WO2011104887A1

WO2011104887A1 - ワイヤロープ製造装置

Info

Publication number: WO2011104887A1
Application number: PCT/JP2010/053190
Authority: WO
Inventors: 純河原; 功吉野
Original assignee: 東京製綱株式会社
Priority date: 2010-02-23
Filing date: 2010-02-23
Publication date: 2011-09-01
Also published as: CN102713053B; CN102713053A

Abstract

　充填材入りワイヤロープを，比較的高速に製造する。筒形撚線機１０およびかご形撚線機２０が，縦列（タンデム）に配置されている。筒形撚線機１０の回転軸１４とかご形撚線機２０の回転軸２１が連結されている。筒形撚線機１０の繰出しボビン１２に６本の側ストランド３が，かご形撚線機２０の繰出しボビン２７に６本の充填材４がそれぞれ巻き回されている。外部から供給される心ロープ２の周囲に，６本の側ストランド３と，６本の充填材４とが交互に撚られて充填材入りワイヤロープ１が製造される。

Description

ワイヤロープ製造装置

　この発明は，ワイヤロープ製造装置，特に，複数本のスチール製の側ストランドの間のそれぞれに，樹脂製の線状体（樹脂製充填材，樹脂製セパレータ）が配列されたワイヤロープの製造装置に関する。

　ワイヤロープ，特にエレベータやクレーンなどに用いられるワイヤロープ（道索）として，一般に心ロープの周囲に複数本の側ストランドを撚り合わせたものが用いられている。
　心ロープの周囲に複数本の側ストランドを撚合わせたワイヤロープでは，隣合う側ストランド同士が接触する。使用中に側ストランド同士が擦れ合って側ストランドが摩耗してしまうのを防止するために，側ストランド間に可撓性材料を適切に成型した充填材（樹脂製の線状体）を配置したワイヤロープが提案されている（たとえば，特開昭５７−１２１６８４号公報を参照）。
　特開昭５７−１２１６８４号公報では，ワイヤロープの製造にかご形撚線機が用いられている。かご形撚線機では，ストランド等（線状体）が巻き回されているボビン自体が，かご形撚線機の回転軸を中心にして大きな弧を描くようにして回転（公転）する。
　かご形撚線機は，上述のようにボビン自体が大きな弧を描くように公転するので，一般に２０回転／分程度と回転数が遅く，生産性は高いものではない。
　近年では，ワイヤロープの生産性を高めるために，かご形撚線機に代えて筒形撚線機が用いられることが多い。筒形撚線機ではストランド等が巻き回されたボビン自体は公転せず，ストランド等が通された回転胴が回転する。回転胴の回転速度は速く（たとえば，１００回転／分），かご形撚線機と比べると生産性が高い。
　筒形撚線機の特徴として，ストランド等に撚りを加えるがストランド等自体にねじりを加えるものではないことがあげられる。一般的なワイヤロープであれば，ストランド等自体にねじりが入っている必要はなく，したがって筒形撚線機によってワイヤロープを作成するのが好ましい。しかしながら，側ストランド間に充填材（樹脂製の線状体）（セパレータ）を配置した充填材入りワイヤロープを作成する場合であって，充填材の同一面が常に側ストランドと接触し，かつ充填材の同一面が常に心ロープと接触するようにするには，充填材にねじりを加えなければならない。筒形撚線機のみでは充填材がねじられないので，充填材の同一面を常に側ストランドと接触させ，かつ充填材の同一面を常に心ロープと接触させることはできない。

