WO2011126004A1

WO2011126004A1 - 車両用制御装置及びプログラム書換え方法

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Publication number: WO2011126004A1
Application number: PCT/JP2011/058602
Authority: WO
Inventors: 勇気田代
Original assignee: 株式会社ケーヒン
Priority date: 2010-04-07
Filing date: 2011-04-05
Publication date: 2011-10-13
Also published as: TW201205275A; EP2556998A4; CN102933427A; CN102933427B; EP2556998A1; TWI539274B

Abstract

　この車両用制御装置は、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能であって、制御プログラムを記憶する記憶部と；自装置に通信接続された前記外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて前記制御プログラムの書換えを行う制御部とを備え、前記制御部は、前記書換えコマンドを受信する度に、この受信した書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて、前記自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別する。

Description

車両用制御装置及びプログラム書換え方法

　この発明は、車両用制御装置及びプログラム書換え方法に関する。
　本願は、２０１０年４月７日に日本に出願された特願２０１０－０８８８１０号と、２０１０年４月７日に特願２０１０－０８８８１１号とに基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。

　ＥＣＵ（Electronic Control Unit）等の車両用制御装置には、制御プログラムが格納されている。下記特許文献１には、車両用制御装置が車両に搭載された状態で制御プログラムの書き換えができる技術が開示されている。

特開２００９－１２３２２６号公報

　従来、ＥＣＵ等の車両用制御装置に格納された制御プログラムは、車両用制御装置の開発専用の外部書換え装置（リライト）が用いられている。開発用リライトは車両開発現場でのみ使用することを前提として作られているので、車両開発現場以外の場所では使用することができなかった。
　しかし、近年、自動車の電子制御が複雑になるにしたがって、制御プログラムに不具合を有するＥＣＵを搭載した自動車が市場に提供される可能性が無視できなくなってきている。そのため、市場に提供された自動車に搭載されている制御装置に対して制御プログラムの書換えができる市場用リライトが導入されてきた。

　しかしながら、開発用リライトと市場用リライトにおいて、使用される通信プロトコルが必ずしも一致しているとは限らない。近い将来、開発用リライトと市場用リライトの何れのリライトによっても制御プログラムを書き換えることが必要になると想定され、この場合、ＥＣＵ側で通信プロトコルの判別（つまり、書き換え機種の判別）を行う必要が生じると考えられる。
　上記特許文献１の技術や従来の開発用リライトのみを用いた制御プログラムの書換えにおいては、単一の通信プロトコルを用いた書換え方法だけが考慮されているので、開発用リライトと市場用リライトとで通信プロトコルが異なる場合には対応することができない。

　本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、通信プロトコルがそれぞれに異なる複数機種の外部書換え装置に対して対応可能な車両用制御装置及びプログラム書換え方法を提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、本発明は以下を採用した。
（１）上記課題を解決するために、本発明の様態では、車両用制御装置に係る第１の解決手段として、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能な車両用制御装置であって、制御プログラムを記憶する記憶部と、自装置に通信接続された前記外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて前記制御プログラムの書換えを行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記書換えコマンドを受信する度にこの受信した書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置の機種を判別する。

　（２）上記（１）に記載の車両用制御装置に係る第２の解決手段として、上記第１の解決手段において、前記記憶部は、前記複数機種の外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている各通信プロトコルの内、前記書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う。

　（３）更に、本発明の様態において、プログラム書換え方法に係る第１の解決手段として、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置のいずれかから車両用制御装置へ書換えコマンドを送信することにより、前記車両用制御装置の制御プログラムの書換えを行うプログラム書換え方法であって、前記車両用制御装置は、前記書換えコマンドを受信する度にこの受信した書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて、自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別する。

　（４）上記（３）に記載のプログラム書換え方法に係る第２の解決手段として、上記第１の解決手段において、前記車両用制御装置は、前記複数機種の外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており、前記書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う。

