WO2007094377A1

WO2007094377A1 - イヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを備えた携帯機器

Info

Publication number: WO2007094377A1
Application number: PCT/JP2007/052648
Authority: WO
Inventors: Daisuke Nishi; Kenya Nagano; Masanori Oshimi; Masahiro Iwakami; Yousuke Matsuda
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2006-02-14
Filing date: 2007-02-14
Publication date: 2007-08-23
Also published as: EP1991029A1; US20090052720A1; JPWO2007094377A1; JP5180058B2

Abstract

　Ｒ側イヤホンとＬ側イヤホンとの間、または、イヤホンとマイクとの間の音声信号の重畳を抑制するイヤホン接続ケーブル及び携帯機器を提供する。　先端部にＲ側イヤホン１１６ａとＬ側イヤホン１１６ｂとを備え、内部にアンテナ素子１１５と接地電位線１１４とＲ側音声信号線１０８ａとＬ側音声信号線１０８ｂと第１インダクタンス１１１と第２インダクタンス群とを備えた接続ケーブルを構成し、Ｒ側イヤホン１１６ａまたはＬ側イヤホン１１６ｂの接地電位線をアンテナ素子１１５に接続することでＲ側イヤホンとＬ側イヤホンとの間の音声信号の重畳を抑制する。

Description

明細書

イヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを備えた携帯機器技術分野

[0001] 本発明は、アンテナ機能と音声信号伝送機能とを有する線状導体 (イヤホンケープノレ)及び該イヤホンケーブルを備えた携帯電話端末、通信機能付きメディアプレーヤ、通信機能搭載ゲーム機器等の電子機器、携帯機器に関し、特に音声信号伝送性能の高性能化に関する。

背景技術

[0002] 従来、携帯電話端末、通信機能付きメディアプレーヤ、通信機能搭載ゲーム機器等の電子機器、携帯機器に接続する音声信号伝送ケーブル (イヤホンケーブル)の中には、アンテナと一体的に構成されたものがある（例えば、特許文献 1参照）。かかる携帯機器では、機器本体に取り付けたイヤホンワイヤをアンテナと兼用しており、例えばステレオ音声の出力用に用意された左右 2本のイヤホンワイヤに対して、片側のワイヤのみをアンテナとして使用するカあるいは、チョークコイル等を介して両方のイヤホンワイヤを結合して左右 2本のイヤホンワイヤ全体をアンテナとして使用するものであった。

[0003] ここで、左右それぞれの音声鳴動用イヤホン (スピーカ）の接地にっレ、ては、一般に、図 5又は図 6に示すような接地がなされていた。

[0004] 例えば、図 5 (a)に示す携帯機器では、チューナ一部 502及び音声回路 503を備えた携帯機器 501の機器側コネクタ 505に対して、ケーブル側コネクタ 506が差し込まれるように接続されている。機器側コネクタ 505の内部には複数の導電性端子パネ 504が配設されており、チューナ一部 502、音声回路 503、図示しない制御部等の電子回路等とケーブル側の信号線とが端子パネ 504を介して電気的に接続されている。

[0005] ケーブル側の信号線は、音声回路 503と接続されている R側音声信号線 508a及び L側音声信号線 508b、チューナ一部と接続されているアンテナ信号線 (受信波伝送路） 509、接地電位線 510から構成されている。そして、アンテナ信号線 509及び接地電位線 510は同軸線 507に接続され、 R側音声信号線 508a及び L側音声信号線 508bとともに中継ユニット 513にそれぞれはんだ付け等により連結固定されている

[0006] 中継ユニット 513の内部には複数のインダクタンス素子 512が配設され、 R側音声信号線 508a及び L側音声信号線 508bは、インダクタンス素子群 512を経由して R 側イヤホン 516a及び L側イヤホン 516bへ接続されている。そして、機器側から R側音声信号線 508aを通って伝送される R側音声信号は、 R側イヤホン 516aへ到達すると折り返して R側イヤホン接地線 514a、接点 S52を経て接地電位線 514へ接地される。また、機器側から L側音声信号線 508bを通って伝送される L側音声信号は、 L 側イヤホン 516bへ到達すると折り返して L側イヤホン接地線 514bを経て、やはり R 側音声信号と同様に、接点 S52を経由して接地電位線 514へ接地される。なお、接地電位線 514へ接地された信号は、インダクタンス素子 512、同軸線 507 (の外被導体）、接地電位線 510を経て携帯機器内のアースへ接地される。

