JP7342722B2 - 電子増幅器、検出素子及び検出装置 - Google Patents

電子増幅器、検出素子及び検出装置 Download PDF

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Description

本開示の実施形態は、電子増幅器、電子増幅器を備える検出素子、及び検出素子を備える検出装置に関する。
荷電粒子、ガンマ線、X線、中性子または紫外光等の電離放射線を検出する検出装置として、ガス電子増幅型の検出装置が知られている。検出装置においては、例えば特許文献1に開示されているように、電子増幅器(Gas Electron Multiplier : 略してGEM)が使用されている。特許文献1の電子増幅器は、絶縁性を有し、複数の貫通孔が設けられている基材と、基材の両面に位置する電極と、を備えている。検出対象の放射線が検出装置のチャンバ内に侵入すると、ガスの電子が電離される。電子増幅器が電子なだれ効果による電子増幅を行い、得られた電気信号を読み取ることにより、放射線を検出することができる。
特開2006-302844号公報
検出装置における放射線の検出精度を高める方法として、電子増幅器の電極の間に生じる電場を増加させて電子の増幅率を高めることが考えられる。しかしながら、電場を増加させると、負側の電極において放電が生じ易くなる。放電によって負側の電極から電子が発生すると、放射線の検出精度が低下してしまう。
放電は、突起などの局所的な変形部が電子増幅器の基材や電極に形成されている場合に特に発生し易くなると考えられる。従って、電場を増加させた場合に放電が生じることを抑制するためには、基材や電極に変形部が存在しないように電子増幅器を製造することが好ましい。しかしながら、変形部が無い電子増幅器を製造するには、高精度の製造技術が求められる。また、製造時の加工にはばらつきが不可避であるため、変形部が無い電子増幅器を製造するには、良品を選別することも求められる。これらのことにより、製造コストが上昇するという課題が生じる。
本開示の実施形態は、このような課題を効果的に解決し得る電子増幅器、検出素子及び検出装置を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、
表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
前記基材の前記裏面に位置する第1電極と、
前記基材の前記表面に位置し、前記基材の厚み方向において前記第1電極と少なくとも部分的に重なる第2電極と、を備え、
前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
前記第1誘電体層の比誘電率εr1と前記第2誘電体層の比誘電率εr2とが下記の関係を満たしている、
εr1<εr2
電子増幅器である。
本開示の一実施形態は、
表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
前記基材の前記裏面に位置する第1電極と、
前記基材の前記表面に位置し、前記基材の厚み方向において前記第1電極と少なくとも部分的に重なる第2電極と、を備え、
前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
前記第1誘電体層の比誘電率εr1及び導電率σと前記第2誘電体層の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の関係を満たしている、
εr1/σ>εr2/σ
電子増幅器である。
本開示の一実施形態による電子増幅器において、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層との間の界面は、前記表面よりも前記裏面に近接していてもよい。
本開示の一実施形態による電子増幅器において、前記第1誘電体層の厚みは、前記第2誘電体層の厚みよりも小さくてもよい。
本開示の一実施形態は、
上記記載の電子増幅器と、
前記電子増幅器の前記基材の前記裏面側に位置する収集電極基板と、を備え、
前記収集電極基板は、前記基材の厚み方向において前記貫通孔と少なくとも部分的に重なる複数の収集電極を含む、検出素子である。
本開示の一実施形態は、
表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
前記基材の前記貫通孔に位置する複数の第1電極と、
前記基材の前記表面に位置する第2電極と、
前記基材の前記表面側に位置し、前記第1電極に接続されている複数の収集電極と、を備え、
前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
前記第1誘電体層の比誘電率εr1と前記第2誘電体層の比誘電率εr2とが下記の関係を満たしている、
εr1<εr2
検出素子である。
本開示の一実施形態は、
表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
前記基材の前記貫通孔に位置する複数の第1電極と、
前記基材の前記表面に位置する第2電極と、
前記基材の前記表面側に位置し、前記第1電極に接続されている複数の収集電極と、を備え、
前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
前記第1誘電体層の比誘電率εr1及び導電率σと前記第2誘電体層の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の関係を満たしている、
εr1/σ>εr2/σ
検出素子である。
本開示の一実施形態による検出素子において、前記第1誘電体層は、前記貫通孔の壁面に沿って前記基材の厚み方向に広がっていてもよい。
本開示の一実施形態による検出素子において、前記第2誘電体層は、前記第1誘電体層の前記表面側の面と前記第2電極との間に位置していてもよい。この場合、前記基材の面内方向における前記第2誘電体層の端部が前記第1電極から離れていてもよい。若しくは、前記基材の面内方向における前記第2誘電体層の端部が前記第1電極に接していてもよい。
本開示の一実施形態は、
表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含む基材と、
前記基材の前記表面に位置し、第1方向に並ぶ複数の第1電極と、
前記基材の前記表面に位置し、前記第1方向において隣り合う2つの前記第1電極の間に位置する第2電極と、を備え、
前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
前記第1誘電体層の比誘電率εr1と前記第2誘電体層の比誘電率εr2とが下記の関係を満たしている、
