明 細 害
輪郭振動子並びにそれを用いた圧電発振器及び回路モジュール 技術分野
[0001] 本発明は、 輪郭振動子に関し、 具体的には、 カット角が I RE標準の (Y X I t ) で表される略四角形状の平板からなる水晶基板を用いたラー メモード振動を行う輪郭振動子に関する。
背景技術
[0002] 従来から、 携帯機器、 情報通信機器、 計測機器等の電子機器用の圧電振動 子として、 厚み滑り振動を主振動とした ATカツ卜水晶振動子が多く用いら れている。 しかしながら、 共振周波数が数 MHz帯の ATカット水晶振動子 はサイズが大きく、 小型化が困難である。 そこで、 低周波数帯 (例えば 10 MHz未満の周波数帯) においては、 輪郭振動を用いた水晶振動子が用いら れる。 輪郭振動子としては、 音叉型永晶振動子、 DTカット輪郭滑り水晶振 動子、 GTカット幅一長さ縦結合水晶振動子、 ラーメモード水晶振動子など が挙げられる。
[0003] しかし、 音叉型水晶振動子は約 1ひ kH zから数 100kHzの周波数帯 に適した圧電振動子であり、 これを数 MH z帯まで高周波ィ ί:すると、 振動片 を形成する際の水晶の微細加工が困難になる。 また、 DTカツ卜輪郭滑り水 晶振動子は輪郭振動の節 (輪郭振動の変位がほとんど生じない個所) が少な く、 振動部の外周で支持する際は節になりきつていない個所で支持せざるを 得ない事情から、 支持の影響を低減するための支持構造が複雑となり、 小型 化が困難である。 GTカツ卜幅一長さ縦結合水晶振動子は幅縦振動モードと 長さ縦振動モードとが結合した振動モードを用いているが故に、 振動片の長 辺寸法と短辺寸法の製造偏差に過敏であり、 さらに輪郭振動の節が一点しか ないため振動片の支持が難しく、 製造が容易ではない。 そこで着目されてい るのがラーメモ一ド水晶振動子である。
[0004] 水晶カツ卜角が〖 RE (Institute of Radio Engineersの略で、 現在の I
EEE) 標準にて (YX I t) で表される水晶振動子おいて、 0 = 4
5度のとき、 0=36度と 0=130度で一次温度係数ひが 0となる領域を 有し、 理論計算において、 この 0 = 45度及び 0 = 36度のとき (LQ1 T カットと呼ばれる) 二次温度係数 i8=— 5. 2 X 1 0-8Z°C2、 0 = 45度及び 0=1 30度のとき (LQ 2 Tカットと呼ばれる) β=— t . 1 X 10-8Z°C2 が得られるラーメモード水晶振動子が報告されている。 即ち、 水晶基板の力 ット角によリ二次温度係数 が変化し、 L Q 2 Tカツ卜の方が大幅に良好な 温度特性を有していることが理論計算上示されている (例えば、 非特許文献 1参照) 。
そして特許文献 1には、 0を 40度〜 50度とし、 øを一 40度〜一 60 度 (即ち、 0を 1 20度~140度) または øを 40度〜 60度とした輪郭 系水晶振動子において、 =ー 1. 1 X 1 0_8Z°C2の周波数温度特性データが 図示されている。
[0005] しかしながら、 上述の非特許文献 1では L Q 2 Tカット以外での二次温度 係数 i8の実験値は記載されているものの、 LQ2Tカツトにおける二次温度 係数; Sの実験値は記載されておらず、 特許文献 1にも周波数温度特性の実験 による確認結果は開示されていない。 LQ2Tカツトラーメモード水晶振動 子の周波数温度特性を実験的に確認した研究例としては、 非特許文献 2があ リ、 )8=— 1. 7 X 10-8 。 C2の実験結果が開示されている。 また、 許文献 2では、 0 = 45度とし、 øを一 60度〜 0度 (即ち、 0を 1 20度〜 1 8 0度) としたラーメモード水晶振動子において、 β= · 51 10-8Z°C2 の実験結果が開示されている。
[0006] また角度 0に関しては、 上述の特許文献 1にて 0が 40度〜 50度の LQ
2 Tカツトラーメモ一ド水晶振動子が開示されている他、 特許文献 3でも Θ が 40度〜 50度の GTカツト水晶振動子が開示されている。
[0007] そして、 0 = 45度の GTカット水晶振動子の辺比を 1とすることでラー メモード水晶振動子となることが報告されている (例えば、 特許文献 2と非 . 特許文献 3を参照) 。
[0008] 特許文献 1:特開 2005— 26843号公報
特許文献 2:特開 2001 -31 3537号公報
特許文献 3:特開昭 52— 1 49084号公報
非特許文献〗:第 24回 EMシンポジウム、 1 1頁〜 1 6頁、 「エッチング法 によって形成されたラーメモード水晶振動子」 、 川島宏文、 松山勝
非特許文献 2 :第 35回 EMシンポジウム、 31頁〜 34頁、 「小型ラーメモ 一ド水晶振動子の開発」 、 水本勝也、 秋野真志、 西塚剛史、 芦沢英紀、 丸茂 正秀、 雨宮正人
非特許文献 3: P. C. Y. Le e, e t 'a に "Ex t e n s i o n a l V i b r a t i o n s o f Re c t a n g u l a r C r y s t a l P l a t e s . P r o c . 35 t h A n n . F r e q . C o n t r o I S ymp o s i um (1 981 )
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 非特許文献 2では =ー 1. 7 X 10-8Z°C2、 特許文献 2では jS =— 1. 5 1 X 1 0"«Z°C2という周波数温度特性が確認されたが、 携帯機器、 情報通信機 器、 計測機器等の電子機器等において高周波化、 高精度化が求められるなか では、 まだ十分な周波数温度特性が得られていないという課題を有している また、 水晶基板のカット角 øを約 1 30度にしただけでは一次温度係数 α をほぼ 0にすることができないという問題があるが、 それ 解決するための 手段は明らかにされていなかった。
[0010] 一方、 ATカット水晶振動子は周波数温度特性は優れているが、 非特許文 献 2に示されているように、 ラーメモ一ド水晶振動子よリもサイズが大きい 。 また、 周波数の高い ATカット水晶振動子 (例えば数 1 0MH zの AT力 ット水晶振動子) を数 MH z帯にダウンコンバートする場合は、 そのための 周辺回路が必要となり、 消費電流が高くなつて、 部品点数やコストの増加が 生じてしまう。
[0011] 本発明は、 上述した課題を解決するためになされたものであり、 その目的 は小型で周波数温度特性の優れる輪郭振動子を提^することである。
課題を解決するための手段
[0012] [適用例 1 ] 水晶基板の力ッ卜角が I R E表示の ( Y X I t ) 0 0で表 される略方形状平板の振動部と、 前記振動部の表裏両面に形成される励振電 極と、 を備え、 前記 0と、 前記 øと、 前記振動部の体積に対する前記励振電 極の体積比と、 のそれぞれを選択的に設定することを特徴とする輪郭振動子
[0013] 適用例 1の発明によれば、 前述した非特許文献 1または非特許文献 2が、 øと 0を適宜組み合わせ、 一次温度係数 αが 0のときの二次温度係数 を小 さくしていることに対して、 振動部の振動部体積に対する前記励振電極の体 積比を主要要素として加えることで、 非特許文献 2において報告された iS = 一 1 . 7 X 1 0_8Z°C2や、 特許文献 2において開示された )3 =— 1 . 5 1 X 1 o-8z°c2よ yも優れた二次温度係数 ^を有する輪郭振動子を実現することがで さる。
[0014] [適用例 2 ] 適用例 1の輪郭振動子において、 前記励振電極が A Iまたは A Iを主成分とする合金からなることを特徴とする輪郭振動子。
[0015] 適用例 2の発明においても、 良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 励振電極の形成には通常フォトリソグラフィ技術を用いるが、 励振 電極の材質をエッチング特性がよい A Iまたは A I合金とすることにより、 高精度の励振電極を形成することができる。 このことから生産性を高めるこ とに加え、 A Iは材料自体が安価であることから、 低コストの輪郭振動子を 提供することができる。
[0016] [適用例 3 ] 適用例 1の輪郭振動子において、 前記励振電極が A uまたは A uを主成分とする合金からなることを特徴とする輪郭振動子。
[0017] 適用例 3の発明においても、 良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 A Uは他の元素と化合し難く、 化学的な安定性が高いため、 励振電 極を A Uまたは A U合金とすることにより、 励振電極の酸化や腐蝕による輪 郭振動子の電気的特性の劣化を防止することができる。
[0018] [適用例 4 ] 適用例 1の輪郭振動子において、 前記励振電極が A gまたは A gを主成分とする合金からなることを特徴とする輪郭振動子。
[0019] 適用例 4の発明においても、 良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 A gは電気抵抗率が他の金属よりも低いため、 励振電極を A gまた は A g合金とすることにより、 共振抵抗の小さい低損失な輪郭振動子を実現 することができる。
[0020] [適用例 5 ] 適用例 1に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極が、 前 記振動部の表裏面それぞれに一定の間隔を有して複数個設けられ、 隣り合う 前記励振電極それぞれが逆極性の電位となるよう整列配設されていることを 特徴とする輪郭振動子。
[0021] 適用例 5の発明においても、 良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 振動部の表裏両窗に複数の励振電極を整列配設し、 隣り合う励振電 極に逆極性の電位を負荷することにより、 振動部の支持による輪郭振動の阻 ― 害の影響を低減でき、 低損失な輪郭振動子を実現することができる。
[0022] [適用例 6 ] 適用例 1、 2、 または 5のいずれか一つの適用例に記載の輪 郭振動子において、 前記 0が 4 0度〜 5 0度の範囲、 前記体積比が 0. 0 0 2〜0. 1 5の範囲、 前記 øが 1 0 2. 5度〜 1 2 9. 5度の範囲にあるこ とを特徴とする輪郭振動子。
[0023] [適用例 7 ] 適用例 1、 2、 または 5のいずれか一つの適用例に記載の輪 .郭振動子において、 前記 0が 4 0度〜 5 0度の範囲、 前記体積比が 0. 0 1 〜0. 1 2 5の範囲、 前記 øが 1 0 6. 0度〜 1 2 8. 5度の範囲にあるこ とを特徴とする輪郭振動子。
[0024] [適用例 8 ] 適用例 1、 2、 または 5のいずれか一つの適用例に記載の輪
郭振動子において、 前記 0が 4 0度〜 5 0度の範囲、 前記体積比が 0. 0 1 8 ~ 0. 1の範囲、 前記 0が 1 1 0. 0度〜 1 2 8. 0度の範囲にあること を特徴とする輪郭振動子。
[0025] [適用例 9 ] 適用例 1、 2、 または 5のいずれか一つの適用例に記載の輪 郭振動子において、 前記 0が 4 0度〜 5 0度の範囲、 前記体積比が 0. 0 3 ~ 0. 0 7 8の範囲、 前記 が 1 1 3 . 5度〜 1 2 7 . 0度の範囲にあるこ と.を特徴とする輪郭振動子。
[0026] [適用例 1 0 ] 適用例 1ないし 9、 後述の適用例 1 1ないし 2 7のいずれ か一つの適用例に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極が、 前記振動部 の略中央近傍に電極開口部を有していることを特徴とする輪郭振動子。
[0027] 水晶振動子を設計する際、 容量比は重要な要素である。 水晶振動子は等価 回路において励振電極間静電容量と等価直列容量とを有し、 この等価直列容 量に対する励振電極間静電容量の比を容量比と表す。 従って、 励振電極間静 電容量を小さくすることで容量比を小さくすることができる。 励振電極間静 電容量は、 水晶振動子の厚さと誘電率と励振電極の面積で律せられることか ら、 励振電極の中央部に電極がない電極開口部を設けることにより、 励振電 極間静電容量を小さくすることができる。 その結果、 振動効率を高めること ができ、 消費電流を抑制できる。
[0028] [適用例 1 1 ] 水晶基板の力ッ卜角が I R E標準の Y X I t 0 0で表さ れる四角形の平板からなる振動体と、 前記振動体の表裏両面に形成される励 振電極と、 を備え、 前記カット角 0が 4 0度〜 5 0度の範囲、 前記励振電極 の 1辺の長さ L eと前記振動体の 1辺の長さ Lとの比が 0 < L e L≤ 1、 前記振動体の厚さ tと前記振動体の 1辺の長さ Lとの比が 0 < t Z L < 0. 2で表される範囲において、 前記力 :ント角 φを選択的に設定することを特徴 とする輪郭振動子。
[0029] 適用例 1 1の発明によれば、 前述した非特許文献 1または非特許文献 2が 、 カツ卜角 øとカツ卜角 0を適宜組み合わせ、 一次温度係数ひが 0のときの 二次温度係数 を小さくしていることに対して、 カット角 0と、 励振電極の
1辺の長さ L eと前記振動体の 1辺の長さ Lとの比 L e L (以降、 この比 を規格化電極寸法と表す) と、 振動体の厚さ tと前記振動体の 1辺の長さ L との比 t Z L (以降、 この比を規格化板厚と表す) と、 水晶基板のカット角 øと、 を選択的に適切な範囲に設定することにより、 非特許文献 2において 報告された )3 =— 1 . 7 X 1 0-8Z°C2や、 特許文献 2において開示された = 一 1 . 5 1 1 0_8 2よリも優れた二次温度係 iSを有する輪郭振動子を実 現することができる。
[0030] [適用例 1 2 ] 適用例 1 1、 後述の適用例 1 9ないし 2 7のいずれか一つ の適用例に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極が、 前記振動体の表裏 両面それぞれに一定の間隔を有して複数対設けられ、 隣り合う前記励振電極 それぞれが逆極性の電位となるよう整列配設されていることを特徴とする輪 郭振動子。
[0031] 適用例 1 2の発明においても、 良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現 することができる。
また、 振動部の表裏両面に複数の励振電極を整列配設し、 隣り合う励振電 極に逆極性の電位を負荷することにより、 振動部の支持による輪郭振動の阻 害の影響を低減でき、 低損失な輪郭振動子を実現することができる。
[0032] [適用例 1 3 ] 適用例 1 1または適用例 1 2に記載の輪郭振 W子において 、 前記カット角 øが、 1 1 1度 1 3 0度の範囲に設定されていること を特徴とする輪郭振動子。
[0033] カット角 0を 4 0度〜 5 0度の範囲とし、 上述したカット角 øと規格化電 極寸法 L e Z Lと、 規格化板厚 t Z Lとを設定することにより、 非特許文献 2において報告された iS =— 1 . 7 X 1 0 Z°C2や、 特許文献 2において開示 された jS =— 1 . 5 1 X 1 0"8Z°C2よリも優れた二次温度係数 I i8 I≤ 1 . 5 X 1 0-8/°C2を有する輪郭振動子を実現することができる。
[0034] [適用例 1 4 ] 適用例 1 1または適用例 1 2に記載の輪郭振動子において 、 前記カツト角 øが、 1 1 5度 1 2 8度の範囲に設定されていること を特徴とする輪郭振動子。
[0035] カツ卜角 0をこのようにすれば、 非特許文献 2や特許文献 2で報告された 二次温度係数^よりもさらに優れた I I≤ 1 . 0 X 1 0- 8Z°c2を有する輪郭 振動子を実現できる。
[0036] [適用例 1 5 ] 適用例 1 1または適用例 1 2に記載の輪郭振動子において
、 前記カツ卜角 Φが、 1 1 8度 2 6度の範囲に設定されていること を特徴とする輪郭振動子。
[0037] カツト角 φをこのようにすれば、 非特許文献 2や特許文献 2で報告された 二次温度係数 iSよりもさらに優れた I I≤ 0. 5 X 1 0-8Z°C2を有する輪郭 振動子を実現できる。
