明 細 書
液晶表示装置
技術分野
[0001] 本発明は、液晶表示装置に関し、特に、自発分極を有する液晶材料を用いたァク ティブマトリクス駆動の液晶表示装置に関する。
背景技術
[0002] 近年のいわゆる情報化社会の進展に伴って、パーソナルコンピュータ, PDA (
Personal Digital Assistants)等に代表される電子機器が広く使用されるようになってい る。このような電子機器の普及によって、オフィスでも屋外でも使用可能な携帯型の 需要が発生しており、それらの小型 ·軽量ィ匕が要望されている。そのような目的を達 成するための手段の一つとして液晶表示装置が広く使用されている。液晶表示装置 は、単に小型 ·軽量ィ匕のみならず、バッテリ駆動される携帯型の電子機器の低消費 電力化のためには必要不可欠な技術である。
[0003] 液晶表示装置は大別すると反射型と透過型とに分類される。反射型は液晶パネル の前面カゝら入射した光線を液晶パネルの背面で反射させてその反射光で画像を視 認させる構成であり、透過型は液晶パネルの背面に備えられた光源 (バックライト)か らの透過光で画像を視認させる構成である。反射型は環境条件によって反射光量が 一定しなくて視認性に劣るため、特に、マルチカラーまたはフルカラー表示を行うパ 一ソナルコンピュータ等の表示装置としては一般的に、カラーフィルタを用いた透過 型のカラー液晶表示装置が使用されている。
[0004] カラー液晶表示装置は、現在、 TFT (Thin Film Transistor)などのスイッチング素子 を用いたアクティブ駆動型のものが広く使用されて 、る。この TFT駆動の液晶表示装 置は、表示品質は高いものの、液晶パネルの光透過率が現状では数%程度しかな いので、高い画面輝度を得るためには高輝度のバックライトが必要になる。このため、 ノ ックライトによる消費電力が大きくなつてしまう。また、カラーフィルタを用いたカラー 表示であるため、 1画素を 3個の副画素で構成しなければならず、高精細化が困難で あり、その表示色純度も十分ではない。
[0005] このような問題を解決するために、本発明者等はフィールド 'シーケンシャル方式の 液晶表示装置を開発している (例えば、非特許文献 1, 2, 3参照)。このフィールド' シーケンシャル方式の液晶表示装置は、カラーフィルタ方式の液晶表示装置と比べ て、副画素を必要としないため、より精細度が高い表示が容易に実現可能であり、ま た、カラーフィルタを使わずに光源の発光色をそのまま表示に利用できるため、表示 色純度にも優れる。更に光利用効率も高いので、消費電力が少なくて済むという利 点も有している。し力しながら、フィールド 'シーケンシャル方式の液晶表示装置を実 現するためには、液晶の高速応答性(2ms以下)が必須である。
[0006] そこで、本発明者等は、上述したような優れた利点を有するフィールド ·シーケンシ ャル方式の液晶表示装置、または、カラーフィルタ方式の液晶表示装置の高速応答 化を図るベぐ従来に比べて 100〜1000倍の高速応答を期待できる自発分極を有 する強誘電性液晶等の液晶の TFT等のスイッチング素子による駆動を研究開発して いる(例えば、特許文献 1参照)。強誘電性液晶は、電圧印加によってその液晶分子 の長軸方向がチルトする。強誘電性液晶を挟持した液晶パネルを偏光軸が直交した 2枚の偏光板で挾み、液晶分子の長軸方向の変化による複屈折を利用して、透過光 強度を変化させる。
特許文献 1 :特開平 11 119189号公報
非特許文献 1 :吉原敏明,他(T.Yoshihara, et. al.):アイエルシーシー 98 (ILCC 98) P1-074 1998年発行
非特許文献 2 :吉原敏明,他(T.Yoshihara, et. al.):エーェム—エルシーディ, 99ダイ ジエストォブテク-カルペ一パーズ(AM- LCD'99 Digest of Technical Papers,) 185頁 1999年発行
非特許文献 3 :吉原敏明,他(T.Yoshihara, et. al.):エスアイディ, 00ダイジェストォブ テク二力ノレペーパーズ(SID'OO Digest of TechnicalPapers, ) 1176頁 2000年発行 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] フィールド 'シーケンシャル方式の液晶表示装置は、光利用効率が高くて、消費電 力の低減ィ匕が可能であると 、う利点を有しては 、るが、携帯機器への搭載のために
は更なる消費電力の低減ィ匕が求められている。このような消費電力の低減ィ匕の要求 は、フィールド 'シーケンシャル方式の液晶表示装置だけでなぐカラーフィルタ方式 の液晶表示装置についても同様である。
[0008] 図 1は、従来の液晶パネルの模式的平面図である。図 1に示すように、画素電極 40 及び TFT41がガラス基板 4上にマトリクス配置されており、各画素電極 40は TFT41 のドレイン端子と接続されている。 TFT41のソース端子はデータドライバ 32から引き 出された信号線 42に接続され、 TFT41のゲート端子はスキャンドライバ 33から引き 出された走査線 43に接続されている。また、この画素電極 40 (液晶容量)と並列にな るように、各画素に蓄積容量 80が設けられている。
