WO2010100675A1 - 質量分析装置 - Google Patents

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Definitions

  • the measurement region of the mass analysis target can be determined based on the sample observation image having a high spatial resolution in a wider range than the microscopic observation image obtained by the high magnification microscopic observation. . Therefore, even when performing two-dimensional mass analysis over a wide area on the sample or the entire sample, there is no need to repeat measurement area setting and mass analysis by microscopic observation, as in the past. A wide range of mass spectrometric imaging can be performed while reducing the labor and time of the measurer. In addition, since the mass spectrometry imaging images obtained by dividing are not connected, a mass spectrometry imaging image better than the conventional one can be obtained.
  • ⁇ Ions released simultaneously from the ion trap 25 are separated according to the mass-to-charge ratio while flying through the time-of-flight mass analyzer 26 and reach the detector 27 with a time difference.
  • the detector 27 outputs a detection signal corresponding to the amount of incident ions, and this detection signal is input to the data processing unit 30. Since the flight time of each ion depends on the mass-to-charge ratio, the data processing unit 30 converts the flight time into a mass-to-charge ratio and creates a mass spectrum.

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Abstract

 試料ステージ(2)上に試料(4)が載置されると、制御部(32)はステージ駆動部(33)、駆動機構(6)を介し試料ステージ(2)を顕微倍率に応じた所定ステップ幅ずつX方向、Y方向に移動させ、移動毎に撮像部(7)が試料(4)上の顕微観察画像を取得する。取得された顕微観察画像と該画像取得時の試料ステージ(2)の位置情報とが記憶部(321)に格納され、画像結合処理部(322)は、試料(2)上で隣接する領域に対する複数の顕微観察画像が得られると、位置情報を利用して顕微観察画像を結合する。試料(2)全体を網羅する複数の顕微観察画像を全て結合して試料観察画像を形成するとこれを表示部37に表示する。高い空間分解能で且つ広い領域に亘る試料観察画像に基づいて測定者は所望の測定領域を指定することができるから、広い範囲を質量分析するときでも顕微撮影と質量分析とを繰り返す必要がなく、効率的な測定が可能である。

Description

質量分析装置
 本発明は質量分析装置に関し、さらに詳しくは、顕微質量分析装置又はイメージング質量分析装置などと呼ばれる、試料上の二次元領域の質量分析を行うことが可能な質量分析装置に関する。
