明 細 書
ジフルォロベンゼン誘導体及びこれを用いたネマチック液晶組成物 技術分野
[0001] 本発明は電気光学的液晶表示材料として有用な誘電率異方性 Δ εが負のネマチ ック液晶組成物、及びこれを用いた液晶表示素子に関する。
背景技術
[0002] 液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、家庭用各種電気機器、測定機器、自 動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら れるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものに ΤΝ (捩れネマチ ック)型、 STN (超捩れネマチック)型、 DS (動的光散乱)型、 GH (ゲスト'ホスト)型、 I PS (インプレーンスイッチング)型、 OCB (光学補償複屈折)型、 ECB (電圧制御複 屈折)型、 VA (垂直配向)型、 CSH (カラースーパーホメオト口ピック)型、あるいは F LC (強誘電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式としても従来のスタティッ ク駆動力 マルチプレックス駆動が一般的になり、単純マトリックス方式、最近では TF Τ (薄膜トランジスタ)や TFD (薄膜ダイオード)等により駆動されるアクティブマトリック ス(以下、「ΑΜ」という。)方式が主流となっている。
[0003] これらの表示方式にお!、て、 IPS型、 ECB型、 VA型、あるいは CSH型等は、現在 汎用の TN型や STN型と異なり、誘電率異方性(Δ ε )が負の液晶材料を用いるとい う特徴を有する。これらの中で特に AM駆動による VA型表示は、高速で広視野角の 要求される表示素子、例えばテレビ等への応用において、現在最も期待されている ものである。
[0004] VA型等の表示方式に用いられる液晶材料には、低電圧駆動、高速応答、広い動 作温度範囲が要求される。すなわち、誘電率異方性が負で絶対値が大きぐ低粘度 であり、高 、ネマチック相 等方性液体相転移温度 (Tni)が要求されて 、る。そこで 、高速応答を実現するために表示素子のセルギャップを小さくすることが行われて 、 る。しかし、屈折率異方性( Δ n)とセルギャップ (d)との積( Δ n X d)で表されるリタデ ーシヨンを最適に設定するため、液晶材料の屈折率異方性及びセルギャップを適当
な範囲に調節する必要がある。従って、狭セルギャップィ匕には限界があった。セルギ ヤップを変えることなく応答速度を向上させるためには粘性の低 、液晶組成物を用い ることが有効である。液晶表示素子をテレビ等へ応用する場合においては高速応答 性が重視されるため、特に粘性の低 、液晶組成物の開発が求められて 、た。
[0005] 誘電率異方性が負の液晶材料として、以下のような 2,3-ジフルオロフェ-レン骨格 を有する液晶化合物 (特許文献 1及び 2参照)が開示されている。
[化 1]
(式中、 R及び R'は炭素数 1から 10のアルキル基又はアルコキシ基を表す。) 更に、これらの引用文献には、 1-ヒドロキシ -2,3-ジフルォロ- 4-置換ベンゼン骨格 を有する化合物が開示されている。しかし、当該引用文献に記載される化合物は広 範であり、両方の側鎖にアルケニル基を有する化合物に関する具体的な開示は無く 、記載されたィ匕合物を用いた誘電率異方性が負の液晶組成物は、液晶テレビ等の 高速応答が要求される液晶組成物においては十分に低い粘性を実現するに至って いない。
[0006] 一方、本願発明を構成する液晶化合物の基本骨格である 1-ヒドロキシ -2,3-ジフル ォ口- 4-置換ベンゼン骨格を有する化合物を用いた液晶組成物の開示もあるが(特 許文献 3、 4及び 5参照)、両方の側鎖にアルケニル基を有する化合物を用いた液晶 組成物の具体的な記載は無ぐ当該化合物と他にどのような化合物を用いることで液 晶組成物の粘性を低減できるかにつ!/、ての具体的な開示は無 ヽ。
[0007] 又、 2,3-ジフルォロハイドロキノン骨格を有する液晶化合物についても既に開示さ れており(特許文献 6及び 7参照)、当該化合物を用いた液晶組成物の開示もある。 しかし、当該化合物はハイドロキノン骨格を有することから、電圧保持率の点でァクテ イブマトリックス用には使用できないものと見られており(非特許文献 1参照)当該化合 物を用いて低粘性の VA用液晶組成物の開発は遅れて 、た。
従って、誘電率異方性が負の液晶組成物で粘度の低!、液晶組成物の開発が望ま
れていた。
特許文献 1 :特開昭 60— 199840号公報
特許文献 2:特開平 2— 4725号公報
特許文献 3 :特開平 8— 104869号公報
特許文献 4:特開 2000 - 96055号公報
特許文献 5:欧州特許出願公開第 0474062号公報(14頁)
特許文献 6:特表平 2— 503568号公報
特許文献 7 :独国特許出願公開第 3906058号公報
非特許文献 1 :沼田 宏,月刊ディスプレイ, Vol. 4, No. 3, pp. 1 - 7, (1998) (5 頁表 4)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明が解決しょうとする課題は、絶対値の大きな負の誘電率異方性を持ち、屈折 率異方性を低減させるか又は上昇させることなぐ粘度の低 ヽネマチック液晶組成物 を提供し、さらにそれを用いた VA型等の液晶表示素子を提供することにある。 課題を解決するための手段
[0009] 上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に記す本発明を完成するに 至った。
すなわち、本発明は、第一成分として、一般式 (I)
(式中、 R1は炭素数 2から 10のァルケ-ル基を表し、これらの基中に存在する 1個の C H基又は隣接していない 2個以上の CH基は 0及び/又は Sに置換されてもよぐまた
2 2
これらの基中に存在する 1個又は 2個以上の水素原子は F又は C1に置換されてもよく 、 R2は炭素数 2から 10のァルケ-ル基又は炭素数 3から 10のァルケ-ルォキシ基を表 し、 mは 0、 1又は 2を表す。)
で表される化合物を 1種又は 2種以上含有しその含有率が 10から 80質量%であり、
第二成分として、一般式 (π)
[化 3]
R3— Β1— Υ1― (Β2— Y2^-R4 ( Π )
(式中、 R3及び R4は、それぞれ独立的に炭素数 1から 10のアルキル基、炭素数 1から 10 のアルコキシ基、炭素数 2から 10のァルケ-ル基又は炭素数 3から 10のァルケ-ルォ キシ基を表し、
B1及び B2はそれぞれ独立的に
(a)トランス- 1,4-シクロへキシレン基 (この基中に存在する 1個の CH基又は隣接して
2
V、な 、2個の CH基は酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよ!、)
2
(b) 1,4-フエ-レン基 (この基中に存在する 1個又は 2個以上の CH基は窒素原子に置 換されてもよい)
(c) 1,4-シクロへキセ-レン基、 1,4-ビシクロ [2.2.2]オタチレン基、ピぺリジン- 1,4-ジィ ル基、ナフタレン- 2,6-ジィル基、デカヒドロナフタレン- 2,6-ジィル基及び 1,2,3,4-テト ラヒドロナフタレン- 2,6-ジィル基
力 なる群より選ばれる基を表し、上記の基 (a)、基 (b)又は基 (c)は CN又はハロゲンで 置換されていてもよぐ
Y1及び Y2はそれぞれ独立的に
-CH CH -、 - CH=CH -、 - CH(CH )CH -、 - CH CH(CH ) -、 - CH(CH )CH(CH ) -、 - C
2 2 3 2 2 3 3 3
F CF -、 - CF=CF -、 - CH O-、 - OCH -、 - OCH(CH ) -、 - CH(CH )0-、 - (CH ) -、 - (C
2 2 2 2 3 3 2 4
H ) O-、 -0(CH ) -、 - C≡C -、 - CF O-、 - OCF -、 - COO-、 - OCO-、 -COS -、 -SCO
2 3 2 3 2 2
-又は単結合を表し、
Y2及び B2が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよぐ pは 0、 1又は 2を表す。 )
で表される化合物を 1種又は 2種以上含有しその含有率が 20から 70質量%であり、 誘電率異方性が負のネマチック液晶組成物及び当該ネマチック液晶組成物を用 、 た液晶表示素子を提供する。
なお、第一成分と第二成分の含有率の合計は、 100質量%を超えない。
(式中、 Raは水素原子または炭素原子数 1〜3の直鎖状アルキル基を表し、 Rbは炭素 原子数 3〜7のァルケ-ル基を表し、 piは 0、 1または 2を表す。)で表されるジフルォロ ベンゼン誘導体を提供する。
発明の効果
[0011] 本発明の液晶化合物の組み合わせによって、屈折率異方性をほぼ維持したまま、 粘度の低 、誘電率異方性が負のネマチック液晶組成物を得ることができる。このネマ チック液晶組成物を用いることにより、高温域まで高い電圧保持率を維持でき、セル ギャップを薄くすることなく高速応答化が可能な、信頼性に優れた液晶表示素子を提 供することができる。この液晶表示素子は VA方式や ECB方式、 IPS方式等の液晶 ディスプレイとして非常に実用的である。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 本願発明におけるネマチック液晶組成物は、第一成分として一般式 (I)で表される 化合物を 1種又は 2種以上を含有するが、 1種から 20種が好ましぐ 1種から 15種が より好ましぐ 1種から 10種がさらに好ましぐ 1種から 8種が特に好ましい。
