明 細 書
液体噴射装置
技術分野
[0001] 本発明は、対象物に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置 及び同装置における廃液回収方法に関する。
背景技術
[0002] 従来の液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッド を備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば 液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置 、有機 ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極 材 (導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、ノィォチップ製造に用いられる生体有機 物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等が 挙げられる。
[0003] 液体噴射装置の代表例であるインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較 的小さぐしかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印 刷を含めた多くの印刷に使用されて ヽる。
[0004] インクジェット式記録装置で代表される液体噴射装置に対する液体の供給方式とし ては、液体を貯留した液体容器から液体噴射装置に液体を供給する方式がある。さ らに、この液体容器による液体供給方式においては、液体容器内の液体が消費され た時点でユーザーが簡単に液体容器を交換できるようにするために、液体噴射装置 に対して着脱可能に構成されたカートリッジとして液体容器を構成するのが一般的で ある。
[0005] 一般にインクジェット式記録装置は、インク滴を吐出する記録ヘッドが搭載され記録 媒体 (対象物)の記録面に沿って往復動するキャリッジを備えている。インクカートリツ ジ力 記録ヘッドへのインクの供給方式としては、キャリッジにインクカートリッジを装 着し、記録ヘッドと共に往復動するインクカートリッジ力 記録ヘッドにインクを供給す る方式 (いわゆるオンキャリッジ方式)がある。他の方式としては、インクカートリッジを
装置本体のケース等に装着すると共に、可撓性チューブ等で形成したインク流路を 介してインクカートリッジ力 記録ヘッドにインクを供給する方式 ( 、わゆるオフキヤリツ ジ方式)がある。
[0006] インクジェット式記録装置の使用形態に関するユーザーのニーズは多種多様であり 、比較的大量の印刷処理を連続的に行 、得るインクジェット式記録装置に対する二 ーズが存在する一方で、持ち運びに便利な小型且つ軽量の可搬式のインクジェット 式記録装置に対するニーズも存在する。
[0007] 従って、大量印刷が可能であり、し力も必要に応じて持ち運ぶことができるという、 二つのニーズを同時に満たし得るインクジェット式記録装置があれば極めて便利であ る。
[0008] し力しながら、大量印刷に適したインクジェット式記録装置においては、容量の大き なインクカートリッジや、記録ヘッドからインクを吸引排出するための大容量の吸引ポ ンプ等が必要となり、記録装置全体が比較的大型且つ大重量のものとなってしまう。 このため、大量印刷に適したインクジェット式記録装置を小型且つ軽量にて製造する ことは極めて困難である。
[0009] また、可搬式のインクジェット式記録装置においては、持ち運びに便利なように小 型-軽量ィ匕を図る必要があるため、インクカートリッジや吸引ポンプ等に小型のものを 使用する必要があり、インクカートリッジや吸引ポンプの容量が必然的に小さくなつて しまう。このため、可搬式のインクジェット式記録装置を大量印刷に適したものとして 製造することもまた、極めて困難である。
[0010] さらに、インクジェット式記録装置においては、記録ヘッドへのインクの初期充填時 や、記録ヘッドのノズルの目詰まり解消等のためのクリーニング操作時に、記録ヘッド からインクが吸引排出される力 排出された廃液を適切に回収する必要がある。
[0011] ところが、可搬式のインクジェット式記録装置においては上記の通り小型 ·軽量ィ匕を 図る必要があるために、廃液回収のために大容量の回収容器を装備することが困難 であり、また、記録ヘッドからインクを吸引するために大容量の吸引ポンプを装備する ことも困難である。
[0012] このため、可搬式のインクジェット式記録装置においては、使用中に回収容器から
廃液が溢れてしまう可能性がある。また、記録ヘッドへのインクの初期充填時や長期 間不使用後のタリ一ユング操作時等にお 、て、強力な吸弓 I操作が望まし 、場合でも
、十分な吸引力が得られないという問題がある。
発明の開示
[0013] 第 1の特徴による本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、大量印 刷が可能であり、し力も必要に応じて持ち運ぶことができるという、二つのニーズを満 たしうる液体噴射装置を提供することを目的とする。
[0014] 第 2の特徴による本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、大量印 刷が可能であり、し力も必要に応じて持ち運ぶことができるという二つのニーズを満た すために必要となる所望の廃液回収機能を備えた液体噴射装置及び同装置におけ る廃液回収方法を提供することを目的とする。
[0015] 上記課題を解決するために、第 1の特徴による本発明による液体噴射装置は、対 象物に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに供給される 液体を貯留する貯留空間を含む液体容器と、を有し、それ自体単体で対象物への液 体噴射動作を行い得る、可搬式の液体噴射ユニットと、前記可搬式の液体噴射ュニ ットが装着されて前記液体噴射ユニットと分離可能に一体化される定置式の定置ュ ニットであって、前記液体噴射ヘッドに供給される液体を貯留する液体タンクを有す る、定置ユニットと、前記液体噴射ユニットが前記定置ユニットに一体ィ匕される際に前 記液体タンクと前記液体噴射ヘッドとを連通可能とする液体タンク接続手段と、を備 えたことを特徴とする。
