WO2012008164A1

WO2012008164A1 - ノイズ除去装置、ノイズ除去方法及びそのノイズ除去装置を用いた車載ディスプレイ装置

Info

Publication number: WO2012008164A1
Application number: PCT/JP2011/004033
Authority: WO
Inventors: 鋭丹波; 篤生向永; 洋介坂本
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2010-07-16
Filing date: 2011-07-14
Publication date: 2012-01-19

Abstract

　ノイズ除去装置は、入力信号に含まれるパルス信号を検出する入力信号検出部と、パルス信号におけるパルスごとにパルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録する入力信号情報作成部と、パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する仮周期確定部と、仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する周期確定部と、周期確定値に含まれるノイズ数を算出するノイズ算出部と、周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、入力信号に含まれるパルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正するノイズ除去部と、を有する。

Description

ノイズ除去装置、ノイズ除去方法及びそのノイズ除去装置を用いた車載ディスプレイ装置

　本発明は、ノイズ除去装置、ノイズ除去方法及びそのノイズ除去装置を用いた車載ディスプレイ装置に関する。更に詳しくは、一定の周期と振幅を持ったパルス信号に混入した、ノイズを除去する装置、方法及びそのノイズ除去装置を用いた車載ディスプレイ装置に関する。

　従来、パルス性の信号を検出する回路において、信号中より周期性のあるパルス信号を除く他のパルス性雑音を除去する雑音除去回路を具備したものがある（例えば、特許文献１参照）。

　上記した従来の雑音除去回路は、周期性検出回路を備えている。周期性検出回路は、パルス性信号の周波数データ、パルス長データ、パルス立下り時間を検出して記憶・蓄積し、新たに検出されたパルス性信号との比較を行なう。この比較結果に基づいてフィルタオン‐オフ信号と周期パルス信号の周波数データを出力する。そして、フィルタオン‐オフ信号がオン状態のときのみ周波数データを中心とするバンドパスフィルタを形成することで、周期性のあるパルス信号を除く他のパルス性雑音を除去している。

　しかしながら、上記した従来の雑音除去回路では、所望のパルス信号に特定の周波数をもったノイズが混入した場合に、ノイズの周波数を中心としたバンドパスフィルタが形成されてしまうことがある。そして、ノイズがバンドパスフィルタを通過することにより、正しい周期でフィルタオン－オフ信号を出力できないという課題があった。

特開平２－１０９４２８号公報

　本発明のノイズ除去装置は、入力信号検出部と入力信号情報作成部と仮周期確定部と周期確定部とノイズ算出部とノイズ除去部とを有する。入力信号検出部は、入力信号に含まれるパルス信号を検出する。入力信号情報作成部は、パルス信号におけるパルスごとに、パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録する。仮周期確定部は、パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する。周期確定部は、仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する。ノイズ算出部は、周期確定値に含まれるノイズ数を算出する。ノイズ除去部は、周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、入力信号に含まれるパルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正する。

　このような構成により、本発明のノイズ除去装置は、入力されたパルス信号に、所定のパルス幅を有するノイズが混入した場合でも、ノイズのパルス幅が入力されたパルス信号よりも小さい場合は、ノイズと判定することができ、ノイズを除去することができる。

　また、本発明のノイズ除去方法は、入力信号検出部において、入力信号に含まれるパルス信号を検出する。そして、入力信号情報作成部において、パルス信号におけるパルスごとに、パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録する。そして、仮周期確定部において、パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する。また、周期確定部において、仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する。そして、ノイズ算出部において、周期確定値に含まれるノイズ数を算出する。そして、ノイズ除去部において、周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、入力信号に含まれるパルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正する。

　また、本発明のノイズ除去装置を用いた車載ディスプレイ装置は、イルミ検出部とノイズ除去装置とノイズ除去装置とデューティ確定部と映像・画質制御部と表示デバイスとを備えている。イルミ検出部は、イルミネーション信号を検出する。ノイズ除去装置は、イルミネーション制御信号に対して、混入したノイズを除去する。デューティ確定部は、ノイズの除去されたイルミネーション制御信号のデューティを検出する。映像・画質制御部は、イルミ検出部が出力するイルミネーション信号の状態信号とノイズ除去装置が出力する混入したノイズを除去したイルミネーション制御信号を入力する。表示デバイスは、映像・画質制御部が出力する信号に基づいて映像を表示する。

　また、ノイズ除去装置は、入力信号検出部と入力信号情報作成部と仮周期確定部と周期確定部とノイズ算出部とノイズ除去部とを有する。入力信号検出部は、入力信号に含まれるパルス信号を検出する。入力信号情報作成部は、パルス信号におけるパルスの区間ごとに、パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録する。仮周期確定部は、パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する。周期確定部は、仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する。ノイズ算出部は、周期確定値に含まれるノイズ数を算出する。ノイズ除去部は、周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、入力信号に含まれるパルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正する。

図１は、本発明の実施の形態１に係るノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。図２Ａは、本発明の実施の形態１に係るノイズ除去前の入力信号波形を表す図である。図２Ｂは、本発明の実施の形態１に係る入力信号情報を表す図である。図３は、本発明の実施の形態１に係る仮周期確定部及び周期確定部の処理を示すフローチャートである。図４は、本発明の実施の形態１に係る仮周期確定部及び周期確定部の処理を示す図である。図５Ａは、本発明の実施の形態１に係るノイズ算出部およびノイズ除去部の処理を示す図である。図５Ｂは、本発明の実施の形態１に係るノイズ算出部およびノイズ除去部の処理を示す図である。図６は、本発明の実施の形態１におけるノイズ除去後の入力信号波形図である。図７は、本発明の実施の形態１に係るノイズ除去装置が適用される車載ディスプレイ装置のブロック図である。図８は、周期の誤検出が発生する場合の入力信号波形例を示した図である。図９は、本発明の実施の形態２に係るノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。図１０Ａは、本発明の実施の形態２に係る仮周期確定部から周期更新部に至るまでの処理を示すフローチャートである。図１０Ｂは、本発明の実施の形態２に係る仮周期確定部から周期更新部に至るまでの処理を示すフローチャートである。図１１は、本発明の実施の形態２に係るノイズ除去後の入力信号波形および周期所定値の更新の様子を表す図である。

　（実施の形態１）
　図１は、本発明の実施の形態１に係るノイズ除去装置１００の構成を示すブロック図である。

　ノイズ除去装置１００は、入力信号検出部１０１と、入力信号情報作成部１０２と、仮周期確定部１０３ａと、周期確定部１０３と、ノイズ算出部１０４と、ノイズ除去部１０５から構成される。