εr1<εr2
検出素子である。
本開示の一実施形態は、
表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含む基材と、
前記基材の前記表面に位置し、第1方向に並ぶ複数の第1電極と、
前記基材の前記表面に位置し、前記第1方向において隣り合う2つの前記第1電極の間に位置する第2電極と、を備え、
前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
前記第1誘電体層の比誘電率εr1及び導電率σと前記第2誘電体層の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の関係を満たしている、
εr1/σ>εr2/σ
検出素子である。
本開示の一実施形態による検出素子において、前記第2誘電体層は、前記第1誘電体層の前記表面側の面と前記第2電極との間に位置していてもよい。
本開示の一実施形態は、
上記記載の検出素子と、
前記検出素子の前記基材の前記表面側に位置するドリフト電極と、を備える、検出装置である。
本開示の実施形態によれば、第2電極において放電が生じることを抑制しながら、電子の増幅率を高めることができる。
第1の実施形態に係る検出装置を示す断面図である。 検出装置の電子増幅器の一例を示す斜視図である。 検出装置の電子増幅器のその他の例を示す斜視図である。 電子増幅器と収集電極基板とを備える検出素子の一例を示す斜視図である。 検出装置の動作原理を説明するための図である。 図1の検出装置の電子増幅器を拡大して示す断面図である。 図6の検出素子に生じる電場の一例を示す図である。 第1の実施形態の第1変形例に係る検出装置を示す断面図である。 第2の実施形態に係る検出装置を示す断面図である。 図9の検出装置の検出素子を示す平面図である。 図9の検出装置の検出素子を拡大して示す断面図である。 検出素子の製造工程を示す図である。 検出素子の製造工程を示す図である。 検出素子の製造工程を示す図である。 第2の実施形態の第1変形例に係る検出素子を示す断面図である。 第2の実施形態の第2変形例に係る検出装置を示す断面図である。 図16の検出装置の検出素子を拡大して示す断面図である。 第2の実施形態の第3変形例に係る検出装置を示す断面図である。 図18の検出装置の検出素子を拡大して示す断面図である。 検出素子の製造工程を示す図である。 検出素子の製造工程を示す図である。 第3の実施形態に係る検出装置を示す断面図である。 図22の検出装置の検出素子を示す平面図である。 図22の検出装置の検出素子を拡大して示す断面図である。 第3の実施形態の第1変形例に係る検出素子を示す断面図である。
第1の実施の形態
以下、本開示の第1の実施形態に係る検出装置10の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」や「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
以下、本開示の実施の形態について説明する。まず、検出装置10の概要について説明する。図1は、検出装置10を示す断面図である。
検出装置10は、チャンバ12と、チャンバ12内に位置するドリフト電極15及び検出素子20と、を備える。チャンバ12の内部には、アルゴンやキセノンなどの希ガスが少なくとも収容されている。チャンバ12の内部には、希ガスに加えて、二酸化炭素やメタンなどの消光作用を有するクエンチングガスが収容されていてもよい。
検出素子20は、電子増幅器30及び収集電極基板40を備える。電子増幅器30は、基材35、第1電極31及び第2電極32を備える。図1に示すように、基材35は、ドリフト電極15側に位置する表面351と、表面351の反対側に位置する裏面352と、を含む。基材35には、表面351から裏面352に至る複数の貫通孔38が設けられている。第1電極31は、基材35の裏面352に位置している。第2電極32は、基材35の表面351に位置している。
図2は、電子増幅器30の一例を示す斜視図である。複数の貫通孔38は、基材35の面内方向における第1方向D1及び第2方向D2に沿って並んでいてもよい。第2方向D2は、第1方向D1とは異なる方向であり、例えば第1方向D1に直交する方向である。
電子増幅器30の第1電極31及び第2電極32との間には電圧が印加され、これにより、第1電極31側から第2電極32側へ向かう電場E1が生じる。この場合、第1電極31と第2電極32との間に位置する基材35は、誘電体として機能する。
第1電極31と第2電極32とは、基材35の厚み方向において少なくとも部分的に重なっている。図2に示すように、第2電極32は、基材35の表面351において、第1方向D1及び第2方向D2に並ぶ複数の貫通孔38を平面視で囲うように連続的に広がっていてもよい。同様に、第1電極31も、基材35の裏面352において、第1方向D1及び第2方向D2に並ぶ複数の貫通孔38を平面視で囲うように連続的に広がっていてもよい。
図3は、電子増幅器30のその他の例を示す斜視図である。図3に示すように、第2電極32は、第1方向D1に並ぶ複数の貫通孔38を平面視で囲うように第1方向D1に延びていてもよい。また、複数の第2電極32が第2方向D2に並んでいてもよい。同様に、第1電極31も、第1方向D1に並ぶ複数の貫通孔38を平面視で囲うように第1方向D1に延びていてもよい。また、複数の第1電極31が第2方向D2に並んでいてもよい。
基材35の表面351と裏面352とは、判別可能に構成されていてもよい。例えば図2及び図3に示すように、基材35の表面351には第1マーク391が形成され、基材35の裏面352には第2マーク392が形成されていてもよい。第1マーク391と第2マーク392とは、互いに異なる要素を含んでいる。例えば、第1マーク391及び第2マーク392は、異なる文字を含んでいる。このため、使用者は、基材35の表面351と裏面352とを判別することができる。
図示はしないが、基材35は、第1マーク391を含むが第2マーク392を含んでいなくてもよい。この場合、使用者は、第1マーク391が存在する側の面を表面351として判別することができる。また、基材35は、第2マーク392を含むが第1マーク391を含んでいなくてもよい。この場合、使用者は、第2マーク392が存在する側の面を裏面352として判別することができる。
第1マーク391及び第2マーク392の構造は任意である。例えば、第1マーク391は、第2電極32をエッチング加工することによって形成された要素であってもよい。同様に、第2マーク392は、第1電極31をエッチング加工することによって形成された要素であってもよい.
