WO2006101198A1

WO2006101198A1 - 点字読み取り用センサ及び点字読み取り用装置

Info

Publication number: WO2006101198A1
Application number: PCT/JP2006/305980
Authority: WO
Inventors: Zhongwei Jiang; Sayyed Alireza Arabshahi
Original assignee: Yamaguchi University
Priority date: 2005-03-24
Filing date: 2006-03-24
Publication date: 2006-09-28

Abstract

　センサ出力電圧が高く、よって感度を高めることができ、また、点字文字を確実に正確に読み取ることができる点字読み取り用センサ及び点字読み取り用装置を提供する。　点字読み取り用センサは、第１電極と第２電極との間に設けられた圧電変換素子を備える。圧電変換素子の上方に外圧力により変形するフレキシブル性を有する薄膜と、下方に薄膜の下方に設けられて、前記薄膜より柔らかい材質で作られ、かつ前記圧電変換素子の変形により弾性変形する弾性部材を備える。

Description

明細書

点字読み取り用センサ及び点字読み取り用装置

技術分野

[0001] 本発明は、点字文字を読み取るために点字文字における突起の配列を検出する点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置に関し、点字読み取り用センサで識別された点字を、操作者が直接指で感じ取ることが出来る触覚感知機構を備えた点字読み取り用装置、点字読み取り用センサ及び点字文字を読み取るために点字文字における突起の配列を検出する点字取り用センサを備えた点字読み取り用装置に関する。

背景技術

[0002] 図 27の従来の点字読み取りセンサ（特許文献 1参照）において、感圧機構 61は、加圧により抵抗値が変化する導電ゴムを用いた複数の圧電変換素子 62を点字文字の突起の間隔より小さいピッチで相互に絶縁して一列に配設して、圧電変換素子 62 毎の信号取り出し端子を設けて構成される。感圧機構 61は、掃引の方向と直角な方向に複数の圧電変換素子 62が突起 63の間隔より小さなピッチで一列に配設されているので、走査機構が感圧機構 61を点字文字 1上に押下して掃引すれば、個々の圧電変換素子 62が出力する時系列信号の組み合わせにより、点字文字における突起に配列を検出することができる。圧電変換素子 62は、絶縁性基板の主面に並び共通の絶縁可撓性フィルムに覆われており、絶縁可撓性フィルム側力も突起 63により加圧される。

[0003] そしてこの点字文字読み取りセンサにおいて、感圧機構 61は、圧電変換素子 62の列が点字文字 1の 1文字分を包含する長さであり、走査機構 64は、点字文字 1の並びにより構成される 1以上の行に対して、各行を逐次に掃引する。

[0004] また、感圧機構 61を手袋または指サックに固定し、装着した手に移動により掃引することち開示されている。

[0005] 特許文献 2にも、点字 1文字を構成する二列に並んだ点のうち少なくとも一列内の全ての点には一度に接触するような大きさに形成されている一つの感圧センサと、点字を構成する点の列のうち読取り方向の先頭に位置する列に感圧センサを接触させたのち、読取り方向に感圧センサを走査した際に、点字を構成する各点の接触時間が読み取り方向に平行な行毎に異なるようにして識別精度を上げ、感圧センサが読み取った感圧データを解析して文字に変換する解析変換手段を具備した点字読取装置が開示されている。また、走査手段を設けずに、感圧センサを指に装着可能に設け人手によって点字を走査することも開示されている。

[0006] 特許文献 3では、特許文献 2の技術を改良し、簡単なロジックで正確な解析を行う点が開示されている。

[0007] さらに、非特許文献 1には、フィルムの裏面に上部電極を形成し、そのフィルムが指紋の凹凸にそって変形することによって、マトリクス配置された下部電極との静電容量変化を測定し、指紋の画像を採集することができる超薄型感圧式指紋センサが開示されている。そして、指紋の凹凸に沿って変形するような薄いフィルムに、指紋のピツチを読み取るための非常にピッチの狭、、細、電極が形成されて、る。

特許文献 1：特開平 6 - 289775号公報

特許文献 2：特開 2003 - 78530号公報

特許文献 3：特開 2004 - 279766号公報

非特許文献 1：「電波新聞別冊ノ、ィテクノロジー」、 2005年 1月 7日号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] し力しながら、従来の点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置は、点字ノターンが識別されても、操作者本人はその情報を直接指で感じ取ることが出来なかった。また、高齢者や後天の事故などによる失明者にとって点字の学習は難しいことである。さらに、自動点字読み取り装置に誤認知があっても、即座には誤認知に対応できな力つた。

また、従来の点字読み取りセンサは、圧電変換素子を絶縁性基板の主面に並び共通の絶縁可撓性フィルムに覆、、絶縁可撓性フィルム側力突起により加圧される構造のためセンサ出力電圧は低ぐよって感度を高めることができない。また、点字文字を読み取るための圧電変換素子は、 1列しか配置されていなため、確実に正確に点字文字を読み取ることができな、。

[0009] 本発明は、従来の欠点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、点字読み取り用装置で識別された点字を、操作者が直接指で感じ取ることが出来る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置を提供すること、センサ出力電圧が高ぐよつて感度を高めることができ、また、点字文字を確実に正確に読み取ることができる点字読み取り用センサ及び点字読み取り用装置を提供すること、及び、センサ出力電圧が高ぐよって感度を高めることができ、また、点字文字を確実に正確に読み取ることができ、点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために、力の分散を防止するための力分散防止手段を点字読み取り用センサに備えた点字読み取り用装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010] 第 1の発明に係る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置は、点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、前記点字読み取り用センサの上部に設けられた指取り付け部と、前記指取り付け部に設けられ前記点字読み取り用センサの出力に対応した情報を前記指取り付け部に挿入された指に伝達する触覚感知機構を備えたことを特徴とする。

[0011] 第 2の発明に係る点字読み取り用装置では、第 1の発明に係る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、前記触覚感知機構は、突出可能なピンからなることを特徴とする。

