　この電子会議システムでは、所定のパーソナルコンピュータの表示画面をスクリーンに表示して、議事進行、情報伝達、質疑応答などを行う方法がある。

　たとえば、特許文献１では、会議などに参加している多数の個人が表示装置に表示された情報を共有できる技術が開示されている。この技術では、入力装置から入力されたデータが、入力モジュールにて様々な通信モダリティが処理された後、表示装置で表示できる形に変換され、表示装置に表示される。

　また、特許文献２では、端末装置のユーザ全員が同一の共有情報を見ることができる電子会議システムが開示されている。この電子会議システムでは、クライアント端末はユーザの操作入力を受けると、その操作入力をサーバにネットワークを介して伝達し、サーバはその操作入力を仮想空間内に配置されている３Ｄレイヤオブジェクトのテクスチャに書き込み、クライアント端末に映像情報を伝達する。そして、クライアント端末は、サーバから送信された映像情報を表示する。

特開２００５－２２２５３５号公報特開２０００－１９４８７５号公報

　上述の特許文献１や特許文献２に開示された技術では、各装置間で送受信されるデータの種類を区別することなく、伝送特性の異なるテキストデータと、動画データや音声データなどのデータとが、同一の通信経路を通じて送受信されている。しかしながら、このような場合、伝送特性の異なるそれらのデータが互いに干渉し、転送揺らぎなどが発生して、データが正確に転送されないという問題が発生するおそれがある。

　本発明は、上記問題点に鑑みてされたものであって、その目的は、複数のユーザから発信されるデータを、簡便且つ効率よく、正確に転送し、表示画面上で構造化した表示を行うことができる通信方法、表示装置、ユーザ端末装置、司会者端末装置、及びそれらを備えたマルチユーザ通信システムを提供することを目的とする。

　上記目標を達成するために本発明の通信方法は、複数のユーザが参加し、前記複数のユーザが使用する各情報端末装置から表示装置に送信される表示データが前記表示装置の表示部にて表示される通信方法において、前記情報端末装置は、前記表示データを前記表示装置に送信するユーザ端末装置と、前記表示データを管理する司会者端末装置と、を有し、前記司会者端末装置は、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記表示部での前記表示データの表示位置を示す位置情報と、を有する第１の情報を、ネットワークを介して前記表示装置に送信し、前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信されるデータ通信経路が開設され、前記表示装置は、前記データ通信経路を識別するための通信経路識別情報と、前記データＩＤ情報とを有する第２の情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置に送信し、前記ユーザ端末装置は、前記表示データを、前記通信経路識別情報によって特定される前記データ通信経路を介して前記表示装置に送信し、前記表示装置は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記表示データを前記表示部に表示する。

　上記構成の通信方法によれば、複数のユーザが参加し、それらのユーザが使用する各情報端末装置から提示される表示データが表示装置の表示部に表示される通信方法において、表示装置が、表示データを管理する司会者端末装置から、その表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、その表示データを表示する位置を示す位置情報とを受信したとき、その表示データを送信するユーザ端末装置と表示装置との間にネットワークとは別のデータ通信経路が開設される。そして、表示装置は、開設されたデータ通信経路を識別するための通信経路識別情報を、ネットワークを介してユーザ端末装置に送信する。従って、ユーザ端末装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路を介して、表示データを表示装置に送信できる。このように、表示データはネットワークとは別の専用のデータ通信経路を介してユーザ端末装置から表示装置に送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータと、データ通信経路を通じて送信される表示データとが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信した表示データを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にその表示データを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して送信された表示データを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

　また、司会者端末装置を使用しているユーザは、データＩＤ情報と位置情報とによって、ユーザ端末装置からネットワークとは別の専用のデータ通信経路を介して表示装置に送信される表示データと、その表示データの表示装置の表示部での表示位置とを確実且つ簡便に管理することができる。また、ユーザ端末装置からデータ通信経路を介して表示装置に、直接に、表示データが転送されるので、そのユーザ端末装置や表示装置以外の端末装置によって、そのデータ通信経路が利用されたり、そのデータ通信経路を通じて送受信される表示データが取得或いは変更されたりされるおそれがなくなる。よって、データ通信経路を介したデータ転送のセキュリティ性をより高めることができる。

　上記構成の通信方法において、前記データ通信経路は、前記表示データが送信される論理的な通信経路であってもよい。なお、論理的な通信経路とは、物理的に見た通信回線が有する論理的に見た仮想の通信回線（論理回線）である。たとえば、物理的には通信回線が１本であっても、複数の論理回線を設定することができる。各論理回線では異なったデータ通信を行うことができる。

　このような構成とすることによって、表示装置と各情報端末装置との間に表示データを直接に送信する直通のデータ通信経路を開設するとき、ネットワークとは別に物理的な通信回線を設ける必要がない。すなわち、ネットワークが通じている物理的な通信回線に、ネットワークとは別の新たな論理的な通信経路（論理回線）を設けることにより、ネットワークとは論理的に別回線となる論理回線を通じて表示データを送受信することができる。従って、ネットワークを通じて送受信されるデータと、論理回線を通じて送信される表示データとが互いに干渉することがないので、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。

　上記構成の通信方法において、前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであってもよい。このような構成とすることによって、ユーザ端末装置から表示装置に、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータがネットワークとは別の専用のデータ通信経路で送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータ（テキストデータなど）と、データ通信経路を通じて送信される表示データ（テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータ）とが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信したマルチメディアデータを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にそのマルチメディアデータを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して受信したマルチメディアデータを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

　上記構成の通信方法において、前記司会者端末装置は、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報とを有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して前記表示装置に送信し、前記表示装置と、前記アクセス権情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路が開設されるものとしてもよい。

　或いは、上記構成の通信方法において、前記司会者端末装置は、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して前記表示装置に送信し、前記表示装置と、前記ユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路が開設されるものとしてもよい。

　このような構成とすることによって、司会者端末装置から送信されるアクセス権情報、或いはユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置と表示装置との間に、表示データが送信される直通のデータ通信経路が開設される。従って、表示装置と各情報端末装置との間で情報を共有するためにメッシュ状の通信経路網をはる必要がなく、必要に応じて、表示装置と表示データを送信するユーザ端末装置との間に直通のデータ通信経路を開設するのみでよい。また、表示装置は、そのデータ通信経路から受信した表示データをデータＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、位置情報が示す表示部の表示位置にその表示データを表示することができる。また、司会者端末装置は、表示装置に送信したアクセス権情報或いはユーザ情報によって、データ通信経路を開設すべきユーザ端末装置を表示装置に示すことができるので、表示装置とユーザ端末装置との間のデータ通信経路の開設をコントロールすることができる。

　また、上記構成の通信方法において、前記司会者端末装置は、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して前記表示装置に送信し、前記表示装置は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報と前記ユーザ情報と前記アクセス権情報とに基づいて、前記表示データを前記表示部に表示するものとしてもよい。

　このような構成とすることによって、表示装置は、通信経路識別情報によって識別されるデータ通信経路から受信した表示データを、データＩＤ情報によって、司会者端末装置から受信したユーザ情報、アクセス権情報、及び位置情報と関連付けることができ、ユーザ情報とアクセス権情報とに基づいて、データＩＤ情報により識別される表示データを表示するか否かを判断して、その表示データを位置情報が示す表示部の表示位置に表示することができる。従って、ユーザ端末装置から転送される表示データはデータＩＤ情報によって管理されるとともに、その表示データに対して、情報端末装置を使用している複数のユーザそれぞれに設定されたアクセス権（すなわち、その表示データの生成や変更が許可されているか否か）に応じて、表示装置の表示部に表示される各表示データがコントロールされる。よって、複数のユーザ間でそれぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションが可能となる。

　また、上記構成の通信方法において、前記表示装置は、前記アクセス権情報が示す前記表示データの生成と変更とが許可されたユーザと、前記ユーザ情報が示すユーザとが一致するとき、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記表示データを前記表示部に表示するとしてもよい。

　このような構成とすることによって、表示装置は、データＩＤ情報により識別される表示データの所有者であるユーザと、その表示データに対するアクセス権（すなわち、その表示データの生成や変更が許可されているか否か）を有するユーザとが一致した場合のみ、その表示データを表示部に表示することができる。すなわち、表示装置は、通信経路識別情報によって特定されるデータ通信経路から受信した表示データをデータＩＤ情報により特定し、特定した表示データを位置情報が示す表示部での表示位置に表示する。よって、複数のユーザ間でそれぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションが可能となる。

　また、上記構成の通信方法において、前記複数のユーザが参加する電子会議での通信方法であるものとしてもよい。このような構成とすることによって、仮想の会議室（すなわち、電子会議システム）にて提示される各発言（表示データ）をデータＩＤ情報によって確実且つ容易に管理することができるとともに、仮想の会議室に参加している複数の参加者（ユーザ）それぞれに設定されたアクセス権（すなわち、その発言（表示データ）の提示や修正が許可されているか否か）に応じて、仮想の会議室に提示される発言（表示データ）をコントロールすることができる、よって、仮想の会議室に参加している複数のユーザは、それぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションを可能とすることができる。

　また、上記構成の通信方法において、前記表示装置と前記情報端末装置とが、ＸＭＰＰ（eXtensible　Messaging　and　Presence　Protocol）に準拠した通信を行うものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置と情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間でリアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができるとともに、データＩＤ情報により、ＸＭＰＰによりメッセージングされるデータと表示装置の表示部に表示される表示データとを簡便且つ確実に対応付けることができる。

　なお、ＸＭＰＰとは、ＩＥＴＦ（Internet　Engineering　Task　Force）のＸＭＰＰワーキンググループから独立したＸＳＦ（XMPP　Standards　Foundation）により規格・標準化が進められているＸＭＬベースのプロトコル（通信規約）である。ＸＭＰＰは、インスタントメッセージ、プレゼンス（「相手が今どういう状態にあるのか」）、多人数チャット、音声またはテレビ電話、協調作業、コンテンツ・シンジケーション、ＸＭＬデータの一般化ルーティングなどを含む広範囲のアプリケーションを動的に制御し、インターネットなどの通信システムにおいてリアルタイムなコミュニケーションを行うために、それぞれの目的に応じて規格化された複数の拡張プロトコル（ＸＥＰ：XMPP　Extension　Protocol）からなっている。

　また、上記構成の通信方法において、前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間の前記データ通信経路の開設、及び、前記ユーザ端末装置から前記表示装置への前記データ通信経路を介した前記表示データの送信は、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて行われるものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置とユーザ端末装置との間のネットワークにＮＡＴ（Network　Address　Translation）やファイヤウォールが配置されている場合であっても、表示データはネットワークとは別のデータ通信経路を介して送信されるので、データ転送が遮断されるなどの影響を受けることなく、データ通信経路を介して確実に表示データの転送が行われる。

　なお、ＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）は、２つの通信可能な端末装置の間にデータを送受信する通信経路を確立する機能を規定したプロトコル（通信規約）である。また、このＪｉｎｇｌｅに関連するプロトコルとして、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）やＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｍｅｔｈｏｄ）などがある。ＸＥＰ－０１６７は、ＲＴＰ（Ｒｅａｌ－ｔｉｍｅ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）を使って音声データや動画データなどをストリーミング方式で送受信する通信経路を確立する機能を規定したプロトコル（通信規約）である。また、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｍｅｔｈｏｄ）は、ＵＤＰ（Ｕｓｅｒ　Ｄａｔａｇｒａｍ　Ｐｒｏｔｐｃｏｌ）を利用したデータの送受信を定義したプロトコル（通信規約）である。

　また、上記構成の通信方法において、前記第１の情報、及び前記第２の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌ（Hyper　Text　Markup　Language）ファイルであってもよい。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間に開設されたデータ通信経路を通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤ情報や、位置情報、通信経路識別情報、アクセス権情報、ユーザ情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。このように、メタ情報として、ＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報（たとえば、データＩＤ情報、位置情報、通信経路識別情報、アクセス権情報、ユーザ情報など）を利用することを拡張と呼んでいる。

　このような構成とすることによって、第１の情報や第２の情報に含まれる各メタ情報（たとえば、データＩＤ情報や位置情報、通信経路識別情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、第１の情報や第２の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、通信経路識別情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　また、上記構成の通信方法において、前記第１の情報、及び前記第２の情報は、前記表示装置の前記表示部に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であるものとしてもよい。このような構成とすることによって、例えば、情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）が、表示装置の表示部に表示を行うための表示情報が有する一部の情報を変更しようとするとき、変更された情報を有する断片情報のみを送信すれば、表示装置は、受信した断片情報に基づいて表示部に表示を行うための表示情報を修正することができる。すなわち、表示情報全体を送信する必要がない。従って、表示装置と情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間で送受信される情報をより軽量なものとすることができるので、通信に要する時間を短縮することができるとともに、表示装置と情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間のネットワークにかかる負担を大幅に低減することができる。よって、通信に参加している複数のユーザは、より利便性のよい通信を行うことができる。