[0007] 一方、チューナ一部 502に対し、アンテナ信号線 509を通って伝送されるアンテナ信号（「受信波」とも言う。以下、同じ。）は、同軸線 507を経て中継ユニット 513から到達するものであり、さらにはアンテナ素子 515を経て接点 S51を分岐点として R側及び L側のイヤホンケーブルに沿って分岐したアンテナ素子 515aと 515bとから伝搬するものである。なお、アンテナ素子 515a及び 515bの先端は、共に開放されており、 R側イヤホン 516aとも L側イヤホン 515bとも接続されていない。

[0008] 次に、図 6に示す携帯機器では、機器側から R側音声信号線 608aを通って伝送される R側音声信号は、インダクタンス素子 612、接点 S63を経て R側イヤホン 616aへ到達すると、折り返して、 R側イヤホン接地線 601、接点 S62を経て接地される。一方で、機器側から L側音声信号線 608bを通って伝送される L側音声信号は、インダクタンス素子 612、接点 S65を経て L側イヤホン 616bへ到達し、折り返して、 L側ィャホン接地線 602、接点 S64を経て接地される。

[0009] すなわち、図 6に示す携帯機器の接地構成は、図 5の場合と異なり、 R側イヤホン接地線と L側イヤホン接地線とが、それぞれ異なった接点に接続され、別々の接地電位線へ接地されている。特許文献 1 :特開 2002— 314450号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] し力しながら、図 5及び図 6に示す従来の携帯機器には次のような課題があった。

[0011] まず、図 5に示した携帯機器のように、 R側イヤホンと L側イヤホンとの接地接点を共通にした場合には、 R側イヤホンに対する L側イヤホンの音声信号の重畳、あるいは、 L側イヤホンに対する R側イヤホンの音声信号の重畳という問題が発生する。この問題発生の仕組みはおおよそ次の通りである。

[0012] すなわち、図 5 (a)のうち、中継ユニット 513から R側イヤホン 516a及び L側イヤホン 516bまでを拡大した図 5 (b)において、 R側イヤホン 516aと L側イヤホン 516bとでは、接点 S52で接地線を共有しているために、その共有接地線上に配設されたインダクタンス素子 512aを共用することになる。そうすると、例えば、機器側から R側ィャホン 516aにのみ音声信号を伝送した場合であっても、 R側イヤホン 516aへ伝送された信号の戻り信号が R側イヤホン接地線 514a、接点 S52を経てインダクタンス素子 51 2aを通る際に生じる電位差 (インダクタンス素子 512aの両端 V51及び V52の間に生じる電位差）が、機器側からは何も音声信号を伝送していないはずの L側イヤホン 51 6bへも影響して R側の音声信号が伝達されてしまうのである。

[0013] 具体的な使用シーンに基づいて例を挙げると、例えば、映画やニュースなどでニケ国語（日本語及び英語)放送を視聴してレ、た場合に、 R側イヤホン 516aから日本語のセリフを出力し、 L側イヤホン 516bから英語のセリフを出力するように機器側で制御したとしても、イヤホン側では上述した重畳現象によって R側イヤホン 516aに英語のセリフが混入し、あるいは、 L側イヤホン 516bに日本語のセリフが混入することによつて、ユーザがそれぞれの言語を聞き取りづらくなるという問題が発生する。あるいは、ゲームを行っているときに、特殊な効果として R側イヤホンからのみ音声を出力するように機器側で制御しょうとしても、上記重畳現象によってうまく演出できないという不具合が生じる。同様に、 R側から L側へと効果音を振る（流す）ように制御しょうとしても重畳現象により充分な効果が得られないとレ、う問題が生ずる。