[0012] 第 3の発明に係る点字読み取り用装置では、第 1の発明に係る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、前記触覚感知機構は、触覚ピンを備えた振動発生手段力なることを特徴とする。

[0013] 第 4の発明に係る点字読み取り用装置では、第 1の発明に係る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、前記触覚感知機構は圧電素子と振動を増幅する変位増幅機構力なることを特徴とする。

[0014] 第 5の発明に係る点字読み取り用装置では、第 1の発明に係る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、前記変位増幅機構は前記指への接触変位と駆動周波数の組み合わせが調整可能であることを特徴とする。

[0015] 第 6の発明に係る点字読み取り用装置では、第 1ないし第 5のいずれかの発明に係る点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、点字情報と文字情報相互間の変換を可能とする駆動装置をさらに備えたことを特徴とする。

[0016] 第 7の発明に係る点字読み取り用センサは、第 1電極と第 2電極との間に圧電変換部材が設けられた圧電変換素子と、外圧力により変形するフレキシブル性を有する薄膜と、前記外圧力が加わる前記圧電変換素子の下方側に設けられて、前記薄膜より柔らかい材質で作られ、かつ前記圧電変換素子の変形により弾性変形する弾性部材とを備え、前記外圧力により前記圧電変換素子にひずみを生じさせて電圧を発生させることを特徴とする。

[0017] 第 8の発明に係る点字読み取り用装置は、第 1方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 1電極と、前記第 1方向に対して直角の方向である第 2方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 2電極とがマトリックス状に配置された電極と、前記第 1電極と前記第 2電極との間に圧電フィルムが設けられた圧電変換素子と、前記第 1電極と前記第 2電極との交点の位置に対応して設けられた点字が当接する突起部と、かつフレキシブル性を有する薄膜とを備え、前記突起部は、（縦列 n個、横列 m 個）に配置された文字を構成する第 1突起部群、（但し n及び mは、 2より大きい）と行間を識別する第 2突起部群とから構成され、前記突起部に力が加わる前記圧電変換素子の下方側に設けられて前記圧電変換素子の変形により弾性変形し、かつ前記薄膜より柔らかい材質力もなる材料で作られた弾性部材とを備える点字読み取り用センサと;前記読み取り用センサ力の出力電圧を文字信号に変換して出力する文字信号出力論理装置とを備える。

[0018] 第 9の発明に係る点字読み取り用装置は、第 8の発明に係る点字読み取り装置において、前記突起部への力の当接がずれて点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための力分散防止手段をさらに備えることを特徴とする。

[0019] 第 10の発明に係る点字読み取り用装置は、第 8の発明に係る点字読み取り用装置において、前記点字読み取り用装置は、指に取り付けられることを特徴とする。

[0020] 第 11の発明に係る点字読み取り用装置は、第 1方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 1電極と、前記第 1方向に対して直角の方向である第 2方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 2電極と、互いにマトリックス状に配置されている前記第 1電極と前記第 2電極との間に設けられた圧電フィルムと、前記第 1電極と前記第 2電極との交点の位置に対応して設けられ、点字が当接する突起部を備え、かつフレキシブル性を有する薄膜と、前記突起部の下方に設けられて圧電フィルムの変形により弾性変形し、かつ前記薄膜より柔らかヽ材質カゝらなる材料で作られた弾性部材と、を備え、前記突起部は、縦列 n個、横列 m個（但し、 n, mは 2以上の整数）に配置された少なくとも文字を構成する第 1突起部群から構成される点字読み取り用センサと、前記点字読み取り用センサ力の出力信号を文字信号に変換して出力する文字信号出力論理装置と、を備えることを特徴とする。

[0021] 第 12の発明に係る点字読み取り用装置は、第 11の発明に係る点字読み取り用装置において、文字間を検出する第 2突起群をさらに備えたことを特徴とする。

[0022] 第 13の発明に係る点字読み取り用装置は、第 11または第 12の発明に係る点字読み取り用装置において、行間を検出する第 3突起部群をさらに備えたことを特徴とする。

[0023] また、第 14の発明に係る点字読み取り用装置は、第 11ないし第 13のいずれかの発明に係る点字読み取り用装置において、前記突起部への力の当接がずれて点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための力分散防止手段をさらに備えることを特徴とする。

[0024] さらに、第 15の発明に係る点字読み取り用装置は、第 14の発明に係る点字読み取り用装置において、前記力分散防止手段は前記突起部であり、前記突起部の主体部の略中心位置に前記主体部の材質よりも硬い材質力もなるコアが嵌設されていることを特徴とする。 [0025] 第 16の発明に係る点字読み取り用装置は、第 11ないし第 13のいずれかの発明に係る点字読み取り用装置において、前記点字読み取り用装置は、指に取り付けられることを特徴とする。

[0026] 第 17の発明に係る点字読み取り用装置は、第 11ないし第 16のいずれかの発明に係る点字読み取り用装置において、さらに音声変換装置を備えることを特徴とする。発明の効果

[0027] 本発明によれば、点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置の操作者が、操作中に点字を直接指で感じ取ることが出来るので、高齢者や後天の事故などによる失明者にとって難しい点字の学習の助けとすることができる。また、盲者が操作する際には、点字文字の内容を確認する事ができ、自動点字読み取り装置の誤認知の改善を図ることができる。

更に、本発明によれば、センサ出力電圧が高ぐよって感度を高めることがで、点字文字を確実に正確に読み取ることがでる。

図面の簡単な説明

[0028] [図 1A]図 1Aは、本発明の実施例 1の点字読み取り装置を示す断面図である。

[図 1B]図 1Bは、本発明の実施例 2の点字読み取り装置の点字認識前後の状態を示す図である。

[図 2A]図 2Aは、本発明の実施例 2の点字読み取り装置を示す断面図である。

[図 2B]図 2Bは、本発明の実施例 2の点字読み取り装置の触覚感知機構を示す図である。

[図 3]図 3は、本発明の実施例 2の点字読み取りセンサの突起部の配置を示す概略図である。

[図 4]図 4は、点字読み取りセンサを駆動するための回路を示す回路図である。

[図 5]図 5は、点字読み取りセンサの出力変化を示す図である。

[図 6]図 6は、点字読み取りセンサの出力変化を示す図である。

[図 7]図 7は、点字読み取り装置の指への取り付けを示す概略図である。

[図 8]図 8は、本発明の実施例 2の点字読み取り装置を利用したシステムの概略図である。 [図 9]図 9は、本発明の実施例 3の点字読み取り用センサを示す断面図である。

