WO2011010374A1

WO2011010374A1 - 容器の製造方法及び容器製造装置

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Publication number: WO2011010374A1
Application number: PCT/JP2009/063152
Authority: WO
Inventors: 薫藤村
Original assignee: 株式会社藤村工業
Priority date: 2009-07-23
Filing date: 2009-07-23
Publication date: 2011-01-27

Abstract

容器（Ｇ１）は、フランジ部（Ｇ１ｂ）を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であり、剥離用フィルム（Ｆ）を搬送して、容器挿入開口（Ｆ１）に収容部（Ｇ１ａ）を挿入し、フランジ部（Ｇ１ｂ）の内外２部分の収容部側に、剥離用フィルム（Ｆ）を接着して補強し、フランジ部（Ｇ１ｂ）から剥離するために指先で摘む部分として接着部分（Ｆ４）から張り出した突片部（Ｆ５）と、この突片部（Ｆ５）の付け根に切断部（Ｆ２）を設けるように、剥離用フィルム（Ｆ）をフランジ部（Ｇ１ｂ）の外周に沿って打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルム（Ｆ）を接着した容器（Ｇ１）を製造する。包装工程前に容器（Ｇ１）に打ち抜き剥離用フィルム（Ｆ１）を接着しておくことにより、包装工程を簡略化させることができるだけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる。

Description

容器の製造方法及び容器製造装置

　この発明は、開封容易なトップシール用容器及び開封容易なブリスターパック用容器などの容器を製造するための容器の製造方法及び容器製造装置に関するものである。

　トップシール用容器とは豆腐やゼリー等の包装用容器を云い、ブリスターパック用容器とは電池や日用品等を吊り下げて販売する方式の包装用容器を云う。

　従来のトップシール用容器もブリスターパック用容器も、共に１枚のプラスチックシートを加熱真空成形機等で膨らまして形状を成形し、膨らんだ収容部の根本から数ｍｍ程度離れた平らな部分のフランジ部を外周打ち抜き機等で打ち抜いたものであり、その形状に差異はない。

　包装工程もさほどの差異は無く、容器の収容部の開口部を上にして中に物品を入れバケットに挿入する処まではまったく同じである。トップシール包装は、その上に薄い熱可塑性フィルムをあてがうのに対して、ブリスターパック包装は、その上に熱可塑性の糊を塗った厚手の台紙を、糊面を下に向けて乗せるだけの違いであり、共に上から熱ヒータ等で押して接着させている。

　大きな違いは、その包装された物品の販売方法であり、トップシール用容器は収容部の開口部を上（薄いフイルムを上）にして陳列するのに対して、ブリスターパック用容器は台紙を下（開口部も下）にして置くか、又は台紙に開いている穴を棒に引っ掛けてぶら下げるかの違である。

　このトップシール用容器には、一般的なトップシール用容器のフランジ部の中間に内外を手で簡単に２分できるようにするためのミシン目を１周または非１周入れ、その分離を防ぐためフランジ部の裏側に剥離用フィルムを接着させたものがある（特許文献１）。

　また、ブリスターパック用容器には、一般的なブリスターパック用容器のフランジ部の表側に、フランジ部の外側まではみ出すように１周または非１周一部に剥離用フィルムを接着させたものがある（特許文献２）。

特許第４０２５３３８号公報特開２００８－２７３５５３号公報

　このように、トップシール用容器は、フランジ部のミシン目による内外の分離を防ぐために、包装工程前に事前に剥離用フィルムを接着しておかなければならない。

　また、ブリスターパック用容器は、容器と台紙を固定するために剥離用フィルムを使用するが、打ち抜いただけの剥離用フィルムを使用することは、剥離用フィルムがカール性を有するために機械化はまず不可能である。

　この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、包装工程前に容器に事前に打ち抜き剥離用フィルムを接着しておくことを可能とし、包装工程を簡略化させることができただけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる等の利点を有する容器の製造方法及び容器製造装置を提供することを目的としている。

　前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。

　請求項１に記載の発明は、膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した剥離用フィルムを用い、
　前記容器は、前記フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であり、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入して前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させ、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させて前記内外２部分を補強し、
　前記フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器の製造方法である。

　請求項２に記載の発明は、膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した剥離用フィルムを用い、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させ、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させ、
　前記フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、前記フランジ部及び前記台紙から剥離するために指先で摘む部分として前記台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器の製造方法である。

　請求項３に記載の発明は、膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離用フィルムの剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した長尺の剥離用フィルムを搬送する搬送部と、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し、前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させる容器供給部と、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させるフィルム接着部と、
　前記フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜く打ち抜き部とを備え、
　前記容器は、前記フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であり、
　前記剥離用フィルムを搬送して、前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し、
　前記フランジ部の前記内外２部分の収容部側に、前記剥離用フィルムを接着して補強し、
　前記フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記剥離用フィルムを前記フランジ部の外周に沿って打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器製造装置である。

　請求項４に記載の発明は、膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離用フィルムの剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した長尺の剥離用フィルムを搬送する搬送部と、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させる容器供給部と、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させるフィルム接着部と、
　前記フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、前記フランジ部及び前記台紙から剥離するために指先で摘む部分として前記台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周部に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜く打ち抜き部とを備え、
　前記剥離用フィルムを搬送して、前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し、
　前記フランジ部の収容部側に、前記剥離用フィルムを接着し、
　前記フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、前記フランジ部及び前記台紙から剥離するために指先で摘む部分として前記台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器製造装置である。

　前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。

　請求項１及び請求項３に記載の発明では、容器は、フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であるが、フランジ部の内外２部分の収容部側に、打ち抜き剥離用フィルムを接着して補強し、かつフランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に切断部を設けることで、包装工程前に容器に事前に打ち抜き剥離用フィルムを接着しておくことが可能となる。

　包装工程では、容器のフランジ部の内外２部分は打ち抜き剥離用フィルムを接着して補強されており、外部分の開口側部に密封用フィルムを接着して物品を密封することで、包装工程を簡略化させることができただけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる等の利点を有する。