　この発明は，たとえば上述の充填材入りワイヤロープを，比較的高速に製造することができる製造装置を提供することを目的とする。
　包括的に規定されるこの発明によるロープ製造装置は，素材の異なる複数種類の線状体を撚り合わせることによってロープを製造するものであって，縦列配列された筒形撚線機およびかご形撚線機を備え，上記筒形撚線機における回転軸と上記かご形撚線機における回転軸が連結されており，上記筒形撚線機の繰出しボビンに，複数種類の線状体のうち重量の大きい線状体が巻き回されており，上記かご形撚線機の繰出しボビンに，複数種類の線状体のうち重量の小さい線状体が巻回されているものである。
　筒形撚線機はねじりを伴うことなく複数本の線状体（ストランド，線状の充填材等）を撚ることができる。かご形撚線機はねじりを入れながら複数本の線状体を撚ることができる。この発明によると，筒形撚線機およびかご形撚線機の回転軸が連結されているので，これらの２つの撚線機は同期して回転する。筒形撚線機によって得られるねじりの無い線状体と，かご形撚線機によって得られるねじりを伴う線状体とを，撚りピッチを同じにして撚り合わせたロープを製造することができる。筒形撚線機から繰り出される線状体とかご形撚線機から繰り出される線状体の相対する面を，製造されるロープの全長にわたって同じとすることができ，これにより，ロープの全長にわたって，ねじりを伴う線状体の同一面をねじりの無い線状体に常に接触させることができる。たとえば，ねじりを伴う線状体の一面にその長手方向に連続する凹部が形成されている場合に，その凹部がロープの全長にわたってねじりの無い線状体と接触するロープを得ることができる。
　上述のように，かご形撚線機はねじりを伴って線状体を撚るものであるが，かご形撚線機の中にはより戻し装置を備えこのより戻し装置によってかご形撚線機の繰出しボビンをその公転方向と反対方向に自転させることで，かご形撚線機によって撚られる線状体のねじりを無くすものもある。この発明によるロープ製造装置を構成するかご形撚線機はこのより戻し装置を具備しない。したがって，ねじりを伴う線状体が，製造されるロープには含まれる。
　一般に，筒形撚線機とかご形撚線機では筒形撚線機の方が回転速度が速く，かご形撚線機の方が回転速度が遅い。筒形撚線機とかご形撚線機を同期回転させる場合，回転速度の遅いかご形撚線機の回転速度に筒形撚線機の回転速度を合わせる必要がある。この発明によると，上記筒形撚線機の繰出しボビンに複数種類の線状体のうち重量の大きい（比較的重い）線状体が巻き回されており，上記かご形撚線機の繰出しボビンに複数種類の線状体のうち重量の小さい（比較的軽い）線状体が巻回されている。ロープ製造装置によるロープの製造スピードを規定するかご形撚線機の回転速度（繰出しボビンの公転速度）を向上させることができるので，結果的にロープの製造スピードが向上する。
　この発明によるロープ製造装置をワイヤロープ製造装置として用いる場合，次のように規定することができる。すなわち，この発明によるワイヤロープ製造装置は，心ロープの周囲に，複数本のスチールワイヤを撚合わせたＮ本の側ストランドと，Ｎ本の樹脂製充填材（側ストランド間に位置する樹脂製の線状体）とが交互に撚られたワイヤロープの製造するものであり，縦列配列され，かつ同期動作する筒形撚線機およびかご形撚線機を備え，上記筒形撚線機の複数の繰出しボビンに上記Ｎ本の側ストランドが，上記かご形撚線機の複数の繰出しボビンに上記Ｎ本の樹脂製充填材がそれぞれ巻き回されているものである。側ストランドは比較的重く，樹脂製充填材は比較的軽い。外部から供給される心ロープを中心に配置させ，上記筒形撚線機から繰り出されるＮ本の側ストランドと，上記かご形撚線機から繰り出される充填材を上記心ロープの周囲において交互に位置させて撚り合わせることによって，充填材の同一面が全長にわたって常に側ストランドと接触し，かつ充填材の同一面が全長にわたって常に心ロープと接触する充填材入りワイヤロープを，比較的高速に製造することができる。

