WO2007100029A1 - ガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器 - Google Patents

ガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器 Download PDF

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Satoshi Koshimuta
Hideki Hamagaki
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Riken
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    • H01J47/02Ionisation chambers

Definitions

  • this gas electronic amplifier When the radiation to be detected is incident, this gas electronic amplifier amplifies the photoelectrons that have jumped out of the gas atoms by the photoelectric effect of the radiation and the gas, and detects the radiation as an electric signal. Is to make it possible.
  • the first gas electron amplification filter 108 and the second gas electron amplification foil 110 have two stages.
  • the gas electron amplification foil was used.
  • This radiation detector 10 is different from the conventional radiation detector 100 in that a gas electronic amplifier is constituted by a chamber 102 filled with a predetermined detection gas and a single gas electron amplification filter 12.
  • the thickness t2-1 of the insulating layer 22a-1 and the thickness t2-2 of the insulating layer 22a-2 are each 50 ⁇ , and the thickness t2— of the insulating layer 22a-1 The sum of 1 and the thickness t2_2 of the insulating layer 22a-2 was 100 ⁇ m.
  • the electric field Et is converged inside the through-hole structure 22d, and the electrons advancing therein are accelerated, thereby producing an avalanche effect. Then, the electrons multiplied by the avalanche effect are detected by the collecting electrode 106, and the detection unit 114 receives the detection signal and calculates various detection data.
  • the two-dimensional image detector 200 when used, it is possible to obtain a high X-ray detection efficiency and a clear image.
  • Plasma etching is performed for 3 minutes from the front and back under IkW conditions to remove the soot-like material adhering to the wall of the through-hole structure 12d by the laser light irradiation.
  • the surface roughness of the inner wall of the through-hole structure 12d can be reduced to 4 zm or less. Further, even if the protruding portion is formed on the inner wall of the through-hole structure 12d, the height thereof can be 15% or less of the thickness of the insulating layer 12a.
  • the surface of the wall of the through-hole structure 22d is treated with a permanganate solution or an aqueous sodium hydroxide solution to improve the smoothness of the surface.
  • a permanganate solution or an aqueous sodium hydroxide solution As a result, the surface roughness of the wall of the through-hole structure 22d is 4 ⁇ m or less.
