水酸化酵素遺伝子及びその用途
技術分野
[0001] 本発明は、ビタミン D等の水酸化酵素、これをコードする遺伝子、その単離方法、そ の遺伝子を導入した形質転換生物、及びその生物を用いた 25—ヒドロキシビタミン D や 1ひ, 25—ジヒドロキシビタミン Dなどを含む水酸ィ匕ビタミン D等の製造方法に関
3 3
する。
背景技術
[0002] ビタミン Dは、主に高等生物において必須な脂溶性ビタミン群でコレステロールから 生合成される。その生理作用はカルシウムの吸収促進や代謝促進、細胞分化誘導、 免疫調節作用など多岐に及び、生体にお!、て重要な役割を果たして!/、る。
[0003] ヒトにおけるビタミン Dの生合成の主要な経路は、まずコレステロールから 7—デヒド 口コレステロール (プロビタミン D )が合成された後、皮膚において紫外線と熱反応か
3
らビタミン Dがつくられる。ビタミン Dは肝臓のミトコンドリアに局在するシトクロム P45
3 3
0 (CYP27A1)によって 25位の水酸化を受けて 25—ヒドロキシビタミン Dとなる。そ
3 の後、腎臓の近位尿細管において別のシトクロム P450 (CYP27B1)によって、さら に 1 α位の水酸ィ匕を受けて 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン D (活性化型ビタミン D )
3 3 力 Sつくられる。この物質が細胞内の受容体 (レセプター)に結合することで、生理作用 発現に関わる核内の特定の遺伝子の発現調節を行うことが分力つている。
[0004] 従って、肝臓または腎臓が機能不全に陥ると、正常なビタミン D代謝が阻害されるこ とがある。そのような患者では血中の 25—ヒドロキシビタミン Dや 1 α , 25—ジヒドロキ
3
シビタミン Dが極度に低下することがあり、治療のためには 25—ヒドロキシビタミン D
3 3 や 1ひ, 25—ジヒドロキシビタミン Dを投与して補う必要がある。
3
[0005] 一方、先天的に、ビタミン Dの水酸ィ匕に関与するシトクロム Ρ450の遺伝子に変異
3
があることに起因する水酸化機能不全から、 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dが不足
3 して起こるくる病が知られている。のみならず、後天的なくる病や骨粗鬆症を含めて、
1 a , 25—ジヒドロキシビタミン Dが不足することで起こる疾患の治療薬として、 1 a ,
25—ジヒドロキシビタミン D及び同様な生理作用をもつ類縁ィ匕合物の有する重要性
3
は非常に高い。
[0006] さらに、ビタミン D類はその多様な生理活性から、様々な誘導体が薬物の候補とし て研究され、抗腫瘍薬、乾癬治療薬、免疫賦活薬などの開発にも期待がもたれてい る。このような観点から、ビタミン D類誘導体ィ匕の一修飾法としての水酸ィ匕は重要であ る。この場合、水酸化位置の重要性は 1 α位及び 25位のみに限定されず、他の位置 の水酸ィ匕に高い必要性が生じることもある。以上のような製薬的または創薬的需要か ら、ビタミン D類の水酸ィ匕体の製造法を改良して、より効率的で、より安価にビタミン D 水酸化体を製造して供給することが医薬産業上強く望まれてきた。
[0007] ビタミン D類の中で特に生理活性が強ぐ価値のある 1 (X , 25—ジヒドロキシビタミン Dについて言及すると、その製造手法としては、有機合成法、ヒトのシトクロム Ρ450
3
を利用する方法、微生物の水酸ィ匕酵素を利用する方法等が挙げられるが、このうち、 有機合成法ではコレステロールから 17工程を経て合成する製法が知られている。ま た、ヒトのシトクロム Ρ450を利用する方法では、関与する遺伝子、発現する技術、シト クロム Ρ450酵素の性質に関する生物学的 ·生化学的知見の蓄積がある(T. Sakakiら の総説, Frontiers in Bioscience, 10, 119-134, 2005 ;非特許文献 1)。し力し、これら 二つの 、ずれの方法も高 、製造コストや低 、生産性の問題から、実用化には極めて 不向きである。
[0008] 一方、微生物の水酸化酵素を利用する方法は比較的有望な製造法である。
例えば、大正製薬 (株)の佐々木らは微生物探索研究において、ビタミン Dを水酸
3 ィ匕して 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dを生産する放線菌シユードノカルディア'ォー
3
トトロフイカを分離した(J. Sasaki et. al, Applied Microbiology and Biotechnology, 38, 152-157, 1992 ;非特許文献 2)。その後のメルシャン (株)におけるこの菌株の育種改 良、及び製造プロセス開発の結果、微生物変換法による 1 a , 25—ジヒドロキシビタミ ン Dの製造法が確立し(K. Takeda et. al, J. Ferment. Bioeng" 78, 380-382, 1994 ;
3
非特許文献 3)、実用化に至った。
[0009] 三菱化学 (株)の特許公開公報 (特開 2003 - 325175号公報;特許文献 1)にお!/ヽ てはバチルス 'メガテリゥムにより、ビタミン Dの 25位を水酸化することで 25—ヒドロキ
シビタミン Dを製造する方法が開示されている力 この方法による 25—ヒドロキシビタ
3
ミン Dの培養液中の蓄積量は少なぐ 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dの生産につ
3 3 いての記載はない。
[0010] 微生物由来のビタミン D水酸化遺伝子に関する知見では、 1994年に、シユードノ
3
カルディア 'オートトロフイカ由来のヒドロキシビタミン D 25位水酸化酵素遺伝子の報
3
告(H. Kawauchi et. al, Biochimica et Biophysica Acta, 179-183, 1994 ;非特許文献 4)がなされている力 本発明の遺伝子とは塩基配列及びそれにコードされる酵素の 性状力も考えて明らかに異なるものである。また、 Sawadaらは 2004年に、放線菌ス トレプトミセス 'グリセオラス ATCC 11796由来のシトクロム P450遺伝子がコード する P450SU— 1 (CYP105A1)力 ビタミン D力も 25—ヒドロキシビタミン Dならび
3 3 にヒドロキシビタミン D力ら 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dへの弱い水酸化活性を
3 3
すること 報告し飞いる (N. Sawada et. al, Biochemical and Biophysical Research Communications 320, 156-164, 2004 ;非特許文献 5)。
[0011] このように、これまで微生物を利用した、ビタミン D水酸ィ匕変換については様々な
3
知見が示されてきたが、シユードノカルディア ·オートトロフイカ菌株を変換菌に用いた ビタミン D力 1ひ, 25—ジヒドロキシビタミン Dを製造する方法だけが産業的に実
3 3
用化されている(特開平 2— 469号公報 (US4892821) ;特許文献 2及び特開平 2— 2 31089号公報;特許文献 3)。し力しこの製造方法においても、より効率的な製造プロ セスの改良を志向して、解決すべき課題がある。
[0012] 非特許文献 1 :T. Sakakiらの総説, Frontiers in Bioscience, 10, 119— 134 , 2005
非特許文献 2 :J. Sasaki et. al, Applied Microbiology and Biotechnology , 38, 152- 157, 1992
非特許文献 3 :K. Takeda et. al, J. Ferment. Bioeng. , 78, 380- 382, 1994 非特許文献 4 : H. Kawauchi et. al, Biochimica et Biophysica Acta, 179 - 183, 1994
非特許文献 5 : N. Sawada et. al, Biochemical and Biophysical Research Communications 320, 156— 164, 2004
特許文献 1 :特開 2003— 325175号公報
特許文献 2 :特開平 2— 469号公報
特許文献 3 :特開平 2— 231089号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0013] 前述のビタミン D力も 1 a , 25—ジヒドロキシビタミン Dを製造する方法とは、シユー
3 3
ドノカルディア属放線菌を発酵槽において培養した後、ビタミン Dを反応基質として
3
培養液に添加し、菌体のもつ水酸化酵素の作用で反応を進行させて、その結果蓄 積する 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dを培養液から回収'精製して行うものである。
3
[0014] この製造法においては、変換微生物として生育時間の長い放線菌を用いるため、 製造期間が長期になり、さらに、変換菌がもつビタミン D変換作用の中には目的の
3
水酸化のみならず、望ましくない副反応が存在する。その反応には、例えば、 26位 の水酸化や、 24位の水酸ィ匕などが挙げられる。また、基質のビタミン Dや目的生成
3
物の 1ひ, 25—ジヒドロキシビタミン Dに対する分解活性も存在する。
3
[0015] 特に、 1 a , 25—ジヒドロキシビタミン Dの分解は、 目的産物の蓄積量に直接的に
3
関わる極めて重要な問題である。これにカ卩えて、副産物の存在も、変換反応後の培 養液からの 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dの回収'精製工程を多くし、結果的に生
3
産物収量を低下させる。このような経緯から、現製造法においては、いかにして前述 のような副反応や分解活性を抑制して、なおかつ目的産物の蓄積量を増やすことは 、より効率のよい製造法を実現するための大きな課題であった。
課題を解決するための手段
[0016] 本発明者らは、製造法の改良のために鋭意研究を重ねた結果、まず、高いビタミン Dの水酸化能力を有するシユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株か
3
ら 1 α及び 25位を水酸化する酵素をコードする遺伝子をクローニングした。次いで、 この遺伝子を副反応及び分解活性のな 、、もしくは極めて少な 、宿主であるロドコッ カス ·エリス口ポリスや大腸菌に組み換えて発現させて本発明を完成させた。
[0017] 本発明により、これまで変換菌シユードノカルディア 'オートトロフイカの細胞全体の 複雑な生理'代謝機構を、製造に都合よく制御しょうとしてきた制限的な範囲の試み
力もの脱却ができた。すなわち、 1 α位及び 25位を水酸化する酵素をコードする遺 伝子を単離したことで、遺伝子工学技術を用いて、製造に最適な宿主での該水酸化 酵素の大量発現が可能となり、これまでの技術的課題を解決できる。力 tlえて、変換菌 の育種に利用できる技術の中には高度な遺伝子発現系の構築や遺伝子の改変によ る酵素機能の向上が含まれるが、これらの技術も本発明の遺伝子を扱うことではじめ て可能になるものである。該水酸化酵素は、これまで報告されたビタミン D等の水酸 化酵素の中では、新規で極めて産業利用に適した性状を有している。従って本発明 により、産業上極めて有用で、かつ効率のよいビタミン D等の水酸ィ匕体の製造方法が 提供される。
すなわち、本発明は、以下のビタミン D等の水酸ィ匕酵素、これをコードする遺伝子、 その単離方法、その遺伝子を導入した形質転換生物、及びその生物を用いた 25— ヒドロキシビタミン Dや 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dなどを含む水酸化ビタミン D
3 3
等の製造方法に関する。
1.ビタミン D、ビタミン D、及び 7—デヒドロコレステロールのうち少なくとも一つを水
3 2
酸化する酵素をコードする放線菌由来の水酸化酵素遺伝子。
2.シユードノカノレディア,オートトロフイカ(Pseudonocardia autotrophica)由来の前記 1記載の水酸化酵素遺伝子。
3.シユードノカルディア 'オートトロフイカ (Pseudonocardia autotrophica) NBRC127 43株に由来する前記 2記載の水酸化酵素遺伝子。
4.配列番号 1の 320番目〜1531番目の塩基配列によってコードされる前記 3記載 の水酸化酵素遺伝子。
5.下記の(1)または(2)で示される前記 4記載の水酸化酵素遺伝子の改変体または 相同遺伝子:
(1)前記 4記載の水酸化酵素遺伝子の改変体であって前記 4記載の塩基配列とスト リンジヱントな条件下でノヽイブリダィズし、かつ、その改変体にコードされる水酸ィ匕酵 素のビタミン D類に対する水酸化活性及び基質スペクトルが前記 4記載の水酸化酵 素遺伝子にコードされる水酸ィ匕酵素と同等と認められるもの、