 生体組織等の試料の形態観察を行うと同時に、その試料上の所定領域に存在する分子の分布を測定する装置として、顕微質量分析装置或いはイメージング質量分析装置などと呼ばれる装置が開発されている(特許文献1~3、非特許文献1、2など参照)。こうした装置によれば、従来のように、試料をすり潰したり破砕したりすることなく試料の形態をほぼ維持したまま、顕微観察により指定した試料上の任意の領域に含まれる特定の質量(厳密には質量電荷比m/z)を有するイオンの分布画像、つまりイメージング画像を得ることが可能であり、特に、生化学分野、医療・薬学分野などにおいて、例えば生体内細胞に含まれるタンパク質等の分布情報を得るといった応用が期待されている。
 例えば非特許文献1、2に記載された顕微質量分析装置では、長焦点顕微鏡による試料表面の観察位置と、試料成分をイオン化するために試料上の微小領域にレーザ光を照射するイオン化位置とが、同じ気密チャンバ内で分離して設けられ、試料を載せた試料ステージが観察位置とイオン化位置との間を移動可能となっている。測定手順としては、測定者が測定対象の試料(例えば生体から切り出された生体組織の切片)を試料ステージ上にセットし、観察位置において顕微鏡により試料表面を拡大した観察画像を取得する。顕微鏡の倍率は適宜に変更可能であり、試料上の観察範囲も移動可能であるから、測定者は任意の倍率で試料上の任意の部位の観察画像を確認することができる。
 測定者はモニタの画面上に描出された試料の観察画像上で質量分析を行う所望の測定領域を指定する。この測定領域はスポット(一点)又は二次元領域のいずれでもよい。測定領域の指定が終わり、測定者が分析の実行を指示すると、試料ステージはイオン化位置に移動され、測定領域の質量分析が実行される。二次元的な測定領域の質量分析を行う場合には、微小径に絞ったレーザ光の照射位置がその測定領域内で走査(例えばラスタスキャン)されるように試料ステージを移動させ、異なる微小領域に対する質量分析を順次実行し各微小領域毎にマススペクトルデータを収集する。その後、特定の質量の強度情報をマッピングすることで、質量分析イメージング画像を作成する。
 こうした顕微質量分析装置において試料上の微小な部位を観察したい場合には、顕微鏡の倍率を高くする必要がある。顕微鏡の倍率を高くすると、当然、試料上で観察される範囲、つまり観察視野は狭くなる。従来の顕微質量分析装置では、この観察視野内で質量分析対象とする測定領域を設定しなければならないため、微細な部位の模様や色などを確認するために倍率を上げるほど、イメージング質量分析可能な測定領域も狭くなってしまう。
 生体組織、特に臓器などの試料に対する分析を行う場合には、分析したい領域が顕微鏡の観察視野を超える広範囲に亘る場合がよくあるが、従来の顕微質量分析装置では、顕微鏡の観察視野を超える広範囲を一度に精密に分析し、質量分析イメージング画像を取得することはできない。そうした測定を行いたい場合には、顕微鏡で高倍率で取得した顕微観察画像上で測定領域を指定した上で該測定試料に対する質量分析を実行するという作業を、試料を少しずつ移動させて観察視野をずらしながら何回も繰り返す必要があり、たいへん面倒で労力も時間も要する。
 また、生体試料の場合には、測定時間が長くなると試料自体の動態が変化したり変成を生じたりする可能性があり、正確な分析に支障をきたすおそれがある。さらにまた、上記のように顕微観察と質量分析とを繰り返す方法では、試料上の或る測定領域とそれに隣接する筈である測定領域との位置関係の正確性や連続性が必ずしも保証されない。そのため、試料上の広い範囲に亘る質量イメージング画像を取得しようとしてもその一部に分析漏れの部位が生じたり、隣接する測定領域のイメージング画像の繋ぎ目がずれてしまったりする場合がある。
特開2007-66533号公報 特開2007-157353号公報 特開2007-257851号公報 小河潔、ほか5名、「顕微質量分析装置の開発」、島津評論、株式会社島津製作所、平成18年3月31日発行、第62巻、第3・4号、p.125-135 原田高宏、ほか8名、「顕微質量分析装置による生体組織分析」、島津評論、株式会社島津製作所、2008年4月24日発行、第64巻、第3・4号、p.139-146
 本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、顕微観察部による観察視野を超えた広い範囲に亘るイメージング質量分析を効率よく行うことができる質量分析装置を提供することにある。
 上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置は、
