WO2009093497A1 - 光反射体を用いたledパッケージ - Google Patents
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Definitions
- FIG. 5 shows light distribution characteristics when the LED package 10 is viewed from the side on the X1 side and the side on the Y1 side.
- the light distribution in the azimuth direction is made uniform, Or it can adjust so that the light distribution of a specific direction may increase.
- the light distribution direction can be controlled in an arbitrary direction by managing the formation position of the ridge line on the light reflector.
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Abstract
【課題】 極端に光の色を変えず、しかも光を方位角方向に均等に射出することができ、あるいは方位角方向の配光分布を制御できるようにした光反射体を用いたLEDパッケージを提供すること。
【解決手段】 LEDベアチップを第1の樹脂で封止し、さらにその表面を光反射体5で覆う。光反射体5の表面に稜線5a~5dを形成し、4つの領域x1,x2,y1,y2に分割するとともに、領域x1および領域x2には角部3A~3Dが含まない構成とすることにより、光の色が極端に変化することがなくなり、目的とする色で発光させることができる。また光を方位角方向に均等に射出することができるようになる。
Description
本発明は、平面ディスプレイや各種イルミネーション、あるいはパソコンや携帯電話機のキーボード照明などに使用される光反射体を用いたLEDパッケージに関する。
図14は従来のLEDパッケージの外観を示す斜視図である。
図14に示すLEDパッケージ50は、基板51の中央に光源をなすLEDチップ52が設置され、その周囲は樹脂層53で封止されている。樹脂層53の上面の中央には十字状の窪みからなる稜線54x,54yが形成されており、この十字状の稜線54x,54yにより投光面である樹脂層53の4つの側面が、第1ないし第4の射出領域A,B,CおよびDに分割されている。樹脂層53の上面は、所定の金属を蒸着することにより薄膜状に形成された光反射面(リフレクタ)55で覆われている。
図14に示すLEDパッケージ50は、基板51の中央に光源をなすLEDチップ52が設置され、その周囲は樹脂層53で封止されている。樹脂層53の上面の中央には十字状の窪みからなる稜線54x,54yが形成されており、この十字状の稜線54x,54yにより投光面である樹脂層53の4つの側面が、第1ないし第4の射出領域A,B,CおよびDに分割されている。樹脂層53の上面は、所定の金属を蒸着することにより薄膜状に形成された光反射面(リフレクタ)55で覆われている。
LEDベアチップ52から図示上方(Z1方向)に放たれた光は、樹脂層53を透過して光反射面55にて反射した後、再び樹脂層53に戻され、第1ないし第4の射出領域A,B,CおよびDに設けられた投光面53a,53b,53cおよび53dから外部に出射される。
樹脂層53は蛍光体が混合された透明樹脂により形成されている。例えば、白色光を発するLEDパッケージの場合には、LEDチップ52は青色発光ダイオードであり、それを例えばYAG系の蛍光体を混合させた樹脂層53で覆うことにより、蛍光として得られた赤から緑に渡る範囲の光(主として黄色光)と、蛍光体を透過してきた青色とが合わさって白色が発光される。
LEDパッケージ50の近傍には、図示しない導光体が投光面53a,53b,53cおよび53dに密接するように配置されており、投光面53a,53b,53cおよび53dから放射された光は導光体を通じて目的とする位置まで伝搬され、その位置に設けられた他の部材を照光する。