(2)シユードノカルディア ·オートトロフイカ NBRC 12743株以外の微生物に由来し
、かつビタミン D類に対する水酸ィ匕活性を有するポリペプチドをコードする、前記 4記 載の水酸ィ匕酵素遺伝子に相同な遺伝子であって、前記 4記載の塩基配列とストリン ジェントな条件下でハイブリダィズし、かつ、その相同遺伝子にコードされる水酸化酵 素のビタミン D類に対する水酸化活性及び基質スペクトルが前記 4記載の水酸化酵 素遺伝子にコードされる水酸ィ匕酵素と同等と認められるもの。
6.配列番号 1の 320番目〜1531番目の塩基配列のうち連続する少なくとも 20塩基 またはその逆相補鎖をプローブとして放線菌力 取得される前記 5記載の水酸ィ匕酵 素遺伝子の改変体または相同遺伝子。
7.前記 1〜6のいずれかに記載された遺伝子によってコードされる水酸ィ匕酵素。
8.配列番号 2のアミノ酸配列を含む水酸化酵素。
9.前記 1〜6のいずれかに記載された遺伝子を宿主生物に導入して得られる形質 転換体。
10.宿主生物が大腸菌または放線菌である前記 9記載の形質転換体。
11.前記 9または 10記載の形質転換体を培養して得られる培養液またはその加工 物にビタミン D類または 7—デヒドロコレステロールを反応基質として添加して変換反 応を行わせることを特徴とするビタミン D類もしくはその前駆体、代謝物、誘導体また はステロイド類もしくはその修飾ィ匕合物の水酸ィ匕体の製造方法。
12.前記 9または 10記載の形質転換体において水酸ィ匕酵素遺伝子とレドックスパー トナー遺伝子を共発現させる前記 11記載の水酸化体の製造方法。
13.レドックスパートナー遺伝子が下記の(1)〜(3)のいずれかで示される前記 12 記載の水酸化体の製造方法:
(1) thcCD遺伝子、
(2) (1)の thcCD遺伝子の改変体であって、該 thcCD遺伝子の塩基配列とストリン ジェントな条件下でハイブリダィズし、かつその改変体にコードされるレドックスパート ナ一が、配列番号 1の 320番目〜 1531番目の塩基配列によってコードされる水酸 化酵素に電子を伝達する能力を有するもの、
(3)ロドコッカス 'エリス口ポリス NI86Z21株以外の微生物に由来する、 thcCD遺 伝子に相同な遺伝子であって、かつ(1)の thcCD遺伝子の塩基配列とストリンジェン
トな条件下でノヽイブリダィズし、かつその相同遺伝子にコードされるレドックスパートナ 一が配列番号 1の 320番目〜 1531番目の塩基配列によってコードされる水酸化酵 素に電子を伝達する能力を有するもの。
14.ビタミン D類の水酸化体が 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン Dである前記 11〜13
3
の!、ずれかに記載の水酸化体の製造方法。
15.ビタミン D類の水酸化体が 25—ヒドロキシビタミン Dである前記 11〜 13のいず
3
れかに記載の水酸化体の製造方法。
16.ビタミン D類の水酸化体が 25—ヒドロキシビタミン Dである前記 11〜 13のいず
2
れかに記載の水酸化体の製造方法。
17.配列番号 1の塩基配列のうち連続する少なくとも 20塩基またはその逆相補鎖を プローブとして微生物のゲノム DNAまたは cDNAから水酸ィ匕酵素遺伝子を取得す る方法。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 本明細書にぉ 、ては、本発明に含まれるビタミン D等の水酸ィ匕酵素遺伝子は、単 にシユードノカルディア ·オートトロフイカ (Pseudonocardia autotrophica) NBRC 1274 3株から由来した配列番号 1記載の DNA配列にコードされる遺伝子のみを指すほか 、その遺伝子の改変体や相同体も含めて指すこともある(以下これらを「vdh遺伝子」 と略称することがある。 ) o vdh遺伝子はビタミン D等を水酸化する能力を有するシュ 一ドノカルディア属放線菌またはその他近縁の微生物の培養菌体から、ビタミン D等 を水酸化する酵素(以下これを「VDH」と略称することがある。)を精製し、その酵素 の N末端アミノ酸及び内部アミノ酸配列に基づいて合成したオリゴ DNAプライマーに よって PCR (ポリメラーゼ'チェーン 'リアクション)を行ってクローユングすることができ る。
[0020] 本明細書にて使用される「ビタミン D等」とは、本発明に含まれる VDHによって基質 として認識され、 1 α位、 25位、その他の炭素に一酸素原子添加を行うことが可能な ものを意味し、例えば、以下の物質を包含する。
(1)ビタミン D、ビタミン Dなどのビタミン D類
3 2
(2)ビタミン D類の前駆体、代謝物、その他の誘導体 (この中には 7—デヒドロコレステ
ロール、 25—ヒドロキシビタミン D 、 1 a—ヒドロキシビタミン Dなどが含まれる。)
3 3
(3)ステロイド類またはその修飾ィ匕合物
[0021] 本発明の vdh遺伝子を取得するための菌株は、ビタミン D等を水酸化する能力を有 する微生物であれば、種及び株の種類を問うことなく使用できる力 好ましい例として はシユードノカルディア属に属する放線菌であり、さらに好適な例としては、すでに開 示された菌株 (特開平 2— 469号公報及び特開平 2— 231089号公報参照)の他、 P CR法によって、 vdh遺伝子の存在を確認できた下記表 1記載の菌株を挙げることが できる。 vdh遺伝子を有する菌株は本リストに記載された菌株に限定されない。本リス トにお 、て「Pseudonocardia」を「P.」と略す,
[表 1]
V d h遺伝了-が存在する菌株
P. autotrophica DSM535 P. autotrophica DSM43102
P. autotrophica DSM43082 P. autotrophica DSM43103
P. autotrophica DSM43083 P. autotrophica DSM43104
P. autotrophica DSM43084 P. autotrophica DSM43105
P. autotrophica DSM43085 P. autotrophica DSM43106
P. autotrophica DSM43086 P. autotrophica DSM43107
P. autotrophica DSM43087 P. autotrophica DSM43108
P. autotrophica DSM43088 P. autotrophica DSM43128
P. autotrophica DSM43090 P. autotrophica DSM43129
P. autotrophica DSM43091 P. autotrophica DSM43558
P. autotrophica DSM43093 P. autotrophica ATCC13181
P. autotrophica DSM43094 P. autotrophica ATCC19727
P. autotrophica DSM43095 P. autotrophica ATCC33795
P. autotrophica DSM43096 P. autotrophica ATCC33796
P. autotrophica DSM43097 P. autotrophica ATCC33797
P. autotrophica DSM43098 P. autotrophica JCM4010
P. autotrophica DSM43099 P. saturnea IFO 14499
P. autotrophica DSM43100 P. saturnea FEEM BP2307
P. autotrophica DSM43101 P. autotrophica M1067
[0022] これらの菌株は、通常 L液体培地(1. 0%バタトトリプトン、 0. 5%酵母エキス、 0. 5 %塩ィ匕ナトリウム)などの微生物一般の培養に適した培地を用いて 30°C、 3日間程度 で培養が可能で、 DNAや酵素を精製するための菌体を調製できる。
[0023] 本明細書に記載された本発明を実施するのに必要な方法、例えば DNAの抽出、
遺伝子のクローユング及び発現、 PCR、インバース PCRによる全長遺伝子の取得な ど遺伝子工学的手法を含む微生物の実験操作は、モレキユラ'クローユング第 2版に 記載された方法に従って行うことができる。また、特に放線菌に関する同様な操作は 、 Kieserらの実験書 (Practical Streptomyces uenetics, The John Innes Foundation, Norwich, England, 2000)に記載された方法に従って行うことができる。
[0024] 目 ij の Sawadaらの餘文 (N. Sawada et. al, Biochemical and Biophysical Research Communications 320, 156-164, 2004)から、ストレプトミセス属放線菌に存在するビタ ミン D類の水酸ィ匕に関与する活性本体は、シトクロム P450モノォキシゲナーゼである 可能性が高 、ことが示された。 VDHもその性状及び公知の関連情報力 シトクロム P 450であると考えられた。微生物菌体力もシトクロム P450酵素を精製するための一 般的な方法は、例えば、 P450SU—1に関する文献(N. Sawada et. al, Biochemical and Biophysical Research Communications 320, 156—164, 2004)に ci載 れた方法 またはその変法で行うことができる。すなわち、調製された菌体を適当な緩衝液に懸 濁させ、フレンチプレス処理または超音波破砕処理などを行うことで、無細胞抽出液 をつくる。次に、この抽出液に対して 2— 3段階のカラムクロマトグラフィー精製を行う ことで、ほとんど単一の酵素タンパクを得ることができる。この時使用できるカラムはィ オン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、ァフィユティー カラムクロマトグラフィーなどが挙げられる。
[0025] 次に、この酵素タンパク質をコードする遺伝子を取得するには、以下の一般的な手 順で達成できる。すなわち、精製タンパク質を SDS— PAGE (SDSポリアクリルアミド ゲル電気泳動)にかけて、観察されるタンパク質のバンドを切り出し、 PVDF (poly vin ylidene difluoride)膜に転写させる。これをアミノ酸シークェンサ一の試料として、エド マン法により目的とする酵素の N末端アミノ酸配列を決定することができる。また、タン ノ ク質のプロテアーゼ消化後に生成するポリペプチドを試料に用いて同様に処理す ることで、 目的とする酵素の内部アミノ酸配列を決定することができる。
[0026] N末端アミノ酸配列及び内部アミノ酸配列に基づ ヽて合成したプライマーを用いて PCRを行い、 目的の遺伝子断片を得ることができる。プライマーの設定領域力も判断 して、この遺伝子断片は、 N末端力も遺伝子内部の一部アミノ酸配列までのポリぺプ
チドをコードする DNAであるので、遺伝子全体を含む DNA断片を取る必要がある。 このためには、まずインバース PCRを行って遺伝子全体を含む配列情報を獲得し、 次 、で、再編集された配列の任意の両末端またはコード領域を増幅するための PCR を行って最終的に目的の断片を得ることができる。これら一連の操作において得られ る PCR増幅 DNAの塩基配列は、 DNAシークェンサ一により決定できる。
[0027] 後の実施例 6においても細説するように、このようにして獲得される vdh遺伝子は配 列番号 1に記載された塩基配列で表すことができ、配列番号 2に記載されたアミノ酸 配列からなる VDHをコードして 、る。 VDHのアミノ酸配列には酸素結合部位とヘム 結合部位が存在し、実施例 4で決定した VDHの内部アミノ酸配列も存在しており、 精製した VDH酵素をコードする遺伝子であることを裏付けて ヽる。 VDHアミノ酸配 列の相同性検索調査の結果、 VDHはストレプトマイセス 'コリナス (Streptomvces colli nus DSM 2012)由来のシトクロム P450RubUと相同性が 50%あり、 CYP107ファミリ 一に属するシトクロム P450であることが推定された。
[0028] 本発明の vdh遺伝子の取得については、当業者らが一般に試みる手法では容易 に解決できないいくつかの問題点が明らかになった。
その一つは、最も試みられる遺伝子のクローユング手法としてのショットガンクロー ユング法が有効でな力つた点である。すなわち、放線菌ストレブトミセス'リビダンス (Si reptomvces lividans)で確立して!/ヽる宿主ベクター系を利用して構築したシユードノ力 ルディァ'オートトロフイカのランダムな DNA断片を組み換えたストレプトミセス'リビダ ンスの個々のクローンから、ビタミン Dの水酸ィ匕活性を指標にしてスクリーニングした
3
