WO2010038745A1 - 難燃性ホットメルト型接着剤 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、ハロゲン化合物や酸化アンチモン等の環境に影響のある難燃剤を含まないにもかかわらず、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の総合的な性能に優れるホットメルト型接着剤、及びその接着剤が塗工された物品を提供する。本発明に係るホットメルト型接着剤は、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体及び(B)180℃で液状のリン系化合物を含み、ハロゲン化合物や酸化アンチモン等の環境に影響のある難燃剤を含まないにもかかわらず、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の性能に優れる。(C)金属水酸化物を更に含む場合、難燃性がより向上し、加工適性もより向上し得る。本発明のホットメルト型接着剤が塗工された物品は、環境に優しく、人体への安全性に高く、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の性能に優れる。

Description

難燃性ホットメルト型接着剤
 本発明は、難燃剤として、燃焼時に有害なハロゲン系ガスを発生するハロゲン化合物及び人体への影響が指摘されている酸化アンチモンを含むことなく、優れた難燃性を有するホットメルト型接着剤であって、ヒートシール性、保存安定性及び加工適性に優れるホットメルト型接着剤に関する。
 近年、電気・電子関連製品には、その機能を高めるために、種々の多数の部品が使用されている。これらの部品を、電気・電子製品からから発生する電磁波による影響から保護するために、すなわち、EMI対策のために、電気・電子製品内部に電磁波を吸収するシールド材が装着されるが、これらのシールド材は、電気・電子関連製品の一層の小型化のために、筐体等に半密閉状態で収納されることが多くなった。そのような半密閉状態で組み立てられた電気・電子関連製品の筐体内部は、蓄熱しやすく、発火による火災の発生を防止する等の安全面から、製品に関するすべての部材に対して難燃化が求められている。
 このような部材の難燃化の要求に伴い、電気・電子部品や電磁波シールド材等を固定化する接着剤についても、高い難燃性が求められるようになった。特に、電磁波シールド材は、一般的に合成樹脂フィルムを基材として使用して積層フィルムの形態で製造され、又は、合成樹脂繊維を基材として使用して布状のシートの形態で製造されるので、電磁波シールド材自身に充分な難燃性を付与することが困難である。従って、電磁波シールド材を固定化するために使用する接着剤に高い難燃性が必要になる。
 このような電磁波シールド材等の種々の材料を固定化するために、種々の接着剤、例えば、溶剤系接着剤、ホットメルト接着剤等が利用されてきた。年々、重視される環境衛生面を考慮すると、溶剤を含む溶剤系接着剤は、接着剤を上述の材料に塗工する工程で、溶剤が揮散するので好ましくない。
 ホットメルト接着剤は、加熱溶融状態で接着する、常温で固形の接着剤である。溶融状態の接着剤の温度が低下することによって物理的に固化するので、極めて短時間に接着することができる。通常溶媒を含まないという特徴を有する。
 そのようなホットメルト接着剤について、難燃性を付与する検討が行われている。たとえば、特許文献1は、導電性を有する有機繊維から構成される布巾の表面に、難燃剤を含む樹脂層が形成され、他方の表面には、難燃剤を含む厚さ30~100μmのホットメルト樹脂接着剤が形成されている難燃導電性布巾を開示する。具体的には、ポリエステル繊維にブロモ系難燃剤を含む溶剤系アクリル樹脂を用いて樹脂層が形成され、他方の表面に、ホットメルト樹脂として、ウレタン樹脂を用い、難燃剤として、リン系、ハロゲン系及び三酸化アンチモン混合難燃剤が用いられている。尚、特許文献1は、ホットメルト樹脂として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂さらにこれらの変性樹脂等を例示する。
 このように、一般的に、従来、接着剤に高い難燃性を付与する難燃剤として、難燃性が良好なハロゲン化合物が最も多く使用されてきた。更に、必要に応じて、酸化アンチモンが併用されてきた。しかし、ハロゲン化合物を含む難燃剤及びハロゲン化合物と酸化アンチモンを併用した難燃剤は、それを含む接着剤が燃焼した場合、ダイオキシンを含む極めて有害なガスが発生する可能性があり、地球環境の観点から問題がある。従って、そのような有毒ガスを発生しない難燃剤を含む他のホットメルト接着剤が、検討されてきた。
 例えば、特許文献2は、少なくとも合成ゴムを含み、難燃化剤として、リン酸エステルとメラミンもしくはメラミン誘導体を配合したホットメルト型シーリング剤を開示する。しかし、非極性材料である合成ゴムに極性材料であるリン酸エステルを配合するので、合成ゴムとリン酸エステルの混合が困難であるという問題がある。難燃性を向上させるためにリン酸エステルを多量に配合すると、ホットメルト接着剤を溶融させた際、各成分が分離し得るという問題がある。また、たとえ混合することができたとしても、後ほど、リン酸エステルが接着剤表面に移動するブリードアウトを生じ得、保存安定性に問題がある。更に、ホットメルト樹脂として、合成ゴムを用いるので、接着剤自身にタックが発現しやすい。接着剤にタックがあると、ホットメルト接着剤を塗布した電磁波シールド材等を加工する工程において、ブロッキング等の問題を生じ得る。即ち、加工適性に問題を生じ得る。
 したがって、ハロゲン化合物や酸化アンチモン等の環境に影響のある難燃剤を含まないにもかかわらず、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性に優れるホットメルト型難燃性接着剤が求められている。