　入力信号検出部１０１は、入力された入力信号に含まれるパルス信号を検出する。入力信号情報作成部１０２は、検出されたパルス信号のパルスの区間ごとに、パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを対応づけた入力信号情報を作成し、記録する。仮周期確定部１０３ａは、入力信号情報作成部１０２にて作成された入力信号情報に基づいて、お互いに隣り合うパルス信号のパルス幅を加算する。その際、パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する。

　周期確定部１０３は、仮周期と周期所定値を比較して、その比較結果に基づいて周期確定値を確定する。ここで、周期所定値とは、入力信号の周期の長さの候補値である。また、周期確定値とは、入力された入力信号に含まれるパルス信号が有する周期を表し、ノイズによって影響されない実際の周期を表す。なお、仮周期と周期所定値との比較結果に基づいて、周期確定値を確定する処理については後述する。

　ノイズ算出部１０４は、周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性の合計数に基づいて、周期確定値に含まれるノイズ数を算出する。ノイズ除去部１０５は、周期確定値に含まれるパルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させる。そして、周期確定値に含まれるノイズを除去して、入力信号に含まれるパルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正する。補正されたパルス信号は、ノイズが除去され、実際の周期を有する信号として出力される。

　次に、図１から図６を用いてノイズ除去装置１００の処理を説明する。まず、図１において、入力信号検出部１０１は、入力信号に含まれるパルス信号を検出する。次に、入力信号情報作成部１０２は、パルス信号の立ち上がりおよび立ち下がりエッジ（以下単にエッジともいう）ごとに、パルス信号のパルス幅と極性とを入力信号情報として作成し、記憶する。

　図２Ａは、本発明の実施の形態１に係るノイズ除去前の入力信号波形を表す図である。図２Ｂは、本発明の実施の形態１に係る入力信号情報を表す図である。例えば、パルス信号が図２Ａに表した波形である場合、入力信号情報作成部１０２が記憶する入力信号情報は図２Ｂのようになる。すなわち、入力信号情報は、パルス信号のパルスの区間（図２では、パルス幅と記載）ごとに、区間の長さとその出力レベルがハイレベルかローレベルかの極性とを対応付けて記憶する。図２Ｂにおいて、「Ｈｉ」はハイレベルを、「Ｌｏ」はローレベルをそれぞれ表す。

　次に、仮周期確定部１０３ａ及び周期確定部１０３における処理の流れを、図３を用いて説明する。図３は、本発明の実施の形態１に係る仮周期確定部１０３ａ及び周期確定部１０３の処理を示すフローチャートである。

　まず、処理開始時にパルス幅加算値を０とする（ステップＳ３００）。パルス幅加算値とは、ある測定区間内のパルス幅の総和である。仮周期確定部１０３ａは、パルス信号の所定のエッジを起点として、引き続くハイレベル区間１個とローレベル区間１個の組み合わせのパルス幅を加えた値を、パルス幅加算値に加算する（ステップＳ３０１）。

　次に、パルス幅加算値と周期所定値の大小を比較する（ステップＳ３０２）。周期所定値は事前に与えられる周期の候補値であり、設計上およそこの周期所定値のような周期で入力信号が入ってくると想定される値である。ここで、パルス幅加算値が周期所定値より小さい場合（ステップＳ３０２で「ＹＥＳ」）、パルス幅加算値を周期最近値として保存する（ステップＳ３０３）。そして、パルス幅を加算する起点を、さらに引き続く次のハイレベル区間とローレベル区間の組み合わせに変更する（ステップＳ３０４）。このようにして、ステップＳ３０１からステップＳ３０４の処理を繰り返す。

　上記したようにしてパルス幅加算を繰り返し、パルス幅加算値が周期所定値以上になった場合（ステップＳ３０２で「ＮＯ」）、周期最近値を第一仮周期とし、パルス幅加算値を第二仮周期とする。ここで、第一仮周期は、周期所定値より小さい区間の長さを持つ仮周期である。また、第二仮周期は、第一仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、周期所定値より大きい区間の長さを持つ仮周期である。

　次に、周期確定部１０３は、パルス幅加算値（第二仮周期）と周期最近値（第一仮周期）のどちらが周期所定値に近いかを比較する（ステップＳ３０５）。ここで、パルス幅加算値の方が周期最近値より周期所定値に近い場合（ステップＳ３０５で「ＹＥＳ」）、パルス幅加算値を入力信号の周期確定値として確定する（ステップＳ３０６）。また、周期最近値の方がパルス幅最近値より周期所定値に近い場合（ステップＳ３０５で「ＮＯ」）、周期最近値を入力信号の周期確定値として確定する（ステップＳ３０７）。すなわち、周期確定部１０３は、第一仮周期と第二仮周期とを比較して周期所定値に近いほうの第一仮周期または第二仮周期のいずれか一方を周期確定値として確定する。なお、ステップＳ３０５に示すように、パルス幅加算値と周期所定値の差が周期最近値と周期所定値の差と等しい場合（ステップＳ３０５で「ＮＯ」）、周期最近値を入力信号の周期確定値として確定する（ステップＳ３０７）。

　以上の処理によって、入力信号から想定されうる周期のうちもっとも確からしい周期を、周期所定値との乖離値の大きさに応じて求めることを行う。

　なお、周期所定値は、設計上およそこの周期所定値のような周期で入力信号が入ってくると想定される値を設定すればよい。例えば、周期所定値は、周期のセンター値のような予め定められた規定値であっても、規定値に対して実測値で補正した値であってもよい。

　また、周期の最小値が既知であるとして、パルス幅加算値が最小値より小さければ、ステップＳ３０１の後、ステップＳ３０２およびステップＳ３０３を省略してＳ３０４に進むようにしてもよい。同様に、周期の最大値が既知であるとして、パルス幅加算値が最大値より大きければ、ステップＳ３０１の後、保存されている周期最近値を周期確定値として確定してもよい。

　図４は、本発明の実施の形態１に係る仮周期確定部１０３ａ及び周期確定部１０３の処理を示す図である。仮周期確定部１０３ａ及び周期確定部１０３における処理によると、例えば、図２Ａの入力信号の場合、図４に示す通り、時間Ａ～時間Ｃ（Ｔ１＋Ｔ２）、時間Ａ～時間Ｅ（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４）、時間Ａ～時間Ｇ（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４＋Ｔ５＋Ｔ６）の区間のうち、時間Ａ～時間Ｅの期間が周期所定値Ｔｔｙｐに最も近くなるので、時間Ａ～時間Ｅの期間（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４）が入力信号の周期確定値Ｔｆｉｘとなる。