  • the surface treatment with this permanganic acid solution or sodium hydroxide aqueous solution can be carried out, for example, by Meltex's Enplate MLB halting process.

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Description

明 細 書
ガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法な らびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器
技術分野
[0001] 本発明は、ガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法 ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器に関し、さらに詳細には、放射線 とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器およびそれに用いるガ ス電子増幅フオイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器 に関する。
背景技術
[0002] 従来より、荷電粒子、ガンマ線、 X線、中性子あるいは紫外線などのような放射線を 検出するために、ガス電子増幅器(GEM : Gas Electron Multiplier)が使用され ている。
このガス電子増幅器は、検出対象の放射線が入射すると、放射線とガスとの光電効 果による相互作用によりガス原子から飛び出した光電子を電子なだれ効果により増 幅させ、当該放射線を電気信号として検出することを可能にするというものである。
[0003] 図 1には、従来のガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明 図が示されている。
この図 1に示す放射線検出器 100は、所定の検出用のガスを充填したチャンバ一 1 02と、チャンバ一 102内に配置されたドリフト電極 104および捕集電極 106と、チャン バー 102内においてドリフト電極 104と捕集電極 106との間に所定の間隔 TRを開け て配置された第 1ガス電子増幅フォイル(GEMフオイル) 108および第 2ガス電子増 幅フオイル 110とを有して構成されている。
なお、チャンバ一 102に充填される検出用のガスとしては、一般に、希ガスとクェン チヤ一ガスとの組合せが使用される。希ガスとしては、例えば、 He、 Ne、 Ar、 Xeなど があり、クェンチヤ一ガスとしては、例えば、 CO
2、 CH がある。また 4、 C H
2 6、 CFなど
4
、希ガス中へのクェンチヤ一ガスの混合量は、 5〜30%が好適である。 ここで、所定の検出用のガスを充填したチャンバ一 102と第 1ガス電子増幅フォイル 108、第 2ガス電子増幅フォイル 110とにより、ガス電子増幅器が構成される。これら 第 1ガス電子増幅フォイル 108と第 2ガス電子増幅フォイル 110とは、それぞれ同一 の構成を備えた板状多層体よりなるものであり、電子なだれ効果により電荷増倍を行 う作用を果たすものである。
第 1ガス電子増幅フオイル 108と第 2ガス電子増幅フオイル 110は、より詳細には、 厚さ t0が 50 z mの樹脂製の板状の絶縁層 108a、 110aと、この絶縁層 108a、 110a の両面に被覆された平面状の金属層 108b、 108c, 110b, 110cとを有して構成さ れている。また、第 1ガス電子増幅フォイル 108、第 2ガス電子増幅フォイル 110には 、電界を集束させるための貫通孔構造 108d、 l lOdが複数形成されている。
また、放射泉検出器 100ίこ fま、金属層 108b、 108c, 110b, 110cおよびドリフト電 極 104へ電圧を印加するための電源部 112と、捕集電極 106に接続された検出部 1 14とが設けられている。
以上の構成において、放射線検出器 100においては、電源部 112から金属層 108 b、 108c, 110b, 110cおよびドリフト電極 104へ所定の電圧が印加され、ドリフト電 極 104と金属層 108bとの間に電界 Edが、貫通孔構造 108d、 l lOdの内部を含む金 属層 108cと金属層 110bとの間に電界 Etが、金属層 110cと捕集電極 106との間に 電界 Eiが発生する。
この際に、貫通孔構造 108d、 l lOdの内部で電界 Etが収束され、ここに侵入した 電子が加速されることにより電子なだれ効果が生じることになる。そして、この電子な だれ効果により増倍された電子を捕集電極 106で検出し、検出信号を検出部 114が 受け取って各種検出データを演算する。
ここで、上記した放射線検出器 100のガス電子増幅器においては、電子なだれ効 果による電子の増幅率を高めるために、第 1ガス電子増幅フオイル 108と第 2ガス電 子増幅フォイル 110との 2段のガス電子増幅フォイルを用いていた。
即ち、従来のガス電子増幅器は、電子の増幅率を上げるために、ガス電子増幅フ オイルを複数段重ねた構造を備えてレ、た。
一方、放射線とガスによる相互作用が起こるときに飛び出した光電子は、数百 x m 程度の広がりをもつ。
この電子の広がりはガス電子増幅フォイルを通過する毎に大きくなつて、そのため 位置分解能が低下して正確な位置情報が得られなくなり、結果的に、検出部で取得 した画像がぼやけたものになってしまうという問題点があった。
光電効果だけでなぐコンプトン散舌し、電子対生成でも検出が可能である。
