WO2011077732A1

WO2011077732A1 - コンテンツを供給する装置

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Publication number: WO2011077732A1
Application number: PCT/JP2010/007456
Authority: WO
Inventors: 今井彰
Original assignee: アトナープ株式会社
Priority date: 2009-12-22
Filing date: 2010-12-22
Publication date: 2011-06-30
Also published as: JP2016136399A; EP2518673A1; EP2518673A4; JPWO2011077732A1; CN102770882B; CN102770882A; JP6121014B2; KR20120106781A; US20120312981A1

Abstract

　においに関連するコンテンツを提供する分析センター（１０）の検索サーバー（３０）は、ＩＭＳセンサー（１２０）を含む端末（１００）からイベント情報（１３９）を得る通信ユニット（３９）と、端末（１００）から得られたＩＭＳデータ（１２９）によりイベントの発生要因となる化学物質の組み合わせを推定し、端末（１００）に、化学物質の情報などの発生要因を含む解析情報（１４１）を供給する発生要因供給ユニット（３５）と、複数の化学物質の組み合わせが、登録された商品またはサービスに関する登録済みのレシピ（２３ａ）を含む場合は、端末（１００）に、登録済みの商品またはサービスに関連付けられたコンテンツ（２３ｃ）を供給するコンテンツ供給ユニット（３４）とを有する。

Description

コンテンツを供給する装置

　本発明は、端末にコンテンツを供給する装置および方法に関するものである。

　ＷＯ２００６／０１３３９６（日本国特表２００８－５０８６９３号公報）には、複数の電極を有する少なくとも１つのイオンチャネルの形状のイオンフィルタを有するイオン移動度分光計が記載されている。ＷＯ２００５／０５２５４６（日本国特表２００７－５１３３４０号公報）には、サンプル分析のためのイオン移動度ベースのシステム、方法および装置が記載されている。

　嗅覚は特定の化学物質の分子を受容体で受け取ることで生じる感覚の１つであると定義されている。本発明においては、嗅覚に相当する能力を備えた端末に対して情報を提供することを目的としている。

　空気中の化学物質を検出できるコンパクトなセンサー、たとえばイオン移動度センサーが開発され、携帯電話、ＰＤＡなどの携帯可能な端末に搭載することが検討されている。さらに、イオン移動度センサーなどの分析装置を用いて空気中に含まれる化学物質を解析し、様々な匂い（臭い）を再現することが検討され始めている。限られた数の匂いの元（ソース）を組み合わせて類似する匂いを再現することが行われているが、所詮、類似の匂いでしかなく、オリジナルの香水などと同等の商品価値がある匂いは再現できない。しかしながら、携帯端末などに化学物質を検出可能なセンサーが搭載され、匂いの元および組み合わせ（レシピ）が精度良く判明すると、匂いに価値が認められていた商品の価値が下落する可能性がある。一方、携帯端末などに化学物質を検出可能なセンサーが搭載されることにより、毒物などの脅威を早い段階で検出して事故を未然に防止したり、人体の健康に関わる匂いを検出して健康を管理したりすることが可能であり、携帯端末に化学物質を検出可能なセンサーが搭載されるメリットは大きい。

　本発明の一態様は、空気（大気、外気）に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを備えた端末との間で情報を交換する通信ユニットと、端末から、検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得する機能（機能ユニット）と、イベント情報によりイベントの発生要因となる少なくとも１つの化学物質を推定し、端末に、少なくとも１つの化学物質の情報（たとえば名称）を含む発生要因情報を供給する機能（機能ユニット、発生要因供給ユニット）と、イベントの発生要因が複数の化学物質を含み、複数の化学物質の組み合わせが、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを含む場合は、端末に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給する機能（機能ユニット、コンテンツ供給ユニット）とを有する装置である。コンテンツを供給することは、コンテンツそのものを供給してもよく、コンテンツを供給しているＵＲＬなどのアドレスを供給してもよい。

　この装置は、典型的にはＣＰＵおよびメモリを備えたサーバーなどの１または複数の情報処理装置により実現される。この装置は、インターネット、イントラネットなどのコンピュータネットワーク、公衆電話回線などの通信網を介して情報を提供するシステムを含む。

　この装置は、イベントの発生要因が複数の化学物質を含み、複数の化学物質の組み合わせが、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを含む場合は、端末に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給する。したがって、香水などの匂いに関連した商品またはサービスであって、匂いに商品価値がある商品あるいはサービスにおいては、レシピの代わりに、商品あるいはサービスに関するコンテンツ、たとえば、商品あるいはサービスの宣伝・広告、提供元の宣伝・広告、その他のユーザーサービスなどを供給できる。

　したがって、商品またはサービスの匂いをユーザーが端末で検出したときに、ユーザーに対してその匂いのレシピをユーザーに開示せずに済む。さらに、商品またはサービスの匂いをユーザーが端末で検出したときに、ユーザーに対してその匂いに関する商品またはサービスの宣伝・広告などをユーザーに届けることが可能となり、その匂いに関する商品またはサービスに関する宣伝・広告を、ターゲットとなるユーザーに確実に届けることができる。

　この装置は、コンテンツの提供元に対し、コンテンツを供給する機能がコンテンツを供給することに応じて課金する機能（機能ユニット）をさらに有することが望ましい。コンテンツを供給した頻度に応じて課金してもよく、商品またはサービスを、コンテンツを提供するためにデータベースに登録したことに応じて課金してもよく、課金の方法は様々である。コンテンツの提供元は多くの場合、商品またはサービスの提供者あるいは提供者からコンテンツの提供を請け負ったものであり、コンテンツが端末に供給されることによりメリットが得られる。一方、装置の提供者は、課金することによりコンテンツを積極的に供給するので、商品またはサービスのレシピがユーザーに開示されるのを未然に防ぐことができる。