特開2004-211247号公報 特開2007-099800号公報
 本発明は、前記問題を解決することを目的とするものであって、ハロゲン化合物や酸化アンチモン等の環境に影響のある難燃剤を含まないにもかかわらず、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の総合的な性能に優れるホットメルト型接着剤、及びその接着剤が塗工された物品を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ホットメルト樹脂成分として「(メタ)アクリル酸エステル重合体」を含み、難燃剤として「180℃で液状のリン系化合物」を含むホットメルト型接着剤は、ハロゲン化合物と酸化アンチモンを含むことなく高い難燃性が得られるのみならず、接着性、保存安定性及び加工適性に優れ、総合的な性能に優れることを見出して本発明を完成した。
 すなわち、本発明の一の要旨によれば、新たなホットメルト型接着剤が提供され、それは、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体および(B)180℃で液状のリン系化合物を含んでなる。かかるホットメルト型接着剤は、難燃性接着剤として、種々の物品、例えば、電磁波シールド材等の電気電子機器用品の構成部材、車両内装材料および、壁装材等の建築材料等の物品に塗工して、被着体に接着するために好適に用いることができる。
 本発明の一の態様において、ホットメルト型接着剤を基準(100重量部)として、成分(A)が5~35重量部である上述のホットメルト型接着剤を提供する。
 本発明の他の態様において、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、ガラス転移温度が20~100℃である上述のホットメルト型接着剤を提供する。
 本発明の好ましい態様において、(B)リン系化合物は、融点が20℃以上の化合物を含む上述のホットメルト型接着剤を提供する。
 本発明の更なる一の態様において、(C)金属水酸化物を更に含んでなるホットメルト型接着剤を提供する。
 本発明の更なる他の態様において、成分(A)~(C)の合計を100重量部として、成分(A)が5~35重量部、成分(B)が5~80重量部、成分(C)が65重量部以下である上述のホットメルト型接着剤を提供する。
 本発明の更なる好ましい態様において、ホットメルト型接着剤中に、成分(A)~(C)が70重量%以上含まれる上述のホットメルト型接着剤を提供する。
 更にまた、本発明の他の好ましい態様において、(C)金属水酸化物が水酸化マグネシウムである上述のホットメルト型接着剤を提供する。
 本明細書において、「ホットメルト型接着剤」とは、加熱溶融状態で接着する、常温で固形の接着剤をいう。
 本明細書において「ガラス転移温度」とは、示差走査熱量計(具体的には、エスアイアイナノテクノロジー(株)製のSIIナノテクノロジーDSC6220)を用いて、5~10mgの試料のDSC曲線を、5℃/分の昇温速度で測定し、得られたDSC曲線の変曲点の温度をいう。
 本明細書において「融点」とは、示差走査熱量計(具体的には、エスアイアイナノテクノロジー(株)製のSIIナノテクノロジーDSC6220)を用いて、5~10mgの試料のDSC曲線を、5℃/分の昇温速度で測定し、得られたDSC曲線のピークの頂点の温度をいう。
 本明細書において「ブリードアウト」とは、ホットメルト型接着剤に含まれる難燃剤及び可塑剤等の成分が接着剤表面に移動することをいう。
 上述したホットメルト型接着剤は、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体と(B)180℃で液状のリン系化合物を含んで成るので、ハロゲン化合物や酸化アンチモン等の環境に影響のある難燃剤を含まないにもかかわらず、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の総合的な性能に優れる。
 ホットメルト型接着剤を基準として、成分(A)が5~35重量部である場合、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の総合的な性能がより向上し得る。
 (A)(メタ)アクリル酸エステル重合体のガラス転移温度が20~100℃である場合、より加工適性が向上し得る。
 (B)リン系化合物は、融点が20℃以上の化合物を含む場合、加工適性が向上し得る。
 ホットメルト型接着剤は、(C)金属水酸化物を更に含む場合、難燃性がより向上し、加工適性もより向上し得る。
 成分(A)~(C)の総重量100重量部に対し、成分(A)が5~35重量部、成分(B)が5~80重量部、成分(C)が65重量部以下である場合、ホットメルト型接着剤は、粘度が高くなりすぎず、接着剤の塗工性がより向上する。
 ホットメルト型接着剤は、接着剤中に、成分(A)~(C)を70重量%以上含んで成る場合、より難燃性が向上し得る。
 (C)金属水酸化物が水酸化マグネシウムである場合、ホットメルト型接着剤は、より難燃性が向上し得る。
 本発明のホットメルト型接着剤が塗工された物品は、環境に優しく、また、人体への安全性が高く、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性等の総合的な性能に優れる。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、(A)(メタ)アクリル酸エステルと(B)180℃で液状のリン系化合物を含んで成る。