[0013] 一般式 (I)で表される化合物は、絶対値の大きな負の誘電率異方性を有するが、含 有量が多いと粘度を上昇させる傾向がある、又はスメクチックーネマチック相転移温 度を上昇させてしまうことがある。そのため、低い粘度を重視する場合、あるいは低い スメクチックーネマチック相転移温度を重視する場合は、これらの含有率が少な!/、こ とが好ましぐ絶対値の大きな負の誘電率異方性を重視する場合は、これらの含有率 が多いことが好ましい。
[0014] 一般式 (I)にお 、て、 R1は炭素数 2から 10のァルケ-ル基を表す力 炭素数 2から 7 のアルケニル基を表すことがより好ましぐ具体的には以下の (1)から (5)の構造が特に 好ましい。
[化 5]
」r ^ , ~ _ , , \ ΓΛ^
(1 ) (2) (3) (4) (5)
(上記構造式は右端で環に連結しているものとする。 )
一方、 R2は炭素数 2から 10のァルケ-ル基又は炭素数 3から 10のァルケ-ルォキシ 基を表す力 炭素数 2から 7のアルケニル基又は炭素数 3から 7のァルケ-ルォキシ基 を表すことがより好ましい。
さらに詳述すると、一般式 (I)は、具体的な構造として以下の一般式 (I-A)及び一般 式 (I-B)で表される化合物を表すことが好ま 、。
[化 6]
(式中、 R5及び R7はそれぞれ独立的に、炭素数 2から 10のァルケ-ル基を表し、 R6、 及び R8はそれぞれ独立的に、炭素数 3から 10のァルケ-ル基を表す。 )
また、一般式 (I)は、一般式 (I-A-I)から (I-A-IV)及び一般式 (I-B-I)から (I-B-IV) からなる群で表される化合物を表すことがより好ましい。
[化 7]
(式中、 R°及び R8はそれぞれ独立して炭素数 3から 7のアルケニル基を表す。 ) また、一般式 (I)は、一般式(1)で表される化合物を表すことが好ましい。
(式中、 は水素原子または炭素原子数 1〜3の直鎖状アルキル基を表し、 Rbは炭素 原子数 3〜7のァルケ-ル基を表し、 piは 0、 1または 2を表す。)で表されるジフルォロ
ベンゼン誘導体を提供する。
[0016] 本願発明におけるネマチック液晶組成物は、第二成分として、一般式 (II)で表され る化合物を 1種又は 2種以上を含有する力 1種から 12種が好ましぐ 1種から 8種が より好ましぐ 1種から 6種がさらに好ましい。
一般式 (II)で表される化合物は、誘電率異方性の絶対値を大きくする効果はほとん どないものの粘度を低くする効果がある。そのため、低い粘度を重視する場合はこれ らの含有率が多いことが好ましぐ誘電率異方性の絶対値を大きくすることを重視す る場合はこれらの含有率が少な 、ことが好まし!/、。
[0017] 一般式 (II)において、 R3及び R4はそれぞれ独立的に、炭素数 1から 10のアルキル基 、炭素数 2から 10のァルケ-ル基、炭素数 1から 10のアルコキシ基又は炭素数 3から 10 のァルケ二ルォキシ基を表すことが好ましいが、 R3は炭素数 1から 10のアルキル基又 は炭素数 2から 10のアルケニル基を表し、 R4は炭素数 1から 10のアルキル基、炭素数 1から 10のアルコキシ基又は炭素数 2から 10のァルケ-ル基を表すことがより好ましく 、 R3は炭素数 1から 5のアルキル基又は炭素数 2から 5のァルケ-ル基を表し、 R4は炭 素数 1から 5のアルキル基、炭素数 1から 5のアルコキシ基又は炭素数 2から 5のァルケ -ル基を表すことがさらに好ましぐ R3又は R4の少なくとも一方がァルケ-ル基を表す ことがより好ましい。
[0018] 具体的には、 R3は- CH、— CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH )
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3 2
CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、— CH=CH、— CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 -
5 3 2 6 3 2 7 3 2 3 2 2 2
(CH ) CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=CHCH (E体)又は- (CH ) CH
2 2 3 2 4 2 2 4 3 2 6
=CHを表し、 R4は、 CH、— CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH )
2 3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3 2
CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - OCH、 - OCH CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH
5 3 2 6 3 2 7 3 3 2 3 2 2 3 2 3 3
、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH - CH=CH、 - CH=CHC
2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3、 2
H (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=
3 2 2 2 2 2 3 2 4 2 2 4
CHCH (E体)又は- (CH ) CH=CHを表すことが好ましい。
3 2 6 2
[0019] B1及び B2はそれぞれ独立的に、トランス- 1,4-シクロへキシレン基 (この基中に存在 する 1個の CH基又は隣接していない 2個の CH基が酸素原子に置換されているもの
2 2
を含む)、 1,4-フエ-レン基 (この基中に存在する 1個又は 2個以上の CH基は窒素原
子に置換されているものを含む)、 1,4-シクロへキセ-レン基、 1,4-ビシクロ [2.2.2]オタ チレン基、ピぺリジン- 1,4-ジィル基、ナフタレン- 2,6-ジィル基、デカヒドロナフタレン- 2,6-ジィル基又は 1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン- 2,6-ジィル基もしくはこれらの水素 原子がフッ素原子で置換された置換基を表すことが好ましく、トランス- 1 ,4-シクロへキ シレン基、 1,4-フエ-レン基、フッ素置換された 1,4-フエ-レン基又は 1,4-ビシクロ [2.2 .2]オタチレン基を表すことがより好ましぐトランス- 1,4-シクロへキシレン基又は 1,4-フ ェニレン基を表すことが特に好まし 、。
[0020] Y1及び Y2はそれぞれ独立的に、 - CH CH -、 - CH=CH- (E体)、 - CH(CH )CH -、 - C
2 2 3 2
H CH(CH ) -、 - CH(CH )CH(CH ) -、 - CF CF -、 - CF=CF- (E体)、 - CH O-、 - OCH -
2 3 3 3 2 2 2 2
、 - OCH(CH ) -、 - CH(CH )0-、 - (CH ) -、 - (CH ) O-、 - 0(CH ) -、 - C≡C -、— CF O—
3 3 2 4 2 3 2 3 2
、 - OCF -、 - COO-、 - OCO-、 -COS-, -SCO-又は単結合を表すことが好ましいが、 -
2
CH CH -、 - CH=CH- (E体)、 - CH(CH )CH -、 - CH CH(CH ) -、 - CF CF -、 - CF=CF
2 2 3 2 2 3 2 2
— (E体)、 CH O—、 -OCH―、— OCH(CH )―、— CH(CH )0—、— C≡C―、— CF O—、—OCF
2 2 3 3 2 2
-又は単結合がより好ましぐ -CH CH -、 -CH=CH- (E体)又は単結合がさらに好まし
2 2
い。
[0021] さらに詳述すると、一般式 (II)は、具体的な構造として以下の一般式 (Π-Α)から一 般式 (II-G)力 なる群で表される化合物を表すことが好ま 、。
[化 9]
(式中、 R13、 R"、 R15、 R16、 R17、 R18、 R19、 R2。、 R21、 R22、 R23、 R24、 R25及び R26は、それぞ れ独立的に炭素数 1から 10のアルキル基、炭素数 1から 10のアルコキシ基、炭素数 2 力 10のァルケ-ル基又は炭素数 3から 10のァルケ-ルォキシ基を表す。)
[0022] R
13、 R
15、 R"、 R
19、 、-(
CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、— CH=CH、— CH=CHCH (E体)、 -
(CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=CHCH (E
2 2 2 2
体)又は— (CH ) CH=CHを表し、 R14、 R16、 R18、 R20、 R22、 R24及び R26は— CH、— CH CH
2 6 2 3 2 3
、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - O
