WO2010058752A1 - 移動体のロック機構 - Google Patents

Abstract

　ロック機構（例えば車両用小物収納装置）には、ベース（例えばハウジング）、移動体、ロック装置を備える。ロック装置には、ロック部、ノブ、復帰バネ、回転軸の少なくとも一端部を、移動体の移動方向（例えばスライド方向）に沿って移動可能に支持するための長穴、回転軸の一端部を、長穴の手前側の位置に向かって付勢するための付勢手段（例えば復帰バネが兼用）、付勢手段（例えば復帰バネが兼用）の付勢力に抗して、回転軸の一端部が、長穴の奥側に向かって移動した際に、ノブの回転を阻止するための回転阻止部を備える。

Description

移動体のロック機構

　この発明は、移動体のロック機構に関し、例えば車室内に取り付けられた場合には、急停車時や衝突時に移動体が不用意に移動して突出するのを未然に防止することができるようにしたものである。

　従来、グローブボックスやそのロック解除用のノブに衝撃が加わった際に、ロック状態が解除し、グローブボックスが開放してしまうことを防止するための各種の機構が提案されていた（例えば特許文献１～３参照）。
　例えば、ノブが衝撃により押された際に、ノブから突出する突起部が、ロック本体の凹溝にはまり込み、ノブの回転を阻止している（特許文献１の段落番号「００１７」、図４参照）。

　また、グローブボックスに衝撃が加わった際に、ストッパが変形してロック部を挟持することで、ロック部の回転を阻止している（特許文献２の８頁３～１５頁、第４図）。
　さらに、車両の衝突時に、インストルメントパネルが変形した際に、ストッパ部によりフックの回転を阻止している（特許文献３の段落番号「００１７」～「００１８」、図４参照）。

実用新案登録第２５６５１９６号公報（段落番号「００１７」、図４） 特開平２－７６５４６号公報（８頁３～１５頁、第４図） 特開２０００－１１０４３３号公報（段落番号「００１７」～「００１８」、図４）

　しかし、上記した従来の機構はいずれも、衝突時の衝撃がグローブボックスを閉じる方向に作用した場合を想定していたので、急停車時や衝突時に移動体が慣性力により突出しようとし、その際にロックが解除するのを防止できないという問題点があった。
　そこで、本発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。

　すなわち、本発明は、慣性力等の作用によりロック状態が解除され、移動体が不用意に移動するのを未然に防止することができるようにしたものである。
　例えば車室内に取り付けた場合には、急停車時や衝突時に移動体が不用意に移動して突出するのを未然に防止することができるようにする。

　本発明は、次の点を特徴とする。

　第１に、ロック機構（例えば車両用小物収納装置）には、次の構成を備える。
　なお、ロック機構として、車両用小物収納装置を例示したが、これに限定されず、テーブル、カップホルダー、灰皿等でも良く、又、取付位置も車両に限定されず、他の乗り物や、家具や事務機器等でも良い。

　　　　（１）ベース（例えばハウジング）
　なお、ベースとして、ハウジングを例示したが、これに限定されない。
　　　　（２）移動体
　移動体は、ベース（例えばハウジング）に対して移動可能に支持されるものである。

　　　　（３）ロック装置
　ロック装置は、ベース（例えばハウジング）と移動体との間に配置され、移動体をロックするためのものである。
　第２に、ロック装置には、次の構成を備える。
　　　　（４）ロック部
　ロック部は、ベース（例えばハウジング）と移動体とのいずれか一方（例えばハウジング）に設けられ、移動体がベース（例えばハウジング）に収納された状態にロックするためのものである。

　　　　（５）ノブ
　ノブは、ベース（例えばハウジング）と移動体とのいずれか他方（例えば移動体）に回転可能に支持され、当該回転軸をはさんで一端部にロック部に引っ掛かる係止部、及び他端部には回転することにより、ロック部に引っ掛かってロックされていた係止部のロック状態を解除可能な操作部を有するものである。

　なお、ベース（例えばハウジング）に、ロック部を設け、移動体にノブを回転可能に支持したが、これに限定されず、図示しないが、逆にベース（例えばハウジング）にノブを回転可能に支持し、移動体にロック部を設けても良い。
　　　　（６）復帰バネ
　復帰バネは、ロック部に引っ掛かる方向に向かって係止部を付勢するためのものである。

　第３に、ロック装置には、次の構成を備える。
　　　　（７）長穴
　長穴は、回転軸の少なくとも一端部を、移動体の移動方向（例えばスライド方向）に沿って移動可能に支持するためのものである。