[0016] また、好ましくは、前記液体噴射ユニットは、前記液体容器と前記液体噴射ヘッドと を接続して液体の流路を形成する可撓性の配管部材を有し、前記液体容器は、前 記液体噴射ヘッドとは別体に前記液体噴射ユニット内に定置されて 、る。
[0017] また、好ましくは、前記液体タンク接続手段は、前記液体容器に設けられた、前記 液体容器の前記貯留空間内に液体を注入するために液体注入口と、前記液体噴射 ユニットが前記定置ユニットに一体ィヒされる際に前記液体容器の前記液体注入口に 挿入される、前記定置ユニットに設けられた液体注入針と、を有する。
[0018] また、好ましくは、前記液体容器と前記液体噴射ヘッドとを連絡する流路の途中に
、前記液体容器側の圧力とは無関係に前記液体噴射ヘッド側の圧力を一定に維持 する圧力調整手段を有する。
[0019] また、好ましくは、前記液体噴射ユニットが前記定置ユニットと一体ィ匕されたことを検 知する一体化検知手段と、前記一体化検知手段からの検知信号に基づ!、て前記液 体タンクから前記液体容器への液体の補給動作を開始させる液体補給制御手段と、 をさらに有する。
[0020] また、好ましくは、前記液量検知手段からの検知信号に基づ!/、て前記液体容器へ の液体の補給が完了したことを報知する補給完了報知手段をさらに有する。
[0021] また、好ましくは、前記液体容器内の液体の消費量を記憶する消費量記憶手段を さらに有し、前記液量検知手段からの検知信号に基づいて前記消費量記憶手段の メモリをリセットするようにする。
[0022] また、好ましくは、前記可搬式の液体噴射ユニットを複数備え、前記定置ユニットは
、複数の前記液体噴射ユニットが装着されて分離可能に一体化されるように構成され ている。
[0023] 上記課題を解決するために、第 1の特徴による本発明は、対象物に向けて液体を 噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに供給される液体を貯留する貯留 空間を含む液体容器と、を有してそれ自体単体で対象物への液体噴射動作を行 、 得る、可搬式の液体噴射ユニットと装着されて前記液体噴射ユニットと分離可能に一 体化される定置式の定置ユニットであって、前記液体噴射ヘッドに供給される液体を 貯留する液体タンクと、前記液体噴射ユニットが前記定置ユニットに一体化される際 に、前記液体容器の前記貯留空間内に液体を注入するための接続部と、を有するこ とを特徴とする。
[0024] 上記課題を解決するために、第 2の特徴による本発明による液体噴射装置は、対 象物に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに供給される 液体を貯留する液体容器と、前記液体噴射ヘッドから液体を吸弓 Iする液体吸弓 I手段 と、前記液体吸引手段により前記液体噴射ヘッドから吸弓 I排出された液体を回収す る廃液回収容器と、を有し、それ自体単体で対象物への液体噴射動作を行い得る可 搬式の液体噴射ユニットと、前記可搬式の液体噴射ユニットが装着されて前記液体
噴射ユニットと分離可能に一体化される定置式の定置ユニットであって、前記廃液回 収容器力 排出された液体を回収するための廃液回収タンクを有する、定置ユニット と、前記液体噴射ユニットが前記定置ユニットに一体化される際に前記廃液回収容 器と前記廃液回収タンクとを連通可能とする廃液回収タンク接続手段と、を備えたこ とを特徴とする。
[0025] また、好ましくは、前記可搬式の液体噴射ユニットが前記定置ユニットと一体ィ匕され たことを検知する一体化検知手段と、前記一体化検知手段からの検知信号に基づ 、 て前記廃液回収容器力 前記廃液回収タンクへの廃液の排出動作を開始させる廃 液回収制御手段と、をさらに備える。
[0026] また、好ましくは、前記廃液回収容器への液体の排出量を記憶する液体排出量記 憶手段をさらに有し、前記廃液回収容器内の廃液が前記廃液回収タンクにより回収 された際に前記液体排出量記憶手段のメモリをリセットするようにする。
[0027] また、好ましくは、前記廃液回収容器内の廃液が前記廃液回収タンクにより回収さ れたことを報知する回収完了報知手段をさらに有する。
[0028] また、好ましくは、前記定置ユニットは、前記廃液回収タンク接続手段によって前記 廃液回収容器と前記廃液回収タンクとを連通させた状態にぉ 、て、前記廃液回収容 器内の廃液を吸引して前記廃液回収タンクへ排出させる廃液回収ポンプをさらに有 する。
[0029] また、好ましくは、前記液体吸引手段はポンプであり、前記廃液回収ポンプは前記 液体吸弓 I手段よりも高 、能力を有して 、る。
[0030] また、好ましくは、前記液体噴射ユニットを前記定置ユニットに一体ィ匕した際には、 前記廃液回収ポンプを用いて前記液体噴射ヘッドから液体を吸引する制御手段を 有する。
[0031] また、好ましくは、前記廃液回収容器は、少なくとも一部が可撓性の容器壁によつ て形成された容器本体と、前記容器本体の内部に設けられた可撓性の液体吸収体 と、前記液体噴射ヘッドから吸引排出された廃液を前記容器本体の内部に注入する ための廃液注入口と、前記容器本体の内部力 廃液を排出するための廃液排出口 と、を備え、前記廃液排出ロカ の廃液の排出に伴って前記容器本体の内部が負
圧になることにより、前記可撓性の容器壁が変形して前記容器本体の内部容積が減 少すると共に前記液体吸収体が収縮するように構成されており、前記廃液回収タンク 接続手段は、前記廃液回収容器の前記廃液排出口を含み、前記液体噴射ユニット が前記定置ユニットに一体化される際に前記廃液回収容器の前記廃液排出口と前 記廃液回収タンクとが連通可能とされる。
[0032] また、好ましくは、前記可搬式の液体噴射ユニットを複数備え、前記定置ユニットは 、複数の前記液体噴射ユニットが装着されて分離可能に一体化されるように構成され ている。