　登録済みの複数の化学物質の組み合わせに含まれる化学物質は、匂いの要因である必要はないが、化学物質のレシピに高い商品価値が認められる商品またはサービスの多くは匂いに関連するものである。登録済みの複数の化学物質の組み合わせに含まれる化学物質の典型的なものは、匂いの要因となる天然由来の化学物質である。

　さらに、検出ユニットが化学物質情報を出力する特定の第１タイプのセンサーを含む場合、この装置の取得する機能は、第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含むイベント情報を取得し、さらに、コンテンツを供給する機能は、第１タイプの化学物質関連情報に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせを第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターンが含まれている場合は、端末に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、第１の商品または役務に関連付けられたコンテンツを供給する機能（機能ユニット）を有することが望ましい。

　化学物質を検出するために用いられている第１タイプのセンサーの出力とダイレクトに比較できる特定パターンを用意することにより、より短い時間で、より確実に商品またはサービスに関連付けられたコンテンツをユーザーの端末に供給できる。また、誤って商品またはサービスに関連する匂いなどのレシピがユーザーの端末に供給されることを抑制できる。

　また、コンテンツを供給する機能は、第１タイプの化学物質関連情報に、第１の商品またはサービスに関する匂いを第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、端末に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給する機能（機能ユニット）をさらに有することが望ましい。商品またはサービスに関する匂いなどを第１タイプのセンサーで直に検出したときの商品・サービス固有パターンを用意することにより、より短い時間で、より確実に商品またはサービスに関連付けられたコンテンツをユーザーの端末に供給できる。また、誤って商品またはサービスに関連する匂いなどのレシピがユーザーの端末に供給されることを抑制できる。

　第１タイプのセンサーの典型的なものは化学物質関連情報をスペクトル（波形データ）として出力する分析型（spectrometric type）のセンサーであり、特定パターンはスペクトルフィーチャ（波形特性、スペクトル特性、スペクトル・シグネチャ）を含む。分析型のセンサーの典型的なものはイオン移動度センサーである。コンテンツを供給する機能は、分析型のセンサーから得られたスペクトルを特定パターンに含まれるスペクトルフィーチャを用いて照合する。コンテンツを供給する機能は、得られたスペクトルからスペクトルフィーチャを抽出してもよいし、スペクトルフィーチャから照合用のスペクトルを合成してもよい。

　本発明の異なる態様の１つは、空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを含む端末との間で情報を交換する通信ユニットと、端末から検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得する機能（機能ユニット）とを有する装置であり、さらに、物質検出ユニットは第１タイプのセンサーを含み、取得する機能は、第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含むイベント情報を取得する装置である。そして、この装置は、第１タイプの化学物質関連情報に、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターンが含まれている場合、または、第１タイプの化学物質関連情報に、第１の商品またはサービスに関する匂いを第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給する機能（機能ユニット）をさらに有するものであってもよい。さらに、この装置は、コンテンツの提供元に対し、コンテンツを供給する機能がコンテンツを供給することに応じて課金する機能（機能ユニット）をさらに有することが望ましい。

　本発明のさらに異なる態様の１つはＣＰＵおよびメモリを備えた装置が情報を供給する方法であって以下のステップを有する。
１．装置が、空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを含む端末から検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得すること。
２．イベント情報によりイベントの発生要因となる少なくとも１つの化学物質を推定し、端末に、少なくとも１つの化学物質の情報を含む発生要因情報を供給すること。
３．イベントの発生要因が複数の化学物質を含み、複数の化学物質の組み合わせが、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを含む場合は、端末に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給すること。

　この方法は、さらに、コンテンツの提供元に対し、コンテンツを供給することに応じて課金することを含むことが望ましい。

　検出ユニットが第１タイプのセンサーを含み、上記第１のステップが、第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含むイベント情報を取得することを含む場合、第３のステップはさらに以下のステップを有することが望ましい。
３ａ．第１タイプの化学物質関連情報に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせを第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターン、または、第１の商品またはサービスに関する匂いを第１タイプの物質検出センサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、端末に、登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給すること。

　本発明のさらに異なる態様の１つは、以下のステップを含む方法である。
１１．空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する第１タイプの物質検出センサーを含む端末から第１タイプの物質検出センサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含むイベント情報を取得すること。
１２．第１タイプの化学物質関連情報に第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを第１タイプの物質検出センサーにより検出したときの特定パターンが含まれている場合、または、第１タイプの化学物質関連情報に、第１の商品またはサービスに関する匂いを第１タイプの物質検出センサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給すること。

　この方法は、さらに以下のステップを有することが望ましい。
１３．コンテンツの提供元に対し、コンテンツを供給することに応じて課金すること。

　本発明のさらに異なる態様の１つは、ＣＰＵと、メモリとを有する装置において実行されるプログラム（プログラム製品）であって、上記の制御を実行するための命令を含む。このプログラム（プログラム製品）は記録媒体（光ディスクなど）に記録して提供してもよく、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供してもよい。

コンテンツを提供するシステムの概要を示す図。検索サーバーの処理を示すフローチャート。

発明の実施の形態

　図１に、匂いに関するコンテンツを提供するシステムの概要を示している。このシステム１は、インターネット９などのコンピュータネットにより多種多様な端末と通信し、におい（匂い、臭い）に関する情報を提供する、におい分析センター（分析センター）１０と、商品またはサービス（役務）を提供するメーカーのサーバー８と、商品またはサービス（役務）に関するコンテンツを提供するコンテンツプロバイダー（ＣＰ）のサーバー７と、メーカーあるいはＣＰに対する課金管理をする課金管理サーバー６と、携帯電話網、無線ＬＡＮなどの様々な通信方式でユーザーの端末との通信環境を提供する基地局５と、ユーザー９０が携帯可能な端末（携帯電話、ＰＤＡなどを含む）１００とを有する。端末１００には、におい（においの元）を検出するためのセンサー１２０を含む検出ユニット１１０が内蔵されている。