　　　　（８）付勢手段（例えば復帰バネが兼用）
　付勢手段（例えば復帰バネが兼用）は、例えば図６に示すように、回転軸の一端部を、長穴の手前側の位置に向かって付勢するためのものである。
　　　　（９）回転阻止部
　回転阻止部は、付勢手段（例えば復帰バネが兼用）の付勢力に抗して、回転軸の一端部が、長穴の奥側に向かって移動した際に、ノブの回転を阻止するためのものである。

　復帰バネは、付勢手段（例えば復帰バネが兼用）を兼ねてもよい。

　こうすると、復帰バネと付勢手段とを兼用することで、部品点数や組立工程数を減少することができる。

　回転阻止部は、係止部に当接するようにしてもよい。

　こうすると、比較的に剛性の高い係止部を回転阻止部に当接させることで、ノブの破損を防止することができる。
　本発明によるロック機構は、次のように構成されていてもよい。

　第１に、移動体は、車両（図示せず）の後方から前方に突出するように配置されている。
　第２に、係止部がロック部にロックされた状態において、移動体が突出する方向に移動しようとする際に、回転軸の一端部が長穴の奥側に向かって移動するようにしている。

　こうすると、移動体が車両の後方から前方に向かって不用意に突出するのを防止することができる。

　本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
　慣性力等の作用によりロック状態が解除され、移動体が不用意に移動するのを未然に防止することができる。

　例えば車室内に取り付けた場合には、急停車時や衝突時に移動体が不用意に移動して突出するのを未然に防止することができる。

ノブの回転が阻止された状態のロック装置の側面図である。 移動体を突出させた状態の車両用小物収納装置の側面図である。 移動体を突出させた状態の車両用小物収納装置の平面図である。 図２に対応し、同図は移動体を収納させた状態の側面図である。 図３に対応し、同図は移動体を収納させた状態の平面図である。 ロック装置の平面図である。 図６に対応し、同図はノブの回転が阻止された状態の平面図である。 図１に対応し、同図はロック状態を示す側面図である。 図１に対応し、同図はロックの解除状態を示す側面図である。

（図面の説明）
　図１～９は、本発明の実施の形態の一例をそれぞれ示すものである。
　図１は、ノブの回転が阻止された状態のロック装置の側面図、図２は移動体を突出させた状態の車両用小物収納装置の側面図、図３は移動体を突出させた状態の車両用小物収納装置の平面図、図４は図２に対応し、移動体を収納させた状態の側面図、図５は図３に対応し、移動体を収納させた状態の平面図、図６はロック装置の平面図、図７は図６に対応し、ノブの回転が阻止された状態の平面図、図８は図１に対応し、ロック状態を示す側面図、図９は図１に対応し、ロックの解除状態を示す側面図をそれぞれ示すものである。
（車両用小物収納装置10）
　図２～４中、10は、車両用小物収納装置を示すものであり、図示しないが、車室内に配置される。

　上記車両用小物収納装置10は、移動体30のロック機構の一例である。ロック機構は、車両用小物収納装置10に限定されず、テーブル、カップホルダー、灰皿等でも良く、又、取付位置も車両に限定されず、他の乗り物や、家具や事務機器等でも良い。
　車両用小物収納装置10は、図２～５に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
　なお、次の（１）～（３）については、後述する。

　　　　（１）ハウジング20
　　　　（２）移動体30
　　　　（３）ロック装置40
　なお、車両用小物収納装置10のパーツは、上記した（１）～（３）に限定されない。
（ハウジング20）
　ハウジング20は、図２及び図４に示すように、少なくとも前面に開口部21を有するものである。

　上記ハウジング20は、ベースの一例である。ベースは、ハウジング20に限定されない。
　具体的には、ハウジング20は、金属製で、前後面が開口した箱形に形成されている。ハウジング20は、図示しないが、車室内に固定されている。
　一方、ハウジング20には、次の各部を備える。
　なお、ハウジング20の各部は、次の（１）～（４）に限定されない。

　　　　（１）開口部21
　開口部21は、図示しないが、車室内にハウジング20を固定した際に、車両の後方から前方に向かって開口する。
　　　　（２）後退位置規制部22
　後退位置規制部22は、ハウジング20の奥側に位置し、左右の側面から内側に向かって一対突出する。後退位置規制部22は、図３に示すように、後述する移動体30の後退位置規制部54に当接することで、移動体30の最後退位置を規制している。