図4は、電子増幅器30と収集電極基板40とを備える検出素子20の一例を示す斜視図である。図4に示すように、収集電極基板40は、電子増幅器30の基材35の裏面352側に位置している。収集電極基板40は、電子増幅器30の基材35の厚み方向において貫通孔38と少なくとも部分的に重なる複数の収集電極41を含んでいてもよい。電子増幅器30の貫通孔38において増幅された電子は、収集電極41によって検出される。
貫通孔38と収集電極41との対応関係は任意である。例えば、1つの貫通孔38につき1つの収集電極41が存在していてもよく、複数の貫通孔38につき1つの収集電極41が存在していてもよい。複数の収集電極41は、支持基板42によって支持されていてもよい。
図5は、検出装置10の動作原理を説明するための図である。検出素子20の第2電極32の電位はドリフト電極15の電位よりも高い。このため、ドリフト電極15と検出素子20の第2電極32との間には、図5に示す電場E2が生じる。ドリフト電極15と検出素子20との間には、チャンバ12内に侵入した放射線Lとガスとの相互作用により電子雲が形成される。電子雲の各電子は、電場E2により検出素子20側へ引き寄せられる。
また、第1電極31の電位は第2電極32の電位よりも高い。このため、第1電極31と第2電極32との間には、図5に示す電場E1が生じる。検出素子20に引き寄せられた電子は、電子増幅器30の第1電極31と第2電極32の間の電場E1により、第1電極31側へ引き寄せられる。貫通孔38内の電場E1は、ドリフト電極15と第2電極32との間の電場E2よりも強い。
引き寄せられた電子はガスと衝突し、ガスを電離させる。電離された電子は、貫通孔38の内部の電場E1により雪崩的に増幅しながら、電子群として第1電極31側に引き寄せられる。貫通孔38を通過した電子は、収集電極41によって収集され、電気信号として読み出される。電気信号は、例えば、収集電極41に接続された図示しない配線基板を介してチャンバ12の外部に読み出される。
チャンバ12内を放射線が通過すると、例えば図5に示すように、チャンバ12内の各位置で電子e1~e4が順に発生する。電子e1~e4はそれぞれ、対応する貫通孔38で増幅された後、対応する収集電極41によって収集される。各収集電極41において読み出される電気信号に基づいて、例えば、基材35の面内方向における放射線Lの飛跡を算出することができる。
ところで、検出素子20における電子の増幅率は、第1電極31と第2電極32との間の電場が強いほど高くなる。一方、電場を増加させると、第2電極32において放電が生じ易くなる。放電によって第2電極32から電子が発生し、この電子が検出素子20によって検出されると、放射線Lに起因する電子の検出精度が低下してしまう。
このような課題を考慮し、本実施の形態においては、少なくとも2種類の誘電体層を用いて基材35を構成することを提案する。これにより、第1電極31と第2電極32との間に発生する電場の強さを位置に応じて調整することが可能になる。例えば、第1電極31の周囲における電場を、第2電極32の周囲における電場に比べて強くすることができる。これにより、第2電極32において放電が発生することを抑制しながら、第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高めることができる。
以下、本実施の形態に係る検出素子20について詳細に説明する。図6は、検出素子20の電子増幅器30を拡大して示す断面図である。
図6に示すように、検出素子20の電子増幅器30の基材35は、基材35の厚み方向において積層されている第1誘電体層36及び第2誘電体層37を少なくとも含んでいる。第1誘電体層36は、第1電極31に電気的に接続されている。第1誘電体層36は、第1電極31に接していてもよい。若しくは、図示はしないが、第1誘電体層36と第1電極31との間に導電層が介在されていてもよい。
第2誘電体層37は、基材35の厚み方向において第1誘電体層36と第2電極32との間に位置している。第2誘電体層37は、第1誘電体層36に電気的に接続されている。第2誘電体層37は、第1誘電体層36に接していてもよい。若しくは、図示はしないが、第2誘電体層37と第1誘電体層36との間に導電層が介在されていてもよい。この場合の導電層は、外部から電位が供給されていないフローティング状態の導電層である。
以下の説明において、第1誘電体層36の比誘電率を符号εr1で表し、第2誘電体層37の比誘電率を符号εr2で表す。本実施の形態においては、下記の式(1)で表される関係が満たされている。
εr1<εr2・・・(1)
図7は、図6の検出素子20の貫通孔38に生じる電場E1の一例を示す断面図である。図7の点線は等電位面を表している。電場E1は、等電位面の間隔が狭いほど強くなる。
一般に、電場は、電気力線の密度である電束密度Dと下記の関係を有する。
E=D/ε
εは、2つの電極の間に位置する誘電体の誘電率である。
本実施の形態においては、上述の式(1)のとおり、第1誘電体層36の比誘電率εr1が第2誘電体層37の比誘電率εr2よりも小さい。このため、図7に示すように、貫通孔38の内部においては、第1誘電体層36によって囲まれている空間の電場E1が、第2誘電体層37によって囲まれている空間の電場E1に比べて強くなる。これにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させることができる。このため、例えば、基材35が単一の誘電体層によって構成されている従来の電子増幅器30と比較して、第1電極31と第2電極32の間の電位差が同一であったとしても、電子の増幅率を高くすることができる。また、第2電極32側に位置する第2誘電体層37の比誘電率εr2を大きくすることにより、第2電極32の周囲における電場E1を抑制することができる。これらのことにより、本実施の形態によれば、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、第2電極32において放電が生じることを抑制できるので、従来の電子増幅器30と比較して、第1電極31と第2電極32の間の電位差を大きく設定することができる。これにより、電子の増幅率を更に高めることができる。
以下、検出素子20の具体的な構造の例について説明する。
(基材)
図6において、符号T1及びT2はそれぞれ第1誘電体層36の厚み及び第2誘電体層37の厚みを表している。また、符号Tは、基材35全体の厚みを表している。好ましくは、第1誘電体層36の厚みT1は、第2誘電体層37の厚みT2よりも小さい。これにより、第1誘電体層36と第2誘電体層37との間の界面を、基材35の表面351よりも裏面352に近接させることができる。すなわち、界面と裏面352との間の距離を、界面と表面351との間の距離よりも小さくすることができる。これにより、貫通孔38において電場が強められる空間を第2電極32から遠ざけることができる。このため、第2電極32において放電が生じることを抑制することができる。
基材35の厚みTは、30μm以上であってもよく、50μm以上であってもよい。また、基材35の厚みTは、1mm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。基材35の厚みTは、例えば50μmである。
第1誘電体層36の厚みT1は、1μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、第1誘電体層36の厚みT1は、900μm以下であってもよく、90μm以下であってもよい。第1誘電体層36の厚みT1は、例えば10μmである。
第2誘電体層37の厚みT2は、1μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、第2誘電体層37の厚みT2は、900μm以下であってもよく、90μm以下であってもよい。第2誘電体層37の厚みT2は、例えば40μmである。
第1誘電体層36の厚みT1に対する第2誘電体層37の厚みT2の比であるT2/T1は、1以上であってもよく、1を超えていてもよい。これにより、放電が生じることを抑制することができる。また、T2/T1が大きくなるにしたがって、第1電極31の周囲における電場を強くすることができる。また、T2/T1は、1以下であってもよく、1未満であってもよい。この場合も、放電が生じることを抑制することができる。また、T2/T1が小さくなるにしたがって、動きの遅いガス元素イオンを速やかに元の元素に戻すことができる。T2/T1は、例えば4である。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、絶縁性を有する様々な材料により構成され得る。第1誘電体層36及び第2誘電体層37の材料は、有機材料であってもよく、無機材料であってもよく、両者の組み合わせであってもよい。