 本発明において「(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体」とは、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体(混合物であってよい)から作られたポリマーをいう。(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、1種以上の(メタ)アクリル酸エステルから作られてよく、1種以上の(メタ)アクリル酸エステルと、「(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリロイル基を有する単量体」と「その他のエチレン性二重結合を有する単量体」から選択される少なくとも1種の単量体混合物から作られてもよい。
 そのような(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、例えば、1種以上の(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体(混合物であってよい)をラジカル重合して得ることができる。また、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、例えば、1種以上の(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリロイル基を有する単量体とその他のエチレン性二重結合を有する単量体から選択される少なくとも1種の単量体を含む単量体混合物をラジカル重合して得ることができる。
 (A)(メタ)アクリル酸エステル重合体を作るために使用し得る単量体を例示するが、これらの例示によって本発明は何ら限定されるものではない。
 「(メタ)アクリル酸エステル」として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類((メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル類を含む);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;を例示することができる。
 「(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリロイル基を有する単量体」として、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルスルホン酸、2-アクリロイルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリロイルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸、水酸基およびスチレンスルホン酸等のスルホン酸基とアクリロイル基を有する化合物及びスルホン酸塩基とアクリロイル基を有する化合物;(メタ)アクリル酸オキシエチルアミドフォスフェート等のリン酸基及びアクリロイル基を有する化合物、並びにリン酸塩基及びアクリロイル基を有する化合物;を例示することができる。
 尚、本明細書では、アクリル酸とメタクリル酸を総称して、「(メタ)アクリル酸」といい、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを総称して「(メタ)アクリル酸エステル」又は「(メタ)アクリレート」といい、アクリロイル基(CH=CH-CO-)とメタクリロイル基(CH=CCH-CO-)を総称して「(メタ)アクリロイル基」という。
 「その他のラジカル重合可能な他のエチレン性二重結合を有する単量体」として、例えば、スチレン、スチレンスルホン酸等のスチレン変性物、酢酸ビニル、アクリルアミド等を例示することができる。
 本発明においては、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、1分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体を単独でラジカル重合した高分子化合物(単独重合体)を用いても良く、また、数種の単量体を混合してラジカル重合して得られた高分子化合物(共重合体)を用いてもよい。
 (A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、一般的に既知の重合方法で製造することができるが、市販品を使用してもよい。使用できる市販品として、例えば、三菱レイヨン社から市販のダイヤナールBR1122(商品名)、ダイヤナールBR117(商品名)、ダイヤナールBR106(商品名)、ダイヤナールBR73(商品名)、ダイヤナールBR80(商品名)、デグサ社から市販のDEGALAN LL66/02(商品名)等を例示できる。
 本発明において、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、1種または必要に応じて2種以上混合して用いることができる。
 本発明において、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体のガラス転移温度は、20℃~100℃であることが好ましく、35℃~70℃であることがより好ましい。(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体のガラス転移温度が20℃より低い場合、接着剤にタックが発現し得、加工適性に問題を生じ得る。また、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体のガラス転移温度が100℃を超える場合、ヒートシール性が低下するとともに、接着剤の柔軟性が低下し得、接着剤にひび割れの問題を生じ得る。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、難燃剤として、(B)180℃で液状のリン系化合物を含んで成る。尚、本発明では、(B)180℃で液状のリン系化合物は、可塑剤としての機能も併せ持つ。