　　　　（３）弾性摺動部23
　弾性摺動部23は、ハウジング20の手前側に位置し、左右の側面から内側に向かって弾性的に一対突出し、平面が略「Ｖ」字形、或いは山形に折れ曲がっている。弾性摺動部23は、図２及び図３に示すように、後述する移動体30のガイドリブ52に弾性的に摺接することで、移動体30に摺動抵抗を付与している。

　　　　（４）上昇規制部24
　上昇規制部24は、ハウジング20の奥側に位置し、上面の左右両側から下方に向かって一対突出し、平面が略「Ｖ」字形、或いは山形に折れ曲がっている。上昇規制部24は、図２及び図３に示すように、移動体30の上縁に摺接することで、移動体30の上昇を規制している。
（移動体30）
　移動体30は、図２～５に示すように、ベースであるハウジング20に対して移動可能に支持されるものである。

　すなわち、移動体30は、ハウジング20に収納され、開口部21を通して突出するものである。
　具体的には、移動体30は、合成樹脂製で、上面が開口した箱形に形成されている。そして、移動体30は、ハウジング20にスライド可能に支持され、図示しないが、車両の後方から前方に向かって突出する。

　なお、移動体30を、図２及び図４に示すように、ハウジング20にスライド可能に支持しているが、これに限定されず、図示しないが、移動体30をハウジング20に回転可能に支持しても良い。
　一方、移動体30には、大別すると、次のパーツを備える。
　なお、次の（１）～（２）については、後述する。

　　　　（１）移動体本体50
　　　　（２）リッド60
　なお、移動体30のパーツは、上記した（１）～（２）に限定されない。
（ロック装置40）
　ロック装置40は、図１及び図６に示すように、ベースであるハウジング20と移動体30との間に配置され、移動体30をロックするためのものである。

　本実施の形態では、ロック装置40は、移動体30をハウジング20に収納された状態にロックしている。
　具体的には、ロック装置40には、次のパーツを備える。
　なお、次の（１）～（６）については、後述する。
　　　　（１）ロック部70
　　　　（２）ノブ80
　　　　（３）軸受部90
　　　　（４）カバー100
　　　　（５）復帰バネ110
　　　　（６）回転阻止部120
　なお、ロック装置40のパーツは、上記した（１）～（６）に限定されない。
（移動体本体50）
　移動体本体50は、上面が開口した箱形に形成されている。

　具体的には、移動体本体50には、図２～６に示すように、次の各部を備える。
　なお、移動体本体50の各部は、次の（１）～（４）に限定されない。
　　　　（１）カップホルダー51
　カップホルダー51は、図２及び図４に示すように、カップや缶、ペッドボトル等の飲料水の容器（図示せず）を保持するためのものであり、移動体本体50を突出させた状態で証する。

　　　　（２）ガイドリブ52
　ガイドリブ52は、図２及び図４に示すように、移動体本体50の左右の外側面からそれぞれ一対突出し、レール状に複数条、例えば２条、移動体本体50のスライド方向に沿って形成されている。ガイドリブ52は、前述したハウジング20の弾性摺動部23と摺接する。
　　　　（３）凹部53
　凹部53は、図２及び図４に示すように、ガイドリブ52の長さの途中に形成され、前述したハウジング20の弾性摺動部23がはまり込むものである。凹部53は、図２に示すように、移動体本体50を最も突出させた位置において、ハウジング20の弾性摺動部23がはまり込むことで、クリック感を持たせている。

　　　　（４）後退位置規制部54
　後退位置規制部54は、図２及び図４に示すように、移動体本体50の奥側に位置し、移動体本体50の左右の外側面からそれぞれ一対突出する。後退位置規制部54は、図４に示すように、ハウジング20の後退位置規制部22に当接することで、移動体30の最後退位置を規制している。
（リッド60）
　リッド60は、図２～５に示すように、移動体本体50の前面の上部を覆うものであり、移動体本体50の前面との間にロック装置40を配置している。
（ロック部70）
　ロック部70は、図１及び図６に示すように、ハウジング20と移動体30とのいずれか一方、移動体30がハウジング20に収納された状態にロックするためのものである。

　具体的には、ロック部70は、図２～５に示すように、ハウジング20の開口部21に設けられ、図４に示すように、金属棒を平面が略「コ」字形に折れ曲げた形状に形成され、図２に示すように、側面から見ると下方に向かって「Ｌ」字形に折れ曲げた形状に形成されている。
（ノブ80）
　ノブ80は、図１及び図６に示すように、ハウジング20と移動体30とのいずれか他方に回転可能に支持され、当該回転軸81をはさんで一端部にロック部70に引っ掛かる係止部82、及び他端部には回転することにより、ロック部70に引っ掛かってロックされていた係止部82のロック状態を解除可能な操作部83を有するものである。