　嗅覚は特定の化学物質の分子を受容体で受け取ることで生じる感覚の１つであると定義されている。したがって、大気（外気）などに含まれる化学物質の検出を以下では嗅覚あるいは匂い（臭い）として説明するが、以下のシステム（装置）においては、人間および動物とって匂いとして認識されない化学物質を検出することも可能である。

　におい（匂い、臭い）の要因は、周囲の空気に含まれる化合物やガスなどの化学物質である。本明細書において、化学物質とは、化合物、分子および元素を含み、成分あるいは組成物に限らず、生成物も含む。また、化学物質は、有機物および無機物を含む。嗅覚で感じられる化学物質は、ケミカルな官能基を備えたものが多いといわれている。官能基のグループの１つは炭化水素であり、たとえば、アルカン（鎖式飽和炭化水素）を挙げることができるがこれに限定されない。このアルカンのグループには化学物質としてエタン、メタン、プロパン、ブタンなどが含まれる。官能基は、炭化水素の基に限らず、窒素を含む官能基としてはアミノ基などを挙げることができ、酸素を含む官能基にはアルコール基およびケトン基などを挙げることができる。これらは化学物質および官能基の一例に過ぎない。

　官能基の分子の中の原子は、同じであるか同様の化学反応を受けて、共通の匂いとしての特性を示すと考えられる。揮発性有機物と有機化合物は、匂いとして嗅覚を刺激する典型的なものである。化学物質は一酸化炭素、二酸化炭素などのガス（気体そのもの）であってよい。化学物質は炭素、アルミニウム、窒素などの無機物であってもよい。

　コンパクトで携帯が可能で、においの要因を検出できる分析装置の１つは、上述したイオン移動度（イオン・モビリティ）センサーであり、ＭＥＭＳを用いたチップタイプのデバイスが提供されている。イオン移動度センサー（イオン移動度分光計、Ion Mobility Spectrometry）は、空気中の物質（分子）をイオン化し、イオン化された分子の移動度の差に基づくスペクトル（出力パターン、空気質パターン）を出力するセンサーであり、非対称電界イオン移動度スペクトロメータ（Field Asymmetric waveform Ion Mobility Spectrometry、ＦＡＩＭＳ）または微分型電気移動度スペクトロメータ（Differential Ion Mobility Spectrometry、ＤＩＭＳ）が知られている。

　この種のスペクトロメータ型（分析型）のセンサー、以降においては総称してＩＭＳセンサーは、高圧－低圧に変化する非対称電界にイオン化した分子流を入力し、イオンの電界移動度に基づいてそれらをフィルタリングした結果を出力する。市販されているコンパクトなＩＭＳセンサーとしては、ＳＩＯＮＥＸ（ザイオネクス）社のｍｉｃｒｏＤＭｘ、ＯＷＬＳＯＴＮＥ（オウルストーン）社のＦＡＩＭＳデバイスを挙げることができる。

　ＩＭＳセンサーでは、流体（典型的には空気、窒素ガスなどのキャリアガス）に含まれる化学物質に関連した情報として、Ｖｄ電圧（ＤｉｓｐｅｒｓｉｏｎＶｏｌｔａｇｅ、電界電圧（Ｖｒｆ）、交流）とＶｃ電圧（ＣｏｍｐｅｎｓａｔｉｏｎＶｏｌｔａｇｅ、補償電圧、直流）の２つの変量に応じて変化するイオン電流を検出することが可能である。したがって、それらを含む３次元のデータ（波形データ、スペクトル）、３次元のパラメータのいずれかを固定した２次元スペクトルが化学物質に関連した情報として得られる。また、スペクトルの要素を示すスペクトルフィーチャ（スペクトル・シグネチャ、スペクトル特性、スペクトルの特徴）を化学物質に関連した情報として取得してもよい。スペクトルフィーチャには、スペクトル・ピーク振幅、スペクトル・ピーク幅およびスペクトル・ピーク勾配、スペクトル・ピーク間隔、スペクトル・ピークの数、処理条件の変化によるスペクトル・ピークの相対的位置シフト、スペクトル不連続点、Ｖｒｆ対Ｖｃｏｍｐ特性などが含まれる。

　化学物質に関連する情報を得る検出ユニット（センサー）は、質量分析型のセンサーであってもよく、流体に含まれる化学物質に関連した情報としてＭ／Ｚ（質量対電荷）が得られる。

　イオン移動度などを利用した分析型のセンサーは、特定の成分（化学物質）に敏感なセンサーと比較すると汎用性が高く、分析可能な範囲内では、ほとんどすべての成分の有無および強度（濃度）を同じ程度の精度で検出できる。センサーにより検出された化学成分（化学物質）の情報には、化学物質（化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む）の強度変化（濃度変化、存在率変化およびその他のセンサーにより感知される変化・変量（intensity variations）を含む）が含まれる。

　化学物質に関連した情報を取得するセンサーとしては、さらに、ＩＥＥＥ１４５１に準拠したケミカルセンサー、水晶センサー（QCM、Quartz　Crystal　Microbalance）、電気化学的なセンサー、ＳＡＷ（Surface　Acoustic　Wave）デバイス、光センサー、ガスクロマトグラフィー、液クロマトグラフィー、ＭＯＳ（Metal Oxide Semiconductor）センサーを含めた多種多様なセンサーを挙げることができる。

