明 細 書
ί夜晶,組成物および ί夜晶表示素子
技術分野
[0001] 本発明は、液晶組成物、および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、主として A M (active matrix)方式で駆動する液晶表示素子に適する液晶組成物、およびこの 組成物を含有する液晶表示素子に関する。
背景技術
[0002] 液晶表示素子 (本発明におレ、て液晶表示素子とは液晶表示パネル、液晶表示モ ジュールの総称を意味する。 )は、液晶組成物が有する光学異方性、誘電率異方性 などを利用したものである力 この液晶表示素子の動作モードとしては、 PC (phase c hange)モ1 ~~ TN (twisted nematic)モ1 ~~ト、 STN (super twisted nematic)モート、 B TN (Bistable twisted nematicノモード、 ECB (electrically controlled birefringence)モ ~~ド、〇CB (optically compensated bend)モ1 ~~ド、 IPS (in- plane switching)モ1 ~~ド、 V A (vertical alignment)モードなどの様々なモードが知られている。
[0003] TNモード、 STNモード等においては、正の誘電率異方性を有する組成物が用い られる。一方、 VAモードにおいては、負の誘電率異方性を有する組成物が用いられ る。 IPSモードにおいては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる 。これら動作モードの中でも負の誘電率異方性を有する組成物を用いた ECBモード 、 IPSモード、 VAモードなどは、電界に対して液晶分子が垂直配向することを利用し た動作モードであり、特に IPSモードおよび VAモードは、電気的に制御された複屈 折(ECB: Electrically Controlled Birefringence)を利用したモードであり、 TNモード、 STNモード等の従来の表示モードの欠点である視野角の狭さを改善可能であること が知られている。
[0004] 従来からこれら動作モードの液晶表示素子に使用可能な、負の誘電率異方性を有 する液晶組成物として、ベンゼン環上の水素がフッ素で置き換えられた液晶性化合 物を含む組成物が数多く検討されてきている (例えば、特許文献 1。)。
なお本明細書中では、「液晶性化合物」とは、ネマチック相、スメクチック相などの液
晶相を有する化合物、および、液晶相を有さないが液晶組成物として有用な化合物 の総称を意味する。成分の含有割合は液晶性化合物の全重量に基づいて算出する 。この際の液晶性化合物は、下記 (A)式で示される化合物である。この化合物は光 学活'生であってもよい。
[0006] 上記(A)式中、 Raおよび Rbは、各々独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アル コキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ァシルォキシ、ァシルォキシアルキル、アル コキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルケニル、アルケニルォキシ、 アルケニルォキシアルキル、アルコキシァルケニル、アルキニル、アルキニルォキシ、 シァ人 _NCS、フッ素、または塩素である。これら基において炭素数は 10以下であ る。炭素数が 1〜5の基において任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられても よぐ置き換えられたフッ素と塩素との合計は、:!〜 11である。
[0007] 上記(A)式中、環 Bは、 1 , 4ーシクロへキシレン、 1 , 4 フエ二レン、ピラン 2, 5 —ジィル、 1 , 3 ジォキサン一 2, 5 ジィノレ、ピリジン一 2, 5 ジィノレ、ピリミジン一 2 , 5 ジィル、デカヒドロナフタレン一 2, 6 ジィル、 1 , 2, 3, 4 テトラヒドロナフタレ ン一 2, 6 ジィル、またはナフタレン一 2, 6 ジィルである。これら環 Bにおいて任意 の水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよレ、。環 Bにおいて置き換えられた フッ素と塩素との合計は 1〜4である。 1 , 4—フエ二レンにおいて任意の 1つまたは 2 つの水素は、シァ入メチル、ジフルォロメチル、またはトリフルォロメチルで置き換え られてもよい。
[0008] 上記(A)式中、 Yは、単結合、 _ (CH ) ―、 _C〇0_、 _OC〇_、 _CH
O—、 -OCH一、 -CF O—、 -OCF一、一 CH = CH—、一 CF = CF—、 - (CH
) ―、— (CH ) _〇_、 -0- (CH ) ―、 _CH = CH_ (CH ) ―、 - (CH ) -
CH = CH—、 - (CH ) CF〇_、 -OCF (CH ) 一、 - (CH ) CO〇_、 - (CH
)〇CO_、 _CO〇(CH ) 一、 -OCO (CH ) 一、 _CH = CH_CO〇_、 -CH
= CH_OC〇_、 _C〇0_CH = CH_、または、 _OC〇_CH = CH_である。
[0009] 上記(A)式中、 nは、 1、 2、 3、または 4である。
しかし、特許文献 1に例示されるベンゼン環上の水素がフッ素で置き換えられた化 合物は他の液晶性化合物に対して低い温度領域での相溶性に乏しぐ液晶組成物 とした場合、低温領域で使用することができない場合があった。
また、 2, 3_ジフルオロフェニレンを有する化合物を含有する液晶組成物が開示さ れている(例えば、特許文献 2参照。)。しかし、 2, 3—ジフルオロフヱ二レンを有する 化合物を含有する液晶組成物では光学異方性(Δ η)を小さくすること(例えば、 0. 0 7以下)ができない場合があった。また、この特許文献 2には液晶組成物のネマチック 相の下限温度に関する記述はない。
[0010] 特許文献 3には、液晶表示素子に適した化合物として、 2, 3—ジフルオロフヱユレ ンをその構造中に有する化合物が開示されている。しかし、本発明の成分であるベン ゼン環上の水素が塩素とフッ素とで置き換えられた特定構造を有する液晶性化合物 についての記述はない。
一方、ベンゼン環上の水素が塩素とフッ素とで置き換えられた特定構造の液晶性 化合物を含む組成物が開示されている(例えば、特許文献 4参照。)。しかし、この化 合物を含む組成物は、高い透明点を有さず、粘度も大きい。
特許文献 1 :特表平 02— 503441号公報
特許文献 2 :特開平 10— 251644号公報(ファミリー: US 6,248,410B)
特許文献 3: EP0474062A2明細書(ファミリー: US 5,384,065)
特許文献 4 :国際公開第 98/23561号パンフレット(ファミリー: US 6,329,027) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] IPSモードおよび VAモード等の動作モードの液晶表示素子であっても、 CRTと比 較すれば表示素子としてはいまだ問題があり、物性の向上が望まれている。
上述した IPSモード、あるいは VAモードで動作する液晶表示素子は、主として、負 の誘電率異方性を有する液晶組成物から構成されているが、上記特性等をさらに向 上させるためには、上記液晶組成物が、以下(1)〜(5)で示す特性を有することが必 要である。すなわち、 (1)ネマチック相の温度範囲が広レ、、 (2)粘度が低い、(3)光学
異方性が適切である、(4)誘電率異方性の絶対値が大きい、(5)比抵抗が大きい、こ とが必要である。
[0012] ネマチック相の温度範囲は、液晶表示素子を使用する温度範囲に関連をしており 、 (1)のようにネマチック相の温度範囲が広い液晶組成物からなる液晶表示素子は、 液晶表示素子として使用する温度範囲を広くすることができる。
(2)のように粘度の低い液晶組成物からなる液晶表示素子は、応答時間を短くする ことができる。液晶表示素子の応答時間が短い場合には、動画表示に好適に使用す ること力 Sできる。また、液晶組成物を液晶表示素子の液晶セルに液晶組成物を注入 する際に、注入時間を短縮し作業性を向上できる。
[0013] (3)のように光学異方性が適切な液晶組成物からなる液晶表示素子は、コントラスト 比を大きくすることができる。
(4)のように誘電率異方性の絶対値が大きい液晶組成物からなる液晶表示素子は 、しきい電圧を下げ、駆動電圧を低くすることができる。そして消費電力が小さくする こと力 Sできる。
[0014] (5)のように比抵抗が大きい液晶組成物からなる液晶表示素子は、電圧保持率を 大きくすることができ、コントラスト比を大きくすることができる。したがって、初期に大き な比抵抗を有し、さらに長時間使用したあとでも大きな比抵抗を有する液晶組成物が 好ましい。
本発明の目的は、ネマチック相温度範囲が広ぐ適切な光学異方性を有し、負の誘 電率異方性が大きぐ比抵抗が大きい液晶組成物を提供することにあり、特に、上記 特性を満たしながら、光学異方性を小さくすることができ、ネマチック相の下限温度が 低レ、、好ましくは _ 20°C以下である液晶組成物を提供することである。また、本発明 の目的は、上記組成物を含有する、電圧保持率が大きぐ VAモード、 IPSモードなど に適したアクティブマトリクス (AM)方式で駆動する液晶表示素子を提供することであ る。
課題を解決するための手段
[0015] 本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究を行った結果、ベンゼン環上の隣接する 水素 2つが、塩素とフッ素とで置き換えられた特定構造を有する液晶性化合物と特定
構造を有する他の液晶性化合物とを含有する液晶組成物が、ネマチック相温度範囲 が広く、適切な光学異方性を有し、負の誘電率異方性が大きぐ比抵抗が大きいこと 、さらに、上記組成物を含有する液晶表示素子が、電圧保持率が大きいことを見い 出し、本発明を完成するに到った。
[0016] すなわち、本発明は、以下〔1〕〜〔30〕に示す構成を有している。
〔1〕:下記式(1一 1)、および式(1一 2)で表される化合物群から選択される少なくと も 1つの化合物からなる第一成分と、下記式(2— 1)、および式(2— 2)で表される化 合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第二成分とを含有する誘電率 異方性が負である液晶組成物。
[0017] [化 2]
[0018] 上記各式中、各々独立して、 R1は炭素数 1〜8のアルキル、または炭素数 2〜8の アルケニルであり;
R2は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシであり;
R3は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルであり;
R4は炭素数 1〜8のアルキル、炭素数 2〜8のァルケニル、または炭素数 1〜7のアル コキシであり;
Z1は単結合、 C H—、または CH〇一であり;
Z2は単結合、 C H —、 — CH O 、または COO であり;
環 A1および環 A2は、各々独立して、 1, 4—シクロへキシレンまたは 1, 4—フエ二レン
であり;
x1および x2は、一方がフッ素であり、他方が塩素である。
[0019] 〔2〕:上記第一成分が、上記式(1 1)で表される化合物群から選択される少なくと も 1つの化合物からなる上記〔1〕に記載の液晶組成物。
〔3〕:上記第一成分が、上記式(1一 2)で表される化合物群から選択される少なくと も 1つの化合物からなる上記〔1〕に記載の液晶組成物。
〔4〕:上記第一成分が、上記式(1一 1)で表される化合物群から選択される少なくと も 1つの化合物、および上記式(1一 2)で表される化合物群から選択される少なくとも
1つの化合物からなる上記〔1〕に記載の液晶組成物。
[0020] 〔5〕:液晶性化合物の全重量に基づいて、
上記第一成分の含有割合が 20〜90重量%の範囲であり、
上記第二成分の含有割合が 10〜80重量%の範囲である上記〔1〕〜〔4〕のいずれ かに記載の液晶組成物。
