WO2009096428A1 - 表示システム、表示効果測定システム、表示方法、表示効果測定方法、及び、記録媒体 - Google Patents
表示システム、表示効果測定システム、表示方法、表示効果測定方法、及び、記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
表示システム(100)は、画像を表示する表示装置(11)と、表示装置(11)の表示画像を観察しうる領域の画像を取得するカメラ(21)と、カメラ(21)で取得した画像を解析して、観察者を判別し、判別した各観察者の表示装置(11)の表示画像への注目時間と表示装置(11)からの距離を判別する効果測定装置(41)とを備える。効果測定装置(41)は、判別した注目時間と距離とに基づいて、予め定められた基準に従って表示装置(11)の表示に対する注目度を示す指標、及び、各観察者の属性を求める。この指標値は、表示画像への注目時間が長くなるに従って大きくなり、距離が大きくなるに従って小さくなる。
Description
本発明は、表示画像が観察者に与えた印象を判別する機能を備える表示システム、表示効果測定システム、表示方法、表示効果測定方法、及び、記録媒体に関する。
広告を表示装置に表示し、この広告を視聴した(観察した)人がどの程度いるのかを測定することで、広告効果を測定するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された広告効果測定システムは、広告表示装置近傍の画像を取得し、取得した画像を解析し、取得した画像内の人数や各人の移動状況等を測定しているに過ぎない。従って、特許文献1に開示された広告効果評価システムでは、広告の効果を適切に評価することができない。
例えば、特許文献1に開示された広告効果測定システムにおいて、仮に、取得した画像内の人の目線を検出したとしても、その人が表示装置から遠い位置にいるのでは広告効果は期待できない。また、特許文献1に開示された広告効果測定システムにおいて、仮に、取得した画像内の人の目線を検出したとしても、その人が一瞬しか表示を見ていない場合には、広告効果は期待できない。特許文献1では、このような分析はできない。
例えば、特許文献1に開示された広告効果測定システムにおいて、仮に、取得した画像内の人の目線を検出したとしても、その人が表示装置から遠い位置にいるのでは広告効果は期待できない。また、特許文献1に開示された広告効果測定システムにおいて、仮に、取得した画像内の人の目線を検出したとしても、その人が一瞬しか表示を見ていない場合には、広告効果は期待できない。特許文献1では、このような分析はできない。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、表示画像が観察者に与えた効果を適切に測定することを可能とする表示システム、表示効果測定システム、表示方法、表示効果測定方法、及び、記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点に係る表示システムは、
画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の表示画像を観察しうる領域の画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段で取得した画像を解析して、前記表示装置の表示画像を見ている観察者を判別し、判別した各観察者の前記表示装置の表示画像への注目時間と前記表示装置からの距離とを判別する画像解析手段と、
を備える、ことを特徴とする。
画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の表示画像を観察しうる領域の画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段で取得した画像を解析して、前記表示装置の表示画像を見ている観察者を判別し、判別した各観察者の前記表示装置の表示画像への注目時間と前記表示装置からの距離とを判別する画像解析手段と、
を備える、ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、この発明の第2の観点に係る表示効果測定システムは、
表示装置の周囲を撮像した画像を解析して、表示画像に注目している者を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別した各注目者の前記表示装置の表示画像への注目時間と表示装置からの距離とを判別する画像解析手段と、
を備える、ことを特徴とする。
表示装置の周囲を撮像した画像を解析して、表示画像に注目している者を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別した各注目者の前記表示装置の表示画像への注目時間と表示装置からの距離とを判別する画像解析手段と、
