JP2009123226A - 車載制御装置の運用システム及び車載制御装置 - Google Patents

車載制御装置の運用システム及び車載制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車載制御装置のハード構成を車両に組み付けたままで、その制御プログラム情報を書き込むこと(書き換えることも含む)が可能で、しかもその書き込みのために、制御プログラム情報を提供する特殊な装置を現場で準備する必要がない車載制御装置の運用システムを提供する。
【解決手段】前記制御プログラム情報を、通信網1を介して提供可能なサーバー2と、車両に搭載された状態の車載制御装置と接続可能に構成され、通信網1を介してサーバー2と通信可能であり、サーバー2から前記制御プログラム情報を受信して車載制御装置に設けられた書き換え可能な不揮発性メモリ(ROMB14)に書き込む書込動作を実行可能な通信処理手段(パソコン30、ECU10)とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載制御装置の制御プログラム情報を容易に書き込むことが可能な運用システム又は車載制御装置に関する。
近年、4輪自動車等の車両に搭載される各種機器やシステム(キーレスエントリーシステム、パワーウインドウシステム、エンジン制御システムなど)の制御は、その多くがマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を用いたプログラム制御で行われるようになっている。そして、このようなプログラム制御を実行する一般的な車載制御装置は、通常のROM(再書込不能か困難なもの)のみを制御プログラム格納用メモリとして備えており、前記ROMにはROMライタなどを使用して制御プログラムが予め完全な形で登録され、車両メーカのライン投入時に制御プログラムも含めた完成品として納入されていた。また、登録された制御プログラムを修正又は変更する必要がある場合には、車両の所定取付部位(例えば、ドア内部などの入り組んだ位置)から車載制御装置を構成する制御ユニット(ECU)を取り外し、適正な制御プログラムが登録された前記ROMを搭載した新たな制御ユニットを取り付けて全体を交換する、といっためんどうな作業を通常行っていた。
特開平4−246730号公報 特開平3−270605号公報 特開平9−91009号公報
このため、上述した従来の車載制御装置は、開発期間の短縮に限界があり、近年の市場の要求に対応困難であるという問題があった。というのは、車両の各機器やシステムが高機能化して制御内容が複雑化しているにもかかわらず、車両自体の開発期間のさらなる短縮化の傾向から、車載制御装置の開発期間もより一層の短縮を要望されており、発売当初の新車への組み付け時点までに、制御プログラムの開発作業(仕様決定やプログラム自体の作成作業の他、プログラムの検証作業或いはプログラム修正作業含む)を十分遂行するのは、極めて困難となりつつあるからである。なお、仮に制御プログラムの検証作業等を十分に実行しないで納入し制御プログラムのバグ等によるトラブルが発生した場合には、当該車載制御装置を構成するユニット全体を前述したように交換するといっためんどうな作業が全車について必要となり、場合によっては販売時期をかえって延長しなければならず、多大な損害が生じる恐れがある。
また、車両メーカサイドとしては、ユーザーサービスの観点から、また競合上からも、できるだけ車載制御装置の仕様決定を遅くしたい(新車販売開始間際に最終仕様を決定したい)という要望があるが、同様の理由から、この要望にも十分答えられないという問題もあった。
なお、特許文献1(特開平4−246730号公報)、特許文献2(特開平3−270605号公報)、或いは特許文献3(特開平9−91009号公報)には、ハード的に完成状態にある車載制御装置に対して制御プログラムを外部からローディングする技術や、車載制御装置のハード構成を交換しないで制御プログラムを書き換える技術が開示されている。これらの公報に開示された技術によれば、車載制御装置を車両に組み付けた後にも、車載制御装置を交換することなく、完成品としての制御プログラムを最終的に書き込んだり、修正版の制御プログラムに書き換えたりすることが可能となる。このため、発売当初の新車への組み付け時点では、暫定版の制御プログラム、或いはその時点で必要最小限の基本機能のみを有する制御プログラムを書き込んでおき、例えば車両メーカから車両を出荷した後に、ディラーにおいて販売開始直前に最終版の制御プログラムに書き換えるという方式を採用すれば、制御プログラムの開発期間を実質的に短縮し、さらに車載制御装置の仕様決定をより発売開始間際にすることが可能となる。
しかし、上述した公報に開示されたシステムは、いずれも、制御プログラムを提供するための特殊な装置(例えば、車載制御装置の機種に応じた制御プログラムを生成するコンピュータシステム)を車載制御装置に対してローカルに接続するものであるため、車載制御装置の制御プログラムの書き込みや書き換えを行う現場(例えば、車両のディーラーや修理工場)毎に、それぞれ上記特殊な装置を備えなければならないという短所がある。
また、車両の一般ユーザが、車載制御装置の制御プログラムの修正や更新のために、必ずディーラー等に出向かないといけない(或いは、車両をディーラー等に預けないといけない)という問題もある。いいかえると、一般ユーザが、ディーラー等に出向かないで、自ら制御プログラムの修正や更新を必要に応じて(場合によっては、バージョンアップ料金を車両メーカ等に支払った上で)行うことができると、ユーザの利便性が高まる。しかし、前記公報のシステムの場合、そのためには、一般ユーザが制御プログラム情報を提供する特殊な装置(少なくとも、制御プログラム情報を登録した記憶媒体)を入手する必要があり、時間がかかるとともにめんどうである。また、一般ユーザが制御プログラム情報を提供する装置(或いは、制御プログラム情報を登録した記憶媒体)を直接に取り扱うことになると、制御プログラムの不正な使用(複数台での使用やプログラムの盗用等)が防止困難であるため、このような一般ユーザによる制御プログラムの書き換え作業は、前述した公報に開示された技術では、実際上実現不可能と考えられる。