〔6〕:下記式(1 1 1)〜式(1 1 6)、および下記式(1 2— 1)〜式(1 2— 12)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第一成分と、 下記式(2— 1 1)、式(2— 1 2)、および下記式(2— 2— 1)で表される化合物群 から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第二成分とを含有する誘電率異方性 が負である液晶組成物。
[0021] [化 3-A]
[0024] 上記各式中、各々独立して、 R1は炭素数 1〜8のアルキル、または炭素数 2〜8の アルケニルであり;
R2は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシであり;
R3は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルであり;
R4は炭素数 1〜8のアルキル、炭素数 2〜8のァルケニル、または炭素数 1〜7のアル コキシである。
[0025] 〔7〕:上記第一成分が、上記式(1 1 1)〜式(1 1 6)で表される化合物群か ら選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔6〕に記載の液晶組成物。
〔8〕:上記第一成分が、上記式(1 2— 1)〜式(1 2— 12)で表される化合物群 力 選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔6〕に記載の液晶組成物。
〔9〕:上記第一成分が、上記式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 6)で表される化合物群か ら選択される少なくとも 1つの化合物、および上記式(1 _ 2_ 1)〜式(1 _ 2_ 12)で 表される化合物からなる群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔6〕に 記載の液晶組成物。
[0026] 〔10〕:上記第一成分が、上記式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 6)および式(1一 2— 1) 〜式(1一 2— 6)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる 上記〔6〕に記載の液晶組成物。
〔11〕:上記第一成分が、上記式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 3)、上記式(1一 2— 1) 〜式(1 2— 3)、および上記式(1 2— 7)〜式(1 2— 9)で表される化合物群か ら選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔6〕に記載の液晶組成物。
[0027] 〔12〕:上記第一成分が、上記式(1 1 4)〜式(1 1 6)、上記式(1 2— 4) 〜式(1 2— 6)、および上記式(1 2— 10)〜式(1 2— 12)で表される化合物群
力 選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔6〕に記載の液晶組成物。
〔13〕:上記第一成分が、上記式(1 1 1)、式(1 1 4)、式(1 2— 1)、およ び式(1 2 4)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる 上記〔6〕に記載の液晶組成物。
[0028] 〔14〕:上記第一成分が、上記式(1_1_2)、式(1_1_5)、式(1_2_2)、およ び式(1一 2— 5)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる 上記〔6〕に記載の液晶組成物。
〔15〕:上記第一成分が、上記式(1_1_3)、式(1_1_6)、式(1_2_3)、およ び式(1一 2— 6)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる 上記〔6〕に記載の液晶組成物。
[0029] 〔16〕:液晶性化合物の全重量に基づいて、
上記第一成分の含有割合が 20〜90重量%の範囲であり、
上記第二成分の含有割合が 10〜80重量%の範囲である、上記〔1〕〜〔: 15〕のいず れかに記載の液晶組成物。
〔17〕:液晶性化合物の全重量に基づいて、
上記第一成分の含有割合が 40〜85重量%であり、
上記第二成分の含有割合が 15〜60重量%である、上記〔1〕〜〔15〕のいずれかに 記載の液晶組成物。
[0030] 〔18〕: 下記式(1 1)、および式(1 2)で表される化合物群から選択される少な くとも 1つの化合物からなる第一成分と、下記式(2— 1)、および式(2— 2)で表される 化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第二成分と、下記式(3 1) 、および式(3 - 2)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からな る第三成分とを含有する誘電率異方性が負である液晶組成物。
[0031] [化 4]
(式中、各々独立して、 R1は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2 8のァルケ二 ルであり;
R2は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1 7のアルコキシであり;
R3は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2 8のアルケニルであり;
R4は炭素数 1 8のアルキル、炭素数 2 8のァルケニル、または炭素数 1 7のアル コキシであり;
Z1は単結合、 C H—、または CH〇一であり;
Z2は単結合、 CH CHO 、または COO であり;
環 A1および環 A2は、各々独立して、 1, 4—シクロへキシレンまたは 1, 4—フエ二レン であり;
X1および X2は、一方がフッ素であり、他方が塩素であり;
R5は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2 8のアルケニルであり;
R6は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1 7のアルコキシであり;
Z3は単結合、 C H -OCF -OCF C H—、または— C H COO であり
Z4は単結合、 C H—、— OCF—、または— OCF C H—であり; 環 A3は 1 , 4ーシクロへキシレンまたは 1 , 4 フエ二レンである。)
〔19〕:上記第三成分が、下記式(3— 1 1)、式(3— 2— 1)および式(3— 2— 2) で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔18〕に記載 の液晶組成物。
[0033] [化 5]
[0034] 上記各式中、各々独立して、 R5は炭素数 1〜8のアルキル、または炭素数 2〜8の アルケニルであり;
R6は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシである。 )
〔20〕:上記第一成分が、上記式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 6)で表される化合物群 力 選択される少なくとも 1つの化合物からなり、上記第二成分が、上記式(2_ 1 _ 1 )、式(2— 1一 2)および式(2— 2— 1)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなり、上記第三成分が、上記式(3— 1一 1)および式(3— 2— 1)で 表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔19〕に記載の 液晶組成物。
[0035] 〔21〕:上記第一成分が、上記式(1一 2— 1)〜式(1一 2— 12)で表される化合物群 力 選択される少なくとも 1つの化合物からなり、上記第二成分が、上記式(2_ 1 _ 1 )、式(2— 1 2)および式(2— 2— 1)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなり、上記第三成分が、上記式(3— 1 1)および式(3— 2— 1)で 表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる上記〔19〕に記載の 液晶組成物。
[0036] 〔22〕:下記式(1 1 1)〜式(1 1 6)で表される化合物群から選択される少な くとも 1つの化合物、および下記式(1 2— 1)〜式(1 2— 12)で表される化合物群 力 選択される少なくとも 1つの化合物との混合物からなる第一成分と、下記式 (2— 1一 1)、式(2— 1一 2)および式(2— 2— 1)で表される化合物群から選択される少な くとも 1つの化合物からなる第二成分と、下記式(3— 1一 1 )および式(3— 2— 1 )で表 される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第三成分とを含有す る誘電率異方性が負の液晶組成物。
[0037] [化 6-A]
[0040] (式中、各々独立して、 R1は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のァルケ二 ルであり;
R2は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシであり;
R3は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルであり;
R4は炭素数 1〜8のアルキル、炭素数 2〜8のァルケニル、または炭素数 1〜7のアル コキシであり;
R5は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルであり;
R6は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシである。 )
〔23〕:下記式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 6)および式(1一 2— 1)〜式(1一 2— 6)で 表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第一成分と、下記 式(2— 1一 1)、式(2— 1一 2)および式(2— 2— 1)で表される化合物群から選択され る少なくとも 1つの化合物からなる第二成分と、下記式(3 1 1)および式(3 2— 1)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなる第三成分とを 含有する誘電率異方性が負の液晶組成物。
[0041] [化 7-A]
(式中、各々独立して、 R
1は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のァルケ二 ルであり;
R2は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシであり;
R3は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルであり;
R4は炭素数 1〜8のアルキル、炭素数 2〜8のァルケニル、または炭素数 1〜7のアル コキシであり;
R5は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルであり;
R6は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシである。 )
〔24〕:上記第一成分が、上記式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 3)、および上記式(1一 2 一 1)〜式(1一 2— 3)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物か
らなり、上記第二成分が、上記式(2— 1 1)、式(2— 1 2)および式(2— 2— 1)で 表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物をからなり、上記第三成分 力 上記式(3— 1 1)および式(3— 2— 1)で表される化合物群から選択される少な くとも 1つの化合物からなる上記〔23〕に記載の液晶組成物。