[図 10]図 10は、図 9の点字読み取り用センサの電極と圧電フィルムの構造を示す断面図である。

[図 11]図 11は、本発明の実施例 4の点字読み取り用センサを示す断面図である。

[図 12]図 12は、点字読み取り用センサの出力変化を示す図である。

[図 13]図 13は、点字読み取り用センサの突起部を示す概略図である。

[図 14]図 14は、点字読み取り用センサを駆動するための回路を示す回路図である。

[図 15]図 15は、本発明の実施例 4の点字読み取りセンサを示す概略図である。

[図 16]図 16は、本発明の実施例 5の点字読み取りセンサを示す断面図である。

[図 17]図 17は、点字読み取りセンサの出力変化を示す図である。

[図 18]図 18は、点字読み取りセンサの出力変化を示す図である。

[図 19]図 19は、点字読み取りセンサの突起部を示す概略図である。

[図 20]図 20は、突起部と点字ドットと押圧関係を示す図である。

[図 21]図 21は、本発明の実施例 5の点字読み取りセンサの突起部の配列を示す図である。

[図 22]図 22は、点字読み取りセンサを駆動するための回路を示す回路図である。

[図 23]図 23は、本発明の実施例 5の点字読み取りのアルゴリズムである。

[図 24]図 24は、本発明の実施例 5の点字読み取りセンサを指に取り付けた概略図である。

[図 25]図 25は、点字読み取り装置を示すブロック回路である。

[図 26]図 26は、音声変換装置を備える点字読み取り装置を示すブロック回路である

[図 27]図 27は、従来の点字読み取りセンサを示す概略図である。

符号の説明

1 点字読み取り装置

2 触覚ピン

10 点字読み取り用センサ

12 正電極負電極

圧電フィルム

表面膜材（薄膜フレキシブルフィルム) 文字読み取り用突起部

文字行間読み取り用突起部第 1弾性部材

突起部コア

第 1の支持部材

ハウジング

第 2の支持部材

ハウジング

点字読み取り用センサ

接触ピン

第 2弾性部材

変位増幅機構

PZT圧電素子

基板

コア

押圧部

触覚部材

X方向スィッチ回路

Y方向スィッチ回路

駆動回路

文字読み取り領域

行間読み取り領域

文字検出用突起部

突起部（点字読み取りセンサ）点字読み取り用センサ 50 スィッチ

51 点字ドット

52 駆動装置（マイクロコンピュータ)

54 無線送信機

56 音声変換装置

61 感圧機構

62 圧電変換素子

63 突起

64 走査機構

A 触覚感知機構

B 点字読み取りセンサ

発明を実施するための最良の形態

[0030] 以下、本発明に係る触覚感知機構を備えた点字読み取り装置を図 1〜図 27を参照して詳述する。

実施例 1

[0031] 図 1Aは、本発明に係る実施例 1の、点字読み取り用装置における情報伝達手段である触覚感知機構 A及び点字読み取りセンサ Bを示す断面図である。

[0032] なお、点字読み取りセンサ Bそれ自体については、後で詳述する。

[0033] 図 1Aに示すように、情報伝達手段である触覚ピン 2を備えた点字読み取り装置 1は、プラスチック製等のハウジング 25内に収納されて、る。

[0034] ハウジング 25内には、圧電変換素子の作用をする圧電フィルム 16が、正電極 12と負電極 14との間に設けられている。突起部 20力正電極 12と負電極 14との交点の位置に対応して表面膜材 18上に設けられている。

[0035] また、ハウジング 25内には、外圧力により突起部 20が、ほぼ上方又は斜め方向から押圧されると、弾性変形する弾性部材 22が各突起部 20毎に区画されて突起部 20 の後方に設けられている。弾性部材 22は、例えばスポンジ等の材料力も作られている。すなわち、弾性部材 22は、表面膜材 18より柔らかい材料カゝら作られている。

[0036] 突起部 20は、表面膜材 18上に設けられ、ほぼ台形形状を有する弾性を有するゴムで作られて、る。台形形状の突起部上部の中心位置にほぼ逆台形形状のゴムより硬、材質力も作られる突起部コア 23が嵌設されて、る。

[0037] 前記突起部コア 23の材質がその周りの突起部 20の材質よりも硬いことから、前記突起部コア 23が外力によって押された際に、その力の作用点が集中し、効率的に外力が前記表面膜材 18に伝達され、点字文字読み取りのオフセットの影響が少なくなり確実に押圧力による点字文字を読み取ることができる。

[0038] すなわち、点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための力分散防止手段として機能する。

[0039] 図 1Bに示すように、点字読み取り用装置を指に装着し、点字センサの突起部 20が点字ドット 51を押すと、上部にある触覚ピン 2が指と接触し、点字の有無を指で感じとるものである。

実施例 2

[0040] 次に、図 2Aに示す実施例 2においては、圧電フィルム 16により点字を感知すると、接触ピン 31は変位増幅機構 33を介して PZT圧電素子 34により駆動される。

[0041] その構造にっヽては種々考えられるが、重要なパラメータとして、機構のサイズ、接触ピンの変位、駆動周波数である。人間の指の触覚感覚の閾値は文献によると、表 1 に示すとおりである。使用者に応じて、指への接触変位と駆動周波数の組み合わせを調整可能とするとよい。

[0042] 表 1は、指の接触感覚の閾値を示す。

[0043] [表 1]