そこで本発明は、車載制御装置のハード構成を車両に組み付けたままで、制御プログラム情報を書き込むこと(書き換えることも含む)が可能で、しかも制御プログラム情報の書き込みのために、制御プログラム情報を提供する特殊な装置を現場で準備する必要がない車載制御装置の運用システム又は車載制御装置を提供することを主目的としている。
またさらには、一般ユーザによる車載制御装置への制御プログラム情報の書き込み操作を問題なく可能とすること、車載制御装置への制御プログラム情報の書き込み操作の容易化、或いは、書き込み操作のミスや不正の可能性の低減を目的としている。
この発明による車載制御装置の運用システムは、
車載制御装置に設けられ、車載制御装置の運用に使用される制御プログラム情報を、電気的に再書込可能に記憶する不揮発性の記憶手段と、
車載制御装置に設けられるか、或いは車両に搭載された状態の車載制御装置と接続可能に構成され、通信網を介して前記制御プログラム情報を提供する例えば特定のサーバーと通信可能であり、例えば前記サーバーから通信網を介して前記制御プログラム情報を受信して前記記憶手段の所定のメモリエリアに書き込む書込動作を実行可能な通信処理手段と、を有するものである。
また、この発明による車載制御装置は、
当該車載制御装置の運用に使用される制御プログラム情報を、電気的に再書込可能に記憶する不揮発性の記憶手段と、
通信網を介して提供されている前記制御プログラム情報を、通信網を介して受信して前記記憶手段の所定のメモリエリアに書き込む書込動作を実行可能な通信処理手段と、を有するものである。
ここで、「通信網」とは、好ましくは広域通信網であり、例えば、公衆電話網のみからなるものでもよいし、公衆電話網を介したインターネット、イントラネット、或いはエクストラネットなどであってもよい。
また、「サーバー」とは、例えば、車載制御装置メーカや車両メーカ或いはディラーなどにおける任意の管理施設内に設置された通信機能付きのコンピュータシステムであり、管轄する車載制御装置の各種制御プログラム情報が適宜登録され、記憶管理されているものである。なお、このサーバーでは、制御プログラム情報の全てを記憶保持している必要はなく、必要最低限の情報のみを記憶保持していて、必要に応じて制御プログラム情報の残りの部分を生成するものであってもよい。
また、上記運用システムにおける「通信処理手段」は、例えば、携帯電話(或いは固定電話用回線の端子)などの通信端末に接続して前記通信網にアクセス可能であるとともに、車載制御装置内のマイコンとローカルに接続されて通信可能なパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)などの通信処理装置(或いは、この通信処理装置と車載制御装置内のマイコン)からなり、所定の書込動作用プログラムで運用される前記パソコンなどが前記書込動作を実行するものである。ここで、上記通信処理装置の書込動作用プログラムは、例えば車載制御装置のメーカ又は車両メーカなどが作成して、例えば車両のディラー(或いは、場合により一般ユーザ)などに、CDROM、FD、或いはICカードなどの記憶媒体に格納した形で事前に配布しておけばよい。また、上記通信処理装置は、市販のパソコンや携帯端末などであってもよいが、車載制御装置のメーカなどが開発した専用機(例えば、予め所定の書込動作用プログラムが登録されたもの)であってもよい。
なお、上記運用システムにおける「通信処理手段」は、車載制御装置内のマイコン等だけで構成してもよい。即ち、上述したような別個の通信処理装置であるパソコンなどを使用しないで、車載制御装置のマイコン自身に所定の書込動作用プログラムが予め記憶され、車載制御装置自身に直接通信端末(携帯電話等)を接続して、本発明の「通信処理手段」として機能させることもできる。
また、「制御プログラム情報」とは、制御プログラムの全体又は一部を構成する情報を意味し、制御プログラム全体の情報であってもよいし、制御プログラムの一部(特定のルーチンやパラメータ)の情報でもよい。
また、「電気的に再書込可能に記憶する不揮発性の記憶手段」としては、例えばバイト単位でデータ消去を行う通常のEEPROMを使用してもよいが、全ビット一括消去するフラッシュEEPROM(いわゆるフラッシュメモリ)を使用してもよい。
また、「制御プログラム情報を受信して」とは、通信処理手段からのアクセスにより、制御プログラム情報が積極的にダウンロードされる態様(通信処理手段からの要求に応じて例えば特定のサーバーが制御プログラム情報を送信する態様)でもよいし、例えば特定のサーバーから自動的に(即ち、車載制御装置側からの要求なしに)送信された制御プログラム情報を通信処理手段が単に受信する態様も含まれる。
この発明では、車載制御装置が車両に組み付けられた状態において、通信網を介して受信した制御プログラム情報を、車載制御装置に設けた書き換え可能な記憶手段に書き込むこと(再書き込みでもよい)が可能であり、この記憶手段に書き込んだ制御プログラム情報で車載制御装置を運用する。
このため、車載制御装置を車両に組み付けた後にも、車載制御装置を取り外して交換することなく、完成品としての制御プログラムを最終的に書き込んだり、修正版の制御プログラムに書き換えたりすることが可能となる。したがって、発売当初の新車への組み付け時点では、暫定版の制御プログラム、或いはその時点で必要最小限の基本機能のみを有する制御プログラムを書き込んでおき、例えば車両メーカから車両を出荷した後に、ディラーにおいて販売開始直前に最終版(或いは完全版)の制御プログラムに書き換えるという方式を採用すれば、制御プログラムの開発期間を実質的に短縮し、さらに車載制御装置の仕様決定をより発売開始間際にすることが可能となる。また、制御プログラムに不具合があっても容易に安く早く対応できる、機能向上の必要があれば発売後・納入後でもユーザサービスが可能となる、中古車になっても制御上の最新機能が使える、ユーザの好みに応じた制御内容の変更が可能となる、ハード部品を交換しない(再利用する)ため環境保全にも貢献できるといった極めて多くの実用的な利点が得られる。