[0005] なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明した ようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情 報はない。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、電子の増幅率を低下させることなく従来よりも電子の広が りを小さくすることを可能にし、高い電子増幅率を備えかつ位置分解能に優れたガス 電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フオイルの製造方法ならびにガス電子 増幅器を使用した放射線検出器を提供しょうとするものである。
課題を解決するための手段
[0007] 上記目的を達成するために、本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガ ス電子増幅フオイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器 は、単一の電子増幅フォイルを用い、かつ、その電子増幅フォイルの絶縁層を従来 の電子増幅フォイルに比べて厚くしたものである。
また、本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製 造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器は、単一の電子増幅フォイ ルを用い、かつ、その電子増幅フォイルの絶縁層を多層構造にして各絶縁層の間に 金属層を配設した積層体により構成するようにしたものである。
こうした本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの 製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器によれば、電子の増幅 率を低下させることなく従来よりも電子の広がりを小さくすることができ、高い電子増幅 率を維持しながら位置分解能を向上することができる。 [0008] 即ち、本発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅 器において、ガスを充填したチャンバ一と、上記チャンバ一内に配置された単一のガ ス電子増幅フオイルとを有し、上記ガス電子増幅フオイルは、厚さ 100〜300 μ ΐη程 度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層と上記絶縁層の両面に被覆された 平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり、上記板状多層体には貫 通孔構造を設けるようにしたものである。
[0009] また、本発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅 器において、ガスを充填したチャンバ一と、上記チャンバ一内に配置された単一のガ ス電子増幅フオイルとを有し、上記ガス電子増幅フオイルは、高分子ポリマー材料か らなる板状の複数の絶縁層を平面状の金属層を間に形成して積層した積層体と上 記積層体の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体より なり、上記板状多層体には貫通孔構造を設けるようにしたものである。
[0010] また、本発明は、上記した発明において、上記複数の絶縁層の厚さの合計値が 10
0〜600 /i m程度であるようにしたものである。
[0011] また、本発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅 器を使用した放射線検出器であって、上記ガス電子増幅器を、上記した発明に係る ものとした。
[0012] また、本発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅 器に用いるガス電子増幅フオイルの製造方法において、厚さ 100〜300 /i m程度の 高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平面状の金属層を被覆し、上記 金属層を所定のパターンでエッチングし、上記所定のパターンに従って、上記絶縁 層を上記金属層の平面に垂直にレーザー光を照射して除去し、上記金属層の平面 に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、上記金属層の表面および上記絶縁 層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にてデスミア処理するようにしたものである。
[0013] また、本発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅 器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法において、厚さ 50〜300 μ m程度の高 分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平面状の金属層を被覆し、上記金 属層を所定のパターンでエッチングし、上記金属層の片面または両面上に、厚さ 50 〜300 μ m程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の片面に平面状に金 属層を被覆したものを積層し、該積層されたものの最外面の金属層を、上記所定の パターンに従ってエッチングし、上記所定のパターンに従って、上記絶縁層の全てを 上記最外面の金属層の平面に垂直にレーザー光を照射して除去し、上記最外面の 金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、上記金属層の表面お よび上記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にてデスミア処理するようにし たものである。
発明の効果
[0014] 本発明によれば、電子の増幅率を低下させることなく従来よりも電子の広がりを小さ くすることが可能になり、高い電子増幅率を備えかつ位置分解能に優れたガス電子 増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅 器を使用した放射線検出器を提供することができるという優れた効果が奏される。 図面の簡単な説明