2 2 3 2 3 3 2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3
CH、 -OCH CH、 -0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3 2 5 3
CH ) CH、 - 0(CH ) CH -CH=CH、 - CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH )
2 6 3 2 7 3、 2 3 2 2 2 2 2
CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=CHCH (E体)又は- (CH ) CH=CH
3 2 4 2 2 4 3 2 6 2 を表すことが好ましい。
[0023] 又、一般式 (II)において R3又は R4の少なくとも一方がァルケ-ル基を表すィ匕合物と しては次に示すィ匕合物群が好ま 、。
一般式 (II-A-1)から一般式 (Π-Α-8)
[化 10]
(式中、 R9、 R1Q及び R11は、それぞれ独立して炭素数 1から 10のアルキル基又は炭素 数 1から 10のアルコキシ基を表す。)
R9、 R10及び R11は、 -CH、 -CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3 2
) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - OCH、 - OCH CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH
5 3 2 6 3 2 7 3 3 2 3 2 2 3 2 3 3
、— 0(CH ) CH、— 0(CH ) CH、— 0(CH ) CH又は— 0(CH ) CHを表すことが好ましく
2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3
、— CH、— CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CHを表すことがより好ましい。
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3
一般式 (II-A-1)力 一般式 (Π-Α-8)で表される化合物中、一般式 (Π-Α-1)、一般 式 (Π-Α-2)又は一般式 (Π-Α-3)で表される化合物が特に好ま 、。
[0024] 一般式 (II- Β- 1)から一般式 (II- Β- 7)
[化 11]
(式中、 R12、 R13、 R14、 R15、 R16、及び R17は、それぞれ独立して炭素数 1から 10のアルキ ル基又は炭素数 1から 10のアルコキシ基を表す。 )
R12、 R13、 R14、 R15、 R16、 R17、 R18、 R19及び R20は、 - CH、 - CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH
3 2 3 2 2 3
) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - OCH、 - OCH CH、 -
2 3 3 2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3 3 2 3
0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH ) CH又は- 0(C
2 2 3 2 3 3 2 4 3 2 5 3 2 6 3
H ) CHを表すことが好ましぐ - CH、 - CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) C
2 7 3 3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4
Hを表すことがより好ましい。
3
一般式 (II- C- 1)から一般式 (Π- C- 6)
[化 12]
(式中、 R21及び R22は、それぞれ独立して炭素数 1から 10のアルキル基又は炭素数 1
力 10のアルコキシ基を表す。)
R2i、 R22、 R23及び R 24は、 CH、 -CH CH、— (CH ) CH、— (CH ) CH、— (CH ) CH、一
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3
(CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - OCH、 - OCH CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH )
2 5 3 2 6 3 2 7 3 3 2 3 2 2 3 2
CH、— 0(CH ) CH、— 0(CH ) CH、— 0(CH ) CHまたは— 0(CH ) CHを表すことが
3 3 2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3
好ましぐ - CH、 - CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CHを表すことがより好
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3
ましい。
[0026] 一般式 (II-C-1)から一般式 (n-C-6)で表される化合物中、一般式 (II-C-1)、一般 式 (n-C-2)又は一般式 (II-C-4)で表される化合物が特に好ま 、。
一般式 (Π- D- 1)から一般式 (Π- D- 5)
[化 13]
(式中、 R27及び R28は、それぞれ独立して炭素数 1から 10のアルキル基又は炭素数 1 力 10のアルコキシ基を表す。 )
R25、 R26、 R27及び R28は、 - CH、 - CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、-
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3
(CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 -OCH、 -OCH CH、 - 0(CH ) CH、 - 0(CH )
2 5 3 2 6 3 2 7 3 3 2 3 2 2 3 2
CH、— 0(CH ) CH、— 0(CH ) CH、— 0(CH ) CHまたは— 0(CH ) CHを表すことが
3 3 2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3
好ましぐ - CH、 - CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CHを表すことがより好
3 2 3 2 2 3 2 3 3 2 4 3
ましい。
[0027] 本発明のネマチック液晶組成物は、一般式 (I-A)及び一般式 (I-B)力 なる化合物 群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を 10から 80質量%含有し、かつ、一般式 (II-A-1)から一般式 (Π-Α-8)力 なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合 物、又は Z及び、一般式 (Π-Β-1)から一般式 (II-B-14)力 なる化合物群力 選ばれ
る 1種又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-C-1)から一般式 (II-C-14)から なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-D-1 )から一般式 (II-D-14)力 なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を 2 0から 70質量%含有することが好まし 、。
[0028] また、本発明のネマチック液晶組成物は、一般式 (I-A-I)から一般式 (I-A-IV)及び 一般式 (I-B-I)から一般式 (I-B-IV)力もなる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上 の化合物を 10から 80質量%含有し、かつ、一般式 (II-A-1)力も一般式 (Π-Α-8)から なる化合物群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-B-1) 力 一般式 (II-B-14)力 なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又 は Z及び、一般式 (II-C-1)から一般式 (II-C-14)力もなる化合物群力も選ばれる 1種 又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (Π-D-l)から一般式 (n-D-14)力もなる 化合物群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を 20から 70質量%含有することが より好まし 、。
[0029] また、本発明のネマチック液晶組成物は、一般式 (I-A-I)から一般式 (I-A-IV)及び 一般式 (I-B-I)から一般式 (I-B-IV)力もなる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上 の化合物を 20から 70質量%含有することがより好ましぐ 30から 60質量%含有する ことがさらに好ましい。