[0014] なお、 R側イヤホン及び L側イヤホンを備えたステレオイヤホンに限らず、マイクとィャホンとを備えた携帯機器の場合にも、マイク及びイヤホンの接地線を共用することによる不具合が発生し得る。例えば、マイクの ON/OFFによってイヤホン側にノイズが混入してしまうという問題である。原理は、ステレオイヤホンにおける上述した重畳現象と同様である。

[0015] 次に、図 6に示す携帯機器においては、 R側イヤホン 616a及び L側イヤホン 616b の接地線を異としているので上述したような重畳現象は回避できる。し力、しながら、ィンダクタンス素子群 612を見れば明らかなように、部品点数が増加するのでコスト高とレ、う新たな問題を発生させることとなる。

[0016] したがって、本発明は、かかる課題を解決するために、アンテナ機能と音声信号伝送機能とを有する線状導体 (イヤホンケーブル)及び該イヤホンケーブルを備えた携帯電話端末、通信機能付きメディアプレーヤ、通信機能搭載ゲーム機器等の電子機器、携帯機器におけるステレオイヤホン間、または、イヤホンとマイクとの間の音声信号重畳を抑制することにより、音声信号伝送性能を大幅に向上せしめるイヤホン接続ケーブル及びイヤホン接続ケーブルを備えた携帯機器等を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0017] 本発明のイヤホン接続ケーブルは、携帯機器に接続するためのコネクタと受信波伝送路と接地線と中継ユニットと少なくとも 2つ以上の音声信号線及びイヤホンとを備えたイヤホン接続ケーブルであって、前記中継ユニットは、前記アンテナ信号線と接地線とを接続する第 1インダクタンス素子と、前記接地線及び前記少なくとも 2つ以上の音声信号線上にそれぞれ第 2インダクタンス素子とをさらに備え、前記少なくとも 2 つ以上のイヤホンのうちいずれ力、 1つのイヤホンを前記受信波伝送路に接地するとともに、他のイヤホンを前記接地線に接地したことを特徴とするイヤホン接続ケーブルである。

[0018] また、本発明のイヤホン接続ケーブルは、第 2中継ユニットをさらに備え、前記第 2 中継ユニットは、前記接地線及び前記少なくとも 2つ以上の音声信号線上にそれぞれ第 3インダクタンス素子を備え、前記少なくとも 2つ以上のイヤホンのうちいずれか 1 つのイヤホンを前記受信波伝送路に接地するとともに、他のイヤホンを前記接地線に接地したことを特徴とするイヤホン接続ケーブルである。

[0019] また、本発明のイヤホン接続ケーブルは、携帯機器に接続するためのコネクタと受信波伝送路と接地線と中継ユニットと音声出力信号線及びイヤホンならびに音声入力信号線及びマイクとを備えたイヤホン接続ケーブルであって、前記中継ユニットは、前記アンテナ信号線と接地線とを接続する第 1インダクタンス素子と、前記接地線ならびに前記音声出力信号線及び音声入力信号線上にそれぞれ第 2インダクタンス素子とをさらに備え、前記音声出力信号線及び音声入力信号線のうち、いずれか一方の信号線を前記受信波伝送路に接地するとともに、他の信号線を前記接地線に接地したことを特徴とするイヤホン接続ケーブルである。

[0020] また、本発明の携帯機器は、上述したイヤホン接続ケーブルを備えたことを特徴とする携帯機器である。

発明の効果

[0021] 本発明のイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを備えた携帯機器によれば、より少ない部品点数で、ステレオイヤホンの R側イヤホンと L側イヤホンとの間、または、イヤホンとマイクとの間の音声信号の重畳を抑制し、かつ、高い音声信号伝送性能を発揮するイヤホン接続ケーブル及び携帯機器を提供することができる。図面の簡単な説明

[0022] [図 1]本発明の実施の形態におけるイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図

[図 2]本発明の実施の形態における携帯機器の使用状態を説明する説明図

[図 3]本発明の第 2の実施の形態におけるイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図

[図 4]本発明の第 3の実施の形態におけるマイク付きイヤホン接続ケーブル及び該ィャホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図

