WO2009154210A1 - シートベルト警報発生装置およびシートベルト警報発生方法 - Google Patents

Abstract

　乗員が後部座席から助手席等のほかの座席へ移動してその後シートベルトを装着した場合などに、無用のブザー鳴動を停止することができるシートベルト警報発生装置を提供する。 　シートベルトが装着されている、運転席を除く座席の数が減少したときに報知出力をし、シートベルトが装着されている、運転席を除く座席の数が前記報知出力をしたときの数以上になったときに前記報知出力を停止する。

Description

シートベルト警報発生装置およびシートベルト警報発生方法

　本発明は、車両のシートベルトの未装着時に警報を発するシートベルト警報発生装置および警報発生方法に関する。

　従来、シートベルトの未装着時に警報を発する各種の警報発生方法が提案されている（例えば、特許文献１又は特許文献２参照）。図３は、従来の警報発生方法の例を説明するためのシステムブロック図である。従来の警報発生装置は、図３に示すように、エンジンの駆動、および停止を制御するイグニッションキースイッチ１０、乗員のシート着座状況を検出する着座センサー２０、シートベルトの装着状況をオン／オフ状態で示す検出するシートベルトスイッチ３０、ＣＰＵ(即ち、Central Processing Unit)４０、ＣＰＵ４０からの制御命令に基づいて発生されるシートベルト警報を報知するためのＬＥＤ(即ち、Light Emitting Diode)５０、同様に警報を音声にて報知するブザー６０によって構成される。

　上記構成の従来のシートベルト警報発生装置は、運転席への警報を、エンジンの始動（ＩＧＮ＋１０）とシートベルトスイッチ３０との組み合わせで報知制御を行っていた。つまり、エンジンが始動されており、且つ、シートベルトスイッチ３０がシートベルトが未装着であることを示す場合に警報の報知を行っていた。一方、助手席への警報を、着座センサー２０とシートベルトスイッチ３０の組み合わせで、後部座席への警報を、シートベルトスイッチ３０にて、報知制御を行っていた。ＣＰＵ４０はシートベルトスイッチ３０の状態を定期的に検出し、その状態がＣＰＵ４０のシートベルトフラグ（レジスタ）１００に記録される。このため、後部座席の報知は、いずれかのシートベルトが装着状態から未装着状態に変化すると、図４に示すように、ＬＥＤ点灯等により当該未装着が着座する座席の部位が表示され、同時に一定時間ブザー６０が鳴動する報知が行われていた。

日本国特開昭６３‐１９２６４０号公報　第２頁～第５頁　図１ 日本国特開平７‐１８６８８７号公報　第２頁～第３頁　図２

　しかしながら、上記従来のシートベルト警報発生方法では、ある後部座席に着座する乗員がシートベルトを外し、その後、同一の後部座席にて再度シートベルトを装着する場合にはブザー６０の鳴動を停止することができるものの、乗員が後部座席のいずれか一つから別の一つに移動してその席でシートベルトを装着した場合、または、後部座席から助手席等他の座席へ移動してその後シートベルトを装着した場合でもブザーが一定期間鳴動するため、乗員がシートベルトを装着しているにもかかわらず、本来不要な報知が継続され、煩わしいという問題があった。

　本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員が後部座席から助手席、後部座席等の運転席を除くほかの座席へ移動してその後シートベルトを装着した場合などに、無用のブザー鳴動を停止することができるシートベルト警報発生装置およびシートベルト警報発生方法を提供することにある。

　前述した目的を達成するために、本発明に係るシートベルト警報発生装置は、下記（１）を特徴としている。
（１）　シートベルトを有する複数の座席毎に設けられ、該シートベルトが装着されているか否かをオン／オフ状態で示す複数のシートベルトスイッチと、
　記憶部と、
　前記複数のシートベルトスイッチそれぞれのオン／オフ状態に基づいた前記シートベルトそれぞれが装着されているか否かを識別するためのフラグ群を前記記憶部に、連続する複数時点分、記憶する制御部と、
　前記制御部により報知動作を制御される報知部と、
を備え、
　前記制御部は、第１の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の第１のフラグ群と、前記第１の時点より後の第２の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の第２のフラグ群と、を比較して、前記シートベルトが装着されている、運転席を除く前記座席の数の減少を判定した場合に前記報知部に報知出力をさせ、その後、前記第２の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の前記第２のフラグ群と、前記第２の時点より後の第３の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の第３のフラグ群と、を比較して、前記シートベルトが装着されている、前記運転席を除く前記座席の数が前記報知部に前記報知出力をさせたときの数以上であることを判定した場合に、前記報知部による前記報知出力を停止させる、
こと。