[0044] 〔25〕:上記第一成分が、上記式(1一 1一 4)〜式(1一 1一 6)、および上記式(1一 2 一 4)〜式(1一 2— 6)で表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物か らなり、上記第二成分が、上記式(2_ 1 _ 1)、式(2_ 1 _ 2)および式(2_ 2_ 1)で 表される化合物群から選択される少なくとも 1つの化合物からなり、上記第三成分が、 上記式(3— 1 - 1)および式(3— 2— 1)で表される化合物群から選択される少なくと も 1つの化合物からなる上記〔23〕に記載の液晶組成物。
[0045] [26]:液晶性化合物の全重量に基づいて、
上記第一成分の含有割合が 10 80重量%の範囲であり、
上記第二成分の含有割合が 10 80重量%の範囲であり、
上記第三成分の含有割合が 10 80重量%の範囲である、上記〔18〕 〔25〕のい ずれかに記載の液晶組成物。
[0046] 〔27〕:液晶性化合物の全重量に基づいて、
上記第一成分の含有割合が 30 70重量%の範囲であり、
上記第二成分の含有割合が 10 50重量%の範囲であり、
上記第三成分の含有割合が 20 60重量%の範囲である、上記〔18〕 〔25〕のい ずれかに記載の液晶組成物。
[0047] 〔28〕:上記液晶組成物の誘電率異方性の値が 5. 0 2. 0の範囲である上記 〔1〕 〔27〕のレ、ずれかに記載の液晶組成物。
〔29〕:上記〔1〕 〔28〕のいずれかに記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子
〔30〕:上記液晶表示素子の動作モードが、 VAモードまたは IPSモードであり、上 記液晶素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、上記〔29〕に記載の液晶 表示素子。
発明の効果
[0048] 本発明の液晶組成物は、ネマチック相の温度範囲が広ぐ適切な光学異方性を有 し、負の誘電率異方性が大きぐ比抵抗が大きい。また上記組成物は、これら特性の バランスにも優れる。本発明の液晶組成物は、ネマチック相の下限温度が低くするこ と、好ましくは一 20°C以下とすることが可能であり、光学異方性を小さくすることも可 能である。本発明の液晶表示素子は上記組成物を含有しており、電圧保持率が高い 。また、この液晶表示素子は、 VAモード、 IPSモードなどの動作モードを有するァク ティブマトリクス (AM)方式で駆動する液晶表示素子(以下「AM素子」ともレ、う)として 好適に使用することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0049] 本発明の液晶組成物は、ベンゼン環上の水素が塩素とフッ素とで置き換えられた 特定構造を有する液晶性化合物からなる第一成分と、他の液晶性化合物からなる第 二成分と、必要に応じてさらにベンゼン環上の水素 2つがフッ素で置き換えられた特 定構造を有する液晶性化合物からなる第三成分、とを含有することを特徴とする。 以下、まず各成分につき、成分に用いる化合物の構造、成分の特徴および効果、 具体例および好ましい態様について説明をする。
[0050] 〔第一成分〕
本発明の液晶組成物の第一成分である化合物は、下記式(1一 1)または(1一 2)で 表される液晶性化合物である。
[0051] [化 8]
[0052] 上記各式中、各々独立して、 R1, R2、 X1、 X および Z1は、以下のように定義される
R1は炭素数:!〜 8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルである。これらァノレ キル、またはアルケニルの中でも、直鎖アルキル、またはアルキル鎖が直鎖であるァ
ノレケニル、具体的には、メチル、ェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、へ プチル、もしくはォクチル;または、ビニル、 1 プロぺニル、 2—プロぺニル、 1ーブテ ニル、 2 ブテニル、 3 ブテニル、 1—ペンテニル、 2 ペンテニル、 3 ペンテニル 、 4 _ペンテ二ノレ、 1 _へキセニノレ、 2 _へキセニノレ、 3 _へキセニノレ、 4 _へキセニノレ 、もしくは 5 _へキセニルが好ましぐェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、もしくはへ プチル;または、ビュル、 1 _プロぺニル、 3—ブテュルもしくは 3 _ペンテュルがより 好ましい。
[0053] R2は炭素数 1〜8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシである。これらアル キル、またはアルコキシの中でも、直鎖アルキル、またはアルキル鎖が直鎖であるァ ノレコキシ、具体的には、メチノレ、ェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、へ プチル、もしくはオタチル;または、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチル ォキシ、へキシルォキシ、またはへプチルォキシが好ましぐメトキシ、エトキシ、プロ ポキシおよびブトキシがより好ましレ、。
[0054] X1および X2は、一方がフッ素であり、他方が塩素である。
Z1は単結合、 C H—、または一 CH O である。
環 A1は、 1, 4—シクロへキシレンまたは 1, 4—フエ二レンである。
なお、上記式(1 1)または(1 2)で表される化合物に含まれる環が 1 , 4ーシクロ へキシレンである場合には、その立体配置はトランス配置であることが好ましレ、。
[0055] これら式(1 1)および(1 2)で表される化合物の構造の特徴は、環構造の基の 1 つとしてベンゼン環上の隣接する水素 2つがフッ素と塩素とに置き換えられた基を有 し、さらに末端基としてアルキルまたはアルコキシを有することにある。第一成分であ る液晶性化合物がこのような構造を有することにより、本発明に係る液晶組成物では 、負の誘電率異方性を大きくすることができ、さらに、ネマチック相の下限温度を低く すること力 Sできる。
[0056] これら化合物の中でも上記式(1一 1)で表される液晶性化合物(以下、「化合物(1 一 1)」ともいう。)は、一般的な液晶性化合物と比較すると、ネマチック相の上限温度 は必ずしも高くはないが、比抵抗が大きぐ粘度が中程度であり、光学異方性が中程 度である点に特徴がある。
また、上記式(1— 2)で表される液晶性化合物 (以下、「化合物(1— 2)」ともいう。 ) は、一般的な液晶性化合物と比較すると、粘度は必ずしも低くはないが、比抵抗が大 きぐネマチック相の上限温度が高ぐ光学異方性が中程度〜比較的大である点に 特徴がある。
[0057] これら液晶性化合物(1— 1)および(1— 2)の中でも、下記式(1_1_:!)〜(1_1
- 6)、および下記式(1 _ 2_1)〜(: 1_2_12)で表される化合物が好ましレ、。
[0058] [化 9]
[0059] [化 10]
[0060] [化 11]
[0061] これら上記式中における 、 R2については、上記化合物(1— 1)および(1— 2)の 場合と同様である。また、上記式中の化合物に含まれる 1, 4—シクロへキシレンの立 体配置は、トランス配置であることが好ましい。さらに、 R2が独立してアルコキシで表さ れる化合物が好ましい。
本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式により表される化 合物の場合には、液晶組成物の誘電率異方性を負に大きくすることができ、さらに、 ネマチック相の下限温度を低くすることができる。
[0062] 本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1一 1一:!)〜(1
1 6)で表される液晶性化合物の場合には、さらに、ネマチック相の上限温度を 低く調製することができ、ネマチック相の下限温度をさらに低くすることができる。 本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式( 1 2— :!)〜( 1 2— 12)で表される液晶性化合物の場合には、さらに、ネマチック相の上限温度を
高くすることができる。
[0063] 本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1 1一:!)〜(1 -1-6)および(1 2— 1)〜(: 1 2— 6)で表される液晶性化合物の場合には、さら に、光学異方性を小さくすることができる。
本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1一 1一:!)〜(1 -1-3), (1_2_:!)〜(1_2_3)および(1_2_7)〜(: 1_2_9)で表される液 晶性化合物の場合には、さらに、光学異方性を大きくすることができる場合がある。
[0064] 本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1一 1 -4)〜(1 -1-6), (1_2_4)〜(1_2_6)ぉょび(1_2_10)〜(1_2_12)で表される 液晶性化合物の場合には、さらに、光学異方性を小さくすることができる場合がある。 本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1一 1一 1)、 (1 -1-4), (1_2_1)および(1_2_4)で表される液晶性化合物の場合には、さら に、ネマチック相の上限温度を高ぐかつ誘電率異方性を負に大きくすることができる 場合がある。またこれら特性に加えてさらに、光学異方性を小さくできる場合もある。
[0065] 本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1 1-2), (1
1— 5)、(1 2— 2)および(1 2— 5)で表される液晶性化合物の場合には、さら に、光学異方性を小さくすることができ、さらにネマチック相の下限温度を低くすること ができる。
本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式(1 1-3), (1 1— 6)、(1 2— 3)および(1 2— 6)で表される液晶性化合物の場合には、さら に、誘電率異方性を負に大きくすることができ、さらに、光学異方性を小さくすること ができる。
[0066] 上記式(1_1一:!)〜(1_1_6)、および上記式(1_2— :!)〜(1_2_12)で表さ れる液晶性化合物の中でも、上記式(1一 2— :!)〜(1一 2— 6)で表される液晶性化 合物がより好ましい。
本発明の液晶組成物の第一成分である液晶性化合物が、上記式により表される化 合物の場合には、液晶組成物の誘電率異方性を負に大きくすることができ、ネマチッ ク相の上限温度を高くすることができ、適切な光学異方性にすることができ、さらに、
ネマチック相の下限温度を低くすることができる。特に、 R2がアルコキシである場合に はより負の誘電率異方性を大きくできる。
[0067] 本発明の液晶組成物に用いる第一成分は、上記式(1— 1)において、 X1が塩素で 、 X2がフッ素である 1つの化合物だけであってもよい。該第一成分は、 X1が塩素で、 X 2がフッ素である 2つ以上の化合物であってもよレ、。上記式(1— 1)において、 X1がフ ッ素で、 X2が塩素である 1つの化合物だけであってもよい。該第一成分は、 X1がフッ 素で、 X2が塩素である 2つ以上の化合物であってもよい。該第一成分は、 X1が塩素 で、 X2がフッ素である化合物と、 X1がフッ素で、 X2が塩素である化合物との混合物で あってもよレ、。この場合には、液晶組成物のネマチック相の下限温度が低くなること 力ある。これらのことは、上記式(1— 2)においても同様である。さらに、該第一成分 は、上記式(1一 1)で表される化合物と、上記式(1一 2)で表される化合物との混合 物であってもよい。
[0068] 〔第二成分〕
本発明の液晶組成物の第二成分である化合物は、下記式(2— 1)または(2— 2)で 表される液晶性化合物である。
[0069] [化 12]
上記各式中、各々独立して、 R
3、
および A
2は、以下のように定義される。
