JPWO2008044484A1 - 輪郭振動子並びにそれを用いた圧電発振器及び回路モジュール - Google Patents

輪郭振動子並びにそれを用いた圧電発振器及び回路モジュール Download PDF

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Abstract

カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、前記振動体の表裏両面に形成され、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さL、前記振動体の厚さt、前記励振電極の膜厚H、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さLe、によりカット角φを適切に設定して、温度特性の改善された輪郭振動子を得る。

Description

本発明は、輪郭振動子に関し、具体的には、カット角がIRE標準の(YXlt)φ/θで表される略四角形状の平板からなる水晶基板を用いたラーメモード振動を行う輪郭振動子に関する。
従来から、携帯機器、情報通信機器、計測機器等の電子機器用の圧電振動子として、厚み滑り振動を主振動としたATカット水晶振動子が多く用いられている。しかしながら、共振周波数が数MHz帯のATカット水晶振動子はサイズが大きく、小型化が困難である。そこで、低周波数帯(例えば10MHz未満の周波数帯)においては、輪郭振動を用いた水晶振動子が用いられる。輪郭振動子としては、音叉型水晶振動子、DTカット輪郭滑り水晶振動子、GTカット幅−長さ縦結合水晶振動子、ラーメモード水晶振動子などが挙げられる。
しかし、音叉型水晶振動子は約10kHzから数100kHzの周波数帯に適した圧電振動子であり、これを数MHz帯まで高周波化すると、振動片を形成する際の水晶の微細加工が困難になる。また、DTカット輪郭滑り水晶振動子は輪郭振動の節(輪郭振動の変位がほとんど生じない個所)が少なく、振動部の外周で支持する際は節になりきっていない個所で支持せざるを得ない事情から、支持の影響を低減するための支持構造が複雑となり、小型化が困難である。GTカット幅−長さ縦結合水晶振動子は幅縦振動モードと長さ縦振動モードとが結合した振動モードを用いているが故に、振動片の長辺寸法と短辺寸法の製造偏差に過敏であり、さらに輪郭振動の節が一点しかないため振動片の支持が難しく、製造が容易ではない。そこで着目されているのがラーメモード水晶振動子である。
水晶カット角がIRE(Institute of Radio Engineersの略で、現在のIEEE)標準にて(YXlt)φ/θで表される水晶振動子おいて、θ=45度のとき、φ=36度とφ=130度で一次温度係数αが0となる領域を有し、理論計算において、このθ=45度及びφ=36度のとき(LQ1Tカットと呼ばれる)二次温度係数β=−5.2×10−8/℃、θ=45度及びφ=130度のとき(LQ2Tカットと呼ばれる)β=−1.1×10−8/℃が得られるラーメモード水晶振動子が報告されている。即ち、水晶基板のカット角により二次温度係数βが変化し、LQ2Tカットの方が大幅に良好な温度特性を有していることが理論計算上示されている(例えば、非特許文献1参照)。
そして特許文献1には、θを40度〜50度とし、φを−40度〜−60度(即ち、φを120度〜140度)またはφを40度〜60度とした輪郭系水晶振動子において、β≒−1.1×10−8/℃の周波数温度特性データが図示されている。
しかしながら、上述の非特許文献1ではLQ2Tカット以外での二次温度係数βの実験値は記載されているものの、LQ2Tカットにおける二次温度係数βの実験値は記載されておらず、特許文献1にも周波数温度特性の実験による確認結果は開示されていない。LQ2Tカットラーメモード水晶振動子の周波数温度特性を実験的に確認した研究例としては、非特許文献2があり、β=−1.7×10−8/℃の実験結果が開示されている。また、特許文献2では、θ=45度とし、φを−60度〜0度(即ち、φを120度〜180度)としたラーメモード水晶振動子において、β=−1.51×10−8/℃の実験結果が開示されている。
また角度θに関しては、上述の特許文献1にてθが40度〜50度のLQ2Tカットラーメモード水晶振動子が開示されている他、特許文献3でもθが40度〜50度のGTカット水晶振動子が開示されている。
そして、θ=45度のGTカット水晶振動子の辺比を1とすることでラーメモード水晶振動子となることが報告されている(例えば、特許文献2と非特許文献3を参照)。
特開2005−26843号公報 特開2001−313537号公報 特開昭52−149084号公報 第24回EMシンポジウム、11頁〜16頁、「エッチング法によって形成されたラーメモード水晶振動子」、川島宏文、松山勝 第35回EMシンポジウム、31頁〜34頁、「小型ラーメモード水晶振動子の開発」、水本勝也、秋野真志、西塚剛史、芦沢英紀、丸茂正秀、雨宮正人 P.C.Y.Lee,et al."Extensional Vibrations of Rectangular Crystal Plates",Proc.35th Ann.Freq.Control Symposium(1981)
非特許文献2ではβ=−1.7×10−8/℃、特許文献2ではβ=−1.51×10−8/℃という周波数温度特性が確認されたが、携帯機器、情報通信機器、計測機器等の電子機器等において高周波化、高精度化が求められるなかでは、まだ十分な周波数温度特性が得られていないという課題を有している。
また、水晶基板のカット角φを約130度にしただけでは一次温度係数αをほぼ0にすることができないという問題があるが、それを解決するための手段は明らかにされていなかった。
一方、ATカット水晶振動子は周波数温度特性は優れているが、非特許文献2に示されているように、ラーメモード水晶振動子よりもサイズが大きい。また、周波数の高いATカット水晶振動子(例えば数10MHzのATカット水晶振動子)を数MHz帯にダウンコンバートする場合は、そのための周辺回路が必要となり、消費電流が高くなって、部品点数やコストの増加が生じてしまう。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は小型で周波数温度特性の優れる輪郭振動子を提供することである。
[適用例1]水晶基板のカット角がIRE表示の(YXlt)φ/θで表される略方形状平板の振動部と、前記振動部の表裏両面に形成される励振電極と、を備え、前記θと、前記φと、前記振動部の体積に対する前記励振電極の体積比と、のそれぞれを選択的に設定することを特徴とする輪郭振動子。
適用例1の発明によれば、前述した非特許文献1または非特許文献2が、φとθを適宜組み合わせ、一次温度係数αが0のときの二次温度係数βを小さくしていることに対して、振動部の振動部体積に対する前記励振電極の体積比を主要要素として加えることで、非特許文献2において報告されたβ=−1.7×10−8/℃や、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた二次温度係数βを有する輪郭振動子を実現することができる。
[適用例2]適用例1の輪郭振動子において、前記励振電極がAlまたはAlを主成分とする合金からなることを特徴とする輪郭振動子。
適用例2の発明においても、良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
また、励振電極の形成には通常フォトリソグラフィ技術を用いるが、励振電極の材質をエッチング特性がよいAlまたはAl合金とすることにより、高精度の励振電極を形成することができる。このことから生産性を高めることに加え、Alは材料自体が安価であることから、低コストの輪郭振動子を提供することができる。
[適用例3]適用例1の輪郭振動子において、前記励振電極がAuまたはAuを主成分とする合金からなることを特徴とする輪郭振動子。
適用例3の発明においても、良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
また、Auは他の元素と化合し難く、化学的な安定性が高いため、励振電極をAuまたはAu合金とすることにより、励振電極の酸化や腐蝕による輪郭振動子の電気的特性の劣化を防止することができる。
[適用例4]適用例1の輪郭振動子において、前記励振電極がAgまたはAgを主成分とする合金からなることを特徴とする輪郭振動子。
適用例4の発明においても、良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
また、Agは電気抵抗率が他の金属よりも低いため、励振電極をAgまたはAg合金とすることにより、共振抵抗の小さい低損失な輪郭振動子を実現することができる。
[適用例5]適用例1に記載の輪郭振動子において、前記励振電極が、前記振動部の表裏面それぞれに一定の間隔を有して複数個設けられ、隣り合う前記励振電極それぞれが逆極性の電位となるよう整列配設されていることを特徴とする輪郭振動子。
適用例5の発明においても、良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
また、振動部の表裏両面に複数の励振電極を整列配設し、隣り合う励振電極に逆極性の電位を負荷することにより、振動部の支持による輪郭振動の阻害の影響を低減でき、低損失な輪郭振動子を実現することができる。
[適用例6]適用例1、2、または5のいずれか一つの適用例に記載の輪郭振動子において、前記θが40度〜50度の範囲、前記体積比が0.002〜0.15の範囲、前記φが102.5度〜129.5度の範囲にあることを特徴とする輪郭振動子。
[適用例7]適用例1、2、または5のいずれか一つの適用例に記載の輪郭振動子において、前記θが40度〜50度の範囲、前記体積比が0.01〜0.125の範囲、前記φが106.0度〜128.5度の範囲にあることを特徴とする輪郭振動子。
[適用例8]適用例1、2、または5のいずれか一つの適用例に記載の輪郭振動子において、前記θが40度〜50度の範囲、前記体積比が0.018〜0.1の範囲、前記φが110.0度〜128.0度の範囲にあることを特徴とする輪郭振動子。
[適用例9]適用例1、2、または5のいずれか一つの適用例に記載の輪郭振動子において、前記θが40度〜50度の範囲、前記体積比が0.03〜0.078の範囲、前記φが113.5度〜127.0度の範囲にあることを特徴とする輪郭振動子。
[適用例10]適用例1ないし9、後述の適用例11ないし27のいずれか一つの適用例に記載の輪郭振動子において、前記励振電極が、前記振動部の略中央近傍に電極開口部を有していることを特徴とする輪郭振動子。
水晶振動子を設計する際、容量比は重要な要素である。水晶振動子は等価回路において励振電極間静電容量と等価直列容量とを有し、この等価直列容量に対する励振電極間静電容量の比を容量比と表す。従って、励振電極間静電容量を小さくすることで容量比を小さくすることができる。励振電極間静電容量は、水晶振動子の厚さと誘電率と励振電極の面積で律せられることから、励振電極の中央部に電極がない電極開口部を設けることにより、励振電極間静電容量を小さくすることができる。その結果、振動効率を高めることができ、消費電流を抑制できる。
[適用例11]水晶基板のカット角がIRE標準のYXltφ/θで表される四角形の平板からなる振動体と、前記振動体の表裏両面に形成される励振電極と、を備え、前記カット角θが40度〜50度の範囲、前記励振電極の1辺の長さLeと前記振動体の1辺の長さLとの比が0<Le/L≦1、前記振動体の厚さtと前記振動体の1辺の長さLとの比が0<t/L<0.2で表される範囲において、前記カット角φを選択的に設定することを特徴とする輪郭振動子。
適用例11の発明によれば、前述した非特許文献1または非特許文献2が、カット角φとカット角θを適宜組み合わせ、一次温度係数αが0のときの二次温度係数βを小さくしていることに対して、カット角θと、励振電極の1辺の長さLeと前記振動体の1辺の長さLとの比Le/L(以降、この比を規格化電極寸法と表す)と、振動体の厚さtと前記振動体の1辺の長さLとの比t/L(以降、この比を規格化板厚と表す)と、水晶基板のカット角φと、を選択的に適切な範囲に設定することにより、非特許文献2において報告されたβ=−1.7×10−8/℃や、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた二次温度係数βを有する輪郭振動子を実現することができる。
[適用例12]適用例11、後述の適用例19ないし27のいずれか一つの適用例に記載の輪郭振動子において、前記励振電極が、前記振動体の表裏両面それぞれに一定の間隔を有して複数対設けられ、隣り合う前記励振電極それぞれが逆極性の電位となるよう整列配設されていることを特徴とする輪郭振動子。
適用例12の発明においても、良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
また、振動部の表裏両面に複数の励振電極を整列配設し、隣り合う励振電極に逆極性の電位を負荷することにより、振動部の支持による輪郭振動の阻害の影響を低減でき、低損失な輪郭振動子を実現することができる。
[適用例13]適用例11または適用例12に記載の輪郭振動子において、前記カット角φが、111度≦φ<130度の範囲に設定されていることを特徴とする輪郭振動子。