を備える、ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、この発明の第3の観点に係る表示方法は、
表示画像を表示し、
前記表示画像を視認可能な領域の画像を取得し、
取得した画像を解析して、前記表示画像に注目している者について、該表示画像への注目時間と表示画像からの距離とを判別する、
ことを特徴とする。
表示画像を表示し、
前記表示画像を視認可能な領域の画像を取得し、
取得した画像を解析して、前記表示画像に注目している者について、該表示画像への注目時間と表示画像からの距離とを判別する、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、この発明の第4の観点に係る表示効果測定方法は、
表示画像を視認可能な領域を撮像した画像を解析して、表示画像に注目している人を特定し、
特定した人について、表示画像への注目時間と表示画像からの距離とを判別する、
ことを特徴とする。
表示画像を視認可能な領域を撮像した画像を解析して、表示画像に注目している人を特定し、
特定した人について、表示画像への注目時間と表示画像からの距離とを判別する、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、この発明の第5の観点に係る記録媒体は、
コンピュータを、
表示装置の表示画像を観察しうる領域の画像を解析し、該表示画像を見ている観察者を判別する判別手段、
前記判別手段で判別した各観察者の前記表示装置の表示画像への注目時間と表示装置からの距離とを判別する画像解析手段、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
コンピュータを、
表示装置の表示画像を観察しうる領域の画像を解析し、該表示画像を見ている観察者を判別する判別手段、
前記判別手段で判別した各観察者の前記表示装置の表示画像への注目時間と表示装置からの距離とを判別する画像解析手段、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
上記構成によれば、各観察者が表示装置の表示画像を見ていた時間と、各観察者の表示装置からの距離を求めるので、表示が観察者(注目者)に与えた効果を的確に評価することが可能となる。
11 表示装置
21 カメラ
31 広告配信装置
41 効果測定装置
100 広告表示システム
21 カメラ
31 広告配信装置
41 効果測定装置
100 広告表示システム
以下、本発明の実施の形態に係る広告表示システム100について図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る広告表示システム100は、図1に示すように、表示装置11と、カメラ21と、広告配信装置31と、効果測定装置41とを備える。
表示装置11は、例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶表示パネル等の比較的大型の表示装置とスピーカ等の音響装置とを備える。表示装置11は、街頭・車両等に設置され、広告用の画像や音声等を表示、放音し、観察者OBに広告を提供する。
カメラ21は、表示装置11の近傍に配置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOSセンサカメラなどから構成され、図2(a)、(b)に示すように、表示装置11の近傍を含む前方エリア、すなわち、表示装置11の表示を視認可能な領域を撮像する。
広告配信装置31は、ネットワークを介して表示装置11に接続され、スケジュールに従って、広告を含むマルチメディアデータを表示装置11に供給する。
図3に広告配信装置31の構成の一例を示す。図示するように、広告配信装置31は、スケジュールデータベース(DB)32と、コンテンツDB33と、通信部34と、入出力部35と、制御部36とを備える。
スケジュールDB32は、広告を配信(表示)するための配信スケジュールを格納する。具体的に、スケジュールDB32は、図4に示すように、広告を配信(表示)する時刻(表示開始時刻、終了時刻)と、配信(表示)対象のコンテンツ(例えば、音声付きの動画)の格納位置を示すアドレス(URL(Uniform Resource Locator))とを対応付けた配信スケジュールを記憶する。
図3に戻り、コンテンツDB33は、配信(表示)対象のコンテンツ(例えば、MPEGフォーマットの音声付動画)等を格納する。コンテンツDB33に格納されている各コンテンツはURLで特定される。配信スケジュールはこのURLで表示対象のコンテンツを特定する。
通信部34は、インターネット等のネットワークNWを介して、表示装置11、広告提供者の広告提供者端末51等と通信を行う。
入出力部35は、キーボード、マウス、表示装置などを備え、制御部36に種々の指示やデータを入力し、また、制御部36からの出力を表示する。