無機材料としては、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si3N4)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、シリコンカーバイト(SiC)、窒化シリコンカーバイト(SiCN)、炭素添加シリコンオキサイド(SiCO)、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。
有機材料としては、ポリイミド、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。また、これらの有機材料の層の中に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等の無機材料からなるフィラーが包含されていてもよい。
第1誘電体層36の比誘電率εr1は、1以上であってもよく、3以上であってもよい。また、第1誘電体層36の比誘電率εr1は、6以下であってもよく、4以下であってもよい。
第2誘電体層37の比誘電率εr2は、2以上であってもよく、4以上であってもよい。また、第2誘電体層37の比誘電率εr2は、10以下であってもよく、8以下であってもよい。
第1誘電体層36の比誘電率εr1と第2誘電体層37の比誘電率εr2の差は、0.5以上であってもよく、1.0以上であってもよく、1.5以上であってもよい。また、第1誘電体層36の比誘電率εr1と第2誘電体層37の比誘電率εr2の差は、10以下であってもよく、5以下であってもよく、3以下であってもよい。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の構成の具体例を以下に示す。
・第1誘電体層:厚み10μmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2
・第2誘電体層:厚み40μmのエポキシ樹脂、比誘電率εr2=4.8
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の比誘電率を測定する測定器としては、インピーダンスアナライザなどを利用でき、例えばキーサイト社製のE4990Aを用いることができる。また、第1誘電体層36及び第2誘電体層37の厚みを測定する測定器としては、分光干渉計などを利用でき、例えばキーエンス社製SI-Tシリーズを用いることができる。
図6に示すように、基材35の第2誘電体層37は第2電極32に接していてもよい。若しくは、図示はしないが、基材35は、第2誘電体層37と第2電極32との間に位置するその他の誘電体層を含んでいてもよい。後述する第2の実施の形態及び第3の実施の形態においても同様である。
基材35の面内方向における貫通孔38の寸法は、10μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。また、貫通孔38の寸法は、200μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。貫通孔38の寸法は、例えば70μmである。また、第1方向D1及び第2方向D2に並ぶ複数の貫通孔38のピッチは、例えば140μmである。
(第1電極及び第2電極)
第1電極31及び第2電極32は、導電性を有する様々な材料により構成され得る。第1電極31及び第2電極32の材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)等の金属またはこれらを用いた合金などを用いることができる。また、第1電極31及び第2電極32の材料として、導電性ポリマーなどの有機導電体、カーボンナノチューブ(CNT)などの導電繊維などを用いることもできる。
第1電極31及び第2電極32の厚みは、1μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、第1電極31及び第2電極32の厚みは、50μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。第1電極31及び第2電極32の厚みは、例えば5μmである。
第1電極31の材料や厚みなどの構成は、第2電極32の材料や厚みなどの構成と同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、上述した第1の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
図8は、第1変形例に係る検出装置10を示す断面図である。検出素子20は、ドリフト電極15と収集電極基板40との間に並ぶ複数の電子増幅器30を備えていてもよい。例えば図8に示すように、検出素子20は、第1の電子増幅器30と、第1の電子増幅器30と収集電極基板40との間に位置する第2の電子増幅器30と、を備えていてもよい。図8に示すように、第1の電子増幅器30の貫通孔38と第2の電子増幅器30の貫通孔38とは、基材35の厚み方向において重なっていてもよい。これにより、第1の電子増幅器30の貫通孔38を通った電子が、第2の電子増幅器30の貫通孔38に侵入し易くなる。第1の電子増幅器30の構成と第2の電子増幅器30の構成とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第1の電子増幅器30を構成する第1誘電体層及び第2誘電体層の材料又は厚みは、第2の電子増幅器30を構成する第1誘電体層及び第2誘電体層の材料又は厚みと同一であってもよく、異なっていてもよい。
(第2変形例)
上述の実施の形態においては、上述の式(1)のとおり、第1誘電体層36の比誘電率εr1が第2誘電体層37の比誘電率εr2よりも小さい例を示した。本変形例においては、第1誘電体層36の比誘電率εr1及び導電率σと第2誘電体層37の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の式(2)の関係を満たしている場合について説明する。
εr1/σ>εr2/σ・・・(2)
なお、本変形例に係る検出装置10の、図面に現れる構成は、上述の第1の実施の形態に係る検出装置10の場合と同一である。
εr1/σとεr2/σが異なっている場合、Maxwell-Wagner効果により、第1誘電体層36と第2誘電体層37との間の界面に電荷が溜まる。上述の式(2)が満たされ、且つ第1電極31の電位が第2電極32の電位よりも高い場合、第1誘電体層36と第2誘電体層37との間の界面には負の電荷が溜まる。この結果、界面に電荷が溜まっていない場合に比べて、第1誘電体層36での電場E1が強められる。このことは、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、第1誘電体層36の実効的な誘電率が小さくなり、第2誘電体層37の実効的な誘電率が大きくなったことに相当する。
本変形例においても、上述の式(2)を満たすことにより、貫通孔38の内部においては、第1誘電体層36によって囲まれている空間の電場E1が、第2誘電体層37によって囲まれている空間の電場E1に比べて強くなる。これにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高くすることができる。このため、本変形例においても、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
誘電体層の比誘電率は、誘電体層に添加されている副次的な材料によってはあまり変化しない。一方、誘電体層の導電率は、誘電体層に添加されている副次的な材料によって大きく変化し得る。例えば、第1誘電体層36の導電率は、第1誘電体層36を構成する有機材料の層の中に包含されている導電性フィラー、導電性高分子、導電性金属微粒子、イオンなどによって大きく変化し得る。第2誘電体層37も同様である。このため、上述の式(2)を満たすように第1誘電体層36及び第2誘電体層37を構成することの方が、上述の式(1)を満たすように第1誘電体層36及び第2誘電体層37を構成することに比べて容易であり得る。