力 多数のクローンを試験したにもかかわらず水酸ィ匕活性を有するクローンは取得す ることができなかった。
[0029] 後に VDHの活性ィ匕に必須の電子伝達コフアクタータンパクに厳格な特異性がある ことが分力つた。事実、ホウレンソゥ由来のフェレドキシン及びフェレドキシン還元酵 素と精製 VDHを含む再構成系では反応が進行するのに対し、多くの放線菌 P450 に電子伝達が可能とされるシユードモナス ·プチダ (Pseudomonas putida)由来のプチ ダレドキシンとプチダレドキシン還元酵素との再構成系では電子伝達が成立せず反 応が進行しな力つた。
なお、本明細書において、 VDHの活性ィ匕に必須の電子伝達コフアクタータンパク を「レドックスパートナー」と 、うことがある。
[0030] そこで、もう一つのアプローチである VDHを精製して、そのアミノ酸配列情報から V dh遺伝子を取得する方法を試みた。この時、菌体当たりの VDHの発現量が非常に 少なく精製に困難を極めた力 コレステロールの添加で、 VDHの良好な発現誘導が 起こることを見出し、精製に適した菌体の調製に成功した。
[0031] ところが意外にも、この菌体を破砕して調製した無細胞抽出液には活性が検出でき ず、検討の結果、通常のシトクロム P450酵素の反応条件とは大きく異なる高い塩濃 度に設定することで活性が回復し、問題の解決に至った。このように vdh遺伝子のク ローニングに至るまでには技術的に数々の困難な問題が発生した力 発明者らの鋭 意検討の結果、すべて問題の解決を実現し本発明を完結させた。
[0032] 当業者ならば、発明者らが実施した方法を再現することで、本発明に含まれる vdh 遺伝子を取得できる他、配列番号 1に記載した vdh遺伝子の DNA配列をプローブに 用いて、ストリンジェントな条件下でハイブリダィズする遺伝子をクローユングする一般 的な遺伝子工学的手法で、 vdh遺伝子を取得することができる。
[0033] なお、本明細書において、「ストリンジェントな条件下でノヽイブリダィズする遺伝子」 とは、例えば、遺伝子の配列情報の一部をもつ RNAまたは DNAをプローブとして、 コ口-一.ハイブリダィゼーシヨン法、プラーク 'ハイブリダィゼーシヨン法あるいはサザ ンノ、イブリダィゼーシヨン法等を用いることにより得られる DNAを意味し、具体的には 、コロニーあるいはプラーク由来の DNAを固定化したフィルターを用いて、 0. 7〜1 . OMの塩化ナトリウム存在下 65°Cでハイブリダィゼーシヨンを行った後、 0. 1〜2倍 濃度の SSC溶液(1倍濃度の SSC溶液の組成は、 150mM塩ィ匕ナトリウム、 15mM クェン酸ナトリウムよりなる。)を用い、 65°C条件下でフィルターを洗浄した後において もハイブリダイジング ·シグナルを呈する DNAとして定義することができる。
[0034] とりわけ、取得しょうとする、 vdh遺伝子の相同遺伝子が非常に相同性の高いもの である時、例えば、配列番号 1に記載の vdh遺伝子の塩基配列と比較して 90%以上 の相同性が認められる場合は、配列番号 1に記載した vdh遺伝子の DNA配列をプ ローブとして用いて取得することもできる。新たな vdh遺伝子の取得は、前記配列を
用いて既存のデータベース力 所定の相同性を有する配列を検索して得てもよいし
、これを基に合成したプライマーを用いて PCRを行って取得することもできる。このよ うなプローブは、好ましくは、配列番号 1に記載した vdh遺伝子の DNA配列のうち少 なくとも連続する 20塩基またはその逆相補鎖である。
なお、このようにして得られる相同性の高!、相同遺伝子を「相同体」と!、うことがある
[0035] vdh遺伝子の組換えや発現などの一連の遺伝子工学的操作を実施する過程にお いて、異宿主での vdh遺伝子中のコドンを変更したり、制限酵素認識部位を付加また は削除したり、あるいは VDHに特定のポリペプチドを融合させたりする目的で、該遺 伝子の機能,効果を損なわない範囲で、構成塩基配列の削除、変換、付加、挿入等 の DNAの改変を行うことがある。このようにして構築された DNAを「DNAの改変体」 と定義する。本明細書において、「DNAの改変体」とは、構成塩基の削除、変換、付 カロ、挿入などにより修飾されたもの、あるいはその誘導体を意味し、しばしばコードさ れたアミノ酸配列の置換をともなうことがあるが、もとのものと実質的に同じ効果を発 現する DNAを意味する。
[0036] 取得した vdh遺伝子は適当なベクターに組み込んだ後、宿主に導入することで、本 発明の vdh遺伝子の形質転換生物を作製することができる。宿主としては、 vdh遺伝 子を安定に保持し、発現できる宿主であればどのような生物でもよい。植物細胞など に導入することで活性ィ匕型ビタミン Dを含む遺伝子組換え作物を得ることもできる。
3
しかし、好ましくは分解や副反応がなぐ安価な培養手段で早く生育、かつ製造現場 にお 、て扱 、やす 、微生物宿主が好まし 、。
[0037] 使用できる宿主の具体的な例として、大腸菌、バチルス (Bacillus)属細菌、シユード モナス(Pseudomonas)属細菌の他、放線菌(この中には例えば、ストレプトミセス(Stre
Dtomvces)属糸田菌、シユードノカノレティア (Pseudonocardia) 糸田菌、ノカノレティア (Noc ardia)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌、ミコノ クテリゥム(Mycobacterium) 属細菌等が含まれる。)などが挙げられる。
[0038] ベクターは選択された宿主において、自律複製するプラスミドまたはゲノムにインテ グレートされるインテグレーションベクターの!/、ずれであってもよ!/、が導入された細胞
内において安定に保持され、担持された vdh遺伝子が発現可能な状態にあるものが 望ま 、。この時 vdh遺伝子を効果的に発現させるためには宿主内にぉ 、て機能す る適当なプロモーターを利用すればよい。プロモーターはその発現特性において構 成型及び誘導型に分けられるが、構築した形質転換生物を用いる製造において最も 望ましい効果を発揮できるものを選択するのがよい。使用できるプロモーターの具体 的な例として、細菌のプロモーターでは、 lacプロモーター、 trpプロモーター、 tacプ 口モーター、 T7プロモーター、 ermプロモーター、 tipプロモーター、 nitプロモーター などが、酵母のプロモーターでは、 ADHプロモーター、 PH05プロモーター、 gal 10 プロモーター、 PKGプロモーター、 GAPプロモーターなどが、動物のプロモーター では SV40の初期プロモーターなど力 植物のプロモーターではカリフラワーモザィ クウィルスの 35Sプロモーターなどが挙げられる。
[0039] ベクターはそれを導入する宿主に適合したもの使用することが必要である力 具体 的な例を挙げると、大腸菌を宿主とする場合は、 pBR322、 pACYC184、 pUC18、 PKK223 - 2、 pHSG398 (タカラバイオ)、 pTrcHis (Invitrogen)、 pETl la (Stratag ene)などを、その他のグラム陰性細菌では、 pBBR122 (Mobiotech)、 pBHRl (Mobi otech)などを、バチルス属細菌では pHWl 520 (Mobiotech)、 pHY300PLK (タカラ バイオ)などを、放線菌では、 pSH19 (Herai et. al, Proc. Natl. Acad. Sci., 101, 1403 1-14035, 2004)、 plJ702 (John Innes Centre)、 plJ943 (John Innes Centre)、 plJ86 00 (John Innes Centre)、 plJ602 (john Innes Centre) 1、 pTip— vectors (Nakashima et. al, Appl. Environ. Microbiol, 70, 5557-5568, 2004)、 pTYM19 (Onaka et. al, J . Antibiot., 56, 950-956, 2003)などを、真菌では、 ρΑΟδ 15 (Invitrogen) , pAURl 01 (タカラバイオ), pAUR123 (タカラバィォ)、 pAUR316 (タカラバイオ)などが使 用できる。
[0040] 前述のような宿主ベクターにより vdh遺伝子を発現させ、水酸化活性を現出させる には、 VDHへ効率よく電子伝達が可能なレドックスパートナータンパク質 (より具体 的には、フェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素)をコードする遺伝子を共に発現 させることが好ましい。その理由として宿主によっては内在性のレドックスパートナー タンパク質力VDHへ電子伝達できず、水酸ィ匕活性を発現できな ヽことが懸念される
ためである。
[0041] vdh遺伝子と共発現させるために適したレドックスパートナータンパク質の遺伝子と して、例えば、ァシネトバクタ一'スピーシズ OC4(Acinetobacter sp. OC4)、ロドコッ カス ·エリス口ポリス由来のものの他にもホウレンソゥ由来のものを挙げることができる 力 好ましい例としては、ロドコッカス'エリス口ポリス NI86Z21株(NCAIM (P)B.OOl 020 ; Nationalし ollection of Agriculture and Industrial Microorganisms (NCAIM, Buaa pest, Hungary) )由来のレドックスパートナーである、 thcCD遺伝子(Nagy et al., J. B acteriol. vol. 177, 676-687 (1995))またはその相同体を挙げることができる。
[0042] thcCD遺伝子は、フェレドキシン (ThcC)をコードする遺伝子 thcCと、フェレドキシ ン還元酵素 (ThcD)をコードする遺伝子 thcDとを意味し、それらの相同体は、上記 文献に記載の遺伝子情報を基に適当に設計したプライマを用い、ロドコッカスに属す る菌株の DNAを铸型にした PCR法によって容易に取得することができる。このような レドックスパートナータンパク質の遺伝子を共発現させる発現系を利用することで、宿 主内在のレドックスパートナ一の適合性に制限されずに様々な宿主において VDH の強化された活性の発現が実現できる。
[0043] 形質転換生物の培養は通常、その形質転換生物の栄養培地となり得、さらに反応 基質の変換に悪影響を及ぼさない培地で行う。このような培地は、適当な炭素源、窒 素源、無機塩及び天然有機栄養物等により成り立つている。炭素源としては、ダルコ ース、フラクトース、グリセロール、ソルビトール、有機酸類等を単独に用いる力もしく は併用でき、その使用濃度は特に限定されず、おおよそ 1〜10%が適当である。窒 素源としてはアンモニア、尿素、硫安、硝安、酢安等の化合物を一種または二種以 上使用することができる。無機塩としては、燐酸一カリウム、燐酸二カリウム、硫酸マグ ネシゥム、硫酸マンガン、硫酸第一鉄などの塩類を使用することができる。さらに、使 用菌の生育促進効果を持つ有機栄養源としては、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、 コーンスティープリカ一、カザミノ酸などが用いられ、さらにビタミン類、核酸類を少量 培地に含有せしめることもできる。
[0044] 本発明の製造方法では、例えば、ロドコッカス ·エリス口ポリス(Rhodococcus ervthro polls)を宿主とした形質転換生物を使用する場合、前述のような生育に適した培地に
て、その増殖に適する温度、例えば 10〜35°Cで培養した後に得られた培養液また はその加工物に反応基質であるビタミン D等を通常の濃度範囲 0. 1〜: LOmgZmlの 濃度で接触させ、変換反応を行わせることで、本発明の、ビタミン D等の水酸ィ匕体の 製造法を提供できる。培養液の「加工物」とは培養液に様々な処理を施して酵素反 応を効率よく行わせるための形態であって、菌体懸濁液、固定化菌体、粗精製 VDH 、精製 VDH、固定化 VDH、修飾された VDHなどを含む。
[0045] 前述のようにして vdh遺伝子を導入して得られる形質転換生物は、すでに述べたよ うに従来よりも効率よくビタミン D等の水酸ィ匕体を蓄積するための能力を有して 、る。 例えば、本発明のロドコッカス'エリス口ポリスに vdh遺伝子を導入して得られた形質 転換生物は vdh遺伝子の由来株であるシユードノカルディア ·オートトロフイカに比べ 多量の VDHを発現し、生育速度も速い性質を持っていた。また、ビタミン Dの水酸
3 化変換速度も向上していた。
[0046] さらに、本発明の VDHの酵素化学的データ、すなわちビタミン Dや 25—ヒドロキシ
3
ビタミン Dに対する Km値及び V 値を調べることで、類似の反応を触媒する従来の
3 max
水酸化酵素と比較することができる。後述の実施例 11にお ヽて記述した方法にて決 定した VDHのビタミン Dと 25—ヒドロキシビタミン Dに対する Km値はそれぞれ 9. 1