　周期確定値Ｔｆｉｘが確定すれば、次に、ノイズ算出部１０４が、周期確定部１０３にて求めた周期確定値Ｔｆｉｘの中に含まれるハイレベル区間の数を用いて、周期確定値Ｔｆｉｘのパルスに含まれるノイズの個数を算出する。

　ノイズの個数の算出は以下のように行う。ノイズの個数が０、すなわちノイズの無い理想的な信号においては、周期確定値Ｔｆｉｘの中のハイレベル区間の数は１である。ここでノイズが１つ乗ると、つまり、ハイレベル区間の信号が誤って一部ローレベルになってすぐハイレベルに復帰した場合や、ローレベル区間の信号が誤って一部ハイレベルになってすぐにローレベルに復帰した場合には、ハイレベル区間の数は２となる。ノイズが２つ乗った場合は同様にハイレベル区間の数は３である。このようにすると、周期確定値Ｔｆｉｘの中のノイズ個数は周期確定値Ｔｆｉｘの中のハイレベル区間の数から１を引けば求められることがわかる。

　なお、上記した例では、ノイズ算出部１０４がハイレベル区間の数を用いて、周期確定値Ｔｆｉｘのパルスに含まれるノイズの個数を算出した。しかし、ローレベル区間の数を用いて、同様にしてノイズの個数を算出してもよい。

　図５Ａは、本発明の実施の形態１に係るノイズ算出部１０４およびノイズ除去部１０５の処理を示す図である。図５Ａに示す通り、図２Ａにおいて説明した入力信号ならば、周期確定値Ｔｆｉｘの中にハイレベル区間が２個（Ｔ１とＴ３）あるので、ノイズ個数は１となる。

　次に、ノイズ除去部１０５は、周期確定値Ｔｆｉｘの中のパルスうちでパルス幅の小さい方からノイズ算出部１０４にて算出したノイズ個数分の区間の極性を反転させる。ここで、パルス幅の小さいものの区間を反転するのは、ノイズに基づくパルス幅は微小であるという前提を利用するからである。上述のノイズの除去は、ノイズ除去部１０５において、周期確定値Ｔｆｉｘの中のパルス信号が一対のハイレベルとローレベルの組合せのみからなる信号となるまで、パルス幅の小さい順に反転させるようにする。

　図２の入力信号の場合、ノイズ個数は１、パルス幅の最も小さい区間はＴ２となる。したがって、図５Ｂに示す通り、時間Ｂ～時間Ｃの区間Ｔ２の極性を反転することになる。図６は、本発明の実施の形態１におけるノイズ除去後の入力信号波形図である。出力されるノイズ除去後のパルス信号の波形は図６のようになる。すなわち、図６に示すように、実際の周期である実周期Ｔを有するパルス信号が得られている。なお、同様にして、時間Ｆ～時間Ｇの区間Ｔ６も極性を反転することになる。

　本発明により、ハードウェアによるフィルタや複雑な回路を使用せずに、かつ、簡単な回路処理またはソフトウェアによる簡単な演算により、パルス信号のノイズを除去することができる。

　本実施の形態ではノイズが１個の場合について説明したが、本発明により、有意な信号より小さいパルス幅の信号は全てノイズと判断することができるため、複数個のノイズを除去することも可能である。また、ハイレベルの区間にローレベルのノイズがある場合について説明したが、ローレベルの区間にハイレベルのノイズがある場合についても、本実施の形態と同様の処理を行うことによりノイズを除去することができる。

　図７は、本発明の実施の形態１に係るノイズ除去装置７０１が適用される車載ディスプレイ装置７１０のブロック図である。図７に示すように、車載ディスプレイ装置７１０は、イルミ検出部７０３とノイズ除去装置７０１とデューティ確定部７０４と映像・画質制御部７０５と表示デバイス７０９とを備えている。

　車外や車室内の明るさに応じて、画面の明るさや表示内容の色味などを変化させる車載ディスプレイ装置７１０においては、車両７０２から出力されるライトスイッチのオン－オフを示すイルミネーション信号をイルミ検出部７０３にて検出する。そして、イルミ検出部７０３は、映像・画質制御部７０５へ、イルミネーション信号の状態を通知する。映像・画質制御部７０５は、その通知された状態に応じて、昼間は周囲の明るさに合わせて輝度を上げ、夜間は画面が眩しくないように輝度を下げる調光制御や、表示したメニューや地図の色味を変更するような映像制御を行う。

　また上記した制御と並行して、車室内の明るさ調整の状態を示すイルミネーション制御信号のデューティと周期から状態を判断し、車室内が明るい場合は夜間でも画面を明るくする制御を行う車両７０２がある。車両７０２から入力されるイルミネーション制御信号に対して、ノイズ除去装置７０１にて混入したノイズを除去することにより、デューティ確定部７０４で正しくイルミネーション制御状態を確定できるため、映像・画質制御部７０５の誤動作を防ぐことができる。その結果、映像・画質制御部７０５は、調光値、画質設定値、表示タイミング設定値を正しく出力できる。そして、調光制御装置７０６、映像制御装置７０７、表示タイミング制御装置７０８からそれぞれ出力される明るさ出力、ＲＧＢ出力、タイミング信号出力の各信号に基づいて、表示デバイス７０９は、正常な映像を表示することができる。

　なお、調光制御装置７０６、映像制御装置７０７、表示タイミング制御装置７０８は、映像・画質制御部７０５に含まれる構成としてもよい。

　（実施の形態２）
　実施の形態１では、入力信号入力信号に含まれるパルス信号の周期所定値Ｔｔｙｐが実周期Ｔと近い場合、周期確定部１０３は周期確定値Ｔｆｉｘを正確に検出することができた。そして、ノイズ算出部１０４は、ノイズを除去した所望のパルス信号を得ることができた。しかし、入力信号に含まれるパルス信号の周期所定値Ｔｔｙｐが実周期Ｔと大きくずれている場合、周期確定部１０３は周期確定値Ｔｆｉｘを誤検出する可能性がある。実施の形態２では、上記したように、入力信号の周期所定値Ｔｔｙｐが実周期Ｔと大きくずれている場合に対応するための構成と処理について説明する。