第1誘電体層36の導電率σは、第2誘電体層37の導電率σよりも小さいことが好ましい。第1誘電体層36の導電率σは、1×10-18S/m以上であってもよく、1×10-17S/m以上であってもよい。また、第1誘電体層36の導電率σは、1×10-10S/m以下であってもよく、1×10-15S/m以下であってもよい。
第2誘電体層37の導電率σは、1×10-15S/m以上であってもよく、1×10-14S/m以上であってもよい。また、第2誘電体層37の導電率σは、1×10-10S/m以下であってもよく、1×10-12S/m以下であってもよい。
第1誘電体層36の比誘電率εr1と第2誘電体層37の比誘電率εr2とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第1誘電体層36の比誘電率εr1と第2誘電体層37の比誘電率εr2の差は、2以下であってもよく、1以下であってもよく、0.5以下であってもよい。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の構成の具体例を以下に示す。
・第1誘電体層:厚み10μmの液晶ポリマー、比誘電率εr2=3.3、導電率σ=3×10-17S/m
・第2誘電体層:厚み40μmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2、導電率σ=1×10-14S/m
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の導電率を測定する測定器としては、例えば日置電機製の超絶縁計SM7110を用いることができる。
本変形例においては、上述の式(2)に加えて上述の式(1)が満たされていてもよい。若しくは、上述の式(2)は満たされているが上述の式(1)は満たされていなくてもよい。
なお、上述の第1の実施の形態においては、上述の式(1)に加えて上述の式(2)が満たされていてもよい。若しくは、上述の式(1)は満たされているが上述の式(2)は満たされていなくてもよい。
なお、上述した第1の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図9は、検出装置10を示す断面図である。検出素子20は、基材35、複数の第1電極31、複数の第2電極32、複数の裏面配線33及び複数の収集電極41を備える。第1電極31は、基材35の貫通孔38に位置している。第2電極32は、基材35の表面351に位置している。裏面配線33は、基材35の裏面352側に位置し、第1電極31の裏面352側の端部に電気的に接続されている。収集電極41は、基材35の表面351側に位置し、第1電極31の表面351側の端部に電気的に接続されている。基材35の面内方向において、収集電極41の寸法は、第1電極31の寸法よりも大きくてもよい。
本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、第1電極31の電位は第2電極32の電位よりも高い。このため、第1電極31と第2電極32との間には、第1電極31側から第2電極32側に向かう電場が生じる。ドリフト電極15と第2電極32との間の電場により検出素子20に引き寄せられた電子は、第1電極31と第2電極32との間の電場により、第1電極31側へ引き寄せられて収集電極41に到達する。
図10は、図9の検出素子20を表面351側から見た場合を示す平面図である。図10に示すように、複数の第2電極32は、第1方向D1に並んでいてもよい。第2電極32には、第2方向D2に並ぶ複数の開口321が形成されていてもよい。複数の収集電極41及び収集電極41に接続されている第1電極31は、平面視において第2電極32の開口321に位置していてもよい。
図10において、基材35の裏面352側に位置する裏面配線33が点線で示されている。複数の裏面配線33は、第2方向D2に並んでいてもよい。図9及び図10に示すように、裏面配線33は、第1方向D1に並ぶ複数の第1電極31に電気的に接続されていてもよい。
図10に示すように、複数の収集電極41及び収集電極41に接続されている第1電極31は、第2電極32が延びる第2方向D2及び裏面配線33が延びる第1方向D1に沿ってマトリクス状に並んでいる。この場合、複数の第2電極32の電気信号及び複数の裏面配線33の電気信号をそれぞれ読み出すことにより、各位置の収集電極41に到達する電子を検出することができる。
図11は、図9の検出素子20を拡大して示す断面図である。本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、基材35は、第1誘電体層36及び第2誘電体層37を少なくとも含んでいる。図11に示すように、第1誘電体層36は、貫通孔38の壁面に沿って基材35の厚み方向に広がっている。第1誘電体層36は、第1電極31に電気的に接続されている。第1誘電体層36は、第1電極31に接していてもよい。若しくは、図示はしないが、第1誘電体層36と第1電極31との間に導電層が介在されていてもよい。
第2誘電体層37は、平面視において貫通孔38及び第1誘電体層36を囲うように構成されている。第2誘電体層37の面が、基材35の表面351及び裏面352を構成していてもよい。
第2誘電体層37は、第1誘電体層36に電気的に接続されている。第2誘電体層37は、第1誘電体層36に接していてもよい。若しくは、図示はしないが、第2誘電体層37と第1誘電体層36との間に導電層が介在されていてもよい。この場合の導電層は、外部から電位が供給されていないフローティング状態の導電層である。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、第1の実施の形態の場合と同様に、上述の式(1)を満たしていてもよい。また、第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、第1の実施の形態の第2変形例の場合と同様に、上述の式(2)を満たしていてもよい。第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、上述の式(1)及び式(2)の両方を満たしていてもよく、いずれか一方のみを満たしていてもよい。
本実施の形態においても、上述の式(1)又は(2)を満たすことにより、第1誘電体層36の周囲の電場を、第2誘電体層37の周囲の電場に比べて強くすることができる。これにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高くすることができる。このため、本実施の形態においても、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
以下、検出素子20の具体的な構造の例について説明する。なお、特に断らない限り、本実施の形態の検出素子20の各構成要素においても、第1の実施の形態の検出素子20の各構成要素と同様の材料及び寸法が採用され得る。
図11において、符号W1は、基材35の面内方向における第1誘電体層36の幅を表す。第1誘電体層36の幅W1は、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、第1誘電体層36の幅W1は、200μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。第1誘電体層36の幅W1は、例えば10μmである。
図11において、符号S1は、基材35の面内方向における第1電極31と第2電極32との間の距離を表す。第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、第1誘電体層36の幅W1よりも大きくてもよい。第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、50μm以上であってもよく、80μm以上であってもよい。また、第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、500μm以下であってもよく、200μm以下であってもよい。第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、例えば95μmである。