　化学物質を検出するためのセンサーのタイプにより、センサーから出力される化学物質に関連する情報（化学物質関連情報）が異なることは多く、同じ化学物質に対して異なるタイプの化学物質関連情報が出力される可能性が多い。これらの異なるタイプの化学物質関連情報を統一的に取り扱うことは重要であり、たとえば、化学物質を示す空間にタイプの異なる情報をマッピングすることも考えられる。しかしながら、タイプの異なる化学物質関連情報を統一的に処理するためにはある程度の処理時間が必要となる。

　この明細書において、異なるタイプのセンサーにより得られたセンサー固有の化学物質関連情報は、センサータイプの名称を付けて表わす。たとえば、ＩＭＳタイプのセンサーにより得られた化学物質関連情報はＩＭＳデータと呼ぶことにする。また、センサー固有の化学物質関連情報を、化学物質を示す共通の空間にマッピングするなどの処理を施し、統一的あるいは汎用的に取り扱えるようにした化学物質関連情報は汎用データと呼ぶことにする。汎用データの１つは、本願の出願人が提案している、ＦＣＷＳデータである。このデータは、センサー固有の化学物質関連情報を、ＦＣＷＳ（Functionally Classification Wave Shaping、機能的（官能基による）分類による波形成形）技術により、化学物質に特徴付けられた空間（化学物質空間）を周波数空間にマップし（割り当てし）、化学物質の存在を示す強度情報を周波数領域の強度情報に変換したものである。

　ユーザー端末１００は、典型的には、ＣＰＵおよびメモリなどのハードウェア資源を含む携帯電話である。ユーザー端末１００は、基地局５を介してインターネット９にアクセス可能な通信ユニット１０２と、様々な情報を表示あるいは出力する出力インターフェイス１０３と、様々な情報を入力する入力インターフェイス１０４と、様々な情報を取得する取得インターフェイス１０５と、これらを制御する制御ユニット１０１とを含む。出力インターフェイス１０３としては、ディスプレイ、スピーカーを挙げることができる。入力インターフェイス１０４としては、キーボード、タッチパネル、マイクロフォンを挙げることができる。取得インターフェイス１０５としては、カメラ、ＧＰＳ、温度計、湿度計などを挙げることができる。

　ユーザー端末１００は、さらに、化学物質に関する情報を検出する検出ユニット１１０を含む。検出ユニット１１０は、センサー１２０と、嗅覚機能を提供するデバイス（嗅覚プロセッサ、ＯＬＰ、Olfaction Processor）１３０と、センサー１２０の固有のデータ１２９を汎用データに変換したり、ローカルでにおいを判断するための情報が格納されたライブラリ１３５とを含む。ＯＬＰ１３０は、ＣＰＵによりソフトウェアを用いて実現されてもよく、専用のＡＳＩＣなどのチップを用いて実現されてもよく、さらに、回路を再構成可能なチップを用いて実現されてもよい。

　本例の検出ユニット１１０において採用されているセンサー、すなわち、サンプリングポイント１９１における空気（外気、大気）１９０に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報の第１タイプのセンサーは、ＩＭＳセンサー１２０である。ＩＭＳセンサー１２０は、吸引された外気１９０に含まれる化学物質を放射線、光、電場などを用いてイオン化するイオン化ユニット１２１と、イオン化された化学物質の移動量を制御する電界制御フィルター１２２と、イオン化された化学物質の移動量から外気１９０に含まれる化学物質に関連する情報としてＩＭＳデータ１２９を出力するユニット１２３とを含む。ＩＭＳデータ１２９は、上述したように、スペクトルおよび／またはスペクトルフィーチャを含む。

　本例のＯＬＰ１３０は、ＩＭＳデータ１２９をマップしたＦＣＷＳデータと、ＩＭＳデータ１２９とを含むイベント情報１３９を生成し、通信ユニット１０２を介して分析センター１０へ提供する。たとえば、香水１５０が入った容器１５１の蓋１５２を開けて、この端末１００を近づけると、ＩＭＳセンサー１２０は、外気１９０に含まれる香水１５０の成分（化学物質）を検出し、その化学物質に関連するデータ（ＩＭＳデータ）１２９を出力する。ＯＬＰ１３０は、ＩＭＳデータ１２９の変化からイベントの発生を検出し、化学物質関連情報の変化（ＩＭＳデータ１２９およびＦＣＷＳデータ）を含むイベント情報１３９を出力する。イベント情報１３９は、ＩＭＳデータ１２９およびＦＣＷＳデータのいずれか一方を含むものであってもよい。

　分析センター１０は、インターネット９と接続したゲートウェイサーバー１１と、ゲートウェイサーバー１１を介してインターネット９と接続したイントラネット１２と、イントラネット１２を介してインターネット９と接続した検索サーバー３０と、イントラネット１２に接続したデータサーバ２０と、イントラネット１２に接続したコンテンツサーバー４０とを含む。コンテンツサーバー４０は、香水、芳香剤などのにおい（香り）に関連する商品およびサービスと、それらの商品およびサービスを提供するメーカーから提供されたコンテンツまたはコンテンツを提供するＵＲＬとが格納されたライブラリ４１を含む。これらのサーバー２０、３０、４０は、それぞれがＣＰＵ２０ｃ、３０ｃ、４０ｃおよびメモリ２０ｍ、３０ｍ、４０ｍを備えた情報処理装置（サーバー本体）で構成されていてもよく、共通の情報処理装置で構成されていてもよく、さらに多くの情報処理装置で構成されていてもよい。