3 3
Mと 3. 7 Μであり、 Vmaxは 243. 9mmol/min/mol of VDHと 588. 2m mol/min/mol of VDHだった。細菌由来でビタミン Dと 25—ヒドロキシビタミン
3
Dに対して水酸化活性を持つと報告されている P450SU—l (Sawada et al., Bioche
3
m. Biophys. Res. Commun., 320, 156-164, 2004)との活性の比較を表 2に示した。
[表 2]
N. D. : Not determined
[0047] V に関して、 VDHのビタミン Dと 25—ヒドロキシビタミン Dに対する活性はそれ max 3 3
ぞれ P450SU—1と比較して約 15倍と約 163倍高いことが示された。また、ビタミン D の 25位水酸化活性が知られているヒト CYP27A1と VDHは同等の 25位水酸化活
3
性の V を示した(Sawada et al, Biochem. Biophys. Res. Commun., 320, 156—164, max
2004) oさらに、 25—ヒドロキシビタミン Dの 1 α位水酸化活性が知られているマウス
3
CYP27Bl (Uchida et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 323, 505—511, 2004) の約 5分の 1の 1 α位水酸化活性の V を示した。従って VDHは一つの酵素で高い max
ビタミン Dの 25位水酸化活性と 25—ヒドロキシビタミン Dの 1ひ水酸化活性の両方
3 3
を有することが示された。
実施例
[0048] 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に何 ら制限されるものではない。
[0049] 実施例 1:シユードノカルディア 'オートトロフイカ (Pseudonocardia autotrophica) NBR
C 12743株の無細胞抽出液の調製
ビタミン D (以下、 VDという)水酸ィ匕体の発酵生産に使われているシユードノカル
3 3
ディア'オートトロフイカ NBRC12743株を L液体培地(1. 0% ノ クトトリプトン、 0. 5 %酵母エキス、 0. 5%塩ィ匕ナトリウム)に接種し、 3日間 30°Cで培養した後、終濃度 5mgZmlになるようにコレステロールを添カ卩して、さらに 6時間 30°Cで培養した。得ら れた培養液を遠心機(Beckman AVANTI J- E)で 6000rpm、 15分間遠心して菌体を 集めた。培養液 3Lから得られた菌体を 150mlの Buffer A (50mMリン酸カリウム緩 衝液 pH7. 4、 10%グリセロール、 2mMジチオスレィトール)に懸濁した。その細胞 懸濁液をマルチビーズショッカー細胞破砕機 (安井器械社)により 0. 1mmガラスビ ーズを用いて 4°Cで細胞破砕した。破砕条件は 1分間、 2500rpmで振とうした後、 1 分間停止するという処理を 10サイクル行った。遠心により得られた 110mlの無細胞 抽出液を 1Lの Buffer B (20mMリン酸カリウム緩衝液 ρΗ7. 4、 20%グリセロール) で 2回透析を行った。析出した沈殿を 3000rpm、 15分遠心して除き、上清を無細胞 抽出液とした。
[0050] 実施例 2 :無細胞抽出液による VD水酸化反応系の再構成
シユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株の無細胞抽出液から DEA E Sephacelカラム (アマシャムファノレマシアノィォテック社)と Apatite Macro— Prep Cer amicカラム(カラムボリューム: 5ml;BIO- RAD社)で部分精製した VDHに、 160mM 酢酸ナトリウム、 32 /z gZmlホウレンソゥ由来フェレドキシン(Sigma社)、 0. lU/ml ホウレンソゥ由来フェレドキシン還元酵素(Sigma社)、 3UZmlグルコースデヒドロゲ ナーゼ、 2mM NADH、 2mM NADPH、 60mMグルコース、 10 M VDになる
3 ようにカ卩えて Buffer B中で 30°C、 16時間反応を行った。 HPLC解析により、基質であ る VD力ら生産された 25— OH VD 、 1 α , 25—(OH) VDのエリア値を求め、
3 3 2 3
基質由来の全てのピークのエリア値 (VD 、 25-OH VD 、 1 α , 25— (OH) VD
3 3 2
)に対する水酸化体(25— OH VD 、 1 α , 25— (OH) VD )のエリア値の比率
3 3 2 3
を求めて変換率とした。
実施例 3 :VDHの精製
透析したシユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株の無細胞抽出液 を Buffer Bにより平衡化した DEAE Sephacelカラム(カラムボリューム: 20ml、アマシャ ムフアルマシアバイオテック社)に供した。吸着したタンパクは 200mlの Buffer Bを用 いて OmMから 800mMの酢酸ナトリウムの直線グラジェントにより溶出した。得られた フラクションの VDH活性測定を行い、活性を保持するフラクションを集めた。 VDHは DEAE Sephacelカラムクロマトグラフィーにおいて約 400mM酢酸ナトリウムにより溶 出された。集めたフラクション(55ml)を 750mlの Buffer C (7. 5mM酢酸ナトリウム 緩衝液 PH5. 0、 20%グリセロール)で 2回透析した。透析の際、析出した沈殿を遠 心により除き、上清を、 Buffer Cで平衡化した CM Sepharose (カラムボリューム: 10ml 、アマシャムフアルマシアバイオテック社)に供した。カラム吸着しなかったサンプルか ら再度析出した沈殿を遠心して除 、たのち、この上清力 SVDH活性を示すことを確認 した。この活性を保持するサンプル(47ml)を 1Lの Buffer D (2mMリン酸カリウム緩 衝液 pH7. 4、 20%グリセロール)で 2回透析した。透析したサンプルを、 Buffer Dで 平衡化した Apatite Macro- Prep Ceramicカラム(カラムボリューム: 5ml、 BIO- RAD社 )に供した。この時の素通り画分(75ml)を、 Buffer Bで平衡化した Q Sepharoseカラム (カラムボリューム: 7ml、アマシャムフアルマシアバイオテック社)に供した。吸着した
タンパクは 100mlの Buffer Bを用いて OmMから 800mMの酢酸ナトリウムの直線グラ ジェントにより溶出した。得られたフラクションの VDH活性測定を行い、活性を保持 するフラクションを集めた。 VDHは Q Sepharoseカラムクロマトグラフィーにおいて約 5 50mM酢酸ナトリウムにより溶出された。集めた活性フラクション(22. 5ml)を Amico n Ultra 30000 MWCO (ミリポア社)を用いて限外ろ過により 2mほで濃縮した。得られ たサンプルを Sephacryl S-100カラム(カラムボリューム: 120ml、アマシャムファノレマシ ァバイオテック社)に供し、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーを行った。カラムクロマト グラフィ一は AKTAシステム(アマシャムフアルマシアバイオテック社)により行った。 溶出されたフラクションの VDH活性測定を行 ヽ、活性を保持するフラクションを集め た。得られたサンプル ( 1. 7ml)を Mono - Qカラム(カラムボリューム: 1ml;アマシャ ムフアルマシアバイオテック社)に供した。カラムクロマトグラフィーは AKTAシステム を用い、吸着したタンパクは 20mlの Buffer Bを用いて OmMから 800mMの酢酸ナト リウムの直線グラジェントにより溶出した(図 3)。得られたフラクションの VDH活性測 定を行った。 VDHは Mono-Qカラムクロマトグラフィーにおいて 550mM酢酸ナトリウ ムにより溶出された。各フラクションをドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電 気泳動(以下、 SDS— PAGEという)によりタンパク質の溶出パターンを解析し、その 溶出パターンと VDH活性と比較して、活性と相関のあるタンパク質バンドを VDHとし て同定した(図 3)。 Mono-Qカラムクロマトグラフィーで 2つの VDH活性とヘム吸収を 持つピークが観察され、そのどちらのフラクションにも約 45kDaの VDHと考えられる ピークが存在した。
実施例 4 :VDHの N末端アミノ酸配列及び内部アミノ酸配列決定
VDHタンパク質を含むサンプルの一つ(フラクション 51) 180 μ 1に対して 60 μ 1の 滅菌水と 1200 μ 1のアセトンを加え、—20°Cで 16時間冷却させてサンプル中のタン パク質を沈殿させた。 13, 000rpm、 20分間遠心して上清を除き、 SDS— PAGEの サンプル緩衝液(62. 5mMリン酸ナトリウム緩衝液 pH7. 0、 10%グリセロール、 2 %ドデシル硫酸ナトリウム、 0. 001%ブロモフエノールブルー)を 20 1カ卩えてタン パク質を溶解させた。、このサンプルを SDS— PAGEに供し、電気泳動後のゲル中 のタンパク質を PVDF (poly vinylidene difluoride)膜(Immobilon- P:ミリポア社)にセミ
ドライブロッター(TRANS— BLOT SD SEMI-DRY TRANSFER CELL ; BIO— RAD社)に より移した。タンパク質を吸着させた PVDF膜を染色液 (0. 1%クマシ一ブリリアント ブルー R— 250、 10%酢酸、 40%メタノール)で 2分間染色し、脱色液(10%酢酸 、 30%メタノール)でタンパク質バンドが確認できるまで脱色した。この PVDF膜を風 乾し、 VDHのバンドを切り取り、エドマン法による N末端アミノ酸配列解析を高感度ァ ミノ酸シークェンサ一 Precise 491 cLC (Applied Biosystems社)により行った。得られた アミノ酸配列を以下に 1文字表記で示した。
(N末端) -ALGTEQHDLFSGFFWQNPQPPYAA- (C末端):配列番号 3 [0053] さらに VDHの内部アミノ酸配列を決定する為に、アセトンにより濃縮した VDHサン プル(フラクション 46)を SDS— PAGEに供し、クマシ一ブリリアントブルー R— 250で 染色し、脱色液(25%メタノール、 8%酢酸)でタンパク質バンドが見えるまで脱色し た。 VDHのバンドをカッターで切り取り、リジルエンドべプチダーゼによりゲル内消化 行い、常法に従い HPLC (High performance liquid chromatography)に供し、得ら れたペプチドを高感度アミノ酸シークェンサ一 Procise 494 cLC (Applied Biosystems 社)により解析した。 4種のペプチドが得られた力 そのうち 1サンプルを解析し、以下 に解析で得られた配列をアミノ酸 1文字表記で示した。
(N末端) LHGYLSDLLERK— (C末端):配列番号 4
[0054] 実施例 5 :シユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株とロドコッカス'エリ スロポリス NI86/21 (Rhodococcus erythropolis NI86/21)株染色体 DNAの調製
L液体培地にシユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株を接種し、 30 。C、 3日間培養した。得られた培養液を 3000rpm、 10分間遠心して菌体を集めたそ の菌体から Isoplant DNA isolation kit (-ツボン 'ジーン社)を用いて染色体 DNAを 調製した。同様にしてロドコッカス'エリス口ポリス NI86Z21株の染色体 DNAを調 製した。
[0055] 実施例 6 : VDH遺伝子のクローニング
インバース PCR反応により VDH遺伝子を増幅する為に、実施例 4で得られた N末 端アミノ酸配列より以下のようなミックス ·プライマーを設計し作製した。
VDH I 1 F:配列番号 5
VDH I 1R:配列番号 6
コドンのゆらぎを考慮して反応性を高めるために、以下に示した等量混合塩基を使 用した。
N :A+T+G + C, S : G + C, Y: C+T