　第１Ａ図はワイヤロープの外観を示す正面図，第１Ｂ図はワイヤロープの断面図，第１Ｃ図は充填材の斜視図である。
　第２図はワイヤロープ製造装置の構成を示す。
　第３図はワイヤロープ製造装置の一部を拡大して示す。
　第４図は孔あきディスクの平面図である。
　第５図は第３図のＶ−Ｖ線に沿う断面図である。
　第６図は第３図のＶＩ−ＶＩ線に沿う断面図である。
　第７図は第３図のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿う断面図である。

　第１Ａ図はワイヤロープ１の外観を示す正面図，第１Ｂ図はワイヤロープ１の断面図，第１Ｃ図はワイヤロープ１に含まれる充填材４の一部を拡大して示す斜視図である。第１Ｂ図の断面図において，側ストランド３を構成する複数本のスチールワイヤ（複数本のワイヤ素線）の図示は省略されている。
　ワイヤロープ１はその中心に心ロープ２が配置されており，この心ロープ２の周囲に，複数本のスチールワイヤ（ワイヤ素線）を撚合わせることによってつくられる６本の側ストランド３を撚り合わせ，かつ６本の側ストランド３の間のそれぞれに，６本の充填材４を撚り合わせることによってつくられている。充填材４はたとえばゴムまたは合成樹脂等の可撓性を持つ材料で線状につくられている。第１Ｂ図および第１Ｃ図を参照して，充填材４を断面からみると，その両側面に比較的深い凹部４Ａがそれぞれ形成され，底面に比較的浅い凹部４Ｂが形成されている。充填材４の上面（凸部）がワイヤロープ１の外部に露出する。充填材４の両側面の凹部４Ａに側ストランド３がそれぞれ位置し（入り込み），底面の凹部４Ｂに心ロープ２が位置する（入り込む）。充填材４によって，隣合う側ストランド３同士の接触が防止され，かつ心ロープ２と側ストランド３との間に生じる接触圧が緩和される。充填材４入りのワイヤロープ（半被覆ワイヤロープと呼ばれることもある）１は耐摩耗性および耐疲労性に優れ，たとえばエレベータ，クレーン等の道索に用いられる。
　第２図は，ワイヤロープ１の製造装置を構成を示している。
　ワイヤロープ製造装置は，タイプの異なる２つの撚線機１０，２０が，縦列（タンデム）に設置されて構成されている。
　上流工程に位置する撚線機は，筒形（Ｔ形）（ｔｕｂｕｌａｒ　ｔｙｐｅ）撚線機１０である。筒形撚線機１０は筒状の回転胴１１を含む。回転胴１１の両端面に回転軸１４が固定されている。駆動モータ４０の出力軸と回転胴１１の一端面に固定された回転軸１４とがベルト４１を介して連結されており，駆動モータ４０による回転駆動が，駆動モータ４０の出力軸，ベルト４１および回転軸１４に伝達され，回転軸１４を中心にして回転胴１１が回転する。
　回転胴１１の内部空間に，６つ（６つ以上であってもよい）の繰出しボビン１２が直列（一列）に配置されている。この繰出しボビン１２のそれぞれに，上述の側ストランド３が巻き回されている。繰出しボビン１２のそれぞれはフライヤ１３によって支持されており，フライヤ１３の両端は回転自在に支持されている。このため回転胴１１の回転はフライヤ１３に伝達されず，したがって回転胴１１が回転しても繰出しボビン１２は回転胴１１とともに回転しない。繰出しボビン１２は側ストランド３の繰出しのための回転のみを行う。
　繰出しボビン１２から繰出された６本の側ストランド３は，回転胴１１の外側空洞に導かれ，外側空洞を通って回転胴１１の外部に導き出される。
　筒形撚線機１０の外部（上流側）に，心ロープ２が巻き回された繰出しボビン３１が設置されている。心ロープ２はたとえば繊維心であり，天然繊維（羊毛，絹などの蛋白繊維，木綿，麻などのセルロース繊維，アスベストなどの鉱物繊維）でも，合成繊維（ナイロン，ビニロン，ポリエステル，アクリルなど）でもよい。繰出しボビン３１から繰出された心ロープ２も，筒形撚線機１０の回転胴１１の外側空洞に導かれて外側空洞を通って回転胴１１の外部に導き出される。
　下流工程（筒形撚線機１０の後段）に位置する撚線機は，かご形（Ｐ形）（ｐｌａｎｅｔａｒｙ　ｔｙｐｅ）撚線機２０である。かご形撚線機２０はその全体にわたってのびる回転軸２１を備えている。かご形撚線機２０の回転軸２１は上述した筒形撚線機１０の回転軸１４と連結されている。このため，筒形撚線機１０の回転軸１４（回転胴１１）が回転すると，かご形撚線機２０の回転軸２１も同期して回転する。