　データサーバ２０は、汎用の化学物質データベース（汎用データベース）２１と、センサータイプ毎の化学物質データベース２２．１～２２．ｎと、商品・サービスデータベース２３とを含む。汎用の化学物質データベース２１は、汎用データであるＦＣＷＳデータと、それにより特定される化学物質の情報とを含み、ＦＣＷＳデータから化学物質を特定するためのデータベースである。センサータイプ毎の化学物質データベース２２．１～２２．ｎは、ＩＭＳデータ１２９などのセンサー固有のデータと、それにより特定される化学物質の情報（特定パターン）とを含み、ＩＭＳデータ１２９などのセンサー固有のデータから化学物質を特定するためのデータベースである。特定パターンは、ＩＭＳセンサー１２０から出力されるスペクトルそのものであってもよく、ＩＭＳセンサー１２０の出力スペクトルの要素を示すスペクトルフィーチャ（スペクトル・シグネチャ、スペクトル特性、特徴）を含むデータであってよい。スペクトルフィーチャには、スペクトル・ピーク振幅、スペクトル・ピーク幅およびスペクトル・ピーク勾配、スペクトル・ピーク間隔、スペクトル・ピークの数、処理条件の変化によるスペクトル・ピークの相対的位置シフト、スペクトル不連続点、Ｖｒｆ対Ｖｃｏｍｐ特性などが含まれ、これらに限定されるものではない。

　商品・サービスデータベース２３は、コンテンツサーバー４０にコンテンツに関する情報が登録された商品またはサービス（第１の商品またはサービス、以降においては登録された商品またはサービスを代表として登録商品と呼ぶ）に関するにおい（匂い、臭い、香り）の元となる化学物質の組み合わせ（レシピ）２３ａと、登録商品に関するにおいをＩＭＳセンサー１２０などの各タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターン２３ｂと、登録商品の識別情報であって、コンテンツサーバー４０、メーカーのサーバー８またはＣＰのサーバー７からコンテンツをユーザー端末１００に提供するための情報（コンテンツ情報）２３ｃとを含む。商品・サービス固有パターン２３ｂも、ＩＭＳセンサー１２０から出力されるスペクトルそのものであってもよく、ＩＭＳセンサー１２０の出力スペクトルの要素を示すスペクトルフィーチャ（スペクトル・シグネチャ、スペクトル特性、特徴）を含むデータであってもよい。なお、以降においては商品・サービス固有パターン２３ｂを固有パターン２３ｂと呼ぶことがある。

　商品・サービスデータベース２３により、汎用データまたはＩＭＳデータ１２９などのセンサー固有のデータから特定された複数の化学物質と、登録済みの複数の化学物質の組み合わせ（レシピ）２３ａとを照合することにより、登録商品を特定でき、登録商品に関するコンテンツまたはそれを供給するアドレスを特定できる。また、商品・サービスデータベース２３により、ＩＭＳデータ１２９などのセンサー固有のデータと、固有パターン２３ｂとを照合することにより、登録商品を特定でき、登録商品に関するコンテンツまたはそれを供給するアドレスを特定できる。

　データサーバ２０は、さらに、化学物質データベース２１および２２．１～２２．ｎを更新するための化学物質更新ユニット２５と、商品・サービスデータベース２３を更新するための商品・サービス更新ユニット２６とを含む。化学物質更新ユニット２５は、化学物質に対応するＦＣＷＳデータのパターンが新たに見つかると、そのパターンを汎用データベース２１に登録し、ＦＣＷＳデータによる化学物質の検出、判断あるいは推定精度を常に向上させる。同様に、化学物質更新ユニット２５は、化学物質に対応するＩＭＳデータ１２９の特定パターンが新たに見つかると、その特定パターンを固有のデータベース２２．１に登録し、ＩＭＳデータ１２９による化学物質の検出、判断あるいは推定精度を常に向上させる。また、新たなタイプの物質検出センサーが使用可能になると、化学物質更新ユニット２５は、新たなタイプのセンサー用の化学物質データベースを作成する。また、新たなタイプのセンサーのデータを汎用のＦＣＷＳデータに変換するための情報を生成する。

　商品・サービス更新ユニット２６は、新しい商品またはサービスが登録されると、それに関連するにおいのレシピ２３ａおよびセンサータイプ毎の商品・サービス固有パターン２３ｂを商品・サービスデータベース２３に登録する。レシピ２３ａはレシピ２３ａに含まれる複数の化学物質の組み合わせを登録してもよく、複数の化学物質の組み合わせをＩＭＳセンサー１２０により検出したときの特定パターンをレシピ２３ａとして登録してもよい。また、化学物質関連情報を出力する新たなタイプのセンサーが使用可能になると、新たなタイプのセンサーで登録商品に関連するにおいを検出したときの商品・サービス固有パターン２３ｂを取得し、商品・サービスデータベース２３に登録する。

　検索サーバー３０は、イントラネット１２およびインターネット９を介してユーザー端末１００と通信する通信ユニット３９と、ユーザー認証、ユーザーおよび／またはコンテンツ提供元に対する課金を行う管理ユニット３８と、第１の検索ユニット３１と、第２の検索ユニット３２と、第３の検索ユニット３３と、コンテンツ供給ユニット３４と、化学物質情報供給ユニット３５と、警報供給ユニット３６と、ユーザー端末１００からイベント情報１３９を取得するインターフェイスユニット３７とを含む。

　第１の検索ユニット３１は、インターフェイスユニット３７を介して端末１００から得られたイベント情報１３９にセンサー１２０の固有の化学物質関連情報（ＩＭＳデータ）１２９が含まれていると、商品・サービスデータベース２３の商品・サービス固有パターン２３ｂと照合する。商品・サービス固有パターン２３ｂは、登録商品（第１の商品またはサービス）に関する匂いをＩＭＳセンサー１２０により検出したときのパターン（フィンガープリント）であり、もっとも確実に、また高速で登録商品のにおいであるか否かを判断できる可能性がある。