しかもこの発明では、制御プログラム情報が通信網を介して書き込み現場に提供可能となるため、制御プログラム情報を提供する特殊な装置を現場で準備する必要がない。
このため、前述した各種の利点が、車両のディラー等における人的・資金的負担をそれ程生じることなく実現できる。なお、本発明を実施する際に現場で必要となる通信処理手段は、車載制御装置とは別個の装置を付加して構成する場合でも、前述したように、市販のパソコンや携帯端末、或いはそれらと同程度かそれ以下の簡易な専用機で構成できる(少なくとも、車載制御装置の各機種に応じた多数の制御プログラム情報を記憶したり、車載制御装置の特定の機種に適合する制御プログラム情報を生成したりする複雑な処理を実行する必要のない簡易なものでよい)。また、車載制御装置自身のみで本発明の通信処理手段を構成する場合には、車載制御装置に対して携帯電話等を接続するだけで、制御プログラム情報の書き込み(書き換え含む)が可能となり、パソコン等の別個の装置も不要となり、極めて安価に実現できる。
なお、本発明の「書込動作」は、具体的には、例えば前記サーバーと前記通信処理手段の次のような処理機能によって自動的に遂行できる。
即ち、前記サーバーには、前記通信処理手段からの送信要求に応じて、前記通信処理手段に対して前記制御プログラム情報を自動送信する機能を設けておく。一方、前記通信処理手段が、前記書込動作の処理内容として、少なくとも、前記サーバーにログインする通信開始処理と、前記送信要求の信号を前記サーバーに送信する送信要求処理と、前記サーバーから送信される前記制御プログラム情報を受信する受信処理と、受信した(つまり、ダウンロードした)前記制御プログラム情報を前記所定のメモリエリアに書き込むための処理とを順次実行するように、前記所定の書込動作用プログラムを設定しておけばよい。
また、この発明の好ましい態様は、前記通信処理手段が、電源投入後自動的に、或いは電源投入後の使用者による開始指令操作によって、前記書込動作を開始して遂行するものである。例えば、前記通信処理手段を構成するパソコンを車載制御装置や通信端末に対して接続して起動し、所定の書込動作用プログラムを実行する操作をすると、あとはこの書込動作用プログラムによって、前記書込動作が自動的に遂行されるものである。或いは、前記通信処理手段として機能する車載制御装置自身を通信端末に対して接続して、車載制御装置の特定の操作部(例えば車載制御装置の本体ユニットに設けられた特定のスイッチ、或いは車両の計器パネル等に設けられた操作入力装置の特定のスイッチなど)を操作すると、車載制御装置自身が所定の書込動作用プログラムを実行して、前記書込動作が自動的に遂行されるものである。
このような構成であれば、使用者は、操作が必要になるとしても、上述したような簡単な開始指令操作をするだけであるので、制御プログラム情報の書込操作が極めて楽になり、一般ユーザによる書込操作も可能となる。
また、この発明の好ましい別の態様は、前記通信処理手段が、認証情報(例えばユーザIDと暗証番号又は指紋等との組合せ)の入力手段を備え、前記書込動作の前に、或いは前記書込動作において、前記入力手段からの認証情報の入力を使用者に要求し、入力された認証情報を予め車載制御装置側の記憶手段に登録された認証情報のデータに基づいて、入力された認証情報の照合確認を実行し、この照合確認の結果が肯定的である場合にのみ、前記書込動作を遂行する(照合確認結果が否定的のときには、前記書込動作を開始しないか最後まで実行しない)ものである。
或いは、前記通信処理手段が、認証情報の入力手段を備え、前記書込動作の前に、或いは前記書込動作において、前記入力手段からの認証情報の入力を使用者に要求し、入力された認証情報を前記サーバーに自動送信する機能を有し、一方前記サーバーが、前記認証情報を受信し、予め前記サーバー側の記憶手段に登録された認証情報のデータに基づいて、受信した認証情報の照合確認を実行し、この照合確認の結果が肯定的である場合にのみ、前記通信処理手段への前記制御プログラム情報の送信を行う(照合確認結果が否定的のときには、例えば前記制御プログラム情報の自動送信を実行しない)ものである。
このような構成の場合には、適正な認証情報が入力されない限り、制御プログラム情報の書き込みが不可能となる(場合によっては、制御プログラム情報の受信自体も不可能となる)ため、ユーザ等の意志に反して誤って制御プログラム情報が書き換えられてしまったり、不正に制御プログラム情報が書き換えられてしまったり、制御プログラム情報が盗用される不具合が高い信頼性で防止できる。
また、この発明の好ましい別の態様は、前記通信処理手段が、前記書込動作の前に、或いは前記書込動作において、予め車載制御装置側の記憶手段に登録された車載制御装置の固有情報(例えば、機種情報や、制御プログラムのバージョン情報など)を前記サーバーに自動送信する機能を有し、一方前記サーバーは、前記固有情報を受信し、複数設定された前記制御プログラム情報のうち前記固有情報に対応する制御プログラム情報のみについて、前記通信処理手段への送信を行う(例えば、通信処理手段からの送信要求を受けたときに、受信した固有情報に対応しない制御プログラム情報は自動送信しない)ものである。
このような構成であれば、複数機種の車載制御装置に対応可能となるように、一つのサーバーに複数種の制御プログラム情報を設定した場合でも、誤った制御プログラム情報がダウンロードされて書き込まれてしまう不具合を高い信頼性で回避できる利点がある。
また、この発明の好ましい別の態様は、前記車載制御装置の基本動作プログラムと基本制御プログラムとが、前記通信処理手段による書込動作によってはアクセス不可能な記憶手段或いはメモリエリアに登録されているものである。
