WO2007111256A1 - 吐出容器及び点眼容器 - Google Patents

Abstract

　容器本体１の中に設置され、液体収容用の伸縮又は変形自在な袋２と、前記袋２に連通し、前記袋２に収容されている液体を吐出させるための吐出孔３１を有する吐出部３と、前記吐出部３と前記袋２との間に設けられ、押圧されることにより、前記吐出部から液体を吐出させるための変形復元可能なスクイズ部６と、前記スクイズ部６よりも吐出方向上流側に設けられ、前記袋２の中の液体を前記スクイズ部に一方向に流すための逆止弁５とを備える。スクイズ部６を押圧したときに吐出部３から液体を吐出させ、離したときに復元して同時に袋２から液体を吸引する。

Description

明 細 書

吐出容器及び点眼容器

技術分野

[0001] 本発明は、点眼薬など液体を収容して吐出口から吐出させる吐出容器に関するも のである。

背景技術

[0002] 従来より、点眼剤、液体洗剤、液状食品などの液体を収容する可撓性の容器本体 、及び該容器本体に設けられ、容器本体に収容されている液体を吐出させるための 吐出口を備えた容器が用いられている。

このような容器では、容器本体を押圧して変形させ、容器本体の内圧が大気圧より 高くなるときに、吐出口より液体を吐出させ、次いで、容器本体を押圧力も解除して、 容器本体の内圧が大気圧より低くなるときに、その吐出ロカ 外部気体を流入させて

、その容器本体の形を押圧前の形に復元させている。

[0003] しかし、このような容器では、通常、容器内に流入する外部気体に真菌やウィルスな どの病原微生物が存在しているため、そのような外部気体によって、液体容器に収 容されて!/ヽる液体が汚染されると！ヽぅ不具合がある。

そこで、このような不具合を解消する容器として、外層の内面に剥離可能な内層を 積層形成してなる二重構造容器の口部に栓体を取り付け、外層には、内層と外層と の間に外気を導入するための通気孔を設けた容器が提案されている。前記栓体には 、内層の内部に収容された液体を吐出するための吐出口が設けられ、該吐出口に逆 止弁が設けられている (特許文献 1, 2参照)。

[0004] このような構成〖こよると、容器本体が押圧を受けて変形して、容器本体の内圧が大 気圧より高くなつたときに、容器本体に収容されている液体が吐出口から吐出され、 次いで、容器本体が押圧から解除されて復元して、容器本体の内圧が大気圧より低 くなるときには、外部気体が、容器本体内の内層と外層との間に流入される。

特許文献 1：特開 2002— 80055号公報

特許文献 2：特開 2003— 63576号公報 発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] しかし、このような二重構造容器は、ボトルをスクイズさせ内圧を十分に上げるため には、強い力で容器を押し込まなければならない。軽い力で押すだけでは、吐出口 の逆止弁 5が作動しな 、おそれがある。

また、内容液が少なくなつて二重ボトルの内層と外層との間の空気体積が増すと、 さらに強い力でスクイズしなければならなくなってしまう。

[0006] 本発明の目的は、弱い力でも十分に吐出部の圧力弁を作動させ、液体を吐出させ ることができる吐出容器及びそれを用いた点眼容器を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明の吐出容器は、容器本体と、前記容器本体の中に設置され、液体収容用の 伸縮又は変形自在な袋と、前記袋に連通し、前記袋に収容されている液体を吐出さ せるための吐出孔を有する吐出部と、前記吐出部と前記袋との間に設けられ、押圧 されることにより、前記吐出部力 液体を吐出させるための変形復元可能なスクイズ 部と、前記スクイズ部よりも吐出方向上流側に設けられ、前記袋の中の液体を前記ス クイズ部に一方向に流すための逆止弁とを備えて 、る。