　第２の検索ユニット３２は、インターフェイスユニット３７を介して端末１００から得られたイベント情報１３９にセンサー１２０の固有の化学物質関連情報（ＩＭＳデータ）１２９が含まれていると、ＩＭＳセンサー用のデータベース２２．１に登録された特定パターンとＩＭＳデータ１２９とを照合し、イベント情報１３９に含まれるＩＭＳデータ１２９から化学物質（複数の化学物質の組み合わせ）を推定する。この照合（特定）には、パターンマッチングまたはパターン認識に関する様々な技術、たとえばニューラルネットワークなどを使うことができる。また、特性抽出のために主成分分析法（ＰＣＡ、Principle Component Analysis）あるいは判別分析法（ＬＤＡ、Linear Discriminate Analysis）といった標準的なアルゴリズムを適用することも可能である。第２の検索ユニット３２は、データベース２２．１の特定パターンを用いてＩＭＳデータ１２９に含まれている化学物質を推定し、それらの化学物質の組み合わせと、商品・サービスデータベース２３に登録されているレシピ２３ａとを比較できるようにしてもよい。また、第２の検索ユニット３２は、データベース２２．１の特定パターンを用いてレシピ２３ａをＩＭＳデータ１２９と比較できる情報に変換し、ＩＭＳデータ１２９と照合してもよい。

　第３の検索ユニット３３は、インターフェイスユニット３７を介して端末１００から得られたイベント情報１３９に含まれている汎用データ（ＦＣＷＳデータ）を、汎用の化学物質データベース２１の化学物質のパターンと照合し、イベント情報１３９のＦＣＷＳデータから化学物質（複数の化学物質の組み合わせ）を推定する。汎用の化学物質データベース２１にはもっとも多くの化学物質が登録されており、基本的には、第３の検索ユニット３３によりイベント情報１３９に含まれている化学物質を特定でき、ユーザー端末１００へ、イベントの発生要因である化学物質（複数の化学物質の組み合わせ）を含む解析情報１４１を返すことができる。

　コンテンツ供給ユニット３４は、第１の検索ユニット３１においてイベント情報１３９のＩＭＳデータ１２９に登録商品の固有パターン２３ｂが含まれている場合に、それに対応する登録商品のコンテンツ情報２３ｃを含む解析情報１４２をユーザー端末１００に返す。また、コンテンツ供給ユニット３４は、第２の検索ユニット３２または第３の検索ユニット３３においてＩＭＳデータ１２９または汎用データ（ＦＣＷＳデータ）から推定された化学物質の組み合わせに、登録商品のレシピ２３ａに一致する、または類似する、または高い確率で同一と判断できるものが含まれている場合に、それに対応する登録商品またはサービスのコンテンツ情報２３ｃを含む解析情報１４２をユーザー端末１００に返す。したがって、ユーザー端末１００においては、ＩＭＳセンサー１２０が検出した化学物質を直接示す情報の代わりに、商品・サービスに関するコンテンツが表示または出力される。

　商品またはサービスに関連付けられたコンテンツの典型的なものは、商品またはサービスの名称、商品またはサービスを提供するもの（メーカー）を特定する情報（名前、提供場所）、商品またはサービスの宣伝・広告、さらには、商品またはサービスに関連してユーザーにさらに提供可能な商品またはサービスの宣伝・広告などである。これらのコンテンツは、分析センター１０のコンテンツサーバー４０から提供されてもよく、メーカーのサーバー８から提供されてもよく、コンテンツプロバイダーのサーバー７から提供されてもよい。

　ＩＭＳデータ１２９あるいは汎用データにより推定される化学物質の組み合わせと照合されるレシピ（化学物質の組み合わせ）２３ａは、汎用データベース２１に登録されている化学物質、データベース２２．１に登録されている化学物質の単位あるいはグレードで作成されていてもよく、特定のにおいの要因となる天然由来の化学物質の名前（たとえば化合物名など）の組み合わせで記載されていてもよく、においの要因となる天然由来の化学物質の発生源の名前（たとえば、果物、花などの植物の種類、動物の種類、香辛料の名前など）の組み合わせで記載されていてもよい。レシピ２３ａに記載されている匂いの要素を、汎用データベース２１、またはデータベース２２．１に登録されている化学物質のパターンで合成したり、組み合わせることにより、汎用データあるいはＩＭＳデータ１２９と比較できるデータを作成することが可能である。

　発生要因供給ユニット３５は、第２の検索ユニット３２または第３の検索ユニット３３においてＩＭＳデータ１２９または汎用データ（ＦＣＷＳデータ）から推定された化学物質の組み合わせに、登録商品のレシピ２３ａに一致する、又は類似する、又は高い確率で同一と判断できるものが含まれていない場合に、推定された化学物質の組み合わせを含む解析情報１４１をユーザー端末１００に返す。したがって、ユーザー端末１００においては、ＩＭＳセンサー１２０が検出した化学物質または化学物質の組み合わせを示す情報が表示または出力される。化学物質または化学物質の組み合わせを示す情報は、化学物質の名前でもよく、特定のにおいの要因となる天然由来の化学物質の名前（たとえば化合物名など）でもよく、においの要因となる天然由来の化学物質の発生源の名前（たとえば、果物、花などの植物の種類、動物の種類、香辛料の名前など）であってもよく、化学物質、化学物質の組み合わせ、またはそれらの発生源を示すその他の一般的な名称であってもよい。