　ここで、まず、入力信号に含まれるパルス信号の周期所定値Ｔｔｙｐが実周期Ｔと大きくずれている場合、実施の形態１に係る周期確定部１０３が、周期確定値Ｔｆｉｘを誤検出が生じる例について、具体的に説明する。図８は、周期の誤検出が発生する場合の入力信号波形例を示した図である。図８は、入力信号に含まれるパルス信号の周期所定値Ｔｔｙｐと周期確定値Ｔｆｉｘと各パルス信号のパルス幅と極性の例を示している。

　実施の形態１に係る仮周期確定部１０３ａは、パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さである加算されたパルスの区間を仮周期として算出する。したがって、図８に示す場合、例えば、時間Ａ～時間Ｃ（Ｔ１＋Ｔ２）及び時間Ａ～時間Ｅ（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４）を仮周期として算出する。この場合、周期確定部１０３は、周期確定値Ｔｆｉｘとして、仮周期である時間Ａ～時間Ｅ（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４）を選定すべきである。

　しかしながら、この算出された仮周期である時間Ａ～時間Ｃ（Ｔ１＋Ｔ２）及び時間Ａ～時間Ｅ（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４）と、周期所定値Ｔｔｙｐとを比較すると、仮周期である時間Ａ～時間Ｃ（Ｔ１＋Ｔ２）の方が周期所定値Ｔｔｙｐに近い周期である。したがって、実施の形態１に係る周期確定部１０３は、時間Ａ～時間Ｃ（Ｔ１＋Ｔ２）を誤って、周期確定値Ｔｆｉｘとして確定してしまう。

　本実施の形態では、このように入力信号の周期所定値Ｔｔｙｐと実際の周期とが大きくずれている場合、さらに周期所定値Ｔｔｙｐを入力信号の実測値を基にした周期で更新する処理を追加することによって、誤検出を防止する。すなわち、発明者らは、本実施の形態では、周期確定部が、時間Ａ～時間Ｅ（Ｔ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４）を周期確定値Ｔｆｉｘとして正しく確定することができるように検討を行った。

　図９は、本発明の実施の形態２に係るノイズ除去装置９００のブロック図である。ノイズ除去装置９００は、入力信号検出部１０１と、入力信号情報作成部１０２と、仮周期確定部９０１と、周期確定部９０２と、ノイズ算出部９０３と、ノイズ除去部９０４と、デューティ確定部９０５と、周期性検出部９０６と、周期更新部９０７から構成される。

　実施の形態２に係る入力信号検出部１０１、入力信号情報作成部１０２は、実施の形態１に係る入力信号検出部１０１、入力信号情報作成部１０２と同様のものである。このように、同一部位には同一符号を付して、説明を省略することがある。

　仮周期確定部９０１は、入力信号情報作成部１０２で作成された入力信号情報に基づいて、同数のハイレベルとローレベル組み合わせからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する。周期確定部９０２は、算出された仮周期を、入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する。この際に、実施の形態２では、上記した周期所定値は、実際の周期が大きくずれていると想定している。

　そのため、周期確定部９０２は、作成された入力信号情報において、仮周期の加算範囲の次のパルスを起点として、ハイレベル区間とローレベル区間のパルス幅を加算し、そのパルス幅加算値を算出する。すなわち、パルス幅加算値は、仮周期に引き続く１組のハイレベル区間とローレベル区間のパルスの区間の長さである。また、更に次のパルスを起点として、ハイレベル区間とローレベル区間のパルス幅を加算し、そのパルス幅加算値を算出することを繰り返す。

　そして、次に、加算されたパルス幅加算値と仮周期を比較して、仮周期に最も近いパルス幅加算値を求め、これを周期確定値とする。

　ノイズ算出部９０３は、実施の形態１のノイズ算出部１０４と同じ算出方法で、仮周期及び周期確定値の所定の極性の合計数に応じて各パルスに対するノイズ数を算出する。ノイズ除去部９０４も、実施の形態１のノイズ除去部１０５と同じ算出方法で、仮周期、周期確定値に含まれるパルス幅データに対して、パルス幅の小さい区間から順にノイズ数分の区間の極性を反転させる。そして、後述するデューティ確定部９０５、周期性検出部９０６により、周期確定値が正しく実周期であると認定されると、ノイズ除去部９０４において、ノイズを除去して補正されたパルス信号は、実際の周期を有する信号として出力される。

　デューティ確定部９０５は、ノイズ除去された仮周期のパルスに対するデューティと、ノイズ除去された周期確定値のパルスに対するデューティを算出する。

　周期性検出部９０６は、仮周期と周期確定値とを比較し、それらの差が、予め定めた誤差範囲内であるかを判断する。かつ、周期性検出部９０６は、仮周期のパルスに対するデューティと周期確定値のパルスに対するデューティとを比較し、それらの差が、所定範囲内であるかを判断する。

　その結果に基づいて、周期性検出部９０６は、周期性有りのパルスカウンタをカウントする。ここで、周期性有りのパルスカウンタは、仮周期が、周期性を有するかどうかを判断するためのカウンタである。最後に周期更新部９０７にて周期性有りのパルスカウンタに基づいて判断し、パルス信号に周期性が有ると判断できた場合、周期所定値を仮周期で更新する。

　一方、パルス信号に周期性が有ると判断できない場合、仮周期確定部９０１は、最初に算出した仮周期の加算範囲の次のパルスを起点として、ハイレベル区間とローレベル区間のパルス幅を加算し、次の仮周期として算出する。そして、上述した処理を繰り返す。

　次に、図９から図１１を用いて実施の形態２のノイズ除去装置９００の処理を説明する。まず、仮周期確定部９０１から周期更新部９０７までの処理の流れについて、図１０Ａ、１０Ｂを用いて説明する。

　図１０Ａ、１０Ｂは、本発明の実施の形態２に係る仮周期確定部９０１から周期更新部９０７に至るまでの処理を示すフローチャートである。図１１は、本発明の実施の形態２に係るノイズ除去後の入力信号波形および周期所定値更新の様子を表す図である。

　まず、仮周期確定部９０１において仮周期を算出するために、処理開始時に仮周期の加算範囲ｎを初期値として「２」、周期性有りのパルスカウンタＯＫ＿Ｃｏｕｎｔを初期値として「０」とする（ステップＳ００）。仮周期確定部９０１は、入力されたパルス信号の所定のエッジを起点として、ハイレベル区間１個とローレベル区間１個の組み合わせのパルス幅を加算範囲の終点ｎまで加算することにより、第三仮周期Ｔｔｍｐを算出する（ステップＳ０１）。今後の処理において、上記した処理で算出された第三仮周期Ｔｔｍｐが入力信号の周期確定値であるかを、引き続く入力信号に第三仮周期Ｔｔｍｐと同様の周期をもつ信号があるかないかによって判断する。