　上記（１）の構成のシートベルト警報発生装置によれば、乗員が後部座席から助手席等のほかの座席へ移動してその後シートベルトを装着した場合などに、無用のブザー鳴動が停止される。このため、安全上適切で、且つ乗員に不快感や違和感のない報知を行うことができる。

　また、前述した目的を達成するために、本発明に係るシートベルト警報発生方法は、下記（２）を特徴としている。
　（２）　シートベルトが装着されている、運転席を除く座席の数が減少したときに報知出力をする報知ステップと、
　シートベルトが装着されている、運転席を除く座席の数が前記報知ステップにて前記報知出力をしたときの数以上になったときに前記報知出力を停止する停止ステップと、
を有すること。

　上記（２）の構成のシートベルト警報発生方法によれば、乗員が後部座席から助手席等のほかの座席へ移動してその後シートベルトを装着した場合などに、無用のブザー鳴動が停止される。このため、安全上適切で、且つ乗員に不快感や違和感のない報知を行うことができる。

　本発明によれば、乗員が後部座席から助手席等のほかの座席へ移動してその後シートベルトを装着した場合などには、途中でブザーの鳴動が停止される。このため、安全上適切で且つ不快感や違和感のない報知を行うことができる。

　以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生方法を説明するためのシステムブロック図 本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生方法の手順を示すフローチャート 従来のシートベルト警報発生方法を説明するためのシステムブロック図 従来のシートベルト警報発生方法における報知例（表示）を示す模式図

　以下、本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生方法について図面を用いて詳細に説明する。

　図１は、本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生方法を説明するためのシステムブロック図である。本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生装置は、図１において、エンジンの駆動、停止を制御するイグニッションキースイッチ１０と、乗員のシート着座状況を検出する着座センサー２０と、シートベルトの装着状況をオン／オフ状態で示すシートベルトスイッチ３０と、ＣＰＵ４０と、ＣＰＵ４０からの制御命令に基づいて発生されるシートベルト警報を報知するためのＬＥＤ５０と、同様に警報を音声にて報知するブザー６０と、を含んで構成される。

　本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生装置は、ＣＰＵ４０が、シートベルトスイッチ３０の状態を定期的に検出し、その状態をＣＰＵ４０のシートベルトフラグ群Ａ（レジスタ）１００に記録する。なお、図１に示すシートベルトフラグ群Ａ１００は、５個のフラグから構成されているが、これは、例えば上側から下側にかけて運転席、助手席、３つの後部座席、の順に、それぞれの席のシートベルトスイッチ３０が示すシートベルトの装着状態に対応している。さらに、ＣＰＵ４０には、ブザー鳴動時開始時にセットされるブザーフラグ（レジスタ１０１）と、ブザーフラグ１０１がセットされた時点におけるシートベルトの装着状態を示すシートベルトフラグ群Ｂ１０２が設けられている。ここで、図１において、シートベルトフラグ群Ｂ１０２は、シートベルトフラグ群Ａ１００と比較して上側のフラグが一つ欠けているが、これは、運転席に係るシートベルトフラグ群Ｂ１０２が設けられていないことを意味する。シートベルトフラグ群Ｂ１０２のフラグが一つ欠けているのは、運転中に乗員が運転席へ移動することは考えられないためである。尚、シートベルトフラグ群Ａ１００は、現時点におけるシートベルトの装着状況を示すもので、ある席においてシートベルトが未装着状態にある場合には「１」のフラグがセットされ、逆に、ある席においてシートベルトが装着状態にある場合には「０」のフラグがセットされる。また、ブザーフラグ１０１は、ブザー６０の鳴動を開始する際に「１」のフラグがセットされ、逆に、ブザー６０の鳴動を停止する際に「０」のフラグがセットされる。

　次に、図２は、本発明の実施の形態におけるシートベルト警報発生方法の手順を示すフローチャートである。はじめに、ＣＰＵ４０は、エンジンが始動しているか否かをイグニッションキースイッチ１０の状態から判断する（ステップＳ１０１）。エンジンが始動している場合、次に、ブザーフラグ１０１が「１」にセットされているか否かを判断する（ステップＳ１０２）。