　また、物品を密封した後は、突片部を引っ張ることで切断部から打ち抜き剥離用フィルムが切断され、打ち抜き剥離用フィルムをフランジ部に沿って最小の力で剥離し、フランジ部を内外２部分に分離して密封用フィルムを容易に開封することができるなど開封容易な容器を製造することができる。

　請求項２及び請求項４に記載の発明では、剥離用フィルムの容器挿入開口に収容部を挿入し、フランジ部の収容部側に、剥離用フィルムを接着し、フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、フランジ部及び台紙から剥離するために指先で摘む部分として台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に切断部を設けることで、包装工程前に容器に事前に打ち抜き剥離用フィルムを接着しておくことが可能となる。

　包装工程では、容器のフランジ部に打ち抜き剥離用フィルムが接着されており、フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分を、台紙を接着して物品を密封することで、台紙に熱可塑性の糊などを塗る必要がなく包装工程を簡略化させることができる。また、包装工程を簡略化させることができただけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる等の利点を有する。

　また、物品を密封した後は、突片部を引っ張ることで切断部から打ち抜き剥離用フィルムが切断され、打ち抜き剥離用フィルムをフランジ部に沿って最小の力で、フランジ部と台紙から剥離して容易に開封することができるなど開封容易な容器を製造することができる。

容器製造装置の概略構成示す図である。トップシール用容器の収容部側から見た平面図である。ブリスターパック用容器の収容部側から見た平面図である。打ち抜き剥離用フィルムを接着したトップシール用容器の収容部側から見た平面図である。打ち抜き剥離用フィルムを接着したブリスターパック用容器の収容部側から見た平面図である。第１の実施の形態の容器製造装置の平面図である。第１の実施の形態の容器製造装置の正面図である。第２の実施の形態の容器製造装置の平面図である。第２の実施の形態の容器製造装置の正面図である。容器挿入開口と切断部を打ち抜いた状態の長尺の剥離用フィルムの一例を示す図である。容器挿入開口と切断部のミシン目になる部分を打ち抜いた状態の非１周型の剥離用フィルムの一例を示す図である。図８及び図９の改造装置を組み込んだ容器製造装置でトップシール用容器を作る場合の剥離用フィルムの一例を示す図である。成形後の容器用シートに加工用中間プレスで分離部のミシン目加工をする場合の一例を示す図である。加工に使用される刃物の一例のトムソン刃の一例の平面図である。同正面断面図である。トップシール用容器の一例の表側平面図である。同正面図である。同裏側平面図である。トップシール用容器の他の一例の表側平面図である。同正面図である。同裏側平面図である。包装したトップシール容器の一例の表側平面図である。同正面図である。同裏側平面図である。剥離用フィルムを剥離する状態を示す図である。ブリスターパック用容器の一例の表側平面図である。同正面図である。同側面図である。同裏側平面図である。包装したブリスターパック用容器の一例を示す図である。包装したブリスターパック用容器の開封例を示す図である。

　以下、この発明の容器の製造方法及び容器製造装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。

　［実施の形態の概略構成］
　図１乃至図５は容器製造装置の概略構成を説明する。図１は容器製造装置の概略構成示す図、図２はトップシール用容器の収容部側から見た平面図、図３はブリスターパック用容器の収容部側から見た平面図、図４は打ち抜き剥離用フィルムを接着したトップシール用容器の収容部側から見た平面図、図５は打ち抜き剥離用フィルムを接着したブリスターパック用容器の収容部側から見た平面図である。

　この実施の形態の容器製造装置は、図１に示すように、搬送部Ａ、容器挿入開口打ち抜き部Ｂ、容器供給部Ｃ、フィルム接着部Ｄ、打ち抜き部Ｅを備える。

　［搬送部Ａ］
　搬送部Ａは、剥離用フィルム送り出し部Ａ１と、残りフィルム巻取り部Ａ２と、この剥離用フィルム送り出し部Ａ１と残りフィルム巻取り部Ａ２との間に、容器挿入開口打ち抜き部Ｂ、容器供給部Ｃ、フィルム接着部Ｄ、打ち抜き部Ｅが長尺の剥離用フィルムＦを搬送する搬送路に沿って配置されている。

　剥離用フィルム送り出し部Ａ１には、長尺の剥離用フィルムＦの原反ボビンがあり、残りフィルム巻取り部Ａ２の残フィルム巻き取りボビン枠が回転して原反ボビンから長尺の剥離用フィルムＦを引き出して搬送され、残りフィルム巻取り部Ａ２の残フィルム巻き取りボビンに巻き取られるようになっている。

　剥離用フィルムＦは、いわゆるイージーオープン或いはイージーピールなどと称されるフィルムを使用することが望ましく、表面が熱に強く破れにくい２軸延伸ポリプロピレン（ＯＰＰ）やポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）やポリエステル（ＵＰ）等のフィルムからなり、裏面には接着面として使用されるシーラントフィルム（例えば東セロ社製ＣＭＰＳＯＯ８ＣやＣＭＰＳＯ１３Ｃ、ＡＢＦ６４Ｃ等）からなる貼り合わせフィルムが適する。要するに、破れに対して強度のあるフィルムと接着手段となるフィルムの複合フィルム、或いは破れ強度と接着性能を併有するフィルムであれば、温度変化によるそれぞれの特性を利用して、剥離用フィルムとして使用することができる。この剥離用フィルムは、プラスチックはもちろん紙でも金属等でも接着することができる。

　［容器挿入開口打ち抜き部Ｂ］
　容器挿入開口打ち抜き部Ｂは、膨らんだ収容部とその収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口Ｆ１と、剥離方向がフランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部Ｆ２を打ち抜いて形成し、打ち抜かれた剥離用フィルムＦ９０が除去される。この切断部Ｆ２は、切込みでもミシン目などでもよい。