[0008] 本発明に力かる吐出容器において、吐出孔からの液体の吐出を実現するには、吐 出部材に連通されるスクイズ部に圧力をカ卩えるだけでよい。力かる操作によって、逆 止弁の上流側からスクイズ部に導入された内容液に液圧がかかり、スクイズ部に収容 されている液体力 吐出部から吐出される。次いで、スクイズ部に圧を加えるのを止め ると、スクイズ部が押圧力 解除されて復元して、スクイズ部の内圧が大気圧より低く なり、前記逆止弁を通して、袋の中の液体がスクイズ部内に流れ込む。つまり、押圧 したときに吐出部力 液体を吐出させ、離したときに復元して同時に袋力 液体を吸 引するポンプ機能を持つ。

[0009] このように袋の中の液体が多くても少なくても、スクイズ部を押圧するだけの比較的 軽 ヽ力で袋の中の液体を吐出させることができる。

前記容器本体に、容器本体と前記袋との間に空気を流入させるための空気導入口 が形成されて ヽれば、空気導入口を通して前記容器本体と前記袋との間に空気を流 入させることができるため、袋の中の液体を前記スクイズ部に移動させやすくなる。

[0010] 前記容器本体は、前記容器本体と前記袋とが同時に成形された二重構造になって おり、前記袋は前記容器本体の内壁を剥離可能になっているものであってもよい。こ の二重構造であれば、容器本体と前記袋とを同時に製造することができるため、製造 工程を簡略ィ匕することができる。

前記容器本体には、前記スクイズ部を押圧変形させるための押圧部材が設けられ ていれば、使用者は、この押圧部材を操作するだけで、液体を吐出させることができ る。

[0011] 前記押圧部材は、スライド可能に設置されている部材であってもよい。使用者は、こ の押圧部材をスライドさせるという簡単な操作で、液体を吐出させることができる。 また、前記押圧部材は、容器本体に固定された支軸の周りに回動可能に設置され たレバーであってもよい。

前記容器本体の一部又は全部は、袋が観察できるように透明であることが好ま ヽ [0012] 前記逆止弁は、前記スクイズ部が押圧から解除されて復元して、前記スクイズ部の 内圧が負圧になるときに、前記袋の内部力 スクイズ部に液体を流入させ、前記容器 本体の内圧が正圧になるときに閉鎖することによってスクイズ部の中の液体が袋の中 に戻ることを防止する機能を有するものである。この逆止弁の機能により、前記スクイ ズ部の中の液体を吐出部から吐出させることができる。

[0013] 前記逆止弁は、前記スクイズ部の圧力と前記袋の圧力の差に応じて昇降するフロ ートを含むものであってもよ 、。

前記スクイズ部は、柔軟で復元力のある材料で形成されていることが好ましぐ例え ばシリコーンゴム、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンのいずれか又はこれらの 複合素材を用いることができる。

[0014] 前記吐出部は、吐出方向上流側から液圧を受けていない状態で吐出孔を閉鎖し、 吐出方向上流側から液圧を受けると吐出孔カも液体を吐出する、いわゆる圧力弁の 機能を有するものであることが好ましい。この機能によって、スクイズ部が押圧力も解 除されて復元して、スクイズ部の内圧が大気圧より低くなつたときに、前記吐出孔は直 ちに塞がれることとなり、外部の空気や、吐出孔の周囲に残る液体がスクイズ部内に 入ってくることを防止することができる。

[0015] 前記吐出部の具体的構成は、吐出孔が形成されたカバーと、カバー内に設置され 、先端軸をカバーの吐出孔力 覼カせている弁体支持部と、弁体支持部の先端軸を 取り囲む弁体とを備えているものであってもよい。前記弁体は、スクイズ部から液圧を 受けていない状態で前記先端軸に当接して吐出孔を閉鎖し、スクイズ部側から液圧 を受けると変形して先端軸との間に流路を形成することにより、吐出孔を開放する。 吐出孔が開放されることで、当該吐出孔と、吐出部の上流側（吐出部材に連結される スクイズ部）とが連通することから、吐出孔カ の液体の吐出を実現することができる。

