WO2007040133A1

WO2007040133A1 - 手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器

Info

Publication number: WO2007040133A1
Application number: PCT/JP2006/319275
Authority: WO
Inventors: Mika Watanabe
Original assignee: Mika Watanabe
Priority date: 2005-10-03
Filing date: 2006-09-28
Publication date: 2007-04-12

Abstract

　片方の手だけで、操作性良く液体を吐出させることができるようにする。　容器本体の開口部に取り付けられる蓋体と、容器本体に収容された液体を吸入して外部に吐出させるポンプ本体と、蓋体の周辺部において上下方向に回動可能に取り付けられ、ポンプ本体を上から押し下げて作動させるための作動部材と、作動部材が回動する側の蓋体の周辺部を通ってポンプ本体と接続される液体の吐出管とを備え、作動部材は、蓋体に対して回動する部分をてこの支点とし、ポンプ本体を作動させる部分をてこの作用点としたとき、支点から作用点までの距離よりも支点からの距離が長い力点を有し、力点が容器本体の投影面内に収まる形状であり、吐出管は、支点、作用点、及び力点よりも上方に伸びるようにした。

Description

明細書

手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器

技術分野

[0001] 本発明は、手を使って作動させることにより、容器本体の内部に収容された液体を外部に吐出させる手動ポンプと、このような手動ポンプ付き液体容器に係るものであり、詳しくは、片方の手だけで、し力も、上力軽く押すだけで、内部の液体を簡単に吐出させることができるようにした技術に関するものである。

背景技術

[0002] 液体石鹼ゃシャンプー等の液体は、手動ポンプ付き液体容器に収容されているのが一般的であり、使用の際には、その手動ポンプを手で押して、手のひらの上に液体石鹼等を吐出させている。

[0003] ここで、従来の手動ポンプは、ポンプ本体の頭部に水平方向に伸びる液体の吐出管が接続されており、さらに、この吐出管の上に作動部材が載置されている。そして、この作動部材を上から手で全体的に真っ直ぐ押し下げることにより、手動ポンプを作動させるようになつている。

[0004] このような従来の手動ポンプを使用する場合、通常の動作では、片方の手のひらを吐出管の先端 (吐出口）の斜め下方に置き、他方の手で作動部材を押すことにより、吐出口の下方に置いた手のひらの上に液体を吐出させる。そのため、従来の手動ポンプで液体を吐出させるには、液体を受ける手と手動ポンプを作動させる手の両方を使う必要があり、片方の手に何かを持っていたり、けが等の理由によって片方の手が使えないような場合は、非常に不便なものであった。

[0005] そこで、片方の手だけで、手動ポンプを作動させつつ、その手のひらの上に液体を吐出させることができるようにした技術が知られて！/、る。

例えば、下記の特許文献 1には、ポンプ本体の頭部から水平方向に伸びる吐出管の先端を上方に湾曲させながら作動部材の上まで伸ばし、作動部材の中心部に向けて吐出口を下向きにした手動ポンプが開示されている。

特許文献 1：特開 2001— 39447号公報 [0006] この特許文献 1に記載の技術によれば、片方の手のひらを上に向けてその手の甲を作動部材の上に載せ、そのまま手の甲で作動部材を真っ直ぐに押し下げれば手動ポンプが作動する。すると、作動部材の上まで伸びている吐出管の下向きの吐出ロカ液体が吐出し、作動部材の上に載せた手のひらに液体を吐出させることができる。したがって、手動ポンプを作動させるために、両方の手を使う必要がない。

[0007] また、下記の特許文献 2には、手動ポンプ付き液体容器に対し、片方の手だけで、てこ式に手動ポンプを作動させることができるようにした吊下げ具が開示されている。すなわち、 L字形の吊下げ具の一端側を液体容器の蓋体部分に挿入する係着部とし、吸盤を設けた他端側を壁面への固定部とすることにより、壁面に手動ポンプ付き液体容器を吊り下げることができるようにしたものであって、固定部には、手動ポンプを作動させるための押圧体の一端部が回動可能に取り付けられており、吊下げ具に液体容器を吊り下げた際に、押圧体の中間部が手動ポンプの作動部材にかぶさるようになつている。

特許文献 2 :特開 2002— 153393号公報

[0008] このような特許文献 2に記載の吊下げ具によれば、液体容器を吊り下げた際に、一端部が回動する押圧体の他端部が手動ポンプの吐出口よりも下方に位置するようになって、るので、片方の手のひらを上に向けてその手の甲を押圧体の他端部に載せ、そのままその手の甲で押圧体を押し下げれば手動ポンプが作動し、その手のひらの上に液体を吐出させることができる。

[0009] さらに、特許文献 2に記載の吊下げ具では、回動する押圧体の一端部がてこの支点となり、手動ポンプの作動部材にかぶさる押圧体の中間部がてこの作用点となるので、液体容器を吊り下げた後、押圧体の他端部を力点として押し下げれば、比較的軽、力で手動ポンプを作動させることができる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] このように、特許文献 1及び特許文献 2に記載の技術は、ずれも、片方の手だけで手動ポンプを作動させられるとともに、その手のひらの上に液体を吐出させることができるようにしたものである。 [0011] しかし、特許文献 1に記載の手動ポンプでは、第 1に、液体を吐出させる動作がやりにくぐ操作性が悪いという問題がある。すなわち、手動ポンプを作動させるには、手の甲を作動部材の上に載せ、そのまま真下に向けて押し下げなければならないが、手の甲を使って真っ直ぐ下向きの力を加える動作は日常的なものではないので、な力なか思うように力が入らず、手動ポンプを押し下げるのに難がある。

[0012] また、第 2に、手動ポンプの高さが増し、手動ポンプ付き液体容器における液体の収容効率が悪いという問題がある。すなわち、特許文献 1に記載の手動ポンプは、ポンプ本体の頭部から水平方向に伸びる吐出管の先端を上方に湾曲させながら作動部材の上まで伸ばしているので、高さとして、吐出管を水平方向に伸ばすために必要な高さ（吐出管の太さ +ひ）と、作動部材を押し下げて手動ポンプを作動させるために必要な高さと、吐出管が上に伸びる高さとの総和が必要になるので、たとえ同じ大きさの容器本体であっても、特許文献 1に記載の手動ポンプを装着すると手動ボンプ部分の高さだけが増加してしま、、高さの割に液体の収容量が確保できな、。