R3は炭素数 1〜8のアルキル、または炭素数 2〜8のアルケニルである。これらアル キル、またはアルケニルの中でも、直鎖アルキル、またはアルキル鎖が直鎖であるァ ルケニル、具体的には、メチル、ェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、へ プチル、もしくはォクチル;または、ビニル、 1 プロぺニル、 2—プロぺニル、 1ーブテ ニル、 2 ブテニル、 3 ブテニル、 1—ペンテニル、 2 ペンテニル、 3 ペンテニル 、 4 _ペンテ二ノレ、 1 _へキセニノレ、 2 _へキセニノレ、 3 _へキセニノレ、 4 _へキセニノレ 、もしくは 5 _へキセニルが好ましぐェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、もしくはへ プチル;または、ビュル、 1 _プロぺニル、 3—ブテュルもしくは 3 _ペンテュルがより
好ましい。
[0071] なお、 R3が上記アルケニルである場合には、これらのアルケニルにおける CH = CH の好ましレ、立体配置は、二重結合の位置に依存をしてレ、る。
R3が、 1—プロぺニル、 1—ブテュル、 1—ペンテュル、 1—へキセニル、 3—ペンテ ニル、 3—へキセニルである場合にはトランス配置が好ましレ、。 R3が、 2—ブテュル、 2 —ペンテュル、 2_へキセニル、 4—へキセニルである場合にはシス配置が好ましい
[0072] R4は炭素数 1〜8のアルキル、炭素数 2〜8のァルケニル、または炭素数 1〜7のァ ルコキシである。これらアルキル、アルケニル、またはアルコキシの中でも、直鎖アル キル、アルキル鎖が直鎖であるアルケニル、またはアルキル鎖が直鎖であるアルコキ シ、具体的には、メチノレ、ェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、へプチノレ 、もしくはォクチノレ;ビュル、 1 _プロぺニル、 2_プロぺニル、 1—ブテュル、 2—ブテ 二ノレ、 3 ブテ二ノレ、 1 ペンテ二ノレ、 2 ペンテ二ノレ、 3 ペンテ二ノレ、 4 ペンテ二 ノレ、 1一へキセニル、 2 へキセニノレ、 3 へキセニル、 4一へキセニノレ、もしくは 5— へキセニル;または、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルォキシ、へキ シルォキシ、もしくはへプチルォキシが好ましぐェチル、プロピル、ブチル、ペンチ ノレ、もしくはへプチノレ;ビュル、 1 プロぺニル、 3—ブテュルもしくは 3—ペンテュル; またはメトキシ、エトキシ、プロポキシもしくはブトキシがより好ましい。
[0073] なお、 R4がアルケニルである場合の好ましい立体配置は R3の場合と同様である。
環 A2は、 1, 4ーシクロへキシレンまたは 1, 4 フエ二レンである。
Z2は単結合、 C H― CH O または COO である。
なお、上記式(2— 1)、または(2— 2)で表される化合物に含まれる環が 1 , 4—シク 口へキシレンである場合には、その立体配置はトランス配置であることが好ましい。
[0074] これら式(2_ 1)および(2_ 2)で表される化合物の構造の特徴は、その構造中に ハロゲンを含まないことである。第二成分である液晶性化合物がこのような構造を有 することにより、本発明に係る液晶組成物では、粘度を小さくし、比抵抗を大きくし、さ らに、ネマチック相の下限温度を下げ、ネマチック相の上限温度を調節できるように なる。
これら化合物の中でも上記式 (2 1)で表される液晶性化合物(以下、「化合物(2 1)」ともいう。)は、誘電率異方性がほとんどなぐ一般的な液晶性化合物と比較す ると、ネマチック相の上限温度は必ずしも高くはなぐ粘度は小さぐ光学異方性が小 〜中程度であり、比抵抗が大きレ、点に特徴がある。
[0075] また、上記式(2— 2)で表される液晶性化合物(以下、「ィ匕合物(2— 2)」ともいう。 ) は、誘電率異方性がほとんどないが、一般的な液晶性化合物と比較すると、ネマチッ ク相の上限温度が高ぐ粘度が中程度、光学異方性が小さいものから中程度の範囲 であり、比抵抗が大きいものである点に特徴がある。
これら液晶性化合物( 2 _ 1 )および(2 _ 2)の中でも、下記式(2_ 1—:!)〜(2 _ 1 _ 2)、および下記式(2_ 2_:!)〜(2_ 2_ 3)で表される化合物が好ましい。
[0076] [化 13]
[0077] これら、上記式中における R3、 R4については、上記化合物(2— 1)および(2— 2)の 場合と同様である。また、上記式中の化合物に含まれる 1, 4—シクロへキシレンの立 体配置は、トランス配置であることが好ましい。
本発明の液晶組成物の第二成分である液晶性化合物が、上記式により表される化 合物の場合には、液晶組成物の粘度を小さくすることができ、さらに、ネマチック相の 下限温度を下げることができ、ネマチック相の上限温度を調節することができ、また、 光学異方性を小さくすることもできる。
[0078] 上記式(2— 1一:!)〜(2— 1一 2)、および上記式(2— 2— :!)〜(2— 2— 3)で表さ れる液晶性化合物の中でも、上記式(2— 1 1)、(2— 1 2)、または(2— 2— 1)で 表される液晶性化合物がより好ましい。
本発明の液晶組成物の第二成分である液晶性化合物が、上記式により表される化 合物の場合には、比抵抗が大きぐ液晶組成物のネマチック相の下限温度を下げる ことができ、ネマチック相の上限温度を調節することができ、また、光学異方性を小さ くすることもでき、特に液晶組成物の粘度を小さくすることができる。
[0079] 〔第三成分〕
本発明の液晶組成物は、さらに必要に応じて、下記式(3— 1)または下記(3— 2) で表される液晶性化合物からなる第三成分を含有する。
[0080] [化 14]
[0081] 上記各式中、各々独立して、 R5 R6、および A3は、以下のように定義される。
R5は、炭素数 1 8のアルキル、または炭素数 2 8のアルケニルである。 これらアルキルまたはアルケニルの中でも、直鎖アルキル、またはアルキル鎖が直 鎖であるアルケニル、具体的には、メチノレ、ェチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へ キシル、ヘプチル、もしくはォクチル;または、ビュル、 1 プロぺニル、 2—プロぺニ ノレ、 1—ブテュル、 2—ブテュル、 3—ブテュル、 1 _ペンテュル、 2 _ペンテュル、 3 —ペンテ二ノレ、 4 _ペンテ二ノレ、 1 _へキセニノレ、 2 _へキセニノレ、 3 _へキセニノレ、 4 キセニル、もしくは 5 _へキセニルが好ましぐェチル、プロピル、ブチル、ペンチ ノレ、もしくはへプチル;または、ビュル、 1 _プロぺニル、 3—ブテュルもしくは 3 _ペン テュルがより好ましい。
[0082] なお、 R5がアルケニルである場合の好ましい立体配置は上記化合物(2_ 1)、また は(2— 2)における R3の場合と同様である。
R6は炭素数 1〜8のアルキル、または炭素数 1〜7のアルコキシである。これらアル コキシの中でも、アルキル鎖が直鎖であるアルコキシ、具体的には、メトキシ、エトキシ 、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルォキシ、へキシルォキシ、またはへプチルォキシが 好ましぐメトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシがより好ましい。
[0083] 環 A3は、 1, 4—シクロへキシレンまたは 1, 4 _フエ二レンである。
Z3は単結合、— C H―、 -OCF―、 -OCF C H―、または— C H COO—であ り、 Z4は単結合、一 C H―、 -OCF―、または一 OCF C H—である。
なお、上記式(3— 1)または、(3— 2)で表される化合物に含まれる環が 1 , 4—シク 口へキシレンである場合には、その立体配置はトランス配置であることが好ましい。
[0084] これら式(3— 1)および(3— 2)で表される化合物の構造の特徴は、環構造の基の 1 つとして 2, 3—ジフルオロフェニレンを有し、さらに末端基としてアルキルまたはアル コキシを有することである。第三成分である液晶性化合物がこのような構造を有するこ とにより、本発明に係る液晶組成物では、負の誘電率異方性を大きくすることができ る。
これら化合物の中でも上記式 (3 1)で表される液晶性化合物(以下、「化合物(3 1)」ともいう。)は、一般的な液晶性化合物と比較すると、ネマチック相の上限温度 は必ずしも高くはないが、誘電率異方性は中程度であり、比抵抗が大きぐ粘度が中 程度であり、光学異方性が中程度である点に特徴がある。
[0085] また、上記式(3— 2)で表される液晶性化合物(以下、「ィ匕合物(3— 2)」ともいう。 ) は、一般的な液晶性化合物と比較すると、粘度は必ずしも低くはないが、比抵抗が大 きぐネマチック相の上限温度が比較的高ぐ光学異方性が中程度〜比較的大であ り、誘電率異方性が高い点に特徴がある。
これら液晶性化合物( 3 _ 1 )および(3 _ 2)の中でも、下記式(3_ 1—:!)〜(3 _ 1 -4)、および下記式(3 _ 2— :!)〜(3 _ 2 _4)で表される化合物が好ましレ、。
[0086] [化 15]
これら、上記式中における R
5、R
6については、上記化合物(3— 1)および(3— 2)の 場合と同様である。また、上記式中の化合物に含まれる 1, 4—シクロへキシレンの立 体配置は、トランス配置であることが好ましい。さらに、 R
6が独立してアルコキシで表さ れる化合物が好ましい。
本発明の液晶組成物の第三成分である液晶性化合物が、上記式により表される化 合物の場合には、液晶組成物の誘電率異方性を負に大きくすることができるからで ある。
[0088] 上記式(3— 1一:!)〜(3— 1 4)、および上記式(3— 2— :!)〜(3— 2— 4)で表さ れる液晶性化合物の中でも、上記式(3 1 1)、 (3 2— 1)、または(3 2— 2)で 表される液晶性化合物がより好ましく、上記式(3— 1 1)または(3— 2— 1)で表され る液晶性化合物が特に好ましレ、。
本発明の液晶組成物の第三成分である液晶性化合物が、上記式により表される化 合物の場合には、液晶組成物の誘電率異方性を負に大きくすることができ、比抵抗 を大きくし、また適切な光学異方性にすることができるからである。特に、 R6がアルコ キシである場合にはより負の誘電率異方性を大きくできる。
[0089] また、上記式(3— 2_ 1)、または(3— 2— 2)で表される液晶性化合物の場合には 、さらに、液晶組成物のネマチック相の上限温度を高くすることができる。上記式(3 で表される液晶性化合物の場合には、さらに、液晶組成物の粘度を抑えな がら、ネマチック相の上限温度を調節することができる。
〔液晶性化合物の合成方法〕
以下、第一成分から第三成分である液晶性化合物の合成法を例示する。
[0090] 上記式(1一 1一:!)〜(1一 1一 6)、および上記式(1一 2— :!)〜(1一 2— 12)で表さ れる化合物に代表される化合物(1 1)および化合物(1 2)は、国際公開 W〇98 /23561号/ヽ°ンフレット、あるレヽ ίま、特願 2005 59154【こ記載された方法 ίこ基づレヽ て合成をすることができる。
また上記式(2— 1 1)等で表される化合物に代表される化合物(2— 1)および(2 —2)は、特開昭 59— 70624号公報、または特開昭 60— 16940号公報に記載され た方法に基づレ、て合成することができる。
[0091] さらに上記式(3— 1一 1)、 (3— 2— 2)等で表される化合物に代表される化合物(3 - 1)および(3— 2)は、特開平 6— 228037号公報に記載された方法に基づレ、て合 成をすること力 Sできる。
なお、上記文献に開示された方法のみで合成できない化合物については、さらに、 オーガニック 'シンセシス (Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック •Uアクション (Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、 ンプジヘン、ンプ ' ·才ーガ ニック 'シンセシス (し omprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新矣験ィ匕
学講座 (丸善)などに記載された方法に基づいて合成することができる。