[0016] カゝかる吐出容器は、例えばスクイズボトルを用いた点眼容器に適用するのに好適で ある。

以上のように本発明によれば、袋内の残液量が減っても、スクイズ部に入っている 液体の容積はほぼ一定なので、一定の力で、吐出部力 液体を吐出させることがで きる。また、ブロッキングの危惧のある通気フィルタを使用しなくてもよい。

[0017] 本発明における上述の、又はさらに他の利点、特徴及び効果は、添付図面を参照 して次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]図 1は本発明の実施形態に係る点眼容器を示す側断面図である。

[図 2]図 2は前記点眼容器の分解斜視図である。

[図 3]図 3 (a)は点眼動作を説明するための断面図である。図 3 (b)は点眼動作を説 明するための断面図である。図 3 (c)は点眼動作を説明するための断面図である。

[図 4]図 4は逆止弁 5の形状を図示した斜視図である。

[図 5]図 5は本発明の他の実施形態にカゝかる点眼容器を示す側断面図である。

[図 6]図 6は本発明のさらに他の実施形態に力かる点眼容器を示す側断面図である。

[図 7]図 7はフロート 82とフロート押さえ 83の関係を示す分解斜視図である。

[図 8]図 8は液体ストップ時の逆止弁の状態を示す図である。

[図 9]図 9は液体流通時の逆止弁の状態を示す図である。

[図 10]図 10はスクイズ部 6の側面を押圧する押圧部材の、他の形状を示す断面図で ある。

[図 11]図 11は他の逆止弁の形状を示す断面図である。 符号の説明

1 容器本体

la 空気導入口

2 袋

3 吐出部

4 内円筒部

5, 5A, 5B 逆止弁

6 スクイズ部

7 押圧部材

31 吐出孔

32 カバー

33 先端軸

34 弁体支持部

35 第二のノズル

36 円筒体

37 弁体

41 開口

42 挿入部

43 鍔部

44 円筒体

45 第 1のノズル

51 先端部

52 底部

71 溝

82 フロート

発明を実施するための最良の形態 [0020] 以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

図 1は、本発明の実施形態にカゝかる点眼容器を示す側断面図である。図 2は分解 斜視図である。

点眼容器は、容器本体 1と、容器本体 1の中に設置された点眼液を収容するための 袋 2と、前記袋 2に連通し、スクイズ部 6の内圧が大気圧よりも高くなるときに開いて、 スクイズ部 6に入っている液体を吐出させるための吐出部 3とを備えている。

[0021] 前記容器本体 1は、袋 2を収容するための容器である。容器の材質は、少なくとも袋 の見える部分が透明の榭脂でできている。透明性が要求されるのは、袋 2の内部に 収容された液体の量を目で確認するためである。また容器本体 1それ自体を手で押 圧して変形させるものではないから、容器本体 1は硬質であることが耐久性を向上さ せる点で好ましい。

本発明の吐出部 3および容器本体 1を形成する榭脂としては、例えばポリエチレン（ PE)、ポリプロピレン（PP)、環状ポリオレフイン（COP)などが挙げられる。特に PEや PPは医薬的に安全な素材であることから、本発明の吐出容器が点眼容器のような薬 液を収容するものである場合に特に好適である。

[0022] 容器本体 1の上部開口部には、内円筒部 4が挿入されている。この内円筒部 4の底 面に設けられた、容器本体 1の内部を向いた開口 41に、袋 2が装着される。

袋 2は、目薬などの液体を収容する変形自在な材料、例えば、柔軟性のあるポリオ レフイン (PE, PP等)製の単層又は多層フィルム、ポリエステル (PET等)製の単層又 は多層フィルム、又はそれらの複合多層フィルムなどが使用される。

[0023] なお、袋 2と容器本体 1の間には、容器本体 1に形成された空気導入口 la (図 2参 照）から空気が自在に導入できるようになって 、る。

内円筒部 4は、容器本体 1に挿入される比較的小さな直径を有する円筒状の挿入 部 42と、容器本体 1に挿入したときに容器本体 1の開口部の端面に接着される比較 的大きな直径を有する鍔部 43とを有して ヽる。