[0013] 一方、特許文献 2に記載の吊下げ具では、第 1に、吐出口の下に手のひらを置くことがむず力しぐ操作性が悪いという問題がある。すなわち、既成の手動ポンプ付き液体容器に対し、吊下げ具を後付けして使用するので、吐出口の下に手のひらを置こうとすると、指先がポンプ本体や押圧体の中間部に衝突してしまい、吐出口の下まで手のひらを持って行きにくい。し力も、吐出管と押圧体との間は狭い空間しかないので、指を曲げて手のひらを差し込もうとしても吐出管が邪魔になり、上手く行かない

[0014] また、第 2に、手動ポンプ付き液体容器の持運びが不便になるという問題がある。すなわち、てこ式に手動ポンプを作動させるには、一端部が回動する押圧体の他端部を押し下げなければならないが、特許文献 2に記載の吊下げ具は、てこ式に作動させることを全く考慮してヽな、手動ポンプに対し、後付けでてこ式に作動させるものなので、力点が容器本体の側方に大きく飛び出してしまう。そのため、特許文献 2に記載の吊下げ具では、使用に際して容器本体を転倒させるような大きなモーメントが作用することとなり、吸盤で吊下げ具を壁面に確実に固定してお力なければ、実際に手動ポンプを使用することができない。その結果、手動ポンプ付き液体容器を吊下げ具ごと持ち運ぶにしても、手動ポンプ付き液体容器のみを持ち運ぶにしても、非常に面倒なものになる。

[0015] したがって、本発明が解決しょうとする課題は、片方の手だけで、操作性良く液体を吐出させることができ、し力も、液体の収容効率をできるだけ悪ィ匕させることなぐ持運びも簡単にできるようにすることである。

課題を解決するための手段

[0016] 本発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。

請求項 1に係る発明は、内部に液体を収容可能な容器本体に装着され、手を使つて作動させることにより、容器本体内の液体を外部に吐出させる手動ポンプであって、容器本体の上部に形成された開口部に取り付けられる蓋体と、上下動させること〖こより、容器本体の内部に収容された液体を吸入して外部に吐出させるポンプ本体と、蓋体の周辺部において上下方向に回動可能に取り付けられ、ポンプ本体を上力押し下げて作動させるための作動部材と、作動部材が回動する側の蓋体の周辺部を通つてポンプ本体と接続される液体の吐出管とを備え、作動部材は、蓋体に対して回動する部分をてこの支点とし、ポンプ本体を作動させる部分をてこの作用点としたとき、支点力作用点までの距離よりも支点力もの距離が長い力点を有し、力点が容器本体の投影面内に収まる形状であり、吐出管は、ポンプ本体から、作動部材における支点、作用点、及び力点のそれぞれよりも上方に伸びることを特徴とする。

[0017] 請求項 2に係る発明は、請求項 1に記載の手動ポンプにおいて、ポンプ本体は、蓋体に対して偏心した位置に設置されていることを特徴とする。

[0018] 請求項 3に係る発明は、内部に液体を収容可能な容器本体と、容器本体に装着され、手を使って作動させることにより、容器本体の内の液体を外部に吐出させる手動ポンプとを備える手動ポンプ付き液体容器であって、手動ポンプは、容器本体の上部に形成された開口部に取り付けられる蓋体と、上下動させることにより、容器本体の内部に収容された液体を吸入して外部に吐出させるポンプ本体と、蓋体の周辺部において上下方向に回動可能に取り付けられ、ポンプ本体を上力押し下げて作動させるための作動部材と、作動部材が回動する側の蓋体の周辺部を通ってポンプ本体と接続される液体の吐出管とを備え、作動部材は、蓋体に対して回動する部分をてこの支点とし、ポンプ本体を作動させる部分をてこの作用点としたとき、支点から作用点までの距離よりも支点からの距離が長い力点を有し、力点が容器本体の投影面内に収まる形状であり、吐出管は、ポンプ本体から、作動部材における支点、作用点、及び力点のそれぞれよりも上方に伸びることを特徴とする。

[0019] 請求項 4に係る発明は、請求項 3に記載の手動ポンプ付き液体容器において、容器本体は、底部が球面状に形成され、手動ポンプは、底部の最深部に向力つて下方に伸びる液体の導入管を備えることを特徴とする。

[0020] 請求項 5に係る発明は、請求項 3に記載の手動ポンプ付き液体容器において、容器本体は、下部に台座が取外し自在に取り付けられていることを特徴とする。

[0021] 請求項 1に係る発明の手動ポンプ及び請求項 3に係る発明の手動ポンプ付き液体容器では、ポンプ本体を上力押し下げて作動させるための作動部材が蓋体の周辺部において上下方向に回動可能に取り付けられており、この作動部材は、蓋体に対して回動する部分をてこの支点とし、ポンプ本体を作動させる部分をてこの作用点としたとき、支点力作用点までの距離よりも支点力の距離が長い力点を有する形状であるので、てこの作用により、作動部材の上に手の甲を載せて軽く力をカ卩えるだけで、手動ポンプを作動させることができる。

[0022] また、液体の吐出管は、ポンプ本体から、蓋体の周辺部を通って作動部材における支点、作用点、及び力点のそれぞれよりも上方に伸びているので、蓋体の上側で吐出管を水平方向に伸ばす必要がなくなり、蓋体に完全に覆いかぶさるまで作動部材の押下げが可能となることから、その分だけ手動ポンプの高さを低く抑えることができる。さらに、吐出管は、作動部材が回動する側 (支点側）の蓋体の周辺部を通って作動部材の支点、作用点、及び力点のそれぞれよりも上方に伸びるので、吐出管が作動部材の力点力離れるとともに、作動部材の上方に十分な空間が確保される結果、作動部材の上に手の甲側を載せる際に吐出管が邪魔にならなくなる。しかも、作動部材の力点が容器本体の投影面内に収められているので、転倒の心配がなくなる。