カット角θを40度〜50度の範囲とし、上述したカット角φと規格化電極寸法Le/Lと、規格化板厚t/Lとを設定することにより、非特許文献2において報告されたβ=−1.7×10−8/℃や、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた二次温度係数|β|≦1.5×10−8/℃を有する輪郭振動子を実現することができる。
[適用例14]適用例11または適用例12に記載の輪郭振動子において、前記カット角φが、115度≦φ≦128度の範囲に設定されていることを特徴とする輪郭振動子。
カット角φをこのようにすれば、非特許文献2や特許文献2で報告された二次温度係数βよりもさらに優れた|β|≦1.0×10−8/℃を有する輪郭振動子を実現できる。
[適用例15]適用例11または適用例12に記載の輪郭振動子において、前記カット角φが、118度≦φ≦126度の範囲に設定されていることを特徴とする輪郭振動子。
カット角φをこのようにすれば、非特許文献2や特許文献2で報告された二次温度係数βよりもさらに優れた|β|≦0.5×10−8/℃を有する輪郭振動子を実現できる。
[適用例16]適用例11または適用例12に記載の輪郭振動子において、前記カット角φが、121度≦φ≦124度の範囲に設定されていることを特徴とする輪郭振動子。
カット角φをこのようにすれば、二次温度係数β≒0の周波数温度特性が極めて優れる輪郭振動子を実現できる。
[適用例17]適用例11ないし16、後述の適用例19ないし27のいずれか一つに記載の輪郭振動子において、前記振動体と前記励振電極の間に中間層が設けられていることを特徴とする輪郭振動子。
振動体の表面に励振電極を形成する際、密着性を高めるために励振電極の材質に対応して中間層を設けることがある(つまり、積層電極)。このように中間層を設けても、上述した条件を満たす範囲であれば、非特許文献2や特許文献2において報告された二次温度係数βよりも絶対値を小さくすることができる。
[適用例18]適用例11ないし適用例17のいずれか一つに記載の輪郭振動子において、前記振動体の一次温度係数αが正の場合に前記励振電極の一次温度係数αが負の導電体からなり、前記振動体の一次温度係数αが負の場合に前記励振電極の一次温度係数αが正の導電体からなる、ことを特徴とする輪郭振動子。
振動体と励振電極それぞれの一次温度係数αの傾きを逆にすることで、輪郭振動子全体としての一次温度係数α=0にしやすい。従って、二次温度係数βを所望の範囲に設定する際に、一次温度係数αの影響を排除し、カット角θ,φ、規格化電極寸法Le/L、規格化板厚t/Lを、二次温度係数βが従来より小さくなるための調整がしやすくなるという効果がある。
[適用例19]カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、前記振動体の表裏両面に形成され、AlまたはAlを主成分とした合金からなる、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さをL、前記振動体の厚さをt、前記励振電極の膜厚をH、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さをLeとしたとき、以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
φo−0.14≦φ≦φo+0.4 (ただし、φとφoの単位は[度])、
φo=b4×a4×(H/L)+b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
a4=4.3413×1010×(Le/L)−1.3971×1011×(Le/L)+1.7970×1011×(Le/L)−1.1788×10 ×(Le/L)+4.1386×1010×(Le/L)−7.2863×10×(Le/L)+4.8993×10
a3=−1.0064×10×(Le/L)+3.3818×10×(Le/L)−4.5506×10×(Le/L)+3.1136×10×(Le/L)−1.1277×10×(Le/L)+2.0228×10×(Le/L)−1.3821×10
a2=1.5622×10×(Le/L)−5.8604×10×(Le/L)+8.7986×10×(Le/L)−6.6581×10×(Le/L)+2.6142×10×(Le/L)−4.9149×10×(Le/L)+3.4714×10
a1=−44379×(Le/L)+165890×(Le/L)−256060×(Le/L)+208920×(Le/L)−91380×(Le/L)+16336×(Le/L)−1167、
a0=5.2214×(Le/L)−21.232×(Le/L)+38.293×(Le/L)−37.399×(Le/L)+18.677×(Le/L)−3.1173×(Le/L)+129.08、
b4=1.726007×10×b45×(t/L)−7.760174×10×b44×(t/L)+1.253743×10×b43×(t/L)−869965.1×b42×(t/L)+24096.07×b41×(t/L)−212.2220×b40、
b3=3.425298×10×b35×(t/L)−1.532024×10×b34×(t/L)+2461918×b33×(t/L)−169933.2×b32×(t/L)+4691.568×b31×(t/L)−41.24885×b30、
b2=4.803978×10×b25×(t/L)−2.337479×10×b24×(t/L)+4261933×b23×(t/L)−359356.9×b22×(t/L)+13809.27×b21×(t/L)−191.2106×b20、
b1=−2235580×b15×(t/L)+1110489×b14×(t/L)−210557.7×b13×(t/L)+19172.27×b12×(t/L)−863.9107×b11×(t/L)+17.53287×b10、
b0=−4439.819×b05×(t/L)+2053.531×b04×(t/L)−357.6270×b03×(t/L)+29.05628×b02×(t/L)−1.110058×b01×(t/L)+1.017115×b00、
b45=−3×(Le/L)+3、
b44=−2.9363×(Le/L)+2.9575、
b43=−2.8274×(Le/L)+2.8849、
b42=−2.6193×(Le/L)+2.7462、
b41=−2.1586×(Le/L)+2.439、
b40=−1.2006×(Le/L)+1.8004、
b35=−3×(Le/L)+3、
b34=−2.7003×(Le/L)+2.8002、
b33=−2.1873×(Le/L)+2.4582、
b32=−1.2013×(Le/L)+1.8008、
b31=0.9866×(Le/L)+0.3423、
b30=5.5395×(Le/L)−2.693、
b25=−3×(Le/L)+3、
b24=−3.131×(Le/L)+3.0873、
b23=−3.3097×(Le/L)+3.2064、
b22=−3.5542×(Le/L)+3.3695、
b21=−3.8725×(Le/L)+3.5817、
b20=−4.2017×(Le/L)+3.8011、
b15=−3×(Le/L)+3、
b14=−2.9491×(Le/L)+2.966、
b13=−2.8633×(Le/L)+2.9089、
b12=−2.7106×(Le/L)+2.8071、
b11=−2.4194×(Le/L)+2.6129、
b10=−1.8142×(Le/L)+2.2095、
b05=−3×(Le/L)+3、
b04=−3.0574×(Le/L)+3.0383、
b03=−3.0912×(Le/L)+3.0608、
b02=−3.1059×(Le/L)+3.0706、
b01=−3.067×(Le/L)+3.0447、
b00=−0.048×(Le/L)+1.032
適用例19の発明によれば、一次温度係数αの小さい輪郭振動子を実現することができる。
また、励振電極の形成には通常フォトリソグラフィ技術を用いるが、励振電極の材質をエッチング特性がよいAlまたはAl合金とすることにより、高精度の励振電極を形成することができる。このことから生産性を高めることに加え、Alは材料自体が安価であることから、低コストの輪郭振動子を提供することができる。
[適用例20]適用例19に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.01≦R≦0.067を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
適用例20の発明によれば、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
[適用例21]適用例19に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.026≦R≦0.057を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
適用例21の発明によれば、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することができる。
[適用例22]カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、前記振動体の表裏両面に形成され、AuまたはAuを主成分とした合金からなる、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さをL、前記振動体の厚さをt、前記励振電極の膜厚をH、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さをLeとしたとき、以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
φo−0.14≦φ≦φo+0.4 (ただし、φとφoの単位は[度])、
φo=b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
a3=−7.9431×10×(Le/L)+2.5306×10×(Le/L)−3.0270×10×(Le/L)+1.6598×10×(Le/L)−3.9968×10×(Le/L)+3262500、
a2=4.1617×10×(Le/L)−1.2924×10×(Le/L)+1.4999×10×(Le/L)−7925800×(Le/L)+1825700×(Le/L)−142920、
a1=−13318×(Le/L)+33849×(Le/L)−29264×(Le/L)+10552×(Le/L)−2707.3×(Le/L)+196.64、
a0=−1.2960×(Le/L)+7.02×(Le/L)−12.24×(Le/L)+8.085×(Le/L)−0.979×(Le/L)+128.92、
b3=−2.304692×10×(T/L)+1.168664×10×(T/L)−2253685×(T/L)+205470.9×(T/L)−8814.447×(T/L)+143.2258、
b2=−3192240×(T/L)+1637827×(T/L)−321650.2×(T/L)+30254.57×(T/L)−1372.487×(T/L)+25.49296、
b1=−1266051×(T/L)+653667.1×(T/L)−129890.8×(T/L)+12497.58×(T/L)−600.1855×(T/L)+13.22736、
b0=−11.71456×(T/L)−17.07546×(T/L)+3.775518×(T/L)−0.2493811×(T/L)+0.003886162×(T/L)+1.000154
適用例22の発明によれば、一次温度係数αの小さい輪郭振動子を実現することができる。
また、Auは他の元素と化合し難く、化学的な安定性が高いため、励振電極をAuまたはAu合金とすることにより、励振電極の酸化や腐食による輪郭振動子の電気的特性の劣化を防止することができる。
[適用例23]適用例22に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.022≦R≦0.35を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
適用例23の発明によれば、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
[適用例24]適用例22に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.069≦R≦0.3を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
適用例24の発明によれば、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することができる。
[適用例25]カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、前記振動体の表裏両面に形成され、AgまたはAgを主成分とした合金からなる、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さをL、前記振動体の厚さをt、前記励振電極の膜厚をH、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さをLeとしたとき、以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
φo−0.14≦φ≦φo+0.4 (ただし、φとφoの単位は[度])、
φo=b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