[0024] 挿入部 42の内部底面の開口には、袋 2の中の液体を吐出方向下流（図 1の上向き 方向 F)に流すための逆止弁 5が設置される。

さらに挿入部 42の内部、逆止弁 5の上部には、押圧することにより袋 2に収容され て 、る液体を吐出させるための変形復元自在なチューブ状のスクイズ部 6を装着する ための第 1のノズル 45を有する円筒体 44が、第 1のノズル 45を上向けた状態で配置 されている。この第 1のノズル 45に前記スクイズ部 6の下端の開口部が装着される。な お、この円筒体 44の底面は、逆止弁 5の底部 52の上面に密着している。

[0025] 逆止弁 5は、図 4に示すように、可撓性の材料を円筒状に成形し、その先端部 51を 中心軸 Gと直角にカットして、細長く成形し、両端を融着している。その底部 52は円 形を保持している。

逆止弁 5の先端部 51は、外部が負圧になると開くが、外部が正圧になっても開くこ とはないように、スクイズ部の押圧に伴う液圧によって容易に変形することが求められ る。そのため、硬度が低ぐ可撓性の高い材料が用いられる。例えば逆止弁 5の材料 として、熱可塑性エラストマ一、天然ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム 、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのゴム状物質などが挙げられる。

[0026] 吐出部 3は、先端に上向きに開口する吐出孔 31が形成された略円柱状のカバー 3 2と、カバー 32内に設置されて、その先端軸 33をカバー 32の吐出孔 31から覼かせ ている略円柱状の弁体支持部 34と、弁体支持部 34の先端軸 33を取り囲む弁体 37 と、を備えている。前記先端軸 33は中実構造である。

この吐出部 3の吐出孔 31、弁体 37及び弁体支持部 34は、液体と空気の逆流を防 止する、逆流防止機構付きの圧力動作弁となっている。

[0027] 弁体 37は、通常、弁体支持部 34に当接して吐出孔 31を閉鎖している力 点眼容 器を使用するときなどに、スクイズ部 6の内部の圧力が大気圧より高くなれば、先端軸 33とそれを取り囲む弁体 37との間に隙間ができスクイズ部 6に収容されている液体を 、吐出孔 31を通して容器本体 1の外部に吐出させる。

しかし、スクイズ部 6の内圧が大気圧より低くなると、弁体 37は速やかに元の形状に 戻り、弁体 37が弁体支持部 34の先端軸 33に密着して、吐出孔 31に形成された流 路を閉鎖する。したがって液体や空気力 Sスクイズ部 6内に入ってくることを防止する。

[0028] なお、弁体 37は、スクイズ部の押圧に伴う液圧によって容易に変形することが求め られることから、逆止弁 5と同様、その硬度が低ぐ柔軟性の高い材料が用いられる。 前記弁体支持部 34の底面は鍔部 43の上面に当接するとともに、弁体支持部 34の 内部には、前記スクイズ部 6の上端を装着するための第二のノズル 35を有する円筒 体 36力 第二のノズル 35を下向きにした状態で取り付けられる。

[0029] これらの第 1のノズル 45及び第二のノズル 35によって、スクイズ部 6の下端と上端と をそれぞれ固定している。固定方法は限定されないが、例えば、スクイズ部 6の弾力 で押さえつけてもよぐ接着剤を用いてもよぐレーザー溶着を行ってもよい。

また、前記鍔部 43には、スクイズ部 6の側面を押圧するための 2つの押圧部材 7を 挿入するための溝 71が、中心 (スクイズ部 6)を向いた方向に設けられている。

[0030] 押圧部材 7は例えば直方体状のものであり、前記溝 71に対してスライド可能に取り 付けられている。

スクイズ部 6は、押圧部材 7で横方向から押圧されることにより変形して、その内部の 容積が小さくなり、押圧から解除されると、復元して元の容積に戻るように、可撓性を 有している。このため、スクイズ部 6には、弾力性、柔軟性の高い材料が用いられる。