[0033] 上記課題を解決するために、第 2の特徴による本発明は、対象物に向けて液体を 噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドから排出された液体を回収する廃 液回収容器と、を有してそれ自体単体で対象物への液体噴射動作を行い得る、可搬 式の液体噴射ユニットと装着されて前記液体噴射ユニットと分離可能に一体化される 定置式の定置ユニットであって、前記廃液回収容器から排出された液体を回収する ための廃液回収タンクと、前記液体噴射ユニットが前記定置ユニットに一体ィヒされる 際に、前記廃液回収容器と連通するための廃液回収タンク接続手段と、を有すること を特徴とする。
[0034] また、好ましくは、前記定置ユニットは、前記廃液回収タンク接続手段によって前記 廃液回収容器と前記廃液回収タンクとを連通させた状態にぉ 、て、前記廃液回収容 器内の廃液を吸引して前記廃液回収タンクへ排出させる廃液回収ポンプをさらに有 する。
[0035] 第 1の特徴による本発明による液体噴射装置は、大量印刷が可能であり、し力も必 要に応じて持ち運ぶことができるという、二つのニーズを満たすことができる。
[0036] 第 2の特徴による本発明によれば、大量印刷が可能であり、しかも必要に応じて持 ち運ぶことができるという二つのニーズを満たすために必要となる所望の廃液回収機 能を備えた液体噴射装置及び同装置における廃液回収方法を提供することができる 図面の簡単な説明
[0037] [図 1]本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置を
示した斜視図であり、クレードルユニットからインクジェットユニットを取り外した状態を 示した図。
圆 2]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の断面図。
圆 3]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の主要部を拡大して示 した斜視図。
[図 4]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のチューブポンプを拡 大して示した図。
[図 5]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインクジェットユニット の背面図。
[図 6]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインクジェットユニット の底面図。
[図 7]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインクジェットユニット のカートリッジを示した斜視図であり、インク容器のインク注入口が見える方向から見 た図。
[図 8]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインクジェットユニット のカートリッジを示した斜視図であり、インク容器のインク供給口が見える方向から見 た図。
[図 9]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインクジェットユニット のカートリッジを示した断面図。
[図 10]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインク容器の上面を 開放した状態を示した平面図。
[図 11]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインク容器のインク 貯留部材を示した斜視図。
[図 12]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置のインク容器のインク 注入口(インク供給口)を示した断面図。
圆 13]本発明の一実施形態の変形例として廃液回収容器とは別体のカートリッジとし て構成されたインク容器を示した斜視図であり、インク注入口が見える方向カゝら見た 図。
[図 14]本発明の一実施形態の変形例として廃液回収容器とは別体のカートリッジとし て構成されたインク容器を示した斜視図であり、インク供給口が見える方向カゝら見た 図。
[図 15]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の廃液回収容器を示し た断面図。
[図 16]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の廃液回収容器を示し た分解斜視図。
[図 17]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の概略構成を示した系 統図。
[図 18]本発明の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の変形例を示した正面 図。
発明を実施するための最良の形態
[0038] 以下、本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置 について図面を参照して説明する。また、本発明による液体噴射装置における廃液 回収方法の一実施形態としてのインクジェット式記録装置における廃液回収方法に ついて説明する。
[0039] 図 1及び図 2に示したように本実施形態によるインクジェット式記録装置 1は、小型 且つ軽量の可搬式のインクジェットユニット 10と、このインクジェットユニット 10が載置 されて物理的且つ機能的に分離可能に一体化される定置式のクレードルユニット (定 置ユニット) 100と、を備えている。インクジェットユニット 10は、クレードルユニット 100 力 切り離して単体で印刷処理を行うことができるものであり、それ自体がインクジエツ ト式記録装置として機能するものである。
[0040] 図 1乃至図 3に示したようにインクジェットユニット 10は、キャリッジ 11に装着されたィ ンクジェット式記録ヘッド 12と、記録ヘッド 12に供給されるインクを貯留する貯留空間 13を含むインク容器 14と、インクジェットユニット 10の動力を提供するバッテリー 15と 、を備えている。