a3=1.0931×10×(Le/L)−3.1028×10×(Le/L)+3.2427×10×(Le/L)−1.5293×10×(Le/L)+3.2321×10×(Le/L)−2435600、
a2=−289980×(Le/L)+47056×(Le/L)+1012200×(Le/L)−1103800×(Le/L)+357760×(Le/L)−31259、
a1=−4624.1×(Le/L)+8840.9×(Le/L)−2189.5×(Le/L)−2701.5×(Le/L)−419.69×(Le/L)+36.060、
a0=−5.1840×(Le/L)+18.360×(Le/L)−24.480×(Le/L)+14.070×(Le/L)−2.2860×(Le/L)+129.02、
b3=4.879572×10×(T/L)−2.507252×10×(T/L)+4889811×(T/L)−446007.4×(T/L)+18486.47×(T/L)−258.0898、
b2=2.630196×10×(T/L)−1.372565×10×(T/L)+2731030×(T/L)−255881.1×(T/L)+11020.09×(T/L)−163.6825、
b1=−1791955×(T/L)+937393×(T/L)−188591×(T/L)+18253.63×(T/L)−861.4915×(T/L)+17.38411、
b0=−1119.679×(T/L)+635.0522×(T/L)−143.8455×(T/L)+15.56815×(T/L)−0.7750289×(T/L)+1.013358
適用例25の発明によれば、一次温度係数αの小さい輪郭振動子を実現することができる。
また、Agは電気抵抗率が他の金属よりも低いため、励振電極をAgまたはAg合金とすることにより、共振抵抗の小さい低損失な輪郭振動子を実現することができる。
[適用例26]適用例25に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.011≦R≦0.116を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
適用例26の発明によれば、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
[適用例27]適用例25に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.034≦R≦0.1を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
適用例27の発明によれば、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することができる。
[適用例28]適用例1から適用例27の何れか一つの適用例に記載の輪郭振動子を用いたことを特徴とする圧電発振器。
[適用例29]適用例1から適用例27の何れか一つの適用例に記載の輪郭振動子を用いたことを特徴とする回路モジュール。
適用例28,29の発明によれば、温度特性の良好な圧電デバイスを実現することができる
本発明の実施形態1に係る輪郭振動子を示し、(a)は平面図、(b)は、(a)のA−A切断面を示す断面図。 IRE標準のYXltφ/θで表されるカット角を模式的に示す説明図。 本発明の実施形態1における振動体について、IRE標準のYXltφ/θで表されるカット角の座標系を模式的に示す説明図。 本発明の実施形態1に係る振動部の辺比=1.01のときの変位を示す説明図。 本発明の実施形態1に係る振動部の辺比=1.02のときの変位を示す説明図。 本発明の実施形態1に係る振動部の辺比=1.03のときの変位を示す説明図。 本発明の実施形態1に係る振動部の辺比=1.05のときの変位を示す説明図。 本発明の実施形態1に係る振動部の辺比=1.08のときの変位を表す説明図。 本発明の実施形態1に係る振動部の辺比を変化させたときの二次温度係数βの計算結果を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子のAl電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子のAl電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となる二次温度係数βの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の振動体の厚さtと、Al電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の振動体の厚さtと、Al電極膜厚Hと一次温度係数αが0となる二次温度係数βの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子のAu電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子のAu電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となる二次温度係数βの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の振動体の厚さtと、Au電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の振動体の厚さtと、Au電極膜厚Hと一次温度係数αが0となる二次温度係数βの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子のAg電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子のAg電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となる二次温度係数βの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の振動体の厚さtと、Ag電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1に係る輪郭振動子の振動体の厚さtと、Ag電極膜厚Hと一次温度係数αが0となる二次温度係数βの関係を示すグラフ。 本発明の実施形態1にて示した条件における周波数温度特性を示すグラフ。 (a)は規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(b)は規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表すグラフ。 (c)は規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要なφの範囲を表すグラフ。 (a)は規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(b)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表すグラフ。 (c)は規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要なφの範囲を表すグラフ。 (a)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(b)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表すグラフ。 (c)は規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βが|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表すグラフ。 (a)は規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βがβ≒0となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(b)は規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βがβ≒0となるために必要なφの範囲を表すグラフ。 (c)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βがβ≒0となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表し、(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0となる二次温度係数βがβ≒0となるために必要なカット角φの範囲を表している。 本発明の実施形態2の実施例1に係る輪郭振動子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B切断面を示す断面図。 本発明の実施形態2の実施例2に係る輪郭振動子を示す平面図。 本発明の実施形態3に係る輪郭振動子を示す平面図。 本発明の実施形態4に係る輪郭振動子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D切断面を示す断面図。 本発明の実施形態5に係る、励振電極材料としてAlを用いた輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態5に係る、励振電極材料としてAuを用いた輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態5に係る、励振電極材料としてAgを用いた輪郭振動子の体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフ。 本発明の実施形態5に係る、各カット角φにおける周波数温度特性を表すグラフ。
符号の説明
10…輪郭振動子、20…振動体、21,22…支持部、23…基部、31,32…励振電極。
まず、本発明を完成させるに先立ち、輪郭振動子温度特性の理論計算値と実験値を一致させることを検討した。非特許文献2には、理論計算値β=−1.1×10−8/℃に対して実験値β=−1.7×10−8/℃となった旨が記載されているが、本発明者は、理論計算値が実験値と一致しない原因の一つとして、励振電極の弾性定数、質量密度、そして熱膨張係数の少なくとも一つが考慮されていないことが関係していると推測した。その推測に基づき、振動体と励振電極の両方の弾性定数、質量密度、そして熱膨張係数を考慮して有限要素法(FEM)による計算を行った所、実験値に対する理論計算値の誤差が格段に小さくなることを確認した。
なお、従来構造において、Lx=Lz=600μm、t=60μmの水晶基板(振動体)の表裏全面にAu電極を厚さ0.1μmにて形成した場合、本実施形態における計算方法を用いて一次温度係数αが0となる条件で二次温度係数βを計算したところ、非特許文献2に記載されているβ=−1.7×10−8/℃を得た。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で参照する構造説明の図は、図示の便宜上、部材の全体ないし一部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る輪郭振動子を示し、(a)は平面図、(b)は、(a)のA−A切断面を示す断面図である。図1(a)、(b)において、輪郭振動子10は、基部23から延在された支持部21,22と、支持部21,22の先端部において対向する隅部に連続して支持される振動体20と、から構成されている。
振動体20の表裏両面には、Al、AuまたはAg等を主成分とした金属膜からなる励振電極31,32が設けられている。励振電極31は振動体20の表面に設けられており、支持部21に設けられた配線パターンによって、基部23の表面に配置されている、図示しない一方の接続電極に導通している。
また、励振電極32は、振動体20の裏面に設けられており、支持部22に設けられた配線パターンと基部23の一部側面に設けられた配線パターンによって、基部23の表面に配置されている、図示しない他方の接続電極に導通している。
また、励振電極31,32は、振動体20の表面と裏面の中間に位置する平面に対して面対称となるよう形成されている。
なお、接続電極は、基部23の裏面側に形成してもよい。また、励振電極31,32は、図1(a)に示すように振動体20の表裏の周縁部を残すように形成しても、全面にしてもよく、後述する規格化電極寸法Le/Lの所定の範囲内において設定される。
励振電極31,32に励振信号を入力することにより、振動体20は、4辺が図1(a)にて二点鎖線または破線で示すように輪郭振動する。つまり、一方の対向する2辺が伸張するときに、他方の対向する2辺は収縮する。このような輪郭振動をラーメモード振動と呼ぶ。
本実施形態の振動体20は、水晶基板のカット角をIRE標準のYXltφ/θで表される四角形状の平板に切り出されている。
次に、IRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板のカット角について説明する。