[0023] 請求項 2に係る発明の手動ポンプでは、ポンプ本体が蓋体に対して偏心した位置に設置されているので、ポンプ本体と平行に吐出管が上方に伸びる場合であっても、蓋体の大きさを必要最小限のものとすることができる。一方、ポンプ本体の上部に吐出管が接続されている場合には、そのままで吐出管が蓋体の周辺部を通るようになる。

[0024] 請求項 4に係る発明の手動ポンプ付き液体容器では、容器本体の底部が球面状に形成され、底部の最深部に向かって下方に伸びる液体の導入管を備えるので、容器本体内の液体を余すところなく吐出させることができる。

[0025] 請求項 5に係る発明の手動ポンプ付き液体容器では、容器本体の下部に台座が取外し自在に取り付けられているので、必要に応じて容器本体を洗面台等の上に固定し、使用時の転倒や横ずれを防止するための台座や、複数の手動ポンプ付き液体容器を並べて置くための台座を取り付けることができる。

発明の効果

[0026] 請求項 1に係る発明の手動ポンプ及び請求項 3に係る発明の手動ポンプ付き液体容器によれば、てこの作用により、手の甲を載せて軽く力を加えるだけで手動ポンプを作動させることができる。また、手の甲を載せる十分な空間が確保されている。そのため、片方の手だけで、しかも、容器本体上で軽く押すだけで簡単に液体を吐出させることができ、手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器の操作性が大幅に向上する。

[0027] 請求項 2に係る発明の手動ポンプによれば、蓋体の大きさを必要最小限のものとすることができる。そのため、手動ポンプの幅が必要以上に大きくならない。また、蓋体を取り付ける開口部が小さい既存の容器本体に対しても、手動ポンプを装着することができるようになる。

[0028] 請求項 4に係る発明の手動ポンプ付き液体容器によれば、容器本体内の液体を余すところなく吐出させることができる。そのため、容器本体内の液体を無駄なく使用することがでさる。

[0029] 請求項 5に係る発明の手動ポンプ付き液体容器によれば、取り付ける台座により、容器本体を洗面台等の上に固定して使用時の転倒や横ずれを防止したり、複数の手動ポンプ付き液体容器を並べて置くことができる。そのため、操作性がより一層向上する。

図面の簡単な説明 [0030] [図 1]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 1)

[図 2]手動ポンプ付き液体容器の使用状態を示す側面図である。（実施例 1)

[図 3]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 2)

圆 4]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 3)

[図 5]手動ポンプ付き液体容器の使用状態を示す断面図である。（実施例 3)

[図 6]手動ポンプ付き液体容器を 3つ並べて配置した例を示す正面図である。（実施例 4)

[図 7]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 5)

[図 8]手動ポンプ付き液体容器の使用状態を示す断面図である。（実施例 5)

[図 9]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 6)

[図 10]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 7)

[図 11]手動ポンプ付き液体容器の使用状態を示す断面図である。（実施例 7)

[図 12]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 8)

[図 13]手動ポンプ付き液体容器を示す断面図である。（実施例 9)

[図 14]手動ポンプ付き液体容器の使用状態を示す断面図である。（実施例 9) 符号の説明

[0031] 10a〜： LOh 手動ポンプ付き液体容器

11 容器本体

12 開口部

13 底部

13a 溝部

14 台座

14a 吸盤部

14b 解放片

14c 脚部

14d 突起部

15 台座

15a 突起部 21 蓋体

21a 突起

21b 加圧穴

22 ポンプ本体

22a 円筒

22b =3イノレバネ

22c シリンダー

22d 吸入弁

22e 吐出弁

22f 取付け部材

23 作動部材

23a 支点

23b 作用点

23c 力点

24 吐出管

24a ストッパー

24b 吐出口

24c 吐出部

24d シリンダー兼.

25 導入管

26 コイノレバネ

27, 27 &〜 27c クッシ 3ン材

28 装飾部材

29 調整ネジ

29a つまみ部

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の最良の実施形態について述べ、さらに、図面等を参照して、本発明の実施例について説明する。本発明の手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器は、容器本体の上部に形成された開口部に取り付けられる蓋体を備える。ここで、容器本体は、その内部に、液体石鹼、シャンプー、コンディショナー、各種の洗剤、消毒液等の液体を収容しておくものであり、通常は、液体を詰め替えるために、その上部に周囲が雄ねじの開口部 (液体注入口）が形成されている。したがって、蓋体としては、この開口部 (液体注入口）を覆ってねじ込むことができる円形のものが一般的である。

[0033] また、本発明の手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器は、上下動させることにより、容器本体の内部に収容された液体を吸入して外部に吐出させるポンプ本体を備える。このポンプ本体としては、例えば、コイルパネに反発支持された円筒内の細長いシリンダーに下向きの力を加え、一度下降させたシリンダーをコイルパネで上昇させると円筒の下にある吸入弁が開、て液体が吸入され、再び下向きの力を加えてシリンダ一を下降させると吐出弁力も液体が吐出されるもの等がある。なお、ポンプ本体には、液体を泡状にして吐出する方式のものも含まれる。

[0034] このように、ポンプ本体は、例えば、円筒、シリンダー、吸入弁及び吐出弁によって構成され、円筒の上部を蓋体の下面に液密に固定することにより、シリンダーが蓋体を貫通し、蓋体の上方にシリンダーの上部が突き出るようにすることができる。そして、コイルパネを圧縮し、シリンダーの上部が蓋体の上面にほぼ一致するまでシリンダ一を下降させれば、手動ポンプが作動する。

[0035] 本発明の手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器は、さらに、蓋体の周辺部において上下方向に回動可能に取り付けられ、ポンプ本体 (シリンダー）を上力押し下げて作動させるための作動部材を備える。この作動部材としては、ポンプ本体の細長いシリンダーを手で簡単に下降させることができるように、上面が平面的なものが好ましい。そして、円形の蓋体の周辺部（蓋体の円周上の一部分）に作動部材の一端部を回動可能に取り付ければ、作動部材が蓋体の上力覆いかぶさるように上下回転するようになる。