この構成であれば、前記通信処理手段による書込動作のエラーによって車載制御装置の基本的機能まで使用不可能になってしまうようなトラブルを確実に回避できる。即ち、例えば前記通信処理手段による書込動作のエラーによって前記所定のメモリエリアのデータが破壊されてしまったような場合でも、アクセス不可能な場所に登録された前記基本動作プログラムと基本制御プログラムによって、車載制御装置の基本的機能を活かすことが最低限可能である。なおここで、基本動作プログラムとは、車載制御装置のマイコンを動作させる基本ソフト(OS)を意味し、基本制御プログラムとは、車載制御装置の基本機能(例えば、パワーウインドウが制御対象であれば、スイッチ操作に従ってウインドウを単に上下動させるだけの制御機能)を実現するアプリケーションソフトを意味するが、これらは必ずしも別プログラムである必要はなく、一体のプログラムとして設定されていてもよいことはいうまでもない。
本発明によれば、車載制御装置が車両に組み付けられた状態において、通信網を介して受信した制御プログラム情報を、車載制御装置に設けた書き換え可能な記憶手段に書き込むこと(書き換えでもよい)が可能であり、この記憶手段に書き込んだ制御プログラム情報で車載制御装置を運用する。
このため、車載制御装置を車両に組み付けた後にも、車載制御装置を取り外して交換することなく、完成品としての制御プログラムを最終的に書き込んだり、修正版の制御プログラムに書き換えたりすることが可能となる。したがって、発売当初の新車への組み付け時点では、暫定版の制御プログラム、或いはその時点で必要最小限の基本機能のみを有する制御プログラムを書き込んでおき、例えば車両メーカから車両を出荷した後に、ディラーにおいて販売開始直前に最終版(或いは完全版)の制御プログラムに書き換えるという方式を採用すれば、制御プログラムの開発期間を実質的に短縮し、さらに車載制御装置の仕様決定をより発売開始間際にすることが可能となる。また、制御プログラムに不具合があっても容易に安く早く対応できる、機能向上の必要があれば発売後・納入後でもユーザサービスが可能となる、中古車になっても制御上の最新機能が使える、ユーザの好みに応じた制御内容の変更が可能となる、ハード部品を交換しない(再利用する)ため環境保全にも貢献できるといった極めて多くの実用的な利点が得られる。
しかもこの発明では、制御プログラム情報が通信網を介して書き込み現場に提供可能であるため、制御プログラム情報を提供する特殊な装置を現場で準備する必要がない。
このため、前述した各種の利点が、車両のディラー等における人的・資金的負担をそれ程生じることなく実現できる。なお、本発明を実施する際に現場で必要となる通信処理手段は、車載制御装置とは別個の装置で構成する場合でも、前述したように、市販のパソコンや携帯端末、或いはそれらと同程度かそれ以下の簡易な専用機で構成できる(少なくとも、車載制御装置の各機種に応じた多数の制御プログラム情報を記憶したり、車載制御装置の特定の機種に適合する制御プログラム情報を生成したりする複雑な処理を実行する必要のない簡易なものでよい)。また、車載制御装置自身だけで本発明の通信処理手段を構成する場合には、車載制御装置に対して携帯電話等を接続するだけで、制御プログラム情報の書き込み(書き換え含む)が可能となり、パソコン等の別個の装置も不要となり、極めて安価に実現できる。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、本形態例のシステム構成を示す図であり、図2は、本システムの制御プログラム書込動作の手順を示すフローチャートである。
本システムは、車載制御装置の制御プログラム情報を通信網1を介して提供可能なサーバー2と、車載制御装置の本体であるECU(制御ユニット)10と、サーバー2から前記制御プログラム情報を受信してECU10の所定のメモリエリアに書き込む書込動作を実行するためのパソコン30とを有する。なお、ECU10は、例えば車両内の各制御対象毎に設けられ、これら複数のECU10が相互通信可能に接続されて車内におけるローカルエリアネットワーク(車内LAN)を構成していてもよい。またこの場合、パソコン30は、ECU10とともに、本発明の通信処理手段を構成している。
ここで、通信網1は、例えば公衆電話網を経由したインターネットである。また、サーバー2は、例えば車載制御装置メーカや車両メーカ或いはディラーの特定の施設(管理センター)に設置されたファイルサーバーとしてコンピュータであり、このサーバー2の記憶手段(例えば、ハードディスク等)には、管轄する各種車載制御装置の各種制御プログラム情報が適宜登録されて記憶されている。なお、このサーバー2は、通信網1を介してクライアント側から前記制御プログラム情報の送信要求の信号を適正に受信すると、この送信要求を送信したクライアント(例えばパソコン30)に対して対応する制御プログラム情報を自動送信する機能などを有する(詳細後述する)。また、サーバー2の記憶手段には、ユーザ毎(或いは車載制御装置の種類毎)に、後述する認証情報や固有情報が、車両メーカの管理者等によって予め登録されている。
また、ECU10は、CPU11、RAM12、ROMA13、ROMB14、及びインターフェース15からなるマイコンを含む制御回路を備える電子制御ユニットで、前記制御回路が形成された回路基板がユニットケース内に収納されてなる。なお、このECU10は、例えばパワーウインドウの制御ユニットである場合には、例えば車両のドア内部に配置されて車両に組み込まれる。また、このECU10の電源(例えばDC12V)は、図示省略した車両のバッテリーからイグニションスイッチ等を介して供給される。
なお、ROMA13は、ECU10の基本動作プログラム(OS)や後述する書込動作用プログラム或いは基本的な制御プログラム(アプリケーションソフト)を含むソフトが予め登録されたROMであり、電気的再書込が可能なメモリであってもよいし、通常のROM(マスクROM、或いはEPROM)であってもよい。一方、ROMB14は、制御プログラムの全体又は一部を修正又は更新するための制御プログラム情報と、認証情報(この場合、ユーザ毎に設定されるID番号及び暗証番号)と、固有情報(車載制御装置の機種を特定するための機種情報や、現在運用中の制御プログラムのバージョンなどを特定する管理ナンバー等のパージョン情報など)を登録するためのROMで、電気的再書込が可能なメモリ(通常のEEPROM或いはフラッシュメモリなど)で構成されている。ここで、認証情報と固有情報は、ROMB14の特定のメモリエリアに、制御プログラム情報の書込動作とは別の処理動作で予め登録されている。また、認証情報と固有情報(バージョン情報除く)が登録されたメモリエリアは、制御プログラム情報の書込動作ではアクセスできないエリアとなっている。