[0031] 例えば、スクイズ部 6を形成するのに用いられる弾性体には、例えば、シリコーンゴ ム、塩化ビュル、ポリエチレン、ポリプロピレンのいずれか又はこれらの複合素材から を用いることができる。

以下、図 3 (a)〜図 3 (c)を用いて点眼時の動作説明をする。

押圧部材 7を操作しない状態では、図 3 (a)に示すように、押圧部材 7はスクイズ部 6 の弾力によって外方向に移動しており、スクイズ部 6の変形はない。スクイズ部 6の内 部と袋 2の液圧は等しぐ逆止弁 5は閉じている。

[0032] 押圧部材 7を押圧操作すると、図 3 (b)に示すように、スクイズ部 6は、押圧部材 7に より両側カゝら押さえられてスクイズ部 6内の体積が小さくなる。このため、スクイズ部 6 内の圧力が上昇し、スクイズ部 6内の液体は、吐出部 3から吐出される。このとき、逆 止弁 5が閉じられるために、スクイズ部 6内の液体は、袋 2に戻ることはできない。 押圧部材 7の押圧を解除すると、図 3 (c)に示すように、スクイズ部 6が復元しスクイ ズ部 6内が負圧になる。このとき、袋 2の中の液体が逆止弁 5を通過してスクイズ部 6 内に入ってくる。吐出部 3の逆流防止機構のために、外部の空気や液体が吐出孔 31 を通してスクイズ部 6内に入ることはない。

[0033] 押圧部材 7を再び押圧操作すると、スクイズ部 6が両側から抑えられて、スクイズ部 6 内の液体が吐出部 3から吐出され、押圧部材 7の押圧を再び解除すると、袋 2の中の 液体が逆止弁 5を通過してスクイズ部 6内に満たされる。以上のことを繰り返す。 この点眼容器を使用し続けるに従って、初め袋 2の内部に満たされていた液体は、 徐々に減っていくが、この減少とともに袋 2が縮んでいく。容器本体 1を透明な榭脂で 形成しているので、使用者は、袋 2の状態を常に監視することができる。

[0034] 以上の構造の点眼容器によって、袋 2の中の液体が多くても少なくても、スクイズ部 を押圧するだけの比較的軽 、力で袋の中の液体を吐出させることができる。

なお、本発明に係る吐出部 3は、通液フィルタとして用いることができる。通液フィル タは、一定以上の液圧を付加することによって液体の通過が許容されるフィルタであ り、力かるフィルタを設けることによって、細菌、埃などの容器内への侵入 (逆流）を防 止できる。

[0035] 次に、本発明の他の実施形態を説明する。

図 5は、この実施形態にカゝかる点眼容器を示す側断面図である。

この点眼容器と、図 1に示した点眼容器との違いを説明する。この点眼容器におい ては、容器本体 1と、容器本体 1の内壁に設置された袋 2とが同時に成型されている。 つまり、容器本体 1と袋 2とで二重容器を形成している。しかし容器本体 1と袋 2とは接 着されているものではなぐ袋 2は容器本体 1の内壁力も剥離可能になっている。そし て、容器本体 1の側面所定位置には、袋 2を破らない状態で容器本体 1のみに空気 導入口 laが形成されている。

[0036] 液体の滴下が進むにつれて、袋 2は、矢印 Iに示すように、空気導入口 laの近くの 容器本体 1の内壁から剥離が拡大して、内側に折りたたまれるようになる。なお、空気 導入口 laの形成位置は、容器本体 1の側面に限らず任意の位置でよい。例えば、底 面に形成してもよい。

容器本体 1の材質は、例えばポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、環状ポリオ レフイン (COP)、ポリエステル (PET)などが挙げられる。袋 2は、柔軟性のあるポリオ レフイン (PE, PP等)製の単層又は多層フィルム、ポリエステル (PET等)製の単層又 は多層フィルム、又はそれらの複合多層フィルムなどが使用される。