　ＣＰＵ４０は、ブザーフラグ１０１が「１」にセットされていない場合（ステップＳ１０２、Ｎｏ）、次にシートベルトフラグ群Ａ１００が「１」にセットされている座席の有無を判別する（ステップＳ１０３）。このとき、シートベルトフラグ群Ａ１００のフラグのなかに一度「０」にセットされた後に「１」にセットされている後部座席がある場合、該当する座席のＬＥＤ５０を点灯させると同時に（ステップＳ１０４）、ブザー６０の鳴動を開始して（ステップＳ１０５）、且つ、その時点でのシートベルトフラグ群Ａ１００が表す情報をシートベルトフラグ群Ｂ１０２に書き込むとともに、ブザーフラグ１０１を「１」にセットする（ステップＳ１０６）。一方、ステップＳ１０３においてシートベルトフラグ群Ａ１００のフラグのなかに「１」にセットされている後部座席がない場合、ＬＥＤ５０は非点灯とされるとともに（ステップＳ１０７）、ブザーフラグ１０１は「０」のままである。

　尚、運転席や助手席のシートベルトの未装着に係る報知は、前述の通りイグニッションキースイッチ１０や着座センサー２０との組み合わせで行う従来の方法を採用することによって実現することができる。

　ＣＰＵ４０は、次に、ステップＳ１０２でブザーフラグ１０１が「１」にセットされている場合、即ち、現在ブザーによる報知中である場合、それぞれの座席（フラグ）について以下の判断が行われる。まず、シートベルトフラグ群Ｂ１０２が「１」にセットされている座席があるか否かを判別する（ステップＳ１０８）。シートベルトフラグ群Ｂ１０２は、ステップＳ１０５のブザー鳴動開始時点における各座席（運転席を除く。）のシートベルトの装着状態を示すもので、未装着状態である座席に対応するフラグには「１」が、装着状態である座席に対応するフラグには「０」が、セットされている。

　シートベルトフラグ群Ｂ１０２のフラグのなかに「１」にセットされたものがある場合、次に、シートベルトフラグ群Ｂ１０２のフラグが「１」にセットされているその座席に対応するシートベルトフラグ群Ａ１００のフラグが「０」にリセットされているか否かを判断する（ステップＳ１０９）。シートベルトフラグ群Ｂ１０２のなかのある座席のフラグが「１」であっても、現時点でのその座席のシートベルトフラグ群Ａ１００のフラグが「０」、即ち、未装着状態から装着状態に変化している場合、乗員がシートベルトを再装着したと考えられる。従って、その座席のシートベルトフラグ群Ａ１００のフラグが「０」にリセットされている場合（ステップＳ１０９、Ｙｅｓ）、ブザー６０の鳴動を停止させ（ステップＳ１１０）、ブザーフラグ１０１を「０」にリセットする（ステップＳ１１１）。

　ＣＰＵ４０は、一方、シートベルトフラグ群Ｂ１０２のフラグが「１」にセットされており、その座席に対応するシートベルトフラグ群Ａ１００のフラグが「０」にリセットされていない場合（ステップＳ１０９、Ｎｏ）、その他の座席に対応するシートベルトフラグ群Ａ１００のフラグが「１」から「０」に変化したものがないか、つまり、シートベルトが未装着状態から装着状態となっているものがないか否かを判断する（ステップＳ１１２）。例えば、後部座席の１つのシートベルトが未装着となった後、助手席のシートベルトが未装着状態から装着状態となった場合、乗員が後部座席から助手席へ移動したと考えられる。この場合、すべての乗員についてシートベルトが装着されていると判断されるので、これ以上ブザー６０による報知を行う必要性は低いと考えられる。従って、その他の座席において、シートベルトフラグ群Ａ１００のなかに「１」から「０」に変化したフラグがないか、未装着状態から装着状態へのが確認された場合も（ステップＳ１１２、Ｙｅｓ）、ステップＳ１１０へ移行してブザー６０の鳴動を停止させ、ブザーフラグ１０１を「０」にリセットする（ステップＳ１１１）。