　また、上記目標を達成するために本発明の表示装置は、表示データを表示する表示部と、前記表示データを管理する司会者端末装置及び前記表示データを送信するユーザ端末装置を有する複数の情報端末装置とネットワークを介して通信を行う通信部と、前記通信部が、前記司会者端末装置から前記ネットワークを介して、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記表示部での前記表示データの表示位置を示す位置情報と、を有する第１の情報を受信すると、前記ユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信されるデータ通信経路を開設する制御部と、を備え、前記通信部は、前記データ通信経路を識別するための通信経路識別情報と、前記データＩＤ情報と、を有する第２の情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置に送信し、前記表示部は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記ユーザ端末装置から前記通信経路識別情報によって特定される前記データ通信経路を介して前記通信部が受信する前記表示データを表示する。

　上記構成の表示装置によれば、表示装置が表示データを管理する司会者端末装置から、その表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、その表示データを表示する位置を示す位置情報とを受信したとき、その表示データを送信するユーザ端末装置と表示装置との間にネットワークとは別のデータ通信経路が開設される。そして、表示装置は、開設されたデータ通信経路を識別するための通信経路識別情報を、ネットワークを介してユーザ端末装置に送信する。従って、ユーザ端末装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路を介して、表示データを表示装置に送信できる。このように、表示データはネットワークとは別の専用のデータ通信経路を介してユーザ端末装置から表示装置に送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータと、データ通信経路を通じて送信される表示データとが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信した表示データを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にその表示データを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して送信された表示データを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

　また、ユーザ端末装置からデータ通信経路を介して表示装置に、直接に、表示データが転送されるので、そのユーザ端末装置や表示装置以外の端末装置によって、そのデータ通信経路が利用されたり、そのデータ通信経路を通じて送受信される表示データが取得或いは変更されたりされるおそれがなくなる。よって、データ通信経路を介したデータ転送のセキュリティ性をより高めることができる。

　上記構成の表示装置において、前記データ通信経路は、前記表示データが送信される論理的な通信経路であってもよい。このような構成とすることによって、表示装置と各情報端末装置との間に表示データを直接に送信する直通のデータ通信経路を開設するとき、ネットワークとは別に物理的な通信回線を設ける必要がない。すなわち、ネットワークが通じている物理的な通信回線に、ネットワークとは別の新たな論理的な通信経路（論理回線）を設けることにより、ネットワークとは論理的に別回線となる論理回線を通じて表示データを送受信することができる。従って、ネットワークを通じて送受信されるデータと、論理回線を通じて送信される表示データとが互いに干渉することがないので、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。

　上記構成の表示装置において、前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであってもよい。このような構成とすることによって、ユーザ端末装置から表示装置に、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータが送信される場合であっても、そのマルチメディアデータはネットワークとは別の専用のデータ通信経路で送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータ（テキストデータなど）と、データ通信経路を通じて送信される表示データ（テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータ）とが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、表示装置は、ユーザ端末装置から動画データや音声データのようなテキスト以外の形式のマルチメディアデータを、さらに簡便且つ効率よく受信することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信したマルチメディアデータを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にそのマルチメディアデータを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して受信したマルチメディアデータを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

　上記構成の表示装置において、前記通信部が、前記司会者端末装置から、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して受信すると、前記制御部は、前記アクセス権情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路を開設するものとしてもよい。

　或いは、上記構成の表示装置において、前記通信部が、前記司会者端末装置から、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して受信すると、前記制御部は、前記ユーザ権情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路を開設するものとしてもよい。

　このような構成とすることによって、表示装置は、司会者端末装置から送信されるアクセス権情報、或いはユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、表示データが送信される直通のデータ通信経路を開設することができる。従って、表示装置と各情報端末装置との間で情報を共有するためにメッシュ状の通信経路網をはる必要がなく、必要に応じて、表示装置と表示データを送信するユーザ端末装置との間にデータ通信経路を開設するのみでよい。また、表示装置は、そのデータ通信経路から受信した表示データをデータＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、位置情報が示す表示部の表示位置にそのデータを表示することができる。

　また、上記構成の表示装置において、前記通信部は、前記司会者端末装置から前記ネットワークを介して、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を受信し、前記表示部は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報と前記ユーザ情報と前記アクセス権情報とに基づいて、前記表示データを表示するものとしてもよい。

　また、上記構成の表示装置において、前記表示部は、前記アクセス権情報が示す前記表示データの生成と変更とが許可されたユーザと、前記ユーザ情報が示すユーザとが一致するとき、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記表示データを表示するものとしてもよい。

　また、上記構成の表示装置において、前記複数の情報端末装置と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置は、複数の情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間でリアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができるとともに、データＩＤ情報により、ＸＭＰＰによりメッセージングされるデータと表示部に表示されるデータとを簡便且つ確実に対応付けることができる。

　また、上記構成の表示装置において、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて、前記制御部は、前記ユーザ端末装置との間に前記データ通信経路を開設し、前記通信部は、前記ユーザ端末装置から前記データ通信経路を介して、前記表示データを受信するものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置とユーザ端末装置との間のネットワークにＮＡＴやファイヤウォールが配置されている場合であっても、表示データはネットワークとは別のデータ通信経路を介して送信されるので、表示装置は、データ転送が遮断されるなどの影響を受けることなく、データ通信経路を介して確実に表示データを受信することができる。

　また、上記構成の表示装置において、前記第１の情報、及び前記第２の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであってもよい。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、表示装置とユーザ端末装置との間に開設されたデータ通信経路を通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤ情報や、位置情報、通信経路識別情報、アクセス権情報、ユーザ情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。ここで、このように、メタ情報として、ＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報（データＩＤ情報、位置情報、通信経路識別情報、アクセス権情報、ユーザ情報など）を利用することを拡張と呼んでいる。

　このような構成とすることによって、第１の情報や第２の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、通信経路識別情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、第１の情報や第２の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、通信経路識別情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　また、上記構成の表示装置において、前記第１の情報、及び前記第２の情報は、前記表示部に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であるものとしてもよい。このような構成とすることによって、例えば、複数の情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）が、表示部に表示を行うための表示情報が有する一部の情報を変更しようとするとき、変更された情報を有する断片情報のみを送信すれば、表示装置は、受信した断片情報に基づいて表示部に表示を行うための表示情報を修正することができる。すなわち、表示情報全体を送信する必要がない。従って、表示装置と複数の情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間で送受信される情報をより軽量なものとすることができるので、通信に要する時間を短縮することができるとともに、表示装置と複数の情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間のネットワークにかかる負担を大幅に低減することができる。よって、通信に参加している複数のユーザは、より利便性のよい通信を行うことができる。

　また、上記目標を達成するために本発明のユーザ端末装置は、表示装置に表示する表示データを送信するデータ通信経路を、前記表示装置との間に開設する制御部と、前記表示装置からネットワークを介して、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記データ通信経路を識別するための通信経路識別情報とを有する第２の情報を受信すると、前記データ通信経路を介して、前記表示データを前記表示装置に送信する通信部と、を備える。

　上記構成のユーザ端末装置によれば、ユーザ端末装置と表示装置との間に、ネットワークとは別の表示データが送信されるデータ通信経路が開設され、そのデータ通信経路を識別するための通信経路識別情報が表示装置からユーザ端末装置に送信される。従って、ユーザ端末装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路を介して、表示データを表示装置に送信できる。このように、ユーザ端末装置は、表示データをネットワークとは別の専用のデータ通信経路を介して表示装置に送信する。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータと、データ通信経路を通じて送信される表示データとが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。

　また、ユーザ端末装置は、データ通信経路を介して表示装置に、直接に、表示データを送信するので、このユーザ端末装置や表示装置以外の端末装置によって、そのデータ通信経路が利用されたり、そのデータ通信経路を通じて送受信される表示データが取得或いは変更されたりされるおそれがなくなる。よって、データ通信経路を介したデータ転送のセキュリティ性をより高めることができる。

　上記構成のユーザ端末装置において、前記データ通信経路は、前記表示装置に表示する前記表示データを送信する論理的な通信経路であってもよい。このような構成とすることによって、ユーザ端末装置と表示装置との間に表示データを直接に送信する直通のデータ通信経路を開設するとき、ネットワークとは別に物理的な通信回線を設ける必要がない。すなわち、ネットワークが通じている物理的な通信回線に、ネットワークとは別の新たな論理的な通信経路（論理回線）を設けることにより、ネットワークとは論理的に別回線となる論理回線を通じて表示データを送信することができる。従って、ネットワークを通じて送受信されるデータと、論理回線を通じて送信される表示データとが互いに干渉することがないので、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。

　また、上記構成のユーザ端末装置において、前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであってもよい。このような構成とすることによって、ユーザ端末装置は、表示装置に、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを送信する場合であっても、そのマルチメディアデータをネットワークとは別の専用のデータ通信経路で送信する。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータ（テキストデータなど）と、データ通信経路を通じて送信される表示データ（テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータ）とが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。

　上記構成のユーザ端末装置において、前記表示装置と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うものとしてもよい。このような構成とすることによって、ユーザ端末装置は、表示装置との間で、リアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができるとともに、データＩＤ情報により、ＸＭＰＰによりメッセージングされるデータと表示装置に送信する表示データとを簡便且つ確実に対応付けることができる。

　また、上記構成のユーザ端末装置において、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて、前記制御部は、前記表示装置との間に、前記通信経路識別情報によって特定される前記データ通信経路を開設し、前記通信部は、前記データ通信経路を介して、前記表示データを前記表示装置に送信するものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置とユーザ端末装置との間のネットワークにＮＡＴやファイヤウォールが配置されている場合であっても、ユーザ端末装置は、表示データをネットワークとは別のデータ通信経路を介して送信するので、データ転送が遮断されるなどの影響を受けることなく、確実に表示データの転送を行うことができる。

　また、上記構成のユーザ端末装置において、前記第２の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであってもよい。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、表示装置とユーザ端末装置との間に開設されたデータ通信経路を通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤ情報や、通信経路識別情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。このような構成とすることによって、第２の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や通信経路識別情報など）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、第２の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や通信経路識別情報など）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　また、上記構成のユーザ端末装置において、前記第２の情報は、前記表示装置に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であるものとしてもよい。このような構成とすることによって、例えば、ユーザ端末装置が、表示装置の表示部に表示を行うための表示情報が有する一部の情報を変更しようとするとき、変更された情報を有する断片情報のみを送信すれば、表示装置は、受信した断片情報に基づいて表示部に表示を行うための表示情報を修正することができる。すなわち、表示情報全体を送信する必要がない。従って、ユーザ端末装置から表示装置に送信する情報をより軽量なものとすることができるので、通信に要する時間を短縮することができるとともに、表示装置とユーザ端末装置との間のネットワークにかかる負担を大幅に低減することができる。よって、通信に参加している複数のユーザは、より利便性のよい通信を行うことができる。

　また、上記目標を達成するために本発明の司会者端末装置は、上述のユーザ端末装置から上述の表示装置に送信される表示データを管理する司会者端末装置において、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記表示装置の表示部での前記表示データの表示位置を示す位置情報と、を生成する制御部と、前記表示装置にネットワークを介して、前記データＩＤ情報と前記位置情報とを有する第１の情報を送信する通信部と、を備える。

　上記構成の司会者端末装置によれば、ユーザ端末装置から表示装置に、簡便且つ効率よく、正確に転送される表示データは、データＩＤ情報によって位置情報と関連付けられ、さらに、位置情報が示す表示装置の表示部の表示位置にその表示データが表示される。よって、司会者端末装置を使用しているユーザは、ユーザ端末装置からデータ通信経路を介して表示装置に送信された表示データを、表示装置の表示部の表示画面上で構造化して表示させることができ、さらに、データＩＤ情報と位置情報とによって、ユーザ端末装置からネットワークとは別の専用のデータ通信経路を介して表示装置に送信される表示データと、その表示データの表示装置の表示部での表示位置とを確実且つ簡便に管理することができる。

　上記構成の司会者端末装置において、前記制御部は、前記表示装置と通信する複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報を生成し、前記第１の情報は、さらに、前記アクセス権情報を有するものとしてもよい。

　或いは、上記構成の司会者端末装置において、前記制御部は、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報を生成し、前記第１の情報は、さらに、前記ユーザ情報を有するものとしてもよい。

　このような構成とすることによって、司会者端末装置は、アクセス権情報或いはユーザ情報を表示装置に送信することによって、データ通信経路を開設すべきユーザ端末装置を表示装置に示すことができるので、表示装置とユーザ端末装置との間のデータ通信経路の開設をコントロールすることができる。また、表示装置は、司会者端末装置から送信されるアクセス権情報、或いはユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、データ通信経路を開設することができる。従って、表示装置と各情報端末装置との間で情報を共有するためにメッシュ状の通信経路網をはる必要がなく、必要に応じて、表示装置と表示データを送信するユーザ端末装置との間にデータ通信経路を開設するのみでよい。

　また、上記構成の司会者端末装置において、前記表示装置と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うものとしてもよい。このような構成とすることによって、司会者端末装置は、表示装置との間で、リアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができるとともに、データＩＤ情報により、ＸＭＰＰによりメッセージングされるデータと表示装置の表示部に表示されるデータとを簡便且つ確実に対応付けることができる。