[0041] 記録ヘッド 12は、キャリッジ 11と一体に往復動作を行いながら、インク容器 14から 供給されたインクを記録紙 (対象物)に向けて滴状にて噴射する。インク容器 14は、
インクジェットユニット 10のカートリッジ装着部に着脱自在のインクカートリッジとして構 成されている。
[0042] 記録ヘッド 12として各種の従来の記録ヘッドを使用することが可能であり、例えば、 インクで満たされた圧力室内の圧力を圧電素子の変形動作によって変動させること により、圧力室に連通するノズル開口からインク滴を吐出させる従来形式の記録へッ ドを使用することができる。
[0043] 可搬式のインクジェットユニット 10は、さらに、記録ヘッド 12からインクを吸引排出す るためのインク吸引手段 16と、インク吸引手段 16により記録ヘッド 12から吸引排出さ れたインクを回収する廃液回収容器 17と、を備えている。
[0044] インク吸引手段 16は、吸引操作時に記録ヘッド 12のノズル形成面を封止可能なキ ヤップ部材 18と、キャップ部材 18と廃液回収容器 17とを接続するチューブ部材 19に 連通するチューブポンプ 20と、を含む。
[0045] 図 3に示したようにインク容器 14と記録ヘッド 12とは、液体の流路を形成する可撓 性の配管部材 26を介して連通しており、インク容器 14はインクジェットユニット 10内 に定置されている。すなわち、インクジェットユニット 10は、インク容器の配置に関して 、いわゆるオフキャリッジ方式を採用している。
[0046] 記録ヘッド 12の上部には圧力調整弁 48が設けられており、可撓性の配管部材 26 の噴射ヘッド側の端部はこの圧力調整弁 48に接続されて 、る。この圧力調整弁 48 は、インク容器側の圧力とは無関係に噴射ヘッド側の圧力を一定に維持する圧力調 整手段として機能する。
[0047] 図 4に示したようにチューブポンプ 20は、可撓性のチューブ 21を押し潰しながら自 転及び公転するプーリー 22を含む。プーリー 22の回転軸 23は、回転板 24に形成さ れた屈曲した案内孔 25に摺動可能に挿通されている。
[0048] そして、回転板 24を正転させると、プーリー 22が可撓性のチューブ 21に押し付け られてチューブ 21が変形して遮断状態となる。この状態で回転板 24の正転を継続 することにより、チューブポンプ 20のポンプ機能が達成される。回転板 24の正転を停 止しても、プーリー 22によるチューブ 21の遮断状態が維持される。一方、回転板 24 を逆転させると、プーリー 22は案内孔 25に沿って可撓性のチューブ 21から離れる方
向に移動し、これによりチューブ 21が連通状態となる。
[0049] 図 2に示したようにクレードルユニット 100は、記録ヘッド 12に供給されるインクを貯 留するインクタンク 101と、廃液回収容器 17から排出された廃インクを回収するため の廃液回収タンク 102と、を備えている。インクタンク 101は、インク容器 14と同様に 着脱自在のカートリッジとして構成されているが、インク容器 14よりも大きな容量を持 つている。廃液回収タンク 102は、廃液回収容器 17よりも大きな容量を持っている。
[0050] インクタンク 101はインク容器 14よりも高い位置に配置されており、インク補給バル ブ 126を開放することにより、重力によってインクタンク 101からインク容器 14へとイン クが流入する。
[0051] 図 1に示したようにクレードルユニット 100は、可搬式のインクジェットユニット 10がク レードルユニット 100に一体ィ匕される際にインクジェットユニット 10に接続されるクレー ドル側電源 103と、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に一体化される とインクジェットユニット 10のバッテリー 15への充電を開始する充電回路 104と、備え ている。
[0052] インクジェットユニット 10のバッテリー 15の充電状態(充電中 Z充電完了)は充電状 態インジケータ 125によって報知される。充電状態インジケータ 125を含むクレードル 側表示部には、補給状態インジケータ 123及び回収状態インジケータ 124も設けら れている。
[0053] クレードルユニット 100には、可搬式のインクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に一体ィ匕される際にインクタンク 101と記録ヘッド 12とを流体連通可能とするた めのインクタンク接続手段の一部を構成する複数のインク注入針 105が設けられてい る。
[0054] また、クレードルユニット 100には、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 10 0に一体ィ匕される際に廃液回収容器 17と廃液回収タンク 102とを流体連通可能とす るための廃液回収タンク接続手段の一部を構成する廃液排出針 106が設けられてい る。
[0055] さらに、クレードルユニット 100には、クレードル側電源 103をインクジェットユニット 1 0のバッテリー 15と電気的に接続するための電源用コネクタ 107と、クレードルュ-ッ
ト 100とインクジェットユニット 10との間で信号の授受を行うためのインタフェース用コ ネクタ 108と、を備えている。電源用コネクタ 107及びインタフェース用コネクタ 108は 、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に一体化される際に、図 5に示し たインクジェットユニット 10の背面に設けられた電源用接続部 118及びインターフエ ース用接続部 119にそれぞれ接続される。