　（５）車両用制御装置に係る第１の解決手段として、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能な車両用制御装置であって、制御プログラムを記憶する記憶部と、自装置に通信接続された前記外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて前記制御プログラムの書換えを行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置の機種を判別し、以降はこの判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付ける。

　（６）上記（５）記載の車両用制御装置に係る第２の解決手段として、上記第１の解決手段において、前記記憶部は、前記複数機種の外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている各通信プロトコルの内、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う。

　（７）本発明では、プログラム書換え方法に係る第１の解決手段として、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置のいずれかから車両用制御装置へ書換えコマンドを送信することにより、前記車両用制御装置の制御プログラムの書換えを行うプログラム書換え方法であって、前記車両用制御装置は、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて、自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別し、以降はこの判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付ける。

　（８）本発明では、プログラム書換え方法に係る第２の解決手段として、上記第１の解決手段において、前記車両用制御装置が、前記各外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており、さらに、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う。

　上記（１）に記載の様態における車両用制御装置によれば、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置が共存するような状況であっても、自装置に接続された外部書換え装置の機種を判別することができる。

　上記（２）に記載の様態によれば、上記（１）の効果に加え、このような車両用制御装置によれば、自装置に接続された外部書換え装置の機種を判別し、その判別した機種に対応する通信プロトコルを用いて外部書換え装置との通信及び制御プログラムの書換えを行うことができる。
　上記（３），（４）に記載の様態によれば、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置が共存するような状況にも対応可能な車両用制御装置及びプログラム書換え方法を提供することができる。

　上記（５）に記載の車両用制御装置によれば、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置が共存するような状況であっても、自装置に接続された外部書換え装置の機種を判別し、以降はこの判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付けることができる。

　上記（６）に記載の車両用制御装置によれば、自装置に接続された外部書換え装置の機種を判別し、その判別した機種に対応する通信プロトコルを用いて外部書換え装置との通信及び制御プログラムの書換えを行うことができる。
　上記（７），（８）に記載のプログラム書換え方法によると、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置が共存するような状況にも対応可能な車両用制御装置及びプログラム書換え方法を提供することができる。

本発明の一実施形態におけるＥＣＵ１（車両用制御装置）のブロック構成図である。ＣＰＵ１ｄが制御プログラムの書換え時に実行するコマンド判断処理を表すフローチャートである。開発用リライトＡ及び市場用リライトＢから送信される書換えコマンドのデータ内容の一例を示した図である。ＣＰＵ１ｄが制御プログラムの書換え時に実行するコマンド判断処理を表すフローチャートである。ＣＰＵ１ｄが制御プログラムの書換え時に実行する初回受信コマンド切り分け処理を表すフローチャットである。開発用リライトＡ及び市場用リライトＢから送信される書換えコマンドのデータ内容の一例を示した図である。変形例におけるコマンド判断処理を表すフローチャートである。変形例におけるコマンド判断処理を表すフローチャートである。変形例におけるコマンド判断処理に含まれる初回受信コマンド切り分け処理を表すフローチャートである。

　以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
　図１は、本実施形態における車両用制御装置（以下、ＥＣＵと称す）１のブロック構成図である。
　図１に示すように、本実施形態におけるＥＣＵ１は、異なる通信プロトコルを使用する２機種の外部書換え装置（開発用リライトＡ、市場用リライトＢ）との通信接続が可能である。ＥＣＵ１は、通信Ｉ／Ｆ１ａと、ＲＯＭ(Read Only Memory)１ｂと、ＲＡＭ(Random Access Memory)１ｃと、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１ｄとを内蔵している

　通信Ｉ／Ｆ１ａは、不図示の通信線を介して開発用リライトＡ或いは市場用リライトＢと接続することができる通信インターフェイスである。通信Ｉ／Ｆ１ａは、ＣＰＵ１ｄによる制御の下、開発用リライトＡ或いは市場用リライトＢとＥＣＵ１とのデータ通信を行う。
　なお、図１では、開発用リライトＡが通信Ｉ／Ｆ１ａに接続された状態を図示しているが、開発用リライトＡに替えて市場用リライトＢを接続することも可能である。