図2は、IRE標準のYXltφ/θで表されるカット角を模式的に示す説明図である。図2において、水晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸で表す。YXltφ/θの“Y”の文字は、回転前の水晶基板(振動体20)の厚み方向をY軸に取ることを意味しており、YXltφ/θの“X”の文字は、回転前の水晶基板(振動体20)の長さ方向(水晶基板の平面形状が長方形の場合は長辺に沿う方向)をX軸に取ることを意味している。YXltφ/θの“l”は第1の回転軸が水晶基板(振動体20)の長さ方向であることを意味しており、YXltφ/θの“φ”は第1の回転軸に対する水晶基板(振動体20)の回転角度を表している。YXltφ/θの“t”は第2の回転軸が第1の回転後の水晶基板(振動体20)の厚み方向であることを意味しており、YXltφ/θの“θ”は第2の回転軸に対する水晶基板(振動体20)の回転角度を表している。なお回転方向は、回転軸のプラス方向に向かって時計回りをプラスの回転方向とする。
まず、X軸を回転軸として角度φだけ矢印方向に回転する。すると水晶基板の座標系は、X、y’、z’となる(図示は省略)。この座標系においてさらにy’軸を回転軸として角度θだけ矢印方向に回転する。従って、この水晶基板の座標系はx’、y’、z”で表される。
図3は、本実施形態における振動体20について、IRE標準のYXltφ/θで表されるカット角の座標系を模式的に示す説明図である。図3において、この水晶基板(図3では振動体20として図示)は、座標系x’,y’,z”で表される回転Yカット水晶基板である。ここで、振動体20の幅をLz、長さをLx、厚さをtで表し、励振電極31,32の幅をLez、長さをLex、電極膜厚をHと表す。また、Lx/Lzを辺比と呼ぶ。
水晶振動子におけるラーメモードは、基本的には振動体20の辺比Lx/Lz=1の条件下で励振するものであるが、実際に水晶振動子を製造した場合に正確に辺比が1となることは難しい。そこでまず、どの程度までの辺比が許容できるのかを有限要素法により解析した(以後の計算は全て有限要素法によるシミュレーション結果である)。
図4〜図8は、辺比Lx/Lzを変化させて励振した場合のx’軸、y’軸、z”軸方向の変位を表す説明図である。各図において、(a)はy’方向の変位、(b)はx’方向の変位、(c)はz”方向の変位、(d)は変位ベクトルの大きさを表している。(d)において、濃い黒い部分が振動の節を表している(図4〜図8では辺比Lx/Lzが1より大きい方向のみのシミュレーション結果を表示しているが、その逆数でも同様である)。
ここでは、基準片の長さを600μmとして計算した。図4は辺比Lx/Lz=1.01、図5は辺比Lx/Lz=1.02、図6は辺比Lx/Lz=1.03、図7は辺比Lx/Lz=1.05、図8は辺比Lx/Lz=1.08のときの変位を表している。各図の(a)〜(c)において、基準片内の色変化が大きいほどその方向の変位が大きいことを示している。
図4〜図8において、辺比Lx/Lzを1.01から徐々に大きくしていくと、徐々にx’方向またはz”方向の変位が大きくなっている。図6に示す辺比Lx/Lz=1.03から辺比が大きくなるに従って、各辺により大きな変位が生じることを示している。
図4〜図8において図(d)にて表される振動の節は、振動体20の4隅の角部と中央部に発生している。従って、これら振動の節の位置に支持部を設ければ振動漏れ等を抑制することが可能である。しかしながら、辺比Lx/Lzが1.03よりも大きい場合には、角部の節に相当する部分が不明確となってくるため、角部に支持部を設けることは適切ではないと判断できる。
従って、図1に示すような振動体20の支持構造を採用する場合には、辺比を1.03よりも小さくすることが好ましい。なお、図4〜図8において、振動体20の中央部には辺比Lx/Lzの影響を受けずに振動の節が存在していることから、辺比を大きくする場合には中央部を支持する構造とすればよい。
次に、辺比Lx/Lzと二次温度係数βとの関係について図面を参照して説明する。図1,2も参照する。
図9は辺比Lx/Lzを変化させたときの二次温度係数βの計算結果を示すグラフである。励振電極材料にはAlを用いており、φ=130度、θ=45度、Lx=Lz=600μm(即ち、辺比=1を基準に)、t=60μm、励振電極の1辺の長さLex=400μm、Lez=400μm、電極膜厚H=0.1μmで計算している。横軸に辺比Lx/Lz、縦軸に二次温度係数βを表す。図9において、辺比Lx/Lzが0.980〜1.020の範囲では、二次温度係数βの変化は小さい。従って、以後の計算は辺比0.980〜1.020の範囲で成り立つものと考えられる。図9は励振電極材料にAlを用いた場合の計算結果であるが、それ以外の材料、例えばAgやAuなどの金属、あるいはAl、Ag、Auの何れか一つを主成分とする合金などでも、辺比0.980〜1.020の範囲であれば、各励振電極材料における計算結果が当てはまる。なお、励振電極材料として、Al、Ag、Auの何れか一つを主成分とする合金を用いる場合、添加する材料は重量比で5%以下にするのが望ましく、そうすることで添加材料による計算結果のずれを無視できる程度まで小さくできる。
以後の実施形態の説明においては振動体の寸法LをL=Lx=Lz、励振電極の寸法LeをLe=Lex=Lezとしているが、Lx≠Lzの場合はL=(Lx+Lz)/2、Lex≠Lezの場合はLe=(Lex+Lez)/2とすれば良い。
次に、図10〜図29を参照して、励振電極31,32の材質をAl,Au,Agとしたときの振動体20の厚さt、電極膜厚H、一次温度係数α=0となるカット角φ、二次温度係数βとの関係について説明する。
まず、図10〜図13を参照して励振電極31,32がAlにより形成された例について説明する。
図10は、振動体20がカット角θ=45度、Lx=Lz=600μm(Lx,LzをLで代表する)、t=60μmの場合に励振電極31,32の電極面積を変化させ、励振電極31,32の電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を計算により求めた結果を示すグラフである。
なお、以降、励振電極を正方形(Lez=Lex)とし、電極面積を1辺の長さLeに置き換えて表す。
なお、カット角θの範囲は、特許文献3にて記述されているように40度〜50度とし、以降の計算におけるカット角θは中心値のθ=45度を採用している。特許文献3はGTカット水晶振動子に関して記述された文献であるが、このGTカット水晶振動子の辺比を1とすることによって、ラーメモード水晶振動子となることが特許文献2と非特許文献3で報告されていることからカット角θを40度〜50度とすることに妥当性を有している。
図10は、励振電極31,32の1辺の長さLeが100μm〜600μm(即ち、0.1667≦Le/L≦1)の範囲において、一次温度係数αが0となる電極膜厚Hとカット角φの関係をプロットしたものであり、電極膜厚Hが0<H≦9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲、カット角φが108度〜130度の範囲で、一次温度係数αが0となる領域が存在することを示している。
次に、図10に示した一次温度係数α=0となるカット角φに関する、108度〜130度の範囲のカット角φにおける二次温度係数βについて説明する。
図11は、励振電極31,32の電極面積と電極膜厚Hと二次温度係数βの関係を示すグラフである。図11において、励振電極31,32が図示された各電極面積において、電極膜厚Hが薄い(0に近い)ときから9μmの範囲、カット角φが108度以上130度未満の範囲で二次温度係数βが従来技術で示された|β|=1.51×10−8/℃よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している。
次に、振動体20の厚さtと電極膜厚Hと一次温度係数αが0になるカット角φの関係について説明する。
図12は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μm、電極面積が400μm×400μm(即ち、Le/L=0.6667)のとき、振動体20の厚さtと電極膜厚Hを変化させて、一次温度係数αが0になるカット角φの関係を計算により求めた結果を示している。図12では、電極膜厚Hが0.5μm〜5μm(即ち、H/Lが0.000833〜0.00833)の範囲、振動体20の厚さtが20μm〜100μmの厚さ(即ち、t/Lが0.03333〜0.1667)において、一次温度係数αが0になるカット角φが85度以上130度未満の範囲で存在していることを示している。
次に、振動体20の厚さtと電極膜厚Hと二次温度係数βの関係について説明する。
図13は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μm、電極面積が400μm×400μmの振動体20の厚さtと電極膜厚Hを変化させて、一次温度係数αが0となるカット角φでの二次温度係数βを計算により求めた結果を示している。図13では、電極膜厚Hが0.5μm〜5μm(即ち、H/Lが0.000833〜0.00833)の範囲、振動体20の厚さtが20μm〜100μmの厚さ(即ち、t/Lが0.03333〜0.1667)において、二次温度係数βが従来技術で示された|β|=1.51×10−8/℃よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している。
従って、図13に示す結果は、図11に示す計算結果と同様に、Le/L、t/L、そしてH/Lを調整することにより、従来の二次温度係数|β|=1.51×10−8/℃よりも改善される条件が存在することを示している。
図14〜図21は、前述した計算結果(図10〜図13を参照)を体積比Rに換算して横軸に表したグラフである。ここで体積比Rは、励振電極31,32の総体積をVeとし、振動体20の面積と厚さtとの積を体積Vとして、R=Ve/Vと定義している。なお、θは40度〜50度の中央値の45度としている。
図14,15は、二次温度係数βに開して|β|≦1.5×10−8/℃となる条件を説明するグラフであり、図14は体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表し、図15は体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフである。図14,15より、体積比R0.002〜0.15の範囲において、一次温度係数α=0となるφは102.5度〜129.5度の範囲であることが分かる。
また、図15では、図14にて求められた一次温度係数α=0となるφが102.5度〜129.5度の条件において、体積比Rが0.002〜0.15の範囲で、|β|≦1.5×10−8/℃の領域が存在することを示している。
図16,17は、二次温度係数βに関して|β|≦1.0×10−8/℃となる条件を説明するグラフであり、図16は体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表し、図17は体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフである。図16,17より、体積比R0.01〜0.125の範囲において、一次温度係数α=0となるφは106.0度〜128.5度であることが分かる。
また、図17では、図16にて求められた一次温度係数α=0となるφが106.0度〜128.5度の条件において、体積比Rが0.01〜0.125の範囲で、|β|≦1.0×10−8/℃の領域が存在することを示している。
図18,19は、二次温度係数βに関して|β|≦0.5×10−8/℃となる条件を説明するグラフであり、図18は体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表し、図19は体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフである。図18,19より、体積比R0.018〜0.10の範囲において、一次温度係数α=0となるφは110.0度〜128.0度であることが分かる。
また、図19では、図18にて求められた一次温度係数α=0となるφが110.0度〜128.0度の条件において、体積比R0.018〜0.10の範囲で、|β|≦0.5×10−8/℃の領域が存在することを示している。
図20,21は、二次温度係数βに関して|β|≒0/℃となる条件を説明するグラフであり、図20は体積比Rと一次温度係数α=0となるφを表し、図21は体積比Rと一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βを表すグラフである。図20,21より、体積比Rが0.03〜0.078の範囲において、一次温度係数α=0となるφは113.5度〜127.0度であることが分かる。
また、図21では、図20にて求められた一次温度係数α=0となるφが113.5度〜127.0度の条件において、体積比Rが0.03〜0.078の範囲で、|β|≒0/℃の条件が存在することを示している。
以上の結果を表1にまとめる。
従って、前述した実施形態によれば、ラーメモード振動を有する輪郭振動子10は、水晶基板のカット角がIRE標準の(YXlt)φ/θで表される略方形状平板の振動体20において、θとφと、体積比Rと、のそれぞれを選択的に設定することにより、非特許文献2において報告されたβ=−1.7×10−8/℃や、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた二次温度係数βを有する輪郭振動子10を実現することができる。
具体的には、体積比Rを0.002〜0.15の範囲、θを40度〜50度の範囲、φを102.5度〜129.5度の範囲に設定することにより、二次温度係数βを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができる。