[図 5]従来のイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の接地態様を説明する説明図

[図 6]従来のイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の接地態様を説明する説明図符号の説明

101 携帯機器

102 チューナ一部（受信部）

103 音声回路

104 端子バネ

105 機器側コネクタ (接続手段）

106 ケーブル側コネクタ（接続手段）

107 同軸線

108a R側音声信号線

108b L側音声信号線

109 アンテナ信号線 (受信波伝送路）

110 接地電位線

111 第 1インダクタンス素子

112 第 2インダクタンス素子（群）

113 中継ユニット（中継手段）

114 接地電位線（アース線）

115, 115a, 115b アンテナ素子

116a R側イヤホン

116b L側イヤホン

201 使用者（ユーザ）

301 第 2中継ユニット（第 2中継手段）

302 第 2接続ユニット (第 2接続手段）

303 第 3インダクタンス素子（群）

304 端子バネ

305 ケーブル側第 2コネクタ (接続手段) 306 第 2アンテナ素子

408a マイク入力信号線

408b イヤホン出力信号線 403 マイク

404 イヤホン

514a R側イヤホン接地線 (R側イヤホンアース）

514b L側イヤホン接地線 (R側イヤホンアース）

発明を実施するための最良の形態

[0024] 本発明の実施の形態に力かるイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを備えた携帯機器を、以下に図面を参照して詳細に説明する。

[0025] (第 1の実施の形態）

図 1は、本発明に力かるイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図である。特に、図 1 (a)はイヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図であり、図 1 (b)はイヤホン接続ケーブル部分の拡大図である。図 1 ( a)と図 1 (b)とで共通する部材には同一の部材番号を付している。

[0026] 携帯機器 101は、本発明に特有の構成としては、少なくともチューナ一部 102と音声回路 103とを備えている。チューナ一部 102は、例えば、地上波アナログ、地上波デジタルなどのテレビジョン放送の受信が可能なテレビチューナー回路を備えている。使用する周波数帯としては、地上波アナログ放送では、例えば、 90MHzから 110 MHz程度の VHF帯 Low_Channel、 170MHzから 220Mz程度の VHF帯 High -Channel, 470MHzから 770MHz程度の UHF帯などのバンドがある。また、地上波デジタルテレビジョン放送の周波数は、その帯域によって本発明の本質に影響を及ぼすものではないが、おおよそ 470MHzから 770MHz程度の上記 UHF帯域に含まれると考えて差し支えなレ、。なお、テレビジョン放送以外の複数の周波数帯域にわたる放送受信を行う場合であっても、例えば、アンテナ素子長を適宜変更するなどの手段を講じることにより、本質的部分を変更することなく本発明を適用することができる。

[0027] その他、図示しない CPU等の制御部やメモリデバイスをはじめ、携帯機器として必要ならば、キーパッド等の入力部、液晶ディスプレイ等の表示部などを適宜備えていることは言うまでもない。

[0028] 音声回路 103は、演算部と必要に応じて記憶部とを備え、音声信号の演算処理や信号制御を行い、出力すべき音声信号を R側音声信号と L側音声信号とに振り分けて、いわゆるステレオ出力が可能となっている。

[0029] そして、上述した携帯機器 101の機器側コネクタ 105に対して、ケーブル側コネクタ 106が差し込まれるように接続されている。機器側コネクタ 105の内部には複数の導電性端子パネ 104が配設されており、チューナ一部 102、音声回路 103、図示しない制御部等の電子回路等とケーブル側の信号線とが、端子パネ 104を介して電気的に接続されている。

[0030] ケーブル側の信号線は、音声回路 103と接続されている R側音声信号線 108a及び L側音声信号線 108b、チューナ一部と接続されているアンテナ信号線 109、接地電位線 110から構成されている。接地電位線 110は、端子パネ 104を介して携帯機器 101内部のアースへ接地されている。そして、アンテナ信号線 109及び接地電位線 110は同軸線 107に接続され、 R側音声信号線 108a及び L側音声信号線 108b とともに中継ユニット 113にそれぞれはんだ付け等により連結固定されている。