　例えば、図８のような入力信号であればＴ１＋Ｔ２が第三仮周期Ｔｔｍｐとなる。すなわち、第三仮周期Ｔｔｍｐは、一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された任意の区間の長さを有する。

　続いて、周期確定部９０２は、パルス幅を加算する起点ｍを仮周期確定部９０１の加算範囲の次を起点とする「ｎ＋１」（ステップＳ１０）とする。そして、周期確定部９０２は、パルス幅加算の終点ｋを「２×ｎ」とする（ステップＳ１１）。

　次に、ｋが入力信号情報の取得トータル数ＰＵＬＳＥ＿ＴＯＴＡＬより小さければ（ステップＳ１２の「Ｙｅｓ」）、パルス加算の起点ｍから終点ｋまでの第四仮周期である「次のパルス幅加算値Ｔｎｅｘｔ」を求める（ステップＳ１３）。ここでの処理は、第三仮周期Ｔｔｍｐの後に引き続く最初の周期（ハイレベル区間とローレベル区間の組合せ）を第四仮周期Ｔｎｅｘｔとして認定するものである。

　例えば、図８のような入力信号であればＴ３＋Ｔ４が第四仮周期Ｔｎｅｘｔとなる。なお、ここで、入力信号情報の取得トータル数ＰＵＬＳＥ＿ＴＯＴＡＬの値は一定時間、入力信号を観測して得られた所定長のパルス数であればよい。例えば、１００パルス程度を観測し、記憶することを想定している。すなわち、入力信号情報の取得トータル数ＰＵＬＳＥ＿ＴＯＴＡＬは、例えば、「１００」である。

　続いて、第四仮周期Ｔｎｅｘｔと第三仮周期Ｔｔｍｐの大小を比較する（ステップＳ１４）。そして、第四仮周期Ｔｎｅｘｔが第三仮周期Ｔｔｍｐより小さい場合（ステップＳ１４で「ＹＥＳ」）、第四仮周期Ｔｎｅｘｔを第五仮周期である周期最近値Ｔｎｅａｒとして保存する（ステップＳ１５）。

　次に、パルス幅加算の終点ｋを次の周期（ハイレベル区間とローレベル区間の組み合わせ）に変更する（ステップＳ１９）。すなわち、パルス幅加算の終点ｋをｋ+２と更新する。

　そして、ステップＳ１２からステップＳ１４までの処理を繰り返す。すなわち、第四仮周期Ｔｎｅｘｔは、第三仮周期Ｔｔｍｐにさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、第三仮周期Ｔｔｍｐより大きい区間の長さを有する。また、第五仮周期Ｔｎｅａｒは、第三仮周期Ｔｔｍｐにさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、第三仮周期Ｔｔｍｐより小さい区間の長さを有する。

　このようにしてパルス幅加算を繰り返し、第四仮周期Ｔｎｅｘｔが第三仮周期Ｔｔｍｐより大きくなった場合（ステップＳ１４で「ＮＯ」）、第四仮周期Ｔｎｅｘｔと第五仮周期Ｔｎｅａｒのどちらが第三仮周期Ｔｍｐに近いかを比較する（ステップＳ１６）。ここでの処理は、第三仮周期Ｔｔｍｐに引き続く、周期（任意の数のハイレベル区間とローレベル区間の組合せ）の組合せのうち、第三仮周期Ｔｔｍｐより小さいものを第五仮周期Ｔｎｅａｒ、第三仮周期Ｔｔｍｐより大きいものを第四の仮周期Ｔｎｅｘｔとして認定するものである。

　このようにして第三仮周期Ｔｔｍｐに引き続く周期の組合せのうちでもっとも第三仮周期Ｔｔｍｐに近いものを検出する。なお、初期値として第五仮周期Ｔｎｅａｒに０をセットしておくことにより、最初の第四仮周期Ｔｎｅｘｔが第三仮周期Ｔｔｍｐより大きい場合には必ず第四仮周期Ｔｎｅｘｔが周期確定値Ｔｆｉｘとなるようになる。

　この結果、第四仮周期Ｔｎｅｘｔの方が第五仮周期Ｔｎｅａｒより第三仮周期Ｔｔｍｐに近い場合（ステップＳ１６で「ＹＥＳ」）、第四仮周期Ｔｎｅｘｔを周期確定値Ｔｆｉｘとして確定する（ステップＳ１７）。また、第五仮周期ＴｎｅａｒがＴｔｍｐに近い場合（ステップＳ１６で「ＮＯ」）、第五仮周期Ｔｎｅａｒを周期確定値Ｔｆｉｘとして確定する（ステップＳ１８）。すなわち、周期確定部９０２は、第四仮周期Ｔｎｅｘｔと第五仮周期Ｔｎｅａｒとを比較して、第三仮周期Ｔｔｍｐに近いいずれか一方の第四仮周期Ｔｎｅｘｔまたは第五仮周期仮周期Ｔｎｅａｒを周期確定値Ｔｆｉｘとして確定する。

　次に、ノイズ算出部９０３は、第三仮周期Ｔｔｍｐと周期確定値Ｔｆｉｘに含まれる各々のノイズの個数を算出する（ステップＳ２０）。ノイズ個数の算出方法は、実施の形態１のノイズ算出部１０４と同じ方法であるため説明は省略する。ノイズ除去部９０４は、実施の形態１のノイズ除去部１０５と同様に、第三仮周期Ｔｔｍｐと周期確定値Ｔｆｉｘに含まれるパルス幅データの中で、パルス幅の小さい方からノイズ個数分のパルスの極性を反転する（ステップＳ３０）。

　この結果、第三仮周期Ｔｔｍｐと周期確定値Ｔｆｉｘについてノイズ除去された後のハイレベル区間、ローレベル区間のパルス幅データが得られ、デューティ確定部９０５にて第三仮周期Ｔｔｍｐ及び周期確定値Ｔｆｉｘに対するパルス信号のデューティを算出することができる（ステップＳ４０）。