また、体積比Rを0.01〜0.125の範囲、θを40度〜50度の範囲、φを106.0度〜128.5度の範囲に設定することにより、二次温度係数βを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができる。
また、体積比Rを0.018〜0.1の範囲、θを40度〜50度の範囲、φを110.0度〜128.0度の範囲に設定することにより、二次温度係数βを|β|≦0.5×10−8/℃とすることができる。
さらに、体積比Rを0.03〜0.078の範囲、θを40度〜50度の範囲、φを113.5度〜127.0度の範囲に設定することにより、二次温度係数βに関して|β|≒0×10−8/℃を得ることができる。
また、励振電極31,32は通常フォトリソグラフィ技術を用いて形成されるが、励振電極31,32の材質をエッチング特性がよいAlまたはAl合金等のAlを主成分の金属とすることにより、高精度の励振電極31,32を形成することができる。このことから生産性を高めることに加え、Alは材料自体が安価であることから、低コストの輪郭振動子10を提供することができる。
次に、励振電極31,32の材質をAuにしたときの励振電極の面積(1辺の長さLe)と、厚さtと、カット角φと、二次温度係数βと、の関係について図22〜図25を参照して説明する。
図22は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μmの場合における、電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフである。図22において、励振電極31,32が各電極面積(1辺の長さLeが100μm〜600μmの範囲、即ち、0.1667≦Le/L≦1)において、電極膜厚Hが薄い(0に近い)ときから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲において、カット角φが120度以上130度未満の範囲で、一次温度係数αが0となるカット角φの領域が存在することを示している。
次に、図22に示した一次温度係数α=0となるカット角φが120度以上130度未満の範囲における二次温度係数βについて説明する。
図23は、励振電極31,32の電極面積(1辺の長さLe)と電極膜厚Hと二次温度係数βの関係を示すグラフである。図23において、励振電極31,32が図示された各電極面積において、電極膜厚Hが薄い(0に近い)ときから9μmの範囲で二次温度係数βが従来技術で示された|β|=1.51×10−8/℃よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している。
次に、振動体20の厚さtと電極膜厚Hと一次温度係数αが0になるカット角φとの関係について説明する。
図24は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μm、電極面積が400μm×400μm(即ち、Le/L=0.6667)のとき、振動体20の厚さtと電極膜厚Hを変化させて、一次温度係数αが0になるカット角φとの関係を計算により求めた結果を示している。図24では、電極膜厚Hが0に近い厚さから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲、振動体20の厚さtが20μm〜100μmの厚さ(即ち、t/Lが0.03333〜0.1667)において、一次温度係数αが0になるカット角φが100度以上130度未満の範囲で存在していることを示している。
次に、振動体20の厚さtと電極膜厚Hと二次温度係数βの関係について説明する。
図25は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μm、電極面積が400μm×400μm(即ち、Le/L=0.6667)の振動体20の厚さtを変化させ、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φでの二次温度係数βの関係を計算により求めた結果を示している。図25では、電極膜厚が0に近い厚さから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲、振動体20の厚さtが20μm〜100μmの厚さ(即ち、t/Lが0.03333〜0.1667)において、二次温度係数βが、従来技術で示された|β|=1.51×10−8/℃よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している。
従って、図25に示す結果は、励振電極31,32の材質がAuであっても、図23に示す計算結果と同様に、励振電極31,32の電極面積と振動体20の厚さtを調整することにより、従来の二次温度係数|β|=1.51×10−8/℃よりも改善される条件が存在することを示している。
次に、励振電極31,32の材質をAgにしたときの励振電極の面積と、厚さtと、カット角φと、二次温度係数βと、の関係について図26〜図29を参照して説明する。
図26は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μmの場合における、電極面積(1辺の長さLe)、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φの関係を示すグラフである。図26において、励振電極31,32が各電極面積(1辺の長さLeが100μm〜600μmの範囲、即ち、0.1667≦Le/L≦1)において、電極膜厚Hが薄い(0に近い)ときから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲において、カット角φが115度以上130度未満の範囲で一次温度係数αが0となる領域が存在することを示している。
次に、図26に示した一次温度係数α=0となるカット角φが115度以上130度未満の範囲における二次温度係数βについて説明する。
図27は、励振電極31,32の電極面積と電極膜厚Hと二次温度係数βの関係を示すグラフである。図27において、励振電極31,32が各電極面積において、電極膜厚Hが薄い(0に近い)ときから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲、振動体20の厚さtが100μm〜600μm(即ち、0.1667≦Le/L≦1)の各厚さにおいて、二次温度係数βが従来技術で示された|β|=1.51×10−8/℃よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している。
次に、振動体20の厚さtと電極膜厚Hと一次温度係数αが0になるφとの関係について説明する。
図28は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μm、電極面積が400μm×400μm(即ち、Le/L=0.6667)のとき、振動体20の厚さtを変化させて、電極膜厚Hと一次温度係数αが0になるカット角φとの関係を計算により求めた結果を示している。図28において、電極膜厚Hが0に近い厚さから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲、振動体20の厚さtが20μm〜100μmの厚さ(即ち、t/Lが0.03333〜0.1667)において、一次温度係数αが0になるカット角φが102度以上130度未満の範囲で存在していることを示している。
次に、振動体20の厚さtと電極膜厚Hと二次温度係数βの関係について説明する。
図29は、カット角θ=45度、Lx=Lz=600μm、電極面積が400μm×400μm(即ち、Le/L=0.6667)の振動体20の厚さtを変化させ、電極膜厚Hと一次温度係数αが0となるカット角φにおける二次温度係数βの関係を計算により求めた結果を示している。図29では、電極膜厚が0に近い厚さから9μm(即ち、0<H/L≦0.015)の範囲、振動体20の厚さtが20μm〜100μmの厚さ(即ち、t/Lが0.03333〜0.1667)において、二次温度係数βが従来技術で示された|β|=1.51×10−8/℃よりも小さい領域を得る条件が存在することを示している。
従って、図29に示す結果は、励振電極31,32がAgの場合においても、図27に示す計算結果と同様に、励振電極31,32の電極面積と振動体20の厚さtを調整することにより、従来の二次温度係数|β|=1.51×10−8/℃よりも改善される条件が存在することを示している。
以上の結果から、一次温度係数αと二次温度係数βとが共に0となる条件の例として、カット角φ=122.8度、カット角θ=45、Lx=Lz=600μm、振動体20の厚さt=60μm(即ち、t/L=0.1)、励振電極31,32をAlとし電極面積を400μm×400μm(即ち、Le/L=0.6667)、電極膜厚H=2.45μm(即ち、H/L=0.004083)としたときの周波数温度特性を計算した。
図30は、上記例示した条件における周波数温度特性を示すグラフである。図30に示すように、この条件において、温度変化に伴う周波数変動量は三次の温度変化をしていることが分かる。
以上の結果を一般化するため、振動体の1辺の長さをL=Lx=Lz、厚さtとして規格化した変数(規格化板厚t/L)、励振電極の1辺の長さをLe=Lex=Lezとして規格化した変数(規格化電極寸法Le/L)、電極膜厚Hと振動体の1辺の長さと振動体の1辺の長さLとの比(膜厚比H/Lと表す)を用いて説明する。
なお、図31〜図36では、励振電極31,32の材質がAl,Au,Agの場合を例示している。また、図31〜図36において材質名に−または+の符号を附しているが、この符号は、各材質における下限値及び上限値を表している。例えば、材質がAlの場合、図13において一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βが、+1.5×10−8/℃となる電極膜厚Hから計算した膜厚比H/Lを上限値、−1.5×10−8/℃となる電極膜厚Hから計算した膜厚比H/Lを下限値としている。
同様に、電極材質がAuの場合は、図25において一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βが、+1.5×10−8/℃となる電極膜厚Hから計算した膜厚比H/Lを上限値、−1.5×10−8/℃となる電極膜厚Hから計算した膜厚比H/Lを下限値としている。
また、電極材質がAgの場合、図29において一次温度係数α=0となるφにおける二次温度係数βが、+1.5×10−8/℃となる電極膜厚Hから計算した膜厚比H/Lを上限値、−1.5×10−8/℃となる電極膜厚Hから計算した膜厚比H/Lを下限値としている。
図31,図32は、前述した図10〜図13,図22〜29の結果から、一次温度係数α=0、且つ二次温度係数の絶対値|β|が|β|≦1.5×10−8/℃となる条件を表すグラフである。
図31(a)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要な励振電極の膜厚比H/Lの範囲を表すグラフである。なお、励振電極の各材質の下限値は略重なって表される。
図31(a)から、|β|≦1.5×10−8/℃となるための電極膜厚Hは、電極材質がAlのときに膜厚比をH/L≦0.013とすればよく、AuのときH/L≦0.025、AgのときH/L≦0.02とすればよいことが分かる。
図31(b)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、各材質におけるカット角φは略同じ角度となる。
図32(c)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の下限値は略重なって表される。
また、図32(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、各材質におけるカット角φは略同じ角度となる。
図31,図32から、どの電極材質においても、振動体の厚さt(規格化板厚t/L)、励振電極の面積(1辺の長さLe、規格化電極寸法Le/L)及び電極膜厚H(膜厚比H/L)を適切に調整することにより、カット角を111度≦φ<130度の範囲に設定すれば、特許文献2に記載されているβ=−1.51×10−8/℃よりも絶対値の小さい二次温度係数、|β|≦1.5×10−8/℃とすることが可能で、周波数温度特性を改善することができる。
図33,図34は、二次温度係数βが|β|≦1.0×10−8/℃となる条件を表すグラフである。図33(a)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0、且つ二次温度係数の絶対値|β|が|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。
図33(a)から、|β|≦1.0×10−8/℃となるための電極膜厚Hは、電極材質がAlのときに膜厚比をH/L≦0.01とすればよく、AuのときH/L≦0.021、AgのときH/L≦0.015とすればよいことが分かる。なお、励振電極の各材質の下限値は略重なって表される。
図33(b)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、各材質におけるカット角φは略同じ角度となる。
図34(c)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。