 a)試料上の二次元領域の顕微観察画像を取得する顕微観察手段と、
 b)試料上の前記二次元領域の位置を移動させるべく試料又は顕微観察手段の一方又は両方を移動させる移動手段と、
 c)前記移動手段により試料と顕微観察手段との相対位置を変化させる毎に該顕微観察手段により顕微観察画像を取得するように前記顕微観察手段及び前記移動手段を制御する撮像制御手段と、
 d)前記撮像制御手段の制御の下に取得された異なる二次元領域に対する複数の顕微観察画像を結合することにより、各顕微観察画像よりも広い領域に対する試料観察画像を形成して表示画面上に表示する画像形成手段と、
 e)前記画像形成手段により表示された試料観察画像において所望の測定領域をユーザが指定するための指定手段と、
 f)試料上の微小領域に存在する成分をイオン化するイオン化手段、発生したイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分離・検出手段、試料上の前記微小領域の位置を二次元的に走査する位置走査手段、並びに、前記指定手段により指定された測定領域内の二次元的な質量分析を行うようにイオン化手段、質量分離・検出手段、及び位置走査手段を制御する分析制御手段を有する質量分析手段と、
 を備えることを特徴としている。
 本発明に係る質量分析装置において上記イオン化手段は、典型的にはMALDI法によるイオン化のための微小径のレーザ光を照射する手段であるが、MALDI以外の各種のレーザ脱離イオン化(LDI)法、を用いることもできる。また、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)法、二次イオン質量分析法など、レーザ光を用いないイオン化法も利用することができる。
 本発明に係る質量分析装置では、測定者(ユーザ)が試料ステージに分析対象である試料をセットすると、撮像制御手段は試料と顕微観察手段との相対位置を変化させるように移動手段を制御し、相対位置が所定ステップ幅だけ移動する毎に、該顕微観察手段により試料上の二次元領域の顕微観察画像を取得する。通常、上記ステップ幅は試料上で隣り合う顕微観察領域の間に隙間が生じないように、又は顕微観察領域が若干オーバーラップするように設定される。倍率を上げれば観察視野は狭くなるが、顕微観察画像の空間分解能は上がる。一枚の顕微観察画像の観察視野は狭いが、上述のように試料と顕微観察手段との相対位置を変えながらそれぞれ顕微観察画像を撮影することで、例えば試料全体や試料の殆どをカバーするように多数の高空間分解能の顕微観察画像を得ることができる。
 画像形成手段は、上記のようにして得られた複数の顕微観察画像を結合し、試料全体や試料の殆どをカバーするような高空間分解能の試料観察画像を形成して表示画面上に表示する。顕微観察画像を結合するのは全ての顕微観察画像を取得した後でも、新たな顕微観察画像が取得される毎に一枚ずつ結合処理を行うようにしてもよい。測定者は表示画面上に表示された試料観察画像上で所望の測定領域を指定する。測定領域は一つの点(微小領域)、一次元的な領域、二次元的な領域のいずれでもよく、最大、試料観察画像に見えている範囲全てを測定領域とすることができる。
 その後、質量分析手段において、測定領域に対しイオン化手段により例えばレーザ光が照射される。一次元的又は二次元的な測定領域が指定されている場合には、位置走査手段により、その領域内でレーザ光照射位置が走査される。レーザ光の照射を受けた部分では試料中の成分がイオン化され、発生したイオンは質量分離・検出手段に導入される。質量分離・検出手段ではイオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離するために様々な手法が利用され得るが、高い質量分解能を達成するためには飛行時間型質量分析器を用いるとよい。このようにして、高い空間分解能の試料観察画像上で指定された任意の大きさの測定領域に対する二次元的な質量分析、つまり質量分析イメージングを達成することができる。
 本発明に係る質量分析装置の一態様において、
 前記移動手段は、位置が固定された顕微観察手段に対し、試料が載置される又は試料を保持する試料ステージを移動させる手段であり、
 前記撮像制御手段の制御の下に顕微観察画像が取得される際に前記試料ステージの位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
 前記画像形成手段は、前記位置情報取得手段により各顕微観察画像に対応して取得された位置情報を用いて複数の顕微観察画像を結合する構成とすることができる。