　また、上記構成の司会者端末装置において、前記第１の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであってもよい。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌ（Hyper　Text　Markup　Language）にて表現し得る形式のデータであり、表示装置とユーザ端末装置との間に開設されたデータ通信経路を通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤ情報や、位置情報、通信経路識別情報、アクセス権情報、ユーザ情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。

　このような構成とすることによって、第１の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、第１の情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　また、上記構成の司会者端末装置において、前記第１の情報は、前記表示装置の前記表示部に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であるものとしてもよい。このような構成とすることによって、司会者端末装置が、表示装置の表示部に表示を行うための表示情報が有する一部の情報の生成や変更をしたとき、その情報を有する断片情報のみを表示装置に送信すれば、表示装置はその断片情報に基づいて表示部に表示を行うための表示情報を修正することができる。すなわち、表示情報全体を送信する必要がない。従って、司会者端末装置と表示装置との間で送受信される情報をより軽量なものとすることができるので、通信に要する時間を短縮することができるとともに、表示装置と司会者端末装置との間のネットワークにかかる負担を大幅に低減することができる。よって、通信に参加している複数のユーザは、より利便性のよい通信を行うことができる。

　また、上記目標を達成するために本発明のマルチユーザ通信システムは、複数のユーザが参加し、前記複数のユーザが使用する各情報端末装置から上述の表示装置に送信される表示データが、前記表示装置にて表示されるマルチユーザ通信システムであって、前記複数の情報端末装置は、上述のユーザ端末装置と、上述の司会者端末装置とを有する。

　上記構成のマルチユーザ通信システムによれば、複数のユーザが参加し、それらのユーザが使用する各情報端末装置から提示される表示データが表示装置の表示部に表示されるマルチユーザ通信システムにおいて、表示装置は、表示データを管理する司会者端末装置から、その表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、その表示データを表示する位置を示す位置情報とを受信したとき、その表示データを送信するユーザ端末装置と表示装置との間にネットワークとは別のデータ通信経路が開設される。そして、表示装置は、開設されたデータ通信経路を識別するための通信経路識別情報を、ネットワークを介してユーザ端末装置に送信する。従って、ユーザ端末装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路を介して、表示データを表示装置に送信できる。このように、データはネットワークとは別の専用のデータ通信経路を介してユーザ端末装置から表示装置に送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータと、データ通信経路を通じて送信される表示データとが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信した表示データを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にその表示データを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して送信された表示データを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

　また、上記構成のマルチユーザ通信システムにおいて、前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであってもよい。このような構成とすることによって、ユーザ端末装置から表示装置に、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータが送信される場合であっても、そのマルチメディアデータはネットワークとは別の専用のデータ通信経路で送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータ（テキストデータなど）と、データ通信経路を通じて送信される表示データ（テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータ）とが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信したマルチメディアデータを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にそのマルチメディアデータを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して受信したマルチメディアデータを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

　上記構成のマルチユーザ通信システムは、電子会議システムであってもよい。このような構成とすることによって、仮想の会議室（すなわち、電子会議システム）にて提示される各発言（表示データ）をデータＩＤ情報によって確実且つ容易に管理することができるとともに、仮想の会議室に参加している複数の参加者（ユーザ）それぞれに設定されたアクセス権（すなわち、その発言（表示データ）の提示や修正が許可されているか否か）に応じて、仮想の会議室に提示される発言（表示データ）をコントロールすることができる、よって、仮想の会議室に参加している複数のユーザは、それぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションを可能とすることができる。

　また、上記構成のマルチユーザ通信システムにおいて、前記表示装置と前記情報端末装置とが、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置と複数の情報端末装置（司会者端末装置、ユーザ端末装置）との間でリアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができるとともに、データＩＤ情報により、ＸＭＰＰによりメッセージングされるデータと表示装置の表示部に表示される表示データとを簡便且つ確実に対応付けることができる。

　また、上記構成のマルチユーザ通信システムにおいて、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて、前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信されるデータ通信経路が開設されるとともに、前記ユーザ端末装置から前記データ通信経路を介して前記表示装置に、前記表示データが送信されるものとしてもよい。このような構成とすることによって、表示装置とユーザ端末装置との間のネットワークにＮＡＴやファイヤウォールが配置されている場合であっても、表示データはネットワークとは別のデータ通信経路を介して送信されるので、データ転送が遮断されるなどの影響を受けることなく、データ通信経路を介して確実に表示データの転送が行われる。

　本発明によれば、表示装置と情報処理装置とを接続するネットワークとは別のデータ通信経路を介して、表示データが、表示装置に送信される。よって、ネットワークを通じて送受信されるデータと、データ通信経路を通じて送信される表示データとが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置から表示装置に、表示データを、簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置は、通信経路識別情報によって特定したデータ通信経路から受信した表示データを、データＩＤ情報によって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部の表示位置にその表示データを表示することができる。よって、表示装置は、専用のデータ通信経路を介して送信された表示データを、表示部の表示画面上で構造化して表示することができる。

本発明のマルチユーザ通信システムの一例を示す概念図である。本発明の実施形態における電子会議システムの構成を示す構成図である。本発明の実施形態における表示装置の構成を示す構成図である。本発明の実施形態における情報端末装置の構成を示す構成図である。本発明の実施形態における構造化表示情報の構成を示す構成図である。本発明の実施形態における構造化表示情報に基づく表示画面を説明するための図である。本発明の実施形態における構造化表示情報に基づく実際の表示画面の一例を示す図である。テキストデータを有するｈｔｍｌ断片情報がｈｔｍｌ文書として表現された例を示す図である。動画データを有するｈｔｍｌ断片情報がｈｔｍｌ文書として表現された例を示す図である。音声データを有するｈｔｍｌ断片情報がｈｔｍｌ文書として表現された例を示す図である。本発明の実施形態における電子会議システムが開設される手順を説明するための動作図である。本発明の実施形態における情報端末装置が電子会議システムに参加するための手順を説明するための動作図である。本発明の実施形態における電子会議システムの構造化表示情報の初期設定を行う手順を説明するための動作図である。本発明の実施形態における情報端末装置から提供されるテキストデータが表示装置の表示画面に表示される手順を説明するための動作図である。本発明の実施形態における情報端末装置から提供されるテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータが表示装置の表示画面に表示される手順を説明するための動作図である。

　本発明について、以下に図面を参照して説明する。図１は、本発明のマルチユーザ通信システムの一例を示す概念図である。図１に示すように、本発明のマルチユーザ通信システムは、複数の参加者が情報発信を行う場において、各参加者から提示される多種多様な情報をリアルタイムに統合し、表示画面上に構造化して表示する。従って、たとえば、仮想の会議室に参加している複数のユーザが議論や意見の提示をすることができる電子会議システムなどに利用することができる。以下では、本発明のマルチユーザ通信システムについて、電子会議システムを例として説明する。

　図２は、本発明の実施形態における電子会議システムの構成を示す構成図である。図２に示すように、電子会議システム１は、表示装置１０と、複数の情報端末装置２０（２０１、２０２ａ、２０２ｂ、２０２ｃ、２０２ｄ）とが、ネットワーク３０（３０ａ～３０ｅ）を介して通信を行っている。情報端末装置２０は、後述する司会者端末装置２０１とユーザ端末装置２０２とを有する。

　また、電子会議システム１では、複数のユーザが参加し、それら複数のユーザが使用する各情報端末装置２０から表示装置１０に、ネットワーク３０とは別のデータ回線４０（データ通信経路）を介して送信される表示データが、表示装置１０にて表示される。電子会議システム１に参加しているユーザが各情報端末装置２０を通じて電子会議システム１に提示する表示データ（特に、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータ）は、表示装置１０と各情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２ａ～２０２ｄ）との間に必要に応じて開設されるデータ回線４０（４０ａ～４０ｅ）を介して表示装置１０に送信され、表示装置１０にて、構造化された状態で表示される。

　なお、このデータ回線４０ａ～４０ｅは、それぞれ、ネットワーク３０ａ～３０ｅが通じている物理的な通信回線に開設される論理的な通信経路である。そのため、表示装置１０と各情報端末装置２０との間に表示データを直接に送信する直通のデータ回線４０を開設するとき、ネットワーク３０とは別に物理的な通信回線を設ける必要がない。ここで、論理的な通信経路とは、物理的に見た通信回線が有する論理的に見た仮想の通信回線（論理回線）である。たとえば、物理的には通信回線が１本であっても、複数の論理回線を設定することができ、論理回線毎に異なったデータ通信を行うことができる。たとえば、ネットワーク３０とデータ回線４０とは、同一の物理的な通信回線を通じているが、異なる論理回線である。

　また、電子会議システム１は、後述するＸＭＰＰ（eXtensible　Messaging　and　Presence　Protocol）を利用して構築されており、表示装置１０と複数の情報端末装置２０とは、ＸＭＰＰに準拠した通信を行う。よって、表示装置１０と複数の情報端末装置２０との間の通信では、リアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができる。

　ここで、本実施形態の電子会議システム１にて利用されるＸＭＰＰについて説明しておく。ＸＭＰＰとは、ＩＥＴＦ（Internet　Engineering　Task　Force）のＸＭＰＰワーキンググループから独立したＸＳＦ（XMPP　Standards　Foundation）により規格・標準化が進められているＸＭＬ（eXtensible　Markup　Language）ベースのプロトコル（通信規約）である。ＸＭＰＰは、インスタントメッセージ、プレゼンス（「相手が今どういう状態にあるのか」）、多人数チャット、音声またはテレビ電話、協調作業、コンテンツ・シンジケーション、ＸＭＬデータの一般化ルーティングなどを含む広範囲のアプリケーションを動的に制御し、インターネットなどの通信システムにおいてリアルタイムなコミュニケーションを行うために、それぞれの目的に応じて規格化された複数の拡張プロトコル（ＸＥＰ：XMPP　Extension　Protocol）からなっている。

　本実施形態の電子会議システム１は、このＸＭＰＰに規定されている様々なプロトコル（通信規約）を利用している。ここで、本実施形態の電子会議システム１を理解する上で重要なプロトコルであるＸＥＰ－００３０（Ｓｅｒｖｉｃｅ　Ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ）、ＸＥＰ－００４５（Ｍｕｌｔｉ－Ｕｓｅｒ　Ｃｈａｔ）、ＸＥＰ－００７１（Ｘｈｔｍｌ－ＩＭ）、及びＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）について説明しておく。

　ＸＥＰ－００３０（Ｓｅｒｖｉｃｅ　Ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ）は、情報を検出する機能を規定したプロトコル（通信規約）である。以下では、ＤＩＳＣＯと呼ぶこととする。本実施形態の電子会議システム１では、後述するように、情報端末装置２０は、このＤＩＳＣＯを利用して、参加する電子会議システム１を検索している。

　ＸＥＰ－００４５（Ｍｕｌｔｉ－Ｕｓｅｒ　Ｃｈａｔ）は、ネットワーク上の仮想的な空間における特定のコミュニティ（チャットルーム）内で複数のＸＭＰＰユーザがメッセージを交換できるマルチユーザチャット機能を規定しているプロトコル（通信規約）である。以下では、ＭＵＣと呼ぶこととする。また、このプロトコルでは、チャットルームのトピックやチャットルームへの招待といった標準的なチャット機能に加えて、ユーザをキック（強制退去）やバン（追放）する機能や、チャットルームの利用者に対して後述するロール（role）及びアフィリエイション（affiliation）を任命する機能などによりチャットルームを制御するモデルを規定している。

　ここで、ロールとは、チャットを利用している利用者に与えられる一時的なポジション又は特権レベルである。ＭＵＣでは、ユーザのキックやその発言の削除などができる「司会者」（moderator）、発言権をもつ「参加者」（participant）及び発言権のない「訪問者」（visitor）などが規定されている。また、アフィリエイションは、チャット利用後も永続的に有効なものとして利用者に与えられるものである。ＭＵＣでは、チャットルームを開設した「所有者」（owner）、チャットルームを管理・運営する「管理者」（administer）、その他の利用者である「会員」（member）、及びキックされてチャットルームへの再入室が許可されない「追放者」（outcast）などが規定されている。

　本実施携態の電子会議システム１は、上述のようなＸＭＰＰのプロトコル（通信規約）、特に、ＭＵＣ（ＸＥＰ－００４５）に準拠したマルチユーザチャット機能などを利用して運営されている。また、このＭＵＣ機能は、後述するように表示装置１０により提供されている。

　また、ＸＥＰ－００７１（Ｘｈｔｍｌ－ＩＭ）は、ｈｔｍｌのサブセットを用いた軽量なテキストのマークアップ（タグ付け）を含むインスタントメッセージの交換に関して規定しているプロトコル（通信規約）である。このプロトコルにより、インスタントメッセージの利用に適した一般的に使用されるｈｔｍｌ要素、属性、スタイルのプロパティの狭い範囲を利用したメッセージのフォーマットを設定することができる。本実施形態の電子会議システム１における表示装置１０及び情報端末装置２０は、このＸＥＰ－００７１（Ｘｈｔｍｌ－ＩＭ）をさらに拡張したプロトコル（通信規約）に準拠して、テキストデータなどのＸＭＰＰメッセージの送受信を行っている。

