WO2007126089A1

WO2007126089A1 - 車両シート

Info

Publication number: WO2007126089A1
Application number: PCT/JP2007/059270
Authority: WO
Inventors: Takashi Akutsu
Original assignee: Ts Tech Co., Ltd.
Priority date: 2006-04-27
Filing date: 2007-04-27
Publication date: 2007-11-08
Also published as: US20100066145A1; US8235467B2; EP2016867B1; EP2016867A4; EP2016867A1

Abstract

　本車両シートは、上部及び下部シートスプリングに取付けられたクッションプレートと、前記クッションプレートの前側に設けられたシートクッションと、前記シートクッションと前記クッションプレートとの間に設けられ前記シートクッションを前方に押し出す補助プレートとを有する。前記クッションプレートは前記下部シートスプリングより上方に位置する上部プレートと下方に位置する下部プレートとを有し、前記下部プレートは適切な状態の着座者からの圧力を前記シートバッククッションを介して受けることにより前記下部シートスプリングの後方移動より大きく後方に移動できる弾力を備える。

Description

明細書

車两シート

技術分野

[0001] 本発明は、車両シートに関するものであり、特に、クッション圧力の調整機構を備えた車両シートに関するものである。

背景技術

[0002] 従来の車両シートのシートバッククッションは、シートバックフレームのサイドフレーム間に取付けられた多数のシートスプリングで弾力的に支持されている。シートスプリングは、一般的に、ジグザグスプリングやフォームドワイヤスプリングである。

[0003] また、シートバッククッションの後方にクッションプレートを配置し、クッションプレートをシートスプリングでシートバックフレームに支持させた車両シートも公知である（例えば、特許文献 1)。

[0004] また、クッションプレートに前後に移動する補助プレートを設け、補助プレートの移動によりクッション圧を変更する車両シートも公知である（例えば、特許文献 2)。特許文献 1 :特開 2006— 021616号公報

特許文献 2：特開平 11― 206506号公報

発明の開示

[0005] 前記クッションプレートと、前記クッションプレートに取り付けられる補助プレートを備えた車両シートは、ランバーサポート圧の調製には優れている力ランバーより下方の例えば、ヒップ部分を快適な圧力で支持することは難し力つた。

[0006] よって、本発明の目的は、着座者の体型に対する順応性に優れた車両シートを提供することである。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]車両シートの斜視図。