　かご形撚線機２０の回転軸２１には，円盤状の４つの孔あきディスク（詳細は後述する）２２~２５が，ほぼ等間隔で互いに離間して固定されている。孔あきディスク２５のさらに下流側に，径の小さな円盤状の孔あきディスク２６が配置されている。径の小さな孔あきディスク２６も回転軸２１に固定されている。かご形撚線機２０の回転軸２１が回転すると，孔あきディスク２２~２６は回転軸２１を中心にして回転する。
　孔あきディスク２２，２３の間，孔あきディスク２３，２４の間，孔あきディスク２４，２５の間に，それぞれ２つずつ，合計６つの繰出しボビン２７がフライヤ２８によって支持されて設けられている。繰出しボビン２７のそれぞれに，上述した充填材４がそれぞれ巻き回されている。繰出しボビン２７を支持するフライヤ２８の両端は孔あきディスク２２~２５に固定されている。孔あきディスク２２~２６の回転に伴って，フライヤ２８およびフライヤ２８に支持されている繰出しボビン２７は，大きな弧を描いて回転（公転）する。
　６つの繰出しボビン２７から繰出された６本の充填材４と，上述した筒形撚線機１０から送り出された１本の心ロープ２および６本の側ストランド３は，孔あきディスク２２~２６にあけられたガイド孔（後述する）を通されて，かご形撚線機２０の外部に導かれる。
　かご形撚線機２０から送り出された１本の心ロープ２，６本の側ストランド３，および繰出しボビン２７から繰出された６本の充填材４は，集合器（ボイス）３２において集められ，かつ撚合わされてワイヤロープ１となる（第１Ａ図，第１Ｂ図参照）。ワイヤロープ１はキャプスタン３３を経て巻取りボビン３４に巻き取られる。側ストランド３のばらけを防止するために，集合器３２において撚り合わせる直前に，プレフォーマ（図示略）によって６本の側ストランド３のそれぞれに型付けを行ってもよい。
　かご形撚線機の中には，繰出しボビン２７をその公転方向と反対方向に自転させるためのより戻し装置を備えたものがある。かご形撚線機の場合，筒形撚線機とは異なり，繰出しボビン２７から繰出された線状体（ストランド等）は撚られるとともにねじられるので，このねじりを解消するためである。より戻し装置によって繰出しボビン２７を公転方向と反対方向に自転させると，繰出しボビン２７から繰り出された線状体はねじりが解消（低減）される。しかしながら，この実施例のワイヤロープ製造装置に用いられるかご形撚線機はより戻り装置を備えていない。このため，詳細は後述するが，かご形撚線機２０の繰出しボビン２７から繰出される充填材４は，ねじりを伴って撚られることになる。
　第３図は，かご形撚線機２０の一部（出力側）から集合器３２までを拡大して示している。第３図において，分かりやすくするために，６本の側ストランド３のうちの２本，６本の充填材４のうちの２本のみが示されている。第４図は，第３図のＩＶ−ＩＶ線に沿う端面図（孔あきディスク２５の平面図）を示している。第５図，第６図および第７図は，第３図のＶ−Ｖ線，ＶＩ−ＶＩ線，ＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿う断面図を，それぞれ示している。
　上述したように，かご形撚線機２０の回転軸２１に固定された孔あきディスク２２~２６には，筒形撚線機１０を通ってきた１本の心ロープ２および６本の側ストランド３と，かご形撚線機２０の繰出しボビン２７から繰出された６本の充填材４が通される，複数のガイド孔があけられている。第４図を参照して，ディスク２５の外周付近には同心円上に９個のガイド孔２５ａがそれぞれ等間隔であけられ，ディスク２５の中央付近にも同心円上に９個のガイド孔２５ｂがそれぞれ等間隔であけられている。９個の外周側ガイド孔２５ａのうちの６つに６本の側ストランド３がそれぞれ通される。９個の内周側ガイド孔２５ｂのうちの７つに，１本の心ロープ２と６本の充填材４がそれぞれ通される。ディスク２５の中央（中心）に軸孔２５ｃがあけられており，この軸孔２５ｃにかご形撚線機２０の回転軸２１が通されて固定される。回転軸２１の回転にともなって回転軸２１を中心にディスク２５は回転する。かご形撚線機２０の他のディスク２２~２４，２６も，ディスク２５と同様に，心ロープ２，側ストランド３および充填材４が通される複数のガイド孔が形成されており，回転軸２１の回転に伴って回転軸２１を中心に回転する。上述したように，かご形撚線機２０の回転軸２１と筒形撚線機１０の回転軸１４は連結されているので，筒形撚線機１０の回転胴１１とディスク２２~２６は同期して回転する。