　次に、周期性検出部９０６にて、周期確定値Ｔｆｉｘの区間の長さと第三仮周期Ｔｔｍｐの区間の長さとの差が誤差範囲内であるか、及び周期確定値Ｔｆｉｘのデューティと第三仮周期Ｔｔｍｐのデューティとの差が所定範囲内であるかを判断する（ステップＳ５０）。これらの差異は、各々予め定められた値とする。周期確定値Ｔｆｉｘと第三仮周期Ｔｔｍｐとの差が誤差範囲内かつ周期確定値Ｔｆｉｘのデューティと第三仮周期Ｔｔｍｐのデューティとの差が所定範囲内である場合（ステップＳ５０で「ＹＥＳ」）は、周期性有りのパルスカウンタＯＫ＿Ｃｏｕｎｔを「１」だけ増加する（ステップＳ５１）。そして、加算範囲の起点ｍ、終点ｋを次のパルス幅へ更新して（ステップＳ５２、ステップＳ５３）、周期確定部９０２から再び周期確定値Ｔｆｉｘを求める処理（ステップＳ１２）を行う。

　すなわち、比較結果が誤差範囲内で、かつ、所定範囲内であれば、周期確定値Ｔｆｉｘを新たに第三仮周期Ｔｔｍｐとして設定する。そして、第三仮周期Ｔｔｍｐに基づいて、新たな第四仮周期Ｔｎｅｘｔおよび第五仮周期Ｔｎｅａｒを設定し、さらに、逐次第三仮周期とＴｔｍｐ比較する。

　一方、周期確定値Ｔｆｉｘの区間の長さと第三仮周期Ｔｔｍｐの区間の長さとの差が誤差範囲外、または周期確定値Ｔｆｉｘのデューティと第三仮周期Ｔｔｍｐのデューティとの差が所定範囲外である場合（ステップＳ５０で「ＮＯ」）は、第三仮周期Ｔｔｍｐは周期性なしと判断する。そして、第三仮周期Ｔｔｍｐの加算範囲の終点ｎを次のハイレベル区間及びローレベル区間の範囲へ拡大し（ステップＳ５４）、周期性有りのパルスカウント数ＯＫ＿Ｃｏｕｎｔおよび第五仮周期Ｔｎｅａｒの値を初期化する（ステップＳ５５）。そして、再び第三仮周期Ｔｔｍｐを求める処理を行う（ステップＳ０１）。このようにして、一連の処理を繰り返す。ここで、誤差範囲は求める精度によって適宜変更すればよい。本実施の形態ではステップＳ５０において１回でも周期確定値Ｔｆｉｘと第三仮周期Ｔｔｍｐが誤差範囲内にないと判断すれば、ただちに第三仮周期Ｔｔｍｐを更新するようにしたが、適宜、周期確定値Ｔｆｉｘが誤差範囲外に存在することを許容する回数を設定してもよい。

　このようにして、第三仮周期Ｔｔｍｐに類似する周期が周期確定値Ｔｆｉｘであるかどうかを判断し、第三仮周期Ｔｔｍｐに類似する周期が存在しなければ、第三仮周期Ｔｔｍｐの区間を拡張して、再度各周期確定値Ｔｆｉｘとの整合性を判断するようにして、もっとも周期に近いと思われる第三仮周期Ｔｔｍｐを探していく。

　パルス幅の加算範囲ｋが入力信号情報作成部１０２における入力信号情報の取得トータル数ＰＵＬＳＥ＿ＴＯＴＡＬ以上になった時点で（ステップＳ１２で「ＮＯ」）、周期更新部９０７にて、周期所定値Ｔｔｙｐを第三仮周期Ｔｔｍｐで更新してよいかの判断を行う（ステップＳ６０）。第三仮周期Ｔｔｍｐの値と周期確定値Ｔｆｉｘの値との差が誤差範囲内であるかを判定するためにカウントする周期性有りのパルスカウント数ＯＫ＿Ｃｏｕｎｔの値が、予め定めた周期性有りのパルスカウント数の最小値ＯＫ＿ＣＯＵＮＴ＿ＭＩＮより大きい場合（ステップＳ６０で「ＹＥＳ」）、入力信号は第三仮周期Ｔｔｍｐからなる周期性が有るパルスであると判断して周期所定値Ｔｔｙｐを第三仮周期Ｔｔｍｐで更新する（ステップＳ６１）。

　一方、周期性有りのパルスカウント数ＯＫ＿Ｃｏｕｎｔの値が周期性有りのパルスカウント数の最小値ＯＫ＿ＣＯＵＮＴ＿ＭＩＮより小さい場合は（ステップＳ６０で「ＮＯ」）、第三仮周期Ｔｔｍｐは周期性が無いパルスと判断して周期所定値Ｔｔｙｐは更新しない。

　図８の入力信号を、本実施の形態のようにして、仮周期の補正をしつつ、ノイズを除去する処理について、図１１を参照しつつ説明する。図１１は、本発明の実施の形態２に係るノイズ除去後の入力信号波形および周期所定値の更新の様子を表す図である。

　最初の第三仮周期Ｔｔｍｐ１はＴ１＋Ｔ２である。そして、最初の第四仮周期Ｔｎｅｘｔ１はＴ３＋Ｔ４である。ステップＳ１４において第三仮周期Ｔｔｍｐ１は第四仮周期Ｔｎｅｘｔ１より小さく、ステップＳ１６において第五仮周期Ｔｎｅａｒには初期値の０がセットされているので、最初の周期確定値Ｔｆｉｘ１はＴ３＋Ｔ４である。第三仮周期Ｔｔｍｐ１も周期確定値Ｔｆｉｘ１も、ステップＳ３０におけるノイズ除去によって反転される信号はない。

　そして、第四仮周期Ｔｎｅｘｔ１（Ｔ３＋Ｔ４）は第三仮周期Ｔｔｍｐ１（Ｔ１＋Ｔ２）からの所定の誤差範囲内に無いので、周期確定値Ｔｆｉｘ１は第三仮周期Ｔｔｍｐ１と同周期ではないと判断できる。よって、ステップＳ５４においてｎの値を２増やす。

　ｎの値が４になったので、２回目の第三仮周期Ｔｔｍｐ２はＴ１＋Ｔ２＋Ｔ３＋Ｔ４である。そして２回目の第四仮周期Ｔｎｅｘｔ２はＴ５＋Ｔ６である。ステップＳ１４において第三仮周期Ｔｔｍｐ２は第四仮周期Ｔｎｅｘｔ２より大きいので、第五仮周期ＴｎｅａｒにはＴ５＋Ｔ６がセットされる。そして、ステップＳ１９において、２区間先までを第四仮周期Ｔｎｅｘｔ２に含むようになるので、第四仮周期Ｔｎｅｘｔ２はＴ５＋Ｔ６＋Ｔ７＋Ｔ８に更新される。第四仮周期Ｔｎｅｘｔ２と第五仮周期Ｔｎｅａｒとを比較すると、第三仮周期Ｔｔｍｐ２に大きさが近いのは第四仮周期Ｔｎｅｘｔ２である。したがって、２回目の周期確定値ＴｆｉｘはＴ５＋Ｔ６＋Ｔ７＋Ｔ８である。