[図 2]前記車両シートのシートバックフレームと、アクティブヘッドレスト機構の基本部品の分解斜視図。

[図 3]図 2の組立状態を示す斜視図。圆 4]図 3にクッションプレートと補助プレートを取付けた状態を示す斜視図。

[図 5]前記シートバックフレームのサイドフレームと前記アクティブヘッドレスト機構の基本部品の側面図。

[図 6]前記クッションプレートと前記補助プレートとワイヤーケーブルを示す斜視図。圆 7]図 6の組立状態における断面図。

圆 8]前記補助プレートの上部を示す斜視図。

圆 9]前記補助プレートの上部の断面図。

[図 10]前記クッションプレートの部分断面図。

[図 11]前記クッションプレートの部分断面図。

[図 12]前記補助プレートの上部を前記クッションプレートに連結する直前の状態を示す断面図。

[図 13]前記補助プレートの上部を前記クッションプレートに連結した状態を示す断面図。

[図 14]前記補助プレートを前記クッションプレートと平行状態にしたときの後向きフックと上部係合孔との関係を示す断面図。

[図 15]前記補助プレートを前記クッションプレートと平行状態にしたときの前向きフックと下部係合孔との関係を示す断面図。

[図 16]前記補助プレートの下部係合部とワイヤーケーブルを示す断面図。

圆 17]前記補助プレートの前記下部係合部の断面図。

圆 18]前記補助プレートの前記下部係合部の斜視図。

[図 19]前記クッションプレートと前記補助プレートとがほぼ平行状態であるときの断面図。

[図 20]図 19のクッションプレートの下部プレートを後方に押し出した状態を示す断面図。

[図 21]前記補助プレートを前方に突出させた状態を示す断面図。

[図 22]図 21のクッションプレートの下部プレートを後方に押し出した状態を示す断面図。

[図 23]実質的に水平に伸びる下部シートスプリングを備えたクッションプレートの背面図。

[図 24]下方傾斜部を有する下部シートスプリングを備えたクッションプレートの背面図

[図 25]上方傾斜部を有する下部シートスプリングを備えたクッションプレートの背面図

[図 26]図 23の X— X断面図。

[図 27]図 23の Y— Y断面図。

[図 28]屈曲手段を備えた前記補助プレートとクッションプレートとを示す断面図。

[図 29]前記屈曲手段を備えた前記補助プレートの斜視図。

[図 30]前記屈曲手段を備えた前記補助プレートの斜視図。

[図 31]前記屈曲手段を備えた前記補助プレートの斜視図。

[図 32]前記屈曲手段を備えた前記補助プレートの斜視図。

[図 33]屈曲手段および屈曲規制手段を備えた前記補助プレートとクッションプレートとを示す断面図。

[図 34]屈曲手段および屈曲規制手段を備えた前記補助プレートの背面図。

[図 35]前記屈曲手段および前記屈曲規制手段の拡大断面図。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 本発明の実施例を図面により説明すると、本発明の車両シート 1は、シートバック 2 と、シートボトム 9と、シートバック 2の上部に設けたヘッドレスト 6とを有する。シートバック 2のシートバックフレーム 3は、一対のサイドフレーム 17と、上部フレーム 12と、下部フレーム 13とを有し、四角枠状を呈している。また、車両シート 1は表皮部材 5により包囲されたクッション 4を有する。

[0009] 前記上部フレーム 12の近傍には、シートバックフレーム 3に対して可動で横に伸びるヘッドレスト支持部 10が配設される。支持部 10には前記ヘッドレスト 6のピラー 8の下部が挿入される ^合部 11が固定される。ピラー 8は ^合部 11により高さ調節自在に支持される。

[0010] 前記各サイドフレーム 17の上部または上部フレーム 12の各端部にはブラケット 24 が設けられ、ブラケット 24には軸 16で上部リンク又はベルクランク 15が回転自在に取付けられる。上部リンク 15は、上方に伸びる上部ロングアーム 22と、前側下方に伸びる下部ショートアーム 23とを有する。上部リンク 15は上部パネ 14の弾力で、図 5において時計回転方向に付勢される。パネ 14は、上部リンク 15に連結される第 1端部とサイドフレーム 17に連結される第 2端部を有する。前記ヘッドレスト支持部 10の左右両側は、上部アーム 22、 22にそれぞれ連結される。下部アーム 23は、縦長の連結口ッド 20の上部にピン 21で軸止される。

[0011] 前記上部リンク 15は、通常は、パネ 14の弾力等により図 5の実線で示された位置に保持され、これによりヘッドレスト 6も通常位置に保持される。しかし、上部リンク 15が点線で示された位置に向力つて反時計回転すると、ヘッドレスト支持部 10は前方に移動し、ヘッドレスト 6は前方に押し出される。

[0012] 前記サイドフレーム 17、 17の間には、横に伸びる車両後部衝突検知体 25が配設される。衝突検知体 25は、後部衝突により車両シート 1が着座者に対して相対的に前方に移動すると、着座者により押されて後方に移動する。検知体 25の両側は下部リンク 26、 26にそれぞれピン 27、 27で連結され、下咅リンク 26、 26はサイドフレーム 17、 17に軸 28、 28で軸止される。下部リンク 26には前記連結ロッド 20の下部をピン 29で連結する。図 5のように、下部パネ 18の一端は、下部リンク 26に連結し、他端はサイドフレーム 17に連結れ、下部リンク 26は時計回転方向に付勢される。これにより、衝突検知体 25は前方の通常位置に保持される。

[0013] 後部衝突が発生すると、衝突検知体 25は着座者により押されて後方に移動し、下部リンク 26を、図 5において、反時計回転させ、連結ロッド 20を下動させる。このとき、ピン 29と軸 28の距離は、ピン 27と軸 28との距離より短くなつているため、衝突検知体 25の後方移動は効率的に連結ロッド 20に伝達される。ロッド 20の下方移動は上部リンク 15を反時計回転させ、これにより、ヘッドレスト支持部 10は前方に移動する。このとき、上部リンク 15の上部アーム 22は下部アーム 23より長いため、連結ロッド 20 の下方移動により効率的にヘッドレスト支持部 10を前方に移動させる。支持部 10の前方移動によりヘッドレスト 6は前方に押し出され、後部衝突時において着座者の頭部 (頸部)を保護する。