　ステップＳ１０９とステップＳ１１２による処理は、要は、ブザー６０を鳴動させる前にシートベルトを装着していた座席と、ブザー６０を鳴動させた後にシートベルトを装着している座席との数を比較するための処理である。別の処理方法としては、シートベルトフラグ群Ａ１００のなかの「０」であるフラグの数と（ただし、運転席に対応するフラグは除く。）、シートベルトフラグ群Ｂ１０２のなかの「０」であるフラグの数と、を比較する処理であってもよいし、逆に、シートベルトフラグ群Ａ１００のなかの「１」であるフラグの数と（ただし、運転席に対応するフラグは除く。）、シートベルトフラグ群Ｂ１０２のなかの「１」であるフラグの数と、を比較する処理であってもよい。また、本発明の実施の形態では、ＣＰＵ４０が、レジスタに記録されたシートベルトフラグ群Ａ、Ｂを参照して、シートベルトフラグ群Ａ、Ｂのフラグの変化を検出する構成について説明したが、記録されたシートベルトフラグ群Ａ、Ｂを基にシートベルトの装着状態の変化を検出する構成のみに限られるものではない。ＣＰＵ４０がリアルタイムでシートベルトスイッチ３０のオン・オフ状態を監視し、あるシートベルトスイッチ３０がオン状態（シートベルトが装着状態であることを表す状態）からオフ状態（シートベルトが未装着であることを示す状態）に変化したことを検出すれば、報知出力を報知部にさせ、その後、いずれか一つのシートベルトスイッチ３０がオフ状態からオン状態に変化すれば、その報知出力を停止させるようにしてもよい。

　ところで、本実施の形態では、ブザーの鳴動のみを途中で停止して、特に著しい違和感や不快感を与えないと考えられるＬＥＤによる報知はそのまま継続表示する構成とした。尚、本実施の形態では、表示による報知手段としてＬＥＤ５０を用いているが、これにとらわれるものではなく、ＬＣＤや有機ＥＬなどを用いた表示であってもかまわない。

　また、ステップＳ１０１からステップＳ１１２までの以上の手順は、所定の周期で実行されるものである。更に、上記のシートベルト警報発生方法の手順は、予め設定されたプログラムをＣＰＵ４０で実行することにより実現されるものである。

　なお、本発明の実施の形態では、ある一つのシートベルトスイッチ３０がオン状態になった後にオフ状態になり、その後、いずれか一つのシートベルトスイッチ３０がオン状態になったときに報知動作を停止する処理について説明したが、次の場合にも報知動作を停止することになる。すなわち、ある一つのシートベルトスイッチ３０がオン状態になった後にオフ状態になり、その後、複数のシートベルトスイッチ３０がオン状態になったときである。この場合は、特に、車両にさらに別の乗員が乗り込む場合に発生し得る。この場合であっても、無用のブザー鳴動を停止することができる。

　本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

　本出願は、2008年6月20日出願の日本特許出願（特願2008－161595）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　１０　イグニッションキースイッチ
　２０　着座センサー
　３０　シートベルトスイッチ
　４０　ＣＰＵ
　５０　ＬＥＤ
　６０　ブザー
　１００　シートベルトフラグ群Ａ
　１０１　ブザーフラグ
　１０２　シートベルトフラグ群Ｂ

Claims (2)

1. 　シートベルトを有する複数の座席毎に設けられ、該シートベルトが装着されているか否かをオン／オフ状態で示す複数のシートベルトスイッチと、
   　記憶部と、
   　前記複数のシートベルトスイッチそれぞれのオン／オフ状態に基づいた前記シートベルトそれぞれが装着されているか否かを識別するためのフラグ群を前記記憶部に、連続する複数時点分、記憶する制御部と、
   　前記制御部により報知動作を制御される報知部と、
   を備え、
   　前記制御部は、第１の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の第１のフラグ群と、前記第１の時点より後の第２の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の第２のフラグ群と、を比較して、前記シートベルトが装着されている、運転席を除く前記座席の数の減少を判定した場合に前記報知部に報知出力をさせ、その後、前記第２の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の前記第２のフラグ群と、前記第２の時点より後の第３の時点にて前記記憶部に記憶した前記複数のシートベルトスイッチ毎の第３のフラグ群と、を比較して、前記シートベルトが装着されている、前記運転席を除く前記座席の数が前記報知部に前記報知出力をさせたときの数以上であることを判定した場合に、前記報知部による前記報知出力を停止させる、
   ことを特徴とするシートベルト警報発生装置。
2. 　シートベルトが装着されている、運転席を除く座席の数が減少したときに報知出力をする報知ステップと、
   　シートベルトが装着されている、運転席を除く座席の数が前記報知ステップにて前記報知出力をしたときの数以上になったときに前記報知出力を停止する停止ステップと、
   を有することを特徴とするシートベルト警報発生方法。

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