このようなLEDパッケージは、例えば以下の特許文献1などに記載されている。
特開2006-339650号公報
一般に、光源を形成するLEDベアチップ52の平面形状は正方形または長方形状をしている。このため、LEDベアチップ52は、対向する1対の辺が、4つの投光面53a,53b,53cおよび53dに対して平行となるように配置されるのが一般的である。たとえば、図14に示すように長方形のLEDベアチップ52は、その短辺が0度と180度を結ぶ直線(X軸)に対して平行となるように配置され、且つ長辺が90度と270度を結ぶ直線(Y軸)と平行となるように配置される。
ここで、図15は従来のLEDパッケージを平面的に見た場合の方位角方向における配光特性を示すグラフ、図16は従来のLEDパッケージを側方から見た場合の配光特性を示すグラフである。以下、図15の方向を方位角方向とし、図16を仰角方向と定める。実線がY1側から見た場合、破線がX1側から見た場合に相当している。
図15に示すように、従来のLEDパッケージでは、十字状の稜線54x,54yが延びる方向と一致する方位角(0,90,180,270度)ほど配光性が低く、隣接する投光面53a,53b,53cおよび53d同士が交わる対角方向(方位角50,130,230,310度の方向)に配光されやすいという傾向を示し、これ以外の例えば全周囲に均等な配光分布は実現できていない。
また図16に示すように、X1側の側面およびY側の側面から見た場合の仰角方向の配光性は、非常に指向性の高い配光となっていることがわかる。
このように、LEDパッケージ50では、配光特性がLEDチップ52と投光面53a,53b,53cおよび53dとの配置関係、およびこれに伴うLEDパッケージ50の外観形状,さらにはリフレクタの形状に依存するため、方位角方向の配光分布はほぼ一義的に決定され、光をLEDパッケージの周囲に均一に配光することができない、あるいは光を目的とする方向(方位角方向)に配光制御することが難しいという問題がある。
また蛍光体を利用する場合、目的の色相を得るためには、樹脂層53に混合する蛍光体の量を多くしなければならないところ、蛍光体の量が多くなると、樹脂層53の表面が粗くなって鏡面を形成しづらくなり、反射面で光が散乱するため仰角方向の配光特性が広がってしまうという問題がある。
反射面(リフレクタ)を別体の樹脂で構成する場合でも、単に反射面(リフレクタ)を第1ないし第4の射出領域A,B,CおよびDに分割しただけでは、反射面を有する場合と有しない場合とで出力されるLEDパッケージ50から出力される色が変化してしまうという問題がある。
すなわち、従来のLEDパッケージ50では、4つ分割された第1ないし第4の射出領域A,B,CおよびD中に、必ず隣接する投光面53a,53b,53cおよび53d同士が交わることにより形成される角部が含まれる構成である。このため、LEDチップ52から放たれた光の一部は、角部を形成する投光面53a,53b,53cおよび53dとこれに対応する射出領域に設けられた光反射体55との間で光の反射が起こり、光が樹脂層53に戻されやすくなっている。
図17は、白色LEDパッケージにおけるスペクトル特性を示すグラフである。
図17に示すように、光源が白色光を生成するLEDパッケージ50である場合には、LEDパッケージから出力される光には青色光(約480nm)と黄色光(約570nm)のスペクトルが含まれる。
図17に示すように、光源が白色光を生成するLEDパッケージ50である場合には、LEDパッケージから出力される光には青色光(約480nm)と黄色光(約570nm)のスペクトルが含まれる。
図17の太線は、光反射体55を有しない場合であって、目的の色相である白色光を得ることができる場合を示している。
しかし、図17の細線に示すように、このようなLEDパッケージ50の樹脂層53の表面を光反射体55で覆うと、黄色光(約570nm)が減少する割合(1-19/26)×100=27%に比較し,青色光(約480nm)が減少する割合は(1-24/50)×100=52%と大きいため、結果として白色LEDパッケージからの発光が黄色みがかった光を出力するようになる。