[0009] 自発分極を有する液晶材料を用いた液晶表示装置にあっては、液晶のスィッチン グに大きな電荷量が必要となるので、各画素に電荷を蓄積するための蓄積容量 80を 設けることが一般的である。より一層の消費電力の低減ィ匕を実現するためには、液晶 パネルの開口率をさらに高めて、透過率をより大きくすることが効果的である力 各画 素に蓄積容量 80を設けなければならないため、液晶パネルの開口率を高められな いという問題がある。
[0010] また、蓄積容量 80の設置によって、各画素の容量が大きくなるので、スイッチング 素子 (TFT41)及び駆動回路 (データドライノ 32、スキャンドライバ 33)への負担が 大きいという問題もある。よって、蓄積容量を必要としない液晶表示装置の開発が望 まれている。
[0011] 本発明は斯カゝる事情に鑑みてなされたものであり、自発分極を有する液晶材料を 用いたアクティブマトリクス駆動の液晶表示装置にあって、蓄積容量を設けなくても十 分な透過率が得られて良好な表示が可能である液晶表示装置を提供することを目的 とする。
課題を解決するための手段
[0012] 第 1発明に係る液晶表示装置は、自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セ ルを有するアクティブマトリクス駆動の液晶表示装置にぉ 、て、前記液晶材料の単位 面積あたりの自発分極の大きさ Ps (nC/cm2 )が、 | 2Ps -A | ≤ | k-Clc-A |の条 件を満たし、蓄積容量を設けな ヽようにしてあることを特徴とする。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
k:液晶セルに印加される電圧の大きさ
[0013] 第 1発明の液晶表示装置にあっては、液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大 きさを Ps (nC/cm2 )、画素の電極面積を A (cm2 )、単位面積あたりの液晶容量を C lc (nF/cm2 )、液晶セルに印加される電圧の大きさを kとした場合に、 | 2Ps 'A | ≤ I k-Clc-A I の条件を満たす液晶材料を使用する。よって、蓄積容量を設けなくて も液晶部分における透過率を高くできるので良好な表示が可能となり、この結果、蓄 積容量は不要となり、液晶パネルの開口率を高くできて透過率の向上を図れる。
[0014] 第 2発明に係る液晶表示装置は、前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 7Vで あるとき、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは約 l lnC/cm2 以下であることを特徴とする。
[0015] 第 2発明の液晶表示装置にあっては、液晶セルへの印加電圧が 7Vである場合に、 単位面積あたりの自発分極の大きさ Psが約 l lnCZcm2以下である液晶材料を用い る。よって、第 1発明における条件を容易に満たせる。
[0016] 第 3発明に係る液晶表示装置は、前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 5Vで あるとき、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは約 8nCZcm2以 下であることを特徴とする。
[0017] 第 3発明の液晶表示装置にあっては、液晶セルへの印加電圧が 5Vである場合に、 単位面積あたりの自発分極の大きさ Psが約 8nCZcm2以下である液晶材料を用い る。よって、第 1発明における条件を容易に満たせる。
[0018] 第 4発明に係る液晶表示装置は、自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セ ルを有するアクティブマトリクス駆動の液晶表示装置にぉ 、て、前記液晶材料の単位 面積あたりの自発分極の大きさ Ps (nC/cm2 )が、 | 2Ps 'A | ≤ | 0. 6 -k-Clc-A
I の条件を満たし、蓄積容量を設けないようにしてあることを特徴とする。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
k:液晶セルに印加される電圧の大きさ
[0019] 第 4発明の液晶表示装置にあっては、液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大 きさを Ps (nC/cm2 )、画素の電極面積を A (cm2 )、単位面積あたりの液晶容量を C lc (nF/cm2 )、液晶セルに印加される電圧の大きさを kとした場合に、 | 2Ps 'A | ≤ I 0. 6 -k-Clc-A I の条件を満たす液晶材料を使用する。よって、蓄積容量を設け なくても液晶部分における透過率を高くできるので良好な表示が可能となり、この結 果、蓄積容量は不要となり、液晶パネルの開口率を高くできて透過率の向上を図れ る。また、第 1発明に比べて、液晶部分における透過率をより高くでき、液晶パネルと しての透過率もより向上できる。
[0020] 第 5発明に係る液晶表示装置は、前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 7Vで あるとき、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは約 7nCZcm2以 下であることを特徴とする。