表 1に基づき、駆動周波数が 200Ηζ〜300Ηζ程度、変位が 0. 1 μ m発生できる変位増幅機構 33の好ましい形態を図 2Bに示す。

[0044] 変位増幅機構 33を構成するばね特性を有する触覚部材 36は、圧電素子 34の上端に片持ち梁状に設けられている。触覚部材 36は、圧電素子 34の上端部の両端側力対称的に突起部 20が存在する方向にジグザグ状に延出しており、先端部に接触ピン 31が設けられて!/、る。

[0045] 点字読み取りセンサ Bが点字を感知すると、マイコンや発振回路により指に敏感な周波数信号を圧電素子 34に発生させ、触覚部材 36を振動させる。したがって接触ピン 31が振動し点字を認識することができる。

[0046] 次に、点字読み取りセンサ Bそれ自体について説明する。

[0047] 点字は通常、 6点の集まりからなるブロックで構成され、該 6点の組み合わせで一文字を構成する。しかしながら、日本語のいくつかの文字、例えば「が」、あるいは数字では、 2つのブロックが一文字を表すために使用される。

[0048] それ故に、点字読み取りセンサ Bは、 2つの連続した文字を読み取ることが出来る必要がある。

[0049] 点字読み取りセンサ Bは、第 1電極と第 2電極との間に圧電変換部材を備える。外圧力により変形するフレキシブル性を有する表面膜材を圧電変換素子上に設ける。そして、表面膜材の下方に表面膜材より柔らかい材質で作られ、かつ圧電変換素子の変形により弾性変形する弾性部材を備える。そして、外圧力により圧電変換部材にひずみを生じさせて電圧を発生させる。

[0050] 即ち、図 1Aにも示すように、点字読み取りセンサ Bは、 X方向に延出する等間隔に配設された複数本の正電極 12と、 Y方向に延出する等間隔に配設された複数本の負電極 14とを備える。ここで、 Y方向は、 X方向に対して直角の方向である。正電極と負電極とはマトリックス状に配置されて、る。

[0051] 圧電変換素子の作用をする圧電フィルム 16が、正電極 12と負電極 14との間に設けられている。突起部 20は、正電極 12と負電極 14との交点の位置に対応して表面膜材 18上に設けられている。

[0052] 外圧力により突起部 20が、ほぼ上方又は斜め方向から押圧されると、弾性変形する弾性部材 22が各突起部 20毎に区画されて突起部 20の後方に設けられている。弹性部材 22は、例えばスポンジ等の材料力も作られている。すなわち、弾性部材 22は、表面膜材 18より柔らかい材料力も作られている。

[0053] 先に説明したように、点字は通常、 6点の集まりからなるブロックで構成されているので、図 3に示すように、点字文字読み取り用突起部は、縦列 5個、横列 3個に配置されている。すなわち、 1文字は、縦列 2個、横列 3個で構成され、 2文字分の突起部 2 0が配置されている。 2文字分の突起部 20の間には、文字間検出用突起部 22が設けられている。

[0054] カゝくして、表面膜材 (薄膜） 18上には 1文字分の突起部 20 ; (縦列 2個、横列 3個）と 1文字分の突起部 20 ; (縦列 2個、横列 3個)及び文字を正しく読んでいるか否かを検知するための突起部 22 ; (縦列 1個、横列 3個）の合計 15個の突起部が配置されている。 1文字を構成する突起部の中心と突起部の中心との距離は約 2. 5mmである。各文字間の突起部の中心と突起部の中心との距離は約 3. 75mmである。力べして、 1 文字分の突起部と 1文字分の突起部とで 2文字分の突起部が配置されているが、例えば 1文字分は「か」を表わし、 2文字分は「が」を表わすために使用される。

[0055] さらに、文字行間を読み取るための領域 46は、文字を読み取るための領域 44の長手方向の両側に配設されている。表面膜材 18上には、文字の行間を検出するための突起部 21がそれぞれ 2個配設されている。

[0056] 点字読み取りセンサを駆動するための回路構成は、図 4に示すようになっており、 X 方向に延出する正電極は X方向スィッチ回路 39及び Y方向に延出する負電極は Y 方向スィッチ回路 40に接続され、これらスィッチ回路 39, 40は FET42で制御される

[0057] 図 5は、弾性部材 S2と表面膜材 S1との材料の軟らかさの比を変化させ、圧電変換素子にひずみをカ卩えた時の圧電フィルムの出力電圧と押し付け変位の関係を示すものである。

[0058] 材料の軟ら力さパラメータを Siとすると、

Si=hi/Ei

ここで、 hiは材料の高さ、 Eiは材料の弾性率である。

[0059] 尚、センサの固定条件は両側自由、上端部が上下移動可能な剛体板に取り付けている。

[0060] この場合には、材料 SIと S2の軟らかさが同程度の場合はより高い出力が得られる

[0061] 図 6は、図 5と同様に圧電フィルムの出力電圧と押し付け変位の関係を示すものであるが、センサが剛体ケースに収容されている場合である。この場合、弾性部材と薄膜と材料の柔らかさの比が大きい場合に出力電圧は大きくなることがわかる。そして、材料 S1が S2に比べ、薄くまたは硬くなるほど、より高い出力が得られる。

[0062] 圧電フィルム 16の材料としてポリフッ化ピリ-デンフィルム（PVDF)等が使用できる

[0063] 図 6の結果力も明らかなように、突起部 20を設けた表面膜材 18と突起部 20の下方の弾性部材 22の軟らかさの比は、その比が大きいほど圧電フィルムの出力電圧は大きくなる傾向にある。なお、圧電フィルム 16において突起部 20に力が加わる下方には上述した弾性部材が設けられて、ることが好ま、が、空間であってもよ!/、。

[0064] 図 7は、触覚感知機構を備えた点字読み取り用装置 1が、使用者の人差し指に取り付けられて、る状態を示す概略図である。

[0065] 上述したように点字読み取りセンサが点字を感知すると、マイコンや発振回路により指に敏感な周波数信号を pzt圧電素子 34に発生させ、触覚部材 36を振動させる。したがって接触ピン 31が振動し点字を認識することができる。