つまり、従来のLEDパッケージ50では、光反射体55で反射した光が直接的に投光面53a,53b,53cおよび53dの外部に出射される割合が減少する代わりに、蛍光として得られた光の割合が多くなり、相対的な黄色光と青色光との割合が変化するため、全体的に光の色相が変化してしまって目的とする色相が得られなくなるという問題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、方位角方向の配光分布を所望の形状に制御できるLEDパッケージを提供することを目的としている。
また本発明は極端に目的とする色相の光から逸脱せず、すなわち極端に光の色を変えず、しかも方位角方向の配光分布を制御できるようにした光反射体を用いたLEDパッケージを提供することを目的としている。
本発明は、光源をなすベアチップ状のLEDと、前記LEDを封止するとともに前記LEDから発せられた光が出射する複数の側面が設けられた第1の樹脂と、前記第1の樹脂の表面を覆うように設けられ、前記第1の樹脂との界面が反射面となる光反射体とを備えたLEDパッケージにおいて、
前記第1の樹脂には、隣り合う側面同士が交差することにより形成される角部が設けられ、前記光反射体には前記LEDの真上の交点で交差する少なくとも2以上の稜線が設けられており、
前記隣り合う稜線と稜線とで挟まれる複数の領域のうち、少なくとも2以上の前記領域内に、前記角部を有しない前記第1の樹脂の側面が配置されていることを特徴とするものである。
前記第1の樹脂には、隣り合う側面同士が交差することにより形成される角部が設けられ、前記光反射体には前記LEDの真上の交点で交差する少なくとも2以上の稜線が設けられており、
前記隣り合う稜線と稜線とで挟まれる複数の領域のうち、少なくとも2以上の前記領域内に、前記角部を有しない前記第1の樹脂の側面が配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、前記角部を有しない前記第1の樹脂の側面から射出される方向の光については、射出される光の波長の減少を抑えることができるため、光の変色を抑え目的とする色相で発光させることができる。
またLEDパッケージの周囲に均一に配光することができ、あるいは光を目的とする方向(方位角方向)に配光制御することが可能となる。
また前記稜線上に全ての前記角部が設けられているものが好ましい。
上記構成では、稜線と角部とが一致するため、前記領域内に角部が配置されることがなくなる。このため、あらゆる側面から射出される方向の光についても、射出される光の波長の減少を抑えることができ、光の変色を抑え目的とする色相で発光させることができる。
上記構成では、稜線と角部とが一致するため、前記領域内に角部が配置されることがなくなる。このため、あらゆる側面から射出される方向の光についても、射出される光の波長の減少を抑えることができ、光の変色を抑え目的とする色相で発光させることができる。
前記隣り合う稜線同士が作る挟角を二等分する直線の一部が、前記側面を直交することを特徴とするものである。
上記構成では、光が第1の樹脂の側面から空気中に出射する光の入射角を、臨界角未満に設定することが可能となるため、光の透過率を高めて反射光率に優れたLEDパッケージとすることができる。
上記において、前記第1の樹脂に蛍光体が含まれているものが好ましい。
上記手段では、光の一部を励起光として発光させることができる。
上記手段では、光の一部を励起光として発光させることができる。
前記光反射体が、透明または半透明な第2の樹脂で形成されているものとすることもできる。
上記手段においては、前記光反射体が透明な第2の樹脂で形成されている場合には、上面発光のLEDパッケージとすることができる。前記光反射体が半透明な第2の樹脂で形成されている場合には、光を側方に反射することが可能となるため、側面発光のLEDパッケージとすることができる。
本発明では、光をLEDパッケージの周囲に均一に配光することができる。あるいは光を目的とする方向(方位角方向)に配光制御することが可能となる。
さらには、LEDパッケージの発光色の変化を抑え、目的とする色で発光させることができる。