なお、認証情報と固有情報は、ROMA13の特定のメモリエリアに登録されていてもよい。また、ここでのROMA13とROMB14の機能を、一体のメモリ(通常のEEPROM或いはフラッシュメモリなど)で構成する態様も当然あり得る。
このECU10のインターフェース15には、制御対象16(例えば、パワーウインドウシステムの駆動モータ)と、各種入力スイッチを含むセンサ類18が接続されており、制御対象16に対する制御信号の出力、各種入力スイッチを含むセンサ類18からの信号の入力が可能となっている。そしてECU10は、例えば図示省略したイグニションキーのオン操作によって電源供給されて起動し、通常の稼働状態においては、ROMA13やROMB14に登録された制御プログラム情報に従って、各種センサ類18からの入力信号に基づき制御対象16を制御する制御動作を実行する。この際、ROMB14に制御プログラム情報が未登録の場合には、ROMA13に登録された基本制御プログラム情報のみに従って、上記制御動作を実行する。また、ROMB14に制御プログラム情報が登録されている場合には、ROMA13及びROMB14に登録された制御プログラム情報に従って、上記制御動作を実行する(但し、ROMA13の情報とROMB14の情報が重複又は矛盾する際には、後で書き込まれたROMB14の情報を優先して使用する)。
またECU10は、外部のパソコンとの間で通信する機能を備えており、インターフェース15には、そのための通信線接続端子19が接続されている。なお、通信線接続端子19は、例えば車両の計器パネル表面などに設けられ、ディーラーのサービスマンや一般ユーザでも、パソコン30との通信線を容易に接続可能となっている。なお、この通信線や通信線接続端子19の仕様は、特に限定されないが、低コスト化等の観点からは、一般のパソコン間通信に使用されている汎用規格に準じたものが好ましい。また、通信線接続端子19の代わりに例えば赤外線通信用ポート或いは通信アンテナ等を設けて、パソコン30との間で赤外線或いは電波による無線通信を行う構成としてもよい。また、パソコン30との間の通信のために信号形態の変換が必要になる場合には、そのためのモデムユニットを、ECU10とパソコン30間に接続する構成としてもよい。
そして、パソコン30は、この場合ノート形の携帯可能なパソコンであり、前述した通信線を接続することにより車両に搭載された状態のECU10とローカルに通信可能となっており、さらに、例えば図示省略した携帯電話と接続されることによって通信網1を介してサーバー2と通信可能となっているものである。なお、通信網1との接続形態は、公知の各種方式が採用できることはいうまでもない。例えば、パソコン30にモデム(デジタル信号と音声信号間の変換を行うもの)を内蔵しておき、固定電話の回線をこのモデムを介して接続して、固定電話の回線を介して通信網1にアクセスする態様でもよい。或いは、携帯電話をパソコン30に接続する方式でもよい。
また、この場合のパソコン30は、所定の書込動作用プログラムがCDROM等を介して例えば内蔵のハードディスクに予めインストールされており、この書込動作用プログラムが実行されることによって、後述の書込動作を実現する。
次に、上述した車載制御装置の運用システムの使用手順や動作を、そのためのパソコン30等の処理機能(書込動作用プログラムの内容など)とともに説明する。
本システムにおいて、車載制御装置のECU10に制御プログラム情報を書き込む(或いは書き換える)場合には、図2に示すように、まずパソコン30をECU10と通信網1に対して接続する(ステップS1)。次いで、車両のイグニションキーの操作等によってECU10の電源をオンし(ステップS2)、パソコン30を起動してインストールされた書込動作用プログラムを実行する(ステップS3)。なお、複数の車載制御装置が前述したように車内LANを構成している場合には、パソコン30をこの車内LANに対して接続し、車内LANを構成する複数のECU10のうちのいずれに対して制御プログラム情報の書込動作を行うのかを、例えば事前に指定する操作が必要となる。なお、この指定操作は、後述のステップS4等において、行う構成でもよい。
いずれにしろ、こうしてパソコン30において所定の書込動作用プログラムが起動すると、パソコン30は、まずそのディスプレイ31に例えば図1に示すような画面を表示し、認証情報(この場合、ID番号と暗証番号)の入力と書込動作の開始指令操作を要求する。そして、認証情報の入力と書込動作の開始指令操作がなされると、ECU10(複数のECUが車内LANを構成している場合には、指定操作により指定された特定のECU)に対して書込準備指令や認証情報の信号を送信し、後述するOK信号の待ち状態となる(ステップS4)。
一方、この書込準備指令や認証情報の信号を受信したECU10(CPU11)は、通常の稼働状態から書込動作のための状態に移行し、ROMA13に登録されたECU側の書込動作用プログラムに従って動作して、まず認証情報の照合確認を行う。即ち、ROMB14の特定のメモリエリアに記憶されている認証情報と受信した認証情報を比較し、一致すれば照合確認一致とし、不一致ならば照合確認不一致とする。ここで、照合確認不一致の場合には、パソコン30に認証情報エラーの信号を送信し、これを受けたパソコン30は、エラー状態となり、例えば認証情報が誤っていて書込動作が実行できない旨をディスプレイ31に文字等で表示して報知する。そして、照合確認一致の場合には、ECU10が、制御プログラム情報の書込準備処理(例えばROMB14の所定のメモリエリアを初期化するなどの処理)を行った後、OK信号(書込準備が完了したことを示す信号)やROMA13に記憶されている固有情報をパソコン30に送信し、制御プログラム情報の受信待ち状態となる(ステップS5)。