第2誘電体層37の厚みT2は、100μm以上であってもよく、400μm以上であってもよい。また、第2誘電体層37の厚みT2は、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。第2誘電体層37の厚みT2は、例えば400μmである。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の構成の具体例を以下に示す。
(式(1)を満たす例)
・第1誘電体層:幅10μmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2
・第2誘電体層:厚み400μmのエポキシ樹脂、比誘電率εr2=4.8
(式(2)を満たす例)
・第1誘電体層:幅10μmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2、導電率σ=1×10-14S/m
・第2誘電体層:厚み400μmのホウ珪酸ガラス、比誘電率εr2=5.8、導電率σ=2.5×10-13S/m
(検出素子の製造方法)
次に、検出素子20の製造方法について説明する。図12~図14は、検出素子20の製造工程の一例を示す図である。
まず、板状の第2誘電体層37を準備する。続いて、図12に示すように、第2誘電体層37を加工して貫通孔38を形成する。貫通孔38を形成する方法としては、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、レーザー加工法、メカニカルドリル加工法などを用いることができる。
続いて、図13に示すように、第2誘電体層37の表面、裏面及び貫通孔38の壁面に第1誘電体層36を形成する。第1誘電体層36を形成する方法としては、コーティング法、CVD法、スパッタリング法などを用いることができる。
続いて、図14に示すように、第2誘電体層37の表面及び裏面に位置する第1誘電体層36を除去する。第1誘電体層36を除去する方法としては、機械的研磨法、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、あるいはこれら方式を組み合せた加工方法などを用いることができる。これによって、第2誘電体層37と、第2誘電体層37の貫通孔38の壁面に沿って厚み方向に広がる第1誘電体層36と、を含む基材35を得ることができる。
その後、基材35に上述の第1電極31、第2電極32、裏面配線33及び収集電極41を形成する。このようにして、検出素子20を製造することができる。
なお、上述した第2の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第2の実施の形態と同様に構成され得る部分について、第2の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、第2の実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
上述した第2の実施の形態においては、第1電極31が、基材35の貫通孔38に充填されている導電材料を含む、いわゆるフィルドビアである例を示した。しかしながら、第1電極31が貫通孔38の壁面に沿って基材35の厚み方向に広がる限りにおいて、第1電極31の具体的な構造は特には限られない。例えば図15に示すように、第1電極31は、貫通孔38の壁面に沿って広がる導電層を含んでいてもよい。
(第2変形例)
図16は、第2変形例に係る検出装置10を示す断面図である。図17は、図16の検出装置10の検出素子20を拡大して示す断面図である。図16及び図17に示すように、基材35は、複数の貫通孔38が設けられている第1誘電体層36と、第1誘電体層36の表面に位置する第2誘電体層37と、を含んでいてもよい。第1誘電体層36の貫通孔38には第1電極31が位置している。第1電極31の表面351側の端部には収集電極41が電気的に接続されている。第2誘電体層37上には第2電極32が位置している。言い換えると、第2誘電体層37は、第1誘電体層36の表面351側の面と第2電極32との間に位置している。図16に示すように、基材35の面内方向における第2誘電体層37の端部は、平面視において第1電極31及び収集電極41から離れている。
本変形例においても、上述の式(1)又は(2)を満たすことにより、第1誘電体層36の周囲の電場を、第2誘電体層37の周囲の電場に比べて強くすることができる。これにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高くすることができる。このため、本変形例においても、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
図17に示すように、第1誘電体層36の厚みT1は、第2誘電体層37の厚みT2よりも大きくてもよい。
第1誘電体層36の厚みT1は、100μm以上であってもよく、400μm以上であってもよい。また、第1誘電体層36の厚みT1は、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。第1誘電体層36の厚みT1は、例えば400μmである。
第2誘電体層37の厚みT2は、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、第2誘電体層37の厚みT2は、200μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。第2誘電体層37の厚みT2は、例えば10μmである。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の構成の具体例を以下に示す。
(式(1)を満たす例)
・第1誘電体層:厚み400μmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2
・第2誘電体層:厚み10μmのエポキシ樹脂、比誘電率εr2=4.8
(式(2)を満たす例)
・第1誘電体層:厚み400μmの液晶ポリマー、比誘電率εr1=3.3、導電率σ=3×10-17S/m
・第2誘電体層:厚み10μmのポリイミド、比誘電率εr2=3.2、導電率σ=1×10-14S/m
(第3変形例)
第2変形例においては、基材35の面内方向における第2誘電体層37の端部が平面視において第1電極31及び収集電極41から離れている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、基材35の面内方向における第2誘電体層37の端部が平面視において第1電極31又は収集電極41に接していてもよい。図18は、第3変形例に係る検出装置10を示す断面図である。図19は、図18の検出装置10の検出素子20を拡大して示す断面図である。
図18及び図19に示すように、基材35は、第1誘電体層36と、第1誘電体層36の表面351側の面に位置する第2誘電体層37と、を含んでいてもよい。また、貫通孔38は、第1誘電体層36及び第2誘電体層37を貫通するように設けられていてもよい。これにより、基材35の面内方向における第2誘電体層37の端部が、貫通孔38に位置する第1電極31に接することができる。
本変形例においても、上述の式(1)又は(2)を満たすことにより、第1誘電体層36の周囲の電場を、第2誘電体層37の周囲の電場に比べて強くすることができる。これにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高くすることができる。このため、本変形例においても、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
図19に示すように、第1誘電体層36の厚みT1は、第2誘電体層37の厚みT2よりも大きくてもよい。
第1誘電体層36の厚みT1は、100μm以上であってもよく、400μm以上であってもよい。また、第1誘電体層36の厚みT1は、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。第1誘電体層36の厚みT1は、例えば400μmである。