　ＲＯＭ１ｂ（記憶部）は、ＣＰＵ１ｄの車両制御機能を実現するための制御プログラムや、開発用リライトＡ及び市場用リライトＢの各々に対応する通信プロトコルなどを予め記憶している書換え可能な不揮発性メモリである。
　ＲＡＭ１ｃは、ＣＰＵ１ｄが制御プログラムに従って各種処理を実行する際に、データの一時保存先に用いられる揮発性のワーキングメモリである。

　ＣＰＵ１ｄ（制御部）は、ＲＯＭ１ｂに記憶されている制御プログラムに従って、車両制御に必要な各種処理を実行する中央演算処理装置である。
　また、このＣＰＵ１ｄは、自装置（ＥＣＵ１）に通信接続された開発用リライトＡ或いは市場用リライトＢから受信した書換えコマンドに応じて、ＲＯＭ１ｂに記憶されている制御プログラムの書換えを行う機能も有している。
　以下では、このＣＰＵ１ｄが有する制御プログラムの書換え機能について、図２及び図３を参照しながら詳細に説明する。

　図２は、ＣＰＵ１ｄが制御プログラムを書換える時に実行するコマンド判断処理を表すフローチャートである。
　図２に示すように、ＣＰＵ１ｄは、通信Ｉ／Ｆ１ａを介して開発用リライトＡ或いは市場用リライトＢ（この時点ではどちらのリライトが接続されているか判断できない）から書換えコマンドを受信すると、この受信した書換えコマンドから先頭の１バイト目のデータをヘッダ情報として抽出する（ステップＳ１）。

　図３は、開発用リライトＡ及び市場用リライトＢから送信される書換えコマンドのデータ内容の一例を示したものである。
　図３に示すように、開発用リライトＡから送信される書換えコマンドの先頭１バイト目のデータは「７Ｂ」或いは「７Ｃ」となる。一方、市場用リライトＢから送信される書換えコマンドの先頭１バイト目のデータは「７Ｄ」或いは「７Ｅ」となる。
　従って、受信した書換えコマンドの先頭１バイト目のデータを確認することで、ＥＣＵ１に接続されたリライトの機種（開発用リライトＡなのか市場用リライトＢなのか）を判別することができる。
　このように、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能な車両用制御装置であって、制御プログラムを記憶する記憶部と自装置に通信接続された外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて制御プログラムの書換えを行う制御部とを備え、制御部は、書換えコマンドを受信する度に、この受信した書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて、自装置に通信接続された外部書換え装置の機種を判別することができる。
　また、図３に示したように、記憶部は、複数機種の外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶している。これによって、制御部は、記憶部に記憶されている各通信プロトコルのうち、書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて判別した外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換えを行うことができる。

　図２において、ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１にて抽出したデータを基に、受信コマンドは開発用リライトＡから受信したものか（自装置に通信接続されたリライトの機種は開発用リライトＡか）否かを判定する（ステップＳ２）。
　そして、ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ２において「Ｙｅｓ」の場合、つまりＥＣＵ１に開発用リライトＡが接続されていると判別した場合、開発用リライトＡに対応する通信プロトコルを用いて開発用リライトＡとの通信（コマンドに対するレスポンスの返送など）、及び書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換え処理を実行する（ステップＳ３）。

　一方、ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ２において「Ｎｏ」の場合、上記ステップＳ１にて抽出したデータを基に、受信コマンドは市場用リライトＢから受信したものか（自装置に通信接続されたリライトの機種は市場用リライトＢか）否かを判定する（ステップＳ４）。
　ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ４において「Ｙｅｓ」の場合、つまりＥＣＵ１に市場用リライトＢが接続されていると判別した場合、市場用リライトＢに対応する通信プロトコルを用いて市場用リライトＢとの通信（コマンドに対するレスポンスの返送など）、及び書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換え処理を実行する（ステップＳ５）。
　このように、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能な車両用制御装置であって、制御プログラムを記憶する記憶部と、自装置に通信接続された外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて制御プログラムの書換えを行う制御部とを備え、制御部が、最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて、自装置に通信接続された外部書換え装置の機種を判別し、以降は、この判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付けることができる。