制御部36は、プロセッサなどを備え、RTC(リアルタイムクロック)を備えると共に制御プログラムに従って動作する。具体的には、制御部36は、スケジュールDB32に登録されている配信スケジュールに従って、表示装置11に表示すべきコンテンツを、コンテンツDB33から読み出す。そして、制御部36は、通信部34からネットワークNWを介して、表示装置11に読み出したコンテンツを供給する。さらに、制御部36は、広告の出稿者が使用する広告提供者端末51からのコンテンツを受信し、コンテンツDB33の指定されたURLに格納する。また、制御部36は、入出力部35からの指示に応答して、配信スケジュールを編集及び更新する。
図1に示す効果測定装置41は、カメラ21が撮像した画像をフレーム単位に解析し、表示装置11の表示画像を見ている人(観察者)OBを識別する。そして、効果測定装置41は、識別した観察者OBの属性(例えば、年齢層、性別)と、滞留時間(表示画像を観察していた継続時間)と、表示装置11からの平均距離(観察者OBと表示装置11との間の平均距離)とを求める。そして、効果測定装置41は、滞留時間と平均距離とに基づいて、各観察者OBに与えた広告効果を示す指標を求める。
本実施形態では、広告をどれだけ注目したかの指標として、図5に示すように、滞留時間Tと平均距離Rとの相関関係に基づいて、観察者に対する広告効果を大、中、小の指標で示す。この指標は、表示画像への注目時間(見ている時間)が長くなるに従って大きくなり、表示装置11からの距離が大きくなるに従って小さくなる指標である。
本実施形態では、広告をどれだけ注目したかの指標として、図5に示すように、滞留時間Tと平均距離Rとの相関関係に基づいて、観察者に対する広告効果を大、中、小の指標で示す。この指標は、表示画像への注目時間(見ている時間)が長くなるに従って大きくなり、表示装置11からの距離が大きくなるに従って小さくなる指標である。
図6に効果測定装置41の構成例を示す。
図示するように、効果測定装置41は、ネットワークNWを介してカメラ21に接続され、モデルDB42と、フレームメモリ43と、ワークメモリ44と、広告効果メモリ45と、入出力部46、通信部47と、制御部48とを備える。
図示するように、効果測定装置41は、ネットワークNWを介してカメラ21に接続され、モデルDB42と、フレームメモリ43と、ワークメモリ44と、広告効果メモリ45と、入出力部46、通信部47と、制御部48とを備える。
モデルDB42は、図7に例示するように、顔画像のモデル(母集団)を解析して得られた各種特徴量の組み合わせと年齢層及び性別との対応関係(モデル情報)を記憶する。
フレームメモリ43は、カメラ21から供給される各フレーム画像を順次記憶する。
ワークメモリ44は、制御部48のワークエリアとして機能する。
広告効果メモリ45は、図8に示すように、表示装置11に表示した広告を見た(観察した)と分析した各人毎に、各人を特定するID、滞留時間T、平均距離R、属性(年齢、性別等)、及び、広告効果を示す指標を格納する。広告効果は、図5に示す評価基準に基づいて、大・中・小の3段階で評価される。
図6に戻り、入出力部46は、キーボード、マウス、表示装置などを備え、制御部48に種々の指示やデータを入力し、また、制御部48からの出力を表示する。
通信部47は、インターネット等のネットワークNWを介して、カメラ21、広告提供者端末51等と通信を行う。
制御部48は、プロセッサなどを備え、制御プログラムに従って動作し、カメラ21が撮影した画像を通信部47を介して受信して、フレームメモリ43に格納する。
また、制御部48は、フレームメモリ43に格納したフレーム画像を順次読み出し、ワークメモリ44を使用して画像解析を行い、画像中の顔の視線(カメラ21の方向への視線、すなわち、表示装置11の表示画像への視線)を検出する。そして、制御部48は、視線を検出した顔の種々の特徴量を求め、求めた特徴量の組み合わせとモデルDB42に格納されているモデル情報とに基づいて、各観察者の属性(年齢層、性別)を推定する。
さらに、制御部48は、視線を検出した観察者の滞留時間Tと表示装置11からの平均距離Rを判別する。
さらに、制御部48は、視線が検出できなくなった時点で、その観察者について、滞留時間T及び平均距離Rと、図5に示す評価基準とに基づいて、広告効果を求め、広告効果メモリ45に図8に例示するように登録する。
また、制御部48は、フレームメモリ43に格納したフレーム画像を順次読み出し、ワークメモリ44を使用して画像解析を行い、画像中の顔の視線(カメラ21の方向への視線、すなわち、表示装置11の表示画像への視線)を検出する。そして、制御部48は、視線を検出した顔の種々の特徴量を求め、求めた特徴量の組み合わせとモデルDB42に格納されているモデル情報とに基づいて、各観察者の属性(年齢層、性別)を推定する。
さらに、制御部48は、視線を検出した観察者の滞留時間Tと表示装置11からの平均距離Rを判別する。
さらに、制御部48は、視線が検出できなくなった時点で、その観察者について、滞留時間T及び平均距離Rと、図5に示す評価基準とに基づいて、広告効果を求め、広告効果メモリ45に図8に例示するように登録する。