 即ち、試料ステージを高精度で移動させることで顕微観察対象の二次元領域の位置が変化する場合、試料ステージの位置情報、例えば試料ステージが互いに直交する二軸(X軸、Y軸)に沿って移動するものであれば二軸の座標位置で顕微観察画像の位置を示すことができる。そこで、各顕微観察画像に対応して得られた位置情報を用いれば、隣接する顕微観察画像を正しく位置合わせした上で結合することができるので、その結合部での位置ずれのない良好な結合処理を行うことができる。
 また上記態様による質量分析装置では、
 前記画像形成手段は、複数の顕微観察画像を結合する際に試料観察画像とともに該画像に対応した位置情報を取得して記憶し、
 前記指定手段により測定領域が指定されたときに、前記画像形成手段により記憶された位置情報に基づいて測定領域に対応した位置情報を取得して記憶する測定位置情報取得手段をさらに備え、
 前記分析制御手段は、前記測定位置情報取得手段により記憶された位置情報を利用して試料ステージを移動させるべく位置走査手段を制御することにより、前記イオン化手段によりイオン化される微小領域の位置を走査する構成とするとよい。
 この構成によれば、例えば微小径に絞ったレーザ光の照射などによるイオン化時にも、測定点や測定領域の指定の際に取得された位置情報が利用されるため、高い位置精度でもって所望の測定点や測定領域中の微小領域に対するイオン化を行うことができる。それにより、測定者が指定した測定領域と実際に質量分析される範囲とを正確に合わせることができる。
 なお、本発明に係る質量分析装置では、顕微観察画像の範囲を超えて測定領域を指定できることから、顕微観察画像の範囲を超えて測定領域を複数指定できるようにしてもよい。即ち、前記指定手段は表示された試料観察画像上で複数の測定領域を指定可能であって、
 前記分析制御手段は、指定された複数の測定領域に対応する位置情報をそれぞれ取得し、該位置情報に基づいて各測定領域内の質量分析を行うべく、イオン化手段、質量分離・検出手段、及び位置走査手段を制御するようにしてもよい。
 本発明に係る質量分析装置によれば、高倍率の顕微観察により得られる顕微観察画像よりも広い範囲の、高い空間分解能の試料観察画像に基づいて、質量分析対象の測定領域を決めることができる。したがって、試料上の広い範囲や試料全体の二次元的な質量分析を行う場合でも、従来のように顕微観察による測定領域の設定と質量分析とを繰り返し行う必要がなく、効率的に、つまりは測定者の労力と時間とを削減して広い範囲の質量分析イメージングを行うことができる。また、分割して取得した質量分析イメージング画像を繋ぎ合わせることもないので、従来よりも良好な質量分析イメージング画像を得ることができる。
本発明の一実施例による顕微質量分析装置の全体構成図。 本実施例の顕微質量分析装置における測定手順を示すフローチャート。 本実施例の顕微質量分析装置における試料表面画像作成処理の説明図。 本実施例の顕微質量分析装置における試料表面画像作成処理の説明図。 本実施例の顕微質量分析装置における測定動作の説明図。
符号の説明
1…気密チャンバ
2…試料ステージ
3…試料プレート
4…試料
5…ガイド
6…駆動機構
7…撮像部
8…透過照明部
10…レーザ光照射部
11…レーザ集光光学系
20…真空チャンバ
21…真空ポンプ
22…イオン輸送管
23、24…イオン輸送光学系
25…イオントラップ
26…飛行時間型質量分析器
27…検出器
30…データ処理部
31…分析制御部
32…制御部
321…顕微観察画像/位置情報記憶部
322…画像結合処理部
323…試料画像/位置情報記憶部
33…ステージ駆動部
34…画像処理部
35…レーザ駆動部
36…操作部
37…表示部
 本発明に係る質量分析装置の一実施例である顕微質量分析装置について図1~図5を参照して説明する。図1は本実施例による顕微質量分析装置の全体構成図である。
 この顕微質量分析装置は、内部が略大気圧に維持される気密チャンバ1と、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプ21によって内部が高真空度の真空雰囲気に維持される真空チャンバ20と、を備える。気密チャンバ1の内部には、試料4を上に載せた試料プレート3を保持する試料ステージ2が、モータ等を含む駆動機構6によりガイド5に沿ってX方向に大きくスライド往復動可能に配設されている。図1中に、試料ステージ2を実線で示した位置が分析位置Bであり、点線で示した位置が観察位置Aである。なお、試料ステージ2は、駆動機構6によって、ガイド5に沿ったX方向だけでなく、これと水平方向に直交するY方向、及び、高さ方向であるZ方向にも所定の範囲で移動可能となっている。