次に、上記OK信号をパソコン30が受信すると、パソコン30は、サーバー2にログインする通信開始処理と、前記送信要求の信号及び前記認証情報や固有情報の信号をサーバー2に送信する送信要求処理とを順次実行する(ステップS6)。
そして、上記送信要求等の信号を受信したサーバー2は、まず認証情報の照合確認を行う。即ち、サーバー2の記憶手段に記憶されている認証情報と受信した認証情報を比較する。ここで、照合確認不一致の場合には、パソコン30に認証情報エラーの信号を送信し、これを受けたパソコン30は、エラー状態となり、例えば認証情報が誤っていて書込動作が実行できない旨をやはりディスプレイ31に文字等で表示して報知する。そして、照合確認一致の場合には、記憶手段に記憶されている制御プログラム情報のなかから、予め車両メーカ等の管理者によって設定されたデータテーブル(或いは選択条件)に従って、受信した認証情報や固有情報に応じた最新の制御プログラム情報を選択し(ステップS7)、これをパソコン30に送信する(ステップS8)。なお、この制御プログラム情報の送信時には最後に完了信号を送信する。
次に、この制御プログラム情報を受信して内部のRAM等に一時記憶したパソコン30は、上記完了信号を受信した後、受信した制御プログラム情報のデータをサーバー2に返送する(ステップS9)。そして、この返送を受けたサーバー2は、返送されたデータを先に送信したデータと比較して、完全一致しているか否か判定し、完全一致している場合にはOK信号をパソコン30に送信する(ステップS10)。ここで、データが完全一致していないときには、パソコン30に通信エラーの信号を送信し、これを受けたパソコン30は、通信エラー(エラー1)が生じたとして、例えばステップS6から再度処理を繰り返すとともに、その旨をディスプレイ31に表示して報知する(この場合、図1に示すような星形の領域よりなるエラー1のランプを点灯表示する)。なお、もちろん、このような再確認動作(上記ステップS9,S10)を省略する態様もあり得る。
次いで、上記OK信号を受信したパソコン30は、その後、受信した制御プログラム情報のデータをECU10(車内LANの構成の場合には、指定された特定のECU10)に送信する(ステップS11)。なお、この制御プログラム情報の送信時にも最後に完了信号を送信する。
一方、ECU10は、パソコン30から送信された上記制御プログラム情報を受信して、ROMB14(フラッシュメモリ)の所定エリアに書き込む(ステップS12)。なお、書込方式は、受信する都度書き込んでゆく都度書込でもよいし、全データを一旦RAM12に都度書込した後、その全データをいっせいにROMB14に書き込む方式でもよい。またこの際、ROMB14の所定エリアを除くメモリエリア(ROMA13のメモリエリア含む)には、データの書き込みのためのアクセスが一切できない構成となっていることが、信頼性の面から好ましい。但し、コスト低減等の観点から、このようなアクセス禁止を実施しない態様でもよい。また、この制御プログラム情報の書込処理の後には、必要に応じてその種類やバージョンを示す情報(例えば管理ナンバー等)を、例えばROMB14の特定エリアに書き込む。
次いでECU10は、上記完了信号を受信し、さらに上記書込処理が終了した後、書き込んだ制御プログラム情報のデータをパソコン30に返送する(ステップS13)。
そして、この返送を受けたパソコン30は、返送されたデータを先に送信したデータと比較して、完全一致しているか否か判定し、完全一致している場合にはOK信号をECU10に送信する(ステップS14)。ここで、データが完全一致していないときには、書込エラー(エラー2)が生じたとして、例えば書込エラーの信号をECU10に送信してステップS11から再度処理を繰り返すとともに、その旨をディスプレイ31に表示して報知する(この場合、図1に示すような星形の領域よりなるエラー2のランプを点灯表示する)。またここで、上記書込エラーの信号を受けたECU10は、例えば、再度前述の書込準備処理を行って制御プログラム情報の受信待ち状態となる。また、上記OK信号を受けたECU10は、例えば、ROMB14の所定エリアに書き込んだ制御プログラム情報を実際の制御に優先的に使用する情報として設定する処理を行い、その後、書込動作のための状態から通常の稼働状態へと戻る。
なお、上記再確認動作(上記ステップS13,S14)は、信頼性が高ければ、もちろん省略する態様もあり得る。また、ECU10の上述した書込動作を、センサ類18としてECU10のインターフェース15に接続して設けた入力スイッチ等(図示省略)によって、制御する方法もあり得る。また、上述した書込処理等を許可するスイッチ(図示省略)をセンサ類18として設けてもよい。
また、上記OK信号をECU10に送信したパソコン30は、内部のRAM等に一時記憶した制御プログラム情報を盗難防止のために自動消去するとともに、書込動作が完了したことをディスプレイ31に表示して報知する(この場合、図1に示すような星形の領域よりなる書込完了のランプを例えば一定時間点灯表示する)などの完了処理を実行し、一連の処理を終了する(ステップS15)。但し、このステップS15の処理(特に、制御プログラム情報の自動消去の処理)は、もちろん必須なものではなく、このような処理を行わない態様もあり得ることはいうまでもない。
なお、この場合、上記書込動作中においてディスプレイ31には、図1に示すように中止ボタンが表示され、この中止ボタンをパソコン30の操作者(ディーラーのサービスマン等)がクリックすると、書込動作が中止され、或いは、前述したエラー状態(認証情報の照合不一致、エラー1又はエラー2などの状態)が解除できる(例えば、エラー状態を解除して書込動作を最初からやり直せる)ようになっている。
以上説明した本形態例のシステムでは、上述した書込動作によって、車載制御装置を構成するECU10が車両に組み付けられた状態において、通信網1を介してサーバー2からダウンロードした制御プログラム情報を、ECU10に設けた書き換え可能な不揮発性記憶手段(ROMB14)に書き込むこと(書き換えでもよい)が可能であり、この記憶手段に書き込んだ制御プログラム情報と、残りの記憶手段(ROMA13)に予め書き込んだプログラム情報で車載制御装置を運用する(この場合、ROMA13の情報とROMB14の情報が重複又は矛盾する際には、ROMB14の情報を優先して使用する)。