以下本発明のLEDパッケージについて図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明であるLEDパッケージの第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1の平面図、図3(A)は図2のIIIa-IIIa線における矢視断面図、(B)は図2のIIIb-IIIb線における矢視断面図、図4は第1の実施の形態に示すLEDパッケージの平面方向の配光特性を示すグラフ、図5は第1の実施の形態に示すLEDパッケージの側面方向の配光特性を示すグラフ、図6は第1の実施の形態に示すLEDパッケージのスペクトル特性を示すグラフである。
(第1の実施の形態)
図1は本発明であるLEDパッケージの第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1の平面図、図3(A)は図2のIIIa-IIIa線における矢視断面図、(B)は図2のIIIb-IIIb線における矢視断面図、図4は第1の実施の形態に示すLEDパッケージの平面方向の配光特性を示すグラフ、図5は第1の実施の形態に示すLEDパッケージの側面方向の配光特性を示すグラフ、図6は第1の実施の形態に示すLEDパッケージのスペクトル特性を示すグラフである。
図1ないし図3に示すように、本発明のLEDパッケージ10は、ベースとなる基板1上に形成されている。基板1は長方形状をした絶縁材料で形成されており、その表面および裏面には接続用の複数の電極1a,1b,1c,1dが形成されている。なお、必要に応じてスルーホール1e,1fが形成され、このスルーホール1e,1f内には銅メッキなどが施されており、基板1の表面の電極1a,1bと裏面側の電極1c,1dとの間が導通接続されている(図示せず)。
基板1の表面の中央には、光源を形成するLEDベアチップ2が固定されている。LEDベアチップ2は表面が発光面であるとともに、その表面にはアノード電極2aおよびカソード電極2bが設けられている。基板1とLEDベアチップ2との間では、電極1aとアノード電極2aとの間および電極1bとカソード電極2bとの間が、金線などでボンディングワイヤW1,W2でそれぞれ導通接続されている。したがって、基板1の裏側に設けられた所定の2つの電極1c,1d間に電圧を印加し、アノード電極2aとカソード電極2bとの間に所定の電位差を与ると、電流が流れてLEDベアチップ2が発光する。
図1および図3に示すように、基板1の上面は透明または半透明な第1の樹脂3の層が形成されており、LEDベアチップ2は第1の樹脂3の内部に埋設された状態で封止されている。第1の樹脂3にはLEDベアチップ2から出射された光の一部を励起光として発光するYAG等の蛍光体が混合されている。
第1の樹脂3の表面には光反射体(リフレクタ)5が設けられている。光反射体5は、第1の樹脂3の表面に透明または半透明な樹脂からなる第2の樹脂を積層することによって形成されている。
光反射体5の内面(Z2側の下面)は鏡面状に仕上げられた反射面で形成されている。光反射体5を形成する第2の樹脂が透明または半透明な樹脂で形成されているため、LEDベアチップ2から出射された光を、光反射体5の内面を利用して効率良くLEDパッケージ10の側方に反射させることが可能となっている。
図1ないし図3に示すように、第1の実施の形態に示すLEDパッケージでは、光反射体5の表面側の中央部に溝からなる4本の稜線5a,5b,5c,5dが形成されている。稜線5a,5b,5c,5dは前記LEDチップ2のZ1方向の真上に設けられた交点Oにて交差している。本実施の形態では、稜線5aと稜線5cとが一本の直線を形成し、稜線5bと稜線5dとが一本の直線を形成している。
第1の樹脂3は平滑な平面からなる4つの側面3a,3b,3cおよび3dを有している。X方向に両端で対向する側面3aと側面3bとは互いに平行に形成され、同じくY方向に両端で対向する側面3aと側面3bとは互いに平行に形成されている。側面3aと側面3cとが交差する部分、側面3cと側面3bとが交差する部分、側面3bと側面3dとが交差する部分および側面3dと側面3aとが交差する部分には、角部3A,3B,3Cおよび3Dがそれぞれ設けられている。