[0030] また、本発明のネマチック液晶組成物は、一般式 (II-A-1)力も一般式 (Π-Α-8)から なる化合物群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-B-1 )から一般式 (II-B-14)力 なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又 は Z及び、一般式 (II-C-1)から一般式 (II-C-14)力もなる化合物群力も選ばれる 1種 又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-D-1)から一般式 (II-D-14)からなる 化合物群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を 30から 60質量%含有することが より好ましぐ 40から 50質量%含有することがさらに好ましい。
[0031] また、本発明のネマチック液晶組成物は、一般式 (II-A-1)力も一般式 (Π-Α-8)から なる化合物群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-B-1 )から一般式 (II-B-14)力 なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合物、又 は Z及び、一般式 (II-C-1)から一般式 (II-C-14)力もなる化合物群力も選ばれる 1種
又は 2種以上の化合物、又は Z及び、一般式 (II-D-1)から一般式 (II-D-14)からなる 化合物群力も選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を 30から 60質量%含有することが より好ましぐ 40から 50質量%含有することがさらに好ましい。
本発明のネマチック液晶組成物は、追加の成分として、一般式 (ΠΙ-Α)から一般式 (II I-J)力 なる化合物群力 選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を含有することも好ま しい。
[化 14]
(式中、 R29及び R3Qはそれぞれ独立して炭素数 1から 10のアルキル基又は炭素数 2か ら 10のァルケ-ル基を表し、これらの基中に存在する 1個の CH基又は隣接していな
2
い 2個以上の CH基は 0及び/又は Sに置換されてもよぐまたこれらの基中に存在す
2
る 1個又は 2個以上の水素原子は F又は C1に置換されてもよぐ R31は炭素数 1から 10の アルキル基を表し、これらの基中に存在する 1個の CH基又は隣接していない 2個以
2
上の CH基は 0及び/又は Sに置換されてもよぐまたこれらの基中に存在する 1個又
2
は 2個以上の水素原子は F又は C1に置換されてもよ!/、。 )
一般式 (III- A)から一般式 (III- J)中、 R29は- CH、— CH CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH
3 2 3 2 2 3 2 3
、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - (CH ) CH、 - CH=CH、 - CH=CHCH (E
3 2 4 3 2 5 3 2 6 3 2 7 3 2 3 体)、 (CH ) CH=CH、— (CH ) CH=CHCH (E体)、 (CH ) CH=CH、— (CH ) CH=CH
2 2 2 2 2 3 2 4 2 2 4
CH (E体)又は- (CH ) CH=CHを表すことが好ましぐ R3(>は- CH、 - CH CH、 - (CH )
3 2 6 2 3 2 3 2 2
CH、一 (CH ) CH、一 (CH ) CH、一 (CH ) CH、一 (CH ) CH、一 (CH ) CH、一 (CH ) CH=
2 3 3 2 5 3 2 7 2 2
CH、 - (CH ) CH=CHCH (E体)、 - (CH ) CH=CH、 - (CH ) CH=CHCH (E体)又は- (C
H ) CH=CHを表すことが好ましい。
2 6 2
一般式 (ΠΙ-Α)力も一般式 (III-J)で表される化合物中、一般式 (ΠΙ-Ε)又は一般式 (ΙΠ- F)で表される化合物がより好ま 、。
[0034] 本発明にお 、て、ネマチック相 等方性液体相転移温度 (Tni)は 70°C以上である ことが好ましぐ 75°C以上であることがより好ましぐ 80°C以上であることがさらに好ま しい。なお、ネマチック層—等方性液体相転移温度 (Tni)は可能な限り高いことが好 ましいため、その上限値を特に限定する必要はないが、実用的な上限値として、例え ば 130°Cを挙げることができる。
25°Cにおける誘電率異方性(Δ ε )は、 -2.0以下であることが好ましぐ -2.5以下で あることがより好ましぐ -3.0以下であることがさらに好ましい。なお、誘電率異方性( Δ ε )の絶対値は可能な限り大きいことが好ましいため、その下限値を特に限定する 必要はないが、実用的な下限値として、例えば- 8.0を挙げることができる。
25°Cにおける屈折率異方性( Δ η)は、薄いセルギャップに対応する場合は 0.10以 上であることがより好ましぐ 0.12以上であることがさらに好ましい。厚いセルギャップ に対応する場合は 0.095以下であることがより好ましぐ 0.085以下であることがさらに 好ま 、。なお、屈折率異方性( Δ η)は、セルギャップ (d)と両者の積( Δ n X d)で表 されるリタデーシヨンの各最適値に応じて調整されるものであるため、その範囲を特に 限定する必要はないが、実用的な範囲として、例えば 0.06以上 0.16以下を挙げること ができる。
粘度は 30mPa's以下であることが好ましぐ 25mPa's以下であることがより好ましぐ 2 OmPa's以下であることがさらに好ましい。なお、粘度は可能な限り低いことが好ましい ため、その下限値を特に限定する必要はないが、実用的な下限値として、例えば 10 mPa'sを挙げることができる。
[0035] 上記ネマチック液晶組成物は、液晶表示素子に有用であり、特にアクティブマトリク ス駆動用液晶表示素子に有用であり、 VAモード、 IPSモード又は ECBモード用液 晶表示素子に用いることができる。
本発明のネマテチック液晶組成物は、上記の化合物以外に、通常のネマチック液 晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有してもよい。
本願発明を構成する、一般式 (1)で表される化合物について製造例を以下に挙げる
(製法 1)
式 (9)
[化 15]
で表されるジケトンィ匕合物に対し、メトキシメチルトリフエニルホスホ-ゥムクロリドより調 製されるイリドを反応させて式 (10)
[化 16]
MeO ~ '. z ~~ \
\={ V-( )=χ (10)
~~ / ~~ ' OMe
で表される化合物を得る。この反応は一般に wittig反応と呼ばれている。得られた式( 10)の化合物を酸触媒加水分解し、さらに塩基性条件下でシス—トランス異性ィ匕する ことにより式 (11)
で表される化合物を得る。得られた式 (11)の化合物に対し、メチルトリフ -ルホスホ 二ゥムブロミドより調製されるイリドを反応させて式 (12)
[化 18]
( )—( ) (12)
、 ^ ' '、 ^ 1 0
で表される化合物を得る。得られた式 (12)の化合物を水素化ほう素ナトリウム等の還 元剤を用いて還元して式 (13)
[化 19]
ヽ )— \ '、■ (13)
'、 ^ 1 ' ^ 1 OH
で表される化合物を得る。得られた式 (13)の化合物を一般式 (14)
[化 20]
(式中、 X
1は塩素、臭素、よう素、ベンゼンスルホ-ルォキシ基、 p-トルエンスルホ- ルォキシ基、メタンスルホ -ルォキシ基又はトリフルォロメタンスルホ -ルォキシ基を 表す。)で表される化合物へ変換し、一般式 (15)
(式中、 Raは一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表されるフ ノールイ匕合物力 調製され るフエノラートと反応させることにより、一般式 (16)
(式中、 Raは一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法 2)
式 (17)
で表される化合物に対し、式 (9)力 式 (11)への変換と同様の反応を行うことにより式 ( 18)
[化 24]
で表される化合物を得る。得られた式 (18)の化合物を水素化ほう素ナトリウム等の還 元剤を用いて還元して式 (19)
で表される化合物を得る。得られた式 (19)で表される化合物を一般式 (20)
(式中、 X2は一般式 (14)における X1と同じ意味を表す。)で表される化合物へと変換し 、酸性条件下で脱保護することにより一般式 (21)
(式中、 X2は一般式 (14)における X1と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。得 られた一般式 (21)で表される化合物に対し、式 (9)力 式 (11)への変換と同様の反応 を行うことにより式 (22)
(式中、 ΧΊま一般式 (14)における X1と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。得 られた一般式 (22)で表される化合物を水素化ほう素ナトリウム等の還元剤を用いて還 元して一般式 (23)