[0038] [適用例 1 6 ] 適用例 1 1または適用例 1 2に記載の輪郭振動子において
、 記カット角 øが、 1 2 1度 1 2 4度の範囲に設定されていること を特徴とする輪郭振動子。
[0039] カット角 øをこのようにすれば、 二次温度係数 )8 = 0の周波数温度特性 極めて優れる輪郭振動子を実現できる。
[0040] [適用例 1 7 ] 適用例 1 1ないし 1 6 < 後述の適用例 1 9ないし 2 7のい ずれか一つに記載の輪郭振動子において、 前記振動体と前記励振電極の間に 中間層が設けられていることを特徴とする輪郭振動子。
[0041] 振動体の表面に励振電極を形成する際、 密着性を高めるために励振電極の 材質に対応して中間層を設けることがある (つまり、 積層電極) 。 このよう に中間層を設けても、 上述した条件を満たす範囲であれば、 非特許文献 2や 特許文献 2において報告された二次温度係数) 3よリも絶対値を小さくするこ とができる。
[0042] [適用例 1 8 ] 適用例 1 1ないし適用例 1 7のいずれか一つに記載の輪郭 振動子において、 前記振動体の一次温度係数ひが正の場合に前記励振電極の 一次温度係数 αが負の導電体からなり、 前記振動体の一次温度係数 αが負の 場合に前記励振電極の一次温度 数 が正の導電体からなる、 ことを特徴と する鵪郭振動子。
[0043] 振動体と励振電極それぞれの一次温度係数ひの傾きを逆にすることで、 輪
郭振!!子全体としての一次温度係数 α = 0にしゃすい。 従って、 二次温度係 数 )8を所望の範囲に設定する際に、 一次温度係数ひの影響を排除し、 カット 角 0, ø、 規格化電極寸法 LeZL、 規格化板厚 tZLを、 二次温度係数 J3 が従来よリ小さくなるための調整がしゃすくなるという効果がある。
[適用例 19] カツト角が I RE標準の YX I t 0Z0で表される水晶基 板からなる、 平面形状が四角形の振動体と、 前記振動体の表裏両面に形成さ れ、 A Iまたは A Iを主成分とした合金からなる、 外郭形状が四角形の励振 電極とを備え、 前記カット角 0が 40度以上 50度以下の範囲であり、 前記 振動体の平面形状をなす前記四角形の 1辺の長さをし、 前記振動体の厚さを t、 前記励振電極の膜厚を H、 前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の 1辺の長さを L eとしたとき、 以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動 子。
ø o-O. 14≤0≤0 o + O. 4 (ただし、 øと の単位は [度] ) 、
o = b4Xa 4x (HZL) 4+ b 3 x a 3 x (HZL) 3+ b 2 x a 2 x (H/L) 2+b 1 x a 1 x (HZL) +bOX a O、
a 4 = 4. 3413 1 O 10x (l_eノ l_) 6 - 1. 3971 x 1011 ( LeZL) 5+1. 7970 1 O11 x (L e/L) 4一 1. 1788 x 101 ix (LeZL) 3 + 4. 1386 x 1010 x (Le/L) 2— 7. 2863 x 109 x (し し) +4. 8993 x 108.
a 3=-1. 0064X 1 09x (Le/L) 6+3. 381 8 x 109x ( LeZL) 5— 4. 5506 X 109X (Le/L) 4 + 3. 1 1 36 10s x (LeZL) 3— 1. 1277 x 109x (L Θ/L) 2+2. 0228 1 08x (LeZL) - 1. 3821 x 1 07,
a 2= 1. 5622X 1 O7 x (LeZL) 6— 5. 8604x 1 07x (L eZL) 5+8. 7986 x 107 x (LeZL) 4— 6. 6581 x 1 O7 x (LeZL) 3+2. 6142 x 107 x (LeZL) 2— 4. 9149 10 6x (LeZL) +3. 4714X 1 05、
a I =-44379 x (LeZL) 6+ 1 6589 O x (LeZL) 5—2 56060 x (LeZL) 4 + 208920 x (LeZL) 3-91380 x (し e ZL) 2+ 16336 x (L eZL) — 1 167、
a 0 =5. 2214 x (L e/L) 6-21. 232 x (LeZL) 5+3 8. 293 x (LeZL) 4— 37. 399 x (LeZL) 3+ 18. 677 x (し eZL) 2— 3. 1 173 x (LeZL) +1 29. 08、
b 4 = 1. 726007 x 108x b 45 x (tZL) 5— 7. 76017 4 1 Ο' x b 44 x (tZL) 4+1. 253743 X 107x b43x ( t ZL) 3-869965. 1 x b42 x (tZL) 2+24096. 07 x b 41 x (tZL) — 212. 2220x b40、
b 3 =3. 4252 98 x 107 x b 35 x (tZL) 5- 1. 53202 4 x 1 O7 x b 34 x ( t/L) 4 + 2461918x b33x (tZL) 3— 1 69933. 2 x b 32 x (tZL) 2+4691. 568 x b 31 x (t ZL) -41. 24885 x b 30、
b 2 =4. 8039 78x l 07x b25x (tZL) 5— 2. 33747 9 x 1 07 x b 24 x (tZL) 4 + 4261933 x b 23 x ( t XL) 3— 359356. 9 x b 22 x (tZL) 2+13809. 27 x b 21 x ( t /L) -191. 21 O 6 x b 20、
b 1 = -.22355 80 x b 1 5 x ( t /L) 5+1 1 104 89 x b 14 x (tZL) 4— 21055 x b 13 x ( t ZL) 3+19172. 2
7 x b 1 2 x (tZL) 2— 863. 91 07 x b 1 1 (tZL) +1 7.
53 28 7 x b 10、
b 0 =一 4439. 819 x b 05 x ( tZL) 5 + 2053. 531 x b
04 x ( tZL) 4— 357. 6270 x b 03 x ( t /L) 3 + 29. 05
62 8 x b 02 x ( t ZL) 2—1. 1 1 0058x b0 l x ( t/L) + 1
• 0 17 1 1 5 x b 00、
b 45 =-3 x (LeZL) +3、
b 44 = -2. 9363 x (L e/L) + 2. 9575、
b 43二一 2. 8274 X (し e/し) + 2 8849、 b 4 2 一 2. 6 1 93 (し e/し) + 2 7 4 62, b 4 1 = ― 2. 1 5 86 X + 2 - 4 3 9、 b 4 0 = ― 1. 2 0 06 X (Le/L) + 1 - . 8 0 04、 b 3 5 = ― 3 X (し + 3、
b 3 4 = ― 2. 7 0 03 X + 2 - 8 0 02、
Φ
ヽ
b 3 3 = ― 2. 1 8 7 \ 3 X (し e し) + 2 4 5 82、
_|- r厂
b 3 2 = ― 1. 2 0 13 X + 1 - 8 0 08、
_J■
b 3 1二 0 . 98 6 6 X (L eZ \L) +0. 3 4 2 3、
\
b 3 0 = 5 - 5 3 9 5 x (し し) 一 2. 6 9 3 、 b 2 5 = ― 3 (し + 3、
b 2 4 =一 3. 1 3 1 X (L e/L) +3. 0 8 7 3、 b 2 3 = ― 3. 3 0 97 X (し し) + 3 2 0 64、 b 2 2 = ― 3. 5 5 42 X (し eノし) + 3 3 6 95、 b 2 1 ―一 3. 8 7 25 X (し し) + 3 5 8 1 、 b 2 0 = ― 4. 2 0 17 (し し) + 3 8 0 1 1、 b 1 5 = ― 3 (し eZL) + 3、
b 1 4 =一 2. 9 4 91 X (し し) + 2 9 6 6、 b 1 3 = ― 2. 8 6 33 X (し e/し) + 2 9 0 89、 b 1 2 = ― 2. 7 1 06 (し し) + 2 8 0フ 1、 b 1 1 = ― 2. 4 1 94 X (し し) + 2 6 1 29, b 1 0 = ― 1. 8 1 42 (し e し) + 2 2 0 95、 b 0 5 = ― 3 X (し + 3、
b 0 4 = ― 3. 0 5 74 x (し し) + 3 0 3 83、 b 0 3 = ― 3. 0 9 1 2 x (し し) + 3 0 6 08、 b 0 2 = ― 3. 1 0 59 x (し e /し) + 3 0 7 06、 b 0 1 =一 3. 0 6 7 x (L eZL) +3. 0 4 4 7、 b 0 0 =一 0. 0 4 8 x (L eZL) + 1. 0 3 2
[0045] 適用例 1 9の発明によれば、 一次温度係数 αの小さい輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 励振電極の形成には通常フォトリソグラフィ技術を用いるが、 励振 電極の材質をエッチング特性がよい A Iまたは A I合金とすることにより、 高精度の励振電極を形成することができる。 このことから生産性を高めるこ とに加え、 A Iは材料自体が安価であることから、 低コス卜の輪郭振動子を 提供することができる。
[0046] [適用例 2 0 ] 適用例 1 9に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極の 総体積を V e、 前記振動部の体積を V、 体積比 Rを V e ZVとしたとき、 0 . 0 1≤R≤0. 0 6 7を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
[0047] 適用例 2 0の発明によれば、 二次温度係数; 8の大きさを | |≤ 1 · 5 X 1 0-8Z°C2とすることができ、 特許文献 2において開示された iS =—1 . 5 1 X 1 0-8/°C2よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができ る。
[0048] [適用例 2 1 ] 適用例 1 9—に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極の 総体積を V e、 前記振動部の体積を V、 体積比 Rを V e ZVとしたとき、 0 . 0 2 6≤R≤0. 0 5 7を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
[0049] 適用例 2 1の発明によれば、 二次温度係数8の大きさを I )S I≤ 1 . O x 1 0-8Z°C2とすることができ、 特許文献 2において開示された iS =—1 . 5 1 1 o-8z°c2よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することが できる。
[0050] [適用例 2 2 ] カツト角が I R E標準の Y X I t ø 0で表される水晶基 板からなる、 平面形状が四角形の振動体と、 前記振動体の表裏両面に形成さ れ、 A uまたは A uを主成分とした合金からなる、 外郭形状が四角形の励振 電極とを備え、 前記カット角 0が 4 0度以上 5 0度以下の範囲であり、 前記 振動体の平面形状をなす前記四角形の 1辺の長さをし、 前記振動体の厚さを t、 前記励振電極の膜厚を H、 前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の 1辺の長さを L eとしたとき、 以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動
子。
0ο-Ο. 14≤0≤0 o+O. 4 (ただし、 0と 0Oの単位は [度] ) ,
0o = b3 Xa 3 x (HZL) 3+b 2 x a 2 x (HZL) 2+b 1 x a 1 x (HZL) +b 0 x a 0、
a 3 =-7. 9431 1 O7 x (LeZL) 5+2. 5306 x 108 x ( LeZL) 4— 3. 0270 x 108x (LeZL) 3+ 1. 6598 x 10s x (LeZL) 2— 3. 9968 X 1 O7 x (LeZU +3262500、 a 2 = 4. 1617 x 106x (LeZU 5— 1. 2924 x 107 x (L eZL) 4+1. 4999 x 1 O7 x (LeZL) 3— 7925800X (L Θ ZL) 2+ 1825700 x ( L e L ) 一 14292 O、
a 1 = - 13318 x (LeZL) 5 + 33849 x (LeZL) 4— 29
264 x (L e/L) 3+ 10552 x (Le L) 2— 2707. 3 x (L e/L ) +196. 64、
a 0 =- 1. 2960 x (LeZL) 5 + 7. 02 x (LeZL) 4— 1 2 . 24 x (Le/L) 3 + 8. 085 x (LeZL) 2-0. 979 x (L e /L) + 1 28. 92、
b 3 =-2. 304692 X 107x (T/L) 5+ 1. 168664x 1 O7 x (TZL) 4-2253685 x (T/L) 3+205470. 9 x (T /L) 2-881 4. 447 x (TZL) +143. 2258、
b 2=-3192240 x (TZL) 5+ 1637827 x (TZL) 4 -
321 650. 2 x (T/L) 3 + 30254. 57 x (T/L) 2 - 137 2. 487 (TZL) +25. 49296、
b 1 =— 1 266051 x (TZL) 5+653667. 1 x (T/L) 4 - 129890. 8x (TZL) 3+ 1 2497. 58 x (TZL) 2-60 0. 1855 (T/L) +13. 22736、
b 0 =- 1 1. 71456 x (TZL) 5— 1 7. 07546 x (TZL)
4 + 3. 775518 x (T/L) 3— 0. 249381 i x (TZL) 2 + 0
. 003886162 X (T/L) +1. 000154
[0051] 適用例 22の発明によれば、 一次温度係数 の小さい輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 A uは他の元素と化合し難く、 化学的な安定性が高いため、 励振電 極を A uまたは Au合金とすることにより、 励振電極の酸化や腐蝕による輪 郭振動子の電気的特性の劣化を防止することができる。
[0052] [適用例 23 ] 適用例 22に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極の 総体積を Ve、 前記振動部の体積を V、 体積比 Rを VeZVとしたとき、 0 . 022≤R≤0. 35を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
[0053] 適用例 23の発明によれば、 二次温度係数 の大きさを I ;8 I≤ 1. 5 X 10_8 2とすることができ、 特許文献 2において開示された iS=— 1. 51
X 1 o-8z°c2よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができ る。
[0054] [適用例 24] 適用例 22に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極の 総体積を Ve、 前記振動部の体積を V、 体積比 Rを VeZVとしたとき、 0 . 069≤R≤0. 3を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
[0055] 適用例 24の発明によれば、 二次温度係数^の大きさを I iS I≤ 1. Ox 10-8Z°C2とすることができ、 特許文献 2において開示された =ー1. 51 X 1 o-8 °c2よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することが できる。