　また、容器が、豆腐やゼリー等の包装用容器のトップシール用容器の場合は、容器挿入開口Ｆ１と、切断部Ｆ２は同時に打ち抜いて形成するが、容器が電池や日用晶等を吊り下げて販売する方式のブリスターパック用容器の場合は、切断部Ｆ２が容器のフランジ部からはみ出した部分に加工するので、剥離用フィルムＦと容器のフランジ部を接着後でも最終工程の打ち抜き工程時でも、さらには別の装置で個別に入れることも可能である。

　［容器供給部Ｃ］
　容器供給部Ｃは、トップシール用容器の容器Ｇ１又はブリスターパック用容器の容器Ｇ２を供給する。図２のトップシール用容器の容器Ｇ１は、膨らんだ収容部Ｇ１ａとこの収容部Ｇ１ａを囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部Ｇ１ｂを有する。フランジ部Ｇ１ｂは、開口寄りの内側部分Ｇ１ｂ１と周縁寄りの外側部分Ｇ１ｂ２との内外２部分に分離可能な構造であり、この分離部Ｇ１ｃはミシン目などによって構成される。

　図３のブリスターパック用容器の容器Ｇ２は、膨らんだ収容部Ｇ２ａとこの収容部Ｇ２ａを囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部Ｇ２ｂを有する。フランジ部Ｇ２ｂは、トップシール用容器のように分離可能な構造になっていない。

　容器供給部Ｃでは、トップシール用容器の容器Ｇ１を供給すると、容器挿入開口Ｆ１に収容部Ｇ１ａを挿入し、フランジ部Ｇ１ｂの収容部側を剥離用フィルムＦに重ねて密着させ、ブリスターパック用容器の容器Ｇ２を供給すると、容器挿入開口Ｆ１に収容部Ｇ２ａを挿入し、フランジ部Ｇ２ｂの収容部側を剥離用フィルムＦに重ねて密着させる。

　図１では、容器Ｇ１，Ｇ２を剥離用フィルムＦの上方位置から容器挿入開口Ｆ１に挿入しているが、容器Ｇ１，Ｇ２の向きを逆にして剥離用フィルムＦの下方位置から挿入したり、逆向きの容器を先に下に置きその上から剥離用フィルムを被せるように容器挿入開口Ｆ１に挿入することも可能である。

　トップシール用容器の容器Ｇ１では、挿入前に、フランジ部Ｇ１ｂを内外２部分に分離可能な構造に加工しているが、事前に別の装置で内外２部分に分離可能な構造に加工をした容器を供給することも可能である。また、ブリスターパック用容器の容器Ｇ２は、フランジ部Ｇ１ｂを内外２部分に分離可能な構造に加工を必要としないが、その代り外周打ち抜きでの打ち抜き寸法よりも一回り小さい寸法のフランジ部を持った容器を供給する。

　［フィルム接着部Ｄ］
　フィルム接着部Ｄは、容器Ｇ１，Ｇ２のフランジ部Ｇ１ｂ，　Ｇ２ｂの収容部側を剥離用フィルムＦに接着させる。例えば熱ヒータを使用して薄い剥離用フィルム側から押し付けて接着させるが、容器のフランジ部が薄い場合は、開口部側からの加熱でも接着することができる。また、剥離用フィルムや容器の材質によっては、熱ヒータの代わりに高周波等を使用することが必要な場合もあり、また非加熱接着の方法も考えられる。

　［打ち抜き部Ｅ］
　打ち抜き部Ｅは、最終工程として外周打ち抜き加工を行なうものであり、これで打ち抜き剥離用フィルムＦを接着した容器Ｇ１，Ｇ２が完成する。

　トップシール用容器の容器Ｇ１は、フランジ部Ｇ１ｂが内外２部分に分離可能な構造であり、図４に示すように、フランジ部Ｇ１ｂから剥離するために指先で摘む部分として接着部分Ｆ４から張り出した突片部Ｆ５と、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２の切込みを設けるように、フランジ部Ｇ１ｂの外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着した容器Ｇ１を製造する。

　ブリスターパック用容器の容器Ｇ２は、フランジ部Ｇ２ｂを内外２部分に分離可能な構造でなく、図５に示すように、フランジ部Ｇ２ｂに接着した部分Ｆ４ａから外方へ張り出した台紙と接着させる部分Ｆ４ｂと、フランジ部Ｇ２ｂ及び台紙から剥離するために指先で摘む部分として台紙と接着させる部分Ｆ４ｂから張り出した突片部Ｆ５と、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２の切込みを設けるように、フランジ部Ｇ２ｂの外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着した容器Ｇ２を製造する。

　この実施の形態では、容器挿入開口Ｆ１、切断部Ｆ２、フランジ部Ｇ２ｂの外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜く加工には、トムソン刃や山形刃（ノコ刃ともいう）ダイセットによるプレス方式等の刃物加工や、ニクロム線による加熱溶断や高周波加工等を用いることができる。また、容器Ｇ１のフランジ部Ｇ１ｂを内外２部分に分離可能な構造にする加工には、トムソン刃や山形刃及び高周波加工等が好ましい。

　容器挿入開口Ｆ１、切断部Ｆ２、フランジ部Ｇ２ｂの外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜く加工等の動力としては、エアーシリンダや油圧シリンダ等の流体加圧方式や、クランクやカム等の機械的加圧方法があり、何れの方式でも可能である。

　剥離用フィルムＦは、長尺のフィルムでも、シート状のフィルムでもよく、剥離用フィルムＦを搬送する搬送部Ａの動作方法として、間欠式とノンストップ方式があり、間欠式は一定寸法動いて停止し、その位置で打ち抜き加工やヒータ加工をする方式で、速度は遅いが機械は低価格である。ノンストップ方式は一定速度で動きながら、ボックスモーション動作でカッタやヒータを動かしたり、回転式刃物（ロータリーカッタ）や回転式ヒータ（ロータリーヒータ）で切断や熱接着をさせることができ、ノンストップ方式は速度が速いが機械は高価格である。

　このように、トップシール用容器を製造する場合には、容器Ｇ１は、フランジ部Ｇ１ｂを、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であるが、フランジ部Ｇ１ｂの内外２部分の収容部側に、剥離用フィルムＦを接着して補強し、かつフランジ部Ｇ１ｂから剥離するために指先で摘む部分として接着部分Ｆ４から張り出した突片部Ｆ５と、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２を設けることで、包装工程前に容器Ｇ１に事前に打ち抜き剥離用フィルムＦを接着しておくことが可能となる。