次に、上記構成の広告表示システム100の動作を説明する。
広告配信装置31の制御部36は、定期的にスケジュールDB32と内蔵するRTCの計時時刻とを参照し、表示装置11に配信すべきコンテンツの格納位置を示すURLを求める。制御部36は、求めたURLで特定されるコンテンツを、コンテンツDB33から読み出し、通信部34とネットワークNWを介して表示装置11に送信する。
広告配信装置31の制御部36は、定期的にスケジュールDB32と内蔵するRTCの計時時刻とを参照し、表示装置11に配信すべきコンテンツの格納位置を示すURLを求める。制御部36は、求めたURLで特定されるコンテンツを、コンテンツDB33から読み出し、通信部34とネットワークNWを介して表示装置11に送信する。
表示装置11は、送信されたコンテンツを受信し、スケジュールに従って表示する。
なお、広告提供者は、広告提供者端末51を使用して各URLに格納されているコンテンツを書き換えることで、スケジュール自体には手を加えること無く、表示する広告を変更することができる。
カメラ21は、図2(a)、(b)に示すように、表示装置11の前方の画像を常時撮影し、例えば、1/30秒のフレーム周期でフレーム画像を取得し、ネットワークNWを介して効果測定装置41に提供する。
効果測定装置41の制御部48は、通信部47を介して、カメラ21からのフレーム画像を取得し、フレームメモリ43に格納する。
一方、制御部48は、電源投入後、図9に示す広告効果測定処理を周期的に実行する。
まず、制御部48は、フレームメモリ43から1枚のフレーム画像を取得し、ワークメモリ44に展開する(ステップS11)。
次に、制御部48は、取得したフレーム画像の中から、表示装置11を見ている人(観察者)の顔画像を抽出する(ステップS12)。
表示装置11を見ている人(観察者)の顔画像を抽出する手法は任意である。例えば、制御部48は、フレーム画像全体の平均輝度に基づいて定めた閾値により、フレーム画像を二値化し、二値化画像中で一定の距離(10~18cm相当)にある2つの黒点(目の画像と推定されるもの)の組を抽出する。続いて、制御部48は、元のフレーム画像中で、抽出された黒点の組を基準として一定範囲の画像を抽出し、これを予め用意されている顔の画像のサンプルとマッチングし、一致する場合に、その画像を表示装置11を見ている人の顔画像として抽出すればよい。
なお、仮に顔画像が抽出できたとしても、表示装置11の画面を見ていない人の顔画像を抽出しないようにする工夫が必要である。
例えば、顔画像を抽出した後で、制御部48は、顔の重心の位置から顔の向きを判別し、さらに、目の画像中で、瞳が目の左右方向のいずれ方向にあるかを判別し、実際の目線の方向が表示装置11の画面を向いているか否かを判別し、画面を向いていると判別した顔画像のみを抽出する等してもよい。
次に、制御部48は、抽出された各顔画像について、仮IDを付す(ステップS13)。例えば、図10(a)に示すように、フレーム画像FM中に、表示装置11を見ていると判別された3つの顔画像が抽出されたとすれば、図10(b)に例示するように仮ID(=1、2、3)を付す。
次に、制御部48は、仮IDを付した各顔画像のサイズ(縦横のドット数)と、各顔画像のフレーム画像FM内の位置(X、Y座標)とを求める(ステップS14)。さらに、制御部48は、各顔画像のサイズを必要に応じて所定サイズに正規化した上で、顔を識別するための複数の特徴量を求める(ステップS14)。
ここで「特徴量」とは、顔画像の特徴を表す各種のパラメータである。具体的には、顔画像の各画素の濃度勾配を表す勾配ベクトル、各画素の色情報(色相、彩度)、濃度、テクスチャーの特徴や奥行を示す情報、及び、顔画像に含まれるエッジの特徴を示す情報等、いかなる特徴を表すパラメータを特徴量として用いてもよい。なお、この特徴量としては、既知の種々の特徴量を使用してもよい。例えば、両目と鼻の頂点との距離などを特徴量として使用することも可能である。
制御部48は、このようにして求めた顔画像の仮IDと顔のサイズと位置と特徴量とを、例えば、図11に示すように、対応付けて記憶する(ステップS15)。
次に、制御部48は、仮IDが付された各顔画像を処理するため、仮IDを示すポインタiに初期値1をセットする(ステップS16)。
次に、制御部48は、仮ID=iで特定される顔画像の位置及び特徴を、前フレームまでに抽出されて固定IDが付与されている複数の顔画像の位置及び特徴と比較し(ステップS17)、一致するものがあるか否かを判別する(ステップS18)。
フレーム周期(例えば、1/30秒)の間に、人間はほとんど移動できない。例えば、通常の歩行程度では、10cm程度しか移動できない。そこで、制御部48は、従前の位置から10cm程度の移動範囲内にあって、特徴量がほぼ一致するものがあれば、同一人物の顔であると判別する。逆に、制御部48は、位置がほぼ一致しても、特徴量が大きく異なっている場合や、特徴量がほぼ一致しても、位置が大きくずれている場合には、異なる人物の顔であると判別する。