次に、この 2種のプライマー(VDH— I— IF及び VDH— I— 1R)を用いてインバー ス PCR反応を行う為の铸型の調製を行った。実施例 5で調製したシユードノカルディ ァ'オートトロフイカ NBRC12743株のゲノム DNAを 4 μ g使用し、反応液量 50 μ 1 中で、制限酵素 Aat II (New England Biolads社)で 37°C、 2時間消化した。消化後の サンプルを QIAquick PCR purification kit (QIAGEN社)で精製し、 200 μ 1の溶出用 緩衝液により溶出した(4 g of DNAZ200 /Z 1)。そのうち 50 1を Linear DNA 铸型として保存し、残りの 150 1を Τ4 DNA Ligase (New England Biolads社)と付 属の緩衝液を加えて、 16°C、 16時間自己環状ィ匕を行った。そのサンプルを QIAquic k PCR purification kitにより精製し、 100 μ 1の 10mM Tris HCl(pH8. 5)により溶出 した。 自己環状ィ匕を行ったものを Circular DNA铸型とした。次いで VDH— I— IF 及び VDH— I 1Rを用 、て調製した Linear DNA铸型と Circular DNA铸型を 铸型としてインバース PCR反応を行った。インバース PCR反応は KOD plusポリメラ ーゼ(TOYOBO社)を用い、 PCR増幅装置(Applied Biosystems社、 GeneAmp PCR S ystem 2700)で変性を 94°C、 1分間、アニーリングを 60°C、 30秒間、伸長を 72°C、 3 分間行う 3段階の反応を 30回繰り返した。その結果、 Circular DNA铸型特異的に 約 1. 2kbpの大きさの DNA断片(以下、 DNA断片 Aという)が増幅された。この反 応液をァガロースゲル電気泳動にかけて分画した後、 DNA断片—Aをァガロースゲ ルから切り出して、 QIAquick Gel extraction kit (QIAGEN社)によって回収精製した。 こうして精製された DNA断片 Aの塩基配列を解析する為に T4 polynucleotide kina se (New England Biolads社)により DNA断片— Aをリン酸化した。前もって EcoRVで 消ィ匕し、 Calf intestine alkalinephosphatase (New England Biolads社)により脱リン酸ィ匕 した pBluescript II SK(+) (TOYOBO社)に DNA Ligation kit ver 2.1 (宝酒造社)を用 いてリン酸ィ匕した DNA断片— Aを連結し、大腸菌 XL 1— Blue株を形質転換した。そ の後、アンピシリン(50 μ g/ml)、 X— gal (5— Bromo— 4— chloro— 3— indoly卜 β— D— gala
ctoside ;40 μ / ml)、 IPTG (Isopropyl— β -thiogalactopyranoside; 100 μ M)を含 む L寒天培地(1. 0%バタトトリプトン、 0. 5%酵母エキス、 0. 5%塩ィ匕ナトリウム、 1. 5%寒天)上で、 DNA断片 Aを組み込んだプラスミドで形質転換された大腸菌株 を選択した。この大腸菌のコロニーをアンピシリン(50 μ g/ml)を含む L液体培地で 培養し、得られた菌体から QIAprep Spin Miniprep kit (QIAGEN社)を用いてプラスミ ド DNAの分離精製を行った。得られたプラスミドに挿入された DNA断片— Aの塩基 配列 1201bpを DNAシークェンサ一 ABI PRISM (登録商標) 3100 Genetic Analyzer (ABI社)を用いて決定した。さらに VDH遺伝子の全長配列を取得する為に、 DNA 断片— A中の VDHコード領域の配列をもとにして、新たにインバース PCR反応に用 いる以下のようなプライマーを設計した。
VDH -I- 2F:配列番号 7
VDH -I- 2R:配列番号 8
[0057] インバース PCR反応は、シユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株の ゲノム DNAを Aat IIの代わりに Bam HIで消化すること以外は前述と同様な方法で 行い、その結果、約 1. 4kbpの長さの DNA断片(以下、 DNA断片— Bという)が Circ ular DNA铸型特異的に増幅した。 DNA断片一 Aの場合と同様な操作を行い、 D NA断片— Bの配列決定を行った。塩基配列解析の結果、 1451bpの塩基配列が明 らカとなった。 DNA断片 Bは DNA断片 Aとオーバーラップしており(図 4)、 DN A断片一 Aと DNA断片 - Bをつなぎ合わせることによって、 VDH遺伝子の全長を決 し 7こ。
[0058] 実施例 7: VDH発現ベクター pVDH— camABの構築
vdh遺伝子を大腸菌 BL21 (DE3) (Novagen社)を宿主として、シユードモナス 'プ チダ由来の camAB (フェレドキシン還元酵素遺伝子及びフェレドキシン遺伝子)と共 発現させるベクターを構築する為に、 VDH遺伝子を以下に示したプライマーを用い て増幅した。
VDH— 1F:配列番号 9
VDH—1R:配列番号 10
[0059] この 2種のプライマー(VDH— 1F及び VDH— 1R)と Bgl IIで消化したシユードノ力
ルディァ 'オートトロフイカ NBRC12743株のゲノム DNAを铸型として用いて PCR 反応を行った。 PCR反応は、 Pfu turbo (TOYOBO社)を用い、 PCR増幅装置によ り変性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 63°C、 30秒間、伸長を 72°C、 2分間行う 3段 階の反応を 25回繰り返した。その結果、約 1. 2kbpの大きさの DNA断片(以下、 DN A断片 Cという)が増幅された。 QIAquick PCR purification kitで精製し、 Nde Iと Sp e Iにより消ィ匕した。このサンプルをァガロースゲル電気泳動にかけて分画し、 1. 2kb Pの大きさの DNA断片をァガロースゲルから切り出した。 QIAquick Gel extraction kit により Nde Iと Spe Iにより消化された DNA断片— Cを精製した。 Nde Iと Spe I部位 を利用してシユードモナス 'プチダ由来のフェレドキシン還元酵素とフェレドキシンと 共発現させるベクター pT7NS— camAB (Arisawa et al.,国際公開公報第 2003Z0 87381号パンフレット)の Nde Iと Spe I部位に DNA断片— Cを連結し、大腸菌 XL1 — Blue株(STRATAGENE社)を形質転換した。その後、アンピシリン(50 μ g/ml)を 含む L寒天培地(1. 0%バタトトリプトン、 0. 5%酵母エキス、 0. 5%塩化ナトリウム 、 1. 5%寒天)を用いて、形質転換された大腸菌を選択した。こうして分離した形質 転換大腸菌のコロニーをアンピシリン(50 μ g/ml)を含む L液体培地で培養した。 増殖した形質転換大腸菌の菌体から QIAprep Spin Miniprep kitを用いてプラスミド D NAの分離精製を行 、pVDH— camABを得た。得られたプラスミドの DNA配列を 解析し、 VDH遺伝子に変異がなぐかつ同遺伝子が目的部位に挿入されていること を確認した。このプラスミドで大腸菌 BL21 (DE3)を形質転換して BL21 (DE3) /p VDH - camAB株を得た。
実施例 8:大腸菌 BL21 (DE3) 7 011—。&111八8株にょる¥0変換試験
3
実施例 7で得た形質転換大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— camAB株のコロニーを 10mlのアンピシリン(50 gZml)を含む L液体培地に接種し、 37°C、 16時間培養 した。得られた培養液のうち 5mlを 500mlのアンピシリン(50 μ g/ml)を含む MCG 液体培地(0. 54%リン酸水素ニナトリウム、 0. 3%リン酸二水素カリウム、 0. 05% 塩化ナトリウム、 0. 1%塩化アンモ-ゥム、 1%カザミノ酸、 0. 4%グルコース、 0. 0 2%塩化マグネシウム、 0. 0015%塩化カルシウム、 100 M硫酸鉄)に接種し、 3 7°Cで 2. 5時間振とう培養した。培養液に 15mlエタノールと 50mlの 50%グリセ口
ールを添カ卩した後、 22°Cで 20分間培養し、 IPTG (終濃度: 100 μ Μ)と 5—アミノレ ブリン酸 (終濃度:80 gZml)を加えた。その後、 22°Cで 20時間培養し、遠心によ り菌体を回収した。回収した菌体は 25mlの Buffer Aに懸濁し、培養液に対して 20倍 濃縮した細胞懸濁液を得た。
[0061] VDHの発現を確認する為に、還元一酸化炭素結合差スペクトル解析 (Omura et al ., J. Biol. Chem., 239, 2370-2378, 1964)を行った。まず、上記の方法で得た細胞懸 濁液をマルチビーズショッカー細胞破砕機 (安井器械社)により 0. 1mmガラスビーズ を用いて 4°Cで細胞破砕した。破砕条件は 30秒間、 2500rpmで振とうした後、 30秒 間停止するという処理を 3サイクル行った。細胞破砕液を 12000rpm、 10分遠心し、 無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液をキャップ付き試験管 2本に 700 1ずつ分 け、一方の無細胞抽出液に一酸化炭素を通した。次に、両方の無細胞抽出液にハイ ドロサルファイトナトリウムを少量添カ卩した。一酸化炭素を通して ヽな 、方のサンプル の 400nmから 500nmの吸収スペクトルをベースラインとして、スペクトルフォトメータ 一(HITACHI社、 U- 3210 SpectrophotoMeter)で一酸化炭素を通したサンプルの 40 0から 500nmの吸収をスキャンした。その結果、シトクロム P450に特徴的な 450nm のピークを観察し、その吸収力も培養液当たりに換算して 113nMの VDHが発現し ていたことを示した。
[0062] 上記の方法で調製した細胞懸濁液を用いて、 VDの変換試験を行った。変換反応
3
ίま 200 μ 1の 20倍濃縮糸田胞懸淘液に 775 μ 1の Buffer B、 5. 2 1の lOOmM VD、 2
3
0 μ 1の 10% RMCD (Randomly substituted Methyl- β -cyclodextrin;塩水港精糖社 )を添カ卩し、 30°Cで 16時間反応させた。 VD変換反応に用いた RMCDは HVD生
3
産の際に使用される添加剤である。反応後、 1. 5mlと 0. 75mlの酢酸ェチルで 2回 抽出を行い、酢酸ェチル相を集めてエバポレーターにより乾固した。その残渣に 150 μ 1のメタノールを加えて HPLC分析により VDの水酸化体の検出を行った。
3
HPLC条件
カラム: YMCネ: tj, sphere ODS— H80 (I. D. 4. 6 X 75mm)
移動相:(A)水、(B)ァセトニトリル
(A)と(B)のグラジェントで、タイムプログラムは以下のように行った。
[表 3] 時間 移動相(B%)
0分 → 12分 50% → 100%
12分 → 25分 100% → 100%
25分 → 26分 100% → 50%
26分 → 30分 50% → 50%
波長: 275nm
カラム温度: 40°C
[0063] HPLC解析の結果、 VDの水酸ィ匕体は観察されな力つた。 VDHと共発現させた C
3
amA (フェレドキシン還元酵素)と CamB (フェレドキシン)からの VDHに対する電子 伝達が起こっていない可能性が考えられたので、形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— camAB株の無細胞抽出液を調製し、 VD変換試験を行った。上記の方
3
法で形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— camAB株の無細胞抽出液を調 製し、それを VDH酵素液として 160mM酢酸ナトリウム、 32 μ g/mlホウレンソゥ由 来フェレドキシン、 0. lU/mlホウレンソゥ由来フェレドキシン還元酵素、 3UZml グルコースデヒドロゲナーゼ(TOYOBO社)、 2mM NADH、 2mM NADPH、 60m Mグルコース、 10 M VDをカ卩えて Buffer B中で変換反応を行った。変換反応は 3
3
0°Cで 16時間行った。反応後、 1. 5mlと 0. 75mlの酢酸ェチルで 2回抽出を行い、 酢酸ェチル相を集めてエバポレーターにより乾固した。その残渣に 150 1のメタノー ルをカ卩えて HPLC分析により VDの水酸化体の検出を行った。 HPLC解析の結果、
3
25—ヒドロキシビタミン D (以下、 HVDという)、 1 α , 25—ジヒドロキシビタミン D (以
3 3 下、 DHVDという)、 1 α , 17, 25—トリヒドロキシビタミン D (以下、 THVDという)が
3