また、図34(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦1.0×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、各材質におけるカット角φは略同じ角度となる。
図33,図34から、どの電極材質においても、振動体の厚さt(規格化板厚t/L)、励振電極の面積(1辺の長さLe、規格化電極寸法Le/L)及び電極膜厚H(膜厚比H/L)を適切に調整することにより、カット角φを115度≦φ≦128度の範囲に設定すれば、二次温度係数βを|β|≦1.0×10−8/℃となる範囲が存在し、周波数温度特性をさらに改善することができる。
図35,図36は、二次温度係数βが|β|≦0.5×10−8/℃となる条件を表すグラフである。図35(a)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0、且つ二次温度係数の絶対値|β|が|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。
図35(a)から、|β|≦0.5×10−8/℃となるための電極膜厚Hは、電極材質がAlのときに膜厚比をH/L≦0.008とすればよく、AuのときH/L≦0.017、AgのときH/L≦0.012とすればよいことが分かる。
図35(b)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、各材質におけるカット角φは略同じ角度となる。
図36(c)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。
また、図36(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つ|β|≦0.5×10−8/℃となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質の上限値及び下限値は重なって表され、各材質におけるカット角φは略同じ角度となる。
図35,図36から、どの電極材質においても、振動体の厚さt(規格化板厚t/L)、励振電極の面積(1辺の長さLe、規格化電極寸法Le/L)及び電極膜厚H(膜厚比H/L)を適切に調整することにより、カット角φを118度≦φ≦126度の範囲に設定すれば、二次温度係数βを|β|≦0.5×10−8/℃とし、周波数温度特性をさらに改善することができる。
図37,図38は、二次温度係数β≒0となる条件を表すグラフである。図37(a)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、一次温度係数α=0、且つ二次温度係数βがβ≒0となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。
図37(a)から、β≒0となるための電極膜厚Hは、電極材質がAlのときに膜厚比をH/L≦0.005とすればよく、AuのときH/L≦0.013、AgのときH/L≦0.008とすればよいことが分かる。
図37(b)は、規格化板厚t/Lを変化させたときに、α=0且つβ≒0となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、励振電極の各材質におけるカット角φは略重なって表される。
図38(c)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つβ≒0となるために必要な膜厚比H/Lの範囲を表している。
また、図38(d)は、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときに、α=0且つβ≒0となるために必要なカット角φの範囲を表している。なお、規格化電極寸法Le/Lを変化させたときにおいても、励振電極の各材質におけるカット角φは略重なって表される。
図37,図38から、どの電極材質においても、振動体の厚さt(規格化板厚t/L)、励振電極の面積(1辺の長さLe、規格化電極寸法Le/L)及び電極膜厚H(膜厚比H/L)を適切に調整することにより、カット角φを121度≦φ≦124度の範囲に設定すれば二次温度係数βが極めて0に近くなり、周波数温度特性をより一層改善することができる。
なお、上述した実施形態では、励振電極の材質としてAl,Au,Agを例示して説明したが、これらに限らず他の電気伝導度の高い導電体を励振電極として採用することができる。例えば、振動体の一次温度係数αが正の場合に一次温度係数αが負の導電体や金属酸化物、振動体の一次温度係数αが負の場合に一次温度係数αが正の導電体を採用できる。
このように振動体と励振電極それぞれの一次温度係数αの傾きを逆にすることで、輪郭振動子全体としての一次温度係数α=0が得やすい。従って、二次温度係数βを所望の範囲に設定する際に、一次温度係数αの影響を低減し、カット角θ,φ、規格化電極寸法Le/L、規格化板厚t/L、膜厚比H/Lの調整がしやすくなるという効果がある。
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、輪郭振動子が励振電極を振動体の表裏面それぞれに一定の間隔を有して複数個設けられ、1×n次またはm×n次の振動モードを有して構成されていることに特徴を有している。
図39は実施形態2に係る実施例1、図40は実施形態2に係る実施例2を示している。なお、カット角θ、φ、体積比R、振動体の厚さt(規格化板厚t/L)、励振電極の面積(1辺の長さLe、規格化電極寸法Le/L)及び電極膜厚H(膜厚比H/L)は、前述した実施形態1の各条件に準じているため説明を省略する。
(実施形態2の実施例1)
図39は、実施形態2の実施例1に係る輪郭振動子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B切断面を示す断面図である。図39(a)、(b)において、輪郭振動子110は、基部123から延在された支持部121,122と、支持部121,122の4箇所において、対向する隅部それぞれに連続して支持される振動体120と、から構成されている。
振動体120は、x’方向が長い長方形をしている。なお、振動体120はz”方向に長い長方形としてもよい。
振動体120の一方の表面には励振電極131〜133、他方の表面(裏面)には励振電極134〜136がx’軸方向に一定の間隔を有して配列されている。励振電極131〜136のうち、隣り合う電極にはそれぞれ逆の電位が負荷される。つまり、励振電極131,133,135に対して励振電極132,134,136が逆極性の電位となる。従って、励振電極131,134とそれらに挟まれた振動体120aが1対の振動体を構成していることになる。
励振電極132,135とそれらに挟まれた振動体120bが他の1対の振動体を構成し、励振電極133,136とそれらに挟まれた振動体120cがさらに他の1対の振動体を構成する。つまり、3対の振動体が構成されていることになる。それらの各対となる励振電極に励振信号を入力すると、隣り合う電極にはそれぞれ逆極性の電位が負荷されるため、逆位相の振動を行い全体としてはバランスがとれた振動を行う(図39(a)に二点鎖線にて例示する)。
このように構成される輪郭振動子110は、実施形態1の輪郭振動子10に対して高次の振動モードを有し、その配列から1×n次モードの振動子と呼ばれる。1は、z”方向の振動モード数、n(nは整数)はx’方向の振動モード数を表している。
(実施形態2の実施例2)
続いて、実施形態2の具体例としての実施例2に係る輪郭振動子について図面を参照して説明する。実施例2は、振動体220の表裏両面のx’方向及びz”方向それぞれに複数の励振電極を設けていることに特徴を有している。
図40は、実施例2に係る輪郭振動子を示している、図40において、輪郭振動子210は、基部223から延在された支持部221,222と、支持部221,222の4箇所において対向する隅部に連続して支持される振動体220と、から構成されている。
振動体220の一方の表面には励振電極231〜239が一定の間隔を有して整列配設されている。他方の表面(裏面)には、励振電極231〜239に対向してそれぞれ逆極性の電位となる励振電極(図示せず)が配設されている。これら励振電極231〜239のうち、隣り合う励振電極それぞれには逆極性の電位が負荷される。つまり、励振電極231,233,235,237,239は同電位であり、これらに対して、励振電極232,234,236,238には逆極性の電位が負荷されるように構成されている。
図40におけるC−C切断面の構成は、図39(b)と同じ構成としている。つまり、輪郭振動子210は、実施例1(図39、参照)にて示す輪郭振動子110に対して、z”方向にさらに励振電極234〜239を増やした形態である。従って、図40で示す輪郭振動子210は、振動体220上に9対の振動体を有していることになる。
それらの各対となる励振電極に励振信号を入力すると、隣り合う電極にはそれぞれ逆極性の電位が負荷されるため、逆位相の振動を行い全体としてはバランスがとれた振動を行う。
このように構成される輪郭振動子210は、実施形態1の輪郭振動子10に対してさらに高次の振動モードを有し、その配列からm×n次モードの振動子と呼ばれる。m(mは整数)は、z”方向の振動モード数、n(nは整数)はx’方向の振動モード数を表している。
従って、上述した実施形態2によれば、特許文献2にて報告された二次温度係数β=−1.51×10−8/℃よりも優れた二次温度係数βを有するとともに、高次の振動モードを有する輪郭振動子を実現できる。
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3に係る輪郭振動子について図面を参照して説明する。実施形態3は、振動体と励振電極との間に中間層を設けたところに特徴を有している。
図41は、実施形態3に係る輪郭振動子の一部を示す斜視図である。図41において、水晶基板のカット角がIRE標準のYXltφ/θで表される四角形状の平板からなる振動体20の表裏両面それぞれに中間層33と、中間層33の表面に励振電極31が設けられている。
中間層33と励振電極31と振動体20の平面形状(平面積)は、図41に示すように振動体20>中間層>励振電極としてもよく、振動体20>中間層=励振電極としてもよく、振動体20=中間層>励振電極としてもよく、または振動体20=中間層=励振電極としてもよい。
なお、振動体の厚さt(つまり、規格化板厚t/L)、励振電極の面積(1辺の長さLe、つまり、規格化電極寸法Le/L)及び電極膜厚H(膜厚比H/L)は、前述した実施形態1の各条件に準じている。
振動体20の表面に励振電極31を形成する際、密着性を高めるために励振電極の材質に対応して中間層33を設けることがある。このように中間層33を設けても前述した実施形態1に表される条件を満たす範囲であれば、特許文献2において報告されたβ=−1.51×10−8/℃よりも二次温度係数βを小さくすることができる。
なお、実施形態3による構成は、前述した実施形態2(図39,図40、参照)による高次モードの輪郭振動子にも適合できる。
(実施形態4)
続いて、本発明の実施形態4に係る輪郭振動子について図面を参照して説明する。実施形態4は、励振電極の形状が前述した実施形態1〜3と異なることに特徴を有している。相違部分を中心に説明し、共通部位には実施形態1と同じ符号を附して説明する。
図42は、本実施形態に係る輪郭振動子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D切断面を示す断面図である。図42(a)、(b)において、輪郭振動子310は、実施形態1(図1、参照)と同じ外形形状を有している。
振動体20の表裏両面には、Al、Au、Ag等を主成分とする励振電極331,332が形成されている。励振電極331,332それぞれの略中央近傍には、励振電極が付加されない電極開口部333,334が開設されている。電極開口部333,334は、振動体20がラーメモード振動をする際に、ほとんど振動しない領域(図4〜図8、参照)に形成される。また、電極開口部333と電極開口部334とは、振動体20に対してほぼ面対称である。従って、電極開口部333,334を設けても振動特性にはほとんど影響しない。
なお、図42では、電極開口部333,334の形状は四角形としているが、特に形状は特定されることはなく、また、大きさもラーメモード振動に影響を与えない範囲において任意に設定することができる。
水晶振動子を設計する際、容量比は重要な要素である。励振電極331,332の中央部に電極開口部333,334を設けることにより、励振電極間の静電容量を等価直列容量に対して小さくすることができることから容量比を小さくできるので、振動効率を高めることができ、消費電流を抑制できる。さらに、容量比の小さい水晶振動子ほど共振周波数と反共振周波数の間のインピーダンス変化が緩やかであるので、発振回路における発振条件を満足させやすい。また、容量比の小さい水晶振動子を用いれば広帯域な周波数可変範囲を有する電圧制御型水晶発振器や通過帯域の広い水晶フィルタを実現することもできる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5について説明する。実施形態5は、水晶基板のカット角φとθを設定しただけでは必ずしも一次温度係数αが小さくならないという課題を解決すべく、カットφと、規格化板厚t/L、規格化電極寸法Le/L、膜厚比H/L、との関係を特定したものである。