　包装工程では、容器Ｇ１のフランジ部Ｇ１ｂの内外２部分は打ち抜き剥離用フィルムＦを接着して補強されており、外部分の開口側部に密封用フィルムを接着して物品を密封することで、包装工程を簡略化させることができただけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる等の利点を有する。

　また、物品を密封した後は、突片部Ｆ５を引っ張ることで切断部Ｆ２から打ち抜き剥離用フィルムＦが切断され、打ち抜き剥離用フィルムＦをフランジ部Ｇ１ｂに沿って最小の力で剥離し、フランジ部Ｇ１ｂを内外２部分に分離して密封用フィルムを容易に開封することができるなど開封容易な容器を製造することができる。

　ブリスターパック用容器を製造する場合には、剥離用フィルムＦの容器挿入開口Ｆ１に収容部Ｇ２ａを挿入し、フランジ部Ｇ２ｂの収容部側に、剥離用フィルムＦを接着し、フランジ部Ｇ２ｂに接着した部分Ｆ４ａから外方へ張り出した台紙と接着させる部分Ｆ４ｂと、フランジ部Ｇ２ｂ及び台紙から剥離するために指先で摘む部分として台紙と接着させる部分Ｆ４ｂから張り出した突片部Ｆ５と、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２を設けることで、包装工程前に容器Ｇ２に事前に打ち抜き剥離用フィルムＦを接着しておくことが可能となる。

　包装工程では、容器Ｇ２のフランジ部Ｇ２ｂに打ち抜き剥離用フィルムＦが接着されており、フランジ部Ｇ２ｂから外方へ張り出した台紙と接着させる部分Ｆ４ｂを、台紙を接着して物品を密封することで、台紙に熱可塑性の糊などを塗る必要がなく包装工程を簡略化させることができる。また、包装工程を簡略化させることができただけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる等の利点を有する。

　また、物品を密封した後は、突片部Ｆ５を引っ張ることで切断部Ｆ２から打ち抜き剥離用フィルムＦが切断され、打ち抜き剥離用フィルムＦをフランジ部Ｇ２ｂに沿って最小の力で、フランジ部Ｇ２ｂと台紙から剥離して容易に開封することができるなど開封容易な容器を製造することができる。

　　［第１の実施の形態］
　次に、第１の実施の形態を、図６及び図７に基づいて詳細に説明する。図６は容器製造装置の平面図、図７は容器製造装置の正面図である。

　この実施例の容器製造装置は、トップシール用容器を製造する装置であり、容器は、フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造である。

　［搬送部Ａ］
　この実施の形態では、長尺の剥離用フィルムＦが用いられ、搬送部Ａには、剥離用フィルム送り出し部Ａ１と、残りフィルム巻取り部Ａ２と、この剥離用フィルム送り出し部Ａ１と残りフィルム巻取り部Ａ２との間に設けられるガイドローラ３ａ，３ｂ、剥離用フィルムＦに掛かる力を常に一定にさせるテンションローラ等が備えられている。フィルム引きモータ４を駆動することで、巻き取りボビン４ａを介して残フィルム巻き取りボビン枠２が回転し、原反ボビン１ａに巻かれている剥離用フィルム原反から剥離用フィルムＦを引き出し、ガイドローラ３ｂ等にガイドされて残フィルム巻き取りボビン枠２に巻き取られる。この実施の形態の剥離用フィルム原反から剥離用フィルムＦの引き出しは、間欠式のため、剥離用フィルムＦを一定寸法引き出す。

　［容器挿入開口打ち抜き部Ｂ］
　容器挿入開口打ち抜き部Ｂでは、長尺の剥離用フィルムＦの上方位置に容器挿入開口打ち抜きシリンダ５が配置され、下方位置に容器挿入開口打ち抜きカッタ６が配置されており、容器挿入開口打ち抜きシリンダ５が駆動し、容器挿入開口打ち抜きカッタ６が上昇して容器挿入開口Ｆ１と、切断部Ｆ２の切込みを打ち抜く加工を行なう。なお、容器挿入開口Ｆ１、切断部Ｆ２を打ち抜いて形成した剥離用フィルムＦを用いる場合には、容器挿入開口打ち抜き部Ｂを設ける必要はない。

　［容器供給部Ｃ］
　容器供給部Ｃには、容器収納部Ｃ１と、フランジ部加工部Ｃ２とを有する。容器収納部Ｃ１では、容器Ｇ１が容器収納ケース１０に複数個積層して収納され、この容器Ｇ１を容器分離シリンダ１１によって１個ずつに分離し、分離した容器Ｇ１を移動台７で受けてフランジ部加工部Ｃ２に送る。

　フランジ部加工部Ｃ２では、加工用シリンダ８によって加工用カッタ９が動いて、移動台７で移動された容器Ｇ１のフランジ部Ｇ１ｂに分離部が加工され、この分離部によってフランジ部Ｇ１ｂが内外２部分に分離可能な構造になり、この容器Ｇ１を移動して剥離用フィルムＦの上方位置から容器挿入開口Ｆ１に収容部Ｇ１ａを挿入する。

　容器Ｇ１が予め別の装置でフランジ部Ｇ１ｂに内外２部分に分離可能な構造に加工されている場合には、フランジ部加工部Ｃ２は不要である。

　また、容器としてブリスターパック用容器を製造する装置である場合には、容器Ｇ２のフランジ部Ｇ２ｂは、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離不要な構造であり、フランジ部加工部Ｃ２は不要である。

　［フィルム接着部Ｄ］
剥離用フィルムＦの容器挿入開口Ｆ１に収容部Ｇ１ａを挿入した状態で、剥離用フィルムＦが所定位置に移動すると、フィルム接着部Ｄでは、剥離用フィルムＦの下方位置に配置されたヒータ用シリンダ１４が駆動し、接着用ヒータ１３を上昇させ、剥離用フィルムＦの上方位置に配置されたヒータ受け台１２に押し付ける。この接着用ヒータ１３によって薄い剥離用フィルム側から押し付け、剥離用フィルムＦと容器Ｇ１のフランジ部Ｇ１ｂを接着させる。