[0037] 図 6は、さらに他の実施形態に力かる点眼容器を示す側断面図である。この点眼容 器は、図 5に示した点眼容器に比べて、容器本体 1の形状が異なっているのみである 。図 5に示した点眼容器では容器本体 1は円筒形状であつたが、図 6に示す点眼容 器では容器本体 1は円錐形状である。容器本体 1が円錐形状であるほうが、袋 2の剥 離が容易に行われると考えられる。

[0038] これらの図 5、図 6の点眼容器は、逆止弁の形状'構造が、前記図 1の逆止弁 5の構 造と異なっている。

すなわち、この実施形態の逆止弁 5Aは、チューブ状のスクイズ部 6を装着するため の第 1のノズル 45を有する円筒体 44の途中でその内径がステップ状に狭くなつてい て、ここに弁座 81が形成されている。

[0039] 弁座 81には、フロート 82が載せられている。さらにフロート 82の上力 、フロート押 さえ 83がかぶせられる。フロート 82の材質として、好ましくは液体より比重の小さい合 成榭脂を用いることができる。

図 7は、フロート 82とフロート押さえ 83の関係を示す分解斜視図である。フロート 82 は回転対称形であり、円柱体 821と、円柱体 821の中央に形成された円柱体 821の 直径よりも大きな直径の円板 820と力もなる。円板 820の外径は、第 1のノズル 45の 内径よりも小さくなつている。フロート押さえ 83は円柱体状であり、その中には前記円 柱体 821を挿入するための筒状の孔 831が形成されている。孔 831の内径と弁座 81 の内径は、円柱体 821の外径よりも大きくなつている。円柱体 830の上端には、フロ ート押さえ 83を円筒体 44の第 1のノズル 45上に係止させるための鍔部 832が形成さ れている。さらに円柱体 830の底面には、袋 2に入った液体をスクイズ部 6に供給する ための液体の連絡通路 833が十字の溝状に形成されている。

[0040] この逆止弁 5Aの動作を、図 8、図 9を参照しながら説明する。図 8は液体ストップ時 のフロート 82の状態を示し、図 9は液体流通時のフロート 82の状態を示す。

まず、スクイズ部 6の側面を押圧することによりスクイズ部 6の内部が袋 2の内部よりも 正圧になっているとき、フロート 82が下降する（図 8)。この状態では、フロート 82の円 板 820の底面は、円筒体 44の弁座 81に密着して、液体は、スクイズ部 6と袋 2の間を 通過できない。

[0041] スクイズ部 6の側面の押圧を解除してスクイズ部 6の内部が袋 2の内部よりも負圧に なれば、フロート 82は上昇する（図 9)。このとき、円板 820の上面と円柱体 830の底 面とは接するが、前記連絡通路 833が設けられているので、袋 2の液体は、第 1のノ ズル 45の側壁、連絡通路 833、孔 831を通って、スクイズ部 6の内部に流入する。 このように、スクイズ部 6のスクイズ操作でフロート 82が上下に動くことにより、逆止弁 5Aの動作を実現することができ、スクイズ部を押圧するだけの比較的軽 、力で袋の 中の液体を、吐出部 3から吐出させることができる。

[0042] 以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定 されるものではなぐ本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。

例えばスクイズ部 6の側面を押圧するための押圧部材は、図 1〜図 2に示したような 一方向にスライド可能なものに限らな!/、。例えば支軸の周りに回動可能なレバーであ つてもよい。

[0043] 図 10は、スライド式の押圧部材 7に代えて、容器本体 1の所定部位に支軸 73を固 定して設け、この支軸 73に、押圧レバー 72の端部を回動可能に取り付けた点眼容 器を示す断面図である。ただしこの図では、カバー 32、袋 2などの図示は省略してい る。矢印 Hで図示したように押圧レバー 72を押し込むことで、押圧レバー 72の他端を スクイズ部 6に押しあて変形させることができる。