検出された。この結果より、シユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株 より精製し、クローユングした VDHは VD力ら HVD、 DHVD, THVDへ変換する酵
3
素であることが明ら力となった。
[0064] 実施例 9 :ヒスチジンタグ融合 VDH (以下、 VDH— Hisという)発現ベクター pET29
VDHの構築
VDHの基質特異性解析や反応速度論的解析を行う為に、 VDHをヒスチジンタグ 融合タンパクとして発現させ、 Ni—NTAカラムにより精製した。まずは発現ベクター を構築した。 VDH遺伝子を増幅する為に、以下に示したプライマーを構築した。 VDH— 1F:配列番号 9
VDH— 2R:配列番号 11
[0065] 次に、この 2種のプライマー(VDH— 1F及び VDH— 2R)を用いて、予め Bgl IIで 消化したシユードノカルディア 'オートトロフイカ NBRC12743株のゲノム DNAを铸 型として PCR反応を行った。 PCR反応は Pfu turboを用い PCR増幅装置により変 性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 63°C、 30秒間、伸長を 72°C、 2分間行う 3段階 の反応を 25回繰り返した。その結果、約 1. 2kbpの大きさの DNA断片(以下、 DNA 断片 Dという)が増幅された。 QIAquick PCR purification kitで精製し、 Nde Iと Xho Iにより消ィ匕した。このサンプルをァガロースゲル電気泳動にかけて分画し、 1. 2kbp の大きさの DNA断片をァガロースゲルから切り出した。 QIAquick Gel extraction kit により Nde Iと Xholにより消化された DNA断片— Dを精製した。次に、予め Nde Iと Xho Iにより消化して精製した pET29b (Novagen社)に DNA Ligation kit ver. 2.1を 用いて DNA断片— Dを連結し、大腸菌を形質転換した。その後、カナマイシン(20 /z gZml)を含む L寒天培地を用いて、形質転換された大腸菌を選択した。こうして 分離した形質転換大腸菌のコロニーをカナマイシン (20 μ g/ml)を含む L液体培地 で培養した。増殖した形質転換大腸菌の菌体力 QIAprep Spin Miniprep kitを用い てプラスミド DNAの分離精製を行 、pET29— VDHを得た。得られたプラスミドの D NA配列を解析し、 VDH遺伝子に変異がなぐかつ同遺伝子が目的部位に挿入さ れていることを確認した。このプラスミドで、大腸菌 BL21 (DE3)を形質転換して大腸 菌 BL21 (DE3) ZpET29— VDH株を得た。
[0066] 実施例 10 : VDH— Hisの精製
実施例 9で得た形質転換大腸菌 BL21 (DE3) ZpET29— VDH株のコロニーを 1 Omlのカナマイシン(20 gZml)を含む L液体培地に接種し、 37°C、 16時間培養し た。得られた培養液のうち 5mlを 500mlのカナマイシン(20 μ g/ml)を含む MCG
液体培地に接種し、 37°Cで 2. 5時間振とう培養した。培養液に 15mlエタノールと 50 mlの 50%グリセロールを添カ卩した後、 22°Cで 20分間培養し、 IPTG (終濃度: 100 Μ)と 5 アミノレブリン酸(終濃度: 80 gZml)を加えた。その後、 22°Cで 20時 間培養し、遠心により菌体を回収した。回収した菌体は 25mlの Buffer Aに懸濁し、 形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpET29— VDHの細胞懸濁液 (培養液に対して 20倍濃縮)を得た。
ヒスチジンタグを融合させても VDHが機能的に発現して 、る力確かめる為に、還元 一酸ィ匕炭素結合差スペクトル解析を行った。その結果、明瞭な 450nmのピークが確 認され、その吸収から 163nM (培養液当たり)の VDH— Hisが機能的に発現してい ることが示された。
[0067] VDH— Hisを精製する為に、 22mlの形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) /pET29
VDHの細胞懸濁液 (培養液に対して 20倍濃縮)をマルチビーズショッカー細胞破 砕機 (安井器械社)により 0. 1mmガラスビーズを用いて 4°Cで細胞破砕した。破砕条 件は 30秒間、 2500rpmで振とうした後、 30秒間停止するという処理を 3サイクル行つ た。細胞破砕液を 3000rpm、 15分遠心し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出 液を酵素液として、 160mM酢酸ナトリウム、 32 gZmlホウレンソゥ由来フェレドキ シン、 0. lU/mlホウレンソゥ由来フェレドキシン還元酵素、 3UZmlグルコースデ ヒドロゲナーゼ、 2mM NADHゝ 2mM NADPH、 60mMグルコース、 10 M VD
3 をカ卩えて Buffer B中で変換反応を行った。上述の方法で抽出及び HPLC解析を行つ た結果、 HVD、 DHVD、 THVDの生成が観察された(図 6A)。
[0068] この形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpET29— VDHの無細胞抽出液(16ml) を 500mlの Buffer Bで 2回透析した。遠心により透析の際に析出した沈殿を除き、そ の上清を Buffer Bで平衡化した Ni— NTAカラム(カラムボリューム: 2ml; QIAGEN社 )に供した。吸着したタンパクは 100mlの Buffer Bを用いて OmMから 300mMのイミ ダゾールの直線グラジェントにより溶出した。 VDH— Hisは約 45mMイミダゾールで 溶出された。 VDH— Hisのフラクションを集め(19ml)、イミダゾールを除く為に 500 mlの Buffer Bで 3回透析した。精製された VDH— His溶液は還元一酸化炭素結合 差スペクトルにより酵素の濃度が 2590nMであることが示された。 VDH— His精製酵
素を用いて VD変換試験を 30°C、 3時間行った結果、 HVD、 DHVD, THVDの生
3
成が観察された (図 6B)。本精製酵素液は使用するまで 20°Cで保存した。
[0069] 実施例 11: VDHの反応速度論的解析
実施例 10で調製した VDH— His精製酵素を用いて、 VDに対する 25位水酸化活
3
性と HVDに対する 1 α位水酸ィ匕活性の酵素反応速度論的解析を行った。反応液は lml Buffer B中で 259pmolZml VDH -His, 96 μ g/mlホウレンソゥ由来フェレ ドキシン、 0. lU/mlホウレンソゥ由来フェレドキシン還元酵素、 320mM酢酸ナトリ ゥム、 3UZmlグルコースデヒドロゲナーゼ、 60mMグルコース、基質、 2mM NAD Hと 2mM NADPHとなるように調製した。基質濃度は 0. 1 M、 0. 5 M、 1 M、 2 M、 5 M、 10 M、 20 M、 30 Μ、 50 μ Μ、 100 μ Μとし、 NADHと NAD ΡΗの添カ卩により反応を開始した。反応は 180rpm、 30°Cで 10分行った。 1. 5ml酢 酸ェチルを添加して反応を止め、抽出を行い、再度、 1. 5ml酢酸ェチルで抽出を行 つた。得られた酢酸ェチル相をエバポレーターにより乾固し、 100 1メタノールで残 渣を溶解した。実施例 8に示した条件と同様にして HPLC解析を行い、生成物の定 量するために水酸化体の検量線を作成した。調製したサンプルの HPLC解析を行 ヽ 、検量線を用いて反応により生成した HVDと DHVDを定量した。 VDを基質として 2
3
5位の水酸ィ匕活性を測定した際に、 HVDの生成とともに DHVDの生成も確認された 。 25位の水酸ィ匕活性は単位時間(1分間)に得られた HVDと DHVD量の和として計 算した。得られた結果をもとに、基質を VDと HVDとした場合の基質濃度と活性 (m
3
mol/min/mol of VDH : lmolの VDHが 1分間に触媒する mmol基質量)の関係 図を作成した(図 7)。さらに、 Lineweaver- Burkプロット(逆数プロット)図を作成して、 VDHの VDと HVDに対する Km値と V 値を求めた(図 8)。 VDHの VDと HVDに
3 max 3 対する Km値は 9. 1 μ Μと 3. 7 μ Μであり、 V は 243. 9mmol/min/mol of V max
DHと 588. 2mmol/min/mol of VDHだった。
[0070] 実施例 12:ロドコッカス ·エリス口ポリス(Rhodococcus ervthropolis)における VDH発 現プラスミド pTipQT—VDHの構築
pTipQT2 (Nakashima et al, Appl. Environ. Microbiol. 5557—5568, 2004)の Nde I 、 Spe Iサイトに、実施例 7で調製した Nde Iと Spe Iで消化された VDH遺伝子断片(
DNA断片一 C)を DNA Ligation Kit ver 2.1を用いて連結し、約 9. 4kbpのプラスミド pTipQT— VDHを構築した(図 9)。
[0071] 実施例 13:ロドコッカス'エリス口ポリスにおける vdh遺伝子と thcCD遺伝子の共発現 プラスミド pTipQT— VDH— thcCDの構築
ロドコッカス.エリス口ポリス NI86/21株由来のフェレドキシン(ThcC)とフェレドキ シン還元酵素(ThcD) (Nagy et al, J. Bacteriol. 676-687, 1995)をコードする遺伝 子(thcCD)をクローユングするために以下のプライマー(ThcCD— 1Fと ThcCD— 1R)を設計した。
ThcCD- IF:配列番号 12
ThcCD— 1R:配列番号 13
[0072] 次に、この 2種のプライマー(ThcCD— 1Fと ThcCD— 1R)と実施例 5で調製され たロドコッカス.エリス口ポリス (Rhodococcus ervthropolis) NI86 21のゲノムを鎳型 h して PCR反応による DNAの増幅を行った。 PCR反応は KOD plusポリメラーゼポリ メラーゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 55°C、 3 0秒間、伸長を 72°C、 2分間行う 3段階の反応を 25回繰り返した。その結果、約 1. 5k bpの大きさの DNA断片(以下、 DNA断片 Eという)が増幅された。 QIAquick PCR purification kit精製し、 Hind IIIと BamH Iにより消ィ匕した。このサンプルをァガロース ゲル電気泳動にかけて分画し、 1. 5kbpの大きさの DNA断片をァガロースゲルから 切り出した。 QIAquick Gel extraction kitにより Hind IIIと BamH Iにより消化された D NA断片— Eを精製し、 Hind IIIと BamH Iにより消化した pUC18 (TOYOBO社)に D NA Ligation Kit ver 2.1を用いて連結し、プラスミド pUC18— thcCDを得た。
[0073] ThcCDをコードする遺伝子中に存在する Nde Iサイトを除去する為に以下に示し た 2種のプライマーを設計し、インバース PCRを行った。
ThcCD IPCR— IF:配列番号 14
ThcCD IPCR— 1R:配列番号 15
上述の 2種のプライマー(ThcCD IPCR- IFと ThcCD IPCR- 1R)を用いて pU C18— thcCDを铸型としてインバース PCR反応を行った。インバース PCR反応は Pf u turboポリメラーゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 94°C、 1分間、ァユーリン
グを 50°C、 1分間、伸長を 72°C、 7分間行う 3段階の反応を 25回繰り返した。その結 果、約 4. 3kbpの大きさの DNA断片(以下、 DNA断片— Fという)が増幅された。ィ ンバース PCR反応にて増幅した DNA断片 Fを含む反応液をァガロースゲル電気 泳動にかけて分画した。この 4. 3kbpの大きさの DNA断片—Fをァガロースゲルから 切り出して、 QlAquick Gel extraction kit (QIAGEN社)によって回収した。次に得られ た DNA断片一 Fを T4 polynucleotide kinaseによりリン酸化し、 DNA Ligation Kit ver 2.1を用いて自己環状化を行い pUC18— thcCD— 1を得た。 DNAシークェンス解 析により thcCD遺伝子中の Nde Iサイト(CATATG)が非認識部位(CACATG)に 置換されて ヽることを確認した。