[0015] [図 1]図 1は、従来のガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明 図である。
[図 2]図 2は、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検 出器の概略構成断面説明図である。
[図 3]図 3は、本発明の第 2の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検 出器の概略構成断面説明図である。
[図 4]図 4は、本願発明者による実験結果を示すグラフであり、図 4 (a)は本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器における測定結果を 示すグラフであり、また、図 4 (b)は本発明の第 2の実施の形態によるガス電子増幅器 を使用した放射線検出器における測定結果を示すグラフであり、また、図 4 (c)は従 来の放射線検出器における測定結果を示すグラフである。
[図 5]図 5は、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した X線の 2 次元画像検出器の構成例の一例の断面構成説明図である。
[図 6]図 6は、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した光検出器 の構成例の一例の断面構成説明図である。 園 7]図 7は、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した光検出器 の構成例の他の例の断面構成説明図である。
園 8]図 8は、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器のガス電子増幅フォ ィルの製造方法の工程説明図である。
園 9]図 9は、本発明の第 2の実施の形態によるガス電子増幅器のガス電子増幅フォ ィルの製造方法の工程説明図である。
符号の説明
10 放射線検出器
12 ガス電子増幅フオイル
12a 絶縁層
12b、 12c 金属層
12d 貫通孔構造
20 放射線検出器
22 ガス電子増幅フオイル
22a- - 1、 22a— 2 絶縁層
22b, 22c, 22e 金属層
22d 貫通孔構造
100 放射線検出器
102 チャンバ一
104 ドリフト電極
106 捕集電極
108 第 1ガス電子増幅フォイル
108a 絶縁層
108b, 108c 金属層
108d 貫通孔構造
110 第 2ガス電子増幅フォイル
110a 絶縁層
110b, 110c 金属層 110d 貫通孔構造
112 電源部
114 検出部
200 2次元画像検出器
202 薄膜トランジスタ
300 光検出裕
302 光電層
400 光検出裕
402 光電層
500 レジスト層
発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるガス電子増幅器およびそれに用 レ、るガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検 出器の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
なお、以降の説明においては、図 1などのように図面を参照しながら従前に説明し た構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を付して示す ことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は省略する。
[0018] 図 2には、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検 出器の概略構成断面説明図が示されている。
この放射線検出器 10は、所定の検出用ガスを充填したチャンバ一 102と単一のガ ス電子増幅フオイル 12とによりガス電子増幅器が構成されている点において、従来 の放射線検出器 100と異なる。
ここで、ガス電子増幅フォイル 12は、樹脂製の板状の絶縁層 12aと、この絶縁層 12 aの両面に被覆された平面状の金属層 12b、 12cとを有して構成されている。また、ガ ス電子増幅フォイル 12には、電界を集束させるための貫通孔構造として、金属層 12 b、 12cの平面に対して垂直方向に延長する貫通孔構造 12dが複数形成されている また、絶縁層 12aは、その厚さ tlが従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層 t0に比 ベて厚ぐ例えば、 100 μ ΐηに設定されている。この絶縁層 12aの厚さは、例えば、 1 00〜300 /i m程度の範囲で適宜に設定すればよい。
なお、絶縁層 12aの厚さ tlが 100 /i mである場合には、電源部 112より金属層 12b 、 12c間に 700〜: 1000V程度の電圧を印加することができる。
こうした絶縁層 12aの材料としては、例えば、ポリイミドゃ液晶ポリマーなどの高分子 ポリマー材料を使用することができる。
一方、貫通孔構造 12dの内部に電界を発生させる電極として機能する金属層 12b 、 12cの材料としては、例えば、銅、ァノレミニゥム、金あるいはボロンなどを使用するこ とができる。なお、絶縁層 12aに対して金属層 12b、 12cを形成するには、ラミネート、 スパッタ蒸着あるいはメツキなどの手法を用いるようにすればよぐ金属層 12b、 12c の厚さは、例えば、 5 x mに程度に設定する。
[0019] 以上の構成において、放射線検出器 10においては、電源部 112から金属層 12b、 12cおよびドリフト電極 104へ所定の電圧が印加され、ドリフト電極 104と金属層 12b との間に電界 Edが、貫通孔構造 12dの内部に電界 Etが、金属層 12cと捕集電極 10 6との間に電界 Eiが発生する。