[0014] 前記サイドフレーム 17は、前後方向に所定の幅を備えた金属プレートにより形成され、衝突検知体 25の後方移動をヘッドレスト支持部 10に伝達する伝達機構は、サイドフレーム 17の近傍位置に配置される。このため、シートバック 2のクッション 4は伝達機構の動きに干渉しない。衝突検知体 25からヘッドレスト支持部 10に至る機構が、アクティブヘッドレスト機構となる。

[0015] 前記バックフレーム 3の内側には、図 4に示したように、フレキシブルクッションプレート 31が配設される。プレート 31は、好適には、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成され、実質的に単一の四角板状を呈している。プレート 31の裏面は、ジグザグスプリングやフォームドワイヤスプリング等のシートスプリング 32に支持される。シートスプリング 32は、少なくと、上部シートスプリング 32Aと下部シートスプリング 32Bとを有する。下部シートスプリング 32Bの中央部に形成された屈曲部 32Cは図 6によく示されているように、クッションプレート 31に形成した開口 31A内に係合可能に位置させる。各スプリング 32は実質的に横に伸びて、その両端は、シートバックフレーム 3のサイドフレーム 17、 17に連結される。クッションプレート 31はシートバッククッション 4より後方に設けられる。屈曲部 32Cを開口 31Aに係合させることで、シートスプリング 32B によるクッションプレート 31の良好な保持を可能にする。

[0016] 前記クッションプレート 31は、着座者力もの荷重を受けることで橈むと共に、スプリング 32の弾力に抗して後方に移動し、着座者を柔軟に支持する。プレート 31は、「面」でクッション 4を支持するため、クッション 4をシートスプリング 32のみで支持させる従来の構成に比べて、より良好な安定性及び快適性を着座者にもたらす。

[0017] 前記衝突検知体 25は、クッションプレート 31の後方に所定の間隔をおいて配置される。クッションプレート 31は着座者の背中を広くカバーする板状であるから、後部衝突時には着座者の荷重を広い範囲で受け止めて後方に移動することになる力タツシヨンプレート 31の後方移動量は、上下中間部分とやや下方部分との間が最も大きくなる。このため、衝突検知体 25は、クッションプレート 31の後方移動を確実に受け取れるように、好適には、クッションプレート 31の上下中間又は中間よりやや下方の位置に配置する。

[0018] 上記のように、クッションプレート 31と衝突検知体 25とを組み合わせると、良好な着座感、ホールド感と、確実な後突の検知とが期待できる。 [0019] 前記シートクッション 4とクッションプレート 31との間にはフレキシブル補助プレート 4 0が設けられる。補助プレート 40は、好適には、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成され、クッションプレート 31より小さな単一の四角板状を呈している。補助プレート 4 0は、クッションプレート 31に取り付けられ、図 7に示したように、着座者の操作に応じて前方に向力つて湾曲する。補助プレート 40の湾曲により、クッション 4は前方に押し出され、着座者に対するクッション圧が調節される。

[0020] 前記補助プレート 40の上部には、複数の後向きフック 41と複数の前向きフック 42 がー体的に形成される。後向きフック 41はクッションプレート 31に形成した上部係合孔 43に係合し、前向きフック 42はクッションプレート 31に形成した下部係合孔 44に係合する。図 9によく示されているように、後向きフック 41は後方傾斜カム面 45と、力ム面 45に連なる後方円弧係合面 46とを有し、前向きフック 42は前方傾斜カム面 50 と、カム面 50に連なる前方円弧係合面 51とを有する。

[0021] 前記上部係合孔 43の下縁は、図 10のように、上方に突き出す円弧エッジ 47を呈し、円弧エッジ 47には後向きフック 41の円弧係合面 46がフィットする。下部係合孔 44 の上縁は、図 11のように、下方に突出する円弧エッジ 52を呈し、円弧エッジ 52には前向きフック 42の円弧係合面 51がフィットする。上部係合孔 43の円弧エッジ 47の軸心は、下部係合孔 44の円弧エッジ 52の軸心と中心線 Gにおいて互いに一致し、これにより、円弧エッジ 47と円弧エッジ 52とは、図 12に示したように、見かけ上において一本の丸棒を形成する。この丸棒の直径は、円弧係合面 46と円弧係合面 51との距離に等しいか、若しくは若干短く設定される。