[0092] 以下、組成物の各成分の組合せ、各成分の好ましい含有割合について説明をする なお、各成分は、 1つの化合物のみを含有する場合よりも、複数の化合物を含有する 方力 液晶組成物のネマチック相の下限温度を低くすることができるので、好ましい。 〔液晶組成物(1)〕
本発明の液晶組成物は、上記第一成分と第二成分とを組み合わせることに特徴が ある(以下「液晶組成物(1)」ともいう。)。
[0093] これら 2成分を組み合わせることにより、液晶組成物のネマチック相の温度範囲を広 げ、適切な光学異方性とし、負の誘電率異方性を大きくし、さらに比抵抗を大きな液 晶組成物を得ることができる。特に本発明の液晶組成物については、ネマチック相の 下限温度を低ぐ好ましくは _ 20°C以下にすることができ、光学異方性を小さくするこ とも可能である。
[0094] また、本発明の第二成分と第三成分の組合せである従来の液晶組成物よりも、本 発明の第一成分と第二成分の組合せによって光学異方性がより小さな液晶組成物 を得ること力 Sできる。
本発明に係る上記液晶組成物(1)の第一成分の含有割合は特に制限はされない 力 上記液晶組成物(1)中の液晶性化合物の全重量に基づいて、 20〜90重量% の範囲であることが好ましぐさらに 40〜85重量%の範囲であることがより好ましい。
[0095] 第一成分の含有割合が上記範囲にある場合には、液晶組成物のしきい電圧を下 げること力 Sでき、さらにネマチック相の下限温度を下げることができる。
本発明に係る上記液晶組成物(1)の第二成分の含有割合は特に制限はされない 力 液晶性化合物の全重量に基づいて、 10〜80重量%の範囲であることが好ましく
、さらに 15〜60重量%の範囲であることがより好ましい。
[0096] 第二成分の含有割合が上記範囲にある場合には、液晶組成物の粘度を小さくする ことができ、さらに、液晶組成物の負の誘電率異方性を大きくし、しきい電圧を下げる こと力 Sできる。
第一成分および第二成分の含有割合が上記範囲にある場合、液晶組成物のネマ
チック相の下限温度を低くすることができる。好ましくは、第一成分および第二成分の 含有割合が上記範囲にあり、第一成分の各化合物の含有割合力 種類につき 15重 量%以下、好ましくは式(1 2)で表される化合物の含有割合力 種類につき 10重 量%以下である場合には、液晶組成物のネマチック相の下限温度を _ 20°C以下に 調整しやすい。
[0097] 第一成分が式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 6)および式(1一 2— 1)〜式(1一 2— 6)だ けからなり、第二成分として式 (2— 1— 1)を含有する場合には、液晶組成物の光学 異方性を小さくすることができる。
〔液晶組成物(2)〕
本発明に係る液晶組成物では、上記第一成分、第二成分に加えて、さらに上記第 三成分を組み合わせたものも好ましい(以下「液晶組成物(2)」ともいう。)。このような 組合せとすることによって、液晶組成物のネマチック相の温度範囲を広くし、粘度を 小さくし、適切な光学異方性とし、負の誘電率異方性が大きし、比抵抗が大きくするこ とができ、さらにこれら物性が適切にバランスすることができる。
[0098] また、上記第三成分を上記第一成分、および第二成分と組み合わせることで、液晶 組成物のネマチック相の下限温度をさらに低くすることができる場合もある。
本発明に係る上記液晶組成物(2)の第一成分、第二成分、および第三成分の含 有割合は特に制限はされないが、液晶性化合物の全重量に基づいて、第一成分の 含有割合が 10〜80重量%の範囲、第二成分の含有割合が 10〜80重量%の範囲 、第三成分の含有割合が 10〜80重量%の範囲であることが好ましぐさらに、第一 成分の含有割合が 30〜70重量%の範囲、第二成分の含有割合が 10〜50重量% の範囲、第三成分の含有割合が 20〜60重量%の範囲であることがより好ましい。
[0099] 上記液晶組成物(2)の第一成分、第二成分、および第三成分の含有割合が上記 範囲にある場合には、負の誘電率異方性をさらに大きくすることができ、さらにネマチ ック相の下限温度をさらに下げることができる。
第一成分、第二成分および第三成分の含有割合が上記範囲にある場合、液晶組 成物のネマチック相の下限温度を低くすることができる。好ましくは、第一成分、第二 成分および第三成分の含有割合が上記範囲にあり、第一成分および第三成分の各
化合物の含有割合力 I種類につき 15重量%以下、好ましくは式(1 2)および式(3 2)で表される化合物の含有割合力 S1種類につき 10重量%以下である場合には、 液晶組成物のネマチック相の下限温度を 20°C以下に調整しやすレ、。
[0100] 第一成分が式(1一 1一 1)〜式(1一 1一 6)および式(1一 2— 1)〜式(1一 2— 6)だ けからなり、第二成分として式(2— 1— 1)を含有し、第三成分が式(3— 1— 1)およ び式(3_ 2_ 1)だけからなる場合には、液晶組成物の光学異方性を小さくすること ができる。
〔液晶組成物の態様等〕
本発明に係る液晶組成物では、上記第一成分、第二成分、および必要に応じて添 加する第三成分である液晶性化合物に加えて、例えば液晶組成物の特性をさらに 調整する目的で、さらに他の液晶性化合物を添加して使用する場合がある。また、例 えばコストの観点から、本発明の液晶組成物では、上記第一成分、第二成分、およ び必要に応じて添加する第三成分である液晶性化合物以外の液晶性化合物は添加 せずに使用する場合もある。
[0101] また本発明に係る液晶組成物には、さらに、光学活性化合物、色素、消泡剤、紫外 線吸収剤、酸化防止剤等の添加物を添加してもよレヽ。
光学活性化合物を本発明に係る液晶組成物に添加した場合には、液晶にらせん 構造を誘起して、ねじれ角を与えることなどができる。
色素を本発明に係る液晶組成物に添加した場合には、液晶組成物を GH (Guest h ost)モードを有する液晶表示素子に適用することなどが可能となる。
[0102] 消泡剤を本発明に係る液晶組成物に添加した場合には、液晶組成物の運搬中、 あるいは該液晶組成物から液晶表示素子を製造工程中で、発泡を抑制することなど が可能となる。
紫外線吸収剤、あるいは酸化防止剤を本発明に係る液晶組成物に添加した場合 には、液晶組成物ゃ該液晶組成物を含む液晶表示素子の劣化を防止することなど が可能となる。例えば酸化防止剤は、液晶組成物を加熱したときに比抵抗の低下を 抑制することが可能である。
[0103] 上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外
線吸収剤、トリァゾール系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
ベンゾフヱノン系紫外線吸収剤の具体例は、 2 ヒドロキシー 4 オタトキシベンゾ フエノンである。
ベンゾエート系紫外線吸収剤の具体例は、 2, 4—ジ _tert_ブチルフエ二ノレ— 3, 5 _ジ一 tert ブチル _4—ヒドロキシベンゾエートである。
[0104] トリァゾール系紫外線吸収剤の具体例は、 2 _ (2—ヒドロキシ _ 5 _メチルフエニル )ベンゾトリアゾール、 2— [2 ヒドロキシ一 3— (3, 4, 5, 6 テトラヒドロキシフタルイ ミド一メチノレ) _ 5 _メチルフエニル]ベンゾトリァゾール、および 2 _ (3 _tert—ブチ ノレ _ 2—ヒドロキシ一 5 _メチルフエニル) _ 5 _クロ口べンゾトリアゾールである。
[0105] 上記酸化防止剤としては、フエノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤など を挙げることができる。
フエノール系酸化防止剤の具体例は、 3, 5—ジ _tert_ブチル _4—ヒドロキシトル ェン、 2, 6 ジ tert ブチルー 4 プロピルフエノール、 2, 6 ジ tert ブチノレ 4 ペンチルフエノール、 2, 6 ジ tert ブチルー 4一へプチルフエノール、 2, 2'—メチレンビス(6— tert ブチル 4—メチルフエノール)、 4, 4'—ブチリデンビス (6— tert ブチル 3—メチルフエノール)、 2, 6 ジ一 tert ブチノレ一 4— (2—オタ タデシルォキシカルボ二ノレ)ェチルフエノール、およびペンタエリスリトールテトラキス [ 3 - (3, 5—ジ一 tert ブチル 4—ヒドロキシフエニル)プロピオネート]である。
[0106] 有機硫黄系酸化防止剤の具体例は、ジラウリル 3, 3 'ーチォプロピオネート、ジミ リスチルー 3, 3 '—チォプロピオネート、ジステアリル 3, 3 '—チォプロピオネート、 ペンタエリスリトールテトラキス(3 ラウリルチオプロピオネート)、および 2 メルカプ トベンズイミダゾールである。
紫外線吸収剤、酸化防止剤などに代表される上記添加物は、本発明の目的を損な わず、かつ添加物を添加する目的を達成できる範囲の量で用いることができる。例え ば、上記紫外線吸収剤を添加する場合には、その添加割合は、液晶性化合物の全 重量に基づいて、通常 100ppm〜1000000ppmの範囲の量、好ましくは 100〜10 OOOppmの範囲の量、より好ましくは 1000〜10000ppmの範囲の量である。例えば 、上記酸化防止剤を添加する場合には、その添加割合は、液晶性化合物の全重量
ίこ基づレヽて、通常 10ppm 500ppmの範囲の量、好まし <ίま 30 300ppmの範囲 の量、より好ましくは 40 200ppmの範囲の量である。
[0107] なお、本発明に係る液晶組成物は、液晶組成物を構成する各化合物の合成工程、 液晶組成物の調製工程等において混入する合成原料、副生成物、反応溶媒、合成 触媒等の不純物を含んでレヽる場合もある。
〔液晶組成物の製造方法〕
本発明に係る液晶組成物は、例えば、各成分となる化合物が液体の場合には、そ れぞれの化合物を混合し振とうさせることにより、また固体を含む場合には、それぞれ の化合物を混合し、加熱溶解によってお互い液体にしてから振とうさせることにより調 製すること力 Sできる。また、本発明に係る液晶組成物はその他の公知の方法により調 製することも可能である。
[0108] 〔液晶組成物の特性〕
本発明に係る液晶組成物では、ネマチック相の温度範囲を広げること、例えば、ネ マチック相の上限温度を 70°C以上とし、ネマチック相の下限温度は 20°C以下とす ること力 Sできる。したがって、この液晶組成物を含む液晶表示素子は広い温度領域で 使用することが可能である。
[0109] 本発明に係る液晶組成物では、通常、 0. 07-0. 10の範囲の光学異方性を有す る。なお、本発明に係る液晶組成物では、組成等を適宜調整することで、光学異方 十生を 0. 06 0. 13の範囲、 0. 05 0. 18の範囲とすることちでさる。
また、本発明に係る液晶組成物では、通常、 5. 0 2. 0の範囲の誘電率異方 性、好ましくは、 -4. 5 2· 5の範囲の誘電率異方性を有する液晶組成物を得る こと力 Sできる。上記数値範囲にある液晶組成物は、 IPSモード、および VAモードで動 作する液晶表示素子として好適に使用することができる。
[0110] 本発明に係る液晶組成物では、通常、上記数値範囲の光学異方性、および上記 数値範囲の誘電率異方性の両方を有する液晶組成物を得ることができる。
また、 VAモード、 IPSモードで動作する液晶表示素子のコントラスト比を最大にす るために、液晶組成物の光学異方性( Δ n)と液晶表示素子のセルギャップ (d)との 積の値(Δ η- d)を一定値とするように設計することもできる。 VAモードでは、この値(
Δ η- d)を 0. 30〜0. 35 μ mの範囲とすること力 S好ましく、 IPSモードでは、 0. 20〜0 . 30 /i mの範囲とすることが好ましい。なお、セルギャップ(d)は通常 3〜6 μ ΐηであ るので、コントラスト比を最大とするためには液晶組成物の光学異方性は、 0. 050〜 0. 110の範囲であることが好ましい。
[0111] VAモードにおいて 4 μ mまたはそれ以上のセルギャップ(d)の場合には、液晶表 示素子の応答速度が遅くなるためには好ましくない場合がある。動画等を表示するた めには迅速な応答速度が必要であり、 4 μ mより小さいセルギャップ (d)の液晶表示 素子が用いられる。これらに用いられる液晶組成物の光学異方性は、通常の光学異 方性の範囲よりも大きぐ例えば 0. 10〜0. 15の範囲にある。なお、このことは IPSモ ードにも当てはまる。