そして、稜線5aと稜線5cは、X方向に両端で平行に対向する側面3aと側面3bを斜めに横切るように形成され、稜線5bと稜線5dとは、X方向に両端で平行に対向する側面3aと側面3bとを前者とは別方向から斜めに横切るように形成されている。
各稜線5a,5b,5cおよび稜線5dで挟まれる角を2等分する直線(二等分線)Lx,Lyは、4つの側面3a,3b,3cおよび3dに必ず交差し、角部3A,3B,3Cおよび3Dに一致することはない。
図1および図2に示すように、第1の樹脂3の表面は稜線5a,5b,5c,5dにより、4つの領域x1,y1,x2およびy2に分割されている。
略二等辺三角形からなる領域x1と領域x2とは、交点Oを挟んで対称となるX方向の両側の位置に設けられている。略二等辺三角形からなる領域x1と領域x2に位置する第1の樹脂3の表面は略円筒面で形成されている。すなわち、基板1に対する領域x1と領域x2の表面の高さ寸法は、稜線5a,5b,5cおよび5dに沿う部分が低く、第1の樹脂3の表面で且つ二等分線Lxと直交する平面xzと交わる部分が高い。さらには交点Oよりも側面3a,3c側に向かうにしたがって第1の樹脂3の厚さが徐々に増すようなZ1方向に凸となる凸曲面で形成されている。
一方、ホームベース形状からなる領域y1と領域y2は、交点Oを挟んで対称となるY方向の両側の位置に設けられている。領域y1と領域y2に位置する第1の樹脂3の表面は、ちょうど万年筆のペン先に近似する形状をしている。すなわち、領域y1と領域y2の表面の高さ寸法は、交点Oおよび稜線5a,5b,5cおよび5dに沿う部分が低く、角部3A,3Bを含む側面3cおよび角3C,3Dを含む側面3dに向かうにしたがって徐々に第1の樹脂3の厚さが増すようなZ1方向に凸となる凸曲面で形成されている。
また図3(A)および図3(B)に示すように、光反射体5の各断面、すなわち各領域x1,領域x2,領域y1および領域y2に位置する第1の樹脂3の表面を覆う光反射体5の各断面は、第1の樹脂3の表面形状に倣って図示Z1方向に凸をなす曲面形状で形成されている。
稜線5a,5b,5c,5dで挟まれた各領域x1,領域x2,領域y1および領域y2をXZ平面またはZY平面で切断した場合の断面積は、中心の交点Oから第1の樹脂3の各側面3a,3cまたは側面3b,3dに向かうにしたがって徐々に拡がり、これらの端面である側面3a,3b,3c,3dが最も広い面積を有する。これにより、仰角方向の配光をさらに抑えることができる。
図3(A)(B)に示すように、LEDベアチップ2から出射された光の一部は光反射体5で反射され、側面3a,3b,3cおよび3dを介してLEDパッケージ10の外部に出力される。LEDパッケージ10の近傍には、図示しない導光体が側面3a,3b,3cおよび3dに対して密接するように配置されており、側面3a,3b,3cおよび3dから出射された光は導光体を通じて目的とする位置まで伝搬され、その位置に設けられた他の部材、例えばキーボード上のスイッチなどを照光する。
第1の実施の形態に示すLEDパッケージ10では、稜線5a,5bとで挟まれた領域y1に2つの角部3Aと3Bが設けられ、同じく稜線5c,5dとで挟まれた領域y2に2つの角部3Cと3Dが設けられているが、稜線5d,5aとで挟まれた領域x1および稜線5b,5cとで挟まれた領域x2には1つの角部も有さない構成である。しかも、領域x1,x2内に設けられた側面3a,3bは、領域x1,x2の第1の樹脂3内を透過して出射する光と直交しやすい形状である。このため、光が第1の樹脂3の側面3a,3bから、空気中または図示しない導光部材中に出射する際の光の入射角を、臨界角未満に設定することが可能となる。このため、光の透過率を高めて反射効率に優れたLEDパッケージとすることができ、特定の波長の光だけが減少すること防止することができる。
図4はLEDパッケージ10を正面(図1の上面)方向から見た場合の配光特性を示すグラフである。図4に示すように、このLEDパッケージ10では特定方向への配光分布性が低く、従来(図15参照)のLEDパッケージに比較して、配光特性が大幅に改善されていることがわかる。これにより、長方形状のLEDベアチップ2であっても、または長辺と短辺のアスペクト比が1ではないLEDパッケージ10であってもLEDベアチップ2から放たれた光をその周囲、すなわち方位角度360度の方向に満遍なく行き届かせることができる。