この際に、貫通孔構造 12dの内部で電界 Etが収束され、ここに侵入した電子が加 速されることにより電子なだれ効果が生じることになる。そして、この電子なだれ効果 により増倍された電子を捕集電極 106で検出し、検出信号を検出部 114が受け取つ て各種検出データを演算する。
この放射線検出器 10は、ガス電子増幅フォイルとして単一のガス電子増幅フォイル 12のみであるため、複数のガス電子増幅フォイルを用いる従来のものと比較すると、 電子の広がりを小さくすることができる。
また、絶縁層 12aの厚さ tlを従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層の厚さ tOに比 ベて厚くしたため、電源部 112から金属層 12b、 12cおよびドリフト電極 104へ印加 する電圧値を、従来の放射線検出器がガス電子増幅フォイルおよびドリフト電極へ印 加する電圧値よりも高く設定することができるため、従来と比較しても電子の増幅率が 低下することはない。
[0020] 次に、図 3には、本発明の第 2の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射 線検出器の概略構成断面説明図が示されている。
この放射線検出器 20は、所定の検出用ガスを充填したチャンバ一 102と単一のガ ス電子増幅フォイル 22とによりガス電子増幅器が構成されている点において、従来 の放射線検出器 100と異なる。
ここで、ガス電子増幅フォイル 22は、複数の樹脂製の板状の絶縁層と金属層とを交 互に積層した積層体よりなる多層構造を備えている。
より詳細には、ガス電子増幅フォイル 22は、樹脂製の板状の絶縁層 22a_ lと樹脂 製の板状の絶縁層 22a_ 2とを備え、絶縁層 22a_ lと絶縁層 22a_ 2との間には、 平面状の金属層 22eが形成されている。さらに、絶縁層 22a_ lにおける金属層 22e が形成された面とは異なる面には平面状の金属層 22bが形成されており、一方、絶 縁層 22a_ 2における金属層 22eが形成された面とは異なる面には平面状の金属層 22cが形成されている。また、ガス電子増幅フォイル 22には、電界を集束させるため の貫通孔構造 22dが複数形成されてレ、る。
また、絶縁層 22a— 1の厚さ t2 - 1と絶縁層 22a— 2の厚さ t2— 2との厚さの合計が 、従来のガス電子増幅フオイルの絶縁層の厚さ t0に比べて厚ぐ例えば、 100 /i mに 設定されている。この絶縁層 22a— 1の厚さ t2— lと絶縁層 22a— 2の厚さ t2— 2とは 、例えば、 50〜300 μ ΐη程度の範囲でそれぞれ適宜に設定すればよレ、。また、絶縁 層 22a— 1の厚さ t2— lと絶縁層 22a— 2の厚さ t2— 2との厚さの合計値は、例えば、 100〜600 /i m程度の範囲で適宜に設定すればよい。
なお、この実施の形態においては、絶縁層 22a— 1の厚さ t2— 1と絶縁層 22a— 2 の厚さ t2— 2とをそれぞれ 50 μ ΐηとし、絶縁層 22a— 1の厚さ t2— 1と絶縁層 22a— 2 の厚さ t2 _ 2との合計が 100 μ mとなるようにした。
なお、絶縁層 22a— 1、 22a— 2の厚さ t2— 1、 t2— 2力 50 μ mである場合に fま、電 源部 112ょり金属層221)、 22e間及び金属層 22e、 22c間に 350〜500V程度の電 圧を印カロすること力 Sでき、また、絶縁層 22a_ l、 22a_ 2の厚さ t2 _ l、 t2 _ 2力 00 z mである場合には、電源部 112より金属層 22b、 22e間及び金属層 22e、 22c間に 700〜: 1000V程度の電圧を印加することができる。
こうした絶縁層 22a_ l、 22a _ 2の材料としては、例えば、ポリイミドゃ液晶ポリマー などの高分子ポリマー材料を使用することができる。
一方、貫通孔構造 22dの内部に電界を発生させる電極として機能する金属層 22b 22c 22eの材料としては、例えば、銅、ァ ミニゥム、金あるいはボロンなどを使用 すること力 Sできる。なお、絶縁層 22a_ l 22a_ 2に対して金属層 22b 22c, 22e 形成するには、ラミネート、スパッタ蒸着あるいはメツキなどの手法を用いるようにすれ ばよぐ金属層 22b 22c, 22eの厚さは、例えば、 5 x mに程度に設定する。
[0021] 以上の構成において、放射線検出器 20においては、電源部 112から金属層221 22c, 22eおよびドリフト電極 104 所定の電圧が印加され、ドリフト電極 104と金属 層 22bとの間に電界 Edが、貫通孔構造 22dの内部に電界 Etが、金属層 22cと捕集 電極 106との間に電界 Eiが発生する。
この際に、貫通孔構造 22dの内部で電界 Etが収束され、ここに侵入した電子が加 速されることにより電子なだれ効果が生じることになる。そして、この電子なだれ効果 により増倍された電子を捕集電極 106で検出し、検出信号を検出部 114が受け取つ て各種検出データを演算する。
この放射線検出器 20は、ガス電子増幅フォイルとして単一のガス電子増幅フォイル 22のみであるため、複数のガス電子増幅フォイルを用いる従来のものと比較すると、 電子の広がりを小さくすることができる。
また、絶縁層 22a— 1の厚さ t2— 1と絶縁層 22a— 2の厚さ t2— 2との厚さの合計を 従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層の厚さ t0に比べて厚くしたため、電源部 112 力 金属層 22b 22c 22eおよびドリフト電極 104 印加する電圧値を、従来の放 射線検出器がガス電子増幅フォイルおよびドリフト電極へ印加する電圧値よりも高く 設定することができるため、従来と比較しても電子の増幅率が低下することはない。 さらに、放射線検出器 20においては、金属層 22bと金属層 22cとの間に生成される 電界 Etが、金属層 22eへの電圧の印加により整形されて電子なだれ効果が効率的 に生成される。