　具体的には、回転軸81は、図１及び図６に示すように、後述する軸受部90を介して移動体30に回転可能に支持されている。
　係止部82は、図１及び図６に示すように、回転軸81から上方に向かって延び、ハウジング20の棒状のロック部70に引っ掛かるフック型に形成されている。
　操作部83は、図１及び図６に示すように、回転軸81から下方に向かって延び、前述したリッド60から下方に突出し、図示しないが、指を引っ掛けて手前に引っ張れるようになっている。

　なお、ノブ80の回転軸81を、移動体30に回転可能に支持し、前述したロック部70をハウジング20に設けたが、これに限定されず、図示しないが、ノブ80をハウジング20に回転可能に支持し、ロック部70を移動体30に設けても良い。
（軸受部90）
　軸受部90は、図６に示すように、移動体本体50の前面の左右から手前側に向かって一対突出し、ノブ80の回転軸81の両端部を回転可能に支持するためのものである。

　具体的には、軸受部90には、図１及び図６に示すように、次の各部を有する。
　なお、軸受部90の各部は、次の（１）～（２）に限定されない。
　　　　（１）円形穴91
　円形穴91は、図１及び図６に示すように、軸受部90の一方の片側に形成され、ノブ80の回転軸81の一端部を回転可能に支持するためのものである。

　具体的には、円形穴91は、手前側が開口した断面「Ｕ」字形に形成され、開口端を後述するカバー100により塞ぐことで、略円形に成すものである。
　　　　（２）長穴92
　長穴92は、図１及び図６に示すように、軸受部90の他方の片側に形成され、図１及び図７に示すように、回転軸81の他端部を、移動体30の移動方向、すなわちスライド方向に沿って移動可能に支持するためのものである。

　そして、係止部82がロック部70にロックされた状態において、移動体30が突出する方向に移動しようとする際に、図７に示すように、回転軸81の一端部が長穴92の奥側に向かって移動するようにしている。
　具体的には、長穴92は、円形穴91と同様に、手前側が開口した断面「Ｕ」字形に形成され、開口端を後述するカバー100により塞ぐことで、略長円形に成すものである。

　なお、軸受部90の一方の片側に、円形穴91を形成し、軸受部90の他方の片側に長穴92を形成したが、これに限定されず、軸受部90の両側に長穴92を形成するようにしても良い。
（カバー100）
　カバー100は、図１及び図６に示すように、両側の軸受部90の手前側を覆うことで、軸受部90からのノブ80の回転軸81の抜けを防止するためのものであり、移動体本体50の前面に固定される。
（復帰バネ110）
　復帰バネ110は、図６に示すように、ロック部70に引っ掛かる方向に向かって係止部82を付勢するためのものである。

　具体的には、復帰バネ110には、弦巻バネを使用し、その一端部を移動体30に、他端部をノブ80にそれぞれ引っ掛け、バネの復元力により図８において、回転軸81を中心に時計回りの回転力を付与している。
　また、復帰バネ110が、図６に示すように、付勢手段を兼ねている。
　上記付勢手段は、図６に示すように、長穴92にはまり込んでいる回転軸81の他端部を、長穴92の手前側の位置に向かって付勢するためのものである。

　なお、復帰バネ110と付勢手段とを兼用したが、これに限らず、独立して設けても良い。
（回転阻止部120）
　回転阻止部120は、図１及び図７に示すように、付勢手段を兼用する復帰バネ110の付勢力に抗して、長穴92にはまり込んでいる回転軸81の他端部が、長穴92の奥側に向かって移動した際に、ノブ80の回転を阻止するためのものである。

　具体的には、回転阻止部120は、図１及び図７に示すように、係止部82に当接するようにしている。
　すなわち、回転阻止部120は、図示しないが、移動体本体50の手間側の前縁を、その上縁から下方に向かって凹状の切り欠き、当該切り欠きの幅をノブ80の係止部82の横幅以上に設定している。そして、回転阻止部120は、凹状の切り欠きの底が、図１に示すように、ノブ80の係止部82に当接することで、ノブ80の回転を阻止している。