[0021] 第 5発明の液晶表示装置にあっては、液晶セルへの印加電圧が 7Vである場合に、 単位面積あたりの自発分極の大きさ Psが約 7nCZcm2以下である液晶材料を用い る。よって、第 4発明における条件を容易に満たせる。
[0022] 第 6発明に係る液晶表示装置は、前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 5Vで あるとき、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは約 4. 5nC/cm2 以下であることを特徴とする。
[0023] 第 6発明の液晶表示装置にあっては、液晶セルへの印加電圧が 5Vである場合に、 単位面積あたりの自発分極の大きさ Psが約 4. 5nC/cm2以下である液晶材料を用 いる。よって、第 4発明における条件を容易に満たせる。
[0024] 第 7発明に係る液晶表示装置は、データ書込み走査における各ラインの走査時間 力 液晶がほとんど応答せずに、透過率の変化がほとんど生じない時間であることを 特徴とする。
[0025] 第 7発明の液晶表示装置にあっては、各ラインの走査時間をこのように設定するこ とにより、自発分極を有する液晶材料の TFT等のスイッチング素子を用いたァクティ ブマトリクス駆動を安定的に行える。一般的に、各ラインの走査時間(ゲート'オン)内 で自発分極を有する液晶材料の応答が生じた場合、 +印加時と 印加時とでゲート •オフ時の液晶による電荷消費に差が生じるため、表示の焼付きが起こるが、第 7発
明ではこのようなことを防止できる。
[0026] 第 8発明に係る液晶表示装置は、各ラインの走査時間が 5 sZライン以下であるこ とを特徴とする。
[0027] 第 8発明の液晶表示装置にあっては、各ラインの走査時間を 5 μ sZライン以下とす る。よって、走査時間内で液晶の電界応答がほとんど生じずに安定した駆動が可能 である。また、高速走査を必要とするフィールド 'シーケンシャル方式においても、走 查線 560本以上の大容量の表示が可能である。
[0028] 本発明の液晶表示装置は、複数色の光を経時的に切り換えるフィールド'シーケン シャル方式にてカラー表示を行う。よって、高精細、高色純度、高速応答性を有する カラー表示が可能である。
[0029] 本発明の液晶表示装置は、カラーフィルタを用いるカラーフィルタ方式にてカラー 表示を行う。よって、容易にカラー表示を行える。
[0030] 本発明の液晶表示装置は、表示用の光源として発光ダイオードを用いる。よって、 点灯、消灯の切り換えを容易に行えて、表示色純度も向上する。
発明の効果
[0031] 本発明では、自発分極を有する液晶材料を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶 表示装置にあって、蓄積容量を設ける必要がなくなるので、液晶パネルの開口率を 高くできる。この結果、光利用効率が高くなるので、消費電力の低減ィ匕を図ることが できる。
図面の簡単な説明
[0032] [図 1]従来の液晶パネルの模式的平面図である。
[図 2]液晶容量に対する液晶材料の自発分極の大きさの比( I 2PsZClc I )と透過 率との関係を示すグラフである。
[図 3]液晶表示装置における各ラインの走査時間と透過率との関係を示すグラフであ る。
[図 4]本発明の液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
[図 5]フィールド ·シーケンシャル方式の液晶表示装置における液晶パネル及びバッ クライトの模式的断面図である。
[図 6]液晶表示装置の全体の構成例を示す模式図である。
[図 7]本発明の液晶パネルの模式的平面図である。
[図 8]LEDアレイの構成例を示す模式図である。
[図 9]フィールド 'シーケンシャル方式の液晶表示装置における駆動シーケンスの一 例を示す図である。
[図 10]カラーフィルタ方式の液晶表示装置における液晶パネル及びバックライトの模 式的断面図である。
[図 11]カラーフィルタ方式の液晶表示装置における駆動シーケンスの一例を示す図 である。
符号の説明
[0033] 7 LEDアレイ
13 液晶層
21 液晶パネル
22 ノ ックライ卜
32 データドライバ
33 スキャンドライノく
40 画素電極
41 TFT
42 信号線
43 走査線
発明を実施するための最良の形態
[0034] 自発分極を有する液晶材料を用いたアクティブマトリクス駆動の本発明の液晶表示 装置では、液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさを Ps (nC/cm2 )、画素 の電極面積を八 !^ 単位面積ぁたりの液晶容量を !^/^!!2 )、印加電圧に 応じて設定される正の定数を kとした場合に、 I 2Ps'A I≤ I k-Clc-A Iの条件を 満たす液晶材料を使用することにより、蓄積容量を設けない場合でも、十分な透過率 を実現できて良好な表示が可能である。まず、本発明者が行った実験に基づいて規 定された kの値について以下に説明する。
[0035] ITO (Indium Tin Oxide)からなる透明電極(電極面積: 1cm2 )を有するガラス基板 を洗浄した後、ポリイミドを塗布して 200°Cで 1時間焼成することにより、約 200Aのポ リイミド膜を成膜した。この膜の表面をレーヨン製の布でラビングし、ラビング方向が平 行となるようにこれらの 2枚のガラス基板を重ね合わせ、両ガラス基板間にシリカ製の スぺーサを設けてギャップを保持し、ギャップ 1. 8 mの空パネルを作製した。