[0022] 次に、上記した従来の放射線検出器 100、本発明の第 1の実施の形態によるガス 電子増幅器を使用した放射線検出器 10ならびに本発明の第 2の実施の形態による ガス電子増幅器を使用した放射線検出器 20を用いた本願発明者による実験の結果 について説明する。
ここで、実験に用いた放射線検出器 100は、絶縁層 108a、 110aとしては厚さ t0力 S 50 /i mのポリイミドを用レヽ、金属層 108b、 108c, 110b, 110cとして厚さ 5 μ mの ί同 を被覆し、電源部 112より金属層 108b、 108c間および金属層 110b、 110c間に 35 0〜450Vの電圧を印加した。
また、実験に用いた放射線検出器 10は、絶縁層 12aとしては厚さ tlが 100 x mの 液晶ポリマーを用い、金属層 12b、 12cとして厚さ 5 z mの銅を被覆し、電源部 112よ り金属層 12b、 12c間に 700Vの電圧を印加した。
さらに、実験に用いた放射線検出器 20は、絶縁層 22a_ l、 22a_ 2としては厚さ t 2 _ 1、七2 _ 2カそれぞれ50〃111の夜晶ポリマーを用レヽ、金属層221)、 22c, 22eとし て厚さ 5 x mの銅を被覆し、電源部 112ょり金属層22 、 22c間に 700Vの電圧を印 加した。
なお、この実験においては、検出部 1 14として電荷読み出し用のピクセル検出器を 用いた。また、放射線検出器 10、 20、 100のいずれにおいても、ドリフト領域 DRを 5 . 5mmとし、インダクション領域 IRを 2· 7mmとした。なお、放射線検出器 100におけ る第 1ガス電子増幅フォイノレ 108と第 2ガス電子増幅フォイノレ 110との間隔 TRは 2. 0 mmとしに。
計測方法としては、 55Fe放射線源からの X線(5. 9keV)の反応点がどのように広が るかを測定することにより、信号 (電子)の広がりを測定した。
図 4 (a)は放射線検出器 10における測定結果を示すグラフであり、また、図 4 (b)は 放射線検出器 20における測定結果を示すグラフであり、また、図 4 (c)は放射線検出 器 100における測定結果を示すグラフである。なお、図 4 (a) (b) (c)に示すグラフに おいて、縦軸はカウント数 N [Count]であり、横軸は信号の広がり [10 z m]である。 これら図 4 (a) (b) (c)に示すグラフから、放射線検出器 10における信号の広がりの 測定値は 353 μ m (FWHM)であり、放射線検出器 20における信号の広がりの測定 値は 344 x m (FWHM)であり、放射線検出器 100における信号の広がりの測定値 は 608 μ m (FWHM)であった。
このことより、放射線検出器 10、 20は、放射線検出器 100よりも電子の広がりが小 さくなつていた。
[0024] 次に、図 5には、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した X線 の 2次元画像検出器の構成例の一例の断面構成説明図が示されている。
この 2次元画像検出器 200においては、チャンバ一 102内に、検出用のガスとして アルゴン (Ar)中に二酸化炭素(CO ) 30。/。を混合した混合ガスが充填されている。
2
こうしたチャンバ一 102内において、ドリフト電極 104と捕集電極 106との間に単一 のガス電子増幅フォイル 12が配置されており、ドリフト電極 104とガス電子増幅フォイ ル 12の金属層 12b、 12cとには、電源部 112から所定の電圧が印加されるようになさ れている。
また、検出部 114は、各画素毎に薄膜トランジスタ 202を備えていて、各画素毎の 検出信号を出力するように構成されている。
[0025] 以上の構成において、 2次元画像検出器 200によれば、 X線がチャンバ一 102内 に侵入すると、検出用のガスに作用して電子が発生する。この電子がガス電子増幅 フオイル 12により加速されて、電子なだれ効果により 100倍から 10万倍程度に電子 増幅されて検出部 114で検出される。
従って、 2次元画像検出器 200を用いると、 X線の高い検出効率と鮮明な画像とを 得ること力 Sできる。
なお、こうした 2次元画像検出器 200は、例えば、医療用 X線撮影装置、 CT装置、 あるいは線量モニターに搭載される検出器などに適用することが可能である。
[0026] 次に、図 6および図 7には、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増幅器を使 用した光検出器の構成例の一例の断面構成説明図がそれぞれ示されている。
ここで、図 6に示す光検出器 300は、ガス電子増幅フォイル 12の金属層 12b上に光 電層 302が形成されている点において、図 5に示す 2次元画像検出器 200と異なつ ている。
[0027] 以上の構成において、光検出器 300によれば、紫外光または可視光などの光がチ ヤンバー 102内に侵入すると、光電層 302により光電子が発生し、ガス電子増幅フォ ィル 12に形成された貫通孔構造 12dの内部の電界で電子増幅が行われる。増幅さ れた電子は、図 5に示す 2次元画像検出器 200と同様に、検出部 114で検出される。 [0028] また、図 7に示す光検出器 400は、光電層 402が入射窓の内側面に形成されてい る点において、図 5に示す 2次元画像検出器 200と異なっている。
以上の構成において、光検出器 400によれば、チャンバ一 102へ紫外光または可 視光などの光が侵入すると、この光電層 402により光電子が発生し、その後は光検 出器 300と同様な原理により増幅された電子が検出部 114で検出される。
[0029] 次に、図 8 (a)〜(d)を参照しながら、本発明の第 1の実施の形態によるガス電子増 幅器のガス電子増幅フォイル 12の製造方法について説明する。