[0022] 図 12のように、補助プレート 40を略水平状態にして、補助プレート 40を後方に移動させて後向きフック 41と前向きフック 42とをクッションプレート 31の上部係合孔 43 と下部係合孔 44にそれぞれ差し込むと、後向きフック 41の傾斜カム面 45は上部係合孔 43の円弧エッジ 47に当接し、前向きフック 42の傾斜カム面 50は下部係合孔 44 の円弧エッジ 52に当接して、後向きフック 41と前向きフック 42との間隔は弹力的に広がり、ついで、後向きフック 41の円弧係合面 46と前向きフック 42の円弧係合面 51 と力図 13のように、それぞれ円弧エッジ 47と円弧エッジ 52にぴったりフィットし、その後、補助プレート 40をクッションプレート 31にと平行になるように回転させると、補助プレート 40の上部とクッションプレート 31との取付は完了する。

[0023] 前記補助プレート 40の下部には後側に突き出る下部係合部 55を形成する。下部係合部 55にはワイヤーケープノレ 56のインナーケープノレ 57のケープノレヘッド 61を係止させる。ワイヤーケーブル 56は車両シート 1に設けた操作部 7に連結する。下部係合部 55はケーブルヘッド 61を収納できる収納凹部 55Aと、インナーケーブル 57が通過できるスリット 58とを有する。

[0024] 前記クッションプレート 31の下部には、前記下部係合部 55がスライド自在に係合する下部ガイドスロット 60が形成される。着座者の操作に応じてケーブルヘッド 61が上下すると、下部係合部 55はスロット 60にガイドされてガタ付くことなく円滑に上下に移動する。従って、下部係合部 55の幅とスロット 60の幅はガタ付きが起こらないように適切に設定される。

[0025] 前記クッションプレート 31には、ワイヤーケープノレ 56のアウターチューブ 62の先端 63を保持するチューブ保持部 65を設ける。チューブ保持部 65は、好適には、クッシヨンプレート 31に形成した凹部 67と、一対の保持腕 66とから構成される。前記チューブ保持部 65と前記下部ガイドスロット 60との間のクッションプレート 31の裏面には、ィンナーケーブル 57が配設される窪み通路 68を形成する。

[0026] 着座者が操作部 7を操作してケーブルヘッド 61を上動させると、下部係合部 55はスロット 60にガイドされてガタ付くことなく円滑に上動し、図 7に示したように、補助プレート 40の湾曲により、クッション 4は前方に押し出され、着座者に対するクッション圧が調節される。

[0027] 前記クッションプレート 31は上部プレート 33Aと下部プレート 33Bを有する。上部プレート 33Aと下部プレート 33Bとは、実質的に、下部シートスプリング 32Bにより区画される。下部シートスプリング 32Bより下部の下部プレート 33Bは、シート 1に着座者が適切な状態で着座すると、図 20、 22のように着座者力の正規な圧力により、下部シートスプリング 32Bを越えて後方に大きく突出する。

[0028] 下部プレート 33Bは、着座者の仙骨の近傍部分を支持でき、また、着座者のヒップ近傍部分を支持する。

[0029] クッションプレート 31は、一枚板状の合成樹脂製である力下部シートスプリング 32 Bより下方の下部プレート 33Bは、着座者力もの荷重を受けると、下部シートスプリング 32Bを越えて後方に移動できるのに充分な優れた弾性を備えている。このため、ヒップ付近とウェスト付近とをシートバック 2に対して適切な圧力で接触させることが出来、良好な快適性が得られる。

[0030] 上記条件を満たすためには、下部シートスプリング 32Bに対して、下部プレート 33 Bはより優れた弾性的性質を備えることが望ま、。

[0031] 下部シートスプリング 32Bは、クッションプレート 31の後方に位置する横に長い中央部 32Dを有する。下部シートスプリング 32Bの形状は比較的自由である。図 23に示された下部シートスプリング 32Bは、全体として略直線状に形成されている。図 24の下部シートスプリング 32Bは、中央部 32Dの左右両側に下方に向力つて傾斜する短い下方傾斜部 32Eを有している。図 25の下部シートスプリング 32Bは、中央部 32D の左右両側に上方に向力つて傾斜する短い上方傾斜部 32Fを有している。傾斜部 3 2E、 Fは、シートスプリング 32Bとクッションプレート 31との接触面を増大させ、クッションプレート 31の良好な保持を可能にする。