例えば、現在のフレーム画像FMが図10(b)、従前のフレーム画像FMが図10(c)に示すものであるとする。この場合、仮ID=2、3で特定される顔画像は、固定ID=302、305で特定される顔画像と、位置と特徴量とがほぼ等しいため、一致すると判別される。一方、仮ID=1で特定される顔画像は、固定ID=301で特定される顔画像と、特徴量はほぼ等しいが、位置が大きく異なるため、不一致と判別される。また、仮ID=1で特定される顔画像と固定ID=303で特定される顔画像とは、位置がほぼ等しいが特徴量が大きく異なるため、不一致と判別される。
図9に戻り、ステップS18で、従前のフレーム画像中に一致する顔画像が存在しないと判別した場合(ステップS18;No)、その顔画像の人物は、表示装置11の表示を新たに見始めた人であると考えられる。このため、制御部48は、その顔画像について、分析を開始するため、新規に固定IDを採番し、新レコードを作成し、顔画像のサイズとフレーム画面内の位置(x、y)と特徴量とを登録する(ステップS19)。さらに、制御部48は、顔のサイズに基づいて、平均距離Rを判別し、登録する(ステップS19)。また、制御部48は、求めた特徴量の組とモデルDB42に格納されている特徴量の組とを比較し、顔画像に対応する年齢層と性別とを求め、属性として登録する(ステップS19)。さらに、制御部48は、継続フレーム数Nに1を設定する(ステップS19)。
図10に示す例では、図10(b)に示した3つの顔のうち、仮ID=1で特定された顔が、このフレームで新たに目線が検出された顔であると判別され、図12に例示するように、レコードが新たに生成される。
図9に戻り、ステップS18で、従前のフレーム画像中に一致する顔画像が存在すると判別した場合(ステップS18;Yes)、その顔画像の人物は、このフレーム期間、表示装置11の表示を見続けていた人であると考えられる。このため、制御部48は、その人物についての分析を継続するため、該当するレコードについて、フレーム画面内の位置(x,y)を更新し、平均距離Rを以下の式で求めた値に更新する(ステップS20)。
平均距離R=(該当レコードに記憶されている平均距離R・継続フレーム数N+今回の顔画像のサイズから求めた距離)/(N+1)
続いて、制御部48は、継続フレーム数Nを+1する(ステップS20)。また、制御部48は、必要に応じて属性情報(年齢層、性別等)を更新してもよい。
平均距離R=(該当レコードに記憶されている平均距離R・継続フレーム数N+今回の顔画像のサイズから求めた距離)/(N+1)
続いて、制御部48は、継続フレーム数Nを+1する(ステップS20)。また、制御部48は、必要に応じて属性情報(年齢層、性別等)を更新してもよい。
図10に示す例では、固定ID=302、305の顔画像について、対応するレコードを、図13(a)から図13(b)に示すように、更新する。
続いて、制御部48は、全ての仮IDについて、処理が終了したか否かを判別し(ステップS21)、終了していなければ(ステップS21;No)、ポインタiを+1して(ステップS22)、ステップS17に戻り、次の顔画像について同様の処理を繰り返す。
このようにして、全ての顔画像について処理が終了すると、すなわち、今回処理したフレーム画像FM中、表示装置11の表示を見ていると判別される人物についての分析の処理が終了すると、ステップS21でYesと判別される。
ステップS21でYesと判別されると、制御部48は、顔画像(視線)が検出されなくなった顔画像の固定IDが存在するか否かを判別する(ステップS23)。
すなわち、従前のフレーム画像で目線が検出されたが今フレームでは検出されないという場合には、対応する顔画像の人物は、直前までは表示装置11の表示を見ていたが、見るのをやめたこととなる。そこで、ステップS23で、Yesと判別された場合、制御部48は、判別された固定IDの顔画像について、広告効果を求める(ステップS24)。すなわち、制御部48は、その固定IDで特定されるレコードに記録されている継続フレーム数Nにフレーム周期ΔTを乗算して滞留期間(連続して表示を見ていた期間)Tを求める。また、制御部48は、この滞留期間Tと平均距離Rとを図5に示すマップに当てはめて、広告効果を求める。続いて、制御部48は、この広告効果をレコードに追加し、該レコードをワークメモリ44から広告効果メモリ45に移動する。
すなわち、従前のフレーム画像で目線が検出されたが今フレームでは検出されないという場合には、対応する顔画像の人物は、直前までは表示装置11の表示を見ていたが、見るのをやめたこととなる。そこで、ステップS23で、Yesと判別された場合、制御部48は、判別された固定IDの顔画像について、広告効果を求める(ステップS24)。すなわち、制御部48は、その固定IDで特定されるレコードに記録されている継続フレーム数Nにフレーム周期ΔTを乗算して滞留期間(連続して表示を見ていた期間)Tを求める。また、制御部48は、この滞留期間Tと平均距離Rとを図5に示すマップに当てはめて、広告効果を求める。続いて、制御部48は、この広告効果をレコードに追加し、該レコードをワークメモリ44から広告効果メモリ45に移動する。