[0056] また、図 1及び図 2に示したように、クレードルユニット 100は紙送り機構 109、給紙 トレイ 110及び排紙受け 127を備えている。インクジェットユニット 10がクレードルュ- ット 100に一体ィ匕された状態においては、インクジェットユニット 10の紙送り機構 27と クレードルユニット 100の紙送り機構 109とが協働する。このように、インクジェットュ- ット 10をクレードルユニット 100に載置して一体ィ匕することによって、記録紙の給排紙 機能を拡充することができる。
[0057] 図 1に示したように、インクジェットユニット 10が載置されるクレードルユニット 100の 載置面 115には一対の突起部 111が設けられている。一方、図 6に示したようにイン クジェットユニット 10の底面には、一対の突起部 111が嵌合される一対の凹部 28が 形成されている。一対の突起部 111を一対の凹部 28に嵌合することにより、クレード ルユニット 100に対してインクジェットユニット 10が位置決めして載置される。
[0058] 上述したインク注入針 105及び廃液排出針 106は、クレードルユニット 100の前面 に設けられた操作レバー 112の揺動操作に応じて前後に移動する第 1進退部材 11 3に設けられている。また、電源用コネクタ 107及びインタフェース用コネクタ 108は、 操作レバー 112の揺動操作に応じて前後に移動する第 2進退部材 114に設けられ ている。
[0059] そして、インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100の載置面 115に載置して 一体ィ匕する際には、まず、操作レバー 112を操作して第 1進退部材 113及び第 2進 退部材 114を退避状態とする。この状態で、クレードルユニット 100の一対の突起部 111にインクジェットユニット 10の凹部 28を嵌合させるようにしてインクジェットユニット 10をクレードルユニット 100の載置面 115に載置する。
[0060] 次に、操作レバー 112を操作して第 1進退部材 113及び第 2進退部材 114を前進 させ、インク注入針 105、廃液排出針 106、電源用コネクタ 107及びインタフェース用
コネクタ 108をクレードルユニット 100の背面に接続する。これにより、インクジェットュ ニット 10をクレードルユニット 100に一体ィ匕する操作が完了する。
[0061] また、図 1に示したようにクレードルユニット 100には、インクジェットユニット 10がタレ 一ドルユニット 100と一体ィ匕されたことを検知する一体ィ匕検知手段 117を備えている 。この一体化検知手段 117は、操作レバー 112の操作により第 1進退部材 113が前 進してインクジェットユニット 10の背面に押し付けられた際に作動するプッシュボタン 型のスィッチによって構成されて 、る。
[0062] 図 7及び図 8に示したように本実施形態においては、インク容器 14と廃液回収容器 17とが一体化されてカートリッジ 54を構成しており、このカートリッジ 54はインクジエツ トユニット 10のカートリッジ装着部に対して着脱自在に装着されている。
[0063] 図 7乃至図 9に示したようにインク容器 14は、インクを貯留する貯留空間 13を内包 する容器本体 29を有する。この容器本体 29の一部を構成する一対の対向壁 30, 3 1には、それぞれ、複数のインク供給口 32及び複数のインク注入口 33が固設されて いる。
[0064] 図 5に示したようにインク注入口 33はインクジェットユニット 10の背面にて露出して いる。インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に載置して一体化する際に、 クレードルユニット 100のインク注入針 105がインク注入口 33に挿入され、これにより 、容器本体 29の貯留空間 13と記録ヘッド 12とが流体連通する。
[0065] インク供給口 32とインク注入口 33とは互いに対向する壁 30, 31にそれぞれ配置さ れているで、インクジェットユニット 10に対するインク容器 14の接続面 (壁 30)と、タレ 一ドルユニット 100に対するインク容器 14の接続面 (壁 33)とが互いに反対側に位置 している。このため、インクジェットユニット 10に装着された状態にあるインク容器 14を 、クレードルユニット 100に対して円滑に接続することができる。
[0066] インク容器 14のインク注入口 33と、クレードルユニット 100のインク注入針 105とに よって、上述のインクタンク接続手段が構成されている。
[0067] 好ましくは容器本体 29の内部は密閉空間とされ、この密閉空間内に圧縮流体 (圧 縮空気等)を送り込むことにより、記録ヘッド 12にインクを供給するためのインク圧力 を確保するようにしても良 、。
[0068] 本実施形態においてはクレードルユニット 100の載置面 115の突起部 111、インク 注入針 105等をインクジェットユニット 10側の凹部 28、インク注入口 33等に嵌め入れ ることによって、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に対して固定された 状態となる。なお、インクジェットユニット 10の本体ケーシングとクレードルユニット 100 の本体ケーシングとを連結する追加の固定手段を設けても良い。
[0069] 図 10に示したようにインク容器 14の容器本体 29の内部には、複数のインク貯留部 材 34が収容されて 、る。図 11に示したように各インク貯留部材 34は可撓性のインク 収容袋 35を有し、このインク収容袋 35の内部にインクの貯留空間 13が形成されてい る。インク供給口 32及びインク注入口 33はインク収容袋 35の前後端にそれぞれ取り 付けられている。
[0070] 図 10から分かるように、インク注入口 33は、インク供給口 32へのインク供給針 39の 挿入方向の軸線上に配置されて 、る。このようにインク供給口 32とインク注入口 33と が同一軸線上に配置されているので、インク注入口 33にインク注入針 105を挿入す る際に容器本体 29を回転させる力が作用することがない。従って、インク供給口 32 及びそこに挿入されているインク供給針 39に対して無理な力が作用することがなぐ インク供給口 32における液密性が阻害されることがない。
