JP6583996B2 - 映像評価装置、及びプログラム - Google Patents
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- Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
- Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
Description
例えば、特許文献1の技術では、映像コンテンツ自体が有する誘目性の影響が考慮されていない。そのため、映像の文脈によるものか、あるいは顕著性の高い部分に誘導されたものかなどの要因が特定できず、演出で用いた映像表現の効果を評価する際に課題がある。また、非特許文献1〜3の技術で得られるモデルは、実際に映像を視聴している際の視線を測定して注視点の分布や停留時間などとの相関からモデルの妥当性を評価しているが、映像自体の評価には至っていない。そして、特許文献2の技術では、視線分布と顕著性マップとを比較する際に眼球運動の時間的な特性(眼球運動の遅れ時間)が考慮されていないため、精度的な課題がある。
この発明によれば、映像評価装置は、視聴者が映像を視聴したときのフレームごとの視点を示す視線データから視線の移動速度を求め、求めた移動速度に基づいてサッカードの開始から終了までのフレームを特定する。さらに、映像評価装置は、視点の移動速度に基づいて、サッカードの終了から次のサッカードの開始までに視聴者が注視したフレームを特定し、そのフレームにおける視点の位置に基づいて注視領域を抽出すると、注視領域における視点の分布に基づいて領域窓関数を算出する。映像評価装置は、サッカードが終了したフレームから、潜時分とサッカードに要した時間分のフレーム数だけ遡ったターゲットフレームの顕著性マップを算出し、ターゲットフレームにおける注視領域の部分に領域窓関数を適用した値を用いて誘目度を算出する。
これにより、映像評価装置は、眼球運動の時間的な特性を考慮して、視聴者が映像の特徴によって誘目されている程度を精度よく、定量的な値により評価することができる。
この発明によれば、映像評価装置は、注視領域の中でも、視聴者が特に注視している箇所に近いほど、ターゲットフレームの顕著性マップに適用する係数値が高くなるような領域窓関数を算出することができる。
これにより、映像評価装置は、視聴者の目を惹いたフレーム画像の部分については、顕著性マップの値の重みを高くし、高い誘目度が得られるようにするため、視聴者が映像の特徴によって誘目されている程度を精度よく評価することができる。
この発明によれば、映像評価装置は、個人キャリブレーションを行ったときの視点のデータに基づいて、指標の提示からサッカードが開始される時刻までの差分である遅れ時間を複数の指標について算出し、算出したそれらの遅れ時間を平均して潜時を算出する。
これにより、映像評価装置は、視聴者ごとに特有の潜時を用いて、内的に注視の対象が決定されたときのフレームを特定し、誘目度の算出に用いることができる。よって、映像評価装置は、視聴者が映像の特徴によって誘目されている程度を精度よく評価することができる。
この発明によれば、映像評価装置は、サッカード終了後に注視されたフレームにおける視点の位置に基づいて注視領域を抽出する。
これにより、映像評価装置は、フレーム画像においてサッカードを誘発した部分を注視領域として得ることができる。
本発明の実施形態では、映像視聴時の視聴者の眼球運動を測定し、測定したなかで注視点の位置が大きく変化するサッカード(跳躍眼球運動)成分に注目する。映像評価装置は、内的(心的)な注視対象の決定時点における当該サッカード終了地点周辺の顕著性の高さを算出し、当該サッカードを生じさせた誘目性の指標(以下、「誘目度」と記載する)とする。誘目度は、誘目性を定量的に表す値である。映像評価装置は、映像視聴中に得られた全てのサッカードについて算出される誘目度から、映像の各シーンや映像全体の誘目度を算出し、映像の誘目性に関する評価値とする。なお、シーンとは、カットからカットまでの間である。
映像再生部2は、映像蓄積部1に蓄積されている映像データを視聴者に提示する。つまり、映像再生部2は、映像データを再生し、映像データの各フレームの画像をディスプレイまたはスクリーン(以下、「画面」と記載する。)に表示する。
視線測定部3は、視聴者が映像データを視聴している際の眼球運動を測定し、映像再生部2が画面にフレーム画像を表示しているときに、ユーザが視線を向けていた画面上の位置である視点を得る。視点は、例えば、画面の縦と横をそれぞれ、X軸、Y軸としたときの座標により表される。
視線データ蓄積部4は、映像視聴中に視線測定部3が得た画面上の視点をフレームごとに示す視線データを蓄積する。