 観察位置Aの上部の気密チャンバ1外側にはCCDカメラやレンズなどを含む撮像部7が設置され、この撮像部7と対向するように気密チャンバ1内部には透過照明部8が設置されている。試料ステージ2が観察位置Aにあるとき、透過照明部8から出射した光が試料ステージ2に形成されている開口を通して試料4の下面に当たり、その透過光による試料像を撮像部7により観察できるようになっている。撮像部7による顕微観察の倍率は所定の範囲で可変であり、倍率を上げるほど試料4の表面を精緻に観察できる反面、観察可能な範囲、つまり観察視野は狭くなる。撮像部7で取得された画像信号は画像処理部34に送られ、ここで画像処理されて後述する表示部37に表示可能な二次元画像が形成される。もちろん、このような透過観察のほかに反射観察や蛍光観察のための照明を別途設けてもよい。
 分析位置Bの上部の気密チャンバ1外側には、試料4の表面に微小径に絞ったレーザ光を照射するために、レーザ光照射部10及びレーザ集光光学系11が配設されている。また、気密チャンバ1の内部には、レーザ光の照射に応じて試料4から発生したイオンを真空チャンバ20に輸送するためのイオン輸送管22のイオン採取口が、試料4に対向して配設されている。
 真空チャンバ20内には、イオンを収束させつつ後段に送るイオン輸送光学系23、24と、イオンを一時的に保持するイオントラップ25と、イオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離するリフレクトロン型の飛行時間型質量分析器26と、飛行時間型質量分析器26で分離されたイオンを検出する検出器27と、が配設されている。イオントラップ25では単にイオンを保持するだけでなく、導入された各種イオンの中で特定の質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとして選別し、衝突誘起解離により開裂を生じさせてプロダクトイオンを生成させることも可能である。即ち、この顕微質量分析装置では、通常の(つまり開裂を伴わない)質量分析のほか、MS/MS分析又はMS分析も可能である。
 検出器27による検出信号はデータ処理部30に入力され、ここで各イオンの飛行時間が質量電荷比に換算されてマススペクトルが作成され、さらに測定領域内の異なる測定点に対してそれぞれ得られるマススペクトルに基づいて特定の質量電荷比を持つイオンの分布を示すイメージング画像などが作成される。
 この顕微質量分析装置全体の制御を司る制御部32は、分析制御部31を通してイオントラップ25などの質量分析部の動作を制御するほか、ステージ駆動部33を介して駆動機構6により試料ステージ2の移動を制御し、レーザ駆動部35を介してレーザ光照射部10からのレーザ光の出射を制御する。また、制御部32には、測定者が操作や指示を与える操作部36と、試料4の二次元観察画像や質量分析結果である二次元物質分布画像などを表示するための表示部37が接続されている。
 制御部32は、機能的なブロックとして、画像処理部34から取り込まれる顕微観察画像及びそれに対応する位置情報を記憶する顕微観察画像/位置情報記憶部321、顕微観察画像を結合処理する画像結合処理部322と、画像結合処理部322で結合処理された試料観察画像及びそれに対応する位置情報を記憶する試料画像/位置情報記憶部323と、を含む。
 なお、制御部32、分析制御部31、データ処理部30などの機能の少なくとも一部は、パーソナルコンピュータに搭載した専用のソフトウエアを実行することにより実現することができる。
 本実施例による顕微質量分析装置を用いた測定手順の一例を、図2~図5を参照して説明する。図2は測定手順を示すフローチャート、図3及び図4は試料表面画像作成処理の説明図、図5は測定動作の説明図である。
 測定者はまず、測定対象である試料4を載せた試料プレート3を試料ステージ2にセットする。測定者が操作部36より観察実行の指示を行うと、この指示を受けた制御部32はステージ駆動部33を介して駆動機構6を動作させ、試料ステージ2を観察位置Aの初期位置に移動させる(ステップS1)。いま、試料プレート3上で試料4を載置可能な最大範囲が図3に示す範囲40であるとすると、その範囲40の中の顕微観察範囲A1を撮影可能な位置を初期位置とする。