即ち、ガス電子増幅フォイル 12を製造するには、まず、例えば、厚さ lOO x mの液 晶ポリマー製の板状の絶縁層 12aの両面に平面状の金属層 12b、 12cを被覆し、金 属層 12b、 12cの表面に前処理を施してからレジスト層 500を形成する(図 8 (a)参照 )。なお、金属層 12b、 12cは、例えば、銅により形成する。また、レジスト層 500として は、例えば、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社製 AQ2558)を使用することが できる。
それから、レジスト層 500を貫通孔構造 12dの配置に合わせてパターンエングし、 次いで金属層 12b、 12cも上記パターンニングに合わせて開口する(図 8 (b)参照)。 上記パターンニングは、例えば、所定のパターンの露光用マスクを用レ、、露光量 60 mj/cm2で真空密着露光を行い、その後に 1 %の炭酸ソーダを用いて現像を行うこ とにより実施できる。また、金属層 12b、 12cの開口の形成は、金属層 12b、 12cが銅 である場合には、例えば、塩化第二鉄液にてエッチングすることにより実施できる。 次に、例えば、 3%の水酸化ナトリウム水溶液などでレジスト層 500を除去し(図 8 (c )参照)、 COレーザーなどのレーザー光を照射して、絶縁層 12aを除去して貫通さ
2
せ、貫通孔構造 12dを形成する(図 8 (d)参照)。
レーザー光により絶縁層 12aを除去して貫通させる場合、貫通孔構造 12dの壁が 金属層 12b、 12cの平面に垂直になる方向にレーザー光を照射する。
なお、図 8 (d)に示す工程で形成された貫通孔構造 12dの壁は、表面仕上げ工程 により表面粗度を向上させることが好ましい。これにより、ガス電子増幅器の動作中に 貫通孔構造 12dの壁に電荷蓄積性の堆積物が発生することを抑制できる。
こうした表面仕上げ工程は、ガス比 SF : 0. 05、 N : 0. 10、〇 :1. 0、 RF出力 2. IkWの条件にて、プラズマエッチングを表裏より 3分ずつ行い、貫通孔構造 12dの壁 に上記レーザー光の照射により付着した煤状の物質を除去する。
次に、過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶液などで貫通孔構造 12dの 壁の表面を処理し、表面の平滑度を向上させる。これにより、貫通孔構造 12dの壁の 表面粗度は 4 μ m以下となる。この過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶 液による表面処理は、例えば、メルテックス社製ェンプレート MLBホールタリーニン グプロセスにより実施できる。
上記のようなデスミア処理を行うことにより、貫通孔構造 12dの内壁の表面粗度を 4 z m以下にすることができる。また、貫通孔構造 12dの内壁に突出部が生じても、そ の高さを絶縁層 12aの厚さの 15%以下とすることができる。
次に、図 9 (a)〜(f)を参照しながら、本発明の第 2の実施の形態によるガス電子増 幅器のガス電子増幅フォイル 22の製造方法について説明する。
即ち、ガス電子増幅フォイル 22を製造するには、まず、例えば、厚さ 50 μ ΐηの液晶 ポリマー製の板状の絶縁層 22a— 1の両面に平面状の金属層 22b、 22eを被覆し、 金属層 22b、 22eの表面に前処理を施してからレジスト層 500を形成する(図 9 (a)参 照)。なお、金属層 22b、 22eは、例えば、銅により形成する。また、レジスト層 500とし ては、例えば、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社製 AQ2558)を使用すること ができる。
それから、レジスト層 500を貫通孔構造 22dの配置に合わせて金属層 22e面にパタ ーンニングし、かつ、金属層 22b、 22e上に積層後の位置合わせ露光のためのマー クをパターニンングし、次いで金属層 22b、 22eも上記パターンニングに合わせて開 口する(図 9 (b)参照)。上記パターンユングは、例えば、所定のパターンの露光用マ スクを用レ、、露光量 60mjZcm2で真空密着露光を行い、その後に 1 %の炭酸ソーダ を用いて現像を行うことにより実施できる。また、金属層 22b、 22eの開口の形成は、 金属層 22b、 22eが銅である場合には、例えば、塩ィ匕第二鉄液にてエッチングするこ とにより実施できる。
次に、例えば、 3。/0の水酸化ナトリウム水溶液などでレジスト層 500を除去し、厚さ 5 0 μ mの液晶ポリマー製の板状の絶縁層 22a_ 2の片面に平面状の金属層 22cを被 覆した 2層材を、高温真空下で熱プレスし接着させて積層する(図 9 (c)〜(d)参照) 。なお、上記した積層の手法は、熱プレスに限られるものではなぐ適宜の接着剤な どを用いてもよい。
それから、再度レジスト層 500を貫通孔構造 22dの配置に合わせてパターンユング し、次いで金属層 22b、 22cも上記パターンユングに合わせて開口する(図 9 (d)参照 )。上記パターンユングは、例えば、所定のパターンの露光用マスクを用レ、、露光量 6 OmjZcm2で真空密着露光を行い、その後に 1 %の炭酸ソーダを用いて現像を行う ことにより実施できる。また、金属層 22b、 22cの開口の形成は、金属層 22b、 22cが 銅である場合には、例えば、塩化第二鉄液にてエッチングすることにより実施できる。 次に、例えば、 3%の水酸化ナトリウム水溶液などでレジスト層 500を除去し、 CO
2 レーザーなどのレーザー光を照射して、絶縁層 22a _ l、 22a _ 2を除去して貫通さ せ、貫通孔構造 22dを形成する(図 9 (f)参照)。
レーザー光により絶縁層 22a— 1、 22a— 2を除去して貫通させる場合、貫通孔構 造 22dの壁が金属層 22b、 22e、 22cの平面に垂直になる方向にレーザー光を照射 する。
なお、図 9 (f)に示す工程で形成された貫通孔構造 22dの壁は、表面仕上げ工程 により表面粗度を向上させることが好ましい。これにより、ガス電子増幅器の動作中に 貫通孔構造 22dの壁に電荷蓄積性の堆積物が発生することを抑制できる。
こうした表面仕上げ工程は、ガス比 SF : 0. 05、 N : 0. 10、〇 :1. 0、 RF出力 2.