[0074] pUC18— thcCD— 1から thcCD遺伝子をクローユングする為に以下のプライマー を構築した。
ThcCD 2F:配列番号 16
ThcCD— 1R:配列番号 13
次に、この 2種のプライマー(ThcCD— 2Fと ThcCD— 1R)と pUC18— thcCD— 1 を铸型として PCR反応による DNAの増幅を行った。 PCR反応は KOD plusポリメラ ーゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 55°C、 30秒 間、伸長を 72°C、 2分間行う 3段階の反応を 25回繰り返した。その結果、約 1. 5kbp の大きさの DNA断片(以下、 DNA断片 Gという)が増幅された。 QlAquick PCR pu rification kitで精製し、 Nde Iと BamH Iにより消ィ匕した。このサンプルをァガロースゲ ル電気泳動にかけて分画し、 1. 5kbpの大きさの DNA断片をァガロースゲルから切 り出した。 QlAquick Gel extraction kitにより Nde Iと BamH Iにより消化された DNA 断片— Gを精製し、 Nde Iと BamH Iにより消化した pNitRC2 (Nakashima et al., App 1. Environ. Microbiol. 5557-5568, 2004)に DNA Ligation Kit ver 2.1を用いて連結し 、プラスミド pNitRC— thcCDを得た。
[0075] thcCD遺伝子の 5'側上流に存在する pNitRC2由来のリボソーム結合部位配列と thcCD遺伝子配列をクローユングする為に以下のプライマーを構築した。
ThcCD- 3F:配列番号 17
ThcCD 2R:配列番号 18
次に、この 2種のプライマー(ThcCD - 3Fと ThcCD - 2R)と pNitRC - thcCDを 铸型として PCR反応による DNAの増幅を行った。 PCR反応は KOD plusポリメラー ゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 55°C、 30秒間 、伸長を 72°C、 2分間行う 3段階の反応を 25回繰り返した。その結果、約 1. 5kbpの 大きさの DNA断片(以下、 DNA断片 Hという)が増幅された。 QIAquick PCR purifi cation kitで精製し、 Xba Iと EcoR I〖こより消ィ匕した。このサンプルをァガロースゲル 電気泳動にかけて分画し、 1. 5kbpの大きさの DNA断片をァガロースゲルから切り 出した。 QIAquick Gel extraction kitにより Xbalと EcoRIにより消化された DNA断片 — Hを精製し、 Xbalと EcoRIにより消化した pUC18に DNA Ligation Kit ver 2.1によ り連結し、プラスミド pUC18— RBS— thcCDを得た。
[0076] pUC 18- RBS thcCDにお!/、てリボソーム結合部位と thcCD遺伝子の間に存 在する Nde Iサイトを除去する為に以下に示した 2種のプライマーを設計し、インバ ース PCRを行った。
ThcCD IPCR— 2F:配列番号 19
ThcCD IPCR— 2R:配列番号 20
上述の 2種のプライマー(ThcCD IPCR- 2F と ThcCD IPCR— 2R)を用いて p UC18— RBS— thcCDを铸型としてインバース PCR反応を行った。インバース PCR 反応は Pfu turboポリメラーゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 94°C、 1分間、ァ ニーリングを 50°C、 1分間、伸長を 72°C、 7分間行う 3段階の反応を 25回繰り返した 。その結果、約 4. 3kbpの大きさの DNA断片(以下、 DNA断片— Iという)が増幅さ れた。インバース PCR反応にて増幅した DNA断片— Iを含む反応液をァガロースゲ ル電気泳動にかけて分画した。この 4. 3kbpの大きさの DNA断片—Iをァガロースゲ ルから切り出して、 QIAquick Gel extraction kitによって回収した。次に得られた DN A断片— Iを T4 polynucleotide kinaseによりリン酸化し、 DNA Ligation Kit ver 2.1を用 いて自己環状化を行い PUC18— RBS— thcCD— 1を得た。 DNAシークェンス解 析によりリボソーム結合部位と thcCD遺伝子の間に存在する Nde Iサイト(CATAT G)が非認識部位 (CACATG)に置換されていることを確認した。
[0077] pUC 18- RBS - thcCD - 1からリボソーム結合部位を含む ThcCDをコードする
遺伝子をクローユングする為に以下のプライマーを構築した。
ThcCD 4F:配列番号 21
ThcCD— 3R:配列番号 22
次に、この 2種のプライマー(ThcCD - 4Fと ThcCD - 3R)と pUC 18- RBS - th cCD— 1を铸型として PCR反応による DNAの増幅を行った。 PCR反応は KOD pi usポリメラーゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 55 °C、 30秒間、伸長を 72°C、 2分間行う 3段階の反応を 25回繰り返した。その結果、約 1. 5kbpの大きさの DNA断片(以下、 DNA断片—Jという)が増幅された。 QIAquick PCR purification kitで精製し、 Spe Iと Bgl IIにより消ィ匕した。このサンプルをァガロー スゲル電気泳動にかけて分画し、 1. 5kbpの大きさの DNA断片をァガロースゲルか ら切り出した。 QIAquick Gel extraction kitにより Spe Iと Bgl IIにより消化された DNA 断片- Jを精製した。
[0078] Nde I、 Spe I、 Bgl II部位の順でクロー-ング部位を持つチォストレプトン誘導型プ ラスミドを構築する目的で以下に示すリンカ一を設計した。
Linker NSBS 1:配列番号 23
Linker NSBS— 2 :配列番号 24
終濃度がそれぞれ 5pmolZ μ 1になるように Linker NSBS - IFと Linker NSBS — 1Rを混合し、 98°Cで加熱した後、 30分間かけて 30°Cまで冷却した。このリンカ一 を Nde Iと Sal Iで消化した pTipQT2 (Nakashima et al., Appl. Environ. Microbiol. 5 557-5568, 2004)と DNA Ligation Kit ver 2.1を用いて連結し、 pTipQT— NSBSを得 た。
上記の Spe Iと Bgl IIにより消化された DNA断片— Jを Spe Iと Bgl IIで消化した pT ipQT—NSBSと DNA Ligation Kit ver 2.1により連結し、 pTipQT—NS—thcCDを 得た。
pTipQT— NS— thcCDの Nde I、 Spe Iサイトに、実施例 7で調製した Nde Iと Sp e Iで消化された VDH遺伝子断片(DNA断片— C)を DNA Ligation Kit ver 2.1を用 いて連結し、約 10. 9kbpのプラスミド pTipQT— VDH— thcCDを構築した(図 9)。
[0079] 実施例 14 :pTipQT2、 pTipQT— VDH、 pTipQT— VDH— thcCDによるロドコッ
カス.エリス口ポリス JCM 3201株の形質転換
ロドコッカス.エリス口ポリス JCM 3201株を L液体培地 100mlにて対数増殖期に 至るまで 30°Cで振とう培養した。培養液を 30分間氷冷し、遠心分離し、菌体を回収 した。これに 100mlの氷冷滅菌水をカ卩え、よく撹拌し、再び遠心分離し、菌体を回収 した。これに 100mlの氷冷 10%グリセロール溶液を加え、よく撹拌し、遠心分離し、 菌体を回収した。この氷冷 10%グリセロール溶液での洗浄をもう一度繰り返し、菌体 を 5mlの氷冷 10%グリセロール溶液に懸濁した。 400 μ 1ずつ分注し、液体窒素で瞬 間冷凍し、使用するまで— 80°Cで保存した。— 80°C力も菌体を取り出し、氷上にて 融解し、プラスミド pTipQT2、または pTipQT— VDH、または pTipQT— VDH— th cCDを 3 1(それぞれ約 300ng)加えた。この菌体と DNAの混合液をエレクトロボレ ーシヨンキュベット(Bio- Rad社: 0. 2cmギャップキュベット)に移し、同社の遺伝子導 入装置ジーンパルサー IIを用いて、電場強度 12. 5kVZcmで、パルスコントローラ 一の設定はキャパシタンス 25 μ F、外部抵抗 400 Ωにてそれぞれ電気ノ ルスを与え た。電気パルス処理した菌体と DNAの混合液を lmlの L液体培地に混合し、 30°C にて 2時間培養した後集菌し、 20 gZmlテトラサイクリン入り L寒天培地 (寒天濃度 1. 5%)に塗布し、 30°Cにて 3日間培養し、それぞれのプラスミドの形質転換体を得 た。
実施例 15 :ロドコッカス'エリス口ポリス形質転換体による VD変換試験
3
実施例 14にて作製したロドコッカス'エリス口ポリス JCM 3201株の形質転換体を 8 μ g/mlのテトラサイクリンを含む 20mlの L液体培地で 30°Cにて培養し、 600nm の波長で測定したオプティカルデンシティ一(OD 600)力 . 8になった時点で、終 濃度 1 μ gZmlになるようにチォストレプトン (溶媒はジメチルスルホオキサイド)をカロ え、 VDH、 ThcC、 ThcDを誘導させた。 24時間後培養液を遠心して集菌した。 4ml の Buffer Aを加えよく撹拌し、細胞懸濁液を得た (培養液に対して 5倍濃縮)。調製し た形質転換体の細胞懸濁液を用いて、 VD変換試験を行った。変換反応は 200 1
3
の开質転換体の細胞懸淘液に 767 μ 1の Buffer B、 13 1の lOOmM VD、 20 1の
3
10% RMCD (Randomly substituted Methy j8— cyclodextrin)を添カ卩し、 30°Cで 18 時間反応させた。 VD変換反応に用いた RMCDは HVD生産の際に使用される添
加剤である。反応後、 1. 5mlと 0. 75mlの酢酸ェチルで 2回抽出を行い、酢酸ェチ ル相を集めてエバポレーターにより乾固した。その残渣に 150 1のメタノールをカロえ て HPLC分析により VDの水酸ィ匕体の検出を行った(図 10)。変換の結果、 VDH発
3
現株では HVDの生産が確認され、その濃度を定量した。形質転換体の細胞懸濁液 より無細胞抽出液を調製し、還元一酸化炭素結合差スペクトル解析により VDHの発 現量を定量すると pTipQT2、 pTipQT—VDH、 pTipQT—VDH—thcCDにより形 質転換された株の培養液あたりの VDH発現量はそれぞれ 0、 1747、 1256nMであ つた。 VDH発現量で水酸化体の生成活性を補正すると、発現した VDHあたりの比 活性は pTipQT— VDHと pTipQT— VDH— thcCDで形質転換された株でそれぞ れ 20. 2と 119. 2mmol/min/mol of VDHであった。この結果より、比活性が V DHと ThcCDの共発現により VDHを単独で発現したときの約 6倍上昇することが示 された (表 4)。
[表 4]
実施例 16:大腸菌における VDHと ThcCDの共発現プラスミド p VDH— thcCDの構 築
vdh遺伝子と thcCD遺伝子を含む DNA断片を増幅する為に以下のプライマーを 構築した。
VDH— 1F:配列番号 9
ThcCD- 3R:配列番号 22
次に、この 2種のプライマー(VDH— 1Fと ThcCD— 3R)と実施例 15で作製した pTi pQT— VDH— thcCDを铸型として PCR反応による DNAの増幅を行った。 PCR反 応は KOD plusポリメラーゼポリメラーゼを用い、 PCR増幅装置により変性を 98°C、 20秒間、アニーリングを 55°C、 30秒間、伸長を 72°C、 3分間行う 3段階の反応を 25 回繰り返した。その結果、約 3. Okbpの大きさの DNA断片(以下、 DNA断片— Kと
いう)が増幅された。 QIAquick PCR purification kitで精製し、 Nde Iと Bgl IIにより消 化した。このサンプルをァガロースゲル電気泳動にかけて分画し、約 3. Okbpの大き さの DNA断片をァガロースゲルから切り出した。 QIAquick Gel extraction kitにより N de Iと Bgl IIにより消化された DNA断片— Kを精製し、 Nde Iと Bgl IIにより消化した p ET29bに DNA Ligation Kit ver 2.1により連結し、プラスミド pVDH— thcCDを得た。 このプラスミドで大腸菌 BL21 (DE3) Zを形質転換して大腸菌 BL21 (DE3) /pVD H— thcCD株を得た。