　ユーザーは、推定された化学物質の組み合わせを含む解析情報１４１に、どのような情報を含めたいか（取得したいか）を選択することができる。しかしながら、コンテンツ供給ユニット３４において、登録された商品またはサービスに関連するにおい（化学物質の組み合わせ、レシピ）であると判断された場合は、提供者（登録商品の提供者、メーカー）により決められた（設定された）登録商品のコンテンツ情報２３ｃを含む解析情報１４２が端末１００に送られる。したがって、ＩＭＳセンサー１２０が得たＩＭＳデータ１２９により推定される化学物質（化学物質の組み合わせ）が商品・サービスデータベース２３に登録されたものであれば、ユーザーが得られる情報は、商品・サービスの提供者により許可あるいは設定された範囲のものとなる。

　このため、商品・サービスの提供者の意向により、においのレシピをコンテンツとしてオープンすることも可能であり、においのレシピがユーザーにオープンになるのを避けることも可能である。さらに、商品・サービスの提供者は、ＩＭＳセンサー１２０が得たＩＭＳデータ１２９により推定される化学物質（化学物質の組み合わせ）が商品・サービスデータベース２３に登録されたものである機会を利用して、商品またはサービスに関する宣伝・広告を、商品またはサービスのターゲットになりやすいユーザーに効率よく提供できる。

　検索サーバー３０の管理ユニット３８は、コンテンツの供給に応じてコンテンツの提供者、多くの場合は、商品またはサービスの提供者（メーカー）に課金する機能を含む。課金の方法の１つは、コンテンツがユーザーの端末１００に送信された頻度（回数）に応じて課金することである。または、商品またはサービスを商品・サービスデータベース２３に登録し、コンテンツを供給可能にすることにより課金してもよい。さらに、コンテンツを継続して供給する期間などに応じて課金してもよく、課金の方法はさまざまである。課金情報は、課金管理サーバー６に送られ、適当な決済方法により決済される。

　管理ユニット３８は、さらに、端末１００のユーザーを管理する機能を含む。ユーザーの端末１００に、化学物質およびそれに関する情報を提供することによりユーザーに課金することも可能である。さらに、登録された商品またはサービスに関連するコンテンツが供給されたユーザーに関する情報を、許可された範囲でコンテンツの提供元に供給することも可能である。商品またはサービスの提供者は、イベント情報１３９に対してコンテンツを提供するとともに、コンテンツが提供された商品またはサービスに関するユーザーおよび市場の情報を効率よく取得し、商品開発などに役立てることができる。

　検索サーバー３０の警報供給ユニット３６は、第１の検索ユニット３１、第２の検索ユニット３２および第３の検索ユニット３３が、イベント情報１３９に含まれるデータを様々な化学物質のパターンと照合する過程で、ユーザーに対して危険が及ぶ可能性のある化学物質を検出すると、緊急警報をユーザーの端末１００に送信する。

　図２に、検索サーバー３０における処理をフローチャートにより示している。ステップ５１において、通信ユニット３９を介してインターフェイスユニット３７が端末１００からイベント情報１３９を取得すると、ステップ５２においてイベント情報１３９にＩＭＳデータ１２９が含まれているか否かを判断する。センサー固有のＩＭＳデータ１２９が含まれていれば、ステップ５３において、第１の検索ユニット３１がＩＭＳデータ１２９と商品・サービス固有パターン２３ｂとを直に照合する。ステップ５４において、ＩＭＳデータ１２９に商品・サービス固有パターン（フィンガープリント）２３ｂが含まれていれば、ステップ５９において、コンテンツ供給ユニット３４がフィンガープリント２３ｂに対応する商品またはサービスに関連するコンテンツを含む解析情報１４２を端末１００に供給する。さらに、ステップ６０において、管理ユニット３８は、コンテンツの供給に応じて課金する。

　ステップ５４において、ＩＭＳデータ１２９に商品・サービス固有パターン２３ｂが見つからない場合は、ステップ５５において、第２の検索ユニット３２により、センサー固有のデータベース２２．１～２２．ｎを参照してＩＭＳデータ１２９に含まれる化学物質の組み合わせを推定する。これらと並列に、または前後して、ステップ５６において、第３の検索ユニット３３は、イベント情報１３９に含まれる汎用データ（ＦＣＷＳデータ）により、汎用の化学物質データベース２１を参照して、イベント情報１３９に含まれる化学物質の組み合わせを推定する。

　化学物質の組み合わせが推定されると、ステップ５７において、コンテンツ供給ユニット３４は、推定された化学物質の組み合わせに、登録された商品またはサービスのレシピ２３ａに相当する、または対応する組み合わせが含まれているか否かを判断する。ステップ５８において、推定された化学物質の組み合わせにレシピ２３ａが含まれていれば、登録されている商品またはサービスであると判断し、ステップ５９において、コンテンツ供給ユニット３４がレシピ２３ａに対応する商品またはサービスに関連するコンテンツを含む解析情報１４２を端末１００に供給する。さらに、ステップ６０において、管理ユニット３８は、コンテンツの供給に応じて課金する。

　ステップ５８において、推定された化学物質の組み合わせにレシピ２３ａが含まれていなければ、ステップ６１において、発生要因供給ユニット３５が推定された化学物質の組み合わせを含む解析情報１４１をユーザー端末１００に送信する。

　なお、上記のシステム１においては、分析センター１０に検索サーバー３０と、データサーバー２０とを設置しているが、これらのサーバーはインターネット上に分散配置されていてもよい。また、それらのサーバー２０および３０は、ＣＰＵおよびメモリを含む適当なコンピュータ資源を用いて実現できるものである。また、各サーバー２０および３０における処理は、コンピュータを動作させるプログラム（プログラム製品）として適当な記録媒体（たとえばＤＶＤ）に記録して提供したり、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供できる。