　また、ＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）は、２つの通信可能な端末装置の間にデータを送受信する通信経路を確立する機能を規定したプロトコル（通信規約）である。また、このＪｉｎｇｌｅに関連するプロトコルとして、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）やＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｍｅｔｈｏｄ）などがある。ＸＥＰ－０１６７は、ＲＴＰ（Ｒｅａｌ－ｔｉｍｅ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）を使って音声データや動画データなどをストリーミング方式で送受信する通信経路を確立する機能を規定したプロトコル（通信規約）である。また、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｍｅｔｈｏｄ）は、ＵＤＰ（Ｕｓｅｒ　Ｄａｔａｇｒａｍ　Ｐｒｏｔｐｃｏｌ）を利用したデータの送受信を定義したプロトコル（通信規約）である。以下では、ＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）をＪｉｎｇｌｅと呼ぶ。また、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）をＪｉｎｇｌｅ－ＲＴＰと呼び、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ　Ｍｅｔｈｏｄ）をＪｉｎｇｌｅ－ＵＤＰと呼ぶこととする。

　本実施形態の電子会議システム１では、表示装置１０と情報端末装置２０との間で、動画データや音声データなどのマルチメディアデータの送受信を行う場合には、後述するように、Ｊｉｎｇｌｅ（ＸＥＰ－０１６６）や、関連するプロトコル（通信規約）であるＪｉｎｇｌｅ－ＲＴＰ（ＸＥＰ－０１６７）、Ｊｉｎｇｌｅ－ＵＤＰ（ＸＥＰ－０１７７）などの規約に準じて、表示装置と情報端末装置との間に、マルチメディアデータを転送するためのデータ回線４０（データ通信経路）を確立し、そのデータ回線４０を介してマルチメディアデータが転送される。
＜装置構成＞

　次に、本実施形態における電子会議システム１が有する表示装置１０の具体的な構成について、図を参照して詳細に説明する。図３は、本発明の実施形態における表示装置の構成を示す構成図である。

　表示装置１０は、電子会議システム１が有する複数の情報端末装置２０と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行う。また、表示装置１０は、電子会議システム１の参加者（情報端末装置２０）が提示する発言（表示データ）をまとめた議事などの情報を構造化した状態で表示するための構造化表示情報（表示情報）として、ｈｔｍｌ（Hyper　Text　Markup　Language）の描画機構を利用している。

　図３に示すように、表示装置１０は、表示データを表示する表示部１１と、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）とネットワーク３０を介して通信を行う通信部１２と、構造化表示情報や通信部１２が送受信する情報などを記憶する記憶部１３と、表示部１１や通信部１２、記憶部１３を制御する制御部１４と、を備えている。

　通信部１２は、表示データを識別するためのデータＩＤ（データＩＤ情報）と、表示部１１での表示データの表示位置を示す位置情報と、表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、複数の情報端末装置２０を使用するユーザ毎に設定され、表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、を有する情報（第１の情報）を、司会者端末装置２０１からネットワーク３０を介して受信する。また、通信部１２は、表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間に表示データを送信するためのデータ回線４０が開設されると、そのデータ回線４０を識別するためのストリームＩＤ（通信経路識別情報）とデータＩＤ（データＩＤ情報）とを有する情報（第２の情報）を、ネットワーク３０を介してユーザ端末装置２０２に送信する。

　制御部１４は、通信部１２が司会者端末装置２０１からネットワーク３０を介して、データＩＤ（データＩＤ情報）や位置情報などを有する情報（第１の情報）を受信すると、ユーザ端末装置２０２との間に、表示データが送信されるデータ回線４０（データ通信経路）を開設する。なお、司会者端末装置２０１から受信する情報（第１の情報）は、アクセス権情報やユーザ情報を有している。よって、制御部１４は、通信部１２が司会者端末装置２０１から受信するアクセス権情報又はユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置２０２との間に、表示データが送信されるデータ回線４０を開設する。

　また、制御部１４は、各情報端末装置２０から受信する表示データを統合して、構造化表示情報の生成や編集、構造化表示情報に含まれる情報（後述するような、ｈｔｍｌ断片情報や、そのメタ情報であるデータＩＤ、位置情報、アクセス権情報、ユーザ情報など）の修正、構造化表示情報全体からｈｔｍｌで記述された文書を作成することなども行う。

　表示部１１は、各情報端末装置２０から電子会議システム１に提示される表示データを構造化して表示する。具体的には、表示部１１は、個々に表示データを有する複数の断片情報が構造化されてなるとともに、電子会議システム１に提示される意見や資料、議事などを表示するための構造化表示情報（表示情報）に基づいて、構造化した表示を行う。

　また、表示部１１は、司会者端末装置２０１から受信するストリームＩＤとデータＩＤと位置情報とに基づいて、ユーザ端末装置２０２からストリームＩＤによって特定されるデータ回線４０を介して通信部１２が受信する表示データを表示する。すなわち、表示部１１は、ユーザ端末装置２０２からストリームＩＤによって特定したデータ回線４０を介して通信部１２が受信した表示データと、データＩＤによって、位置情報と関連付け、さらに、データＩＤによって特定される表示データを、位置情報が示す表示部１１の表示位置に表示する。

　また、表示部１１は、司会者端末装置２０１から受信するストリームＩＤと、データＩＤと、位置情報と、表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報とに基づいて、表示データを表示する。すなわち、表示部１１は、アクセス権情報が示す表示データの生成と変更とが許可されたユーザと、ユーザ情報が示すユーザとが一致するとき、ストリームＩＤとデータＩＤと位置情報とに基づいて、表示データを表示する

　次に、本実施形態における電子会議システム１が有する情報端末装置２０の具体的な構成について、図を参照して詳細に説明する。情報端末装置２０は、電子会議システム１が有する表示装置１０と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行う。図４は、本発明の実施形態における情報端末装置の構成を示す構成図である。

　図４に示すように、情報端末装置２０は、ユーザが入力したデータなどを表示する端末表示部２１（表示部）と、表示装置１０に対して情報の送受信を行う端末通信部２２（通信部）と、端末通信部２２が送受信する情報や表示装置１０の表示部１１に表示させる表示データなどを記憶する端末記憶部２３（記憶部）と、端末通信部２２における送受信動作や端末記憶部２３における情報の記憶や読み出し動作などを制御する端末制御部２４（制御部）と、ユーザがデータを入力するための端末入力部２５（入力部）と、を備えている。また、後述するように、端末制御部２４は、必要に応じて、構造化表示情報を構成するｈｔｍｌ断片情報やそのメタ情報の編集や再構成なども行う。

　また、各情報端末装置２０には、「司会者」（moderator）及び「参加者」（participant）といった、ＭＵＣ機能を利用して運営されている電子会議システム１における一時的な特権レベルを示すロールが割り当てられている。なお、本実施形態の電子会議システム１では、各情報端末装置２０のアフィリエイションについては言及しないが、「司会者」（moderator）が「所有者」（owner）及び「管理者」（administer）のアフィリエイションを持ち、「参加者」（participant）は「会員」（member）のアフィリエイションを持つものとする。また、「訪問者」（visitor）や「追放者」（outcast）などにはついては言及しない。以下では、仮想の会議室（電子会議システム１）において、「司会者」というロールが与えられた情報端末装置を司会者端末装置２０１とし、「参加者」というロールが与えられた情報端末装置をユーザ端末装置２０２として説明する。

　司会者端末装置２０１は、電子会議システム１での議事進行を行ない、表示装置１０の表示部１１に表示される表示データを管理する情報端末装置である。司会者端末装置２０１の端末制御部２４は、表示装置１０の表示部１１に表示される各表示データを識別するためのデータＩＤ（データＩＤ情報）や、各情報端末装置２０（すなわち、司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用するユーザ毎に表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権を示すアクセス権情報、その表示データの所有者となるユーザを示すユーザ情報などを設定することができる。また、端末通信部２２は、ネットワーク３０を介して表示装置１０に、データＩＤや、位置情報、ユーザ情報、アクセス権情報などを有する情報（第１の情報）を送信する。なお、司会者端末装置２０１は、ユーザ端末装置２０２と同様に、表示データを表示装置１０に送信することもできる。

　ユーザ端末装置２０２は、表示データを表示装置１０に送信する情報端末装置２０である。ユーザ端末装置２０２は、表示装置１０からデータ回線４０を開設する旨を受信すると、端末制御部２４は、表示装置１０とデータ回線４０を開設するための交渉（ネゴシエーション）を行い、表示装置１０との間に、ネットワーク３０とは別に、表示データを送信するためのデータ回線４０を開設する。また、ユーザ端末装置２０２は、表示装置１０からネットワーク３０を介して、表示データを識別するためのデータＩＤ（データＩＤ情報）と、データ回線４０を識別するためのストリームＩＤ（通信経路識別情報）とを有する情報（第２の情報）を受信すると、データ回線４０（データ通信経路）を介して、端末通信部２２からそのデータＩＤに対応する表示データを表示装置１０に送信する。なお、上述のデータ回線４０の開設や、データ回線４０を介しての表示データの送信は、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかのプロトコル（通信規約）に準じて行われる。

　次に、電子会議システム１における議事などを表示するための構造化表示情報について説明する。構造化表示情報は、複数の情報がそれぞれ構造的な相関を有して成り、表示装置１０の表示部１１に表示を行うための構造化された情報である。また、その構造は、特に限定されるものではなく、木構造などをとり得る。以下では、構造化表示情報を構成する個々の情報を、ｈｔｍｌ断片情報と呼ぶこととする。図５は、本発明の実施形態における構造化表示情報の構成を示す構成図である。図５に示すように、構造化表示情報は、各ｈｔｍｌ断片情報は、ｈｔｍｌ断片情報ｎ０を頂点として、階層的な相関を有している。ここで、このような構造において、あるｈｔｍｌ断片情報に対して１つ上の階層にあるｈｔｍｌ断片情報は親ｈｔｍｌ断片情報と呼び、あるｈｔｍｌ断片情報に対して１つ下の階層にあるｈｔｍｌ断片情報は子ｈｔｍｌ断片情報と呼ぶこととする。

　次に、複数のｈｔｍｌ断片情報から構成される構造化表示情報に基づいて表示装置１０の表示部１１に表示される表示画面について説明する。図６は、本発明の実施形態における構造化表示情報に基づく表示画面を説明するための図である。また、図７は、本発明の実施形態における構造化表示情報に基づく実際の表示画面の一例を示す図である。図７に示すように、表示部１１の表示画面１１１における各情報表示枠は各ｈｔｍｌ断片情報と対応しており、それぞれのｈｔｍｌ断片情報が有する表示データ（例えばテキストデータ、画像データ、動画データ、音声データなど）は、対応する情報表示枠内に表示される。

　例えば、表示画面１１１において、ｈｔｍｌ断片情報ｎ０が有する情報は情報表示枠Ｎ０内に表示され、ｈｔｍｌ断片情報ｎ０の下の階層のｈｔｍｌ断片情報（子ｈｔｍｌ断片情報）であるｈｔｍｌ断片情報ｎ１、ｎ２、ｎ３が有する情報は、情報表示枠Ｎ０内に配置された情報表示枠Ｎ１、Ｎ２、Ｎ３内にそれぞれ表示される。また、ｈｔｍｌ断片情報ｎ１の子ｈｔｍｌ断片情報であるｈｔｍｌ断片情報ｎ１１、ｎ１２が有する情報は情報表示枠Ｎ１内に配置された情報表示枠Ｎ１１、Ｎ１２内にそれぞれ表示され、ｈｔｍｌ断片情報ｎ２の子ｈｔｍｌ断片情報であるｈｔｍｌ断片情報ｎ２１が有する情報は情報表示枠Ｎ２内に配置された情報表示枠Ｎ２１内に表示され、ｈｔｍｌ断片情報ｎ３の子ｈｔｍｌ断片情報であるｈｔｍｌ断片情報ｎ３１、ｎ３２、ｎ３３が有する情報は情報表示枠Ｎ３内に配置された情報表示枠Ｎ３１、Ｎ３２、Ｎ３３内にそれぞれ表示される。また、ｈｔｍｌ断片情報ｎ１２の子ｈｔｍｌ断片情報であるｈｔｍｌ断片情報ｎ１２１、ｎ１２２が有する情報は情報表示枠Ｎ１２内に配置された情報表示枠Ｎ１２１、Ｎ１２２内にそれぞれ表示される。このように、構造化表示情報に基づく表示部１１の表示画面１１１では、子ｈｔｍｌ断片情報が有する情報は、親ｈｔｍｌ断片情報の情報表示枠内に配置された情報表示枠内に表示される。

　また、構造化表示情報を構成する各ｈｔｍｌ断片情報は、それぞれ、表示装置１０の表示部１１に表示される表示データを有している。各ｈｔｍｌ断片情報が有するこの表示データは、たとえば、テキストデータ、画像データ、動画データ、音声データなどが挙げられる。