(式中、 X2は一般式 (14)における X1と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。得 られた一般式 (23)で表される化合物を一般式 (15)で表されるフ ノールイ匕合物力 調 製されるフエノラートと反応させることにより一般式 (16)で表される化合物を得ることが できる。
(製法 3)
式 (24)
で表される化合物に対し、式 (9)力 式 (12)への変換と同様の反応を行うことにより式( 25)
で表される化合物を得る。得られた式 (25)で表される化合物を水素化リチウムアルミ ユウム、水素化ビス (2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の還元剤により還元し て式 (26)
で表される化合物を得る。得られた式 (26)で表される化合物を一般式 (27)
[化 33] 」
(式中、 X3は一般式 (14)における X1と同じ意味を表す。)で表される化合物へと変換し 、一般式 (15)で表されるフエノールイ匕合物力も調製されるフエノラートと反応させること により一般式 (28)
(式中、 Raは一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることができる。 実施例
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定 されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル (NMR)、質量スペクトル (MS)等により確認した。
また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。 実施例中、測定した特性は以下の通りである。
T :ネマチック一等方相転移温度 (°C)
NI
Δ η : 25°Cにおける複屈折率
Δ ε : 25°Cにおける誘電率異方性
r? :粘度 (mPa's) (20°C)
化合物記載に下記の略号を使用する。
THF :テトラヒドロフラン
DMF : N, N-ジメチルホルムアミド
Me :メチル基
Et :ェチル基
Bu :ブチル基
Pen :ペンチル基
Pr :プロピノレ基
Ph :フエニル基
Ms :メタンスルホ -ル基
(実施例 1) 1-((E)- 2-ブテノキシ) -2, 3-ジフルォロ- 4- (トランス- 4- (トランス- 4-ビュル シクロへキシル)シクロへキシル)メトキシベンゼン (la)の合成
( 1 - 1) 4-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルオロフェノールの合成
( 1 - 1 - 1) 1-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルォロベンゼンの合成
2,3-ジフルオロフェノール 77.2 gの 2-ブタノン (600 ml)溶液に、無水炭酸カリウム 122 gをカ卩えた後、 1-ブロモ -2-ブテン 90.0 ml (E/Z比 =92/8)をカ卩えた。 4時間加熱還流し た後、室温まで冷却し、水を滴下して加えて反応を停止させた。へキサンで抽出し (3 回)、集めた有機層を、 3 M塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の 順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、減圧蒸留 (155-160 。C、 50 kPa)することにより、無色透明の液体として 1-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルォロ ベンゼン (E/Z比 =82/18、 NMR分析による) 106 gを得た。
JH-NMR (400MHz, CDC1 )
3
δ (ppm) 1.73-1.76 (m, 3H), 4.53 (d, 1.64H, E体), 4.68 (m, 0.36H, Z体), 5.68—5.92 (m, 2H), 6.72-6.78 (m, 2H)、 6.92—6.98 (m, 1H)
( 1 - 1 - 2) 4-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルオロフェノールの合成
1-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルォロベンゼン 96.0 gの THF(500 ml)溶液を- 50°C以下
で激しく攪拌している中に、内温を保ちながら、 2.67 Mブチルリチウムへキサン溶液 2 25 mlを滴下して加えた後、 - 50°Cで 1時間攪拌を続けた。内温を保ちながら、ホウ酸ト リメチル 63.3 gの THF(60 ml)溶液を滴下してカ卩え、その温度を保ったまま 30分間攪拌 を続けた後、 0°Cまで昇温した。内温を保ちながら、水 120 mlを滴下してカ卩えた後、さ らに 15%過酸ィ匕水素水 160 mlを滴下して加え、 0°Cで 1時間攪拌を続けた。室温まで 昇温し、さらに 2時間攪拌を続けた後、飽和食塩水を加え、有機層を分離し、水層か らトルエンで抽出した (2回)。有機層を集めた後、 10%チォ硫酸ナトリウム水溶液、 3 M 塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マ グネシゥムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより 精製し、再結晶することにより、微黄色の針状晶として 4-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフル オロフェノール (E/Z比 =99/1、 NMR分析による) 42.7 gを得た。
JH-NMR (400MHz, CDC1 )
3
δ (ppm) 1.703-1.75 (m, 3H), 4.46 (d, 1.98H, E体), 4.61 (m, 0.02H, Z体), 5.28 (br, 1H), 5.66-5.88 (m, 2H), 6.62—6.69 (m, 2H)
(1 - 2) 1-((E)- 2-ブテノキシ) -2, 3-ジフルォロ- 4- (トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシク 口へキシル)シクロへキシル)メトキシベンゼンの合成
[化 36]
(1 - 2- 1) 4,4, -ビスメトキシメチリデンビシクロへキシルの合成
メトキシメチルトリフエ-ルホスホ -ゥムクロリド 882.3 gを THF 2600 mLに分散し、 -10 °Cに冷却した。内温を保ちながらカリウム- 1_ブトキシド 313.2 gを加えた。内温を保ち ながら 1時間攪拌した後、ビシクロへキシル -4,4,-ジオン 200.0 gの THF (800 mL)溶 液を滴下して加えた。内温を保ちながら 1時間攪拌した後、水を加えて反応を停止さ
せた。溶媒を減圧留去した後、へキサンを加え激しく攪拌し、濾過した (2回)。濾液を 合わせ、 50%メタノール水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水の硫酸マグネシゥ ムで乾燥した。溶媒を留去し、白色の固体 231.8 gを得た。
[0043] (1 - 2- 2) トランス,トランス-ビシクロへキシル -4,4,-ジカルバルデヒドの合成
(1— 2—1)で得られた固体 231.8 gの THF (930 mL)溶液に 10%塩酸 700 mLを加え 、 1時間加熱還流した。反応液を放冷した後、有機層を分離し、水層からトルエンで 抽出した (4回)。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水の硫酸マグネシゥ ムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、赤茶色の液体 204.5gを得た。これをメタノール 800 mLに溶解し、 - 10°Cで激しく攪拌している中に、内温を保ったまま 10%水酸ィ匕ナトリウ ム水溶液 80 mLを滴下して加えた。内温を保ったまま 2時間攪拌した。水を加え、析 出した固体を吸引ろ過により濾取した。得られた固体を水、メタノールの順に洗浄、 乾燥し、白色の固体 189.4 gを得た。
[0044] (1 - 2- 3) 4,-ビュルビシクロへキシル -4-カルバルデヒドの合成
メチルトリフエ-ルホスホ-ゥムブロミド 192.5 gを THF 580 mLに分散し、 - 10°Cで激 しく攪拌している中に、内温を保ちながらカリウム- 1_ブトキシド 66.6 gを加えた。内温 を保ちながら 1時間攪拌した後、(1-4)で得られた固体 120.0 gの THF (1800 mL)溶液 へ内温 5 - 10°Cで滴下してカ卩えた。内温を保ったまま 1時間攪拌した後、水を加えて 反応を停止させた。反応溶液を 5%塩化アンモ -ゥム水溶液で洗浄した。有機層の溶 媒を留去し、へキサン及びトルエンをカ卩え、 50%メタノール水で洗浄した。無水の硫酸 マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、ほぼ無色の固体 60.1 gを得た。
[0045] (1 - 2-4) トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シクロへキシルメタノール の合成