　第５図，第６図および第７図を参照して，ここでは，６本の側ストランド３のそれぞれが符号３ａ~３ｆによって，６本の充填材４のそれぞれが符号４ａ~４ｆによって，区別されて示されている。また，６本の側ストランド３ａ~３ｆのそれぞれに黒丸が示されている。これは，側ストランド３ａ~３ｆは公転はするが自転するものではないことを示すために，便宜的に示すものである。
　第５図および第６図を参照して，かご形撚線機２０から送り出された６本の側ストランド３ａ~３ｆおよび６本の充填材４ａ~４ｆは，集合器３２に近づくにつれて中心（中央）に位置する心ロープ２に近づいていく。第７図を参照して，集合器３２を通過すると，心ロープ２を中心にして，心ロープ２の周囲に６本の側ストランド３ａ~３ｆおよび６本の充填材４ａ~４ｆが交互に同心円上に並んだ状態となる。
　筒形撚線機１０は線状体に撚りのみを加え，線状体にねじりを加えない。したがって，側ストランド３ａ~３ｆおよび心ロープ２は筒形撚線機１０によってねじりが加えられることはない。また，筒形撚線機１０から繰出された側ストランド３ａ~３ｆおよび心ロープ２は，かご形撚線機２０において筒形撚線機１０の回転胴１１と同期して回転するディスク２２~２６のガイド孔を通されているので，かご形撚線機２０においても側ストランド３ａ~３ｆおよび心ロープ２にねじりが加えられることはない。このため，第５図~第７図に示すように，側ストランド３ａ~３ｆおよび心ロープ２はそれ自体がねじれを持たない（自転していない）（第５図~第７図の黒丸参照）。筒形撚線機１０の回転胴１１の回転（およびかご形撚線機２０のディスク２２~２６の回転）によって，側ストランド３ａ~３ｆはねじりを伴わずに撚られる。
　これに対して，充填材４ａ~４ｆは，かご形撚線機２０の繰出しボビン２７から繰出され，上述したように，かご形撚線機２０はねじりを無くすためのより戻し装置（繰出しボビン２７自体を自転させる装置）を備えていない。このため，かご形撚線機２０から繰出された充填材４ａ~４ｆは，繰出しボビン２７の公転によって撚られるとともに，充填材４ａ~４ｆ自体にねじりが入る。
　充填材４ａ~４ｆが繰出されるかご形撚線機２０の繰出しボビン２７が１回公転（ディスク２２~２６が１回転）すると，その間に充填材４ａ~４ｆは１回自転する。このため，充填材４ａ~４ｆの両側面の凹部４Ａと，充填材４ａ~４ｆの両側に位置する側ストランド３ａ~３ｆとの相対する位置（面）は変化しない（第５図，第６図および第７図参照）。たとえば，充填材４ａの両側面の凹部４Ａは，その両側に位置する側ストランド３ａ，３ｂに常に相対する。同様に，充填材４ａ~４ｆの底面の凹部４Ｂは常に心ロープ２に相対する。
　このため，集合器３２において撚合わされたワイヤロープ１は，その全長にわたって，充填材４ａ~４ｆの両側面の凹部４Ａに側ストランド３ａ~３ｆが位置し（凹部４内に側ストランド３ａ~３ｆが入り込む），かつ凹部４Ｂに心ロープ２が位置する（凹部４Ｂに心ロープ２が入り込む）ものになる（第７図および第１Ｂ図参照）。充填材４ａ~４ｆによって隣合う側ストランド３ａ~３ｆ同士の接触が確実に防止され，かつ心ロープ２と側ストランド３ａ~３ｆとの間に生じる接触圧が緩和されるワイヤロープ１を作成することできる。
　かご形撚線機２０は複数の繰出しボビン２７自体を公転させるものであるから，ボビン自体が公転しない筒形撚線機１０に比べると回転速度が遅い。ここでワイヤロープ製造装置は，比較的重量が大きい側ストランド３の撚り（繰出し）に筒形撚線機１０を用い，比較的軽い充填材４の撚り（繰出し）にかご形撚線機２０を用いている。かご形撚線機２０の繰出しボビン２７に巻き回されている線状体は比較的軽い充填材４のみであるので，かご形撚線機２０の繰出しボビン２７自体の公転にかかる負荷が少なく，かご形撚線機２０の回転速度を比較的高速にすることができる。ワイヤロープ１の製造スピード向上の制約になるのはかご形撚線機２０の回転速度であり，このかご形撚線機２０の回転速度を向上させることができるので，側ストランド３および充填材４のいずれもをかご形撚線機２０のみを用いて撚り合わせてワイヤロープ１を製造する装置に比べると，ワイヤロープ１の製造スピードを向上させることができる。