　また、各ｈｔｍｌ断片情報は、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データ（すなわち、表示装置１０の表示部１１に表示される表示データ）を識別するための固有のデータＩＤ（データＩＤ情報）や、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データ（すなわち、表示装置１０の表示部１１に表示される表示データ）の表示部１１での表示位置を示す位置情報、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用しているユーザ毎に設定されたｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権（すなわち、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データの生成や変更などを許可するか否か）を示すアクセス権情報などを、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データに関連する情報であるメタ情報として有している。なお、本来のｈｔｍｌでは、上述のようなアクセス権情報、ユーザ情報などを記述する文法はない。しかしながら、電子会議システム１では、マルチユーザ通信システムにおいてｈｔｍｌを利用するために、各ｈｔｍｌ断片情報に、アクセス権情報、ユーザ情報の記述などの拡張を行っている。

　ここで、位置情報が示す表示データの表示位置は、親ｈｔｍｌ断片情報の情報表示枠内での絶対座標で指定されていてもよいし、親ｈｔｍｌ断片情報の情報表示枠内でその文書フローに合わせて配置されて表示されるものとしてもよい。たとえば、ｈｔｍｌ断片情報が<div>で囲まれて記述されている場合には、親ｈｔｍｌ断片情報の情報表示枠内での絶対座標で表示位置が指定され、ｈｔｍｌ断片情報が<par>で囲まれて記述されている場合には、親ｈｔｍｌ断片情報の情報表示枠内でその文書フローに合わせて配置されて表示されるものとしてもよい。

　また、各ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報が有するユーザ情報は、そのｈｔｍｌ断片情報の所有者を示すものであってもよく、そのユーザ情報が示すユーザは、そのｈｔｍｌ断片情報に対して、子ｈｔｍｌ断片情報の生成や削除をすることができるものとしてもよい。

　また、各ｈｔｍｌ断片情報は、各情報端末装置を使用するユーザ毎に設定されたそのｈｔｍｌ断片情報が有する表示データに対するアクセス権（すなわち、表示データの生成や変更などが許可されているか否か）を示すアクセス権情報に許可されたユーザのみがアクセスすることができる。アクセス権情報によって、アクセス権が付与されたユーザは、そのｈｔｍｌ断片情報にアクセスして、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データやメタ情報の閲覧、その内容の変更や修正などを行うことができる。なお、親ｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権は、子ｈｔｍｌ断片情報にも継承される。すなわち、親ｈｔｍｌ断片情報のアクセス権情報で、アクセス権が付与されなかったユーザは、子ｈｔｍｌ断片情報に対してもアクセス権を有していない。また、親ｈｔｍｌ断片情報のアクセス権情報で、アクセス権が付与されたユーザは、子ｈｔｍｌ断片情報に対してもアクセス権を有していることとなる。

　図８Ａ～図８Ｃに、本実施形態におけるｈｔｍｌ断片情報の例を示す。図８Ａは、テキストデータを有するｈｔｍｌ断片情報がｈｔｍｌ文書として表現された例を示す図である。また、図８Ｂは、動画データを有するｈｔｍｌ断片情報がｈｔｍｌ文書として表現された例を示す図である。また、図８Ｃは、音声データを有するｈｔｍｌ断片情報がｈｔｍｌ文書として表現された例を示す図である。

　図８Ａでは、ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報として、表示装置１０の表示部１１に表示されるテキストデータの表示位置を示す位置情報や、このテキストデータを識別するための固有のデータＩＤ（データＩＤ情報）、このテキストデータの生成日時を示す生成日時情報、このテキストデータの内容が変更された最新の日時を示す更新日時情報、このテキストデータの所有者であるユーザを示すユーザ情報、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用しているユーザ毎に設定されたこのｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権（すなわち、ｈｔｍｌ断片情報が有するテキストデータの生成や変更などを許可するか否か）を示すアクセス権情報が記述され、さらに、表示装置１０の表示部１１に表示させるテキストデータが記述されている。

　また、図８Ｂでは、ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報として、表示装置１０の表示部１１に表示される動画データの表示位置を示す位置情報や、この動画データを識別するための固有のデータＩＤ（データＩＤ情報）、この動画データの所有者であるユーザを示すユーザ情報、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用しているユーザ毎に設定されたこのｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権を示すアクセス権情報が記述されている。さらに、<video/>タグ内には、この動画データを表示装置１０に送信するデータ回線４０を識別するための固有のストリームＩＤ（ｓｉｄ：通信経路識別情報）が記述されている。

　また、図８Ｃでは、ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報として、表示装置１０の表示部１１に表示される音声データの表示位置を示す位置情報や、この音声データを識別するための固有のデータＩＤ（データＩＤ情報）、この音声データの所有者であるユーザを示すユーザ情報、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用しているユーザ毎に設定されたこのｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権を示すアクセス権情報が記述されている。さらに、<audio/>タグ内には、この音声データを表示装置１０に送信するデータ回線４０を識別するための固有のストリームＩＤ（ｓｉｄ：通信経路識別情報）が記述されている。
＜電子会議システムの動作＞

　次に、本実施形態の電子会議システム１の具体的な動作について説明する。図９は、本発明の実施形態における電子会議システムが開設される手順を説明するための動作図である。ここでは、表示装置１０は、司会者端末装置２０１との間にＭＵＣ機能を利用した電子会議システム１を確立する。

　ステップＳ１０１では、電子会議システム１の司会者端末装置２０１が、表示装置１０に、仮想の会議室（チャットルーム）の開設を要求する旨を送信する。

　ステップＳ１０２では、表示装置１０が、司会者端末装置２０１から確かに要求を受け取った旨の通知を発行する。

　ステップＳ１０３では、司会者端末装置２０１が、表示装置１０へ仮想の会議室を開設するための設定情報を作成する旨を通知する。

　ステップＳ１０４では、表示装置１０が、司会者端末装置２０１へ設定情報を作成するためのデータフォーム情報を送信する。

　ステップＳ１０５では、司会者端末装置２０１が、表示装置１０から受信したデータフォーム情報に基づき、仮想の会議室を開設するための設定情報を作成し、作成した設定情報を表示装置１０へ送信する。

　ステップＳ１０６では、表示装置１０が、司会者端末装置２０１へ設定情報を確かに受け取った旨の通知を行う。

　このように、表示装置１０と司会者端末装置２０１との間に電子会議システム１が確立されることにより、情報端末装置２０を使用する複数のユーザが参加することができる仮想の会議室が開設される。

　次に、開設された仮想の会議室（電子会議システム１）にユーザ端末装置２０２が参加する手順について説明する。図１０は、本発明の実施形態における情報端末装置が電子会議システムに参加するための手順を説明するための動作図である。ここでは、たとえば、ユーザ端末装置２０２ａが、仮想の会議室（すなわち、電子会議システム１）に参加する手順を説明する。

　ステップＳ２０１において、ユーザ端末装置２０２ａは、ＸＭＰＰのプロトコル（通信規約）であるＸＥＰ－００３０（Ｓｅｒｖｉｃｅ　Ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ）を利用して、表示装置１０が開設した仮想の会議室（電子会議システム１）を検索する。これにより、ユーザ端末装置２０２ａは、表示装置１０により開設された仮想の会議室（電子会議システム１）を発見できる。

　ステップＳ２０２において、ユーザ端末装置２０２ａは、表示装置１０に仮想の会議室（電子会議システム１）へ入室する要求を行う。

　ステップＳ２０３では、表示装置１０は、ユーザ端末装置２０２ａに、入室を許可する旨の通知を送信する。

　そして、ステップＳ２０４において、表示装置１０は、既に仮想の会議室（電子会議システム１）に入室していた他の情報端末装置（司会者端末装置２０１及び他のユーザ端末装置２０２）へ新しい入室者があった旨の通知を送信する。

　上記のステップＳ２０１～２０４により、ユーザ端末装置２０２ａは、仮想の会議室（電子会議システム１）に入室することができ、表示装置１０や他の情報端末装置（司会者端末装置２０１及び他のユーザ端末装置２０２）とＸＭＰＰに準拠した通信を行うことができる。

　次に、電子会議システム１に参加している情報端末装置２０が、構造化表示情報を共有する手順を説明する。図１１は、本発明の実施形態における電子会議システムの構造化表示情報の初期設定を行う手順を説明するための動作図である。

　ステップＳ３０１では、前述のステップＳ１０１～Ｓ１０７において表示装置１０との間に仮想の会議室（電子会議システム１）を確立した司会者端末装置２０１は、電子会議システム１における議事などを表示装置１０の表示部１１に表示させるための構造化表示情報を作成する。なお、前述したように、ここで作成される構造化表示情報はｈｔｍｌ断片情報が構造的な相関（例えば、木構造など）を有して成っている。

　また、司会者端末装置２０１は、各ｈｔｍｌ断片情報に固有のデータＩＤ（すなわち、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データを識別するためのデータＩＤ）を付与する。このほか、司会者端末装置２０１は、各ｈｔｍｌ断片情報に対して、メタ情報として、前述のような属性情報、すなわち、ｈｔｍｌ断片情報が有する表示データの表示画面１１１上での表示位置を示す位置情報や、ｈｔｍｌ断片情報の所有者（owner）であるユーザを示すユーザ情報、各情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用しているユーザ毎に設定され、ｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権（すなわち、ｈｔｍｌ断片情報が有する情報の生成や変更などを許可するか否か）を示すアクセス権情報などを作成する。

　ステップＳ３０２では、司会者端末装置２０１が、作成した各ｈｔｍｌ断片情報を表示装置１０へ送信する。

　ステップＳ３０３では、表示装置１０が、受信した各ｈｔｍｌ断片情報の構文解析を行い、受信した各ｈｔｍｌ断片情報に対応するｈｔｍｌ断片情報を作成する。また、表示装置１０は、作成したｈｔｍｌ断片情報を識別するためのデータＩＤが、他のｈｔｍｌ断片情報のデータＩＤと重複がないことをチェックする。そして、表示装置１０は、各ｈｔｍｌ断片情報から構成される構造化された構造化表示情報を作成する。

　ステップＳ３０４では、さらに、表示装置１０は、作成した各ｈｔｍｌ断片情報が構造化されて成る構造化表示情報を、各情報端末装置（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）に送信する。

　ステップＳ３０５では、表示装置１０は、初期設定された構造化表示情報に基づいて、表示部１１に初期化画面を表示する。

　以上により、構造化表示情報の初期設定処理が終了し、表示装置１０の表示部１１に、構造化表示情報に基づき、初期化画面が表示される。

　次に、仮想の会議室（電子会議システム１）に提示されたテキストデータが、表示装置１０に表示されるまでの手順について説明する。ここでは、一例として、ユーザ端末装置２０２ａが仮想の会議室に提示する情報（発言など）が、表示装置１０に表示される手順について説明する。図１２は、本発明の実施形態における情報端末装置から提供されるテキストデータが表示装置の表示画面に表示される手順を説明するための動作図である。なお、初めに、ユーザ端末装置２０２ａのユーザは、たとえば、発言をすべき状態にあるもの、又は、司会者端末装置２０１のユーザからオフラインなどにて直接発言を許されているものとする。

　ステップＳ４０１では、司会者端末装置２０１は、ユーザ端末装置２０２ａが仮想の会議室（電子会議システム１）にて発言をするために必要な発言用ｈｔｍｌ断片情報を作成する。ここで、司会者端末装置２０１により作成された発言用ｈｔｍｌ断片情報が構造化表示情報に組み込まれることにより、発言者（この場合、ユーザ端末装置２０２ａ）が提示する発言（テキストデータ）を表示するための情報表示枠が、表示装置１０の表示部１１の表示画面１１１に設定されることとなる。

　また、司会者端末装置２０１は、端末制御部２４において、発言用ｈｔｍｌ断片情報が有するテキストデータを識別するための固有のデータＩＤを、他のｈｔｍｌ断片情報が有するテキストデータに対応するデータＩＤと重複しないように作成するとともに、表示装置１０の表示部１１に表示させる発言者（ユーザ端末装置２０２ａ）が提示する発言（データ）の表示位置を示す位置情報を作成する。さらに、司会者端末装置２０１は、発言用ｈｔｍｌ断片情報に格納されるデータの所有者であるユーザを示すユーザ情報や、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用するユーザ毎に設定され、発言用ｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権（すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報に格納されるデータの生成や変更などを許可する否か）を示すアクセス権情報なども作成し、それらをメタ情報として、発言用ｈｔｍｌ断片情報に付与する。の発言用ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報として、発言用ｈｔｍｌ断片情報に付与する。

　この発言用ｈｔｍｌ断片情報は、例えば、図８Ａのように記述される。なお、この時点では、発言用ｈｔｍｌ断片情報にテキストデータは格納されていない。

　ステップＳ４０２では、司会者端末装置２０１は、表示装置１０に、発言用ｈｔｍｌ断片情報を、ネットワーク３０ｅを介して送信する。このとき、データＩＤや、ユーザ情報、アクセス権情報、表示装置１０の表示部１１に表示されるテキストデータの表示位置を示す位置情報などのメタ情報も、ネットワーク３０ｅを介して表示装置１０に送信される。