[0036] この空パネルに、下記表 1に示すような 10種類(サンプル 1〜10)の強誘電性液晶 材料を夫々封入し、クロス-コル状態の 2枚の偏光板で挟んで 10枚の液晶パネルを 作製した。なお、自発分極を有する液晶材料を用いた場合の比誘電率及び液晶容 量 (Clc)は、 自発分極の影響によって周波数依存性を示すことから、本発明にお!/ヽ ては、自発分極の影響を抑制するべぐ周波数 10kHzでの値としている。
[0037] [表 1] 表 1
[0038] 次に、作製した 10枚の液晶パネル夫々に TFTを接続し、液晶に電圧を印加したと きの透過率を測定した。この際、蓄積容量は設けな力つた。透過率は、ゲートオン時 間を 5 s、間隔を 2. 8msとし、 ± 5V及び ± 7Vの電圧を印加した場合のゲートオン 力 2. 8ms間の透過光強度を測定することにより求めた。なお、透過率 100%は、 平行-コル状態の透過光強度とした。サンプル 1〜: L0を用いた液晶パネルにおける 測定結果を図 2に示す。
[0039] カラーフィルタ方式の液晶表示装置にあっては、液晶の透過率が 100%であっても 、カラーフィルタにより透過率が 1Z3となるため、透過率は 33. 3%となる。一方、フィ 一ルド ·シーケンシャル方式の液晶表示装置の場合、カラーフィルタを必要としな!/ヽ ので、液晶の透過率が 50%であっても、カラーフィルタ方式の液晶表示装置に対し て 1. 5倍の透過率が達成可能である。よって、本発明では、表示に十分な透過率と して 50%を規定し、より十分な透過率として 80%を規定する。
[0040] 図 2に參で示す印加電圧が 7Vである場合、 50%以上の透過率を達成するために は、液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Ps (nC/cm2 )と、画素の電極 面積八 !!! 単位面積ぁたりの液晶容量 !^/^!! との間に、 I 2Ps'A I
≤ I 7Clc-A Iの条件を満たせば良いことが分かる。この場合には、自発分極の大き さ Psを l lnC/cm2以下にすれば良い。また、 80%以上の透過率を達成するために は、 I 2Ps 'A I≤ I 4. 5Clc-A |の条件を満たせば良いことが分かる。この場合に は、自発分極の大きさ Psを 7nCZcm2以下にすれば良 、。
[0041] 同様に、図 2に△で示す印加電圧が 5Vである場合、 50%以上の透過率を達成す るためには、 I 2Ps 'A I≤ I 5Clc-A Iの条件を満たせば良いことが分かる。この場 合には、自発分極の大きさ Psを 8nCZcm2以下にすれば良い。また、 80%以上の 透過率を達成するためには、 I 2Ps'A I≤ I 3Clc-A Iの条件を満たせば良いこと が分かる。この場合には、自発分極の大きさ Psを 4. 5nCZcm2以下にすれば良い。
[0042] 上記の例では、液晶への印加電圧が 7V、 5Vである場合にっ 、て説明した力 一 般的には、液晶に印加される電圧に応じて設定された正の定数 kを用いて、 I 2Ps' A I≤ I k-Clc-A Iの条件を満たすようにすれば、蓄積容量を設けなくても、 50% 以上の透過率または 80%以上の透過率を達成することが可能である。
[0043] 図 3は、液晶表示装置における各ラインの走査時間と透過率との関係を示すグラフ である。液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psが 2Ps = 20. 5nC/cm2 を満たし、液晶への印加電圧が 7Vである場合の特性を図 3に示している。各ラインの 走査時間を 5 sZライン以下とした場合には、走査時間内で液晶の電界応答がほと んど生じずに安定した駆動が可能である。
[0044] 本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明
は以下の実施の形態に限定されるものではない。
[0045] 図 4は本発明の液晶表示装置の回路構成を示すブロック図、図 5は液晶パネル及 びバックライトの模式的断面図、図 6は液晶表示装置の全体の構成例を示す模式図 、図 7は本発明の液晶パネルの模式的平面図、並びに、図 8はバックライトの光源で ある LED (Laser Emitting Diode)アレイの構成例を示す模式図である。
[0046] 図 4において、 21, 22は図 5に断面構造が示されている液晶パネル,バックライトを 示している。ノ ックライト 22は、図 5に示されているように、 LEDアレイ 7と導光及び光 拡散板 6とで構成されている。図 5,図 6で示されているように、液晶パネル 21は上層 (表面)側から下層(背面)側に、偏光フィルム 1,ガラス基板 2,共通電極 3,ガラス基 板 4,偏光フィルム 5をこの順に積層して構成されており、ガラス基板 4の共通電極 3 側の面にはマトリクス状に配列された画素電極 40, 40· ··が形成されている。