図10の例では、図10(c)に示す従前のフレーム画像FM中にあった固定ID301で特定される顔画像が、図10(d)に示す今回のフレーム画像中に存在しない。このため、固定ID301で特定される顔画像について、広告効果が求められ、図8に示す広告効果メモリ45に新規レコードとして追加される。
その後、フローはステップS11にリターンする。
一方、ステップS23で、Noと判別された場合、制御部48は、ステップS24をスキップしてステップS11にリターンする。
このような処理を繰り返すことにより、表示装置11の表示を新たに見たと判別された人(顔画像)に固定IDが付与されて、この固定IDに基づいて複数フレームにわたって継続的に距離R等の分析がなされる。そして、表示装置11の表示を見るのをやめたと判別された段階で、当該固定IDの顔画像の分析は終了し、広告効果や属性等が求められる。
そして、制御部48は、広告効果メモリ45に格納された情報を適宜分析し、広告提供者端末51等に提供する。
なお、図14に示すように、ステップS15で仮IDと顔のサイズと位置と特徴量とを対応付けた後、即座に、フレームメモリ43に記憶されているフレーム画像をリセットすることにより完全に消去するステップS31の処理を追加してもよい。このようにすることで、顔画像が外部に流出することを防止することが可能となる。なお、この場合、以後の処理は、得られた仮IDと付随するデータのみで行えばよい。
また、制御部48がより詳細な分析を行い、例えば、図15に例示するように、時間帯毎(図15(a))、属性毎(図15(b))、時間帯と属性の組み合わせ毎(図15(c))、及び、直近から所定時間内の属性別(図15(d))等に分類して広告効果を測定し、その測定結果に基づいて配信する広告を制御(選択)してもよい。なお、図15(d)で属性別に求められているポイントは、例えば、広告効果の大、中、小に対応したポイントを属性別に累算して求めたものである。
また、図16に示すように、表示(配信)対象コンテンツに、ターゲットとする属性(年齢層と性別)を付加しておき、直近の属性別に求めた広告効果に基づいて、広告効果が高い所定範囲の属性をターゲットとする広告を判別して、配信・表示するようにしてもよい。
また、図16に示すように、表示(配信)対象コンテンツに、ターゲットとする属性(年齢層と性別)を付加しておき、直近の属性別に求めた広告効果に基づいて、広告効果が高い所定範囲の属性をターゲットとする広告を判別して、配信・表示するようにしてもよい。
なお、広告効果を分析する手法は任意である。
例えば、本実施の形態では、図5に示すように、平均距離R5段階、滞留時間T5段階に基づいて、広告効果を大・中・小の3段階に分析したが、距離の段階数、滞留時間の段階数、更に、広告効果の段階数は任意に設定可能である。更に、3段階での広告効果の分析と、7段階での広告効果の分析とを並行してもよい。また、分析の依頼主が要求に応じて、例えば、クライアントAには3段階、クライアントBには、7段階での広告効果の分析結果を送信する等してもよい。
例えば、本実施の形態では、図5に示すように、平均距離R5段階、滞留時間T5段階に基づいて、広告効果を大・中・小の3段階に分析したが、距離の段階数、滞留時間の段階数、更に、広告効果の段階数は任意に設定可能である。更に、3段階での広告効果の分析と、7段階での広告効果の分析とを並行してもよい。また、分析の依頼主が要求に応じて、例えば、クライアントAには3段階、クライアントBには、7段階での広告効果の分析結果を送信する等してもよい。
さらに、属性別に、図5に示す広告効果の分析を行うようにしてもよい。
また、図5に示すような段階的な指標ではなく、例えば、次式に例示するような広告効果の指標を使用することも可能である。
広告効果=Σk/Ri
ここで、 kは任意の定数、Ri(i=1、2…)は目線を検出した各人の表示装置11からの距離である。
また、図5に示すような段階的な指標ではなく、例えば、次式に例示するような広告効果の指標を使用することも可能である。
広告効果=Σk/Ri
ここで、 kは任意の定数、Ri(i=1、2…)は目線を検出した各人の表示装置11からの距離である。
さらに、図15に示す分析期間(時間帯)を、より短時間或いはより長時間としたり、表示された広告画像のフレーム単位としたりすることも可能である。
例えば、表示装置11とカメラ21とに同期したクロックを供給し、表示装置11の表示フレームとカメラ21の撮像フレームとを同期させる。そして、カメラ21の各撮像フレームの画像を解析して、そのタイミングで表示装置11を注目していた人の数、属性などを求め、対応する表示フレームの広告効果として出力してもよい。