[0036] また、作動部材は、一端部が蓋体上にあり、中間部がシリンダーの上部（コイルパネの反発力）によって持ち上げられるので、蓋体に対して回動する部分 (一端部）がてこの支点で、ポンプ本体を作動させる部分 (シリンダーの上部と接触する作動部材の下面部分)がてこの作用点になる。そのため、最も持ち上げられた反対側の部分 (他端部)を力点とすることができ、この力点は、支点力も作用点までの距離よりも支点からの距離が長いので、この力点に力を加えて作動部材を押し下げることにより、軽い力で手動ポンプを作動させることができる。し力も、作動部材の力点が容器本体の投影面内に収められているので、作動部材の押下げによって容器本体が転倒する心配がない。

[0037] さらにまた、本発明の手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器は、作動部材が回動する側の蓋体の周辺部を通り、作動部材の支点、作用点、及び力点のそれぞれよりも上方に伸びる液体の吐出管を備える。この吐出管は、例えば、手動ポンプの吐出弁から水平方向に向かい、その後、 L字形に折れ曲がって上方に向力ぃ、鉛直面内で湾曲して先端 (吐出口）が下向きとなる形状のものや、手動ポンプの吐出弁からそのまま上方に向力、、鉛直面内で湾曲して先端 (吐出口）が下向きとなる形状のものである。

[0038] このような吐出管であれば、蓋体の上側と作動部材の下側との間で吐出管を水平方向に伸ばす必要がなく、蓋体に完全に覆、かぶさるまで作動部材を押し下げることができるようになるので、手動ポンプに必要な高さを低くすることができる。し力も、吐出管は、作動部材における力点とは反対側の位置を通って支点、作用点、及び力点のそれぞれよりも上方に伸びることとなるので、吐出管が作動部材の力点力遠く離れるとともに、作動部材の上方に十分な空間が確保され、作動部材の上に手の甲側を載せても吐出管が邪魔になることなぐ手のひらを吐出口の下に位置させることができる。

実施例 1

[0039] 図 1は、実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aを示す断面図である。

図 1に示すように、実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aは、球状の容器本体 11 に手動ポンプを装着したものである。この手動ポンプは、容器本体 11の上部に形成された開口部 12 (液体注入口）に取り付けられる蓋体 21と、容器本体 11の内部に収容された液体 (例えば、液体石鹼等）を吸入して外部に吐出させるポンプ本体 22と、ポンプ本体 22を上力も押し下げて作動させるための作動部材 23と、ポンプ本体 22と接続された液体の吐出管 24と、容器本体 11の底部 13に向力つて下方に伸びる液体の導入管 25とを備える。

[0040] ポンプ本体 22は、円筒 22a内でコイルパネ 22bに反発支持されたシリンダー 22cを有するものであり、円筒 22aの下面にはボール式の吸入弁 22dが設けられ、円筒 22 aの側面にはボール式の吐出弁 22eが設けられている。そのため、シリンダー 22cに下向きの力を加え、一度下降させたシリンダー 22cをコイルパネ 22bで上昇させると、円筒 22aの下にある吸入弁 22dが開いてシリンダー 22cと吸入弁 22dとの間の内部空間に下力も液体が吸入される。また、再び下向きの力を加えてシリンダー 22cを下降させると、今度は吐出弁 22eから液体が吐出される。このように、ポンプ本体 22は、シリンダー 22cを上下動させることにより、液体を吸入して外部に吐出させることができる。

[0041] このポンプ本体 22は、蓋体 21に対して偏心した位置に設置されており、細長いシリンダー 22cが蓋体 21を貫通し、シリンダー 22cの半球状の頭部が蓋体 21の上方に突出している。また、吸入弁 22dの部分には導入管 25が接続され、吐出弁 22eの部分には吐出管 24が接続されている。

[0042] このようなポンプ本体 22を作動させる作動部材 23は、天板を有する円筒を斜めに切り欠いた形状のものであり、蓋体 21の周辺部（蓋体 21の円周上の一部分）において上下方向に回動可能に取り付けられている。そのため、この取付け部が支点 23aとなって回転し、図 1に実線で示す状態と点線で示す状態とになり得る。そして、通常は、コイルパネ 22bに反発支持されたシリンダー 22cが作動部材 23の天板の下面を押し上げ、跳ね上げられた状態（実線）になっている。なお、作動部材 23の跳上りは、吐出管 24に形成されたストッパー 24aによって制限されている。

[0043] したがって、作動部材 23は、てこ式に手動ポンプを作動させることができる。すなわち、作動部材 23は、蓋体 21に対して回動する部分がてこの支点 23aになり、シリンダ一 22cの半球状の頭部が作動部材 23の天板の下面を押し上げる部分がてこの作用点 23bになる。そのため、支点 23aと反対側の天板の周辺部を力点 23cとして上から作動部材 23を押し下げることにより、軽い力でコイルパネ 22bを圧縮し、シリンダー 2 2cを下降させることができる。しカゝも、力点 23cが容器本体 11の投影面内にあるので、力点 23cに力を加えても、容器本体 11が転倒する心配はない。

[0044] さらに、吐出管 24は、吐出弁 22eの部分力水平方向に向力つた後、 L字形に折れ曲がって上方に向かい、支点 23a側から蓋体 21の周辺部を貫通し、そのまま作動部材 23も貫通して支点 23a、作用点 23b、及び力点 23cのそれぞれよりも上方に伸びている。そして、鉛直面内で湾曲して先端の吐出口 24bが下向きになっている。そのため、吐出管 24が作動部材 23の周辺部を通ることとなり、作動部材 23の上面が吐出管 24に邪魔されることなぐ広く開放されたものとなる。し力も、蓋体 21と作動部材 23との間で吐出管 24が水平方向に向力ことがないので、蓋体 21に完全に覆いかぶさるまで作動部材 23を押し下げることができる。