図5はLEDパッケージ10をX1側の側方およびY1側の側方から見た場合の配光特性を示している。
図5に示すように、配光特性を示す8の字形状の面積は、X方向から見た場合(破線)とY方向から見た場合(実線)で同程度であることがわかる。これにより、従来(図16参照)に比較し、光をX1,X2方向およびY1,Y2方向に均等に配光することができることがわかる。
一方、図6に示すように、スペクトル特性については、黄色光(約570nm)が減少する割合は(1-20/26)×100=23%と従来の27%とほぼ変わらないが、青色光(約480nm)が減少する割合は(1-30/50)×100=40%と従来の52%よりも少なくすることができることがわかる。これにより、従来に比較して極端に目的とする色相から色が逸脱することを防止することができる。すなわち、上記の例でいえば、白色LEDパッケージから出力される光が黄みがかることを少なくし、より白色に近づけることができるようになる。
(第2の実施の形態)
図7は本発明であるLEDパッケージの第2の実施の形態を示す斜視図、図8は図7の平面図、図9(A)は図7のIXa-IXa線における矢視断面図、図9(B)は図7のIXb-IXb線における矢視断面図、図10は第2の実施の形態に示すLEDパッケージの平面方向の配光特性を示すグラフ、図11は第2の実施の形態に示すLEDパッケージの側面方向の配光特性を示すグラフ、図12は第2の実施の形態に示すLEDパッケージのスペクトル特性を示すグラフである。
図7は本発明であるLEDパッケージの第2の実施の形態を示す斜視図、図8は図7の平面図、図9(A)は図7のIXa-IXa線における矢視断面図、図9(B)は図7のIXb-IXb線における矢視断面図、図10は第2の実施の形態に示すLEDパッケージの平面方向の配光特性を示すグラフ、図11は第2の実施の形態に示すLEDパッケージの側面方向の配光特性を示すグラフ、図12は第2の実施の形態に示すLEDパッケージのスペクトル特性を示すグラフである。
図7以降に第1の実施の形態に示すLEDパッケージ20の基本的な構成は、上記第1の実施の構成と同様である。
すなわち、基板21の上に、直方体形状からなるLEDベアチップが固定され、その周囲は第1の樹脂23で埋設されており、さらに第1の樹脂23の表面には第2の樹脂を積層して形成した光反射体(リフレクタ)25が設けられている。
第1の樹脂23は透明な樹脂に蛍光体が混合されて形成され、光反射体(リフレクタ)25を形成する第2の樹脂は透明樹脂または半透明樹脂により形成されている。
なお、光反射体(リフレクタ)25は、第1の樹脂23の表面に、蒸着、スパッタ、あるいはメッキなどにより薄い金属層を積層することにより形成されるものであってもよい。
光反射体(リフレクタ)25を形成する第2の樹脂の表面には、溝からなる稜線25a,25b,25c,25dが形成されている。図9(A)(B)に示すように、稜線25a,25b,25c,25dはLEDベアチップ2の真上の交点Oで交差している。
第1の樹脂23は平滑な平面からなる4つの側面23a,23b,23cおよび23dを有している。X方向に両端で対向する側面23aと側面23bとは互いに平行に形成され、同じくY方向に両端で対向する側面23aと側面23bとは互いに平行に形成されている。そして、稜線25a,25b,25c,25dで挟まれる角を2等分する直線(二等分線)Lx,Lyは、4つの側面23a,23b,23cおよび23dに必ず交差し、角部23A,23B,23Cおよび23Dに一致することはない。
光反射体(リフレクタ)25は稜線25a,25b,25c,25dにより、4つの領域x1,y1,x2およびy2に分割されている。領域x1と領域x2とは、交点Oを挟んで対称となるX方向の両側の位置に設けられている。同様に、領域y1と領域y2とは、交点Oを挟んで対称となるY方向の両側の位置に設けられている。
図7に示すように、領域x1,y1,x2およびy2を形成する第2の樹脂25の表面は、図示Z1方向の上方に隆起する凸曲面で形状されている。さらに領域x1,y1,x2およびy2の端部の高さ寸法は、交点Oの高さ差寸法よりも高い寸法で形成されている。
図7および図8などに示すように、第2の実施の形態に示すLEDパッケージ20においても4つの角部23A,23B,23Cおよび23Dを有している。