このため、車載制御装置を車両に組み付けた後にも、車載制御装置を取り外して交換することなく、完成品としての制御プログラムを最終的に書き込んだり、修正版の制御プログラムに書き換えたりすることが可能となる。したがって、発売当初の新車への組み付け時点では、例えば、その時点で必要最小限の基本機能のみを有する基本制御プログラムのみをROMA13に書き込んでおき、車両メーカから車両を出荷した後に、ディラーにおいて販売開始直前に完全版の制御プログラムをROMB14の所定エリアに書き込むという方式を採用すれば、制御プログラムの開発期間を実質的に短縮し、さらに車載制御装置の仕様決定をより発売開始間際にすることが可能となる。
また、制御プログラムに不具合があっても、前記書込動作によってROMB14に修正版の制御プログラム情報を書き込むことによって容易に安く早く対応できる。また、機能向上の必要があれば発売後・納入後でも、前記書込動作によってROMB14に機能向上版の制御プログラム情報を書き込むことによって、たとえ海外輸出されたものでも容易に安く早く機能アップ対応できるユーザサービスが可能となる。また、中古車になっても、前記書込動作によってROMB14に最新版の制御プログラム情報を書き込むことによって、制御上の最新機能が使える。さらには、ユーザの好みに応じた制御内容の変更が可能となる、ハード部品を交換しない(再利用する)ため環境保全にも貢献できるといった極めて多くの実用的な利点が得られる。
しかも本システムでは、制御プログラム情報がサーバー2から通信網1を介して書き込み現場に提供されるため、制御プログラム情報を提供する特殊な装置を現場で準備する必要がない。
このため、前述した各種の利点が、車両のディラー等における人的・資金的負担をそれ程生じることなく実現できる。
また、本システムは、本発明の通信処理手段を構成するパソコン30が、電源投入後の使用者による開始指令操作によって、前記書込動作を開始して遂行するものである。即ち、パソコン30をECU10(車載制御装置)や携帯電話(通信端末)に対して接続して起動し、所定の書込動作用プログラムを実行する操作(この場合、認証情報を入力して開始ボタンをクリックする操作)をすると、あとはこの書込動作用プログラムによって、前記書込動作が自動的に遂行されるものである。
このため、使用者は、上述したような簡単な開始指令操作をするだけであるので、制御プログラム情報の書込操作が極めて楽になり、一般ユーザによる書込操作も可能となる。
また本システムでは、パソコン30(通信処理手段)が、認証情報(例えばユーザIDと暗証番号との組合せ)の入力手段(この場合、パソコン30のキーボード部32)を備え、前記書込動作の前に認証情報の入力を使用者に要求し、予め車載制御装置側の記憶手段(ROMB14)に登録された認証情報のデータに基づく照合確認の結果が肯定的である場合にのみ、前記書込動作を遂行する(照合確認結果が否定的のときには、前記書込動作を開始しない)。さらにパソコン30は、前記書込動作において、入力された認証情報をサーバー2に自動送信する機能を有し、一方サーバー2が、予めサーバー2側の記憶手段に登録された認証情報のデータに基づいて、受信した認証情報の照合確認を実行し、この照合確認の結果が肯定的である場合にのみ、制御プログラム情報のダウンロードを許容する(照合確認結果が否定的のときには、制御プログラム情報の自動送信を実行しない)。
これにより、適正な認証情報が入力されない限り、制御プログラム情報の書き込みが不可能となる(この場合、制御プログラム情報のダウンロード自体も不可能となる)ため、ユーザ等の意志に反して誤って制御プログラム情報が書き換えられてしまったり、不正に制御プログラム情報が書き換えられてしまったり、制御プログラム情報が盗用される不具合が高い信頼性で防止できる。
また、本システムでは、パソコン30が、前記書込動作において、予め車載制御装置側の記憶手段(この場合、ROMB14)に登録された車載制御装置の固有情報(例えば、機種情報や、制御プログラムのバージョン情報など)をサーバー2に自動送信する機能を有し、一方サーバー2は、前記固有情報を受信し、複数設定された制御プログラム情報のうち前記固有情報に対応する制御プログラム情報のみについてダウンロードを許容する(パソコン30からの送信要求を受けたときに、受信した固有情報に対応しない制御プログラム情報は自動送信しない)。
このため、複数機種の車載制御装置に対応可能となるように、一つのサーバー2に複数種の制御プログラム情報を設定した場合でも、誤った制御プログラム情報がダウンロードされて書き込まれてしまう不具合を高い信頼性で回避できる利点がある。
また、このシステムでは、ECU10(車載制御装置)の基本動作プログラムと基本制御プログラムとが、前記書込動作によってはアクセス不可能な記憶手段(ROMA13)に登録されている。
このため、前記書込動作のエラーによって車載制御装置の基本的機能まで使用不可能になってしまうようなトラブルを確実に回避できる。即ち、例えば前記書込動作のエラーによって前記所定のメモリエリアのデータが破壊されてしまったような場合でも、アクセス不可能なROMA13に登録された前記基本動作プログラムと基本制御プログラムによって、車載制御装置の基本的機能を活かすことが最低限可能である。
なお、本発明は上記形態例に限られず、課題を解決するための手段の欄に記載したように、各種の態様があり得る。
例えば、図3に示すように、上記ディスプレイ31やキーボード部32に対応する表示装置41及び操作入力装置42と、ECU10を通信網1に接続するためのモデム43及び端子44などを、全て車両側設備(車載制御装置)として設置し、ECU10だけで(車両側に既設の設備だけで)本発明の通信処理手段を構成することもできる。このようにすれば、端子44に携帯電話或いは固定電話用回線の端子を接続するだけで、別個の装置(上記パソコン30のような装置)を要することなく、制御プログラム情報の書込が可能となる。