 試料ステージ2が所定の位置に来ると、撮像部7は所定の範囲(図3の例では顕微観察範囲A1)を撮影するような倍率を設定した上で試料4に対し焦点を合わせ、試料4の表面画像を撮影する。この撮影により、試料4上の顕微観察範囲A1の顕微観察画像A[1]が画像処理部34で形成され、制御部32はこの顕微観察画像A[1]を取り込む(ステップS2)。また、この顕微観察画像A[1]に対する位置情報が試料ステージ2のX方向及びY方向の位置座標として得られるから、制御部32はその位置情報をステージ駆動部33を介して取り込む(ステップS3)。制御部32において顕微観察画像A[1]を構成する画像データとそれに対応する位置情報とが顕微観察画像/位置情報記憶部321に保存される。位置情報は、例えば、試料ステージ2の基準位置の[X,Y]座標を[0,0]として、或る一枚の顕微観察画像の位置情報をXの座標範囲及びYの座標範囲で示すものとすることができる。
 制御部32において最初の顕微観察画像が得られたときにはステップS4、S5の処理をパスし、ステージ駆動部33を介して駆動機構6を動作させ、試料ステージ2を先の顕微観察範囲の次の顕微観察範囲に移動させる(ステップS6)。即ち、図3に示すように、顕微観察範囲A1の撮影後には顕微観察範囲A2が撮影される位置に試料ステージ2をステップ的に移動させる。そして、顕微観察範囲A1の撮影と同様に、撮像部7は所定倍率で試料4表面に焦点を合わせて試料4の表面画像を撮影し、制御部32は顕微観察画像A[2]を取り込むとともにそれに対応する位置情報を取り込む。既に撮影された顕微観察画像が存在する場合には、制御部32において画像結合処理部322は、両者の位置情報に基づいて既に得られている顕微観察画像(又は複数の顕微観察画像が結合された画像)に新たな顕微観察画像を結合する処理を実行する(ステップS4)。例えば図4(a)に示すように、顕微観察画像A[1]が得られているときにそれに隣接する顕微画像画像A[2]が得られると、両者は結合されて、図4(b)に示す結合画像A[1+2]が作成される。
 なお、顕微観察範囲A1の撮影後に試料ステージ2を移動させるステップ幅は、図3の場合には顕微観察範囲A1のX方向のサイズと同一となるが、顕微観察範囲A1のX方向のサイズよりも小さいステップ幅として端部がオーバーラップした顕微観察画像を得るようにしてもよい。もちろん、顕微観察画像を結合する際にはオーバーラップ部は適宜に処理されて二枚の顕微観察画像はスムーズに結合される。
 次に制御部32は全顕微観察画像の取得を終了したか否かを判定する(ステップS5)。全顕微観察画像の取得が未終了であればステップS6へと進み、上述したように、さらに次の顕微観察位置に試料ステージ2を移動させて顕微撮影を行い、撮影された顕微観察画像を既に結合されている画像に新たに結合する、という処理を自動的に繰り返す。例えば図4(c)に示すように、結合画像A[1+2]が得られているときにそれに隣接する顕微観察画像A[3]が得られると、両者は結合されて、図4(d)に示す結合画像A[1+2+3]が作成される。
 上記のような処理の繰り返しにより、高空間分解能の顕微観察画像は次々に結合されてゆき、最終的に全顕微観察画像の取得が終了した段階では、図5に示すような試料プレート3上の試料載置可能範囲全体に亘る広範囲な試料観察画像Pが得られ、この画像とそれに対応する位置情報とが試料画像/位置情報記憶部323に格納される。制御部32はこの広範囲な試料観察画像Pを表示部37の画面上に表示する(ステップS7)。この高精細である試料観察画像P上の位置と試料ステージ2の座標位置とは正確に対応しており、その対応関係も試料画像/位置情報記憶部323に格納されている。
 測定者は表示部37の画面上に描出された試料観察画像Pを見ながら、分析したい測定領域を決定して操作部36により指定する(ステップS8)。例えば、表示部37に表示した試料観察画像P上で、任意の部位にカーソルを移動させてクリック操作を行ったり所定の範囲を囲んだりすることにより測定領域を指定することができる。例えば図5に示す例では、操作部36を操作することにより、測定領域指示枠Qのサイズ、形状、位置を任意に変えて、所望の測定領域を囲むように測定領域指示枠Qを設定する。
 高精細な顕微観察画像をリアルタイムで観察できるのは、図5中では、格子状の点線で囲まれる狭い矩形状の範囲であるが、この顕微質量分析装置では、この矩形状の範囲を超えて又は跨って任意の位置及び任意の大きさで測定領域を指定することができる。最大、試料観察画像P全体を測定範囲に指定することも可能であるし、或いは、1つの顕微観察画像に収まる範囲の狭い測定範囲、さらには、或る1点のみを測定範囲として指定することも可能である。なお、制御部32は試料画像/位置情報記憶部323に格納されている画像データに基づいて、試料観察画像Pの任意の一部を任意の倍率で拡大表示する機能を有していることが好ましい。