潜時抽出部51は、映像評価処理に先立って実施される個人キャリブレーション時に得られた視線データを用いて、視聴者の眼球運動の遅れ時間である潜時を抽出する。サッカード抽出部52は、視聴者が評価対象の映像データを視聴したときの視線データを用いて、サッカード成分を抽出する。注視領域抽出部53は、サッカード終了点を含むフレームから次のサッカードが開始されるフレームまでの視点に基づいて注視領域を抽出する。窓関数算出部54は、注視領域における視点の分布に基づいて、注視領域における重み係数を表す領域窓関数を算出する。ターゲット領域抽出部55は、各サッカードについて、サッカード終了点を含む注視領域をターゲット領域として抽出する。ターゲットフレーム抽出部56は、サッカードの開始フレームから、潜時抽出部51が抽出したサッカード潜時分のフレームを時間的に遡ったフレームを、ターゲットフレームとして抽出する。サッカードの開始フレームは、サッカードの終了フレームからサッカードに要する時間分のフレームを遡ったフレームである。つまり、ターゲットフレームは、サッカード終了点を含むフレームから、潜時とサッカードに要する時間とを合計した時間分のフレーム数だけ遡ったフレームに相当する。顕著性マップ算出部57は、ターゲットフレームの顕著性マップを算出する。誘目度算出部58は、顕著性マップのターゲット領域に該当する部分に領域窓関数を適用して誘目性を表す値を算出する。誘目度算出部58は、誘目性を表す値を領域窓関数によって正規化し、誘目度を算出する。記憶部59は、各サッカードについて得られた誘目度など、各種データを記憶する。また、記憶部59は、各部が処理に用いるデータを一時的に記憶する。
まず、映像評価システム10は、映像評価に先立って、潜時を抽出するための個人キャリブレーションを行う。
なお、実際の映像では映像中に様々な注視対象が同時に表示される。従って、ある被写体が映像中に表示された瞬間は必ずしも注視対象として内的に決定される時刻とは一致しない。
映像再生部2は、映像蓄積部1に記憶されている潜時抽出用の映像データを読み出して再生し、表示される視標が2秒程度で切り変わっていく画面を提示する。視線測定部3は、視聴者が視標を注視しているときの眼球運動を測定し、測定した時点のフレーム画像のFID及びタイムコードと、測定により得られた視点の視点位置情報とを設定した視線データを視線データ蓄積部4に記録する。映像評価装置5の潜時抽出部51は、視線データ蓄積部4からこの記録された視線データを読み出す。潜時抽出部51は、視線データが示す各タイムコードにおける視点位置情報に基づいて、視点の移動速度(例えば、角速度)を算出する。潜時抽出部51は、視点の移動速度が所定の速度以上である場合、サッカードであると判断する。潜時抽出部51は、視標の提示が開始された時刻から、その視標へのサッカードが開始される時刻までの差分である遅れ時間を視標ごとに算出する。潜時抽出部51は、全ての視標それぞれの遅れ時間の平均を算出し、潜時とする。潜時抽出部51は、さらに、潜時に相当するフレーム数である潜時相当フレーム数を算出する。
映像再生部2は、映像蓄積部1に記憶されている評価対象の映像データである映像コンテンツを読み出して再生する。視線測定部3は、視聴者が映像コンテンツを視聴しているときの眼球運動を測定し、測定した時点のフレーム画像のFID及びタイムコードと、測定により得られた視点の視点位置情報とを設定した視線データを視線データ蓄積部4に記録する。
映像蓄積部1には映像コンテンツのシーンと、そのシーンのFIDまたは再生時間との対応付けを示す情報を予め登録しておく。
なお、個人キャリブレーション時、及び、ステップS105において使用される所定の速度は同じであり、経験値に基づいて事前に設定される。
具体的には、注視領域抽出部53は、サッカードの終了時のフレームと次のサッカードの開始時のフレームとの間で、所定の速度以下で視点移動が生じたフレームを特定し、そのフレームの視点位置情報を視線データから読み出す。注視領域抽出部53は、読み出した視点位置情報が示す座標からX軸−Y軸の二次元座標における正規分布を求め、その正規分布における値が閾値以上の領域を注視領域とする。以下では、サッカード#iの終了時のフレームとサッカード#(i+1)の開始時のフレームとの間のフレームから抽出された注視領域を注視領域#iと記載する。
なお、ステップS110において使用される所定の速度及び閾値は、経験値に基づいて事前に設定される。
例えば、FID「3」〜FID「5」のフレームにおいてサッカード#1が抽出され、FID「12」〜FID「15」のフレームにおいてサッカード#2が抽出されたとする。そして、サッカード#1とサッカード#2の間で、FID「6」〜FID「11」のフレームが注視され、これらのフレームの視点から注視領域#1が得られたとする。この場合、領域窓関数#1は、注視領域#1におけるFID「6」〜FID「11」のフレームの視点の分布から算出される。
(2)各視点から一定の距離内にある領域を、注視領域に含まれる全ての視点について足し合わせた後、正規化した分布。距離の例として、観測される測定誤差などがある。
(3)注視領域に含まれる各視点の重心から一定の距離内を一様の値とする分布。
そして、ターゲット領域抽出部55は、全てのサッカードについて処理を終了したと判断した場合(ステップS150:YES)、処理を終了する。