[0047] ガラス基板 4上の画素電極 40, 40· ··の上面には配向膜 12力 共通電極 3の下面 には配向膜 11が夫々配置され、これらの配向膜 11, 12間に液晶材料が充填されて 液晶層 13が形成される。なお、 14は液晶層 13の層厚を保持するためのスぺーサで ある。これら共通電極 3及び画素電極 40, 40· ··間にはデータドライバ 32及びスキヤ ンドライバ 33等よりなる駆動部 50が接続されている。
[0048] 図 7に示すように、データドライバ 32は、信号線 42を介して TFT41のソース端子と 接続されており、スキャンドライバ 33は、走査線 43を介して TFT41のゲート端子と接 続されている。 TFT41はスキャンドライバ 33によりオン Zオフ制御される。また個々 の画素電極 40は、 TFT41のドレイン端子に接続されている。そのため、信号線 42及 び TFT41を介して与えられるデータドライバ 32からの信号により、個々の画素の透 過光強度が制御される。本発明の液晶パネルにあっては、従来例(図 1参照)のよう に蓄積容量が設けられておらず、蓄積容量を設けない分だけ、従来例に比べて開口 率が高くなつている。
[0049] バックライト 22は、液晶パネル 21の下層(背面)側に位置し、発光領域を構成する 導光及び光拡散板 6の端面に臨ませた状態で LEDアレイ 7が備えられて 、る。この L EDアレイ 7は、図 8にその模式図が示されているように、導光及び光拡散板 6と対向 する面に 3原色、即ち赤 (R) ,緑 (G) ,青 (B)の各色を発光する LED素子を 1チップ
とした複数個の LEDを有する。そして、赤,緑,青の各サブフレームにおいては赤, 緑,青の LED素子を夫々点灯させる。導光及び光拡散板 6はこの LEDアレイ 7の各 LED力 の光を自身の表面全体に導光すると共に上面へ拡散することにより、発光 領域として機能する。
[0050] この液晶パネル 21と、赤,緑,青の時分割発光が可能であるバックライト 22とを重 ね合わせる。このバックライト 22の点灯タイミング及び発光色は、液晶パネル 21に対 する表示データに基づくデータ書込み走査に同期して制御される。
[0051] 図 4において、 31は、パーソナルコンピュータから同期信号 SYNが入力され、表示 に必要な各種の制御信号 CSを生成する制御信号発生回路である。画像メモリ部 30 からは画素データ PDが、データドライバ 32へ出力される。画素データ PD、及び、印 加電圧の極性を変えるための制御信号 CSに基づき、データドライバ 32を介して液晶 パネル 21には電圧が印加される。
[0052] また制御信号発生回路 31からは制御信号 CSが、基準電圧発生回路 34,データド ライノく 32,スキャンドライバ 33及びバックライト制御回路 35へ夫々出力される。基準 電圧発生回路 34は、基準電圧 VR1及び VR2を生成し、生成した基準電圧 VR1を データドライバ 32へ、基準電圧 VR2をスキャンドライバ 33へ夫々出力する。データド ライバ 32は、画像メモリ部 30からの画素データ PDと制御信号発生回路 31からの制 御信号 CSとに基づいて、画素電極 40の信号線 42に対して信号を出力する。この信 号の出力に同期して、スキャンドライバ 33は、画素電極 40の走査線 43をライン毎に 順次的に走査する。またバックライト制御回路 35は、駆動電圧をバックライト 22に与 えて、バックライト 22から赤色光,緑色光,青色光を夫々発光させる。
[0053] 次に、液晶表示装置の動作について説明する。パーソナルコンピュータ力も画像メ モリ部 30へ表示用の画素データ PDが入力され、画像メモリ部 30は、この画素データ PDを一旦記憶した後、制御信号発生回路 31から出力される制御信号 CSを受け付 けた際に、この画素データ PDを出力する。制御信号発生回路 31で発生された制御 信号 CSは、データドライバ 32と、スキャンドライバ 33と、基準電圧発生回路 34と、バ ックライト制御回路 35とに与えられる。基準電圧発生回路 34は、制御信号 CSを受け た場合に基準電圧 VR1及び VR2を生成し、生成した基準電圧 VR1をデータドライ
ノ 32へ、基準電圧 VR2をスキャンドライバ 33へ夫々出力する。
[0054] データドライバ 32は、制御信号 CSを受けた場合に、画像メモリ部 30から出力され た画素データ PDに基づいて、画素電極 40の信号線 42に対して信号を出力する。ス キャンドライバ 33は、制御信号 CSを受けた場合に、画素電極 40の走査線 43をライ ン毎に順次的に走査する。データドライバ 32からの信号の出力及びスキャンドライバ 33の走査に従って TFT41が駆動し、画素電極 40に電圧が印加され、画素の透過 光強度が制御される。バックライト制御回路 35は、制御信号 CSを受けた場合に駆動 電圧をバックライト 22に与えてバックライト 22の LEDアレイ 7が有している赤,緑,青 の各色の LED素子を時分割して発光させて、経時的に赤色光,緑色光,青色光を 順次発光させる。このように、液晶パネル 21への入射光を出射するノ ックライト 22の 各点灯領域毎の点灯制御と液晶パネル 21に対するデータ書込み走査とを同期させ てカラー表示を行っている。
[0055] (第 1実施の形態)