[0045] このように、吐出管 24が蓋体 21を貫通して作動部材 23の周辺部を通り、支点 23a 、作用点 23b、及び力点 23cのそれぞれよりも上方に伸びると、作動部材 23の上面が広く開放されるので、作動部材 23の上に簡単に手の甲側を載せることができる。また、作動部材 23を蓋体 21に完全に覆いかぶせることができるので、手動ポンプの高さを低く抑えたり、逆に、手動ポンプの高さが低くなる分だけ容器本体 11の高さを増やすことができ、液体の収容効率が向上する。なお、吐出管 24の少なくとも先端部を可とう性のものにしておけば、吐出口 24bの向きを手のひらの位置に合せて自由に調整することができるよう〖こなる。

[0046] 一方、導入管 25は、球面状の底部 13の最深部に向力つて伸びており、先端が V字形に切り込まれている。そのため、最後の液体が集まる部分に導入管 25の先端を位置させることができ、導入管 25の先端が底部 13に接触していても V字形の切込みから液体を吸入することができるので、容器本体 11内の液体をほとんど残さずに使ヽ切ることが可能になる。

[0047] このような蓋体 21、ポンプ本体 22、作動部材 23、吐出管 24及び導入管 25を備える手動ポンプは、図 1に示すように、周囲に雄ねじが形成された開口部 12に蓋体 21 をねじ込むことによって容器本体 11に装着することができる。すなわち、作動部材 23 は、通常は、図 1の実線で示すように跳ね上げられている。そのため、蓋体 21の側面が露出しており、この側面を指でつまんで回すことによって簡単にねじ込みでき、実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aとなる。 [0048] なお、ポンプ本体 22は、蓋体 21に対して偏心した位置に設置され、吐出管 24は、ポンプ本体 22と反対側の位置力も蓋体 21を貫通するので、蓋体 21の大きさを必要最小限にすることができる。そのため、蓋体 21の大きさを既存の容器本体の開口部に合せることも容易にできるので、図 1に示す容器本体 11に限らず、多くの容器本体に装着することが可能である。

[0049] また、容器本体 11に収容する液体の種類 (例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ）により、容器本体 11や作動部材 23等の色や質感等を変更し、視覚的又は触覚的に液体の種類を判別できるようにすることも可能である。

[0050] 図 2は、実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aの使用状態を示す側面図である。

実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aを使用するには、最初に、手のひらを上にして、図 2 (a)に示すように、作動部材 23の上面に手の甲側を置けば良い。この際、作動部材 23の上面が広く開放されているので、吐出管 24に邪魔されることなぐ簡単に手を置くことができる。そうすると、各指の背の第 2関節の周辺部が作動部材 23 の力点 23c上に自然に位置するようになる。また、吐出管 24の吐出口 24bが手のひらに向く。

[0051] 次に、作動部材 23の力点 23cを押し下げるように力を加えれば、作動部材 23が支点 23aを中心に回転し、図 2 (b)に示すように、作動部材 23の上面が水平になって蓋体 21を覆い隠すようになる。この際、支点 23aから力点 23cまでの距離は、図 1に示すように、支点 23aから作用点 23bまでの距離よりも長いので、てこの作用により、軽く力を加えるだけで良い。すると、シリンダー 22cが下降し、図 2 (b)に示すように、吐出口 24bから手のひらの上に液体が吐出する。

[0052] したがって、片方の手だけで軽く作動部材 23を押し下げることができ、その手のひらの上に操作性良く液体を吐出させることができる。また、従来の手動ポンプ付き液体容器よりも容器本体 11の高さを増やすことができ、液体の収容効率が向上する。さらに、持運びも簡単にできる。

実施例 2

[0053] 図 3は、実施例 2の手動ポンプ付き液体容器 10bを示す断面図である。

図 3に示す実施例 2の手動ポンプ付き液体容器 10bは、図 1に示す実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aに対し、容器本体 11、ポンプ本体 22、及び吐出管 24の構造を変更したものである。すなわち、ポンプ本体 22は、大径の円筒 22aと吸入弁 22d とを有しており、吐出管 24は、上側の吐出部 24cと下側のシリンダー兼用部 24dとから構成されている。そして、吐出管 24のシリンダー兼用部 24dは、下端に板式の吐出弁 22eを備えており、ポンプ本体 22の円筒 22a内を上下動するようになって、る。

[0054] また、作動部材 23は、蓋体 21との間に配置されたコイルパネ 26によって跳ね上げられ、作用点 23bでは、作動部材 23が吐出管 24のシリンダー兼用部 24dの側面に食い込んでいる。そのため、コイルパネ 26により、作動部材 23の作用点 23bを介して吐出管 24の全体が上昇し、円筒 22aの下にあるボール式の吸入弁 22dが開いて、吐出弁 22eと吸入弁 22dとの間の内部空間に液体が吸入される。

[0055] 実施例 2の手動ポンプ付き液体容器 10bを使用するには、手のひらを上にして作動部材 23の上面に手の甲側を置き、作動部材 23の力点 23cを押し下げる。すると、作動部材 23が支点 23aを中心に回転し、作用点 23bを介して吐出管 24の全体が下降するとともに、吐出弁 22eが開く。そのため、ポンプ本体 22内の液体が吐出管 24 の吐出口 24bから吐出する。

[0056] このような実施例 2の手動ポンプ付き液体容器 10bによれば、実施例 1の手動ボンプ付き液体容器 10aよりも支点 23aから作用点 23bまでの距離が短くなるので、より軽い力で吐出管 24のシリンダー兼用部 24dを下降させることができる。また、コイルパネ 26がポンプ本体 22から独立しているので、ポンプ本体 22の形状等に制約されることなく、コイルパネ 26のパネ定数を自由に設定することができる。そのため、ボンプ本体 22を作動させる力を適度なものにすることが一層簡単になる。なお、実施例 2 の手動ポンプ付き液体容器 10bでは、吐出管 24のシリンダー兼用部 24dのストロークが短くなるので、液体の吸入量及び吐出量を確保するために、円筒 22aを大径にしている。

[0057] さらに、実施例 2の手動ポンプ付き液体容器 10bでは、容器本体 11が上下の分割体になっている。そのため、上下の色等の組み合わせを簡単に変更することができるので、例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープで別の色の組み合わせにしておけば、収容されて!、る液体の判別が容易になる。実施例 3