水素化ホウ素ナトリウム 1.65 gのエタノール (120 mL)溶液を- 10°Cで攪拌している中 に、内温を保ちながら(1 2— 3)で得られたほぼ無色の固体 60.1 gの THF(180 mL) 溶液を滴下して加えた。室温まで昇温した後 2時間攪拌し、水、酢酸ェチル、塩ィ匕ァ ンモニゥム水溶液を加え、反応を停止させた。反応液に飽和食塩水を加え、有機層 を分離し、水層から酢酸ェチルで抽出した (2回)。合わせた有機層を飽和食塩水で洗 浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィ
一により精製して白色の固体としてトランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シ クロへキシルメタノール 15.4 gを得た。
[0046] (1 - 2- 5) メタンスルホン酸トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シクロ へキシルメチルの合成
トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シクロへキシルメタノール 15.1 g、ピリジ ン 8.2 mL及び 4-ジメチルァミノピリジン 0.41 gをジクロロメタン 50 mLに溶解した。氷冷 下、メタンスルホユルクロリド 6.3 mLのジクロロメタン(6 mL)溶液を 30分かけて滴下し、 室温まで昇温後 6時間攪拌し、終夜放置した。反応溶液を 10%塩酸にあけて有機層を 分取し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ 一(シリカゲル Zトルエン)及び再結晶(へキサン Zトルエン) 3回で精製し、無色結晶 としてメタンスルホン酸トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シクロへキシル メチノレ 9.8 gを得た。
[0047] (1 - 2-6) 1-((E)- 2-ブテノキシ) -2, 3-ジフルォロ- 4- (トランス- 4- (トランス- 4-ビュル シクロへキシル)シクロへキシル)メトキシベンゼン (la)の合成
メタンスルホン酸トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シクロへキシルメチ ル 10.4 g及び(1 1)で得られた 4-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルオロフェノール 7.3 gを DMF 90 mLに溶解した。そこへリン酸三カリウム 11.0 gを加え、 100 - 130°Cで 3時間 攪拌し、 4-(2-ブテノキシ) -2,3-ジフルオロフェノール 9 gを追加してさらに 3時間攪拌 した。反応混合物を水にあけ、トルエンで抽出し、水及び飽和食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ 一及び再結晶により精製し、無色結晶として 1-((E)- 2-ブテノキシ) -2,3-ジフルオロ- 4 -(トランス- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)シクロへキシル)メトキシベンゼン (la)4 .0 gを得た。
相転移温度 C 71.0 N 137.9 I
(C, N, Iは、それぞれ結晶相、ネマチック相、等方相を表す。以下同じ。 ) JH-NMR (400 MHz, CDC1 )
3
δ 0.95 - 1.15 (m, 10 H), 1.65 - 2.00 (m, 13 H), 3.76 (d, J = 6.4 Hz, 2 H), 4.46 (dt
, J = 6.4 Hz, J = 0.8 Hz, 2 H), 4.87 (ddd, J = 10.4 Hz, J = 1.6 Hz, J = 0.8 Hz, 1 H), 4.95 (dt, J = 17.2 Hz, J = 1.6 Hz, 1 H), 5.65 - 5.90 (m, 3H), 6.55 - 6.65 (m, 2 H) [0048] (実施例 2) 2,3-ジフルォ口- 1-(2-プロべ-ルォキシ)- 4- (トランス- 4-ビュルシク口へ キシルメトキシ)ベンゼン (2a)の合成
(2- 1) 4-(2-プロぺノキシ)- 2,3-ジフルオロフェノールの合成
[化 37]
F F F F ,„ T . F F
\ _ / Br _ ) ~ 1 l) BuLl , \ _ /
(( )}-OH (( ))-0 » 2) B(OMe)3 Η0 -(ϊ ))-0 ,
•i=^ 、
実施例 1にお 、て、 1-ブロモ -2-ブテンの代わりに 3-ブロモ -1-プロペンを用いて( 1 1)と同様の操作を行うことにより、 4-(2-プロぺノキシ) -2,3-ジフルオロフェノールを 得た。
[0049] (2- 2) 2,3-ジフルォ口- 1-(2-プロべ-ルォキシ)- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシ ルメトキシ)ベンゼンの合成
[化 38]
(2- 2- 1) 4-メトキシメチリデンシクロへキサンカルボン酸メチルの合成
メトキシメチルトリフエ-ルホスホ -ゥムクロリドの 263.4gをテトラヒドロフラン 750mLに 分散し、ここへカリウム- 1-ブトキシドの 86.2gを- 9から- 4°Cで 5分掛けてカ卩えた。更に- 4 力も- 11°Cで 30分攪拌後、 4-ォキソシクロへキサンカルボン酸メチルの lOO.Ogを THF3 OOmLに溶解し、 -10から 4°Cで 80分かけて滴下した。更に 0から 4°Cで 60分攪拌した後 、塩ィ匕アンモ-ゥム 7.0gと水 20mLを加えた。反応混合物の溶媒を減圧下に留去した 後、へキサン 600mLを加え室温下に 30分攪拌した。析出物を濾別後、析出物を再度 へキサン 600mLで懸濁洗浄し、へキサン濾液を併せて、メタノール-水 (1: 1)の混合液
、水、飽和食塩水の順に洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留 去し、油状物として 4-メトキシメチリデンシクロへキサンカルボン酸メチルの 103gを得 た。
[0050] (2- 2- 2) 4-ホルミルシクロへキサンカルボン酸メチルの合成
4-メトキシメチリデンシクロへキサンカルボン酸メチルの 103gを THF350mLに溶解さ せ、ここへ 10%塩酸の lOOmLを 11から 13°Cで 10分かけて滴下した。更に室温で 3時間 攪拌した後、へキサン 80mLを加えた。水層を酢酸ェチルで抽出後、有機層を併せ、 水、飽和食塩水の順に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、油状物と して 4-ホルミルシクロへキサンカルボン酸メチルの 92.4gを得た。なお、ガスクロマトグ ラフィ一で分析したところ、得られたこのものはシス体:トランス体が 64:36の混合物で めつに。
[0051] (2- 2- 3) 4-ビュルシクロへキサンカルボン酸メチルの合成
メチルトリフエ-ルホスホ-ゥムブロミドの 297.4gを THF900mLに分散し、ここへ力リウ ム -t_ブトキシドの 95.6gを- 8°Cで 3分掛けてカ卩えた。更に 30分攪拌後、 4_ホルミルシク 口へキサンカルボン酸メチルの 92.4 gを THF270mLに溶解し、 -6から 4°Cで 50分かけ て滴下した。更に 0から 4°Cで 30分攪拌した後、水 15mLを加えた。反応混合物の溶媒 を減圧下に留去した後、へキサン 500mLを加え室温下に 30分攪拌した。析出物を濾 別後、析出物を再度へキサン 500mLで懸濁洗浄し、へキサン濾液を併せて、メタノー ル-水 (1: 1)の混合液、水、飽和食塩水の順に洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥 後、溶媒を減圧下に留去し、 81.2gの油状物を得た。減圧蒸留により 4-ビニルシクロ へキサンカルボン酸メチルの 57.3gを得た。
沸点 122から 127°C/48hPa
なお、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、得られたこのものはシス体:トランス 体が 26:74の混合物であった。
[0052] (2- 2-4) トランス- 4-ビュルシクロへキサンカルボン酸の合成
4-ビュルシクロへキサンカルボン酸メチルの 55.3gをメタノール 60mLに溶解し、 15°C に冷却した後、ここへ 20%水酸ィ匕ナトリウム水溶液の 100gを加えた。更に室温で 2時 間攪拌の後、濃塩酸を加えて系を酸性にした。へキサンで抽出した後、有機層を飽
和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、 52.4gの反応混合物を 得た。へキサンから再結晶させ、トランス- 4-ビュルシクロへキサンカルボン酸の 23.0g を得た。
[0053] (2- 2- 5) トランス- 4-ビュルシクロへキサンカルボン酸メチルの合成
トランス- 4-ビュルシクロへキサンカルボン酸の 23.0gをメタノール 120mLに溶解し、ト リメチルシリルクロリド O.lgをカ卩ぇ 6時間還流した後、室温まで冷却し減圧下に濃縮し た。へキサン 150mLを加え、メタノール層を分離した後、メタノール層をへキサンで抽 出し、有機層を併せ、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し 、油状物質としてトランス- 4-ビュルシクロへキサンカルボン酸メチルの 29.5gを得た。
[0054] (2- 2-6) (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)メタノールの合成