 測定範囲が指定されると制御部32は、その測定範囲に対応する位置情報を記憶部323から取得する。制御部32は、指定された測定領域に対応する二次元的な質量分析を実行する(ステップS9)。即ち、まずステージ駆動部33、駆動機構6を介して試料ステージ2を観察位置Aから分析位置Bへ移動させ、その後、さらに制御部32は先に座標位置として記憶した測定領域内の最初の測定点にレーザ光が照射されるように、X方向及びY方向に試料ステージ2の位置を微調整するとともに、高さも最適になるようにZ方向の調整を行う。そして、レーザ駆動部35を介してレーザ光照射部10から短時間レーザ光を出射させ、目的とする試料4上の測定点にレーザ光を照射する。
 レーザ光の照射によって、試料4中の成分がイオン化される。発生したイオンはイオン輸送管22のイオン採取口に吸い込まれ、イオン輸送管22を通って真空チャンバ20に導入される。イオンは、イオン輸送光学系23、24を経てイオントラップ25に導入され、ここで一旦クーリング等の操作が行われた後に、ほぼ一斉に運動エネルギーが付与されて飛行時間型質量分析器26に送り込まれる。なお、通常、LDIでは1回のレーザ光照射で発生するイオンの量はそれほど多くなく、しかもその発生量のばらつきが多い。そこで、同一測定点に対して複数回、パルス的にレーザ光を照射し、その照射毎に発生したイオンをイオントラップ25に一旦溜め、まとめて飛行時間型質量分析器26により質量分析する。
 イオントラップ25から一斉に放出されたイオンは、飛行時間型質量分析器26中を飛行する間に質量電荷比に応じて分離され、時間差がついて検出器27に到達する。検出器27は入射したイオン量に応じた検出信号を出力し、この検出信号はデータ処理部30に入力される。各イオンの飛行時間は質量電荷比に応じたものとなるから、データ処理部30では飛行時間を質量電荷比に換算してマススペクトルを作成する。
 測定領域内の或る1つの測定点に対する質量分析が終了すると、制御部32はレーザ光の照射位置がその領域内において次の測定点になるようにステージ駆動部33を介して駆動機構6を制御する。即ち、図5(b)に示すように、測定領域内を所定のステップ幅でX方向及びY方向に順次移動するようにステージ駆動部33を介して駆動機構6を制御し、測定点が移動する毎にレーザ光を照射してイオン生成及びそのイオンの質量分析を実行する。こうしてレーザ光の照射位置を走査しながら上記のような質量分析を実行することで、データ処理部30は測定点毎のマススペクトルを作成する。また、そのマススペクトルに基づいて定性解析や定量解析を行うことで、物質の特定やその含有量の推定を行う。
 試料4上の所定の測定領域の二次元的な質量分析を行う場合、上述したようにレーザ照射位置が走査される毎に特定の質量電荷比の信号強度を求めてこれを二次元画像化することで、特定物質の分布画像(イメージング画像)を作成することができる。制御部32はこうして得られた質量分析結果を表示部37の画面上に表示する(ステップS10)。指定された測定点や測定領域に対する質量分析が終了すると、制御部32はステージ駆動部33を介して試料ステージ2を観察位置Aまで戻し、一連の測定を終了する。
 以上のようにして本実施例の顕微質量分析装置によれば、高精細な顕微観察画像を結合することで形成された広い範囲の試料観察画像上で、つまりリアルタイムでの観察視野よりも広い範囲の画像上で、質量分析対象の測定領域を指定することが可能である。
 なお、上記実施例では、イオン化法がマトリックスを使用しないLDIである場合について述べたが、イオン化法としてMALDIを用いることもできるし、それ以外のDESI、ELDIなどの各種イオン化法を用いることができる。
 MALDIの場合には質量分析を実行する前に試料表面にマトリックスを付着させる必要があるから、測定者が試料の表面にマトリックスを塗布又は吹き付けた後に該試料を試料ステージ上にセットするか、或いは、試料ステージ上のセットされた状態の試料にマトリックスを塗布する又は吹き付ける手段を別途設けるようにするとよい。後者の場合、マトリックス付着前の試料表面を撮影し、その鮮明で高精細な画像に基づいて測定領域を決めることができるから、より的確に測定者が目的とする領域の質量分析イメージングを行うことができる。
 また上記実施例の顕微質量分析装置では、イオン化を大気圧下で行うために分析位置Bを気密チャンバ1内に設けていたが、例えば真空雰囲気中でイオン化を行う場合には、分析位置Bを真空チャンバ20内に設ければよい。また、上記実施例の顕微質量分析装置では、観察位置Aと分析位置Bとが異なり、試料ステージ2が両位置A、Bの間を移動可能となっていたが、観察位置Aと分析位置Bとを共通にすることもできる。