Claims

　空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを備えた端末との間で情報を交換する通信ユニットと、
　前記端末から前記検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得する機能と、
　前記イベント情報によりイベントの発生要因となる少なくとも１つの化学物質を推定し、前記端末に、前記少なくとも１つの化学物質の情報を含む発生要因情報を供給する機能と、
　前記イベントの発生要因が複数の化学物質を含み、前記複数の化学物質の組み合わせが、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを含む場合は、前記端末に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給する機能とを有する装置。
　請求項１において、
　前記コンテンツの提供元に対し、前記コンテンツを供給する機能が前記コンテンツを供給することに応じて課金する機能をさらに有する、装置。
　請求項１または２において、前記検出ユニットは前記化学物質関連情報を出力する第１タイプのセンサーを含み、
　前記取得する機能は、前記第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含む前記イベント情報を取得し、
　前記コンテンツを供給する機能は、前記第１タイプの化学物質関連情報に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターン、または、前記第１の商品またはサービスに関する匂いを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、前記端末に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、前記第１の商品または役務に関連付けられたコンテンツを供給する機能を含む、装置。
　空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを備えた端末との間で情報を交換する通信ユニットと、
　前記端末から前記検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得する機能とを有する装置であって、
　前記検出ユニットは前記化学物質関連情報を出力する第１タイプのセンサーを含み、
　前記取得する機能は、前記第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含む前記イベント情報を取得し、
　さらに、当該装置は、
　前記第１タイプの化学物質関連情報に第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターンが含まれている場合、または、前記第１タイプの化学物質関連情報に前記第１の商品またはサービスに関する匂いを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給する機能を有する、装置。
　請求項４において、
　前記コンテンツの提供元に対し、前記コンテンツを供給する機能が前記コンテンツを供給することに応じて課金する機能をさらに有する、装置。
　請求項４または５において、
　前記第１タイプのセンサーは前記化学物質関連情報をスペクトルとして出力する分析型センサーであり、前記特定パターンおよび前記商品・サービス固有パターンはスペクトルフィーチャを含み、
　前記コンテンツを供給する機能は、前記分析型のセンサーから得られたスペクトルを前記特定パターンに含まれるスペクトルフィーチャを用いて照合する、装置。
　ＣＰＵおよびメモリを備えた装置が情報を供給する方法であって、
　前記装置が、空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを含む端末から前記検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得することと、
　前記イベント情報によりイベントの発生要因となる少なくとも１つの化学物質を推定し、前記端末に、前記少なくとも１つの化学物質の情報を含む発生要因情報を供給することと、
　前記イベントの発生要因が複数の化学物質を含み、前記複数の化学物質の組み合わせが、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを含む場合は、前記端末に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給することとを有する方法。
　請求項７において、
　前記コンテンツの提供元に対し、前記コンテンツを供給することに応じて課金することをさらに有する、方法。
　請求項７または８において、前記検出ユニットは前記化学物質情報を出力する第１タイプの物質検出センサーを含み、
　前記取得することは、前記第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含む前記イベント情報を取得することを含み、
　前記コンテンツを供給することは、前記第１タイプの化学物質関連情報に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターン、または、前記第１タイプの化学物質関連情報に、前記第１の商品またはサービスに関する匂いを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、前記端末に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給することを含む、方法。
　ＣＰＵおよびメモリを備えた装置が情報を供給する方法であって、
　前記装置が、空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する第１タイプのセンサーを含む端末から前記第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含むイベント情報を取得することと、
　前記第１タイプの化学物質関連情報に第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターンが含まれている場合、または、前記第１タイプの化学物質関連情報に前記第１の商品またはサービスに関する匂いを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給することとを有する方法。
　請求項１０において、
　前記コンテンツの提供元に対し、前記コンテンツを供給することに応じて課金することをさらに有する、方法。
　請求項１０または１１において、
　前記第１タイプのセンサーは前記化学物質関連情報をスペクトルとして出力する分析型センサーであり、前記特定パターンおよび前記商品・サービス固有パターンはスペクトルフィーチャを含み、
　前記コンテンツを供給することは、前記分析型のセンサーから得られたスペクトルを前記特定パターンに含まれるスペクトルフィーチャを用いて照合することを含む、方法。
　ＣＰＵおよびメモリを備えた装置において実行されるプログラムであって、
　前記装置が、空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する検出ユニットを含む端末から前記検出ユニットにより得られた化学物質関連情報の変化を含むイベント情報を取得することと、
　前記イベント情報によりイベントの発生要因となる少なくとも１つの化学物質を推定し、前記端末に、前記少なくとも１つの化学物質の情報を含む発生要因情報を供給することと、
　前記イベントの発生要因が複数の化学物質を含み、前記複数の化学物質の組み合わせが、第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを含む場合は、前記端末に、前記登録済みの複数の化学物質の組み合わせの代わりに、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給することとを実行する命令を有するプログラム。
　請求項１３において、
　前記コンテンツの提供元に対し、前記コンテンツを供給することに応じて課金することをさらに有する、プログラム。
　ＣＰＵおよびメモリを備えた装置において実行されるプログラムであって、
　前記装置が、空気に含まれる化学物質に関連する化学物質関連情報を取得する第１タイプのセンサーを含む端末から前記第１タイプのセンサー固有の第１タイプの化学物質関連情報を含むイベント情報を取得することと、
　前記第１タイプの化学物質関連情報に第１の商品またはサービスに関する登録済みの複数の化学物質の組み合わせを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの特定パターンが含まれている場合、または、前記第１タイプの化学物質関連情報に前記第１の商品またはサービスに関する匂いを前記第１タイプのセンサーにより検出したときの商品・サービス固有パターンが含まれている場合は、前記第１の商品またはサービスに関連付けられたコンテンツを供給することとを実行する命令を有するプログラム。