[0032] 前記屈曲部 32Cは、所望に応じて、中央部 32Dに形成する。クッションプレート 31 には屈曲部 32Cと係合する開口 31Aが形成される。屈曲部 32Cと開口 31Aとの係合は、下部シートスプリング 32Bとクッションプレート 31との上下左右の位置ずれを防止する。また、開口 31Aは上部プレート 33Aと下部プレート 33Bとの境界部分の屈曲性を向上させ、下部プレート 33の後方への屈曲を容易にする。

[0033] 前記クッションプレート 31の裏側には U型形状のサポートパネ 86を設ける。サポートバネ 86の弾力や形状の若干の変更により、下部プレート 33Bの可撓性を容易に変更できる。

[0034] サポートパネ 86は縦パネ 87と縦パネ 87の下部を連結する横パネ 88とを有し、横バネ 88は下部ガイドスロット 60より下側に位置し、縦パネ 87は下部ガイドスロット 60の両側にそれぞれ位置する。縦パネ 87の上端は、下部シートスプリング 32Bを越えて上方に伸び、上部プレート 33Aに当接して、下部プレート 33Bの可撓性を調節可能にしている。下部ガイドスロット 60より下方に位置する横パネ 88は、下部プレート 33B の弾性力を容易および正確に設定できる。 [0035] 下部プレート 33Bの裏側には、縦に伸びるリブ 90を形成することも可能である。縦パネ 87はリブ 90、 90間に収納される。リブ 90は、下部プレート 33Bから弾性を奪うことになるが、下部プレート 33Bは上部プレート 33Aに対して折れるように曲がることで、下部シートスプリング 32Bを越えて後方に突出できる。

[0036] 前記補助プレート 40は、ワイヤーケーブル 56を引っ張ることにより、前方に膨らみ、クッション 4を前方に押し出し、着座者に対するクッション圧を調節する。しかし、補助プレート 40の最大前方突出部が、着座者力も受ける圧力等の影響により上下に変動することは好ましくない。例えば、比較的軽量の女性が補助プレート 40を作動させたときには、補助プレート 40の上部が前方に突出し、大柄の男性が補助プレート 40を作動させたときには、補助プレート 40の下部が前方に突出するようでは、良好な快適性は得られない。

[0037] このため、補助プレート 40には、前方に膨らみやすくした押出部 70を形成し、押出部 70により、補助プレート 40の最大前方突出部の位置を安定させる。前記押出部 7 0の構成は任意である力以下、一例を示す。図 28、 29の補助プレート 40の押出部 70の厚さは、他の補助プレート 40に比し薄く形成されており、これにより、強度の弱い押出部 70が、優先的に前方に突出する。図 30の押出部 70は、 1本以上のスリット 71を有し、スリット 71により押出部 70の強度を低下させている。図 31の押出部 70は、楕円形状の孔 73を有している。また、補助プレート 40の両側には切欠部 74を形成している。図 32の補助プレート 40の裏側には複数のリブ 75を形成している。リブ 75 は押出部 70を避けるように配置され、これにより、補助プレート 40は押出部 70を中心に屈曲しやすくなり、最大前方突出部が安定する。

[0038] 前記押出部 70の位置は、厳密に言えば、着座者の体型により好適な位置は上下に変動する。一般的には大柄な着座者は、押出部 70を上方に設定することを好み、小柄な着座者は押出部 70を下方に設定することを好むが、これらの要求を低コストな機構により満たすことは困難である。しかし、低コストな機構でも、押出部 70の位置をより安定させることは可能である。例えば、操作部 7の操作により押出部 70を前方に押し出すと、押出部 70が徐々に上方に移動したり、反対に押出部 70が徐々に下方に移動することがある。このような不安定は、補助プレート 40の上端と押出部 70との距離 Kを長くし、補助プレート 40の下端と押出部 70との距離 Lを短くすることで、減少、させることが出来る。

[0039] 上記において、補助プレート 40の上端とは、補助プレート 40とクッションプレート 31 との取付部を意味し、中心線 Gと実質的に等しい。また、補助プレート 40の下端とは下部係合部 55と等価である。補助プレート 40の押出部 70が前方に押し出されるとき、押出部 70は水平に移動することは出来ない。しかし、距離 Κが長いときは、中心線 Gを中心に大きな半径で押出部 70は円弧上を移動できる。従って、距離 Κが長いほど、押出部 70は水平に近い軌道で前方に移動でき、これにより、押出部 70が前方に移動する際の押出部 70の上方または下方への好ましくない大きな移動を抑制できる