 本発明において「180℃で液状」とは、当該リン系化合物の融点が180℃より低いことを意味するが、(B)180℃で液状のリン系化合物が、ガラス転移を示す場合、更に、ガラス転移温度も180℃より低いことを意味する。
 また、本発明において「リン系化合物」とは、分子中に少なくとも一つのリン原子を含む化合物であって、上述の「(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体」を作るために使用する単量体を除く化合物をいうが、より好適には、一般的に難燃剤として用いられている化合物をいう。そのような一般的に難燃剤として用いられているリン系化合物として、例えば、リン酸エステル化合物、縮合リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、リン酸アンモニウム化合物、リン酸メラミン化合物、環状リン酸エステル化合物、さらに上記化合物に水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有する反応型リン化合物等を例示できる。
 (B)180℃で液状のリン系化合物として、下記の例を例示することができるが、そのような例によって、本発明は何ら制限されるものではない。
 リン酸エステル化合物として、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシリニルジフェニルフォスフェート、クレジルジ2,6-キシレニル等を挙げられる。
 縮合リン酸エステル化合物として、1,3-フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3-フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)を挙げられる。
 ホスファゼン化合物として、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、ヘキサクロルシクロトリホスファゼンを開環重合して得られるジクロルホスファゼンにプロポキシ基が置換したn-プロポキシホスファゼンオリゴマー等が挙げられる。
 官能基を有する反応型化合物としては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(4-カルボキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
 (B)180℃で液状のリン系化合物として、縮合リン酸エステル化合物が好ましい。(B)180℃で液状のリン系化合物は、単独であるいは混合して用いることができる。
 本発明において、(B)180℃で液状のリン系化合物は、融点が20℃以上の化合物を少なくとも1種含んで成ることが好ましく、融点が60℃以上の化合物を含んで成ることがより好ましい。(B)180℃で液状のリン系化合物は、融点が20℃以上の化合物を含まない場合、ホットメルト型接着剤を塗工して得られた物品について、リン系化合物のブリードアウト等が発生し得、保存安定性が不十分と成り得る。
 成分(A)と成分(B)の合計を基準(100重量部)として、成分(A)は、5重量部以上であることが好ましく、10~90重量部であることがより好ましい。
 ホットメルト接着剤は、(A)成分と(B)成分を必須成分として含むが、その他の成分を含んでよい。ホットメルト接着剤の合計を100重量部とすると、成分(A)は、5~35重量部であることが好ましく、5~30重量部であることがより好ましい。成分(A)が5重量部より少ない場合、ホットメルト樹脂成分が少ないため、接着剤の強度が不足し得る。また、接着力が不十分となり得る。成分(A)が35重量部より多くなると、難燃剤成分の割合が少なくなり、難燃性が不十分となり得る。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、(C)金属水酸化物を更に含んで成ることが好ましい。(C)金属水酸化物として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などを例示することができ、これらは、水和金属化合物とも呼ばれる。金属水酸化物は、一般的に微粒子の形態で使用されるが、その表面を、乳化剤、カップリング剤等の疎水性化合物で処理して使用してもよい。
 本発明において、(C)金属水酸化物は、難燃性が高く、貯蔵時も安定な点で、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
 本発明において、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(A)~(C)の合計を基準(100重量部)として、5重量部~35重量部含んでなることが好ましく、5重量部~30重量部含んでなることがより好ましい。(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が5重量部より少ない場合には、ホットメルト樹脂成分が少ないために、接着剤の強度が不足し得る。また、接着力が不十分となり得る。(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が35重量部より多くなると、難燃剤成分の割合が少なくなるために、難燃性が不十分となり得る。
 本発明において、(B)180℃で液状のリン系化合物は、(A)~(C)の合計を基準(100重量部)として、5重量部~80重量部含んでなることが好ましく、10重量部~70重量部含んでなることがより好ましい。(B)180℃で液状のリン系化合物が5重量部より少ない場合は、難燃性が不十分となり得る。また、ホットメルト型接着剤の可塑剤成分も少なくなるために、粘度が高くなり加工適性に問題を生じ得る。(B)180℃で液状のリン系化合物が80重量部より多い場合は、リン系化合物のブリードアウトを生じ得、長期保管安定性が不十分となり得る。