[0056] [適用例 25] カツト角が I RE標準の YX I t ø 0で表される水晶基 板からなる、 平面形状が四角形の振動体と、 前記振動体の表裏両面に形成さ れ、 A gまたは A gを主成分とした合金からなる、 外郭形状が四角形の励振 電極とを備え、 前記カツ卜角 0が 40度以上 50度以下の範囲であり、 前記 振動体の平面形状をなす前記四角形の 1辺の長さをし、 前記振動体の厚さを t、 前記励振電極の膜厚を H、 前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の 1辺の長さを Leとしたとき、 以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振豳 子。
0O-O. 14≤0≤0 O+O. 4 (ただし、 0と <) 0の単位は [度]
) 、
0o = b3 X a 3 x (H/L) 3+ b 2 x a 2 x (HZL) 2+b 1 x a 1
x (HZL) +b 0 x a 0、
a 3 = 1. 0931 108 x (Le/L) 5— 3. 1028 x 108 x (L eZL) 4+3. 2427 X 108 x (LeZL) 3— 1. 5293 x 108x
(LeZL) 2+3. 2321 107 x (LeZL) —2435600、
a 2=-289980 x (LeZL) 5 + 47056 x (L Θ/L) 4+ 1 , 012200 x (LeZL) 3 - 1 103800X (LeZL) 2+3577
60 x (LeZL) -31 259,
a 1 =-4624. 1 (LeZL) 5+8840. 9 x (LeZL) 4—
2189. 5 x (LeZL) 3-2701. 5 x (LeZL) 2— 419. 6
9 x (L eZL) +36. 060、
a 0=-5. 1840 x (LeZL) 5+18. 360 x (L e/L) 4一
24. 480 x (LeZL) 3+ 14. 070x (LeZL) 2— 2. 286
Ox (LeZL) +1 29. 02、
b 3 = 4. 879572 x 107x (T/L) 5-2. 507252x 1 07 x (TZL) 4+488981 l x (TZL) 3— 446007. 4 x (TZ
L) 2+18486. 47 x (T/L) 一 258. 0898、
b 2 = 2. 630196X 107x (TZL) 5-1. 372565x 107 x (TZL) 4+2731030x (TZL) 3— 255881. 1 (TZ
L) 2+1 1020. 09 x (T/L) 一 1 63. 6825、
b 1 =-1791955x (TZL) 5+937393 x (T/L) 4一 1
88591 (TZL) 3+18253. 63 x (TZL) 2— 861. 49
1 5 x (TZL) +17. 3841 1、
b 0=- 1 1 19. 679 x (TZL) 5 + 635. 0522 x (TZL)
4-143. 8455 x (TZL) 3+ 15. 5681 5 x (TZL) 2— 0.
7750289X (TZL) +1. 013358
[0057] 適用例 25の発明によれば、 一次温度係数 の小さい輪郭振動子を実現す ることができる。
また、 A gは電気抵抗率が他の金属よりも低いため、 励振電極を Agまた は A g合金とするこどにより、 共振抵抗の小さい低損失な輪郭振動子を実現 することができる。
[0058] [適用例 26] 適用例 25に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極の 総体積を Ve、 前記振動部の体積を V、 体積比 Rを VeZVとしたとき、 0 . 01 1≤R≤0. 1 16を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
[0059] 適用例 26の発明によれば、 二次温度係数^の大きさを | )8 |≤ 1. 5 x 1 O eZ°C2とすることができ、 特許文献 2において開示された =—1. 51 X 10-8Z°C2よリも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができ る。
[0060] [適用例 27 ] 適用例 25に記載の輪郭振動子において、 前記励振電極の 総体積を Ve、 前記振動部の体積を V、 体積比 Rを Ve Vとしたとき、 0 - 034≤R≤0. 1を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
[0061] 適用例 27の発明によれば、 二次温度係数 の大きさを I iS |≤ 1. 0 X 10-8Z°C2とすることができ、 特許文献 2において開示された iS=— 1. 51 10_8 ¾2よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することが できる。
[0062] [適用例 28 ] 適用例 1から適用例 27の何れか一つの適用例に記載の輪 郭振動子を用いたことを特徴とする圧電発振器。
[0063] [適用例 29 ] 適用例 1から適用例 27の何れか一つの適用例に記載の輪 郭振動子を用いたことを特徴とする回路モジュール。
[0064] 適用例 28, 29の発明によれば、 温度特性の良好な圧電デバイスを実現 することができる
図面の簡単な説明
[0065] [図 1]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子を示し、 (a) は平面図、 (b) は、 (a) の A— A切断面を示す断面図。
[図 2] I R E標準の Y X I t ø 0で表されるカット角を模式的に示す説明図
[図 3]本発明の実施形態 1における振動体について、 I R E標準の Y X I t φ 0で表されるカット角の座標系を模式的に示す説明図。 .
[図 4]本発明の実施形態 1に係る振動部の辺比 = 1 . 0 1のときの変位を示す 説明図。
[図 5]本発明の実施形態 1に係る振動部の辺比 = 1 . 0 2のときの変位を示す 説明図。
[図 6]本発明の実施形態 1に係る振動部の辺比 = 1 . 0 3のときの変位を示す 説明図。
[図 7]本発明の実施形態 1に係る振動部の辺比 = 1 - . 0 5のときの変位を示す 説明図。
[図 8]本発明の実施形態 1に係る振動部の辺比 = 1 . 0 8のときの変位を表す 説明図。
[図 9]本発明の実施形態 1に係る振動部の辺比を変化させたときの二次温度係 数 の計算結果を示すグラフ。
[図 10]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の A I電極面積 ( 1辺の長さ L e ) 、 電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となるカット角 øの関係を示すグラ
[図 11]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の A I電極面積 ( 1辺の長さ L Θ ) 、 電極膜厚 Ηと一次温度係数ひが 0となる二次温度係数 j8の関係を示す グラフ。
[図 12]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の振動体の厚さ tと、 A I電極 膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となるカット角 φの関係を示すグラフ。
[図 13]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の振動体の厚さ tと、 A I電極 膜厚 Hと一次温度係数 が 0となる二次温度係数) 8の関係を示すグラフ。
[図 14]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数ひ = 0となる øを表すグラフ。
[図 15]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数 α = 0となる øにおける二次温度係 ¾ を表すグラフ。
[図 16]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数 α = 0となる øを表すグラフ。
[図 17]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数ひ = 0となる øにおける二次温度係数) 3を表すグラフ。
[図 18]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数 α = 0となる øを表すグラフ。
[図 19]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数ひ = 0となる øにおける二次温度係数 jSを表すグラフ。
[図 20]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数 α = 0となる øを表すグラフ。
[図 21 ]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の体積比 Rと一次温度係数ひ = 0となる øにおける二次温度係数 )3を表すグラフ。
[図 22]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の A u電極面積 (1辺の長さ L Θ ) 、 電極膜厚 Ηと一次温度係数ひが 0となるカツ卜角 øの関係を示すグラ
[図 23]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の A u電極面積 ( 1辺の長さ L Θ ) 、 電極膜厚 Ηと一次温度係数 Ofが 0となる二次温度係数) 8の関係を示す グラフ。
[図 24]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の振動体の厚さ tと、 A u電極 膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となるカット角 øの関係を示すグラフ。
[図 25]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の振動体の厚さ tと、 A u電極 膜厚 Hと一次温度係数 αが 0となる二次温度係数 jSの関係を示すグラフ。
[図 26]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の A g電極面積 ( 1辺の長さ L e ) 、 電極膜厚 Ηと一次温度係数ひが 0となるカット角 øの関係を示すグラ
[図 27]本発明の実施形態 1 こ係る輪郭振動子の A g電極面積 ( 1辺の長さ
θ) 、 電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となる二次温度係数^の関係を示す グラフ。 、:
[図 28]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の振動体の厚さ tと、 A g電極 膜厚 Hど一次温度係数 が 0となるカツト角 øの関係を示すグラフ。
[図 29]本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子の振動体の厚さ tと、 A g電極 膜厚 Hと一次温度係数 が 0となる二次温度係数 i8の関係を示すグラフ。
[図 30]本発明の実施形態 1にて示した条件における周波数温度特性を示すグ ラフ。
[図 31] (a) は規格化板厚 tZLを変化させたときに、 一次温度係数 =0 となる二次温度係数 )8が I )8 I≤ 1. 5 X 10-8Z°C2となるために必要な膜厚 比 の範囲を表し、 (b) は規格化板厚 tZLを変化させたときに、 ― 次温度係数 =0となる二次温度係数 が | |≤1. 5 X 10- 8Z°C2となる ために必要なカツ卜角 øの範囲を表すグラフ。
[図 32] (c) は規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、 一次温度係数 =0となる二次温度係数 iSが | |≤ 1. 5 X 10-a °C2となるために必要 な膜厚比 HZLの範囲を表し、 (d) は、 規格化電極寸法 LeZLを変化さ せたときに、 一次温度係数 α = 0となる二次温度係数) 3が | iS | 5 X 1 0-eZ°C2となるために必要な øの範囲を表すグラフ。
[図 33] (a) は規格化板厚 tZLを変化させたときに、 一次温度係数 =0 となる二次温度係数 が I I≤ 1 · 0 X 1 0-8Z°C2となるために必要な膜厚 比 H Lの範囲を表し、 (b) は、 規格化板厚 tZLを変化させたときに、 —次温度係数 α = 0となる二次温度係数 i8が I ;8 I 1. 0 X 1 0_8Z°C2とな るために必要なカット角 øの範囲を表すグラフ。
[図 34] (c) は規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、 一次温度係 ¾ ひ=0となる二次温度係数 が I I≤ 1 . 0 X 1 0- 8Z°C2となるために必要 な膜厚比 HZLの範囲を表し (d) は、 規格化電極寸法 Le Lを変化させ たときに、 一次温度係数 = 0となる二次温度係数 )Sが | |≤ 1 . 0 X 1 0 -8/°C2となるために必要な øの範囲を表すグラフ。
[図 35] (a) は、 規格化板厚 t/Lを変化させたときに、 一次温度係数 or = 0となる二次温度係数) 8が I iS I O. 5 10"8 2となるために必要な膜 厚比 H Lの範囲を表し、 (b) は、 規格化板厚 t Lを変化させたときに 、 一次温度係数ひ=0となる二次温度係数^が | |≤0. 5X 10"«Z°C2と なるために必要なカット角 øの範囲を表すグラフ。
[図 36] (c) は規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、 一次温度係数 =0となる二次温度係数 が I )S I≤0. 5 X 10- 8Z°C2となるために必要 な膜厚比 HZLの範囲を表し、 (d) は、 規格化電極寸法 LeZLを変化さ せたときに、 一次温度係数ひ =0となる二次温度係数 が | 3 |≤0. 5 X 1 0 -8Z°C2となるために必要なカット角 øの範囲を表すグラフ。
[図 37] (a) は規格化板厚 tZLを変化させたときに、 一次温度係数 or = 0 となる二次温度係数 i8が )3 0となるために必要な膜厚比 H Lの範囲を表 し、 (b) は規格化板厚 tZLを変化させたときに、 一次温度係犖ひ =0と なる二次温度係数 )3が 0となるために必要な øの範囲を表すグラフ。
[図 38] (c) は、 規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、 一次温度係 数 α = 0となる二次温度係数 が jS = 0となるために必要な膜厚比 H Lの 範囲を表し、 (d) は、 規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、 一次 温度係数ひ = 0となる二次温度係数 ^ = 0となるために必要な力ッ卜角 øの範囲を表している。
[図 39]本発明の実施形態 2の実施例 1に係る輪郭振動子を示し、 (a) は平 面図、 (b) は (a) の B— B切断面を示す断面図。
[図 40]本発明の実施形態 2の実施例 2に係る輪郭振動子を示す平面図。
[図 41]本発明の実施形態 3に係る輪郭振動子を示す平面図。
[図 42]本発明の実施形態 4に係る輪郭振動子を示し、 (a) は平面図、 (b
) は (a) の D— D切断面を示す断面図。
[図 43]本発明の実施形態 5に係る、 励振電極材料として A Iを用いた輪郭振 動子の体積比 Rと一次温度係数 = 0となる 0における二次温度係数 βを表 すグラフ。
[図 44]本発明の実施形態 5に係る、 励振電極材料として A uを用いた輪郭振 動子の体積比 Rと一次温度係数 = 0となる φにおける二次温度係数 βを すグラフ。
[図 45]本発明の実施形態 5に係る、 励捧電極材料として A gを用いた輪郭振 動子の体積比 Rと一次温度係数 α = 0となる øにおける二次温度係数 を表 すグラフ。