　［打ち抜き部Ｅ］
　接着が終了すると、打ち抜き部Ｅまで剥離用フィルムＦと接着された状態で容器Ｇ１が搬送される。打ち抜き部Ｅでは、外周打ち抜きシリンダ１５が駆動し、外周打ち抜きカッタ１６が持ち上がり、容器Ｇ１の周りに突片部Ｆ５の部分だけ追加した外周で剥離用フィルムＦを打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着したトップシール用容器が完成する。

　また、容器の膨らみ部分の収容部の寸法が同じで、フランジ部の寸法の小さいものを開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離する加工をしないで使用すると、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着した完成した容器は、ブリスターパック用容器になり、１台の容器製造装置でトップシール用容器とブリスターパック用容器の両方を加工することができる。

　また、容器供給部Ｃにおいて説明したように、容器Ｇ１が予め別の装置でフランジ部Ｇ１ｂに内外２部分に分離可能な構造に加工されている場合には、フランジ部加工部Ｃ２は不要であり、容器収納部Ｃ１を剥離用フィルムＦの搬送路上に配置し、容器収納部Ｃ１に容器Ｇ１をセットして直に容器を供給すると、製造速度を上げることができるだけでなく装置のコストも安くなり、トップシール用容器の加工にとっては有利である。

　［第２の実施の形態］
　次に、第２の実施の形態を、図８及び図９に基づいて詳細に説明する。図８は容器製造装置の平面図、図９は容器製造装置の正面図である。第１の実施の形態では、剥離用フィルムＦの移動によって容器を移動させているが、この第２の実施の形態では、成形された容器の移動によって剥離用フィルムＦを移動させている。

［容器成形装置Ｍ］
　容器成形装置Ｍは、既存設備でも新設設備でもよく、この実施の形態では、トップシール用容器を形成するものであり、容器成形シート用ボビン枠３０からガイドローラ３１を介して加工前の容器用シート４０を引き出す。この容器用シート４０に、真空加熱成形機３２等によって容器形状の膨らみの収容部Ｇ１ａを形成する。

　この実施の形態では、真空加熱成形機３２等によって容器状に成形された容器用シート４０は、１度に横８列×縦６列の計４８個等の容器形状の膨らみの収容部Ｇ１ａが形成され、外周打ち抜き機３３で横１列ずつ打ち抜いて容器Ｇ１を製造する。

　例えば、真空加熱成形機３２が縦６列で１ショット１８秒とすると、外周打ち抜き機３３は１ショット３秒で６回打ち抜きタイミングを合わせる。縦６列の間隔は同じであるが、次の縦６列との間隔は機械の性質上当然大きく離れている。そのため、加真空熱成形機３２と外周打ち抜き機３３とでは、１ショットの容器用シート４０の移動距離が異なり、それぞれの装置が別々にローラ等で容器用シート４０を移動させる。

　真空加熱成形機３２の次段には、フランジ部加工部を構成する加工用中間プレス３４が配置され、容器Ｇ１のフランジ部に相当する部分に開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離する加工を行い、また同時にフランジ部を補強する打ち抜き剥離用フィルムＦをフランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部の根元に位置する部分に切断部を一緒に加工する。

　この分離する加工が行なわれた容器用シート４０は、外周打ち抜き機３３で打ち抜いて容器Ｇ１を製造し、打ち抜かれた容器用シート４０は、ガイドローラ３６を介して残シート巻き取りボビン枠３７で巻き取られる。

　この容器成形装置Ｍには、構造上大きく分けて２通りあり、電気的には繋がれているがそれぞれの装置が別々に設置されているセパレートタイプと、ひとつの枠内に全て納められているインラインタイプとがある。容器成形装置Ｍに、容器挿入開口打ち抜き部Ｂ、フィルム接着部Ｄを追加する場合、セパレートタイプには可能であるが、インラインタイプに追加設備を増設してもよいが、設計をし直して追加設備を組み込むほうが好ましい。

　この容器成形装置Ｍに、容器挿入開口打ち抜き部Ｂ、フィルム接着部Ｄの設備を追加する場合は、トップシール用容器を製造する場合のみであり、加工用中間プレス３４によってフランジ部に相当する部分に内外２部分に分離する加工を行い、次に外周打ち抜き機３３で打ち抜いて容器Ｇ１を製造する間に、搬送部Ａ、容器挿入開口打ち抜き部Ｂ、フィルム接着部Ｄを設ける。

　この実施の形態では、長尺の剥離用フィルムＦが用いられ、剥離用フィルム送り出し部Ａ１と、ガイドローラ５０ａ，５０ｂ等が備えられ、剥離用フィルムＦを接着面が下側になるように、フィルム用ボビン枠５１から加工前の剥離用フィルムＦを引き出し、ガイドローラ５０ｂを介して容器挿入開口打ち抜き部Ｂへ送る。

　［容器挿入開口打ち抜き部Ｂ］
　容器挿入開口打ち抜き部Ｂでは、打ち抜き用シリンダ５２の駆動によって打ち抜き用ダイセット上型５３が上昇し、打ち抜き用ダイセット下型５４に入り、引き出した剥離用フィルムＦから容器挿入開口Ｆ１と、切断部Ｆ２を打ち抜く。この打ち抜かれた剥離用フィルムＦは、打ち抜き用ダイセット下型５４の下方に配置された受け皿５５に集められる。

　トップシール用容器であっても、フランジ部を内外２部分に分離する加工が１周型でない場合は、打ち抜き剥離用フィルムＦも１周型でなくても良く。また、刃物がダイセットの場合、トムソン刃と異なり打ち抜きに必要な力が少なくて済むが、精密な加工と装置が必要する。また、高周波等による切断装置なども用いることができ、非常に高額となるが、刃物と異なり交換が不要でパソコン等で寸法を自由に変えられる利便性を持っている。