[0071] 図 12に示したようにインク容器 14のインク注入口 33は、弾性部材より成る環状シー ル部材 36と、この環状シール部材 36の平らな後端面を弁座とする弁体 37と、この弁 体 37を環状シール部材 36側へ付勢するパネ部材 38とを備えている。
[0072] このような構成より成るインク注入口 33は、クレードルユニット 100のインク注入針 1 05が挿入されていない状態においてはインク容器 14内の貯留空間 13を外部から隔 離する。従って、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に一体化されてい ない状態においては、インク容器 14内の貯留空間 13は外部力も隔離された状態を 維持される。
[0073] 一方、インク注入口 33にインク注入針 105が挿入されると、弁体 37が押し込まれる ことにより流路が開放し、インク注入針 105を介してインク容器 14とインクタンク 101と が流体連通可能な状態となる。従って、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に一体ィ匕された状態においては、インク容器 14内の貯留空間 13とインクタンク 1
01との連通可能状態が維持される。
[0074] また、本実施形態においては、インク容器 14のインク供給口 32が、図 12に示した インク注入口 33と共通の構造'寸法を備えている。従って、インク供給口 32とインク 注入口 33とを共通の部品によって形成することが可能である。
[0075] なお、本実施形態においてはインク容器 14と廃液回収容器 17とを一体ィ匕してカー トリッジ 54を構成するようにしたが、インク容器 14と廃液回収容器 17とをそれぞれ別 体のカートリッジとして構成しても良い。
[0076] 図 13及び図 14に示したように、廃液回収容器 17とは別体のカートリッジとして構成 されたインク容器 14は、容器本体 29の一対の対向壁 30、 31に互いに共通の配置で インク供給口 32及びインク注入口 33を設けることにより、前後不問の態様で使用す ることができる。つまり、インク供給口 32とインク注入口 33とは互いに共通の構造 '寸 法を備えているので、インク容器 14をインクジェットユニット 10に挿入する際には、ィ ンク容器 14の挿入時の前後の向きが不問となる。この場合、インク供給口 32とインク 注入口 33との区別はな!/ヽ。
[0077] 図 15及び図 16に示したように廃液回収容器 17の容器本体 40は、剛性部材より成 る平板状のカバー部材 41と、可撓性部材より成る鍋状部材 42とから成る。鍋状部材 42の上面開口をカバー部材 41で密封して形成された密閉空間内には、スポンジ等 力 なる可撓性のインク吸収体 43が収容されている。
[0078] カバー部材 41には、記録ヘッド 12から吸引排出された廃液を容器本体 40の内部 に注入するための廃液注入口 44と、容器本体 40の内部カゝら廃液を排出するための 廃液排出口 45とが設けられている。廃液注入口 44と廃液排出口 45とは、容器本体 40の長手方向の一方の端部に隣接する領域において、互いに対向する位置に配置 されている。より具体的には、廃液注入口 44への廃液注入針 49の挿入方向の軸線 上に廃液排出口 45が配置されている。
[0079] 廃液回収容器 17の廃液排出口 45とクレードルユニット 100の廃液排出針 106とに よって、上述の廃液回収タンク接続手段が構成されている。廃液回収容器 17の廃液 注入口 44には、インクジェットユニット 10の廃液注入針 49が挿入される。このとき、廃 液注入口 44と廃液排出口 45とが同一軸線上に配置されているので、廃液排出口 4
5に廃液排出針 106を挿入する際に容器本体 40を回転させる力が作用することがな い。従って、廃液注入口 44及びそこに挿入されている廃液注入針 49に対して無理 な力が作用することがなぐ廃液注入口 44における液密性が阻害されることがない。
[0080] 可撓性のインク吸収体 43にはその幅方向の中央部に長手方向のスリット 46が形成 されている。このスリット 46は、廃液注入口 44及び廃液排出口 45に近い側の端部が 開放しており、反対側の端部はインク吸収体 43の途中で終わっている。インク吸収体 43の廃液排出口 45に対応する位置には貫通孔 47が形成されている。
[0081] 図 17に示したように、クレードルユニット 100には、廃液回収容器 17と廃液回収タ ンク 102とを連通する流路の途中に廃液回収ポンプ 116が設けられて 、る。この廃液 回収ポンプ 116は、可搬式のインクジェットユニット 10に設けられたチューブポンプ 2 0よりも高 、能力(容量)を有して ヽる。
[0082] 廃液回収タンク接続手段により廃液回収容器 17と廃液回収タンク 102とを流体連 通させた状態において、廃液回収ポンプ 116によって、廃液回収容器 17内の廃液を 吸引して廃液回収タンク 102に強制的に排出させることができる。
[0083] 図 17に示したように、インクジェットユニット 10は印刷制御手段 50を備えており、こ の印刷制御手段 50によって、キャリッジ 11の往復動作、記録ヘッド 12からのインク滴 の吐出動作、インク吸引手段 16による記録ヘッド 12からのインク吸引排出動作等が 制御される。
[0084] また、印刷制御手段 50は、インク容器 14内の液体の消費量を記憶する消費量記 憶手段 51及び廃液回収容器 17への廃液の排出量を記憶する排出量記憶手段 52 を備えている。
[0085] クレードルユニット 100はクレードル側制御手段 120を備えており、このクレードル 側制御手段 120は、インクタンク 101からインク容器 14へのインクの補給動作を制御 するインク補給制御手段 121と、廃液回収容器 17から廃液回収タンク 102への廃液 回収動作を制御する廃液回収制御手段 122と、を有している。