蓄積容量を設けずに画素電極 40, 40· ·· (画素数 800 X 480,対角 4インチ)を有 する TFT基板と共通電極 3を有するガラス基板 2とを洗浄した後、ポリイミドを塗布し て 200°Cで 1時間焼成することにより、約 200 Aのポリイミド膜を配向膜 11, 12として 成膜した。更に、これらの配向膜 11, 12をレーヨン製の布でラビングし、ラビング方向 が平行となるようにこれらの 2枚の基板を重ね合わせ、両者間に平均粒径 1. 8 mの シリカ製のスぺーサ 14でギャップを保持した状態で重ね合わせて空パネルを作製し た。この空パネルの配向膜 11, 12間に、前述したサンプル 10のナフタレン系液晶を 主成分とする強誘電性液晶材料 (例えば、
A.Mochizuki,et.al.:Ferroelectrics,133,353(1991)に開示された材料)を封入して液晶 層 13とした。封入した強誘電性液晶材料の自発分極の大きさ(Ps)は 10. 25nC/c m2であって、液晶容量(Clc)は 3. OnF/cm2であり、 | 2Ps 'A | ≤ | 7Clc-A | の 条件を満たしている。作製したパネルをクロス-コル状態の 2枚の偏光フィルム 1, 5 で挟んで液晶パネル 21とし、強誘電性液晶分子の長軸方向が一方に傾いたときに 暗状態になるようにした。
[0056] このようにして作製した液晶パネル 21と、赤 (R) ,緑 (G) ,青 (B)の各色を発光する
各 LED素子を 1チップとした 12個の LEDからなる LEDアレイ 7を光源としたバックラ イト 22とを重ね合わせ、図 9に示すような駆動シーケンスに従って、フィールド'シー ケンシャル方式によるカラー表示を行った。図 9 (a)は液晶パネル 21の各ラインの走 查タイミング、図 9 (b)はバックライト 22の赤,緑,青各色の点灯タイミングを表してい る。
[0057] フレーム周波数を 60Hzとして、 1つのフレーム(期間: lZ60s)を 3つのサブフレー ム (期間: 1Z180S)に分割し、図 9 (a)に示すように、例えば 1フレーム内の第 1番目 のサブフレームにおいて赤色の画像データの 2回の書込み走査を行い、次の第 2番 目のサブフレームにおいて緑色の画像データの 2回の書込み走査を行い、最後の第 3番目のサブフレームにおいて青色の画像データの 2回の書込み走査を行った。液 晶に印加される最大電圧は 7Vとした。
[0058] 各サブフレームにおいて、各データ書込み走査に要する時間はサブフレーム(1Z
180s)の 25% (l/720s)として、各ラインの走査時間を 5 μ sZライン以下とした。な お、各サブフレームにあって、 1回目(前半)のデータ書込み走査時においては、表 示データに応じて明るい表示が得られる極性の電圧を各画素の液晶に印加し、 2回 目(後半)のデータ書込み走査時においては、 1回目のデータ書込み走査と同じ表 示データに基づき、 1回目のデータ書込み走査とは極性が異なって大きさが等しい 電圧を各画素の液晶に印加した。この結果、 2回目のデータ書込み走査時において 、 1回目のデータ書込み走査時と比較して、実質的に黒表示とみなせる暗い表示を 得た。
[0059] バックライト 22の赤,緑,青各色の点灯は、図 9 (b)に示すように制御した。第 1番目 のサブフレームにお!/、て赤色を発光させ、第 2番目のサブフレームにお 、て緑色を 発光させ、第 3番目のサブフレームにおいて青色を発光させた。また、サブフレーム 中ずつとバックライト 22を点灯させておくのではなぐ 1回目のデータ書込み走査の開 始タイミングに同期してバックライト 22を点灯させて 2回目のデータ書込み走査の終 了タイミングに同期してバックライト 22を消灯させた。
[0060] 結果として、透過率が高くて、高精細、高速応答、高色純度表示を実現できた。
[0061] (第 2実施の形態)
第 1実施の形態と同様の工程で作製した空パネルの配向膜 11 , 12間に、前述した サンプル 9のナフタレン系液晶を主成分とする強誘電性液晶材料 (例えば、
A.Mochizuki,et.al.:Ferroelectrics, 133,353(1991)に開示された材料)を封入して液晶 層 13とした。封入した強誘電性液晶材料の自発分極の大きさ(Ps)は 6. 25nC/cm 2であって、液晶容量(Clc)は 3. InF/cm2であり、 | 2Ps -A | ≤ | 4. 5Clc-A | の条件を満たして 、る。作製したパネルをクロス-コル状態の 2枚の偏光フィルム 1, 5で挟んで液晶パネル 21とし、強誘電性液晶分子の長軸方向が一方に傾いたときに 暗状態になるようにした。
[0062] このようにして作製した液晶パネル 21と、第 1実施の形態と同様なバックライト 22と を重ね合わせ、第 1実施の形態と同様な図 9 (a) , (b)に示すような駆動シーケンスに 従って、フィールド 'シーケンシャル方式によるカラー表示を行った。なお、液晶に印 カロされる最大電圧は第 1実施の形態と同じ 7Vとした。
[0063] 結果として、第 1実施の形態よりさらに透過率が高くなり、高精細、高速応答、高色 純度表示を実現できた。
[0064] (第 3実施の形態)
第 1実施の形態と同様の工程で作製した空パネルの配向膜 11 , 12間に、単安定 型の強誘電性液晶材料 (例えば、クラリアントジャパン製の R2301)を封入して液晶 層 13とした。封入した強誘電性液晶材料の自発分極の大きさ(Ps)は 6nCZcm2で あって、液晶容量 (Clc)は 3nF/cm2であり、 | 2Ps -A | ≤ | 5Clc-A |の条件を満 たしている。液晶材料をパネルに封入した後、コレステリック相カゝらカイラルスメクチッ ク C相の転移点を挟んで 10Vの電圧を印加することで、一様な液晶配向状態を実現 した。作製したパネルをクロス-コル状態の 2枚の偏光フィルム 1, 5で挟んで液晶パ ネル 21とし、電圧無印加時に暗状態になるようにした。