　なお、この発言用ｈｔｍｌ断片情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルである。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、ユーザ端末装置２０２ａから表示装置１０に転送されるテキストデータに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤや、位置情報、アクセス権情報、ユーザ情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。

　ステップＳ４０３では、表示装置１０が発言用ｈｔｍｌ断片情報の構文解析を行い、構文が正しければ発言者（この場合、ユーザ端末装置２０２ａ）が発言可能とする情報表示枠を提供する。

　ステップＳ４０４では、さらに、表示装置１０は、各情報端末装置２０（司会者端末装置２０１及びユーザ端末装置２０２ａを含むユーザ端末装置２０２）に、Ｓ４０１にて作成されたデータＩＤを含む発言用ｈｔｍｌ断片情報を、ネットワーク３０を介して送信し、表示部１１の表示画面１１１に発言者が発言可能とする情報表示枠（ここでは、ユーザ端末装置２０２ａの情報表示枠）を提供したことを通知する。

　ステップＳ４０５では、ユーザ端末装置２０２ａが仮想の会議室（電子会議システム１）に提示する発言（テキストデータ）を端末入力部２５から入力する。ここで、端末入力部２５から入力されるテキストデータは、データＩＤで指定される発言用ｈｔｍｌ断片情報に格納されるデータである。そして、ユーザ端末装置２０２ａは、発言用ｈｔｍｌ断片情報に、端末入力部２５から入力されたテキストデータを加えるべく、発言用ｈｔｍｌ断片情報を編集する。

　ステップＳ４０６では、ユーザ端末装置２０２ａは、テキストデータを有する発言用ｈｔｍｌ断片情報を、ネットワーク３０ａを介して表示装置１０に送信する。なお、このとき、ユーザ端末装置２０２ａは、この発言用ｈｔｍｌ断片情報のデータＩＤ、ユーザ情報、アクセス権情報なども、この発言用ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報として、ネットワーク３０ａを介して表示装置１０に送信する。

　ステップＳ４０７では、表示装置１０は、ユーザ端末装置２０２ａから受信した発言用ｈｔｍｌ断片情報の構文解析を行うとともに、受信した発言用ｈｔｍｌ断片情報に基づいて、構造化表示情報を編集する。すなわち、表示装置１０は、アクセス権情報が示す発言用ｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権が付与されたユーザと、ユーザ情報が示すユーザとが一致するか否かを判定する。両者が一致した場合には、ユーザ端末装置２０２ａを使用しているユーザは、発言用ｈｔｍｌ断片情報に対してアクセス権（すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報が有するデータの生成や変更）が許可されていることとなるので、表示装置１０の制御部１４は、受信した発言用ｈｔｍｌ断片情報に基づいて、構造化表示情報を編集する。

　そして、ステップＳ４０８において、表示装置１０は、各情報端末装置２０（司会者端末装置２０１及びユーザ端末装置２０２ａを含むユーザ端末装置２０２）に、Ｓ４０７にて編集したデータＩＤ（データＩＤ情報）を含む発言用ｈｔｍｌ断片情報を、ネットワーク３０を介して送信し、この発言用ｈｔｍｌ断片情報を編集したことを通知する。

　そして、ステップＳ４０９において、表示装置１０は、編集した構造化表示情報に基づいて、仮想の会議室（電子会議システム１）における議事などを表示部１１に表示する。このとき、表示装置１０は、ユーザ情報とアクセス権情報と位置情報とに基づいて、データＩＤにより識別されるテキストデータを表示部１１に表示する。すなわち、表示装置１０は、データＩＤにより識別されるｈｔｍｌ断片情報に格納されているテキストデータを、位置情報が示す表示画面１１１上の表示位置に表示する。このようにすることにより、司会者端末装置２０１を使用しているユーザは、表示装置１０の表示部１１に表示されるテキストデータの表示位置を確実且つ簡便に管理することができる。

　次に、仮想の会議室（電子会議システム１）の参加者が動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを提示する場合について説明する。ここでは、一例として、ユーザ端末装置２０２ａが仮想の会議室に提示する参考資料（マルチメディアデータ）が、表示装置１０に表示される手順について説明する。図１３は、本発明の実施形態における情報端末装置から提供されるテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータが表示装置の表示画面に表示される手順を説明するための動作図である。なお、初めに、ユーザ端末装置２０２ａのユーザは、たとえば、データを提示すべき状態にあるもの、又は、司会者端末装置２０１のユーザからオフラインなどにて直接データの提示を許されているものとする。

　ステップＳ５０１では、司会者端末装置２０１は、ユーザ端末装置２０２ａが仮想の会議室（電子会議システム１）にて発言（データの提示）を行うために必要な発言用ｈｔｍｌ断片情報を作成する。ここで、司会者端末装置２０１により作成された発言用ｈｔｍｌ断片情報が構造化表示情報に組み込まれることにより、発言者（この場合、ユーザ端末装置２０２ａ）が提示する資料（マルチメディアデータ）を表示するための情報表示枠が、表示装置１０の表示部１１の表示画面１１１に設定されることとなる。

　また、司会者端末装置２０１は、端末制御部２４において、発言用ｈｔｍｌ断片情報が有するマルチメディアデータを識別するための固有のデータＩＤを、他のｈｔｍｌ断片情報が有するマルチメディアデータに対応するデータＩＤと重複しないように作成するとともに、表示装置１０の表示部１１に表示させる発言者（ユーザ端末装置２０２ａ）が提示する資料（マルチメディアデータ）の表示位置を示す位置情報を作成する。さらに、司会者端末装置２０１は、発言用ｈｔｍｌ断片情報に格納されるデータの所有者であるユーザを示すユーザ情報や、情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）を使用するユーザ毎に設定され、発言用ｈｔｍｌ断片情報に対するアクセス権（すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報に格納されるマルチメディアデータの生成や変更などを許可する否か）を示すアクセス権情報などを作成し、それらをメタ情報として、発言用ｈｔｍｌ断片情報に付与する。

　また、この発言用ｈｔｍｌ断片情報は、図８Ｂや図８Ｃのように、データＩＤや位置情報、ユーザ情報、アクセス権情報などのほか、ユーザ端末装置２０２ａが電子会議システム１に提示するマルチメディアデータを送信するためのデータ回線４０ａを識別するためのストリームＩＤ（ｓｉｄ、通信経路識別情報）が記述されている。例えば、動画データが提示される場合には図８Ｂのように<video/>タグが記述され、音声データが提示される場合には図８Ｃのように<audio/>タグが記述される。なお、このストリームＩＤを記述するタグは、データ回線４０ａを介して送信されるマルチメディアデータの種類に応じて拡張される。また、この時点では、ユーザ端末装置２０２ａと表示装置１０との間にデータ回線４０ａは開設されていないので、ストリームＩＤを記述するタグ（例えば、図８Ｂのような<video/>タグ、図８Ｃのような<audio/>タグ）にはストリームＩＤは記述されていない。

　ステップＳ５０２では、司会者端末装置２０１は、ネットワーク３０ｅを介して表示装置１０に、データＩＤや、ユーザ情報、アクセス権情報、表示装置１０の表示部１１に表示されるマルチメディアデータの表示位置を示す位置情報などのメタ情報を有する発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）を送信する。

　なお、この発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであってもよい。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、表示装置１０とユーザ端末装置２０２ａとの間に開設されたデータ回線４０ａを通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤや、位置情報、アクセス権情報、ユーザ情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。なお、メタ情報として、ＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報（データＩＤ情報、位置情報、アクセス権情報、ユーザ情報など）を利用することを拡張と呼んでいる。

　このように、この発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）がメタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであると、発言用ｈｔｍｌ断片情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報に含まれる各メタ情報（データＩＤ情報や位置情報、ユーザ情報、アクセス権情報など）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　ステップＳ５０３では、表示装置１０が発言用ｈｔｍｌ断片情報の構文解析を行い、構文が正しければユーザ端末装置２０２ａが提示する資料（マルチメディアデータ）の表示を可能とする情報表示枠を提供する。

　ここで、ステップＳ５０４において、発言用ｈｔｍｌ断片情報の構文解析の際に、ストリームＩＤを記述するタグ（たとえば、図８Ｂのような<video/>タグ、又は図８Ｃのような<audio/>タグなど）を発見すると、表示装置１０は、発言用ｈｔｍｌ断片情報のメタ情報に基づいて、ユーザ端末装置２０２ａから動画データや音声データなどのマルチメディアデータが送信されると判断し、ユーザ端末装置２０２ａとの間に、そのマルチメディアデータが転送されるデータ回線４０ａ（データ通信経路）を、ネットワーク３０ａとは別に開設するための設定を開始する。

　このデータ回線４０ａの設定及び開設は、ＸＭＰＰの応用プロトコルであるＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）などに準じて行われる。このとき、表示装置１０は、データ回線４０ａの設定を提案する側、すなわち、Ｊｉｎｇｌｅのイニシエータとなり、ユーザ端末装置２０２ａは、データ回線４０ａの設定の提案に対して同意又は拒否する側、すなわち、Ｊｉｎｇｌｅのレスポンダとなる。

　ステップＳ５０５では、表示装置１０は、ネットワーク３０ａを介してユーザ端末装置２０２ａに、マルチメディアデータを転送するデータ回線４０ａの開設を提案する旨を、送信する。

　ステップ５０６では、ユーザ端末装置２０２ａは、ネットワーク３０ａを介して表示装置１０に、その提案を確認した旨を送信する。

　そして、ステップ５０７において、表示端末１０とユーザ端末装置２０２ａとの間で、データ回線４０ａを開設するための設定内容についての交渉（ネゴシエーション）が、ＸＭＰＰの応用プロトコルであるＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）などに準じて行われる。なお、このネゴシエーションの際、データ回線４０を暗号化された回線として設定することもできる。また、このネゴシエーションの結果に応じて、ユーザ端末装置２０２ａは、データ回線４０ａの開設の提案に対して、同意するか拒否するかを判断する。本実施形態では、ネゴシエーションの結果、ユーザ端末装置２０２ａは、同意することを判断したものとする。

　ステップＳ５０８では、ユーザ端末装置２０２ａは、ネットワーク３０ａを介して表示装置１０に、データ回線４０ａの設定の提案に同意する旨を送信する。

　ステップＳ５０９では、表示装置１０は、ネットワーク３０ａを介してユーザ端末装置２０２ａに、提案の同意を確認した旨を送信する。そして、表示装置１０とユーザ端末装置２０２ａとの間に、図２のように、データを直接に転送することができる直通のデータ回線４０ａが開設される。

　なお、このデータ回線４０ａは、ネットワーク３０ａが通じている物理的な通信回線に開設される論理的な通信経路である。そのため、表示装置１０とユーザ端末装置２０２ａとの間に表示データを直接に送信する直通のデータ回線４０ａを開設するとき、ネットワーク３０ａとは別に物理的な通信回線を設ける必要がない。ここで、論理的な通信経路とは、物理的に見た通信回線が有する論理的に見た仮想の通信回線（論理回線）である。たとえば、物理的には通信回線が１本であっても、複数の論理回線を設定することができ、論理回線毎に異なったデータ通信を行うことができる。たとえば、ネットワーク３０ａとデータ回線４０ａとは、同一の物理的な通信回線を通じているが、異なる論理回線である。

　ステップＳ５１０では、表示装置１０は、ユーザ端末装置２０２ａとの間に開設するデータ回線４０ａを識別するためのストリームＩＤ（ｓｉｄ：通信経路識別情報）を、他の通信回線のストリームＩＤと重複しないように作成する。そして、ネットワーク３０を介して各情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）に、データＩＤやストリームＩＤをメタ情報として含む発言用ｈｔｍｌ断片情報（第２の情報）を送信して、発言者が提示する資料（マルチメディアデータ）を表示部１１の表示画面１１１に表示するための情報表示枠（ここでは、ユーザ端末装置２０２ａの情報表示枠）を提供したことを通知する。

　なお、この発言用ｈｔｍｌ断片情報（第２の情報）は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであってもよい。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、表示装置１０とユーザ端末装置２０２ａとの間に開設されたデータ通信経路を通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤ（データＩＤ情報）や、ストリームＩＤ（通信経路識別情報）などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。

　このように、この発言用ｈｔｍｌ断片情報（第２の情報）がメタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであると、発言用ｈｔｍｌ断片情報に含まれる各メタ情報（データＩＤやストリームＩＤなど）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報に含まれる各メタ情報（データＩＤやストリームＩＤなど）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　ステップＳ５１１では、ユーザ端末装置２０２ａは、仮想の会議室（電子会議システム１）に提示するマルチメディアデータを、ストリームＩＤによって指定されるデータ回線４０ａを介して表示装置１０に送信するための準備を行う。

　ステップＳ５１２では、ユーザ端末装置２０２ａは、ストリームＩＤによって特定されるデータ回線４０ａを介して表示装置１０に、マルチメディアデータを、ＸＭＰＰの応用プロトコルであるＪｉｎｇｌｅ（ＸＥＰ－０１６６）や、関連するＸＭＰＰの応用プロトコルであるＪｉｎｇｌｅ－ＲＴＰ（ＸＥＰ－０１６７）、Ｊｉｎｇｌｅ－ＵＤＰ（ＸＥＰ－０１７７）などの規約に準じて、ストリーミング方式で転送する。