図9(A)(B)に示すように、LEDベアチップ2から出射された光の一部は光反射体25の内面で反射し、側面23a,23b,23cおよび23dを介してLEDパッケージ20の外部に出力される。LEDパッケージ20の近傍にも図示しない導光体が、側面23a,23b,23cおよび23dに対して密接するように配置されており、側面23a,23b,23cおよび23dから出射された光は導光体を通じて目的とする位置まで伝搬される。
第2の実施の形態に示すLEDパッケージ20では、角部23Aと角部23Cは稜線25a,25c上に設けられ、角部23Bと角部23Dは稜線25b,25d上に設けられている。しかも角部23A,23B,23Cおよび23Dは、稜線25a,25b,25c,25dを形成する溝幅の寸法内にそれぞれ設けられている。このように、第2の実施の形態では、稜線25a,25b,25c,25dで囲まれる領域x1,y1,x2およびy2には側面23a,23b,23cおよび23dのみが設けられ、実質的に角部23A,23B,23Cおよび23Dを有しない構成とすることができる。
このため、LEDベアチップ2から出射された光は、角部23A,23B,23Cおよび23Dによる影響を排除することができる。しかも、領域x1,x2に設けられた側面23a,23bは、光反射体25で反射し領域x1,x2を透過して来る光と直交しやすい。このため、特定の波長の光だけが減少すること防止することが可能である。
ここで、図10はLEDパッケージ10を平面的に見た場合の方位角方向における配光特性を示すグラフである。図10では、配光方向を、従来の角部方向ではなく、側面23a,23b,23cおよび23dに直交する方向(X1,X2,Y1およびY2方向)とすることができる。またこのLEDパッケージ20では、長辺側である側面23a,23b方向への配光分布が高く、短辺側である側面23c,23d方向への配光分布を低くできることがわかる。
図11はLEDパッケージ20をX1側の側方およびY1側の側方から見た場合の配光特性を示すグラフであり、実線がY1側から見た場合、破線がX1側から見た場合に相当している。
図11においても、LEDパッケージ20の配光特性を示す8の字形状の面積は、Y1方向から見た場合(実線)の方がX1方向から見た場合(破線)よりも極端に大きく、長辺側である側面23a,23bの方が、短辺側である側面23c,23dよりも配光特性に優れていることがわかる。
しかも、第1および第2の実施の形態に示すように、長方体形状のLEDベアチップ2であっても、または長辺と短辺のアスペクト比が1ではないLEDパッケージ10であっても、光反射体の表面に、対角方向において対向する角部間に設けた稜線を交差させて光反射体を複数の領域に分割することにより、方位角方向の配光分布を均一化させたり、あるいは特定の方向の配光分布が高まるように調整したりすることができる。すなわち、光反射体上の稜線の形成位置を管理することにより、配光方向を任意の方向に制御することが可能である。
一方、図12に示すように、LEDパッケージ20スペクトル特性は、緑色光(約570nm)が減少する割合(1-20/26)×100=23%はほとんど従来の27%と変わらないが、青色光(約480nm)が減少する割合は(1-39/50)×100=22%と従来52%に比較して大幅(30%)に少なくすることができることがわかる。よって、従来に比較して発光色が、極端に目的とする色相から変化することが無くなる。すなわち、上記の例でいえば、白色LEDパッケージから出力される光を、より白色に近づけることが可能となる。
(その他の実施の形態)
図13(A)(B)はその他の実施の形態としてのLCDパッケージを示す平面図である。
図13(A)(B)はその他の実施の形態としてのLCDパッケージを示す平面図である。
上記第1および第2の実施の形態では、光反射体(リフレクタ)に形成した稜線の数4は、LEDパッケージが有する角部の数4と同数である場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、稜線の数は少なくとも2以上あればよく、角部の数は3以上の多角形状であればよい。さらに稜線の数はLEDパッケージが有する角部の数よりも多い構成であってもよい。