[0031] 同軸線 107は、 RF高周波用同軸ケーブルであり、例えば、 75〔Ω〕程度のものが用レ、られる。また、その構造については図示しないが、一般的には屈曲自在な中心導体の周りを低損失発砲絶縁体などで被覆し、さらにその上から網組された外被導体で覆い、最外部を非導電性の外皮で被覆する構成をとつている。本発明では、中心導体はアンテナ信号線 109とアンテナ素子 115とに接続され、その外被導体は接地電位線 110とインダクタンス素子 112aとに接続されている。

[0032] また、同軸線 107と上述した複数の信号線は、必要に応じて、非導電性の材質で覆レ、束ねることも可能である。

[0033] 中継ユニット 113の内部には複数のインダクタンス素子 112が配設され（図 1 (b)における 112aないし 112c)、 R側音声信号線 108a及び L側音声信号線 108bは、インダクタンス素子群 112を経由してイヤホン 116a及び 116bへ接続されてレ、る。

[0034] 図 1 (b)にもとづき機器側力伝送された音声信号の流れについて詳述すると、機器側から R側音声信号線 108aを通って伝送された R側音声信号は、インダクタンス素子 112b、接点 SI 3を経て R側イヤホン 116aへ到達する。次に、折り返して、アンテナ素子 115a、接点 S11を経てアンテナ素子 115へ接地される。後述するように、アンテナ素子 115、 115aにはアンテナ信号も伝送されるので、アンテナ素子 115及び 115aは、アンテナ信号線と R側イヤホン接地線とを兼用することとなる。

[0035] また、機器側から L側音声信号線 108bを通って伝送された L側音声信号は、インダクタンス素子 112c、接点 S14を経て L側イヤホン 116bへ到達する。次に、折り返して L側イヤホン接地線 114b、接点 S12を経て、接地電位線 114へ接地される。

[0036] このように、 R側イヤホン接地線と L側イヤホン接地線とが共用されることはないので、音声信号の重畳現象は抑制されることとなる。

[0037] 次に、機器側のチューナ一部に対し、アンテナ信号線 109を通って伝送されるアンテナ信号は、同軸線 107を経て中継ユニット 113から到達するものであり、さらにはァンテナ素子 115を経て接点 S 11を分岐点として R側及び L側のイヤホンケーブルに沿って分岐したアンテナ素子 115aと 115bとから伝搬するものである。

[0038] このとき、アンテナ素子 115bの先端は開放されている（L側イヤホン 116bに接続されてレ、なレ、）力アンテナ素子 115aの先端は R側イヤホン 116aに接続するように構成する。このような構成により、アンテナ素子 115aが R側イヤホン接地線としても機能することとなる。

[0039] また、図 1 (a)及び図 1 (b)に図示したように、アンテナ素子 115と同軸線 107の外被導体とに接続されるようにインダクタンス素子 111が配設されている。このインダクタンス素子 111は、アンテナ整合用として機能する。

[0040] ここまで述べた構成について、同軸線 107の外被導体は接地線として用いている力これに限定されるものではなぐ例えば接地電位線 110を同軸線 107の外被導体に接続することなくインダクタンス素子 112aの機器側へ直接接続する構成をとることも可能である。その意味で、同軸線 107やその外被導体の存在は、本発明の一実施形態に過ぎない。

[0041] また、インダクタンス素子 112aないし 112cの機能的特徴については、次のようなことが言える。すなわち、 112aないし 112cのインダクタンスが音声信号に対して高周波成分を遮断する役割を果たすのである。その意味で、インダクタンスがローパスフィルタ、または、バンドパスフィルタの役割を果たすと言い換えることもできる。つまり、平行に配置された R側音声信号線 108aと L側音声信号線 108bとアンテナ素子 115 とが高周波容量結合した場合に、 R側音声信号線 108aと L側音声信号線 108bとに高周波信号が漏洩することを防ぐのである。

[0042] 上述の意味において、インダクタンス素子の取るべき値（インダクタンス値〔ヘンリー〕）としては、おおよそ、 470MHz〜700MHz程度の周波数帯の信号に対してはィンピーダンスが高ぐ 50MHz以下から直流成分に対してはインピーダンスが低くなるような値を選択することが望ましい。また、すでに明らかなように、インダクタンス素子 1 12aなレ、し 112cは、それぞれ等価な LC並列共振回路やローパスフィルタなどと置き換え可能である。