[0058] 図 4は、実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cを示す断面図である。

図 4に示す実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cは、図 1に示す実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aに対し、容器本体 11、ポンプ本体 22、及び吐出管 24の構造を変更したものである。すなわち、背後が平面の容器本体 11の底部 13に台座 14 が取り付けられており、この台座 14は、三角形に並ぶ、 1つの吸盤部 14a及び 2つの脚部 14cを有している。そのため、容器本体 11の背後を洗面台等の壁面にぴったりとくつつけながら、吸盤部 14aによって容器本体 11を簡単かつ確実に固定できるとともに、使用時の転倒や横ずれを防止できる。なお、吸盤部 14aによる容器本体 11の固定は、吸盤部 14aに形成されている解放片によって簡単に解除できる。

[0059] また、ポンプ本体 22は、大径の円筒 22a、コイルノネ 22b、吸入弁 22d、及び吐出弁 22eを有しており、吐出管 24は、図 3に示す実施例 2の手動ポンプ付き液体容器 1 Obと同様に、上側の吐出部 24cと下側のシリンダー兼用部 24dとから構成されている。そして、吐出管 24の吐出部 24cは、 S字状に曲がっており、吐出口 24bの近くには、花びら状の装飾部材 28が取り付けられている。そのため、吐出管 24が花のように見える視覚効果を有する。一方、吐出管 24のシリンダー兼用部 24dは、ポンプ本体 2 2の円筒 22a内を上下動して吐出弁 22eを作動させるようになつている。そのため、コィルバネ 22bにより、作用点 23bを介して作動部材 23が跳ね上げられるとともに、吐出管 24の全体が上昇する。

[0060] 実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cを使用するには、最初に、手のひらを上にして、図 4に示すように、作動部材 23の上面に手の甲側を置けば良い。この際、吐出管 24の吐出部 24cは、図 4に示すように、 S字状に曲がっており、作動部材 23の上面が広く開放されているので、吐出管 24に邪魔されることなぐ簡単に手を置くことができる。そうすると、各指の背の第 2関節の周辺部が作動部材 23の力点 23c上に自然に位置するようになる。また、吐出管 24の吐出口 24bが手のひらに向く。

[0061] 図 5は、実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cの使用状態を示す断面図である。

実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cは、作動部材 23の上面に手の甲側を置き、そのまま力点 23cを押し下げるように力をカ卩えれば、作動部材 23が支点 23aを中心に回転し、図 5に示すように、作動部材 23の上面が水平になって蓋体 21を覆い隠すようになる。この際、実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aよりも支点 23aから作用点 23bまでの距離が短くなつているので、より軽く力をカ卩えるだけで良い。すると、吐出管 24の全体が下降し、図 5に示すように、吐出口 24bから手のひらの上に液体が吐出する。

[0062] したがって、片方の手だけで軽く作動部材 23を押し下げることができ、その手のひらの上に操作性良く液体を吐出させることができる。また、作動部材 23の上面に手の甲を載せる際には、吐出管 24が S字状に曲がっているので、吐出管 24が邪魔になることはない。さらに、液体を吐出させる際には、作動部材 23の押下げとともに吐出管 2 4が下降するので、作動部材 23の押下げによって手のひらが吐出口 24bから離れてしまうこともなぐ吐出口 24bから吐出された液体が確実に手のひらの上に向かう。

[0063] また、実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cは、台座 14が容器本体 11の底部 1 3に取り付けられており、 3か所に設けられた突起部 14dが対応する 3つの溝部 13a にはまり込んで固定されるようになっている。そのため、台座 14は、突起部 14dを溝部 13aから外すことにより、容器本体 11から簡単に取り外すことが可能であり、例えば、後述する別の台座 15と取り替えて、複数の手動ポンプ付き液体容器 10cを並べて置くことができる。

実施例 4

[0064] 図 6は、実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cを 3つ並べて配置した例（実施例 4)を示す正面図である。

前述したように、実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cは、図 4に示す台座 14の突起部 14dが溝部 13aにはまり込むことで取り付けられているので、台座 14が取外し自在となっている。そこで、図 6に示すように、 3つの手動ポンプ付き液体容器 10cを取り付けることができる別の台座 15を用意し、その各突起部 15aを各溝部 13a (図 4 参照）にそれぞれはめ込めば、手動ポンプ付き液体容器 10cを 3つ並べて配置することができる。

[0065] ここで、 3つの手動ポンプ付き液体容器 10cの各作動部材 23には、色と模様が異なる 3種類のクッション材 27a、クッション材 27b、及びクッション材 27cがそれぞれ貼り付けられている。そして、クッション材 27aの表面には、収容する液体がシャンプーであることを示す「S」の文字をモチーフにした模様が描かれており、クッション材 27bの表面には、収容する液体がリンスであることを示す「R」の文字をモチーフにした模様が描かれており、クッション材 27cの表面には、収容する液体がボディーソープであることを示す「B」の文字をモチーフにした模様が描かれて、る。

[0066] したがって、図 6に示す台座 15により、風呂場に並べて置かれることが多いシャンブー、リンス、及びボディーソープをそれぞれ収容した 3つの手動ポンプ付き液体容器 10cを整列させることができる。そして、クッション材 27a、クッション材 27b、及びクッシヨン材 27cにより、液体を吐出させる際の使用感を向上させつつ、表面に描かれた模様から、各手動ポンプ付き液体容器 10cに収容されてヽる液体の種類を容易に判別できる。また、花びら状の各装飾部材 28は、クッション材 27a、クッション材 27b、及びクッション材 27cに合わせた配色となっており、正面から見ると、液体の種類 (シヤンブー、リンス、ボディーソープ）に応じて 3つの異なる色の花が並んで咲いているように見える。