　一方、ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ４において「Ｎｏ」の場合、つまり自装置に通信接続されたリライトの機種が開発用リライトＡと市場用リライトＢのどちらにも当てはまらない場合、制御プログラムの書換え処理を行わずにコマンド判断処理を終了する。
　なお、ＣＰＵ１ｄは、通信Ｉ／Ｆ１ａを介して書換えコマンドを受信する毎に、上述したステップＳ１～Ｓ４の処理を実行する。

　また、上記実施形態では、図２のステップＳ２において、受信コマンドが開発用リライトＡから受信したものか否かを判定し、ステップＳ４において、受信コマンドが市場用リライトＢから受信したものか否かを判定する場合を例示したが、これらのステップの内容を入れ替えても良い。
　つまり、図２のステップＳ２において、受信コマンドは市場用リライトＢから受信したものか否かを判定し、ステップＳ４において、受信コマンドは開発用リライトＡから受信したものか否かを判定するようにしても良い。
　勿論、この場合には、ステップＳ３とＳ５の内容も入れ替える必要がある。

　以上説明したように、本実施形態におけるＥＣＵ１によれば、自装置に接続されたリライトの機種判別（通信プロトコルの判別）を行い、以降は、この判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付けることができる。そのため、異なる通信プロトコルを使用する開発用リライトＡ及び市場用リライトＢが共存するような状況に対応することが可能となる。

　さらに、他の実施形態のＣＰＵ１ｄが有する制御プログラムの書き換え機能について説明する。
　以下では、このＣＰＵ１ｄが有する制御プログラムの書換え機能について、図４Ａ、図４Ｂ、及び図５を参照しながら詳細に説明する。

　図４Ａは、ＣＰＵ１ｄが制御プログラムの書換え時に実行するコマンド判断処理を表すフローチャートである。
　図４Ａに示すように、ＣＰＵ１ｄは、通信Ｉ／Ｆ１ａを介して開発用リライトＡ或いは市場用リライトＢ（この時点ではどちらのリライトが接続されているか判断できない）から書換えコマンドを受信すると、今回がコマンド実行の初回か否かを判定する（ステップＳ１０１）。

　ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１０１において「Ｎｏ」の場合、後述のステップＳ１０３へ移行する一方、上記ステップＳ１０１において「Ｙｅｓ」の場合には、図４Ｂに示す初回受信コマンド切り分け処理を実行する（ステップＳ１０２）。
　図４Ｂに示すように、初回受信コマンド切り分け処理において、ＣＰＵ１ｄは、受信した書換えコマンドに基づいて、受信コマンドは開発用リライトＡから受信したものか（自装置に通信接続されたリライトの機種は開発用リライトＡか）否かを判定する（ステップＳ１０２ａ）。

　図５は、開発用リライトＡ及び市場用リライトＢから送信される書換えコマンドのデータ内容の一例を示したものである。
　図５に示すように、開発用リライトＡから送信される書換えコマンドと、市場用リライトＢから送信される書換えコマンドとはデータの内容が異なる。これによって、受信コマンドに基づいてＥＣＵ１に接続されたリライトの機種（開発用リライトＡなのか市場用リライトＢなのか）を判別することができる。

　図４Ｂにおいて、ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１０２ａにおいて「Ｙｅｓ」の場合、自装置に接続されているリライトは開発用リライトＡであると判別（確定）して初回受信コマンド切り分け処理を終了する（ステップＳ１０２ｂ）。
　一方、ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１０２ａにおいて「Ｎｏ」の場合、受信した書換えコマンドに基づいて、受信コマンドは市場用リライトＢから受信したものか（自装置に通信接続されたリライトの機種は市場用リライトＢか）否かを判定する（ステップＳ１０２ｃ）。

　ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１０２ｃにおいて「Ｙｅｓ」の場合、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＢであると判別（確定）して初回受信コマンド切り分け処理を終了（ステップＳ１０２ｄ）する。ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１０２ｃにおいて「Ｎｏ」の場合にはそのまま初回受信コマンド切り分け処理を終了する。

　そして、ＣＰＵ１ｄは、上記のような初回受信コマンド切り分け処理の終了後、図４ＡのステップＳ１０３へ戻り、自装置に接続されているリライトは開発用リライトＡであると確定済みか否かを判定する（ステップＳ１０３）。
　ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ１０３において「Ｙｅｓ」の場合には、開発用リライトＡに対応する通信プロトコルを用いて開発用リライトＡとの通信（コマンドに対するレスポンスの返送など）、及び書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換え処理を実行する（ステップＳ１０４）。

　ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ１０３において「Ｎｏ」の場合、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＢであると確定済みか否かを判定する（ステップＳ１０５）。
　ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ１０５において「Ｙｅｓ」の場合には、市場用リライトＢに対応する通信プロトコルを用いて市場用リライトＢとの通信（コマンドに対するレスポンスの返送など）、及び書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換え処理を実行する（ステップＳ１０６）一方、上記ステップＳ１０５において「Ｎｏ」の場合にはコマンド判断処理を終了する。
　なお、ＣＰＵ１ｄは、通信Ｉ／Ｆ１ａを介して書換えコマンドを受信する毎に、上述したステップＳ１０１～Ｓ１０６の処理を実行する。
　このように、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置のいずれかから車両用制御装置へ書換えコマンドを送信することにより、車両用制御装置の制御プログラムの書換えを行うプログラム書換え方法であって、車両用制御装置が、最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて、自装置に通信接続された外部書換え装置の機種を判別し、以降は、この判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付けることができる。

　以上説明したように、本実施形態におけるＥＣＵ１によれば、自装置に接続されたリライトの機種判別（通信プロトコルの判別）を行い、以降は判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付けることができるため、それぞれ異なる通信プロトコルを使用する開発用リライトＡ及び市場用リライトＢの何れが使用される場合にも対応することが可能となる。

　以上説明したように、本実施形態におけるＥＣＵ１によれば、自装置に接続されたリライトの機種判別（通信プロトコルの判別）を行うことができるため、異なる通信プロトコルを使用する開発用リライトＡ及び市場用リライトＢの何れでも使用される場合に対応することが可能となる。

　なお、本発明は上記実施形態のみに限定されず、以下のような変形例が挙げられる。
　例えば、上記実施形態では、異なる通信プロトコルを使用する２機種の外部書換え装置（開発用リライトＡ、市場用リライトＢ）の何れでも使用できる場合を想定して説明したが、本発明はこれのみに限定されず、異なる通信プロトコルを使用する３機種以上の外部書換え装置が共存するような状況においても本発明を適用することができる。

　図６は、例えば、異なる通信プロトコルを使用する３機種の外部書換え装置（開発用リライトＡ、市場用リライトＢ、市場リライトＣ）の何れでも使用できる場合を想定して、ＣＰＵ１ｄが制御プログラムの書換え時に実行するコマンド判断処理を表すフローチャートである。
　なお、図６において図２と同じステップには同一符号を付している。

　この図６に示すように、開発用リライトＡ、市場用リライトＢ及び市場リライトＣの何れでも使用できるような状況において、ＣＰＵ１ｄは、ステップＳ４で「Ｎｏ」の場合に、受信コマンドは市場用リライトＣから受信したものか（自装置に通信接続されたリライトの機種は市場用リライトＣか）否かを判定する（ステップＳ６）。

　ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ６において「Ｙｅｓ」の場合、つまりＥＣＵ１に市場用リライトＣが接続されていると判別した場合、市場用リライトＣに対応する通信プロトコルを用いて市場用リライトＣとの通信（コマンドに対するレスポンスの返送など）、及び書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換え処理を実行する（ステップＳ７）。
　一方、ＣＰＵ１ｄは、上記ステップＳ６において「Ｎｏ」の場合、つまり自装置に通信接続されたリライトの機種が開発用リライトＡ、市場用リライトＢ及び市場用リライトＣのどれにも当てはまらない場合、制御プログラムの書換え処理を行わずにコマンド判断処理を終了する。