[0043] なお、インダクタンス素子 112aないし 112cの物理的配置については、望ましくは、ケーブルに対して垂直な直線 (ケーブルに対する垂線）に沿って配置する。図 1 (b) においては、ちょうど A—A'上に一直線に並ぶように配置する。場合によっては等間隔に配置することが望ましい場合もある。この配置は、本発明が目的とする音声信号伝送性能の高性能化に寄与する直接的な要因ではないが、 R側イヤホン接地線としてアンテナ素子 115を使用しているため、アンテナ性能の向上維持も図らねばならず、力かる観点力インダクタンス素子 112aなレ、し 112cをより望ましレ、配置にしてレ、る

[0044] また、本発明の構成として必須の要件ではないものの、望ましくは、インダクタンス素子 111とインダクタンス 112aなレ、し 112cとは、それぞれ同程度の直流抵抗分（ Ω ) を有していることが望ましい。例えば、本実施例では、それぞれ 1オーム程度のものを使用している。このように、インダクタンス素子 111、インダクタンス素子 112aないし 1 12cの各直流抵抗値を同程度にすることによって、実験結果では良好な音声信号伝送性能及び音響効果が得られてレ、る。

[0045] また、 R側イヤホン及び L側イヤホンの接地電位線の接続先は、例えば、 L側ィャホン 116bをアンテナ素子 115に接地し、 R側イヤホン 116aを接地線 114に接地してもよい。つまり、本発明の構成において、 R側イヤホン及び L側イヤホンの区別が発明の趣旨に影響を及ぼすことはなレ、。言い換えると、図 1のイヤホン接続ケーブルにおいて R側音声信号線に L側音声信号を伝送し、かつ、 L側音声信号線に R側音声信号を伝送したとしても同様の効果が得られる。 [0046] 図 2は、本発明の実施の形態における携帯機器の使用状態を説明する説明図である。

[0047] 使用者 201が本発明の携帯機器 101を使用（テレビの視聴、操作など)する際には、図示したように、 R側イヤホン 116a及び L側イヤホン 116bを双方の耳に装着し、携帯機器 101を手に持ってテレビの視聴やチャネル選択、通信を行うなどする。このとき、中継ユニット 113は、宙にぶら下がるような形となり、中継ユニット 113からは非導電性の被覆材で束ねられた接地電位線 114、アンテナ素子 115、 R側音声信号線 1 08a、 L側音声信号線 108bが、使用者側に向かって延びている。そして、 R側ィャホンと L側イヤホンとに分岐し、 R側にはアンテナ素子 115a及び R側音声信号線 108a が、 L側にはアンテナ素子 115b、 L側音声信号線 108b、接地電位線 114が、 R側ィャホン 116a、 L側イヤホン 116bに向かってそれぞれ延びている。各信号線の関係、役割については既に述べた通りである。

[0048] (第 2の実施の形態）

図 3は、本発明の第 2の実施の形態におけるイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図である。特に、図 3 (a)はイヤホン接続ケ一ブルを接続した携帯機器の構成図であり、図 3 (b)はイヤホン接続ケーブル部分の拡大図である。図 3 (a)と図 3 (b)とで共通する部材には同一の部材番号を付している。なお、構成上、第 1の実施の形態と重複する点については説明を省略し、第 2の実施の形態に特有な点について、以下に説明する。

[0049] 第 2の実施の形態における携帯機器では、イヤホン接続ケーブルの中継ユニット 1 13とイヤホンとの間に、第 2中継ユニット 301が新たに配設されている点が大きな特徴となっている。

[0050] 図 3 (a)において、第 2中継ユニット 301の内部には、複数のインダクタンス素子 30 3 (図 3 (b)の 303aないし 303dに相当）と複数の導電性端子バネ 304が配設されており、インダクタンス素子 303には機器側からの複数の信号線がそれぞれ接続されている。一方、複数の端子パネ 304に対しては、イヤホン側のケーブルの端部に設けられたケーブル側第 2コネクタ 305が差し込まれるように接続されており、電気的にも接続されている。 [0051] 以上のように電気的に接続された携帯機器及びイヤホン接続ケーブルにおける電気信号の流れを、図 3 (b)にもとづいて説明すると、次のようになる。