　容器挿入開口Ｆ１、切断部Ｆ２のピッチは、容器成形のピッチに合わせる必要があるが、容器挿入開口打ち抜き部Ｂを外周打ち抜き機３３から容器成形ピッチの等倍の位置にセットして置くと容器用シート４０と共に長尺の剥離用フィルムＦも引っ張られるため、自動的に容器挿入開口Ｆ１、切断部Ｆ２も合わせられる。この剥離用フィルムＦも事前に容器挿入開口Ｆ１と、切断部Ｆ２を加工して置く場合は、容器挿入開口打ち抜き部Ｂを設ける必要はない。

　容器挿入開口Ｆ１、切断部Ｆ２が加工された長尺の剥離用フィルムＦは、ガイドローラ５０ｂを介して搬送され、フィルム押えガイドローラ５６によって、容器挿入開口Ｆ１に収容部Ｇ１ａを挿入し、フランジ部Ｇ１ｂの収容部側を剥離用フィルムＦに重ねて密着させてフィルム接着部Ｄへ移動する。

　［フィルム接着部Ｄ］
　フィルム接着部Ｄでは、ヒータ用シリンダ５７を駆動してヒータブロック５８を下方へ移動し、ヒータブロック５８と受け台５９とによって、フランジ部Ｇ１ｂの収容部側を剥離用フィルムＦに接着させる。フランジ部Ｇ１ｂの内外２部分は、分離可能な構造に加工されており、フランジ部Ｇ１ｂの内外２部分の収容部側に、剥離用フィルムＦを接着して補強し、容器用シート４０に成形された容器の移動によって外周打ち抜き機３３へ移動する。

　この容器成形装置Ｍでは、外周打ち抜き機３３によって、フランジ部Ｇ１ｂの外周に沿って剥離用フィルムＦと共に、容器用シート４０を打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着したトップシール用容器の容器Ｇ１を製造する。容器用シート４０と共に外周を打ち抜かれた剥離用フィルムＦは、ガイドローラ３６を経て残シート巻き取りボビン枠３７に巻き取られる。なお、容器用シート４０と剥離用フィルムＦの材質が異なるため、別々に巻き取るようにしてもよく、この場合は、残シート巻き取りボビン枠３７のさらに前方に残フィルム巻き取りボビン枠を取り付け、フィルム接着部Ｄのヒータ寸法を小さくして外周打ち抜き後の残り容器用シート４０に剥離用フィルムＦが接着していないようにして別々に巻き取る。

　［剥離用フィルムの実施の形態］
　次に、容器に接着される剥離用フィルムの実施の形態を、図１０乃至図１３に基づいて説明する。

　図１０は容器挿入開口Ｆ１と切断部Ｆ２を打ち抜いた状態の長尺の剥離用フィルムＦの一例を示す。長尺の剥離用フィルムＦは、図６及び図７の装置で、実線で示す容器挿入開口Ｆ１と切断部Ｆ２を同時に打ち抜いて加工する。切断部Ｆ２は、ノッチ状の切込みで形成されている。点線Ｌ１は容器に接着後に外周打ち抜きの時の形状の予定線であり、２本線Ｌ２はトップシール用容器を挿入した時の容器外縁の形状、２点鎖線Ｌ３はブリスター用容器を挿入した時の容器外縁の形状を表している。

　剥離用フィルムＦがトップシール用容器の製造に用いられる場合は、容器のフランジ部は内外２部分に分離可能な構造に加工されるために、フランジ部の内外２部分の収容部側に、剥離用フィルムＦを接着して補強する。トップシール用容器を挿入した時の容器外縁から突出する部分は、フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分Ｆ４から張り出した突片部Ｆ５となり、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２を設けるように、フランジ部の外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着した容器Ｇ１を製造する。

　剥離用フィルムＦがブリスター用容器の製造に用いられる場合は、容器のフランジ部の外縁の形状は２点鎖線Ｌ３であり、トップシール用容器を挿入した時の容器外縁の形状より小さくなっており、フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分Ｆ４ｂと、フランジ部及び台紙から剥離するために指先で摘む部分として台紙と接着させる部分Ｆ４ｂから張り出した突片部Ｆ５と、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２を設けるように、フランジ部の外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜き、打ち抜き剥離用フィルムＦを接着した容器Ｇ１を製造する。

　図１１は容器挿入開口Ｆ１と切断部Ｆ２のミシン目になる部分を打ち抜いた状態の非１周型の剥離用フィルムＦの一例を示す。図１０の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明と省略する。

　長尺の剥離用フィルムＦは、図６及び図７の装置で、長尺の剥離用フィルムＦに、実線で示す容器挿入開口Ｆ１と切断部Ｆ２のミシン目になる部分を同時に打ち抜いて加工する。点線Ｌ１はトップシール用容器に接着後に外周打ち抜きの時の予定線であり、２点鎖線Ｌ３はブリスター用容器のフランジ部の外縁の形状を表している。

　この実施の形態は、図１０の実施の形態と同様にフランジ部の外周に沿って剥離用フィルムＦを打ち抜いて容器を成形するが、打ち抜き剥離用フィルムＦが非１周型のコの字状の場合を示し、非１周型としてはＬの字状等の場合がある。

　また、切断部Ｆ２のミシン目は、トップシール用容器を製造する場合に必要で、ブリスター用容器を製造する場合には不要である。

　図１２は図８及び図９の改造装置を組み込んだ容器製造装置でトップシール用容器を作る場合の剥離用フィルムＦの一例を示す。図１０の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明と省略する。

　図８及び図９の改造装置を組み込んだ容器製造装置で加工される長尺の剥離用フィルムＦは、トップシール用容器に専用で補強用である。点線Ｌ１０は接着された容器用シート４０と共に切断される最終工程の外周打ち抜き予定線を示している。