例えば、表示装置11とカメラ21とに同期したクロックを供給し、表示装置11の表示フレームとカメラ21の撮像フレームとを同期させる。そして、カメラ21の各撮像フレームの画像を解析して、そのタイミングで表示装置11を注目していた人の数、属性などを求め、対応する表示フレームの広告効果として出力してもよい。
また、入出力部46、通信部47を介した外部装置からの設定により、適宜、分析の単位時間、評価の基準などを設定・追加できるようにしてもよい。例えば、顔画像を解析して得られる特徴量の組み合わせと属性との対応関係が新たに判別した場合などに、外部装置から入出力部46或いは通信部47を介してその対応関係を制御部48に提供し、制御部48が分析の対象とするようにしてもよい。
また、一般的に、表示装置11の表示を見ながら表示装置11に近づいて来た人への広告効果は相対的に高く、表示装置11の表示を見ながら表示装置11から遠ざかった人への広告効果は相対的に低いと解される。例えば、図17の例では、滞留時間が同一であるとすれば、表示を見ながら表示装置11に近づいて来た人OB1への広告効果は相対的に高く、表示を見ながら表示装置11から遠ざかった人OB2への広告効果は相対的に低い。
そこで、例えば、図9のステップS19、S20、及び、S24を、図18に示すステップS19’、S20’、及び、S24’に変更した広告効果測定処理を実施してもよい。即ち、ステップS19’、S20’で、制御部48は、従来の分析処理に加えて、観察者OBと表示装置11との距離Rを現在時刻と対応付けて記憶する。
そして、ステップS24’で、制御部48は、距離Rの時間軸上の履歴を分析して、広告観察者が広告に近づいたか遠ざかったかの指標を判別し、その指標も考慮に入れた広告効果を求める。例えば、距離Rが4→3.9→3.8→・・・→2というように、基準量以上小さくなる履歴を含む場合には、制御部48は、広告効果を+m段階(mは近づいた程度を示す数値)し、距離Rが3→3.1→3.2→・・・→5というように、Rが基準量以上小さくなる履歴が大半を占める場合には、広告効果を-n段階(nは遠ざかった程度を示す数値)するなどして、広告効果を移動方向、及び/又は、移動量によって調整すればよい。また、図19に例示するように、広告に近づいたか遠ざかったのかの指標を、上記の広告効果とは別の指標として提供するようにしてもよい。
そして、ステップS24’で、制御部48は、距離Rの時間軸上の履歴を分析して、広告観察者が広告に近づいたか遠ざかったかの指標を判別し、その指標も考慮に入れた広告効果を求める。例えば、距離Rが4→3.9→3.8→・・・→2というように、基準量以上小さくなる履歴を含む場合には、制御部48は、広告効果を+m段階(mは近づいた程度を示す数値)し、距離Rが3→3.1→3.2→・・・→5というように、Rが基準量以上小さくなる履歴が大半を占める場合には、広告効果を-n段階(nは遠ざかった程度を示す数値)するなどして、広告効果を移動方向、及び/又は、移動量によって調整すればよい。また、図19に例示するように、広告に近づいたか遠ざかったのかの指標を、上記の広告効果とは別の指標として提供するようにしてもよい。
また、例えば、図20に示すように、表示装置11の前方エリアを複数の領域(エリア1、2、3)に区切る仮想的なライン(仮想ライン1、2)を設定し、観察者OBがエリア1から仮想ライン1を超えてより近いエリア2に移動した場合には、広告効果を示す指標(ポイント)を+mし、さらに、観察者OBがエリア2から仮想ライン2を超えてより近いエリア3に移動した場合には、ポイントを+nする、というように、距離の変化の履歴からある仮想ラインを超えたときに、追加の広告効果ポイントを付与するような構成としてもよい。また、観察者OBがエリア3から仮想ライン2を超えてより遠いエリア2に移動した場合には、ポイントを-mし、さらに、観察者OBがエリア2から仮想ライン1を超えてより遠いエリア1に移動した場合には、ポイントを-nするようにしてもよい。
なお、広告配信・表示を中心として説明したが、広告に限定されず、任意のコンテンツ、例えば、教材用表示、公報用表示、等にも本発明は適用可能である。
また、図1,図3,図6等で示したシステム構成及び図9、図18で示したフローチャートなどは、例示であり、同様の機能を実現できるならば、適宜変更可能である。
例えば、表示装置11は投影装置でもよい。この場合は、スクリーン(=画面(例えば、ビルの壁面等))にカメラ21を配置すればよい。
また、複数台のカメラ21を配置し、ステレオ画像から、観察者OBまでの距離をもとめてもよい。
また、複数台のカメラ21を配置し、ステレオ画像から、観察者OBまでの距離をもとめてもよい。
本出願は、2008年1月28日に出願された日本国特許出願特願2008-016938号に基づく。本明細書中に、それらの明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
本発明は、広告を表示する電子看板などに利用することが可能である。
Claims (15)