例えば、図13(A)は、LEDパッケージ30Aの角部の数を4、光反射体に形成される稜線の数を6とした場合である。一方、図13(B)は、LEDパッケージ30Bの角部の数を6、光反射体に形成される稜線の数を6とした場合である。
LEDパッケージ30A,30Bでは、稜線31,32,33,34,35,36で挟まれる角を2等分する直線(二等分線)La,Lb,Lcは、4つの側面23a,23b,23cおよび23dに必ず交差し、角部23A,23B,23Cおよび23Dに一致することはない。
6つの稜線31,32,33,34,35,36で分割された6つの領域を形成する光反射体は紙面上方に凸となる凸曲面が形成されている。また二等分線La,Lb,LcとLEDパッケージ30A,30Bの側面とが交差する部分の高さ寸法は、前記交点Oの高さ寸法よりも高くなるように形成されている。
交点Oの紙面真下に設けられた図示しないLEDベアチップから放たれた光は、光反射体の内側の面(凹面)で反射させられ、二等分線La,Lb,Lcと交差する4つまたは6つの側面を通じてLEDパッケージ30A,30Bの外部の導かれる。
このようなLEDパッケージ30A,30Bでも上記同様に、光をLEDパッケージの周囲に均一に配光することができ、あるいは光を目的とする方向(方位角方向)に配光制御することが可能となる。
さらには、LEDパッケージ30A,30Bの発光色の変化を抑え、目的とする色で発光することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、白色光を発するLEDパッケージの場合について説明したが、その他の色を発光するLEDパッケージであってもよい。
1 基板
2 LEDベアチップ
3 第1の樹脂
3a,3b,3c,3d 第1の樹脂の側面
3A,3B,3C,3D 角部
5 光反射体(リフレクタ)
5a,5b,5c,5d 稜線
10 LEDパッケージ
20 LEDパッケージ
21 基板
23 第1の樹脂
23a,23b,23c,23d 第1の樹脂の側面
23A,23B,23C,23D 角部
25 光反射体(リフレクタ)
30A,30B LEDパッケージ
31,32,33,34,35,36 稜線
O 交点
x1,y1,x2,y2 領域
2 LEDベアチップ
3 第1の樹脂
3a,3b,3c,3d 第1の樹脂の側面
3A,3B,3C,3D 角部
5 光反射体(リフレクタ)
5a,5b,5c,5d 稜線
10 LEDパッケージ
20 LEDパッケージ
21 基板
23 第1の樹脂
23a,23b,23c,23d 第1の樹脂の側面
23A,23B,23C,23D 角部
25 光反射体(リフレクタ)
30A,30B LEDパッケージ
31,32,33,34,35,36 稜線
O 交点
x1,y1,x2,y2 領域
Claims (5)
- 光源をなすベアチップ状のLEDと、前記LEDを封止するとともに前記LEDから発せられた光が出射する複数の側面が設けられた第1の樹脂と、前記第1の樹脂の表面を覆うように設けられ、前記第1の樹脂との界面が反射面となる光反射体とを備えたLEDパッケージにおいて、
前記第1の樹脂には、隣り合う側面同士が交差することにより形成される角部が設けられ、前記光反射体には前記LEDの真上の交点で交差する少なくとも2以上の稜線が設けられており、
前記隣り合う稜線と稜線とで挟まれる複数の領域のうち、少なくとも2以上の前記領域内に、前記角部を有しない前記第1の樹脂の側面が配置されていることを特徴とするLEDパッケージ。 - 前記稜線上に全ての前記角部が設けられている請求項1記載のLEDパッケージ。
- 前記隣り合う稜線同士が作る挟角を二等分する直線の一部が、前記側面を直交することを特徴とする請求項1記載のLEDパッケージ。
- 前記第1の樹脂に蛍光体が含まれている請求項1に記載のLEDパッケージ。
- 前記光反射体が、透明または半透明な第2の樹脂で形成されている請求項1に記載のLEDパッケージ。
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2009
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