 本発明において、(C)金属水酸化物は、(A)~(C)の合計を基準(100重量部)として、65重量部以下であることが好ましく、5重量部~65重量部含んで成ることがより好ましく、15~65重量部含んで成ることが特に好ましい。(C)金属水酸化物が65重量部より多い場合は、ホットメルト型接着剤の粘度が高くなり加工適性に問題がでる。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、ホットメルト型接着剤を基準(100重量%)として、成分(A)~(C)を合計で70重量%以上含んで成ることが好ましい。ホットメルト型接着剤中の、成分(A)~(C)の合計が70重量%未満である場合、ホットメルト型接着剤の難燃性、接着性、加工適性のバランスが不十分となり得る。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、ホットメルト型接着剤を基準(100重量%)として、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体を、3.5重量%~35重量%含んで成ることが好ましく、(B)180℃で液状のリン系化合物を、3.5重量%~80重量%含んでなることが好ましく、(C)金属水酸化物を、65重量%以下含んで成ることが好ましい。
 本発明においては、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体、(B)180℃で液状のリン系化合物および(C)金属水酸化物の配合割合は、種々の用途のホットメルト型接着剤に必要とされる難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性を満たすように、上記の範囲で適宜調整できる。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、難燃性、接着性、保存安定性及び加工適性を損なわない範囲で、必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、安定剤、他の熱可塑性樹脂、充填剤、金属腐食防止剤、顔料、帯電防止剤及び補強剤等の各種添加剤を単独で又は2種以上組み合わせて、含むことができる。
 適当な可塑剤として、植物油および動物油および石油由来の脂肪族炭化水素(例えば、パラフィン)および芳香族系炭化水素、脂肪族エステル、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ-n-デシル、フタル酸ビス-2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニルおよびフタル酸ジイソデシル)、アジピン酸エステル(例えば、アジピン酸ジトリデシル)、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコール)、その他、約350~約10000の平均分子量を有する、ポリプロピレン、ポリブテン、水素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン、ポリアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
 可塑剤は物性の調整、性状の調整等の目的により加えられるが、必ずしも必要とするものではない。上記記載の可塑剤の配合量は、ブリードを抑制する目的から、ホットメルト型接着剤中、30重量%以下であることが好ましい。
 安定剤または酸化防止剤として、一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤を例示することができ、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤は、単独で、又は組み合わせて使用することができる。
 一次酸化防止剤として、ヒンダードフェノールが挙げられ、二次酸化防止剤として、ジステアリルチオジプロピオネート(「DSTDP」)、ジラウリルチオジプロピオネート(「DLTDP」)が例示される。
 代表的酸化防止剤として、具体的には、
 1,3,5-トリメチル2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリトリチルテトラキス-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリトールテトラキス(3-ラウリルチオジプロピオネート)、n-オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)プロピオネート、4,4’-メチレンビス(2,6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-o-クレゾール)、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、6-(4-ヒドロキシフェノキシ)-2,4-ビス(n-オクチル-チオ)-1,3,5-トリアジン、ジ-n-オクタデシル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル-ホスホネート、2-(n-オクチルチオ)エチル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンゾエートおよびソルビトールヘキサ[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]、IRGAFOS 168 (Chibaから入手可能である二次酸化防止剤) およびIRGANOX 1010 (Chiba-Geigyから入手可能であるヒンダードフェノール一次酸化防止剤)が例示される。