- 画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の表示画像を観察しうる領域の画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段で取得した画像を解析して、前記表示装置の表示画像を見ている観察者を判別し、判別した各観察者の前記表示装置の表示画像への注目時間と前記表示装置からの距離とを判別する画像解析手段と、
を備える、ことを特徴とする表示システム。 - 前記画像解析手段で判別した注目時間と距離とに基づいて、予め定められた基準に従って前記表示装置の表示に対する注目度を示す指標を求める指標生成手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。 - 前記画像解析手段は、前記撮像手段で撮像した画像を解析して、各観察者の属性を判別する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。 - 前記画像解析手段で判別した各観察者の注目時間と距離と属性とに基づいて、予め定められた基準に従って、前記表示装置の表示に対する属性別の注目度を示す指標を求める指標生成手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示システム。 - 前記表示装置に表示する各表示画像には、ターゲットとする人の属性が付加されており、
前記指標生成手段で属性別に求められた注目度を示す指標に基づいて、前記表示装置に表示する表示画像を判別する手段を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示システム。 - 前記指標生成手段は、表示画像への注目時間が長くなるに従って指標値を大きくし、距離が大きくなるに従って指標値を小さくする、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の表示システム。 - 前記画像解析手段は、観察者が、表示に注目しつつ移動した場合に、移動の方向を求める手段を備え、
前記指標生成手段は、移動の方向の変化に基づく指標値を生成する、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の表示システム。 - 前記画像解析手段は、観察者が、表示に注目しつつ移動した場合に、移動の距離を求める手段を備え、
前記指標生成手段は、移動の距離の変化に基づく指標値を生成する、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の表示システム。 - 前記画像解析手段は、観察者が、表示に注目しつつ移動した場合に、移動による該観察者の属するエリアの変化を求める手段を備え、
前記指標生成手段は、エリアの変化に基づく指標値を生成する、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の表示システム。 - 前記表示装置に表示対象画像を配信する配信手段をさらに備え、
前記配信手段は、前記画像解析手段の判別結果の生成した指標に基づいて、配信する表示対象画像を選択する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。 - 前記表示装置に表示対象画像を配信する配信手段をさらに備え、
前記配信手段は、前記画像解析手段の判別結果又は前記指標生成手段の生成した指標に基づいて、配信する表示対象画像を選択する手段を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示システム。 - 表示装置の周囲を撮像した画像を解析して、表示画像に注目している者を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別した各注目者の前記表示装置の表示画像への注目時間と表示装置からの距離とを判別する画像解析手段と、
を備える、ことを特徴とする表示効果測定システム。 - 表示画像を表示し、
前記表示画像を視認可能な領域の画像を取得し、
取得した画像を解析して、前記表示画像に注目している者について、該表示画像への注目時間と表示画像からの距離とを判別する、
ことを特徴とする表示方法。 - 表示画像を視認可能な領域を撮像した画像を解析して、表示画像に注目している人を特定し、
特定した人について、表示画像への注目時間と表示画像からの距離とを判別する、
ことを特徴とする表示効果測定方法。 - コンピュータを、
表示装置の表示画像を観察しうる領域の画像を解析し、該表示画像を見ている観察者を判別する判別手段、
前記判別手段で判別した各観察者の前記表示装置の表示画像への注目時間と表示装置からの距離とを判別する画像解析手段、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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