また、図1又は図3に示すような構成において、指紋入力装置をパソコン30側或いは車両側の設備として設置し、暗証番号の代わりに(或いは暗証番号に加えて)ユーザ等の指紋を入力して少なくとも認証情報の一部として使用する構成でもよい。
また、車両納入後の制御プログラムの変更(機能アップなど)や修正については、上述したようなシステムを利用してユーザ自身でも可能となること、不具合の修正のため無料で修正プログラムのダウンロードが可能であること、或いは、指定料金を事前に振り込んで申し込めば制御上の機能アップを実現する各種制御プログラムのダウンロードが可能であることなどを、ディーラーの営業マンがユーザに口頭で説明したり、取扱説明書にその旨の説明を記載してもよいが、例えばプログラム修正の必要が生じた時や、制御プログラムのバージョンアップ版が完成した時などに、郵便はがきや電子メール等でその都度ユーザに連絡するようにしてもよい。
車載制御装置の運用システムの構成例を示す図である。 車載制御装置の運用システムの動作例を示すフローチャートである。 車載制御装置の運用システムの他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 通信網
2 サーバー
10 ECU(車載制御装置本体、通信処理手段)
14 ROMB(記憶手段)
30 パソコン(通信処理手段)

Claims (9)

  1. 車載制御装置に設けられ、車載制御装置の運用に使用される制御プログラム情報を、電気的に再書込可能に記憶する不揮発性の記憶手段と、
    前記制御プログラム情報を、通信網を介して提供可能なサーバーと、
    車載制御装置に設けられるか、或いは車両に搭載された状態の車載制御装置と接続可能に構成され、通信網を介して前記サーバーと通信可能であり、前記サーバーから前記制御プログラム情報を受信して前記記憶手段の所定のメモリエリアに書き込む書込動作を実行可能な通信処理手段と
    を有することを特徴とする車載制御装置の運用システム。
  2. 前記サーバーは、
    前記通信処理手段からの送信要求に応じて、前記通信処理手段に対して前記制御プログラム情報を自動送信する機能を有し、
    前記書込動作は、
    前記サーバーにログインする通信開始処理と、
    前記送信要求の信号を前記サーバーに送信する送信要求処理と、
    前記サーバーから送信される前記制御プログラム情報を受信する受信処理と、
    受信した前記制御プログラム情報を前記所定のメモリエリアに書き込むための処理と
    を順次実行するものであることを特徴とする請求項1記載の車載制御装置の運用システム。
  3. 前記前記通信処理手段は、
    電源投入後自動的に、或いは電源投入後の使用者による開始指令操作によって、前記書込動作を開始して遂行することを特徴とする請求項1又は2記載の車載制御装置の運用システム。
  4. 前記通信処理手段は、
    認証情報の入力手段を備え、
    前記書込動作の前に、或いは前記書込動作において、前記入力手段からの認証情報の入力を使用者に要求し、入力された認証情報を予め車載制御装置側の記憶手段に登録された認証情報のデータに基づいて、入力された認証情報の照合確認を実行し、この照合確認の結果が肯定的である場合にのみ、前記書込動作を遂行することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車載制御装置の運用システム。
  5. 前記通信処理手段は、
    認証情報の入力手段を備え、
    前記書込動作の前に、或いは前記書込動作において、前記入力手段からの認証情報の入力を使用者に要求し、入力された認証情報を前記サーバーに自動送信する機能を有し、
    前記サーバーは、
    前記認証情報を受信し、予め前記サーバー側の記憶手段に登録された認証情報のデータに基づいて、受信した認証情報の照合確認を実行し、この照合確認の結果が肯定的である場合にのみ、前記通信処理手段への前記制御プログラム情報の送信を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車載制御装置の運用システム。
  6. 前記通信処理手段は、
    前記書込動作の前に、或いは前記書込動作において、予め車載制御装置側の記憶手段に登録された車載制御装置の固有情報を前記サーバーに自動送信する機能を有し、
    前記サーバーは、
    前記固有情報を受信し、複数設定された前記制御プログラム情報のうち前記固有情報に対応する制御プログラム情報のみについて、前記通信処理手段への送信を行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車載制御装置の運用システム。
  7. 前記車載制御装置の基本動作プログラムと基本制御プログラムとが、前記通信処理手段による書込動作によってはアクセス不可能な記憶手段或いはメモリエリアに登録されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の車載制御装置の運用システム。
  8. 車載制御装置に設けられ、車載制御装置の運用に使用される制御プログラム情報を、電気的に再書込可能に記憶する不揮発性の記憶手段と、
    車載制御装置に設けられるか、或いは車両に搭載された状態の車載制御装置と接続可能に構成され、通信網を介して提供されている前記制御プログラム情報を、通信網を介して受信して前記記憶手段の所定のメモリエリアに書き込む書込動作を実行可能な通信処理手段と
    を有することを特徴とする車載制御装置の運用システム。
  9. 当該車載制御装置の運用に使用される制御プログラム情報を、電気的に再書込可能に記憶する不揮発性の記憶手段と、
    通信網を介して提供されている前記制御プログラム情報を、通信網を介して受信して前記記憶手段の所定のメモリエリアに書き込む書込動作を実行可能な通信処理手段と
    を有することを特徴とする車載制御装置。
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