[0112] 〔液晶表示素子〕
本発明に係る液晶組成物は液晶表示素子に用レ、ることができる。本発明に係る液 晶表示素子は、 pcモード、 TNモード、 STNモード、 OCBモード等の動作モードを 有し、 AM方式で駆動をしてもよいし、 PCモード、 TNモード、 STNモード、 OCBモ ード、 VAモード、 IPSモード等の動作モードを有し、パッシブマトリクス(PM)方式で 馬区動をしてもよい。
[0113] これら AM方式、および PM方式で駆動する液晶表示素子は、反射型、透過型、半 透過型、いずれの液晶ディスプレイ等にも適用ができる。
また、本発明に係る液晶組成物は、導電剤を添加させた液晶組成物を用いた DS ( dynamic scattering)モード素子や、液晶組成物をマイクロカプセノレ化して作製した N CAP (nematic curvilinear aligned phase)素子や、液晶糸且成物中に三次元の網目状 咼分子を形成させた PD (polymer dispersed)素子、 列えば PN (polymer network)素 子にも使用できる。
[0114] 本発明に係る液晶組成物は上述のような特性を有するので、中でも負の誘電率異 方性を利用した動作モード、例えば、 VAモード、 IPSモードなどで動作する AM方式 の液晶表示素子に好適に用いることができ、特に、 VAモードで動作する AM方式の 液晶表示素子に好適に用いることができる。
なお、 TNモード、 VAモード等で動作する液晶表示素子においては、電場の方向
は、液晶層に対して垂直である。一方、 IPSモード等で動作する液晶表示素子にお いては、電場の方向は、液晶層に対して平行である。なお、 VAモードで動作する液 晶表示素子の構造は、 K. Ohmuro, S. Kataoka, T. Sasaki and Y. Koike, SID '97 Dig est of Technical Papers, 28, 845 (1997)に報告されており、 IPSモードで動作する液 晶表示素子の構造は、国際公開 91/10936号パンフレット(ファミリー: US557686 7)に報告されている。
[0115] 〔実施例〕
以下、本発明で得られる液晶組成物を実施例により詳細に説明する。本発明は下 記の実施例によって限定されない。なお、実施例で用いる液晶性化合物は、下記表 1の定義に基づいて記号により表す。なお、表 1中、 1 , 4—シクロへキシレンの立体 配置はトランス配置である。各化合物の割合(百分率)は、特に断りのない限り、液晶 性化合物の全重量に基づいた重量百分率 (重量%)である。以下の実施例は各成分 を正確に重量を秤量し調合したものである。各実施例の最後に得られた液晶組成物 の特性値を示す。
[0116] なお、各実施例で使用する液晶性化合物の部分に記載した番号は、上述した本発 明の第一成分から第三成分に用いる液晶性化合物を示す式番号に対応をしており 、式番号を記載せずに、単に「一」と記載をしている場合には、この化合物はこれら成 分には対応をしていないその他の液晶性化合物であることを意味している。
化合物の記号による表記方法を以下に示す。
[0117] [表 1]
特性値の測定は以下の方法にしたがって行った。これら測定方法の多くは、 日本 電子機械工桌会夫十各 (Standard of Electric Industries Association of Japan) EIAJ · E D— 2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法である。
(1)ネマチック相の上限温度(NI; °C)
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、 i°c/分の速度 で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測 定した。以下、ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略することがある。
[0119] (2)ネマチック相の下限温度 (TC; °C)
ネマチック相を有する試料を 0。C、 _ 10。C、 _ 20°C、 _ 30。C、および— 40°Cのフリ 一ザ一中に 10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が— 20°Cではネ マチック相のままであり、 _ 30°Cでは結晶またはスメクチック相に変化したとき、 TCを ≤_ 20°Cと記載した。以下、ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある
[0120] (3)光学異方性(A n ; 25°Cで測定)
波長が 589nmである光を用レ、、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により 測定した。まず、主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに 滴下した。そして、偏光の方向がラビングの方向と平行であるときの屈折率 (n II )、お よび偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときの屈折率 (n丄)を測定した。光学 異方性の値(Δ η)は、
( Δ η) = (η || Ηη丄)
の式から算出した。
[0121] (4)粘度 ; 20°Cで測定; mPa' s)
測定には E型粘度計を用いた。
(5)誘電率異方性(Δ ε ; 25°Cで測定)
よく洗浄したガラス基板にォクタデシルトリエトキシシラン(0. 16mL)のエタノーノレ( 20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナ一で回転させたあと、 150°Cで 1時間 加熱した。 2枚のガラス基板から、間隔(セルギャップ)が 20 x mである VA素子を組 み立てた。
[0122] よく洗浄したガラス基板にポリイミドの配向膜を塗布した。得られたガラス基板の配 向膜を焼成後、ラビング処理をした。 2枚のガラス基板の間隔が 9 z mであり、ツイスト 角が 80度である TN素子を組み立てた。
得られた VA素子に試料を入れ、 0. 5V (lkHz、サイン波)を印加して、液晶分子
の長軸方向における誘電率( ε II )を測定した。
[0123] また、得られた ΤΝ素子に試料を入れ、 0· 5V (lkHz、サイン波)を印加して、液晶 分子の短軸方向における誘電率( ε丄)を測定した。
誘電率異方性の値は、
( Δ ε ) = ( ε || ) - ( ε丄)
の式から算出した。
[0124] この値が負である組成物力 S、負の誘電率異方性を有する組成物である。
(6)電圧保持率 (VHR; 25°Cと 100°Cで測定;%)
ポリイミド配向膜を有し、そして 2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が 6 μ mであ るセルに試料を入れて TN素子を作製した。 25°Cにおいて、この TN素子にパルス電 圧(5Vで 60 a s)を印加して充電した。 TN素子に印加した電圧の波形を陰極線オシ ロスコープで観測し、単位周期(16. 7ms)における電圧曲線と横軸との間の面積を 求めた。 TN素子を取り除いたあと印加した電圧の波形から同様にして面積を求めた 。電圧保持率(%)の値は、
(電圧保持率) = (TN素子がある場合の面積値) / (TN素子がない場合の面積値) X 100
の値から算出した。
[0125] このようにして得られた電圧保持率を「VHR—1」として示した。つぎに、この TN素 子を 100°C、 250時間カロ熱した。この TN素子を 25°Cに戻したあと、上述した方法と 同様の方法により電圧保持率を測定した。この加熱試験をした後に得た電圧保持率 を「VHR— 2」として示した。なお、この加熱テストは促進試験であり、 TN素子の長時 間耐久試験に対応する試験である。
(7)比抵抗 ( p; 25°Cで測定; Ω cm)
液体セルに液晶 1. OmLを注入し、 10Vの直流電圧をかけた。電圧印加後 10秒後 のセルの直流電流を測定し、比抵抗を算出した。
[0126] 比抵抗 pは、
(比抵抗) = { (電圧) X (セル容量) }Z{ (直流電流) X (真空の誘電率) } の式から算出した。
(8)ガスクロ分析
測定装置は、島津製作所製の GC— 14B型ガスクロマトグラフ、またはその同等の 測定機器を用いた。カラムは、島津製作所製のキヤビラリ一力ラム CBP1— M25— 0 25 (長さ 25m、内径 0. 22mm、膜厚 0. 25 μ m ;固定液相はジメチルポリシロキサン ;無極性)を用いた。キャリアーガスとしてはヘリウムを用レ、、流量は 2ml/分に調整し た。このカラムは、 200°Cで 2分間保持した後、 5°C/分の割合で 280°Cまで昇温し た。試料気化室の温度を 280°C、検出器 (FID)部分の温度を 300°Cに設定した。
[0127] 試料はアセトンに溶解して、 0. 1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液 1
μ 1を試料気化室に注入した。
記録計としては島津製作所製の C— R5A型 Chromatopac、またはその同等品を用 いた。得られたガスクロマトグラムには、成分化合物に対応するピークの保持時間お よびピークの面積値が示されてレ、る。
[0128] なお、試料の希釈溶媒としては、例えば、クロ口ホルム、へキサンを用いてもよい。ま た、カラムとしては、 Agilent Technologies In 製のキヤビラリ一力ラム DB— 1 (長さ 30 m、内径 0· 32mm,膜厚 0· 25 /i m)、 Agilent Technologies Inc.製の HP— 1 (長さ 3 0m、内径 0· 32mm,膜厚 0· 25 μ m)、 Restek Co卬 oration製の Rtx— 1 (長さ 30m 、内径 0· 32mm,膜厚 0· 25 μ m)、 SGE International Pty.Ltd製の BP— 1 (長さ 30 m、内径 0· 32mm、膜厚 0. 25 /i m)などを用いてもよレ、。化合物ピークの重なりを防 ぐ目的で島津製作所製のキャピラリーカラムじ8?1—^150— 025 (長さ50111、内径 0 . 25mm、膜厚 0. 25 /i m)を用いてもよレ、。
[0129] ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は成分化合物の割合に相当する。一般 には、試料の成分化合物の重量%は、試料の各ピークの面積%とは完全に同一で はないが、本発明において、上述のカラムを用いる場合には、実質的に補正係数は 1であるので、試料中の成分化合物の重量%は、試料中の各ピークの面積%とほぼ 対応する。各成分の液晶性化合物における補正係数に大きな差異がなレ、からである 。ガスクロクロマトグラムにより液晶組成物中の液晶化合物の組成比をより正確に求め るには、ガスクロマトグラムによる内部標準法を用いる。一定量正確に秤量された各 液晶化合物成分 (被検成分)と基準となる液晶化合物 (基準物質)を同時にガスクロ
測定して、得られた被検成分のピークと基準物質のピークとの面積比の相対強度を あらかじめ算出する。基準物質に対する各成分のピーク面積の相対強度を用いて補 正すると、液晶組成物中の液晶化合物の組成比をガスクロ分析からより正確に求め ること力 Sできる。
[0130] 〔比較例 1〕
本発明の第二成分および第三成分を含有する以下の組成物を調合し、上述した 方法により各特性値を測定した。
3. -HH-4 (2- -1 -1) 7
3. -HH-5 (2- -1 -1) 7
3. -HB-01 (2- - 1 -2) 8
5. -HB-3 (2- -1- -2) 8(
3. -HB(2F, 3F) - 02 (3- 1- -1) 14°/
5 — HB(2F, 3F) - 〇2 (3- 1- -1) 14°/
3一 HHB(2F, 3F)一〇2 (3- -2- - 1) 11(
5一 HHB(2F, 3F)一〇2 (3- -2- - 1) 11(
2- HHB(2F, 3F) 1 (3- ■2- -1) 10°/
3 HHB(2F, 3F) 1 (3- ■2- -1) 10°/
NI = 68.9°C;Tc≤-10°C; Δη=0.081; Δ ε = 3.3;
η =20.3mPa-s;VHR-l = 99.3%.