[0066] また、図 8に示すように、点字読み取り装置 1で得られた信号を駆動装置 52を介して無線又は有線によりコンピュータに送信し、インターネットなどの操作を可能とする。また、インターネットや遠隔講義の資料の文字情報を点字パターン信号に変換すれば、図 8中の駆動装置 52を経由して指に認知させることもできる。

実施例 3

[0067] 以下、本発明に係る点字読み取り用センサを図 9〜図 23を参照して詳述する。

図 9は、本発明の実施例 3の点字読み取り用センサを示す断面図である。図 10は点字読み取り用センサの電極配置を示す断面図である。

[0068] 点字読み取り用センサ 10は、第 1電極と第 2電極との間に圧電変換部材を備える。

外圧力により変形するフレキシブル性を有する薄膜を圧電変換素子上に設ける。そして、薄膜の下方に薄膜より柔らかい材質で作られ、かつ圧電変換素子の変形により弾性変形する弾性部材を備える。そして、外圧力により圧電変換部材にひずみを生じさせて電圧を発生させる。

[0069] 点字読み取り用センサ 10は、 X方向に延出する等間隔に配設された複数本の正電極 12と、 Y方向に延出する等間隔に配設された複数本の負電極 14とを備える。ここで、 Y方向は、 X方向に対して直角の方向である。正電極と負電極とはマトリックス状に配置されている。

[0070] 圧電変換素子の作用をする圧電フィルム 16が、正電極 12と負電極 14との間に設けられている。突起部 20は、正電極 12と負電極 14との交点の位置に対応してフレキシブルフイルム 18上に設けられている。突起部 20は、縦列 n個 X横列 m個から構成される。ここで、 n及び mは、 2より大きい数字である。

[0071] 外圧力により突起部 20が、ほぼ上方又は斜め方向から押圧されると、弾性変形する弾性部材 22が各突起部 20毎に区画されて突起部 20の下方に設けられている。弹性部材 22は、例えばスポンジ等の材料力も作られている。すなわち、弾性部材 22は、表面膜材（フレキシブルフィルム） 18より柔らかい材料から作られている。

[0072] 突起部 20に斜め方向力もの力が作用して、突起部 20への力の当接がずれた際に点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための長手方向の変位及び又は拡張を抑制するための第 1の力分散防止手段が設けられている。第 1力分散防止手段は、区画された弾性部材の間に嵌挿された第 1の支持部材 24で構成されている。支持部材 24は、弾性部材 22より幾分硬い材料で作られている。

[0073] 力べして、弾性部材 22が突起部 20の押圧により長手方向に変位及び又は拡張されるのが抑制される。そして、突起部 20が、弾性部材 22を押圧した際に、押圧力が突起部毎に区画された弾性部材内に閉じ込まれるため、点字文字読み取りのオフセットの影響が少なくなり確実に押圧力による点字文字を読み取ることができる。

[0074] さらに、突起部 20に斜め方向からの力が作用した際に、フレキシブルフィルム 18の長手方向の変位及び又は拡張を抑制するための第 2の力分散防止手段が設けられている。第 2の力分散防止手段は、区画された弾性部材の間に嵌挿された支持部材 24の上に延出して配置されている第 2の支持部材カもなる。第 2の支持部材 26は、フレキシブルフィルム 18より幾分硬い材料で作られている。第 2の支持部材 26は、第 1の支持部材 24と一体的に構成してもよい。

[0075] 力くして、フレキシブルフィルム 18が突起部 20の押圧により長手方向に変形及び又は拡張されるのが抑制される。この結果、突起部 20が押圧された際に、押圧力が突起部 20毎に区画されたフレキシブルフィルム 18内に閉じ込まれるため、さらにより点字文字読み取りのオフセットの影響が少なくなり確実に押圧力による点字文字を読み取ることができる。

[0076] 上述したセンサ 10は、プラスチック製のハウジング 28内に収納されている。

実施例 4

[0077] 図 11は、本発明の実施例 4の点字読み取り用センサを示す断面図である。点字読み取り用センサ 30は、図 9で述べたように X方向に延出する等間隔に配設された複数本の正電極 12と、 Y方向に延出する等間隔に配設された複数本の負電極 14とを備える。正電極 12は、後述する第 1弾性部材 22の形状に沿って配線されている。ここで、 Y方向は、 X方向に対して直角の方向であり、かつ正電極と負電極とはマトリックス状に配置されている。

[0078] 圧電フィルム 16力正電極（第 1電極） 12と負電極（第 2電極） 14との間に設けられている。突起部 20は、正電極 12と負電極 14との交点の位置に対応してフレキシブルフィルム 18上に設けられている。突起は、縦列 n個 X横列 m個から構成される。ここで、 n及び mは、 2より大きい数字である。

[0079] 外圧力により突起部 20が、ほぼ上方又は斜め方向から押圧されると、弾性変形する第 1弾性部材 22が各突起部 20毎に区画されて突起部 20の下方に設けられている。第 1弾性部材 22は、例えばほぼ台形形状を有し、スポンジ等の材料力も作られている。すなわち、弾性部材 22は、フレキシブルフィルム 18より柔らかい材料力作られている。そして、突起部 20に斜め方向力もの力が作用した際に、第 1弾性部材 22 が長手方向の変位及び又は拡張を抑制するための第 2弾性部材 32が設けられている。

[0080] 力分散防止手段は、区画された第 1弾性部材 22の間に嵌挿され、第 1弾性部材 2 2の弾性率より大きな弾性率を有する逆台形形状を有する第 2弾性部材 32からなる。第 2弾性部材 32は、第 1弾性部材 22より幾分硬ヽ材料で作られてヽる。

[0081] 第 1弾性部材 22及び第 2弾性部材 32は、基板 34上に固定して設けられている。かくして、力分散防止手段により第 1弾性部材 22が突起部 20の押圧により長手方向に変形及び又は拡張されるのが抑制される。この結果、突起部 20が押圧された際に、押圧力が突起部 20毎に区画された第 1弾性部材 22内に閉じ込まれるため、点字文字読み取りのオフセットが影響が少なくなり確実に押圧力による点字文字を読み取ることができる。