　そして、ステップＳ５１３において、表示装置１０の制御部１４は、ストリームＩＤによって特定されるデータ回線４０ａからストリーミング方式で転送されてくるマルチメディアデータを、データＩＤによって、位置情報やユーザ情報、アクセス権情報などのメタ情報と関連付ける。また、このとき、表示装置１０の制御部１４は、アクセス権情報が示すアクセス権が付与されたユーザと、ユーザ情報が示すユーザとが一致するか否かを判定する。両者が一致した場合には、ユーザ端末装置２０２ａを使用しているユーザは、マルチメディアデータが格納される発言用ｈｔｍｌ断片情報に対してアクセス権（すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報が有するマルチメディアデータの生成や変更）が許可されていることとなる。従って、表示装置１０の制御部１４は、データ回線４０からストリーム転送されてくるマルチメディアデータを発言用ｈｔｍｌ断片情報に格納し、構造化表示情報を編集するとともに、データＩＤと位置情報とに基づいて、そのマルチメディアデータを、位置情報が示す表示部１１の表示画面１１１上の表示位置に表示する。従って、司会者端末装置２０１を使用しているユーザは、表示装置１０の表示部１１に表示されるマルチメディアデータの表示位置を確実且つ簡便に管理することができる。また、動画データや音声データなどのマルチメディアデータは、ストリーミング方式で転送されてくるので、転送されてきたマルチメディアデータを位置情報が示す表示部１１の表示画面１１１上の表示位置で順次再生することもできる。

　なお、上述のステップＳ５１２及びＳ５１３は、マルチメディアデータの転送が終了するまで繰り返し行われる。

　そして、ステップＳ５１４において、マルチメディアデータの転送が終了すると、表示装置１０とユーザ端末装置２０２ａとの間のデータ回線４０ａを閉じる処理が行われる。また、表示装置１０はＪｉｎｇｌｅイニシエータとしての役割を終了し、ユーザ端末装置２０２ａはＪｉｎｇｌｅレスポンダとしての役割を終了する。

　なお、上述の実施形態では、ユーザ端末装置２０２ａから表示装置１０の間に開設されるデータ回線４０ａから表示データが転送されるものとしたが、他の情報端末装置（たとえば、司会者端末装置２０１やユーザ端末装置２０２ｂ～２０２ｄ）についても同様の手順により、直通のデータ回線４０を開設して表示データを転送することができる。

　このように、上述の実施形態では、司会者端末装置２０１は、表示データを識別するためのデータＩＤ（データＩＤ情報）と、表示装置１０の表示部１１での表示データの表示位置を示す位置情報と、を有する発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）を、ネットワーク３０を介して表示装置１０に送信する。そして、表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間に、表示データが送信されるデータ回線４０（データ通信経路）がネットワーク３０とは別に開設される。また、表示装置１０は、データ回線４０を識別するためのストリームＩＤ（通信経路識別情報）と、データＩＤとを有する発言用ｈｔｍｌ断片情報（第２の情報）を、ネットワーク３０を介してユーザ端末装置２０２に送信する。ユーザ端末装置２０２は、表示データを、ストリームＩＤによって特定されるデータ回線４０を介して、表示装置１０に送信する。そして、表示装置１０は、ストリームＩＤとデータＩＤと位置情報とに基づいて、表示データを表示部１１に表示する。

　このように、ネットワーク３０とは別の専用のデータ回線４０を介して、表示データがユーザ端末装置２０２から表示装置１０に送信される。よって、ネットワーク３０を通じて送受信されるデータと、データ回線４０を通じて送信される表示データとが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置２０２から表示装置１０に、表示データを、簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、データ通信経路に動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータをストリーム転送するような場合であっても、そのマルチメディアデータのストリーミング転送が通信回線を占有し続けることなく、ネットワークでのデータの送受信と、データ通信経路でのマルチメディアデータのストリーム転送とを効率よく、正確に行うこともできる。また、表示装置１０は、ストリームＩＤによって特定したデータ回線４０から受信した表示データを、データＩＤによって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部１１の表示位置にその表示データを表示することができる。よって、表示装置１０は、専用のデータ回線４０を介して送信された表示データを、表示装置１０の表示部１１の表示画面１１１上で構造化して表示することができる。

　また、司会者端末装置２０１を使用しているユーザは、データＩＤと位置情報とによって、ユーザ端末装置２０２からネットワーク３０とは別の専用のデータ回線４０を介して表示装置１０に送信される表示データと、その表示データの表示装置１０の表示部１１での表示位置とを確実且つ簡便に管理することができる。また、ユーザ端末装置２０２からデータ回線４０を介して表示装置１０に、直接に、表示データが転送されるので、そのユーザ端末装置２０２や表示装置１０以外の端末装置によって、そのデータ回線４０が利用されたり、そのデータ回線４０を通じて送受信される表示データが取得或いは変更されたりされるおそれがなくなる。よって、データ回線４０を介したデータ転送のセキュリティ性をより高めることができる。

　また、上述の実施形態では、ユーザ端末装置２０２と表示装置１０との間に開設されるデータ回線４０は、表示データが送信される論理的な通信経路とすることができる。表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間に表示データを直接に送信する直通のデータ通信経路を開設するとき、ネットワーク３０とは別に物理的な通信回線を設ける必要がない。すなわち、ネットワーク３０が通じている物理的な通信回線に、ネットワーク３０とは別の新たな論理的な通信経路（論理回線）としてデータ回線４０を設けることにより、ネットワーク３０とは論理的に別回線となる論理回線を通じて表示データを送受信することができる。従って、ネットワーク３０を通じて送受信されるデータと、データ回線４０を通じて送信される表示データとが互いに干渉することがないので、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置２０２から表示装置１０に、表示データを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。

　また、上述の実施形態では、ユーザ端末装置２０２からネットワーク３０とは別の専用のデータ回線４０を介して表示装置１０に、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータが送信されるものとすることができる。よって、ネットワーク３０を通じて送受信されるデータ（テキストデータなど）と、データ回線４０を通じて送信される表示データ（テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータ）とが互いに伝送特性の異なる場合であっても互いに干渉することなく、データの転送速度やデータの受信間隔がばらつく転送揺らぎなどの発生を防止することができる。よって、ユーザ端末装置２０２から表示装置１０に、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを、さらに簡便且つ効率よく、正確に転送することができる。また、表示装置１０はストリームＩＤによって特定したデータ回線４０から受信したマルチメディアデータを、データＩＤによって、位置情報と関連付けることができ、さらに、位置情報が示す表示部１１の表示位置にそのマルチメディアデータを表示することができる。よって、表示装置１０は、専用のデータ回線４０を介して受信したマルチメディアデータを、表示部１１の表示画面１１１上で構造化して表示することができる。

　また、上述の実施形態では、司会者端末装置２０１からネットワーク３０を介して表示装置１０に送信される発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）は、複数の情報端末装置２０を使用するユーザ毎に設定され、表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報や、表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報を有するものとすることができる。よって、表示装置１０は、アクセス権情報又はユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置２０２と表示装置１０との間に、表示データが送信される直通のデータ回線４０を開設することができる。従って、表示装置１０と各情報端末装置２０との間で情報を共有するためにメッシュ状の通信経路網をはる必要がなく、必要に応じて、表示装置１０と表示データを送信するユーザ端末装置２０２との間に直通のデータ回線４０を開設するのみでよい。また、表示装置１０は、そのデータ回線４０から受信した表示データをデータＩＤによって、位置情報と関連付けることができ、位置情報が示す表示部１１の表示位置にその表示データを表示することができる。また、司会者端末装置２０１は、表示装置１０に送信したアクセス権情報或いはユーザ情報によって、データ回線４０を開設すべきユーザ端末装置２０２を表示装置１０に示すことができるので、表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間のデータ回線４０の開設をコントロールすることができる。

　また、上述の実施形態では、司会者端末装置２０１は、データＩＤと、位置情報と、複数の情報端末装置２０を使用するユーザ毎に設定され、表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）を、ネットワーク３０を介して表示装置１０に送信し、表示装置１０は、ストリームＩＤとデータＩＤと位置情報とユーザ情報とアクセス権情報とに基づいて、表示データを、表示部１１に表示するものとすることができる。従って、表示装置１０は、ストリームＩＤによって識別されるデータ回線４０から受信した表示データを、データＩＤによって、司会者端末装置２０１から受信したユーザ情報、アクセス権情報、及び位置情報と関連付けることができ、ユーザ情報とアクセス権情報とに基づいて、データＩＤにより識別される表示データを表示するか否かを判断して、その表示データを位置情報が示す表示部１１の表示位置に表示することができる。従って、ユーザ端末装置２０２から転送される表示データはデータＩＤによって管理されるとともに、その表示データに対して、情報端末装置２０を使用している複数のユーザそれぞれに設定されたアクセス権（すなわち、その表示データの生成や変更が許可されているか否か）に応じて、表示装置１０の表示部１１に表示される各表示データがコントロールされる。よって、複数のユーザ間でそれぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションが可能となる。

　また、上述の実施形態では、表示装置１０は、アクセス権情報が示す表示データの生成と変更とが許可されたユーザと、ユーザ情報が示すユーザとが一致するとき、ストリームＩＤとデータＩＤと位置情報とに基づいて、表示データを表示部１１に表示するものとすることができる。従って、表示装置１０は、データＩＤにより識別される表示データの所有者であるユーザと、その表示データに対するアクセス権（すなわち、その表示データの生成や変更が許可されているか否か）を有するユーザとが一致した場合のみ、その表示データを表示部１１に表示することができる。すなわち、表示装置１０は、ストリームＩＤによって特定されるデータ回線４０から受信した表示データをデータＩＤにより特定し、特定した表示データを位置情報が示す表示部１１での表示位置に表示する。よって、複数のユーザ間でそれぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションが可能となる。

　また、上述の実施形態では、複数のユーザが参加する電子会議での通信方法とすることができる。従って、仮想の会議室（すなわち、電子会議システム１）にて提示される各発言（表示データ）をデータＩＤによって確実且つ容易に管理することができるとともに、仮想の会議室に参加している複数の参加者（ユーザ）それぞれに設定されたアクセス権（すなわち、その発言（表示データ）の提示や修正が許可されているか否か）に応じて、仮想の会議室に提示される発言（表示データ）をコントロールすることができる、よって、仮想の会議室に参加している複数のユーザは、それぞれのアクセス権に応じた円滑なコミュニケーションを可能とすることができる。

　また、上述の実施形態では、表示装置１０と複数の情報端末装置２０とが、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うことができる。従って、表示装置１０と複数の情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）との間でリアルタイムなメッセージング（情報交換）をすることができるとともに、データＩＤにより、ＸＭＰＰによりメッセージングされるデータと表示装置１０の表示部１１に表示される表示データとを簡便且つ確実に対応付けることができる。

　また、上述の実施形態では、表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間のデータ回線４０の開設、及び、ユーザ端末装置２０２から表示装置１０へのデータ回線４０を介したマルチメディアデータの送信は、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて行われるものとすることができる。従って、表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間のネットワーク３０にＮＡＴ（Network　Address　Translation）やファイヤウォールが配置されている場合であっても、マルチメディアデータはネットワーク３０とは別のデータ通信経路を介して送信されるので、データ転送が遮断されるなどの影響を受けることなく、データ回線４０を介して確実に表示データの転送が行われる。

　また、上述の実施形態では、発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報、及び第２の情報）は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであるものとすることができる。ここで、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルとは、ＸＭＰＰに準拠した通信に適合するｈｔｍｌにて表現し得る形式のデータであり、表示装置１０とユーザ端末装置２０２との間に開設されたデータ通信経路を通じて転送される表示データに関連する情報（属性情報）であるメタ情報を含んでいる。メタ情報としては、データＩＤや、位置情報、ストリームＩＤ、アクセス権情報、ユーザ情報などのＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報が含まれる。このように、メタ情報として、ＸＭＰＰによるメッセージングに対応する属性情報（たとえば、データＩＤ、位置情報、ストリームＩＤ、アクセス権情報、ユーザ情報など）を利用することを拡張と呼んでいる。このような構成とすることによって、発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報、及び第２の情報）に含まれる各メタ情報（たとえば、データＩＤや位置情報、ストリームＩＤ、ユーザ情報、アクセス権情報など）を、Ｗｅｂブラウザで利用されているｈｔｍｌ形式での記述にマッピングすることができる。すなわち、発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報、及び第２の情報）に含まれる各メタ情報（データＩＤや位置情報、ストリームＩＤ、ユーザ情報、アクセス権情報など）とｈｔｍｌの表示要素とを対応付けることができる。よって、ＸＭＰＰによるメッセージングとＷｅｂやｈｔｍｌとを結びつけることができる。