実施例 1
[0131] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3. -HB(2F, 3C0-O2 (1- 1— 1) 14°/
5. -HB(2F, 3CD-02 (1- 1— 1) 14°/
3. -HHB(2F, 3CD-02 (1- -2- -1) 8°
5 — HHB(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -1) 8°
3 — HH2B(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -2) 9°/
5 — HH2B(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -2) 9°/
2- -HH-5 (2- — 1 -1) 11
3-HH-4 (2- 1 -1) 11
3-HB-02 (2- 1 -2) 8
5-HB-02 (2— 1 -2) 8
NI = 69.3°C;Tc≤-20°C; Δη = 0.073; Δ ε =_2.7;
VHR-1 = 99.4%.
比較例 1と較べて、この実施例 1の組成物は下限温度≤_20°Cと低ぐ Δηも小さい
。そして大きな電圧保持率を有する。
実施例 2
[0132] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3-HB(2F, 3CD-02 (1-1-1) 15%
5-HB(2F, 3Cl)-02 (1-1-1) 15%
3— HHB(2F, 3Cl)-02 (1-2-1) 9%
5— HHB(2F, 3Cl)-02 (1-2-1) 9%
3— HBB(2F, 3C1)—〇2 (1-2-7) 9%
5— HBB(2F, 3C1)—〇2 (1-2-7) 9%
2- HH-5 (2-1-1) 11%
3- HH-4 (2-1-1) 12%
3-HB-02 (2-1-2) 11%
NI = 69.0°C;Tc≤-20°C Δη=0.086; Δ =_3.0;
VHR-1 = 99.2%.
比較例 1と較べて、この実施例 2の組成物は下限温度≤_20°Cと低い。そして大き な電圧保持率を有する。
実施例 3
[0133] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3 — HB(2C1, 3F)- 02 (1- 1 -4) 5
5 -HB(2C1, 3F)- 02 (1- 1 -4) 5
3 -H2B(2C1, 3F) -02 (1- 1 -5) 15'
5. -H2B(2C1, 3F) -02 (1- 1- -5) 15'
3-HHB(2Cl, 3F)-02 (1-2-4) 8%
5-HHB(2Cl, 3F)-02 (1-2-4) 8%
3— HH2B(2C1, 3F)— 02 (1-2-5) 12%
5-HH2B(2Cl, 3F)-02 (1-2-5) 12%
5-HH-V (2-1-1) 17%
V-HHB-1 (2-2-1) 3%
NI = 70.0°C;Tc≤-20°C; Δη = 0.075; Δ ε = 3.4;
VHR-1 = 99.2%.
比較例 1と較べて、この実施例 3の組成物は下限温度≤_20°Cと低い。そして大き な電圧保持率を有する。 1
1
実施例 4
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3 — HHB(2F, 3Cl)-02 (1-2-1) 11%
5 — HHB(2F, 3Cl)-02 (1-2-1) 11%
2- — HHB(2F, 3C1)-1 (1-2-1) 10%
3. -HB-Ol 8%
NI = 63.9°C;Tc≤-20°C; t =0.077; Δ ε = _3.1
VHR-1 = 99.3%.
比較例 1の組成物において、 3環の 2, 3—ジフルオロフヱ二レン化合物を本発明の 第一成分である液晶性化合物に置き換えた。比較例 1と較べて、この実施例 4の組 成物は下限温度≤ 20°Cと低く改善され、 Δηも小さくなつた。第一成分の組合せに よりネマチック相の下限温度を広くすることができる。そして大きな電圧保持率を有す
る。
実施例 5
[0135] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
2- -HHB(2C1, 3F)-1 (1- 2- 1) 10°/
3- -HHB(2C1, 3F)-1 (1- 2- 1) 10°/
3- -HHB(2C1, 3F)-02 (1- -2- -4) ll0/
5- -HHB(2C1, 3F)-02 (1- -2- -4) ll0/
3- -HH-4 (2- — 1 -1) 7
3- -HH-5 (2- — 1 -1) 7
3- -HB-Ol (2. — 1 -2) 8
5- -HB-3 (2- - 1- -2) 8(
3- — HB(2F, 3F) -02 (3- -1- - 1) 14°/
5- — HB(2F, 3F) -02 (3- -1- - 1) 14°/
NI = 59.3°C;Tc≤-20°C; Δη=0.073; Δ ε =— 3.1;
VHR-1 = 99.3%.
比較例 1の組成物中において、 3環の 2, 3 _ジフルオロフヱ二レン化合物を本発明 の液晶性化合物に置き換えた。比較例 1と較べて、この実施例 5の組成物は下限温 度≤_20°Cと低く改善され、 Δηも小さくなつた。第一成分の組合せによりネマチック 相の下限温度を広くすることができる。そして大きな電圧保持率を有する。
実施例 6
[0136] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- — HB(2F, 3CD-02 (1- 1- 1) 15%
5- — HB(2F, 3Cl)-02 (1- 1- 1) 14%
3- — HHB(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -1) 8°/
5- — HHB(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -1) 8°/
3- — HH2B(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -2) 9°/
5- — HH2B(2F, 3Cl)-02 (1- -2- -2) 8°/
3- -HH-V (2 -1 -1) 16
5-HH-V (2-1-1) 22%
NI = 70. l°C;Tc≤-20°C; Δη=0. 069; Δ ε =— 2. 6;
η =20. 8mPa-s;VHR-l = 99. 3%.
比較例 1と較べて、この実施例 6の組成物は下限温度≤_20°Cと低ぐ Δηも 0. 069 と小さい。そして大きな電圧保持率を有する。従来の 2, 3—ジフルオロフヱ二レンを 有する化合物を含有する液晶組成物より、本発明の組成物の方が Δηを小さくするこ とができる。
実施例 7
[0137] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- - HB(2F, 3C1) -02 (l-i- 1) 10%
4- - HB(2F, 3C1) -02 (l-i- 1) 10%
5- - HB(2F, 3C1) -02 (l-i- 1) 10%
3- HB(2C1, 3F) -02 (l-i- 4) 10%
5- HB(2C1, 3F) -02 (l-i- 4) 10%
3- HH-4 (2— 1 -1) 6C
3- -HH-V (2-1 -1) 10'
3- -HHB-1 (2-2 -1) 8<
3- -HHB-3 (2-2 -1) 12(
V- -HHB-1 (2-2 -1) 14
NI = 62. 6°C;Tc≤-20°C; Δη = 0. 078; Δ ε =_2. 3;
VHR-1 = 99. 4%.
比較例 1と較べて、この実施例 7の組成物は下限温度≤_20°Cと低い。そして大き な電圧保持率を有する。
実施例 8
[0138] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3— H2B(2F, 3C1)— 02 (1-1-2) 10%
5— H2B(2F, 3C1)— 02 (1-1-2) 10%
3-H!OB(2F, 3C1) -02 (1-1-3) 5%
5— H10B(2F, 3C1)—〇2 (1-1-3) 5%
3 — HHB(2F, 3Cl)-02 (1-2-1) 9%
5 — HHB(2F, 3Cl)-02 (1-2-1) 9%
1
1
3. -HH-4 10%
3 -HH-5 (2-1-1) 5%
3 -HHlOH-3 (2-2-2) 3%
3 -HHEH-5 (2-2-3) 2%
NI = 74.3°C;Tc≤-20°C; Δη: =0.072; Δ ε = -4.3;
VHR-1 = 99. 1%.
比較例 1と較べて、この実施例 9の組成物は下限温度≤ 20°Cと低ぐ Δηも小さぐ かつ、 Δ εが負に大きい。そして大きな電圧保持率を有する。
実施例 10
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- ■HB(2F, 3C1)- 02 (1- 1- 1) 16%
3- HB(2F, 3C1)- 04 (1 1 1) 8%
5- HB(2F, 3C1)- 02 (1 1 1) 8%
2- HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- - 1) 5%
3- HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- - 1) 9%
4- HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- - 1) 5%
5- HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- - 1) 9%
5- HH-V (2 — 1 -1) 26%
3- HH-V1 (2 — 1 -1) 10%
V2 -HHB-1 (2 -2 — 1) 4%
NI = 73.2°C;Tc≤-20°C; Δη = 0.074; Δ ε =-2.6;
VHR-1 = 99.3%.
比較例 1と較べて、この実施例 10の組成物は下限温度≤_20°Cと低ぐ Δηも小さ い。そして大きな電圧保持率を有する。
実施例 11
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- — HHB(2F, 3C1)- -02 (1 -2- - 1) 9
5- — HHB(2F, 3C1)- -02 (1 -2- - 1) 9
3- — HH2B(2F, 3C1) Ol (1- -2- -2) 4
3- — HH2B(2F, 3C1) -02 (1- -2- -2) 8
5- — HH2B(2F, 3C1) -02 (1- -2- -2) 8
3- — HBB(2F, 3C1) - 〇2 (1- -2- ■7) 9(
5- -HBB(2F, 3C1)― 02 (1- -2- ■7) 9<
2- HH-5 (2— 1 -1) 8
3- HH-4 (2— 1 -1) 15
3-HB-02 (2- 1 -2) 11
5-HB-02 (2- ■1 -2) 10
NI=101.0°C;Tc≤-20°C; Δη = 0.093; Δ ε =_2.5;
VHR-1 = 99.4%.