　同様に、上記変形例では、図６のステップＳ２において、受信コマンドが開発用リライトＡから受信したものか否かを判定し、ステップＳ４において、受信コマンドが市場用リライトＢから受信したものか否かを判定し、ステップＳ６において、受信コマンドが市場用リライトＣから受信したものか否かを判定する場合を例示したが、これらのステップの内容を入れ替えても良い。

　図７は、例えば、異なる通信プロトコルを使用する３機種の外部書換え装置（開発用リライトＡ、市場用リライトＢ、市場リライトＣ）が共存するような状況を想定した場合において、ＣＰＵ１ｄが制御プログラムの書換え時に実行するコマンド判断処理を表すフローチャートである。
　また、図８は、図７のコマンド判断処理に含まれる初回受信コマンド切り分け処理を表すフローチャートである。
　なお、これら図７及び図８において図４Ａ及び図４Ｂと同じステップには同一符号を付している。

　この図７に示すように、開発用リライトＡ、市場用リライトＢ及び市場リライトＣが共存するような状況において、ＣＰＵ１ｄは、ステップＳ１０５で「Ｎｏ」の場合、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＣであると確定済みか否かを判定する（ステップＳ１０７）。
　ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ１０７において「Ｙｅｓ」の場合には、市場用リライトＣに対応する通信プロトコルを用いて市場用リライトＣとの通信（コマンドに対するレスポンスの返送など）、及び書換えコマンドに応じた制御プログラムの書換え処理を実行する（ステップＳ１０８）。一方、上記ステップＳ１０７において「Ｎｏ」の場合には、ＣＰＵ１ｄは、コマンド判断処理を終了する。

　また、図８に示すように、ＣＰＵ１ｄは、初回受信コマンド切り分け処理において、ステップＳ１０２ｃで「Ｎｏ」の場合、受信した書換えコマンドに基づいて、受信コマンドは市場用リライトＣから受信したものか（自装置に通信接続されたリライトの機種は市場用リライトＣか）否かを判定する（ステップＳ１０２ｅ）。
　ＣＰＵ１ｄは、このステップＳ１０２ｅにおいて「Ｙｅｓ」の場合、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＣであると判別（確定）して初回受信コマンド切り分け処理を終了し（ステップＳ１０２ｆ）、一方、上記ステップＳ１０２ｅにおいて「Ｎｏ」の場合にはそのまま初回受信コマンド切り分け処理を終了する。

　図４Ａと図４Ｂに関する上記実施形態では、図４ＡのステップＳ１０３において、自装置に接続されているリライトは開発用リライトＡであると確定済みか否かを判定し、ステップＳ１０５において、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＢであると確定済みか否かを判定する場合を例示したが、これらのステップの内容を入れ替えても良い。
　つまり、図４ＡのステップＳ１０３において、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＢであると確定済みか否かを判定し、ステップＳ１０５において、自装置に接続されているリライトは開発用リライトＡであると確定済みか否かを判定するようにしても良い。
　勿論、この場合には、ステップＳ１０４とＳ１０６の内容も入れ替える必要がある。

　また、図４ＢのステップＳ１０２ａにおいて、受信コマンドは開発用リライトＡから受信したものか否かを判定し、ステップＳ１０２ｃにおいて、受信コマンドは市場用リライトＢから受信したものか否かを判定する場合を例示したが、これらのステップの内容を入れ替えても良い。
　つまり、図４ＢのステップＳ１０２ａにおいて、受信コマンドは市場用リライトＢから受信したものか否かを判定し、ステップＳ１０２ｃにおいて、受信コマンドは開発用リライトＡから受信したものか否かを判定するようにしても良い。
　勿論、この場合には、ステップＳ１０２ｂとＳ１０２ｄの内容も入れ替える必要がある。