 他の酸化防止剤としては、ETHANOX 330 (Albermarleからのヒンダードフェノール)、SANTOVAR (Monsantoからの2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン)およびNAUAGARD P (Uniroyalからのトリス (p-ノニル) ホスファイト) が挙げられる。これら酸化防止剤の配合量は、ホットメルト接着剤中に、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
 他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエーテル型ポリオールとイソシアネート、またはポリエステル型ポリオールとイソシアネートを原料とするウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂等を例示できる。これらの樹脂は、ホットメルト型接着剤の物性調整の目的で使用することができる。ホットメルト型接着剤中に、他の熱可塑性樹脂は、0.5~30重量%含まれることが好ましい。
 充填剤は、ホットメルト型接着剤としての加工適性、接着性を損なわなければ特に限定されるものではなく、例えば炭酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、ホウ酸亜鉛、二水和石膏、アルミン酸カルシウム、ドーソナイト等を例示できる。
 本発明に係るホットメルト型接着剤は、上述の各成分を配合することによって製造することができる。各成分の配合方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。典型的には、(C)金属水酸化物及び充填剤以外の各成分を均質になるまで、一般的に約1時間、約100℃~200℃の温度で溶融配合する。その後、(C)金属水酸化物(及び必要であれば充填剤)を加えて約30分溶融配合することによりホットメルト型接着剤が製造される。
 本発明は、更に、上述の本発明に係るホットメルト型接着剤が塗工された物品を提供する。本発明に係る物品として、例えば、電磁波シールド材等の電気電子機器用品の構成部材、車両内装材料および例えば、壁装材等の建築材料等を例示することができる。即ち、これらの物品を被着体に接着するために、本発明に係るホットメルト型接着剤を使用することができる。
 本発明に係るホットメルト型接着剤を塗工する物品が、基材を含む場合、ホットメルト型接着剤は、目的とする物品に合わせて、一般に種々の基材に塗工される。そのような基材を含む物品として、例えば、上述の電磁波シールド材等の電気電子機器用品の構成部材、車両内装材料および例えば、壁装材等の建築材料等を例示できる。
 そのような基材は、特に限定されるものでないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセテート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン等のフィルム基材やガラスクロス、アセテートクロス、ポリエステル等の布基材、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の不織布等が好ましい。基材は、これら単独で、又は2種以上の組みあわせであってよい。また、上記基材に対して、必要に応じて紙、布、不織布、金属箔等を積層した基材(又は積層基材)、さらに上記基材に金属を蒸着あるいはメッキした複合基材を用いても良い。
 ホットメルト型接着剤の物品への塗工方法は、目的とする物品に塗工することができる限り特に限定されるものではないが、例えば、ダイコーター塗工、ノズルコーター塗工およびロールコーター塗工等を例示することができる。尚、物品が基材を含む場合、通常基材に塗工される。
 本発明に係るホットメルト型接着剤を塗工した物品を接着する被着体として、例えば、電気・電子部品、車両部品、建築部材等を例示することができるが、これらの例示によって何ら本発明は制限されるものではない。
 以下に、本発明の主な態様を記載する。
 1.(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体および(B)180℃で液状のリン系化合物を含むホットメルト型接着剤。
 2.ホットメルト型接着剤を基準として、成分(A)が5~35重量部である上記1に記載のホットメルト型接着剤。
 3.(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、ガラス転移温度が20~100℃である上記1又は2に記載のホットメルト型接着剤。
 4.(B)リン系化合物は、融点が20℃以上の化合物を少なくとも1種含む上記1~3のいずれかに記載のホットメルト型接着剤。
 5.(C)金属水酸化物を更に含む上記1~4のいずれかに記載のホットメルト型接着剤。
 6.成分(A)~(C)の合計を100重量部として、成分(A)が5~35重量部、成分(B)が5~80重量部、成分(C)が65重量部以下である上記5に記載のホットメルト型接着剤。
 7.ホットメルト型接着剤中に、成分(A)~(C)が70重量%以上含まれる上記5又は6に記載のホットメルト型接着剤。
 8.(C)金属水酸化物が水酸化マグネシウムである上記5~7のいずれかに記載のホットメルト型接着剤。
 9.上記1~8のいずれかに記載のホットメルト型接着剤が塗工された物品。
 以下、本発明を更に詳細に、より具体的に説明することを目的として、実施例及び比較例を用いて本発明を説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。