[0052] まず、機器側から R側音声信号線 108aを通って伝送された R側音声信号は、インダクタンス素子 303c、接点 S33を経て R側イヤホン 116aへ到達する。次に、折り返して第 2アンテナ素子 306aを経て、接点 S31へ接地される。

[0053] また、機器側から L側音声信号線 108bを通って伝送された L側音声信号は、インダクタンス素子 303d、接点 S34を経て L側イヤホン 116bへ到達する。次に、折り返して接地電位線 114を経て、接点 S32へ接地される。

[0054] 一方、機器側のチューナ一部に対し、アンテナ信号線 109を通って伝送されるアンテナ信号は、同軸線 107、中継ユニット 113、アンテナ素子 115を経て第 2中継ュニット 301より到達するものであり、さらに、インダクタンス素子 303aを経て接点 S31から分岐する第 2アンテナ素子 306a及び 306bから伝搬するものである。このとき、アンテナ素子 306bの先端は開放されている（L側イヤホン 116bに接続されていない）が、アンテナ素子 306aの先端は R側イヤホン 116aに接続するように構成している。このような構成により、アンテナ素子 306aが R側イヤホン接地線としても機能することとなる。

[0055] 次に、第 2中継ユニット 301に配設された第 3インダクタンス素子 303aの意義について説明する。このインダクタンス素子 303aは、テレビジョン放送受信に際して、 UH F波帯を遮断し、 VHF波帯を通すインダクタンス素子としての役割を果たしてレ、る。すなわち、アンテナ素子 115上のインダクタンス素子 111と接続されてレ、る部分からインダクタンス素子 303aの部分までの区間（図 3 (b)中の P区間）力 UHFに対応するアンテナ区間となり、さらに、この区間に、インダクタンス素子 303aの部分力接点 S31、アンテナ素子 306aを経て R側イヤホン 116aに至る部分までの区間を足し合わせた区間（図 3 (b)中の P + Qの区間）力 VHFに対応するアンテナ区間となるのである。

[0056] したがって、 UHF波及び VHF波の双方に対応する必要がない場合等には、第 3ィンダクタンス素子 303aを省略することが可能である。

[0057] また、 R側イヤホン及び L側イヤホンの接地電位線の接続先は、例えば、 L側ィャホン 116bをアンテナ素子 306aに接地し、 R側イヤホン 116aを接地線 114に接地してもよレ、。つまり、本発明の構成において、 R側イヤホン及び L側イヤホンの区別が発明の趣旨に影響を及ぼすことはなレ、。言い換えると、図 3のイヤホン接続ケーブルにおいて R側音声信号線に L側音声信号を伝送し、かつ、 L側音声信号線に R側音声信号を伝送したとしても同様の効果が得られる。

[0058] (第 3の実施の形態）

図 4は、本発明の第 3の実施の形態におけるマイク付きイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器の構成図である。なお、構成上、第 1の実施の形態と重複する点については説明を省略し、主に第 3の実施の形態に特有な点について、以下に説明する。

[0059] 第 3の実施の形態における携帯機器 401は、音声回路 403の構成が、 R側音声信号及び L側音声信号を出力するのではなぐマイク入力信号とイヤホン出力信号とを処理する構成となっている。一方、イヤホン接続ケーブルの方も R側イヤホン及び L 側イヤホンの構成ではなぐマイク入力信号線 408a及びマイク 403、ならびに、ィャホン出力信号線 408b及びイヤホン 404の構成となっている。

[0060] かかる構成にぉレ、て、信号の流れから各接続関係を説明すると、まず、マイク 403 から入力される音声信号は、マイク入力信号線 408aを通り、接点 S43、中継ユニット 113内のインダクタンス素子 112を経て携帯機器 401内の音声回路 403に入力される。また、マイク 403は、アンテナ素子 115aに接続されて、接点 S41、アンテナ素子 1 15へ接地されている。