比較例 1と較べて、この実施例 11の組成物は上限温度が高ぐ下限温度≤_20°Cと 低ぐネマチック相の温度範囲を広く有する。そして大きな電圧保持率を有する。 実施例 12
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- - HB(2F, 3CD-02 (1 1-1) 5%
3- - H2B(2F, 3Cl)-02 (1 1— 2) 10%
3- - H10B(2F, 3C1)—〇2 (1- 1-3) 5°/c
3- - HB(2C1, 3F)-02 (1 1—4) 5%
3- - H2B(2C1, 3F)-02 (1 1-5) 10%
3- -H10B(2C1, 3F)—〇2 (1- 1-6) 5°/c
3- -HHB(2F, 3CD-02 (1- ■2-1) 5°A
3- -HH2B(2F, 3CD-02 (1- ■2-2) 10°/c
3- -HH10B(2F, 3C1)—〇2 (1- -2-3) 5°/
3- -HHB(2C1, 3F)-02 (1- ■2-4) 5°A
3- -HH2B(2C1, 3F)-02 (1- ■2-5) 10°/c
3- -HH10B(2C1, 3F)—〇2 (1- -2-6) 5°/
5- -HH-V (2 -l-i) 5'
V- -HHB-1 (2 -2-1) 10
3- -HHB-02 (2 -2-1) 5
NI = 80.3°C;Tc≤-30°C; Δη=0.084; Δ ε =— 3.9;
VHR-1 = 99.3%.
比較例 1と較べて、この実施例 12の組成物は上限温度が高ぐ下限温度≤ 30°Cと
低ぐネマチック相の温度範囲を広く有し、かつ、 Δ εが負に大きい。そして大きな電 圧保持率を有する。
実施例 13
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3 -HB(2F, 3C1)- 02 (1- 1- 1) 8%
5 -HB(2F, 3C1)- 02 (1- 1- 1) 7%
3 -HB(2C1, 3F)- 02 (1 1- 4) 8%
5 -HB(2C1, 3F)- 02 (1 1- 4) 7%
2 — HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- -1) 3°/
3 — HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- -1) 8°/
5 — HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- -1) Ί。/、
2 -HHB(2C1, 3F) -02 (1- -2- -4) 3°/
3 -HHB(2C1, 3F) -02 (1- -2- -4) 8°/
5 -HHB(2C1, 3F) -02 (1- -2- -4) Ί。/、
3 -HH-4 (2- — 1 -1) 9C
3 -HH-5 (2- — 1 -1) 5C
3 -HB-02 (2 — 1 -2) 7(
5 -HB-02 (2 — 1 -2) 7(
3 -HHB-1 (2 -2 -1) 4(
3 -HHB-Ol (2 -2 -1) 2
NI = 78. 9°C;Tc≤-30°C; Δη = 0.081; Δ ε =— 3. 1;
VHR-1 = 99. 3%.
比較例 1と較べて、この実施例 13の組成物は上限温度が高ぐ下限温度≤_30°Cと 低ぐネマチック相の温度範囲を広く有する。そして大きな電圧保持率を有する。 実施例 14
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3— HB(2F, 3C1)— 02 (1-1-1) 4%
3-HB(2Cl, 3F)-02 (1-1-4) 4%
3— HH2B(2F, 3C1)- -02 (1-2-2) 10%
5 — HH2B(2F, 3C1)- -02 (1-2-2) 10%
3 -HH2B(2C1, 3F)- -02 (1-2-5) 10%
5. -HH2B(2C1, 3F)- -02 10%
3. -HB-02 5%
7- -HB-1 5%
1 1
5 — H2EB(2F, 3F) - 04 (3-1-2) 8%
NI = 78.9°C;Tc≤ -20°C; Δη: =0.085; Δ ε = 4.0;
VHR-1 = 99. 1%.
比較例 1と較べて、この実施例 14の組成物は下限温度≤—20°Cと低ぐ Δ εが負に 大きい。そして大きな電圧保持率を有する。
実施例 15
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3. -HB(2F, 3C1)- 02 (1- 1- 1) 7%
3. -HB(2C1, 3F)- 02 (1- 1- ■4) 7%
3. -HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- -1) 8%
3. -HHB(2C1, 3F) -02 (1- -2- -4) 8%
2- -HH-5 (2. — 1 -1) 5%
3 -HH-4 (2- — 1 -1) 10%
3 -HH-5 (2- — 1 -1) 4%
3 -HB-02 (2. — 1 -2) 8%
3 -HB-04 (2. -1 -2) 4%
3- -HHB-1 (2-2-1) 3%
v- -HHB-1 (2-2-1) 4%
3- — HB(2F, 3F) -02 (3-1-1) 7%
5- -HB(2F, 3F) -02 7%
3- -HHB(2F, 3F)—〇2 5%
5- -HHB(2F, 3F)—〇2 4%
3- -HBB(2F, 3F)—〇2 5%
NI = 81. l°C;Tc≤— 30。C; Δη: =0.088; Δ ε = -2.8;
O C
VHR-1 = 99.4%.
比較例 1と較べて、この実施例 15の組成物は 1上限温度が高ぐ下限温度≤_30°Cと 低ぐネマチック相の温度範囲を広く有する。そして大きな電圧保持率を有する。 実施例 16
以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- HB(2F, 3C1)- 02 14%
5- HB(2F, 3C1)- 02 (1-1-1) 14%
3- HBB(2F, 3C1) -02 (1-2-7) 9%
5- HBB(2F, 3C1) -02 (1-2-7) 9%
3- HBB(2C1, 3F) -02 (1-2-10) 8%
5- HBB(2C1, 3F) -02 (1-2-10) 8%
3- HBB(2C1, 3F) -04 (1-2-10) 6%
3- HH-4 (2-1-1) 10%
3- HB-02 (2-1-2) 6%
V- -HHB-1 (2-2-1) 8%
V2 -HHB-1 (2-2-1) 8%
NI = 81.9°C;Tc≤-20°C =0.110; Δ ε = -3.2;
VHR-1 = 99.2%.
比較例 1と較べて、この実施例 16の組成物は下限温度≤—20°Cと低ぐ Δηも大き
い。そして大きな電圧保持率を有する。
実施例 17
[0147] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
3- -HB(2F, 3CD -02 (1- 1- 1) 8%
5- -HB(2F, 3CD -02 (1- 1- 1) 8%
3- -HHB(2F, 3CD -02 (1- ■2- ■1) 8°
5- - HHB(2F, 3Cl) -02 (1- 2- 1) 8°
3- - HH2B(2F, 3Cl) -02 (1- 2- ■2) 9°/c
5- - HH2B(2F, 3Cl) -02 (1- 2- ■2) 8°/c
3- HH-V (2 — 1 -1) 14'
5- HH-V (2 — 1 -1) 14'
3- HH-Vl (2- — 1 -1) 8'
V- -HHB-1 (2 -2 — 1) 2
3- BOCF 2B(2F, 3F)—02 (3- — 1 -3) 8C
2
3- HBOCF 2B(2F, 3F) -02 (3 2 3) 5
NI = 75. 4°C;Tc≤-20°C; Δη = 0. 075; Δ ε =_2. 5;
η =19. lmPa-s;VHR-l = 99. 2%.
比較例 1と較べて、この実施例 17の組成物は下限温度≤_20°Cと低レ、。そして大き な電圧保持率を有する。
実施例 18
[0148] 以下の組成物を調合し、上述した方法により各特性値を測定した。
5- — H10B(2F, 3C1)—〇2 (1- 1- -3) 6°/
3- — HHB(2F, 3CD -02 (1- -2- -1) 5°/
3- — HH10B(2F, 3C1)一〇2 (1- -2- -3) 6^
3- -HHB(2C1, 3F) -02 (1- -2- -4) 5°/
3- -HH-4 (2- — 1 -1) 8
3- -HH-5 (2- — 1 -1) 5
3- -HB-02 (2- — 1 -2) 7
5-HB-3 (2-1-2) 4%
7-HB-l (2-1-2) 5%
V-HHB-1 (2-2-1) 5%
1
そして大き
1
3. -HH-V 20°/
NI = 80.5°C;Tc≤-20°C; Δη= 0.065; Δ ε = -2.1
VHR-1 = 99.3%.
比較例 1と較べて、この実施例 19の組成物は上限温度が高ぐ下限温度≤— 20°Cと 低ぐ Δηも 0.065と小さレ、。そして大きな電圧保持率を有する。従来の 2, 3—ジフ ルオロフェニレンを有する化合物を含有する液晶組成物より、本発明の組成物の方 が Δ ηを/ J、さくすること力 Sできる。
実施例 20
[0150] 実施例 2の組成物に酸化防止剤として lOOppmの 3, 5—ジ _tert_ブチル _4—ヒ ドロキシトルエンを添カ卩した。得られた組成物の特性は次のとおりであった。
NI = 69.0°C;Tc≤-20°C; Δη = 0.086; Δ ε = 3.0;
VHR-1 = 99.2%.
実施例 21
[0151] 以下の組成物を調合し、組成物に酸化防止剤として 150ppmの 3, 5 ジ— tert— ブチル—4—ヒドロキシトルエンを添加した。上述した方法により各特性値を測定した
3-HB(2F, 3CD-02 (1- 1- 1) 15%
5-HB(2F, 3CD-02 (1- 1- 1) 15%
V-HHB(2F, 3CD-02 (1- -2- -1) 6°/
1V-HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- -1) 6°/
V2-HHB(2F, 3C1) -02 (1- -2- -1) 6°/
3-HBB(2F, 3C1)—〇2 (1- 2- ■7) 6%
5-HBB(2F, 3C1)—〇2 (1- 2- ■7) 6%
1V-HBB(2F, 3CD-02 (1- ■2- -7) 6°/
3-HH-4 (2. — 1 -1) 12(
5-HH-V (2 1 1) 12
3-HB-02 (2- -1 -2) 10(
NI = 69.5°C;Tc≤-20°C; Δη=0.087; Δ ε = 3.2;
VHR-1 = 99.2%.
比較例 1と較べて、この実施例 21の組成物は下限温度≤—20°Cと低い。そして大き な電圧保持率を有する。
実施例 22
[0152] 以下の組成物を調合し、組成物に酸化防止剤として 150ppmの 3, 5_ジ— tert—ブ チル— 4—ヒドロキシトルエンを添カ卩した。上述した方法により各特性値を測定した。 V-HB(2F, 3C1) -02 (1-1-1) 10%
IV— HB(2F, 3C1)—〇2 (1-1-1) 12%
V2-HB(2F, 3C1)—〇2 (1-1-1) 10%
3-HH-V1 (2-1-1) 10%
5-HH-V (2-1-1) 26%
V-HHB(2F, 3CD-02 (1-2-1) 8%
IV- HHB(2F, 3C1) -02 (1-2-1) 8%
V2-HHB(2F, 3C1) -02 (1-2-1) 8%
V- HHB-1 (2-2-1) 4%
V2-HHB-1 (2-2-1) 4%
NI = 71.2°C;Tc≤-20°C; Δη = 0.080; Δ ε =— 2.6;
VHR-1 = 99.3%.
比較例 1と較べて、この実施例 22の組成物は下限温度≤_20°Cと低レ、。そして大き な電圧保持率を有する。