[0082] 実施例 17:大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— thcCD株による VD変換試験
3
実施例 16で得た形質転換大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— thcCD株のコロニー を 2mlのカナマイシン(20 gZml)を含む L液体培地に接種し、 37°C、 16時間培養 した。得られた培養液のうち 250 μ 1を 25mlのカナマイシン(20 μ g/ml)を含む L液 体培地に接種し、 37°Cで 2. 5時間振とう培養した。培養液〖こ 750 1エタノールと 2. 5mlの 50%グリセロールを添カ卩した後、 22°Cで 20分間培養し、 IPTG (終濃度: 100 Μ)と 5—アミノレブリン酸(終濃度: 80 gZml)を加えた。その後、 22°Cで 20時 間培養し、遠心により菌体を回収した。回収した菌体は 5mlの Buffer Aに懸濁し、形 質転換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— thcCDの細胞懸濁液 (培養液に対して 5 倍濃縮)を得た。
[0083] VDHの発現を確認する為に、還元一酸化炭素結合差スペクトル解析 (Omura et al ., J. Biol. Chem., 239, 2370-2378, 1964)を行った。まず、上記の方法で得た形質転 換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— thcCDの細胞懸濁液をマルチビーズショッ力 一細胞破砕機 (安井器械社)により 0. 1mmガラスビーズを用いて 4°Cで細胞破砕し た。破砕条件は 30秒間、 2500rpmで振とうした後、 30秒間停止するという処理を 3 サイクル行った。細胞破砕液を 12000rpm、 10分遠心し、無細胞抽出液を得た。こ の無細胞抽出液をキャップ付き試験管 2本に 700 1ずつ分け、一方の無細胞抽出 液に一酸ィ匕炭素を通した。次に両方の無細胞抽出液にハイドロサルファイトナトリウ ムを少量添カ卩した。一酸化炭素を通して ヽな 、方のサンプルの 400nmから 500nm の吸収スペクトルをベースラインとして、スペクトルフォトメーター(HITACHI社、 U- 321 0 SpectrophotoMeter)で一酸化炭素を通したサンプルの 400から 500nmの吸収を
スキャンした。解析の結果、シトクロム P450に特徴的な 450nmのピークを観察し、そ の吸収から 258nM (培養液当たり)の VDHが発現していたことを示した。
[0084] 上記の方法で調製した形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— thcCDの細 胞懸濁液を用いて、 VDの変換試験を行った。変換反応は 200 1の形質転換体大
3
腸菌 BL21 (DE3) ZpVDH— thcCDの細胞懸濁液 (培養液に対して 5倍濃縮)に 7 67 μ 1の Buffer 13 μ 1の 20mM VD、 20 1の 10% RMCD (Randomly substitut
3
ed Methy卜 j8 - cyclodextrin)を添カ卩し、 30°Cで 19時間反応させた。コントロールとし て宿主である BL21 (DE3)株を形質転換体大腸菌 BL21 (DE3) /pVDH-thcC Dと同じ条件で培養した細胞を用いた。 VD変換反応に用いた RMCDは HVD生産
3
の際に使用される添加剤である。反応後、 1. 5mlと 0. 75mlの酢酸ェチルで 2回抽 出を行い、酢酸ェチル相を集めてエバポレーターにより乾固した。その残渣に 150 1のメタノールを加えて HPLC分析(実施例 8と同様)により VDの水酸化体の検出を
3
行った。
HPLC解析の結果、 HVDの生成が観察された(図 11)。この結果より、 vdh遺伝子 と thcCD遺伝子を共発現させることにより、大腸菌を宿主として VDの水酸化が可能
3
であることが示された。
[0085] 実施例 18 : VDHによるビタミン D (VD )及び 7—デヒドロコレステロール(7- dehydro
2 2
cholesterol)の水酸化試験
実施例 10で調製した VDH— His精製酵素を用いて、 VD及び 7-dehydrocholeste
2
rolの変換を行った。反応液は lml Buffer B中で 259pmolZml VDH -His, 32 μ g/mlホウレンソゥ由来フェレドキシン、 0. lU/mlホウレンソゥ由来フェレドキシン 還元酵素、 200mM酢酸ナトリウム、 3UZmlグルコースデヒドロゲナーゼ、 60mM グルコース、 20 iu M基質(VD、 25— OH VD、 7- dehydrocholesterol)、 2mM N
2 2
ADHと 2mM NADPHとなるように調製した。 7- dehydrocholesterolの変換溶液にの み 0. 004%RMCDを添カ卩した。反応は NADHと NADPHの添カ卩により開始し、 18 0rpm、 30°Cで VD変換は 60分、 7- dehydrocholesterol変換は 90分行った。 1. 5ml
2
酢酸ェチルを添加して反応を止め、抽出を行い、再度、 0. 75ml酢酸ェチルで抽出 を行った。得られた酢酸ェチル相をエバポレーターにより乾固し、 100 1メタノール
で残渣を溶解した。 HPLC分析により VD及び 7-dehydrocholesterolの水酸化体の
2
検出を行った。
HPLC条件(VD )
2
カラム: YMCネ: tj, sphere ODS— H80 (I. D. 4. 6 X 75mm)
移動相:(A)水、(B)ァセトニトリル
(A)と(B)のグラジェントで、タイムプログラムは以下のように行った。
[表 5] 時間 移動相(B%)
0分 → 10分 53% → 53%
10分 → 14分 53% → 100%
丽 T
14分 → 21分 100% → 100%
、つ、
21分 → 23分 100% → 53%
23分 → 30分 53% → 53%
波長: 265nm
カラム温度: 40°C
HPLC条件(7- dehydrocholesterol)
カラム: YMCネ: tj, sphere ODS— H80 (I. D. 4. 6 X 75mm)
移動相:(A)水、(B)ァセトニトリル
(A)と(B)のグラジェントで、タイムプログラムは以下のように行った。
[表 6] 時間
0分 → 6分 50% → 100%
6分 → 23分
23分 → 24分
24分 → 28分 50% → 50%
波長: 240nm
カラム温度: 40°C
[0087] HPLC解析の結果より、 VDを基質として VDHによる変換を行うと 25— OH VD
2 2 が生成することが示された。そして 25— OH VDを基質として VDHによる変換を行
2
うと、 25, 28- (OH) VDと 25, 26— (OH) VDが生成することが示された(図
2 2 2 2
12)。また、 VDHによる 7— dehydrocholesterolの変換において 25— OH— 7— dehy drochoelsterolが生成することが示された(図 13)。これらの結果から、 VDHは様々な ステロイド骨格を持つ化合物の水酸ィ匕体生産に利用できることが示された。
[0088] 実施例 19: vdh遺伝子の相同遺伝子の取得
vdh遺伝子またはその相同遺伝子断片を増幅する為に以下のプライマーを構築し た。
VDH— 101F:配列番号 25
VDH 106R:配列番号 26
次に、この 2種のプライマーと実施例 5に記載された方法と同様な方法で、シユード ノカルディア属放線菌から調製したゲノム DNAを铸型として PCR反応による DNAの 増幅を行った。 PCR反応は LA Taqポリメラーゼ (タカラバイオ社製)を用い、 PCR 増幅装置により変性を 95°C5分間行った後、 98°C、 30秒間、 52°C、 30秒間、 72°C 、 2分間で行う 3段階の反応を 30回繰り返した。この増幅反応後、反応液 4 /z lを 0. 8 %ァガロースゲルで電気泳動した。その結果、試験したすべての菌株で約 1. 2kbp の長さの DNA断片が増幅された。試験した菌株は以下リストに記載した 38株である 。本リストにぉ 、て「Pseudonocardia」を「P.」と略す。
[表 7]
菌 株
P. autotrophica DSM535 P. autotrophica DSM43102
P. autotrophica DSM43082 P. autotrophica DSM43103
P. autotrophica DSM43083 P. autotrophica DSM43104
P. autotrophica DSM43084 P. autotrophica DSM43105
P. autotrophica DSM43085 P. autotrophica DSM43106
P. autotrophica DSM43086 P. autotrophica DSM43107
P. autotrophica DSM43087 P. autotrophica DSM43108
P. autotrophica DSM43088 P. autotrophica DSM43128
P. autotrophica DSM43090 P. autotrophica DSM43129
P. autotrophica DSM43091 P. autotrophica DSM43558
P. autotrophica DSM43093 P. autotrophica ATCC13181
P. autotrophica DSM43094 P. autotrophica ATCC19727
P. autotrophica DSM43095 P. autotrophica ATCC33795
P. autotrophica DSM43096 P. autotrophica ATCC33796
P. autotrophica DSM43097 P. autotrophica ATCC33797
P. autotrophica DSM43098 P. autotrophica JCM4010
P. autotrophica DSM43099 P. saturnea IFO 14499
P. autotrophica DSM43100 P. saturnea FEKVI BP2307
P. autotrophica DSM43101 P. autotrophica 4M1067 図面の簡単な説明
[図 1]シユードノカルディア ·オートトロフイカ (Pseudonocardia autotrophica) NBRC 12 743株によるビタミン D水酸化反応の概略を表わす説明図。
3
圆 2]ビタミン D水酸ィ匕酵素 (VDH)活性に対する酢酸ナトリウム濃度の影響を示すグ ラフ。
[図 3]Mono-Qカラムクロマトグラフィーの溶出パターンをフラクション番号に対する吸 光度変化として示すグラフ。
[図 4]SDS- PAGEによる精製 VDHの解析結果を示す SDS— PAGE像。
[図 5]VDHをコードする遺伝子のクローニングを示す模式図。
[図 6] VDH - His発現株の無細胞抽出液(図 6 A)及び精製 VDH— His (図 6B)によ るビタミン D変換試験の HPLC解析結果を示すチャート。
3
[図 7]基質濃度と VDH活性の関係を示すグラフ。
[図 8]ビタミン D 25位水酸化活性と 25— OHビタミン D 1 α位水酸化活性の Linewea
3 3
ver- Burkプロット(逆数プロット)を示すグラフ。
[図 9]ロドコッカス ·エリス口ポリス (Rhodococcus ervthropolis)を宿主とした VDH発現 用プラスミド pTipQT— VDH及び pTipQT— VDH— thcCDの構築を表す模式図。
[図 10]ロドコッカス 'エリス口ポリス (Rhodococcus ervthropolis)を宿主とした組み換え V DH (pTipQT2 (図 10a)、 pTipQT— VDH (図 10b)、 pTipQT— VDH— thcCD ( 図 10c) )によるビタミン D変換試験の HPLC解析結果を示すチャート。
3
[図 11]大腸菌 BL21 (DE3) (図 11a)及び pVDH— thcCD (図 l ib)株によるビタミン D変換試験の HPLC解析結果を示すチャート。
3
[図 12]VDHによるビタミン D及び 25— OHビタミン D変換試験の HPLC解析結果を
2 2
示すチャート (aは対照試験のチャート)。
[図 13]VDHによる 7—デヒドロコレステロール(7- dehydrocholesterol)変換試験の HP LC解析結果を示すチャート (aは対照試験のチャート)。