リチウムアルミニウムヒドリド 5.7gを THF50mLに分散し、ここへトランス- 4-ビュルシク 口へキサンカルボン酸メチルの 29.5gを THF75mLに溶解し、 15から 16°Cで 40分かけて 滴下した。更に 10力も 20°Cで 30分攪拌した後、水をゆっくりと加えた。 10%塩酸を約 7 OmLカ卩え、へキサンで洗い流しながらスラッジ状の不溶物をデカンタにより取り除いた 後、得られた有機層を 10%塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。無水硫 酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、(トランス- 4-ビュルシクロへキシル)メタノールの 26gを 得た。
[0055] (2- 2- 7) メタンスルホン酸 (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)メチルの合成
(トランス- 4-ビュルシクロへキシル)メタノールの 26gをジクロロメタン lOOmLに溶解し 、ピリジンの 23.6gと 4-ジメチルァミノピリジン 0.9gをカ卩えた。ここへ、メタンスルホニルク 口リドの 18.8gをジクロロメタン 36mLに溶解し、 14から 20°Cで 25分かけて滴下した。更 に室温で 7時間攪拌した後、ー晚静置した。水 40mLを加え、有機層を分離した後、 有機層を 10%塩酸、水、飽和重曹水、飽和塩化アンモニゥム水溶液の順に洗浄した 。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、 32.7gの固形物を得た。へキサンから再 結晶させ、メタンスルホン酸 (トランス- 4-ビュルシクロへキシル)メチルの 30.8gを得た。
[0056] (2- 2-8) 2,3-ジフルォ口- 1-(2-プロぺノキシ)- 4- (トランス- 4-ビュルシクロへキシ ルメトキシ)ベンゼン (2a)の合成
(2—1)で得られた 4- (2-プロぺノキシ)- 2,3-ジフルオロフェノール 19.5 gの DMF (15
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〔〕00
τ ,
融点 37.5°C
MS m/z: 322 (M"), 146 (100)
JH-NMR (400 MHz, CDC1 )
3
δ: 1.00 - 1.25 (m, 4 H), 1.70 - 2.00 (m, 9 H), 3.78 (d, J = 6.4 Hz, 2 H), 4.46 (d, J = 6.4 Hz, 2 H), 4.94 (dd, J = 34 Hz, J = 10.4 Hz, 2 H), 5.65 - 5.90 (m, 3 H), 6.50 - 6.60 (m, 2 H)
[0063] (実施例 7) 2,3-ジフルォ口- 1-(3-ブテノキシ) -4- (トランス、トランス- 4_ビュルビシク 口へキシル -4' -ィル)メトキシベンゼン (7a)の合成
実施例 1にお 、て、 4-(2-ブテノキシ) -2, 3-ジフルオロフェノールの代わりに 4-(3-ブ テノキシ) -2,3-ジフルオロフェノールを用いて(1 2— 6)と同様の操作を行うことによ り、 2,3-ジフルォ口- 1-(3-ブテノキシ) -4- (トランス、トランス- 4-ビュルビシクロへキシル - 4' -ィル)メトキシベンゼン (7a)を得た。
相転移温度 C 64.5 N 119.5 I
MS m/z: 404 (M"), 55 (100)
JH-NMR (400 MHz, CDC1 )
3
δ: 0.95-1.15 (m, 10H), 1.65-2.00 (m, 10H), 2.50 - 2.60 (m, 2H), 3.76 (d, J= 6.4 H z, 2 H), 4.03 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 4.80 - 5.30 (m, 4 H), 5.79 (ddd, J = 17.2 Hz, J = 10.4 Hz, J = 6.4 Hz, 1 H), 5.83 - 5.95 (m, 1 H), 6.55 - 6.70 (m, 2 H)
[0064] (実施例 8) 2,3-ジフルォロ- 1-(4-ペンテノキシ )-4- (トランス、トランス- 4-ビュルビシ クロへキシル -4, -ィル)メトキシベンゼン (8a)の合成
実施例 1にお 、て、 4-(2-ブテノキシ) -2, 3-ジフルオロフェノールの代わりに 4-(4-ぺ ンテノキシ) -2, 3-ジフルオロフェノールを用いて(1— 2— 6)と同様の操作を行うことに より、 2,3-ジフルォロ- 1-(4-ペンテノキシ )-4- (トランス、トランス- 4-ビュルビシクロへキ
シル -4, -ィル)メトキシベンゼン (8a)を得た。
相転移温度 C 37 (S 36) N 123 I
(Sは、スメクチック相を表す。 )
MS m/z: 418 (M"), 146 (100)
JH-NMR (400 MHz, CDC1 )
3
δ: 0.95 - 1.15 (m, 10 H), 1.65 - 2.00 (m, 12 H), 2.20 - 2.30 (m, 2 H), 3.76 (d, J= 6.4 Hz, 2 H), 3.98 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 4.85 - 5.10 (m, 4 H), 5.77 (ddd, J = 17.2 Hz , J = 10.4 Hz, J = 6.4 Hz, 1 H), 5.75 - 5.90 (m, 1 H), 6.55 - 6.65 (m, 2 H)
(実施例 9) 液晶組成物の調製 (1)
以下の組成からなるホスト液晶組成物 (H)
[化 45]
を調製した。ここで (H)の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 103.2°C
誘電率異方性 (Δ ε): 0.03
屈折率異方性 (Δη): 0.099
粘度 (mPa's): 15.2
この母体液晶 (H)80%と実施例 1で得られた (la)20%からなる液晶組成物 (M- 1)を調 製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 109.6°C
誘電率異方性 (Δ ε): 1.19
屈折率異方性 (Δη): 0.102
粘度 (mPa's): 19.6
本発明の化合物 (la)を含有する液晶組成物 (M-1)は、母体液晶 (H)に比べ、ネマチ
ック相上限温度 (TN-I)は上昇し、誘電率異方性 ( Δ ε )は減少して負の値となった。こ のことから、本発明の化合物は (la)は、高い温度でも安定してネマチック相を発現し、 誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
[0066] (実施例 10) 液晶組成物の調製 (2)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 5で得られた (5a)20%からなる液晶 組成物 (M- 2)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I) : 106.4°C
誘電率異方性 ( Δ ε ) : - 1.14
屈折率異方性 ( Δ η) : 0.100
粘度 (mPa's) : 18.6
本発明の化合物 (2a)を含有する液晶組成物 (M- 2)は、母体液晶 (H)に比べ、ネマチ ック相上限温度 (TN-I)は上昇し、誘電率異方性 ( Δ ε )は減少して負の値となった。こ のことから、本発明の化合物は (2a)は、高い温度でも安定してネマチック相を発現し、 誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
[0067] (実施例 11) 液晶組成物の調製 (3)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 7で得られた (7a)20%からなる液晶 組成物 (M- 3)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I) : 105.4°C
誘電率異方性 ( Δ ε ) : 1.11
屈折率異方性 ( Δ η) : 0.099
粘度 (mPa's) : 18.8
本発明の化合物 (3a)を含有する液晶組成物 (M- 3)は、母体液晶 (H)に比べ、ネマチ ック相上限温度 (TN-I)は上昇し、誘電率異方性 ( Δ ε )は減少して負の値となった。こ のことから、本発明の化合物は (3a)は、高い温度でも安定してネマチック相を発現し、 誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
[0068] (実施例 12) 液晶組成物の調製 (4)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 8で得られた (8a)20%からなる液晶 組成物 (M-4)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 106.6°C
誘電率異方性 (Δ ε): -1.07
屈折率異方性 (Δη): 0.099
粘度 (mPa's): 18.8