　図１３は成形後の容器用シート４０に、加工用中間プレス３４で分離部のミシン目加工をする場合の一例を示す。

　図８及び図９の改造装置を組み込んだ容器製造装置では、真空加熱成形機３２等によって容器用シート４０を加工して容器形状の膨らみの収容部Ｇ１ａを形成し、成形後の容器用シート４０に、加工用中間プレス３４で分離部のミシン目４０ａ，４０ｂを加工し、外周打ち抜き機３３で剥離用フィルムＦと共に膨らみの収容部の外周に形成されるフランジ部の外周を打ち抜いて容器Ｇ１を製造する。

　分離部のミシン目４０ａは、フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造にし、ミシン目４０ｂは突片部４０ｃを分離可能な構造にする。実線Ｌ２０は容器用シート４０のフランジ部内縁を示し、点線Ｌ２１は接着された剥離用フィルムＦと共に切断される最終工程の外周打ち抜き予定線を示している。

　この容器Ｇ１は、加工用中間プレス３４でフランジ部Ｇ１ｂの外周部分と突片部の部分との境にもミシン目４０ｂを入れているので、接着している剥離用フィルムＦごと突片部の部分を収容部側に折り曲げるように引っ張るとその境目で容器用シート４０が切れ、突片部の部分も剥離用フィルムＦの突片部だけの時よりもさらに持ち易くなり、打ち抜き剥離用フィルムＦをフランジ部Ｇ１ｂから容易に剥離することができる。

　［容器挿入開口の加工の実施の形態］
　次に、剥離用フィルムＦや容器用シート４０の加工の実施の形態を、図１４及び図１５に基づいて説明する。図１４は加工に使用される刃物の一例のトムソン刃の一例の平面図、図１５は同正面断面図である。

　この実施の形態は、刃物で切断する場合であり、刃物の中のトムソン刃９０の一例を示す。トムソン刃９０は台板９１に固定用釘９２によって固定され、台板９１は固定用孔９３にボルト９４等によって駆動体９５に固定される。

　トムソン刃９０の１周している部分９０ａが容器挿入開口Ｆ１を加工し、小さな直線刃の部分９０ｂが切込みＦ２を加工する部分であり、トムソン刃９０と、その受け板９６との間に剥離用フィルムＦまたは容器用シート４０を置き、高い圧力で押し付けることで切断する。

　ミシン目加工の場合は、刃に数本の幅の狭い溝、例えばフランジ部のミシン目加工に使用する場合には、約２０ｍｍ間隔に幅０．３ｍｍで深さ３ｍｍの溝１６本を付けることで可能であり、その溝の部分が切り残しとなり、ミシン目の接続部分となる。

　［容器の使用例］
　次に、製造した容器の使用例について、図１６乃至図３１に基づいて説明する。

　製造した容器としてトップシール用容器を、図１６乃至図１８に示す。図１６はトップシール用容器の一例の表側平面図、図１７は同正面図、図１８は同裏側平面図である。

　このトップシール用容器は、図６及び図７の容器製造装置で製造され、容器Ｇ１のフランジ部Ｇ１ｂにミシン目の分離部Ｇ１ｃが形成され、このフランジ部Ｇ１ｂの収容部Ｇ１ａ側に打ち抜き剥離用フィルムＦを接着し、接着させる部分Ｆ４によって補強し、突片部Ｆ３の付け根に切断部Ｆ２のノッチ状の切込みが形成されている。

　製造した容器として他の例のトップシール用容器を、図１９及び図２１に示す。図１９はトップシール用容器の他の一例の表側平面図、図２０は同正面図、図２１は同裏側平面図である。

　このトップシール用容器は、図６及び図７の容器製造装置で製造され、図１６乃至図１８の容器Ｇ１と同様な構成であるが、フランジ部Ｇ１ｂから張り出した突片部Ｇ１ｄと、剥離用フィルムＦの剥離するために指先で摘む部分として接着部分Ｆ４から張り出した突片部Ｆ５が接着し、フランジ部Ｇ１ｂと突片部Ｇ１ｄとの境の容器用シートにミシン目の破断部Ｇ１ｅが形成されている。

　次に、包装したトップシール用容器の一例を、図２２乃至図２５に基づいて説明する。このトップシール用容器は、図１６乃至図１８に示す容器であり、図２２は包装したトップシール容器の一例の表側平面図、図２３は同正面図、図２４は同裏側平面図、図２５は剥離用フィルムを剥離する状態を示す図である。

　このトップシール用容器の包装は、容器Ｇ１の収容部Ｇ１ａに物品を収容し、フランジ部Ｇ１ｂの開口側に密封用フィルムＦ２０を接着して包装する。この密封用フィルムＦ２０は、フランジ部Ｇ１ｂの外側部分Ｇ１ｂ１とは強く接着させ、内側部分Ｇ１ｂ２とは弱く接着させ、又は接着しないで包装する。

　この包装状態の容器Ｇ１の開封は、図２５に示すように、開封開始時には突片部Ｆ５を指先で摘んで下方へ引き、切断部Ｆ２のノッチ状の切込みにて打ち抜き剥離用フィルムＦを分断し、接着部分Ｆ４をフランジ部Ｇ１ｂに沿って剥がして行く。打ち抜き剥離用フィルムＦを全部剥がして取り除くと、剥離用フィルムＦを接着した側は、分離部Ｇ１ｃが露出するので、分離部Ｇ１ｃを破断しながら密封用フィルムＦ２０を剥がすことができる。分離部Ｇ１ｃが破壊されると、内側部分Ｇ１ｂ２で密封用フィルムＦ２０が接着しているだけであるから、フランジ部Ｇ１ｂの全幅に亘って完全接着していた従来の密着用フィルムを剥がすのに必要な力を必要とせず容易に開封できる。

　次に、製造した容器としてブリスターパック用容器を、図２６乃至図２９に示す。図２６はブリスターパック用容器の一例の表側平面図、図２７は同正面図、図２８は同側面図、図２９は同裏側平面図である。