実施例 5

[0067] 図 7は、実施例 5の手動ポンプ付き液体容器 10dを示す断面図である。

図 7に示す実施例 5の手動ポンプ付き液体容器 10dは、図 4に示す実施例 3の手動ポンプ付き液体容器 10cに対し、液体の吐出量を調整するための調整ネジ 29を追カロしたものである。すなわち、蓋体 21に調整ネジ 29が取り付けられており、この調整ネジ 29は、下側にある平板状のつまみ部 29aを指でつまんで回すことにより、蓋体 2 1に対して上下するようになっている。そのため、容器本体 11を取り外し、蓋体 21の裏面側からつまみ部 29aを指で回して調整ネジ 29を上下させれば、蓋体 21の上面力も調整ネジ 29が突出する程度を自由に変更することができる。

[0068] 図 8は、実施例 5の手動ポンプ付き液体容器 10dの使用状態を示す断面図である。

実施例 5の手動ポンプ付き液体容器 10dにおいて、図 7に示す状態では、調整ネジ 29が蓋体 21の上面力もある程度突出した状態になっている。そして、この状態で作動部材 23の上面に手の甲側を置き、作動部材 23を押し下げると、図 8に示すように、作動部材 23は、その下面が調整ネジ 29の頭部と接触した位置で止まる。すなわち、作動部材 23の押下げ量が調整ネジ 29によって途中で規制されるようになる。すると、吐出管 24のシリンダー兼用部 24dの下降量が少なくなり、その結果、ポンプ本体 22による液体の吐出量が減ることとなる。

[0069] したがって、調整ネジ 29のつまみ部 29aを指でつまんで回し、蓋体 21の上面から調整ネジ 29が突出する程度を適宜設定すれば、容器本体 11に収容されて!ヽる液体の種類 (例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ）に応じて適度な吐出量になるように調整したり、使用者の好みに応じて液体の吐出量を調整することができる。

実施例 6

[0070] 図 9は、実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eを示す断面図である。

図 9に示す実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eは、図 1に示す実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aに対し、容器本体 11の形状を変更し、蓋体 21や作動部材 23を大径ィ匕したものである。そして、吐出管 24が蓋体 21の周辺部を貫通するようにしつつ、ポンプ本体 22を蓋体 21の中心に配置して!/、る。

[0071] このような実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eによれば、作動部材 23を大径化した分だけ作用点 23bから力点 23cまでの距離が長くなるので、図 1に示す実施例 1の手動ポンプ付き液体容器 10aと同じポンプ本体 22であっても、より軽、力でシリンダ一 22cを下降させることができる。

[0072] また、作動部材 23が大径ィ匕して、るので、作動部材 23の上面がより広く開放されたものになっている。そのため、使用者は、自分の手の甲側の最も楽な部分を選んで作動部材 23の上に載せることができるだけでなぐ軽い力でシリンダー 22cを下降させることができる力点 23cの範囲も広くなる。

[0073] さらに、実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eは、容器本体 11の底部 13にはめ込み式の台座 14が取外し自在に取り付けられており、台座 14は、吸盤部 14a及び解放片 14bを有している。そのため、吸盤部 14aによって容器本体 11を洗面台等の上に簡単かつ確実に固定できるとともに、使用時の転倒や横ずれを防止できる。一方、手動ポンプ付き液体容器 10eを持ち運ぶ際には、解放片 14bによって容器本体 11の固定を解除すれば良い。なお、台座 14を取り替えれば、図 6に示す実施例 4の手動ポンプ付き液体容器 10cのように、実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eを複数並べて配置することもできる。

[0074] さらにまた、実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eは、図 6に示す実施例 4の手動ポンプ付き液体容器 10cと同様、作動部材 23の力点 23cの周辺部にクッション材 27が貼り付けられている。そのため、液体を吐出させる際の使用感が向上する。しかも、容器本体 11に収容する液体の種類 (例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ )によってクッション材 27や台座 14の色、質感等を変更すれば、視覚的又は触覚的に液体の種類を判別できるようになる。

[0075] なお、実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eでは、作動部材 23の大径ィ匕に伴つて吐出管 24の吐出口 24bの位置も変更している力吐出管 24を可とう性のものにしておけば、吐出口 24bの向きを自由に調整できるようになる。

実施例 7

[0076] 図 10は、実施例 7の手動ポンプ付き液体容器 10fを示す断面図である。

図 10示す実施例 7の手動ポンプ付き液体容器 10fは、図 9に示す実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eに対し、吐出管 24が作動部材 23の押下げとともに上下に首を振るようにしたものである。すなわち、吐出管 24は、ストッパー 24aの下部が蛇腹状になっており、可とう性を有している。そのため、吐出管 24は、ストッパー 24aから上方が作動部材 23の上面に対して常に垂直になる。

[0077] このような実施例 7の手動ポンプ付き液体容器 10fによれば、作動部材 23が押し下げられていないときは、図 10に示すように、吐出管 24が後方に反り返って作動部材 2 3の上面が一層広く開放される。そのため、吐出管 24の高さを低くしても、作動部材 2 3の上面に手の甲を載せる際の邪魔にならないので、手動ポンプの高さを低く抑えることができる。また、逆に、手動ポンプの高さが低くなる分だけ容器本体 11の高さを増やすことができるので、液体の収容効率が向上する。

[0078] さらに、作動部材 23を押し下げれば、吐出管 24のストッパー 24aから上方が作動部材 23とともに回転し、吐出口 24bが下に向くので、作動部材 23に載せた手のひらの所望の位置に容易に液体を吐出させることができる。

[0079] 図 11は、実施例 7の手動ポンプ付き液体容器 10fの使用状態を示す断面図である実施例 7の手動ポンプ付き液体容器 lOfを使用するには、最初に、手のひらを上にして、図 11に示すように、作動部材 23の上面にあるクッション材 27に手の甲を置けば良い。この際、手を置く前の吐出管 24は、図 10に示すように、後方に反り返つており、作動部材 23の上面が広く開放されているので、吐出管 24に邪魔されることなぐ簡単に手を置くことができる。そうすると、手の甲が作動部材 23の力点 23c上に自然に位置するようになる。

[0080] 次に、作動部材 23の力点 23cを押し下げるように力を加えれば、作動部材 23が支点 23aを中心に回転し、図 11の矢印で示すように、吐出管 24も回転して吐出口 24b が手のひらに向く。また、作動部材 23の上面が水平になって蓋体 21を覆い隠すようになる。この際、支点 23aから力点 23cまでの距離は、図 10に示すように、支点 23a 力も作用点 23bまでの距離よりも長いので、てこの作用により、軽く力を加えるだけで良い。しかも、クッション材 27によって心地良く力を加えることができる。すると、ボンプ本体 22が作動し、図 11に示すように、吐出口 24bから手のひらの上に液体が吐出する。