6 2 2
IkWの条件にて、プラズマエッチングを表裏より 3分ずつ行い、貫通孔構造 22dの壁 に上記レーザー光の照射により付着した煤状の物質を除去する。
次に、過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶液などで貫通孔構造 22dの 壁の表面を処理し、表面の平滑度を向上させる。これにより、貫通孔構造 22dの壁の 表面粗度は 4 μ m以下となる。この過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶 液による表面処理は、例えば、メルテックス社製ェンプレート MLBホールタリーニン グプロセスにより実施できる。
上記のようなデスミア処理を行うことにより、貫通孔構造 22dの内壁の表面粗度を 4 z m以下にすることができる。また、貫通孔構造 22dの内壁に突出部が生じても、そ の高さを絶縁層 22a— 1、 22a— 2の厚さの 15%以下とすることができる。
[0031] なお、上記した実施の形態は、以下の(1)〜(3)に示すように変形することができる ものである。
(1)上記した第 2の実施の形態においては、金属層 22eを間に挟んで絶縁層 22a _ 1と絶縁層 22a_ 2との 2つの絶縁層を設けるようにした力 これに限られるもので はないことは勿論であり、金属層と絶縁層とを交互に積層するようにして、 3つ以上の 絶縁層を設けるようにしてもよい。
(2)上記した第 2の実施の形態においては、絶縁層 22a— 1と絶縁層 22a— 2との 厚さを同一としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、両者の厚さが異 なるようにしてもよい。要するに、各絶縁層の厚さの合計が、従来のガス電子増幅フォ ィルの絶縁層に比べて厚くなるようにすればょレ、。
(3)上記した実施の形態ならびに上記した(1)〜(2)に示す変形例は、適宜に組 み合わせるようにしてもよい。
産業上の利用可能性
[0032] 本発明は、医療画像診断分野における放射線量の低減化や宇宙放射線検出、生 化学分野などに利用されるものであり、具体的には、 X線線量モニター、医療用 X線 撮影装置 (マンモグラフィー、一般 X線撮影装置)、産業用非破壊検査装置、荷電粒 子飛跡検出器、宇宙 X線検出器、光検出イメージヤーあるいは低速中性子検出器な どに利用することができる。

Claims

請求の範囲
[1] 放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、 ガスを充填したチャンバ一と、
前記チャンバ一内に配置された単一のガス電子増幅フォイルと
を有し、
前記ガス電子増幅フォイルは、
厚さ 100〜300 μ m程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層と前記絶 縁層の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり 前記板状多層体には貫通孔構造が設けられた
ことを特徴とするガス電子増幅器。
[2] 放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、 ガスを充填したチャンバ一と、
前記チャンバ一内に配置された単一のガス電子増幅フオイルと
を有し、
前記ガス電子増幅フォイルは、
高分子ポリマー材料からなる板状の複数の絶縁層を平面状の金属層を間に形成 して積層した積層体と前記積層体の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構 成された板状多層体よりなり、
前記板状多層体には貫通孔構造が設けられた
ことを特徴とするガス電子増幅器。
[3] 請求項 2に記載のガス電子増幅器において、
前記複数の絶縁層の厚さの合計値は、 100-600 μ m程度である
ことを特徴とするガス電子増幅器。
[4] 放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器を使用した放 射,線検出器であって、
前記ガス電子増幅器は、請求項 1、 2または 3のいずれ力 1項に記載のガス電子増 幅器である ことを特徴とする放射線検出器。
[5] 放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス 電子増幅フォイルの製造方法において、
厚さ 100〜300 μ m程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平 面状の金属層を被覆し、
前記金属層を所定のパターンでエッチングし、
前記所定のパターンに従って、前記絶縁層を前記金属層の平面に垂直にレーザ 一光を照射して除去し、
前記金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、
前記金属層の表面および前記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にて デスミア処理する
ことを特徴とするガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法。
[6] 放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス 電子増幅フォイルの製造方法において、
厚さ 50〜300 μ m程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平 面状の金属層を被覆し、
前記金属層を所定のパターンでエッチングし、
前記金属層の片面または両面上に、厚さ 50〜300 μ m程度の高分子ポリマー材 料からなる板状の絶縁層の片面に平面状に金属層を被覆したものを積層し、 該積層されたものの最外面の金属層を、前記所定のパターンに従ってエッチングし 前記所定のパターンに従って、前記絶縁層の全てを前記最外面の金属層の平面 に垂直にレーザー光を照射して除去し、
前記最外面の金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、 前記金属層の表面および前記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にて デスミア処理する
ことを特徴とするガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法。
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