[図 46]本発明の実施形態 5に係る、 各カツ卜角 øにおける周波数温度特性を 表すグラフ。
符号の説明
[0066] 1 0…輪郭振動子、 20…振動体、 21 , 22…支持部、 23…基部、 3 1 , 32…励振電極。
発明を実施するための最良の形態
[0067] まず、 本発明を完成させるに先立ち、 輪郭振動子温度特性の理論計算値と 実験値を一致させることを検討した。 非特許文献 2には、 理論計算値 ;8=— 1. 1 X 1ひ-8 。 C2に対して寒験値) 8 =- 1. 7 X 10_8 。 C2となった旨が記 載されているが、 本発明者は、 理論計算値が実験値と一致しない原因の一つ として、 励振電極の弾性定数、 質量密度、 そして熱膨張係数の少なくとも一 つが考慮されていないことが関係していると推測した。 その推測に基づき、 振動体と励振電極の両方の弾性定数、 質量密度、 そして熱膨張係数を考慮し て有限要素法 (FEM) による計算を行った所、 実験値に対する理論計算値 の誤差が格段に小さくなることを確認した。
なお、 従来構造において、 L x = L z = 600 /m、 t =60μ mの水晶 基板 (振動体) の表裏全面に A u電極を厚さ 0. 1 / mにて形成した場合、 本実施形態における計算方法を用いて一次温度係数 が 0となる条件で二次 , 温度係数 jSを計算したところ、 非特許文献 2に記載されている8=— 1. 7 X 1 o-8 °c2を得た。
[0068] 以下、 本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 なお、 以下の説明で 参照する構造説明の図は、 図示の 宜上、 部材の全体ないし一部分の縦横の
縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
[0069] (実施形態 1 )
図 1は、 本発明の実施形態 1に係る輪郭振動子を示し、 ( a ) は平面図、 (b) は、 (a) の A— A切断面を示す断面図である。 図 1 (a) 、 (b) において、 輪郭振動子 10は、 基部 23から延在された支持部 21, 22と 、 支持部 21, 22の先端部において対向する隅部に連続して支持される振 動体 20と、 から構成されている。
[0070] 振動体 20の表裏両面には、 A l、 A uま は A g等を主成分とした金属 膜からなる励振電極 31 , 32が設けられている。 励振電極 31は振動体 2 0め表面に設けられており、 支持部 21に設けられた配線パターンによって 、 基部 23の表面に配置されている、 図示しない一方の接続電極に導通して いる。
[0071] また、 励振電極 32は、 振動谇 20の裏面に設けられており、 支持部 22 に設けられた配線パターンと基部 23の一部側面に設けられた配線パターン によって、 基部 23の表面に配置されている、 図示しない他方の接続電極に 導通している。
また、 励振電極 31, 32は、 振動体 20の表面と裏面の中間に位置する 平面に対して面対称となるよう形成されている。
[0072] なお、 接続電極は、 基部 23の裏面側に形成してもよい。 また、 励振電極
31, 32は、 図1 (a) に示すように振動体 20の表裏の周縁部を残すよ うに形成しても、 全面にしてもよく、 後述する規格化電極寸法 LeZLの所 定の範囲内において設定される。
[0073] 励振電極 31, 32に励振信号を入力することにより、 振動体 20は、 4 辺が図 1 (a) にて二点鎖線または破線で示すように輪郭振動する。 つまり
、 一方の対向する 2辺が伸張するときに、 他方の対向する 2辺は収縮する。 このような輪郭振動をラーメモード振動と呼ぶ。
[0074] 本実施形態の振動体 20は、 水晶基板のカット角を I RE標準の YX I t
で表される四角形状の平板に切り出されている。
[0075] 次に、 I RE標準の YX I t で表される水晶基板のカット角につい
. て説明する。
図 2は、 I RE標準の YX I t 0ノ 0で表されるカット角を模式的に示す 説明図である。 図 2において、 水晶の電気軸を X軸、 機械軸を Y軸、 光学軸 を Z軸で表す。 YX I t φΖθの "Y" の文字は、 回転前の水晶基板 (振動 体 20) の厚み方向を Y軸に取ることを意味しており、 YX I t ΦΖΘの " X" の文字は、 回転前の水晶基板 (振動体 20) の長さ方向 (水晶基板の平 面形状が長方形の場合は長辺に沿う方向) を X軸に取ることを意味している 。 YX I t φΖΘの " I " は第 1の回転軸が水晶基板 (振動体 20) の長さ 方向であることを意味しており、 γχ I t /θω "Φ" は第 1の回転軸に 対する水晶基板 (振動体 20) の回転角度を表している。 γχ I t /θω
" t " は第 2の回転軸が第 1の回転後の水晶基板 (振動体 20 ) の厚み方向 であることを意味しており、 YX に t 0 0の "0" は第 2の回転軸に対す る水晶基板 (振動体 20) の回転角度を表している。 なお回転方向は、 回転 軸のプラス方向に向かって時計回りをプラスの回転方向とする。
まず、 X軸を回転軸として角度 øだけ矢印方向に回転する。 すると水晶基 板の座標系は、 X、 y' 、 z' となる (図示は省略) 。 この座標系において さらに y' 軸を回転軸として角度 0だけ矢印方向に回転する。 従って、 この 水晶基板の座標系は, χ' 、 y' 、 z" で表される。
[0076] 図 3は、 本実施形態における振動体 20について、 I RE標準の YX I t 0Z0で表されるカツ卜角の座標系を模式的に示す説明図である。 図 3にお いて、 この水晶基板 (図 3では振動体 20として図示) は、 座標系 x' , y ' . z" で表される回転 Yカット水晶基板である。 ここで、 振動体 20の幅 をし ζ、 長さを L x、 厚さを tで表し、 励振電極 31 , 32の幅をし6 2、 長さを L e x、 電極膜厚を Hと表す。 また、 L xZL zを辺比と呼ぶ。
[0077] 水晶振動子におけるラーメモードは、 基本的には振動体 20の辺比 Lx L z = 1の条件下で励振するものであるが、 実際に水晶振動子を製造した場 合に正確に辺比が 1となることは難しい。 そこでまず、 どの程度までの辺比
が許容できるのかを有限要素法によリ解析した (以後の計算は全て有限要素 法によるシミュレーション結果である) 。
[0078] 図 4〜図 8は、 辺比 LxZLzを変化させて励振した場合の x' 軸、 y' 軸、 z"軸方向の変位を表す説明図である。 各図において、 (a) は y' 方 向の変位、 (b) は x' 方向の変位、 (c) は Z" 方向の変位、 (d) は変 位ベクトルの大きさを表している。 (d) において、 濃い黒い部分が振動の 節を表している (図 4~図 8では辺比 L xZL zが 1より大きい方向のみの シミュレーション結果を表示しているが、 その逆数でも同様である) 。
[0079] ここでは、 基準片の長さを 600 mとして計算した。 図 4は辺比 LxZ L z= 1. 01、 図 5は辺比 LxZLz = 1. 02、 図 6は辺比 L x Z L z =1. 03、 図 7は辺比 L xZL z = 1. 05、 図 8は辺比 L xZL z = 1 . 08のときの変位を表している。 各図の (a) - (c) において、 基準片 内の色変化が大きいほどその方向の変位が大きいことを示している。
[0080] 図 4〜図 8において、 辺比 LxZL zを 1. 01から徐々に大きくしてい くと、 徐々に x' 方向または z" 方向の変位が大きくなつている。 図 6に示 す辺比 LxZLz = 1. 03から辺比が大きくなるに従って、 各辺にょリ大 きな変位が生じることを示している。
[0081] 図 4〜図 8において図 (d) にて表される振動の節は、 振動体 20の 4隅 の角部と中央部に発生している。 従って、 これ 振動の節の位置に支持部を 設ければ振動漏れ等を抑制することが可能である。 しかしながら、 辺比 Lx し2が1. 03よりも大きい場合には、 角部の節に相当する部分が不明確 となってくるため、 角部に支持部を設けることは適切ではないと判断できる
[0082] 従って、 図 1に示すような振動体 20の支持構造を採用する場合には、 辺 比を 1. 03よりも小さくすることが好ましい。 なお、 図 4〜図 8において 、 振動体 20の中央部には辺比 L X Z L zの影響を受けずに振動の節が存在 していることから、 辺比を大きくする場合には中央部を支持する構造とすれ ばよい。
[0083] 次に、 辺比 L xZL zと二次温度係数; Sとの関係について図面を参照して 説明する。 図 1 , 2も参照する。
図 9は辺比 L xZL Ζを変化させたときの二次温度係数^の計算結果を示 すグラフである。 励振電極材料には A Iを用いており、 0=1 30度、 0 = 45度、 L x = Lz = 600/ m (即ち、 辺比 = 1を基準に) 、 t =60〃 m、 励振電極の 1辺の長さ L e x = 400/ m、 Le z = 400|/m、 電極 膜厚 H = 0. 1 / mで計算している。 横軸に辺比 L xZL z、 縦軸に二次温 度係数3を表す。 図 9において、 辺比 L xZL zが 0. 980〜1. 020 の範囲では、 二次温度係数3の変化は小さい。 従って、 以後の計算は辺比 0 . 980〜1. 020の範囲で成り立つものと考えられる。 図 9は励振電極 材料に A Iを fflいた場合の計算結果であるが、 それ以外の材料、 例えば A g や Auなどの金属、 あるいは A I、 A g、 A uの何れか一つを主成分とする 合金などでも、 辺比 0. 980〜1. 020の範囲であれば、 各励振電極材 料における計算結果が当てはまる。 なお、 励振電極材料として、 Aに Ag 、 A uの何れか一つを主成分とする合金を用いる場合、 添加する材料は重量 比で 5 <½以下にするのが望ましく、 そうすることで添加材料による計算結果 のずれを無視できる程度まで小さくできる。
以後の実施形態の説明においては振動体の寸法 Lを L=L x = L z、 励振 電極の寸法 L βを L e = L e x = L Θ ζとしているが、 L χ≠ L ζの場合は L= (L x + L z) 2、 L e X≠L β zの場合は L e= (L e x + Le z ) / 2とすれば良い。
[0084] 次に、 図 1 0〜図 29を参照して、 励振電極 31 , 32の材質を A I . A u, A gとしたときの振動体 20の厚さ t、 電極膜厚 H、 一次温度係数 = 0となるカット角 ø、 二次温度係数^との関係について説明する。
[0085] まず、 図 1 0〜図 1 3を参照して励振電極 31 , 32が A Iにより形成さ れた例について説明する。
図 1 0は、 振動体 20がカツト角 0 = 45度、 L x = L z = 600jUm ( L X , L zを Lで代表する) 、 t =60//mの場合に励振電極 31 , 32の
電極面積を変化させ、 励振電極 31, 32の電極膜厚 Hと一次温度係数 が 0となるカツト角^の関係を計算により求めた結果を示すグラフである。 なお、 以降、 励振電極を正方形 (Le z = Le X) とし、 電極面積を 1辺 の長さ L βに置き換えて表す。
[0086] なお、 カット角 0の範囲は、 特許文献 3にて記述されているように 40度 〜 50度とし、 以降の計算におけるカツ卜角 0は中心値の 0 = 45度を採用 している。 特許文献 3は GTカツ卜水晶振動子に関して記述された文献であ るが、 この GTカット水晶振動子の辺比を 1とすることによって、 ラーメモ -ド水晶振動子となることが特許文献 2と非特許文献 3で報告されているこ とからカット角 0を 40度〜 50度とすることに妥当性を有している。
[0087] 図 1 0は、 励振電極 31, 32の 1辺の長さ L eが 100〃m~600〃 m (即ち、 0. 1667≤LeZL≤1) の範囲において、 一次溫度係数ひ が 0となる電極膜厚 Hとカツ卜角 0の関係をプロットしたものであり、 電極 膜厚 Hが 0く H≤9 /m (即ち、 0<HZL≤0. 015) の範囲、 カット 角 øが 108度〜 130度の範囲で、 一次温度係数ひが 0となる領域が存在 することを示している。
[0088] 次に、 図 10に示した一次温度係数ひ = 0となるカット角 øに関する、 1 08度〜130度の範囲のカツト角 øにおける二次温度係数) 3について説明 する。
図 1 1は、 励振電極 31 , 32の電極面積と電極膜厚 Hと二次温度係数 の関係を示すグラフである。 図 1 1において、 励振電極 31, 32が図示さ れた各電極面積において、 電極膜厚 Hが薄い (0に近い) ときから 9 の 範囲、 カツ卜角 0が 108度以上 130度未満の範囲で二次温度係数 が従 来技術で示された I )8 I = 1. 51 10-8/°C2よりも小さい領域を得る条件 が存在することを示している。
[0089] 次に、 振動体 20の厚さ tと電極膜厚 Hと一次温度係数 αが θίこなるカツ ト角 øの関係について説明する。
図 1 2は、 カツ卜角 0 = 45度、 L x = Lz = 600〃m、 電極面積が 4
00 /m 400 jUm (即ち、 LeZL = 0. 6667) のとき、 振動体 2 0の厚さ tと電極膜厚 Hを変化させて、 一次温度係数 αが 0になるカット角 øの関係を計算により求めた結果を示している。 図 1 2では、 電極膜厚 Ηが 0. 5〃m〜5〃m (即ち、 HZLが 0. 000833〜0. 00833) の範囲、 振動体 20の厚さ tが 20/ m〜 100 / mの厚さ (即ち、 t L が 0. 03333〜0. 1667) において、 一次温度係数ひが 0になる力 ット角 0が 85度以上 130度未満の範囲で存在していることを示している
[0090] 次に、 振動体 20の厚さ tと電極膜厚 Hと二次温度係数 i8の関係について 説明する。
図 1 3は、 カット角 0 = 45度、 L X = L z = 600 /i m、 電極面積が 4 00/ ^1 400 の振動体20の厚さ *と電極膜厚1~1を変化させて、 一 次温度係数 αが 0となるカット角 øでの二次温度係数 )8を計算により求めた 結果を示している。 図 13では、 電極膜厚 Ηが 0. 5〃m〜5 im (即ち、
HZLが 0. 000833〜0. 00833 ) の範囲、 振動体 20の厚さ t が 20 jt m〜 100 jt mの厚さ (即ち、 tZLが 0. 03333〜0. 16 67) において、 二次温度係数 )3が従来技術で示された I )S | = 1 · 51 X
1 o-8z°c2よ yも小さし、領域を得る条件が存在することを示している。 ノ
[0091] 従って、 図 13に示す結果は、 図 1 1に示す計算結果と同様に、 LeZL 、 tZし、 そして HZLを調整することにより、 従来の二次温度係数 | )S | = 1. 51 1 0-8Z°C2よりも改善される条件が存在する; ίとを示している。
[0092] 図 14〜図 21は、 前述した計算結果 (図 10〜図 13を参照) を体積比
Rに換算して横軸に表したグラフである。 ここで体積比 Rは、 励振電極 31 , 32の総体積を Veとし、 振動体 20の面積と厚さ tとの積を体積 Vとし て、 R = VeZVと定義している。 なお、 0は 40度〜 50度の中央値の 4 5度としている。
図 1 4, 1 5は、 二次温度係数 に関して I I≤1. 5 X 10-8Z°C2とな る条件を説明するグラフであり、 図 14は体積比 Rと一次温度係数 Of = 0と
なる 0を表し、 図 15は体積比 Rと一次温度係数 =0となる 0における二 次温度係数 iSを表すグラフである。 図 14. 1 5より、 体積比 RO. 002 〜0. 1 5の範囲において、 一次温度係数ひ =0となる øは 102. 5度〜
1 29. 5度の範 Hであることが分かる。
[0093] また、 図 1 5では、 図 14にて求められた一次温度係数 α = 0となる øが
102. 5度〜 1 29. 5度の条件において、 体積比 Rが 0. 002〜0.