[0081] したがって、片方の手だけで軽く作動部材 23を押し下げることができ、その手のひらの上に操作性良く液体を吐出させることができる。また、吐出管 24が作動部材 23 の押下げとともに上下に首を振るので、作動部材 23の上面に手の甲を載せる際には、吐出管 24が全く邪魔にならず、液体を吐出させる際には、吐出管 24の吐出口 24b が確実に手のひらの中央に向かう。

実施例 8

[0082] 図 12は、実施例 8の手動ポンプ付き液体容器 10gを示す断面図である。

図 12に示す実施例 8の手動ポンプ付き液体容器 10gは、図 9に示す実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eに対し、ポンプ本体 22及び吐出管 24の構造を変更したものである。すなわち、ポンプ本体 22は、下面が開口した蛇腹状のパネであり、蓋体 21と作動部材 23との間に挟まれた状態で、突起 21aによって固定されている。そして、蓋体 21には、加圧穴 21bが形成されており、作動部材 23の加圧穴 21bに対応する範囲が作用点 23bとなっている。また、吐出管 24は、容器本体 11の底部 13に向かって下方まで伸びている。 [0083] 実施例 8の手動ポンプ付き液体容器 lOgでは、作動部材 23の力点 23cを押し下げるとポンプ本体 22が圧縮され、ポンプ本体 22内にあった空気が加圧穴 21bを通って容器本体 11内に流入する。すると、その空気圧によって容器本体 11内にある液体の液面が下がり、その分だけ吐出管 24内の液体が押し出され、先端が V字形に切り込まれた吐出口 24bから液体が吐出する。

[0084] このような実施例 8の手動ポンプ付き液体容器 lOgによれば、ポンプ本体 22の構造を単純ィ匕することができる。なお、吐出管 24は、全体が可とう性を有しており、実施例 7の手動ポンプ付き液体容器 10fと同様に、作動部材 23の押下げとともに吐出管 24 が上下に首を振る。

実施例 9

[0085] 図 13は、実施例 9の手動ポンプ付き液体容器 10hを示す断面図である。

図 13に示す実施例 9の手動ポンプ付き液体容器 10hは、図 9に示す実施例 6の手動ポンプ付き液体容器 10eに対し、蓋体 21、ポンプ本体 22、及び吐出管 24の構造を変更したものである。すなわち、図 13に示すように、蓋体 21は、小径の凹部と大径の凹部とを有しており、ポンプ本体 22は、内周面に雌ねじが形成された取付け部材 2 2fにより、蓋体 21の小径の凹部内にねじ込まれている。そのため、仮にポンプ本体 2 2が故障等した場合であっても、蓋体 21をそのまま残して、ポンプ本体 22だけを容易に取り替えることができる。

[0086] 図 14は、実施例 9の手動ポンプ付き液体容器 10hの使用状態を示す断面図である図 14に示すように、吐出管 24は、ポンプ本体 22の頭部力も水平方向に向力い、その後、 L字形に折れ曲がり、蓋体 21の周辺部を通って上方に伸びている力吐出管 24の水平部分は、蓋体 21の大径の凹部内に収まるようになつている。そのため、蓋体 21に完全に覆いかぶさるまで作動部材 23を押し下げることができる。すると、吐出管 24の全体が下降するとともに、吐出口 24bから手のひらの上に液体が吐出する。なお、吐出口 24bの近くには、花びら状の装飾部材 28が取り付けられている。

産業上の利用可能性

[0087] 本発明の手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器は、片方の手だけで、操作性良く液体を吐出させることができ、し力も、液体の収容効率を悪化させることなぐ簡単に持運びができるので、様々な液体を吐出させる手動ポンプ及び手動ポンプ付き液体容器に適用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 内部に液体を収容可能な容器本体に装着され、手を使って作動させることにより、前記容器本体内の液体を外部に吐出させる手動ポンプであって、

前記容器本体の上部に形成された開口部に取り付けられる蓋体と、

上下動させることにより、前記容器本体の内部に収容された液体を吸入して外部に吐出させるポンプ本体と、

前記蓋体の周辺部において上下方向に回動可能に取り付けられ、前記ポンプ本体を上力押し下げて作動させるための作動部材と、

前記作動部材が回動する側の前記蓋体の周辺部を通って前記ポンプ本体と接続される液体の吐出管と

を備え、

前記作動部材は、前記蓋体に対して回動する部分をてこの支点とし、前記ポンプ本体を作動させる部分をてこの作用点としたとき、前記支点力も前記作用点までの距離よりも前記支点からの距離が長い力点を有し、前記力点が前記容器本体の投影面内に収まる形状であり、

前記吐出管は、前記ポンプ本体から、前記作動部材における前記支点、前記作用点、及び前記力点のそれぞれよりも上方に伸びる

ことを特徴とする手動ポンプ。

[2] 請求項 1に記載の手動ポンプにおいて、

ポンプ本体は、蓋体に対して偏心した位置に設置されてヽる

ことを特徴とする手動ポンプ。

[3] 内部に液体を収容可能な容器本体と、

前記容器本体に装着され、手を使って作動させることにより、前記容器本体の内の液体を外部に吐出させる手動ポンプと

を備える手動ポンプ付き液体容器であって、

前記手動ポンプは、

を備え、

ことを特徴とする手動ポンプ付き液体容器。

[4] 請求項 3に記載の手動ポンプ付き液体容器にぉ、て、

容器本体は、底部が球面状に形成され、

手動ポンプは、前記底部の最深部に向力つて下方に伸びる液体の導入管を備えることを特徴とする手動ポンプ付き液体容器。

[5] 請求項 3に記載の手動ポンプ付き液体容器にぉ、て、

容器本体は、下部に台座が取外し自在に取り付けられて、る

ことを特徴とする手動ポンプ付き液体容器。