　そして、ステップＳ３０において、第三仮周期ＴｔｍｐではＴ２の極性が反転し、周期確定値ＴｆｉｘではＴ６の極性が反転する。すると、ステップＳ５０で第三仮周期Ｔｔｍｐと周期確定値Ｔｆｉｘがほぼ同一の周期を持つパルスであることがわかる。したがって、周期性有りのパルスカウント数ＯＫ＿Ｃｏｕｎｔを「１」だけ増加させ、第三仮周期Ｔｔｍｐは現在のまま次の周期確定値Ｔｆｉｘとの比較を行う。

　３回目の第四仮周期ＴｎｅｘｔはＴ９＋Ｔ１０であり、第四仮周期Ｔｎｅｘｔは第三仮周期Ｔｔｍｐより小さいので、第五仮周期ＴｎｅａｒにＴ９＋Ｔ１０がセットされる。そして、第四仮周期Ｔｎｅｘｔは、Ｔ９＋Ｔ１０＋Ｔ１１＋Ｔ１２に更新される。第四仮周期Ｔｎｅｘｔと第五仮周期Ｔｎｅａｒとを比較すると、第三仮周期Ｔｔｍｐに大きさが近いのは第四仮周期Ｔｎｅｘｔである。したがって、３回目の周期確定値ＴｆｉｘはＴ９＋Ｔ１０＋Ｔ１１＋Ｔ１２である。

　そして、ステップＳ３０において、第三仮周期ＴｔｍｐではＴ２の極性が反転し、周期確定値ＴｆｉｘではＴ１０の極性が反転する。すると、ステップＳ５０で第三仮周期Ｔｔｍｐと周期確定値Ｔｆｉｘがほぼ同一の周期を持つパルスであることがわかる。したがって、周期性有りのパルスカウント数ＯＫ＿Ｃｏｕｎｔを「１」だけ増加させる。このようにすると、入力信号情報の取得トータル数ＰＵＬＳＥ＿ＴＯＴＡＬを、ｋが越えるまで処理が行われて、周期所定値Ｔｔｙｐ１がステップＳ６１において、第三仮周期Ｔｔｍｐに置き換えられ周期所定値Ｔｔｙｐ２となる。このようにして、実周期Ｔが周期所定値Ｔｔｙｐと認識され、周期の誤認出が防止される。

　このようにして、実施の形態１で述べたような、ノイズ除去操作を応用することにより、実施の形態２においては、ノイズ除去操作に必要な実際の周期の確定をより確実に行うことができる。

　上記のように実施の形態２においては、図１１のように実測値を基に算出した信頼性のある周期へ周期所定値を更新することができるため、周期所定値のスペックが不明確な場合やスペックより大きくずれてしまっていた場合でも、より高い精度でノイズ除去を行うことができる。

　以上で説明したように、本発明のノイズ除去装置、ノイズ除去方法及びそのノイズ除去装置を用いた車載ディスプレイ装置によれば、ノイズが周波数をもっている場合でもノイズ除去が可能である。また、ハードウェアによるフィルタや複雑な回路を使用せずに、かつ、簡単な回路処理またはソフトウェアによる簡単な演算により、パルス信号のノイズを除去することができる。

　なお、本実施の形態に係るノイズ除去装置９００を実施の形態１で説明した車載ディスプレイ装置７１０に適用する場合、図７に示したデューティ確定部７０４は、不要である。デューティ確定部７０４の機能は、図９に示すように本実施の形態に係るノイズ除去装置９００に含まれているためである。

　本発明によれば、多数のノイズパルスや周波数を持ったノイズが所望のパルス信号に混入する可能性のある環境下において、例えば伝送ケーブルが束ねられているためにクロストークが発生してノイズがパルス信号に混入する可能性がある場合において、ノイズパルスを除去した所望のパルス信号を得ることができるため、誤検出を防ぐことができる。あるいは、車両のオルタネーターから発生するノイズなどの影響をパルス信号が受ける可能性のある場合においても、ノイズパルスを除去した所望のパルス信号を得ることができるため、誤検出を防ぐことができる。

　１００，７００　　ノイズ除去装置
　１０１　　入力信号検出部
　１０２　　入力信号情報作成部
　１０３　　周期確定部
　１０３ａ，９０１　　仮周期確定部
　１０４　　ノイズ算出部
　１０５　　ノイズ除去部
　７０１　　ノイズ除去装置
　７０２　　車両
　７０３　　イルミ検出部
　７０４　　デューティ確定部
　７０５　　映像・画質制御部
　７０６　　調光制御装置
　７０７　　映像制御装置
　７０８　　表示タイミング制御装置
　７０９　　表示デバイス
　７１０　　車載ディスプレイ装置
　９００　　ノイズ除去装置
　９０２　　周期確定部
　９０３　　ノイズ算出部
　９０４　　ノイズ除去部
　９０５　　デューティ確定部
　９０６　　周期性検出部