　なお、回転阻止部120が、ノブ80の係止部82に当接するようにしたが、これに限らず、ノブ80の操作部83が当接するようにしても良い。また、回転阻止部120を、移動体本体50を切り欠いて形成したが、これに限らず、移動体本体50と別体の部品としても良い。
（使用方法）
　上記した構成を備える車両用小物収納装置10の使用方法について説明する。

　まず、図３及び図５に示すように、移動体30をハウジング20内に収納した状態では、移動体30は収納状態にロック装置40によりロックされている。
　すなわち、図６及び図８に示すように、ノブ80のフック状の係止部82が、ハウジング20の棒状のロック部70に引っ掛かっている。
　収納状態の移動体30を突出させるには、ロック装置40のロック状態を解除し、移動体30をハウジング20から手前に引き出せば良い。

　すなわち、図９に示すように、ノブ80の操作部83に指を掛けて、手前に引っ張ると、回転軸81を中心にノブ80が回転することで、フック状の係止部82がハウジング20の棒状のロック部70から下方に係脱し、ロック装置40のロック状態が解除される。このため、ノブ80の操作部83に指を掛けたまま、移動体30を手前に引っ張ることで、図２及び図４に示すように、移動体30がハウジング20から手前側に突出する。
（ノブ80の回転の阻止状態の説明）
　つぎに、ノブ80の回転の阻止状態について説明する。

　図３及び図５に示すように、移動体30をハウジング20内に収納した状態した状態で、車両が急停車や衝突すると、移動体30が慣性力により、ハウジング20から突出しようとする。
　このとき、長穴92にはまり込んでいる回転軸81の他端部が、図１及び図７に示すように、付勢手段を兼用する復帰バネ110の付勢力に抗して、長穴92にはまり込んでいる回転軸81の他端部が、長穴92の奥側に向かって移動する。

　このため、ノブ80の係止部82が、ハウジング20の凹状の回転阻止部120にはまり込み、係止部82が凹状の切り欠きの底が、図１に示すように、ノブ80の係止部82に当接することで、ノブ80の回転が阻止され、ロック装置40のロック状態が維持される。
　一方、移動体30の慣性力が無くなると、長穴92にはまり込んでいる回転軸81の他端部が、図６及び図８に示すように、付勢手段を兼用する復帰バネ110の付勢力により、長穴92の手前側に向かって移動する。

　このとき、ハウジング20の凹状の回転阻止部120にはまり込んでいたノブ80の係止部82が、凹状の回転阻止部120から抜け出す。
　このため、ロック装置40のロックの解除が、再度、可能となる。
　なお、２００８年１１月１９日に出願された日本特許出願第２００８－２９５１６１号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (4)

1. 　ベースと、
   　前記ベースに対して移動可能に支持される移動体と、
   　前記ベースと前記移動体との間に配置され、前記移動体をロックするためのロック装置を備え、
   　前記ロック装置には、
   　前記ベースと前記移動体とのいずれか一方に設けられるロック部と、
   　前記ベースと前記移動体とのいずれか他方に回転可能に支持され、当該回転軸をはさんで一端部に前記ロック部に引っ掛かる係止部、及び他端部には回転することにより、前記ロック部に引っ掛かってロックされていた前記係止部のロック状態を解除可能な操作部を有するノブと、
   　前記ロック部に引っ掛かる方向に向かって前記係止部を付勢するための復帰バネとを備える移動体のロック機構において、
   　前記ロック装置には、
   　前記回転軸の少なくとも一端部を、前記移動体の移動方向に沿って移動可能に支持するための長穴と、
   　前記回転軸の一端部を、前記長穴の手前側の位置に向かって付勢するための付勢手段と、
   　前記付勢手段の付勢力に抗して、前記回転軸の一端部が、前記長穴の奥側に向かって移動した際に、前記ノブの回転を阻止するための回転阻止部とを備えていることを特徴とする移動体のロック機構。
2. 　請求項１に記載の移動体のロック機構であって、
   　前記復帰バネが、前記付勢手段を兼ねていることを特徴とする移動体のロック機構。
3. 　請求項１又は請求項２に記載の移動体のロック機構であって、
   　前記回転阻止部は、
   　前記係止部に当接するようにしていることを特徴とする移動体のロック機構。
4. 　請求項１～３のいずれか一方に記載の移動体のロック機構であって、
   　前記移動体は、
   　車両の後方から前方に向かって突出するように配置され、
   　前記係止部が前記ロック部にロックされた状態において、前記移動体が突出する方向に移動しようとする際に、前記回転軸の一端部が前記長穴の奥側に向かって移動するようにしていることを特徴とする移動体のロック機構。

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