[0065] このようにして作製した液晶パネル 21と、第 1実施の形態と同様なバックライト 22と を重ね合わせ、第 1実施の形態と同様な図 9 (a) , (b)に示すような駆動シーケンスに 従って、フィールド 'シーケンシャル方式によるカラー表示を行った。なお、液晶に印 カロされる最大電圧は 5Vとした。
[0066] 結果として、透過率が高くて、高精細、高速応答、高色純度表示を実現できた。
[0067] (第 4実施の形態)
第 1実施の形態と同様の工程で作製した空パネルの配向膜 11 , 12間に、前述した サンプル 3のナフタレン系液晶を主成分とする強誘電性液晶材料 (例えば、
A.Mochizuki,et.al.:Ferroelectrics, 133,353(1991)に開示された材料)を封入して液晶 層 13とした。封入した強誘電性液晶材料の自発分極の大きさ(Ps)は 3. 85nC/cm 2であって、液晶容量(Clc)は 2. 9nF/cm2であり、 | 2Ps -A | ≤ | 3Clc -A |の条 件を満たしている。作製したパネルをクロス-コル状態の 2枚の偏光フィルム 1, 5で 挟んで液晶パネル 21とし、強誘電性液晶分子の長軸方向が一方に傾いたときに暗 状態になるようにした。
[0068] このようにして作製した液晶パネル 21と、第 1実施の形態と同様なバックライト 22と を重ね合わせ、第 1実施の形態と同様な図 9 (a) , (b)に示すような駆動シーケンスに 従って、フィールド 'シーケンシャル方式によるカラー表示を行った。なお、液晶に印 カロされる最大電圧は第 3実施の形態と同じ 5Vとした。
[0069] 結果として、第 3実施の形態よりさらに透過率が高くなり、高精細、高速応答、高色 純度表示を実現できた。
[0070] 上述した実施の形態では、フィールド 'シーケンシャル方式の液晶表示装置を例と して説明したが、カラーフィルタを設けたカラーフィルタ方式の液晶表示装置にぉ ヽ ても同様の効果が得られる。
[0071] 図 10は、カラーフィルタ方式の液晶表示装置における液晶パネル及びバックライト の模式的断面図である。図 10において、図 5と同一部分には、同一番号を付してそ れらの説明を省略する。共通電極 3には、 3原色(R, G, B)のカラーフィルタ 60, 60 …が設けられている。また、バックライト 22は、白色光を出射する複数の白色光源素 子を備えた白色光源 70と導光及び光拡散板 6とから構成されている。このようなカラ 一フィルタ方式の液晶表示装置にあっては、白色光源 70からの白色光を複数色の カラーフィルタ 60で選択的に透過させることにより、カラー表示を行う。
[0072] そして、図 11 (a) , (b)に示すような駆動シーケンスに従ってカラー表示を行うことに より、カラーフィルタ方式の液晶表示装置にあっても、上述したフィールド'シーケンシ ャル方式の液晶表示装置と同様に、蓄積容量を設けなくても、十分に高い透過率を
達成できて、良好な表示を実現できる。
[0073] 上述した実施の形態では、自発分極を有する強誘電性液晶材料を用いた場合に ついて説明したが、自発分極を有する他の液晶材料、例えば反強誘電性液晶材料 を用いた場合においても、同様の効果が得られる。また、透過型の液晶表示装置に 限定されるものではなぐ反射型の液晶表示装置、フロント Zリアプロジェクタにおい ても本発明の適用が可能である。
[0074] 上述の実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記 1)
自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セルを有するアクティブマトリクス駆 動の液晶表示装置において、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ P s (nC/cm2 )が、 I 2Ps-A | ≤ | k-Clc-A | の条件を満たし、蓄積容量を設けな V、ようにしてあることを特徴とする液晶表示装置。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
k:液晶セルに印加される電圧に応じて設定される正の定数
(付記 2)
自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セルを有するアクティブマトリクス駆 動の液晶表示装置において、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ P s (nCZcm2 )が、 I 2Ps-A | ≤ | 7Clc-A | の条件を満たし、蓄積容量を設けない ようにしてあることを特徴とする液晶表示装置。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
(付記 3)
前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは 1 InC/cm2以下である ことを特徴とする付記 2記載の液晶表示装置。
(付記 4)