第2誘電体層37の厚みT2は、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、第2誘電体層37の厚みT2は、200μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。第2誘電体層37の厚みT2は、例えば10μmである。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の構成の具体例を以下に示す。
(式(1)を満たす例)
・第1誘電体層:厚み400μmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2
・第2誘電体層:厚み10μmのエポキシ樹脂、比誘電率εr2=4.8
(式(2)を満たす例)
・第1誘電体層:厚み400μmの液晶ポリマー、比誘電率εr1=3.3、導電率σ=3×10-17S/m
・第2誘電体層:厚み10μmのポリイミド、比誘電率εr2=3.2、導電率σ=1×10-14S/m
(検出素子の製造方法)
次に、検出素子20の製造方法について説明する。図20及び図21は、検出素子20の製造工程の一例を示す図である。
まず、板状の第1誘電体層36を準備する。続いて、図20に示すように、第1誘電体層36の表面351側の面に第2誘電体層37を形成する。第2誘電体層37を形成する方法としては、コーティング法、CVD法、スパッタリング法などを用いることができる。また、第1誘電体層36の表面351側の面にフィルムをラミネート加工するなどにより、第2誘電体層37を構成してもよい。
続いて、図21に示すように、第1誘電体層36及び第2誘電体層37の積層体を加工して貫通孔38を形成する。これによって、図18及び図19に示す検出素子20の基材35を得ることができる。
その後、基材35に上述の第1電極31、第2電極32、裏面配線33及び収集電極41を形成する。このようにして、検出素子20を製造することができる。本変形例によれば、上述の第2変形例の場合に比べて少ない工程で検出素子20を製造することができる。
なお、上述した第2の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第3の実施の形態
次に、本開示の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図22は、検出装置10を示す断面図である。検出素子20は、基材35、複数の第1電極31、及び複数の第2電極32を備える。第1電極31及び第2電極32はいずれも、基材35の表面351に位置している。
図23は、図22の検出素子20を表面351側から見た場合を示す平面図である。図23に示すように、複数の第1電極31は、第1方向D1に並び、第2方向D2に延びていてもよい。また、第2電極32は、第1方向D1において隣り合う2つの第1電極31の間に位置していてもよい。
本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、第1電極31の電位は第2電極32の電位よりも高い。このため、第1電極31と第2電極32との間には、第1電極31側から第2電極32側に向かう電場が生じる。ドリフト電極15と第2電極32との間の電場により検出素子20に引き寄せられた電子は、第1電極31と第2電極32との間の電場により、第1電極31側へ引き寄せられて第1電極31に到達する。本実施の形態においては、第1電極31が収集電極41としても機能する。
図24は、図22の検出素子20を拡大して示す断面図である。本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、基材35は、第1誘電体層36及び第2誘電体層37を少なくとも含んでいる。
第1誘電体層36は、第1電極31に電気的に接続されている。例えば、第1誘電体層36の表面351側の面に第1電極31が位置している。第1誘電体層36は、第1電極31に接していてもよい。若しくは、図示はしないが、第1誘電体層36と第1電極31との間に導電層が介在されていてもよい。
第2誘電体層37は、第1誘電体層36の表面351側の面に位置している。第2誘電体層37上には第2電極32が位置している。言い換えると、第2誘電体層37は、第1誘電体層36の表面351側の面と第2電極32との間に位置している。図24に示すように、基材35の面内方向における第2誘電体層37の端部は、平面視において第1電極31から離れている。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、第1の実施の形態の場合と同様に、上述の式(1)を満たしていてもよい。また、第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、第1の実施の形態の第2変形例の場合と同様に、上述の式(2)を満たしていてもよい。第1誘電体層36及び第2誘電体層37は、上述の式(1)及び式(2)の両方を満たしていてもよく、いずれか一方のみを満たしていてもよい。
本実施の形態においても、上述の式(1)又は(2)を満たすことにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲の電場を、第2電極32の周囲の電場に比べて強くすることができる。これにより、第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高くすることができる。このため、本実施の形態においても、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
以下、検出素子20の具体的な構造の例について説明する。なお、特に断らない限り、本実施の形態の検出素子20の各構成要素においても、第1の実施の形態の検出素子20の各構成要素と同様の材料及び寸法が採用され得る。
図23に示すように、第1方向D1において、第1電極31の幅W3は、第2電極32の幅W4よりも小さくてもよい。
第1電極31の幅W3は、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、第1電極31の幅W3は、20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。第1電極31の幅W3は、例えば5μmである。
第2電極32の幅W4は、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。また、第2電極32の幅W4は、500μm以下であってもよく、200μm以下であってもよい。第2電極32の幅W4は、例えば150μmである。
図24に示すように、第1誘電体層36の厚みT1は、第2誘電体層37の厚みT2よりも大きくてもよい。
第1誘電体層36の厚みT1は、100μm以上であってもよく、400μm以上であってもよい。また、第1誘電体層36の厚みT1は、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。第1誘電体層36の厚みT1は、例えば1mmである。
第2誘電体層37の厚みT2は、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、第2誘電体層37の厚みT2は、200μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。第2誘電体層37の厚みT2は、例えば10μmである。
基材35の面内方向における第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、第2誘電体層37の厚みT2よりも大きくてもよい。第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。また、第1電極31と第2電極32との間の距離S1は、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
第1誘電体層36及び第2誘電体層37の構成の具体例を以下に示す。
(式(1)を満たす例)
・第1誘電体層:厚み1mmのポリイミド、比誘電率εr1=3.2
・第2誘電体層:厚み400μmのエポキシ樹脂、比誘電率εr2=4.8
(式(2)を満たす例)
・第1誘電体層:厚み400μmの液晶ポリマー、比誘電率εr1=3.3、導電率σ=3×10-17S/m
・第2誘電体層:厚み10μmのポリイミド、比誘電率εr2=3.2、導電率σ=1×10-14S/m