しかし、一般的にサッカードの速度は非常に早く、その所要時間は、30fbsフレームレートの通常のビデオカメラによる1フレーム分(33ミリ秒)以下になる可能性もある。さらに、キャリブレーションの場合は、視標を比較的近い場所に移動して眼球運動を促すためにサッカードの距離は短くなる。そのため、通常のビデオカメラで測定する眼球運動測定装置では、サッカードの開始の時刻t3と、サッカード終了の時刻t4とを別々に捉えにくいと考えられる。つまり、時刻t3≒時刻t4となる。そこで、潜時抽出部51は、視標の提示が開始された時刻から、その視標へのサッカードが終了した時刻(又は開始した時刻)までの差分である遅れ時間を視標ごとに算出する。この遅れ時間は、潜時とサッカードに要する時間とを含んだ時間である。潜時抽出部51は、全ての視標それぞれの遅れ時間の平均を算出し、算出した遅れ時間の平均に相当するフレーム数を算出する。そして、ステップS130において、ターゲットフレーム抽出部56は、サッカード#iの終了時点のフレームから、遅れ時間の平均に相当するフレーム数だけ遡ったフレームを、内的に注視の対象を決定したときのフレームであるターゲットフレームに決定する。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
2 映像再生部
3 視線測定部
4 視線データ蓄積部
5 映像評価装置
10 映像評価システム
51 潜時抽出部
52 サッカード抽出部
53 注視領域抽出部
54 窓関数算出部
55 ターゲット領域抽出部
56 ターゲットフレーム抽出部
57 顕著性マップ算出部
58 誘目度算出部
59 記憶部
Claims (5)
- 映像視聴中の視点をフレームごとに示す視線データから得られた視点の移動速度に基づいてサッカードの開始から終了までの前記フレームを特定するサッカード抽出部と、
前記移動速度に基づいて、サッカードの終了から次のサッカードが開始するまでの前記フレームから注視された前記フレームを特定し、特定した前記フレームにおける前記視点に基づいて注視領域を抽出する注視領域抽出部と、
前記注視領域が得られた前記フレームにおける前記視点の分布に基づいて前記注視領域における重み係数を表す領域窓関数を算出する窓関数算出部と、
サッカードが終了したときの前記フレームから、内的に注視の対象が決定された状態から視線の移動が開始するまでの遅れ時間である潜時とサッカードに要する時間とを合計した時間分のフレーム数だけ遡った前記フレームを、ターゲットフレームとして抽出するターゲットフレーム抽出部と、
前記ターゲットフレームの画素ごとの特徴量の値を算出したマップに基づいて画素ごと又は画像のブロックごとに顕著性の程度を数値化した顕著性マップを算出する顕著性マップ算出部と、
前記注視領域に該当する前記顕著性マップの部分に前記領域窓関数を適用した値を用いて、誘目性を定量的に表す値である誘目度を算出する誘目度算出部と、
を備えることを特徴とする映像評価装置。 - 前記窓関数算出部は、前記注視領域に含まれる前記視点に二次元混合正規分布を当てはめた分布、前記視点から一定の距離内にある領域を、前記注視領域に含まれる全ての前記視点について足し合わせた後に正規化した分布、又は、前記注視領域に含まれる前記視点の重心から一定の距離内を一様の値とする分布により前記領域窓関数を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像評価装置。 - 視標の位置を時間的に切り替えて提示したときに測定された視点のデータに基づいて、前記視標ごとに、前記視標の提示が開始された時刻から前記視標へのサッカードが開始された時刻までの差分である遅れ時間を算出し、複数の前記視標について算出した前記遅れ時間を平均して前記潜時を算出する潜時抽出部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の映像評価装置。 - 注視領域抽出部は、注視された前記フレームにおける前記視点に基づいて二次元座標における分布を算出し、算出した分布の値が閾値以上の領域を注視領域として抽出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の映像評価装置。 - コンピュータを、
映像視聴中の視点をフレームごとに示す視線データから得られた視点の移動速度に基づいてサッカードの開始から終了までの前記フレームを特定するサッカード抽出手段と、
前記移動速度に基づいて、サッカードの終了から次のサッカードが開始するまでの前記フレームから注視された前記フレームを特定し、特定した前記フレームにおける前記視点に基づいて注視領域を抽出する注視領域抽出手段と、
前記注視領域が得られた前記フレームにおける前記視点の分布に基づいて前記注視領域における重み係数を表す領域窓関数を算出する窓関数算出手段と、
サッカードが終了したときの前記フレームから、内的に注視の対象が決定された状態から視線の移動が開始するまでの遅れ時間である潜時とサッカードに要する時間とを合計した時間分のフレーム数だけ遡った前記フレームを、ターゲットフレームとして抽出するターゲットフレーム抽出手段と、
前記ターゲットフレームの画素ごとの特徴量の値を算出したマップに基づいて画素ごと又は画像のブロックごとに顕著性の程度を数値化した顕著性マップを算出する顕著性マップ算出手段と、
前記注視領域に該当する前記顕著性マップの部分に前記領域窓関数を適用した値を用いて、誘目性を定量的に表す値である誘目度を算出する誘目度算出手段と、
を具備する映像評価装置として機能させるためのプログラム。
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