1 5の範囲で、 I )S I≤1. 5 X 10_8 。 C2の領域が存在することを示してい る。
[0094] 図 1 6, 17は、 二次温度係数 )8に関して I jS |≤ 1. Ox 10-8Z°C2とな る条件を説明するグラフであり、 図 1 6は体積比 Rと一次温度係数 =0と なる øを表し、 図 17は体積比 Rと一次温度係数ひ =0となる øにおける二 次温度係数 を表すグラフである。 図 16, 17より、 体積比 RO. 01〜 0. 1 25の範囲において、 一次温度係数 α = 0となる øは 106. 0度〜 1 28. 5度であることが分かる。
[0095] また、 図 17では、 図 1 6にて求められた一次温度係数 α = 0となる øが
106. 0度〜 1 28. 5度の条件において、 体積比 Rが 0. 01 ~0. 1 25の範囲で、 I I≤ 1. 0x 10-8Z°C2の領域が存在することを示してい る。
[0096] 図 18, 19は、 二次温度係数 )3に関して | β |≤0. 5 x 10-8Ζ 2とな る条件を説明するグラフであり、 図 18は体積比 Rと一次温度係数 α = 0と なる øを表し、 図 19は体積比 Rと一次温度係数 α = 0となる øにおける二 次温度係数) 3を表すグラフである。 図 18, 19より、 体積比 RO. 01 8 〜0. 10の範囲において、 一次温度係数 =0となる 0は 1 10. 0度〜 1 28. 0度であることが分かる。
[0097] また、 図 19では、 図 18にて求められた一次温度係数 α = 0となる øが
1 10. 0度 ~1 28. 0度の条件において、 体積比 RO. 018〜0. 1 0の範囲で、 | β |≤0. 5 X 10 e °C2の領域が存在することを示している
[0098] 図 2 O, 2 1は、 二次温度係数 iSに関して | β I =0/°C2となる条件を説 明するグラフであり、 図 20は体積比 Rと一次温度係数 =0となる øを表 し、 図 2 1は体積比 Rと一次温度係数ひ =0となる øにおける二次温度係数 を表すグラフである。 図 20, 21より、 体積比 Rが 0. 03~0. 07 8の範囲において、 一次温度係数 =0となる 0は 1 1 3. 5度〜 1 27. 0度であることが分かる。
[0099] また、 図 2 1では、 図 20にて求められた一次温度係数ひ =0となる øが
1 1 3. 5度 ~ 1 27. 0度の条件において、 体積比 Rが 0. 03~Q. 0 78の範囲で、 | β | =0 。 C2の条件が存在することを示している。
[0100] 以上の結果を表 1にまとめる。
[0101] [表 1]
[0102] 従って、 前述した実施形態によれば、 ラーメモード振動を有する輪郭振動 子 1 0は、 水晶基板のカット角が I RE標準の (YX I t ) φノ 0で表され る略方形状平板の振動体 20において、 Θと φと、 体積比 Rと、 のそれぞれ を選択的に設定することにより、 非特許文献 2において報告された8 =— 1 . 7 X 10_
8Z°C
2や、 特許文献 2において開示された
1 · 51 X 10-8 Z°C
2よりも優れた二次温度係数 を有する輪郭振動子 1 0を実現することが できる。
[0103] 具体的には、 体積比 Rを 0. 002〜0. 1 5の範囲、 0を 40度〜 50 度の範囲、 øを 1 02. 5度〜 1 29. 5度の範囲に設定することにより、 二次温度係数 i8を | |≤ 1. 5 X 1 0-8Z°C2とすることができる。
[0104] また、体積比 Rを 0. 01〜0. 1 25の範囲、 0を 40度〜 50度の範 囲、 øを 1 06. 0度〜 1 28. 5度の範囲に設定することにより、 二次温
度係数^を I jS I≤ 1■ 0 X "I 0-8Z°C2とすることができる。
[0105] また、 体積比 Rを 0. 01 8〜0. 1の範囲、 0を 40度〜 50度の範囲 、 øを 1 1 0. 0度〜 1 28. 0度の範囲に設定することにより、 二次温度 係数 を l iS l ^O. 5 X 1 0-e/°C2とすることができる。
[0106] さらに、 ^積比 Rを 0. 03~0. 078の範囲、 0を 40度〜 50度の 範囲、 øを 1 1 3. 5度〜 1 27. 0度の範囲に設定することにより、 二次 温度係数 iSに関して | )S | =0x 1 0-8Z°C2を得ることができる。
[0107] また、 励振電極 31 , 32は通常フォトリソグラフィ技術を用いて形成さ れるが、 励振電極 31, 32の材質をエッチング特性がよい A Iまたは A I 合金等の A Iを主成分の金属とすることにより、 高精度の励振電極 31 , 3 2を形成することができる。 このことから生産性を高めることに加え、 A I は材料自体が安価であることから、 低コストの輪郭振動子 1 0を提供するこ とができる。
[0108] 次に、 励振電極 31 , 32の 質を A uにしたときの励振電極の面積 (1 辺の長さ L e) と、 厚さ tと、 カット角 øと、 二次温度係数 ^と、 の関係に ついて図 22〜図 25を参照して説明する。
図 22は、 カット角 0 = 45度、 L x = Lz = 600〃mの場合における 、 電極面積 (1辺の長さ L e) 、 電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となる力 ッ卜角 0の関係を示すグラフである。 図 22において、 励振電極 31 , 32 が各電極面積 ( 1辺の長さ L eが 1 00〃 m〜 600 mの範囲、 即ち、 0 . 1 667≤L e/L≤1 ) において、 電極膜厚 Hが薄い (0に近い) とき から 9〃m (即ち、 0く HZL≤0. 01 5) の範囲において、 カット角 φ が 1 20度以上 1 30度未満の範囲で、 一次温度係数 が 0となるカツ卜角 Φの領域が存在することを示している。
[0109] 次に、 図 22に示した一次温度係数ひ = 0となるカット角 φが 1 20度以 上 1 30度未満の範囲における二次温度係数^について説明する。
図 23は、 励振電極 31. 32の電極面積 (1辺の長さ Le) と電極膜厚 Hと二次温度係数^の関係を示すグラフである。 図 23において、 励振電極
31, 32が図示された各電極面積において、 電極膜厚 Hが薄い (0に近い ) ときから 9//mの範囲で二次温度係数3が従来技術で示された | )S | =1 . 51 10-8Z°C2よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している
[0110] 次に、 振動体 20の厚さ tと電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0になるカツ ト角 øとの関係について説明する。
図 24は、 カット角 0 = 45度、 Lx = Lz = 600〃m、 電極面積が 4 00〃mx400〃m (即ち、 Ι_ ΘΖΙ_ = 0. 6667) のとき、 振動体 2 0の厚さ tと電極膜厚 Hを変化させて、 一次温度係数ひが 0になるカツト角 øとの関係を計算により求めた結果を示している。 図 24では、 電極膜厚 H が 0に近い厚さから 9〃m (即ち、 0<HZL≤0. 01 5) の範囲、 振動 体 20の厚さ tが 20 / m~ 1 Q 0 jt mの厚さ (即ち、 tZLが 0. 033 33〜0. 1667) において、 一次温度係数 が 0になるカット角 øが 1 00度以上 130度未満の範囲で存在していることを示している。
[0111] 次に、 振動体 20の厚さ tと電極膜厚 Hと二次温度係数 の関係について 説明する。
図 25は、 カット角 0 = 45度、 Lx = Lz = 600〃m、 電極面積が 4 00 <mX 400〃m (即ち、 LeZL = 0. 6667) の振動体 20の厚 さ tを変化させ、 電極膜厚 Hと一次温度係数 orが 0となるカット角 øでの二 次温度係数 iSの関係を計算により求めた結果を示している。 図 25では、 電 極膜厚が 0に近い厚さから 9〃 m (即ち、 0<HZL≤0. 015) の範囲 、 振動体 2ひの厚さ tが 20 m~100 mの厚さ (即ち、 tZLが 0. 03333-0. 1667) において、 二次温度係数 が、 従来技術で示さ れた I )8 I = 1. 51 1 0"8/ 2よりも小さい領域を得る条件が存在するこ とを示している。
[0112] 従って、 図 25に示す結果は、 励振電極 31 , 32の材質が Auであって も、 図 23に示す計算結果と同様に、 励振電極 31, 32の電極面積と振動 体 20の厚さ tを調整することにより、 従来の二次温度係数 I I =1. 5
1 10"«Z°C2よりも改善される条件が存在することを示している。
[0113] 次に、 励振電極 3 1 , 32の材質を A gにしたときの励振電極の面積と、 厚さ tと、 カット角 φと、 二次温度係数 と、 の関係について図 26〜図 2 9を参照して説明する。
図 26は、 カツ卜角 0 = 45度、 L x = L z = 600〃mの場令における 、 電極面積 (1辺の長さ L e) 、 電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となる力 ット角 0の関係を示すグラフである。 図 26において、 励振電極 3 1 , 32 が各電極面積 ( 1辺の長さ L eが 1 00 μ m〜 600 jW mの範囲、 即ち、 0 • 1 667≤ L e/L≤ 1 ) において、 電極膜厚 Hが薄い (0に近い) とき から 9 m (即ち、 0<HZL≤0. 01 5) の範囲において、 カット角 ø が 1 1 5度以上 1 30度未満 ώ範囲で一次温度係数 が 0となる領域が存在 することを示している。
[0114] 次に、 図 26に示した一次温度係数 Qf = 0となるカット角 φが 1 1 5度レ 上 1 30度未満の範囲における二次温度係数8について説明する。
図 27は、 励振電極 3 1 , 32の電極面積と電極膜厚 Hと二次温度係数 β の関係を示すグラフである。 図 27において、 励振電極 3 1 , 32が各電極 面積において、 電極膜厚 Ηが薄い (0に近い) ときから 9 ; m (即ち、 0< H/L≤0. 01 5) の範囲、 振動体 20の厚さ tが 1 00//m~600〃 m (即ち、 0. 1 667≤ L eZL≤ 1 ) の各厚さにおいて、 二次温度係数 が従来技術で示された I 3 | = 1. 51 10"8Z°C2よリも小さい領域を得 る条件が存在することを示している。
[0115] 次に、 振動体 20の厚さ tと電極膜厚 Hと一次温度係数 αが 0になる øと の関係について説明する。
図 28は、 カット角 0 = 45度、 L x = L z = 600〃m、 電極面積が 4 00〃mx 400〃m (即ち、 L eZL = 0. 6667) のとき、 振動体 2 0の厚さ tを変化させて、 電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0になるカツ卜角 øとの関係を計算により求めた結果を示している。 図 28において、 電極膜 厚 Hが 0に近い厚さから 9 / m (即ち、 0<HZL≤0. 01 5) の範囲、