[0082] 図 12は、弾性部材と薄膜と材料の柔らかさの比を変化させ、圧電変換素子にひずみを加えた時の電圧出力を示す。この結果より、弾性部材と薄膜と材料の柔らかさの比が大きい場合に電圧出力は大きくなることがわ力る。

[0083] 図 13は、第 1及び第 2の実施例の点字読み取り用センサに設けられた突起部を示す概略図である。突起部 20は、フレキシブルフィルム 18上に設けられ、ほぼ台形形状を有する弾性を有するゴムで作られて、る。台形形状の突起部上部の中心位置にほぼ逆三角形形状のゴムより硬い材質から作られる押圧部 36が嵌設されている。

[0084] 圧電フィルム 16の材料として天然ゴム、スポンジゴム、 OHPシート、圧電フィルム等が使用できる。突起部 20を設けたフレキシブルフイルム 18と突起部 20の下方の第 1 弾性部材 22の柔らかさの比は、その比が大きいほど圧電フィルムの出力電圧は大きくなる傾向にある。また、センサ 30において、力が加わる圧電フィルム 16の間隔距離が長いほど出力が大きくなる。なお、圧電フィルム 16において突起部に力が加わる下方には上述した上述した柔軟部材が設けられていることが好ましいが、空間であつてもよい。

[0085] 図 14は、点字読み取り用センサの駆動するための回路構成を示す。図 14において、 X方向に延出する正電極 12は X方向スィッチ回路 38及び Y方向に延出する負電極 14は Y方向スィッチ回路 40に接続され、これらスィッチ回路 38、 40は、マイクロコンピュータ (駆動装置） 52で制御される。そして、これらスィッチ回路 38、 40は、駆動回路 42で駆動される。

[0086] 図 15は、点字読み取り用センサを示す概略図である。点字読み取り用センサの構成は、上述した図 9、図 10、図 11及び図 13に示されているので詳述は省略する。点字文字における突起の配列を検出する点字取り用センサが、突起部により押圧されると、圧電フィルムにひずみが生じて電圧が発生する。

[0087] 該図において、点字読み取り用センサ 48は、点字文字を読み取るための突起部 2 0からなる文字読み取り領域 44と文字行間を読み取るための突起部 21からなる行間読み取り領域 46とから構成されている。これら領域に配設された突起部 20は、第 1電極と第 2電極との交点の位置に対応してフレキシブルフィルム 18上に設けられている。点字文字読み取り用突起部は、縦列 5個、横列 3個に配置されている。すなわち、 1 文字は、縦列 2個、横列 3個で構成され、 2文字分の突起部 20が配置されている。

[0088] 力べして、フレキシブルフィルム（薄膜） 18上には 1文字分の突起部 20 ; (縦列 2個、横列 3個）と 1文字分の突起部 20 ; (縦列 2個、横列 3個)及び文字を正しく読んでいるか否かを検知するための突起部 48 ;横列 3個の合計 15個の突起部が配置されている。 1文字を構成する突起部の中心と突起部の中心との距離は約 2. 5mmである。各文字間の突起部の中心と突起部の中心との距離は約 3. 75mmである。なお、 1文字を構成する突起部は、縦列 n個及横列 m個で、いずれも 2より大きければよい。カゝくして、 1文字分の突起部と 1文字分の突起部とで 2文字分の突起部が配置されているが、例えば 1文字分は「か」を表わし、 2文字分は「が」を表わすために使用される。

[0089] さらに、文字行間を読み取るための領域 46は、文字を読み取るための領域 44の長手方向の両側に配設されている。フレキシブルフィルム 18上には、文字の行間を検出するための突起部 20がそれぞれ 2個配設されている。

[0090] 点字は通常 6個の点力構成され、それらの組み合わせで一つの文字を構成している。しかしながら、日本語のいくつかの文字は一つの文字を構成するのに 2つのブロックを使用する。従って、点字センサとしては連続した 2つのブロックを読み取ることが出来る必要がある。

[0091] 以下、本発明の実施例である点字読み取りセンサについて図 16から図 23を参照して詳述する。

実施例 5

[0092] 図 16は、本発明の実施例 5の点字読み取りセンサを示す断面図である。点字読み取りセンサ 30は、図 9で述べたように X方向に延出する等間隔に配設された複数本の正電極 12と、 Y方向に延出する等間隔に配設された複数本の負電極 14とを備える。正電極 12は、後述する第 1弾性部材 22の形状に沿って配線されている。ここで、 Y方向は、 X方向に対して直角の方向であり、かつ正電極と負電極とはマトリックス状に配置されている。

[0093] 圧電フィルム 16力正電極（第 1電極） 12と負電極（第 2電極） 14との間に設けられている。突起部 20は、正電極 12と負電極 14との交点の位置に対応してフレキシブルフィルム 18上に設けられている。突起部は、縦列 n個 X横列 m個から構成される。ここで、 n、 mは 2より大きい整数である。

[0094] 外圧力により突起部 20が、ほぼ上方又は斜め方向から押圧されると、弾性変形する第 1弾性部材 22が各突起部 20毎に区画されて突起部 20の後方に設けられている。第 1弾性部材 22は、例えばほぼ台形形状を有し、スポンジ等の材料力も作られている。すなわち、弾性部材 22は、フレキシブルフィルム 18より柔らかい材料力作られている。そして、突起部 20に斜め方向力もの力が作用した際に、第 1弾性部材 22 が長手方向の変位及び又は拡張を抑制するための第 2弾性部材 32が設けられている。

[0095] 力分散防止手段は、区画された第 1弾性部材 22の間に嵌挿され、第 1弾性部材 2 2の弾性率より大きな弾性率を有する逆台形形状を有する第 2弾性部材 32からなる。第 2弾性部材 32は、第 1弾性部材 22より幾分硬ヽ材料で作られてヽる。