　また、上述の実施形態では、司会者端末装置２０１からネットワーク３０を介して表示装置１０に送信される発言用ｈｔｍｌ断片情報（第１の情報）、及び、表示装置１０からネットワーク３０を介してユーザ端末装置２０２に送信される発言用ｈｔｍｌ断片情報（第２の情報）は、表示装置１０の表示部１１に表示を行うための構造化表示情報（表示情報）を構成する断片情報であるものとすることができる。従って、例えば、複数の情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）が、表示装置１０の表示部１１に表示を行うための構造化表示情報が有する一部の情報を変更しようとするとき、変更された情報を有する断片情報のみを送信すれば、表示装置１０は、受信した断片情報に基づいて表示部１１に表示を行うための構造化表示情報を修正することができる。すなわち、構造化表示情報全体を送信する必要がない。従って、表示装置１０と複数の情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）との間で送受信される情報をより軽量なものとすることができるので、通信に要する時間を短縮することができるとともに、表示装置１０と複数の情報端末装置２０（司会者端末装置２０１、ユーザ端末装置２０２）との間のネットワーク３０にかかる負担を大幅に低減することができる。よって、通信に参加している複数のユーザは、より利便性のよい通信を行うことができる。

　以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形例は可能であることは、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

　たとえば、上述の実施形態では、ネットワーク３０とは別のデータ回線４０（データ通信経路）は、動画データや音声データなどのテキスト形式以外の形式のマルチメディアデータを送信するものとしたが、テキスト形式のデータを送信することもできる。

　また、上述の実施形態では、構造化表示情報（表示情報）には、ｈｔｍｌの描画機構を利用しているものとしたが、構造化表示情報としてＤＯＭ（Document　Object　Model）を利用してもよい。なおＤＯＭとは、ｈｔｍｌとＸＭＬ（eXtensible　Markup　Language）などのための標準化されたＡＰＩ（Application　Program　Interface）である。

　また、上述の実施形態では、表示装置１０と複数の情報端末装置２０とがＸＭＰＰに準拠した通信を行う構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。ＸＭＰＰに類似するプロトコル（通信規約）に準拠した通信を行うものとしてもよい。

　なお、上述の実施形態では、表示データ（マルチメディアデータ）を転送するデータ回線４０の開設、及び表示データ（マルチメディアデータ）の送信は、ＸＭＰＰのプロトコルであるＪｉｎｇｌｅ（ＸＥＰ－０１６６）や、Ｊｉｎｇｌｅ－ＲＴＰ（ＸＥＰ－０１６７）、Ｊｉｎｇｌｅ－ＵＤＰ（ＸＥＰ－０１７７）のうちの少なくともいずれかの規約に従うものとしたが、これに限定するものではない。２つの通信可能な端末装置の間にデータを送受信する通信経路を確立するための通信規約であれば利用できる。

　また、上述の実施形態において、構造化表示情報に基づく表示を行う表示装置１０は、複数あり、それぞれ遠隔地にあるものとしてもよい。この場合、各表示装置は、同一の構造化表示情報を共有していればよい。たとえば、各表示装置１０は、ＸＭＰＰの応用プロトコル（通信規約）であるＸＥＰ－００６０（Ｐｕｂｌｉｓｈ－Ｓｕｂｓｃｒｉｂｅ）に準拠して、構造化表示情報を共有することができる。このように、遠隔地にある各表示装置が共有スクリーンをシェアしているような場合では、各表示装置のある地点の情報端末装置２０も電子会議システム１に参加することができる。

　本発明は、例えば、家庭や職場、学校などのコミュニティ内で自由に情報の書込／読込及び閲覧が可能な複数の人がリアルタイムに会話することができるチャットシステムや複数のユーザが仮想の会議室において議論や意見の提示をすることができる電子会議システムなどに利用することができる。

　１　　　　電子会議システム（マルチユーザ通信システム）
　１０　　　表示装置
　１１　　　　表示部
　１１１　　　　表示画面
　１２　　　　通信部
　１３　　　　記憶部
　１４　　　　制御部
　２０　　　情報端末装置
　２０１　　　司会者端末装置
　２０２、２０２ａ、２０２ｂ、２０２ｃ、２０２ｄ　ユーザ端末装置
　２１　　　　　端末表示部（表示部）
　２２　　　　　端末通信部（通信部）
　２３　　　　　端末記憶部（記憶部）
　２４　　　　　端末制御部（制御部）
　２５　　　　　端末入力部（入力部）
　３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ、３０ｄ、３０ｅ　ネットワーク
　４０、４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、４０ｄ、４０ｅ　データ回線（データ通信経路）

Claims

　複数のユーザが参加し、前記複数のユーザが使用する各情報端末装置から表示装置に送信される表示データが前記表示装置の表示部にて表示される通信方法において、
　前記情報端末装置は、前記表示データを前記表示装置に送信するユーザ端末装置と、前記表示データを管理する司会者端末装置と、を有し、
　前記司会者端末装置は、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記表示部での前記表示データの表示位置を示す位置情報と、を有する第１の情報を、ネットワークを介して前記表示装置に送信し、
　前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信されるデータ通信経路が開設され、
　前記表示装置は、前記データ通信経路を識別するための通信経路識別情報と、前記データＩＤ情報とを有する第２の情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置に送信し、
　前記ユーザ端末装置は、前記表示データを、前記通信経路識別情報によって特定される前記データ通信経路を介して前記表示装置に送信し、
　前記表示装置は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記表示データを前記表示部に表示することを特徴とする通信方法。
　前記データ通信経路は、前記表示データが送信される論理的な通信経路であることを特徴とする請求項１に記載の通信方法。
　前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　前記司会者端末装置は、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報とを有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して前記表示装置に送信し、
　前記表示装置と、前記アクセス権情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路が開設されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　前記司会者端末装置は、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して前記表示装置に送信し、
　前記表示装置と、前記ユーザ情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路が開設されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　前記司会者端末装置は、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して前記表示装置に送信し、
　前記表示装置は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報と前記ユーザ情報と前記アクセス権情報とに基づいて、前記表示データを前記表示部に表示することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　前記表示装置は、
　前記アクセス権情報が示す前記表示データの生成と変更とが許可されたユーザと、前記ユーザ情報が示すユーザとが一致するとき、
　前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記表示データを前記表示部に表示することを特徴とする請求項６に記載の通信方法。
　前記複数のユーザが参加する電子会議での通信方法であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　前記表示装置と前記情報端末装置とが、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間の前記データ通信経路の開設、及び、前記ユーザ端末装置から前記表示装置への前記データ通信経路を介した前記表示データの送信は、ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて行われることを特徴とする請求項９に記載の通信方法。
　前記第１の情報、及び前記第２の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであることを特徴とする請求項９に記載の通信方法。
　前記第１の情報、及び前記第２の情報は、前記表示装置の前記表示部に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の通信方法。
　表示データを表示する表示部と、
　前記表示データを管理する司会者端末装置及び前記表示データを送信するユーザ端末装置を有する複数の情報端末装置とネットワークを介して通信を行う通信部と、
　前記通信部が、前記司会者端末装置から前記ネットワークを介して、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記表示部での前記表示データの表示位置を示す位置情報と、を有する第１の情報を受信すると、前記ユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信されるデータ通信経路を開設する制御部と、
を備え、
　前記通信部は、前記データ通信経路を識別するための通信経路識別情報と、前記データＩＤ情報と、を有する第２の情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置に送信し、
　前記表示部は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記ユーザ端末装置から前記通信経路識別情報によって特定される前記データ通信経路を介して前記通信部が受信する前記表示データを表示することを特徴とする表示装置。
　前記データ通信経路は、前記ユーザ端末装置から前記表示データが送信される論理的な通信経路であることを特徴とする請求項１３に記載の表示装置。
　前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであることを特徴とする請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置。
　前記通信部が、前記司会者端末装置から、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して受信すると、
　前記制御部は、前記アクセス権情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路を開設することを特徴とする請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置。
　前記通信部が、前記司会者端末装置から、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を、前記ネットワークを介して受信すると、
　前記制御部は、前記ユーザ権情報が示すユーザが使用するユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信される前記データ通信経路を開設することを特徴とする請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置。
　前記通信部は、前記司会者端末装置から前記ネットワークを介して、前記データＩＤ情報と、前記位置情報と、前記複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報と、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報と、を有する前記第１の情報を受信し、
　前記表示部は、前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報と前記ユーザ情報と前記アクセス権情報とに基づいて、前記表示データを表示することを特徴とする請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置。
　前記表示部は、
　前記アクセス権情報が示す前記表示データの生成と変更とが許可されたユーザと、前記ユーザ情報が示すユーザとが一致するとき、
　前記通信経路識別情報と前記データＩＤ情報と前記位置情報とに基づいて、前記表示データを表示することを特徴とする請求項１８に記載の表示装置。
　前記複数の情報端末装置と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うことを特徴とする請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置。
　ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて、
　前記制御部は、前記ユーザ端末装置との間に前記データ通信経路を開設し、
　前記通信部は、前記ユーザ端末装置から前記データ通信経路を介して、前記表示データを受信することを特徴とする請求項２０に記載の表示装置。
　前記第１の情報、及び前記第２の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであることを特徴とする請求項２０に記載の表示装置。
　前記第１の情報、及び前記第２の情報は、前記表示部に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であることを特徴とする請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置。
　表示装置に表示する表示データを送信するデータ通信経路を、前記表示装置との間に開設する制御部と、
　前記表示装置からネットワークを介して、前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記データ通信経路を識別するための通信経路識別情報とを有する第２の情報を受信すると、前記データ通信経路を介して、前記表示データを前記表示装置に送信する通信部と、
を備えることを特徴とするユーザ端末装置。
　前記データ通信経路は、前記表示装置に表示する前記表示データを送信する論理的な通信経路であることを特徴とする請求項２４に記載のユーザ端末装置。
　前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであることを特徴とする請求項２４又は請求項２５に記載のユーザ端末装置。
　前記表示装置と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うことを特徴とする請求項２４又は請求項２５に記載のユーザ端末装置。
　ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて、
　前記制御部は、前記表示装置との間に、前記通信経路識別情報によって特定される前記データ通信経路を開設し、
　前記通信部は、前記データ通信経路を介して、前記表示データを前記表示装置に送信することを特徴とする請求項２７に記載のユーザ端末装置。
　前記第２の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであることを特徴とする請求項２７に記載のユーザ端末装置。
　前記第２の情報は、前記表示装置に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であることを特徴とする請求項２４又は請求項２５に記載のユーザ端末装置。
　請求項２４又は請求項２５に記載のユーザ端末装置から請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置に送信される表示データを管理する司会者端末装置において、
　前記表示データを識別するためのデータＩＤ情報と、前記表示装置の表示部での前記表示データの表示位置を示す位置情報と、を生成する制御部と、
　前記表示装置にネットワークを介して、前記データＩＤ情報と前記位置情報とを有する第１の情報を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする司会者端末装置。
　前記制御部は、前記表示装置と通信する複数の情報端末装置を使用するユーザ毎に設定され、前記表示データの生成と変更とを許可する否かを示すアクセス権情報を生成し、
　前記第１の情報は、さらに、前記アクセス権情報を有することを特徴とする請求項３１に記載の司会者端末装置。
　前記制御部は、前記表示データの所有者であるユーザを示すユーザ情報を生成し、
　前記第１の情報は、さらに、前記ユーザ情報を有することを特徴とする請求項３１に記載の司会者端末装置。
　前記表示装置と、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うことを特徴とする請求項３１に記載の司会者端末装置。
　前記第１の情報は、メタ情報を拡張したｈｔｍｌファイルであることを特徴とする請求項３４に記載の司会者端末装置。
　前記第１の情報は、前記表示装置の前記表示部に表示を行うための表示情報を構成する断片情報であることを特徴とする請求項３１に記載の司会者端末装置。
　複数のユーザが参加し、前記複数のユーザが使用する各情報端末装置から請求項１３又は請求項１４に記載の表示装置に送信される表示データが、前記表示装置にて表示されるマルチユーザ通信システムであって、
　前記情報端末装置は、請求項２４又は請求項２５に記載のユーザ端末装置と、請求項３１に記載の司会者端末装置とを有することを特徴とするマルチユーザ通信システム。
　前記表示データは、テキスト形式以外の形式のマルチメディアデータであることを特徴とする請求項３７に記載のマルチユーザ通信システム。
　電子会議システムであることを特徴とする請求項３７に記載のマルチユーザ通信システム。
　前記表示装置と前記情報端末装置とが、ＸＭＰＰに準拠した通信を行うことを特徴とする請求項３７に記載のマルチユーザ通信システム。
　ＸＭＰＰのＸＥＰ－０１６６（Ｊｉｎｇｌｅ）、ＸＥＰ－０１６７（Ｊｉｎｇｌｅ　ＲＴＰ　Ｓｅｓｓｉｏｎｓ）、ＸＥＰ－０１７７（Ｊｉｎｇｌｅ　Ｒａｗ　ＵＤＰ　Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）のうちの少なくともいずれかの規約に準じて、
　前記表示装置と前記ユーザ端末装置との間に、前記表示データが送信されるデータ通信経路が開設されるとともに、
　前記ユーザ端末装置から前記データ通信経路を介して前記表示装置に、前記表示データが送信されることを特徴とする請求項４０に記載のマルチユーザ通信システム。