振動体 20の厚さ tが 20/ m〜 100 |ί mの厚さ (即ち、 tZLが 0. 0 3333〜0. 1667) において、 一次温度係数ひが 0になるカット角 ø 102度以上 1 30度未満の範囲で存在していることを示している。
[0116] 次に、 振動体 20の厚さ tと電極膜厚 Hと二次温度係数 i8の関係について 説明する。
図 29は、 カツ卜角 0 = 45度、 Lx = Lz = 600〃m、 電極面積が 4 00〃mX 400〃m (即ち、 LeZL = 0. 6667) の振動体 20の厚 さ tを変化させ、 電極膜厚 Hと一次温度係数ひが 0となるカット角 φにおけ る二次温度係数 i8の関係を計算により求めた結果を示している。 図 29では 、 電極膜厚が 0に近い厚さから 9 m (即ち、 0<HZL≤0. 01 5) の 範囲、 振動体 20の厚さ tが 20 /m〜 1 00 / mの厚さ (即ち、 tZLが 0. 03333〜0. 1667) において、 二次温度係数8が従来技術で示 された I i8 I = 1. 51 X 10-8Z°C2よりも小さい領域を得る条件が存在する ことを示している。
[0117] 従って、 図 29に示す結果は、 励振電極 31 , 32が Agの場合において も、 図 27に示す計算結果と同様に、 励振電極 31 , 32の電極面積と振動 体 20の厚さ tを調整することにより、 従来の二次温度係数 I I =1. 5 1 X 10"8Z°C2よりも改善される条件が存在することを示している。
[0118] 以上の結果か 、 一次温度係数ひと二次温度係数 iSとが共に 0となる条件 の例として、 カット角 0= 1 22. 8度、 カット角 0 = 45、 L X = L z = 600jUm、 振動体 20の厚さ t =6 Ojt m (即ち、 tZL = 0. 1) 、 励 振電極 31 , 32を A Iとし電極面積を 400〃m X 400〃m (即ち、 L eZL = 0. 6667) 、 電極膜厚 H = 2. 45 j! m (即ち、 HZL = 0. 004083) としたときの周波数温度特性を計算した。
図 30は、 上記例示した条件における周波数温度特性を示すグラフである 。 図 30に示すように、 この条件において、 温度変化に伴う周波数変動量は 三次の温度変化をしていることが分かる。
[0119] 以上の結果を一般化するため、 振動体の 1辺の長さを L = Lx = Lz、 厚
さ tとして規格化した変数 (規格化板厚 tZL) 、 励振電極の 1辺の長さを L e = L e x = L e?として規格化した変数 (規格化電極寸法 Le L) 、 電極膜厚 Hと振動体の 1辺の長さと振動体の 1辺の長さ Lとの比 (膜厚比 H ZLと表す) を用いて説明する。
[0120] なお、 図 31 ~図 36では、 励振電極 31 , 32の材質が A I , Au, A gの場合を例示している。 また、 図 31〜図 36において材質名に一または +の符号を附しているが、 この符号は、 各材質における下限値及び上限値を 表している。 例えば、 材質が A Iの場合、 図 13において一次温度係数ひ= 0となる øにおける二次温度係数) 8が、 +1. 5x 10-8Z°C2となる電極 厚 . Hから計算した膜厚比 HZLを上限値、 一 1. 5X 10-8Z°C2となる電極膜厚 Hから計算した膜厚比 HZLを下限値としている。
[0121] 同様に、 電極材質が Auの場合は、 図 25において一次温度係数 α = 0と なる øにおける二次温度係数 が、 + 1. 5 10 -8Z°C2となる電極膜厚 Hか ら計算した膜厚比 HZLを上限値、 -1. 5X 10-8Z°C2となる電極膜厚 Hか ら計算した膜厚比 HZLを下限値としている。
また、 電極材質が A gの場合、 図 29において一次温度係数ひ =0となる Φにおける二次温度係数 i8が、 + 1. 5X 10 -8Z°C2となる電極膜厚 Hから計 算した膜厚比 H Lを上限値、 一 1. 5x 10-8Z°C2となる電極膜厚 Hから計 算した膜厚比 HZLを下限値としている。 ,
[0122] 図 31, 図 32は、 前述した図 10〜図 13, 図 22〜29の結果から、 —次温度係数ひ = 0、 且つ二次温度係数の絶対値 | )3 |が | S |≤1. 5 x 10-8 2となる条件を表すグラフである。
図 31 (a) は、 規格化板厚 tZLを変化させたときに、 α = 0且つ | )8 I≤ 1. 5 X 10-8Z°C2となるために必要な励振電極の膜厚比 HZLの範囲を 表すグラフである。 なお、 励振電極の各材質の下限値は略重なって表される
[0123] 図 31 (a) から、 | )S |≤ 1. 5 x 10-8Z°C2となるための電極膜厚 Hは 、 電極材質が A Iのときに膜厚比を HZL≤0. 01 3とすればよく、 Au
のとき H L≤0. 025、 Agのとき H L≤0. 02とすればよいこと が分かる。
[0124] 図 31 (b) は、 規格化板厚 tZLを変化させたときに、 α = 0且つ | )8 |≤ 1. 5 X 10-8Z°C2となるために必要なカツ卜角 øの範囲を表している。 なお、 励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、 各材質にお けるカツ卜角 øは略同じ角度となる。
[0125] 図 32 (c) は、 規格化電極寸法 L eZLを変化させたときに、 =0且 つ I i8 I 1. 5 X 10-8Z°C2となるために必要な膜厚比 H Lの範囲を表し ている。 なお、 励振電極の各材質の下限値は略重なって表される。
[0126] また、 図 32 (d) は、 規格化電極寸法 Le Lを変化させたときに、 =0且つ | β \ ≤ t . 5 x 10-8 。 C2となるために必要なカツ卜角 φの範囲を 表している。 なお、 励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され 、 各材質におけるカット角 Φは略同じ角度となる。
[0127] 図 31, 図 32から、 どの電極材質においても、 振動体の厚さ t (規格化 板厚 tZL) 、 励振電極の面積 (1辺の長さ Le、 規格化電極寸法 LeZL ) 及び電極膜厚 H (膜厚 ^tHZL) を適切に調整することにより、 カツ卜角 を 1 1 1度≤0<130度の範囲に設定すれば、 特許文献 2に記載されてい る iS =— 1. 51 10-8Ζ 2よリも絶対値の小さい二次温度係数、 | |≤ 1. 5 X 10-8Z°C2とすることが可能で、 周波数温度特性 改善するこ?!:がで きる。
[0128] 図 33, 図 34は、 二次温度係数 )8が I )3 I≤ 1. 0 x 1 O eZ°C2となる条 件を表すグラフである。 図 33 (a) は、 規格化板厚 tZLを変化させたと きに、 一次温度係数 =0、 且つ二次温度係数の絶対値 | |が | |≤ 1 . 0 X 1 0"8 ¾2となるために必要な膜厚比 HZ Lの範囲を表している。
[0129] 図 33 (a) から、 | |≤ 1. 0 x 1 0- 8Z°C2となるための電極膜厚 Hは 、 電極材質が A Iのときに膜厚比を HZL≤0. 01とすればよく、 Auの とき HZL≤0. 021、 A gのとき Hノ L≤0. 015とすればよいこ が分かる。 なお、 励振電極の各材質の下限値は略重なって表される。
[0130] 図 33 (b) は、 規格化板厚 t/Lを変化させたときに、 =0且つ I β
I≤ 1. 0 X 10-8 °C2となるために必要なカット角 0の範囲を表している。 なお、 励振電極の各材質の上限値及び下限値は重 って表され、 各材質にお けるカット角 0は略同じ角度となる。
[0131] 図 34 (c) は、 規格化電極寸法 L eZLを変化させたときに、 =0且 つ I iS I≤ 1 . 0 X 1 0_8Z°C2となるために必要な膜厚比 HZLの範囲を表し ている。
[0132] また、 図 34 (d) は、 規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、 a = 0且つ | )8 | ≤ 1. 0 X 1 0-8 °C2となるために必要なカツ卜角 φの範囲を 表している。 なお、 励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され 、 各材質におけるカツ卜角 øは略同じ角度となる。
[0133] 図 33, 図 34から、 どの電極材質においても、 振動体の厚さ t (規格化 板厚 t L ) 、 励振電極の面積 ( 1辺の長さ L e、 格化電極寸法 L e L ) 及び電極膜厚 H (膜厚比 H し) を適切に調整することにより、 カツ卜角 φを 1 5度≤0≤1 28度の範囲に設定すれば、 二次温度係数 )8を I β I ≤1. O 10-8Z°C2となる範囲が存在し、 周波数温度特性をさらに改善する ことができる。
[0134] 図 35, 図 36は、 二次温度係数 ;8が I j8 |≤0. 5x 10-8/¾2となる条 件を表すグラフである。 図 35 (a) は、 規格化板厚 tZLを変化させたと きに、 一次温度係数ひ=0、 且つ二次温度係数の絶対値 | |が | |≤0 . 5 X 10-8Z°C2となるために必要な膜厚比 HZLの範囲を表している。
[0135] 図 35 (a) から、 | 8 |≤0. 5 x 10-8 °C2となるための電極膜厚 Hは 、 電極材質が A Iのときに膜厚比を HZL≤0. 008とすればよく、 Au のとき HZL≤0. 017、 Agのとき HZL≤0. 012とすればよいこ とが分かる。
[0136] 図 35 (b) は、 規格化板厚 t/Lを変化させたときに、 ひ=0且つ I β I≤0. 5 10-8/°C2となるために必要なカツト角 øの範囲を表している。 なお、 励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、 各材質にお
けるカツ卜角 0は略同じ角度となる。
[0137] 図 36 (c) I 、 規格化電極寸法 Le/Lを変化させたときに、 =0且 つ I i8 I≤0. 5 X 10-8ノ¾2となるために必要な膜厚比 HZLの範囲を表し ている。
[0138] また、 図 36 (d) は、 規格化電極寸法 L eZLを変化させたときに、 α =0且つ | |≤0. 5 X 10-8Z°C2となるために必要なカツ卜角 øの範囲を 表している。 なお、 励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され 、各材質におけるカツ卜角 øは略同じ角度となる。
[0139] 図 35, 図 36から、 どの電極材質においても、 振動体の厚さ t (規格化 板厚 tZL) 、 励振電極の面積 (1辺の長さ Le、 規格化電極寸法 LeZL ) 及び電極膜厚 H (膜厚比 HZL) を適切に調整することにより、 カット角 øを 1 18度 26度の範囲に設定すれば、 二次温度係数^を I β I ≤0. 5 10-eZ°C2とし、 周波数温度特性をさらに改善することができる。
[0140] 図 37, 図 38は、 二次温度係数 =0となる条件を表すグラフである。
図 37 (a) は、 規格化板厚 tZLを変化させたときに、 一次温度係数 = 0、 且つ二次温度係数 i8が iS = 0となるために必要な膜厚比 HZ Lの範囲を 表している。
[0141] 図 37 (a) から、 iS = 0となるための電極膜厚 Hは、 電極材質が A Iの ときに膜厚比を HZL^O. 005とすればよく、 Auのとき HZL≤0.