[0040] 図 28〜図 32に示した補助プレート 40は、前記押出部 70における屈曲性を向上させる屈曲手段、例えば、スリットや、孔ゃ、リブを備えたものを示してある。これに対して、図 33〜図 35に示した補助プレート 40は屈曲手段および屈曲規制手段の双方を備えたものが示されている。

[0041] 図 33〜図 35に示した補助プレート 40の屈曲手段は、図 28〜図 32に示した補助プレート 40の屈曲手段と同じものを使用できる力図 33〜図 35には薄く形成した押出部 70が記載されている。前記屈曲規制手段は、押出部 70と対応する位置に設けられた縦に並んだ複数のブロック 76を有する。ブロック 76、 76の間には、図 33、 35 のように、補助プレート 40が略直線状の状態にあるときは、適切なギャップ 77が形成される力補助プレート 40の押出部 70が前方に押し出されて、補助プレート 40が湾曲すると、図 36のように、ブロック 76、 76同士が互いに当接して、補助プレート 40の過度の湾曲を規制する。このように、ブロック 76、 76は通常は互いに未当接であるため、補助プレート 40の湾曲に対して一切規制しないが、ブロック 76、 76は補助プレート 40の設定を越えた過度の湾曲を確実に簡単な構造で規制することが出来る。

[0042] また、各ブロック 76の形状の変更すると、ブロック 76、 76同士が互いに当接する時期を微妙に調節できる。このような調節は、補助プレート 40の最大湾曲時における湾曲形状を予め設計した形状と一致させることを可能にし、より優れた快適性を得ることが出来る。 [0043] (作用）

図 12のように、補助プレート 40を略水平状態にして、補助プレート 40を後方に移動させて後向きフック 41と前向きフック 42とをクッションプレート 31の上部係合孔 43 と下部係合孔 44にそれぞれ差し込むと、後向きフック 41の傾斜カム面 45は上部係合孔 43の円弧エッジ 47に当接し、前向きフック 42の傾斜カム面 50は下部係合孔 44 の円弧エッジ 52に当接して、後向きフック 41と前向きフック 42との間隔は弹力的に広がり、ついで、後向きフック 41の円弧係合面 46と前向きフック 42の円弧係合面 51 と力図 13のように、それぞれ円弧エッジ 47と円弧エッジ 52にぴったりフィットする。

[0044] その後、補助プレート 40をクッションプレート 31にと平行になるように回転させると、補助プレート 40の上部とクッションプレート 31との取付は完了する。このとき、円弧ェッジ 47の軸心は、下部係合孔 44の円弧エッジ 52の軸心と中心線 Gにおいて互いに一致し、これにより、円弧エッジ 47と円弧エッジ 52とは、図 12に示したように、見かけ上において一本の丸棒を形成する。従って、補助プレート 40は丸棒を中心に円滑に回転できる。

[0045] また、円弧係合面 46と円弧係合面 51とは、互いに反対方向から円弧エッジ 47と円弧エッジ 52とに当接するから、補助プレート 40の上部は、補助プレート 40の円滑な回転機能を損なうことなぐ充分な接続強度をもってクッションプレート 31に連結される。そして、フック 41、 42と、係合孑し 43、 44とを使用することで、ネ甫助プレート 40の上部をクッションプレート 31に至極容易に取り付けることが出来る。

[0046] 補助プレート 40の上部をクッションプレート 31に取り付けたら、ワイヤーケーブル 56 のケーブルヘッド 61を補助プレート 40の下部係合部 55に係合させる。下部係合部 5 5のスリット 58を介して上方に伸びるワイヤーケーブル 56のインナーケーブル 57は、クッションプレート 31の裏面に形成した窪み通路 68内に配設し、アウターチューブ 6 2の先端 63はチューブ保持部 65に係合させる。このとき、インナーケーブル 57はタツシヨンプレート 31の裏面の窪み通路 68内に配設されて、る力ら、ケーブルヘッド 61 が係合している下部係合部 55は、クッションプレート 31の下部ガイドスロット 60内に留まり、下部係合部 55が下部ガイドスロット 60から前方に離脱することは合理的に防止される。 [0047] そして、着座者が操作部 7を操作してケーブルヘッド 61を上動させると、下部係合部 55はスロット 60にガイドされてガタ付くことなく円滑に上動する。