 本発明のホットメルト型難燃性接着剤は(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体、(B)180℃で液状のリン系化合物および(C)金属水酸化物等を表1、および表2に記載した組成(重量部)で配合し、加熱溶融して混合することで製造した。詳細を以下に示す。
 〈実施例1〉
 成分(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体として[三菱レイヨン社製 「ダイヤナールBR106」(重量平均分子量Mw 約60000、ガラス転移温度 50℃)](以下、「(A)-3」ともいう)と成分(B)180℃で液状のリン化合物として[大八化学工業社製 「CR741」(融点20℃以下)](以下、「(B)-1」ともいう)および[大八化学工業社製 「PX200」(融点95℃) (以下、「(B)-2」ともいう)を下記の表1に示す割合で配合し、約180℃で約2時間かけて万能攪拌機を用いて溶融混合し、ホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例2~6、実施例8~13 及び 比較例5〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)として(B)-1及び(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)金属水酸化物として[ナバルテック社製「APYMAG40S」(水酸化マグネシウム、粒度5μm)](以下、「(C)-1」ともいう)を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例7〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)として(B)-1および[伏見製薬所社製 「ラビトルFP-110」(融点110℃) (以下、「(B)-3」ともいう)を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例14〉
 成分(A)として[三菱レイヨン社製 「ダイヤナールBR1122」(重量平均分子量Mw 約180000、ガラス転移温度 20℃)](以下、「(A)-1」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例15〉
 成分(A)として[三菱レイヨン社製 「ダイヤナールBR117」(重量平均分子量Mw 約140000、ガラス転移温度 35℃)](以下、「(A)-2」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例16〉
 成分(A)として[デグサ社製 「DEGALAN LL66/02」(重量平均分子量Mw 約60000、ガラス転移温度 82℃)](以下、「(A)-4」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例17〉
 成分(A)として[三菱レイヨン社製 「ダイヤナールBR73」(重量平均分子量Mw 約85000、ガラス転移温度 100℃)](以下、「(A)-5」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例18〉
 成分(A)として[三菱レイヨン社製 「ダイヤナールBR80」(重量平均分子量Mw 約95000、ガラス転移温度 105℃)](以下、「(A)-6」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例19〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)として(B)-1、および(B)-2を下記の表1に示す割合で配合し、さらに成分(C)金属水酸化物として[ナバルテック社製「APYRAL AOH20」(水酸化アルミニウム、粒度7μm)](以下、「(C)-2」ともいう)を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈実施例20〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を、成分(C)として(C)-1を、さらに、フタル酸ジイソノニル[ジェイ・プラス社製 「DINP」](以下、「(B)’-1」ともいう)を配合して、下記の表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈比較例1〉
 成分(A)-3の代わりに、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体[旭化成ケミカルズ社製 「アサプレンT438」(スチレン含有量35%)](以下、「(A)’-1」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を、さらに成分(C)として(C)-1を下記の表2に示す割合で配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈比較例2〉
 成分(A)-3の代わりに、ポリエステル系樹脂[東洋紡社製「バイロンGM-990」(数平均分子量Mn約8000)](以下、「(A)’-2」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を、さらに成分(C)として(C)-1を下記の表2に示す割合で配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈比較例3〉