[0096] 第 1弾性部材 22及び第 2弾性部材 32は、基板 34上に固定して設けられている。かくして、力分散防止手段 32により第 1弾性部材 22が突起部 20の押圧により長手方向に変形及び又は拡張されるのが抑制される。この結果、突起部 20が押圧された際に、押圧力が突起部 20毎に区画された第 1弾性部材 22内に閉じ込まれるため、点字文字読み取りのオフセットが影響が少なくなり確実に押圧力による点字文字を読み取ることができる。

[0097] 図 17は、弾性部材 S2と薄膜 S1との材料の軟らかさの比を変化させ、圧電変換素子にひずみを加えた時の電圧出力を示す。

材料の軟ら力さパラメータを Siとすると、 Si=hi/Ei

ここで、 hiは材料の高さ、 Eiは材料の弾性率である。

[0098] 図 17は、圧電フィルムの出力と押し付け変位の関係を示すものである。尚、センサの固定条件は両側自由、上端部が上下移動可能な剛体板に取り付けている。

[0099] この場合には、材料 S1と S2の軟らかさが同程度の場合はより高い出力が得られる

[0100] 図 18は、図 17と同様に圧電フィルムの出力と押し付け変位の関係を示すものであるが、センサが剛体ケースに収容されている場合である。この場合、弾性部材と薄膜と材料の柔らかさの比が大きい場合に電圧出力は大きくなることがわかる。そして、材料 S1が S2に比べ、薄くまたは硬くなるほど、より高い出力が得られる。

[0101] 圧電フィルム 16の材料としてポリフッ化ピリ-デンフィルム（PVDF)等が使用できる

[0102] 図 19は、第 1及び第 2の実施例の点字読み取りセンサに設けられた突起部 20をェフエクタ一（Effector)とした構成を示す概略図である。突起部 20は、フレキシブルフイルム 18上に設けられ、ほぼ台形形状を有する弾性を有するゴムで作られて!/ヽる。台形形状の突起部上部の中心位置にほぼ逆台形形状のゴムより硬い材質力も作られる突起部コア 36が嵌設されて、る。

[0103] 前記突起部コア 36の材質がその周りの突起部 20の材質よりも硬いことから、前記突起部コア 36が外力によって押された際に、その力の作用点が集中し、効率的に外力が前記フレキシブルフィルム 18に伝達され、点字文字読み取りのオフセットの影響が少なくなり確実に押圧力による点字文字を読み取ることができる。

[0104] すなわち、点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための力分散防止手段として機能する。

[0105] 図 20は、前記突起部が有効に力分散防止手段として機能することを検証するために、突起部の有無に応じて、点字ドットとセンサを接触させて解析した結果を示す。突起部が存在する場合には、点字ドットが突起部 20の中心を 0. 5mm外れた位置を押圧したときでも、 PVDFに十分な出力電圧が得られるが、突起部が存在しない場合には、点字ドットが突起部 20の中心を外れた位置を押圧した場合には、十分な出力を得ることが出来ないことがわかる。

[0106] また、図 18の結果から明らかなように、突起部 20を設けたフレキシブルフィルム 18 と突起部 20の下方の第 1弾性部材 22の軟ら力さの比は、その比が大きいほど圧電フイルムの出力電圧は大きくなる傾向にある。なお、圧電フィルム 16において突起部に力が加わる下方には上述した上述した柔軟部材が設けられていることが好ましいが、空間であってもよい。

[0107] 図 21は、点字読み取り用センサを示す概略図である。点字読み取り用センサの構成は、上述した図 9、図 10、図 16及び図 19に示されているので詳述は省略する。点字文字における突起の配列を検出する点字読み取り用センサが、突起部により押圧されると、圧電フィルムにひずみが生じて電圧が発生する。

[0108] 図 21において、点字読み取り用センサ 48は、点字文字を読み取るための突起部 2 0からなる文字読み取り領域 44と文字行間を読み取るための突起部 21からなる行間読み取り領域 46とから構成されている。これら領域に配設された突起部 20は、第 1電極と第 2電極との交点の位置に対応してフレキシブルフィルム 18上に設けられている。点字文字読み取り用突起部は、縦列 5個、横列 3個に配置されている。すなわち、 1 文字は、縦列 2個、横列 3個で構成され、 2文字分の突起部 20が配置されている。 2 文字分の突起部 20の間には、文字間検出用突起部 21が設けられている。

[0109] 力べして、フレキシブルフィルム（薄膜） 18上には 1文字分の突起部 20 ; (縦列 2個、横列 3個）と 1文字分の突起部 20 ; (縦列 2個、横列 3個)及び文字を正しく読んでいるか否かを検知するための文字間検出用突起部 47 ; (縦列 1個、横列 3個）の合計 15 個の突起部が配置されている。 1文字を構成する突起部の中心と突起部の中心との距離は約 2. 5mmである。各文字間の突起部の中心と突起部の中心との距離は約 3 . 75mmである。力べして、 1文字分の突起部と 1文字分の突起部とで 2文字分の突起部が配置されている力例えば 1文字分は「か」を表わし、 2文字分は「が」を表わすために使用される。

[0110] さらに、文字行間を読み取るための領域 46は、文字を読み取るための領域 44の長手方向の両側に配設されている。フレキシブルフィルム 18上には、文字の行間を検出するための突起部 48がそれぞれ 2個配設されている。 [0111] 点字読み取りセンサを駆動するための回路構成は、図 22に示すようになつているので、例えば、図 23に示すように、 Swl, - - - SwS, Swa, · · ' Swcをマイコンで制御しながら、点字センサパターンを読み込む (ステップ 1)、点字参照用データベースを参照しつつ、点字情報を音声情報へ変換 (ステップ 2)、点字音声情報をィヤーフォンへ転送 (ステップ 3)とのプロセスを経て、使用者あるいは第三者に点字で書かれた意志を認識させることが出来る。

[0112] 図 24は、点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置が、盲人の人差し指に取り付けられて、る状態を示す概略図である。