本発明の化合物 (8a)を含有する液晶組成物 (M- 8)は、母体液晶 (H)に比べ、ネマチ ック相上限温度 (TN-I)は上昇し、誘電率異方性 (Δ ε )は減少して負の値となった。こ のことから、本発明の化合物は (8a)は、高い温度でも安定してネマチック相を発現し、 誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
[0069] (比較例 1) 液晶組成物の調製 (5)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と特許文献 1記載の化合物(lb) [化 46]
20%からなる液晶組成物 (M- 5)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである ネマチック相上限温度 (TN-I): 112.6°C
誘電率異方性 (Δ ε): -1.20
屈折率異方性 (Δη): 0.099
粘度 (mPa's): 20.4
特許文献 1記載の化合物(lb)を含有する液晶組成物 (M- 5)は、実施例 9から実施 例 12記載の (M-1)から (M-4)と比べ、粘度が高くなつた。このことから、特許文献 1記 載の化合物(lb)は本発明の化合物 (la)、 (5a), (7a)及び (8a)と比べて粘度が高いこと がわカゝる。
[0070] (実施例 13) 液晶組成物の調製 (6)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 2で得られた (2a)20%からなる液晶 組成物 (M- 6)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 75.2°C
誘電率異方性 (Δ ε): 1.33
屈折率異方性 (Δη): 0.094
粘度 (mPa's): 14.3
本発明の化合物 (2a)を含有する液晶組成物 (M-6)は、母体液晶 (H)に比べ、誘電率 異方性 (Δ ε )は大きく減少して負の値となり、粘度も減少した。このことから、本発明 の化合物は (2a)は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きぐかつ極め て低粘度であることがわかる。
[0071] (実施例 14) 液晶組成物の調製 (7)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 3で得られた (3a)20%からなる液晶 組成物 (M- 7)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 73.3°C
誘電率異方性 (Δ ε): 1.18
屈折率異方性 (Δη): 0.092
粘度(mPa's): 15.5
本発明の化合物 (3a)を含有する液晶組成物 (M-7)は、母体液晶 (H)に比べ、誘電率 異方性 (Δ ε )は大きく減少して負の値となり、粘度はほぼ同等の値となった。このこと から、本発明の化合物は (3a)は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大 きぐかつ低粘度であることがわかる。
[0072] (実施例 15) 液晶組成物の調製 (8)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 4で得られた (4a)20%からなる液晶 組成物 (M- 8)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 74.4°C
誘電率異方性 (Δ ε): 1.19
屈折率異方性 (Δη): 0.092
粘度 (mPa's): 15.8
本発明の化合物 (4a)を含有する液晶組成物 (M-8)は、母体液晶 (H)に比べ、誘電率 異方性 (Δ ε )は大きく減少して負の値となり、粘度はほぼ同等の値となった。このこと から、本発明の化合物は (4a)は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大 きぐかつ低粘度であることがわかる。
[0073] (実施例 16) 液晶組成物の調製 (9)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と実施例 6で得られた (6a)20%からなる液晶 組成物 (M- 9)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 78.2°C
誘電率異方性 (Δ ε): 1.39
屈折率異方性 (Δη): 0.097
粘度 (mPa's): 15.4
本発明の化合物 (6a)を含有する液晶組成物 (M-9)は、母体液晶 (H)に比べ、誘電率 異方性 (Δ ε )は大きく減少して負の値となり、粘度はほぼ同等の値となった。このこと から、本発明の化合物は (6a)は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大 きぐかつ低粘度であることがわかる。
[0074] (比較例 2) 液晶組成物の調製 (10)
実施例 9で調製した母体液晶 (H)80%と特許文献 1記載の化合物(2b) [化 47]
20%からなる液晶組成物 (M-10)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りであ る。
ネマチック相上限温度 (TN-I): 77.7°C
誘電率異方性 (Δ ε): -1.34
屈折率異方性 (Δη): 0.092
粘度 (mPa's): 16.6
特許文献 1記載の化合物(2b)を含有する液晶組成物 (M-10)は、実施例 13から実 施例 16記載の (M- 6)力も (M- 9)と比べ、粘度が高くなつた。このことから、特許文献 1 記載の化合物(2b)は本発明の化合物 (2a)、 (3a), (4a)及び (6a)と比べて粘度が高いこ とがわかる。
[0075] (実施例 17) 実施例 1及び 6で製造したィ匕合物を用いて以下の構造で表される液晶 組成物 (No.1)を調整しその物性値を測定した。
[化 48]
(No. 1)の特性は、 Tni:78.9°C、 Δη: 0.074, Δ ε :-4.7、 η :22.1mPa'sであった。 (実施例 18)
以下の構造で表される液晶組成物 (No. 2)を調製しその物性値を測定した。
[化 49]
(No. 2)の特性は、 Tni:79.2°C、 Δη:0.075、 Δ ε :-4.6、 η :22.0mPa'sであった。 (比較例 3)
比較例 3として一般式 (I)で表される化合物を含まな!/、以下の構造で表される液晶 組成物 (R— 1)を調製しその物性値を測定した。
比較例 3の特性は、 Tni:77.5°C、 Δη:0.073、 Δ ε :-4.8、 η :23.5mPa'sであった。 これらの特性を表 1にまとめる。
[表 1]
表 1. 実施例 Π、 18及び比較例 3
No.l Νο.2 -1
(I) <%) 21 39 -
(H) (%) 40 40 40
(III) (%) 39 21 60
TN-I (¾) 78.9 79.2 77.5
Δη 0.074 0.075 0.073
Αε -4.7 -4.6 -4.8
η (mPa-s) 22.1 22.0 23.5
表 1より、 No. 1及び No. 2は R—lとほぼ同等の Δη及び絶対値の大きな負の Δ ε を有するが、 R—1よりも若干高い Tniを有し、低い粘度を有する優れた液晶組成物で あることがわ力る。
(実施例 19)
以下の構造で表される液晶組成物 (No. 3)を調製しその物性値を測定した。
[化 51]
(No. 3)の特性は、 Tni:77.7°C、 Δη:0.075、 Δ ε :-4.7、 η : 18.5mPa'sであった。 (実施例 20)
以下の構造で表される液晶組成物 (No. 4)を調製しその物性値を測定した。
[化 52]
(No. 4)の特性は、 Tni:78.2°C、 Δη:0.075、 Δ ε :-4.6、 η : 18.3mPa'sであった。 (比較例 4、 5及び 6)
比較例 4として一般式 (I)を含まな 、以下の構造で表される液晶組成物 (R— 2)を 調製しその物性値を測定した。
R— 2の特性は、 Tni:76.3 °C、 Δη: 0.074, Δ ε :-4.8、 η :20.0 mPa'sであった。 比較例 5として一般式 (I)で表される化合物含有しな!、以下の構造で表される液 組成物 (R— 3)を調製しその物性値を測定した。
[化 54]
比較例 6として一般式 (I)で表される化合物含有しな!、以下の構造で表される液 組成物 (R—4)を調製しその物性値を測定した。
[化 55]
これらの特性を表 2にまとめる。
[表 2]
表 2 . 実施例 19、 20及び比較例 4、 5、 6
R—2は No. 3及び No. 4における一般式(I)で表される化合物の R2基をアルキル 側鎖に置換したィ匕合物を用いていることに特徴を有する。 No. 3及び No. 4の物性 値を R— 2と比較すると、 R— 2は粘性が高ぐ Tniもやや低いことが分かる。
一方、 R— 3は現在液晶表示素子に多用されている、連結基を持たない負の Δ ε を有する化合物を中心に構成された液晶組成物である。 R— 3は Δ εの絶対値が小
さく粘性も高い。 R— 4は連結基を持たない負の Δ εを有する化合物とアルキル基を 有する一般式 (II)を中心に構成された液晶組成物である力 R—3の欠点にカ卩ぇ Tni も大幅に低下している。
No. 1から No. 4の液晶組成物を用いて、 VA方式液晶表示装置を作製したところ 、表示品位が優れていた。
産業上の利用可能性
本発明の液晶組成物は、 VA方式や ECB方式、 IPS方式等の液晶ディスプレイの 構成部材として非常に実用的である。