Claims

素材の異なる複数種類の線状体を撚り合わせることによってロープを製造するロープ製造装置であって，
　縦列配列された筒形撚線機およびかご形撚線機を備え，
　上記筒形撚線機における回転軸と上記かご形撚線機における回転軸が連結されており，
　上記筒形撚線機の繰出しボビンに，複数種類の線状体のうち重量の大きい線状体が巻き回されており，
　上記かご形撚線機の繰出しボビンに，複数種類の線状体のうち重量の小さい線状体が巻回されている，
　ロープ製造装置。
上記かご形撚線機はより戻し装置を具備しないものである，
　請求の範囲第１項に記載のロープ製造装置。
心ロープの周囲に，複数本のスチールワイヤを撚合わせたＮ本の側ストランドと，Ｎ本の樹脂製充填材とが交互に撚られたワイヤロープの製造装置において，
　縦列配列され，かつ同期動作する筒形撚線機およびかご形撚線機を備え，
　上記筒形撚線機の複数の繰出しボビンに上記Ｎ本の側ストランドが，上記かご形撚線機の複数の繰出しボビンに上記Ｎ本の樹脂製充填材が，それぞれ巻き回されている，
　ワイヤロープ製造装置。
上記かご形撚線機はより戻し装置を具備しないものである，
　請求の範囲第３項に記載のワイヤロープ製造装置。