[0086] クレードル側制御手段 120には、インク容器 14へのインクの補給が完了したことを 報知する補給状態インジケータ 123及び廃液回収容器 17内の廃液が廃液回収タン ク 102により回収されたことを報知する回収状態インジケータ 124が接続されている。
[0087] インク容器 14には、その貯留空間 13内のインク量を検出するインク量検出手段 53 が設けられている。このインク量検出手段 53は、少なくとも、インク容器 14の貯留空 間 13内のインク量が満タンになったことを検出することができる。
[0088] インク補給制御手段 121は、インク容器 14の貯留空間 13内のインク量が満タンに なったことがインク量検出手段 53によって検出された時点で、インク補給バルブ 126 を閉止してインクタンク 101からインク容器 14へのインクの補給を停止すると共に、補 給状態インジケータ 123によってインク容器 14へのインク補給が完了した旨を報知 する。
[0089] 廃液回収制御手段 122は、廃液回収ポンプ 116起動後、所定の時間が経過した 時点で廃液回収ポンプ 116を停止すると共に、回収状態インジケータ 124によって 廃液回収容器 17からの廃液が完了した旨を報知する。或いは、廃液回収容器 17内 の液量を検出する手段を設け、この検出手段からの信号に基づいて廃液回収ポンプ 116を停止すると共に回収状態インジケータ 124を作動させるようにすることもできる
[0090] 次に、可搬状態にあったインクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に一体化 させた際に行われるインク補給動作及び廃液回収動作について説明する。
[0091] 上述した一体化検知手段 117によってインクジェットユニット 10がクレードルユニット 100と一体ィ匕されたことが検知されると、その検知信号がクレードル側制御手段 120 に送信される。
[0092] 一体ィ匕検知信号を受信したクレードル側制御手段 120は、インク補給制御手段 12 1及び廃液回収制御手段 122によってインク補給動作及び廃液回収動作を開始す る。
[0093] すなわち、インク補給制御手段 121は、一体ィ匕検知信号を受けて、常時閉状態とさ れているインク補給バルブ 126を開放する。すると、重力によってインクタンク 101内 のインクがインク容器 14内に流入する。
[0094] そして、インク量検出手段 53によってインク容器 14内のインク量が満タンになった ことが検知されたら、インク補給制御手段 121は、インク補給バルブ 126を閉止すると 共に、補給状態インジケータ 123によってインク補給が完了した旨を報知する。このと
き、印刷制御手段 50の消費量記憶手段 51のメモリがリセットされる。
[0095] 廃液回収制御手段 122は、一体ィ匕検知信号を受けて、廃液回収ポンプ 116を作動 させる。ここで、廃液回収ポンプ 116の作動時点においては、インクジェットユニット 1 0の印刷制御手段 50によってチューブポンプ 20が非連通状態とされている。つまり、 チューブポンプ 20のプーリ 22によって可撓性チューブ 21が押し潰されて流路が閉 塞された状態が維持されて!ヽる。
[0096] このようにチューブポンプ 20が非連通状態に維持された状態で廃液回収ポンプ 11 6を作動させると、廃液回収容器 17の容器本体 40の内部が負圧となり、廃液回収容 器 17からのインクの排出に伴って可撓性の鍋状部材 42が変形して容器本体 40の内 部容積が減少し、インク吸収体 43が収縮する。これにより、インク吸収体 43に吸収保 持されていたインクが絞り出され、廃液回収容器 17内の廃液を確実に排出させること ができる。
[0097] 廃液回収ポンプ 116の作動開始後、所定時間が経過したら、チューブポンプ 20の プーリー 22による可撓性チューブ 21の押し潰し状態を解除してチューブポンプ 20を 連通状態とする。
[0098] し力る後、廃液回収ポンプ 116を停止して、廃液回収容器 17からの廃液の吸引排 出動作を停止する。同時に、回収状態インジケータ 124によって、廃液回収容器 17 力も廃液回収タンク 102への廃液の回収が完了した旨を報知する。このとき、印刷制 御手段 50の排出量記憶手段 52のメモリがリセットされる。
[0099] 上述したように本実施形態によるインクジェット式記録装置においては、可搬式のィ ンクジェットユニット 10を、クレードルユニット 100から切り離した状態で単体で使用で きると共に、クレードルユニット 100と一体ィ匕させた状態で使用することもできる。
[0100] インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に装着して一体化することにより大 量の印刷処理が可能となるので、インクジェットユニット 10自体については必要最低 限の仕様として小型 ·軽量ィ匕を図ることができる。
[0101] また、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に装着された際にインクジェ ットユニット 10のインク容器 14内にインクが補給されるので、次回にインクジェットュ- ット 10をクレードルユニット 100から外して使用する際には、使用中にインク容器 14
内のインクが無くなってしまうという事態を防止することができる。
[0102] 同様に、インクジェットユニット 10がクレードルユニット 100に装着された際に廃液回 収容器 17から廃液が回収されるので、次回にインクジェットユニット 10をクレードルュ ニット 100から外して使用する際には、使用中に廃液回収容器 17から廃液がオーバ 一フローしてしまうという事態を防止することができる。
[0103] また、インクジェットユニット 10のバッテリー 15についても同様であり、インクジェット ユニット 10がクレードルユニット 100に装着された際にバッテリー 15が充電されるの で、次回のインクジェットユニット単体での使用中にバッテリー 15があがってしまうこと を防止できる。