 即ち、非特許文献3などに記載のように、試料ステージ上に載置された試料に対し、斜め上方からイオン化用のレーザ光が照射されるようにするとともに、同じ状態の試料の表面画像を取得するように斜め上方から撮像部による撮影を行う構成とすればよい。
 また、試料上の観察位置をずらしながら顕微画像を取得するために、試料ステージを移動させる代わりに撮像部を移動させてもよい。但し、通常、二次元的な質量分析を実現するために試料ステージは移動可能な構成とされているため、撮像部の位置を固定した状態で試料ステージを移動させることで両者の相対的な位置を変えるほうが実用的である。
 なお、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは当然である。

Claims (5)

  1.  a)試料上の二次元領域の顕微観察画像を取得する顕微観察手段と、
     b)試料上の前記二次元領域の位置を移動させるべく試料又は顕微観察手段の一方又は両方を移動させる移動手段と、
     c)前記移動手段により試料と顕微観察手段との相対位置を変化させる毎に該顕微観察手段により顕微観察画像を取得するように前記顕微観察手段及び前記移動手段を制御する撮像制御手段と、
     d)前記撮像制御手段の制御の下に取得された異なる二次元領域に対する複数の顕微観察画像を結合することにより、各顕微観察画像よりも広い領域に対する試料観察画像を形成して表示画面上に表示する画像形成手段と、
     e)前記画像形成手段により表示された試料観察画像において所望の測定領域をユーザが指定するための指定手段と、
     f)試料上の微小領域に存在する成分をイオン化するイオン化手段、発生したイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分離・検出手段、試料上の前記微小領域の位置を二次元的に走査する位置走査手段、並びに、前記指定手段により指定された測定領域内の二次元的な質量分析を行うようにイオン化手段、質量分離・検出手段、及び位置走査手段を制御する分析制御手段を有する質量分析手段と、
     を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2.  請求項1に記載の質量分析装置にあって、
     前記移動手段は、位置が固定された顕微観察手段に対し、試料が載置される又は試料を保持する試料ステージを移動させる手段であり、
     前記撮像制御手段の制御の下に顕微観察画像が取得される際に前記試料ステージの位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
     前記画像形成手段は、前記位置情報取得手段により各顕微観察画像に対応して取得された位置情報を用いて複数の顕微観察画像を結合することを特徴とする質量分析装置。
  3.  請求項2に記載の質量分析装置にあって、
     前記画像形成手段は、複数の顕微観察画像を結合する際に試料観察画像とともに該画像に対応した位置情報を取得して記憶し、
     前記指定手段により測定領域が指定されたときに、前記画像形成手段により記憶された位置情報に基づいて測定領域に対応した位置情報を取得して記憶する測定位置情報取得手段をさらに備え、
     前記分析制御手段は、前記測定位置情報取得手段により記憶された位置情報を利用して試料ステージを移動させるべく位置走査手段を制御することにより、前記イオン化手段によりイオン化される微小領域の位置を走査することを特徴とする質量分析装置。
  4.  請求項3に記載の質量分析装置にあって、
     前記指定手段は表示された試料観察画像上で複数の測定領域を指定可能であって、
     前記分析制御手段は、指定された複数の測定領域に対応する位置情報をそれぞれ取得し、該位置情報に基づいて各測定領域内の質量分析を行うべく、イオン化手段、質量分離・検出手段、及び位置走査手段を制御することを特徴とする質量分析装置。
  5.  請求項1~4のいずれかに記載の質量分析装置にあって、
     前記撮像制御手段は、試料ステージ上で試料の載置が許容される試料載置許容範囲全体を網羅的に撮影するように試料と顕微観察手段との相対位置を変化させつつ撮影を実行し、
     前記試料画像形成手段は、前記撮像制御手段により取得された複数の顕微観察画像を結合することにより試料許容載置範囲全体をカバーする試料観察画像を形成することを特徴とする質量分析装置。
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