Claims

入力信号に含まれるパルス信号を検出する入力信号検出部と、
前記パルス信号におけるパルスごとに、前記パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録する入力信号情報作成部と、
前記パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する仮周期確定部と、
前記仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する周期確定部と、
前記周期確定値に含まれるノイズ数を算出するノイズ算出部と、
前記周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、前記ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、前記入力信号に含まれる前記パルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正するノイズ除去部と、
を有するノイズ除去装置。
前記仮周期は、
前記周期所定値より小さい区間の長さを持つ第一仮周期と、
前記第一仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、前記周期所定値より大きい区間の長さを持つ第二仮周期と、を有し、
前記周期確定部は、前記第一仮周期と前記第二仮周期とを比較して前期周期所定値に近いいずれか一方の前記第一仮周期または前記第二仮周期を前記周期確定値として確定する、
請求項１に記載のノイズ除去装置。
デューティ確定部と、周期性検出部と、周期更新部とをさらに備え、
前記仮周期は、一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された任意の区間の長さを有する第三仮周期と、
前記第三仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、前記第三仮周期より大きい区間の長さを有する第四仮周期と、
前記第三仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された前記第三仮周期より小さい区間の長さを有する第五仮周期と、を有し、
前記周期確定部は、前記第四仮周期と前記第五仮周期とを比較して、前記第三仮周期に近いいずれか一方の前記第四仮周期または前記第五仮周期を前記周期確定値として確定し、
前記ノイズ算出部は、さらに、前記第三仮周期に含まれるノイズ数を算出し、
ノイズ除去部は、さらに、前記第三仮周期の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、
前記デューティ確定部は、前記ノイズ除去部により補正された前記周期確定値と前記ノイズ除去部により補正された前記第三仮周期とにおける前記パルス信号のデューティを算出し、
前記周期性検出部は、前記ノイズ除去部により補正された前記周期確定値の区間の長さと前記ノイズ除去部により補正された前記第三仮周期の区間の長さとの差が誤差範囲であるか、及び前記ノイズ除去部により補正された前記周期確定値と前記ノイズ除去部により補正された前記第三仮周期とにおける前記パルス信号のデューティが所定範囲内にあるか否かを比較し、
　　比較結果が前記誤差範囲内で、かつ、前記所定範囲内であれば、
　　　　前記周期確定値を新たに第三仮周期として設定し、前記第三仮周期に基づいて、新たな第四仮周期および第五仮周期を設定し、
　　　　さらに、逐次前記第三仮周期と前記第四仮周期および前記第五仮周期とを比較し、
　　比較結果が前記誤差範囲外、または前記所定範囲外のいずれかであれば、
　　　　前記第三仮周期に一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて新たな第三仮周期を設定し、
前記周期更新部は、前記補正された前記周期確定値の中の信号と、前記補正された前記第三仮周期の中の信号とを比較し、比較の結果に基づいて前記周期所定値を前記第三仮周期で更新する、
請求項１に記載のノイズ除去装置。
入力信号検出部において、入力信号に含まれるパルス信号を検出し、
入力信号情報作成部において、前記パルス信号におけるパルスごとに、前記パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録し、
仮周期確定部において、前記パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出し、
周期確定部において、前記仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定し、
ノイズ算出部において、前記周期確定値に含まれるノイズ数を算出し、
ノイズ除去部において、前記周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、前記ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、前記入力信号に含まれる前記パルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正する、
ノイズ除去方法。
前記仮周期として、
前記周期所定値より小さい区間の長さを持つ第一仮周期と、
前記第一仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、前記周期所定値より大きい区間の長さを持つ第二仮周期とを求め、
前記周期確定部において、前記第一仮周期と前記第二仮周期とを比較して、前期周期所定値に近いいずれか一方の前記第一仮周期または前記第二仮周期を、前記周期確定値として確定する、
請求項４に記載のノイズ除去方法。
前記仮周期として、
一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された任意の区間の長さを有する第三仮周期と、
前記第三仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された、前記第三仮周期より大きい区間の長さを有する第四仮周期と、
前記第三仮周期にさらに引き続く一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて算出された前記第三仮周期より小さい区間の長さを有する第五仮周期と、を求め、
前記周期確定部において、前記第四仮周期と前記第五仮周期とを比較して、前記第三仮周期に近いいずれか一方の前記第四仮周期または前記第五仮周期仮周期を前記周期確定値として確定し、
ノイズ算出部において、さらに、前記第三仮周期に含まれるノイズ数を算出し、
前記ノイズ算出部において、さらに、前記第三仮周期に含まれるノイズ数を算出し、
ノイズ除去部において、さらに、前記第三仮周期の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、
前記デューティ確定部において、前記ノイズ除去部により補正された前記周期確定値と前記ノイズ除去部により補正された前記第三仮周期とにおける前記パルス信号のデューティを算出し、
前記周期性検出部において、前記ノイズ除去部により補正された前記周期確定値の区間の長さと前記ノイズ除去部により補正された前記第三仮周期の区間の長さとの差が誤差範囲であるか、及び前記ノイズ除去部により補正された前記周期確定値と前記ノイズ除去部により補正された前記第三仮周期とにおける前記パルス信号のデューティが所定範囲内にあるか否かを比較し、
　　比較結果が前記誤差範囲内で、かつ、前記所定範囲内であれば、
　　　　前記周期確定値を新たに第三仮周期として設定し、前記第三仮周期に基づいて、新たな第四仮周期および第五仮周期を設定し、
　　　　さらに、逐次前記第三仮周期と前記第四仮周期および前記第五仮周期とを比較し、
　　比較結果が前記誤差範囲外、または前記所定範囲外のいずれかであれば、
　　　　前記第三仮周期に一対のハイレベルとローレベルからなる区間の長さを加えて新たな第三仮周期を設定し、
前記周期更新部において、前記補正された前記周期確定値の中の信号と、前記補正された前記第三仮周期の中の信号とを比較し、比較の結果に基づいて前記周期所定値を前記第三仮周期で更新する、
請求項４に記載のノイズ除去方法。
イルミネーション信号を検出するイルミ検出部と、
イルミネーション制御信号に対して、混入したノイズを除去するノイズ除去装置と、
ノイズの除去された前記イルミネーション制御信号のデューティを検出するデューティ確定部と、
前記イルミ検出部が出力する前記イルミネーション信号の状態信号と前記ノイズ除去装置が出力する混入した前記ノイズを除去した前記イルミネーション制御信号を入力する映像・画質制御部と、
前記映像・画質制御部が出力する信号に基づいて映像を表示する表示デバイスと、を備え、
前記ノイズ除去装置は、
入力信号に含まれるパルス信号を検出する入力信号検出部と、
前記パルス信号におけるパルスごとに、前記パルスの区間の長さとハイレベルまたはローレベルの極性とを記録する入力信号情報作成部と、
前記パルス信号における同数のハイレベルとローレベルの組合せからなる任意の区間の長さを有する加算されたパルスの区間を仮周期として算出する仮周期確定部と、
前記仮周期を入力信号の周期の長さの候補値である周期所定値と比較して、比較結果に基づいて周期確定値を確定する周期確定部と、
前記周期確定値に含まれるノイズ数を算出するノイズ算出部と、
前記周期確定値の中に含まれるパルスの区間の極性を、パルス幅の小さい区間から順に、前記ノイズ数に相当する区間の極性を反転させ、前記入力信号に含まれる前記パルス信号を一対のハイレベルとローレベルの組合せからなるパルス信号に補正するノイズ除去部と、
を有する車載ディスプレイ装置。