[0104] インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に装着した状態で印刷を行う際に は、インク補給制御手段 121は、インク量検出手段 53からの信号に基づいてインク 補給バルブ 126を制御して、インクタンク 101からインク容器 14に適宜インクを補給 する。
[0105] このとき、記録ヘッド 12の上部に設けられた圧力調整弁 48によって、インク容器側 の圧力とは無関係に噴射ヘッド側の圧力が一定に維持されるので、印刷中にインク 容器 14にインクを補給しても、記録ヘッド 12からインクが溢れ出るというようなことがな い。
[0106] さらに、インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に装着した状態で印刷を 行う際には、インク容器 14がいわゆるサブタンクとして機能するために、高いデュー ティーでの印刷中であっても円滑にインクを充填することができる。つまり、本実施形 態におけるインク容器 14は、インクジェットユニット 10を単体で使用する際にはメイン のインクタンクとして機能すると共に、インクジェットユニット 10をクレードルユニット 10 0に装着して使用する際にはサブタンクとして機能する。
[0107] また、クレードルユニット 100に対するインクジェットユニット 10の着脱動作が多数回 に及んで、インク容器 14のインク注入口 33を構成する環状シール部材 (弾性部材) 3 6等が劣化して漏洩耐性が劣化した場合でも、インク注入口 33は交換可能なインク カートリッジとして構成されたインク容器 14に設けられているので、インク容器 14を交 換することにより容易に対応することができる。
[0108] インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に装着した状態においては、廃液 回収制御手段 122により廃液回収ポンプ 116を制御して、チューブポンプ 20に代え て(チューブポンプ 20を連通状態として)廃液回収ポンプ 116を用いて記録ヘッド 12 からインクを吸引排出させることができる。
[0109] 記録ヘッド 12の初期充填時や、長期間不使用の後に必要となる強力吸引時に際 しては、インクジェットユニット 10をクレードルユニット 100に装着して廃液回収ポンプ 116によりインクを吸引排出させることができる。
[0110] このため、可搬式のインクジェットユニット 10側においては大容量のポンプは不要と なり、インクジェットユニット 10の小型'軽量化を図ることができる。また、大容量のポン プを使用するとバッテリーの消耗が激しいので、この点からも可搬式のインクジェット ユニット 10のポンプの容量を小さくすることが望ましい。
[0111] また、振動等によって記録ヘッド 12のメニスカスが壊れた場合等においては、チュ ーブポンプ 20のような低流速のポンプでインク吸引を行うことができる。
[0112] このように本実施形態においては、可搬式の装置において重要なファクターである 小型ィ匕 ·軽量ィ匕をインクジェットユニット 10において実現できると共に、このインクジェ ットユニット 10をクレードルユニット 100に装着することにより、大量の印刷処理が可 能となるば力りでなぐインクジェットユニット 10を次回に単体で使用する際には常に 十分なインク量、廃液処理容量、及びバッテリー充電量が担保されているという優れ た効果が得られる。
[0113] また、本実施形態においては、インクジェットユニット 10におけるインク容器 14の装 着をオフキャリッジ方式としたので、インク容器 14のインク注入口 33にインク注入針 1 05を接続した場合でも、キャリッジ 11の往復動作が阻害されるようなことがない。つま り、オフキャリッジ方式ではなくオンキャリッジ方式の場合には、キャリッジに搭載され たインク容器にインク注入用の配管を接続することになるので、接続された配管の重 量や剛性によってキャリッジの往復動作が阻害される可能性がある力 オフキャリッジ 方式を採用した本実施形態においては、このような問題が生じることはない。
[0114] なお、上記実施形態においては、インク注入針 105をインク容器 14のインク注入口 33に接続することによりインクタンク 101とインク容器 14とを連通可能として、インク容
器 14の貯留空間 13を介してインクタンク 101からインクジェット式記録ヘッド 12ヘイ ンクを供給するように構成されて 、る。
[0115] インクタンク 101とインクジェット式記録ヘッド 12との連通方式の変形例としては、ィ ンクジェット式記録ヘッド 12に連通する流路の端部を、インクジェットユニット 10の背 面に設けたインク注入口(インク容器 14のインク注入口 33と同様の構成を備えている
)に接続し、このインク注入口にインク注入針 105を接続するようにしても良い。
[0116] また、上述した実施形態の一変形例としては、図 18に示したように、複数の可搬式 のインクジェットユニット 10を装着できるようにクレードルユニット 100を構成することも できる。
[0117] また、インク供給針 39及びインクタンク接続手段の一部を構成するインク注入針 10
5につ 、ては、インク供給口 32及びインク注入口 33への接続によりインクが流れるよ うな形体であれば良ぐ針形状には限定されな 、。
[0118] 同様に、廃液注入針 49及び廃液回収タンク接続手段の一部を構成する廃液排出 針 106についても、廃液注入口 44及び廃液排出口 45への接続により廃液が流れる ような形体であれば良ぐ針の形体には限定されな 、。
[0119] 以上、本発明の好ましい例についてある程度特定的に説明したが、それらについ て種々の変更をなし得ることはあきらかである。従って、本発明の範囲及び精神から 逸脱することなぐ本明細書中で特定的に記載された態様とは異なる態様で本発明 を実施できることが理解されるべきである。