有限要素法(FEM)による図10〜図13,図22〜29の計算結果を基に、一次温度係数αが0となるカット角φと、t/L、Le/L、H/L、との関係を表す近似式の検討を行った。以後、一次温度係数αが0となるカット角φをφoとし、φとφoの単位を[度]とする。
検討の結果、励振電極材料としてAlを用いた場合、以下の式によりφoが特定されることを見出した。
φo=b4×a4×(H/L)+b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
a4=4.3413×1010×(Le/L)−1.3971×1011×(Le/L)+1.7970×1011×(Le/L)−1.1788×10 ×(Le/L)+4.1386×1010×(Le/L)−7.2863×10×(Le/L)+4.8993×10
a3=−1.0064×10×(Le/L)+3.3818×10×(Le/L)−4.5506×10×(Le/L)+3.1136×10×(Le/L)−1.1277×10×(Le/L)+2.0228×10×(Le/L)−1.3821×10
a2=1.5622×10×(Le/L)−5.8604×10×(L/L)+8.7986×10×(Le/L)−6.6581×10×Le/L)+2.6142×10×(Le/L)−4.9149×10×(Le/L)+3.4714×10
a1=−44379×(Le/L)+165890×(Le/L)−256060×(Le/L)+208920×(Le/L)−91380×(Le/L)+16336×(Le/L)−1167、
a0=5.2214×(Le/L)−21.232×(Le/L)+38.293×(Le/L)−37.399×(Le/L)+18.677×(Le/L)−3.1173×(Le/L)+129.08、
b4=1.726007×10×b45×(t/L)−7.760174×10×b44×(t/L)+1.253743×10×b43×(t/L)−869965.1×b42×(t/L)+24096.07×b41×(t/L)−212.2220×b40、
b3=3.425298×10×b35×(t/L)−1.532024×10×b34×(t/L)+2461918×b33×(t/L)−169933.2×b32×(t/L)+4691.568×b31×(t/L)−41.24885×b30、
b2=4.803978×10×b25×(t/L)−2.337479×10×b24×(t/L)+4261933×b23×(t/L)−359356.9×b22×(t/L)+13809.27×b21×(t/L)−191.2106×b20、
b1=−2235580×b15×(t/L)+1110489×b14×(t/L)−210557.7×b13×(t/L)+19172.27×b12×(t/L)−863.9107×b11×(t/L)+17.53287×b10、
b0=−4439.819×b05×(t/L)+2053.531×b04×(t/L)−357.6270×b03×(t/L)+29.05628×b02×(t/L)−1.110058×b01×(t/L)+1.017115×b00、
b45=−3×(Le/L)+3、
b44=−2.9363×(Le/L)+2.9575、
b43=−2.8274×(Le/L)+2.8849、
b42=−2.6193×(Le/L)+2.7462、
b41=−2.1586×(Le/L)+2.439、
b40=−1.2006×(Le/L)+1.8004、
b35=−3×(Le/L)+3、
b34=−2.7003×(Le/L)+2.8002、
b33=−2.1873×(Le/L)+2.4582、
b32=−1.2013×(Le/L)+1.8008、
b31=0.9866×(Le/L)+0.3423、
b30=5.5395×(Le/L)−2.693、
b25=−3×(Le/L)+3、
b24=−3.131×(Le/L)+3.0873、
b23=−3.3097×(Le/L)+3.2064、
b22=−3.5542×(Le/L)+3.3695、
b21=−3.8725×(Le/L)+3.5817、
b20=−4.2017×(Le/L)+3.8011、
b15=−3×(Le/L)+3、
b14=−2.9491×(Le/L)+2.966、
b13=−2.8633×(Le/L)+2.9089、
b12=−2.7106×(Le/L)+2.8071、
b11=−2.4194×(Le/L)+2.6129、
b10=−1.8142×(Le/L)+2.2095、
b05=−3×(Le/L)+3、
b04=−3.0574×(Le/L)+3.0383、
b03=−3.0912×(Le/L)+3.0608、
b02=−3.1059×(Le/L)+3.0706、
b01=−3.067×(Le/L)+3.0447、
b00=−0.048×(Le/L)+1.032
また、励振電極材料としてAuを用いた場合、以下の式によりφoが特定されることを見出した。
φo=b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
a3=−7.9431×10×(Le/L)+2.5306×10×(Le/L)−3.0270×10×(Le/L)+1.6598×10×(Le/L)−3.9968×10×(Le/L)+3262500、
a2=4.1617×10×(Le/L)−1.2924×10×(Le/L)+1.4999×10×(Le/L)−7925800×(Le/L)+1825700×(Le/L)−142920、
a1=−13318×(Le/L)+33849×(Le/L)−29264×(Le/L)+10552×(Le/L)−2707.3×(Le/L)+196.64、
a0=−1.2960×(Le/L)+7.02×(Le/L)−12.24×(Le/L)+8.085×(Le/L)−0.979×(Le/L)+128.92、
b3=−2.304692×10×(T/L)+1.168664×10×(T/L)−2253685×(T/L)+205470.9×(T/L)−8814.447×(T/L)+143.2258、
b2=−3192240×(T/L)+1637827×(T/L)−321650.2×(T/L)+30254.57×(T/L)−1372.487×(T/L)+25.49296、
b1=−1266051×(T/L)+653667.1×(T/L)−129890.8×(T/L)+12497.58×(T/L)−600.1855×(T/L)+13.22736、
b0=−11.71456×(T/L)−17.07546×(T/L)+3.775518×(T/L)−0.2493811×(T/L)+0.003886162×(T/L)+1.000154
また、励振電極材料としてAgを用いた場合、以下の式によりφoが特定されることを見出した。
φo=b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
a3=1.0931×10×(Le/L)−3.1028×10×(Le/L)+3.2427×10×(Le/L)−1.5293×10×(Le/L)+3.2321×10×(Le/L)−2435600、
a2=−289980×(Le/L)+47056×(Le/L)+1012200×(Le/L)−1103800×(Le/L)+357760×(Le/L)−31259、
a1=−4624.1×(Le/L)+8840.9×(Le/L)−2189.5×(Le/L)−2701.5×(Le/L)−419.69×(Le/L)+36.060、
a0=−5.1840×(Le/L)+18.360×(Le/L)−24.480×(Le/L)+14.070×(Le/L)−2.2860×(Le/L)+129.02、
b3=4.879572×10×(T/L)−2.507252×10×(T/L)+4889811×(T/L)−446007.4×(T/L)+18486.47×(T/L)−258.0898、
b2=2.630196×10×(T/L)−1.372565×10×(T/L)+2731030×(T/L)−255881.1×(T/L)+11020.09×(T/L)−163.6825、
b1=−1791955×(T/L)+937393×(T/L)−188591×(T/L)+18253.63×(T/L)−861.4915×(T/L)+17.38411、
b0=−1119.679×(T/L)+635.0522×(T/L)−143.8455×(T/L)+15.56815×(T/L)−0.7750289×(T/L)+1.013358
有限要素法(FEM)で計算したφoと上記近似式により算出したφoの比較結果を表2に示す。上記近似式によるφoの算出値はFEMによる計算結果とよく一致しており、上記近似式を満たすようにt/L、Le/L、H/Lを設定することで、一次温度係数αがほとんど0となるカット角φを容易に求められることが立証された。
なお、励振電極材料として、Al、Ag、Auの何れか一つを主成分とする合金を用いる場合、添加する材料を重量比で5%以下にすれば、添加材料による計算結果のずれを無視できる程度まで小さくできる。
図43〜図45は、前述した計算結果(図10〜図13,図22〜29を参照)を体積比Rとの関係で表したグラフである。ここで体積比Rは、励振電極31,32の総体積をVeとし、振動体20の面積と厚さtとの積を体積Vとして、R=Ve/Vと定義している。なお、θは40度〜50度の中央値の45度としている。t/L、Le/L、H/Lを上述の近似式に入力すれば、一次温度係数αがほとんど0となるカット角φが容易に求まるわけだが、さらに体積比Rを適切に設定することで、一次温度係数αだけでなく二次温度係数βをも小さくすることができる。
図43は、励振電極材料としてAlを用いた場合の、体積比Rとφoにおける二次温度係数βとの関係を表したグラフである。
図43から明らかなように、0.01≦R≦0.067を満たす範囲においては、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
さらに0.026≦R≦0.057を満たすことで、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することができる。
図44は、励振電極材料としてAuを用いた場合の、体積比Rとφoにおける二次温度係数βとの関係を表したグラフである。
図44から明らかなように、0.022≦R≦0.35を満たす範囲においては、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
さらに0.069≦R≦0.3を満たすことで、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することができる。
図45は、励振電極材料としてAgを用いた場合の、体積比Rとφoにおける二次温度係数βとの関係を表したグラフである。
図45から明らかなように、0.011≦R≦0.116を満たす範囲においては、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.5×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも優れた温度特性を有する輪郭振動子を実現することができる。
さらに0.034≦R≦0.1を満たすことで、二次温度係数βの大きさを|β|≦1.0×10−8/℃とすることができ、特許文献2において開示されたβ=−1.51×10−8/℃よりも大幅に温度特性が改善された輪郭振動子を実現することができる。
図46は、カット角φのφoに対する公差を説明するための図であり、φo−0.14度からφo+0.5度の間の各カット角φにおける周波数温度特性を表している。励振電極にはAlを用いており、カット角φo=122.8度、カット角θ=45度、L=Lx=Lz=600μm、t=60μm(即ち、t/L=0.1)、Le=Lex=Lez=400μm(即ち、Le/L=0.6667)、H=2.456μm(即ち、H/L=0.0040933)である。
従来の二次温度係数β=−1.51×10−8/℃の輪郭振動子の場合、−50〜100℃の動作温度範囲内において最大84.4ppmの周波数変動が生じるが、図46から明らかな通り、カット角φをφo−0.14≦φ≦φo+0.4[度]の範囲内とすれば周波数変動は83.4ppm以下となり、従来の輪郭振動子よりも周波数変動の少ない、温度特性の良好な輪郭振動子を実現することができる。
一次温度係数αは、φ=φo−0.14[度]の場合で3.58ppm/℃、φ=φo+0.4[度]の場合で−6.87ppm/℃であり、本実施形態により、|α|≦6.87ppm/℃の良好な温度特性を有する輪郭振動子を実現できることが確認された。
図46の傾向は励振電極材料がAl以外でも成り立つので、カット角φは励振電極材料によらずφo−0.14≦φ≦φo+0.4[度]の範囲内にすれば良い。
なお、本実施形態は他の実施形態同様、カット角θが40度以上50度以下の範囲で適用可能である。カット角θがこの範囲を満たさないと、輪郭振動の節(輪郭振動の変位がほとんど生じない個所)が不明確になり、支持部21,22が振動体20の輪郭振動を阻害して、共振抵抗,CI(クリスタルインピーダンス)の劣化を招いてしまうので、その点からもカット角θは40度以上50度以下に設定する必要がある。
なお、本発明は前述の実施形態1〜5に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものであり、各実施形態を組合せた形態についても本発明に含まれる。また、本発明による輪郭振動子を圧電発振器や回路モジュールなどに用いれば、温度特性の良好な圧電デバイスを実現することができるのは言うまでもない。

Claims (12)