[0061] 次に、機器側のイヤホン出力信号線 408bを通って伝送される音声出力信号は、中継ユニット 113内のインダクタンス素子 112、接点 S44を経てイヤホン 404に到達する。折り返し、イヤホン 404から接地電位線 114を経て接点 S42に接地されている。

[0062] 一方、チューナ一部 102に対し、アンテナ信号線 109を通って伝送されるアンテナ信号は、同軸線 107を経て中継ユニット 113から到達するものであり、さらにはアンテナ素子 115を経て S41を分岐点としてマイク側及びイヤホン側のケーブルに沿って分岐したアンテナ素子 115aと 115bとから伝搬するものであることは第 1の実施の形態において説明した通りである。 [0063] なお、マイク及びイヤホンの接地電位線の接続先は、例えば、イヤホン 404をアンテナ素子 115aに接地し、マイク 403を接地線 114に接地してもよい。つまり、本発明の構成において、マイク及びイヤホンの区別が発明の趣旨に影響を及ぼすことはなレ、。

[0064] また、イヤホン接続ケーブルと携帯機器とは、各コネクタ部で着脱可能な構成とした、これに限定されるものではなぐケーブルと携帯機器とを一体的に設けるようにしても良い。例えば、ケーブルを携帯機器本体内に卷回して収納できるように構成することも可能である。

[0065] 以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更 '応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。

[0066] 本出願は、 2006年 2月 14日出願の日本特許出願（特願 2006— 036312)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0067] 以上のように、本発明に力かるイヤホン接続ケーブル及び該イヤホン接続ケーブルを接続した携帯機器は、アンテナ機能と音声信号伝送機能とを有する線状導体 (ィャホンケーブル)及び該イヤホンケーブルを備えた携帯電話端末、通信機能付きメディアプレーヤ、通信機能搭載ゲーム機器等の電子機器、携帯機器におけるステレォイヤホン間、または、イヤホンとマイクとの間の音声信号重畳を抑制することにより、音声信号伝送の高性能化に寄与する。

Claims

請求の範囲

[1] 携帯機器に接続するためのコネクタと受信波伝送路と接地線と中継ユニットと少なくとも 2つ以上の音声信号線及びイヤホンとを備えたイヤホン接続ケーブルであって前記中継ユニットは、前記アンテナ信号線と接地線とを接続する第 1インダクタンス素子と、

前記接地線及び前記少なくとも 2つ以上の音声信号線上にそれぞれ第 2インダクタンス素子とをさらに備え、

前記少なくとも 2つ以上のイヤホンのうちいずれか 1つのイヤホンを前記受信波伝送路に接地するとともに、他のイヤホンを前記接地線に接地したことを特徴とするィャホン接続ケーブル。

[2] 請求項 1に記載のイヤホン接続ケーブルにおいて、

第 2中継ユニットをさらに備え、

前記第 2中継ユニットは、前記接地線及び前記少なくとも 2つ以上の音声信号線上にそれぞれ第 3インダクタンス素子を備え、

前記少なくとも 2つ以上のイヤホンのうちいずれ力 4つのイヤホンを前記受信波伝送路に接地するとともに、他のイヤホンを前記接地線に接地したことを特徴とするィャホン接続ケーブル。

[3] 携帯機器に接続するためのコネクタと受信波伝送路と接地線と中継ユニットと音声出力信号線及びイヤホンならびに音声入力信号線及びマイクとを備えたイヤホン接続ケーブルであって、

前記中継ユニットは、前記アンテナ信号線と接地線とを接続する第 1インダクタンス素子と、

前記接地線ならびに前記音声出力信号線及び音声入力信号線上にそれぞれ第 2 インダクタンス素子とをさらに備え、

前記音声出力信号線及び音声入力信号線のうち、いずれか一方の信号線を前記受信波伝送路に接地するとともに、他の信号線を前記接地線に接地したことを特徴とするイヤホン接続ケーブル。請求項 1ないし請求項 3のいずれ力 1項に記載のイヤホン接続ケーブルを備えた携帯機器。