[0113] 図 25は、点字読み取り用センサとスィッチとマイクロコンピュータと無線送信機を備えた点字読み取り用装置のブロック回路を示している。該図において、点字読み取り用センサ 48は、点字が書かれている面に対向して指先に取り付けられている。センサが取り付けられた指の反対側にセンサへの電源の ON、 OFF用のスィッチ 50そして腕側にマイクロコンピュータ 52を内蔵した小型の無線送信機 54が取り付けられている。マイクロコンピュータは、センサからの出力信号パターンと予め格納されている点字のパターンとを比較して文字信号を出力する文字信号出力論理装置を備えている

[0114] 図 26は、センサで読み取られた点字の文字信号がマイクロコンピュータで処理されて、処理された文字信号が無線送信機 54を介して音声変換装置 56に送られて盲人の耳に点字が音声として入れることができる構成を示している。また、点字による自分の意思を音声変換装置で変換して、得られた音声を小型スピーカを介して第三者に音声として伝えることができる。また、センサで読み取られた点字の文字信号がマイク口コンピュータで処理されて、処理された文字信号が無線送信機を介して、第三者の携帯電話等の携帯端末に入力され、遠隔にいる第三者に情報を伝達することができる。

産業上の利用可能性

[0115] 本発明は、点字文字読み取りセンサや、センサの信号を音声に変換して出力し、又はセンサの出力信号をコンピュータや携帯端末に入力する文字変換装置に利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置において、前記点字読み取り用センサの上部に設けられた指取り付け部と、前記指取り付け部に設けられ前記点字読み取り用センサの出力に対応した情報を前記指取り付け部に挿入された指に伝達する触覚感知機構を備えたことを特徴とする点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置。

[2] 前記触覚感知機構は、突出可能なピンを備えることを特徴とする請求項 1記載の点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置。

[3] 前記触覚感知機構は、触覚ピンを備えた振動発生手段を備えることを特徴とする請求項 1記載の点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置。

[4] 前記振動発生手段は圧電素子と振動を増幅する変位増幅機構を備えることを特徴とする請求項 3記載の点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置。

[5] 前記変位増幅機構は前記指への接触変位と駆動周波数の組み合わせが調整可能であることを特徴とする請求項 4記載の点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置。

[6] 点字情報と文字情報相互間の変換を可能とする駆動装置をさらに備えたことを特徴とする請求項 1ないし請求項 5のいずれか 1項に記載の点字読み取り用センサを備えた点字読み取り用装置。

[7] 第 1電極と第 2電極との間に圧電変換部材が設けられた圧電変換素子と、外圧力により変形するフレキシブル性を有する薄膜と、前記外圧力が加わる前記圧電変換素子の下方側に設けられて、前記薄膜より柔らかい材質で作られ、かつ前記圧電変換素子の変形により弾性変形する弾性部材とを備え、前記外圧力により前記圧電変換素子にひずみを生じさせて電圧を発生させる点字読み取り用センサ。

[8] 第 1方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 1電極と、前記第 1方向に対して直角の方向である第 2方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 2電極とがマトリックス状に配置された電極と、前記第 1電極と前記第 2電極との間に圧電フィルムが設けられた圧電変換素子と、前記第 1電極と前記第 2電極との交点の位置に対応して設けられた点字が当接する突起部と、かつフレキシブル性を有する薄膜とを備え、前記突起部は、（縦列 n個、横列 m個）に配置された文字を構成する第 1突起部群、（但し n及び mは、 2より大きい）と行間を識別する第 2突起部群とから構成され、前記突起部に力が加わる前記圧電変換素子の下方側に設けられて前記圧電変換素子の変形により弾性変形し、かつ前記薄膜より柔らかい材質力もなる材料で作られた弾性部材とを備える点字読み取り用センサと;前記読み取り用センサからの出力電圧を文字信号に変換して出力する文字信号出力論理装置とを備える点字読み取り用装置。

[9] 前記突起部への力の当接がずれて点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための力分散防止手段をさらに備えることを特徴とする請求項 8記載の点字読み取り用装置。

[10] 前記点字読み取り用装置は、指に取り付けられることを特徴とする請求項 9記載の点字読み取り用装置。

[11] 第 1方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 1電極と、前記第 1方向に対して直角の方向である第 2方向に延出する等間隔に配設された複数本の第 2電極と、互いにマトリックス状に配置されている前記第 1電極と前記第 2電極との間に設けられた圧電フィルムと、前記第 1電極と前記第 2電極との交点の位置に対応して設けられ、点字が当接する突起部を備え、かつフレキシブル性を有する薄膜と、前記突起部の下方に設けられて圧電フィルムの変形により弾性変形し、かつ前記薄膜より柔らかい材質カゝらなる材料で作られた弾性部材と、を備え、前記突起部は、縦列 n個、横列 m個（但し、 n, mは 2以上の整数）に配置され少なくとも点字文字を構成する第 1突起部群を構成する点字読み取り用センサと、

前記点字読み取り用センサ力の出力信号を文字信号に変換して出力する文字信号出力論理装置と、

を備える点字読み取り用装置。

[12] 前記第 1突起部群を縦列方向に分割する文字間を検出する第 2突起部群をさらに備えたことを特徴とする請求項 11記載の点字読み取り用装置。

[13] 行間を検出する第 3突起部群をさらに備えたことを特徴とする請求項 11または請求項 12に記載の点字読み取り用装置。

[14] 前記突起部への力の当接がずれて点字文字の読み取りにおけるオフセットの影響をなくすために力の分散を防止するための力分散防止手段をさらに備えることを特徴とする請求項 11な、し請求項 13の、ずれか 1項に記載の点字読み取り用装置。

[15] 前記力分散防止手段は前記突起部であり、前記突起部の主体部の略中心位置に前記主体部の材質よりも硬、材質力なるコアが嵌設されて、ることを特徴とする請求項 14記載の点字読み取り用装置。

[16] 前記点字読み取り用装置は、指に取り付けられることを特徴とする請求項 11ないし請求項 15のいずれか 1項に記載の点字読み取り用装置。

[17] さらに音声変換装置を備えることを特徴とする請求項 11ないし請求項 16のいずれ力 1項に記載の点字読み取り用装置。