013、 A gのとき HZL≤0. 008とすればよいことが分かる。
[0142] 図 37 (b) は、 規格化板厚 tZLを変化させたときに、 ひ =0且つ )8 =
0となるために必要なカツト角 φの範囲を表している。 なお、 励振電極の各 材質におけるカット角 øは略重なって表される。
[0143] 図 38 (c) は、 規格化電極寸法 L eZLを変化させたときに、 ひ =0且 つ iS = 0となるために必要な膜厚比 HZLの範囲を表している。
[0144] また、 図 38 (d) は、 規格化電極寸法 LeZLを変化させたときに、
=0且つ =0となるために必要なカツト角 øの範囲を表している。 なお、 規格化電極寸法 LeZLを変化させたときにおいても、 励振電極の各材質に
おけるカツト角 0は略重なって表される。
[0145] 図 37, 図 38から、 どの電極材質においても、 振動体の厚さ t (規格化 板厚 tZL) 、 励振電極の面積 (1辺の長さ Le、 規格化電極寸法 LeZL ) 及び電極膜厚 H (膜厚比 HZL) を適切に調整することにより、 カット角 øを 1 21度 24度の範囲に設定すれば二次温度係数 が極めて 0 に近くなリ、 周波数温度特性をより一層改善することができる。
[0146] なお、 上述した実施形態では、 励振電極の材質として Aし Au, A gを 例示して説明したが、 これらに限らず他の電気伝導度の高い導電体を励振電 極として採用することができる。 例えば、 振動体の一次温度係数 αが正の場 合に一次温度係数ひが負の導電体や金属酸化物、 振動体の一次温度係数 が 負の場合に一次温度係数 が正の導電体を採用できる。
[0147] このように振動体と励振電極それぞれの一次温度係数 の傾きを逆にする ことで、 輪郭振動子全体としての一次温度係数 =0が得やすい。 従って、 二次温度係数8を所望の範囲に設定する際に、 一次温度係数 orの影響を低減 し、 カット角 0, Φ、 規格化電極寸法 LeZL、 規格化板厚 tZL、 膜厚比 HZLの調整がしゃすくなるという効果がある。
[0148] (実施形態 2)
続いて、 本発明の実施形態 2について図面を参照して説明する。 実施形態 2は、 輪郭振動子が励振電極を振動体の表裏面それぞれに一定の間隔を有し て複数個設けられ、 1 X n次または mx π次の振動モードを有して構成され ていることに特徴を有している。
図 39は実施形態 2に係る実施例 1、 図 40は実施形態 2に係る実施例 2 を示している。 なお、 カット角 0、 Φ、 体積比 R、 振動体の厚さ t (規格化 板厚 tZL) 、 励振輋極の面積 (1辺の長さ Le、 規格化電極寸法 Le L ) 及び電極膜厚 H (膜厚比 H/L) は、 前述した実施形態 1の各条件に準じ ているため説明を省略する。
[0149] ' (実施形態 2の実施例 1)
図 39は、 実施形態 2の実施例 1に係る輪郭振動子を示し、 (a) は平面
図、 (b) は (a) の B— B切断面を示す断面図である。 図 39 (a) 、 ( b) において、 輪郭振動子 1 1 0は、 基部 1 23から延在された支持部 1 2 1 , 1 22と、 支持部 1 21 , 1 22の 4箇所において、 対向する隅部それ ぞれに連続して支持される振動体 1 20と、 から構成されている。
[0150] 振動体 1 20は、 x' 方向が長い長方形をしている。 なお、 振動体 1 20 は z" 方向に長い長方形としてもよい。
[0151] 振動体 1 20の一方の表面には励振電極 1 31 -1 33, 他方の表面 (裏 面) には励振電極 1 34〜1 36がズ' 軸方向に一定の間隔を有して配列さ れている。 励振電極 1 31 ~1 36のぅち、 隣り合う電極にはそれぞれ逆の 電位が負荷される。 つまり、 励振電極 1 31 , 1 33, 1 35に対して励振 電極 1 32, 1 34, 1 36が逆極性の電位となる。 従って、 励振電極 1 3 1 , 1 34とそれらに挟まれた振動体 1 20 aが 1対の振動体を構成してい ることになる。
[0152] 励振電極 1 32, 1 35とそれらに挟まれた振動体 1 20 bが他の 1対の 振動体を構成し、 励振電極 1 33, 1 36とそれらに挟まれた振動体 1 20 cがさらに他の 1対の振動体を構成する。 つまり、 3対の振動体が構成され ていることになる。 それらの各対となる励振電極に励振信号を入力すると、 隣り合う電極にはそれぞれ逆極性の電位が負荷されるため、 逆位相の振動を 行い全体としてはバランスがとれた振動を行う (図 39 (a) に二点鎖線に て例示する) 。
[0153] このように構成される輪郭振動子 1 1 0は、 実施形態 1の輪郭振動子 1 0 に対して高次の振動モードを有し、 その配列から 1 x n次モードの振動子と 呼ばれる。 1は、 z" 方向の振動モード数、 n (nは整数) は x' 方向の振 動モード数を表している。
[0154] (実施形態 2の実施例 2)
続いて、 実施形態 2の具体例としての実施例 2に係る輪郭振動子について 図面を参照して説明する。 実施例 2は、 振動体 220の表裏両面の x' 方向 及び z " 方向それぞれに複数の励振電極を設けていることに特徴を有してい
る。
[0155] 図 40は、 実施例 2に係る輪郭振動子を示している、 図 40において、 輪 郭振動子 21 0は、 基部 223から延在された支持部 221 , 222と、 支 持部 221 , 222の 4箇所において対向する隅部に連続して支持される振 動体 220と、 から構成されている。
[0156] 振動体 220の一方の表面には励振電極 23 1〜239が一定の間隔を有 して整列配設されている。 他方の表面 (裏面) には、 励振電極 231〜23 9に対向してそれぞれ逆極性の電位となる励振電極 (図示せず) が配設され ている。 これら励振電極 231 ~239のうち、 隣り合う励振電極それぞれ には逆極性の電位が負荷される。 つまリ、 励振竃極 231 , 233, 235 , 237, 239は同電位であり、 これらに対して、 励振電極 232, 23 4, 236, 238には逆極性の電位が負荷されるように構成されている。
[0157] 図 40における C一 C切断面の構成は、 図 39 (b) と同じ構成としてい る。 つまり、 輪郭振動子 21 0は、 実施例 1 (図 39、 参照) にて示す輪郭 振動子 1 1 0に対して、 z" 方向にさらに励振電極 234〜239を増やし た形態である。 従って、 図 40で示す輪郭振動子 21 0は、 振動体 220上 に 9対の振動体を有していることになる。
[0158] それらの各対となる励振電極に励振信号を入力すると、 隣り合う電極には それぞれ逆極性の電位が負荷されるため、 逆位相の振動を行い全体としては バランスがとれた振動を行う。
このように構成される輪郭振動子 21 0は、 実施形態 1の輪郭振動子 1 0 に対してさらに高次の振動モードを有し、 その配列から mx n次モードの振 動子と呼ばれる。 m (mは整数) は、 z" 方向の振動モード数、 n ( nは整 数) は x' 方向の振動モード数を表している。
[0159] 従って、 上述した実施形態 2によれば、 特許文献 2にて報告された二次温 虔係数) 8=— 1. 51 X 1 C^Z°C2よりも優れた二次温度係数 i8を有するとと もに、 高次の振動モードを有する輪郭振動子を実現できる。
[0160] (実施形態 3)
続いて、 本発明の実施形態 3に係る輪郭振動子について図面を参照して説 明する。 実施形態 3は、 振動体と励振電極との間に中間層を設けたところに 特徴を有している。
図 41は、 実施形態 3に係る輪郭振動子の一部を示す斜視図である。 図 4 1において、 水晶基板のカット角が I RE標準の YX I t 0Z0で表される 四角形状の平板からなる振動体 20の表裏両面それぞれに中間層 33と、 中 間層 33の表面に励振電極 31が設けられている。
[0161] 中間層 33と励振電極 31と振動体 20の平面形状 (平面積) は、 図 41 に示すように振動体 20>中間層 >励振電極としてもよく、 振動体 20 >中 間層 =励振電極としてもよく、 振動体 20 =中間層 >励振電極としてもよく 、 または振動体 20 =中間層 =励振電極としてもよい。
[0162] なお、 振動体の厚さ t (つまり、 規格化板厚 tZL) 、 励振電極の面積 (
1辺め長さ L e、 つまり、 規格化電極寸法 L e Z L) 及び電極膜厚 H (膜厚 比 HZL) は、 前述した実施形態 1の各条件に準じている。
[0163] 振動体 20の表面に励振電極 31を形成する際、 密着性を高めるために励 振電極の材質に対応して中間層 33を設けることがある。 このように中間層 33を設けても前述した実施形態 1に表される条件を満たす範囲であれば、 特許文献 2において報告された iS=—1. 51 X 10-8Z°C2よりも二次温度係 数 を小さくすることができる。
[0164] なお、 実施形態 3による構成は、 前述した実施形態 2 (図 39, 図 40、 参照) による高次モードの輪郭振動子にも適合できる。
[0165] (実施形態 4)
続いて、 本発明の実施形態 4に係る輪郭振動子について図面を参照して説 明する。 実施形態 4は、 励振電極の形状が前述した実施形態 1〜3と異なる ことに特徴を有している。 相違部分を中心に説明し、 共通部位には実施形態 1と同じ符号を附して説明する。
図 42は、 本実施形態に係る輪郭振動子を示し、 (a) は平面図、 (b) は (a) の D— D切断面を示す断面図である。 図 42 (a) 、 (b) におい
て、 輪郭振動子 3 1 0は、 実施形態 1 (図 1、 参照) と同じ外形形状を有し ている。
[0166] 振動体 2 0の表裏両面には、 A l、 A u、 A g等を主成分とする励振電極
3 3 1 , 3 3 2が形成されている。 励振電極 3 3 1 , 3 3 2それぞれの略中 央近傍には、 励振電極が付加されない電極開口部 3 3 3 , 3 3 4が開設され ている。 電極開口部 3 3 3 , 3 3 4は、 振動体 2 0がラ一メモ一 振動をす る際に、 ほとんど振動しない領域 (図 4〜図 8、 参照) に形成される。 また 、 電極開口部 3 3 3と電極開口部 3 3 4とは、 振動体 2 0に対してほぼ面対 称である。 従って、 電極開口部 3 3 3 , 3 3 4を設けても振動特性にはほと んど影響しない。
[0167] なお、 図 4 2では、 電極開口部 3 3 3, 3 3 4の形状は四角形としている が、 特に形状は特定されることはなく、 また、 大きさもラーメモード振動に 影響を与えない範囲において任意に設定することができる。
[0168] 水晶振動子を設計する際、 容量比は重要な要素である。 励振電極 3 3 1 , 3 3 2の中央部に電極開口部 3 3 3, 3 3 4を設けることにより、 励振電極 間の静電容量を等価直列容量に対して小さくすることができることから容量 比を小さくできるので、 振動効率を高めることができ、 消費電流を抑制でき る。 さらに、 容量比の小さい水晶振動子ほど共振周波数と反共振周波数の間 のインピーダンス変化が緩やかであるので、 発振回路における発振条件を満 足させやすい。 また、 容量比の小さい水晶振動子を用いれば広帯域な周波数 可変範囲を有する電圧制御型水晶発振器や通過帯域の広い水晶フィルタを実 現することもできる。
[0169] (実施形態 5 )
本発明の実施形態 5について説明する。 実施形態 5は、 水晶基板のカツ卜 角 øと 0を設定しただけでは必ずしも一次温度係数 <Xが小さぐならないとい う課題を解決すべく、 カツト øと、 規格化板厚 t L、 規格化電極寸法 L e Zし、 膜厚比 HZ L、 との関係を特定したものである。
有限要素法 (F EM) による図 1 0〜図 1 3 . 図 2 2 ~ 2 9の計算結果を
基に、 一次 S度係数 が 0となるカット角 0と、 tZし、 1_ΘΖΙ_、 HZL 、 との関係を表す近似式の検討を行った。 以後、 一次温度係数 αが 0となる カット角 øを 0 οとし、 øと の単位を [度] とする。
検討の結果、 励振電極材料として A Iを用いた場合、 以下の式によリ ø o が特定されることを見出した。
0o = b 4 X a 4x (HZL) 4+ b 3 x a 3 x (HZL) 3+b 2 x a 2 x (HZL) 2+ b 1 x a 1 x (H/L) +b O X a O、
a 4 = 4. 341 3 x 1 01°x (L eZL) 6— 1. 397 1 x 1 011 x ( L e/L) 5+1. 7970 x 1 O11 x (L β/L) 4- 1. 1 788 X 1 0' 1 x (L eZL) 3 + 4. 1 386 x 1 010x (L e/L) 2— 7. 2863 x 1 0 x (し e L) +4. 8993 X 1 08、
a 3 =- 1. 0064 x 1 09 x (L eZL) 6+3. 381 8 1 O 9 x ( L eZL) 5— 4. 5506 1 09x (L e/L) 4 + 3. 1 1 36 x 1 09 x (L eZL) 3- 1. 1 277 x 1 09x (L eZL) 2+2. 0228 1 08x (し e/L) - 1 - 3821 x 1 07
a 2= 1. 5622X 1 O7 x (L e/L) 6— 5. 8604 x 107x (L Θ/L) s+ 8. 7 986 x 1 O7 x (LeZL) 4- 6. 65 8 1 x 1 07x (LeZL) 3+2. 61 42 x 1 O7 x (L eZL) 2-4. 91 49 x 1 0 6x (L e/L) +3. 47 1 4 X 1 05、
a 1 =-44379 x (L eZL) 6+ 1 65890 (L eZL) 5— 2 56060 x (L eZL) 4 + 208920 x (L eZL) 3-91 380 x (Le L) 2+ 1 6336 x (L e/L) ^1 1 67,
a 0 = 5. 221 4 x (L e/L) 6— 21. 232 x (L eZL) 5+3 8. 293 x (L eZL) 4— 37. 399 x (L eZL) 3+ 1 8. 677 x (L eZL) 2-3. 1 1 73 x (L e/L) +1 29. 08、
b 4= 1. 726007 x 1 08x b 45 x ( tZL) 5— 7. 7601 7 4X 1 07x b44 x (tZL) 4+1. 253743 x 1 07x b 43 x ( t ZL) 3— 869965. 1 b 42 x (tZL) 2+24096. 07 x b
41 ( tZし) -21 2. 2220x b40、
b 3 = 3. 4252 98 x i 07x b35x (tZL) 5— 1. 53202
4 x 1 0 7 x b 34 x (tZL) 4+2461918 x b 33 (tZL) 3—
169 9 33. 2 x b 32 x (tZし) 2 + 4691. 568 x b 31 x ( t
/L) 一 41. 24885 x b 30、
b 2 = 4. 8039 78 x 1 O7 x b 25 x ( t / L) 5-2. 33747
9 x 1 0 7 x b 24 x (tZL) 4 + 4261933 x b 23 x (tZL) 3-
359 3 56. 9 x b 22 x (tZL) 2+13809. 27 x b 21 x ( t
ZL) ― 191. 21 06 x b 20、
b 1 = -22355 80 x b 1 5 x (tZL) 5+ 1 1 1 O 489 x b 14 x (tZL) 4— 210557. 7 x b 13 x (tZL) 3+ 1 9172. 2
7 x b 1 2 x ( t ZL) 2-863. 91 07 X b 1 1 x (t ZL) + 1 7.