なお、上述した第3の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第3の実施の形態と同様に構成され得る部分について、第3の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、第3の実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
上述した第3の実施の形態においては、第1誘電体層36の厚みT1が第2誘電体層37の厚みT2よりも大きい例を示した。例えば、第1誘電体層36が基材35の大部分を占めている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第2誘電体層37の厚みT2が第1誘電体層36の厚みT1よりも大きくてもよい。例えば、第2誘電体層37が基材35の大部分を占めていてもよい。
図25は、第1変形例に係る検出素子20を示す断面図である。図25に示すように、第1誘電体層36は、第2誘電体層37の表面351側の面に位置していてもよい。第1誘電体層36上には第1電極31が位置していてもよい。言い換えると、第1誘電体層36は、第2誘電体層37の表面351側の面と第1電極31との間に位置していてもよい。
図25に示すように、第2誘電体層37の表面351側の面に第2電極32が位置していてもよい。図25に示すように、基材35の面内方向における第1誘電体層36の端部は、平面視において第2電極32から離れている。
本変形例においても、上述の式(1)又は(2)を満たすことにより、第1誘電体層36の周囲の電場を、第2誘電体層37の周囲の電場に比べて強くすることができる。これにより、第1誘電体層36が接続されている第1電極31の周囲において電子を雪崩的に増幅させて、電子の増幅率を高くすることができる。このため、本変形例においても、第2電極32において放電が生じることを抑制しながら、電子の検出精度を向上させることができる。
10 検出装置
12 チャンバ
15 ドリフト電極
20 検出素子
30 電子増幅器
31 第1電極
32 第2電極
33 裏面配線
35 基材
351 表面
352 裏面
36 第1誘電体層
37 第2誘電体層
38 貫通孔
391 第1マーク
392 第2マーク
40 収集電極基板
41 収集電極
42 支持基板

Claims (15)

  1. 表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
    前記基材の前記裏面に位置する第1電極と、
    前記基材の前記表面に位置し、前記基材の厚み方向において前記第1電極と少なくとも部分的に重なる第2電極と、を備え、
    前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
    前記第1誘電体層の比誘電率εr1と前記第2誘電体層の比誘電率εr2とが下記の関係を満たしている、
    εr1<εr2
    電子増幅器。
  2. 表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
    前記基材の前記裏面に位置する第1電極と、
    前記基材の前記表面に位置し、前記基材の厚み方向において前記第1電極と少なくとも部分的に重なる第2電極と、を備え、
    前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
    前記第1誘電体層の比誘電率εr1及び導電率σと前記第2誘電体層の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の関係を満たしている、
    εr1/σ>εr2/σ
    電子増幅器。
  3. 前記第1誘電体層と前記第2誘電体層との間の界面は、前記表面よりも前記裏面に近接している、請求項1又は2に記載の電子増幅器。
  4. 前記第1誘電体層の厚みは、前記第2誘電体層の厚みよりも小さい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子増幅器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子増幅器と、
    前記電子増幅器の前記基材の前記裏面側に位置する収集電極基板と、を備え、
    前記収集電極基板は、前記基材の厚み方向において前記貫通孔と少なくとも部分的に重なる複数の収集電極を含む、検出素子。
  6. 表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
    前記基材の前記貫通孔に位置する複数の第1電極と、
    前記基材の前記表面に位置する第2電極と、
    前記基材の前記表面側に位置し、前記第1電極に接続されている複数の収集電極と、を備え、
    前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
    前記第1誘電体層の比誘電率εr1と前記第2誘電体層の比誘電率εr2とが下記の関係を満たしている、
    εr1<εr2
    検出素子。
  7. 表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含み、前記表面から前記裏面に至る複数の貫通孔が設けられている基材と、
    前記基材の前記貫通孔に位置する複数の第1電極と、
    前記基材の前記表面に位置する第2電極と、
    前記基材の前記表面側に位置し、前記第1電極に接続されている複数の収集電極と、を備え、
    前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
    前記第1誘電体層の比誘電率εr1及び導電率σと前記第2誘電体層の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の関係を満たしている、
    εr1/σ>εr2/σ
    検出素子。
  8. 前記第1誘電体層は、前記貫通孔の壁面に沿って前記基材の厚み方向に広がっている、請求項6又は7に記載の検出素子。
  9. 前記第2誘電体層は、前記第1誘電体層の前記表面側の面と前記第2電極との間に位置している、請求項6又は7に記載の検出素子。
  10. 前記基材の面内方向における前記第2誘電体層の端部が前記第1電極から離れている、請求項9に記載の検出素子。
  11. 前記基材の面内方向における前記第2誘電体層の端部が前記第1電極に接している、請求項9に記載の検出素子。
  12. 表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含む基材と、
    前記基材の前記表面に位置し、第1方向に並ぶ複数の第1電極と、
    前記基材の前記表面に位置し、前記第1方向において隣り合う2つの前記第1電極の間に位置する第2電極と、を備え、
    前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
    前記第1誘電体層の比誘電率εr1と前記第2誘電体層の比誘電率εr2とが下記の関係を満たしている、
    εr1<εr2
    検出素子。
  13. 表面及び前記表面とは反対側に位置する裏面を含む基材と、
    前記基材の前記表面に位置し、第1方向に並ぶ複数の第1電極と、
    前記基材の前記表面に位置し、前記第1方向において隣り合う2つの前記第1電極の間に位置する第2電極と、を備え、
    前記基材は、前記第1電極に電気的に接続されている第1誘電体層と、前記第1誘電体層と前記第2電極との間に位置し、前記第1誘電体層に電気的に接続されている第2誘電体層と、を含み、
    前記第1誘電体層の比誘電率εr1及び導電率σと前記第2誘電体層の比誘電率εr2及び導電率σとが下記の関係を満たしている、
    εr1/σ>εr2/σ
    検出素子。
  14. 前記第2誘電体層は、前記第1誘電体層の前記表面側の面と前記第2電極との間に位置している、請求項12又は13に記載の検出素子。
  15. 請求項5乃至14のいずれか一項に記載の検出素子と、
    前記検出素子の前記基材の前記表面側に位置するドリフト電極と、を備える、検出装置。
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