  1. カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、
    前記振動体の表裏両面に形成され、AlまたはAlを主成分とした合金からなる、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、
    前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、
    前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さをL、前記振動体の厚さをt、前記励振電極の膜厚をH、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さをLeとしたとき、以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
    φo−0.14≦φ≦φo+0.4 (ただし、φとφoの単位は[度])、
    φo=b4×a4×(H/L)+b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
    a4=4.3413×1010×(Le/L)−1.3971×1011×(Le/L)+1.7970×1011×(Le/L)−1.1788×10 ×(Le/L)+4.1386×1010×(Le/L)−7.2863×10×(Le/L)+4.8993×10
    a3=−1.0064×10×(Le/L)+3.3818×10×(Le/L)−4.5506×10×(Le/L)+3.1136×10×(Le/L)−1.1277×10×(Le/L)+2.0228×10×(Le/L)−1.3821×10
    a2=1.5622×10×(Le/L)−5.8604×10×(Le/L)+8.7986×10×(Le/L)−6.6581×10×(Le/L)+2.6142×10×(Le/L)−4.9149×10×(Le/L)+3.4714×10
    a1=−44379×(Le/L)+165890×(Le/L)−256060×(Le/L)+208920×(Le/L)−91380×(Le/L)+16336×(Le/L)−1167、
    a0=5.2214×(Le/L)−21.232×(Le/L)+38.293×(Le/L)−37.399×(Le/L)+18.677×(Le/L)−3.1173×(Le/L)+129.08、
    b4=1.726007×10×b45×(t/L)−7.760174×10×b44×(t/L)+1.253743×10×b43×(t/L)−869965.1×b42×(t/L)+24096.07×b41×(t/L)−212.2220×b40、
    b3=3.425298×10×b35×(t/L)−1.532024×10×b34×(t/L)+2461918×b33×(t/L)−169933.2×b32×(t/L)+4691.568×b31×(t/L)−41.24885×b30、
    b2=4.803978×10×b25×(t/L)−2.337479×10×b24×(t/L)+4261933×b23×(t/L)−359356.9×b22×(t/L)+13809.27×b21×(t/L)−191.2106×b20、
    b1=−2235580×b15×(t/L)+1110489×b14×(t/L)−210557.7×b13×(t/L)+19172.27×b12×(t/L)−863.9107×b11×(t/L)+17.53287×b10、
    b0=−4439.819×b05×(t/L)+2053.531×b04×(t/L)−357.6270×b03×(t/L)+29.05628×b02×(t/L)−1.110058×b01×(t/L)+1.017115×b00、
    b45=−3×(Le/L)+3、
    b44=−2.9363×(Le/L)+2.9575、
    b43=−2.8274×(Le/L)+2.8849、
    b42=−2.6193×(Le/L)+2.7462、
    b41=−2.1586×(Le/L)+2.439、
    b40=−1.2006×(Le/L)+1.8004、
    b35=−3×(Le/L)+3、
    b34=−2.7003×(Le/L)+2.8002、
    b33=−2.1873×(Le/L)+2.4582、
    b32=−1.2013×(Le/L)+1.8008、
    b31=0.9866×(Le/L)+0.3423、
    b30=5.5395×(Le/L)−2.693、
    b25=−3×(Le/L)+3、
    b24=−3.131×(Le/L)+3.0873、
    b23=−3.3097×(Le/L)+3.2064、
    b22=−3.5542×(Le/L)+3.3695、
    b21=−3.8725×(Le/L)+3.5817、
    b20=−4.2017×(Le/L)+3.8011、
    b15=−3×(Le/L)+3、
    b14=−2.9491×(Le/L)+2.966、
    b13=−2.8633×(Le/L)+2.9089、
    b12=−2.7106×(Le/L)+2.8071、
    b11=−2.4194×(Le/L)+2.6129、
    b10=−1.8142×(Le/L)+2.2095、
    b05=−3×(Le/L)+3、
    b04=−3.0574×(Le/L)+3.0383、
    b03=−3.0912×(Le/L)+3.0608、
    b02=−3.1059×(Le/L)+3.0706、
    b01=−3.067×(Le/L)+3.0447、
    b00=−0.048×(Le/L)+1.032
  2. 請求項1に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.01≦R≦0.067を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
  3. 請求項1に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.026≦R≦0.057を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
  4. カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、
    前記振動体の表裏両面に形成され、AuまたはAuを主成分とした合金からなる、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、
    前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、
    前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さをL、前記振動体の厚さをt、前記励振電極の膜厚をH、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さをLeとしたとき、以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
    φo−0.14≦φ≦φo+0.4 (ただし、φとφoの単位は[度])、
    φo=b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
    a3=−7.9431×10×(Le/L)+2.5306×10×(Le/L)−3.0270×10×(Le/L)+1.6598×10×(Le/L)−3.9968×10×(Le/L)+3262500、
    a2=4.1617×10×(Le/L)−1.2924×10×(Le/L)+1.4999×10×(Le/L)−7925800×(Le/L)+1825700×(Le/L)−142920、
    a1=−13318×(Le/L)+33849×(Le/L)−29264×(Le/L)+10552×(Le/L)−2707.3×(Le/L)+196.64、
    a0=−1.2960×(Le/L)+7.02×(Le/L)−12.24×(Le/L)+8.085×(Le/L)−0.979×(Le/L)+128.92、
    b3=−2.304692×10×(T/L)+1.168664×10×(T/L)−2253685×(T/L)+205470.9×(T/L)−8814.447×(T/L)+143.2258、
    b2=−3192240×(T/L)+1637827×(T/L)−321650.2×(T/L)+30254.57×(T/L)−1372.487×(T/L)+25.49296、
    b1=−1266051×(T/L)+653667.1×(T/L)−129890.8×(T/L)+12497.58×(T/L)−600.1855×(T/L)+13.22736、
    b0=−11.71456×(T/L)−17.07546×(T/L)+3.775518×(T/L)−0.2493811×(T/L)+0.003886162×(T/L)+1.000154
  5. 請求項4に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.022≦R≦0.35を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
  6. 請求項4に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.069≦R≦0.3を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
  7. カット角がIRE標準のYXltφ/θで表される水晶基板からなる、平面形状が四角形の振動体と、
    前記振動体の表裏両面に形成され、AgまたはAgを主成分とした合金からなる、外郭形状が四角形の励振電極とを備え、
    前記カット角θが40度以上50度以下の範囲であり、
    前記振動体の平面形状をなす前記四角形の1辺の長さをL、前記振動体の厚さをt、前記励振電極の膜厚をH、前記励振電極の外郭形状をなす前記四角形の1辺の長さをLeとしたとき、以下の式を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
    φo−0.14≦φ≦φo+0.4 (ただし、φとφoの単位は[度])、
    φo=b3×a3×(H/L)+b2×a2×(H/L)+b1×a1×(H/L)+b0×a0、
    a3=1.0931×10×(Le/L)−3.1028×10×(Le/L)+3.2427×10×(Le/L)−1.5293×10×(Le/L)+3.2321×10×(Le/L)−2435600、
    a2=−289980×(Le/L)+47056×(Le/L)+1012200×(Le/L)−1103800×(Le/L)+357760×(Le/L)−31259、
    a1=−4624.1×(Le/L)+8840.9×(Le/L)−2189.5×(Le/L)−2701.5×(Le/L)−419.69×(Le/L)+36.060、
    a0=−5.1840×(Le/L)+18.360×(Le/L)−24.480×(Le/L)+14.070×(Le/L)−2.2860×(Le/L)+129.02、
    b3=4.879572×10×(T/L)−2.507252×10×(T/L)+4889811×(T/L)−446007.4×(T/L)+18486.47×(T/L)−258.0898、
    b2=2.630196×10×(T/L)−1.372565×10×(T/L)+2731030×(T/L)−255881.1×(T/L)+11020.09×(T/L)−163.6825、
    b1=−1791955×(T/L)+937393×(T/L)−188591×(T/L)+18253.63×(T/L)−861.4915×(T/L)+17.38411、
    b0=−1119.679×(T/L)+635.0522×(T/L)−143.8455×(T/L)+15.56815×(T/L)−0.7750289×(T/L)+1.013358
  8. 請求項7に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.011≦R≦0.116を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
  9. 請求項7に記載の輪郭振動子において、前記励振電極の総体積をVe、前記振動部の体積をV、体積比RをVe/Vとしたとき、0.034≦R≦0.1を満たすことを特徴とする輪郭振動子。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の輪郭振動子において、前記励振電極が、前記振動体の表裏両面それぞれに一定の間隔を有して複数対設けられ、隣り合う前記励振電極それぞれが逆極性の電位となるよう整列配設されていることを特徴とする輪郭振動子。
  11. 請求項1ないし請求項9の何れか一項に記載の輪郭振動子を用いたことを特徴とする圧電発振器。
  12. 請求項1ないし請求項9の何れか一項に記載の輪郭振動子を用いたことを特徴とする回路モジュール。
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