53 287 x b 1 0、 - b 0 =— 4439. 81 9 x b 05 x ( t ZL) 5+2053. 531 b
04 x (tZL) 4一 357. 6270 b 03 x ( tZL) 3 + 29. 05
62 8 X b 02 x (tZL) 2- 1. 1 1 005 8 x b 01 x ( t ZL) +1
■ 0 171 1 5 x b 00、
b 45=— 3 x (LeZL) +3、
b 44=一 2. 9363 (し し) + 2. 9575、
b 43 =ー2. 8274 x (し し) + 2. 8849、
b 42=— 2. 6193 X (し し) + 2. 7462,
b 41 =-2. 1586 (し し) + 2. 439、
b 40=— 1. 2006 X (し し) +1. 8004、
b 35=— 3 X (L eZL) +3、
b 34=一 2. 7003 X (L e/L) + 2. 8002、
b 33=— 2. 1873 X (し し) + 2. 4582、
b 32=— 1. 2013 X (し し) + 1 - 8008、
b 31 =0. 9 866 (L e/L) +0. 3423、
b 30 5 5395 X (し e/L) 一 2. 693、
b 2 5 = ― 3 X (し e/L) + 3
b 2 4 = ― 3 - 1 3 1 X (し eZL) +3. 08 7 3 、
b 2 3 = ― 3 - 30 97 X (し し) + 3 . 2 0 6 4
b 2 2 = ― 3 55 42 X ( L e Zし) + 3 . 3 6 9 5
b 2 1 = ― 3 87 25 X (し し) + 3 . 5 8 1 ,
b 2 0 = ― 4 20 1 7 X (し eくし) _ + 3 . 8 0 1 1
b 1 5 =一 3 X (し e/L) + 3
b 1 4 =一 2 94 91 X (し し) + 2 . 9 6 6 、
b 1 3 = ― 2 86 33 X (し し) + 2 . 9 0 8 9
b 1 2 = ― 2 71 06 (し し) + 2 . 8 0 7 1
b 1 1 =一 2 41 94 X (し し) + 2 - 6 1 2 9
b 1 0 = ― 1 81 42 X (し β/し) + 2 • 2 0 9 5
b 0 5 = ― 3 X (し Θ/L) + 3
b 0 4 = ― 3 05 74 (し し) + 3 • 0 3 8 3,
b 0 3 = ― 3 09 1 2 X (し し) + 3 . 0 6ひ 8
b 0 2 =一 3 1 0 59 X (し し) + 3 . 0 7 0 6
b 0 1 = ― 3 06 7 X (し eZL) +3. 04 4 7 、
b 0 0 =一 0 04 8 X (し Θ/L) + 1. 03 2
また、 励振電極材料として A uを用いた場合、 以下の式により が特定 されることを見出した。
o = b3 Xa 3 (HZL) 3+ b 2 x a 2 x (H/L) 2+b 1 x a 1 x (HZL) +b O x a 0
a 3 = - 7. 9431 x 1 07 x (L e L) 5+2. 5306 X 1 08 X ( L eZL) 3. 0270 x 1 08x (L eZU 3+1. 6598 x 1 0s x (L eZL) 2—3. 9968 x 1 07x (L e/L) +3262500 a 2 = 4. 1 6 1 7 x 1 06x (Ι_ ΘΖΙ_) 5— 1 . 29 24 x 1 07 x (L eZL) 4+ 1. 4999 1 07 x (LeZL) 3— 7925800X (L e
/\-) 2+1 825700 x (LeZL) —142920、
a 1 =- 1 3318 x (LeZL) 5 + 33849 x (LeZL) 4-29
264 x (l_eZI_) 3+ 10552 x (LeZU 2— 2707. 3 x (L e/L) + 1 96. 64、
a 0 =- 1. 2960 x (LeZL) 5+7. O 2 x (LeZL) 4— 12 . 24 x (LeZL) 3 + 8. 085 x (LeZL) 2-0. 979 x (L β ZL) + 1 28. 92、 .
b 3 =-2. 304692X 107x (T/L) 5+ 1. 168664x 1 07x (T/L) 4-2253685 x (TZL) 3 + 205470. 9 x (T ZL) 2— 8814. 447 x (TZL) +143. 2258、
b 2=-3192240 x (T/L) 5+ 1637827 x (T/L) 4一
321 650. 2 x (TZL) 3 + 30254. 57 x (Tノ l_) 2 - 137 2. 487 x (TZL) +25. 49296、
b 1 =-1 266051 x (T/L) 5+653667. 1 x (TZL) 4 -129890. 8 x (TZL) 3+ 1 2497. 58 x (TZL) 2-60 0. 1855 x (TZL) +13. 22736、
b 0=- 1 1. 71456 x (TZL) 5— 1 7. O 7546 x (TZL) 4+3. 775518 x (TZL) a— 0. 249381 1 x (TZL) 2 + 0 . 003886162x (TZL) +1. 000154
また、 励振電極材料として A gを用いた場合、 以下の式により 0 οが特定 されることを見出した。
0o = b 3 X a 3 x (HZL) 3 + b 2 x a 2 x (H/L) 2+b 1 x a 1 x (HZL) +b 0 x a 0、
a 3 = 1. 0931 x 108x (L e L) 5—3. 1028 x 108x (L e/L) 4 +3. 2427 x 108 x (LeZL) 3— 1. 5293 x 108x (L Θ/L) 2+3. 232 1 x 1 07 x (L β/L) 一 2435600、 a 2=— 289980x (LeZL) 5+47056 x (L β/L) 4+ 1 012200 x (LeZU 3— 1 103800 x (LeZL) 2+3577
60 x (し eZI_) — 31 259、
a 1 =-4624. 1 x (Le八) 5+8840. 9 x (LeZL) 4— 2189. 5 x (LeZL) 3-2701. 5 x (LeZL) 2-419. 6 9 x (L eZL) +36. 060、
a 0 = -5. 1 840 x (LeZL) 5十 18. 36 O x (L β/L) 4- 24. 480 x (LeZL) 3+ 14. 070 (LeZL) 2— 2. 286 0 x (L e/L) +1 29. 02、
b 3 = 4. 879572X 107x (TZL) 5— 2. 507252 x 10" x (TZL) 4+488981 1 X (TZL) 3— 446007. 4 x (TZ L) 2+18486. 47 x (TZL) -258. 0898、
b2 = 2. 630196 x l 07x (T,l_) 5— 1. 372565x 10" x (TZL) 4+2731030 x (TZL) 3— 255881. 1 x (TZ L) 2+ 1 1020. 09 x (TZL) — 163. 6825、
b 1 =- 1791955 x (TZL) 5+937393 x (TZL) 4— 1 88591 (TZL) 3+18253. 63 x (TZL) 2— 861. 49 1 5 x (TZL) +17. 3841 1、
b 0=- 1 1 1 9. 679 x (T/L) 5 + 635. 0522 x (TZL) 4-143. 8455 x (T/L) 3+ 15. 5681 5 x (TZL) 2— 0.
7750289X (TZL) +1. 013358
有限要素法 (FEM) で計算した 0 oと上記近似式により算出した 0 oの 比較結果を表 2に示す。 上記近似式による ø oの算出値は F E Mによる計算 結果とよく一致しており、 上記近似式を満たすように tZL、 し eZL、 H しを設定することで、 一次温度係数 がほとんど 0となるカツト角 øを容 易に求められることが立証された。
2]
[0175] なお、 励振電極材料として、 A I、 Ag、 A uの何れか一つを主成分とす る合金を用いる場合、 添加する材料を重暈比で 5%以下にすれば、 添加材料 による計算結果のずれを無視できる程度まで小さくできる。
[0176] 図 43〜図 45は、 前述した計算結果 (図 10〜図 13, 図 22~29を 参照) を体積比 Rとの関係で表したグラフである。 ここで体積比 Rは、 励振 電極 31. 32の総体積を Veとし、 振動体 20の面積と厚さ tとの積を体 積 Vとして、 R = VeZVと定義している。 なお、 0は 40度〜 50度の中 央値の 45度としている。 tZし、 LeZL、 HZ Lを上述の近似式に入力 すれば、 一次温度係数 αがほとんど 0となるカツト角 φが容易に求まるわけ だが、 さらに体積比 Rを適切に設定することで、 一次温度係数ひだけでなく 二次温度係数 をも小さくすることができる。
[0177] 図 43は、 励振電極材料とし TA Iを用いた場合の、 体積比 Rと 0oにお ける二次温度係数 i8との関係を表したグラフである。
図 43から明らかなように、 0. 01≤R≤0. 067を満たす範囲にお いては、 二次温度係数8の大きさを | |≤1. 5X 10_8Z°C2とすることが でき、 特許文献 2において開示された )3 =— 1. 51 X 10-8 2よリも優れ た温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
さらに 0. 026≤R≤0. 057を満たすことで、 二次温度係数8の大 きさを | jS |≤1. 0X 10"«Ζ 2とすることができ、 特許文献 2において開 示された) S =— 1. 51 X 10-8 °C2よリも大幅に温度特性が改善された輪郭 振動子を実現することができる。
[0178] 図 44は、 励振電極材料として A uを用いた場合の、 体積比 Rと 0oにお ける二次温度係数) 8との関係を表したグラフである。
図.44から明らかなように、 0. 022≤R≤0. 35を満たす範囲にお いては、 二次温度係数 の大きさを I 8 |≤1 · 5 X 10-8Z°C2とすることが でき、 特許文献 2において開示された iS=— 1 . 51 1 0-8Z°C2よりも優れ た温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
さらに 0. 069≤R≤0. 3を満たすことで、 二次温度係数^の大きさ を I jS I≤ 1 . 0 X 1 0-8Z°C2とすることができ、 特許文献 2において開示さ れた) 8 =— 1. 51 X 10-8Z°C2よリも大幅に温度特性が改善された輪郭振動 子を実現することができる。
[0179] 図 45は、 励振電極材料として A gを用いた場合の、 体積比 Rと φοにお ける二次温度係数 iSとの関係を表したグラフである。
図 45から明らかなように、 0. 01 1≤R≤0. 1 16を満たす範囲に おいては、 二次瀘度係数^の大きさを I )S |≤ 1. 5 10_8 。 C2とすること ができ、 特許文献 2において開示された iS =— 1. 51 X 10- 。 C2よりも優 れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
さらに 0. 034≤R≤0. 1を満たすことで、 二次温度係数 の大きさ を I iS I≤ 1 . 0 X 1 0-8Z°C2とすることができ、 特許文献 2において開示さ れた ^ =ー "I . 51 X 10-8Z°C2よリも大幅に温度特性が改善されナ::輪郭振動 子を実現することができる。
[0180] 図 46は、 カット角 øの ø oに対する公差を説明するための図であり、 φ o— 0. 14度から 0O + O. 5度の間の各カット角 øにおける周波数温度 特性を表している。 励振電極には A Iを用いており、 カット角 0 o = 1 22 ·' 8度、 カット角 0 = 45度、. L = Lx = Lz = 600/ m、 t =60〃m' (即ち、 tZL = 0. 1) 、 Le = L e x = L e z = 400 im (即ち、 L eZL = 0. 6667) 、 H = 2. 456〃 m (即ち、 HZL = 0. 004 0933) である。
従来の二次温度係数 j8 =— 1. 51 X 1 0-8Z°C2の輪郭振動子の場合、 一 5
0〜 100°Cの動作温度範囲内において最大 84. 4 p pmの周波数変動が 生じるが、 図 46から明らかな通リ、 カツ卜角 0を 0 o— 0. 14≤φ≤φ ο + Ο. 4 [度] の範囲内とすれば周波数変動は 83. 4ppm以下となり 、 従来の輪郭振動子よりも周波数変動の少ない、 温度特性の良好な輪郭振動 子を実現することができる。
一次温度係数 は、 0 = 0 ο— Ο. 14 [度] の場合で 3· 58 p pm/ °C、 0 = o+O. 4 [度] の場合で一 6. 87 p pm °Cであり、 本実施 形態により、 I I≤6. 87 p pmZ°Cの良好な温度特性を有する輪郭振 動子を実現できることが確認された。
図 46の傾向は励振電極材料が A I以外でも成り立つので、 カツト角 φは 励振電極材料によらず 0o— 0· 14≤0≤0 o+O. 4 [度] の範囲内に すれば良い。
[0181] なお、 本実施形態は他の実施形態同様、 力ッ卜角 0が 40度以上 5ひ度以 下の範囲で適用可能である。 カツト角 0がこの範囲を満たさないと、 輪郭振 動の節 (輪郭振動の変位がほとんど生じない個所) が不明確になり、 支持部 21, 22が振動体 20の輪郭振動を阻害して、 共振抵抗, C I (クリスタ ルインピーダンス) の劣化を招いてしまうので、 その点からもカット角 0は 40度以上 50度以下に設定する必要がある。
[0182] なお、 本発明は前^の実施形態 1〜 5に限定されるものではなく、 本発明 の目的を達成できる範囲での変形、 改良等は本発明に含まれるものであり、 各実施形態を組合せた形態についても本 明に含まれる。 また、 本発明によ る輪郭振動子を圧電発振器や回路モジュールなどに用いれば、 温度特性の良 好な圧電デバイスを実現することができるのは言うまでもない。