　このブリスターパック用容器は、図６及び図７の容器製造装置で製造された容器Ｇ２であり、容器Ｇ２のフランジ部Ｇ２ｂにはミシン目の破断部が形成されていない。剥離用フィルムＦには、フランジ部Ｇ２ｂに接着させた部分Ｆ４ａと、この接着させた部分Ｆ４ａから外方へ張り出した台紙と接着させる部分Ｆ４ｂと、フランジ部及び台紙から剥離するために指先で摘む部分として台紙と接着させる部分Ｆ４ｂから張り出した突片部Ｆ５と、この突片部Ｆ５の付け根に切断部Ｆ２のノッチ状の切込みが形成されている。この切断部Ｆ２のノッチ状の切込みと対向して容器挿入開口Ｆ１側にも切断部Ｆ２のノッチ状の切込みが形成されている。

　次に、包装したブリスターパック用容器の一例を、図３０に基づいて説明する。このブリスターパック用容器は、図２６乃至図２９に示す容器であり、図３０（ａ）は包装したブリスターパック用容器の一例の表側平面図、図３０（ｂ）は同正面図、図３０（ｃ）は同側面図である。

　このトップシール用容器の包装は、容器Ｇ２の収容部Ｇ２ａに物品を収容し、フランジ部Ｇ２ｂの開口側に台紙７０を当て、フランジ部Ｇ２ｂに接着させた部分Ｆ４ａから外方へ張り出した部分Ｆ４ｂを台紙７０と接着させて包装する。この台紙７０には吊下げ用孔７０ａが形成されている。容器Ｇ２は、フランジ部Ｇ２ｂに接着させた部分Ｆ４ａから外方へ張り出した部分Ｆ４ｂを有するから、この部分Ｆ４ｂを台紙７０と接着させるだけで容易に包装することができ、台紙７０に熱可塑性の糊などを塗る必要がなく包装工程を簡略化させることができる。

　この包装状態の容器Ｇ２は、図３１に示すようにして開封することができる。図３１（ａ）は包装したブリスターパック用容器の開封の一例の表側平面図、図３１（ｂ）は同正面図、図３１（ｃ）は同側面図である。

　この実施の形態では、突片部Ｆ５が台紙７０との接着部分から張り出しており、その接着されている突片部Ｆ５の部分は、切断部Ｆ２のノッチ状の切込みが形成されているので、片方、例えば右側の突片部Ｆ５を上に持ち上げると外側の切断部Ｆ２から内側の切断部Ｆ２の切込みまで切れ、そのまま引っ張ればフランジ部Ｇ２ｂ及び台紙７０に接着してある打ち抜き剥離用フィルムＦがフランジ部Ｇ２ｂに沿って剥がれる。

　この実施の形態では、反対側（左側）の内側の切断部Ｆ２から外側の切断部Ｆ２の切込みまで切れ、反対側（左側）の突片部Ｆ５の部分は台紙７０から剥がれるので、右側の突片部Ｆ５と左側の突片部Ｆ５の間は剥離されずにそのまま残り、容器Ｇ２は開封されるが台紙７０から落下することがない。

　この発明は、開封容易なトップシール用容器及び開封容易なブリスターパック用容器などの容器を製造するための容器の製造方法及び容器製造装置に適用可能であり、包装工程前に容器に事前に打ち抜き剥離用フィルムを接着しておくことを可能とし、包装工程を簡略化させることができただけでなく、従来の包装機をほとんどそのまま使用できる等の利点を有する。

　Ａ　搬送部
　Ｂ　容器挿入開口打ち抜き部
　Ｃ　容器供給部
　Ｄ　フィルム接着部
　Ｅ　打ち抜き部
　Ｇ１，Ｇ２容器
　Ｇ１ａ，Ｇ２ａ　収容部
　Ｇ１ｂ，Ｇ２ｂ　フランジ部
　Ｆ　剥離用フィルム
　Ｆ１　容器挿入開口
　Ｆ２　切断部
　Ｆ４　接着部分
　Ｆ５　突片部
　Ｆ４ｂ　台紙と接着させる部分
　Ｍ　容器成形装置

Claims

　膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した剥離用フィルムを用い、
　前記容器は、前記フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であり、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入して前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させ、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させて前記内外２部分を補強し、
　前記フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器の製造方法。
　膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した剥離用フィルムを用い、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させ、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させ、
　前記フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、前記フランジ部及び前記台紙から剥離するために指先で摘む部分として前記台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器の製造方法。
　膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離用フィルムの剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した長尺の剥離用フィルムを搬送する搬送部と、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し、前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させる容器供給部と、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させるフィルム接着部と、
　前記フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜く打ち抜き部とを備え、
　前記容器は、前記フランジ部を、開口寄りの内側部分と周縁寄りの外側部分との内外２部分に分離可能な構造であり、
　前記剥離用フィルムを搬送して、前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し、
　前記フランジ部の前記内外２部分の収容部側に、前記剥離用フィルムを接着して補強し、
　前記フランジ部から剥離するために指先で摘む部分として接着部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記剥離用フィルムを前記フランジ部の外周に沿って打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器製造装置。
　膨らんだ収容部とこの収容部を囲む開口縁に沿って外側へ張り出したフランジ部を有する容器を挿入するための容器挿入開口と、剥離用フィルムの剥離方向が前記フランジ部の方向に一致するように破断を誘導する切断部を打ち抜いて形成した長尺の剥離用フィルムを搬送する搬送部と、
　前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに重ねて密着させる容器供給部と、
　前記フランジ部の収容部側を前記剥離用フィルムに接着させるフィルム接着部と、
　前記フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、前記フランジ部及び前記台紙から剥離するために指先で摘む部分として前記台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周部に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜く打ち抜き部とを備え、
　前記剥離用フィルムを搬送して、前記容器挿入開口に前記収容部を挿入し、
　前記フランジ部の収容部側に、前記剥離用フィルムを接着し、
　前記フランジ部から外方へ張り出した台紙と接着させる部分と、前記フランジ部及び前記台紙から剥離するために指先で摘む部分として前記台紙と接着させる部分から張り出した突片部と、この突片部の付け根に前記切断部を設けるように、前記フランジ部の外周に沿って前記剥離用フィルムを打ち抜き、
　前記打ち抜き剥離用フィルムを接着した容器を製造することを特徴とする容器製造装置。