[0048] 以上において、補助プレート 40をクッションプレート 31およびワイヤーケーブル 56 に連結するとき、独立した軸やピンゃネジ等の使用を省くことが出来るから、コストの低下が図れる。また、アウターチューブ 62の先端 63を保持するチューブ保持部 65はクッションプレート 31に形成してあるから、チューブ先端 63を直接クッションプレート 3 1に埋め込むことができ、また、インナーケーブル 57もクッションプレート 31の窪み通路 68内に収納できるから、クッションプレート 31とワイヤーケーブル 56が必要とする厚さを薄くすることが出来る。そして、窪み通路 68内に収納されたインナーケーブル 57は、衝突検知体 25に対して実質的に干渉しないから、ワイヤーケーブル 56がァクティブヘッドレスト機構の性能に影響を与えることはない。

[0049] しかして、通常は、補助プレート 40はクッションプレート 31に対して平行状態にしておき、クッション 4には補助プレート 40による前方への圧力は掛カもないようにしておく。この状態では、補助プレート 40の下部係合部 55は下部ガイドスロット 60の最下部に位置する。操作部 7を操作してケーブルヘッド 61を上動させると、下部係合部 55 はスロット 60にガイドされてガタ付くことなく円滑に上動し、これにより、補助プレート 4 0は、図 7のように、前方に突出してクッション 4を前方に移動させる。このように、操作部 7により補助プレート 40を湾曲させることで、着座者を希望に近いシート形状を提供できる。

[0050] クッションプレート 31は、一枚板状の合成樹脂製である力下部シートスプリング 32 Bより下方の下部プレート 33Bは、着座者力もの荷重を受けると、下部シートスプリング 32Bを越えて後方に移動できるのに充分な優れた弾性を備えている。このため、ヒップ付近とウェスト付近とをシートバック 2に対して適切な圧力で接触させることが出来、良好な快適性が得られる。

[0051] しかして、クッションプレートに補助プレートを取り付けると、従来では、アクティブへッドレスト機構の性能に影響を与えることがあった力本願の構成では、クッションプレート 31はシートスプリング 32によりサイドフレーム 17、 17に取り付けられているから、補助プレート 40によりクッション圧を変更しても、クッションプレート 31は衝突検知体 2 5とは独立して移動し、従って、クッションプレート 31に補助プレート 40を取り付けてもアクティブヘッドレスト機構の性能に影響を与えることはない。

Claims

請求の範囲

[1] 一対のサイドフレームを有する四角枠状のシートバックフレームと、前記サイドフレーム間に取付けられた上部及び下部シートスプリングと、前記シートスプリングに裏面側が取付けられた一枚板状のフレキシブルクッションプレートと、前記クッションプレートの前側に設けられたシートバッククッションと、前記シートバッククッションと前記クッシヨンプレートとの間に設けられ前記クッションプレートに取付けられた一枚板状のフレキシブル補助プレートとを有し、前記補助プレートは湾曲しながら前方に突出すると前記シートバッククッションを前方に押し出す構成とし、前記クッションプレートは前記下部シートスプリングより上方に位置する上部プレートと下方に位置する下部プレートとを有し、前記下部プレートは適切な状態の着座者力の圧力を前記シートバッククッシヨンを介して受けることにより前記下部シートスプリングの後方移動より大きく後方に移動できる弾力を備えた車両シート。

[2] 請求項 1において、前記シートバッククッションの背面側には前記下部プレートから前記上部プレートまで伸びて前記下部プレートの弾性力を調節できる、サポートパネを設けた車両シート。

[3] 請求項 1または請求項 2において、前記補助プレートには前方への湾曲性能を向上させる屈曲手段を設けた車両シート。

[4] 請求項 1〜3のいずれか 1項において、前記補助プレートには前方への過度の湾曲を規制する屈曲規制手段を設けた車両シート。

[5] 請求項 4において、前記屈曲規制手段は前記補助プレートが前方への湾曲したとき予め設定した所定形状になるように導くようにした車両シート。

[6] 請求項 3において、前記補助プレートの上部は前記クッションプレートに回転自在に取り付け、前記補助プレートの前記上部と前記屈曲手段との距離は、前記補助プレートの下部と前記屈曲手段との距離より長くした車両シート。