　また、図７に関する上記変形例では、図７のステップＳ１０３において、自装置に接続されているリライトは開発用リライトＡであると確定済みか否かを判定し、ステップＳ１０５において、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＢであると確定済みか否かを判定し、ステップＳ１０７において、自装置に接続されているリライトは市場用リライトＣであると確定済みか否かを判定する場合を例示したが、これらのステップの内容を入れ替えても良い。

　また、図８に関する上記変形例では、図８のステップＳ１０２ａにおいて、受信コマンドは開発用リライトＡから受信したものか否かを判定し、ステップＳ１０２ｃにおいて、受信コマンドは市場用リライトＢから受信したものか否かを判定し、ステップＳ１０２ｅにおいて、受信コマンドは市場用リライトＣから受信したものか否かを判定する場合を例示したが、ステップＳ１０２ｃとステップ１０２ｅの内容を入れ替えても良い。

　本発明によれば、異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置が共存するような状況にも対応可能な車両用制御装置及びプログラム書換え方法を提供することができる。

　１　ＥＣＵ（車両用制御装置）
　１ａ　通信Ｉ／Ｆ
　１ｂ　ＲＯＭ
　１ｃ　ＲＡＭ
　１ｄ…ＣＰＵ
　Ａ　開発用リライト（外部書換え装置）
　Ｂ　市場用リライト（外部書換え装置）

Claims

　異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能な車両用制御装置であって、
　制御プログラムを記憶する記憶部と；
　自装置に通信接続された前記外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて前記制御プログラムの書換えを行う制御部と；
を備え、
　前記制御部は、前記書換えコマンドを受信する度に、この受信した書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて、前記自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別する
ことを特徴とする車両用制御装置。
　前記記憶部は、前記複数機種の外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており；
　前記制御部は、前記記憶部に記憶されている各通信プロトコルのうち、前記書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された前記外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う；
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用制御装置。
　互いに異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置のいずれかから車両用制御装置へ書換えコマンドを送信することにより、前記車両用制御装置の制御プログラムの書換えを行うプログラム書換え方法であって、
　前記車両用制御装置が、前記書換えコマンドを受信する度に、この受信した書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて、自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別することを特徴とするプログラム書換え方法。
　前記車両用制御装置が、
　前記複数機種の外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており、なおかつ、
　前記書換えコマンドのヘッダ情報に基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う；
ことを特徴とする請求項３に記載のプログラム書換え方法。
　異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置との通信接続が可能な車両用制御装置であって、
　制御プログラムを記憶する記憶部と；
　自装置に通信接続された前記外部書換え装置から受信した書換えコマンドに応じて前記制御プログラムの書換えを行う制御部と；
を備え、
　前記制御部が、最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて、前記自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別し、以降は、この判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付ける
ことを特徴とする車両用制御装置。
　前記記憶部が、前記各外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており；
　前記制御部が、前記記憶部に記憶されている前記各通信プロトコルのうち、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された前記外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う；
ことを特徴とする請求項５に記載の車両用制御装置。
　異なる通信プロトコルを使用する複数機種の外部書換え装置のいずれかから車両用制御装置へ書換えコマンドを送信することにより、前記車両用制御装置の制御プログラムの書換えを行うプログラム書換え方法であって、
　前記車両用制御装置が、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて、自装置に通信接続された前記外部書換え装置の機種を判別し、以降は、この判別した外部書換え装置からの書換えコマンドのみを受け付ける
ことを特徴とするプログラム書換え方法。
　前記車両用制御装置が、
　前記各外部書換え装置の各々に対応する通信プロトコルを記憶しており、
　さらに、前記最初にプロトコルを確定した書換えコマンドに基づいて判別した前記外部書換え装置の機種に対応する通信プロトコルを用いて、前記自装置に通信接続された外部書換え装置との通信及び前記書換えコマンドに応じた前記制御プログラムの書換えを行う
ことを特徴とする請求項７に記載のプログラム書換え方法。