 成分(A)-3の代わりに、エチレン-酢酸ビニル共重合体[東ソー社製「ウルトラセン760」(メルトフローレート70g/min、酢酸ビニル含有量42%)](以下、「(A)’-3」ともいう)を、成分(B)として(B)-1および(B)-2を、さらに成分(C)として(C)-1を下記の表2に示す割合で配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈比較例4〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)の代わりに(B)’-1を表2に示す割合で配合し、さらに成分(C)として(C)-1を配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈比較例5〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)を加えず、成分(C)として(C)-1を下記の表2に示す割合で配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 〈比較例6〉
 成分(A)として(A)-3を、成分(B)の代わりに180℃で固体のリン系難燃剤[ブーデンハイム社製「FR CROSS 484」(ポリリン酸アンモニウム)](以下、「(B)’-2」ともいう)を、成分(C)として(C)-1を下記の表2に示す割合で配合して、実施例1と同様にしてホットメルト型接着剤を得た。
 実施例および比較例のホットメルト型接着剤について、以下の要領で評価した。
 〈ブリードアウト〉
 ブリードアウトは、ホットメルト型接着剤を、180℃で溶融配合後23℃の雰囲気下で12時間放置し、その後同雰囲気下においてホットメルト型接着剤のサンプル表面を指で触ることで評価した。ブリードアウトがないものを○、僅かにブリードアウトがあるものを△、顕著なブリードアウトがみられるものを×とした。ブリードアウトがないことは、長期保管安定性が良好であることの目安となる。
 〈タック〉
 厚さが50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに50μmの厚さとなるようにホットメルト型接着剤を、130℃で塗布した。塗布したサンプルの表面を指で触った際の粘着の強さを評価した。殆ど粘着がないものを◎、わずかに粘着があるものを○、弱い粘着があるものを△、粘着が強いものを×とした。粘着がないことは、ホットメルト型接着剤が塗布された基材の加工適性が良好であることの目安となる。
 〈接着性〉
 厚さが50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに50μmの厚さとなるようにホットメルト型接着剤を、130℃で塗布した。塗布したサンプルを上記と同じ厚さが50μm厚のPETフィルムに、120℃、0.3MPaの圧力で5秒間プレスすることで貼り合せ試験サンプルとした。試験サンプルを23℃下、300mm/minの速度にてT型剥離させた際の強度を測定した。接着強度が500gf/25mm以上のものを◎、100gf/25mm以上500gf/25mm未満のものを○、10gf/25mm以上100gf/25mm未満のものを△、10gf/25mm未満のものを×とした。
 〈難燃性〉    
 厚さが50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに50μmの厚さとなるように接着剤を、130℃で塗布した。塗布したサンプルを10mm幅にカットしたものを試験サンプルとした。試験サンプルに1秒間点火してから炎が消えるまでの時間を測定し、評価した。着火しないものを◎、1秒未満の燃焼があったものを○、1秒以上3秒未満の燃焼もしくは燃焼による滴下物があったものを△、3秒以上の燃焼があったものを×とした。
 実施例、比較例の各ホットメルト型接着剤について上記評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1に示すように、実施例1~20のホットメルト型接着剤は、ブリードアウト、タック、接着性、難燃性の総合的な性能に優れる。
 (A)(メタ)アクリル系重合体を含まない比較例1~3のホットメルト型接着剤は、ホットメルト型接着剤中の(B)180℃で液状のリン系難燃剤の相溶性が充分でなく、ブリードアウトし得、長期保管安定性に劣る。(B)180℃で液状のリン系化合物の代わりに、リンを含まない液状可塑剤を含む比較例4のホットメルト型接着剤は、難燃性が不十分であった。また(B)180℃で液状のリン系化合物を含まず、(A)(メタ)アクリル系重合体と(C)金属水酸化物のみを配合した比較例5は接着性が不十分であり、接着剤を基材に塗工して得られるシートの加工適性に問題があった。さらに(B)180℃で液状のリン系化合物の代わりに、180℃で固体のリン系化合物を配合した比較例6のホットメルト型接着剤は、均一なホットメルト型接着剤とならず、塗工性が不十分であった。
 本発明にかかるホットメルト型接着剤は、安全性が高く、加工適性に優れ、かつ長期保管時も安定なホットメルト型接着剤であり、電磁波シールド材等の電気電子機器用品の構成部材、車両内装材料および壁装材等の建築材料等の物品に好適に利用することができる。
 [関連出願]
 尚、本出願は、2008年9月30日に日本国でされた出願番号2008-254278を基礎出願とするパリ条約第4条に基づく優先権を主張する。この基礎出願の内容は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。

Claims (3)

  1.  (A)(メタ)アクリル酸エステル重合体および(B)180℃で液状のリン系化合物を含むホットメルト型接着剤。
  2.  (C)金属水酸化物を更に含む請求項1に記載のホットメルト型接着剤。
  3.  請求項1又は2に記載のホットメルト型接着剤が塗工された物品。
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