前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Ps (nC/cm2 )は、 | 2Ps · A I≤ I 4. 5Clc-A Iの条件を満たすことを特徴とする付記 2記載の液晶表示装置。
(付記 5)
前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは 7nC/cm2以下であるこ とを特徴とする付記 4記載の液晶表示装置。
(付記 6)
自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セルを有するアクティブマトリクス駆 動の液晶表示装置において、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ P s (nC/cm2 )が、 | 2Ps-A | ≤ | 5Clc-A | の条件を満たし、蓄積容量を設けない ようにしてあることを特徴とする液晶表示装置。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
(付記 7)
前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは 8nC/cm2以下であるこ とを特徴とする付記 6記載の液晶表示装置。
(付記 8)
前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Ps (nC/cm2 )は、 | 2Ps · A I≤ I 3Clc-A Iの条件を満たすことを特徴とする付記 6記載の液晶表示装置。 (付記 9)
前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ Psは 4. 5nC/cm2以下であ ることを特徴とする付記 8記載の液晶表示装置。
(付記 10)
データ書込み走査における各ラインの走査時間力 S、液晶がほとんど応答せずに、 透過率の変化がほとんど生じない時間であることを特徴とする付記 1乃至 9のいずれ か一つに記載の液晶表示装置。
(付記 11)
各ラインの走査時間が 5 μ sZライン以下であることを特徴とする付記 10記載の液 晶表示装置。
(付記 12)
フィールド 'シーケンシャル方式にてカラー表示を行うことを特徴とする付記 1乃至 1
1のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記 13)
カラーフィルタ方式にてカラー表示を行うことを特徴とする付記 1乃至 11のいずれ か一つに記載の液晶表示装置。
(付記 14)
表示用の光源は発光ダイオードであることを特徴とする付記 1乃至 13のいずれか 一つに記載の液晶表示装置。
(付記 15)
自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セルを有するアクティブマトリクス駆 動の液晶表示装置において、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ P s (nC/cm2 )が、 I 2Ps-A | ≤ | k-Clc-A | の条件を満たし、蓄積容量を設けな V、ようにしてあることを特徴とする液晶表示装置。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
k:液晶セルに印加される電圧の大きさ
(付記 16)
前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 7Vであるとき、前記液晶材料の単位面 積あたりの自発分極の大きさ Psは約 1 InC/cm2以下であることを特徴とする付記 1 5記載の液晶表示装置。
(付記 17)
前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 5Vであるとき、前記液晶材料の単位面 積あたりの自発分極の大きさ Psは約 8nC/cm2以下であることを特徴とする付記 15 記載の液晶表示装置。
(付記 18)
自発分極を有する液晶材料が封入された液晶セルを有するアクティブマトリクス駆 動の液晶表示装置において、前記液晶材料の単位面積あたりの自発分極の大きさ P s (nC/cm2 )が、 I 2Ps-A | ≤ | 0. 6 -k-Clc-A | の条件を満たし、蓄積容量を設 けな 、ようにしてあることを特徴とする液晶表示装置。
但し、 A (cm2 ):画素の電極面積
Clc (nF/cm2 ):単位面積あたりの液晶容量
k:液晶セルに印加される電圧の大きさ
(付記 19)
前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 7Vであるとき、前記液晶材料の単位面 積あたりの自発分極の大きさ Psは約 7nC/cm2以下であることを特徴とする付記 18 記載の液晶表示装置。
(付記 20)
前記液晶セルに印加される電圧の大きさが 5Vであるとき、前記液晶材料の単位面 積あたりの自発分極の大きさ Psは約 4. 5nC/cm2以下であることを特徴とする付記 18記載の液晶表示装置。
(付記 21)
データ書込み走査における各ラインの走査時間力 S、液晶がほとんど応答せずに、 透過率の変化がほとんど生じない時間であることを特徴とする付記 15乃至 20のいず れか一つに記載の液晶表示装置。
(付記 22)
各ラインの走査時間が 5 μ sZライン以下であることを特徴とする付記 21記載の液 晶表示装置。