[0044] また、逆止弁 5の形状'構造も前記に限定されるものではない。例えば、図 11に示 すように、円筒状の挿入部 42の開口 41の周囲に円筒状のリブ 46を上向きに立設し て、そのリブ 46に逆止弁 5Bを装着してもよい。このような逆止弁 5Bを取り付けるには 、まず、細長い形状の可撓性のフィルムを 2枚用意し、両サイド部分 53を互いに熱密 着させ、その各フィルムの下側を、リブ 46に巻き付くように密着して配置し熱溶着させ ることにより、取り付けることができる。このようにしてフィルムに弁内連通路 54を形成 することができる。前記フィルムとして、ポリオレフイン (PE, PP等）、ポリエステル (PE T等)又はそれらの多層フィルムを用いることができる。液体が図 11の袋 2から上方向 Fに流れるときは、弁内連通路 54が開いて液体の流れは阻止されないが、液体が上 側から弁内連通路 54に入ってくるときは、各フィルムが橈んで密着し、液体の侵入を 阻止することができる。

[0045] なお本発明の吐出容器は、点眼容器の他、点鼻、点耳、うがい薬、外用薬などの 各種薬液容器や、化粧品容器、消毒液容器、液体洗剤容器などにも使用することが できる。

Claims

請求の範囲

[1] 容器本体と、

前記容器本体の中に設置され、液体収容用の伸縮又は変形自在な袋と、 前記袋に連通し、前記袋に収容されている液体を吐出させるための吐出孔を有す る吐出部と、

前記吐出部と前記袋との間に設けられ、押圧されることにより、前記吐出部から液 体を吐出させるための変形復元可能なスクイズ部と、

前記スクイズ部よりも吐出方向上流側に設けられ、前記袋の中の液体を前記スクイ ズ部に一方向に流すための逆止弁とを備える、吐出容器。

[2] 前記容器本体は、前記容器本体と前記袋とが同時に成形された二重構造になって おり、前記袋は前記容器本体の内壁を剥離可能になっている請求項 1記載の吐出 谷器。

[3] 前記容器本体には、容器本体と前記袋との間に空気を流入させるための空気導入 口が形成されている請求項 2記載の吐出容器。

[4] 前記容器本体には、前記スクイズ部を押圧変形させるための押圧部材が設けられ ている請求項 1記載の吐出容器。

[5] 前記押圧部材は、前記スクイズ部に向力つてスライド可能に設置されている請求項

4記載の吐出容器。

[6] 前記押圧部材は、容器本体に固定された支軸の周りに回動可能に設置されたレバ 一を含む請求項 5記載の吐出容器。

[7] 前記容器本体の一部又は全部が透明である請求項 1記載の吐出容器。

[8] 前記逆止弁は、前記スクイズ部が押圧から解除されて復元して、前記スクイズ部の 内圧が前記袋よりも負圧になるときに、前記袋の内部からスクイズ部に液体を流入さ せ、前記スクイズ部の内圧が前記袋よりも正圧になるときに閉鎖することによって逆流 を防止する請求項 1記載の吐出容器。

[9] 前記逆止弁は、前記スクイズ部の圧力と前記袋の圧力の差に応じて昇降するフロ ートを含むものである請求項 8記載の吐出容器。

[10] 前記スクイズ部は、弾力性及び復元性のある素材力 成る請求項 1記載の吐出容 器。

[11] 前記スクイズ部は、シリコーンゴム、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンのい ずれか又はこれらの複合素材力 成る請求項 10記載の吐出容器。

[12] 前記吐出部は、吐出方向上流側から液圧を受けていない状態で吐出孔を閉鎖し、 吐出方向上流側から液圧を受けると吐出孔から液体を吐出するものである請求項 1 記載の吐出容器。

[13] 前記吐出部は、吐出孔が形成されたカバーと、カバー内に設置され、その先端軸 をカバーの吐出孔力 視力せて 、る弁体支持部と、前記弁体支持部の先端軸を取り 囲む弁体とを備え、前記弁体は、スクイズ部から液圧を受けていない状態で前記先 端軸に当接して吐出孔を閉鎖し、スクイズ部側力 液圧を受けると変形して前記先端 軸との間に流路を形成することにより、吐出孔を開放するものである請求項 12記載の 吐出容器。

[14] 請求項 1に記載の容器を点眼のために用いる点眼容器。